JP2004357866A - 医用画像処理装置及び表示制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】医用画像処理装置10において、アルゴリズム選択手段15は、医師により入力手段14を介して選択入力された一又は複数のアルゴリズム又は医師により入力手段14を介して入力された病変種に応じたアルゴリズムを一又は複数選択し、選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補を検出中に、表示制御手段18は、当該適用されたアルゴリズム及び/又はそのアルゴリズムにおいて検出対象とされる病変種を識別可能に表示手段に表示させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用画像を画像解析して異常陰影候補を検出する医用画像処理装置及び表示制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野においては、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されている。診断時には、CR(Computed Radiography)装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等により生成された医用画像データがモニタに表示され、このモニタ表示された医用画像を医師が読影して、病変部の状態や経時変化を観察している。
【0003】
従来、このような医師の読影に対する負担軽減を目的として、上記医用画像データを画像解析することにより、自動的に病変部を異常陰影候補として検出するコンピュータ診断支援装置(Computed−Aided Diagnosis;以下、CADという。)と呼ばれる医用画像処理装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなCADでは、異常陰影候補検出のアルゴリズムが複数考案されており、検出時には検出対象の病変種に応じて適用するアルゴリズムが選択可能である。例えば、乳房を被写体としたマンモグラフィでは、乳癌の特徴である腫瘤や微小石灰化クラスタ等の異常陰影を検出することが目的とされるが、その腫瘤、微小石灰化クラスタのそれぞれに対して複数のアルゴリズムが提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−112986号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の検出アルゴリズムで異常陰影候補の検出を行う場合、従来のCADでは、検出に適用されているアルゴリズムがどのアルゴリズムであるのかが医師に通知されないので、医師は検出に適用されたアルゴリズムが確認できない。そのため、医師が検出アルゴリズムの選択を誤っていることに気が付かない場合、本来参照すべき異常陰影候補とは異なる異常陰影候補を参照し、誤診を招く恐れがあった。
【0007】
また、一般的に異常陰影候補の検出処理にはある程度の時間を要するため、検出が終了した後に、検出対象の病変種に不適切なアルゴリズムを選択したことに気づいた場合、アルゴリズムを選択し直して再度検出処理を行わなければならず、検出作業に余分な時間を費やすこととなる。
【0008】
本発明の課題は、医師が所望する異常陰影候補を検出するために適正な検出アルゴリズムが使用されているか否かを容易に確認することができる医用画像処理装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、医用画像処理装置において、
患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出するためのアルゴリズムを複数記憶するアルゴリズム記憶手段と、前記記憶された複数のアルゴリズムから、目的に応じた所定のアルゴリズムを選択するアルゴリズム選択手段と、前記選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、前記検出された異常陰影候補を前記医用画像上に表示する表示手段と、を備えた医用画像処理装置において、
前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、当該検出に適用されているアルゴリズムを識別可能に前記表示手段に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項9に記載の発明は、
患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出するためのアルゴリズムを複数記憶するアルゴリズム記憶手段と、医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段とを備えた医用画像処理装置における表示制御方法であって、
前記記憶された複数のアルゴリズムから、目的に応じた所定のアルゴリズムを選択するアルゴリズム選択工程と、
前記選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補検出手段により異常陰影候補を検出する工程と、
前記選択された検出アルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、当該検出に適用されている検出アルゴリズムを識別可能に表示手段に表示させる第1の表示制御工程と、
を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項1、9に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出処理中に、検出に適用されているアルゴリズムが識別可能に表示されるので、医師は検出すべき異常陰影候補が医用画像処理装置により検出されているか否かを容易に確認することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、当該アルゴリズムにおいて検出対象とされる病変種を識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の表示制御方法において、
前記第1の表示制御工程では、前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、当該アルゴリズムにおいて検出対象とされる病変種を識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0014】
請求項2、10に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出処理中に、検出対象とされる病変種が識別可能に表示されるので、医師は所望の病変種の異常陰影候補が医用画像処理装置により検出されているか否かを容易に確認することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、医用画像処理装置において、
患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出するためのアルゴリズムを複数記憶するアルゴリズム記憶手段と、医用画像を表示する表示手段を備えた医用画像処理装置において、
検出対象の病変種の情報を入力する入力手段と、
前記入力された病変種に応じて、前記記憶された複数のアルゴリズムの中から異常陰影候補の検出に用いるアルゴリズムを一又は複数選択するアルゴリズム選択手段と、
前記選択されたアルゴリズムにより医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、その検出対象の病変種を識別可能に前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、
患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出するためのアルゴリズムを複数記憶するアルゴリズム記憶手段と、医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、医用画像を表示する表示手段とを備えた医用画像処理装置における表示制御方法であって、
検出対象の病変種の情報を入力する入力工程と、
前記入力された病変種に応じて、前記記憶された複数のアルゴリズムの中から異常陰影候補の検出に用いるアルゴリズムを一又は複数選択するアルゴリズム選択工程と、
前記選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補検出手段により医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出工程と、
前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、その検出対象の病変種を識別可能に前記表示手段に表示させる第1の表示制御工程と、
を含むことを特徴とする。
【0017】
請求項3、11に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出処理中に、検出対象とされる病変種が識別可能に表示されるので、医師は検出すべき病変種の異常陰影候補が医用画像処理装置により検出されているか否かを容易に確認することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の医用画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補の検出が終了すると、異常陰影候補の検出結果とともに、その検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種を識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、
前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補の検出が終了すると、異常陰影候補の検出結果とともに、その検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種を識別可能に前記表示手段に表示させる第2の表示制御工程を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の表示制御方法。
【0020】
請求項4、12に記載の発明によれば、検出結果とともにその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種が識別可能に表示されるので、どのアルゴリズムで算出された検出結果であるのか、或いは検出された異常陰影候補の病変種を容易に把握することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記異常陰影候補の検出結果をその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報と対応付けて保存する保存手段を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明は、請求項9〜12の何れか一項に記載の表示制御方法において、
前記異常陰影候補の検出結果をその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報と対応付けて保存手段に保存させる保存工程を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項5、13に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出結果とともにその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象とされた病変種の情報が保存されるので、後に異常陰影候補の検出結果を参照する場合でもその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報を確認することができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記表示制御手段は、指示に応じて前記選択されたアルゴリズムに関する詳細な情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0025】
請求項14に記載の発明は、請求項9〜13の何れか一項に記載の表示制御方法において、
前記第1の表示制御工程では、指示に応じて前記選択されたアルゴリズムに関する詳細な情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0026】
請求項6、14に記載の発明によれば、選択されたアルゴリズムに関する詳細な情報を参照することができる。
【0027】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理装置において、
前記表示制御手段は、医用画像に対して初めて異常陰影候補の検出が行われる場合と、異常陰影候補の検出が行われた医用画像に対して再度異なるアルゴリズムで異常陰影候補の検出が行われる場合とにおいて、アルゴリズムの識別表示形態を異なるものとすることを特徴とする。
【0028】
請求項15に記載の発明は、請求項9に記載の表示制御方法において、
前記第1の表示制御工程では、医用画像に対して初めて異常陰影候補の検出が行われる場合と、異常陰影候補の検出が行われた医用画像に対して再度異なる検出アルゴリズムで異常陰影候補の検出が行われる場合とにおいて、アルゴリズムの識別表示形態が異なることを特徴とする。
【0029】
請求項7、15に記載の発明によれば、初回の検出時と、再度の検出時とで、検出に適用されているアルゴリズムの識別表示形態が異なるので、ユーザはその表示形態から医用画像に対して初めて検出処理を行っているのか、再度検出処理を行っているのかを容易に判別することができる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理装置において、
異常陰影候補の検出中に、当該検出で適用されているアルゴリズムの識別表示の表示又は非表示を選択する表示選択手段を備えることを特徴とする。
【0031】
請求項16に記載の発明は、請求項9に記載の表示制御方法において、
異常陰影候補の検出中に、当該検出で適用されているアルゴリズムの識別表示の表示又は非表示を選択する表示選択工程を含むことを特徴とする。
【0032】
請求項8、16に記載の発明によれば、ユーザの要望に応じて、検出に適用されているアルゴリズムの識別表示の表示又は非表示を選択することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、医師により選択された異常陰影候補検出のアルゴリズム又は医師により入力された検出対象の病変種に応じたアルゴリズムを一又は複数選択し、選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補を検出中に、当該検出に適用されたアルゴリズム及び/又はそのアルゴリズムにおいて検出対象とされる病変種を識別可能に表示手段に表示する例を説明する。
【0034】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における医用画像処理装置10の機能的構成を示す。
この医用画像処理装置10では、乳房を撮影したマンモグラフィから異常陰影候補を検出する例を説明するが、検出対象はこれに限らず、胸部や腹部等の他の部位を撮影し、その画像から各部位に応じた異常陰影候補を検出することとしてもよい。
【0035】
図1に示すように、医用画像処理装置10は、画像データ記憶手段12、画像処理手段13、入力手段14、アルゴリズム選択手段15、異常陰影候補検出手段16、アルゴリズム記憶手段16a、保存手段17、表示制御手段18、表示手段19、表示選択手段20を備えて構成される。異常陰影候補の検出対象の画像データは、画像データ入力手段11から医用画像処理装置10に入力される。
【0036】
画像データ入力手段11は、例えばレーザデジタイザ等であり、患者を撮影した医用画像が記録されたフィルム上をレーザビームで走査し、透過した光量を測定してその測定値をアナログデジタル変換することにより、医用画像をデジタル画像データとして医用画像処理装置10へ入力する。
【0037】
なお、画像データ入力手段11は、上記レーザデジタイザに限らず、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光検出素子を適用して、医用画像が記録されたフィルム上を光走査し、その反射光をCCDにより光電変換してデジタル画像データを入力することとしてもよい。
【0038】
また、フィルムに記録された医用画像を読み取るのではなく、蓄積性蛍光体を用いて撮影された医用画像をデジタル変換して医用画像データを生成する撮影装置と接続可能な構成とし、この撮影装置からデジタル画像データを医用画像処理装置10に入力することとしてもよい。この場合には、フィルムが不要であり、コストダウンを図ることが可能となる。
【0039】
また、画像データ入力手段11は、放射線画像を撮像して電気信号として出力するフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)を接続可能な構成とし、このFPDからデジタル画像データを入力することとしてもよい。FPDは、特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子と、この放射線検出素子により生成された電荷を蓄積するコンデンサとが2次元的に配列されたものである。
【0040】
また、画像データ入力手段11は、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光強度を検出するフォトダイオード、CCD、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサ等の光検出素子を画素毎に設けた光検出器を備えた構成とし、放射線を増感紙等の蛍光体層に吸収させて蛍光を発光させ、その蛍光強度を光検出器で検出し、光電変換を行ってデジタル医用画像データを入力することとしてもよい。また、放射線の照射により可視光を発する放射線シンチレータと、レンズアイ及び各々のレンズに対応するエリアセンサと組み合わせた構成であってもよい。
【0041】
また、画像データ入力手段11は、撮影された医用画像データを記録したCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)やフロッピー(登録商標)等の各種記憶媒体から医用画像データを読み取り可能な構成であってもよいし、ネットワークを介して外部装置から医用画像データを受信可能な構成であってもよい。
【0042】
なお、上述した種々の構成によりデジタル医用画像データを得る際には、撮影部位にもよるが、例えばマンモグラフィに対しては、画像の実行画素サイズが200μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。医用画像処理装置10の性能を最大限に発揮させるためには、例えば実行画素サイズ50μm程度の医用画像データを入力することが好ましい。
【0043】
なお、画像データ入力手段11により入力された医用画像データにはヘッダ領域が設けられており、このヘッダ領域に、その医用画像に関する情報、例えば撮影された患者の氏名、患者ID(患者を個別に識別するためのID)、性別等の患者情報、撮影部位、撮影日等の撮影情報、画像がどの検査に属するかを示す検査ID(検査を個別に識別するためのID)等の検査情報等が記録されていることとする。
【0044】
画像データ記憶手段12は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、画像データ入力手段11により入力された医用画像データを記憶する。このとき、必要に応じてデータ圧縮を施すこととする。データ圧縮方法としては、公知のJPEG、DPCM、ウェーブレット圧縮等の手法により、可逆圧縮又は不可逆圧縮を行うことが可能であるが、データ圧縮に伴う画像データの劣化が無い可逆圧縮が好ましい。
【0045】
画像処理手段13は、画像データ入力手段11又は画像データ記憶手段12から読み出した医用画像データに各種画像処理を施して画像出力手段18に出力する。各種画像処理には、コントラストを調整する階調処理、コントラストが小さくなりやすい乳腺や腫瘤の低濃度領域の濃度階調を拡大し、逆に微小石灰化クラスタの画像が存在する可能性が少ない脂肪領域の濃度階調を圧縮するように補正を行うコントラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整するアンシャープネスマスク処理、ダイナミックレンジの広い画像を被写体の細部のコントラストを低下させることなく見やすい濃度範囲に収めるためのダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。
【0046】
入力手段14は、文字キー、数字キー、各種機能キー等を備えたキーボード、マウスや表示手段19と一体型に構成されるタッチパネル等のポインティングディバイスが適用できる。
【0047】
アルゴリズム選択手段15は、医師により入力手段14を介して入力された病変種に応じた所定のアルゴリズムを一又は複数選択する。或いは、複数の異常陰影候補検出のアルゴリズムのうち、医師により入力手段14を介して選択された一又は複数のアルゴリズムを選択し、当該選択されたアルゴリズムの情報を異常陰影候補検出手段16に出力する。
【0048】
異常陰影候補検出手段16は、画像データ記憶手段12から画像データを読み出して画像解析を行うことにより、異常陰影と思われる候補領域を検出し、検出結果を表示制御手段18に出力する。異常陰影候補検出手段16は、各病変種に応じて異常陰影候補検出のアルゴリズムを複数有しており、検出時には、アルゴリズム選択手段15により選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補の検出処理を行う。
【0049】
マンモグラフィでは、乳癌の特徴である腫瘤や微小石灰化クラスタと思われる陰影を検出する。腫瘤陰影は、ある程度の大きさを有する塊であり、マンモグラフィ上では、ガウス分布に近い、白っぽく丸い陰影として現れる。微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在するとそこが初期癌である可能性が高い。マングラフィ上では、略円錐構造を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
【0050】
以下、上述した腫瘤陰影及び微小石灰化クラスタ陰影を検出するアルゴリズムについて説明する。
異常陰影候補検出手段16では、腫瘤陰影の検出に適したアルゴリズムとして、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することが可能である。
【0051】
・左右乳房を比較することによって検出する方法
(Med.Phys.,Vol.21.No.3,pp.445−452)
・アイリスフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J75−D−11,no.3,pp.663−670,1992)
・Quoitフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.3,pp.279−287,1993)
・分割した乳房領域の画素値のヒストグラムに基づく2値化により検出する方法
(JAMIT Frontier 講演論文集,pp.84−85,1995)
・方向性のある多数のラプラシアンフィルタの最小出力をとる最小方向差分フィルタ)
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.2,pp.241−249,1993)
・フラクタル次元を利用して腫瘤陰影の良悪性を鑑別する方法
(Medical Imaging Technology17(5),pp.577−584,1999)
【0052】
また、微小石灰化クラスタ陰影の検出に適したアルゴリズムとして、以下の論文に記載された公知の検出方法を適用することができる。
【0053】
・乳房領域から石灰化の疑いがある領域を局部化し、陰影像の光学濃度差や境界濃度差の標準偏差値等から偽陽性候補を削除する方法
(IEEE Trans Biomed Eng BME−26(4):213−219,1979)
・ラプラシアンフィルタ処理を行った画像を用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.10,pp.1994−2001,1988)
・乳腺等の背景パターンの影響を抑えるためにモルフォロジー解析した画像を使用する検出方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.7,pp.1170−1176,1992)
【0054】
異常陰影候補検出手段16は、上述したようなアルゴリズムを用いて異常陰影候補の検出を行い、検出時にはその候補領域について、候補領域の位置情報、大きさ(面積)、縦横比、円形度、候補領域内のコントラスト、標準偏差、陰影の周辺部から中心部にかけての濃度勾配の強度成分、方向成分等の多種の特徴量を算出する。算出された各種特徴量は、候補領域の検出結果として保存手段17に出力される。
【0055】
アルゴリズム記憶手段16aは、図2に示すように、各種病変種(例えば、“腫瘤”)と、その病変種の異常陰影候補の検出に適した検出アルゴリズム(例えば、“アルゴリズムA”)とを対応付けて記憶する。
【0056】
保存手段17は、異常陰影候補検出手段16から入力された異常陰影候補の検出結果をその検出に適用されたアルゴリズム及び/又はそのアルゴリズムにおいて検出対象とされる病変種の情報と対応付けて保存する。
【0057】
表示制御手段18は、表示手段19を制御して画像処理手段13から入力された画像処理済みの医用画像データを表示させるとともに、その医用画像上に保存手段17に保存された異常陰影候補の検出結果を表示させる。異常陰影候補の検出結果表示は、例えば異常陰影候補の位置を矢印で指摘表示する、異常陰影候補に色づけする等して異常陰影候補を識別可能に表示する。また、表示制御手段18は、異常陰影候補の検出結果を表示させた際に、保存手段17からその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報を読み出して表示中の検出結果とともに医用画像上に表示させる。
【0058】
表示手段19は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ等のモニタが適用され、表示制御手段18の指示に従って医用画像データや異常陰影候補の検出結果、各種表示画面等を表示出力する。表示手段19としては、医用画像専用の精細高輝度のCRT、LCDが好ましく、入力手段14と一体型となったタッチパネルを構成することとしてもよい。
【0059】
表示選択手段20は、異常陰影候補の検出中に、表示手段19に識別表示されたアルゴリズムの識別表示又はこの識別表示の非表示を選択するための表示キー、非表示キーを有する。
【0060】
なお、医用画像処理装置10に、紙等の記録媒体への医用画像データの記録を行うプリンタや、フィルムへの医用画像データの記録を行う露光装置等の出力手段を備えることとしてもよい。
【0061】
次に、本実施の形態における動作を説明する。
図3は、医用画像処理装置10により実行される異常陰影候補の検出処理を説明するフローチャートである。この異常陰影候補の検出処理は、異常陰影候補検出のアルゴリズムを一又は複数選択し、選択されたアルゴリズムで異常陰影候補を検出し、その検出結果を指示に応じて順次表示する処理である。
【0062】
図3に示す異常陰影候補の検出処理では、まずステップS1において、画像データ入力手段11により医用画像データが入力され、画像データ記憶手段12に記憶される。
【0063】
次いで、ステップS2では、表示手段19に、異常陰影候補の検出に適用するアルゴリズムを選択するための選択画面191(図4(a)参照)が表示される。図4(a)に示すように、選択画面191では、医用画像処理装置10側で自動的に検出に適用するアルゴリズムを一又は複数選択する“自動設定”と、医師が検出目的に応じたアルゴリズムを入力手段14を介して選択入力する“マニュアル設定”とが選択可能に表示される。マニュアル設定の場合、各病変種の検出に適切なアルゴリズムが選択可能に選択画面191に表示される。
【0064】
選択画面191において、入力手段14を介して“マニュアル設定”が選択入力され、検出に適用するアルゴリズムが一又は複数選択入力された場合(ステップS2;N)、当該選択された一又は複数のアルゴリズムが検出に適用するアルゴリズムとして、アルゴリズム選択手段15により選択される(ステップS3)。
【0065】
一方、選択画面191において、入力手段14を介して“自動設定”が選択入力された場合(ステップS2;Y)、ステップS4において、検出対象の病変種の情報を入力するための入力画面192が表示手段19に表示される。この入力画面192では、図4(b)に示すように、各病変種が選択可能に表示され、検出を所望する病変種を選択するようガイダンスが行われる。
【0066】
次いで、ステップS5では、医師により入力手段14を介して選択入力された検出対象の病変種に応じて、アルゴリズム選択手段15により異常陰影候補の検出に適用するアルゴリズムが一又は複数、任意に選択される。例えば、検出対象の病変種として腫瘤が選択入力された場合、アルゴリズムA、Bが任意に選択される。
【0067】
なお、アルゴリズムの選択時には、医師からの指示に応じてアルゴリズムに関する詳細な情報を医師に提供することとする。例えば、アルゴリズムAの詳細な情報が要求された場合には、図5に示すような詳細画面193が表示手段19に表示される。詳細画面193では、アルゴリズムAの適用が最適な病変種、つまりアルゴリズムAにおいて検出対象とされる病変種の情報や、検出処理の詳細な内容等、アルゴリズムAに関する詳細な情報が表示される。
【0068】
アルゴリズム選択手段15により一又は複数のアルゴリズムが選択されると、ステップS6では、選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補検出手段16により異常陰影候補の検出が開始される。異常陰影候補の検出が開始されると、ステップS7において、表示制御手段18の表示制御により、検出に適用しているアルゴリズム及び/又はそのアルゴリズムにおいて検出対象とされる病変種が識別可能に表示手段19に表示される。その表示画面例を図6に示す。
【0069】
図6は、異常陰影候補の検出処理中に表示手段19に表示される待機画面194である。待機画面194では、異常陰影候補の検出に適用されているアルゴリズム名“アルゴリズムA”が表示され、そのアルゴリズムで病変種“腫瘤”を検出中であることを通知するメッセージM1が表示される。なお、待機画面194において、検出に適用されているアルゴリズム名に加えて、患者氏名、患者ID等の患者情報をともに表示することとしてもよい。
【0070】
また、画面下部には、検出に適用されているアルゴリズムの識別表示を非表示にするよう指示するための非表示キーk1が表示される。この非表示キーk1が押下されると、表示制御手段18によりアルゴリズムの識別表示が非表示にされるとともに、アルゴリズムの識別表示を指示するための表示キーが表示される。この表示キーが押下されると、図6に示すようなアルゴリズムの識別表示に戻る。すなわち、非表示キー、表示キーの押下により、アルゴリズムの識別表示、非表示の切換を行うことができる。
【0071】
さらに、非表示キーk1に隣接して中止キーk2が表示される。この中止キーk2は、異常陰影候補検出手段16による異常陰影候補の検出処理を中断させるためのキーであり、例えば待機画面194で表示されたアルゴリズム名を確認し、適用するアルゴリズムを間違えたことに気づいた場合に押下することができる。中止キーk2が押下されると、異常陰影候補検出手段16による異常陰影候補の検出処理が強制終了され、処理が中断されるまでに異常陰影候補検出手段により生成されていた特徴量のデータは消去されて保存手段17の記憶容量の節約が図られる。
【0072】
次いで、異常陰影候補の検出が終了すると、ステップS8において、異常陰影候補の検出結果がその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報に対応付けて保存手段17に保存される。
【0073】
次いで、ステップS9では、アルゴリズムが複数選択されているか否かが判別される。一のアルゴリズムのみ選択されている場合(ステップS9;N)、表示制御手段18により、保存手段17から異常陰影候補の検出結果と、その検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報とが読み出される。そして、表示制御手段18の表示制御により、画像処理が施された医用画像データが表示手段19に表示され、その医用画像上に、読み出された異常陰影候補の検出結果が表示されるとともに、検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種が識別可能に表示される(ステップS10)。
【0074】
図7に、異常陰影候補の検出結果の表示例を示す。
図7は、アルゴリズムAによる検出結果が表示された結果画面195を示す図である。図7に示すように、結果画面195では、医用画像から検出された異常陰影候補が矢印のマーカーにより識別可能に医用画像上に表示されるとともに、被写体領域と重ならない位置に、“アルゴリズムA”で“腫瘤”の異常陰影候補を検出したことを示すメッセージM2が表示され、検出に適用されたアルゴリズム及び検出対象の病変種が識別可能に表示される。
【0075】
なお、図7に示した検出結果の表示画面はその一例に過ぎず、例えば「アルゴリズムAで検出」というメッセージを表示させて検出に適用されたアルゴリズムのみを識別可能に表示させることとしてもよいし、「腫瘤を検出」というメッセージを表示させて検出対象の病変種のみを識別可能に表示させることとしてもよい。
【0076】
一方、複数のアルゴリズムが選択されている場合は(ステップS9;Y)、ステップS11に移行する。ステップS11では、選択された複数のアルゴリズムのうち、全てのアルゴリズムを適用して異常陰影候補の検出処理が実行されたか否かが判別される。全てのアルゴリズムを適用して異常陰影候補の検出処理が実行されていない場合(ステップS11;N)、ステップS6に戻り、選択された他のアルゴリズムで再度検出を開始する。
【0077】
このように、異常陰影候補の検出が行われた医用画像に対して、異なるアルゴリズムを適用して再度検出を行う際には、図8に示すような待機画面196が表示手段19に表示される。待機画面196では、画面上部に前回の検出に適用されたアルゴリズム名と、そのアルゴリズムにより検出された病変種及びその検出数が前回の検出結果M3として表示され、画面下部に「現在、「アルゴリズムB」で検出中」であることを通知するメッセージM4が表示される。また、初回の検出時と同様に、画面下部には非表示キーk1、中止キーk2が表示され、アルゴリズムの識別表示/非表示の切換、検出処理の中断を行うことができる。
【0078】
図6、8に示したように、初回の検出時と、再度の検出時とでは、検出に適用されているアルゴリズムの識別表示形態が異なるように、待機画面が構成される。初回の検出時には表示すべき検出結果が無いため、図6に示したように検出に適用されているアルゴリズム名や検出対象の病変種を通知するメッセージだけを表示する表示形態であったが、再度の検出時には、前回の検出結果とともに現在検出に適用されているアルゴリズム名が表示される表示形態となる。従って、待機画面の表示形態から、医用画像に対して初めて検出処理を行っているのか、他のアルゴリズムで再度検出処理を行っているのかを容易に判別することができる。
【0079】
一方、全てのアルゴリズムを適用して異常陰影候補の検出処理が実行されると(ステップS11;Y)、ステップS12において、その複数の検出結果が選択可能に表示手段19に表示され、所望の検出結果を選択するようガイダンスが行われる。そして、医師により入力手段14を介して所望の検出結果を選択入力されると、ステップS13では、表示制御手段18により、選択された検出結果と、その検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報とが保存手段17から読み出される。そして、表示制御手段18の表示制御により、画像処理が施された医用画像データが表示手段19に表示され、その医用画像上に、読み出された検出結果が表示されるとともに、その検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種が識別可能に表示される。
【0080】
選択された検出結果を表示後、ステップS14では、入力手段14を介して他の検出結果の表示を指示されたか否かが判別される。他の検出結果の表示が指示された場合(ステップS14;Y)、ステップS10に戻って表示する検出結果が選択された後、当該選択された検出結果の表示が繰り返される。一方、他の検出結果の表示が指示されない場合(ステップS14;N)は本処理を終了する。
【0081】
以上のように、異常陰影候補検出のアルゴリズムを一又は複数選択され、異常陰影候補の検出中に、検出に適用されているアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種が識別可能に表示されるので、医師は所望の異常陰影候補が医用画像処理装置により検出されているか否かを容易に確認することができる。一般的に、異常陰影候補の検出には有る程度の時間を要するので、検出中に誤ったアルゴリズムや病変種を確認することができると、再度アルゴリズムを選択し直して検出処理を行う等、その後の対応をすばやくとることができ、医師の検出作業時間の短縮につながる。
【0082】
また、医用画像上に、検出結果とともにその検出に適用されたアルゴリズムが識別可能に表示されるので、どのアルゴリズムで算出された検出結果なのか、或いはそのアルゴリズムで検出対象とされる病変種を容易に判別することができる。同様に、検出結果とともに検出対象の病変種が識別可能に表示されるので、検出された異常陰影候補の病変種を容易に判別することができる。
【0083】
さらに、異常陰影候補の検出結果とともにその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報が保存されるので、後に異常陰影候補の検出結果を参照する場合でも、その検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報を確認することができる。また、検出結果の履歴を保存することができる。
【0084】
また、検出に適用されているアルゴリズムの識別表示は、表示選択手段20によりその表示又は非表示を選択することができるので、読影医の要望に応じて検出に適用されているアルゴリズムの情報を提供することができる。
【0085】
なお、本実施の形態における記述内容は、本発明を適用した医用画像処理装置の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0086】
上述した説明では、マンモグラフィにおいて腫瘤陰影や微小石灰化クラスタ陰影等の異常陰影の候補を検出していたが、異常陰影候補の検出対象はこれに限らない。
【0087】
例えば、CTやMRIで撮影された胸部画像や腹部画像等も適用可能である。しかしながら、これらCTやMRIにおいては、患者を撮影する画像枚数自体が多く、各画像データに対して異常陰影候補の検出処理を行うと、検出に要する処理時間をかなり要することとなる。
【0088】
また、患者を撮影した複数枚の2次元画像データから3次元画像データを構成するボリュームレンダリング手法を用いて被写体の3次元像を取得し、この3次元像から診断を行いたい位置を任意に指定して原画像が存在しないスライス画像(2次元画像)を自動的に作成し、このスライス画像から異常陰影候補を検出する場合には、スライス画像を構成する処理時間をかなり要するうえに、異常陰影候補の検出時間も重なるため、スライスする位置を誤指定したり、異常陰影候補の検出アルゴリズムを誤選択すると、診断の際に無駄に時間がかかってしまう。
【0089】
そこで、スライス画像における異常陰影候補検出中には、検出に適用されているアルゴリズム名を表示するとともにスライス位置を表示することとしてもよい。
例えば、異常陰影候補の検出時には、以下の3つの場合が予想される。
▲1▼異常陰影候補検出に用いるアルゴリズムは同一で、スライス位置を順次変更する。
▲2▼同一のスライス位置で、異常陰影候補検出に用いるアルゴリズムを変更する。
▲3▼異常陰影候補の検出に用いるアルゴリズム及びスライス位置の両方を変更する。
【0090】
上記▲1▼の場合、前回と今回の検出処理ではスライス位置が異なることが容易に確認できるように、検出処理中に「スライス位置を変えて同一のアルゴリズムで異常陰影候補を検出中です」等のメッセージを表示手段19に表示させ、スライス位置が変更されていることを強調する。
【0091】
また、上記▲2▼の場合、本実施の形態で説明したように、異常陰影候補のアルゴリズムが変更されていることが容易に確認できるように現在異常陰影候補の検出に適用されているアルゴリズム名を表示手段19に表示させる。
【0092】
そして、上記▲3▼の場合、異常陰影候補の検出処理中に、変更後のアルゴリズム名及び変更後のスライス位置を表示手段19に表示させ、異常陰影候補検出のアルゴリズムとスライス位置の両方が変更されていることを容易に確認することができるようにする。
【0093】
なお、上記▲1▼〜▲3▼の全ての場合において、画面上に中止キーk2を設けて、スライス位置の誤指定又はアルゴリズムの誤選択に気づいた場合に異常陰影候補の検出処理を中断できるようにしておく。これにより、誤選択により処理時間を無駄にすることを防ぐことができる。
【0094】
その他、本実施の形態における医用画像処理装置10の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0095】
【発明の効果】
請求項1、9に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出処理中に、検出に適用されているアルゴリズムが識別可能に表示されるので、医師は検出すべき異常陰影候補が医用画像処理装置により検出されているか否かを容易に確認することができる。
【0096】
請求項2、10に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出処理中に、検出対象とされる病変種が識別可能に表示されるので、医師は所望の病変種の異常陰影候補が医用画像処理装置により検出されているか否かを容易に確認することができる。
【0097】
請求項3、11に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出処理中に、検出対象とされる病変種が識別可能に表示されるので、医師は検出すべき病変種の異常陰影候補が医用画像処理装置により検出されているか否かを容易に確認することができる。
【0098】
請求項4、12に記載の発明によれば、検出結果とともにその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種が識別可能に表示されるので、どのアルゴリズムで算出された検出結果であるのか、或いは検出された異常陰影候補の病変種を容易に把握することができる。
【0099】
請求項5、13に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出結果とともにその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象とされた病変種の情報が保存されるので、後に異常陰影候補の検出結果を参照する場合でもその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報を確認することができる。
【0100】
請求項6、14に記載の発明によれば、選択されたアルゴリズムに関する詳細な情報を参照することができる。
【0101】
請求項7、15に記載の発明によれば、初回の検出時と、再度の検出時とで、検出に適用されているアルゴリズムの識別表示形態が異なるので、ユーザはその表示形態から医用画像に対して初めて検出処理を行っているのか、再度検出処理を行っているのかを容易に判別することができる。
【0102】
請求項8、16に記載の発明によれば、ユーザの要望に応じて、検出に適用されているアルゴリズムの識別表示の表示又は非表示を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の医用画像処理装置10の機能的構成を示す図である。
【図2】アルゴリズム選択手段15が備えるテーブル151のデータ格納例を示す図である。
【図3】医用画像処理装置10により実行される異常陰影候補の検出処理を説明するフローチャートである。
【図4】(a)はアルゴリズムを選択するための選択画面191を示す図であり、(b)は病変種の情報を入力するための入力画面192を示す図である。
【図5】アルゴリズムに関する詳細な情報を提供する詳細画面193を示す図である。
【図6】異常陰影候補を検出中に表示される待機画面194を示す図である。
【図7】検出結果とともにその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は病変種が識別可能に表示された結果画面195を示す図である。
【図8】異常陰影候補の検出が行われた医用画像に対して、異なるアルゴリズムを適用して再度検出を行う際に表示される待機画面195を示す図である。
【符号の説明】
10 医用画像処理装置
11 画像データ入力手段
12 画像データ記憶手段
13 画像処理手段
14 入力手段
15 アルゴリズム選択手段
16 異常陰影候補検出手段
16a アルゴリズム選択手段
17 保存手段
18 表示制御手段
19 表示手段
20 表示選択手段
Claims (16)
- 患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出するためのアルゴリズムを複数記憶するアルゴリズム記憶手段と、前記記憶された複数のアルゴリズムから、目的に応じた所定のアルゴリズムを選択するアルゴリズム選択手段と、前記選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、前記検出された異常陰影候補を前記医用画像上に表示する表示手段と、を備えた医用画像処理装置において、
前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、当該検出に適用されているアルゴリズムを識別可能に前記表示手段に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記表示制御手段は、前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、当該アルゴリズムにおいて検出対象とされる病変種を識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
- 患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出するためのアルゴリズムを複数記憶するアルゴリズム記憶手段と、医用画像を表示する表示手段を備えた医用画像処理装置において、
検出対象の病変種の情報を入力する入力手段と、
前記入力された病変種に応じて、前記記憶された複数のアルゴリズムの中から異常陰影候補の検出に用いるアルゴリズムを一又は複数選択するアルゴリズム選択手段と、
前記選択されたアルゴリズムにより医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、その検出対象の病変種を識別可能に前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記表示制御手段は、前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補の検出が終了すると、異常陰影候補の検出結果とともに、その検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種を識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2又は3に記載の医用画像処理装置。
- 前記異常陰影候補の検出結果をその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報と対応付けて保存する保存手段を備えることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記表示制御手段は、指示に応じて前記選択されたアルゴリズムに関する詳細な情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
- 前記表示制御手段は、医用画像に対して初めて異常陰影候補の検出が行われる場合と、異常陰影候補の検出が行われた医用画像に対して再度異なるアルゴリズムで異常陰影候補の検出が行われる場合とにおいて、アルゴリズムの識別表示形態を異なるものとすることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
- 異常陰影候補の検出中に、当該検出で適用されているアルゴリズムの識別表示の表示又は非表示を選択する表示選択手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
- 患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出するためのアルゴリズムを複数記憶するアルゴリズム記憶手段と、医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段とを備えた医用画像処理装置における表示制御方法であって、
前記記憶された複数のアルゴリズムから、目的に応じた所定のアルゴリズムを選択するアルゴリズム選択工程と、
前記選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補検出手段により異常陰影候補を検出する工程と、
前記選択された検出アルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、当該検出に適用されている検出アルゴリズムを識別可能に表示手段に表示させる第1の表示制御工程と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。 - 前記第1の表示制御工程では、前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、当該アルゴリズムにおいて検出対象とされる病変種を識別可能に前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項9に記載の表示制御方法。
- 患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出するためのアルゴリズムを複数記憶するアルゴリズム記憶手段と、医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、医用画像を表示する表示手段とを備えた医用画像処理装置における表示制御方法であって、
検出対象の病変種の情報を入力する入力工程と、
前記入力された病変種に応じて、前記記憶された複数のアルゴリズムの中から異常陰影候補の検出に用いるアルゴリズムを一又は複数選択するアルゴリズム選択工程と、
前記選択されたアルゴリズムを適用して異常陰影候補検出手段により医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出工程と、
前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補を検出中に、その検出対象の病変種を識別可能に前記表示手段に表示させる第1の表示制御工程と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。 - 前記選択されたアルゴリズムにより異常陰影候補の検出が終了すると、異常陰影候補の検出結果とともに、その検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種を識別可能に前記表示手段に表示させる第2の表示制御工程を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の表示制御方法。
- 前記異常陰影候補の検出結果をその検出に適用されたアルゴリズム及び/又は検出対象の病変種の情報と対応付けて保存手段に保存させる保存工程を含むことを特徴とする請求項9〜12の何れか一項に記載の表示制御方法。
- 前記第1の表示制御工程では、指示に応じて前記選択されたアルゴリズムに関する詳細な情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項9〜13の何れか一項に記載の表示制御方法。
- 前記第1の表示制御工程では、医用画像に対して初めて異常陰影候補の検出が行われる場合と、異常陰影候補の検出が行われた医用画像に対して再度異なる検出アルゴリズムで異常陰影候補の検出が行われる場合とにおいて、アルゴリズムの識別表示形態が異なることを特徴とする請求項9に記載の表示制御方法。
- 異常陰影候補の検出中に、当該検出で適用されているアルゴリズムの識別表示の表示又は非表示を選択する表示選択工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の表示制御方法。
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