JP2004351538A - フック付き可搬式電動工具 - Google Patents

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Naotake Tanaka
尚武 田中
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Abstract

【課題】フックの左右切替えを手軽に行うことのできるフック付き可搬式電動工具を安価で提供する。
【解決手段】フック20を、フック本体21と、フック本体21から延設されるフック軸部22と、フック軸部22から延設される球状抜け止め部23とを備えるものとし、可搬式電動工具本体1に形成されるフック保持部9を、フック軸部22が嵌合する貫通孔10と、該貫通孔10の中央部を球状抜け止め部23が嵌合するように凹設した球状凹部12と、貫通孔10を径方向に開口させる溝部11とを備えるものとし、溝部11の開口幅Wをフック軸部22の幅Wよりも狭く形成し、所定負荷を超える負荷がかかれば弾性変形により開口幅Wがフック軸部の幅W以上に広がるようにする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト等に引掛けておくことのできるフック付き可搬式電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、充電式ドリルドライバ等の可搬式電動工具には、フックを有し、当該フックをベルト等に引掛けることで使用者の身体に吊り下げておくことができるものがある。しかしながら、このようなフック付き可搬式電動工具においては、使用中に周囲の部材にフックが引っ掛かり作業の邪魔になるという問題があった。そこで、上記問題を解決し、且つ、吊り下げ姿勢を多様に選択可能として使用者の使い勝手を向上させる為に、状況に応じてフックを左右に切替えることのできるフック付き可搬式電動工具が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ところが、この左右切替え可能なフック付き可搬式電動工具は、可搬式電動工具本体のハウジングに形成したフック保持部の左右いずれか一方に、ボルトやナットを用いてフックを装着させる構造であるから、フックを切替えるに当ってはボルトを緩める為に手回し工具等が必要であり、左右の切替えを容易に行うことができるものではなかった。また、上記のようにボルトやナットを用いた構造であることから部品点数が多く、安価で提供することができないものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−254358号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、フックの左右切替えを手軽に行うことのできるフック付き可搬式電動工具を、部品点数の少ない簡単な構造により安価で提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明を、可搬式電動工具本体1と、可搬式電動工具本体1のハウジング8に形成されるフック保持部9と、フック保持部9に装着されるフック20とを具備して成るフック付き可搬式電動工具において、前記フック20が、固定対象物19に引掛ける為のフック本体21と、フック本体21の基端部21aから延設されるフック軸部22と、フック軸部22の先端部22aから該フック軸部22よりも大径となるように延設される球状抜け止め部23とを備えるものであり、前記フック保持部9が、フック軸部22が嵌合する貫通孔10と、該貫通孔10の内壁の軸方向中央部をフック20の球状抜け止め部23が転動自在に嵌合するように凹設して成る球状凹部12と、貫通孔10の一端から他端に至るまでを径方向に開口させる溝部11とを備えるものであり、且つ、溝部11の開口幅Wをフック軸部22の幅Wよりも狭く形成した前記フック保持部9が、所定負荷を超える負荷がかかることで溝部11の開口幅Wがフック軸部22の幅W以上に広がるように弾性変形されるものであることを特徴としたものとする。
【0007】
このようにすることで、球状抜け止め部23を球状凹部12に嵌合させ、フック軸部22を貫通孔10に嵌合させ、該貫通孔10の両端部のいずれか一方からフック本体21を突出させた状態で、フック保持部9にフック20を装着することができ、この装着状態で、使用者がフック20に対して、球状抜け止め部23を支点としてフック軸部22が溝部11内を一端側から他端側にまで移動しながら回転する方向Pに或る程度以上の力を加えれば、フック保持部9には所定負荷を超える負荷がかかり溝部11の開口幅Wがフック軸部22の幅W以上に広がるように弾性変形される。即ち、上記方向Pに或る程度以上の力を加えることで、フック軸部22は球状抜け止め部23を支点に回転しながら溝部11の開口幅Wを押し広げて該溝部11内を通過し、180度回転した時点で貫通孔10の逆側の端部からフック本体21を突出させた状態となり、フック20を左右逆側に切替えられるものである。そして、上記構成のフック付き可搬式電動工具によれば、簡単な構造によりフック20の左右切替えが可能であり、安価での提供が可能となる。また、切替え作業もフック20に対して所定方向Pに力を加えるだけの簡単な作業でよく、余分な工具を使用する必要もないものである。
【0008】
また、フック軸部22と、フック保持部9の貫通孔10とに、両者の係合によりフック20を所定角度に保持する係合部31,32を形成することも好ましい。このようにすることで、腰ベルト等の固定対象物19にフック20を挿入する際の挿入感や、固定対象物19に吊り下げて歩行する際の安定感が向上するものである。
【0009】
また、フック保持部9の貫通孔10に形成した係合部32は、該係合部32と可搬式電動工具本体1の重心Gとを結ぶ線分Sが貫通孔10の中心軸Cと交差する位置にあることも好ましい。このようにすることで、固定対象物19にフック20を引掛けて吊り下げられた状態の可搬式電動工具本体1の自重は、フック軸部22と貫通孔10とに設けた両係合部31,32を押付ける力として作用するので、吊り下げ時の安定性が向上するものである。
【0010】
また、フック軸部22に、フック保持部9の溝部10内に位置するように回転規制用凸部33を突設することも好ましい。このようにすることで、回転規制用凸部33が溝部11の両側の内側面11aに当る範囲でフック20の回転は規制されるので、フック20が不必要な位置にまで回転することが防止されるものである。
【0011】
また、フック保持部9の溝部11と面する端縁部を、別体の弾性体15により構成することも好ましい。このようにすることで、フック保持部9におけるフック20の弾性的な保持力を向上させることができる。
【0012】
また、フック本体21とフック保持部9との間に介在するようにフック軸部22に着脱自在に装着される付属部材16を備えることも好ましい。このようにすることで、球状抜け止め部23を支点としてフック20を回転させる力が働いた場合であっても、フック本体21とフック保持部9との間に挟まれる付属部材16によって該フック20の回転が阻止されるので、フック20の浮き上がりが確実に防止されるものである。
【0013】
また、フック保持部9に、フック軸部22の通過し得る第二溝部41を溝部11と交差させて形成し、フック本体21の先端部に、固定対象物19に引掛ける為の第二フック42を延設することも好ましい。このようにすることで、球状抜け止め部23を支点としてフック20を回転させながら溝部11の開口幅Wを押し広げて該溝部11内にフック溝部22を通し、溝部11の通過途中で今度は該溝部11と交差する第二溝部41内にフック軸部22を通し、この第二溝部42の端までフック軸部22を通した状態で第二フック42を固定対象物19に引掛けることで、左右にフック20を装着した場合の姿勢とはまた異なる姿勢で可搬式電動工具本体1を吊り下げることができるものである。
【0014】
また、フック軸部22の先端部22aと、球状抜け止め部23とに、両者の螺合によりフック軸部22と球状抜け止め部23とを固定するねじ部24,25を形成することも好ましい。このようにすることで、上記螺合を解除すればフック保持部9の球状凹部12に球状抜け止め部23を嵌合させた状態のままで貫通孔10からフック軸部22を取外すことができるので、ハウジング8を分解せずとも、フック軸部22や該フック軸部22に接続されるフック本体21を交換することができるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施の形態に基づいて説明する。図1〜図7には、本発明の実施の形態における一例のフック付き可搬式電動工具を示している。一例においては、電池パック2を備えた充電式ドリルドライバ6を可搬式電動工具本体1とし、該可搬式電動工具本体1のハウジング8に形成したフック保持部9にフック20を装着したものを、フック付き可搬式電動工具としている。なお、上記ドリルドライバ6は、電池パック2を電源部として、内蔵されたモータ3の回転力を回転伝達機構部4を介してチャック5にまで伝達し、チャック5に装着した先端工具(図示せず)によりねじ締めや穴あけ作業を行うものである。
【0016】
フック保持部9は、可搬式電動工具本体1のハウジング8のうち、使用時に把持される握り部7の下端部分のハウジング8aに形成されるものであり、該ハウジング8aの背面から背方に延設され、フック20が左右両側方のいずれか一方に装着されるようになっている。なお、本文中においては、可搬式電動工具本体1を用いて作業を行う際に作業箇所に向ける側の面を該可搬式電動工具本体1の正面とし、該可搬式電動工具本体1の背面、左右両側面についてもこれを基準とする。
【0017】
フック保持部9は、左右両側方に貫設される断面略円形状の貫通孔10と、貫通孔10の一端から他端に至るまでを径方向に開口させる溝部11とを備え、断面略C字状となるように形成されている。上記貫通孔10の軸方向中央部には、該貫通孔10の内周壁を球面状に凹設して成る球状凹部12を設けている。また、フック20は、固定対象物19に引掛ける為に略L字型に成形されたフック本体21と、フック本体21の基端部21aから延設された円柱状のフック軸部22と、フック軸部22よりも大径の略球体状となるように該フック軸部22の先端部22aから延設された球状抜け止め部23とを備えたものである。
【0018】
フック保持部9の球状凹部12は、フック20の球状抜け止め部23が転動自在に嵌合するように形成されており、また、フック保持部9の貫通孔10は、フック軸部22が軸中心に回動自在に嵌合するように形成されている。そして、貫通孔10の両端から球状凹部12までの長さLは、フック軸部22の長さLよりも僅かに小さく形成されており、且つ、フック保持部9の溝部11の開口幅Wは、フック軸部22の幅Wよりも狭くなるように一端側から他端側に至るまで同一幅で形成されているので、球状抜け止め部23が球状凹部12に嵌合し、フック軸部22が貫通孔10の左右いずれかの半部に嵌合した状態で、フック20はフック本体21を可搬式電動工具本体1から突出させた状態でフック保持部9に回動自在に装着されるものである。
【0019】
フック20の組付け方法としては、図2に示すように可搬式電動工具本体1のハウジング8が、球状凹部12を中心にフック保持部9を左右に分割する左右の半割りハウジング13,14をねじ5で結合させたものであることを利用する。即ち、分割させてある左右の半割りハウジング13,14の一方の側の溝部11(図示の例では11a)を通して貫通孔10内にフック軸部22を挿入するとともに、半分に分割された球状凹部12(図示の例では12a)に球状抜け止め部23の基端側半部を嵌合させ、その後、左右の半割りハウジング13,14の他方の側の、半分に分割された球状凹部12(図示の例では12b)に、球状抜け止め部23の先端側半部が嵌合するように、左右の半割りハウジング13,14をねじ5で結合させれば良い。既述したように、フック保持部9の溝部10の開口幅Wは、フック軸部22の幅Wよりも狭く形成されているが、フック保持部9は、負荷がかかると撓みを生じて溝部11の開口幅Wがフック軸部22の幅W以上に広がるように、弾性材料により形成されているので、フック20の貫通孔10内への挿入は溝部11aへの押し込みにより問題無く行われる。
【0020】
そして、上記のようにして可搬式電動工具本体1に装着されたフック20のフック本体21を固定対象物19に引掛けることで、図1(a)に示すように可搬式電動工具本体1が下向きに吊り下げられるようになっている。なお、フック保持部9の溝部11は、可搬式電動工具本体1の重心G側に向けて開口するように形成しているので(図3参照)、可搬式電動工具本体1の自重によってフック本体21が溝部11から外れてしまうことは防止されている。
【0021】
フック20の特に外部に突出するフック本体21は破損等を生じる危険性が比較的高いものであるが、一例においては図7に示すように、フック本体21とフック軸部22とを一体成形するとともに、これらと球状抜け止め部23とは別体に成形し、フック軸部22の先端部22aには雄ねじ型のねじ部24を突設し、球状抜け止め部23には該ねじ部24と螺合する雌ねじ型のねじ部25を凹設しているので、ハウジング8を分解せずとも、フック軸部22と球状抜け止め部23とを固定する両ねじ部24,25の螺合を解除することで部品交換が可能である。なお、球状抜け止め部23のねじ部25との反対側部分には六角孔27を凹設しているので、貫通孔10内に六角レンチ26を挿入し、該六角レンチの26の先端部を六角孔27に嵌合させた状態で外部側からフック本体21を回転させることで、両ねじ部24,25の螺合は容易に解除されるものである。新たなフック本体1及びフック軸部22を取付けるには、上記手順と逆の手順を実行すればよい。
【0022】
次に、一例のフック付き可搬式電動工具においてフック20の装着位置の左右切替え方法について述べる。図3に示すように、フック保持部9に装着されたフック20は、貫通孔10の中心軸Cを中心とした図中のR方向に回動自在に保持されるものである。フック20の左右を切替えるには、使用者がフック本体21を掴む等して、フック20に対して、球状抜け止め部23を中心としてフック軸部22が溝部11内を一端側から他端側にまで移動しながら回転する方向(図中のP方向)に、力を加えれば良い。通常使用時に生じる程度の力ではフック保持部9は殆ど変形しないが、上記のようにP方向に大きな力を加えることで、フック保持部9に所定負荷を超える負荷がかかり、該フック保持部9は溝部11の開口幅Wがフック軸部22の幅W以上に広がるように弾性変形される。即ち、P方向に或る程度以上の力を加えることで、フック軸部22は球状抜け止め部23を支点に回転しながら溝部11の開口幅Wを押し広げて該溝部11内を通過し、180度回転した時点で、図4に点線で示すようにフック20は左右逆側に切替えられるものである。なお、上記のように左右逆側に切替えられた状態においても同様に、フック20は貫通孔10の中心軸Cを中心としたR方向に回動自在に保持される。
【0023】
図5には、フック保持部9におけるフック20の保持力を更に向上させる為に、フック保持部9の溝部11の内側面11aに弾性体15を固定した場合を示している。この場合、フック保持部9の溝部11と面する端縁部が別体の弾性体15により構成されたものとなり、溝部10の開口幅Wをフック軸部22の幅W以上に広げるには弾性体15をも弾性変形させることが要求されるので、フック20の保持力が向上する。したがって、作業中にフック本体21が周囲の部材に当る等した場合に球状抜け止め部23を支点としてフック20が簡単に浮き上がってしまうことが、防止されるものである。上記弾性体15を設けることは、フック保持部9が小型であって該フック保持部9だけでは弾性的な保持力を十分に発揮できない場合や、フック保持部9が金属であり弾性変形が殆ど期待できない場合等に有効である。
【0024】
また、図6に示すような、略C字状であり弾性変形可能な付属部材16をフック軸部22に装着することで、フック20の浮き上がりを防止することもできる。上記付属部材16は、フック本体21とフック保持部9との間に介在して両者21,9の隙間を略全周に亘って塞ぐように、フック軸部22に着脱自在に装着されるものであり、フック20を図中P方向に回転させる力が働いた場合には該フック20とフック保持部9との間で付属部材16が挟まれることで、フック20の回転は阻止される。付属部材16には摘み部17が径方向に突設されており、該摘み部17を引張れば容易に取り外し可能であるから、フック20の左右切替えには問題がない。
【0025】
上述した一例のフック付き可搬式電動工具によれば、ナットやボルトを用いることのない簡単な構造によりフック20の左右切替えが可能であり、安価での提供が可能となる。また、切替え作業もフック20に対して所定方向(図中の方向P)に力を加えるだけの簡単な作業でよく、余分な工具を使用する必要もない。しかも、フック20が不用意に浮き上がることも防止されており、特に付属部材16を装着した場合には浮き上がりは確実に防止されるので、フック20を安定的に使用することができるものである。
【0026】
次に、本発明の実施の形態における他例のフック付き可搬式電動工具について、図8〜図11に基づいて説明する。なお、他例の基本的構成は一例と略同様であるから、一例と同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、一例とは異なる特徴的な構成についてのみ、異符号を付して以下に述べる。他例のフック20のフック軸部22の基端部外周面には、全周に亘って周方向に凹凸を形成して成る係合部31を設けており(図8参照)、また、フック保持部9の貫通孔10の両端部内周面にはそれぞれ、周方向に凹凸を形成して成る係合部32を設けている(図9参照)。そして、装着状態にあるフック20のフック軸部22の係合部31が、貫通孔10の両端の係合部32の一方に係合して該係合(即ち両係合部31,32の噛合い)によりフック20が所定角度に保持されるようになっている。断面略C字状であるフック保持部9は、両係合部31,32が噛合い状態にあるフック20に対してR方向に或る程度以上の力を加えた場合には、溝部11の開口幅Wを広げるように弾性変形を生じて上記噛合いを解除するようになっているので、使用者はR方向の回動によりフック20を所望の角度に切替えて保持させることが可能なものである。
【0027】
また、図9に示すように、フック保持部9の貫通孔10の両端部に形成される係合部32はそれぞれ、該係合部32と可搬式電動工具本体1の重心Gとを結ぶ線分Sが貫通孔10の中心軸Cと交差する位置に形成してある。これにより、固定対象物19に吊り下げた状態では、可搬式電動工具本体1の自重が、フック保持部9側の係合部32をフック軸部22側の係合部31に押付ける力として作用し、多少の外力が働いてもフック20がR方向に回動しないようになっている。
【0028】
更に、他例のフック軸部22の外周面には、上記係合部31に加えて、略直方体の回転規制用凸部33を突設している。この回転規制用凸部33は、係合部31よりも先端側の部分において、周方向の幅Wがフック保持部9の溝部11の開口幅Wよりも小さくなるように形成されたものである。しかして、回転規制用凸部33がフック保持部9の溝部11内に位置するようにフック20を装着すると、フック20の回動は、回転規制用凸部33が溝部11の両側の内側面11aと当る範囲内(図10、図11に示す角度αの範囲内)に規制されるものである。
【0029】
上述した他例のフック付き可搬式電動工具によれば、使用者は状況に応じてフック20の角度を切替えることができて作業性が向上するとともに、フック20はその角度で確実に保持されるので、腰ベルト等の固定対象物19にフック20を挿入する際の挿入感や、該固定対象物19に吊り下げて歩行する際の可搬式電動工具本体1の安定感が良好であり、且つ、フック20の回動範囲は角度αの所定範囲内に規制されていて不必要な位置にまで回動することのないものとなっている。
【0030】
次に、本発明の実施の形態における別例のフック付き可搬式電動工具について、図12、図13に基づいて説明する。なお、別例の基本的構成は他例と略同様であるから、他例と同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、他例とは異なる特徴的な構成についてのみ、異符号を付して以下に述べる。別例のフック保持部9には、溝部11の中央部と略T字状に交差する第二溝部41を設けている。この第二溝部41は、左右両側方に向けて形成される溝部11の中央部から図12中の下方に向けて形成されるものであり、フック軸部22が通過し得るように、該第二溝部41の幅Wはフック軸部22の幅W以上に形成している。また、別例のフック本体21の先端部には、固定対象物19に引掛ける為の第二フック42を延設している。上記第二フック42は、フック本体21が略L字型に屈折する平面と略同一平面上にて、その先端42aをフック本体21の基端部21a側に向けるように所謂釣り針型に屈折させて成形したものである。
【0031】
しかして、別例のフック付き可搬式電動工具においては、図12に点線で示すように通常は貫通孔10の両端開口の一方からフック本体21が突出するようにフック20を装着しておき、状況に応じて、フック20の左右切替え時と同様に図中P方向に或る程度以上の力を加えながら球状抜け止め部23を支点としてフック20を溝部11内で回転させ、90度回転した時点で、今度はP方向と直交する図中P´方向に、第二溝部41内を通過するように球状抜け止め部23を支点としてフック20を回転させればよい。第二溝部41内の端にまでフック20が回転した状態で該フック20の第二フック42を固定対象物19に引掛けると、図1(a)に示したような一例や他例の吊り下げ姿勢(即ち別例における通常の吊り下げ姿勢)とは別の吊り下げ姿勢(図13参照)で、可搬式電動工具本体1を吊り下げることができるものである。
【0032】
図1(a)と図13との対比から分かるように、別例における通常の吊り下げ姿勢と別の吊り下げ姿勢とでは、固定対象物19に対する可搬式電動工具本体1の正面方向が90度若しくは270度異なっている。したがって、例えば横棒状の固定対象物19に対して可搬式電動工具本体1を吊り下げようとした場合、通常の吊り下げ姿勢では固定対象物19の長さLが図1中の長さL又はL以上であることが要求されるのに対して、別の吊り下げ姿勢であれば固定対象物19の長さLは可搬式電動工具本体1の全幅W程度あれば充分である。全幅Wは長さLやLを超えないことが通常であるから、横棒状の固定対象物19に対しては別の吊り下げ姿勢を選択した方が、より短い固定対象物19に対しても吊り下げ可能であることが分かる。また、可搬式電動工具本体1の形状寸法に応じて、通常の吊り下げ姿勢で保管する場合と別の吊り下げ姿勢で保管する場合とを適宜選択すれば、保管場所の空間を効率的に利用することや、可搬式電動工具本体1の種類を見分け易い姿勢で保管しておき視認性を向上させることが、可能となる。また、通常の吊り下げ姿勢では第二フック42が脱落防止部としても作用し、多少の外力が働いても固定対象物19からのフック20の脱落は防止されるものである。
【0033】
【発明の効果】
上記のように本発明のフック付き可搬式電動工具にあっては、所定方向に或る程度以上の力を加える簡単な操作で、溝部の開口幅を押し広げながら球状抜け止め部を支点としてフックを回転させて左右逆側に切替えることができる。そして、ボルトやナットを用いることのない簡単な構造で済むことから、上記のように左右切替え操作が容易なフック付き可搬式電動工具を、安価で提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における一例のフック付き可搬式電動工具を示しており、(a)は吊り下げ時の側面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図2】同上のフック付き可搬式電動工具の一部を分解した斜視図である。
【図3】同上のフック付き可搬式電動工具のフックの左右切替えを示す説明図である。
【図4】同上のフック付き可搬式電動工具のフックの左右切替えを示す別の説明図である。
【図5】同上のフック付き可搬式電動工具のフック保持部に弾性体を装着した状態を示す説明図である。
【図6】同上のフック付き可搬式電動工具のフック軸部に付属部材を装着した状態を示す説明図である。
【図7】同上のフック付き可搬式電動工具のフックの分解方法を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態における他例のフック付き可搬式電動工具のフックを示す斜視図である。
【図9】同上のフック付き可搬式電動工具の吊り下げ時を示す斜視図である。
【図10】同上のフック付き可搬式電動工具のフックの可動範囲を示す説明図である。
【図11】同上のフック付き可搬式電動工具のフックの可動範囲を示す別の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態における別例のフック付き可搬式電動工具の斜視図である。
【図13】同上のフック付き可搬式電動工具の吊り下げ時を示す説明図である。
【符号の説明】
1 可搬式電動工具本体
8 ハウジング
9 フック保持部
10 貫通孔
11 溝部
12 球状凹部
19 固定対象物
20 フック
21 フック本体
22 フック軸部
23 球状抜け止め部
24 ねじ部
25 ねじ部
31 係合部
32 係合部
33 回転規制用凸部
41 第二溝部
42 第二フック
C 中心軸
G 重心
S 線分
溝部の開口幅
フック軸部の幅

Claims (8)

  1. 可搬式電動工具本体と、可搬式電動工具本体のハウジングに形成されるフック保持部と、フック保持部に装着されるフックとを具備して成るフック付き可搬式電動工具において、前記フックが、固定対象物に引掛ける為のフック本体と、フック本体の基端部から延設されるフック軸部と、フック軸部の先端部から該フック軸部よりも大径となるように延設される球状抜け止め部とを備えるものであり、前記フック保持部が、フック軸部が嵌合する貫通孔と、該貫通孔の内壁の軸方向中央部をフックの球状抜け止め部が転動自在に嵌合するように凹設して成る球状凹部と、貫通孔の一端から他端に至るまでを径方向に開口させる溝部とを備えるものであり、且つ、溝部の開口幅をフック軸部の幅よりも狭く形成した前記フック保持部が、所定負荷を超える負荷がかかることで溝部の開口幅がフック軸部の幅以上に広がるように弾性変形されるものであることを特徴とするフック付き可搬式電動工具。
  2. フック軸部と、フック保持部の貫通孔とに、両者の係合によりフックを所定角度に保持する係合部を形成したことを特徴とする請求項1記載のフック付き可搬式電動工具。
  3. フック保持部の貫通孔に形成した係合部は、該係合部と可搬式電動工具本体の重心とを結ぶ線分が貫通孔の中心軸と交差する位置にあることを特徴とする請求項2記載のフック付き可搬式電動工具。
  4. フック軸部に、フック保持部の溝部内に位置するように回転規制用凸部を突設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のフック付き可搬式電動工具。
  5. フック保持部の溝部と面する端縁部を、別体の弾性体により構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のフック付き可搬式電動工具。
  6. フック本体とフック保持部との間に介在するようにフック軸部に着脱自在に装着される付属部材を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のフック付き可搬式電動工具。
  7. フック保持部に、フック軸部の通過し得る第二溝部を溝部と交差させて形成し、フック本体の先端部に、固定対象物に引掛ける為の第二フックを延設したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のフック付き可搬式電動工具。
  8. フック軸部の先端部と、球状抜け止め部とに、両者の螺合によりフック軸部と球状抜け止め部とを固定するねじ部を形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のフック付き可搬式電動工具。
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