JP2004344232A - 医用画像処理装置及び異常陰影候補の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】偽陽性候補の削除条件の変更を可能とし、変更された削除条件で再度削除処理された理異常陰影候補の検出結果を即時に確認可能とする。
【解決手段】医用画像処理装置10は、異常陰影候補の検出結果から偽陽性候補を削除する削除条件を、操作画面に表示されたスライドバーにて容易に変更可能とし、変更された削除条件で改めて削除手段16により削除処理された異常陰影候補の結果を表示制御手段20により即時に表示手段21に表示させる。
【選択図】 図1
【解決手段】医用画像処理装置10は、異常陰影候補の検出結果から偽陽性候補を削除する削除条件を、操作画面に表示されたスライドバーにて容易に変更可能とし、変更された削除条件で改めて削除手段16により削除処理された異常陰影候補の結果を表示制御手段20により即時に表示手段21に表示させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者が撮影された医用画像を画像解析して病変部と思われる画像領域を異常陰影候補として検出する医用画像処理装置及び異常陰影候補の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されており、医師による診断時には、CR(Computed Radiography)装置等により生成された医用画像データはモニタやフィルムに出力され、この出力された医用画像を医師が読影して、病変部と思われる異常陰影を検出したり、病変部の経時変化を観察している。
【0003】
近年では、医師の読影に対する負担軽減を目的として、撮影された医用画像を画像解析することにより、病変部と思われる画像領域を異常陰影候補として自動的に検出するコンピュータ診断支援装置(Computed−Aided Diagnosis;以下、CADという。)と呼ばれる医用画像処理装置が開発されている。
【0004】
CADは、異常陰影の濃度や形態的な特徴に基づいて検出を行うものであり、その検出のアルゴリズムは複数考案されている。例えば、乳房を被写体としたマンモグラフィでは、乳癌の所見として腫瘤や微小石灰化クラスタ等の異常陰影を検出することが目的とされるが、腫瘤の検出アルゴリズムとしてはアイリスフィルタを用いる方法、Quoitフィルタを用いる方法等、複数考案されている。また、微小石灰化クラスタの検出アルゴリズムとしてはモルフォルジー解析を行う方法、ラプラシアンフィルタを用いる方法等が考案されている。CADの中には、複数のアルゴリズムを備えて検出目的とする病変種に応じて適用するアルゴリズムを選択することが可能なものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記CADにおける異常陰影候補の検出手順の一例を以下に示す。
(1)医用画像の画像解析を行って画像特徴量を算出し、当該算出された画像特徴量を用いて、予め異常陰影候補を検出するために各画像特徴量に対して設定されている閾値に基づき、異常陰影候補の画像領域を検出する。
(2)異常陰影候補として検出された画像領域の画像特徴量を用いて、予め偽陽性か真陽性かを判別するために各画像特徴量に対して設定されている閾値に基づき、当該異常陰影候補が真陽性の陰影であるか偽陽性の陰影であるかを判別する。
(3)偽陽性と判別された陰影候補を異常陰影候補の検出結果から削除し、当該偽陽性陰影候補が削除された異常陰影候補の検出結果を最終的な検出結果として出力する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−112986号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記CADでは、画像中の画像特徴量に基づいて検出が行われるため、検出時の条件によっては異常陰影ではない偽陽性の陰影をも異常陰影候補として検出する場合がある。偽陽性陰影の検出数は偽陽性候補の削除時における削除条件に大きく依存し、その削除条件を緩く設定する、つまり偽陽性候補の削除時における閾値を低く設定すると、異常陰影候補の検出結果における偽陽性の含有率が増大する一方、その削除条件を厳しく設定する、つまり偽陽性候補の削除時における閾値を高く設定すると真陽性の陰影候補までも検出結果から削除してしまう可能性もある。
【0009】
従来のCADでは、あるアルゴリズムを選択すると、そのアルゴリズムで設定されている一定の検出条件及び削除条件で処理が行われるため、異なる読影医間で診断の統一性をもたせることができるが、例えば診断の参考にしたいので偽陽性候補が多く含まれていてもよいとする読影医や、偽陽性候補が多いと診断精度が落ちるとする読影医等、読影医によって読影の傾向が異なる場合も多いため、従来のCADでは読影の自由度が低かった。
【0010】
また、削除条件の変更を可能とした場合でも、再度上記(1)〜(4)の手順で異常陰影候補の検出からやりなおして変更された削除条件で削除を行うので、処理時間を要することとなり、読影医の読影作業の負担となることが予想される。
【0011】
本発明の課題は、偽陽性候補の削除条件の変更を可能とし、変更された削除条件で再度削除処理された理異常陰影候補の検出結果を即時に確認可能とする医用画像処理装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
患者が撮影された医用画像を表示する表示手段を備えた医用画像処理装置において、
患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出する検出アルゴリズムを複数有する異常陰影候補検出手段と、
前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影候補から偽陽性候補を削除する削除アルゴリズムを複数有する削除手段と、
検出目的に応じて前記複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムのうち、異常陰影候補の検出に適用する一又は複数の検出アルゴリズム或いは偽陽性候補の削除に適用する一又は複数の削除アルゴリズムを選択する選択手段と、
前記選択された検出アルゴリズムで前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影候補から、前記選択された削除アルゴリズムで前記削除手段により偽陽性候補が削除された異常陰影候補を前記表示された医用画像上に表示させる表示制御手段と、
前記偽陽性候補を削除する削除条件を入力する条件入力手段と、
前記入力された削除条件に応じて、前記偽陽性候補を削除する削除条件を変更する変更手段と、を備え、
前記削除手段は、前記変更された削除条件で偽陽性候補の削除を再度行い、
前記表示制御手段は、前記変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を医用画像上に再表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、
患者が撮影された医用画像を表示する表示手段を備えた医用画像処理装置における異常陰影候補の検出方法であって、
検出目的に応じて、異常陰影候補を検出する複数の検出アルゴリズムのうち、異常陰影候補の検出に適用する一又は複数の検出アルゴリズムを選択する検出選択工程と、
検出目的に応じて、偽陽性候補を削除する複数の削除アルゴリズムのうち、偽陽性候補の削除に適用する一又は複数の削除アルゴリズムを選択する削除選択工程と、
前記選択された検出アルゴリズムで患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出する検出工程と、
前記選択された削除アルゴリズムで前記検出された異常陰影候補から偽陽性候補を削除する第1の削除工程と、
前記第1の削除工程で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を前記表示手段に表示された医用画像上に表示させる第1の表示制御工程と、
前記偽陽性候補を削除する削除条件を入力する条件入力工程と、
前記入力された削除条件に応じて、前記偽陽性候補を削除する削除条件を変更する変更工程と、
前記変更された削除条件で偽陽性候補の削除を再度行う第2の削除工程と、
前記第2の削除工程で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を医用画像上に再表示させる第2の表示制御工程と、
を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項1、6に記載の発明によれば、検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択できるので、検出目的に応じて一又は複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択することができる。また、偽陽性候補の削除条件を変更可能とするので、異常陰影候補の検出結果の微調整を行うことができる。さらに、変更された削除条件で削除処理を行われ、その処理結果が表示されるので、変更による処理結果を即時に確認することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された検出アルゴリズム及び/又は削除アルゴリズムを識別可能に表示させることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の異常陰影候補の検出方法において、
前記第1又は第2の表示制御工程では、前記選択された検出アルゴリズム及び/又は削除アルゴリズムを識別可能に表示させることを特徴とする。
【0017】
請求項2、7に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出に適用される検出アルゴリズムや、偽陽性候補の削除に適用される削除アルゴリズムを容易に判別することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記削除手段により適用された削除条件を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の異常陰影候補の検出方法において、
前記第1又は第2の削除工程で適用された削除条件を前記表示手段に表示させる第3の表示制御工程を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項3、8に記載の発明によれば、偽陽性の削除に適用された削除条件を容易に確認することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
医用画像を読影する読影医の情報を入力する情報入力手段と、
前記入力された読影医の情報と、前記削除手段により適用された削除条件と、当該適用された削除条件により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8の何れか一項に記載の異常陰影候補の検出方法において、
医用画像を読影する読影医の情報を入力する情報入力工程と、
前記入力された読影医の情報と、前記偽陽性候補の削除に適用された削除条件と、当該適用された削除条件により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果とを対応付けて情報記憶手段に記憶する第1の記憶工程と、
を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項4、9に記載の発明によれば、読影医毎に削除条件と、その削除処理結果とを対応付けて記憶するので、以後の削除処理を各読影医に応じた削除条件で行うことができ、処理を実行する度に所望の削除条件に変更する作業を省略することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の医用画像処理装置において、
前記情報記憶手段は、前記読影医の情報と、前記選択手段により選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムとを対応付けて記憶することを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の異常陰影候補の検出方法において、
前記読影医の情報と、前記選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムとを対応付けて前記情報記憶手段に記憶する第2の記憶工程を含むことを特徴とする。
【0026】
請求項5、10に記載の発明によれば、読影医毎に検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを記憶するので、以後の検出処理及び削除処理を読影医に応じたアルゴリズムで行うことができ、処理を実行する度に所望のアルゴリズムを選択する作業を省略することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、異常陰影候補の検出結果から偽陽性候補を削除する削除条件を、操作画面に表示されたスライドバーにて容易に変更可能とし、変更された削除条件で再度削除処理された異常陰影候補の結果を即時に表示する例を説明する。
【0028】
なお、本実施の形態では、乳房を被写体としたマンモグラフィを取り扱う例で説明を行うが、胸部や腹部等の他の部位を被写体としてその各部位に応じた異常陰影の候補を検出する場合にも本発明を適用できることは勿論である。
【0029】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における医用画像処理装置10の機能的構成を示す。
図1に示すように、医用画像処理装置10は、画像データ記憶手段12、画像処理手段13、選択手段14、異常陰影候補検出手段15、削除手段16、変更手段17、情報記憶手段18、情報入力手段19、表示制御手段20、表示手段21、条件入力手段22を備えて構成される。異常陰影候補の検出対象の画像データは、画像データ入力手段11から医用画像処理装置10に入力される。
【0030】
画像データ入力手段11は、例えばレーザデジタイザ等を適用することができ、患者が撮影された医用画像が記録されたフィルム上をレーザビームで走査し、透過した光量を測定してその測定値をアナログデジタル変換することにより、医用画像をデジタル画像データとして医用画像処理装置10へ入力する。
【0031】
なお、画像データ入力手段11は、上記レーザデジタイザに限らず、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光検出素子を適用して、医用画像が記録されたフィルム上を光走査し、その反射光をCCDにより光電変換してデジタル画像データを入力することとしてもよい。
【0032】
また、フィルムに記録された医用画像を読み取るのではなく、蓄積性蛍光体を用いて撮影された医用画像をデジタル変換して医用画像データを生成する撮影装置と接続可能な構成とし、この撮影装置からデジタル画像データを医用画像処理装置10に入力することとしてもよい。この場合には、フィルムが不要であり、コストダウンを図ることができる。
【0033】
また、画像データ入力手段11は、放射線画像を撮像して電気信号として出力するフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)を接続可能な構成とし、このFPDからデジタル画像データを入力することとしてもよい。FPDは、特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子と、この放射線検出素子により生成された電荷を蓄積するコンデンサとが2次元的に配列されたものである。
【0034】
また、画像データ入力手段11は、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光強度を検出するフォトダイオード、CCD、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサなどの光検出素子を画素毎に設けた光検出器を備えた構成とし、放射線を増感紙等の蛍光体層に球種させて蛍光を発光させ、その蛍光強度を光検出器で検出し、光電変換を行ってデジタル医用画像データを入力することとしてもよい。また、放射線の照射により可視光を発する放射線シンチレータと、レンズアイ及び各々のレンズに対応するエリアセンサと組み合わせた構成であってもよい。
【0035】
また、画像データ入力手段11は、撮影された医用画像データを記録したCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)やフロッピー(登録商標)等の各種記憶媒体から医用画像データを読み取り可能な構成であってもよいし、ネットワークを介して外部装置から医用画像データを受信可能な構成であってもよい。
【0036】
なお、上述した種々の構成によりデジタル医用画像データを得る際には、撮影部位にもよるが、例えばマンモグラフィに対しては、画像の実行画素サイズが200μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。医用画像処理装置10の性能を最大限に発揮させるためには、例えば実行画素サイズ50μm程度の医用画像データを入力することが好ましい。
【0037】
なお、画像データ入力手段11により入力された医用画像データにはヘッダ領域が設けられており、このヘッダ領域に、その医用画像に関する情報、例えば撮影された患者の氏名、患者ID(患者を個別に識別するためのID)、性別等の患者情報、撮影部位、撮影日等の撮影情報、画像がどの検査に属するかを示す検査ID(検査を個別に識別するためのID)等の検査情報等が記録されていることとする。
【0038】
画像データ記憶手段12は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、画像データ入力手段11により入力された医用画像データを記憶する。このとき、必要に応じてデータ圧縮を施すこととする。データ圧縮方法としては、公知のJPEG、DPCM、ウェーブレット圧縮等の手法により、可逆圧縮又は不可逆圧縮を行うことが可能であるが、データ圧縮に伴う画像データの劣化が無い可逆圧縮が好ましい。
【0039】
画像処理手段13は、画像データ入力手段11又は画像データ記憶手段12から読み出した医用画像データに各種画像処理を施して表示制御手段20に出力する。各種画像処理には、コントラストを調整する階調処理、コントラストが小さくなりやすい乳腺や腫瘤の低濃度領域の濃度階調を拡大し、逆に微小石灰化クラスタの画像が存在する可能性が少ない脂肪領域の濃度階調を圧縮するように補正を行うコントラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整するアンシャープネスマスク処理、ダイナミックレンジの広い画像を被写体の細部のコントラストを低下させることなく見やすい濃度範囲に収めるためのダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。
【0040】
選択手段14は、図2(a)に示すように、各種病変種とそれぞれの病変種の異常陰影候補検出に最適な一又は複数のアルゴリズム(以下、検出アルゴリズムという。)とを対応付けたテーブル141と、図2(b)に示すように、各種病変種とそれぞれの病変種に最適な一又は複数の偽陽性候補を削除するアルゴリズム(以下、削除アルゴリズムという。)とを対応付けたテーブル142とを有し、医師により情報入力手段19を介して入力された病変種に応じた一又は複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択する。または、選択可能な検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを表示手段21に表示し、情報入力手段19を介して選択入力された一又は複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを実際の処理に適用するアルゴリズムとして選択することとしてもよく、そのアルゴリズムを選択する手順は特に限定しない。
【0041】
異常陰影候補検出手段15は、各種病変種に応じて検出アルゴリズムを複数有しており、画像データ記憶手段12から医用画像を読み出して画像解析を行い、選択手段14により選択された一又は複数の検出アルゴリズムを適用して異常陰影候補の検出処理を行う。
【0042】
マンモグラフィでは、乳癌の特徴である腫瘤や微小石灰化クラスタと思われる陰影を検出する。腫瘤陰影は、有る程度の大きさを有する塊であり、マンモグラフィ上ではガウス分布に近い、白っぽくて丸い陰影として現れる。微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在するとそこが初期癌である可能性が高い。マンモグラフィ上では、略円錐構造を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
【0043】
異常陰影候補検出手段15では、上述した腫瘤陰影の検出アルゴリズムとして、以下の論文に記載された公知の方法を適用することが可能である。
・左右乳房を比較することによって検出する方法
(Med.Phys.,Vol.21.No.3,pp.445−452)
・アイリスフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J75−D−11,no.3,pp.663−670,1992)
・Quoitフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.3,pp.279−287,1993)
・分割した乳房領域の画素値のヒストグラムに基づく2値化により検出する方法
(JAMIT Frontier 講演論文集,pp.84−85,1995)
・方向性のある多数のラプラシアンフィルタの最小出力をとる最小方向差分フィルタ)
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.2,pp.241−249,1993)
【0044】
また、微小石灰化クラスタ陰影の検出アルゴリズムとして、以下の論文に記載された公知の方法を適用することができる。
・ラプラシアンフィルタ処理を行った画像を用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.10,pp.1994−2001,1988)
・乳腺等の背景パターンの影響を抑えるためにモルフォロジー解析した画像を使用する検出方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.7,pp.1170−1176,1992)
【0045】
異常陰影候補検出手段15は、上述したようなアルゴリズムにより、例えば検出対象が腫瘤であれば医用画像から陰影候補の縦横比、最小幅、円形度、候補領域の平均コントラスト、候補領域における画素値の平均標準偏差、候補中心部のアンシャープネスマスク画像の標準偏差、重心、2次モーメント、エントロピー等の各種画像特徴量を算出し、検出対象が微小石灰化クラスタであれば医用画像から3重リングフィルタの方向成分、強度成分、可変リングフィルタの方向成分、強度成分、候補領域におけるコントラスト等の各種画像特徴量を算出する。そして、算出された画像特徴量に対して予め設定されている閾値以上の特徴量を有する陰影(或いは、閾値以下で異常陰影と判断する場合には、閾値以下の特徴量を有する陰影)を異常陰影候補として検出し、検出結果を削除手段16に出力する。
【0046】
削除手段16は、異常陰影候補検出手段15による異常陰影候補の検出結果から偽陽性候補を削除し、当該偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果を最終的な検出結果として表示制御手段20に出力する。削除手段16は、偽陽性候補の削除アルゴリズムを複数有しており、削除する際には選択手段14により選択された削除アルゴリズムを適用して偽陽性候補の削除処理を実行する。
【0047】
削除手段16は、初回の削除処理では、初期設定されている削除条件で偽陽性候補の削除処理を実行し、その後、変更手段17により削除条件の変更があった場合には、異常陰影候補検出手段15により算出され情報記憶手段18に記憶された画像特徴量を用いて、当該変更された削除条件で再度削除処理を実行し、その処理結果を表示制御手段20に出力する。
【0048】
削除手段16では、削除アルゴリズムとして、以下の論文に記載れた公知の方法を適用することが可能である。
・フラクタル次元を利用して腫瘤陰影の良悪性を鑑別する方法
(Medical Imaging Technology17(5),pp.577−584,1999)
・乳房領域から石灰化の疑いがある領域を局部化し、陰影像の光学濃度差や境界濃度差の標準偏差値等から偽陽性候補を削除する方法
(IEEE Trans Biomed Eng BME−26(4):213−219,1979)
【0049】
また、削除アルゴリズムとして、マハラノビスの距離、ニューラルネットワーク、判別分析等の多変量解析の手法を用いることとしてもよい。
【0050】
削除手段16は、上述したような手法により、異常陰影候補検出手段15により算出され情報記憶手段18に記憶された画像特徴量と、各画像特徴量に対して設定されている閾値とを比較し、当該閾値を超えた陰影候補は悪性度が高い真陽性であり、当該閾値を下回る陰影候補は悪性度が低く偽陽性であると判別し、偽陽性と判別された候補を検出結果から削除する。このとき、偽陽性か真陽性かの判別は各画像特徴量に対して設定される閾値、つまり削除条件に左右され、閾値が低い値に設定され、削除条件が緩やかな条件である場合は異常陰影候補の検出結果における偽陽性候補の含有率が高くなる。一方、閾値が高い値に設定され、削除条件が厳しい条件である場合には異常陰影候補の検出結果における偽陽性候補の含有率が低くなるとともに、真陽性候補をも検出結果から削除する可能性が高くなる。
【0051】
変更手段17は、削除手段16における削除条件の変更を行う。例えば、変更手段17は、表示手段21に異常陰影候補の検出結果における偽陽性候補の含有率を変更するためのスライドバーを表示し、条件入力手段22を介して医師のスライドバー操作により変更入力された偽陽性候補の検出率に応じて、現在設定されている削除条件の変更を行う。または、偽陽性候補の削除条件を入力するための入力画面を表示手段21に表示し、当該入力画面において医師により条件入力手段22を介して入力された削除条件に変更することとしてもよく、その削除条件を変更するための手順は特に限定しない。
【0052】
情報記憶手段18は、磁気的又は光学的記録媒体、半導体メモリ等から構成され、異常陰影候補検出手段15により算出された画像特徴量等を記憶する。また、情報記憶手段18は、図3に示すように、情報入力手段19を介して入力された読影医の氏名、所属診療科等の読影医情報と、検出対象の病変種と、検出に適用された検出アルゴリズムと、偽陽性候補の削除に適用された削除アルゴリズムと、削除処理時の削除条件と、偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果と、読影日とを対応付けて記憶する。
【0053】
情報入力手段19は、文字キー、数字キー、各種機能キー等を備えたキーボード、或いはマウスや、表示手段21と一体型に構成されるタッチパネル等のポインティングディバイスを適用することができる。情報入力手段19は、医師の操作に応じて入力された読影医情報を情報記憶手段18に出力する。また、読影医により入力された病変種の情報や指定された検出アルゴリズム、削除アルゴリズム等の情報を選択手段14に出力する。
【0054】
表示制御手段20は、表示手段21を制御して各種表示情報を表示させる。表示制御手段20は、画像処理手段13から入力された画像処理済みの医用画像を表示手段21に表示させるとともに、その医用画像上に削除手段16から入力された異常陰影候補の検出結果を表示させる。このとき、例えば異常陰影候補を色づけする、位置を矢印で指摘表示する等して異常陰影候補を識別可能に表示させる。
【0055】
また、表示制御手段20は、検出アルゴリズム、削除アルゴリズムを選択するための選択画面や、削除条件を変更するためのスライドバーを表示する変更画面、読影医情報を入力するための入力画面等の各種操作画面を表示手段21に表示させる。
【0056】
表示手段21は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ等のモニタが適用され、表示制御手段20の表示制御に従って、医用画像や異常陰影候補の検出結果、各種操作画面を表示出力する。表示手段21としては、医用画像専用の精細高輝度のCRT、LCDが好ましく、情報入力手段19と一体型になったタッチパネルを構成することとしてもよい。
【0057】
条件入力手段22は、キーボードやマウス、タッチパネルを適用することが可能であり、偽陽性候補の削除条件を変更する際に、医師の操作に応じて変更後の削除条件を入力する。
【0058】
次に、図4〜図8を参照して、本実施の形態における動作を説明する。
図4は、医用画像処理装置10により実行される異常陰影候補の検出処理である。この異常陰影候補の検出処理は、選択された検出アルゴリズムで異常陰影候補の検出処理を行い、選択された削除アルゴリズムで偽陽性候補の削除処理を行って、当該偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果を表示し、読影医により削除条件が変更されると当該変更された削除条件で再度偽陽性候補の削除処理を実行してその処理結果を即時に表示する処理である。
【0059】
図4に示す異常陰影候補の検出処理では、まずステップS1において、画像データ入力手段11により医用画像データが入力され、当該入力された医用画像データが画像データ記憶手段12に記憶される。
【0060】
次いで、ステップS2では、選択手段14により、表示手段19に異常陰影候補の検出アルゴリズム及び偽陽性候補の削除アルゴリズムを選択するための選択画面(図示せず)が表示される。この選択画面では、医用画像処理装置10で検出可能な病変種が選択可能に表示され、検出対象の病変種を選択するようガイダンスが行われる。この選択画面において読影医により情報入力手段19を介して検出対象の病変種が選択入力されると、テーブル141、142に基づいて当該選択された病変種に応じた検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムが選択される。
【0061】
各アルゴリズムが選択されると、ステップS3では、異常陰影候補検出手段15により、選択された検出アルゴリズムで異常陰影候補の検出処理が実行される。検出時に算出された画像特徴量は情報記憶手段18に出力されて記憶されるとともに、異常陰影候補の検出結果が削除手段16に出力される。
【0062】
次いで、ステップS4では、削除手段16により、選択された削除アルゴリズムで偽陽性候補の削除処理が実行される。偽陽性候補の削除処理では、異常陰影候補検出手段15から入力された候補領域の画像特徴量に基づいて、予め設定された削除条件により偽陽性候補の削除が行われる。偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果は、表示制御手段20に出力される。
【0063】
次いで、ステップS5では、表示制御手段20の表示制御により、画像処理された医用画像が表示手段21に表示されるとともに、当該医用画像上に削除手段16により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果が表示される。図5にその表示例を示す。
【0064】
図5に示すように、画像画面211では、医用画像上に異常陰影候補が矢印により指摘表示されている。また、被写体領域に重ならない位置に、「アルゴリズムAで腫瘤を検出。アルゴリズムXで偽陽性候補を削除」のメッセージM1が表示され、異常陰影候補の検出に適用された検出アルゴリズム、検出対象とされた病変種及び偽陽性候補の削除に適用された削除アルゴリズムが識別可能に表示されている。なお、検出アルゴリズムのみを識別可能に表示することとしてもよいし、削除アルゴリズムのみを識別可能に表示することとしてもよい。さらに、画面下部にはメニューバーM2が表示され、当該メニューバーM2に偽陽性候補の削除条件の変更を指示するための条件変更キーK1と、現在設定されている削除条件の詳細情報の表示を指示するための条件詳細キーK2と、読影医情報の入力操作に移行するための読影医設定キーK3とが表示されている。
【0065】
上記条件詳細キーK2が押下され、削除条件の詳細情報の表示が指示された場合には、図6に示すような詳細画面212が表示手段21に表示される。詳細画面212では、現在設定されている削除条件として、各種画像特徴量に対して設定されている閾値がリスト表示される。
【0066】
次いで、ステップS6では、画像画面211において条件変更キーK1の押下により削除条件の変更が指示されたか否かが判別される。削除条件の変更が指示されていない場合は(ステップS6;N)、後述するステップS10の処理へ移行し、削除条件の変更が指示された場合は(ステップS6;Y)、ステップS7の処理に移行する。
【0067】
ステップS7では、変更手段17により、削除条件の変更が行われる。まず、表示制御手段20を介して表示手段21に変更画面213(図7参照)が表示される。図7に示すように、変更画面213では、異常陰影候補の検出結果における偽陽性候補の含有率を変更するためのスライドバーM3が表示され、ポインタPを操作してスライドバーM3を移動させ、偽陽性候補の含有率を所望の値に変更するようガイダンスが行われる。この偽陽性候補の含有率は、大きい値に変更すると、削除条件が緩やかな条件に変更され、異常陰影候補の検出結果に含まれる偽陽性候補数が多くなる。逆に、偽陽性候補の含有率を小さい値に変更すると、削除条件が厳しい条件に変更され、異常陰影候補の検出結果に含まれる偽陽性候補数が少なくなる。
【0068】
この変更画面213において、条件入力手段22を介してスライドバーM3が操作され、偽陽性候補の含有率が変更入力されると、現在設定されている削除条件が、変更された含有率に応じた削除条件に変更される。
【0069】
削除条件が変更されると、ステップS8では、削除手段16により変更された削除条件で改めて偽陽性候補の削除処理が行われる。そして、この削除処理において偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果が表示制御手段20に出力され、表示手段21に再表示される。図8に再表示された医用画像の表示例を示す。
【0070】
図8に示すように、画像画面214では、変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果が医用画像上に表示される。このとき、削除条件の変更により異常陰影候補数が増減している場合もある。例えば削除条件が緩やかな条件に変更されている場合は、検出結果における偽陽性候補の含有率が高くなり最終的に検出された異常陰影候補数が増大している可能性が高い。逆に、削除条件が厳しい条件に変更されている場合は、検出結果における偽陽性候補の含有率が低くなり最終的に検出された異常陰影候補数が減少している可能性が高い。
【0071】
また、画面下部には、図5に示した画像画面211と同様に条件変更キーK1、条件詳細キーK2、読影医設定キーK3が表示される。読影医は、画像画面214に表示された異常陰影候補の検出結果を確認後、さらに削除条件を変更したい場合は条件変更キーK1を押下する。
【0072】
ステップS9では、再表示された画像画面211において、条件変更キーK1が押下され、さらに偽陽性候補の削除条件の変更を指示されたか否かが判別される。偽陽性候補の削除条件の変更が指示された場合は(ステップS9;Y)、ステップS7に戻って削除条件の変更及び検出結果の再表示を繰り返し、偽陽性候補の削除条件の変更が指示されなかった場合は(ステップS9;N)、ステップS10に移行する。
【0073】
ステップS10では、読影医設定キーK3の押下により、読影医情報を入力するための入力領域を含む入力画面(図示せず)が表示手段21に表示され、読影医情報を入力するようガイダンスが行われる。そして、情報入力手段19を介して読影医により読影医情報が入力されると、ステップS11では、入力された読影情報に対応付けて、ステップS2で選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムと、削除処理に適用された削除条件と、偽陽性候補が削除された最終的な異常陰影候補の検出結果とが対応付けて情報記憶手段18に記憶され、本処理を終了する。
【0074】
以上のように、偽陽性候補の削除条件を変更可能とし、変更された削除条件で削除処理を再度行ってその処理結果を再表示するので、削除条件の微調整を行うことができる。従って、異常陰影候補の検出結果の微調整を行うことができ、読影医に応じた異常陰影候補検出を行うことができる。また、削除条件を変更後、即時にその変更による異常陰影候補の検出結果を確認することができる。
【0075】
また、変更された削除条件で再削除処理の際には、異常陰影候補検出手段15により算出され情報記憶手段18に記憶された候補領域の画像特徴量を用いるので、削除条件を変更する度に画像特徴量を算出する必要がなく、処理時間を大幅に短縮することができる。従って、再削除処理により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果を即時に表示することができ、読影医の読影作業の効率化を図ることができる。
【0076】
また、読影医の情報に対応付けて、当該読影医により選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムと、当該読影医により変更された削除条件と、変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果とが情報記憶手段18に記憶されるので、各読影医に応じた検出アルゴリズム、削除アルゴリズム、削除条件で以後の異常陰影候補の検出処理、偽陽性候補の削除処理を行うことができる。従って、読影を行う度に検出アルゴリズムや削除アルゴリズムを選択したり、削除条件を変更する操作手順を省略することができ、読影医の読影作業の効率化を図ることができる。
【0077】
【発明の効果】
請求項1、6に記載の発明によれば、検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択できるので、検出目的に応じて一又は複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択することができる。また、偽陽性候補の削除条件を変更可能とするので、異常陰影候補の検出結果の微調整を行うことができる。さらに、変更された削除条件で削除処理を行われ、その処理結果が表示されるので、変更による処理結果を即時に確認することができる。
【0078】
請求項2、7に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出に適用される検出アルゴリズムや、偽陽性候補の削除に適用される削除アルゴリズムを容易に判別することができる。
【0079】
請求項3、8に記載の発明によれば、偽陽性の削除に適用された削除条件を容易に確認することができる。
【0080】
請求項4、9に記載の発明によれば、読影医毎に削除条件と、その削除処理結果とを対応付けて記憶するので、以後の削除処理を各読影医に応じた削除条件で行うことができ、処理を実行する度に所望の削除条件に変更する作業を省略することができる。
【0081】
請求項5、10に記載の発明によれば、読影医毎に検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを記憶するので、以後の検出処理及び削除処理を読影医に応じたアルゴリズムで行うことができ、処理を実行する度に所望のアルゴリズムを選択する作業を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の医用画像処理装置10の機能的構成を示す図である。
【図2】選択手段14が備えるテーブルのデータ構成例を示す図であり、(a)は病変種と検出アルゴリズムとを対応付けたテーブルであり、(b)病変種と削除アルゴリズムとを対応付けたテーブルである。
【図3】情報記憶手段18に記憶されるデータ例を示す図である。
【図4】医用画像処理装置10により実行される異常陰影候補の検出処理を示すフローチャートである。
【図5】医用画像上に異常陰影候補の検出結果が表示された画像画面211である。
【図6】偽陽性候補の削除条件の詳細情報が表示された詳細画面212である。
【図7】偽陽性候補の削除条件を変更するための変更画面213である。
【図8】変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果が医用画像上に表示された画像画面214である。
【符号の説明】
10 医用画像処理装置
11 画像データ入力手段
12 画像データ記憶手段
13 画像処理手段
14 選択手段
15 異常陰影候補検出手段
16 削除手段
17 変更手段
18 情報記憶手段
19 情報入力手段
20 表示制御手段
21 表示手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、患者が撮影された医用画像を画像解析して病変部と思われる画像領域を異常陰影候補として検出する医用画像処理装置及び異常陰影候補の検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療の分野では、患者を撮影した医用画像のデジタル化が実現されており、医師による診断時には、CR(Computed Radiography)装置等により生成された医用画像データはモニタやフィルムに出力され、この出力された医用画像を医師が読影して、病変部と思われる異常陰影を検出したり、病変部の経時変化を観察している。
【0003】
近年では、医師の読影に対する負担軽減を目的として、撮影された医用画像を画像解析することにより、病変部と思われる画像領域を異常陰影候補として自動的に検出するコンピュータ診断支援装置(Computed−Aided Diagnosis;以下、CADという。)と呼ばれる医用画像処理装置が開発されている。
【0004】
CADは、異常陰影の濃度や形態的な特徴に基づいて検出を行うものであり、その検出のアルゴリズムは複数考案されている。例えば、乳房を被写体としたマンモグラフィでは、乳癌の所見として腫瘤や微小石灰化クラスタ等の異常陰影を検出することが目的とされるが、腫瘤の検出アルゴリズムとしてはアイリスフィルタを用いる方法、Quoitフィルタを用いる方法等、複数考案されている。また、微小石灰化クラスタの検出アルゴリズムとしてはモルフォルジー解析を行う方法、ラプラシアンフィルタを用いる方法等が考案されている。CADの中には、複数のアルゴリズムを備えて検出目的とする病変種に応じて適用するアルゴリズムを選択することが可能なものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記CADにおける異常陰影候補の検出手順の一例を以下に示す。
(1)医用画像の画像解析を行って画像特徴量を算出し、当該算出された画像特徴量を用いて、予め異常陰影候補を検出するために各画像特徴量に対して設定されている閾値に基づき、異常陰影候補の画像領域を検出する。
(2)異常陰影候補として検出された画像領域の画像特徴量を用いて、予め偽陽性か真陽性かを判別するために各画像特徴量に対して設定されている閾値に基づき、当該異常陰影候補が真陽性の陰影であるか偽陽性の陰影であるかを判別する。
(3)偽陽性と判別された陰影候補を異常陰影候補の検出結果から削除し、当該偽陽性陰影候補が削除された異常陰影候補の検出結果を最終的な検出結果として出力する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−112986号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記CADでは、画像中の画像特徴量に基づいて検出が行われるため、検出時の条件によっては異常陰影ではない偽陽性の陰影をも異常陰影候補として検出する場合がある。偽陽性陰影の検出数は偽陽性候補の削除時における削除条件に大きく依存し、その削除条件を緩く設定する、つまり偽陽性候補の削除時における閾値を低く設定すると、異常陰影候補の検出結果における偽陽性の含有率が増大する一方、その削除条件を厳しく設定する、つまり偽陽性候補の削除時における閾値を高く設定すると真陽性の陰影候補までも検出結果から削除してしまう可能性もある。
【0009】
従来のCADでは、あるアルゴリズムを選択すると、そのアルゴリズムで設定されている一定の検出条件及び削除条件で処理が行われるため、異なる読影医間で診断の統一性をもたせることができるが、例えば診断の参考にしたいので偽陽性候補が多く含まれていてもよいとする読影医や、偽陽性候補が多いと診断精度が落ちるとする読影医等、読影医によって読影の傾向が異なる場合も多いため、従来のCADでは読影の自由度が低かった。
【0010】
また、削除条件の変更を可能とした場合でも、再度上記(1)〜(4)の手順で異常陰影候補の検出からやりなおして変更された削除条件で削除を行うので、処理時間を要することとなり、読影医の読影作業の負担となることが予想される。
【0011】
本発明の課題は、偽陽性候補の削除条件の変更を可能とし、変更された削除条件で再度削除処理された理異常陰影候補の検出結果を即時に確認可能とする医用画像処理装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、
患者が撮影された医用画像を表示する表示手段を備えた医用画像処理装置において、
患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出する検出アルゴリズムを複数有する異常陰影候補検出手段と、
前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影候補から偽陽性候補を削除する削除アルゴリズムを複数有する削除手段と、
検出目的に応じて前記複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムのうち、異常陰影候補の検出に適用する一又は複数の検出アルゴリズム或いは偽陽性候補の削除に適用する一又は複数の削除アルゴリズムを選択する選択手段と、
前記選択された検出アルゴリズムで前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影候補から、前記選択された削除アルゴリズムで前記削除手段により偽陽性候補が削除された異常陰影候補を前記表示された医用画像上に表示させる表示制御手段と、
前記偽陽性候補を削除する削除条件を入力する条件入力手段と、
前記入力された削除条件に応じて、前記偽陽性候補を削除する削除条件を変更する変更手段と、を備え、
前記削除手段は、前記変更された削除条件で偽陽性候補の削除を再度行い、
前記表示制御手段は、前記変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を医用画像上に再表示させることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、
患者が撮影された医用画像を表示する表示手段を備えた医用画像処理装置における異常陰影候補の検出方法であって、
検出目的に応じて、異常陰影候補を検出する複数の検出アルゴリズムのうち、異常陰影候補の検出に適用する一又は複数の検出アルゴリズムを選択する検出選択工程と、
検出目的に応じて、偽陽性候補を削除する複数の削除アルゴリズムのうち、偽陽性候補の削除に適用する一又は複数の削除アルゴリズムを選択する削除選択工程と、
前記選択された検出アルゴリズムで患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出する検出工程と、
前記選択された削除アルゴリズムで前記検出された異常陰影候補から偽陽性候補を削除する第1の削除工程と、
前記第1の削除工程で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を前記表示手段に表示された医用画像上に表示させる第1の表示制御工程と、
前記偽陽性候補を削除する削除条件を入力する条件入力工程と、
前記入力された削除条件に応じて、前記偽陽性候補を削除する削除条件を変更する変更工程と、
前記変更された削除条件で偽陽性候補の削除を再度行う第2の削除工程と、
前記第2の削除工程で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を医用画像上に再表示させる第2の表示制御工程と、
を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項1、6に記載の発明によれば、検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択できるので、検出目的に応じて一又は複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択することができる。また、偽陽性候補の削除条件を変更可能とするので、異常陰影候補の検出結果の微調整を行うことができる。さらに、変更された削除条件で削除処理を行われ、その処理結果が表示されるので、変更による処理結果を即時に確認することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された検出アルゴリズム及び/又は削除アルゴリズムを識別可能に表示させることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の異常陰影候補の検出方法において、
前記第1又は第2の表示制御工程では、前記選択された検出アルゴリズム及び/又は削除アルゴリズムを識別可能に表示させることを特徴とする。
【0017】
請求項2、7に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出に適用される検出アルゴリズムや、偽陽性候補の削除に適用される削除アルゴリズムを容易に判別することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理装置において、
前記表示制御手段は、前記削除手段により適用された削除条件を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の異常陰影候補の検出方法において、
前記第1又は第2の削除工程で適用された削除条件を前記表示手段に表示させる第3の表示制御工程を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項3、8に記載の発明によれば、偽陽性の削除に適用された削除条件を容易に確認することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
医用画像を読影する読影医の情報を入力する情報入力手段と、
前記入力された読影医の情報と、前記削除手段により適用された削除条件と、当該適用された削除条件により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8の何れか一項に記載の異常陰影候補の検出方法において、
医用画像を読影する読影医の情報を入力する情報入力工程と、
前記入力された読影医の情報と、前記偽陽性候補の削除に適用された削除条件と、当該適用された削除条件により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果とを対応付けて情報記憶手段に記憶する第1の記憶工程と、
を含むことを特徴とする。
【0023】
請求項4、9に記載の発明によれば、読影医毎に削除条件と、その削除処理結果とを対応付けて記憶するので、以後の削除処理を各読影医に応じた削除条件で行うことができ、処理を実行する度に所望の削除条件に変更する作業を省略することができる。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の医用画像処理装置において、
前記情報記憶手段は、前記読影医の情報と、前記選択手段により選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムとを対応付けて記憶することを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の異常陰影候補の検出方法において、
前記読影医の情報と、前記選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムとを対応付けて前記情報記憶手段に記憶する第2の記憶工程を含むことを特徴とする。
【0026】
請求項5、10に記載の発明によれば、読影医毎に検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを記憶するので、以後の検出処理及び削除処理を読影医に応じたアルゴリズムで行うことができ、処理を実行する度に所望のアルゴリズムを選択する作業を省略することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態では、異常陰影候補の検出結果から偽陽性候補を削除する削除条件を、操作画面に表示されたスライドバーにて容易に変更可能とし、変更された削除条件で再度削除処理された異常陰影候補の結果を即時に表示する例を説明する。
【0028】
なお、本実施の形態では、乳房を被写体としたマンモグラフィを取り扱う例で説明を行うが、胸部や腹部等の他の部位を被写体としてその各部位に応じた異常陰影の候補を検出する場合にも本発明を適用できることは勿論である。
【0029】
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における医用画像処理装置10の機能的構成を示す。
図1に示すように、医用画像処理装置10は、画像データ記憶手段12、画像処理手段13、選択手段14、異常陰影候補検出手段15、削除手段16、変更手段17、情報記憶手段18、情報入力手段19、表示制御手段20、表示手段21、条件入力手段22を備えて構成される。異常陰影候補の検出対象の画像データは、画像データ入力手段11から医用画像処理装置10に入力される。
【0030】
画像データ入力手段11は、例えばレーザデジタイザ等を適用することができ、患者が撮影された医用画像が記録されたフィルム上をレーザビームで走査し、透過した光量を測定してその測定値をアナログデジタル変換することにより、医用画像をデジタル画像データとして医用画像処理装置10へ入力する。
【0031】
なお、画像データ入力手段11は、上記レーザデジタイザに限らず、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の光検出素子を適用して、医用画像が記録されたフィルム上を光走査し、その反射光をCCDにより光電変換してデジタル画像データを入力することとしてもよい。
【0032】
また、フィルムに記録された医用画像を読み取るのではなく、蓄積性蛍光体を用いて撮影された医用画像をデジタル変換して医用画像データを生成する撮影装置と接続可能な構成とし、この撮影装置からデジタル画像データを医用画像処理装置10に入力することとしてもよい。この場合には、フィルムが不要であり、コストダウンを図ることができる。
【0033】
また、画像データ入力手段11は、放射線画像を撮像して電気信号として出力するフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector;以下、FPDという。)を接続可能な構成とし、このFPDからデジタル画像データを入力することとしてもよい。FPDは、特開平6−342098号公報に記載されているように、照射された放射線の強度に応じた電荷を生成する放射線検出素子と、この放射線検出素子により生成された電荷を蓄積するコンデンサとが2次元的に配列されたものである。
【0034】
また、画像データ入力手段11は、特開平9−90048号公報に記載されているように、蛍光強度を検出するフォトダイオード、CCD、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサなどの光検出素子を画素毎に設けた光検出器を備えた構成とし、放射線を増感紙等の蛍光体層に球種させて蛍光を発光させ、その蛍光強度を光検出器で検出し、光電変換を行ってデジタル医用画像データを入力することとしてもよい。また、放射線の照射により可視光を発する放射線シンチレータと、レンズアイ及び各々のレンズに対応するエリアセンサと組み合わせた構成であってもよい。
【0035】
また、画像データ入力手段11は、撮影された医用画像データを記録したCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory)やフロッピー(登録商標)等の各種記憶媒体から医用画像データを読み取り可能な構成であってもよいし、ネットワークを介して外部装置から医用画像データを受信可能な構成であってもよい。
【0036】
なお、上述した種々の構成によりデジタル医用画像データを得る際には、撮影部位にもよるが、例えばマンモグラフィに対しては、画像の実行画素サイズが200μm以下であることが好ましく、さらには100μm以下であることが好ましい。医用画像処理装置10の性能を最大限に発揮させるためには、例えば実行画素サイズ50μm程度の医用画像データを入力することが好ましい。
【0037】
なお、画像データ入力手段11により入力された医用画像データにはヘッダ領域が設けられており、このヘッダ領域に、その医用画像に関する情報、例えば撮影された患者の氏名、患者ID(患者を個別に識別するためのID)、性別等の患者情報、撮影部位、撮影日等の撮影情報、画像がどの検査に属するかを示す検査ID(検査を個別に識別するためのID)等の検査情報等が記録されていることとする。
【0038】
画像データ記憶手段12は、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリ等により構成され、画像データ入力手段11により入力された医用画像データを記憶する。このとき、必要に応じてデータ圧縮を施すこととする。データ圧縮方法としては、公知のJPEG、DPCM、ウェーブレット圧縮等の手法により、可逆圧縮又は不可逆圧縮を行うことが可能であるが、データ圧縮に伴う画像データの劣化が無い可逆圧縮が好ましい。
【0039】
画像処理手段13は、画像データ入力手段11又は画像データ記憶手段12から読み出した医用画像データに各種画像処理を施して表示制御手段20に出力する。各種画像処理には、コントラストを調整する階調処理、コントラストが小さくなりやすい乳腺や腫瘤の低濃度領域の濃度階調を拡大し、逆に微小石灰化クラスタの画像が存在する可能性が少ない脂肪領域の濃度階調を圧縮するように補正を行うコントラスト補正処理、画像の鮮鋭度を調整するアンシャープネスマスク処理、ダイナミックレンジの広い画像を被写体の細部のコントラストを低下させることなく見やすい濃度範囲に収めるためのダイナミックレンジ圧縮処理等が含まれる。
【0040】
選択手段14は、図2(a)に示すように、各種病変種とそれぞれの病変種の異常陰影候補検出に最適な一又は複数のアルゴリズム(以下、検出アルゴリズムという。)とを対応付けたテーブル141と、図2(b)に示すように、各種病変種とそれぞれの病変種に最適な一又は複数の偽陽性候補を削除するアルゴリズム(以下、削除アルゴリズムという。)とを対応付けたテーブル142とを有し、医師により情報入力手段19を介して入力された病変種に応じた一又は複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択する。または、選択可能な検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを表示手段21に表示し、情報入力手段19を介して選択入力された一又は複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを実際の処理に適用するアルゴリズムとして選択することとしてもよく、そのアルゴリズムを選択する手順は特に限定しない。
【0041】
異常陰影候補検出手段15は、各種病変種に応じて検出アルゴリズムを複数有しており、画像データ記憶手段12から医用画像を読み出して画像解析を行い、選択手段14により選択された一又は複数の検出アルゴリズムを適用して異常陰影候補の検出処理を行う。
【0042】
マンモグラフィでは、乳癌の特徴である腫瘤や微小石灰化クラスタと思われる陰影を検出する。腫瘤陰影は、有る程度の大きさを有する塊であり、マンモグラフィ上ではガウス分布に近い、白っぽくて丸い陰影として現れる。微小石灰化クラスタは、微小石灰化した部分が集まって(クラスタ化して)存在するとそこが初期癌である可能性が高い。マンモグラフィ上では、略円錐構造を持った白っぽく丸い陰影として現れる。
【0043】
異常陰影候補検出手段15では、上述した腫瘤陰影の検出アルゴリズムとして、以下の論文に記載された公知の方法を適用することが可能である。
・左右乳房を比較することによって検出する方法
(Med.Phys.,Vol.21.No.3,pp.445−452)
・アイリスフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J75−D−11,no.3,pp.663−670,1992)
・Quoitフィルタを用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.3,pp.279−287,1993)
・分割した乳房領域の画素値のヒストグラムに基づく2値化により検出する方法
(JAMIT Frontier 講演論文集,pp.84−85,1995)
・方向性のある多数のラプラシアンフィルタの最小出力をとる最小方向差分フィルタ)
(信学論(D−11),Vol.J76−D−11,no.2,pp.241−249,1993)
【0044】
また、微小石灰化クラスタ陰影の検出アルゴリズムとして、以下の論文に記載された公知の方法を適用することができる。
・ラプラシアンフィルタ処理を行った画像を用いて検出する方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.10,pp.1994−2001,1988)
・乳腺等の背景パターンの影響を抑えるためにモルフォロジー解析した画像を使用する検出方法
(信学論(D−11),Vol.J71−D−11,no.7,pp.1170−1176,1992)
【0045】
異常陰影候補検出手段15は、上述したようなアルゴリズムにより、例えば検出対象が腫瘤であれば医用画像から陰影候補の縦横比、最小幅、円形度、候補領域の平均コントラスト、候補領域における画素値の平均標準偏差、候補中心部のアンシャープネスマスク画像の標準偏差、重心、2次モーメント、エントロピー等の各種画像特徴量を算出し、検出対象が微小石灰化クラスタであれば医用画像から3重リングフィルタの方向成分、強度成分、可変リングフィルタの方向成分、強度成分、候補領域におけるコントラスト等の各種画像特徴量を算出する。そして、算出された画像特徴量に対して予め設定されている閾値以上の特徴量を有する陰影(或いは、閾値以下で異常陰影と判断する場合には、閾値以下の特徴量を有する陰影)を異常陰影候補として検出し、検出結果を削除手段16に出力する。
【0046】
削除手段16は、異常陰影候補検出手段15による異常陰影候補の検出結果から偽陽性候補を削除し、当該偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果を最終的な検出結果として表示制御手段20に出力する。削除手段16は、偽陽性候補の削除アルゴリズムを複数有しており、削除する際には選択手段14により選択された削除アルゴリズムを適用して偽陽性候補の削除処理を実行する。
【0047】
削除手段16は、初回の削除処理では、初期設定されている削除条件で偽陽性候補の削除処理を実行し、その後、変更手段17により削除条件の変更があった場合には、異常陰影候補検出手段15により算出され情報記憶手段18に記憶された画像特徴量を用いて、当該変更された削除条件で再度削除処理を実行し、その処理結果を表示制御手段20に出力する。
【0048】
削除手段16では、削除アルゴリズムとして、以下の論文に記載れた公知の方法を適用することが可能である。
・フラクタル次元を利用して腫瘤陰影の良悪性を鑑別する方法
(Medical Imaging Technology17(5),pp.577−584,1999)
・乳房領域から石灰化の疑いがある領域を局部化し、陰影像の光学濃度差や境界濃度差の標準偏差値等から偽陽性候補を削除する方法
(IEEE Trans Biomed Eng BME−26(4):213−219,1979)
【0049】
また、削除アルゴリズムとして、マハラノビスの距離、ニューラルネットワーク、判別分析等の多変量解析の手法を用いることとしてもよい。
【0050】
削除手段16は、上述したような手法により、異常陰影候補検出手段15により算出され情報記憶手段18に記憶された画像特徴量と、各画像特徴量に対して設定されている閾値とを比較し、当該閾値を超えた陰影候補は悪性度が高い真陽性であり、当該閾値を下回る陰影候補は悪性度が低く偽陽性であると判別し、偽陽性と判別された候補を検出結果から削除する。このとき、偽陽性か真陽性かの判別は各画像特徴量に対して設定される閾値、つまり削除条件に左右され、閾値が低い値に設定され、削除条件が緩やかな条件である場合は異常陰影候補の検出結果における偽陽性候補の含有率が高くなる。一方、閾値が高い値に設定され、削除条件が厳しい条件である場合には異常陰影候補の検出結果における偽陽性候補の含有率が低くなるとともに、真陽性候補をも検出結果から削除する可能性が高くなる。
【0051】
変更手段17は、削除手段16における削除条件の変更を行う。例えば、変更手段17は、表示手段21に異常陰影候補の検出結果における偽陽性候補の含有率を変更するためのスライドバーを表示し、条件入力手段22を介して医師のスライドバー操作により変更入力された偽陽性候補の検出率に応じて、現在設定されている削除条件の変更を行う。または、偽陽性候補の削除条件を入力するための入力画面を表示手段21に表示し、当該入力画面において医師により条件入力手段22を介して入力された削除条件に変更することとしてもよく、その削除条件を変更するための手順は特に限定しない。
【0052】
情報記憶手段18は、磁気的又は光学的記録媒体、半導体メモリ等から構成され、異常陰影候補検出手段15により算出された画像特徴量等を記憶する。また、情報記憶手段18は、図3に示すように、情報入力手段19を介して入力された読影医の氏名、所属診療科等の読影医情報と、検出対象の病変種と、検出に適用された検出アルゴリズムと、偽陽性候補の削除に適用された削除アルゴリズムと、削除処理時の削除条件と、偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果と、読影日とを対応付けて記憶する。
【0053】
情報入力手段19は、文字キー、数字キー、各種機能キー等を備えたキーボード、或いはマウスや、表示手段21と一体型に構成されるタッチパネル等のポインティングディバイスを適用することができる。情報入力手段19は、医師の操作に応じて入力された読影医情報を情報記憶手段18に出力する。また、読影医により入力された病変種の情報や指定された検出アルゴリズム、削除アルゴリズム等の情報を選択手段14に出力する。
【0054】
表示制御手段20は、表示手段21を制御して各種表示情報を表示させる。表示制御手段20は、画像処理手段13から入力された画像処理済みの医用画像を表示手段21に表示させるとともに、その医用画像上に削除手段16から入力された異常陰影候補の検出結果を表示させる。このとき、例えば異常陰影候補を色づけする、位置を矢印で指摘表示する等して異常陰影候補を識別可能に表示させる。
【0055】
また、表示制御手段20は、検出アルゴリズム、削除アルゴリズムを選択するための選択画面や、削除条件を変更するためのスライドバーを表示する変更画面、読影医情報を入力するための入力画面等の各種操作画面を表示手段21に表示させる。
【0056】
表示手段21は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ等のモニタが適用され、表示制御手段20の表示制御に従って、医用画像や異常陰影候補の検出結果、各種操作画面を表示出力する。表示手段21としては、医用画像専用の精細高輝度のCRT、LCDが好ましく、情報入力手段19と一体型になったタッチパネルを構成することとしてもよい。
【0057】
条件入力手段22は、キーボードやマウス、タッチパネルを適用することが可能であり、偽陽性候補の削除条件を変更する際に、医師の操作に応じて変更後の削除条件を入力する。
【0058】
次に、図4〜図8を参照して、本実施の形態における動作を説明する。
図4は、医用画像処理装置10により実行される異常陰影候補の検出処理である。この異常陰影候補の検出処理は、選択された検出アルゴリズムで異常陰影候補の検出処理を行い、選択された削除アルゴリズムで偽陽性候補の削除処理を行って、当該偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果を表示し、読影医により削除条件が変更されると当該変更された削除条件で再度偽陽性候補の削除処理を実行してその処理結果を即時に表示する処理である。
【0059】
図4に示す異常陰影候補の検出処理では、まずステップS1において、画像データ入力手段11により医用画像データが入力され、当該入力された医用画像データが画像データ記憶手段12に記憶される。
【0060】
次いで、ステップS2では、選択手段14により、表示手段19に異常陰影候補の検出アルゴリズム及び偽陽性候補の削除アルゴリズムを選択するための選択画面(図示せず)が表示される。この選択画面では、医用画像処理装置10で検出可能な病変種が選択可能に表示され、検出対象の病変種を選択するようガイダンスが行われる。この選択画面において読影医により情報入力手段19を介して検出対象の病変種が選択入力されると、テーブル141、142に基づいて当該選択された病変種に応じた検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムが選択される。
【0061】
各アルゴリズムが選択されると、ステップS3では、異常陰影候補検出手段15により、選択された検出アルゴリズムで異常陰影候補の検出処理が実行される。検出時に算出された画像特徴量は情報記憶手段18に出力されて記憶されるとともに、異常陰影候補の検出結果が削除手段16に出力される。
【0062】
次いで、ステップS4では、削除手段16により、選択された削除アルゴリズムで偽陽性候補の削除処理が実行される。偽陽性候補の削除処理では、異常陰影候補検出手段15から入力された候補領域の画像特徴量に基づいて、予め設定された削除条件により偽陽性候補の削除が行われる。偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果は、表示制御手段20に出力される。
【0063】
次いで、ステップS5では、表示制御手段20の表示制御により、画像処理された医用画像が表示手段21に表示されるとともに、当該医用画像上に削除手段16により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果が表示される。図5にその表示例を示す。
【0064】
図5に示すように、画像画面211では、医用画像上に異常陰影候補が矢印により指摘表示されている。また、被写体領域に重ならない位置に、「アルゴリズムAで腫瘤を検出。アルゴリズムXで偽陽性候補を削除」のメッセージM1が表示され、異常陰影候補の検出に適用された検出アルゴリズム、検出対象とされた病変種及び偽陽性候補の削除に適用された削除アルゴリズムが識別可能に表示されている。なお、検出アルゴリズムのみを識別可能に表示することとしてもよいし、削除アルゴリズムのみを識別可能に表示することとしてもよい。さらに、画面下部にはメニューバーM2が表示され、当該メニューバーM2に偽陽性候補の削除条件の変更を指示するための条件変更キーK1と、現在設定されている削除条件の詳細情報の表示を指示するための条件詳細キーK2と、読影医情報の入力操作に移行するための読影医設定キーK3とが表示されている。
【0065】
上記条件詳細キーK2が押下され、削除条件の詳細情報の表示が指示された場合には、図6に示すような詳細画面212が表示手段21に表示される。詳細画面212では、現在設定されている削除条件として、各種画像特徴量に対して設定されている閾値がリスト表示される。
【0066】
次いで、ステップS6では、画像画面211において条件変更キーK1の押下により削除条件の変更が指示されたか否かが判別される。削除条件の変更が指示されていない場合は(ステップS6;N)、後述するステップS10の処理へ移行し、削除条件の変更が指示された場合は(ステップS6;Y)、ステップS7の処理に移行する。
【0067】
ステップS7では、変更手段17により、削除条件の変更が行われる。まず、表示制御手段20を介して表示手段21に変更画面213(図7参照)が表示される。図7に示すように、変更画面213では、異常陰影候補の検出結果における偽陽性候補の含有率を変更するためのスライドバーM3が表示され、ポインタPを操作してスライドバーM3を移動させ、偽陽性候補の含有率を所望の値に変更するようガイダンスが行われる。この偽陽性候補の含有率は、大きい値に変更すると、削除条件が緩やかな条件に変更され、異常陰影候補の検出結果に含まれる偽陽性候補数が多くなる。逆に、偽陽性候補の含有率を小さい値に変更すると、削除条件が厳しい条件に変更され、異常陰影候補の検出結果に含まれる偽陽性候補数が少なくなる。
【0068】
この変更画面213において、条件入力手段22を介してスライドバーM3が操作され、偽陽性候補の含有率が変更入力されると、現在設定されている削除条件が、変更された含有率に応じた削除条件に変更される。
【0069】
削除条件が変更されると、ステップS8では、削除手段16により変更された削除条件で改めて偽陽性候補の削除処理が行われる。そして、この削除処理において偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果が表示制御手段20に出力され、表示手段21に再表示される。図8に再表示された医用画像の表示例を示す。
【0070】
図8に示すように、画像画面214では、変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果が医用画像上に表示される。このとき、削除条件の変更により異常陰影候補数が増減している場合もある。例えば削除条件が緩やかな条件に変更されている場合は、検出結果における偽陽性候補の含有率が高くなり最終的に検出された異常陰影候補数が増大している可能性が高い。逆に、削除条件が厳しい条件に変更されている場合は、検出結果における偽陽性候補の含有率が低くなり最終的に検出された異常陰影候補数が減少している可能性が高い。
【0071】
また、画面下部には、図5に示した画像画面211と同様に条件変更キーK1、条件詳細キーK2、読影医設定キーK3が表示される。読影医は、画像画面214に表示された異常陰影候補の検出結果を確認後、さらに削除条件を変更したい場合は条件変更キーK1を押下する。
【0072】
ステップS9では、再表示された画像画面211において、条件変更キーK1が押下され、さらに偽陽性候補の削除条件の変更を指示されたか否かが判別される。偽陽性候補の削除条件の変更が指示された場合は(ステップS9;Y)、ステップS7に戻って削除条件の変更及び検出結果の再表示を繰り返し、偽陽性候補の削除条件の変更が指示されなかった場合は(ステップS9;N)、ステップS10に移行する。
【0073】
ステップS10では、読影医設定キーK3の押下により、読影医情報を入力するための入力領域を含む入力画面(図示せず)が表示手段21に表示され、読影医情報を入力するようガイダンスが行われる。そして、情報入力手段19を介して読影医により読影医情報が入力されると、ステップS11では、入力された読影情報に対応付けて、ステップS2で選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムと、削除処理に適用された削除条件と、偽陽性候補が削除された最終的な異常陰影候補の検出結果とが対応付けて情報記憶手段18に記憶され、本処理を終了する。
【0074】
以上のように、偽陽性候補の削除条件を変更可能とし、変更された削除条件で削除処理を再度行ってその処理結果を再表示するので、削除条件の微調整を行うことができる。従って、異常陰影候補の検出結果の微調整を行うことができ、読影医に応じた異常陰影候補検出を行うことができる。また、削除条件を変更後、即時にその変更による異常陰影候補の検出結果を確認することができる。
【0075】
また、変更された削除条件で再削除処理の際には、異常陰影候補検出手段15により算出され情報記憶手段18に記憶された候補領域の画像特徴量を用いるので、削除条件を変更する度に画像特徴量を算出する必要がなく、処理時間を大幅に短縮することができる。従って、再削除処理により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果を即時に表示することができ、読影医の読影作業の効率化を図ることができる。
【0076】
また、読影医の情報に対応付けて、当該読影医により選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムと、当該読影医により変更された削除条件と、変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果とが情報記憶手段18に記憶されるので、各読影医に応じた検出アルゴリズム、削除アルゴリズム、削除条件で以後の異常陰影候補の検出処理、偽陽性候補の削除処理を行うことができる。従って、読影を行う度に検出アルゴリズムや削除アルゴリズムを選択したり、削除条件を変更する操作手順を省略することができ、読影医の読影作業の効率化を図ることができる。
【0077】
【発明の効果】
請求項1、6に記載の発明によれば、検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択できるので、検出目的に応じて一又は複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを選択することができる。また、偽陽性候補の削除条件を変更可能とするので、異常陰影候補の検出結果の微調整を行うことができる。さらに、変更された削除条件で削除処理を行われ、その処理結果が表示されるので、変更による処理結果を即時に確認することができる。
【0078】
請求項2、7に記載の発明によれば、異常陰影候補の検出に適用される検出アルゴリズムや、偽陽性候補の削除に適用される削除アルゴリズムを容易に判別することができる。
【0079】
請求項3、8に記載の発明によれば、偽陽性の削除に適用された削除条件を容易に確認することができる。
【0080】
請求項4、9に記載の発明によれば、読影医毎に削除条件と、その削除処理結果とを対応付けて記憶するので、以後の削除処理を各読影医に応じた削除条件で行うことができ、処理を実行する度に所望の削除条件に変更する作業を省略することができる。
【0081】
請求項5、10に記載の発明によれば、読影医毎に検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムを記憶するので、以後の検出処理及び削除処理を読影医に応じたアルゴリズムで行うことができ、処理を実行する度に所望のアルゴリズムを選択する作業を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施の形態の医用画像処理装置10の機能的構成を示す図である。
【図2】選択手段14が備えるテーブルのデータ構成例を示す図であり、(a)は病変種と検出アルゴリズムとを対応付けたテーブルであり、(b)病変種と削除アルゴリズムとを対応付けたテーブルである。
【図3】情報記憶手段18に記憶されるデータ例を示す図である。
【図4】医用画像処理装置10により実行される異常陰影候補の検出処理を示すフローチャートである。
【図5】医用画像上に異常陰影候補の検出結果が表示された画像画面211である。
【図6】偽陽性候補の削除条件の詳細情報が表示された詳細画面212である。
【図7】偽陽性候補の削除条件を変更するための変更画面213である。
【図8】変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果が医用画像上に表示された画像画面214である。
【符号の説明】
10 医用画像処理装置
11 画像データ入力手段
12 画像データ記憶手段
13 画像処理手段
14 選択手段
15 異常陰影候補検出手段
16 削除手段
17 変更手段
18 情報記憶手段
19 情報入力手段
20 表示制御手段
21 表示手段
Claims (10)
- 患者が撮影された医用画像を表示する表示手段を備えた医用画像処理装置において、
患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出する検出アルゴリズムを複数有する異常陰影候補検出手段と、
前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影候補から偽陽性候補を削除する削除アルゴリズムを複数有する削除手段と、
検出目的に応じて前記複数の検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムのうち、異常陰影候補の検出に適用する一又は複数の検出アルゴリズム或いは偽陽性候補の削除に適用する一又は複数の削除アルゴリズムを選択する選択手段と、
前記選択された検出アルゴリズムで前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影候補から、前記選択された削除アルゴリズムで前記削除手段により偽陽性候補が削除された異常陰影候補を前記表示された医用画像上に表示させる表示制御手段と、
前記偽陽性候補を削除する削除条件を入力する条件入力手段と、
前記入力された削除条件に応じて、前記偽陽性候補を削除する削除条件を変更する変更手段と、を備え、
前記削除手段は、前記変更された削除条件で偽陽性候補の削除を再度行い、
前記表示制御手段は、前記変更された削除条件で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を医用画像上に再表示させることを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された検出アルゴリズム及び/又は削除アルゴリズムを識別可能に表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
- 前記表示制御手段は、前記削除手段により適用された削除条件を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
- 医用画像を読影する読影医の情報を入力する情報入力手段と、
前記入力された読影医の情報と、前記削除手段により適用された削除条件と、当該適用された削除条件により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果とを対応付けて記憶する情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置。 - 前記情報記憶手段は、前記読影医の情報と、前記選択手段により選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムとを対応付けて記憶することを特徴とする請求項4に記載の医用画像処理装置。
- 患者が撮影された医用画像を表示する表示手段を備えた医用画像処理装置における異常陰影候補の検出方法であって、
検出目的に応じて、異常陰影候補を検出する複数の検出アルゴリズムのうち、異常陰影候補の検出に適用する一又は複数の検出アルゴリズムを選択する検出選択工程と、
検出目的に応じて、偽陽性候補を削除する複数の削除アルゴリズムのうち、偽陽性候補の削除に適用する一又は複数の削除アルゴリズムを選択する削除選択工程と、
前記選択された検出アルゴリズムで患者が撮影された医用画像から異常陰影候補を検出する検出工程と、
前記選択された削除アルゴリズムで前記検出された異常陰影候補から偽陽性候補を削除する第1の削除工程と、
前記第1の削除工程で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を前記表示手段に表示された医用画像上に表示させる第1の表示制御工程と、
前記偽陽性候補を削除する削除条件を入力する条件入力工程と、
前記入力された削除条件に応じて、前記偽陽性候補を削除する削除条件を変更する変更工程と、
前記変更された削除条件で偽陽性候補の削除を再度行う第2の削除工程と、
前記第2の削除工程で偽陽性候補が削除された異常陰影候補を医用画像上に再表示させる第2の表示制御工程と、
を含むことを特徴とする異常陰影候補の検出方法。 - 前記第1又は第2の表示制御工程では、前記選択された検出アルゴリズム及び/又は削除アルゴリズムを識別可能に表示させることを特徴とする請求項6に記載の異常陰影候補の検出方法。
- 前記第1又は第2の削除工程で適用された削除条件を前記表示手段に表示させる第3の表示制御工程を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の異常陰影候補の検出方法。
- 医用画像を読影する読影医の情報を入力する情報入力工程と、
前記入力された読影医の情報と、前記偽陽性候補の削除に適用された削除条件と、当該適用された削除条件により偽陽性候補が削除された異常陰影候補の検出結果とを対応付けて情報記憶手段に記憶する第1の記憶工程と、
を含むことを特徴とする請求項6〜8の何れか一項に記載の異常陰影候補の検出方法。 - 前記読影医の情報と、前記選択された検出アルゴリズム及び削除アルゴリズムとを対応付けて前記情報記憶手段に記憶する第2の記憶工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の異常陰影候補の検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141963A JP2004344232A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 医用画像処理装置及び異常陰影候補の検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003141963A JP2004344232A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 医用画像処理装置及び異常陰影候補の検出方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
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