JP2004354013A - 給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】充分な給湯量を確保すると同時に、風呂の湯張りを短時間で行うことのできる給湯装置を提供する。
【課題を解決するための手段】風呂の湯張りと他の給湯経路への給湯を同時に行っていて、給湯経路への給湯量が不足した場合には、湯張りを中断して給湯経路に優先して給湯し、給湯量を確保する。湯張りの中断中に、既に浴槽に供給された温水を追焚きして、冷めることを防ぐ。これにより、湯張り終了後の追焚きが短時間で行うことができ、湯張りの所要時間を短縮することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、台所や洗面所やシャワー等の温水利用装置に給湯する給湯機能と、浴槽に温水を供給して浴槽を温水で満たす浴槽湯張り機能と、冷えた浴槽温水を再加熱する追焚き機能を備えた給湯装置に関する。特に、給湯経路の水圧が低いために、給湯運転と浴槽湯張り運転を同時に実行すると温水利用装置の蛇口を開けても充分な量の温水が供給されない事態の発生を防止するために、浴槽湯張り運転を一時的に停止して給湯運転を優先するタイプの給湯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】給湯機能と、浴槽湯張り機能と、追焚き機能を備えた給湯装置が知られている。このような給湯装置は、燃料を燃焼して水を加熱する燃焼バーナを備えており、給湯装置に供給された水を燃焼熱で加熱して温水にして給湯装置外に供給する。
給湯装置は、給湯経路によって温水利用装置に接続されており、温水利用装置の蛇口が開けられると給湯装置から給湯経路に温水が供給される。給湯装置は又浴槽湯張り経路によって浴槽に接続されており、給湯装置に浴槽湯張り運転を開始するように指令すると、給湯装置から浴槽湯張り経路に温水が供給される。累積供給量が予め設定されている設定量に達したときに浴槽湯張り経路への給湯を終了する。浴槽湯張り機能も、給湯機能の一種ということができるが、設定量に達するまで給湯を継続する点において、台所や洗面所やシャワーに給湯するのと事情を異にするために、浴槽湯張り機能と給湯機能は別のものであるとする。浴槽の温水が冷えると、追焚き運転が行われる。追焚き運転では、給湯装置に内蔵されているシスターン内の水を燃焼バーナで加熱して浴槽水を加熱する熱交換器を循環させて、浴槽温水を設定温度に再加熱する。
【0003】
上記機能を有する給湯装置は、給湯機能と浴槽湯張り機能を同時に作動させることが可能である。しかしながら、給湯装置に水を供給する給水経路の圧力が低い場合に給湯運転と浴槽湯張り運転を同時に実施すると、温水利用装置の蛇口を大きく開いても充分な量の温水が給湯されないために温水利用装置の使い勝手が悪くなることがある。
【0004】
省エネルギーのために、太陽熱や発電熱で加熱された温水を貯湯槽に貯湯し、貯湯しておいた温水を温水利用装置に供給する給湯システムが開発されている。そのシステムでは、貯湯槽に貯湯しておいた温水を使い切ってしまった場合を想定し、貯湯槽の温水を給湯装置を通過させてから温水利用装置に供給する。貯湯槽の温水温度が高ければ給湯装置で加熱しないで通過させ、貯湯槽の温水温度が低ければ給湯装置で加熱して温水を供給する。
大型貯湯槽の耐圧を高めることは困難であり、水道水圧力を直接に貯湯槽にかけると貯湯槽が水道水圧力に耐えられないことがある。そこで、水道水の給水路に減圧弁が取り付けられており、減圧された水道水が貯湯槽に供給される。このような場合、貯湯槽から給湯装置に給水する経路の水圧も減圧されており、給湯運転と浴槽湯張り運転を同時に実施すると、温水利用装置の蛇口を大きく開いても充分な量の温水が給湯されず、温水利用装置の使い勝手が悪くなる可能性が高い。
【0005】
従来は、水圧が低いにもかかわらずに給湯運転と浴槽湯張り運転を同時に実行したために温水利用装置の蛇口を大きく開けても充分な量の温水が得られないという事態の発生を防ぐために、一定の条件が成立する場合には浴槽湯張り運転を停止している。特許文献1には、給湯経路と浴槽湯張り経路の流量を測定するセンサを設け、給湯経路と浴槽湯張り経路の両方に給湯しており、給湯経路に所定流量範囲内の流量しか給湯されていないときに、浴槽湯張り運転を停止する技術が開示されている。浴槽湯張り運転を停止すると、給湯運転のみが継続されることになり、温水利用装置で充分な給湯量が得られるようになる。
給湯経路の流量が所定流量範囲よりも少ない場合には温水利用装置が使用されていないものと見なせる(流量計には誤差があるために、実際には流れていないのに流量が検出されることがある。実際には流れていないのに検出されることがある流量以上が検出されれば、温水利用装置が使用されていることがわかり、それだけの流量が検出されなければ、温水利用装置が使用されていないことがわかる)ので浴槽湯張り運転を停止しない。
又、給湯経路の流量が所定流量範囲よりも多い場合には、温水利用装置に充分な量の給湯が行われているとみなすことができるので、この場合も浴槽湯張り運転を停止しない。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−026407号公報
【0007】
特許文献1に開示されている技術では、給湯運転と浴槽湯張り運転が同時に行われているときには、給湯経路の流量を流量センサによって測定し、測定された給湯量が充分な量か不足しているかを判定している。給湯経路への給湯量が不足していると判定されれば浴槽への湯張り運転を停止し、給湯経路への給湯運転を優先して行うために、温水利用装置には常に充分な量の温水が供給され、利用者に不満を抱かせない。
給湯運転を優先している間は浴槽に湯張りされないが、台所や洗面所やシャワー等の温水利用装置の利用が終了すれば浴槽湯張り運転が再開される。浴槽湯張り運転の停止によって湯張り完了タイミングは遅れるが、温水利用装置で必要な湯量を確保するためには、湯張り完了タイミングが遅れてもやむを得ないとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】給湯運転と浴槽湯張り運転を同時に実行するだけの湯量が確保されなければ、給湯運転を優先している浴槽湯張り運転を停止することもやむを得ない。しかしながら、浴槽湯張り運転を停止するだけで手をこまねいていれば、浴槽への湯張り完了タイミングは浴槽湯張り運転の停止期間だけ遅れてしまう。浴槽湯張り運転の停止中にそれまでに浴槽に貯められた浴槽温水の温度が低下すれば、浴槽湯張り運転の停止期間以上に湯張り完了タイミングが遅れてしまう。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、給湯運転と浴槽湯張り運転を同時に実行するだけの湯量が確保できない場合には浴槽湯張り運転を停止して給湯運転を優先させるとともに、浴槽湯張り運転の停止中でも実行できることを実行することによって、湯張り完了タイミングの遅れを短縮化する技術を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の給湯装置は、燃焼バーナとシスターンを内蔵し、供給された水を燃焼バーナで加熱して給湯経路に供給し、供給された水を燃焼バーナで加熱して浴槽湯張り経路に供給し、シスターン内の水を燃焼バーナで加熱して浴槽水を加熱する熱交換器を通過する追い焚き経路を循環させるタイプのものである。
本発明の給湯装置には、給湯経路の流量が第1所定値以上第2所定値以下のときに、浴槽湯張り経路を閉じ、追焚き経路を使用して浴槽水を設定温度に加熱するコントローラが用意されている。
第1所定値は、流量センサの誤差に起因して、給湯経路を温水が流れていないのに検出されることがある流量をわずかに上回る流量であり、第1所定値以上の流量が検出されれば温水利用装置が利用されていることがわかる。
第2所定値は、利用者が不便を感じない給湯量であり、第2所定値以上の流量が検出されれば温水利用装置の利用者に不満がないと判断することができる。
【0011】
給湯経路の流量が第1所定値以上第2所定値以下であるときには、温水利用装置が使用されているものの、充分な量が給湯されていないということがわかる。この場合、コントローラは、浴槽湯張り経路を閉じて浴槽湯張り経路への温水の供給を停止する。浴槽湯張り経路に供給されていた温水は給湯経路に供給され、給湯経路の給湯量を高くすることができる。
コントローラは、浴槽湯張り運転を停止している間に、追焚き経路を利用して浴槽水を設定温度に加熱する。追焚き運転では、シスターン内の水を燃焼バーナで加熱して浴槽水を加熱する熱交換器を通過する追い焚き経路を循環させるために、水を消費しない。給湯経路の給湯量を減少させることはない。
通常の浴槽湯張り運転では、設定温度よりも低めの温水を浴槽に供給する。低めの温水が設定量だけ浴槽に供給された後に、追焚き運転を実施して浴槽水を設定温度に加熱する。追焚き運転をすると浴槽水の温度が均一化され、心地よい風呂となる。
浴槽湯張り運転の停止中に追焚き運転を実行するようにすると、浴槽湯張り運転が再開されて浴槽への給湯量が設定量に到達したときの浴槽温水の温度は、浴槽湯張り運転の停止中に追焚き運転を実行しない場合の温度よりも設定温度に近く、追焚きに要する時間を短縮することができる。その分、浴槽への湯張り完了タイミングが遅れる時間を短縮化することができる。
特に、浴槽湯張り運転の停止中にそれまでに浴槽に貯められた浴槽温水が冷やされる場合には、その効果が大きい。浴槽湯張り運転の停止中に追焚き運転を実行しない場合には、浴槽温水が冷やされるために、浴槽湯張り運転が再開されて浴槽への給湯量が設定量に到達したときの浴槽温水の温度は低い。これに反し、浴槽湯張り運転の停止中に追焚き運転を実行する場合には、浴槽温水が冷やされないために、浴槽湯張り運転が再開されて浴槽への給湯量が設定量に到達したときの浴槽温水の温度は高い。前者の場合には、設定温度にまで追焚くのに長時間を要し、後者の場合には、短時間の追焚き運転で設定温度にまで加熱することができる。
【0012】
給湯経路の流量が第1所定値以上第2所定値以下のときに浴槽湯張り経路を閉じ、浴槽に浴槽水循環路を循環できるだけの水位があるときにのみ追焚き経路を使用して浴槽水を設定温度に加熱することが好ましい。
浴槽に浴槽水循環路を循環できるだけの水位がなければ、追焚き運転しないことから、熱交換器等が異常に昇温する事態の発生を防止することができる。
【0013】
給湯経路に圧力センサが設けておくと、給湯経路の流量が第1所定値以上第2所定値以下であるというだけでなく、さらに給湯経路の圧力が第3所定値以下のときにのみ浴槽湯張り経路を閉じて給湯運転を優先させることができる。
【0014】
給湯経路の流量に加えて給湯経路の圧力を判定に用いるようにすると、温水利用装置の利用者が少量の温水を必要とするために意図的に蛇口を少しだけ開いているために給湯量が少ないのか、あるいは、温水利用装置の利用者の意に反して流量が不足しているのかを判別できるようになる。前者であれば浴槽湯張り運転を停止しないで浴槽への湯張り運転を短時間で完了することができる。後者であれば、浴槽湯張り運転を停止して必要な給湯量が得られるようにしなければならない。
第3所定値は、蛇口を大きく開いたときに希望する量が給湯される圧力よりもわずかに高い圧力に設定されており、第3所定値以上の圧力が得られていれば、温水利用装置の利用者は不便を感じていないと判断することができ、第3所定値以下の圧力しか得られていなければ蛇口を大きく開けても希望する量の給湯が得られないと判断することができる。
本発明の給湯装置によれば、温水利用装置の利用者が少量の温水を必要とするために意図的に蛇口を少しだけ開いているために給湯量が少ない場合には、浴槽湯張り運転を停止しないで浴槽への湯張り運転を短時間で完了させることができる。水圧が低くて温水利用装置の利用者の意に反して流量が不足している場合には、浴槽湯張り運転を停止して必要な給湯量が得られるようにすると同時に、浴槽湯張り運転の停止中に追焚き運転を実行することによって、浴槽湯張り運転の完了タイミングの遅れを短くすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に説明する実施例の主要な特徴を次に列記する。
(形態1)給湯装置は、供給される水を加熱する給湯用バーナと、シスターン内の水を加熱する補助バーナとを備えている。
(形態2)給湯装置は、給湯装置に給水される流量を測定する流量センサと、給湯装置に給水される水圧を測定する圧力センサを備えている。
(形態3)給湯装置と温水利用装置を接続する給湯経路から、浴槽に湯張りする浴槽湯張り経路が分岐している。浴槽湯張り経路には流量センサが配置されている。
(形態4)給湯装置への給水量と浴槽湯張り経路への給水量の差から、給湯経路への給水量を計算する。
(形態5)給湯装置のコントローラは、温水が通過する経路を開閉する複数の弁と、弁の開閉を制御するマイクロコンピュータから構成される。給湯装置に給水する流量を測定する流量センサと、給湯装置に給水する水圧を測定する圧力センサと、浴槽湯張り経路の流量を測定する流量センサは、マイクロコンピュータに接続されており、測定された流量と圧力を入力する。
(形態6)シスターンから、補助バーナと、浴槽水と熱交換する熱交換器を経由してシスターンに戻る追焚き用循環路が設けられている。
(形態7)シスターンから、補助バーナと、高温の温水を必要とする暖房器を経由してシスターンに戻る高温暖房経路が設けられている。
(形態8)シスターンから、補助バーナをバイパスして、低温の温水を必要とする暖房器を経由してシスターンに戻る低温暖房経路が設けられている。
(形態9)給湯装置の上流に貯湯槽が設けられている。貯湯槽内の水は、熱回収経路を循環して貯湯槽に戻される間に、改質器を備える燃料電池式発電システムが発生する熱によって加熱される。加熱された温水が貯湯槽に貯えられる。
(形態10)浴槽湯張り経路に供給される温水の温度は、設定温度よりも若干低く調整されている。浴槽への給湯量が予め設定された量に達した後に、浴槽水を設定温度まで加温する追焚きが行われる。
【0016】
【実施例】本発明を、燃料電池式発電システムの熱を回収して加熱された温水を貯湯する貯湯槽の下流に設けられている給湯装置に適用した実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施例)図1は、第1実施例に係わる給湯装置2を模式的に示している。給湯装置2は、給湯用バーナ4と、補助バーナ6と、シスターン8と、コントローラを備えている。コントローラは、給湯装置2から供給される温水が通過する経路に設けられた複数の弁32,34,36,38,40,44と、それらの弁の開閉を制御するマイクロコンピュータ62から構成されており、給湯装置2から供給される温水が通過する経路と流量を制御する。
給湯装置2は、ミキシングユニット86から供給された水を給湯用バーナ4で加熱して温水にする。温水は、給湯経路10によって、洗面所や台所やシャワー等に代表される温水利用装置に供給される。温水利用装置は蛇口20を有しており、蛇口20を開けると温水が給湯される。給湯用バーナ4の上流に流量センサ22と圧力センサ26が配置されており、給湯装置2に給水される流量と水圧を測定する。
浴槽16に温水を供給して湯張りをするために、給湯経路10から浴槽湯張り経路12が分岐している。浴槽湯張り経路12には、閉じた状態と開いた状態に切り替え可能な湯張り弁32と、流量センサ24が配置されている。湯張り弁32が開の状態となったときに、浴槽湯張り経路12に温水が供給される。湯張り弁32が閉の状態のとき、浴槽湯張り経路12には温水が供給されない。
流量センサ22、24と圧力センサ26は、マイクロコンピュータ62に接続されており、測定された流量と水圧をマイクロコンピュータ62に入力する。湯張り弁32もマイクロコンピュータ62に接続されており、マイクロコンピュータ62の指令によって、開状態と閉状態の切り替えが行われる。
【0017】
給湯装置2のシスターン8には、補助バーナ6を経由し、浴槽16に蓄えられている浴槽水と熱交換する熱交換器18を通過し、シスターン8に戻る追焚き用循環路14が設けられている。この他に、高温暖房用循環路46と低温暖房用循環路48が設けられている。また、いずれの熱交換器も通過せずにシスターン8に戻るバイパス循環路58も設けられている。
弁40が追焚き用循環路14に設けられている。弁40はマイクロコンピュータ62に接続されており、マイクロコンピュータ62の指令によって追焚き用循環路14の開閉を行うことができる。同様に、弁34は高温暖房用循環路46の開閉を行い、弁36は低温暖房用循環路48の開閉を行い、弁38はバイパス循環路58の開閉を行うことができる。追焚き用循環路14と高温暖房用循環路46と低温暖房用循環路48の共通部にポンプ30が設けられている。弁34,36,38,40は通常閉じられており、いずれかの弁が開けられると、ポンプ30が稼働してシスターン8の水が開放された循環路のなかを循環する。
【0018】
給湯装置2の上流に貯湯槽72が設けられている。貯湯槽72は、固体高分子型の燃料電池102と、燃料電池102に水素ガスを供給するために設けられている改質器104から出る熱で温められた温水を貯える。
貯湯槽72には、水道水を給水する給水路82と、底部から取水して上部に入水する熱回収用の水循環路76が設けられている。貯湯槽72は、水道水を直接導入すると、水道水の圧力によって変形や故障を起こす恐れがある。そこで、給水路82には減圧弁84が取り付けられており、給水圧が制限されている。貯湯槽72内の水は、ポンプ78によって水循環路76の中を循環する。
燃料電池102は、発電時に熱を発生する。燃料電池102を通過する冷却水がポンプ114で冷却用循環路112を循環する。冷却用循環路112の冷却水と、水循環路76を循環する水との間で熱交換する第1熱交換器108が設けられており、水循環路76の水は第1熱交換器108で最初に温められる。
改質器104は、原料の炭酸水素系ガスから燃料電池の燃料となる水素ガスを得るために、バーナ106の燃焼熱で改質触媒を高温に保っており、このとき高温の燃焼排ガスが発生する。改質器104の燃焼排ガスと熱回収用の水循環路76を循環する水との間で熱交換する第2熱交換器110が設けられており、水循環路76の水は、第2熱交換器110でさらに温められて温水となり、貯湯槽72に貯えられる。
貯湯槽72内の水は底部が比較的低温で、上部は高温となっている。給湯装置2のシスターン8と貯湯槽72の間には、シスターン8から取水して貯湯槽72の上部を通過し、シスターン8の上部に戻る循環路74が設けられている。循環路74を循環するシスターン8の水は、貯湯槽72を通過するときに温められて温水となる。また、貯湯槽72には、高温の水を吐出するための吐出口が上部に設けられており、吐出された温水は、ミキシングユニット86を経由して給湯装置2に供給される。貯湯槽72から給湯装置2に供給される水の圧力は、貯湯槽72に供給される水の圧力と同様に水道水よりも低くなっている。
【0019】
ミキシングユニット86は、貯湯槽72から供給される温水と、低温の水道水を混合して適温に調整する。例えば、浴槽に湯張りするときの設定温度よりも高温の温水が貯湯槽72に貯湯されていれば、適量の水道水と混合することによって湯張り設定温度に調整する。この場合、給湯装置2のバーナ4が利用されず、ミキシングユニット86で調温された温水が、給湯装置2を通過して浴槽16に供給される。給湯装置2のバーナ4で燃料を燃焼する必要がないことから省エネルギーが可能となる。貯湯槽72に貯湯されている温水の温度が設定温度に満たなければ、給湯装置2のバーナ4で設定温度まで加熱して供給する。
【0020】
マイクロコンピュータ62に設定温度と設定湯量が設定され、マイクロコンピュータ62に湯張り指令が入力されたときに、浴槽16ヘの湯張り運転が開始される。湯張り指令を受けたマイクロコンピュータ62は、湯張り弁32を開放して給湯経路10から浴槽湯張り経路12を経て浴槽16に至る経路を開放する。浴槽湯張り経路12には、設定温度よりも若干低い温度で給湯される。マイクロコンピュータ62は、流量センサ24の値を積分することによって浴槽湯張り経路12に給湯した給湯量の累積値を求め、この値を監視する。浴槽16への累積給湯量が設定湯量に達すると給湯を終える。
【0021】
浴槽湯張り運転中に、温水利用装置の蛇口20が開けられると、浴槽16と蛇口20の双方に温水が供給される。給湯装置2には貯湯槽72から給水されており、給水圧が水道水の圧力よりも低く抑えられている。このために蛇口20を大きく開けても給湯量が増えず、温水利用装置の使い勝手が悪くなることがある。マイクロコンピュータ62は、浴槽湯張り運転中、給湯経路10の流量と水圧を監視し、給湯経路10への給湯量が不足して温水利用装置の使い勝手が悪い場合には、浴槽湯張り経路12を閉じて温水利用装置に対する給湯を優先する。
図2に、マイクロコンピュータ62が実行する給湯量を制御する処理手順を示す。以下、図2のフローチャートに基づいて更に詳細に説明する。
【0022】
本実施例では、流量に関する第1所定値と、流量に関する第2所定値と、水圧に関する第3所定値を利用する。これらの所定値は、マイクロコンピュータ62に記憶されている。
第1所定値には、蛇口20が開けられたときの給湯経路10の流量の下限値が記憶されており、その値は毎分6リットルとなっている。給湯経路10の流量が毎分6リットル以上であれば、温水利用装置の蛇口20が開けられていることがわかる。給湯経路10の流量が毎分6リットル以下であれば、流量センサの誤差によるものであり、温水利用装置の蛇口20が開けられていないとしてもよい。
第2所定値には、温水利用装置が通常の状態で利用されるときの給湯経路10の流量が記憶されており、毎分12リットルとなっている。毎分12リットル以上給湯されていれば、温水利用装置の利用者は不便を感じない。
第3所定値には、給湯経路10で蛇口20を大きく開くことによって充分な量の給湯が行われる水圧基準値が記憶されており、0.25メガパスカルとなっている。
【0023】
マイクロコンピュータ62は、浴槽湯張り運転の開始指令を受けると、ステップS2で、湯張り弁32を開けて浴槽湯張り経路12に温水が供給されるようにする。浴槽湯張り経路12に温水が供給されはじめると、マイクロコンピュータ62は流量センサ24が測定した流量を入力して積算する。ステップS4で、マイクロコンピュータ62は、流量センサ24の流量の積算値が予め設定されている設定水量に達したか否かを確認する。設定水量に満たない場合には、ステップS4がノーとなって湯張り運転が続けられ、マイクロコンピュータ62は、浴槽16への湯張り運転によって温水利用装置の蛇口20に充分に給湯されない状態になっているかいないかの判定を開始する。
マイクロコンピュータ62は、浴槽湯張り経路12の分岐点よりも下流における給湯経路10の流量を、流量センサ22と流量センサ24の差分から求める。この流量は、蛇口20に給湯されている流量に対応する。図2のフローチャートでは、この流量を給湯経路10の流量と称している。マイクロコンピュータ62は、ステップS6で、蛇口20への給湯量と第1所定値(この場合毎分6リットル)を比較する。蛇口20への給湯量が毎分6リットル未満のときは、蛇口20のわずかな閉め忘れ若しくは流量センサ22,24の誤差の範囲内であって実際には給湯利用装置が利用されていないと考えられる。蛇口20への給湯量が毎分6リットル未満のときは、ステップS6がノーとなって、マイクロコンピュータ62による制御はステップS2に戻る。蛇口20への給湯量が毎分6リットル以上のときは、蛇口20が開けられており、温水が利用されていると考えられる。このときはステップS6がイエスとなって、マイクロコンピュータ62の処理はステップS8にすすむ。
ステップS8で、マイクロコンピュータ62は、蛇口20への給湯量と第2所定値(この場合毎分12リットル)を比較する。蛇口20への給湯量が毎分12リットルよりも多いときは、蛇口20に必要充分な量の温水が供給されており、浴槽湯張り経路12の流量を制限する必要はない。蛇口20への給湯量が毎分12リットルを超えるときは、ステップS8がノーとなって、マイクロコンピュータ62による制御はステップS2に戻る。蛇口20への給湯量が毎分12リットル以下のときは、蛇口20で温水が利用されており、しかもその流量が通常の使用量よりも少ないと考えられる。このときはステップS8がイエスとなって、マイクロコンピュータ62は蛇口20への給湯量が不足して使い勝手の悪い状況が発生しているか否かを判定するために、ステップS10の処理をおこなう。
ステップS10で、マイクロコンピュータ62は、給湯経路10の圧力センサ26によって測定された水圧と第3所定値(この場合0.25メガパスカル)を比較する。給湯経路10の圧力が0.25メガパスカル以上であれば、蛇口20を大きく開ければそれに応じて給湯量を増加させることができる。給湯経路10の水圧が0.25メガパスカル以上あるにもかかわらずに流量が少ない場合は、温水利用装置の利用者が蛇口20を絞って意図的に少量の温水を使用しているために流量が少なく、利用者は温水利用装置に使い勝手の悪さを感じていないと考えられる。従って、浴槽湯張り経路12の流量を制限する必要はないと考えられる。給湯経路10の水圧が0.25メガパスカル以上のときは、ステップS10がノーとなって、マイクロコンピュータ62による処理はステップS2に戻り、浴槽湯張り経路12への給湯がそのまま続けられる。
給湯経路10の水圧が0.25メガパスカル以下のときは、水圧が低いために蛇口20が大きく開かれても給湯量が増えず、温水利用装置に使い勝手の悪い状況が発生しているといえる。このときには、ステップS10がイエスとなって、マイクロコンピュータ62は浴槽湯張り運転を停止して蛇口20への給湯を優先する制御をおこなう。
【0024】
ステップS6からステップS10の判定が全てイエスとなり、温水利用装置の蛇口20への給湯量が不足して使い勝手が悪くなっていることが明らかになると、マイクロコンピュータ62は、ステップS12で湯張り弁32を閉じて浴槽湯張り経路12に行っていた給湯を停止し、蛇口20に優先して温水を給湯する。蛇口20の給湯量が増えることから使い勝手の悪さは解消する。
浴槽16への湯張り運転が停止している間に、マイクロコンピュータ62はステップS14以降の処理を開始し、既に浴槽16に貯えられている温水を追焚きして、浴槽水を設定温度にまで温める。追焚き運転は、浴槽水が浴槽16と熱交換器18の間に設けられている浴槽水循環路60を循環できるだけの水位にまで到達している場合にだけ行われる(ステップS14の判定)。浴槽16の水位が低く、浴槽水循環路60に設けられたポンプ28を稼働させても浴槽水循環路60を水が循環できない場合には、ステップS14がノーとなって追焚きは行われず、マイクロコンピュータ62の処理はステップS6に戻る。
浴槽16の水位が、浴槽水循環路60を循環できる量である場合には、ステップS14がイエスとなって、マイクロコンピュータ62は浴槽水の追焚き運転を開始する(ステップS16)。
追焚きは、以下に述べるように行われる。追焚き運転が開始されると、マイクロコンピュータ62は制御弁40を開き、同時にポンプ28を稼働させる。制御弁40が開いたことでポンプ30が稼働し、追焚き用循環路14の中をシスターンの水が循環し、補助バーナ6で加熱されて温水となる。浴槽16側では、浴槽水循環路60の中を浴槽に貯えられた水が循環する。浴槽16を出て浴槽水循環路60を循環する水と、シスターン8を出て補助バーナ6で加熱された温水とは熱交換器18で熱交換を行う。熱交換によって浴槽16の温水は高温になり、追焚きされる。
浴槽水循環路60には風呂サーミスタ42が配置されており、測定した温度はマイクロコンピュータ62に入力される。風呂サーミスタ42で測定された浴槽水循環路60の温水の温度が設定温度に達していない場合は、ステップS18がノーとなるために、追焚きが続けられる。浴槽水循環路60の温水が設定温度に達すると、ステップS18がイエスとなって、ステップS20で追焚きが終了する。
追焚きが完了すると、制御弁40は閉じられ、ポンプ28とポンプ30は停止する。マイクロコンピュータ62の処理はステップS6の判定作業に戻る。
【0025】
マイクロコンピュータ62は、ステップS6からステップS10の判定を定期的に行って、温水利用装置の蛇口20への給湯量が不足して使い勝手が悪くなっているときにのみ浴槽16への湯張り運転を停止し、蛇口20に充分に給湯できるときには浴槽16に対する湯張り運転を続行する。流量センサ24で測定された流量の積算値が、設定水量に達すると、ステップS4はイエスとなり、ステップS22に進んで湯張り弁32が閉じられ、最後の追焚きが実施される(ステップS24)。
ステップS24でおこなわれる追焚きは、ステップS16で行われた追焚きと同一の方法で行われる。浴槽16へ給湯される温水の温度は設定温度よりも若干低い温度で行われるため、浴槽16に設定水量だけ給湯されたときの浴槽水の温度は設定温度よりも若干低くなっている。この状態から浴槽水を循環させて追焚き運転することにより、浴槽水は均一な温度となり、心地よく入浴できる風呂となる。
浴槽16の温水が追焚き運転によって所定温度まで温められると、ステップS26がイエスとなって追焚きが完了し(ステップS28)、浴槽湯張り運転が完了する。
【0026】
図3に、給湯装置2が浴槽湯張り運転を開始してからの経過時間を横軸にとり、浴槽16への給湯量(積算値)と浴槽水の温度を縦軸にとったグラフを示す。浴槽16への湯張り運転では、マイクロコンピュータ62に記憶されている設定温度よりも若干低い温度の温水が供給される。蛇口20への給湯が優先されて湯張り運転が停止されたとき、浴槽16の数位が浴槽循環路60に達していると、追焚き運転が開始される。浴槽水は浴槽水循環路60を循環し、シスターン8から供給される温水と熱交換器18で熱交換して設定温度まで加熱される。
蛇口20への給湯量が不足しなくなると、浴槽湯張り運転が再開される。再び設定温度よりも若干低い温度の温水が浴槽16に供給されるので、浴槽16内の温水の温度は、わずかに下がる。設定量の温水が浴槽16に供給された後に、再び追焚き運転が行われて浴槽水が設定温度まで加熱される。浴槽水は湯張り運転が停止していた間に実行された追焚き運転によって、給湯温度よりも温められている。このために、湯張り運転の最後に浴槽水を設定温度に加熱するための追焚き時間が短くて済む。このため、湯張りに完了までの時間を短縮することができる。
【0027】
シスターン8の温水は、浴槽水の追焚きだけではなく、浴室暖房機等の高温負荷54と、床暖房等の低温負荷56に熱を供給するためにも利用される。追焚き用循環路14からは、高温暖房用経路46が分岐しており、高温負荷54に熱を供給するときには、制御弁34が開かれ、補助バーナ6で温められたシスターン8の温水が高温暖房用経路46を循環して熱交換器50で高温負荷54に熱を供給することができる。低温負荷56に熱を供給するときには、制御弁36が開かれ、低温暖房経路48にシスターン8の温水が循環して熱交換器52で低温負荷56に熱を供給する。シスターン8の温水の温度が低くなりすぎて、低温負荷56に熱を供給できなくなったときには制御弁38が開けられ、シスターン8と補助バーナ6の間を循環するバイパス循環路58が連通する。補助バーナ6が点火されて、バイパス循環路58を循環するシスターン8の温水を適温まで温める。低温暖房経路48が利用される場合、三方弁44を切り替えることで、貯湯槽72を通過する循環路74を循環するように切り替えることもできる。この場合には、低温暖房経路48を循環する温水が貯湯槽72の温水で加熱される。貯湯槽72の温水温度が低くて低温暖房経路48を循環する温水温度が高い状態で暖房運転を停止するときに循環路74を利用すると、低温暖房経路48を循環する温水のエネルギーを貯湯槽72に回収することができる。
【0028】
本実施例の給湯装置2によると、浴槽16への湯張り運転と温水利用装置の蛇口20への給湯運転が同時に行われるときに、給湯経路10の流量と水圧を測定し、流量と水圧をそれぞれの所定値と比較することで、蛇口20への給湯量が充分に確保できる状態であるか否かの判定を行う。流量に加えて給湯経路10の水圧も考慮することにより、温水利用装置の実際の使用状況を反映した判定が可能となり、本当に必要な場合にだけ浴槽湯張り経路12を閉じて蛇口20に優先的に給湯することができる。従来よりも湯張り運転を停止する頻度を少なくすることができるために、従来と同様に温水利用装置を使用していても、より短時間で浴槽16に湯張りを行うことができるようになる。
また、本発明の給湯装置2は、浴槽湯張り運転が停止している間に、浴槽水の追焚き運転を行う。通常の浴槽湯張り運転では、設定温度よりも低めの温水を供給し、最後に追焚きして湯張り運転を完了する。湯張り運転の停止中に追焚き運転を行うと、浴槽水は給湯温度よりも温められており、浴槽水を設定温度に加熱するための追焚き時間が短くて済む。このため、湯張りに要する時間を短縮することができる。
【0029】
(第2実施例) 第1実施例では、ステップS6とS8がイエスとなるだけでなく、ステップS10までイエスとなって始めて湯張り弁32を閉じる。これに対して図6の処理手順図に示すように、ステップS10を省略してもよい。この場合には、特開平10−026407号公報と同様に、温水利用装置の利用者が少量の温水を必要とするために意図的に蛇口を少しだけ開いているために給湯量が少ないのか、あるいは、水圧が低くて温水利用装置の利用者の意に反して流量が不足しているのかを区別しない。給湯運転と浴槽湯張り運転を同時に実行しており、給湯経路に充分な量の温水が供給されていなければ、一律に浴槽湯張り運転を一時的に停止して給湯運転を優先させる。
この場合でも、浴槽湯張り運転の停止中に追焚き運転を実行することが有用であり、浴槽湯張り運転の停止中に追焚き運転を実行することによって、浴槽湯張り運転の完了タイミングを早めることができる。
【0030】
(第3実施例) この実施例では、図1に示した浴槽湯張り弁32の開放量が多段階に調整可能であり、浴槽湯張り経路12ヘの流量を他段階で調整できる。マイクロコンピュータ62は、浴槽湯張り弁32の開放量を指定して、浴槽湯張り経路12の流量を調整する。
【0031】
本実施例の温水利用装置では、給湯経路10の水圧が0.25メガパスカルを下回った場合でも、直ちに使い勝手が悪くなることはない。しかし、水圧が0.25メガパスカルからさらに下がると、使用者に不満感を与える可能性が高まる。そこで、給湯経路10の水圧が0.25メガパスカル以下になった場合には、浴槽湯張り経路12に設けられている湯張り弁32を段階的に絞って浴槽湯張り経路12の流量を制限して蛇口20に給湯可能な量を増やし、温水利用装置の使い勝手が悪くなることを予防する。
【0032】
第3実施例の処理手順を図4に示す。以下では、図2と相違する点のみを説明する。図2と同一処理については同一のステップ番号を付することで重複説明を省略する。
マイクロコンピュータ62は、ステップS6とS8とS10で、蛇口20が大きく開けられているのに不十分な湯量しか給湯されない危険性があるか否かを判別する。
蛇口20への給湯量が毎分6リットル未満で蛇口20が利用されていないのと同視できるときは、ステップS6がノーとなって、マイクロコンピュータ62はステップS36の判定を行う。ここでは、湯張りが開始されたばかりで湯張り弁32は全開であるので、ステップS36はイエスとなって、マイクロコンピュータ62の処理はステップS4に戻る。
蛇口20への給湯量が毎分12リットルよりも多いときは、ステップS8がノーとなり、マイクロコンピュータ62の処理はステップS4に戻る。
蛇口20への給湯量が毎分6リットル以上で12リットル以下のときは、ステップS6とステップS3が共にイエスとなって、マイクロコンピュータ62は蛇口20への給湯量が不足して必要な流量が得られていない状況が発生しているか否かを判定する処理にさらに進める。ステップS10で、マイクロコンピュータ62は、給湯経路10の圧力センサ26によって測定された水圧と第3所定値を比較する。測定された給湯経路10の圧力が第3所定値以上であれば、蛇口20を開ければ充分な給湯量が得られるので、浴槽湯張り経路12の流量を制限する必要はない。このときステップS10はノーとなり、マイクロコンピュータ62による制御はステップS4に戻り、湯張り弁32が開かれた状態で浴槽湯張り経路12への給湯がそのまま続けられる。給湯経路10の水圧が0.25メガパスカル以下のときは、それよりも水圧が下がると蛇口20を大きく開いても給湯量が増えず、温水利用装置の使い勝手の悪い状況が発生する恐れがある。このときには、ステップS10がイエスとなり、マイクロコンピュータ62は湯張り量を制限して蛇口20への給湯を優先するステップS32以下の処理を開始する。
【0033】
マイクロコンピュータ62は、ステップS32で、湯張り弁32を一段階だけ絞る。これまで浴槽湯張り経路12に給湯していた量を一段階分だけ減らし、その分の温水を蛇口20に給湯する。
次に、マイクロコンピュータ62はステップS34で、湯張り弁32が先の絞り操作(ステップS32)で浴槽湯張り経路12を完全に閉じたか否かを判定する。湯張り弁32がまだ開いており、浴槽湯張り経路12に給湯が行われている場合には、ステップS34がノーとなって、マイクロコンピュータ62の制御はステップS4に戻り、浴槽16への給湯量を確認する。浴槽16への給湯量が所定量に達しておらず、蛇口20が閉められていなければ、ステップS8に進み、蛇口20への給湯量が充分となったか否かの判定を再び行う。ここで、先に行われたステップS32の湯張り弁32の絞り操作によっても蛇口20に対する給湯量が不充分な場合には、ステップS8の判定が再び全てイエスとなるので、ステップS32の処理が繰り返されて、マイクロコンピュータ62は更に湯張り弁32を絞る。もしも、先の絞り操作で蛇口20への給湯量が充分得られた場合(ステップS8でノーとなる場合)、もしくは給湯経路の圧力が高まった場合(ステップS10でノーとなる場合)、あるいは、蛇口20への給湯が必要なくなった場合(ステップS6でノーとなる場合)には、ステップS6からステップS10のいずれかの判定がノーとなるので、マイクロコンピュータ62はステップS36の判定を行う。湯張り弁32は少々絞られた状態となっており全開ではないので、ステップS62はノーとなる。この場合には、ステップS38で湯張り弁32が一段階開けられる。給湯経路10に給湯するのに不足しない範囲で湯張り量が増やされ、湯張り運転が続けられ、マイクロコンピュータ62の処理はステップS4に戻る。
【0034】
ステップS32の湯張り弁32の絞り操作が繰り返されると、浴槽湯張り経路12が全て閉じられて浴槽16への湯張りが停止する。湯張りが停止した場合にはステップS34がイエスとなり、マイクロコンピュータ62は既に浴槽16に貯えられた温水の水位をステップS14で確認し、浴槽水循環路60を循環できる水位が貯められている場合は、ステップS16からステップS20で浴槽水の追焚きを実行する。追焚きが終了すると、マイクロコンピュータ62の処理はステップS6の判定作業に戻る。
浴槽16の水位が低く、浴槽水循環路60を浴槽水が循環できない場合には、ステップS14がノーとなって追焚きは行われず、マイクロコンピュータ62の処理はステップS6の判定作業にもどる。
湯張り弁32が全閉のときに、マイクロコンピュータ62がステップS6からステップS10の判定処理を行っていずれかの判定がノーとなった場合には、さらにステップS36の判定が行われる。湯張り弁32が全閉であるので結果はノーとなる。マイクロコンピュータ62は、ステップS38で、湯張り弁32を一段階開き、浴槽16への湯張り運転が再開される。給湯経路10の給湯量が不足しない範囲でステップS38が繰返され、浴槽湯張り流量が増やされていく。
【0035】
流量センサ24の測定した流量の積算値が、浴槽16への指定された水位に対応する給湯量に達すると、ステップS4がイエスとなり、ステップS22で湯張り弁32が閉じられ、ステップ24からステップ28の追焚き運転が実施される。浴槽水は設定温度で均質化され、湯張り運転が完了する。
【0036】
本実施例の給湯装置は、給湯経路10の水圧が第3所定量以下になった場合に浴槽湯張り経路12に設けられている湯張り弁32を一挙に閉じるのではなく、段階的に流量を絞って湯張りを継続している。浴槽湯張り経路12の流量を段階的に制限して、給湯経路10の蛇口20に給湯できる量を段階的に増やし、温水利用装置の使い勝手が悪くなることを予防できるとともに、湯張り運転が継続されることで、湯張りに要する時間を一層短縮することができる。
【0037】
(第4実施例) 本実施例に係わる給湯装置のマイクロコンピュータ62は、第1所定値と第2所定値と第3所定値に加えて、第4所定値を記憶している。第4所定値は、蛇口20に正常に給湯できる水圧の下限値であって、給湯経路10の水圧がこの値を下回ると、蛇口20を大きく開いても給湯量が増加せず、使い勝手が悪くなる。本実施例では、第4所定値は0.2メガパスカルに設定されている。マイクロコンピュータ62は、第4所定値を蛇口20への給湯量が充分か否かの判定に利用する。
【0038】
第4実施例のマイクロコンピュータ62が行う給湯の制御処理のフローチャートを図5に示す。以下では、第3実施例と相違する部分のみを説明する。
圧力センサ26で測定される給湯経路10の圧力が第3所定値の0.25メガパスカル以下となっている場合には(ステップS10)、さらに、給湯経路10の圧力が第4所定値の0.20メガパスカル以下となっていないかを判定する(ステップS40)。給湯経路10の圧力が第4所定値(0.20メガパスカル)以下の場合にはステップ40がイエスとなる。このとき蛇口20は使い勝手の悪い状態となっているので、ステップ42で浴槽湯張り弁32が閉じられる。給湯経路10の圧力が第4所定値(0.20メガパスカル)よりも高い場合にはステップS40がノーとなる。このとき蛇口20は使い勝手が悪くなる恐れがあるものの、直ちに湯張りを停止する必要はないために、マイクロコンピュータ62は、ステップS32で湯張り弁32を一段階絞る。これまで浴槽湯張り経路12に給湯していた量を減らして、その分の温水を蛇口20に給湯する。
マイクロコンピュータ62は、湯張りが行われている期間に亘って、流量センサ22,24と圧力センサ26から入力される給湯経路10の流量と水圧のデータを用いて、ステップS4からステップS40の判定処理を繰り返し行う。給湯経路10の流量が毎分6リットル以上毎分12リットル以下で給湯経路の圧力が0.25メガパスカル以下となったときには、マイクロコンピュータ62が湯張り弁32の絞り量を調整して浴槽湯張り経路12の流量を減らすので、給湯経路10の圧力を常に0.2メガパスカル以上に維持することができる。この結果、蛇口20に常に安定した給湯を行うことができる。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、実施例の流量センサと圧力センサは、給湯用バーナの上流に配置されているが、給湯用バーナの下流に配置されても良く、また給湯経路から浴槽湯張り経路が分岐した点よりも下流で温水利用装置の蛇口の手前に配置されてもよい。実施例では給湯装置が給湯用バーナと補助バーナの2つを備える構成について説明したが、燃焼バーナが1つであり、給湯される水の加熱とシスターンに貯められた水の加熱を同一のバーナで行う構成とすることも可能である。湯張り弁の開閉量の調整は、段階的に絞りを行うだけでなく、マイクロコンピュータ62の制御によって給湯経路の流量に連動した開閉操作を行うことも可能である。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本願発明の給湯装置によると、浴槽湯張り運転が停止されている間に、浴槽に既に貯められている温水を所定温度まで追焚きすることで、湯張り終了後の追焚き運転を短時間で行うことができ、浴槽への湯張完了タイミングの遅れを短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の給湯装置の構成を模式的に示す図。
【図2】実施例1のコントローラによる制御手順を示す図。
【図3】実施例1の浴槽に供給された湯量と湯温と経過時間の関係を示す図。
【図4】実施例3のコントローラによる制御手順を示す図。
【図5】実施例4のコントローラによる制御手順を示す図。
【図6】実施例2のコントローラによる制御手順を示す図。
【符号の説明】
2:給湯装置
4:給湯用バーナ
6:補助バーナ
8:シスターン
10:給湯経路
12:浴槽湯張り経路
14:追焚き用循環路
16:浴槽
18,50,52,108,110:熱交換器
20:蛇口
22,24:流量センサ
26:圧力センサ
32:湯張り弁
34,36,38,40:制御弁
72:貯湯槽
84:減圧弁
102:燃料電池
104:改質器

Claims (3)

  1. 燃焼バーナとシスターンを内蔵し、供給された水を燃焼バーナで加熱して給湯経路に供給し、供給された水を燃焼バーナで加熱して浴槽湯張り経路に供給し、シスターン内の水を燃焼バーナで加熱して浴槽水を加熱する熱交換器を通過する追焚き経路を循環させる給湯装置であって、
    前記給湯経路の流量が第1所定値以上第2所定値以下のときに、浴槽湯張り経路を閉じ、追焚き経路を使用して浴槽水を設定温度に加熱するコントローラを備えていることを特徴とする給湯装置。
  2. 前記コントローラが、前記給湯経路の流量が第1所定値以上第2所定値以下のときに前記浴槽湯張り経路を閉じ、浴槽に浴槽水循環路を循環できるだけの水位があるときにのみ前記追焚き経路を使用して浴槽水を設定温度に加熱することを特徴とする請求項1の給湯装置。
  3. 前記給湯経路に圧力センサが設けられており、
    前記コントローラが、前記給湯経路の流量が第1所定値以上第2所定値以下で前記給湯経路の圧力が第3所定値以下のときに前記浴槽湯張り経路を閉じ、浴槽に浴槽水循環路を循環できるだけの水位があるときにのみ前記追焚き経路を使用して浴槽水を設定温度に加熱することを特徴とする請求項1の給湯装置。
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