JP2004358148A - 遊技機及びシミュレーションゲームプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることができる。
【解決手段】本発明は、特定領域804を遊技球が通過したことを報知する報知手段(例えば、スピーカ25,液晶表示装置4等)と、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、第1の報知を報知手段に行わせる制御を実行し、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口8の開放動作が終了されるまでに、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる制御を実行するメインCPU31とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明は、特定領域804を遊技球が通過したことを報知する報知手段(例えば、スピーカ25,液晶表示装置4等)と、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、第1の報知を報知手段に行わせる制御を実行し、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口8の開放動作が終了されるまでに、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる制御を実行するメインCPU31とを備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の期間にわたる大入賞口の開閉動作を1ラウンドとし、当該1ラウンド内に大入賞口にある特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして大入賞口の開閉動作を実行する遊技機、及びパソコン上やゲーム機上又はサーバ上で実行されるシミュレーションゲームプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技用の図柄表示装置によって3桁の数字等の図柄をそれぞれ変動させて、その停止態様が特定の図柄の組合せ(例えば7、7、7)である場合には、大入賞口を開成させて大当たり遊技状態を実行するようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
そして、上記パチンコ遊技機は、上記大当たり遊技状態により開放された大入賞口へ入賞した遊技球の数が所定数、例えば10個になると、大入賞口を一旦閉鎖する。この一回の開閉動作をラウンドと言う。ここで、大入賞口へ入賞した10個の遊技球のうち少なくとも一つの遊技球が大入賞口内に設けられた特定領域(Vゾーンとも呼ばれる)を通過したことを検出した場合には、特定領域を遊技球が通過したことを遊技者に報知したうえ、大入賞口が再度開放されて新たなラウンドとなるように構成されている。
【0004】
このように、この種の従来の遊技機においては、特定領域に遊技球が入球したことを遊技者に報知するため、遊技者は、現在のラウンドが終了した場合には次のラウンドにも移行されるという期待感を高めながら遊技を行うことができる。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−139号(第2−7頁、第11図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の遊技機においては、特定領域に遊技球が入球したことを遊技者に知らせるものの、当該特定領域への遊技球の入球が所定のラウンドにおける終了間際か否かを遊技者に知らせていなかった。もし、特定領域への遊技球の入球が所定のラウンドにおける終了間際である場合には、遊技球の狙い所が悪いことを意味する。この場合には、遊技球の狙い所が悪いため、現在のラウンド又は次のラウンドにおいては特定領域に遊技球が入球しないことがある。
【0007】
このことにより、所定のラウンドにおいて遊技球の狙い所の悪い状態が継続された場合には、その状態が報知されないため、現在のラウンド又は次のラウンドにおいて特定領域に遊技球が入球せず、実行されている大当たり遊技状態が終了するという問題が生じていた。
【0008】
このような場合に、遊技球の狙い所の悪い状態が報知されれば、遊技者は、特定領域に遊技球が入球するように発射ハンドルの回転位置を調整し、大当たり遊技状態を途中で終了させないようにすることができる。このため、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知することのできる遊技機の開発が望まれていた。
【0009】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることのできる遊技機及びシミュレーションゲームプログラムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、識別情報の変動表示を実行する変動表示手段(例えば、液晶表示装置4)と、変動表示手段に停止表示される識別情報の表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、遊技球を受け入れない状態から遊技球を受け入れ易い状態となるように大入賞口(例えば、大入賞口8)を開放し、所定の条件の成立又は所定期間の経過に基づいて前記大入賞口を閉鎖する開閉動作を繰り返し行う大入賞口開閉制御手段(例えば、メインCPU31)と、大入賞口の開放により大入賞口にある特定領域を遊技球が通過したことを検出する領域通過検出手段(Vカウントスイッチ804S)とを備え、大入賞口の一回の開閉動作における開放時間を1ラウンドとし、1ラウンド内に特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして大入賞口の開閉動作を実行する遊技機であって、特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段(例えば、スピーカ25,液晶表示装置4,ランプ26など)と、大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過するまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知を報知手段に行わせる制御を実行し、大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開成動作が終了されるまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる制御を実行する報知制御手段(例えば、メインCPU31)とを有することを特徴とする。
【0011】
このような本発明によれば、大入賞口の一回の開閉動作における開放時間を1ラウンドとし、1ラウンド内に特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして大入賞口の開閉動作を実行する遊技機であって、特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段と、大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過するまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知を報知手段に行わせる制御を実行し、大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開放動作が終了されるまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる制御を実行する報知制御手段とが備えられたため、遊技機は、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることができる。
【0012】
すなわち、大入賞口の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、遊技機は、第1の報知として、例えば遊技球の狙い所が良い旨(例えば、通常の効果音等)を遊技者に報知することができる。
【0013】
一方、大入賞口の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開放動作が終了されるまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、遊技機は、第1の報知とは異なる第2の報知として、例えば遊技球の狙い所が悪い旨(例えば、特別の効果音等)を遊技者に報知することができる。
【0014】
また、遊技者が、遊技機からの報知内容を聞くことにより、特定領域に遊技球が入球するように発射ハンドルの回転位置を調整することができるため、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0015】
上記発明においては、報知手段は、音(音声も含む)を出力することにより報知してもよい。また、報知手段は、文字、図形又は色彩を含む装飾情報を画面に表示することにより報知してもよい。更に、第1の報知又は第2の報知は、2種類以上の内容を有してもよい。更に、報知手段は、発光体を点灯させることにより報知してもよい。
【0016】
この場合には、第1の報知又は第2の報知が様々な態様で構成されるため、遊技者は、第1の報知又は第2の報知のいずれかを容易に区別することができ、特定領域に遊技球が入球するように発射ハンドルの回転位置を即座に調整することができる。この結果、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0017】
本発明は、識別情報の変動表示を実行する変動表示手段と、変動表示手段に停止表示される識別情報の表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、遊技球を受け入れない状態から遊技球を受け入れ易い状態となるように大入賞口を開放し、所定の条件の成立又は所定期間の経過に基づいて前記大入賞口を閉鎖する開閉動作を繰り返し行う大入賞口開閉制御手段とを備え、所定の期間にわたる大入賞口の開放処理を1ラウンドとし、該1ラウンド内に前記大入賞口にある特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして大入賞口の開放処理をコンピュータに機能させるシミュレーションゲームプログラムであって、コンピュータを、特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段と、大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、特定領域を遊技球が通過した場合には、第1の報知を報知手段に行わせる処理を実行し、大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開閉動作が終了されるまでに、特定領域を遊技球が通過した場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる処理を実行する報知制御手段とを実行させることを特徴とする。
【0018】
このような本発明によれば、特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段と、大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知を報知手段に行わせる制御を実行し、大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開放動作が終了されるまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる制御を実行する報知制御手段とが備えられたため、コンピュータは、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることができる。
【0019】
なお、上述のシミュレーションゲームプログラムは、音の出力、或は文字、図形又は色彩を含む装飾情報の表示により報知する報知手段を有してもよい。更に、第1の報知又は第2の報知は、2種類以上の内容を有してもよい。この場合には、第1の報知又は第2の報知が様々な態様で構成されるため、遊技者は、第1の報知又は第2の報知のいずれかを容易に区別することができ、特定領域に遊技球が入球するように発射ハンドルの回転位置を即座に調整することができる。この結果、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0020】
ここで、上述のコンピュータは、サーバ(例えば、サーバ100)などに記憶されているシミュレーションゲームプログラムの実行によって、画面上において仮想的な遊技(以下、擬似遊技)を行うものである。すなわち、当該コンピュータは、インターネット網や衛星通信回線網(通信回線網120)を介してサーバに接続し、サーバによって実行されるシミュレーションゲームプログラムに基づいて、擬似遊技における様々な表示態様をその画面上に表示する。
【0021】
また、当該コンピュータは、インターネット網や衛星通信回線網を介してサーバからダウンロードしたシミュレーションプログラムを実行し、サーバに依存することなく、擬似遊技における様々な表示態様をその画面上に表示するように構成されていてもよい。更に、コンピュータは、ROMカートリッジやCD−ROMやDVD−ROMなどに記憶されているシミュレーションプログラムを実行するように構成されていてもよい。
【0022】
なお、シミュレーションゲームプログラムは、携帯ゲームなどの携帯端末(携帯端末130)に記憶され、当該携帯端末によって実行されてもよい。ここで、携帯端末は、擬似遊技における様々な表示態様をその画面上に表示する。
【0023】
なお、報知制御手段は、2種類以上の内容の中から、外部からの操作指示に応じて1種類の内容を設定してもよい。また、報知手段は、2種類以上の内容を順次行うことにより報知してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本実施形態における遊技機の構成)
以下において、本実施形態における遊技機10の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における遊技機10の概観図である。
【0025】
図1に示すように、遊技機10は、遊技場に遊技機10を設置するために設けられている外枠1と、外枠1の内側に開閉可能に設けられている前枠2と、外枠1に組み込まれた遊技盤3と、払い出された遊技球を受け入れる上皿21と、上皿21に入りきらない遊技球を受け入れる下皿23と、回転操作されることにより遊技盤3上の遊技領域に遊技球を発射するように構成された発射ハンドル24と、所定の遊技状態、又は特定領域804に遊技球が通過したことを遊技者に所定の効果音若しくは音で報知するスピーカ25L及び25R(報知手段)と、所定の賞球を報知するランプや玉切れ等のエラーを表示するランプ26a乃至26cとを具備する。
【0026】
なお、所定の遊技状態とは、所定の設定に基づいて始動口6を開閉するように制御された当り遊技状態、所定の設定に基づいて大入賞口8を開閉するように制御された大当り遊技状態などの状態である。
【0027】
遊技盤3上の遊技領域には、液晶表示装置4と、普通図柄表示装置5a及び5bと、始動口6と、普通図柄作動ゲート7と、大入賞口8と、アウト口9と、普通図柄始動記憶ランプ12と、特別図柄始動記憶ランプ14と、一般入賞口16乃至19とが具備されている。
【0028】
普通図柄表示装置5a及び5bには、遊技球が普通図柄作動ゲート7に入球した際に記憶される普通図柄始動記憶に基づいて、普通図柄が変動表示される。始動口6は、当該始動口6に遊技球が入球すると大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値などが抽出されるように構成されている。普通図柄作動ゲート7は、当該普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過すると当り判定用の乱数値などが抽出されるように構成されている。
【0029】
アウト口9は、始動口6や大入賞口8や一般入賞口16乃至19などのいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れる。普通図柄始動記憶ランプ12は、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過した際に記憶される普通図柄始動記憶の数を表示する。一般入賞口16乃至19は、当該一般入賞口16乃至19に遊技球が入球すると所定数(例えば、15個)の遊技球(賞球)が払い出されるように構成されている。
【0030】
液晶表示装置4は、遊技領域に設けられた始動口6を遊技球が通過したことを条件に、識別情報(例えば、1又は複数の図柄を含む特別図柄)の変動表示を行うものである。液晶表示装置4は、特定領域804に遊技球が通過したことを遊技者に所定の表示態様を表示することにより報知する報知手段である(この報知については後述する)。なお、ランプが発光体を点灯させることにより報知してもよい。
【0031】
この液晶表示装置4には、遊技球が始動口6に入球した際に抽出される大当り判定用の乱数値などに基づいて、特別図柄の変動表示や、それに伴なう演出表示が行われる。また、液晶表示装置4には、特別図柄の変動表示が終了すると、特別図柄が所定の組合せの停止態様で表示される。
【0032】
具体的に液晶表示装置4には、「左・中・右」などに区切られた領域にそれぞれ「0」〜「9」までの数字などからなる特別図柄が変動表示される。この特別図柄の変動表示が終了すると、特別図柄が所定の組合せの停止態様で表示される。なお、液晶表示装置4には、所定の動作を行う所定のキャラクターが演出表示されてもよい。
【0033】
また、液晶表示装置4には、図4に示すように、大当たり判定がなされた場合には、大当たりの確定図柄を示す所定の賞態様(例えば、図4中の右上の”3”(3−3−3の大当たり図柄を示す)と、所定の期間にわたる大入賞口8の開放動作が所定のラウンド数行われ、そのラウンドの回数を示すラウンド情報(例えば、図4中の中央下の”Round1(1回目のラウンドを示す)”)と、後述する特定領域804を遊技球が通過したことを示すV入賞(例えば、図4中の左下の”V”)と、所定のラウンドにおいて大入賞口8に入球した遊技球の数を示す入賞数情報(例えば、図4中の右下の”0”(Round1において大入賞口8に遊技球が入球されていないことを示す))とが含まれている。
【0034】
特別図柄始動記憶ランプ14は、大当り判定を行う契機となる始動記憶の数を表示する始動記憶数表示手段である。なお、始動記憶は、遊技球が始動口6に入球した際(始動入賞した際)に抽出される大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値などを含むものである。
【0035】
ここで、メインRAM33は、始動入賞球スイッチ6Sで遊技球が検出されたが、始動入賞球スイッチ6Sによる遊技球の検出に対応する特別図柄の変動表示を実行することができないときに、当該特別図柄の変動表示を実行することができる状態となるまで、当該始動入賞球スイッチ6Sに対応する始動口6への遊技球の通過があったことを上記始動記憶として記憶する始動記憶手段である。
【0036】
具体的に、上記特別図柄始動記憶ランプ14は、CPU31からのコマンドに基づいて、例えば1個の始動記憶に対応するランプを点灯表示する。なお、特別図柄始動記憶ランプ14は、5個の始動記憶に対応するランプ及び10個の始動記憶に対応するランプなどにより、点灯表示してもよい。
【0037】
大入賞口8は、大当り判定用の乱数値に基づく大当り判定の結果に応じ、所定の設定に従って開閉するように制御されている。この大入賞口8は、いわゆるアタッカと称される入賞口であり、図3(a)に示すように、大入賞口8の前面には、遊技球を受け入れない状態と遊技球を受け入れ易い状態との間で切換可能な蓋体801を設けている。
【0038】
また、大入賞口8の内部には、図3(b)に示すように、蓋体801の開閉を所定回数だけ継続させるための遊技球を受け入れる特定領域804(いわゆるVゾーン)と、それ以外の遊技球を受け入れる一般領域803とが左右に離隔して設けられている。これらの一般領域803及び特定領域804には、領域を遊技球が通過したことを検出すると共に当該領域を通過した遊技球を計数するカウントスイッチ803S及びVカウントスイッチ804Sがそれぞれ設けられている。
【0039】
更に、カウントスイッチ803SとVカウントスイッチ804Sとの間には、シーソー状に動作して、遊技球の流下方向を切り換えるための流下方向切換部材802が設けられている。この流下方向切換部材802は、シーソーソレノイド8bが動作することにより流下方向が切り替わる。
【0040】
この流下方向切換部材802は、図3(b)に示すように、蓋体801が開いた当初は遊技球がVカウントスイッチ804S側に流下するように切り換えられる。一方、流下方向切換部材802は、図3(c)に示すように、一旦、遊技球がVカウントスイッチ804Sを通過すると、傾き方向が変化して遊技球がカウントスイッチ803S側に流下するように切り換えられる。
【0041】
主制御回路30は、メインCPU31と、メインROM32と、メインRAM33と、リセット用クロックパルス発生回路34と、初期リセット回路35と、シリアル通信用IC36とを具備する。
【0042】
また、主制御回路30には、大入賞口8に具備される一般領域803を遊技球が通過したことを検出すると共に一般領域803を通過した遊技球を計数するカウントスイッチ803Sと、大入賞口8に具備される特定領域804を遊技球が通過したことを検出すると共に特定領域804を通過した遊技球を計数するVカウントスイッチ804S(領域通過検出手段)と、一般入賞口16乃至19に遊技球が入球したことを検出する一般入賞球スイッチ16S乃至19Sと、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過したことを検出する通過球スイッチ7Sと、始動口6に遊技球が入球したことを検出する始動入賞球スイッチ6Sと、始動口6の羽根を開閉する始動口ソレノイド6aと、大入賞口8の蓋体801を開閉する大入賞口ソレノイド8aと、大入賞口8に入球した遊技球を特定領域804と一般領域803とに振り分ける流下方向切換部材802と、遊技盤3上の遊技領域に遊技球を発射する制御又は所定数の遊技球を払い出す制御を行う払出・発射制御回路80とが接続されている。
【0043】
メインCPU31は、始動口6に遊技球が入球したことを始動入賞球スイッチ6Sが検出すると、大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値を抽出し、当該大当り判定用の乱数値及び当該大当り図柄決定用の乱数値を含む始動記憶をメインRAM33に記憶する。
【0044】
メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている始動記憶の数を、特別図柄始動記憶ランプ14で表示するように指示するコマンドを生成する。具体的に、メインCPU31は、例えばメインRAM33に3個目の始動記憶が記憶された場合には、特別図柄始動記憶ランプ14における3個目のランプを表示するように指示するコマンドを生成する。
【0045】
メインCPU31は、メインRAM33に始動記憶が記憶されている場合には、当該始動記憶に基づく大当り判定を判定テーブル(図示せず)を参照して実行する。具体的には、メインCPU31は、始動記憶に含まれている大当り判定用の乱数値が、判定テーブル中の大当り判定値と一致した場合に、大当り遊技状態に移行すると判定する。
【0046】
また、メインCPU31は、始動記憶に基づく大当り判定を行うと、当該始動記憶に基づいて液晶表示装置4に特別図柄を変動表示するように指示するコマンドを生成する。具体的には、メインCPU31は、始動記憶に基づく大当り判定の結果に基づいて特別図柄の変動パターン(演出内容)を決定し、当該始動記憶に含まれる大当り図柄決定用の乱数値に基づいて特別図柄を所定の組み合わせの停止態様となるように決定する(例えば、777等)。更に、メインCPU31は、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の停止態様を指示するコマンドを生成する。
【0047】
メインCPU31は、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過したことを通過球スイッチ7Sが検出すると当り判定用の乱数値を抽出し、当該当り判定用の乱数値を含む普通図柄始動記憶をメインRAM33に記憶する。また、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている普通図柄始動記憶の数を普通図柄始動記憶ランプ12に表示するように指示するコマンドを生成する。なお、本実施形態において、メインRAM33に記憶可能な普通図柄始動記憶の数は4個であるが、4個に限定されるものではない。
【0048】
また、メインCPU31は、普通図柄始動記憶に含まれる当り判定用の乱数値に基づいて当り判定を行い、当該当り判定の結果に応じて、普通図柄表示装置5a及び5bに普通図柄を変動表示するように指示するコマンドを生成する。更に、メインCPU31は、当り遊技状態に移行すると判定すると、所定の設定に従って始動口6の羽根を開閉するように始動口ソレノイド6aを駆動させる。
【0049】
メインCPU31は、液晶表示装置4に停止表示される結果が所定の賞態様(例えば、”3−3−3”等)を構成した場合に、所定の条件の下で所定の期間にわたって、遊技球を受け入れない状態(蓋体801が閉じた状態)から遊技球を受け入れ易い状態(蓋体801が開いた状態)となるように大入賞口8を開放する制御を実行する大入賞口開閉制御手段である。すなわち、メインCPU31は、当該所定の期間にわたる大入賞口8の開放動作を1ラウンドとし、当該1ラウンド内に特定領域804を遊技球が通過したことを条件として次のラウンドまで大入賞口8の開放動作を実行するものである。
【0050】
具体的には、メインCPU31は、大当り遊技状態に移行すると判定すると蓋体801を開状態にするように大入賞口ソレノイド8aを駆動させて、所定の期間(例えば、29.5秒)が経過するか、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球すると、蓋体801を閉状態にするように大入賞口ソレノイド8aの駆動を停止させる。また、メインCPU31は、特定領域(Vゾーン)に遊技球が1球でも入球すると、所定のラウンド回数(例えば、15回)を限度として蓋体801の開閉を繰り返すように制御を実行する。
【0051】
メインCPU31は、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、第1の報知をスピーカ25L,25R、ランプ又は液晶表示装置4に行わせる制御を実行し、大入賞口8の開放動作を実行させてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口8の開放動作を終了させるまでの間に、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知をスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる制御を実行する報知制御手段である。なお、大入賞口8開放動作が行われてから大入賞口8の開放動作が終了するまでの間(所定の期間,1ラウンド)は、上記所定の基準時間よりも長いものとする。
【0052】
具体的には、メインCPU31は、例えば、蓋体801を開状態にしてから10秒(基準時間)以内に、特定領域804に遊技球が入球したことをVカウントスイッチ804Sが検出すると、第1の報知をスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる制御を実行する。一方、メインCPU31は、例えば、蓋体801を開状態にしてから10秒(基準時間)を経過した後、蓋体801を閉状態にするまでの間に、特定領域804に遊技球が入球したことをVカウントスイッチ804Sが検出すると、第2の報知をスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる制御を実行する。
【0053】
ここで、第1の報知及び第2の報知のそれぞれは、本実施形態では、効果音として2種類以上の内容を備えている。例えば、1種類目として、第1の報知として用いる効果音は、第2の報知で用いる効果音よりも低い音程とし、第2の報知として用いる効果音は、第1の報知で用いる効果音より高い音程とする。2種類目として、第1の報知として用いる効果音は、第2の報知で用いる効果音よりも高い音程とし、第2の報知として用いる効果音は、第1の報知で用いる効果音よりも低い音程とする。
【0054】
3種類目として、第1の報知として用いる効果音は、第2の報知による報知時間よりも短くし、第2の報知として用いる効果音は、第1の報知による報知時間よりも長くする。4種類目として、第2の報知のみ、「狙い所が悪いので注意して下さい」等の音声とする。なお、第1の報知及び第2の報知は、上記各効果音に限定されるものではなく、他の種類の効果音であっても良い。
【0055】
また、第1の報知及び第2の報知のそれぞれは、所定の表示態様として2種類以上の内容を備えてもよい。この表示態様には、文字、図形又は色彩を含む装飾情報からなる。メインCPU31は、上述した説明と同様に、上記第1の報知又は上記第2の報知を液晶表示装置4に行わせる制御を実行する。
【0056】
1種類目として、第1の報知として用いる表示態様は、特定領域804に遊技球が通過したことを示すV入賞を、第2の報知における表示態様よりも大きく表示し(図4(a)の左下の”V”を参照)、第2の報知として用いる表示態様は、上記V入賞を、第1の報知における表示態様よりも小さく表示する(図4(b)の左下の”V”を参照)。
【0057】
2種類目として、第1の報知として用いる表示態様は、上記V入賞を第2の報知で用いられる色彩(例えば、”V”の色彩が赤)とは異なる色彩(例えば、”V”の色彩が青)で表示し、第2の報知として用いる表示態様は、上記V入賞を第1の報知で用いられる色彩(例えば、”V”の色彩が青)とは異なる色彩(例えば、”V”の色彩が赤)で表示する。3種類目として、第2の報知のみ、「狙い所が悪いですので注意してください」等の文字として表示する。なお、第1の報知及び第2の報知は、上記各表示態様に限定されるものではなく、他の種類の表示態様であっても良い。
【0058】
なお、メインCPU31は、大当り判定用の乱数を所定の周期(例えば、2msec)で更新するなど、上述の処理以外の遊技機10における各処理も制御するものとする。
【0059】
メインROM32は、大当たり判定を行うための判定テーブルを記憶している。また、メインROM32は、主制御回路30における各処理を制御するためのプログラムなどを記憶している。
【0060】
メインRAM33は、大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値を含む始動記憶を記憶している。また、メインRAM33は、DRAMなどにより構成され、普通図柄始動記憶をも記憶している。更に、メインRAM33には、遊技機10の主電源がOFFの状態であっても、コンデンサなどから常に電力が供給されている。
【0061】
リセット用クロックパルス発生回路34は、後述するシステムタイマ割込処理を実行させるための割込信号を所定時間(例えば、2msec)毎に発生する。また、初期リセット回路35は、電源が投入されたときに遊技機10の各種設定を初期値に戻すための信号を発生する。また、シリアル通信用IC36は、メインCPU31により生成された各コマンドを副制御回路40に送信する。
【0062】
副制御回路40は、遊技機10の各種演出など制御するものであり、サブCPU41と、サブROM42と、サブRAM43と、画像処理回路45と、音処理回路46と、ランプ処理回路47とを具備する。
【0063】
サブCPU41は、主制御回路30から受信した各種コマンドに応じて、画像処理回路45及び音処理回路46及びランプ処理回路47を制御する。サブROM42は、副制御回路40における各処理を制御するためのプログラムを記憶している。また、サブRAM43は、主制御回路30から受信した各種コマンドを記憶する。
【0064】
画像処理回路45は、サブCPU41からのコマンドに応じて、液晶表示装置4に特別図柄(演出内容)、装飾情報等を変動表示するものであり、各種画像データを記憶する画像データROM54と、画像データROM54に記憶されている画像データに基づいて特別図柄の変動表示情報を生成するVDP(VideoDisplay Processor)51と、VDP51により生成された変動表示情報をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ52と、電源投入時や異常時に各種設定を初期値に戻す初期リセット回路53とを具備する。
【0065】
音処理回路46は、サブCPU41からのコマンドに応じて、所定の遊技状態を遊技者に報知する効果音や音声などをスピーカ25L及び25Rから出力させるものであり、各種音データを記憶する音データROM63と、音データROM63に記憶されている音データに基づいて出力音情報を生成する音源IC61と、音源IC61により生成された出力音情報を増幅するAMP62とを具備する。
【0066】
ランプ処理回路47は、サブCPU41からのコマンドに応じて、特別図柄始動記憶ランプ14に始動記憶の数を点灯表示し、所定の賞球等を遊技者に報知するランプ26a乃至26cや普通図柄始動記憶ランプ12を点灯・消灯させるとともに、普通図柄表示装置5a及び5bにおける普通図柄の変動表示を制御するものであり、ランプ26a乃至26cの点灯・消灯パターンを記憶する装飾データROM71と、ランプ26a乃至26cを点灯・消灯させるドライブ回路72とを具備する。
【0067】
払出・発射制御回路80は、一般入賞口16乃至19及び大入賞口8などに遊技球が入球した際に、所定数の遊技球(賞球)を払い出す払出装置81を制御し、遊技盤3上の遊技領域に遊技球を発射する発射装置82を制御する。
【0068】
なお、遊技機10における各処理は、主制御回路30と副制御回路40とにより制御されているが、主制御回路30は、副制御回路40により制御される処理の全部又は一部を処理してもよく、副制御回路40は、主制御回路30により制御される処理の全部又は一部を処理してもよい。
【0069】
(本実施形態における遊技機の動作)
以下において、本実施形態における遊技機10の動作について、図面を参照しながら説明する。最初に、本実施形態における遊技機10のメイン処理に所定の間隔(例えば、2msec)で割り込むシステム割込処理について説明する。図5(a)は、システムタイマ割込処理を示すフロー図である。
【0070】
図5(a)に示すように、ステップ100において、メインCPU31は、レジスタに格納されている情報を退避させる。ステップ110において、メインCPU31は、当り判定用の乱数及び大当り判定用の乱数及び大当り図柄決定用の乱数などの値を更新する。
【0071】
ステップ120において、メインCPU31は、始動入賞球スイッチ6S及び通過球スイッチ7S及び一般入賞球スイッチ16S乃至19S及びカウントスイッチ803S及びVカウントスイッチ804Sなどにより入力された入力信号を検出する。具体的には、図6に示すように、ステップ121において、メインCPU31は、所定の入賞口に遊技球が入球した際に入力される入力信号の有無を確認する。
【0072】
ステップ122において、メインCPU31は、特別図柄に関連する入力信号の有無を確認する。具体的には、図7に示すように、ステップ122−1において、メインCPU31は、大入賞口8内の一般領域803に遊技球が入球した際にカウントスイッチ803Sにより入力される入力信号の有無を確認する。
【0073】
ステップ122−2において、メインCPU31は、大入賞口8内の特定領域804(Vゾーン)に遊技球が入球した際にVカウントスイッチ804Sにより入力される入力信号の有無を確認する。ステップ122−3において、メインCPU31は、始動口6に遊技球が入球した際に始動入賞球スイッチ6Sにより入力される入力信号の有無を確認する。なお、メインCPU31は、始動入賞球スイッチ6Sにより入力信号が入力されていない場合には始動口SWチェック処理を終了する。
【0074】
ステップ123において、メインCPU31は、普通図柄に関連する入力信号の有無を確認する。具体的には、メインCPU31は、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過した際に通過球スイッチ7Sにより入力される入力信号の有無を確認する。
【0075】
ステップ130において、メインCPU31は、変動表示されている普通図柄や特別図柄の残り変動表示時間、開状態にある始動口6や大入賞口8の残り開放時間、前段の処理が終了するまでの待ち時間などを更新する。
【0076】
ステップ140において、メインCPU31は、賞球として払い出された遊技球の数や大当りが発生した回数などの遊技情報を、遊技場に設置されているホールコンピュータに送信する情報を生成する。ステップ150において、メインCPU31は、始動口ソレノイド6aや大入賞口ソレノイド8aやシーソーソレノイド8bを駆動する制御を行う。
【0077】
ステップ160において、メインCPU31は、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の停止態様などを指示するコマンドを副制御回路40に出力する。また、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている始動記憶の数を表示するように指示するコマンドを副制御回路40に送信する。さらに、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている普通図柄始動記憶の数を普通図柄始動記憶ランプ12に表示するように指示するコマンドを副制御回路40に送信する。
【0078】
ステップ170において、メインCPU31は、玉切れや下皿満タンなどのエラーを所定のランプに表示するように指示するコマンドなどを送信する。ステップ180において、メインCPU31は、遊技球が入球した入賞口の種類(一般入賞口16乃至19や大入賞口8など)に応じて、所定の遊技球(賞球)を払い出すように指示するコマンドを払出・発射制御回路80に送信する。ステップ190において、メインCPU31は、ステップ100で退避した情報をレジスタに復帰させる。ステップ200において、メインCPU31は、次の割り込みを許可する処理を実行する。
【0079】
次に、本実施形態における遊技機10のメイン処理について説明する。図5(b)は、遊技機10のメイン処理を示すフロー図である。
【0080】
図5(b)に示すように、ステップ10において、メインCPU31は、遊技機10における各種設定を、前回電源を切った際の設定に復帰するか、若しくは初期化する。ステップ20において、メインCPU31は、特別図柄に関する各処理を制御する。具体的には、図8に示すように、ステップ200において、メインCPU31は、始動記憶がメインRAM33に記憶されているか否かを確認する。
【0081】
ここで、メインCPU31は、始動記憶がメインRAM33に記憶されていない場合には、ステップ205の処理に移り、始動記憶がメインRAM33に記憶されている場合には、ステップ210の処理に移る。ステップ205において、メインCPU31は、所定のデモンストレーション映像を液晶表示装置4に表示するように指示するコマンドを生成する。
【0082】
ステップ210において、メインCPU31は、始動記憶に基づいて大当り判定を行う。具体的には、メインCPU31は、始動記憶に基づく大当り判定を行う場合には、当該始動記憶に含まれる大当り判定用の乱数値が、判定テーブル中の大当り判定値に一致したときに、大当り遊技状態に移行すると判定する。
【0083】
このメインCPU31は、大当り遊技状態に移行すると判定した場合にはステップ215の処理に移り、大当り遊技状態に移行しないと判定した場合にはステップ230の処理に移行する。ステップ215において、メインCPU31は、大当り判定に用いられた始動記憶に含まれる大当り図柄決定用の乱数値に基づいて、特別図柄の当り停止図柄を決定する。ステップ220において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいて特別図柄の変動パターン(演出内容)を決定する。
【0084】
ステップ230において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいて特別図柄の外れ停止図柄を決定する。ステップ235において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいてリーチ演出を行うか否か決定し、リーチ演出を行わない場合にはステップ240の処理に移り、リーチ演出を行う場合にはステップ245の処理に移る。
【0085】
ステップ240において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいてリーチ演出のない特別図柄の変動パターンを決定する。ステップ245において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいてリーチ演出のある特別図柄の変動パターンを決定する。
【0086】
ステップ250において、メインCPU31は、ステップ215乃至ステップ245で決定した特別図柄の変動パターン及び特別図柄の停止態様を指示するコマンドを生成する。ステップ255において、メインCPU31は、ステップ250で生成されたコマンドをシリアル通信用IC36の所定のバッファにセットする。
【0087】
ステップ260において、メインCPU31は、大当り判定の結果を確認する。ここで、メインCPU31は、大当り遊技状態に移行すると判定するとステップ265の処理に移り、大当り遊技状態に移行しないと判定するとステップ280の処理に移る。
【0088】
ステップ265において、メインCPU31は、大当り遊技状態に移行したことを、大当たりファンファーレ音及び祝福の画像及びランプにより報知する制御を実行する。ステップ270において、メインCPU31は、大入賞口8にある蓋体801が開状態となるように大入賞口ソレノイド8aを駆動させる。
【0089】
ステップ271において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球したことを報知する報知処理を実行する。具体的には、図9に示すように、ステップ271−1において、メインCPU31は、Vカウントスイッチからの入力信号により特定領域804に遊技球が入球したか否かを確認する(V入賞の有無)。
【0090】
このメインCPU31は、Vカウントスイッチから入力信号が入力された場合には、特定領域804に遊技球が入球したと判断(V入賞有り)し、ステップ271−2の処理に移る。一方、Vカウントスイッチから入力信号が入力されない場合には、特定領域804に遊技球が入球していないと判断(V入賞無し)し、報知処理を終了させる。
【0091】
ステップ271−2の処理において、メインCPU31は、特定領域804に入球した遊技球が1個目であるか否かを確認する。このメインCPU31は、特定領域804に入球した遊技球が1個目である場合にはステップ271−3の処理に移る。一方、メインCPU31は、特定領域804に入球した遊技球が1個目でない場合には報知処理を終了させる。
【0092】
ステップ271−3の処理において、メインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の基準時間以内に、特定領域804に遊技球が入球したか否かを確認する。このメインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の基準時間(例えば、10s)以内に、特定領域804に遊技球が入球した場合には、ステップ271−4の処理に移行する。
【0093】
一方、メインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の基準時間(例えば、10s)を経過した後、蓋体801を閉状態にするまでの間(例えば、29.5s)に、特定領域804に遊技球が入球した場合には、ステップ271−5の処理に移行する。
【0094】
ステップ271−4において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球したこと(V入賞有り)の報知を第1の報知としてスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる(通常報知処理)。ステップ271−5において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球したこと(V入賞有り)の報知を第2の報知としてスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる(特別報知処理)。なお、第1の報知及び第2の報知については上記で詳述したので、ここでの詳細は省略する。
【0095】
ステップ272において、メインCPU31は、開状態にされた蓋体801の内側に、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球したか否かを確認する。このメインCPU31は、開状態にされた蓋体801の内側に、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球した場合には、ステップ274の処理に移る。一方、メインCPU31は、開状態にされた蓋体801の内側に、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球していない場合には、ステップ273の処理に移る。
【0096】
ステップ273において、メインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の期間(例えば、29.5s)が経過したか否かを確認する。このメインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の期間(例えば、29.5s)が経過していない場合にはステップ272からの処理を繰り返す。一方、メインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の期間(例えば、29.5s)が経過した場合にはステップ274の処理に移る。ステップ274において、メインCPU31は、メインCPU31は、蓋体801が閉状態となるように大入賞口ソレノイド8aを駆動させる。
【0097】
ステップ275において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球したか否か(V入賞の有無)を確認する。このメインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球していない場合(V入賞無し)にはステップ280の処理に移る。一方、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球している場合(V入賞有り)にはステップ276の処理に移る。
【0098】
ステップ276において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が1球でも入球した場合(V入賞有り)には、蓋体801の開動作の回数が所定のラウンド数(例えば、15回)に到達しているか否かを確認する。このメインCPU31は、蓋体801の開動作の回数が所定のラウンド数に到達していない場合には、ステップ271からの処理を繰り返す。すなわち、メインCPU31は、所定のラウンド数(例えば、15回)を限度として大入賞口8にある蓋体801の開閉を繰り返すように制御を行う。
【0099】
一方、メインCPU31は、蓋体801の開動作の回数が最大回数に到達している場合には、ステップ280の処理に移る。ステップ280において、メインCPU31は、始動記憶に基づいて大当り判定などが行われた場合には、現在の始動記憶の数から1を減算するとともに、当該始動記憶をメインRAM33から削除する。
【0100】
ステップ30において、メインCPU31は、普通図柄の制御に関する処理を行う。具体的には、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている普通図柄始動記憶に含まれる当り判定用の乱数値に基づいて当り判定を行い、当該当り判定の結果に基づいて、普通図柄表示装置5a及び5bに普通図柄を変動表示するように指示するコマンドを生成する。また、メインCPU31は、当り遊技状態に移行すると判定すると、所定の設定に従って始動口6を開閉するように始動口ソレノイド6aを駆動する。
【0101】
ステップ40において、メインCPU31は、ステップ110で更新される当り判定用の乱数及び大当り判定用の乱数などを除く乱数(例えば、特別図柄の変動パターンを決定するための乱数など)の値を更新する。ここで、メインCPU31は、上述のステップ20からステップ40までの処理を繰り返し行う。
【0102】
(本実施形態における遊技機の作用及び効果)
本願に係る発明によれば、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、メインCPU31及びスピーカ25(又は液晶表示装置4)は、第1の報知として、例えば遊技球の狙い所が良い旨(例えば、通常の効果音等)を遊技者に報知することができる。
【0103】
一方、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口8の開放動作が終了されるまでの間に、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、メインCPU31及びスピーカ25(又は液晶表示装置4)は、第1の報知とは異なる第2の報知として、例えば遊技球の狙い所が悪い旨(例えば、特別の効果音等)を遊技者に報知することができる。
【0104】
また、遊技者が、遊技機からの報知内容を聞くことにより、大入賞口8にある特定領域804に遊技球が入球するように発射ハンドル24の回転位置を調整することができるため、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0105】
更に、メインCPU31及びスピーカ25(又は液晶表示装置4)が、音又は音声の出力、或は文字、図形又は色彩を含む装飾情報の表示等により報知するため、遊技者は、第1の報知又は第2の報知のいずれかを容易に区別することができ、特定領域804に遊技球が入球するように発射ハンドル24の回転位置を即座に調整することができる。この結果、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0106】
(第一変更例)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に示す変更を加えることができる。メインCPU31は、所定のタイミングによって、第1の報知又は第2の報知のいずれかを構成する効果音の報知時間を変更しても良い。ここで、所定のタイミングとは、本変更例では、大入賞口8の開放動作が実行されてから特定領域804に遊技球が入球されるまでの時間を意味する。
【0107】
具体的には、大入賞口8の開放動作が実行されてから特定領域804に遊技球が入球されるまでの時間が1Sである場合には、メインCPU31は、例えば第2の報知を構成する効果音の報知時間を、第1の報知の報知時間よりも短く(又は長く)設定する。
【0108】
また、メインCPU31は、実施例で示した2種類以上(報知の複数種類)の中から、外部からの操作指示(又は特定領域に遊技球が入球するタイミング)に応じて一の種類の内容を設定してもよい。このタイミングとは、大入賞口8の開放動作が実行されてから特定領域804に遊技球が入球されるまでの時間を意味する。また、メインCPU31は、2種類以上の内容を順次行うことにより報知してもよい。
【0109】
この変更例によれば、メインCPU31が、特定領域804に遊技球が入球するタイミング等によって、第1の報知又は第2の報知の内容を変更するため、遊技者は、報知の種類を容易に区別することができ、特定領域804に遊技球が所定の期間内に余裕をもって入球したか否かを簡単に確認することができる。
【0110】
これにより、所定の期間が経過する間際に、特定領域804に遊技球が入球し、通常とは異なる報知がされた場合には、遊技者は、遊技球の流下方向が特定領域804に入り易くなるように発射ハンドル24の回転位置を調整することができる。この結果、1ラウンド内において特定領域804を遊技球が通過する確率が高まるため、遊技者は、途中のラウンドで大当たり遊技が終了される可能性を低減させることができる。
【0111】
(第二変更例)
本変更例において、パーソナルコンピュータなどの端末は、サーバなどに記憶されているシミュレーションゲームプログラムの実行によって、上述の遊技機10における遊技(パチンコ)をその画面上において再現する(擬似遊技)。
【0112】
以下において、端末の画面上に擬似遊技を表示し、当該擬似遊技を実行する方法について、図面を参照しながら説明する。また、以下においては、上述の実施形態との差異のみを説明するものとする。
【0113】
図10(a)は、端末110の画面上に擬似遊技を表示し、当該擬似遊技を実行する方法を説明するための図である。また、図10(b)は、本変更例における端末110を示す概観図である。
【0114】
図11(a)に示すように、サーバ100と端末110aとはLANを介して接続され、サーバ100と端末110bとは通信回線網120を介して接続されている。サーバ100は、端末110の画面111上において擬似遊技を行うためのシミュレーションゲームプログラムを記憶している。
【0115】
なお、シミュレーションゲームプログラムには、特別図柄制御処理(ステップ20)や普通図柄制御処理(ステップ30)などを含むメイン処理を実行するためのプログラム、乱数更新処理(ステップ110)やスイッチ入力検出処理(ステップ120)などを含むシステムタイマ割込処理を実行するためのプログラム、擬似遊技における様々な表示態様を端末110の画面111上に表示するためのプログラムなどが含まれている。
【0116】
ここで、擬似遊技の表示態様とは、遊技機の遊技領域、所定の入賞口、当該遊技領域における遊技球の挙動、普通図柄の変動表示、特別図柄の変動表示などを画面111上に表示したものである。
【0117】
また、サーバ100は、シミュレーションゲームプログラムを実行することによって、端末110の画面111上に擬似遊技における様々な表示態様を表示し、当該擬似遊技における各処理を行う。
【0118】
端末110は、LAN又は通信回線網120などを介してサーバ100に接続され、WEBブラウザなどによって画面111上に擬似遊技における様々な表示態様を表示する。具体的には、端末110は、画面111と、本体部112と、操作部113とを具備する。なお、端末110は、所定の遊技状態(当り遊技状態や大当り遊技状態)を遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカを具備してもよい。
【0119】
画面111は、特別図柄始動記憶ランプ14及び普通図柄始動記憶ランプ12及び液晶表示装置4及び普通図柄表示装置5a及び5b及び始動口6及び普通図柄作動ゲート7及び大入賞口8などを含む遊技領域の画像を表示し、当該遊技領域の画像上における遊技球の挙動及び普通図柄の変動表示画像及び特別図柄の変動表示画像などの画像を表示する。
【0120】
本体部112は、CPU及びROM及びRAMなどにより構成され、端末110における各処理を制御する。なお、本体部112は、シミュレーションゲームプログラムをダウンロードした際には当該シミュレーションゲームプログラムを記憶する。
【0121】
操作部113は、キーボードなどにより構成され、上述の発射ハンドル24と同様の機能を果たす。具体的には、操作部113は、遊技者によって操作されることにより、擬似遊技において遊技領域に遊技球を発射する。通信回線網120は、サーバ100と端末110とを接続するインターネット網や衛星通信回線網などである。
【0122】
なお、端末110は、シミュレーションゲームプログラムをサーバ100からダウンロードすることによって、サーバ100に依存することなくシミュレーションゲームプログラムを実行するように構成されていてもよい。また、端末110は、ROMカートリッジやCD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体から読み込んだシミュレーションゲームプログラムに基づいて、擬似遊技における様々な表示態様を画面111上に表示し、当該擬似遊技における各処理を行うように構成されていてもよい。
【0123】
また、図11に示すように、携帯端末130は、シミュレーションゲームプログラムを記憶し、当該シミュレーションゲームプログラムに基づいて、擬似遊技における様々な表示態様を画面131上に表示し、当該擬似遊技における各処理を行うように構成されている。具体的には、携帯端末130は、上述の画面111と同様の機能を有する画面131と、上述のスピーカ25L及び25Rと同様の機能を有するスピーカ132と、上述の操作部113と同様の機能を有する操作部133とを具備する。
【0124】
かかるシミュレーションゲームプログラムによれば、当該シミュレーションゲームプログラムが、サーバ100又は端末110又は携帯端末130などによって実行されることにより、端末110又は携帯端末130が、画面111又は画面131上に擬似遊技の様々な表示態様を表示するため、遊技者は、端末110又は携帯端末130によって当該擬似遊技を楽しむことができる。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における遊技機の外観を示す図である。
【図2】本実施形態における遊技機の各制御部を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における大入賞口の構造を示す図である。
【図4】本実施形態における液晶表示装置で表示される表示態様を示す図である。
【図5】本実施形態における遊技機の動作を示すフロー図である。
【図6】本実施形態における遊技機のスイッチ検出処理を示すフロー図である。
【図7】本実施形態における遊技機の特別図柄関連SWチェック処理を示すフロー図である。
【図8】本実施形態における遊技機の特別図柄制御処理を示すフロー図である。
【図9】本実施形態における遊技機の報知処理を示すフロー図である。
【図10】第二変更例を説明するための図である(その1)。
【図11】第二変更例を説明するための図である(その2)。
【符号の説明】
1…外枠、2…前枠、3…遊技盤、4…液晶表示装置、5…普通図柄表示装置、6…始動口、6S…始動入賞球スイッチ、6a…始動口ソレノイド、7…普通図柄作動ゲート、7S…通過球スイッチ、8a…大入賞口ソレノイド、8…大入賞口、8a…大入賞口ソレノイド、8b…シーソーソレノイド、9…アウト口、10…遊技機、12…普通図柄始動記憶ランプ、14…特別図柄始動記憶ランプ、16…一般入賞口、16S…一般入賞球スイッチ、16〜19…一般入賞口、21…上皿、23…下皿、24…発射ハンドル、25L,25R…スピーカ、26…ランプ、30…主制御回路、31…メインCPU、32…メインROM、33…メインRAM、34…リセット用クロックパルス発生回路、35…初期リセット回路、36…シリアル通信用IC、40…副制御回路、41…サブCPU、42…サブROM、43…サブRAM、45…画像処理回路、46…音処理回路、47…ランプ処理回路、51…VDP、52…D/Aコンバータ、53…初期リセット回路、54…画像データROM、61…音源IC、62…AMP、63…音データROM、71…装飾データROM、72…ドライブ回路、80…発射制御回路、81…払出装置、82…発射装置、100…サーバ、110…端末、111…画面、112…本体部、113…操作部、120…通信回線網、130…携帯端末、131…画面、132…スピーカ、133…操作部、801…蓋体、802…流下方向切換部材、803…一般領域、803S…カウントスイッチ、804…特定領域、804S…Vカウントスイッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の期間にわたる大入賞口の開閉動作を1ラウンドとし、当該1ラウンド内に大入賞口にある特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして大入賞口の開閉動作を実行する遊技機、及びパソコン上やゲーム機上又はサーバ上で実行されるシミュレーションゲームプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機、例えばパチンコ遊技機においては、遊技用の図柄表示装置によって3桁の数字等の図柄をそれぞれ変動させて、その停止態様が特定の図柄の組合せ(例えば7、7、7)である場合には、大入賞口を開成させて大当たり遊技状態を実行するようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
そして、上記パチンコ遊技機は、上記大当たり遊技状態により開放された大入賞口へ入賞した遊技球の数が所定数、例えば10個になると、大入賞口を一旦閉鎖する。この一回の開閉動作をラウンドと言う。ここで、大入賞口へ入賞した10個の遊技球のうち少なくとも一つの遊技球が大入賞口内に設けられた特定領域(Vゾーンとも呼ばれる)を通過したことを検出した場合には、特定領域を遊技球が通過したことを遊技者に報知したうえ、大入賞口が再度開放されて新たなラウンドとなるように構成されている。
【0004】
このように、この種の従来の遊技機においては、特定領域に遊技球が入球したことを遊技者に報知するため、遊技者は、現在のラウンドが終了した場合には次のラウンドにも移行されるという期待感を高めながら遊技を行うことができる。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−139号(第2−7頁、第11図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の遊技機においては、特定領域に遊技球が入球したことを遊技者に知らせるものの、当該特定領域への遊技球の入球が所定のラウンドにおける終了間際か否かを遊技者に知らせていなかった。もし、特定領域への遊技球の入球が所定のラウンドにおける終了間際である場合には、遊技球の狙い所が悪いことを意味する。この場合には、遊技球の狙い所が悪いため、現在のラウンド又は次のラウンドにおいては特定領域に遊技球が入球しないことがある。
【0007】
このことにより、所定のラウンドにおいて遊技球の狙い所の悪い状態が継続された場合には、その状態が報知されないため、現在のラウンド又は次のラウンドにおいて特定領域に遊技球が入球せず、実行されている大当たり遊技状態が終了するという問題が生じていた。
【0008】
このような場合に、遊技球の狙い所の悪い状態が報知されれば、遊技者は、特定領域に遊技球が入球するように発射ハンドルの回転位置を調整し、大当たり遊技状態を途中で終了させないようにすることができる。このため、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知することのできる遊技機の開発が望まれていた。
【0009】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることのできる遊技機及びシミュレーションゲームプログラムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、識別情報の変動表示を実行する変動表示手段(例えば、液晶表示装置4)と、変動表示手段に停止表示される識別情報の表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、遊技球を受け入れない状態から遊技球を受け入れ易い状態となるように大入賞口(例えば、大入賞口8)を開放し、所定の条件の成立又は所定期間の経過に基づいて前記大入賞口を閉鎖する開閉動作を繰り返し行う大入賞口開閉制御手段(例えば、メインCPU31)と、大入賞口の開放により大入賞口にある特定領域を遊技球が通過したことを検出する領域通過検出手段(Vカウントスイッチ804S)とを備え、大入賞口の一回の開閉動作における開放時間を1ラウンドとし、1ラウンド内に特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして大入賞口の開閉動作を実行する遊技機であって、特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段(例えば、スピーカ25,液晶表示装置4,ランプ26など)と、大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過するまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知を報知手段に行わせる制御を実行し、大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開成動作が終了されるまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる制御を実行する報知制御手段(例えば、メインCPU31)とを有することを特徴とする。
【0011】
このような本発明によれば、大入賞口の一回の開閉動作における開放時間を1ラウンドとし、1ラウンド内に特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして大入賞口の開閉動作を実行する遊技機であって、特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段と、大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過するまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知を報知手段に行わせる制御を実行し、大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開放動作が終了されるまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる制御を実行する報知制御手段とが備えられたため、遊技機は、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることができる。
【0012】
すなわち、大入賞口の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、遊技機は、第1の報知として、例えば遊技球の狙い所が良い旨(例えば、通常の効果音等)を遊技者に報知することができる。
【0013】
一方、大入賞口の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開放動作が終了されるまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、遊技機は、第1の報知とは異なる第2の報知として、例えば遊技球の狙い所が悪い旨(例えば、特別の効果音等)を遊技者に報知することができる。
【0014】
また、遊技者が、遊技機からの報知内容を聞くことにより、特定領域に遊技球が入球するように発射ハンドルの回転位置を調整することができるため、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0015】
上記発明においては、報知手段は、音(音声も含む)を出力することにより報知してもよい。また、報知手段は、文字、図形又は色彩を含む装飾情報を画面に表示することにより報知してもよい。更に、第1の報知又は第2の報知は、2種類以上の内容を有してもよい。更に、報知手段は、発光体を点灯させることにより報知してもよい。
【0016】
この場合には、第1の報知又は第2の報知が様々な態様で構成されるため、遊技者は、第1の報知又は第2の報知のいずれかを容易に区別することができ、特定領域に遊技球が入球するように発射ハンドルの回転位置を即座に調整することができる。この結果、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0017】
本発明は、識別情報の変動表示を実行する変動表示手段と、変動表示手段に停止表示される識別情報の表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、遊技球を受け入れない状態から遊技球を受け入れ易い状態となるように大入賞口を開放し、所定の条件の成立又は所定期間の経過に基づいて前記大入賞口を閉鎖する開閉動作を繰り返し行う大入賞口開閉制御手段とを備え、所定の期間にわたる大入賞口の開放処理を1ラウンドとし、該1ラウンド内に前記大入賞口にある特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして大入賞口の開放処理をコンピュータに機能させるシミュレーションゲームプログラムであって、コンピュータを、特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段と、大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、特定領域を遊技球が通過した場合には、第1の報知を報知手段に行わせる処理を実行し、大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開閉動作が終了されるまでに、特定領域を遊技球が通過した場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる処理を実行する報知制御手段とを実行させることを特徴とする。
【0018】
このような本発明によれば、特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段と、大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知を報知手段に行わせる制御を実行し、大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口の開放動作が終了されるまでに、領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知を報知手段に行わせる制御を実行する報知制御手段とが備えられたため、コンピュータは、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることができる。
【0019】
なお、上述のシミュレーションゲームプログラムは、音の出力、或は文字、図形又は色彩を含む装飾情報の表示により報知する報知手段を有してもよい。更に、第1の報知又は第2の報知は、2種類以上の内容を有してもよい。この場合には、第1の報知又は第2の報知が様々な態様で構成されるため、遊技者は、第1の報知又は第2の報知のいずれかを容易に区別することができ、特定領域に遊技球が入球するように発射ハンドルの回転位置を即座に調整することができる。この結果、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0020】
ここで、上述のコンピュータは、サーバ(例えば、サーバ100)などに記憶されているシミュレーションゲームプログラムの実行によって、画面上において仮想的な遊技(以下、擬似遊技)を行うものである。すなわち、当該コンピュータは、インターネット網や衛星通信回線網(通信回線網120)を介してサーバに接続し、サーバによって実行されるシミュレーションゲームプログラムに基づいて、擬似遊技における様々な表示態様をその画面上に表示する。
【0021】
また、当該コンピュータは、インターネット網や衛星通信回線網を介してサーバからダウンロードしたシミュレーションプログラムを実行し、サーバに依存することなく、擬似遊技における様々な表示態様をその画面上に表示するように構成されていてもよい。更に、コンピュータは、ROMカートリッジやCD−ROMやDVD−ROMなどに記憶されているシミュレーションプログラムを実行するように構成されていてもよい。
【0022】
なお、シミュレーションゲームプログラムは、携帯ゲームなどの携帯端末(携帯端末130)に記憶され、当該携帯端末によって実行されてもよい。ここで、携帯端末は、擬似遊技における様々な表示態様をその画面上に表示する。
【0023】
なお、報知制御手段は、2種類以上の内容の中から、外部からの操作指示に応じて1種類の内容を設定してもよい。また、報知手段は、2種類以上の内容を順次行うことにより報知してもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本実施形態における遊技機の構成)
以下において、本実施形態における遊技機10の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態における遊技機10の概観図である。
【0025】
図1に示すように、遊技機10は、遊技場に遊技機10を設置するために設けられている外枠1と、外枠1の内側に開閉可能に設けられている前枠2と、外枠1に組み込まれた遊技盤3と、払い出された遊技球を受け入れる上皿21と、上皿21に入りきらない遊技球を受け入れる下皿23と、回転操作されることにより遊技盤3上の遊技領域に遊技球を発射するように構成された発射ハンドル24と、所定の遊技状態、又は特定領域804に遊技球が通過したことを遊技者に所定の効果音若しくは音で報知するスピーカ25L及び25R(報知手段)と、所定の賞球を報知するランプや玉切れ等のエラーを表示するランプ26a乃至26cとを具備する。
【0026】
なお、所定の遊技状態とは、所定の設定に基づいて始動口6を開閉するように制御された当り遊技状態、所定の設定に基づいて大入賞口8を開閉するように制御された大当り遊技状態などの状態である。
【0027】
遊技盤3上の遊技領域には、液晶表示装置4と、普通図柄表示装置5a及び5bと、始動口6と、普通図柄作動ゲート7と、大入賞口8と、アウト口9と、普通図柄始動記憶ランプ12と、特別図柄始動記憶ランプ14と、一般入賞口16乃至19とが具備されている。
【0028】
普通図柄表示装置5a及び5bには、遊技球が普通図柄作動ゲート7に入球した際に記憶される普通図柄始動記憶に基づいて、普通図柄が変動表示される。始動口6は、当該始動口6に遊技球が入球すると大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値などが抽出されるように構成されている。普通図柄作動ゲート7は、当該普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過すると当り判定用の乱数値などが抽出されるように構成されている。
【0029】
アウト口9は、始動口6や大入賞口8や一般入賞口16乃至19などのいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れる。普通図柄始動記憶ランプ12は、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過した際に記憶される普通図柄始動記憶の数を表示する。一般入賞口16乃至19は、当該一般入賞口16乃至19に遊技球が入球すると所定数(例えば、15個)の遊技球(賞球)が払い出されるように構成されている。
【0030】
液晶表示装置4は、遊技領域に設けられた始動口6を遊技球が通過したことを条件に、識別情報(例えば、1又は複数の図柄を含む特別図柄)の変動表示を行うものである。液晶表示装置4は、特定領域804に遊技球が通過したことを遊技者に所定の表示態様を表示することにより報知する報知手段である(この報知については後述する)。なお、ランプが発光体を点灯させることにより報知してもよい。
【0031】
この液晶表示装置4には、遊技球が始動口6に入球した際に抽出される大当り判定用の乱数値などに基づいて、特別図柄の変動表示や、それに伴なう演出表示が行われる。また、液晶表示装置4には、特別図柄の変動表示が終了すると、特別図柄が所定の組合せの停止態様で表示される。
【0032】
具体的に液晶表示装置4には、「左・中・右」などに区切られた領域にそれぞれ「0」〜「9」までの数字などからなる特別図柄が変動表示される。この特別図柄の変動表示が終了すると、特別図柄が所定の組合せの停止態様で表示される。なお、液晶表示装置4には、所定の動作を行う所定のキャラクターが演出表示されてもよい。
【0033】
また、液晶表示装置4には、図4に示すように、大当たり判定がなされた場合には、大当たりの確定図柄を示す所定の賞態様(例えば、図4中の右上の”3”(3−3−3の大当たり図柄を示す)と、所定の期間にわたる大入賞口8の開放動作が所定のラウンド数行われ、そのラウンドの回数を示すラウンド情報(例えば、図4中の中央下の”Round1(1回目のラウンドを示す)”)と、後述する特定領域804を遊技球が通過したことを示すV入賞(例えば、図4中の左下の”V”)と、所定のラウンドにおいて大入賞口8に入球した遊技球の数を示す入賞数情報(例えば、図4中の右下の”0”(Round1において大入賞口8に遊技球が入球されていないことを示す))とが含まれている。
【0034】
特別図柄始動記憶ランプ14は、大当り判定を行う契機となる始動記憶の数を表示する始動記憶数表示手段である。なお、始動記憶は、遊技球が始動口6に入球した際(始動入賞した際)に抽出される大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値などを含むものである。
【0035】
ここで、メインRAM33は、始動入賞球スイッチ6Sで遊技球が検出されたが、始動入賞球スイッチ6Sによる遊技球の検出に対応する特別図柄の変動表示を実行することができないときに、当該特別図柄の変動表示を実行することができる状態となるまで、当該始動入賞球スイッチ6Sに対応する始動口6への遊技球の通過があったことを上記始動記憶として記憶する始動記憶手段である。
【0036】
具体的に、上記特別図柄始動記憶ランプ14は、CPU31からのコマンドに基づいて、例えば1個の始動記憶に対応するランプを点灯表示する。なお、特別図柄始動記憶ランプ14は、5個の始動記憶に対応するランプ及び10個の始動記憶に対応するランプなどにより、点灯表示してもよい。
【0037】
大入賞口8は、大当り判定用の乱数値に基づく大当り判定の結果に応じ、所定の設定に従って開閉するように制御されている。この大入賞口8は、いわゆるアタッカと称される入賞口であり、図3(a)に示すように、大入賞口8の前面には、遊技球を受け入れない状態と遊技球を受け入れ易い状態との間で切換可能な蓋体801を設けている。
【0038】
また、大入賞口8の内部には、図3(b)に示すように、蓋体801の開閉を所定回数だけ継続させるための遊技球を受け入れる特定領域804(いわゆるVゾーン)と、それ以外の遊技球を受け入れる一般領域803とが左右に離隔して設けられている。これらの一般領域803及び特定領域804には、領域を遊技球が通過したことを検出すると共に当該領域を通過した遊技球を計数するカウントスイッチ803S及びVカウントスイッチ804Sがそれぞれ設けられている。
【0039】
更に、カウントスイッチ803SとVカウントスイッチ804Sとの間には、シーソー状に動作して、遊技球の流下方向を切り換えるための流下方向切換部材802が設けられている。この流下方向切換部材802は、シーソーソレノイド8bが動作することにより流下方向が切り替わる。
【0040】
この流下方向切換部材802は、図3(b)に示すように、蓋体801が開いた当初は遊技球がVカウントスイッチ804S側に流下するように切り換えられる。一方、流下方向切換部材802は、図3(c)に示すように、一旦、遊技球がVカウントスイッチ804Sを通過すると、傾き方向が変化して遊技球がカウントスイッチ803S側に流下するように切り換えられる。
【0041】
主制御回路30は、メインCPU31と、メインROM32と、メインRAM33と、リセット用クロックパルス発生回路34と、初期リセット回路35と、シリアル通信用IC36とを具備する。
【0042】
また、主制御回路30には、大入賞口8に具備される一般領域803を遊技球が通過したことを検出すると共に一般領域803を通過した遊技球を計数するカウントスイッチ803Sと、大入賞口8に具備される特定領域804を遊技球が通過したことを検出すると共に特定領域804を通過した遊技球を計数するVカウントスイッチ804S(領域通過検出手段)と、一般入賞口16乃至19に遊技球が入球したことを検出する一般入賞球スイッチ16S乃至19Sと、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過したことを検出する通過球スイッチ7Sと、始動口6に遊技球が入球したことを検出する始動入賞球スイッチ6Sと、始動口6の羽根を開閉する始動口ソレノイド6aと、大入賞口8の蓋体801を開閉する大入賞口ソレノイド8aと、大入賞口8に入球した遊技球を特定領域804と一般領域803とに振り分ける流下方向切換部材802と、遊技盤3上の遊技領域に遊技球を発射する制御又は所定数の遊技球を払い出す制御を行う払出・発射制御回路80とが接続されている。
【0043】
メインCPU31は、始動口6に遊技球が入球したことを始動入賞球スイッチ6Sが検出すると、大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値を抽出し、当該大当り判定用の乱数値及び当該大当り図柄決定用の乱数値を含む始動記憶をメインRAM33に記憶する。
【0044】
メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている始動記憶の数を、特別図柄始動記憶ランプ14で表示するように指示するコマンドを生成する。具体的に、メインCPU31は、例えばメインRAM33に3個目の始動記憶が記憶された場合には、特別図柄始動記憶ランプ14における3個目のランプを表示するように指示するコマンドを生成する。
【0045】
メインCPU31は、メインRAM33に始動記憶が記憶されている場合には、当該始動記憶に基づく大当り判定を判定テーブル(図示せず)を参照して実行する。具体的には、メインCPU31は、始動記憶に含まれている大当り判定用の乱数値が、判定テーブル中の大当り判定値と一致した場合に、大当り遊技状態に移行すると判定する。
【0046】
また、メインCPU31は、始動記憶に基づく大当り判定を行うと、当該始動記憶に基づいて液晶表示装置4に特別図柄を変動表示するように指示するコマンドを生成する。具体的には、メインCPU31は、始動記憶に基づく大当り判定の結果に基づいて特別図柄の変動パターン(演出内容)を決定し、当該始動記憶に含まれる大当り図柄決定用の乱数値に基づいて特別図柄を所定の組み合わせの停止態様となるように決定する(例えば、777等)。更に、メインCPU31は、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の停止態様を指示するコマンドを生成する。
【0047】
メインCPU31は、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過したことを通過球スイッチ7Sが検出すると当り判定用の乱数値を抽出し、当該当り判定用の乱数値を含む普通図柄始動記憶をメインRAM33に記憶する。また、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている普通図柄始動記憶の数を普通図柄始動記憶ランプ12に表示するように指示するコマンドを生成する。なお、本実施形態において、メインRAM33に記憶可能な普通図柄始動記憶の数は4個であるが、4個に限定されるものではない。
【0048】
また、メインCPU31は、普通図柄始動記憶に含まれる当り判定用の乱数値に基づいて当り判定を行い、当該当り判定の結果に応じて、普通図柄表示装置5a及び5bに普通図柄を変動表示するように指示するコマンドを生成する。更に、メインCPU31は、当り遊技状態に移行すると判定すると、所定の設定に従って始動口6の羽根を開閉するように始動口ソレノイド6aを駆動させる。
【0049】
メインCPU31は、液晶表示装置4に停止表示される結果が所定の賞態様(例えば、”3−3−3”等)を構成した場合に、所定の条件の下で所定の期間にわたって、遊技球を受け入れない状態(蓋体801が閉じた状態)から遊技球を受け入れ易い状態(蓋体801が開いた状態)となるように大入賞口8を開放する制御を実行する大入賞口開閉制御手段である。すなわち、メインCPU31は、当該所定の期間にわたる大入賞口8の開放動作を1ラウンドとし、当該1ラウンド内に特定領域804を遊技球が通過したことを条件として次のラウンドまで大入賞口8の開放動作を実行するものである。
【0050】
具体的には、メインCPU31は、大当り遊技状態に移行すると判定すると蓋体801を開状態にするように大入賞口ソレノイド8aを駆動させて、所定の期間(例えば、29.5秒)が経過するか、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球すると、蓋体801を閉状態にするように大入賞口ソレノイド8aの駆動を停止させる。また、メインCPU31は、特定領域(Vゾーン)に遊技球が1球でも入球すると、所定のラウンド回数(例えば、15回)を限度として蓋体801の開閉を繰り返すように制御を実行する。
【0051】
メインCPU31は、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、第1の報知をスピーカ25L,25R、ランプ又は液晶表示装置4に行わせる制御を実行し、大入賞口8の開放動作を実行させてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口8の開放動作を終了させるまでの間に、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、第1の報知とは異なる第2の報知をスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる制御を実行する報知制御手段である。なお、大入賞口8開放動作が行われてから大入賞口8の開放動作が終了するまでの間(所定の期間,1ラウンド)は、上記所定の基準時間よりも長いものとする。
【0052】
具体的には、メインCPU31は、例えば、蓋体801を開状態にしてから10秒(基準時間)以内に、特定領域804に遊技球が入球したことをVカウントスイッチ804Sが検出すると、第1の報知をスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる制御を実行する。一方、メインCPU31は、例えば、蓋体801を開状態にしてから10秒(基準時間)を経過した後、蓋体801を閉状態にするまでの間に、特定領域804に遊技球が入球したことをVカウントスイッチ804Sが検出すると、第2の報知をスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる制御を実行する。
【0053】
ここで、第1の報知及び第2の報知のそれぞれは、本実施形態では、効果音として2種類以上の内容を備えている。例えば、1種類目として、第1の報知として用いる効果音は、第2の報知で用いる効果音よりも低い音程とし、第2の報知として用いる効果音は、第1の報知で用いる効果音より高い音程とする。2種類目として、第1の報知として用いる効果音は、第2の報知で用いる効果音よりも高い音程とし、第2の報知として用いる効果音は、第1の報知で用いる効果音よりも低い音程とする。
【0054】
3種類目として、第1の報知として用いる効果音は、第2の報知による報知時間よりも短くし、第2の報知として用いる効果音は、第1の報知による報知時間よりも長くする。4種類目として、第2の報知のみ、「狙い所が悪いので注意して下さい」等の音声とする。なお、第1の報知及び第2の報知は、上記各効果音に限定されるものではなく、他の種類の効果音であっても良い。
【0055】
また、第1の報知及び第2の報知のそれぞれは、所定の表示態様として2種類以上の内容を備えてもよい。この表示態様には、文字、図形又は色彩を含む装飾情報からなる。メインCPU31は、上述した説明と同様に、上記第1の報知又は上記第2の報知を液晶表示装置4に行わせる制御を実行する。
【0056】
1種類目として、第1の報知として用いる表示態様は、特定領域804に遊技球が通過したことを示すV入賞を、第2の報知における表示態様よりも大きく表示し(図4(a)の左下の”V”を参照)、第2の報知として用いる表示態様は、上記V入賞を、第1の報知における表示態様よりも小さく表示する(図4(b)の左下の”V”を参照)。
【0057】
2種類目として、第1の報知として用いる表示態様は、上記V入賞を第2の報知で用いられる色彩(例えば、”V”の色彩が赤)とは異なる色彩(例えば、”V”の色彩が青)で表示し、第2の報知として用いる表示態様は、上記V入賞を第1の報知で用いられる色彩(例えば、”V”の色彩が青)とは異なる色彩(例えば、”V”の色彩が赤)で表示する。3種類目として、第2の報知のみ、「狙い所が悪いですので注意してください」等の文字として表示する。なお、第1の報知及び第2の報知は、上記各表示態様に限定されるものではなく、他の種類の表示態様であっても良い。
【0058】
なお、メインCPU31は、大当り判定用の乱数を所定の周期(例えば、2msec)で更新するなど、上述の処理以外の遊技機10における各処理も制御するものとする。
【0059】
メインROM32は、大当たり判定を行うための判定テーブルを記憶している。また、メインROM32は、主制御回路30における各処理を制御するためのプログラムなどを記憶している。
【0060】
メインRAM33は、大当り判定用の乱数値及び大当り図柄決定用の乱数値を含む始動記憶を記憶している。また、メインRAM33は、DRAMなどにより構成され、普通図柄始動記憶をも記憶している。更に、メインRAM33には、遊技機10の主電源がOFFの状態であっても、コンデンサなどから常に電力が供給されている。
【0061】
リセット用クロックパルス発生回路34は、後述するシステムタイマ割込処理を実行させるための割込信号を所定時間(例えば、2msec)毎に発生する。また、初期リセット回路35は、電源が投入されたときに遊技機10の各種設定を初期値に戻すための信号を発生する。また、シリアル通信用IC36は、メインCPU31により生成された各コマンドを副制御回路40に送信する。
【0062】
副制御回路40は、遊技機10の各種演出など制御するものであり、サブCPU41と、サブROM42と、サブRAM43と、画像処理回路45と、音処理回路46と、ランプ処理回路47とを具備する。
【0063】
サブCPU41は、主制御回路30から受信した各種コマンドに応じて、画像処理回路45及び音処理回路46及びランプ処理回路47を制御する。サブROM42は、副制御回路40における各処理を制御するためのプログラムを記憶している。また、サブRAM43は、主制御回路30から受信した各種コマンドを記憶する。
【0064】
画像処理回路45は、サブCPU41からのコマンドに応じて、液晶表示装置4に特別図柄(演出内容)、装飾情報等を変動表示するものであり、各種画像データを記憶する画像データROM54と、画像データROM54に記憶されている画像データに基づいて特別図柄の変動表示情報を生成するVDP(VideoDisplay Processor)51と、VDP51により生成された変動表示情報をアナログ信号に変換するD/Aコンバータ52と、電源投入時や異常時に各種設定を初期値に戻す初期リセット回路53とを具備する。
【0065】
音処理回路46は、サブCPU41からのコマンドに応じて、所定の遊技状態を遊技者に報知する効果音や音声などをスピーカ25L及び25Rから出力させるものであり、各種音データを記憶する音データROM63と、音データROM63に記憶されている音データに基づいて出力音情報を生成する音源IC61と、音源IC61により生成された出力音情報を増幅するAMP62とを具備する。
【0066】
ランプ処理回路47は、サブCPU41からのコマンドに応じて、特別図柄始動記憶ランプ14に始動記憶の数を点灯表示し、所定の賞球等を遊技者に報知するランプ26a乃至26cや普通図柄始動記憶ランプ12を点灯・消灯させるとともに、普通図柄表示装置5a及び5bにおける普通図柄の変動表示を制御するものであり、ランプ26a乃至26cの点灯・消灯パターンを記憶する装飾データROM71と、ランプ26a乃至26cを点灯・消灯させるドライブ回路72とを具備する。
【0067】
払出・発射制御回路80は、一般入賞口16乃至19及び大入賞口8などに遊技球が入球した際に、所定数の遊技球(賞球)を払い出す払出装置81を制御し、遊技盤3上の遊技領域に遊技球を発射する発射装置82を制御する。
【0068】
なお、遊技機10における各処理は、主制御回路30と副制御回路40とにより制御されているが、主制御回路30は、副制御回路40により制御される処理の全部又は一部を処理してもよく、副制御回路40は、主制御回路30により制御される処理の全部又は一部を処理してもよい。
【0069】
(本実施形態における遊技機の動作)
以下において、本実施形態における遊技機10の動作について、図面を参照しながら説明する。最初に、本実施形態における遊技機10のメイン処理に所定の間隔(例えば、2msec)で割り込むシステム割込処理について説明する。図5(a)は、システムタイマ割込処理を示すフロー図である。
【0070】
図5(a)に示すように、ステップ100において、メインCPU31は、レジスタに格納されている情報を退避させる。ステップ110において、メインCPU31は、当り判定用の乱数及び大当り判定用の乱数及び大当り図柄決定用の乱数などの値を更新する。
【0071】
ステップ120において、メインCPU31は、始動入賞球スイッチ6S及び通過球スイッチ7S及び一般入賞球スイッチ16S乃至19S及びカウントスイッチ803S及びVカウントスイッチ804Sなどにより入力された入力信号を検出する。具体的には、図6に示すように、ステップ121において、メインCPU31は、所定の入賞口に遊技球が入球した際に入力される入力信号の有無を確認する。
【0072】
ステップ122において、メインCPU31は、特別図柄に関連する入力信号の有無を確認する。具体的には、図7に示すように、ステップ122−1において、メインCPU31は、大入賞口8内の一般領域803に遊技球が入球した際にカウントスイッチ803Sにより入力される入力信号の有無を確認する。
【0073】
ステップ122−2において、メインCPU31は、大入賞口8内の特定領域804(Vゾーン)に遊技球が入球した際にVカウントスイッチ804Sにより入力される入力信号の有無を確認する。ステップ122−3において、メインCPU31は、始動口6に遊技球が入球した際に始動入賞球スイッチ6Sにより入力される入力信号の有無を確認する。なお、メインCPU31は、始動入賞球スイッチ6Sにより入力信号が入力されていない場合には始動口SWチェック処理を終了する。
【0074】
ステップ123において、メインCPU31は、普通図柄に関連する入力信号の有無を確認する。具体的には、メインCPU31は、普通図柄作動ゲート7を遊技球が通過した際に通過球スイッチ7Sにより入力される入力信号の有無を確認する。
【0075】
ステップ130において、メインCPU31は、変動表示されている普通図柄や特別図柄の残り変動表示時間、開状態にある始動口6や大入賞口8の残り開放時間、前段の処理が終了するまでの待ち時間などを更新する。
【0076】
ステップ140において、メインCPU31は、賞球として払い出された遊技球の数や大当りが発生した回数などの遊技情報を、遊技場に設置されているホールコンピュータに送信する情報を生成する。ステップ150において、メインCPU31は、始動口ソレノイド6aや大入賞口ソレノイド8aやシーソーソレノイド8bを駆動する制御を行う。
【0077】
ステップ160において、メインCPU31は、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の停止態様などを指示するコマンドを副制御回路40に出力する。また、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている始動記憶の数を表示するように指示するコマンドを副制御回路40に送信する。さらに、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている普通図柄始動記憶の数を普通図柄始動記憶ランプ12に表示するように指示するコマンドを副制御回路40に送信する。
【0078】
ステップ170において、メインCPU31は、玉切れや下皿満タンなどのエラーを所定のランプに表示するように指示するコマンドなどを送信する。ステップ180において、メインCPU31は、遊技球が入球した入賞口の種類(一般入賞口16乃至19や大入賞口8など)に応じて、所定の遊技球(賞球)を払い出すように指示するコマンドを払出・発射制御回路80に送信する。ステップ190において、メインCPU31は、ステップ100で退避した情報をレジスタに復帰させる。ステップ200において、メインCPU31は、次の割り込みを許可する処理を実行する。
【0079】
次に、本実施形態における遊技機10のメイン処理について説明する。図5(b)は、遊技機10のメイン処理を示すフロー図である。
【0080】
図5(b)に示すように、ステップ10において、メインCPU31は、遊技機10における各種設定を、前回電源を切った際の設定に復帰するか、若しくは初期化する。ステップ20において、メインCPU31は、特別図柄に関する各処理を制御する。具体的には、図8に示すように、ステップ200において、メインCPU31は、始動記憶がメインRAM33に記憶されているか否かを確認する。
【0081】
ここで、メインCPU31は、始動記憶がメインRAM33に記憶されていない場合には、ステップ205の処理に移り、始動記憶がメインRAM33に記憶されている場合には、ステップ210の処理に移る。ステップ205において、メインCPU31は、所定のデモンストレーション映像を液晶表示装置4に表示するように指示するコマンドを生成する。
【0082】
ステップ210において、メインCPU31は、始動記憶に基づいて大当り判定を行う。具体的には、メインCPU31は、始動記憶に基づく大当り判定を行う場合には、当該始動記憶に含まれる大当り判定用の乱数値が、判定テーブル中の大当り判定値に一致したときに、大当り遊技状態に移行すると判定する。
【0083】
このメインCPU31は、大当り遊技状態に移行すると判定した場合にはステップ215の処理に移り、大当り遊技状態に移行しないと判定した場合にはステップ230の処理に移行する。ステップ215において、メインCPU31は、大当り判定に用いられた始動記憶に含まれる大当り図柄決定用の乱数値に基づいて、特別図柄の当り停止図柄を決定する。ステップ220において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいて特別図柄の変動パターン(演出内容)を決定する。
【0084】
ステップ230において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいて特別図柄の外れ停止図柄を決定する。ステップ235において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいてリーチ演出を行うか否か決定し、リーチ演出を行わない場合にはステップ240の処理に移り、リーチ演出を行う場合にはステップ245の処理に移る。
【0085】
ステップ240において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいてリーチ演出のない特別図柄の変動パターンを決定する。ステップ245において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいてリーチ演出のある特別図柄の変動パターンを決定する。
【0086】
ステップ250において、メインCPU31は、ステップ215乃至ステップ245で決定した特別図柄の変動パターン及び特別図柄の停止態様を指示するコマンドを生成する。ステップ255において、メインCPU31は、ステップ250で生成されたコマンドをシリアル通信用IC36の所定のバッファにセットする。
【0087】
ステップ260において、メインCPU31は、大当り判定の結果を確認する。ここで、メインCPU31は、大当り遊技状態に移行すると判定するとステップ265の処理に移り、大当り遊技状態に移行しないと判定するとステップ280の処理に移る。
【0088】
ステップ265において、メインCPU31は、大当り遊技状態に移行したことを、大当たりファンファーレ音及び祝福の画像及びランプにより報知する制御を実行する。ステップ270において、メインCPU31は、大入賞口8にある蓋体801が開状態となるように大入賞口ソレノイド8aを駆動させる。
【0089】
ステップ271において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球したことを報知する報知処理を実行する。具体的には、図9に示すように、ステップ271−1において、メインCPU31は、Vカウントスイッチからの入力信号により特定領域804に遊技球が入球したか否かを確認する(V入賞の有無)。
【0090】
このメインCPU31は、Vカウントスイッチから入力信号が入力された場合には、特定領域804に遊技球が入球したと判断(V入賞有り)し、ステップ271−2の処理に移る。一方、Vカウントスイッチから入力信号が入力されない場合には、特定領域804に遊技球が入球していないと判断(V入賞無し)し、報知処理を終了させる。
【0091】
ステップ271−2の処理において、メインCPU31は、特定領域804に入球した遊技球が1個目であるか否かを確認する。このメインCPU31は、特定領域804に入球した遊技球が1個目である場合にはステップ271−3の処理に移る。一方、メインCPU31は、特定領域804に入球した遊技球が1個目でない場合には報知処理を終了させる。
【0092】
ステップ271−3の処理において、メインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の基準時間以内に、特定領域804に遊技球が入球したか否かを確認する。このメインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の基準時間(例えば、10s)以内に、特定領域804に遊技球が入球した場合には、ステップ271−4の処理に移行する。
【0093】
一方、メインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の基準時間(例えば、10s)を経過した後、蓋体801を閉状態にするまでの間(例えば、29.5s)に、特定領域804に遊技球が入球した場合には、ステップ271−5の処理に移行する。
【0094】
ステップ271−4において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球したこと(V入賞有り)の報知を第1の報知としてスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる(通常報知処理)。ステップ271−5において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球したこと(V入賞有り)の報知を第2の報知としてスピーカ25L,25R又は液晶表示装置4に行わせる(特別報知処理)。なお、第1の報知及び第2の報知については上記で詳述したので、ここでの詳細は省略する。
【0095】
ステップ272において、メインCPU31は、開状態にされた蓋体801の内側に、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球したか否かを確認する。このメインCPU31は、開状態にされた蓋体801の内側に、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球した場合には、ステップ274の処理に移る。一方、メインCPU31は、開状態にされた蓋体801の内側に、所定数(例えば、10個)の遊技球が入球していない場合には、ステップ273の処理に移る。
【0096】
ステップ273において、メインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の期間(例えば、29.5s)が経過したか否かを確認する。このメインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の期間(例えば、29.5s)が経過していない場合にはステップ272からの処理を繰り返す。一方、メインCPU31は、蓋体801を開状態にしてから所定の期間(例えば、29.5s)が経過した場合にはステップ274の処理に移る。ステップ274において、メインCPU31は、メインCPU31は、蓋体801が閉状態となるように大入賞口ソレノイド8aを駆動させる。
【0097】
ステップ275において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球したか否か(V入賞の有無)を確認する。このメインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球していない場合(V入賞無し)にはステップ280の処理に移る。一方、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が入球している場合(V入賞有り)にはステップ276の処理に移る。
【0098】
ステップ276において、メインCPU31は、特定領域804に遊技球が1球でも入球した場合(V入賞有り)には、蓋体801の開動作の回数が所定のラウンド数(例えば、15回)に到達しているか否かを確認する。このメインCPU31は、蓋体801の開動作の回数が所定のラウンド数に到達していない場合には、ステップ271からの処理を繰り返す。すなわち、メインCPU31は、所定のラウンド数(例えば、15回)を限度として大入賞口8にある蓋体801の開閉を繰り返すように制御を行う。
【0099】
一方、メインCPU31は、蓋体801の開動作の回数が最大回数に到達している場合には、ステップ280の処理に移る。ステップ280において、メインCPU31は、始動記憶に基づいて大当り判定などが行われた場合には、現在の始動記憶の数から1を減算するとともに、当該始動記憶をメインRAM33から削除する。
【0100】
ステップ30において、メインCPU31は、普通図柄の制御に関する処理を行う。具体的には、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている普通図柄始動記憶に含まれる当り判定用の乱数値に基づいて当り判定を行い、当該当り判定の結果に基づいて、普通図柄表示装置5a及び5bに普通図柄を変動表示するように指示するコマンドを生成する。また、メインCPU31は、当り遊技状態に移行すると判定すると、所定の設定に従って始動口6を開閉するように始動口ソレノイド6aを駆動する。
【0101】
ステップ40において、メインCPU31は、ステップ110で更新される当り判定用の乱数及び大当り判定用の乱数などを除く乱数(例えば、特別図柄の変動パターンを決定するための乱数など)の値を更新する。ここで、メインCPU31は、上述のステップ20からステップ40までの処理を繰り返し行う。
【0102】
(本実施形態における遊技機の作用及び効果)
本願に係る発明によれば、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、メインCPU31及びスピーカ25(又は液晶表示装置4)は、第1の報知として、例えば遊技球の狙い所が良い旨(例えば、通常の効果音等)を遊技者に報知することができる。
【0103】
一方、大入賞口8の開放動作が実行されてから所定の基準期間が経過した後、大入賞口8の開放動作が終了されるまでの間に、Vカウントスイッチ804Sによる検出が行われた場合には、メインCPU31及びスピーカ25(又は液晶表示装置4)は、第1の報知とは異なる第2の報知として、例えば遊技球の狙い所が悪い旨(例えば、特別の効果音等)を遊技者に報知することができる。
【0104】
また、遊技者が、遊技機からの報知内容を聞くことにより、大入賞口8にある特定領域804に遊技球が入球するように発射ハンドル24の回転位置を調整することができるため、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0105】
更に、メインCPU31及びスピーカ25(又は液晶表示装置4)が、音又は音声の出力、或は文字、図形又は色彩を含む装飾情報の表示等により報知するため、遊技者は、第1の報知又は第2の報知のいずれかを容易に区別することができ、特定領域804に遊技球が入球するように発射ハンドル24の回転位置を即座に調整することができる。この結果、当該遊技者は、遊技者にとって有利な状態を不利な状態とならないようにすることができる。
【0106】
(第一変更例)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に示す変更を加えることができる。メインCPU31は、所定のタイミングによって、第1の報知又は第2の報知のいずれかを構成する効果音の報知時間を変更しても良い。ここで、所定のタイミングとは、本変更例では、大入賞口8の開放動作が実行されてから特定領域804に遊技球が入球されるまでの時間を意味する。
【0107】
具体的には、大入賞口8の開放動作が実行されてから特定領域804に遊技球が入球されるまでの時間が1Sである場合には、メインCPU31は、例えば第2の報知を構成する効果音の報知時間を、第1の報知の報知時間よりも短く(又は長く)設定する。
【0108】
また、メインCPU31は、実施例で示した2種類以上(報知の複数種類)の中から、外部からの操作指示(又は特定領域に遊技球が入球するタイミング)に応じて一の種類の内容を設定してもよい。このタイミングとは、大入賞口8の開放動作が実行されてから特定領域804に遊技球が入球されるまでの時間を意味する。また、メインCPU31は、2種類以上の内容を順次行うことにより報知してもよい。
【0109】
この変更例によれば、メインCPU31が、特定領域804に遊技球が入球するタイミング等によって、第1の報知又は第2の報知の内容を変更するため、遊技者は、報知の種類を容易に区別することができ、特定領域804に遊技球が所定の期間内に余裕をもって入球したか否かを簡単に確認することができる。
【0110】
これにより、所定の期間が経過する間際に、特定領域804に遊技球が入球し、通常とは異なる報知がされた場合には、遊技者は、遊技球の流下方向が特定領域804に入り易くなるように発射ハンドル24の回転位置を調整することができる。この結果、1ラウンド内において特定領域804を遊技球が通過する確率が高まるため、遊技者は、途中のラウンドで大当たり遊技が終了される可能性を低減させることができる。
【0111】
(第二変更例)
本変更例において、パーソナルコンピュータなどの端末は、サーバなどに記憶されているシミュレーションゲームプログラムの実行によって、上述の遊技機10における遊技(パチンコ)をその画面上において再現する(擬似遊技)。
【0112】
以下において、端末の画面上に擬似遊技を表示し、当該擬似遊技を実行する方法について、図面を参照しながら説明する。また、以下においては、上述の実施形態との差異のみを説明するものとする。
【0113】
図10(a)は、端末110の画面上に擬似遊技を表示し、当該擬似遊技を実行する方法を説明するための図である。また、図10(b)は、本変更例における端末110を示す概観図である。
【0114】
図11(a)に示すように、サーバ100と端末110aとはLANを介して接続され、サーバ100と端末110bとは通信回線網120を介して接続されている。サーバ100は、端末110の画面111上において擬似遊技を行うためのシミュレーションゲームプログラムを記憶している。
【0115】
なお、シミュレーションゲームプログラムには、特別図柄制御処理(ステップ20)や普通図柄制御処理(ステップ30)などを含むメイン処理を実行するためのプログラム、乱数更新処理(ステップ110)やスイッチ入力検出処理(ステップ120)などを含むシステムタイマ割込処理を実行するためのプログラム、擬似遊技における様々な表示態様を端末110の画面111上に表示するためのプログラムなどが含まれている。
【0116】
ここで、擬似遊技の表示態様とは、遊技機の遊技領域、所定の入賞口、当該遊技領域における遊技球の挙動、普通図柄の変動表示、特別図柄の変動表示などを画面111上に表示したものである。
【0117】
また、サーバ100は、シミュレーションゲームプログラムを実行することによって、端末110の画面111上に擬似遊技における様々な表示態様を表示し、当該擬似遊技における各処理を行う。
【0118】
端末110は、LAN又は通信回線網120などを介してサーバ100に接続され、WEBブラウザなどによって画面111上に擬似遊技における様々な表示態様を表示する。具体的には、端末110は、画面111と、本体部112と、操作部113とを具備する。なお、端末110は、所定の遊技状態(当り遊技状態や大当り遊技状態)を遊技者に報知する効果音や音声などを出力するスピーカを具備してもよい。
【0119】
画面111は、特別図柄始動記憶ランプ14及び普通図柄始動記憶ランプ12及び液晶表示装置4及び普通図柄表示装置5a及び5b及び始動口6及び普通図柄作動ゲート7及び大入賞口8などを含む遊技領域の画像を表示し、当該遊技領域の画像上における遊技球の挙動及び普通図柄の変動表示画像及び特別図柄の変動表示画像などの画像を表示する。
【0120】
本体部112は、CPU及びROM及びRAMなどにより構成され、端末110における各処理を制御する。なお、本体部112は、シミュレーションゲームプログラムをダウンロードした際には当該シミュレーションゲームプログラムを記憶する。
【0121】
操作部113は、キーボードなどにより構成され、上述の発射ハンドル24と同様の機能を果たす。具体的には、操作部113は、遊技者によって操作されることにより、擬似遊技において遊技領域に遊技球を発射する。通信回線網120は、サーバ100と端末110とを接続するインターネット網や衛星通信回線網などである。
【0122】
なお、端末110は、シミュレーションゲームプログラムをサーバ100からダウンロードすることによって、サーバ100に依存することなくシミュレーションゲームプログラムを実行するように構成されていてもよい。また、端末110は、ROMカートリッジやCD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体から読み込んだシミュレーションゲームプログラムに基づいて、擬似遊技における様々な表示態様を画面111上に表示し、当該擬似遊技における各処理を行うように構成されていてもよい。
【0123】
また、図11に示すように、携帯端末130は、シミュレーションゲームプログラムを記憶し、当該シミュレーションゲームプログラムに基づいて、擬似遊技における様々な表示態様を画面131上に表示し、当該擬似遊技における各処理を行うように構成されている。具体的には、携帯端末130は、上述の画面111と同様の機能を有する画面131と、上述のスピーカ25L及び25Rと同様の機能を有するスピーカ132と、上述の操作部113と同様の機能を有する操作部133とを具備する。
【0124】
かかるシミュレーションゲームプログラムによれば、当該シミュレーションゲームプログラムが、サーバ100又は端末110又は携帯端末130などによって実行されることにより、端末110又は携帯端末130が、画面111又は画面131上に擬似遊技の様々な表示態様を表示するため、遊技者は、端末110又は携帯端末130によって当該擬似遊技を楽しむことができる。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大当たり遊技状態における所定のラウンドにおいて、遊技球の狙い所の良否を遊技者に報知し、遊技者にとって不利とならないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における遊技機の外観を示す図である。
【図2】本実施形態における遊技機の各制御部を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における大入賞口の構造を示す図である。
【図4】本実施形態における液晶表示装置で表示される表示態様を示す図である。
【図5】本実施形態における遊技機の動作を示すフロー図である。
【図6】本実施形態における遊技機のスイッチ検出処理を示すフロー図である。
【図7】本実施形態における遊技機の特別図柄関連SWチェック処理を示すフロー図である。
【図8】本実施形態における遊技機の特別図柄制御処理を示すフロー図である。
【図9】本実施形態における遊技機の報知処理を示すフロー図である。
【図10】第二変更例を説明するための図である(その1)。
【図11】第二変更例を説明するための図である(その2)。
【符号の説明】
1…外枠、2…前枠、3…遊技盤、4…液晶表示装置、5…普通図柄表示装置、6…始動口、6S…始動入賞球スイッチ、6a…始動口ソレノイド、7…普通図柄作動ゲート、7S…通過球スイッチ、8a…大入賞口ソレノイド、8…大入賞口、8a…大入賞口ソレノイド、8b…シーソーソレノイド、9…アウト口、10…遊技機、12…普通図柄始動記憶ランプ、14…特別図柄始動記憶ランプ、16…一般入賞口、16S…一般入賞球スイッチ、16〜19…一般入賞口、21…上皿、23…下皿、24…発射ハンドル、25L,25R…スピーカ、26…ランプ、30…主制御回路、31…メインCPU、32…メインROM、33…メインRAM、34…リセット用クロックパルス発生回路、35…初期リセット回路、36…シリアル通信用IC、40…副制御回路、41…サブCPU、42…サブROM、43…サブRAM、45…画像処理回路、46…音処理回路、47…ランプ処理回路、51…VDP、52…D/Aコンバータ、53…初期リセット回路、54…画像データROM、61…音源IC、62…AMP、63…音データROM、71…装飾データROM、72…ドライブ回路、80…発射制御回路、81…払出装置、82…発射装置、100…サーバ、110…端末、111…画面、112…本体部、113…操作部、120…通信回線網、130…携帯端末、131…画面、132…スピーカ、133…操作部、801…蓋体、802…流下方向切換部材、803…一般領域、803S…カウントスイッチ、804…特定領域、804S…Vカウントスイッチ
Claims (6)
- 識別情報の変動表示を実行する変動表示手段と、
前記変動表示手段に停止表示される前記識別情報の表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、遊技球を受け入れない状態から遊技球を受け入れ易い状態となるように大入賞口を開放し、所定の条件の成立又は所定期間の経過に基づいて前記大入賞口を閉鎖する開閉動作を繰り返し行う大入賞口開閉制御手段と、
前記大入賞口の開放により該大入賞口にある特定領域を遊技球が通過したことを検出する領域通過検出手段とを備え、
前記大入賞口の一回の開閉動作における開放期間を1ラウンドとし、該1ラウンド内に前記特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして前記大入賞口の開閉動作を実行する遊技機であって、
前記特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段と、
前記大入賞口が開放されてから所定の基準期間が経過するまでに、前記領域通過検出手段による検出が行われた場合には、第1の報知を前記報知手段に行わせる制御を実行し、前記大入賞口が開放されてから前記所定の基準期間が経過した後、大入賞口が閉鎖されるまでの間に、前記領域通過検出手段による検出が行われた場合には、前記第1の報知とは異なる第2の報知を前記報知手段に行わせる制御を実行する報知制御手段と
を有することを特徴とする遊技機。 - 前記報知手段は、音により報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記報知手段は、文字、図形又は色彩を含む装飾情報を画面に表示することにより報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記報知手段は、発光体を点灯させることにより報知することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記第2の報知は、2種類以上の内容を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 識別情報の変動表示を実行する変動表示手段と、
前記変動表示手段に停止表示される前記識別情報の表示態様が所定の賞態様を構成した場合に、遊技球を受け入れない状態から遊技球を受け入れ易い状態となるように大入賞口を開放し、所定の条件の成立又は所定期間の経過に基づいて前記大入賞口を閉鎖する開閉動作を繰り返し行う大入賞口開閉制御手段とを備え、
前記所定の期間にわたる前記大入賞口の開放処理を1ラウンドとし、該1ラウンド内に前記大入賞口にある特定領域を遊技球が通過したことを条件に次のラウンドとして前記大入賞口の開放処理をコンピュータに機能させるシミュレーションゲームプログラムであって、コンピュータを、
前記特定領域を遊技球が通過したことを報知する報知手段と、
前記大入賞口の開放処理が実行されてから所定の基準期間が経過するまでに、前記特定領域を遊技球が通過した場合には、第1の報知を前記報知手段に行わせる処理を実行し、前記大入賞口の開放処理が実行されてから前記所定の基準期間が経過した後、前記大入賞口の開放動作が終了されるまでの間に、前記特定領域を遊技球が通過した場合には、前記第1の報知とは異なる第2の報知を前記報知手段に行わせる処理を実行する報知制御手段として機能させることを特徴とするシミュレーションゲームプログラム。
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