JP2004355972A - 透明電極を積層した絶縁性透明基体 - Google Patents

透明電極を積層した絶縁性透明基体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、光透過率が高く、低い電気抵抗を有するとともに剥離やクラック等が発生せず、またエッチング性にも優れた透明電極を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の透明電極は、酸化スズ、酸化鉛、酸化レニウムおよび酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物と、酸化ルテニウムとからなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明電極およびそれを積層した絶縁性透明基体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気、電子製品において、たとえば太陽電池や、液晶、有機エレクトロルミネッセンス素子等を用いたディスプレイ等に使用される透明電極としては、ITO膜と呼ばれる透明電極が主として用いられている。このITO膜は、酸化インジウムと酸化スズにより構成されており、ガラス、プラスチック、樹脂フィルム等の絶縁性基板上に、酸化インジウムと酸化スズの混合物をターゲットとして用いることによりスパッタリング方法により積層形成されている。通常、このようなITO膜は、該絶縁性基板上でエッチングされてパターニングされることにより各種の製品に組み込まれている。
【0003】
昨今、上記太陽電池やディスプレイにおいては、大面積化したり、あるいは逆に微小化したりする用途の開発が盛んに行なわれており、その際、透明電極であるITO膜の電気抵抗をより低減したいという要求が高まっている。これに対して、ITO膜の膜厚を厚くすることにより電気抵抗を低減させる試みがなされているが、この試みによってはコストが向上するだけではなく、電極部の光透過率が悪化しパネルや画面全体が暗くなってしまうという問題を生じる。
【0004】
そこで、ITO膜よりも電気抵抗の低い透明電極の開発が盛んに行なわれており、低い電気抵抗を有する透明電極として酸化ルテニウムの使用が種々試みられている。たとえば、酸化インジウムと酸化スズ等からなる酸化物に酸化ルテニウムを添加することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかし、酸化インジウムの電気比抵抗は10〜10×10−3Ω・mと高く、酸化インジウムを使用する限り電気抵抗の低減には限界がある。
【0005】
これに対して、太陽電池用の透明電極として酸化ルテニウム(RuO)やSrRuOを単独で使用することが提案されている(特許文献3)。しかし、酸化ルテニウムやSrRuOは電気抵抗が低減されるものの、高い硬度を有するとともに自己応力も高いため、絶縁性基板上に積層された場合に容易に剥離してしまったり、あるいは絶縁性基板を曲げたときに容易にクラックが生じるという問題があった。また、高度な耐薬品性を有することからエッチングが困難であるという問題をも有していた。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−72526号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2000−72537号公報
【0008】
【特許文献3】
特開2003−78153号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のような現状に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、光透過率が高く、低い電気抵抗を有するとともに剥離やクラック等が発生せず、またエッチング性にも優れた透明電極を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の透明電極は、酸化スズ(SnO)、酸化鉛(PbO)、酸化レニウム(ReO)および酸化クロム(CrO)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物と、酸化ルテニウム(RuO)とからなることを特徴とする。酸化ルテニウムを用いることから高い光透過率と低い電気抵抗が得られるとともに、酸化スズ、酸化鉛、酸化レニウムおよび酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物を併用したことにより酸化ルテニウムの硬度と自己応力を低減し、剥離やクラックの発生を有効に防止するとともに優れたエッチング性を付与することに成功したものである。
【0011】
また、本発明の透明電極は、上記金属酸化物と酸化ルテニウムとを構成する金属の原子比が以下の範囲とすることが好ましい。
Sn/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.90
Pb/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.40
Re/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.15
Cr/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.15
Ru/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0.01〜0.99
また、本発明の透明電極は、10〜5000Åの厚みを有し、かつ波長350〜800nmの光透過率が50%以上となるものであることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、上記の透明電極を積層することにより絶縁性透明基体を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
<透明電極>
本発明の透明電極は、酸化スズ、酸化鉛、酸化レニウムおよび酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物と、酸化ルテニウムとからなるものである。このように酸化ルテニウムに対して上記金属酸化物を1種以上併用することを特徴としている。
【0014】
ここで、酸化スズ、酸化鉛、酸化レニウム、酸化クロムおよび酸化ルテニウムの各電気比抵抗(測定温度を併記)は、それぞれ4×10−4Ω・m(293K)、9.08×10−5Ω・m(273K)、8×10−6Ω・m(293K)、5×10−5Ω・m(513K)、35.2×10−6Ω・m(300K)であり、酸化インジウムの10〜10×10−3Ω・m(293K)に比しいずれも低い値を有する。
【0015】
また、上記金属酸化物と酸化ルテニウムとを構成する金属の原子比は、以下の範囲とすることが好ましい。
Sn/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.90
Pb/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.40
Re/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.15
Cr/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.15
Ru/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0.01〜0.99
これらの構成金属の原子比は、さらに以下の範囲とすることが好ましい。
Sn/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0.50〜0.90
Pb/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.20
Re/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.10
Cr/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.10
Ru/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0.10〜0.90
通常該原子比は、目的とする透明電極の特性に応じて選択することが好ましく、たとえば高い光透過率と低い電気抵抗を特に両立させる場合はルテニウムの比率を高くすることにより達成することができ、一方良好なエッチング性を優先させる場合はスズまたは鉛の比率を高くすることが好適である。
【0016】
なお、Ru/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)の比率が、0.01未満の場合、酸化ルテニウムによる高い光透過率と低い電気抵抗が示されなくなる場合がある一方、0.99を超えると剥離やクラッキングが生じ易くなるとともに、エッチング性に劣る場合がある。また、Sn/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)が0.90を超えると、電気抵抗が高くなる場合がある。
【0017】
さらに、Pb/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)が0.40を超えたり、Re/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)およびCr/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)が0.15を超えると、光の透過率が低下する場合がある。
【0018】
また、本発明の透明電極は、10〜5000Å、好ましくは200〜3000Åの厚みを有していることが好ましい。厚みが10Å未満の場合、電気抵抗が高くなり過ぎる場合があり、5000Åを超えると光の透過率が劣る場合がある。
【0019】
また、本発明の透明電極は、波長350〜800nmの光透過率が50%以上となるものであることが好ましく、さらにその光透過率が80%以上となることが好ましい。光透過率が50%未満では、透明電極としての役割を奏さなくなる場合があるからである。
【0020】
<透明電極の製造>
本発明の透明電極は、通常後述の絶縁性透明基体上に積層形成される。しかし、用途によっては、このような絶縁性透明基体以外の基体上に形成したり、基体上に形成することなく単独の電極として製造することもできる。以下、絶縁性透明基体上に積層形成する場合を例にとり説明する。
【0021】
まず、絶縁性透明基体上に積層形成する方法としては、スパッタリング法、蒸着法またはイオンプレーティング法を選択することができる。いずれの方法を採用する場合であっても、ターゲットとしては、目的とする金属酸化物を、目的とする原子比を考慮して混合して用いることができる。すなわち、酸化スズ、酸化鉛、酸化レニウムおよび酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物と、酸化ルテニウムとを適宜混合してターゲットとすることができ、目的とする透明電極の厚みを考慮して常法に従って絶縁性透明基体上に積層形成することができる。
【0022】
なお、ターゲット中における金属の原子比は、通常目的とする透明電極中の金属の原子比と一致するものであるが、使用する金属の種類によっては両者の原子比の関係を予め検討した上で製造することが好ましい場合もある。このため、ターゲット中の原子比は、適宜選択することができる。
【0023】
一方、スパッタリング法を採用する場合は、ターゲットとして上記のように金属酸化物を使用することなく、単体金属を使用して反応性スパッタリング法により絶縁性透明基体上に積層形成することもできる。すなわち、目的とする透明電極に応じて、金属Sn、金属Pb、金属Reおよび金属Crからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、金属Ruとをターゲットとして用い、スパッタリング装置内でこれらの金属と酸素とを反応させることにより、常法に従ってその反応生成物である金属酸化物を絶縁性透明基体上に積層形成することができる。
【0024】
なお、この場合のターゲットである単体金属の原子比は、通常目的とする透明電極中の原子比と一致するものであるが、使用する金属の種類によっては両者の原子比の関係を予め検討した上でスパッタリングすることが好ましい場合もある。このため、ターゲット中の単体金属の原子比は、適宜選択することができる。
【0025】
なお、基体として絶縁性透明基体以外の基体を用いる場合であっても、上記の各方法と同様の方法により積層形成することができる。また、透明電極を単独で製造する場合には、たとえば透明電極を構成する各金属酸化物を混合して焼結させることにより製造することができる。
【0026】
<絶縁性透明基体>
本発明の透明電極が積層形成される絶縁性透明基体としては、この種の用途に使用される従来公知の絶縁性透明基体であれば特に限定なくいずれのものでも使用することができる。なお、本発明における絶縁性透明基体とは、波長350〜800nmの光透過率が50%以上となるものであることが好ましく、さらにその光透過率が80%以上となることが好ましい。光透過率が50%未満では、透明電極としての役割を奏さなくなる場合があるからである。
【0027】
このような絶縁性透明基体としては、たとえばガラス基板、プラスチック基板、樹脂フィルムなどを挙げることができる。
【0028】
ガラス基板としては、その厚みが50μm〜10mm、好ましくは100μm〜5mmのものを使用することができる。厚みが50μm未満のものは、基体自体が容易に破壊されることがあり、また10mmを超えると光透過率が悪化することがある。
【0029】
プラスチック基板としては、たとえばアクリル基板を用いることができ、その厚みが50μm〜10mm、好ましくは100μm〜5mmのものを使用することができる。厚みが50μm未満のものは、基体自体が容易に破壊されることがあり、また10mmを超えると光透過率が悪化することがある。
【0030】
樹脂フィルムとしては、たとえばPBT、PEN、PC、PET、ポリイミド、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、液晶ポリマー、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。その厚みとしては、好ましくは4〜1000μm、さらに好ましくは12〜150μmである。4μm未満では、加工が困難となる場合があり、また1000μmを超えると光透過率が悪化するとともにフレキシブル性にも劣る場合があるからである。
【0031】
このようにして本発明においては、上記の透明電極を積層した絶縁性透明基体を得ることができる。なお、絶縁性透明基体上において上記の透明電極は、エッチング処理をすることにより各種の回路パターンを任意に作成することができることは言うまでもない。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
<実施例1>
本発明の透明電極について図1に基づき説明する。
【0034】
まず、絶縁性透明基体101として厚み125μmで、幅250mm、長さ30mにスリットさせたPETフィルム(商品名:ルミナー、(株)東レ製)を使用した。この絶縁性透明基体101の波長400nmの光透過率は95%であった。
【0035】
この絶縁性透明基体101の一端をスパッタリング装置の送出しシャフトにセットし、他端をポリイミド製の耐熱テープを用いて巻取りシャフトに固定させた。
【0036】
続いて、前記スパッタリング装置にターゲットとして酸化スズ/酸化鉛/酸化ルテニウムを、それぞれ金属原子比で0.85/0.03/0.12となる量を混合してセットした。その後該スパッタリング装置のチャンバーを閉じ、真空ポンプにより真空度を4×10−4Paとし、アルゴンガスの注入量250cc/分、酸素の注入量5cc/分およびターゲット電流0.6A/dmの条件下で前記金属酸化物をスパッタリングさせた。
【0037】
このようにして前記絶縁性透明基体101上の一方の表面全面に前記金属酸化物からなる透明電極102を積層形成させた。その後、前記ターゲット電流を停止し、30秒後アルゴンガスおよび酸素の注入をそれぞれ停止するとともにチャンバーの真空状態を解除した後、透明電極102を積層した絶縁性透明基体101を前記スパッタリング装置から取出した。
【0038】
このようにして形成した透明電極102は、X線光電子分析装置(商品名:ウルトラ、(株)島津製作所製)を用いて分析したところ、酸化スズ(SnO)および酸化鉛(PbO)からなる金属酸化物と、酸化ルテニウム(RuO)とにより構成されており、それらを構成する金属の原子比は以下の通りであった。
Sn/(Sn+Pb+Ru)=0.85
Pb/(Sn+Pb+Ru)=0.03
Ru/(Sn+Pb+Ru)=0.12
また、上記透明電極102の厚みをFIB装置により測定したところ、端から2m、15m、28mの3点のいずれの地点においても1000Åであった。
【0039】
<実施例2〜11>
上記実施例1と同様にして、以下の表1および表2に示した組成の透明電極を絶縁性透明基体上に製造した。
【0040】
なお、これらの透明電極について、以下の特性値を測定した結果を、実施例1の結果とともに表1および表2に示す。
【0041】
(厚み)
実施例1のものと同様の方法により測定し、3点の平均値で表わした。
【0042】
(電気抵抗)
絶縁性透明基体上の全面に積層された透明電極について、四端子法によりシート抵抗として抵抗値を測定した。なお、抵抗値測定器としては、ロレスタMCP−T360(ダイアインスツルメンツ製)を使用した。
【0043】
(光透過率)
透明電極について、波長350〜800nmの光透過率を、透過率測定器として分光光度計U−3500(日立製)を用いて測定した。なお、測定方法としては、予め絶縁性透明基体単独の透過率を測定し、その後該基体上に積層した透明電極の透過率を測定し、その両者の差から透明電極の透過率を求めた。
【0044】
(エッチング性)
エッチング液として40%の塩化第2鉄溶液を使用し、温度48℃、エッチング液のスプレー圧1.8kg/cm、スプレー時間35秒という条件により、任意の回路パターンをエッチングにより形成させた際に、完全にエッチングされたものを「◎」、ほぼエッチングされたものを「○」、エッチングが不完全であったものを「×」として評価した。
【0045】
<比較例1〜3>
実施例1と同様にして絶縁性透明基体上に、透明電極としてITO膜、酸化ルテニウム単独膜および混合膜の3種のものを積層した。これらの3種について上記の各特性値を測定した結果を同じく表2に記載する。
【0046】
なお、混合膜とは、酸化インジウム/酸化亜鉛/酸化スズ/酸化ルテニウムをそれぞれ金属原子比にして0.80/0.05/0.10/0.05の割合で混合して透明電極としたものである。
【0047】
【表1】
Figure 2004355972
【0048】
【表2】
Figure 2004355972
【0049】
<実施例12>
実施例1において絶縁性透明基体101上に積層した透明電極102に対して、パターンニングを行なった。
【0050】
まず、スパッタリング装置から取出した絶縁性透明基体101上の透明電極102に対して、ネガ型ドライフィルム(商品名:NIT215、ニチゴーモートン製)をラミネートさせた。続いてその上に、任意の回路パターンに対応するネガフィルムを置き、露光機を用いてUV光を照射(120mJ)することにより露光を行なった。
【0051】
その後、このように露光したネガ型ドライフィルムに対して、30℃に加温した1%の炭酸ソーダ溶液を0.8kg/cmのスプレー圧で70秒間吹き付けることによって現像処理を行なった。続いて純水による洗浄の後、これをエッチング装置にセットし、現像された部分の透明電極をエッチングすることによりパターンニング処理を行なった。このエッチングの条件は、エッチング液として40%の塩化第2鉄溶液を使用し、温度48℃、エッチング液のスプレー圧1.8kg/cm、スプレー時間35秒とした。
【0052】
次いで純水による洗浄の後、このようにエッチング処理を行なった透明電極をレジスト剥離装置にセットし、レジスト(上記ネガ型ドライフィルム)を剥離させた。この剥離条件は、50g/lの苛性ソーダ溶液を使用し、温度50℃、苛性ソーダ溶液のスプレー圧2.0kg/cm、スプレー時間60秒とした。
【0053】
その後純水による洗浄を行なうことにより、図2に示したようなパターン化された透明電極202を形成した絶縁性透明基体201を得た。このようにして形成された透明電極によるパターンは、寸法差0.5%以内の高精度であり、パターンの断線やショートは一切発生しなかった。
【0054】
<実施例13>
本発明の透明電極について、反応性スパッタリング法により製造する場合を説明する。
【0055】
まず、絶縁性透明基体として実施例1と同じPETフィルムを用いた。この絶縁性透明基体の一端をスパッタリング装置の送出しシャフトにセットし、他端をポリイミド製の耐熱テープを用いて巻取りシャフトに固定させた。
【0056】
続いて、前記スパッタリング装置にターゲットとして金属スズ/金属鉛/金属ルテニウムを、それぞれ原子比で0.85/0.03/0.12となる量を混合してセットした。その後該スパッタリング装置のチャンバーを閉じ、真空ポンプにより真空度を1×10−4Paとし、アルゴンガスの注入量250cc/分、酸素の注入量40cc/分およびターゲット電流0.5A/dmの条件下で前記金属を酸素と反応させながらスパッタリングさせた。
【0057】
このようにして前記絶縁性透明基体上の一方の表面全面に金属酸化物からなる透明電極を積層形成させた。その後、前記ターゲット電流を停止し、30秒後アルゴンガスおよび酸素の注入をそれぞれ停止するとともにチャンバーの真空状態を解除した後、透明電極を積層した絶縁性透明基体を前記スパッタリング装置から取出した。
【0058】
このようにして形成した透明電極は、X線光電子分析器(商品名:ウルトラ、(株)島津製作所製)を用いて分析したところ、酸化スズ(SnO)および酸化鉛(PbO)からなる金属酸化物と、酸化ルテニウム(RuO)とにより構成されており、それらを構成する金属の原子比は以下の通りであった。
Sn/(Sn+Pb+Ru)=0.85
Pb/(Sn+Pb+Ru)=0.03
Ru/(Sn+Pb+Ru)=0.12
また、前記透明電極の厚みをFIB装置により測定したところ、端から2m、15m、28mの3点のいずれの地点においても1000Åであった。また、実施例1〜11と同様にして測定した結果、電気抵抗は11(Ω/□)、光透過率は83%、エッチング性(パターンニング性)は「◎」であった。
【0059】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0060】
【発明の効果】
本発明の透明電極は、光透過率が高く、低い電気抵抗を有するとともに剥離やクラック等が発生せず、またエッチング性にも優れたものである。このため、本発明の透明電極は、電気製品、電子製品、自動車製品、シールド、太陽電池、建物など、各種の用途に好適に用いることができる。とりわけ、液晶ディスプレイの大面積化やシールド、太陽電池の高効率化に資するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】透明電極を積層した絶縁性透明基体の概略断面図である。
【図2】パターン化した透明電極を積層した絶縁性透明基体の概略断面図である。
【符号の説明】
101,201 絶縁性透明基体、102,202 透明電極。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の透明電極は、スパッタリング法、蒸着法またはイオンプレーティング法により形成されるものであって、酸化スズ(SnO)、酸化鉛(PbO)、酸化レニウム(ReO)および酸化クロム(CrO)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物と、酸化ルテニウム(RuO)とからなることを特徴とする。酸化ルテニウムを用いることから高い光透過率と低い電気抵抗が得られるとともに、酸化スズ、酸化鉛、酸化レニウムおよび酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物を併用したことにより酸化ルテニウムの硬度と自己応力を低減し、剥離やクラックの発生を有効に防止するとともに優れたエッチング性を付与することに成功したものである。

Claims (4)

  1. 酸化スズ、酸化鉛、酸化レニウムおよび酸化クロムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属酸化物と、酸化ルテニウムとからなる透明電極。
  2. 前記金属酸化物と酸化ルテニウムとを構成する金属の原子比が以下の範囲である、請求項1記載の透明電極。
    Sn/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.90
    Pb/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.40
    Re/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.15
    Cr/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0〜0.15
    Ru/(Sn+Pb+Re+Cr+Ru)=0.01〜0.99
  3. 10〜5000Åの厚みを有し、かつ波長350〜800nmの光透過率が50%以上である、請求項1記載の透明電極。
  4. 請求項1記載の透明電極を積層した絶縁性透明基体。
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