JP2004357434A - インバータ制御装置 - Google Patents

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JP2004357434A
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Kazuaki Yuki
和明 結城
Takuma Henmi
琢磨 逸見
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Abstract

【課題】インバータの直流電圧が脈動した状態で、この直流脈動に起因して生じる電動機のトルク脈動を効果的に抑制することが可能なインバータ制御装置の提供。
【解決手段】ビートレス制御部12と共に、インバータ1が出力するインバータ出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算部11及びノッチフィルタ14を備えて、ビートレス制御の効果を損うことなく、インバータ1の直流側が脈動した状態でインバータ出力周波数に含まれるインバータ1の直流側の脈動周波数成分を低減させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機のトルクや速度を制御するインバータ制御装置に係わり、特に、インバータの直流入力側が脈動した状態であって、この脈動のために生じる電動機の脈動トルクを効果的に軽減し得るインバータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、交流電車では、単相交流電源をPWMコンバータによって直流に変換し、これをインバータによって3相交流変換することで誘導電動機を駆動する。インバータ制御では、誘導電動機の回転子の速度をパルスジェネレータによって検出し、これに基づきインバータ周波数を制御している。
【0003】
かかる交流電車システムの場合、単相整流に起因した電力脈動の影響を受け、コンバータ・インバータの直流側の電圧は、電源周波数の2倍の周波数で脈動する。インバータの直流側が脈動した状態である場合、インバータ出力周波数が前記インバータ直流側の脈動周波数に一致する付近で、電動機の相電流のビートやトルクの脈動が生じ、過電流や騒音、振動といった問題が生じる。
【0004】
このような問題を解消するために、直流電圧の脈動に応じて、あるいは、トルク電流成分に応じてインバータ出力周波数を補正するビートレス制御が施されている。このビートレス制御に関しては、例えば、特許文献1、特許文献2が知られている。
【0005】
ビートレス制御を適用した交流電車システムにおけるインバータ制御装置の従来例を、図10を参照して説明する。
【0006】
図10において、架線及びトランスに相当する単相電源10に単相のコンバータ15が接続される。コンバータ15の直流側にはフィルタコンデンサ2が接続され、直流電圧を平滑化する。フィルタコンデンサ2には、3相の可変電圧可変周波数出力のインバータ1が接続され、誘導電動機3を駆動制御する。
【0007】
インバータ1による電動機制御方式としては、DQ軸回転座標系上にて各種の電気量を制御することで、誘導電動機3のトルクや速度を制御するベクトル制御が広く適用されている。
【0008】
誘導電動機3に流れる電流Iu,Iwは、電流検出器4によって検出され、座標変換器7によって、DQ軸電流Id,Iqに変換される。電圧演算部5では、励磁電流指令IdRefと励磁電流Idが、トルク電流指令IqRefとトルク電流Iqとが一致するようにDQ軸出力電圧指令Vd*、Vq*を演算出力する。座標変換器6では、DQ軸出力電圧指令Vd*,Vq*を、3相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に変換し、出力する。PWM制御部9では、3相電圧指令に基づき、ゲート指令を生成し、インバータ1を駆動制御する。
【0009】
インバータ出力周波数演算部27は、すべり周波数演算部16と加算器17からなる。すべり周波数演算部16は、励磁電流指令IdRefとトルク電流指令IqRefに基づきすべり周波数ωsを演算出力する。加算器17では、速度検出器18によって検出された誘導電動機3の回転子の回転速度ωrとすべり周波数ωsが加算され、インバータ出力周波数基準ω1*を、演算出力する。
【0010】
一方、ビートレス制御部12には、電圧検出器19によって検出されたインバータ1の直流電圧Vdcが入力され、直流電圧の脈動分を抽出し、その脈動に応じて、インバータ出力周波数の補正量ωlcmpが演算出力される。
【0011】
加算器13では、インバータ出力周波数基準ω1*とインバータ出力周波数補正量ωlcmpとが加算され、インバータ出力周波数ω1を生成する。
【0012】
積分器8は、インバータ出力周波数ω1を積分し、座標変換器6,7で用いる(AB軸静止座標系の基準軸A軸に対する)D軸の位相角θを、生成し、出力する。
【0013】
上記の構成により、インバータ出力周波数の基準量ω1*によって、誘導電動機3のトルクを制御する。また、単相交流電源10を直流変換しているため、電源周波数の2倍の周波数成分の脈動(電源が50Hzの場合、100Hzの脈動)が、コンバータ15及びインバータ1の直流側に発生する。この直流脈動によって生じる誘導電動機3のトルク脈動を、ビートレス制御の出力であるインバータ出力周波数補正ω1cmpによって、抑制している。
【0014】
【特許文献1】
特開01−077492号公報
【0015】
【特許文献2】
特開10−271900号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10に示すインバータ制御装置において、ハイゲインなフィードバックによりトルク電流指令IqRefなどに脈動周波数成分が含まれるような場合、かかるフィードバック制御とビートレス制御とに干渉が起こり、ビートレス制御の効果が半減する。これは、ビートレス制御部12によるインバータ出力周波数の補正は、インバータ出力周波数演算部27の出力に、脈動周波数成分が含まれないことを前提にしているからである。この結果、トルクの脈動や相電流のビートが効果的に抑制できないといった問題が生じる。
【0017】
また、電動機の回転子の位置あるいは速度を検出することなく電動機のトルクや速度を制御するセンサレス方式のインバータ制御装置が、省メンテナンス、低コストなどの効果から、様々な分野で期待されているが、このような回転センサレス制御系では、電圧・電流などの電気量から速度推定を行い高速なトルク応答を実現する必要があることから、基本的に、電圧・電流などの電気量からハイゲインなフィードバックによってインバータ出力周波数に作用し、図10の構成と同様に、回転センサレス制御とビートレス制御とが干渉することが問題となる。干渉が起こると、ビートレス制御の効果が半減し、トルクの脈動や相電流のビートが生じる。これにより、騒音や振動による乗り心地劣化、機械破壊が生じる虞がある。また、過電流による保護停止を招くことがあり、システム信頼性を著しく損ねる。
【0018】
さらに、インバータの直流側に直流電圧の上昇を抑制するための抵抗チョッパ回路を有するシステムにおいても、チョッパの動作周波数に等しい脈動が生じる場合、同様なビート現象が起こり、上記のビートレス制御とインバータ出力周波数演算部との干渉が生じる。
【0019】
また、ビートレス制御を備えないシステムで、直流電圧の脈動や擾乱に応じてインバータ出力周波数が作用する場合は、不要なトルク脈動やトルク擾乱を生じ、騒音や振動の要因となる。
【0020】
本発明の目的は、インバータの直流電圧が脈動した状態で、この直流脈動に起因して生じる電動機のトルク脈動を効果的に抑制することが可能なインバータ制御装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、直流を交流に変換するインバータと、このインバータの交流側に接続された電動機と、前記インバータが出力するインバータ出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段とを備え、前記電動機のトルク及び速度を制御するインバータ制御装置において、
前記インバータの直流側が脈動した状態で前記インバータ出力周波数に含まれる前記直流側の脈動周波数の成分を低減する低減手段を具備したことを特徴とする。
【0022】
また、上記課題を解決するために本発明は、直流を交流に変換するインバータと、このインバータの交流側に接続された電動機と、前記インバータが出力する出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、前記インバータの直流側が脈動した状態で当該脈動に応じて前記電動機のトルクあるいは相電流の脈動を低減するため前記インバータの出力するインバータ出力周波数を補正するビートレス制御手段とを備えるインバータ制御装置において、
前記ビートレス制御手段は、
前記補正前のインバータ出力周波数あるいは補正後のインバータ出力周波数を入力し、当該インバータ出力周波数に含まれる脈動周波数成分を抽出する手段と、当該脈動周波数成分に基づいてインバータ周波数補正量を演算する手段とを具備することを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、インバータ出力周波数は脈動周波数成分を含まない(低減した)ものとすることができ、電動機のトルクの脈動を抑え、騒音・振動を低減した環境に優しいシステム構築が実現できる。
【0024】
【発明の実施形態の形態】
(第1実施形態:請求項1,2,4,6に対応)
図1は第1実施形態に係るインバータ制御装置を示すブロック図である。
【0025】
従来例である図10は速度検出器を用いたインバータ制御装置であるのに対し、本実施形態は速度検出器を用いないインバータ制御装置であるため、先ず、速度検出器を用いないでインバータ出力周波数基準ω1*を演算する手法について説明する。すなわち、図10に示す速度検出器を用いたインバータ制御装置においては、インバータ出力周波数基準ω1*を、速度検出器18及びインバータ出力周波数演算部27によって演算したが、図1に示す本実施形態の速度検出器を用いないインバータ制御装置においては、インバータ出力周波数演算部11によって、インバータ出力周波数基準ω1*を演算する。
【0026】
インバータ出力周波数演算部11は、図2に示すように、誘起電圧演算部20とインバータ出力周波数制御部21とから構成される。誘起電圧演算部20では、DQ軸電圧指令Vd*,Vq*とDQ軸電流Id,IqとからD軸誘起電圧Edを演算出力する。インバータ出力周波数制御部21では、入力であるD軸誘起電圧Edが零となるようにインバータ出力周波数基準ω1*を制御出力する。
【0027】
なお、速度検出器を用いないでインバータ出力周波数基準ω1*を求める手法は、本実施形態におけるインバータ出力周波数演算部11の他に、公知の回転センサレスベクトル制御法を採用することができる。
【0028】
また、本実施形態では、インバータ出力周波数演算部11の出力をノッチフィルタ(NTF)14に通している。このノッチフィルタ14は、特定の周波数帯近傍だけを遮断する特性を有する。このノッチフィルタ14のゲイン特性の一例を図3に示す。図3においては、直流側の脈動周波数をl00Hzと仮定した場合の特性を示している。
【0029】
ノッチフィルタ14の出力は、加算器13において、ビートレス制御部12の出力であるインバータ出力周波数補正量ωlcmpと加算され、インバータ出力周波数ω1となる。
【0030】
次に、図1における、図10と同一部分には同一符号を付した、インバータ出力周波数演算部11及びノッチフィルタ14以外の構成について説明する。
【0031】
図1において、単相電源10に単相のコンバータ15が接続され、コンバータ15の直流側にはフィルタコンデンサ2が接続され、直流電圧を平滑化する。フィルタコンデンサ2には、3相の可変電圧可変周波数出力のインバータ1が接続され、誘導電動機3を駆動制御する。
【0032】
インバータ1は、DQ軸回転座標系上にて各種の電気量を制御することで、誘導電動機3のトルクや速度を制御するベクトル制御方式である。
【0033】
誘導電動機3に流れる電流Iu,Iwは、電流検出器4によって検出され、座標変換器7によって、DQ軸電流Id,Iqに変換される。電圧演算部5では、励磁電流指令IdRefと励磁電流Idが、トルク電流指令IqRefとトルク電流Iqとが一致するようにDQ軸出力電圧指令Vd*、Vq*を演算出力する。
【0034】
座標変換器6では、DQ軸出力電圧指令Vd*,Vq*を、3相電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に変換し、出力する。PWM制御部9では、3相電圧指令に基づき、ゲート指令を生成し、インバータ1を駆動制御する。
【0035】
上述したようにインバータ出力周波数演算部11及びノッチフィルタ14からインバータ出力周波数基準ω1*が出力される。
【0036】
一方、ビートレス制御部12には、電圧検出器19によって検出されたインバータ1の直流電圧Vdcが入力され、直流電圧から脈動分を抽出し、その脈動に応じて、インバータ出力周波数の補正量ωlcmpが演算出力される。
【0037】
加算器13では、インバータ出力周波数基準ω1*とインバータ出力周波数補正量ωlcmpとが加算され、インバータ出力周波数ω1を生成する。
【0038】
積分器8は、インバータ出力周波数ω1を積分し、座標変換器6,7で用いる(AB軸静止座標系の基準軸A軸に対する)D軸の位相角θを、生成し、出力する。
【0039】
上記の構成により、インバータ出力周波数の基準量ω1*によって、誘導電動機3のトルクを制御する。また、単相交流電源10を直流変換しているため、電源周波数の2倍の周波数成分の脈動が、コンバータ15及びインバータ1の直流側に重畳する。この直流脈動によって生じる誘導電動機3のトルク脈動を、ビートレス制御の出力であるインバータ出力周波数補正ω1cmpによって、抑制することができる
ここに、インバータ出力周波数演算部11では、その入力信号であるDQ軸電圧指令Vd*,Vq*やDQ軸電流Id,Iqにインバータの直流側の脈動成分を含むため、インバータ出力周波数基準ω1*にも同様な周波数成分が含まれる。これをノッチフィルタ14に通していることにより、脈動周波数帯近傍の成分を低減できる。よって、ノッチフィルタ出力である補正後のインバータ出力周波数基準には、脈動周波数成分を含まない(低減した)ものとなる。
【0040】
図10において説明したように、ビートレス制御部12は、直流電圧の脈動に応じたインバータ出力周波数補正量ωlcmpを演算するが、この補正量はインバータ出力周波数基準ω1*に脈動周波数成分が一切含まれないことを前提に、算出される補正量である。よって、ノッチフィルタ14の作用により、インバータ出力周波数基準ω1*の当該脈動周波数成分が低減されたことにより、ビートレス制御の効果は損われない。
【0041】
以上のように本実施形態のインバータ制御装置によれば、誘導電動機3のトルクの脈動を抑え、騒音・振動を低減した環境に優しいシステム構築が実現できる。また、誘導電動機3の相電流のビートを抑制することで、過電流などによる保護停止、運転不能状態の回避が可能となる。
【0042】
また、本実施形態のインバータ制御装置においては、インバータ出力周波数演算部11の出力に、ノッチフィルタ(NTF)14を備えているので、ビートレス制御との干渉が起こる特定の周波数成分だけを遮断し、回転センサレスベクトル制御の安定性への影響を最小限に抑え、性能の劣化を生じにくくすることができる。
【0043】
なお、本実施形態のビートレス制御は、インバータ出力周波数を補正する方式を示したが、他に、インバータの変調率を補正する方式がある。同方式においても、インバータ出力周波数が、直流電圧の脈動周波数を含まないことを前提にするものであり、本実施形態のようにインバータ出力周波数に含まれる脈動周波数成分を低減することで、同様な作用効果を得ることができる。
【0044】
さらに、本実施形態では、ノッチフィルタ14を備える構成を示したが、当該脈動周波数成分を低減ないしは除去できる他のフィルタ、例えば、ローパスフィルタなどに置き換えても、同様な作用効果を得るものである。
【0045】
また、問題となる周波数成分が平滑化できるように、インバータ出力周波数演算値ω1*に移動平均処理を加えても、同様な作用効果が得られる。前述のように、インバータ制御装置とビートレス制御方式との干渉は、インバータ制御装置に脈動周波数成分が含まれることが要因であるため、これを抑制するように、可能な範囲でインバータ出力周波数演算部11に含まれる制御ゲインを低減することで、同様な作用効果が得られる場合がある。
【0046】
さらに、本実施形態では、速度検出器を用いない回転センサレスベクトル制御を適用した構成を示しているが、速度検出器を用いたベクトル制御を適用した構成においても、同様な作用効果を得る。
【0047】
また、本実施形態では、電動機として誘導電動機3の例を説明したが、永久磁石同期電動機(PM)、永久磁石リラクタンス電動機(PRM)等、他の電動機であっても、同様な作用効果を得ることができる。
【0048】
さらに本実施形態におけるインバータ制御装置において、インバータ出力周波数演算部11及びノッチフィルタ14以外の構成については、図10に示す以外のビートレス制御を行うことができるインバータ制御装置の構成を採用することができる。
【0049】
(第2実施形態:請求項3,6に対応)
図4は、本発明の請求項3,6に対応する第2実施形態を示すブロック図であり、図10及び図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
本実施形態は、第1実施形態とは異なる位置にノッチフィルタ14′を設けている。すなわち、図4に示すように、本実施形態のノッチフィルタ14′は、インバータ出力周波数演算部11への入力であるDQ軸電圧指令Vd*,Vq*、DQ軸電流Id,Iqに挿入されている。
【0051】
このように構成された本実施形態によけば、インバータ周波数演算部11の入力信号から脈動周波数成分を除去ないしは低減することができるため、インバータ出力周波数演算部11の出力であるインバータ出力周波数基準ω1*に含まれる脈動周波数成分を除去ないしは低減できる。
【0052】
前述のように、ビートレス制御部12の出力とインバータ出力周波数演算部11の出力とが、脈動周波数成分に関して干渉しなくなるため、第1実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0053】
なお、本実施形態においては、インバータ出力周波数演算部11への入力信号のすべてにノッチフィルタ14′を備えているが、入力信号に含まれる脈動周波数成分が多く含まれる信号にのみ用いるだけでも、同様な作用効果を得ることができる。
【0054】
(第3実施形態:請求項5,6に対応)
図5は、本発明の請求項5に対応する第3実施形態を示すブロック図であり、図10及び図1及び図4と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
本実施形態は、第1実施形態とは異なる位置にビートレス制御部12′を設け、第1実施形態におけるノッチフィルタ14は無い。
【0056】
ビートレス制御部12′には、インバータ出力周波数演算部11の出力であるインバータ出力周波数基準ω1*が入力される。ビートレス制御部12′の詳細を図6に示す。
【0057】
図6において、電圧検出器19で検出された直流電圧Vdcは、ビートレス補償量演算部23に入力される。なお、このビートレス補償量演算部23は、第1実施形態におけるビートレス制御部12と等価なブロックである。インバータ出力周波数演算部11の出力であるインバータ出力周波数基準ω1*は、バンドパスフィルタ24に入力される。減算器22において、ビートレス補償量演算部23の出力であるインバータ出力周波数補正量基準ωlcmp*から、バンドパスフィルタ24の出力を減算し、インバータ出力周波数補正量ωlcmpを生成出力する。
【0058】
以上により、ビートレス補償量演算部23では、インバータ制御装置として、インバータ出力周波数基準ω1*に含まれている脈動周波数成分を考慮し、これを補う分だけのインバータ出力周波数補正量ωlcmpをビートレス制御として出力する。すなわち、インバータ出力周波数ω1に含まれる脈動周波数成分は、ビートレス補償量演算部23で演算したインバータ出力周波数補正量基準ωlcmp*と一致する。
【0059】
これにより、ビートレス制御がインバータ制御装置による干渉を受けず、トルク脈動の低減また相電流の過電流抑制といったビートレス制御の効果を得ることができる。
【0060】
(第4実施形態:請求項5,6に対応)
図7は、本発明の請求項5,6に対応する第4実施形態を示すブロック図であり、図10及び図1及び図4,図5と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0061】
本実施形態は、第3実施形態とは異なる位置にビートレス制御部12′′を設けている。
【0062】
ビートレス制御部12′′には、加算器13の出力であるインバータ出力周波数ω1と、トルク電流Iqとが入力される。
【0063】
ビートレス制御部12′′の詳細を図8に示す。図8において、インバータ出力周波数ω1は、バンドパスフィルタ24に入力される。バンドパスフィルタ24は、インバータ出力周波数ω1に含まれる脈動周波数成分△ω1を抽出し、出力する。このインバータ出力周波数の脈動周波数成分△ω1は、PLL(Phase Locked Loop)演算部26に入力される。PLL演算部26では、直流脈動の周波数成分に対し、同期をとることで、インバータ出力周波数の脈動の位相θdwlを演算する。ビートレス補償量演算部23には、インバータ出力周波数の脈動の位相θdwlとトルク電流Iqとを入力し、インバータ出力周波数補正量ωlcmpを演算出力する。
【0064】
ここに、ビートレス補償量演算部23の動作は、発明者による特許出願(特願2003−37178)にも記載されているように、インバータ出力電圧位相角に、前記脈動周波数をもつ補償信号を重畳して、ビートを抑制するものであり、特に、補償信号の位相に基づきトルク電流Iqを2つの成分に分離することが必要である。この場合、他の制御がインバータ出力電圧位相角の同周波数成分にあたる影響がないことを前提にされている。しかしながら、回転センサレスベクトル制御の作用により、インバータ出力周波数に同成分を含むようになると、ビートレス制御との干渉が生じ、ビートレス制御としての効果が劣化するものである。
【0065】
以上の構成によれば、インバータ出力周波数に含まれる脈動周波数成分の位相をバンドパスフィルタ24およびPLL演算部26にて検出することができる。これは、回転センサレスベクトル制御とビートレス制御との両方から、インバータ出力周波数ω1の脈動周波数成分へ与える作用量を、どちらとも区別することなく捉えることができる。ビートレス制御部12′′では、それに対する過不足分を的確に補償することが可能となる。すなわち、第3実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0066】
なお、発明者による特許出願(特願2003−37178)では、ビートを抑制するため、インバータ出力電圧の位相角を調整するとしているのに対し、本実施形態はインバータ出力周波数で調整するとし、インバータ出力周波数ω1に含まれる脈動周波数成分の位相角をBPF24、PLL26にて検出するものである。インバータの出力周波数と出力電圧位相との関係は、積分関係にあるが、これらの出力周波数や出力電圧位相が100Hz、あるいは、120Hzといった特定の交流で脈動している場合、その脈動している位相を比較した場合、90度の位相差を有するだけである。すなわち、本実施形態の構成により、インバータ出力周波数の脈動成分をとらえ、その脈動位相を検出した場合、それに90度を加減算することにより、インバータ出力電圧の脈動成分の脈動位相とみなすことができる。
【0067】
(第5実施形態:請求項1,2,3,6に対応)
図9は、本発明の請求項1,2,3,6に対応する第5実施形態を示すブロック図であり、図10及び図1及び図4,図5・図7と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0068】
第1実施形態は、架線及びトランスに相当する単相電源10に単相のコンバータ15が接続され、コンバータ15の直流側にはフィルタコンデンサ2を介してインバータ1が接続された交流電車システムを例に挙げていたが、本実施形態では、直流電車システムを例としており、インバータ1の直流入力側に差異がある。すなちわ、直流架線からパンタグラフ28及び車輪30にて集電し、フィルタリアクトル29を介してインバータ1の直流入力側に接続される。また、第1実施形態では、ビートレス制御部を備えているが、本実施形態では備えていない。
【0069】
本実施形態の特徴として、インバータ出力周波数演算部11の入力信号にノッチフィルタ31を備えること、また、出力であるインバータ周波数にノッチフィルタ32を備えることにある。ノッチフィルタ32の遮断周波数帯は、直流の脈動や擾乱の周波数帯に設定する。
【0070】
以上の構成により、直流側の脈動や擾乱の影響をインバータ出力周波数ω1に与えないようにすることができる。これによって、不要なトルク脈動や擾乱を抑制でき、振動や騒音の低減等の改善効果を得ることができる。
【0071】
本実施形態では、インバータ出力周波数演算部11の入力側+、出力側それぞれにノッチフィルタを備えたが、一端であっても、同様な作用効果を得る。また、入力側に関しては、全ての信号にノッチフィルタを備えているが、支配的な一部の信号に備えるだけでも、同様な作用効果を得る。
【0072】
本実施形態では、フィルタの一例として、ノッチフィルタで構成したが、直流の脈動・擾乱の周波数帯を低減できれば、ローパスフィルタ等の他のフィルタであっても同様な作用効果を得る。
【0073】
なお、本願発明は、上記各実施形態形態に限定されるものでなく、実施形態段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態形態は可能な限り適宜組み合わせて実施形態してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施形態する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、インバータの直流入力側が脈動した状態においても、電動機のトルクの脈動や相電流のビートを抑制することができる。騒音や振動を低減し、乗り心地を向上するとともに、運転継続性を向上した信頼性の高いインバータ制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインバータ制御装置の第1実施形態を示すブロック図。
【図2】同実施形態におけるインバータ出力周波数演算部のブロック図。
【図3】同実施形態におけるノッチフィルタの周波数特性。
【図4】本発明に係るインバータ制御装置の第2実施形態を示すブロック図。
【図5】本発明に係るインバータ制御装置の第3実施形態を示すブロック図。
【図6】同実施形態におけるビートレス制御部のブロック図。
【図7】本発明に係るインバータ制御装置の第4実施形態を示すブロック図。
【図8】同実施形態におけるビートレス制御部のブロック図。
【図9】本発明に係るインバータ制御装置の第5実施形態を示すブロック図。
【図10】従来のインバータ制御装置の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
1…インバータ、2…フィルタコンデンサ、3…誘導電動機、4…電流検出器、5…電圧演算部、6…座標変換器、7…座標変換器、8…積分器、9…PWM制御部、10…単相電源、11…インバータ出力周波数演算部、12,12′,12′′…ビートレス制御部、13…加算器、14,14′,31,32…ノッチフィルタ、15…コンバータ、16…すべり周波数演算部、17…加算器、18…速度検出器、19…電圧検出器、20…誘起電圧演算部、21…インバータ出力周波数制御部、22…減算器、23…ビートレス補償量演算部、24…バンドパスフィルタ、25…加算器、26…PLL、27…インバータ出力周波数演算部、28…パンタグラフ、29…フィルタリアクトル、30…車輪。

Claims (6)

  1. 直流を交流に変換するインバータと、このインバータの交流側に接続された電動機と、前記インバータが出力するインバータ出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段とを備え、前記電動機のトルク及び速度を制御するインバータ制御装置において、
    前記インバータの直流側が脈動した状態で前記インバータ出力周波数に含まれる前記直流側の脈動周波数の成分を低減する低減手段を具備したことを特徴とするインバータ制御装置。
  2. 前記低減手段は、前記インバータ出力周波数演算手段の出力側に設けた前記脈動周波数の成分を低減するためのフィルタを含むことを特徴とする請求項1記載のインバータ制御装置。
  3. 前記低減手段は、前記インバータ出力周波数演算手段の入力側に設けた前記脈動の周波数成分を低減するためのフィルタを含むことを特徴とする請求項1記載のインバータ制御装置。
  4. 前記低減手段は、前記脈動の周波数成分近傍だけを低減するノッチフィルタであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載のインバータ制御装置。
  5. 直流を交流に変換するインバータと、このインバータの交流側に接続された電動機と、前記インバータが出力する出力周波数を演算するインバータ出力周波数演算手段と、前記インバータの直流側が脈動した状態で当該脈動に応じて前記電動機のトルクあるいは相電流の脈動を低減するため前記インバータの出力するインバータ出力周波数を補正するビートレス制御手段とを備えるインバータ制御装置において、
    前記ビートレス制御手段は、
    前記補正前のインバータ出力周波数あるいは補正後のインバータ出力周波数を入力し、当該インバータ出力周波数に含まれる脈動周波数成分を抽出する手段と、当該脈動周波数成分に基づいてインバータ周波数補正量を演算する手段とを具備することを特徴とするインバータ制御装置。
  6. 前記インバータ出力周波数演算手段は、
    前記電動機の回転速度あるいは位置を検出する速度検出器あるいは位置検出器を用いずにインバータ出力周波数を演算することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載のインバータ制御装置。
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