JP2004353396A - 作業機用フロント装置と作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブーム100を、旋回体2への装着部となるボス103および旋回体2との間に設けられるブーム動作用油圧シリンダ7が装着されるシリンダ装着部104を有する基ブーム101と、基ブーム101の先端に着脱可能に設けられ、第1アーム200を回動自在に装着する第1アーム装着部153および第1アーム200との間に設けられる第1アーム駆動用油圧シリンダ8の装着部となるシリンダ装着部154とを有する上ブーム150とから構成し、輸送の際に、油圧シリンダの着脱作業なしに、基ブーム101と上ブーム150とを分離可能にして分解組立性、輸送性を向上する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業機本体に装着され、建築物の解体作業等に用いられる作業機用のフロント装置と、このフロント装置を備えた作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築物は高層化が進むとともに地階を備えたものが増加している。一方、都市の再開発や老朽化した建築物の建て替えのために、これらのこれら建築物を解体することが行われている。
【0003】
近年、この建築物の解体作業は、作業者の作業環境改善、安全性、迅速化などの観点から機械化されており、その機械化された装置の一例として特許文献1に記載の作業機が用いられている。
【0004】
【特許文献1】実公平7−52184公報
この特許文献1記載の作業機は、クローラ式の走行体を有しその上部に運転室を備えた旋回体を備え、この旋回体に破砕機等のアタッチメントを備えた多関節のフロント装置を備えたものである。このフロント装置は、長尺の構造物でなり複数に分割可能なブームとブーム先端に回動自在に設けられるアームと、アーム先端に設けられる破砕機等の作業具とからなるものである。そしてブームは、油圧ショベルをベースマシンとした本体に装着される短尺ブームをメインブームとし、掘削作業を行う場合は、このメインブームに掘削作業用のブームを装着し、解体作業を行う場合は、解体作業用のブームを装着することで、フロント装置を一部共通化して、フロント装置の部品稼働率を向上させるとともに、組替えの手間を省くようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
建築物の解体は、地上部分のみならず、地階および基礎等の地下部分も行う必要がある。地上部分の解体は、前述したブームを長尺化してアタッチメントの到達高さを稼ぐことで数十m程度の建築物の解体が可能である。一方、地下部分の解体は、上述した作業機で長尺ブームに代えて、短尺の掘削作業用ブームを装着し、これに解体作業用のアタッチメントを装着して作業を行うことが可能であるが、地階および基礎等の構造物は、地上部分の高層化および耐震強度確保のため強固な構造を有し、かつその深度が深いが、特許文献1に記載のような作業機では、掘削作業用ブームを装着したときのブーム形状等により、アタッチメントの到達位置が作業機本体から離れた位置となり、手前位置を目視にて確認しながら作業を行うことが難しく、またあまり深い深度の作業を行うことができない。
【0006】
さらにメインブームに装着される解体作業用ブームおよびそれに装着されるアーム、アタッチメント、掘削作業用ブームおよびそれに装着されるアーム、アタチメントとが長尺化、大型化するため、それらを個々に分割して組み替え、輸送する必要があり、作業性が良くない。
【0007】
本発明の作業機用フロント装置と作業機は、上述した課題を解決し、地上部分の解体はもちろん、地下部分の解体作業性を向上させ、さらにフロント装置の組替性、輸送性を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の作業機用フロント装置は、作業機本体に回動自在に装着可能なブームと、前記ブームの先端に回動可能に設けられる第1アームと、前記第1アーム先端に回動可能に装着され、先端に作業用アタッチメントを装着可能な第2アームとからなる作業機用フロント装置に適用され、請求項1の発明は、前記ブームは、前記作業機本体への装着部となる本体装着部と前記作業機本体との間に設けられるブーム起伏用油圧シリンダが装着されるシリンダ装着部とを有する基ブームと、前記基ブームの先端に着脱可能に設けられ、前記第1アームを回動自在に装着する第1アーム装着部と前記第1アームとの間に設けられる第1アーム起伏用油圧シリンダが装着されるシリンダ装着部とを有する上ブームとから構成されること特徴とする。
請求項2の発明は、前記上ブームは、その全長が前記基ブームの全長よりも短く構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、前記上ブームは側面視形状が略三角形状に形成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられる作業機用フロント装置とを備えた作業機に適用され、前記作業機用フロント装置は、請求項1から3のいずれかに記載の構成を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の作業機用フロント装置および作業機について、図1〜図10により説明する。
【0012】
図1は本発明のフロント装置を装着した作業機の全体図、図2は図1に示す基ブームの拡大図、図3は図2のA断面図、図4は図1に示す上ブームの拡大図、図5は図4の平面図、図6は図4のB断面図、図7は、図1に示す第1アームの拡大図、図8は図7のC断面図、図9は図7のD断面図、図10は図7のE断面図である。
【0013】
図1において、1は履帯式の走行体、2は走行体1上に旋回装置3を介して旋回可能に設けられた旋回体、4は旋回体2上に設けられた運転室、5は旋回体2上に設けられ運転室4の後方に設けられた機械室で、この機械室5には動力源としてのエンジン、油圧機器等が収容されている。この1〜5から作業機本体が構成される。6は旋回体2に起伏動可能に設けられたフロント装置で、このフロント装置6は運転室4内に設けられる不図示の操作装置により操作される。
【0014】
フロント装置6は、旋回体2に回動可能に設けられたブーム100、ブーム100の先端に回動可能に設けられた第1アーム200、第1アーム200の先端に回動可能に設けられた第2アーム300および、この第2アーム300の先端に回動可能に設けられた作業アタッチメントとしての破砕機400とから大略構成される。また、ブーム100と旋回体2との間には旋回体2に対してブーム100を起伏動させるブーム起伏用油圧シリンダ7が設けられ、ブーム100と第1アーム200との間にはブーム100に対して第1アーム200を起伏動させる第1アーム起伏用油圧シリンダ8が設けられ、第1アーム200と第2アーム300との間には、第1アーム200に対して第2アーム300を起伏動する第2アーム起伏用油圧シリンダ9が設けられ、第2アーム300と破砕機400との間には、第2アーム300に対して破砕機400を回動駆動させる作業アタチメント回動用油圧シリンダ10が設けられる。破砕機400は、破砕爪を不図示の油圧シリンダにより近接、離反させて破砕爪間で被破砕物を圧砕するものであり、既知のものが用いられる。また、第2アーム300は、既知の油圧ショベルに使用されているアームとほぼ同様の構造を有している。
【0015】
ブーム100は、基端側が旋回体2に回動可能に装着される基ブーム101と、基ブーム101の先端部に着脱可能に装着される上ブーム150から構成される。
【0016】
基ブーム101は、図2、図3に詳細に示すような構成を有する。図で102は箱状に構成されたブーム主構造体、103はブーム主構造体102の基端部に設けられ旋回体2にピン連結されるボス(本体装着部)、104はブーム主構造体102の両側部(一方側のみ図示)の先端寄りにそれぞれ設けられ、ブーム起伏用油圧シリンダ7の先端側が取付けられるシリンダ装着部、105はブーム主構造体102の先端部に設けられた上ブーム連結部で、この上ブーム連結部105は、ブーム主構造体102の両側部からそれぞれ所定の間隔lをもって延設される2枚の板材106、106(図3において一側部のみ図示、以下同様)と、この板材106、106の上下2箇所にそれぞれ穿設される孔からなるピン連結部107、107と、板材106の先端に設けられる鉤部108とからなる。そして、この2枚の板材106、106間に図3の二点鎖線に示すように後述する上ブーム150の基端部(基ブーム連結部152)を挿入し、鍔付きのピン109をピン連結部107、107間に挿入することで基ブーム101に上ブーム150を装着し、ピン109をピン連結部107、107から取り外すことで、基ブーム101から上ブーム150を取り外すことができる。なお、図中110は、鍔付きピン109の鍔部109aを板材106に固定するための固定部材である。
【0017】
この上ブーム連結部105は、ブーム主構造体102の両側部にそれぞれ設けられ、各上ブーム連結部105を2枚の板材106、106によって構成し、それらに設けるピン連結部107、107間に比較的短い長さのピン109をそれぞれ挿入することで、基ブーム101と上ブーム150とを着脱する構成であるため、ピン109の重量を軽減でき、ピン109の扱いが容易に行え、ピン109および基ブーム101と上ブーム150との着脱作業を容易に行うことができる。
【0018】
また、この基ブーム101と上ブーム150との着脱作業において、上ブーム連結部105に設けられる鉤部108を用いることで、その作業を容易に行うことができる。すなわち、基ブーム101のピン連結部107と上ブーム150の基ブーム連結部(152)とは、鉤部108を上ブーム150の基端部に設けられるピン160(詳細は後述)と係合させた際に、このピン160を中心とした回動軌跡上に存在するように構成されていて、鉤部108を上ブーム150のピン160に係合させて基ブーム101をブーム起伏用油圧シリンダ7により起伏動させることで、上下のピン連結部107と上ブーム150の基ブーム連結部(152)のピン孔とを合致させることができ、これによって基ブーム101と上ブーム150の連結部同士の位置合わせを容易に行うことができる。
【0019】
上ブーム150は、図4、図5、図6に示すように構成されている。図で、151は、略台形状箱体として構成される上ブーム主構造体、152は上ブーム主構造体151の基端部に設けられた基ブーム101との連結部となる基ブーム連結部で、この基ブーム連結部152は、上ブーム主構造体151の両側部からそれぞれ突出し上下にピン孔を有する板材でなり、上述したように基ブーム101の上ブーム連結部105の2枚の板材106、106間に挿入されて上ブーム連結部105に連結される。また基ブーム連結部152は、図5に示すように上ブーム主構造体151の側面を構成する側板材151aと側面方向に段差のない同一面となるように設けられる。これによって、基ブーム連結部152と上ブーム主構造体151との接合部は、基ブーム101と連結した際に作用する応力が低減されて強い強度が得られ、接合部の簡素化および板材の厚さを低減することが可能となる。153は上ブーム主構造体151の先端部に設けられた第1アーム連結部であり、前述した基ブーム連結部152同様、上ブーム主構造体151の両側部からそれぞれ突出した板材でなり、この板材間に第1アーム200の基端部を挿入してピンによって両者を連結する。154は上ブーム主構造体151の下面の基ブーム連結部152寄りに設けられ、第1アーム起伏用油圧シリンダ8の基端側を装着するシリンダ装着部であり、このシリンダ装着部154は、図6に示すように2本のシリンダを並列に装着する構造を有しており、上ブーム主構造体151の下面両側部からそれぞれ立設されたピン孔を有する支持ブラケット155、155と、支持ブラケット155、155間の中央部に位置し、上ブーム主構造体151の下面から立設される支持部材156、156により支持されるボス157とにより構成される。支持ブラケット155、155は、上ブーム主構造体151の側面を構成する側板材151aと側面方向に段差のない同一面となるように設けられる。これによって、支持ブラケット155、155と上ブーム主構造体151との接合部に作用する応力が低減されて強い強度が得られ、接合部の簡素化およびは板材の厚さを低減することが可能となる。この支持ブラケット155、155とボス157との間にそれぞれ第1アーム起伏用油圧シリンダ8を挿入し、ピン158、158をそれぞれ支持ブラケット155、油圧シリンダ8およびボス157に挿入して、油圧シリンダ8をシリンダ装着部154に連結する。なお、ピン158、158は鍔付きピンであり、鍔159、159を支持ブラケット155、155の外側面にボルトによって固定することにで、ピン158が抜止めされる。また、ボス157は、孔の径が両端開口部寄りの内径aと中心部の内径bとが異なる寸法関係a<bを有する。これによりシリンダ装着部154の製作の際に、支持ブラケット155とボス157との孔中心に若干のずれ(芯ずれ)が生じた場合でも、ピン158を両者へ挿入することが可能となり、さらにボス158が軽量化される。160は、上ブーム主構造体151の両側板材151a、151aからそれぞれ突設されたピンであり、このピン160は、基ブーム連結部152寄りに設けられて、前述したように基ブーム101と上ブーム150との着脱作業時に基ブーム101の鉤108に係合されて、ピン孔同士の位置合わせに用いられる。
【0020】
なお上記のように第1アーム起伏用油圧シリンダ8を2本並列に装着する構成とすることで、シリンダ1本当たりの径を細くすることができ、軽量化が図れ、シリンダ装着部154へのシリンダ着脱作業の労力、時間を低減でき、作業性を向上できる。
【0021】
また、上ブーム150は、基ブーム連結部152、第1アーム連結部153を含む全長が、基ブームの全長の半分よりも短く構成される。これによって、地下部分の作業においてフロント装置6の先端を作業機本体の近傍まで近づけることができる。
【0022】
また、上ブーム150は、ブーム主構造体151、基ブーム連結部152および第1アーム連結部153を含む側面視形状(図4参照)がほぼ三角形状(略二等辺三角形)をなし、この三角形状を構成するブーム主構造体151の上下面の各構成部材が基ブーム連結部152の上下の各ピン孔に向けて伸びる構成(ブーム主構造体151の上下面の各構成部材と基ブーム連結部152の上下の各ピン孔とが一直線状に配置される)とすることにより外観的にシンプルな形状となり、基ブーム101と連結した際に、基ブーム101と一体感が得られ美観が向上する。
【0023】
第1アーム200は、図7、図8、図9、図10に示すように構成されている。図で、201は上面が湾曲しない平坦面に形成され下面のほぼ中央部に頂角部を有する箱状に形成されたアーム主構造体、202はアーム主構造体201の基端側に設けられ、上ブーム150に設けられる第1アーム連結部153、153間に挿入されてピン結合されるボス、203はアーム主構造体201の先端側に設けられた第2アーム連結部で、この第2アーム連結部203はアーム主構造体201の両側面側からそれぞれ突出した板材によって構成され、この板材間に第2アーム300を挿入して両者をピンにより連結する構成をなす。この第2アーム連結部203は、図8に示すようにアーム主構造体201の左右側板と段差のない略同一面上に延設され、これによって前述と同様、第2アーム300と連結した際に、この第2アーム連結部203および第2アーム連結部203とアーム主構造体201との接合部分に作用する応力が低減され強い強度が得られる。
【0024】
204は、アーム主構造体201の上面で、ボス202寄りに設けられた第2アーム起伏用油圧シリンダ9を装着するためのシリンダ装着部で、このシリンダ装着部204は、ピン孔を有し所定の間隔をもって立設された2枚の板状の支持ブラケット205、205によって構成される。そして、この支持ブラケット205、205間に第2アーム起伏用油圧シリンダ9の基端部を挿入し、両者にピン206を挿入してそれらを連結する。なお、このピン206は鍔付きピンであり、鍔207をボルトにより支持ブラケット205に固定することでピン206が抜止めされる。208は、アーム主構造体201の下面中央部(アーム主構造体201の頂角部)に設けられた第1アーム起伏用油圧シリンダ8の他端部を連結するためのシリンダ装着部で、このシリンダ装着部208は、上ブーム150のシリンダ装着部154とほぼ同様の構成を有する。すなわち、シリンダ装着部208は、2本のシリンダを並列に装着する構造を有しており、図10では一方側のみ図示するが、アーム主構造体201の下面両側部からそれぞれ立設される支持ブラケット209と、両支持ブラケット209間の中央部に位置し、アーム主構造体201の下面から立設される支持部材210により支持されるボス211とにより構成される。この支持ブラケット209とボス211との間にそれぞれ第1アーム起伏用油圧シリンダ8を挿入し、ピン212をそれぞれ支持ブラケット209、油圧シリンダ8およびボス211に挿入して、油圧シリンダ8をシリンダ装着部208に連結する。
【0025】
なお、ピン212は鍔付きピンであり、鍔213を支持ブラケット209の外側面にボルトによって固定することにで、ピン212が抜止めされる。また、ボス211は、ボス157同様、その孔径が両端部の内径aと中心部の内径bとで異なる寸法関係a<bを有する。これによりシリンダ装着部208の製作の際に支持ブラケット209とボス211の両者の孔中心に若干の芯ずれが生じた場合でも、ピン212を両者への挿入することが可能となり、さらにボス211が軽量化される。また、支持ブラケット209は、図10に示すようにアーム主構造体201の側面を構成する側板材201aと側面方向に段差を生じない同一面となるように設けられる。これによって、支持ブラケット209とアーム主構造体201との接合部に作用する応力が低減されて強い強度が得られ、接合部の簡素化およびは板材の厚さを低減することが可能となる。
【0026】
また、第1アーム200の上面を湾曲しない平坦面に形成したから、シリンダ装着部205をボス202の近傍に設けることができ(第2アーム起伏用油圧シリンダ9の基端部を第1アーム200の基端部に近づけられる)、第2アーム起伏用油圧シリンダ9をストローク長の長い仕様のもの(例えば、シリンダ収縮時の長さが第1アーム200の全長の半分以上の長さもの)が装着可能となり、後述の第2アーム300の振れ角度(起伏角度)、アーム力を向上することが可能となる。
【0027】
第2アーム300は、従来油圧ショベル等に使用されているアームとほぼ同様の構造を有するものであり、箱状に形成されるアーム主構造体301と、第1アーム200の第2アーム連結部203、203間に挿入され、第1アーム200との連結部となる第1アーム連結部302と、第2アーム起伏用油圧シリンダ9の先端部が装着されるシリンダ装着部303と、作業アタッチメント回動用油圧シリンダ10の基端部の装着部となるシリンダ装着部304と、油圧シリンダ10の先端部をリンクを介して連結するシリンダ連結部305と、破砕機400を回動自在装着するボス306から構成される。
【0028】
破砕機400は、装備される油圧シリンダにより破砕爪を近接、離反させて破砕作業を行うものであり、既知のものである。
【0029】
次に以上のように構成される基ブーム101、上ブーム150、第1アーム200、第2アーム300などからなる作業機用フロント装置およびそれを備えた作業機にあっては、次のような効果を奏する。
【0030】
(1)基ブーム101に上ブーム150を着脱可能に装着し、上ブーム150とそれに連結される第1アーム200との間に第1アーム起伏用油圧シリンダ8を装着するようにしたので、基ブーム101を備えた作業機本体と、上ブーム150、 第1アーム200および第2アーム300および油圧シリンダ8、9、10とを備えたフロントとに分離して輸送することができ、輸送に際して油圧シリンダの取付け、取外し作業を無くすることができる。
【0031】
(2)上ブーム150の全長を基ブーム101の全長の半分以下に設定することで、地下構造物の解体作業時に、フロント装置6の先端(破砕機400)を作業機本体の近傍まで近づけることができ、破砕機400を目視にて確認しながら作業を行うことができる。
【0032】
(3)上ブーム150の全長を基ブーム101の全長の半分以下に設定することで、基ブーム101を除くフロント装置6の全長を短くすることができ、運搬時に上記(1)の状態で輸送することができる。
【0033】
(4)上述したような軽量化により大型の破砕機を装着可能になり、より強固な建築構造物の破砕が可能になる。
【0034】
なお、上述したフロント装置6では、図1に示すように最大高さ姿勢を示す姿勢Aから最大深さ姿勢を示す姿勢Bの範囲で駆動可能であり、このフロント装置6を駆動して、建築物の地上部分を解体する場合には、姿勢Aから建築物の高さに応じてフロント装置6を駆動して破砕作業を行い、地下部分を解体する場合には、地下の構造物の形状、深さに応じて姿勢Bまでの範囲で解体作業を行うことができる。
【0035】
また、より高い建築構造物を解体する場合には、上ブーム150と基ブーム101との間に所定長さの繋ブームを単数または複数装着してフロント装置の全長を長くすることで行うことができ、掘削作業を行う場合は、上ブーム150、第1アーム200に代えて、基ブーム101に対して所定の角度をもって装着される掘削用上ブームと、この掘削用上ブームに装着される第2アーム300同等のアーム、バケットを装着することで行うことができ、種々の作業形態に応じて用意されたブーム、アームを基ブームに選択的に装着することで作業機本体および基ブームを共通的に使用しながら、各種作業に対応することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の作業機用フロント装置および作業機は、フロント装置の組替性、輸送性を向上することができ作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業機用フロント装置を備えた作業機の全体図である。
【図2】図1に示す基ブームの拡大図である。
【図3】図2のA断面図である。
【図4】図1に示す上ブームの拡大図である。
【図5】図4の平面図である。
【図6】図4のB断面図である。
【図7】図1に示す第1アームの拡大図である。
【図8】図7のC断面図である
【図9】図7のD断面図である。
【図10】図7のE断面図である。
【符号の説明】
1;走行体、2;旋回体、6;フロント装置、7;ブーム起伏用油圧シリンダ、8;第1アーム起伏用油圧シリンダ、9;第2アーム起伏用油圧シリンダ、10;作業アタッチメント回動用油圧シリンダ、100;ブーム、101;基ブーム、103、202;ボス、104、154、204、;シリンダ装着部、105;上ブーム連結部、150;上ブーム、152;基ブーム連結部、153;第1アーム連結部、200;第1アーム、203;第2アーム連結部、300;第2アーム、400;破砕機。
Claims (4)
- 作業機本体に回動自在に装着可能なブームと、
前記ブームの先端に回動可能に設けられる第1アームと、前記第1アーム先端に回動可能に装着され、先端に作業用アタッチメントを装着可能な第2アームとからなる作業機用フロント装置において、
前記ブームは、前記作業機本体への装着部となる本体装着部と前記作業機本体との間に設けられるブーム起伏用油圧シリンダが装着されるシリンダ装着部とを有する基ブームと、前記基ブームの先端に着脱可能に設けられ、前記第1アームを回動自在に装着する第1アーム装着部と前記第1アームとの間に配設される第1アーム起伏用油圧シリンダが装着されるシリンダ装着部とを有する上ブームとから構成されること特徴とする作業機用フロント装置。 - 請求項1に記載の作業機用フロント装置において、前記上ブームは、その全長が前記基ブーム全長の略半分よりも短く構成されることを特徴とする作業機用フント装置。
- 請求項1または2に記載の作業機用フロント装置において、前記上ブームは側面視形状が略三角形状に形成されることを特徴とする作業用フロント装置。
- 走行体と、前記走行体上に旋回可能に設けられる旋回体と、前記旋回体に設けられる作業機用フロント装置とを備えた作業機であって、
前記フロント装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の構成を有することを特徴とする作業機。
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