JP2004349468A - コイル基板及び表面実装型コイル素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】インダクタンスが高く、低抵抗のコイル導体を有し、少ない工程数で作製可能なコイル基板及び表面実装型コイル素子を提供する。
【解決手段】磁気コア2と磁気コア5とを突き合わせてなり、両端部において閉じた外殻部と中央脚部とを有するコア構造体1と、中央部に透孔12を有する絶縁板11の表裏面にスパイラル状コイル導体20を形成し、表裏コンタクト部を介して表裏面のスパイラル状コイル導体20を相互に接続したコイル基板10と、前記コイル導体20に接続する外部電極とを備え、前記中央脚部が前記透孔12に入った状態で、前記コイル基板10は前記コア構造体1の内側に配置され、前記磁気コア2,5は前記中央脚部の部分においてギャップ8を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気コア2と磁気コア5とを突き合わせてなり、両端部において閉じた外殻部と中央脚部とを有するコア構造体1と、中央部に透孔12を有する絶縁板11の表裏面にスパイラル状コイル導体20を形成し、表裏コンタクト部を介して表裏面のスパイラル状コイル導体20を相互に接続したコイル基板10と、前記コイル導体20に接続する外部電極とを備え、前記中央脚部が前記透孔12に入った状態で、前記コイル基板10は前記コア構造体1の内側に配置され、前記磁気コア2,5は前記中央脚部の部分においてギャップ8を有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、民生用機器、産業用機器等の電気製品に幅広く利用されるコイル基板及び表面実装型コイル素子に係り、更に詳しくは、プリント基板回路技術、半導体回路配線技術を利用し少ない工程数でかつ低コストで作製でき、特に10kHzから20MHzの周波数範囲で用いるのに適したコイル基板及び表面実装型コイル素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の表面実装型コイル素子は、民生用機器、産業用機器等の電気製品に幅広く利用される。中でも小型携帯機器は機能の充実化にともない、各々のデバイスを駆動させるために単一の電源から複数の電圧を得る必要があり、このような電源用途等にも表面実装型コイル素子が使用されている。それらの小型携帯機器等に使用する場合の要求としては、電気的絶縁性や信頼性、超小型化、低コスト化が重視され、そのためにプリント基板回路技術、半導体回路技術を応用した平面コイル構造が提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1乃至特許文献6等が挙げられる。
【特許文献1】特開平7−142254号公報
【特許文献2】特開平11−26239号公報
【特許文献3】特開平9−153406号公報
【特許文献4】特開平11−204361号公報
【特許文献5】特開2002−353056号公報
【特許文献6】特開2002−203732号公報
【0004】
これらの技術により構成されたコイルは、絶縁性基板上にプリント基板回路技術、半導体回路技術の応用によってコイルパターンを形成したものであり、特に小型化においては従来の巻き線型構造と比較し、電気的特性や製品寸法のばらつきが少ない、大量生産による低コスト化を図れる等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コイル素子のさらなる小型、薄型化を図るためには、コイル導体の高集積化(高密度化)が必要であるが、従来のコイル構造では高集積化に限界があった。例えば、特許文献4の従来例では次記のような問題点がある。
【0006】
すなわち、はじめに下地導体層(シード層)のパターンを形成し、その後、エッチングによりレジスト及び下地導体層を除去し断面形状がきのこ型のパターンを形成するが、導体部の隙間のアスペクト比にかかわらずその幅が20μm以下になるとレジスト及び下地導体層の除去が困難になる。また、下地導体層のエッチングにおいてはパターン細り及びパターン根元部が細るために直流抵抗の増加、密着性低下によるベース基板からのパターン剥離といった問題が生じる。
【0007】
また、コイル導体に大きな電流が流れる電源等の用途では、フェライト等の磁気コアにギャップを設けるが、ギャップが高精度でばらつきが無いことが要求される。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、前記課題を解決し、インダクタンスが高く、低抵抗のコイル導体を有し、少ない工程数で作製可能なコイル基板及び表面実装型コイル素子を提供することにある。
【0009】
本発明の第2の目的は、小型、高精度で低コストで作製できる磁気コアの組み合わせからなり、高精度のギャップを内側に有しかつ外側が閉磁路構造のコア構造体を備え、高インダクタンスでばらつきが少なく、低抵抗の表面実装型コイル素子を提供することにある。
【0010】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明に係るコイル基板は、絶縁板の少なくとも一面にコイル導体を形成した構成であって、前記コイル導体が電気めっき層からなる導体部を有し、かつ導出端電極部と表裏コンタクト部を除く、隣合う導体部間の隙間が15μm以下であることを特徴としている。
【0012】
本願請求項2の発明に係るコイル基板は、請求項1において、前記絶縁板は中央部に透孔を有し、前記コイル導体は前記透孔の周囲の前記絶縁板表裏面にスパイラル状に形成され、表裏コンタクト部を介して前記絶縁板表裏面のコイル導体が相互に接続されていることを特徴としている。
【0013】
本願請求項3の発明に係るコイル基板は、請求項1又は2において、前記コイル導体のアスペクト比が0.2〜5であることを特徴としている。
【0014】
本願請求項4の発明に係るコイル基板は、請求項1,2又は3において、前記絶縁板はガラスクロスに樹脂を含浸したものであることを特徴としている。
【0015】
本願請求項5の発明に係るコイル基板は、請求項1,2,3又は4において、前記コイル導体は、直流抵抗が0.01〜10オームであることを特徴としている。
【0016】
本願請求項6の発明に係る表面実装型コイル素子は、第1の磁気コアと第2の磁気コアとを突き合わせてなり、両端部において閉じた外殻部と中央脚部とを有するコア構造体と、
中央部に透孔を有する絶縁板の表裏面にスパイラル状コイル導体を形成し、表裏コンタクト部を介して前記表裏面のスパイラル状コイル導体を相互に接続したコイル基板と、
前記コイル導体に接続する外部電極とを備え、
前記中央脚部が前記透孔に入った状態で、前記コイル基板は前記コア構造体の内側に配置され、前記第1及び第2の磁気コアは前記中央脚部の部分においてギャップを有することを特徴としている。
【0017】
本願請求項7の発明に係る表面実装型コイル素子は、請求項6において、前記第1のフェライトコアは中央脚部を有し、前記第2のフェライトコアは両端部に外側脚部を有し、該外側脚部の先端面が前記第1のフェライトコアに突き合わされていることを特徴としている。
【0018】
本願請求項8の発明に係る表面実装型コイル素子は、請求項6又は7において、前記ギャップが0.1〜100μmであることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコイル基板及び表面実装型コイル素子の実施の形態を図面に従って説明する。
【0020】
図1乃至図3は本発明に係るコイル基板及び表面実装型コイル素子の実施の形態を示し、図4は実施の形態において使用するコア構造体、図5はコイル基板、図6はコイル基板において形成するコイル導体の製造工程を示す。
【0021】
これらの図において、表面実装型コイル素子は、コア構造体1と、その内部に配設されたコイル基板10と、コイル基板10の両面に形成されたコイル導体20の導出端が接続される外部端子電極40とを備えている。図3のように、外部端子電極40はコア構造体1の両端部に断面コの字状にそれぞれ形成されている。
【0022】
図4のように、前記コア構造体1は磁気コアとしてのT型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5とからなっている。T型フェライトコア2は平板部3の中央部に中央脚部(角柱凸部)4が形成されたものであり、コの字型フェライトコア5は平板部6の両端部に外側脚部7を形成したものであり、T型フェライトコア2の平板部3にコの字型フェライトコア5の外側脚部7の先端面を突き合わせることで実質的に閉磁路となった外殻部(平板部3,6及び外側脚部7)が構成されるとともに、外殻部の内側に中央脚部4が配されることになる。
【0023】
ここで、外側脚部7よりも中央脚部4を僅かに短く形成しておくことで、中央脚部4の先端面と平板部6との間に微小ギャップ8を形成することができる。このギャップ8はコイル基板10のコイル導体20に流れる電流でフェライトコア2,5が磁気飽和するのを防止するためであり、コア構造体1の外形寸法が超小型(一辺が数mm以下の直方体状)であるため、ギャップ8は好ましくは0.1〜100μm、最も好ましくは0.1〜50μmに設定される。なお、ギャップ8を0.1μm未満とすることは、コア加工精度上困難であり、また100μmを超えるとギャップ過大となりコイルのインダクタンスが減少するきらいがある。
【0024】
前記T型フェライトコア2及びコの字型フェライトコア5の形成は、所定厚みのフェライト基板をダイヤモンドホイール砥石等の砥石を用いた高精度スライサーで研削加工し、中央脚部4や外側脚部7を残して不要部分の肉厚を薄く研削することにより行う。
【0025】
前記フェライトコア2,5を作製するためのフェライト基板は、少なくとも酸化鉄及び酸化ニッケルを含む主成分と、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化リン及び酸化ホウ素の1種又は2種以上からなる添加物と、酸化シリコンからなる第1副成分と、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム及び酸化ストロンチウムの1種又は2種以上からなる第2副成分とを含有するものであって、主成分に対する比率は、添加物が0.5〜15重量%、第1副成分及び第2副成分がそれぞれ0.1〜10.0重量%である。以下に好ましい主成分の組成(重量%)の1例を示す。
Fe2O3:66%
CuO :3%
ZnO :20%
NiO :11%
【0026】
前記コイル基板10は、中央部に透孔12を有する絶縁板11の表裏面にスパイラル状のコイル導体20を形成したものであり、透孔12の周縁部に形成された表裏コンタクト部15(例えばコンタクトホール)を介して前記絶縁板表裏面のコイル導体20(図5で裏面側のコイル導体の周回方向は表側と同じ)が相互に接続されている。表側、裏側のコイル導体20は、絶縁板の一方及び他方の端部の導出端電極部21にそれぞれ接続している。
【0027】
前記コイル導体20は図6の手順で作製される。まず、図6(A)のように絶縁板11の表裏面に下地導体層(シード層)30を無電解めっきにて形成し、その上に、フォトレジスト31を電着成膜し、フォトリソグラフィ法でコイル導体の形成パターンに対応した選択めっき用マスクレジストを形成する。そして、フォトレジスト31をめっきマスクとして下地導体層30が露出する部分に選択的に電気(電解)めっき法によりコイル導体用電気めっき層32を電着形成させる。但し、図6(A)の工程ではコイル導体用電気めっき層32の厚みはまだ小さい。
【0028】
次に、図6(B)のように前記めっきマスクとしてのフォトレジスト31を取り除いた上で、コイル導体用電気めっき層32が形成されている部分以外の下地導体層30をエッチングして除去する。
【0029】
その後、図6(C)のように、選択めっきマスク無しで電気めっき法によりコイル導体用電気めっき層32を電着により更に成長形成させる。これにより、電気めっき層32からなる十分な肉厚の導体部が得られ、隣り合う導体部間の隙間Gが15μm以下になるまで高密度に電気めっき層32を成長形成させることができる。
【0030】
コイル導体用電気めっき層32の形成完了によりコイル導体20を絶縁板11の両面に形成し終えた後、図6(D)のように、保護樹脂層(ソルダーレジスト)33を絶縁板11の表裏面に印刷し、保護樹脂層33でコイル導体20を被覆して保護することでコイル基板10が完成する。
【0031】
このコイル基板10は、コイル導体用電気めっき層32の隣り合う導体部間の隙間Gが15μm以下になるまで、高密度に電気めっき層32を成長形成させたコイル導体20を両面に有するものであり、またコイル導体20のアスペクト比(導体部の高さ/幅)も0.2〜5程度に高く設定可能であるため、直流抵抗を0.01〜10オーム程度にまで低下させることができ、コイル導体20の電流が大きい電源用のコイル素子への適用が可能である。なお、直流抵抗を0.01オーム未満に設定することは小型コイル素子では実現困難であり、10オームを超えるとコイル導体20の電流による発熱が問題になる。また、アスペクト比が0.2未満ではコイル導体20の直流抵抗が大きくなり、アスペクト比が5を超えると電気めっき時間の増大、コイル導体20の形状のばらつき増加等の問題が発生するため、好ましくない。
【0032】
上記のようにコイル基板10を作製した後、図1のようにコイル基板10側の透孔12にT型フェライトコア2の中央脚部4が入った状態として、コイル基板10をT型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5の内側に配置し、エポキシ系樹脂等の接着剤35でT型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5とを突き合わせ状態にてコア構造体1として接着一体化する。
【0033】
その後、図2のコイル基板10の導出端電極部21の露出部分を含むコア構造体1の両端部をコの字状に囲むように一対の外部端子電極40を図3のように形成する。外部端子電極40の作製は、Cr,Cu導体層をマスクスパッタで順次形成後、バレルめっきによりCu,Ni,Snの順に電気めっき層を形成することで行う。これにより、前記導出端電極部21に接続した(換言すればコイル導体20に接続した)外部端子電極40が得られる。
【0034】
なお、図6の工程において、絶縁板11は薄型で充分な強度を持たせるために、ガラスクロスにBTレジン、ポリイミド、アラミド等の樹脂を含浸したものであることが好ましい。また、前記樹脂の誘電率は、浮遊容量の増大を回避するために7以下のものを選定する。前記絶縁板11としてセラミックも使用可能であるが、この場合にも浮遊容量の増大を回避するために誘電率が7以下のものを選定する。
【0035】
また、下地導体層30の金属材料にCuを採用し、さらにコイル導体用電気めっき層32の金属材料にもCuを採用するのが導電率、コストの点で好ましいが、AgあるいはNiを採用することも可能である。
【0036】
なお、外部端子電極40は、Ag又はCu等の導体ペーストの塗布、硬化処理により形成してもよい。
【0037】
また、両端部において閉じた外殻部と中央脚部とを有するコア構造体を、高精度スライサーによるフェライト基板の研削加工で作製する場合、量産上の低コスト化を図る上で、T字型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5を組み合わせた実施の形態の閉磁路構造が最も望ましいが、このコア構造体は必ずしもこの閉磁路構造に限定されるものではない。
【0038】
この第1の実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0039】
(1) コイル基板10のコイル導体20は、電気めっきを用いて絶縁板11の両面にパターン形成しており、コイル導体20を高密度に形成できるため(隣り合う導体部間の隙間Gを15μm以下にできるため)、コイル導体20の直流抵抗を低減できる。この結果、優れた電気的信頼性の安価で高アスペクト比のコイル導体20を形成することができる。
【0040】
(2) コア構造体1のT型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5は、所定厚みのフェライト基板をダイヤモンドホイール砥石等の砥石を用いた高精度スライサーで研削加工し、中央脚部4や外側脚部7を残して不要部分の肉厚を薄く研削することにより作製でき、これらのコアを組み合わせることで、高精度かつ製品間ばらつきの少ないギャップ8及び閉磁路構造を実現できる。
【0041】
(3) 小型、低背型の表面実装型コイル素子を、安価なプロセスにより、高精度な製品寸法で作製でき、コイル導体20が低抵抗でありかつコア構造体1が高精度のギャップ8を有することから、10kHz〜20MHzの電源用コイル素子(例えば、昇圧用コイル素子)として好適に利用できる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明に係るコイル基板及び表面実装型コイル素子を実施例で詳述する。
【0043】
コンタクトホール及び中央脚部貫通用の透孔が加工された厚みが60μmのガラスクロス基板(ガラスクロスにBTレジンを含浸した基板)に対して、その上下面に厚さ0.1〜1μmのCu膜を無電解めっきして下地導体層とした。次に、感光性電着レジストを成膜しフォトリソグラフィーによりコイル導体となるスパイラルのパターンをガラスクロス基板の両面に形成し、電流密度15A/dm2以下において約20分間の電気めっきを行い、高さ35μm、幅35μmのCu導体パターンを形成した。選択めっき用マスクレジストを剥離後、下地導体層をエッチングし所定の電流プロファイルで2回目の電気めっきを行い高さ75μm、幅65μmのCu導体パターンを形成した。この表面にCuの黒化処理を施し、その表面をソルダーインキレジストでコーティングし、スパイラルパターンのコイル導体が整列したウエハ(コイル基板の集合体)を作製した。更に、フェライト基板への組込みにおいて不要となる部分を高精度スライサーを用いてスリット状に切り取った。
【0044】
次に、ダイヤモンドホイール砥石を用いて厚み0.77mmのフェライト基板に、一つにはT型フェライトコアとなる凸状パターンを、更にもう一つにはコの字型フェライトコアとなる凹状パターンを高精度スライサーによりそれぞれ形成した。
【0045】
これらの加工されたスパイラルパターンのコイル導体を有するコイル基板の集合体及びT型及びコの字型のフェライトコアの集合体をエポキシ系の接着剤を用いて150℃雰囲気の中で加圧しながら接着をした。接着された基板のT型フェライトコア背板部分を高精度スライサーにより0.77mmの厚みまで平坦に研削した後、ダイサーによりチップ化を行い各々の素子を作製した。
【0046】
その後、回路接続用のユーザー端子となる外部端子電極を形成するため、バレル研磨を行った後に、端子面のCu(導出端電極部)をウェット処理とドライ処理の両方を利用して洗浄し、マスクスパッタ法によりCr及びCuを連続的に成膜した。これにCu、Ni、Snのバレルめっきを施し製品サイズ縦3mm×横2.6mm×高さ0.8mmの表面実装型コイル素子を作製することができた。
【0047】
同様にして、製品サイズ縦4mm×横4mm×高さ1mmの表面実装型コイル素子を作製することができた。
【0048】
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インダクタンスが高く、低抵抗のコイル導体を有し、少ない工程数で作製可能なコイル基板及び表面実装型コイル素子を実現できる。
【0050】
また、小型、高精度で低コストで作製できる磁気コアの組み合わせからなり、高精度のギャップを内側に有しかつ外側が閉磁路構造のコア構造体を用いることで、インダクタンスのばらつきを抑えて更なるインダクタンスの増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイル基板及び表面実装型コイル素子の実施の形態であって、中央部を断面で示す外部端子電極形成前の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、端部構造を示す外部端子電極形成前の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、外部端子電極形成後の外観を示す斜視図である。
【図4】実施の形態で用いるコア構造体の分解斜視図である。
【図5】実施の形態で用いるコイル基板の平面図である。
【図6】前記コイル基板の製造工程図である。
【符号の説明】
1 コア構造体
2 T型フェライトコア
3,6 平板部
4 中央脚部
5 コの字型フェライトコア
7 外側脚部
8 微小ギャップ
10 コイル基板
11 絶縁板
12 透孔
15 表裏コンタクト部
20 コイル導体
21 導出端電極部
30 下地導体層
31 フォトレジスト
32 電気めっき層
33 保護樹脂層
35 接着剤
40 外部端子電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、民生用機器、産業用機器等の電気製品に幅広く利用されるコイル基板及び表面実装型コイル素子に係り、更に詳しくは、プリント基板回路技術、半導体回路配線技術を利用し少ない工程数でかつ低コストで作製でき、特に10kHzから20MHzの周波数範囲で用いるのに適したコイル基板及び表面実装型コイル素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の表面実装型コイル素子は、民生用機器、産業用機器等の電気製品に幅広く利用される。中でも小型携帯機器は機能の充実化にともない、各々のデバイスを駆動させるために単一の電源から複数の電圧を得る必要があり、このような電源用途等にも表面実装型コイル素子が使用されている。それらの小型携帯機器等に使用する場合の要求としては、電気的絶縁性や信頼性、超小型化、低コスト化が重視され、そのためにプリント基板回路技術、半導体回路技術を応用した平面コイル構造が提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1乃至特許文献6等が挙げられる。
【特許文献1】特開平7−142254号公報
【特許文献2】特開平11−26239号公報
【特許文献3】特開平9−153406号公報
【特許文献4】特開平11−204361号公報
【特許文献5】特開2002−353056号公報
【特許文献6】特開2002−203732号公報
【0004】
これらの技術により構成されたコイルは、絶縁性基板上にプリント基板回路技術、半導体回路技術の応用によってコイルパターンを形成したものであり、特に小型化においては従来の巻き線型構造と比較し、電気的特性や製品寸法のばらつきが少ない、大量生産による低コスト化を図れる等の利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コイル素子のさらなる小型、薄型化を図るためには、コイル導体の高集積化(高密度化)が必要であるが、従来のコイル構造では高集積化に限界があった。例えば、特許文献4の従来例では次記のような問題点がある。
【0006】
すなわち、はじめに下地導体層(シード層)のパターンを形成し、その後、エッチングによりレジスト及び下地導体層を除去し断面形状がきのこ型のパターンを形成するが、導体部の隙間のアスペクト比にかかわらずその幅が20μm以下になるとレジスト及び下地導体層の除去が困難になる。また、下地導体層のエッチングにおいてはパターン細り及びパターン根元部が細るために直流抵抗の増加、密着性低下によるベース基板からのパターン剥離といった問題が生じる。
【0007】
また、コイル導体に大きな電流が流れる電源等の用途では、フェライト等の磁気コアにギャップを設けるが、ギャップが高精度でばらつきが無いことが要求される。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、前記課題を解決し、インダクタンスが高く、低抵抗のコイル導体を有し、少ない工程数で作製可能なコイル基板及び表面実装型コイル素子を提供することにある。
【0009】
本発明の第2の目的は、小型、高精度で低コストで作製できる磁気コアの組み合わせからなり、高精度のギャップを内側に有しかつ外側が閉磁路構造のコア構造体を備え、高インダクタンスでばらつきが少なく、低抵抗の表面実装型コイル素子を提供することにある。
【0010】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明に係るコイル基板は、絶縁板の少なくとも一面にコイル導体を形成した構成であって、前記コイル導体が電気めっき層からなる導体部を有し、かつ導出端電極部と表裏コンタクト部を除く、隣合う導体部間の隙間が15μm以下であることを特徴としている。
【0012】
本願請求項2の発明に係るコイル基板は、請求項1において、前記絶縁板は中央部に透孔を有し、前記コイル導体は前記透孔の周囲の前記絶縁板表裏面にスパイラル状に形成され、表裏コンタクト部を介して前記絶縁板表裏面のコイル導体が相互に接続されていることを特徴としている。
【0013】
本願請求項3の発明に係るコイル基板は、請求項1又は2において、前記コイル導体のアスペクト比が0.2〜5であることを特徴としている。
【0014】
本願請求項4の発明に係るコイル基板は、請求項1,2又は3において、前記絶縁板はガラスクロスに樹脂を含浸したものであることを特徴としている。
【0015】
本願請求項5の発明に係るコイル基板は、請求項1,2,3又は4において、前記コイル導体は、直流抵抗が0.01〜10オームであることを特徴としている。
【0016】
本願請求項6の発明に係る表面実装型コイル素子は、第1の磁気コアと第2の磁気コアとを突き合わせてなり、両端部において閉じた外殻部と中央脚部とを有するコア構造体と、
中央部に透孔を有する絶縁板の表裏面にスパイラル状コイル導体を形成し、表裏コンタクト部を介して前記表裏面のスパイラル状コイル導体を相互に接続したコイル基板と、
前記コイル導体に接続する外部電極とを備え、
前記中央脚部が前記透孔に入った状態で、前記コイル基板は前記コア構造体の内側に配置され、前記第1及び第2の磁気コアは前記中央脚部の部分においてギャップを有することを特徴としている。
【0017】
本願請求項7の発明に係る表面実装型コイル素子は、請求項6において、前記第1のフェライトコアは中央脚部を有し、前記第2のフェライトコアは両端部に外側脚部を有し、該外側脚部の先端面が前記第1のフェライトコアに突き合わされていることを特徴としている。
【0018】
本願請求項8の発明に係る表面実装型コイル素子は、請求項6又は7において、前記ギャップが0.1〜100μmであることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコイル基板及び表面実装型コイル素子の実施の形態を図面に従って説明する。
【0020】
図1乃至図3は本発明に係るコイル基板及び表面実装型コイル素子の実施の形態を示し、図4は実施の形態において使用するコア構造体、図5はコイル基板、図6はコイル基板において形成するコイル導体の製造工程を示す。
【0021】
これらの図において、表面実装型コイル素子は、コア構造体1と、その内部に配設されたコイル基板10と、コイル基板10の両面に形成されたコイル導体20の導出端が接続される外部端子電極40とを備えている。図3のように、外部端子電極40はコア構造体1の両端部に断面コの字状にそれぞれ形成されている。
【0022】
図4のように、前記コア構造体1は磁気コアとしてのT型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5とからなっている。T型フェライトコア2は平板部3の中央部に中央脚部(角柱凸部)4が形成されたものであり、コの字型フェライトコア5は平板部6の両端部に外側脚部7を形成したものであり、T型フェライトコア2の平板部3にコの字型フェライトコア5の外側脚部7の先端面を突き合わせることで実質的に閉磁路となった外殻部(平板部3,6及び外側脚部7)が構成されるとともに、外殻部の内側に中央脚部4が配されることになる。
【0023】
ここで、外側脚部7よりも中央脚部4を僅かに短く形成しておくことで、中央脚部4の先端面と平板部6との間に微小ギャップ8を形成することができる。このギャップ8はコイル基板10のコイル導体20に流れる電流でフェライトコア2,5が磁気飽和するのを防止するためであり、コア構造体1の外形寸法が超小型(一辺が数mm以下の直方体状)であるため、ギャップ8は好ましくは0.1〜100μm、最も好ましくは0.1〜50μmに設定される。なお、ギャップ8を0.1μm未満とすることは、コア加工精度上困難であり、また100μmを超えるとギャップ過大となりコイルのインダクタンスが減少するきらいがある。
【0024】
前記T型フェライトコア2及びコの字型フェライトコア5の形成は、所定厚みのフェライト基板をダイヤモンドホイール砥石等の砥石を用いた高精度スライサーで研削加工し、中央脚部4や外側脚部7を残して不要部分の肉厚を薄く研削することにより行う。
【0025】
前記フェライトコア2,5を作製するためのフェライト基板は、少なくとも酸化鉄及び酸化ニッケルを含む主成分と、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化リン及び酸化ホウ素の1種又は2種以上からなる添加物と、酸化シリコンからなる第1副成分と、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム及び酸化ストロンチウムの1種又は2種以上からなる第2副成分とを含有するものであって、主成分に対する比率は、添加物が0.5〜15重量%、第1副成分及び第2副成分がそれぞれ0.1〜10.0重量%である。以下に好ましい主成分の組成(重量%)の1例を示す。
Fe2O3:66%
CuO :3%
ZnO :20%
NiO :11%
【0026】
前記コイル基板10は、中央部に透孔12を有する絶縁板11の表裏面にスパイラル状のコイル導体20を形成したものであり、透孔12の周縁部に形成された表裏コンタクト部15(例えばコンタクトホール)を介して前記絶縁板表裏面のコイル導体20(図5で裏面側のコイル導体の周回方向は表側と同じ)が相互に接続されている。表側、裏側のコイル導体20は、絶縁板の一方及び他方の端部の導出端電極部21にそれぞれ接続している。
【0027】
前記コイル導体20は図6の手順で作製される。まず、図6(A)のように絶縁板11の表裏面に下地導体層(シード層)30を無電解めっきにて形成し、その上に、フォトレジスト31を電着成膜し、フォトリソグラフィ法でコイル導体の形成パターンに対応した選択めっき用マスクレジストを形成する。そして、フォトレジスト31をめっきマスクとして下地導体層30が露出する部分に選択的に電気(電解)めっき法によりコイル導体用電気めっき層32を電着形成させる。但し、図6(A)の工程ではコイル導体用電気めっき層32の厚みはまだ小さい。
【0028】
次に、図6(B)のように前記めっきマスクとしてのフォトレジスト31を取り除いた上で、コイル導体用電気めっき層32が形成されている部分以外の下地導体層30をエッチングして除去する。
【0029】
その後、図6(C)のように、選択めっきマスク無しで電気めっき法によりコイル導体用電気めっき層32を電着により更に成長形成させる。これにより、電気めっき層32からなる十分な肉厚の導体部が得られ、隣り合う導体部間の隙間Gが15μm以下になるまで高密度に電気めっき層32を成長形成させることができる。
【0030】
コイル導体用電気めっき層32の形成完了によりコイル導体20を絶縁板11の両面に形成し終えた後、図6(D)のように、保護樹脂層(ソルダーレジスト)33を絶縁板11の表裏面に印刷し、保護樹脂層33でコイル導体20を被覆して保護することでコイル基板10が完成する。
【0031】
このコイル基板10は、コイル導体用電気めっき層32の隣り合う導体部間の隙間Gが15μm以下になるまで、高密度に電気めっき層32を成長形成させたコイル導体20を両面に有するものであり、またコイル導体20のアスペクト比(導体部の高さ/幅)も0.2〜5程度に高く設定可能であるため、直流抵抗を0.01〜10オーム程度にまで低下させることができ、コイル導体20の電流が大きい電源用のコイル素子への適用が可能である。なお、直流抵抗を0.01オーム未満に設定することは小型コイル素子では実現困難であり、10オームを超えるとコイル導体20の電流による発熱が問題になる。また、アスペクト比が0.2未満ではコイル導体20の直流抵抗が大きくなり、アスペクト比が5を超えると電気めっき時間の増大、コイル導体20の形状のばらつき増加等の問題が発生するため、好ましくない。
【0032】
上記のようにコイル基板10を作製した後、図1のようにコイル基板10側の透孔12にT型フェライトコア2の中央脚部4が入った状態として、コイル基板10をT型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5の内側に配置し、エポキシ系樹脂等の接着剤35でT型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5とを突き合わせ状態にてコア構造体1として接着一体化する。
【0033】
その後、図2のコイル基板10の導出端電極部21の露出部分を含むコア構造体1の両端部をコの字状に囲むように一対の外部端子電極40を図3のように形成する。外部端子電極40の作製は、Cr,Cu導体層をマスクスパッタで順次形成後、バレルめっきによりCu,Ni,Snの順に電気めっき層を形成することで行う。これにより、前記導出端電極部21に接続した(換言すればコイル導体20に接続した)外部端子電極40が得られる。
【0034】
なお、図6の工程において、絶縁板11は薄型で充分な強度を持たせるために、ガラスクロスにBTレジン、ポリイミド、アラミド等の樹脂を含浸したものであることが好ましい。また、前記樹脂の誘電率は、浮遊容量の増大を回避するために7以下のものを選定する。前記絶縁板11としてセラミックも使用可能であるが、この場合にも浮遊容量の増大を回避するために誘電率が7以下のものを選定する。
【0035】
また、下地導体層30の金属材料にCuを採用し、さらにコイル導体用電気めっき層32の金属材料にもCuを採用するのが導電率、コストの点で好ましいが、AgあるいはNiを採用することも可能である。
【0036】
なお、外部端子電極40は、Ag又はCu等の導体ペーストの塗布、硬化処理により形成してもよい。
【0037】
また、両端部において閉じた外殻部と中央脚部とを有するコア構造体を、高精度スライサーによるフェライト基板の研削加工で作製する場合、量産上の低コスト化を図る上で、T字型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5を組み合わせた実施の形態の閉磁路構造が最も望ましいが、このコア構造体は必ずしもこの閉磁路構造に限定されるものではない。
【0038】
この第1の実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0039】
(1) コイル基板10のコイル導体20は、電気めっきを用いて絶縁板11の両面にパターン形成しており、コイル導体20を高密度に形成できるため(隣り合う導体部間の隙間Gを15μm以下にできるため)、コイル導体20の直流抵抗を低減できる。この結果、優れた電気的信頼性の安価で高アスペクト比のコイル導体20を形成することができる。
【0040】
(2) コア構造体1のT型フェライトコア2とコの字型フェライトコア5は、所定厚みのフェライト基板をダイヤモンドホイール砥石等の砥石を用いた高精度スライサーで研削加工し、中央脚部4や外側脚部7を残して不要部分の肉厚を薄く研削することにより作製でき、これらのコアを組み合わせることで、高精度かつ製品間ばらつきの少ないギャップ8及び閉磁路構造を実現できる。
【0041】
(3) 小型、低背型の表面実装型コイル素子を、安価なプロセスにより、高精度な製品寸法で作製でき、コイル導体20が低抵抗でありかつコア構造体1が高精度のギャップ8を有することから、10kHz〜20MHzの電源用コイル素子(例えば、昇圧用コイル素子)として好適に利用できる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明に係るコイル基板及び表面実装型コイル素子を実施例で詳述する。
【0043】
コンタクトホール及び中央脚部貫通用の透孔が加工された厚みが60μmのガラスクロス基板(ガラスクロスにBTレジンを含浸した基板)に対して、その上下面に厚さ0.1〜1μmのCu膜を無電解めっきして下地導体層とした。次に、感光性電着レジストを成膜しフォトリソグラフィーによりコイル導体となるスパイラルのパターンをガラスクロス基板の両面に形成し、電流密度15A/dm2以下において約20分間の電気めっきを行い、高さ35μm、幅35μmのCu導体パターンを形成した。選択めっき用マスクレジストを剥離後、下地導体層をエッチングし所定の電流プロファイルで2回目の電気めっきを行い高さ75μm、幅65μmのCu導体パターンを形成した。この表面にCuの黒化処理を施し、その表面をソルダーインキレジストでコーティングし、スパイラルパターンのコイル導体が整列したウエハ(コイル基板の集合体)を作製した。更に、フェライト基板への組込みにおいて不要となる部分を高精度スライサーを用いてスリット状に切り取った。
【0044】
次に、ダイヤモンドホイール砥石を用いて厚み0.77mmのフェライト基板に、一つにはT型フェライトコアとなる凸状パターンを、更にもう一つにはコの字型フェライトコアとなる凹状パターンを高精度スライサーによりそれぞれ形成した。
【0045】
これらの加工されたスパイラルパターンのコイル導体を有するコイル基板の集合体及びT型及びコの字型のフェライトコアの集合体をエポキシ系の接着剤を用いて150℃雰囲気の中で加圧しながら接着をした。接着された基板のT型フェライトコア背板部分を高精度スライサーにより0.77mmの厚みまで平坦に研削した後、ダイサーによりチップ化を行い各々の素子を作製した。
【0046】
その後、回路接続用のユーザー端子となる外部端子電極を形成するため、バレル研磨を行った後に、端子面のCu(導出端電極部)をウェット処理とドライ処理の両方を利用して洗浄し、マスクスパッタ法によりCr及びCuを連続的に成膜した。これにCu、Ni、Snのバレルめっきを施し製品サイズ縦3mm×横2.6mm×高さ0.8mmの表面実装型コイル素子を作製することができた。
【0047】
同様にして、製品サイズ縦4mm×横4mm×高さ1mmの表面実装型コイル素子を作製することができた。
【0048】
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インダクタンスが高く、低抵抗のコイル導体を有し、少ない工程数で作製可能なコイル基板及び表面実装型コイル素子を実現できる。
【0050】
また、小型、高精度で低コストで作製できる磁気コアの組み合わせからなり、高精度のギャップを内側に有しかつ外側が閉磁路構造のコア構造体を用いることで、インダクタンスのばらつきを抑えて更なるインダクタンスの増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコイル基板及び表面実装型コイル素子の実施の形態であって、中央部を断面で示す外部端子電極形成前の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、端部構造を示す外部端子電極形成前の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、外部端子電極形成後の外観を示す斜視図である。
【図4】実施の形態で用いるコア構造体の分解斜視図である。
【図5】実施の形態で用いるコイル基板の平面図である。
【図6】前記コイル基板の製造工程図である。
【符号の説明】
1 コア構造体
2 T型フェライトコア
3,6 平板部
4 中央脚部
5 コの字型フェライトコア
7 外側脚部
8 微小ギャップ
10 コイル基板
11 絶縁板
12 透孔
15 表裏コンタクト部
20 コイル導体
21 導出端電極部
30 下地導体層
31 フォトレジスト
32 電気めっき層
33 保護樹脂層
35 接着剤
40 外部端子電極
Claims (8)
- 絶縁板の少なくとも一面にコイル導体を形成したコイル基板であって、前記コイル導体が電気めっき層からなる導体部を有し、かつ導出端電極部と表裏コンタクト部を除く、隣合う導体部間の隙間が15μm以下であることを特徴とするコイル基板。
- 前記絶縁板は中央部に透孔を有し、前記コイル導体は前記透孔の周囲の前記絶縁板表裏面にスパイラル状に形成され、表裏コンタクト部を介して前記絶縁板表裏面のコイル導体が相互に接続されている請求項1記載のコイル基板。
- 前記コイル導体のアスペクト比が0.2〜5である請求項1又は2記載のコイル基板。
- 前記絶縁板はガラスクロスに樹脂を含浸したものである請求項1,2又は3記載のコイル基板。
- 前記コイル導体は、直流抵抗が0.01〜10オームである請求項1,2,3又は4記載のコイル基板。
- 第1の磁気コアと第2の磁気コアとを突き合わせてなり、両端部において閉じた外殻部と中央脚部とを有するコア構造体と、
中央部に透孔を有する絶縁板の表裏面にスパイラル状コイル導体を形成し、表裏コンタクト部を介して前記表裏面のスパイラル状コイル導体を相互に接続したコイル基板と、
前記コイル導体に接続する外部電極とを備え、
前記中央脚部が前記透孔に入った状態で、前記コイル基板は前記コア構造体の内側に配置され、前記第1及び第2の磁気コアは前記中央脚部の部分においてギャップを有することを特徴とする表面実装型コイル素子。 - 前記第1のフェライトコアは中央脚部を有し、前記第2のフェライトコアは両端部に外側脚部を有し、該外側脚部の先端面が前記第1のフェライトコアに突き合わされている請求項6記載の表面実装型コイル素子。
- 前記ギャップが0.1〜100μmである請求項6又は7記載の表面実装型コイル素子。
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