JP2004356582A - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハードマスク層6、エッチストップ層3、CMPストップ層及び拡散防止層1から選ばれる1または2以上の層と、1または2以上の層間絶縁膜層2,4とが積層されてなる積層体10Aであって、前記層の少なくとも1つが、分子内に加水分解性シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー(ただし、1価または多価の芳香核間にはエーテル性酸素原子、エチニレン基または前記加水分解性シリル基を有するエチレン基を有していてもよい)を硬化してなる硬化物の層であることを特徴とする積層体。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスの多層配線形成に関し、詳しくは、半導体の多層配線形成に好適なデュアルダマシン構造を得るための積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの多層配線構造の製造方法としては、銅を配線材料として用いる場合、ダマシン法が用いられることが多く、その中でもビア配線とトレンチ配線を同時に形成できるデュアルダマシン法は、半導体装置の製造コストを低減できることから好ましい手法である。層間絶縁膜への低誘電率化の要望により、CVD法により形成されるシリカにフッ素原子を加えたフッ素ドープシリカ膜(通称FSG)、CVD法により形成される炭素含有シリカ膜、塗布型有機膜、塗布型シリカ膜などが開発されている。これらをデュアルダマシン法に適した形状にエッチング加工を行うために、エッチストップ、ハードマスク、及び/又はCMPストップ膜と呼ばれる層を上下に形成し、積層体とすることが広く行われている。
【0003】
層間絶縁膜がシリカ系材料の場合、エッチストップ、ハードマスク及び/又はCMPストップ膜としてポリアリーレン、ポリアリーレンエーテル、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミドといった有機ポリマーを用いることが公知である(例えば特許文献1及び2参照。)。しかし、この積層体はシリカ系層間絶縁膜と有機ポリマーとの層間接着性が不十分であるため、プロセス中に剥離が生じ易いという問題があった。
【0004】
さらに層間絶縁膜層の接着性を改良するため、ポリアリーレン、ポリアリーレンエーテルと特定の構造を有するポリビニルシロキサンをブレンドした膜形成用組成物を用いて層間絶縁層を形成する手法が公知である(例えば特許文献3参照。)。しかし、両者の間に十分な化学結合が無いため、シロキサン成分のブリードアウト、相分離が発生することがあり、さらには接着性改良効果も不十分なものであった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−299441号公報
【特許文献2】
特開2002−151452号公報
【特許文献3】
特開2002−285080号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した通り、半導体の多層配線形成に用いられる従来の積層体にあっては、積層体の層間の接着性が不十分であり、プロセス中に剥離が生じ易いという課題があった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、層間の接着性が改善された、半導体の多層配線形成に好適な積層体の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、ハードマスク層、エッチストップ層、CMPストップ層及び拡散防止層から選ばれる1または2以上の層(Y)と、1または2以上の層間絶縁膜層(Z)とが積層されてなる積層体であって、前記層(Y)の少なくとも1つが、分子内に加水分解性シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)(ただし、1価または多価の芳香核間にはエーテル性酸素原子、エチニレン基または前記加水分解性シリル基を有するエチレン基を有していてもよい)を硬化してなる硬化物の層(Y−1)であることを特徴とする積層体を提供する。
また本発明は、ハードマスク層、エッチストップ層、CMPストップ層及び拡散防止層から選ばれる1または2以上の層(Y)と、1または2以上の層間絶縁膜層(Z)とが積層されてなる積層体であって、前記層(Y)の少なくとも1つが、分子内に加水分解性シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)(ただし、1価または多価の芳香核間にはエーテル性酸素原子、エチニレン基または前記加水分解性シリル基を有するエチレン基を有していてもよい)と加水分解性シリル基を有するシリカ前駆体(B)とを共硬化してなる硬化物の層(Y−2)であることを特徴とする積層体を提供する。
さらに本発明は、ハードマスク層、エッチストップ層、CMPストップ層及び拡散防止層から選ばれる1または2以上の層(Y)と、1または2以上の層間絶縁膜層(Z)とが積層されてなる積層体であって、前記層(Y)の少なくとも1つが、分子内に加水分解性シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)(ただし、1価または多価の芳香核間にはエーテル性酸素原子、エチニレン基または前記加水分解性シリル基を有するエチレン基を有していてもよい)と加水分解性シリル基を有するシリカ前駆体(B)との部分共縮合物を硬化してなる硬化物の層(Y−3)であることを特徴とする積層体。
本発明の積層体において、硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)はフッ素原子を有する化合物であることが好ましい。
また層間絶縁膜層(Z)はシリカ系絶縁膜であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の積層体は、ハードマスク層、エッチストップ層、CMPストップ層、又は拡散防止層からから選ばれる1または2以上の層(Y)と、1または2以上の層間絶縁膜層(Z)とが積層された構成になっている。図1〜3は本発明の積層体の構成を例示する断面図である。
【0009】
図1に示す積層体10Aは、拡散防止層1上に、層間絶縁膜層2、エッチストップ層3、層間絶縁膜層4、ハードマスク層兼CMPストップ層5およびハードマスク層6を順に積層した構成になっている。
図2に示す積層体10Bは、拡散防止層1上に、層間絶縁膜層2、エッチストップ層3、層間絶縁膜層4およびハードマスク層兼CMPストップ層5を順に積層した構成になっている。
図3に示す積層体10Cは、拡散防止層1上に、層間絶縁膜層2およびハードマスク層兼CMPストップ層5を順に積層した構成になっている。
【0010】
ハードマスク層及びエッチストップ層は、電子デバイスの多層銅配線を作製する際に必要となる、デュアルダマシン法に適した絶縁膜の加工を精度良く行うために設けられる。ハードマスク層及びエッチストップ層は、層間絶縁膜層をエッチングする条件では、ほとんどエッチングされないこと(すなわち層間絶縁膜層とのエッチング選択比が高いこと)が好ましい。
【0011】
CMPストップ層は、銅配線をCMP(化学的機械的研磨)法により平坦化する際に、絶縁膜が研磨されてしまうのを防止するために設けられる。本発明の積層体では、CMPストップ層とハードマスク層を一層で兼用する構造であることが好ましい。
拡散防止膜は下層の銅等の成分が絶縁膜中に拡散するのを防止するために設けられる。
【0012】
本発明の積層体は、層(Y)の少なくとも1つが、分子内に加水分解性シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)(以下、単にプレポリマー(A)とも記す。)を硬化してなる硬化物の層(Y−1)、該プレポリマーと加水分解性シリル基を有するシリカ前駆体(B)(以下、単にシリカ前駆体(B)とも記す。)とを共硬化してなる硬化物の層(Y−2)、又はプレポリマー(A)とシリカ前駆体(B)との部分共縮合物を硬化してなる硬化物の層(Y−3)であることを特徴としている。層(Y)のうちの少なくとも1つが本発明における硬化物の層(Y)、すなわち(Y−1)、(Y−2)又は(Y−3)であれば、それ以外の層は、異なる材料、例えばシリカ系絶縁膜、炭化ケイ素系絶縁膜、窒化ケイ素系絶縁膜等を用いて形成してよい。
【0013】
例えば、図1に示す構成の積層体Aにおいて、ハードマスク層兼CMPストップ層5及びエッチストップ層3が本発明における層(Y−1),(Y−2)または(Y−3)である場合、ハードマスク層6としてはシリカ系絶縁膜が好ましい。シリカ系絶縁膜としては、CVD法により形成されるシリカ膜、CVD法により形成されるシリカ膜にフッ素原子を加えたフッ素ドープシリカ膜(通称FSG)、CVD法により形成される炭素含有シリカ膜、塗布型シリカ膜が好ましく、塗布型シリカ膜が最も好ましい。塗布型シリカ膜とは、後述するシリカ前駆体(B)が溶剤又は水に溶解又は分散されてなる液を塗布し、硬化させることにより得られるシリカ膜である。
拡散防止層1としては、本発明における層(Y−1),(Y−2)もしくは(Y−3)、炭化ケイ素系絶縁膜、または窒化ケイ素系絶縁膜が好ましい。
【0014】
本発明の積層体は、層間絶縁膜層(Z)がシリカ系絶縁膜であることが好ましい。層間絶縁膜層(Z)をシリカ系絶縁膜で形成すると、該層間絶縁膜層(Z)と、本発明における層(Y−1)、(Y−2)または(Y−3)との接着性が高くなり、従って機械特性に優れた積層体が得られ、かつ、高いエッチング選択比が得られる。層(Y)がシリカ系絶縁膜、炭化ケイ素系絶縁膜、窒化ケイ素系絶縁膜等であっても、層間絶縁膜層(Z)がシリカ系絶縁膜層であれば、層(Y)と該層間絶縁膜層(Z)との接着性が高くなる。層間絶縁膜層(Z)として用いるシリカ系絶縁膜は、比誘電率が1.5〜3.8のものが好ましい。シリカ系絶縁膜の具体例としては、CVD法により形成されるシリカにフッ素原子を加えたフッ素ドープシリカ膜(通称FSG)、CVD法により形成される炭素含有シリカ膜、塗布型シリカ膜等が挙げられる。比誘電率を低下させるために、空孔を含んだポーラス膜が好ましい。層間絶縁膜層(Z)がシリカ系絶縁膜であり、かつ空孔を含んだポーラス膜であることが最も好ましい。
【0015】
本発明における加水分解性シリル基は、下記式(1)で表される。
−SiX1X2X3 式(1)
該式中、X1、X2、及びX3は、それぞれ独立にアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、水素原子、アシロキシ基、アミノ基又はアルコキシ基であり、ただしX1、X2、及びX3のうち少なくとも1個以上が加水分解性基、すなわち水素原子、ハロゲン原子、アシロキシ基、アミノ基又はアルコキシ基である。
【0016】
アルキル基及びアリール基の炭素数は1〜8が好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子が好ましい。
アミノ基は炭素数1〜8のジアルキルアミノ基が好ましい。具体例としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシ基の炭素数は1〜8が好ましい。具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。加水分解性基としては、モノマー合成が容易であることから、水素原子、ハロゲン原子又はアルコキシ基が好ましい。
【0017】
本発明における加水分解性シリル基の具体例としては、加水分解性基を3個有するシリル基として、トルフルオロシリル基、トリクロロシリル基、トリヒドロシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリプロポキシシリル基、トリブトキシシリル基等が挙げられる。
加水分解性基を2個有するシリル基として、メチルジフルオロシリル基、メチルジクロロシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、メチルシリル基、フェニルジクロロシリル基、フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基、メチルメトキシシリル基、メチルエトキシシリル基等が挙げられる。
加水分解性基を1個有するシリル基として、ジメチルクロロシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、ジメチルシリル基、ジフェニルメトキシシリル基、ジフェニルエトキシ基、ジフェニルシリル基等が挙げられる。
【0018】
加水分解性シリル基としては、接着性向上効果が大きい点から、アルコキシシリル基が最も好ましい。アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、フェニルジメトキシシリル基、フェニルジエトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、ジフェニルメトキシシリル基、ジフェニルエトキシシリル基等が挙げられる。
さらに、膜の機械特性が高くなる点から、アルコキシシリル基としてはメチルジアルコキシシリル基、又はトリアルコキシシリル基が好ましい。メチルジアルコキシシリル基としては、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基が最も好ましい。トリアルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基が最も好ましい。
【0019】
本発明における硬化物は、電子デバイス又は多層配線形成の製造工程に適合させるために、熱分解温度が400℃以上であることが好ましく、425℃以上であることがさらに好ましく、450℃以上であることが最も好ましい。ここで、熱分解温度とは、不活性ガス雰囲気下、10℃/分の昇温条件における熱重量分析(TGA)測定による3%重量減少温度を意味する。
本発明における硬化物の比誘電率は、4以下であることが好ましく、3.5以下であることがさらに好ましい。特に、熱分解温度が450℃以上であり、かつ比誘電率が3.5以下であることが最も好ましい。
【0020】
このような特性を備えた硬化物としては、特開平9−202823号公報及び特開平10−247646号公報に記載のポリアリーレンエーテル、WO02/08308号公報に記載の分岐型熱硬化ポリマー、特開2000−191752号公報に記載のポリフェニレン等の芳香環含有ポリマー、及びフッ素を含有する芳香族系ポリマーが好ましい例として挙げられる。また、比誘電率を低く抑えることができることから、繰り返し単位中に極性基を含まないことがより好ましい。
【0021】
本発明における硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)とは、1価又は多価の芳香核が直接又はエーテル性酸素原子、エチニレン基もしくは前記加水分解性シリル基を有するエチレン基を介して結合した構造を有しており、かつ、前記加水分解性シリル基、エチニレン基などが反応することにより硬化して硬化物を与えることができるものである。
【0022】
前記プレポリマー(A)としては、フッ素原子を有する化合物であることが好ましい。
前記フッ素原子を有する化合物のフッ素含有量は、硬化して得られる硬化物の比誘電率が低くなることから10質量%以上が好ましく、さらに30質量%以上であることが好ましい。また、該化合物の溶剤への溶解性を充分に保てることから、フッ素含有量は70質量%以下であることが好ましい。特に、フッ素含有量30質量%〜60質量%であることが好ましい。
【0023】
さらに、本発明におけるプレポリマー(A)は、硬化して得られる硬化物の耐熱性及び耐溶剤性の観点から、加水分解性シリル基以外の架橋性官能基を有するものが好ましい。架橋性官能基としては、熱、光、電子線等により自己架橋する官能基が好ましい。加熱により自己架橋する官能基は、電子デバイス、多層配線板などの電子部品製造工程での適用性に優れることからより好ましい。また、極性基を含まない架橋性官能基が硬化して得られる硬化物の比誘電率を低く抑えることができるので好ましい。かかる架橋性官能基は、後述のシリカ前駆体(B)との共有結合を形成せしめる官能基としても用いることができる。
【0024】
架橋性官能基の具体例としては、前記のエチニレン基、1−オキソシクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル基(以下、シクロペンタジエノン基という。)、シアノ基、ジアリールヒドロキシメチル基、ヒドロキシフルオレニル基等が挙げられる。耐熱性の観点などより、エチニレン基が好ましい。
【0025】
前記架橋性官能基の含有量は、プレポリマー(A)1g当たり0.01〜3mmolが好ましい。プレポリマー(A)1g当たり0.01以上であれば、硬化して得られる硬化物の耐熱性と耐薬品性を保つことができ、3mmol以下であれば硬化して得られる硬化物の比誘電率を低く保つことができるとともに、強靭性を保つことができる。特に、プレポリマー(A)1g当たり0.05〜2mmolがより好ましい。
【0026】
本発明におけるプレポリマー(A)の好ましい具体例として、ジエン基含有化合物とジエノフィル基含有化合物間のディールスアルダー型の縮合反応により合成されるポリアリーレンまたはポリアリーレンエーテル(以下、総称してポリアリーレンとも記す。)に加水分解性シリル基を導入したもの、及び含フッ素芳香環含有化合物とフェノール性水酸基を2個以上含有する化合物間の求核置換型の脱HF縮合反応により合成される含フッ素ポリアリーレンエーテルに、加水分解性シリル基を導入したものが挙げられる。
【0027】
前記ポリアリーレンとしては、2個以上のジエン基を有する化合物と3個以上のジエノフィル基を有する化合物間のディールスアルダー型の縮合反応生成物が好ましい。ジエン基としては、シクロペンタジエノン基が好ましく、2個以上のジエン基を有するビスシクロペンタジエノン誘導体として、1,4−ビス(1−オキソ−2,4,5−トリフェニル−シクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル)ベンゼン、4,4’−ビス(1−オキソ−2,4,5−トリフェニル−シクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル)ビフェニル、4,4’−ビス(1−オキソ−2,4,5−トリフェニル−シクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル)−1,1’−オキシビスベンゼン、4,4’−ビス(1−オキソ−2,4,5−トリフェニル−シクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル)−1,1’−チオビスベンゼン、1,4−ビス(1−オキソ−2,5−ジ−〔4−フルオロフェニル〕−4−フェニル−シクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル)ベンゼン、4,4’−ビス(1−オキソ−2,4,5−トリフェニル−シクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル)−1,1’−(1,2−エタンジイル)ビスベンゼン、4,4’−ビス(1−オキソ−2,4,5−トリフェニル−シクロペンタ−2,5−ジエン−3−イル)−1,1’−(1,3−プロパンジイル)ビスベンゼン等を挙げることができる。これらのビスシクロペンタジエノン誘導体のうち、硬化して得られる硬化物の耐熱性の観点から全芳香環骨格のビスシクロペンタジエノン誘導体が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
前記ジエノフィル基としてはエチニレン基が好ましく、3個以上のジエノフィル基を有する化合物として、1,3,5−トリエチニルベンゼン、1,2,4−トリエチニルベンゼン、1,3,5−トリス(フェニルエチニル)ベンゼン、1,2,4−トリス(フェニルエチニル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(フェニルエチニル)ベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
2個以上のジエン基を有する化合物と3個以上のジエノフィル基を有する化合物間のディールスアルダー型の縮合反応は、溶媒中で加熱することにより行われるのが好ましい。溶媒としては、本反応に対して不活性であれば特に制限は無いが、メシチレン、γ−ブチロラクトン等が例示される。反応条件は150〜250℃、1時間〜60時間が好ましい。ジエン基:ジエノフィル基のモル比が1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1〜1:2の範囲で該縮合反応を行うと、耐熱性に優れた硬化物を与えることができるポリアリーレンが得られるので好ましい。該縮合反応中のゲル化を防止する観点より、全てのジエン基及びジエノフィル基のうち、10%〜30%程度を未反応とすることが好ましい。反応率は反応温度及び時間によりコントロールすることが好ましい。プレポリマー中の残存ジエン基及び残存ジエノフィル基は、硬化の際に架橋性官能基として働くと同時に、加水分解性シリル基導入時の反応点として利用することができる。
【0030】
前記ポリアリーレンへの加水分解性シリル基の導入方法としては、(イ)前記ディールスアルダー型の縮合反応時に加水分解性シリル基を有する化合物を共縮合することにより導入する方法、(ロ)前記縮合反応後、残存するエチニレン基を反応点として利用して導入する方法等が例示できる。
【0031】
(イ)の方法の場合、共縮合用化合物としては、加水分解性シリル基を有するエチニレン化合物が好ましい。具体例としては、(フェニルエチニルフェニル)トリメトキシシラン、(フェニルエチニルフェニル)トリエトキシシラン、〔ビス(フェニルエチニル)フェニル〕トリメトキシシラン、〔ビス(フェニルエチニル)フェニル〕トリエトキシシラン等が挙げられる。
【0032】
(ロ)の方法の場合、H−SiX1X2X3で表されるヒドロシリル基を有するシラン類と、エチニレン基との間のヒドロシリレーション反応により導入する方法が好ましい。ヒドロシリル基を有するシラン類の具体例としては、トリクロロシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジクロロシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0033】
ヒドロシリレーション反応は触媒存在下に行うことが好ましい。好ましい触媒は遷移金属錯体であり、例えば白金、ロジウム、コバルト、パラジウム及びニッケルから選ばれるVIII族遷移金属錯体化合物が例示される。特に塩化白金酸、白金オレフィン錯体が好ましい。白金オレフィン錯体の具体例としては、白金カルボニルビニルメチル錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金シクロビニルメチルシロキサン錯体等が挙げられる。触媒の添加量はヒドロシリル基に対して、金属量として1〜10000ppmが好ましく、さらに好ましくは10〜1000ppmである。
【0034】
ヒドロシリレーション反応は、溶媒希釈下で行うことが好ましい。溶媒は反応を阻害せず、かつポリマー及びヒドロシリル基を有するシラン類が溶解又は均一に分散するものが好ましく、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、キュメン、メシチレン、テトラリン、メチルナフタレン、ヘキサン、ペンタン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルアミルケトン等のケトン類が例示される。
反応条件としては、0〜150℃で1時間〜80時間が好ましい。より好ましくは10〜100℃で2時間〜60時間、最も好ましくは20〜80℃で3時間〜24時間である。通常は溶媒の沸点以下で行うことが好ましいが、必要に応じて加圧下でおこなっても良い。
【0035】
前記含フッ素ポリアリーレンエーテルは、芳香環にフッ素が直接結合している含フッ素芳香環含有化合物とフェノール性水酸基を2個以上有する化合物間の脱HF縮合反応により合成される。
【0036】
前記含フッ素芳香環含有化合物としてはペルフルオロ芳香環を有するものが好ましく、ペルフルオロビフェニル、ペルフルオロナフタレン、ペルフルオロターフェニル、ペルフルオロ(1、3、5−トリフェニルベンゼン)及びペルフルオロ(1,2,5−トリフェニルベンゼン)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの含フッ素芳香環含有化合物のうち、分岐構造を有するペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)及びペルフルオロ(1,2,5−トリフェニルベンゼン)が、該含フッ素ポリアリーレンエーテルから得られる硬化物の耐熱性が良好なため好ましい。
【0037】
前記フェノール性水酸基を2個以上有する化合物としては、多官能フェノール類が好ましい。その具体例としては、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシターフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラセン、ジヒドロキシフェナントラセン、ジヒドロキシ−9,9−ジフェニルフルオレン、ジヒドロキシジベンゾフラン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシ−2,2−ジフェニルプロパン、ジヒドロキシ−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン、ジヒドロキシビナフチル、テトラフェニルハイドロキノン、ヘキサフェニルジヒドロキシビフェニル、トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシビフェニル、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシビフェニル、テトラヒドロキシビナフチル、テトラヒドロキシスピロインダン類等が挙げられる。
【0038】
これらのなかでも、得られる硬化物の比誘電率値が低く、耐熱性が良好であるため、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシ−9,9−ジフェニルフルオレン、ジヒドロキシ−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン、テトラフェニルハイドロキノン、トリヒドロキシベンゼンが好ましい。
【0039】
前記含フッ素ポリアリーレンエーテルは、さらに架橋性官能基としてエチニレン基を含有することが好ましい。エチニレン基は熱により自己架橋し、しかも加水分解性シリル基導入時の反応点として利用することができる。エチニレン基を導入する方法としては、前記縮合反応時に、エチニレン基を有するモノマーを共縮合させる方法が好ましい。エチニレン基を有するモノマーとしては、ペンタフルオロフェニルアセチレン、ノナフルオロビフェニルアセチレン等の含フッ素アリールアセチレン類、フェニルエチニルペンタフルオロベンゼン、フェニルエチニルノナフルオロビフェニル、デカフルオロトラン等の含フッ素ジアリールアセチレン類、フェニルエチニルフェノール、ジヒドロキシトラン等の水酸基含有アセチレン類が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0040】
前記脱HF縮合反応の脱HF剤としては、塩基性化合物が好ましく、特にアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩又は水酸化物が好ましい。具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0041】
触媒の使用量は、フェノール性水酸基に対してモル比で1倍以上が必要であり、1.1〜3倍が好ましい。前記脱HF縮合反応は、極性溶媒中で行うことが好ましい。極性溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性の極性溶媒を含有する溶媒が好ましい。極性溶媒には、生成する含フッ素ポリアリーレンエーテルの溶解性を低下せず、縮合反応に悪影響を及ぼさない範囲で、トルエン、キシレン、ベンゼン、ベンゾトリフルオライド、キシレンヘキサフルオライド等が含有されていてもよい。
【0042】
脱HF縮合反応条件としては、10〜200℃で1時間〜80時間が好ましい。より好ましくは40〜180℃で2時間〜60時間、最も好ましくは60〜160℃で3時間〜24時間である。
【0043】
この含フッ素ポリアリーレンエーテルへの加水分解性シリル基の導入方法としては、縮合反応後、残存するエチニレン基を反応点として利用して導入する方法が好ましい。具体的な導入方法は、前記ポリアリーレンへの導入方法と同様な方法を用いることが好ましい。
【0044】
本発明において、プレポリマー(A)の数平均分子量は、1000〜1000000が好ましい。この範囲にあるとプレポリマー(A)の溶剤に対する溶解性が良好で、かつ該プレポリマー(A)を硬化することにより良好な耐熱性、機械特性、及び耐薬品性等を有する硬化物が得られる。より好ましくは1000〜200000、最も好ましくは1500〜50000である。
【0045】
本発明においてシリカ前駆体(B)とは、酸又はアルカリ等の触媒、酸素等の酸化剤、又は熱により、実質的に下記式(2)で表されるシリカ含有化合物を形成するものである。
(X4X5SiO)a(X6SiO3/2)b(SiO2)c 式(2)
ここで、X4、X5及びX6は水素原子、フッ素原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基又はビニル基を表し、それぞれ同じであっても相異なっていてもよい。
【0046】
X4、X5及びX6としては、水素原子、メチル基、又はフェニル基が耐熱性、機械特性が良好なため好ましく、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
a、b及びcはそれぞれ独立に0以上、1以下の数である。ただし、a+b+c=1である。aが大きいと、得られる硬化物の比誘電率が小さくなるが、耐熱性、機械特性を充分保つために、0.5以下であることが好ましく、さらに0.3以下であることが好ましい。cは、耐熱性及び機械特性が良好となるため、0.2以上であることが好ましく、比誘電率を低く保つためには0.9以下であることが好ましい。さらに、cは、0.3以上、0.9以下であることが好ましい。
【0047】
本発明におけるシリカ前駆体(B)としては、下記式(3)、(4)、及び(5)で表されるアルコキシシランからなる群から選ばれる1種又は2種以上を部分加水分解縮合させたものが好ましい。部分加水分解縮合とは、アルコキシ基の一部が加水分解して生成したシラノール基(HO−Si)同士、または該シラノール基と加水分解していないアルコキシ基が縮合することをいう。
X4X5Si(OR1)2 式(3)
X6Si(OR2)3 式(4)
Si(OR3)4 式(5)
ここで、X4、X5及びX6は前記式(2)と同じである。R1、R2及びR3は、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
【0048】
式(3)で表されるアルコキシシランの具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、ジフルオロジメトキシシラン、ジフルオロジエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、ジメチルジメトキシシラン及びジメチルジエトキシシランが好ましい。
【0049】
式(4)で表されるアルコキシシランの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、フルオロトリメトキシシラン、フルオロトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシラン及びトリエトキシシランが好ましい。
【0050】
式(5)で表されるアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。これらの中でも、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランが好ましい。
【0051】
式(3)で表されるアルコキシシラン、式(4)で表されるアルコキシシラン、及び式(5)で表されるアルコキシシランの比率が、前記式(2)中のa、b及びcを決定する。
【0052】
式(3)、(4)及び(5)で表されるアルコキシシランの部分加水分解縮合反応は、触媒及び水を添加することにより行われるのが好ましい。アルコキシシランのアルコキシ基1モル当たり、0.3〜50モルの水を添加することが好ましく、0.5〜20モルの水を添加することが特に好ましい。添加する水の量が0.3〜50モルの範囲内であれば、プレポリマー(A)とシリカ前駆体(B)とを共硬化してなる硬化物またはプレポリマー(A)とシリカ前駆体(B)との部分共縮合物を硬化してなる硬化物の均一性が保たれる。
【0053】
触媒としては、有機酸、無機酸、有機の塩基性化合物、無機の塩基性化合物等を挙げることができる。有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
有機の塩基性化合物としては、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。無機の塩基性化合物としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。
触媒の使用量は、式(3),(4)及び(5)で表される化合物の総量に対して、モル比で0.0001〜1の範囲、好ましくは0.001〜0.1程度である。
【0054】
本発明におけるシリカ前駆体(B)の数平均分子量は、300〜3000000の範囲が好ましい。この範囲であると、プレポリマー(A)との相溶性が良好となり、良好な耐熱性、機械特性、及び耐薬品性等を有する硬化物が得られる。このシリカ前駆体(B)の数平均分子量は500〜2000000の範囲がより好ましく、1000〜1500000の範囲が最も好ましい。
【0055】
本発明における層(Y−1)は、本発明におけるプレポリマー(A)を硬化してなる硬化物の層である。本発明における層(Y−2)は、本発明におけるプレポリマー(A)とシリカ前駆体(B)とを共硬化してなる硬化物の層である。本発明における層(Y−3)は、本発明におけるプレポリマー(A)とシリカ前駆体(B)との共縮合物を硬化してなる硬化物の層である。
【0056】
プレポリマー(A)は、加水分解性シリル基中の加水分解性基同士が縮合する反応、プレポリマー(A)が加水分解性シリル基以外の架橋性官能基を有する場合は、該架橋性官能基同士もしくは該架橋性官能基と加水分解性シリル基との反応などが並行して進行することにより硬化する。プレポリマー(A)と、シリカ前駆体との共硬化とは、プレポリマー(A)の上記反応以外に、プレポリマー(A)の加水分解性基及びそれ以外の架橋性反応基とシリカ前駆体中の加水分解性基との反応も同時に進行して硬化することを意味する。
プレポリマー(A)とシリカ前駆体の共縮合物とは、シリカ前駆体を合成時に、プレポリマー(A)と共加水分解縮合させたものである。該共縮合物は、プレポリマー(A)と同様の反応によって硬化する。
【0057】
本発明において、層(Y−2)及び層(Y−3)を形成する硬化物は、プレポリマー(A):シリカ前駆体(B)(完全加水分解換算のシリカ)の質量比が20:80〜99:1であることが好ましい。この範囲にあることで、得られる層と層間絶縁膜層との接着性が良好となる。また、層間絶縁膜層と(Y−2)又は(Y−3)のエッチング選択比が大きくなる。層間絶縁膜層がシリカ系層間絶縁膜層であるとき、前記接着性がより良好となり、前記エッチング選択比がより大きくなるので好ましい。前記比率は、30:70〜98:2であることがより好ましく、50:50〜95:5であることが最も好ましい。
本発明における硬化物の層の均一性を考慮すると、プレポリマー(A)、プレポリマー(A)とシリカ前駆体(B)、プレポリマー(A)とシリカ前駆体(B)との共縮合物(以下、前記3種を総称してプレポリマー(A)等と記す。)を溶剤に溶解又は分散して溶液又は分散液(以下、プレポリマー(A)等溶液と記す。)とし、該溶液から湿潤膜を形成し、溶剤を揮散した後又は揮散すると同時に硬化又は共硬化する方法により形成されることが好ましい。
【0058】
前記溶剤としては、プレポリマー(A)、シリカ前駆体(B)およびプレポリマー(A)とシリカ前駆体(B)との共縮合物が溶解あるいは分散し、所望の塗布方法で所望の膜厚、均一性を有する湿潤膜が得られれば特に制限は無く、芳香族炭化水素類、双極子非プロトン系溶剤類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類が挙げられる。
【0059】
前記溶剤として工程な芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、キュメン、メシチレン、テトラリン、メチルナフタレン等が挙げられる。
双極子非プロトン系溶剤類としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
ケトン類としては、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルアミルケトン等が挙げられる。
エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ピラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジフェニルエーテル、アニソール、フェネトール、ジグライム、トリグライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
エステル類としては、乳酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素類としては、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
プレポリマー(A)溶液中のプレポリマー(A)等(但し、シリカ前駆体(B)は換算シリカ質量で)の濃度は1〜80質量%が好ましく、5〜60質量%とするのがより好ましい。
【0060】
前記湿潤膜の形成方法としては、コーティング方法を採用することが好ましい。例えば、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ダイコート法、バーコート法、ドクターコート法、押し出しコート法、スキャンコート法、はけ塗り法、ポッティング法等の公知のコーティング方法が挙げられる。膜厚の均一性の観点からスピンコート法又はスキャンコート法が好ましい。
【0061】
プレポリマー(A)等を硬化又は共硬化する方法としては、加熱及び/又は電磁波の照射を行う方法が好ましい。加熱条件は50℃〜500℃で1分間〜360分間が好ましく、80〜450℃で2分間〜240分間がさらに好ましく、80〜400℃で5分間〜120分間が最も好ましい。加熱装置としては、ホットプレート、オーブン、ファーネス(炉)が好ましく、加熱雰囲気は、窒素及びアルゴン等の不活性ガス雰囲気、空気、酸素、減圧雰囲気などが例示でき、不活性ガス雰囲気及び減圧雰囲気とするのが好ましい。得られる層の表面平滑性を確保したり、硬化物の微細スペース埋込性を向上させるために、加熱工程を何段階かに分けて実施することが好ましい。
電磁波としては、電子線、紫外線等が好ましい。加熱と電磁波照射を併用してもよい。電磁波照射の際の雰囲気は、前記の加熱の場合と同様のものが好ましい。電磁波照射条件としては、例えば電子線を用いる場合、照射エネルギーは0.1〜50keVが好ましく、照射量は1〜1000μC/cm2が好ましい。
得られる層の厚さは5〜1000nmが好ましく、10〜500nmがより好ましい。
【0062】
前記プレポリマー(A)等溶液は、中和、再沈殿、抽出、ろ過等の方法で精製されることが好ましい。電子部品関連の用途においては、縮合反応触媒であるカリウム、ナトリウム等の金属及び遊離したハロゲン原子はトランジスタの動作不良や配線の腐食等を引き起こす原因物質と成りうるので、それらを除くためにプレポリマー(A)溶液の段階で充分に精製することが好ましい。
【0063】
本発明のプレポリマー(A)等溶液は、接着性向上又は塗布均一性向上等の目的で、シランカップリング剤、界面活性剤、コロイド状シリカ等の添加物を含んでいても良い。シランカップリング剤としては、アミノシラン、エポキシシラン、ビニルシラン、アクリレートシラン、メタクリレートシラン及びこれらの部分加水分解縮合物が好ましい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好ましく、コロイド状シリカとしては粒径が5〜30nm程度のものが好ましい。これら添加物は、前記プレポリマー(A)等溶液中に溶解または分散させることにより添加することが好ましい。
【0064】
本発明の積層体を製造する際、層間の接着性を向上させる、あるいは濡れ性を改良してプレポリマー(A)等溶液又は塗布型シリカ膜を形成する液のコーティングの均一性を向上させる等の目的で、コーティングする表面を活性化しておくことが好ましい。活性化方法しては、電子線、紫外線等の電磁波を照射する方法、プラスマ処理を行う方法、シランカップリング剤等の表面処理剤を塗布する方法等が好ましい。
【0065】
【実施例】
本発明を以下の実施例及び比較例より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。例1〜7は合成例、例18〜12、16は実施例、例13〜15は比較例である。
なお、例1〜7における分子量は、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0066】
[例1]
容量1Lのフラスコにペルフルオロ(1,3,5−トリフェニルベンゼン)の18.90g、4−フェニルエチニルノナフルオロビフェニルの8.32g、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンの3.78g、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという。)の279gを仕込んだ。撹拌しながらオイルバス上で加温し、液温が60℃となった時点で炭酸カリウムの27.3gを素早く添加し、撹拌を継続しながら60℃で4時間加熱した。その後、反応液を室温に冷却し、激しく撹拌し、酢酸の約30gを含む純水/メタノール(容積比約1/1)混合液2Lに徐々に投入すると白色粉状物が沈殿した。この白色粉状物をろ別し、さらに純水で5回洗浄した後に、80℃で15時間真空乾燥を行って分子量約5000のポリアリーレンエーテル(以下、P1という。)を得た。得られたP1の1gを9gのシクロヘキサンに溶解させて溶液S1を得た。
【0067】
[例2]
容量100mLのフラスコに3,3’−(オキシジ−1,4−フェニレン)ビス(2,4,5−トリフェニルシクロペンタジエノン)の4.70g、1,3,5−トリス(フェニルエチニル)ベンゼンの2.28g及びγ−ブチロラクトンの20gを仕込み、窒素雰囲気下、200℃で30時間加熱した。冷却した後、大過剰のメタノール中に投入し、得られた粉末を80℃で15時間真空乾燥して分子量約4000のポリアリーレンエーテル(以下、P2という。)を得た。得られたP2の1gを9gのシクロヘキサン/γ−ブチロラクトン混合溶媒(質量比1/1)に溶解させて溶液S2を得た。
【0068】
[例3]加水分解シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマーの合成
例1で得られたP1の3.0gをテトラヒドロフランの17gに溶解させた溶液、及びトリエトキシシランの0.59gを容量50mlのフラスコに仕込み、系内を窒素ガスで置換した。ここへ白金ジビニルテトラシロキサン錯体(トルエン3%溶液)20μlを添加し、80℃で2時間加熱した。冷却後、反応溶液を大過剰のヘキサンに徐々に投入することにより得られた白色粉末を60℃で15時間真空乾燥し、トリエトキシシリル基を含有する含フッ素ポリアリーレンエーテル(以下、P3という。)を得た。得られたP3の1gを9gのシクロヘキサンに溶解させて溶液S3を得た。
【0069】
[例4]加水分解シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマーの合成
例2で得られたP2の3.0gをトルエンの17gに溶解させた溶液、及びトリエトキシシランの0.42gを容量50mLのフラスコに仕込み、系内を窒素ガスで置換した。ここへ白金ジビニルテトラシロキサン錯体(トルエン3%溶液)20μlを添加し、80℃で2時間加熱した。冷却後、反応溶液を大過剰のヘキサンに徐々に投入することにより得られた白色粉末を60℃で15時間真空乾燥し、トリエトキシシリル基を含有するポリアリーレンエーテル(以下、P4という。)を得た。得られたP4の1gを9gのシクロヘキサン/γ−ブチロラクトン混合溶媒(質量比1/1)に溶解させて溶液S4を得た。
【0070】
[例5]加水分解シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー及びシリカ前駆体を含有する溶液の合成
例3で得られたP3の3.5g、テトラエトキシシランの1.2g、メチルトリエトキシシランの2.1g、及びシクロヘキサノンの30gを容量100mLのフラスコに仕込み、室温で撹袢することにより均一溶液とした。室温で激しく撹袢しながら1%マレイン酸水溶液1.57gを約40分かけて滴下し、滴下終了後、60℃で2時間加熱した。その後エバポレータを用いて全質量が31gとなるまで濃縮して、加水分解シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマーとシリカ前駆体を含有する溶液S5を得た。
【0071】
[例6]加水分解シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー及びシリカ前駆体を含有する溶液の合成
容量100mLのフラスコにエタノールの47.1g、水の23.0g、1Nアンモニア水の15.1gを仕込み、撹袢して均一にした。激しく撹袢しながらテトラエトキシシラン6.7gとメチルトリメトキシシラン4.5gの混合物を約2時間かけて滴下し、滴下終了後60℃で2時間加熱した。1N硝酸の15.6gを添加した後に冷却し、プロピレングリコールモノプロピルエーテルの40gを加えた。その後、エバポレータを用いて全質量が38gとなるまで濃縮して、固形分濃度(完全加水分解物換算)が10質量%のシリカ前駆体溶液(以下、S6という)を得た。分子量は約1000000であった。
得られたシリカ前駆体溶液S6の0.5gと、例3で得られた溶液S3の2.5gを混合し、50℃で2時間加温することにより、加水分解シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマーとシリカ前駆体を含有する溶液S7を得た。
【0072】
[例7]加水分解シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー及びシリカ前駆体を含有する溶液の合成
例4で得られた溶液S4の5.0gと、例6で得られたシリカ前駆体溶液S6の0.5gを混合した。2%マレイン酸水溶液0.1gを添加した後に、50℃で2時間加温することにより、加水分解シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマーとシリカ前駆体を含有する溶液S8を得た。
【0073】
[例8]製膜及び塗膜特性評価
例3で得られた溶液S3を、孔径0.2μmのPTFE製フィルターでろ過し、4インチシリコンウェハ上に2000rpm×30秒の条件でスピンコートした。続いてホットプレート上で150℃×90秒間、250℃×90秒間の予備加熱を行った後、縦型炉で400℃×30分、窒素雰囲気下での加熱(硬化)を行った。得られた塗膜(層)について下記評価を行った結果を表1に示した。
比誘電率:SSM社製SSM−495を用いて、水銀プローバーによるCV測定を行うことにより1MHzの比誘電率を求めた。膜厚は分光エリプソメータによって求めた値を使用した。
接着強度:セバスチャン強度試験機を用いて、スタッドプル法により、塗膜と基板間の接着強度を測定した。
エッチング選択比:Ar/CF4/CHF3をソースガスとするプラズマエッチングを行った時のエッチング速度を、市販のシリカ系層間絶縁膜層(ジェイエスアール株式会社製、商品名:LKD−5109)と比較した。エッチング選択比は下記式により表され、大きければ大きほど精密なデュアルダマシン形状の加工が可能となる。
(エッチング選択比)=(シリカ系層間絶縁膜層のエッチング速度)/(本発明における層のエッチング速度)
【0074】
[例9〜14]塗膜特性評価
溶液S3の代わりに、例4〜7で得られた溶液S4、S5、S7及びS8、例1及び2で得られた溶液S1及びS2を用いて、例8と同様の製膜及び塗膜特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0075】
[例15]塗膜特性評価
ハードマスク層、エッチストップ層、CMPストップ層として用いられる市販の炭化珪素(SiC)膜であるアプライドマテリアルズ製BLOk膜について、例8と同様の方法で比誘電率、接着強度、エッチング選択比を評価した。結果を表1に示した。
【0076】
【表1】
【0077】
表1の結果から、本発明における層は、有機ポリマーが有する低誘電率特性及びシリカ系層間絶縁膜層との高いエッチング選択比と、無機系材料が有する高い接着強度を併せ持つことが判明した。
【0078】
[例16]積層体の製造及びプロセス耐性評価
窒化珪素(SiN)膜がプラズマCVDにより50nm製膜された8インチシリコンウェハ上に、市販のシリカ系層間絶縁膜形成用溶液(ジェイエスアール株式会社製、商品名:LKD−5109)をスピンコート法により塗布し、続いてホットプレートによる150℃×90秒のベークを行った。この上に例7で得られた溶液S8をスピンコート法により塗布し、ホットプレートによる200℃×90秒のベークを行った。この上にLKD−5109をスピンコート法により塗布し、続いてホットプレートによる150℃×90秒のベークを行った。さらに、溶液S8をスピンコート法により塗布し、ホットプレートによる200℃×90秒のベークを行った。続いて窒素雰囲気のホットプレートで400℃×15分の加熱硬化を行うことにより、図2に示す構造を有する積層体を得た。この積層体は、プラズマSiN膜からなる厚さ50nmの拡散防止層1上に、厚さ400nmのシリカ系層間絶縁膜層2、溶液S8により得られた厚さ50nmのエッチストップ層3、厚さ400nmのシリカ系層間絶縁膜層4及び溶液S8より得られた厚さ200nmのハードマスク層兼CMPストップ層5を順に積層した構成になっている。なお、各層の膜厚は、スピン回転数を調整することにより調整した。
【0079】
得られた積層体の全面の金属顕微鏡観察を行ったところ、クラックや剥離等の欠陥は観測されなかった。さらに、積層体のプロセス耐性を調べるために下記2種の評価を行った。
【0080】
1) CMP耐性
銅配線CMP用スラリー(EKCテクノロジー社製、商品名:CMP9001)、及び研磨装置(アプライドマテリアルズ社製、Mirra)を用いて、圧力20.7kPa、速度30rpmで60秒研磨を行った。研磨後のウェハの金属顕微鏡観察を行ったところ、クラックや剥離等の欠陥は観測されなかった。分光エリプソメーターで研磨前後の膜厚を測定したところ、膜厚の変化は見られなかった。この結果から、本積層体はCMPプロセスに耐え得る接着強度、クラック耐性を有すること、また、最上層である溶液S8より形成された膜が十分なCMPストップ性を有していることが判明した。
【0081】
2) 耐薬品性
ウェット洗浄液EKC265(商品名、EKC社製)に浸漬した後に、例8と同様の方法で接着強度を測定したところ、>50MPaと高い値を示した。この結果、ウェット洗浄液による本積層体へのダメージは無いことが確認された。
【0082】
【発明の効果】
本発明の積層体は、低い比誘電率を有し、層間接着性及び層間のエッチング選択性が高く、CMP耐性、耐薬品性が高い。従って該積層体は、電子デバイスの銅多層配線を作製するためのデュアルダマシン法に適した加工を精度良く行うことができ、かつ高いプロセス耐性を有するため、電子デバイス用絶縁体としての適用性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の第1の例を示す断面図である。
【図2】本発明の積層体の第2の例を示す断面図である。
【図3】本発明の積層体の第3の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 拡散防止層
2,4 層間絶縁膜層
3 エッチストップ層
5 ハードマスク層兼CMPストップ層
6 ハードマスク層
10A,10B,10C 積層体
Claims (5)
- ハードマスク層、エッチストップ層、CMPストップ層及び拡散防止層から選ばれる1または2以上の層(Y)と、1または2以上の層間絶縁膜層(Z)とが積層されてなる積層体であって、前記層(Y)の少なくとも1つが、分子内に加水分解性シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)(ただし、1価または多価の芳香核間にはエーテル性酸素原子、エチニレン基または前記加水分解性シリル基を有するエチレン基を有していてもよい)を硬化してなる硬化物の層(Y−1)であることを特徴とする積層体。
- ハードマスク層、エッチストップ層、CMPストップ層及び拡散防止層から選ばれる1または2以上の層(Y)と、1または2以上の層間絶縁膜層(Z)とが積層されてなる積層体であって、前記層(Y)の少なくとも1つが、分子内に加水分解性シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)(ただし、1価または多価の芳香核間にはエーテル性酸素原子、エチニレン基または前記加水分解性シリル基を有するエチレン基を有していてもよい)と加水分解性シリル基を有するシリカ前駆体(B)とを共硬化してなる硬化物の層(Y−2)であることを特徴とする積層体。
- ハードマスク層、エッチストップ層、CMPストップ層及び拡散防止層から選ばれる1または2以上の層(Y)と、1または2以上の層間絶縁膜層(Z)とが積層されてなる積層体であって、前記層(Y)の少なくとも1つが、分子内に加水分解性シリル基を有する硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)(ただし、1価または多価の芳香核間にはエーテル性酸素原子、エチニレン基または前記加水分解性シリル基を有するエチレン基を有していてもよい)と加水分解性シリル基を有するシリカ前駆体(B)との部分共縮合物を硬化してなる硬化物の層(Y−3)であることを特徴とする積層体。
- 硬化性ポリアロマティックプレポリマー(A)がフッ素原子を有する化合物である、請求項1、2または3に記載の積層体。
- 層間絶縁膜層(Z)がシリカ系絶縁膜である、請求項1、2、3または4に記載の積層体。
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