JP2004353135A - 空調服用スペーサー - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で、肌触りがよく、空調服への縫製の作業が容易であり、かつ洗濯時に空調服の服地をいためることのない空調服用スペーサーを提供する。
【解決手段】空調服用スペーサー30は、空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するために用いられる。この空調服用スペーサー30は、布地をヒダ状に成形して作製されている。ここで、ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状は連続した略三角形状である。空調服用スペーサー30には、多数の孔31が形成されている。これにより、空調服用スペーサー30を空調服に設けると、空気は、その空調服用スペーサー30によって形成される空気流通路内を、ヒダに平行な方向だけでなく、ヒダに直交する方向に沿っても流通することができる。また、ヒダの山と谷との間の間隔は2mm以上30mm以下である。
【選択図】 図3
【解決手段】空調服用スペーサー30は、空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するために用いられる。この空調服用スペーサー30は、布地をヒダ状に成形して作製されている。ここで、ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状は連続した略三角形状である。空調服用スペーサー30には、多数の孔31が形成されている。これにより、空調服用スペーサー30を空調服に設けると、空気は、その空調服用スペーサー30によって形成される空気流通路内を、ヒダに平行な方向だけでなく、ヒダに直交する方向に沿っても流通することができる。また、ヒダの山と谷との間の間隔は2mm以上30mm以下である。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温の環境下でも快適に過ごすことのできる空調服に用いられる、空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するための空調服用スペーサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高温の環境下でも快適に過ごすことのできる空調服が種々案出されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1には、空調服の原理、技術、効果等が詳しく説明されている。空調服には、その空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するための空調服用スペーサーが設けられている。かかる空調服用スペーサーとしては、一般に、プラスチックを成形したものが用いられる。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第02/067708A1号パンフレット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空調服用スペーサーとしてプラスチックを成形したものを用いたのでは、コストが高いだけでなく、空調服を着用した際の肌触りが悪いという問題がある。しかも、空調服用スペーサーを縫製する際の作業が容易でなく、また、洗濯した際に空調服用スペーサーが服地をいためてしまうという問題もある。
【0005】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、安価で、肌触りがよく、空調服への縫製の作業が容易であり、かつ洗濯時に空調服の服地をいためることのない空調服用スペーサーを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明は、空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するために用いられる空調服用スペーサーであって、布地をヒダ状に成形して作製されており、且つ、前記ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が連続した略三角形状であり、前記ヒダの山と谷との間の間隔が2mm以上30mm以下であることを特徴とするものである。
【0007】
このように、かかる空調服用スペーサーはヒダ状に加工した布地により作られている。ヒダ状に加工した布地は、もともと衣服の素材として用いられているので、製造、衣服への縫製、着用感、洗濯に関し、プラスチック製のスペーサーを用いた場合のような問題はない。しかも、ヒダ状に加工した布地は、軽く、安価である。したがって、かかるヒダ状に加工した布地は、空調服用スペーサーとして用いるのに非常に適している。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
最初に、空調服について説明する。図1(a)は空調服を着衣したときにその空調服を正面から見た概略図、図1(b)は空調服を着衣したときにその空調服を背面から見た概略図である。空調服10は、図1に示すように、空気吸入部11と、主冷却部12と、空気漏れ防止部13と、ファスナー14と、服地15と、二つのファン16とを備える。
【0010】
図1において、点線Aより上側の空調服部分は空気吸入部11である。例えば、この空気吸入部11は通気性のよい布を用いて形成されている。外部の空気はこの空気吸入部11から空調服10と下着又は体表との間に入り込む。尚、空気吸入部11を形成する方法としては、通気性のよい布を用いる方法の他、空気取り入れ用の開口部を設ける方法等、各種の方法がある。
【0011】
主冷却部12は、点線Aより下側の空調服部分である。後述するように、この主冷却部12の裏面には空調服用スペーサーが設けられている。かかる空調服用スペーサーにより、主冷却部12に対応する部分の服地15と下着又は体表との間に、空気を流通するための空間(空気流通路)が確保される。
【0012】
ファスナー14は、空調服10の前側を閉じるためのものである。空気漏れ防止部13は、空調服10のすそ部に設けられており、すそ部から空気の流通を防止するためのものである。したがって、ファスナー14を閉じると、空調服10のすそ部からの空気の流通が空気漏れ防止部13により防止されるので、点線A以下の空調服部分においては、ファン16を除き、空気の出入りができないようになっている。
【0013】
二つのファン16はそれぞれ、空調服10の後側において右下部、左下部に設けられている。ファン16は、空気流通路内の空気を外部に排気するためのものである。
【0014】
かかる構成の空調服10では、ファン16により空気流通路内の空気を外部に排気すると、外部の空気が空気吸入部11から空調服10内に入り込む。そして、その空調服10内に入り込んだ空気は、主冷却部12において空気流通路内を体と略平行に上から下に向かって流通し、その間に、背中、胸部、腹部からの汗を気化し、気化熱によって体を冷却する。
【0015】
図2は空調服10の主冷却部12の概略断面図である。主冷却部12においては、その服地15の裏面に空調服用スペーサー30が取り付けられている。これにより、その服地15と下着21又は体表面22との間に空気流通路12aが形成されている。ここで、図2において、矢印は空気の流れを示す。ファン16が回転すると、空気が上述したように空気流通路12a内を流れる。
【0016】
次に、本実施形態の空調服用スペーサー30について説明する。図3(a)はその空調服用スペーサー30の概略斜視図、図3(b)はその空調服用スペーサー30の概略断面図である。
【0017】
空調服用スペーサー30は、布地をヒダ状に成形することにより作製されたヒダ状スペーサーである。すなわち、図3に示すように、布地に山ライン、谷ラインを交互に複数形成することにより布地をヒダ状としている。その空調服用スペーサー30では、図3(b)に示すように、ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が連続した略三角形状(あるいは略鋸刃形状)となっている。ここで、ヒダの山と谷との間隔(空調服用スペーサー30の厚さ)をtとする。かかる空調服用スペーサー30を主冷却部12の服地15の裏面に縫い付けることにより、空気流通路12aが形成される。空気流通路12a内の空気は、主としてヒダに平行な方向に沿って流通することになる。
【0018】
また、空調服用スペーサー30には、多数の孔31が形成されている。これらの孔31は、ヒダに直交する方向にも空気の流通性を持たせるためのものである。すなわち、かかる孔31を設けることにより、空気は、空気流通路12a内を、ヒダに平行な方向だけでなく、ヒダに直交する方向に沿っても流通することができる。かかる孔31の大きさや密度は、空調服10の用途に応じて決定される。むろん、空調服10の用途によっては、孔31は必ずしも形成する必要はない。
【0019】
次に、このヒダ状に加工された布地について説明する。以下では、ヒダ状に加工された布地を「プリーツ」と称することにする。一般に、プリーツは、布をホットプレス等で、ヒダ状に加工したものであり、服地素材として各所に使用されている。従って、プリーツは、服地への取り付けや縫製等を、通常の手法で行うことができ、また、安価軽量、柔軟性、下着や肌へのフィット性がよく、洗濯も可能である。したがって、プリーツは、空調服用スペーサー30として用いるのに理想的なスペーサーであると言うことができる。
【0020】
但し、プリーツを空調服10の背部に取り付けた場合、着用者が椅子等にもたれると、ヒダがつぶれてしまい、空気流通路12aとしての空間を保つことができなくなる。しかし、前かがみになる等、椅子の背もたれからの圧力が開放されると、ヒダはすぐに前の状態に復元し、空気流通路12aを確保することができる。したがって、例えば着用者が椅子にもたれて作業するような特定の用途で、空調服10を使用する場合には、プリーツを背中等の圧力のかかる部位に用いることはできないが、空調服10を一般的な用途で使用する場合には、プリーツを空調服用スペーサー30として空調服10のほとんどの部位に用いることができる。
【0021】
また、プリーツの布地としては、空調服10の用途に応じて、織布、不織布、ニット等、各種の製法の布地を使用することができる。また、布の素材も熱成形加工しやすい化学繊維等を使用することができる。このように、プリーツの布地や素材は、空調服10の用途に応じて選ぶことができる。
【0022】
空調服用スペーサー30は、あくまで空気流通路を形成するための目的で用いられるので、空気の受ける抵抗を十分小さくすることができる形態に形成されなければならない。そのために空調服用スペーサー30に課される重要な条件は空調服用スペーサーの厚みtに関する条件である。空調服用スペーサーの厚みtは、空調服10の用途にもよるが、2mm以上必要である。空調服用スペーサーの厚みが2mmより小さいと、一定流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高める必要があり、実用的でないからである。また、空調服用スペーサーの厚みtは、厚くても30mmが限界である。あまり厚すぎると着用感が悪くなり、しかも、空気が体表面から離れたところを流れ、かえって冷却能力を低下させてしまうことがあるからである。
【0023】
また、ヒダと直交する方向の空気の流通性に関しては、空調服10の用途や作り方により非常に重要である場合とそうでない場合とがある。ヒダと直交する方向の空気の流通性が重要である場合、当該直交する方向に流れる空気の受ける抵抗を小さくするためには、布地そのものがメッシュ状であってもともと通気性のよいものや、多数の孔を有するものを用いればよい。このとき、布地の総面積に対する孔の総面積の割合は10%以上であることが望ましい。
【0024】
本実施形態の空調服用スペーサーは、布地をヒダ状に成形して作製したものであり、ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状を連続した略三角形状としている。ヒダ状に加工した布地は、もともと衣服の素材として用いられているので、製造、衣服への縫製、着用感、洗濯に関し、プラスチック製のスペーサーを用いた場合のような問題はない。しかも、ヒダ状に加工した布地は、軽く、安価である。また、本実施形態の空調服用スペーサーでは、ヒダの山と谷との間の間隔を2mm以上30mm以下としている。このため、一定流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高めなくとも、一定流量の空気を流すことができ、しかも、着用感が悪くなったり、冷却能力が低下したりすることもない。
【0025】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る空調服用スペーサーは、布地をヒダ状に成形して作製したものであり、ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状を連続した略三角形状としている。ヒダ状に加工した布地は、もともと衣服の素材として用いられているので、製造、衣服への縫製、着用感、洗濯に関し、プラスチック製のスペーサーを用いた場合のような問題はない。しかも、ヒダ状に加工した布地は、軽く、安価である。また、かかる空調服用スペーサーでは、ヒダの山と谷との間の間隔を2mm以上30mm以下としている。このため、一定流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高めなくとも、一定流量の空気を流すことができ、しかも、着用感が悪くなったり、冷却能力が低下したりすることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は空調服を着衣したときにその空調服を正面から見た概略図、(b)は空調服を着衣したときにその空調服を背面から見た概略図である。
【図2】空調服の主冷却部の概略断面図である。
【図3】(a)は本実施形態の空調服用スペーサーの概略斜視図、(b)はその空調服用スペーサーの概略断面図である。
【符号の説明】
10 空調服
11 空気吸入部
12 主冷却部
12a 空気流通路
13 空気漏れ防止部
14 ファスナー
15 服地
16 ファン
21 下着
22 体表面
30 空調服用スペーサー
31 孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温の環境下でも快適に過ごすことのできる空調服に用いられる、空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するための空調服用スペーサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高温の環境下でも快適に過ごすことのできる空調服が種々案出されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1には、空調服の原理、技術、効果等が詳しく説明されている。空調服には、その空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するための空調服用スペーサーが設けられている。かかる空調服用スペーサーとしては、一般に、プラスチックを成形したものが用いられる。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第02/067708A1号パンフレット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空調服用スペーサーとしてプラスチックを成形したものを用いたのでは、コストが高いだけでなく、空調服を着用した際の肌触りが悪いという問題がある。しかも、空調服用スペーサーを縫製する際の作業が容易でなく、また、洗濯した際に空調服用スペーサーが服地をいためてしまうという問題もある。
【0005】
本発明は上記事情に基づいてなされたものであり、安価で、肌触りがよく、空調服への縫製の作業が容易であり、かつ洗濯時に空調服の服地をいためることのない空調服用スペーサーを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明は、空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するために用いられる空調服用スペーサーであって、布地をヒダ状に成形して作製されており、且つ、前記ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が連続した略三角形状であり、前記ヒダの山と谷との間の間隔が2mm以上30mm以下であることを特徴とするものである。
【0007】
このように、かかる空調服用スペーサーはヒダ状に加工した布地により作られている。ヒダ状に加工した布地は、もともと衣服の素材として用いられているので、製造、衣服への縫製、着用感、洗濯に関し、プラスチック製のスペーサーを用いた場合のような問題はない。しかも、ヒダ状に加工した布地は、軽く、安価である。したがって、かかるヒダ状に加工した布地は、空調服用スペーサーとして用いるのに非常に適している。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
最初に、空調服について説明する。図1(a)は空調服を着衣したときにその空調服を正面から見た概略図、図1(b)は空調服を着衣したときにその空調服を背面から見た概略図である。空調服10は、図1に示すように、空気吸入部11と、主冷却部12と、空気漏れ防止部13と、ファスナー14と、服地15と、二つのファン16とを備える。
【0010】
図1において、点線Aより上側の空調服部分は空気吸入部11である。例えば、この空気吸入部11は通気性のよい布を用いて形成されている。外部の空気はこの空気吸入部11から空調服10と下着又は体表との間に入り込む。尚、空気吸入部11を形成する方法としては、通気性のよい布を用いる方法の他、空気取り入れ用の開口部を設ける方法等、各種の方法がある。
【0011】
主冷却部12は、点線Aより下側の空調服部分である。後述するように、この主冷却部12の裏面には空調服用スペーサーが設けられている。かかる空調服用スペーサーにより、主冷却部12に対応する部分の服地15と下着又は体表との間に、空気を流通するための空間(空気流通路)が確保される。
【0012】
ファスナー14は、空調服10の前側を閉じるためのものである。空気漏れ防止部13は、空調服10のすそ部に設けられており、すそ部から空気の流通を防止するためのものである。したがって、ファスナー14を閉じると、空調服10のすそ部からの空気の流通が空気漏れ防止部13により防止されるので、点線A以下の空調服部分においては、ファン16を除き、空気の出入りができないようになっている。
【0013】
二つのファン16はそれぞれ、空調服10の後側において右下部、左下部に設けられている。ファン16は、空気流通路内の空気を外部に排気するためのものである。
【0014】
かかる構成の空調服10では、ファン16により空気流通路内の空気を外部に排気すると、外部の空気が空気吸入部11から空調服10内に入り込む。そして、その空調服10内に入り込んだ空気は、主冷却部12において空気流通路内を体と略平行に上から下に向かって流通し、その間に、背中、胸部、腹部からの汗を気化し、気化熱によって体を冷却する。
【0015】
図2は空調服10の主冷却部12の概略断面図である。主冷却部12においては、その服地15の裏面に空調服用スペーサー30が取り付けられている。これにより、その服地15と下着21又は体表面22との間に空気流通路12aが形成されている。ここで、図2において、矢印は空気の流れを示す。ファン16が回転すると、空気が上述したように空気流通路12a内を流れる。
【0016】
次に、本実施形態の空調服用スペーサー30について説明する。図3(a)はその空調服用スペーサー30の概略斜視図、図3(b)はその空調服用スペーサー30の概略断面図である。
【0017】
空調服用スペーサー30は、布地をヒダ状に成形することにより作製されたヒダ状スペーサーである。すなわち、図3に示すように、布地に山ライン、谷ラインを交互に複数形成することにより布地をヒダ状としている。その空調服用スペーサー30では、図3(b)に示すように、ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が連続した略三角形状(あるいは略鋸刃形状)となっている。ここで、ヒダの山と谷との間隔(空調服用スペーサー30の厚さ)をtとする。かかる空調服用スペーサー30を主冷却部12の服地15の裏面に縫い付けることにより、空気流通路12aが形成される。空気流通路12a内の空気は、主としてヒダに平行な方向に沿って流通することになる。
【0018】
また、空調服用スペーサー30には、多数の孔31が形成されている。これらの孔31は、ヒダに直交する方向にも空気の流通性を持たせるためのものである。すなわち、かかる孔31を設けることにより、空気は、空気流通路12a内を、ヒダに平行な方向だけでなく、ヒダに直交する方向に沿っても流通することができる。かかる孔31の大きさや密度は、空調服10の用途に応じて決定される。むろん、空調服10の用途によっては、孔31は必ずしも形成する必要はない。
【0019】
次に、このヒダ状に加工された布地について説明する。以下では、ヒダ状に加工された布地を「プリーツ」と称することにする。一般に、プリーツは、布をホットプレス等で、ヒダ状に加工したものであり、服地素材として各所に使用されている。従って、プリーツは、服地への取り付けや縫製等を、通常の手法で行うことができ、また、安価軽量、柔軟性、下着や肌へのフィット性がよく、洗濯も可能である。したがって、プリーツは、空調服用スペーサー30として用いるのに理想的なスペーサーであると言うことができる。
【0020】
但し、プリーツを空調服10の背部に取り付けた場合、着用者が椅子等にもたれると、ヒダがつぶれてしまい、空気流通路12aとしての空間を保つことができなくなる。しかし、前かがみになる等、椅子の背もたれからの圧力が開放されると、ヒダはすぐに前の状態に復元し、空気流通路12aを確保することができる。したがって、例えば着用者が椅子にもたれて作業するような特定の用途で、空調服10を使用する場合には、プリーツを背中等の圧力のかかる部位に用いることはできないが、空調服10を一般的な用途で使用する場合には、プリーツを空調服用スペーサー30として空調服10のほとんどの部位に用いることができる。
【0021】
また、プリーツの布地としては、空調服10の用途に応じて、織布、不織布、ニット等、各種の製法の布地を使用することができる。また、布の素材も熱成形加工しやすい化学繊維等を使用することができる。このように、プリーツの布地や素材は、空調服10の用途に応じて選ぶことができる。
【0022】
空調服用スペーサー30は、あくまで空気流通路を形成するための目的で用いられるので、空気の受ける抵抗を十分小さくすることができる形態に形成されなければならない。そのために空調服用スペーサー30に課される重要な条件は空調服用スペーサーの厚みtに関する条件である。空調服用スペーサーの厚みtは、空調服10の用途にもよるが、2mm以上必要である。空調服用スペーサーの厚みが2mmより小さいと、一定流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高める必要があり、実用的でないからである。また、空調服用スペーサーの厚みtは、厚くても30mmが限界である。あまり厚すぎると着用感が悪くなり、しかも、空気が体表面から離れたところを流れ、かえって冷却能力を低下させてしまうことがあるからである。
【0023】
また、ヒダと直交する方向の空気の流通性に関しては、空調服10の用途や作り方により非常に重要である場合とそうでない場合とがある。ヒダと直交する方向の空気の流通性が重要である場合、当該直交する方向に流れる空気の受ける抵抗を小さくするためには、布地そのものがメッシュ状であってもともと通気性のよいものや、多数の孔を有するものを用いればよい。このとき、布地の総面積に対する孔の総面積の割合は10%以上であることが望ましい。
【0024】
本実施形態の空調服用スペーサーは、布地をヒダ状に成形して作製したものであり、ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状を連続した略三角形状としている。ヒダ状に加工した布地は、もともと衣服の素材として用いられているので、製造、衣服への縫製、着用感、洗濯に関し、プラスチック製のスペーサーを用いた場合のような問題はない。しかも、ヒダ状に加工した布地は、軽く、安価である。また、本実施形態の空調服用スペーサーでは、ヒダの山と谷との間の間隔を2mm以上30mm以下としている。このため、一定流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高めなくとも、一定流量の空気を流すことができ、しかも、着用感が悪くなったり、冷却能力が低下したりすることもない。
【0025】
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る空調服用スペーサーは、布地をヒダ状に成形して作製したものであり、ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状を連続した略三角形状としている。ヒダ状に加工した布地は、もともと衣服の素材として用いられているので、製造、衣服への縫製、着用感、洗濯に関し、プラスチック製のスペーサーを用いた場合のような問題はない。しかも、ヒダ状に加工した布地は、軽く、安価である。また、かかる空調服用スペーサーでは、ヒダの山と谷との間の間隔を2mm以上30mm以下としている。このため、一定流量の空気を流すためには、空気の圧力をかなり高めなくとも、一定流量の空気を流すことができ、しかも、着用感が悪くなったり、冷却能力が低下したりすることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は空調服を着衣したときにその空調服を正面から見た概略図、(b)は空調服を着衣したときにその空調服を背面から見た概略図である。
【図2】空調服の主冷却部の概略断面図である。
【図3】(a)は本実施形態の空調服用スペーサーの概略斜視図、(b)はその空調服用スペーサーの概略断面図である。
【符号の説明】
10 空調服
11 空気吸入部
12 主冷却部
12a 空気流通路
13 空気漏れ防止部
14 ファスナー
15 服地
16 ファン
21 下着
22 体表面
30 空調服用スペーサー
31 孔
Claims (1)
- 空調服と下着又は体表との間に空気の流通路を確保するために用いられる空調服用スペーサーであって、
布地をヒダ状に成形して作製されており、且つ、前記ヒダの方向に直交する平面で切断したときの断面の形状が連続した略三角形状であり、前記ヒダの山と谷との間の間隔が2mm以上30mm以下であることを特徴とする空調服用スペーサー。
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---|---|---|---|
JP2003153894A JP2004353135A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 空調服用スペーサー |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003153894A JP2004353135A (ja) | 2003-05-30 | 2003-05-30 | 空調服用スペーサー |
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ID=34048699
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-05-30 JP JP2003153894A patent/JP2004353135A/ja active Pending
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