JP2004359325A - 液体紙容器用口栓 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の注出位置に超音波シール法により溶着するときに、スパウトとキャップとの封止のための密着部が、超音波の振動エネルギーにより溶着しにくい液体紙容器用口栓を提供する。
【解決手段】液体紙容器20の注出位置に超音波シール法で溶着して突設するスパウト100 と、このスパウトに螺合して装着するキャップ200 とからなり、スパウトが、下端外周面にフランジ140 を周設する環状台座部110 に注出筒120 を立設し、キャップ200 が、天板210 下面にスパウトの注出筒の先端部内周面に外周面を密接するインナー封止リング211 を垂設し、かつ、インナー封止リングの外側の天板下面に、周壁220 上端部内周面からインナー封止リングの上端部外周面に至るスパウトの注出筒の天面に当接する複数個の当接リブ213 を、周方向に等間隔で放射状に設ける。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体紙容器の注出位置に、超音波シール法により内付けで溶着して突設するスパウトとこのスパウトに螺合して装着するキャップとからなる液体紙容器用口栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品や非食品の液体内容物に使用される例えば液体用紙容器には、使用時の使い易さを考慮して、図3に示すように、胴部(21)が四角筒状で、切り妻屋根形の頂部の傾斜板(22)にスパウト(100)とキャップ(200)とからなる口栓(10)を突設した液体用紙容器(20)が、広い用途範囲にわたって使用されていた。この液体紙容器用口栓は、例えば図2(a)に示す従来例1及び(b)に示す従来例2の口栓のように、容器(20)の口栓取付孔(23)から突出して溶着するスパウト(100)の注出筒(120)に、キャップ(200)を螺合して装着したものであるが、流通時の密封性の完全さやバージン性の確保または使用時の易開封性を兼ね備えるために、通常、スパウトの注出筒(120)の内側の下方に封鎖板(130)を設けて封止し、使用時に開口するため、この封鎖板の下面の所定位置に垂直断面逆V字状の環状切込み(131)を設けて上面の開口予定位置に環状薄肉脆弱線(132)を形成し、この環状薄肉脆弱線の内側近傍の上面の所定の一側に、先端にプルリング(134)をもつ支柱(133)を立設したものであり、容器を開封するために口栓を開口するときには、キャップ(200)を螺脱方向へ回転して取り外し、スパウト(100)の注出筒(120)の内側に収容されているプルリング(134)に指先を掛けて上方へ引っ張って、封鎖板(130)の環状薄肉脆弱線(132)を引き裂いて開口していた。なお、開口したスパウトは、使用したのちに、キャップを注出筒に螺着して再封止していた。
【0003】
そして、スパウトとキャップとの封止方法は、図2(a)に示す従来例1の液体紙容器用口栓(10)のように、キャップ(200)の天板(210)下面に、スパウト(100)の注出筒(120)の天面に先端を密接して封止するコンタクト封止リング(212)と、このコンタクト封止リングの内側にスパウトの注出筒の先端部内周面に外周面を密接するインナー封止リング(211)を垂設したものや、図2(b)に示す従来例2の液体紙容器用口栓(10)のように、キャップ(200)の天板(210)下面にスパウト(100)の注出筒(120)の先端部内周面に外周面を密接するインナー封止リング(211)を垂設し、螺着時に周壁(220)の下面をスパウトの環状台座部(110)の上面に密接して係止するものなどがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の液体紙容器用口栓は、図2(a)及び(b)に示すように、容器(20)(2点鎖線で図示)の頂部傾斜板(22)の口栓取付孔(23)に、キャップが螺着するスパウト(100)の注出筒(120)を突出させて、環状台座部(110)の下端外周面に設けたフランジ(140)の上面と容器の頂部傾斜板の内面とを超音波シール法で溶着するときに(内付け)、ホーン(30)(3点鎖線で図示)から発生する超音波の振動エネルギーにより、溶着条件(振幅、時間、圧力、温度)によっては、図2(a)に示す従来例1の口栓(10)では、キャップ(200)のコンタクト封止リング(212)の先端とスパウト(100)の注出筒(120)の天面との密着部(B)やキャップのインナー封止リング(211)の外周面とスパウトの注出筒の先端部内周面との密着部(C)が溶着し易いことがあり、また、図2(b)に示す従来例2の口栓(10)では、キャップ(200)のインナー封止リング(211)の外周面とスパウト(100)の注出筒(120)の先端部内周面との密着部(C)やキャップの周壁(220)の下面とスパウトの環状台座部(110)の上面との密着部(D)が溶着し易いことがあり、溶着するとキャップの螺脱時の開けトルク値が大きくなり開封しにくいことがあった。
【0005】
本発明は、上述の従来の液体紙容器用口栓の問題を解決したものであり、容器の注出位置に超音波シール法により溶着するときに、スパウトとキャップとの封止のための密着部が、超音波の振動エネルギーにより溶着しにくい液体紙容器用口栓を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、液体紙容器の注出位置に超音波シール法で溶着して突設するスパウトと、このスパウトに螺合して装着するキャップとからなり、前記スパウトが、下端外周面にフランジを周設する環状台座部に注出筒を立設し、前記キャップが、天板下面に前記スパウトの注出筒の先端部内周面に外周面を密接するインナー封止リングを垂設し、かつ、このインナー封止リングの外側の前記天板下面に、周壁上端部内周面から前記インナー封止リングの上端部外周面に至る前記スパウトの注出筒の天面に当接する複数個の当接リブを、周方向に等間隔で放射状に設けたことを特徴とする液体紙容器用口栓である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の液体紙容器用口栓(10)は、図1(a)及び図4に示すように、液体紙容器(20)の注出位置に超音波シール法で溶着して突設するスパウト(100)と、このスパウトの注出筒(120)に螺合させて装着するキャップ(200)とから構成され、これら部材は、目的に応じて、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形法で作製されるものである。
【0008】
次に、本発明の液体紙容器用口栓の実施の形態について、図を用いて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の一例の実施形態の液体紙容器用口栓の構造を示す断面図であり、2点鎖線は容器を示し、3点鎖線は超音波シール時のホーンの位置を示し、図1(b)は、そのキャップの底面図である。図3は、一例の口栓付液体紙容器の斜視図である。
【0009】
一実施形態の液体紙容器用口栓のスパウト(100)の構造は、図1(a)及び(b)に示すように、下端外周面にフランジ(140)を周設し上端外周面に複数個(通常、4個)の仮止め突起(112)を周方向へ等間隔に設ける環状台座部(110)の内周縁部上面に、外周面にキャップとの雄ネジ(121)を設ける注出筒(120)を立設し、この注出筒の内側の下方に封鎖板(130)を設けて封止し、この封鎖板の下面の所定位置に垂直断面逆V字状の環状切込み(131)を設けて上面の開口予定位置に環状薄肉脆弱線(132)を形成し、この環状薄肉脆弱線の内側近傍の上面の所定の一側に、先端にプルリング(134)をもつ支柱(133)を立設するものである。そして、キャップ(200)の構造は、天板(210)と周壁(220)とからなり、スパウトの注出筒に螺着したときに、スパウトの注出筒の先端部内周面に外周面を密接するインナー封止リング(211)を天板(210)下面に垂設し、このインナー封止リングの外側の天板下面に、周壁上端部内周面からインナー封止リングの上端部外周面に至るスパウトの注出筒の天面に当接する複数個(通常、8個)の当接リブ(213)(凸状リブ)を周方向に等間隔で放射状に設け、周壁(220)の内周面にスパウトとの雌ネジ(221)を設けるものである。
【0010】
上述のスパウトの注出筒にキャップを螺着した一実施形態の図1(a)に示す液体紙容器用口栓(10)の液体紙容器(20)(2点鎖線で図示)への取り付けは、まず、容器(20)の頂部傾斜板(22)の口栓取付孔(23)に、キャップ(200)を螺着するスパウト(100)の注出筒(120)を突出させて、環状台座部(110)の上端外周面に設けられている仮止め突起(112)(通常、4個)に引っかけて仮止めし、次に、図1(a)に示すように、容器の口栓取付孔の外周縁部上面に、超音波シール装置のホーン(30)(3点鎖線で図示)を圧着して、フランジ(140)の上面と容器の内面とを超音波シール法で溶着するものであるが、本実施形態の口栓は、キャップ(200)のインナー封止リング(211)の外側の天板(210)下面に周方向へ等間隔で放射状に設けられた周壁(220)上端部内周面からインナー封止リング(211)の上端部外周面に至る複数個の当接リブ(213)の下面が、スパウト(100)の注出筒(120)の天面に当接し、キャップのインナー封止リング(211)の外周面とスパウトの注出筒(120)の上端部内周面との密接状態が適正に保たれるものであり、ホーン(30)から発生する超音波の振動エネルギーにより、キャップのインナー封止リングの外周面とスパウトの注出筒の先端部内周面との密着部が強く溶着されることが防げ、また、キャップの天板設けられた当接リブの下面とスパウトの注出筒の天面との接触面積が、比較して極めて小さく、ホーンから発生する超音波の振動エネルギーによりキャップの当接リブの下面とスパウトの注出筒の天面との密着部が強く溶着することが防げる。
【0011】
【発明の効果】
本発明の液体紙容器用口栓は、キャップの天板下面に設けられたインナー封止リングの外周面とスパウトの注出筒の上端部内周面との密接状態が適正に保たれ、また、キャップの天板に設けられた当接リブの下面とスパウトの注出筒の天面との接触面積が比較的に小さいため、フランジの上面と容器の内面とを超音波シール法で溶着するときに、ホーンから発生する超音波の振動エネルギーによりキャップとスパウトとの封止のための密着部が強く溶着することがないので、螺脱時の開けトルク値が適正であり、口栓が開封しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一例の実施形態の液体紙容器用口栓の構造を示す断面図であり、2点鎖線は容器を示し、3点鎖線は超音波シール時のホーンの位置を示し、(b)は、そのキャップの底面図である。
【図2】(a)は、従来例1の液体紙容器用口栓の構造を示す断面図であり、(b)は、従来例2の液体紙容器用口栓の構造を示す断面図である。なお、2点鎖線は容器を示し、3点鎖線は超音波シール時のホーンの位置を示す。
【図3】一例の口栓付液体紙容器の斜視図である。
【符号の説明】
10……口栓
20……容器
21……胴部
22……傾斜板
23……口栓取付孔
30……ホーン
100……スパウト
110……環状台座部
111……凹部
112……仮止め突起
120……注出筒
121……雄ネジ
130……閉鎖板
131……環状切込み
132……環状薄肉脆弱線
133……支柱
134……プルリング
140……フランジ
200……キャップ
210……天板
211……インナー封止リング
212……コンタクト封止リング
213……当接リブ
220……周壁
221……雌ネジ
222……係止凸部
B,C,D……密着部

Claims (1)

  1. 液体紙容器の注出位置に超音波シール法で溶着して突設するスパウトと、該スパウトに螺合して装着するキャップとからなり、前記スパウトが、下端外周面にフランジを周設する環状台座部に注出筒を立設し、前記キャップが、天板下面に前記スパウトの注出筒の先端部内周面に外周面を密接するインナー封止リングを垂設し、かつ、該インナー封止リングの外側の前記天板下面に、周壁上端部内周面から前記インナー封止リングの上端部外周面に至る前記スパウトの注出筒の天面に当接する複数個の当接リブを、周方向に等間隔で放射状に設けたことを特徴とする液体紙容器用口栓。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008013239A (ja) * 2006-07-10 2008-01-24 Toppan Printing Co Ltd 口栓及び該口栓を取り付けた液体用紙容器
JP2014234180A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 株式会社吉野工業所 密閉容器
US11414242B2 (en) * 2017-08-10 2022-08-16 Toppan Printing Co., Ltd. Spout assembly and packaging container having the spout assembly

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