JP2004349437A - フレキシブル基板の接合構造及びフレキシブル基板の接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】汎用性が高く、接合信頼性及び接合作業性も良好な接合に関する技術を提供する。
【解決手段】ランド部2におけるFPC1及び電極端子5にそれぞれ貫通孔1a,5aを設け、ランド部2におけるFPC1及び電極端子5のそれぞれの貫通孔1a,5aを重ねた孔内にリベット6の軸部6bを差し込み、差し込まれたリベット6の軸部6bの先端をかしめて、ランド部2におけるFPC1及び電極端子5を挟持して接合した。
【選択図】 図1
【解決手段】ランド部2におけるFPC1及び電極端子5にそれぞれ貫通孔1a,5aを設け、ランド部2におけるFPC1及び電極端子5のそれぞれの貫通孔1a,5aを重ねた孔内にリベット6の軸部6bを差し込み、差し込まれたリベット6の軸部6bの先端をかしめて、ランド部2におけるFPC1及び電極端子5を挟持して接合した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用等のフレキシブルプリント基板を端子へ接合する接合構造及び接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用電気配線におけるATソレノイド、ABSソレノイド等のソレノイドへの配線の接合方法としては、一般にケーブルとコネクタが使用されていた。しかし、複数個のソレノイドの結線に対しケーブルとコネクタを複数個分だけ各々用意して結線を行うことは、複数個分の結線を行わなければならず、煩雑で作業性が悪いものであった。
【0003】
そこで、複数個分の配線を一括して扱うフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)による一括配線が提案されている。FPCによれば、煩雑配線の簡略化、配線部品の軽量化並びに回路基板との一体化及び回路基板との一体化による小型化が実現できる。
【0004】
このFPCを用いた場合のFPCと端子との接合には、専用コネクタによる接合やピンヘッダーによる接合が使用されることが多かった。
【0005】
例えば、専用コネクタによる接合には、図5に示すものがある。図5(a)は専用コネクタ装着後状態を示し、図5(b)は専用コネクタ装着前状態を示している。図5では、FPC101を押さえバネ105の形状に合わせて内側にランド部102が向くように折り曲げ、FPC101を折り曲げた囲みの中に凸状のハウジング106を配置し、FPC101とハウジング106との2つの間に端子107aが二股に突出した雄コネクタ107を突き刺す。これにより、押さえバネ105が外側からFPC101を内側へ押圧してFPC101のランド部102が雄コネクタ107の端子107aに押し付けられることで導電性を確保して接合されている。
【0006】
また、ピンヘッダーによる接合には、図6に示すものがある。図6(a)はピンヘッダーによる接合構造の上視を示し、図6(b)はピンヘッダーによる接合構造の断面を示している。図6では、ソレノイド104から電極端子であるピンヘッダー108が突出しており、この突出したピンヘッダー108がFPC101のランド部102位置に設けられた貫通孔101aに差し込まれ、FPC101表面に露出したランド部102とピンヘッダー108とをはんだ付けする。これにより、はんだ部109がFPC101のランド部102とピンヘッダー108との導電性を確保して接合されている。ランド部102にはFPC101内の導体部103が導電性を有してつながっており、導体部103を有するFPC101が水平方向へ延出されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示す専用コネクタによる接合では、形状等が規格化し難く、専用設計品になってしまい汎用性がなかった。
【0008】
一方、図6に示すピンヘッダーによる接合では、ヒートショックやヒートサイクル等ではんだ付け箇所にクラックが入る不具合が発生し、接合信頼性に欠ける問題があった。また、導電性を確保するためのはんだ付けについては接合作業性が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は上記従来技術に鑑みてなされてもので、その目的は、汎用性が高く、接合信頼性及び接合作業性も良好な接合に関する技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、振動、汎用性、接合信頼性を含む信頼性、生産性向上に通じる接合作業性等を考慮して想起されたもので、リベットを用いてフレキシブル基板と端子とを接合するものであって、詳しくはリベットの軸部の軸方向両端部となるヘッド部とかしめ部とでフレキシブル基板及び端子を挟持して接合するものである。
【0011】
上記の着想を具現化する本発明の構成は、フレキシブル基板の接合構造として成立し、絶縁フィルム内に導体部を有するフレキシブル基板の露出したランド部を端子に接続するフレキシブル基板の接合構造であって、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子にそれぞれ貫通孔を設け、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子のそれぞれの貫通孔を重ねた孔内にリベットの軸部を差し込み、差し込まれたリベットの軸部の先端をかしめて、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子を挟持して接合したことを特徴とする。
【0012】
本発明であると、ランド部におけるフレキシブル基板及び端子をリベットによって挟持でき、ランド部が端子に接触して接合するので、ランド部と端子との安定した導電性を確保することができる。
【0013】
また、リベットを用いるだけの構成であり、種々の製品に用いることができ、汎用性が高い。
【0014】
さらに、リベットでランド部と端子とを直接押圧するので、導電性も確保でき、接合信頼性も良好で、製品の信頼性を高めることができる。
【0015】
さらにまた、フレキシブル基板及び端子の貫通孔へ差し込んだリベットをかしめるだけの作業であり、加熱作業等も必要無く、接合作業も良好で、製造容易なことから生産性を向上できる。
【0016】
なお、本発明は、例えばATソレノイドのアクチュエータ電極端子、ABSソレノイドのアクチュエータ電極端子、各種センサの電極端子、電源端子等の端子とフレキシブル基板(FPC)との接合に用いることができる。
【0017】
前記端子と共に前記ランド部におけるフレキシブル基板を挟み込む座金を備えたことが好適である。
【0018】
この構成では、リベットのヘッド部又はかしめ部とフレキシブル基板との間に座金が介在するので、フレキシブル基板がリベットのヘッド部又はかしめ部で押圧されて破損することが防止できる。また、座金はリベットのヘッド部又はかしめ部よりもフレキシブル基板よりも接触面積が大きいので、接合のためのランド部におけるフレキシブル基板及び端子の挟持の際の押圧面積を大きくして接合を良好にすることができる。
【0019】
リベットは、軸部を前記端子に最後に差し込む方向から差し込まれることが好適である。
【0020】
この構成では、リベットのかしめが端子に対して行え、端子が通常金属製で剛性を有することから、かしめによって損傷が生じることを防止できる。
【0021】
リベットは、差し込んだ側から軸部の先端のかしめができるブラインドリベットであることが好適である。
【0022】
この構成では、リベットを差し込んだ側からだけで作業ができるので、接合作業も容易で作業性が向上する。
【0023】
前記ランド部と前記端子とをはんだ付けしたことが好適である。
【0024】
この構成では、リベットに加えて、はんだ付け部分でもフレキシブル基板と端子とが接合されるので、接合箇所が増加し、接合信頼性が良好となる。また、介在するはんだによってランド部と端子との導電性も向上し、接合信頼性が良好となる。
【0025】
また、本発明の構成は、フレキシブル基板の接合方法としても成立し、絶縁フィルム内に導体部を有するフレキシブル基板の露出したランド部を端子に接続するフレキシブル基板の接合方法であって、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子にそれぞれ貫通孔を設け、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子のそれぞれの貫通孔を重ねた孔内にリベットの軸部を差し込み、差し込まれたリベットの軸部の先端をかしめて、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子を挟持して接合することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るFPCの接合構造について説明する。図1(a)は第1実施形態に係るFPCの接合構造の上視を示し、図1(b)は第1実施形態に係るFPCの接合構造の断面を示す。
【0028】
第1実施形態では、FPC1の片面のみにランド部(FPC表面に露出した導体接続部)2を有する導体部3が単段のFPC1と、ソレノイド4の電極端子5と、の接合を行う場合の接合構造を示している。
【0029】
FPC1は、可撓性のある薄板状(厚さ50〜100μm程度)で、絶縁フィルム内に導体部3を有するものであり、一般に、導体部3には銅箔が用いられ、絶縁フィルムにはポリイミド等の樹脂が用いられる。
【0030】
FPC1のランド部2は、FPC1表面に露出した導体接続部であり、FPC1内部の導体部3の末端等に形成され、導体部3と導電性を確保されている。ランド部2は、ランド部2におけるFPC1がソレノイド4の電極端子5に接合されると、電極端子5に面接触した状態となる。ランド部2におけるFPC1には、ランド部2の表面とランド部2の背面との間の厚み方向に貫通する貫通孔1aが形成されている。
【0031】
ソレノイド4は、コイルによる磁界によって可動鉄心を移動動させる等の動作を行うアクチュエータである。ソレノイド4の電極端子5は、コイルに電力を供給するための端子である。電極端子5は、ソレノイド4から外部に板状に突出したもので、2つの電極端子5が設けられている。電極端子5には、厚み方向に貫通する貫通孔5aが形成されている。
【0032】
そして、ランド部2におけるFPC1の貫通孔1aと、電極端子5の貫通孔5aと、を重ねた孔内にリベット6が差し込まれている。
【0033】
また、電極端子5とは反対側のFPC1上には座金としての平板ワッシャ7も重ねて配置されており、リベット6が差し込まれている。平板ワッシャ7も重ねてリベット6に差し込まれることによって、リベット6のヘッド部6aとFPC1との間に平板ワッシャ7が介在し、FPC1がリベット6のヘッド部6aで局所的に押圧されてFPC1にひび割れ等の破損が生じることが防止できる。また、平板ワッシャ7は、平面部分の面積がリベット6のヘッド部6aよりも大きく、FPC1に対する接触面績が大きい分、FPC1を電極端子5へ押圧する押圧面積を大きくして接合を良好にする。この平板ワッシャ7としては、電食関係から絶縁体で圧縮永久歪の無いもので、縁にRを形成してあり、接触するFPC1を保護できるものが好ましい。
【0034】
リベット6の差し込みは、具体的には、リベット6の軸部6bが、平板ワッシャ7を先頭に、FPC1、電極端子5の順に各々の貫通孔1a,5aに差し込まれて行われている。
【0035】
そして、リベット6の軸部6bの先端は、電極端子5の貫通孔5aを突き抜けた後、突き抜けた部分が最終的にかしめられてかしめ部6cとなっており、リベット6が抜き差し不可能なように固定されている。
【0036】
このようにリベット6のかしめを電極端子5に対して行うのは、電極端子5が通常、金属製で剛性を有することから、かしめによって損傷が生じることが防止できるからである。
【0037】
以上のようにリベット6のかしめを行うことによって、平板ワッシャ7とランド部2におけるFPC1と電極端子5とが、リベット6の軸部6bの軸方向両端部となるヘッド部6aとかしめ部6cとで挟持され、ランド部2におけるFPC1と電極端子5とがランド部2を電極端子5に接触させた状態で接合される。
【0038】
ここで、リベット6は、本実施形態では、差し込んだ側(ヘッド部6a側)から軸部6bの先端のかしめ部6cのかしめができるブラインドリベットである。ブラインドリベットを用いると、リベット6を差し込んだ側からだけで作業ができるので、接合作業も容易で作業性が向上する。
【0039】
また、リベット6の材質は特に限定されるものではないが、電食及び熱膨張率や熱収縮率による剥がれの不具合を避けるため、好ましくは電極端子5と同一材質が用いられる。電極端子5と同一材質であると、ヒートショック、ヒートサイクル等による影響から熱膨張率、熱収縮率の関係で、FPC1と電極端子5との接合部の緩みによる接合不良を抑制することができる。リベット6の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
【0040】
加えて、延出したランド部2と電極端子5とをはんだ部8としてはんだ付けしている。はんだ部8は、FPC1と電極端子5の接合箇所を増加させるので、FPC1と電極端子5の接合信頼性を向上させることができる。また、介在するはんだによってランド部2と電極端子5との導電性も向上し、接合信頼性をさらに向上させるようにしている。
【0041】
以上の本実施形態では、ランド部2におけるFPC1及び電極端子5をリベット6によって挟持でき、ランド部2が電極端子5に接触した状態に接合するので、ランド部2と電極端子5との安定した導電性を確保することができる。
【0042】
また、リベット6を用いるだけの構成であり、種々の製品に用いることができ、汎用性が高い。
【0043】
さらに、リベット6でランド部2と電極端子5とを直接押圧するので、導電性も確保でき、接合信頼性も良好で、製品の信頼性を高めることができる。
【0044】
さらにまた、FPC1及び電極端子5の各々の貫通孔1a,5aへ差し込んだリベット6をかしめるだけの作業であり、加熱作業等も必要無く、接合作業も良好で、製造容易なことから生産性を向上できる。
【0045】
なお、FPC1は可撓性に優れており、振動の影響を接合構造に与えない効果を有し、FPC1は薄型であり、リベット6による挟持に対して悪影響を与えない。特に、樹脂等にみられる経時劣化による歪(圧縮永久歪)による、緩み等を発生し難い。
【0046】
(第2実施形態)
次に図2を参照して、本発明の第2実施形態に係るFPCの接合構造について説明する。図2は第2実施形態に係るFPCの接合構造の断面を示す。
【0047】
第2実施形態では、FPC1がランド部(FPC1表面に露出した導体接続部)2を折り返された導体部3が単段のFPC1と、ソレノイド4の電極端子5と、の接合を行う場合の接合構造を示している。
【0048】
以下の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同符号を付して詳しい説明は省略する。
【0049】
本実施の形態では、FPC1のランド部2は、FPC1がランド部2を表面に露出するように折り返されることで、FPC1の表裏の両面にわたって形成されている。このFPC1の表裏の両面にわたるランド部2のお互いの導電性をさらに高めるため、ランド部2におけるFPC1の貫通孔1aに差し込まれるリベット6にも導電性を有したものを用いる。
【0050】
即ち、リベット6は、導電性を有した材質のものに限定され、好ましくは第1実施形態と同様に、電極端子5やFPC1の導体部3と同一材質が用いられる。リベット6の材質としては、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられる。
【0051】
また、リベット6の他に、平板ワッシャ7についても導電性を有したものを用いる。平板ワッシャ7の材質は、FPC1の導体部3と同一材質、例えば銅が好ましい。
【0052】
本実施の形態では、リベット6のかしめを行うことによって、平板ワッシャ7とランド部2におけるFPC1と電極端子5とが、リベット6の軸部6bの軸方向両端部となるヘッド部6aとかしめ部6cとで挟持され、ランド部2における折り返されたFPC1と電極端子5とが一方のランド部2を電極端子5に接触させた状態で接合される。また、同時に、表裏のランド部2が平板ワッシャ7及びリベット6によって導通されている。
【0053】
そして、はんだ部8にてランド部2と電極端子5とがはんだ付けされると共に、ランド部2と平板ワッシャ7ともはんだ付けされる。これによって、ランド部2と電極端子5との導電性に加えて、ランド部2と平板ワッシャ7との導電性も向上させている。
【0054】
以上の第2実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0055】
(第3実施形態)
次に図3を参照して、本発明の第3実施形態に係るFPCの接合構造について説明する。図3は第3実施形態に係るFPCの接合構造の断面を示す。
【0056】
第3実施形態では、FPC1の両面にランド部(FPC1表面に露出した導体接続部)2を有する導体部3が多段(2段)のFPC1と、ソレノイド4の電極端子5と、の接合を行う場合の接合構造を示している。
【0057】
以下の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同符号を付して詳しい説明は省略する。
【0058】
本実施の形態では、FPC1のランド部2は、FPC1表裏の両面に2箇所形成されている。この2箇所のランド部2のお互いの導電性を確保するため、ランド部2におけるFPC1の貫通孔1aに差し込まれるリベット6にも導電性を有したものを用いる。
【0059】
即ち、リベット6は、導電性を有した材質のものに限定され、好ましくは第1実施形態と同様に、電極端子5やFPC1の導体部3と同一材質が用いられる。リベット6の材質としては、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられる。
【0060】
また、リベット6の他に、平板ワッシャ7についても導電性を有したものを用いる。平板ワッシャ7の材質は、FPC1の導体部3と同一材質、例えば銅が好ましい。
【0061】
本実施の形態では、リベット6のかしめを行うことによって、平板ワッシャ7とランド部2におけるFPC1と電極端子5とが、リベット6の軸部6bの軸方向両端部となるヘッド部6aとかしめ部6cとで挟持され、ランド部2におけるFPC1と電極端子5とが一方のランド部2を電極端子5に接触させた状態で接合される。また、同時に、2箇所のランド部2が平板ワッシャ7及びリベット6によって導通されている。
【0062】
そして、はんだ部8にて一方のランド部2と電極端子5とがはんだ付けされると共に、他方のランド部2と平板ワッシャ7ともはんだ付けされる。これによって、一方のランド部2と電極端子5との導電性に加えて、他方のランド部2と平板ワッシャ7との導電性も向上させている。よって、2箇所のランド部2のお互いの導電性がさらに良好となる。
【0063】
以上の第3実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0064】
(第4実施形態)
次に図4を参照して、本発明の第4実施形態に係るFPCの接合構造について説明する。図4は第4実施形態に係るFPCの接合構造の断面を示す。
【0065】
第4実施形態では、FPC1の両面にランド部(FPC1表面に露出した導体接続部)2を有する導体部3が多段(2段)のFPC1と、ソレノイド4の電極端子5と、の接合を行う場合の接合構造を示している。
【0066】
以下の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同符号を付して詳しい説明は省略する。
【0067】
本実施の形態では、FPC1のランド部2は、FPC1表裏の両面に2箇所形成されている。この2箇所のランド部2のお互いの導電性を確保するため、ランド部2におけるFPC1の貫通孔1aに差し込まれるリベット6にも導電性を有したものを用いる。
【0068】
即ち、リベット6は、導電性を有した材質のものに限定され、好ましくは第1実施形態と同様に、電極端子5やFPC1の導体部3と同一材質が用いられる。リベット6の材質としては、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられる。
【0069】
また、リベット6の他に、平板ワッシャ7についても導電性を有したものを用いる。平板ワッシャ7の材質は、FPC1の導体部3と同一材質、例えば銅が好ましい。
【0070】
本実施の形態では、リベット6のかしめを行うことによって、平板ワッシャ7とランド部2におけるFPC1と電極端子5とが、リベット6の軸部6bの軸方向両端部となるヘッド部6aとかしめ部6cとで挟持され、ランド部2におけるFPC1と電極端子5とが一方のランド部2を電極端子5に接触させた状態で接合される。また、同時に、2箇所のランド部2が平板ワッシャ7及びリベット6によって導通されている。
【0071】
そして、ランド部2におけるFPC1の端面をメッキしてメッキ部9を形成し、このメッキ部9に対してはんだ付けしてはんだ部8を形成する。このはんだ部8にてメッキ部9と電極端子5とがはんだ付けされ、2箇所のランド部2と電極端子5との導電性が同時に確保される。よって、メッキ部9を介することにより、2箇所のランド部2のお互いの導電性がさらに良好となる。
【0072】
一方、他方のランド部2と平板ワッシャ7とがはんだ付けされる。これによって、2箇所のランド部2と電極端子5との導電性に加えて、他方のランド部2と平板ワッシャ7との導電性も向上させている。
【0073】
以上の第4実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0074】
なお、以上の実施形態で説明したように、本発明のFPC1の接合方法は、概略すると、(1)リベット6の軸部6bのFPC1及び電極端子5の各々の重ねられた貫通孔1a,5aへの差し込み工程と、(2)リベット6の軸部6bの先端のかしめ部6cのかしめの工程、の少なくとも2工程を経て、ランド部2におけるFPC1及び電極端子5を挟持して接合する方法であれば、本発明の範疇となる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、汎用性が高く、接合信頼性及び接合作業性も良好な接合構造及び接合方法を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るFPCの接合構造を示す図である。
【図2】第2実施形態に係るFPCの接合構造を示す図である。
【図3】第3実施形態に係るFPCの接合構造を示す図である。
【図4】第4実施形態に係るFPCの接合構造を示す図である。
【図5】従来技術のFPCの専用コネクタによる接合構造を示す図である。
【図6】従来技術のFPCのピンヘッダーによる接合構造を示す図である。
【符号の説明】
1 FPC
1a 貫通孔
2 ランド部
3 導体部
4 ソレノイド
5 電極端子
5a 貫通孔
6 リベット
6a ヘッド部
6b 軸部
6c かしめ部
7 平板ワッシャ
8 はんだ部
9 メッキ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用等のフレキシブルプリント基板を端子へ接合する接合構造及び接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用電気配線におけるATソレノイド、ABSソレノイド等のソレノイドへの配線の接合方法としては、一般にケーブルとコネクタが使用されていた。しかし、複数個のソレノイドの結線に対しケーブルとコネクタを複数個分だけ各々用意して結線を行うことは、複数個分の結線を行わなければならず、煩雑で作業性が悪いものであった。
【0003】
そこで、複数個分の配線を一括して扱うフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)による一括配線が提案されている。FPCによれば、煩雑配線の簡略化、配線部品の軽量化並びに回路基板との一体化及び回路基板との一体化による小型化が実現できる。
【0004】
このFPCを用いた場合のFPCと端子との接合には、専用コネクタによる接合やピンヘッダーによる接合が使用されることが多かった。
【0005】
例えば、専用コネクタによる接合には、図5に示すものがある。図5(a)は専用コネクタ装着後状態を示し、図5(b)は専用コネクタ装着前状態を示している。図5では、FPC101を押さえバネ105の形状に合わせて内側にランド部102が向くように折り曲げ、FPC101を折り曲げた囲みの中に凸状のハウジング106を配置し、FPC101とハウジング106との2つの間に端子107aが二股に突出した雄コネクタ107を突き刺す。これにより、押さえバネ105が外側からFPC101を内側へ押圧してFPC101のランド部102が雄コネクタ107の端子107aに押し付けられることで導電性を確保して接合されている。
【0006】
また、ピンヘッダーによる接合には、図6に示すものがある。図6(a)はピンヘッダーによる接合構造の上視を示し、図6(b)はピンヘッダーによる接合構造の断面を示している。図6では、ソレノイド104から電極端子であるピンヘッダー108が突出しており、この突出したピンヘッダー108がFPC101のランド部102位置に設けられた貫通孔101aに差し込まれ、FPC101表面に露出したランド部102とピンヘッダー108とをはんだ付けする。これにより、はんだ部109がFPC101のランド部102とピンヘッダー108との導電性を確保して接合されている。ランド部102にはFPC101内の導体部103が導電性を有してつながっており、導体部103を有するFPC101が水平方向へ延出されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示す専用コネクタによる接合では、形状等が規格化し難く、専用設計品になってしまい汎用性がなかった。
【0008】
一方、図6に示すピンヘッダーによる接合では、ヒートショックやヒートサイクル等ではんだ付け箇所にクラックが入る不具合が発生し、接合信頼性に欠ける問題があった。また、導電性を確保するためのはんだ付けについては接合作業性が悪いという問題があった。
【0009】
本発明は上記従来技術に鑑みてなされてもので、その目的は、汎用性が高く、接合信頼性及び接合作業性も良好な接合に関する技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、振動、汎用性、接合信頼性を含む信頼性、生産性向上に通じる接合作業性等を考慮して想起されたもので、リベットを用いてフレキシブル基板と端子とを接合するものであって、詳しくはリベットの軸部の軸方向両端部となるヘッド部とかしめ部とでフレキシブル基板及び端子を挟持して接合するものである。
【0011】
上記の着想を具現化する本発明の構成は、フレキシブル基板の接合構造として成立し、絶縁フィルム内に導体部を有するフレキシブル基板の露出したランド部を端子に接続するフレキシブル基板の接合構造であって、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子にそれぞれ貫通孔を設け、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子のそれぞれの貫通孔を重ねた孔内にリベットの軸部を差し込み、差し込まれたリベットの軸部の先端をかしめて、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子を挟持して接合したことを特徴とする。
【0012】
本発明であると、ランド部におけるフレキシブル基板及び端子をリベットによって挟持でき、ランド部が端子に接触して接合するので、ランド部と端子との安定した導電性を確保することができる。
【0013】
また、リベットを用いるだけの構成であり、種々の製品に用いることができ、汎用性が高い。
【0014】
さらに、リベットでランド部と端子とを直接押圧するので、導電性も確保でき、接合信頼性も良好で、製品の信頼性を高めることができる。
【0015】
さらにまた、フレキシブル基板及び端子の貫通孔へ差し込んだリベットをかしめるだけの作業であり、加熱作業等も必要無く、接合作業も良好で、製造容易なことから生産性を向上できる。
【0016】
なお、本発明は、例えばATソレノイドのアクチュエータ電極端子、ABSソレノイドのアクチュエータ電極端子、各種センサの電極端子、電源端子等の端子とフレキシブル基板(FPC)との接合に用いることができる。
【0017】
前記端子と共に前記ランド部におけるフレキシブル基板を挟み込む座金を備えたことが好適である。
【0018】
この構成では、リベットのヘッド部又はかしめ部とフレキシブル基板との間に座金が介在するので、フレキシブル基板がリベットのヘッド部又はかしめ部で押圧されて破損することが防止できる。また、座金はリベットのヘッド部又はかしめ部よりもフレキシブル基板よりも接触面積が大きいので、接合のためのランド部におけるフレキシブル基板及び端子の挟持の際の押圧面積を大きくして接合を良好にすることができる。
【0019】
リベットは、軸部を前記端子に最後に差し込む方向から差し込まれることが好適である。
【0020】
この構成では、リベットのかしめが端子に対して行え、端子が通常金属製で剛性を有することから、かしめによって損傷が生じることを防止できる。
【0021】
リベットは、差し込んだ側から軸部の先端のかしめができるブラインドリベットであることが好適である。
【0022】
この構成では、リベットを差し込んだ側からだけで作業ができるので、接合作業も容易で作業性が向上する。
【0023】
前記ランド部と前記端子とをはんだ付けしたことが好適である。
【0024】
この構成では、リベットに加えて、はんだ付け部分でもフレキシブル基板と端子とが接合されるので、接合箇所が増加し、接合信頼性が良好となる。また、介在するはんだによってランド部と端子との導電性も向上し、接合信頼性が良好となる。
【0025】
また、本発明の構成は、フレキシブル基板の接合方法としても成立し、絶縁フィルム内に導体部を有するフレキシブル基板の露出したランド部を端子に接続するフレキシブル基板の接合方法であって、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子にそれぞれ貫通孔を設け、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子のそれぞれの貫通孔を重ねた孔内にリベットの軸部を差し込み、差し込まれたリベットの軸部の先端をかしめて、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子を挟持して接合することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0027】
(第1実施形態)
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るFPCの接合構造について説明する。図1(a)は第1実施形態に係るFPCの接合構造の上視を示し、図1(b)は第1実施形態に係るFPCの接合構造の断面を示す。
【0028】
第1実施形態では、FPC1の片面のみにランド部(FPC表面に露出した導体接続部)2を有する導体部3が単段のFPC1と、ソレノイド4の電極端子5と、の接合を行う場合の接合構造を示している。
【0029】
FPC1は、可撓性のある薄板状(厚さ50〜100μm程度)で、絶縁フィルム内に導体部3を有するものであり、一般に、導体部3には銅箔が用いられ、絶縁フィルムにはポリイミド等の樹脂が用いられる。
【0030】
FPC1のランド部2は、FPC1表面に露出した導体接続部であり、FPC1内部の導体部3の末端等に形成され、導体部3と導電性を確保されている。ランド部2は、ランド部2におけるFPC1がソレノイド4の電極端子5に接合されると、電極端子5に面接触した状態となる。ランド部2におけるFPC1には、ランド部2の表面とランド部2の背面との間の厚み方向に貫通する貫通孔1aが形成されている。
【0031】
ソレノイド4は、コイルによる磁界によって可動鉄心を移動動させる等の動作を行うアクチュエータである。ソレノイド4の電極端子5は、コイルに電力を供給するための端子である。電極端子5は、ソレノイド4から外部に板状に突出したもので、2つの電極端子5が設けられている。電極端子5には、厚み方向に貫通する貫通孔5aが形成されている。
【0032】
そして、ランド部2におけるFPC1の貫通孔1aと、電極端子5の貫通孔5aと、を重ねた孔内にリベット6が差し込まれている。
【0033】
また、電極端子5とは反対側のFPC1上には座金としての平板ワッシャ7も重ねて配置されており、リベット6が差し込まれている。平板ワッシャ7も重ねてリベット6に差し込まれることによって、リベット6のヘッド部6aとFPC1との間に平板ワッシャ7が介在し、FPC1がリベット6のヘッド部6aで局所的に押圧されてFPC1にひび割れ等の破損が生じることが防止できる。また、平板ワッシャ7は、平面部分の面積がリベット6のヘッド部6aよりも大きく、FPC1に対する接触面績が大きい分、FPC1を電極端子5へ押圧する押圧面積を大きくして接合を良好にする。この平板ワッシャ7としては、電食関係から絶縁体で圧縮永久歪の無いもので、縁にRを形成してあり、接触するFPC1を保護できるものが好ましい。
【0034】
リベット6の差し込みは、具体的には、リベット6の軸部6bが、平板ワッシャ7を先頭に、FPC1、電極端子5の順に各々の貫通孔1a,5aに差し込まれて行われている。
【0035】
そして、リベット6の軸部6bの先端は、電極端子5の貫通孔5aを突き抜けた後、突き抜けた部分が最終的にかしめられてかしめ部6cとなっており、リベット6が抜き差し不可能なように固定されている。
【0036】
このようにリベット6のかしめを電極端子5に対して行うのは、電極端子5が通常、金属製で剛性を有することから、かしめによって損傷が生じることが防止できるからである。
【0037】
以上のようにリベット6のかしめを行うことによって、平板ワッシャ7とランド部2におけるFPC1と電極端子5とが、リベット6の軸部6bの軸方向両端部となるヘッド部6aとかしめ部6cとで挟持され、ランド部2におけるFPC1と電極端子5とがランド部2を電極端子5に接触させた状態で接合される。
【0038】
ここで、リベット6は、本実施形態では、差し込んだ側(ヘッド部6a側)から軸部6bの先端のかしめ部6cのかしめができるブラインドリベットである。ブラインドリベットを用いると、リベット6を差し込んだ側からだけで作業ができるので、接合作業も容易で作業性が向上する。
【0039】
また、リベット6の材質は特に限定されるものではないが、電食及び熱膨張率や熱収縮率による剥がれの不具合を避けるため、好ましくは電極端子5と同一材質が用いられる。電極端子5と同一材質であると、ヒートショック、ヒートサイクル等による影響から熱膨張率、熱収縮率の関係で、FPC1と電極端子5との接合部の緩みによる接合不良を抑制することができる。リベット6の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
【0040】
加えて、延出したランド部2と電極端子5とをはんだ部8としてはんだ付けしている。はんだ部8は、FPC1と電極端子5の接合箇所を増加させるので、FPC1と電極端子5の接合信頼性を向上させることができる。また、介在するはんだによってランド部2と電極端子5との導電性も向上し、接合信頼性をさらに向上させるようにしている。
【0041】
以上の本実施形態では、ランド部2におけるFPC1及び電極端子5をリベット6によって挟持でき、ランド部2が電極端子5に接触した状態に接合するので、ランド部2と電極端子5との安定した導電性を確保することができる。
【0042】
また、リベット6を用いるだけの構成であり、種々の製品に用いることができ、汎用性が高い。
【0043】
さらに、リベット6でランド部2と電極端子5とを直接押圧するので、導電性も確保でき、接合信頼性も良好で、製品の信頼性を高めることができる。
【0044】
さらにまた、FPC1及び電極端子5の各々の貫通孔1a,5aへ差し込んだリベット6をかしめるだけの作業であり、加熱作業等も必要無く、接合作業も良好で、製造容易なことから生産性を向上できる。
【0045】
なお、FPC1は可撓性に優れており、振動の影響を接合構造に与えない効果を有し、FPC1は薄型であり、リベット6による挟持に対して悪影響を与えない。特に、樹脂等にみられる経時劣化による歪(圧縮永久歪)による、緩み等を発生し難い。
【0046】
(第2実施形態)
次に図2を参照して、本発明の第2実施形態に係るFPCの接合構造について説明する。図2は第2実施形態に係るFPCの接合構造の断面を示す。
【0047】
第2実施形態では、FPC1がランド部(FPC1表面に露出した導体接続部)2を折り返された導体部3が単段のFPC1と、ソレノイド4の電極端子5と、の接合を行う場合の接合構造を示している。
【0048】
以下の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同符号を付して詳しい説明は省略する。
【0049】
本実施の形態では、FPC1のランド部2は、FPC1がランド部2を表面に露出するように折り返されることで、FPC1の表裏の両面にわたって形成されている。このFPC1の表裏の両面にわたるランド部2のお互いの導電性をさらに高めるため、ランド部2におけるFPC1の貫通孔1aに差し込まれるリベット6にも導電性を有したものを用いる。
【0050】
即ち、リベット6は、導電性を有した材質のものに限定され、好ましくは第1実施形態と同様に、電極端子5やFPC1の導体部3と同一材質が用いられる。リベット6の材質としては、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられる。
【0051】
また、リベット6の他に、平板ワッシャ7についても導電性を有したものを用いる。平板ワッシャ7の材質は、FPC1の導体部3と同一材質、例えば銅が好ましい。
【0052】
本実施の形態では、リベット6のかしめを行うことによって、平板ワッシャ7とランド部2におけるFPC1と電極端子5とが、リベット6の軸部6bの軸方向両端部となるヘッド部6aとかしめ部6cとで挟持され、ランド部2における折り返されたFPC1と電極端子5とが一方のランド部2を電極端子5に接触させた状態で接合される。また、同時に、表裏のランド部2が平板ワッシャ7及びリベット6によって導通されている。
【0053】
そして、はんだ部8にてランド部2と電極端子5とがはんだ付けされると共に、ランド部2と平板ワッシャ7ともはんだ付けされる。これによって、ランド部2と電極端子5との導電性に加えて、ランド部2と平板ワッシャ7との導電性も向上させている。
【0054】
以上の第2実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0055】
(第3実施形態)
次に図3を参照して、本発明の第3実施形態に係るFPCの接合構造について説明する。図3は第3実施形態に係るFPCの接合構造の断面を示す。
【0056】
第3実施形態では、FPC1の両面にランド部(FPC1表面に露出した導体接続部)2を有する導体部3が多段(2段)のFPC1と、ソレノイド4の電極端子5と、の接合を行う場合の接合構造を示している。
【0057】
以下の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同符号を付して詳しい説明は省略する。
【0058】
本実施の形態では、FPC1のランド部2は、FPC1表裏の両面に2箇所形成されている。この2箇所のランド部2のお互いの導電性を確保するため、ランド部2におけるFPC1の貫通孔1aに差し込まれるリベット6にも導電性を有したものを用いる。
【0059】
即ち、リベット6は、導電性を有した材質のものに限定され、好ましくは第1実施形態と同様に、電極端子5やFPC1の導体部3と同一材質が用いられる。リベット6の材質としては、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられる。
【0060】
また、リベット6の他に、平板ワッシャ7についても導電性を有したものを用いる。平板ワッシャ7の材質は、FPC1の導体部3と同一材質、例えば銅が好ましい。
【0061】
本実施の形態では、リベット6のかしめを行うことによって、平板ワッシャ7とランド部2におけるFPC1と電極端子5とが、リベット6の軸部6bの軸方向両端部となるヘッド部6aとかしめ部6cとで挟持され、ランド部2におけるFPC1と電極端子5とが一方のランド部2を電極端子5に接触させた状態で接合される。また、同時に、2箇所のランド部2が平板ワッシャ7及びリベット6によって導通されている。
【0062】
そして、はんだ部8にて一方のランド部2と電極端子5とがはんだ付けされると共に、他方のランド部2と平板ワッシャ7ともはんだ付けされる。これによって、一方のランド部2と電極端子5との導電性に加えて、他方のランド部2と平板ワッシャ7との導電性も向上させている。よって、2箇所のランド部2のお互いの導電性がさらに良好となる。
【0063】
以上の第3実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0064】
(第4実施形態)
次に図4を参照して、本発明の第4実施形態に係るFPCの接合構造について説明する。図4は第4実施形態に係るFPCの接合構造の断面を示す。
【0065】
第4実施形態では、FPC1の両面にランド部(FPC1表面に露出した導体接続部)2を有する導体部3が多段(2段)のFPC1と、ソレノイド4の電極端子5と、の接合を行う場合の接合構造を示している。
【0066】
以下の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同符号を付して詳しい説明は省略する。
【0067】
本実施の形態では、FPC1のランド部2は、FPC1表裏の両面に2箇所形成されている。この2箇所のランド部2のお互いの導電性を確保するため、ランド部2におけるFPC1の貫通孔1aに差し込まれるリベット6にも導電性を有したものを用いる。
【0068】
即ち、リベット6は、導電性を有した材質のものに限定され、好ましくは第1実施形態と同様に、電極端子5やFPC1の導体部3と同一材質が用いられる。リベット6の材質としては、例えば、銅、アルミニウム等が挙げられる。
【0069】
また、リベット6の他に、平板ワッシャ7についても導電性を有したものを用いる。平板ワッシャ7の材質は、FPC1の導体部3と同一材質、例えば銅が好ましい。
【0070】
本実施の形態では、リベット6のかしめを行うことによって、平板ワッシャ7とランド部2におけるFPC1と電極端子5とが、リベット6の軸部6bの軸方向両端部となるヘッド部6aとかしめ部6cとで挟持され、ランド部2におけるFPC1と電極端子5とが一方のランド部2を電極端子5に接触させた状態で接合される。また、同時に、2箇所のランド部2が平板ワッシャ7及びリベット6によって導通されている。
【0071】
そして、ランド部2におけるFPC1の端面をメッキしてメッキ部9を形成し、このメッキ部9に対してはんだ付けしてはんだ部8を形成する。このはんだ部8にてメッキ部9と電極端子5とがはんだ付けされ、2箇所のランド部2と電極端子5との導電性が同時に確保される。よって、メッキ部9を介することにより、2箇所のランド部2のお互いの導電性がさらに良好となる。
【0072】
一方、他方のランド部2と平板ワッシャ7とがはんだ付けされる。これによって、2箇所のランド部2と電極端子5との導電性に加えて、他方のランド部2と平板ワッシャ7との導電性も向上させている。
【0073】
以上の第4実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0074】
なお、以上の実施形態で説明したように、本発明のFPC1の接合方法は、概略すると、(1)リベット6の軸部6bのFPC1及び電極端子5の各々の重ねられた貫通孔1a,5aへの差し込み工程と、(2)リベット6の軸部6bの先端のかしめ部6cのかしめの工程、の少なくとも2工程を経て、ランド部2におけるFPC1及び電極端子5を挟持して接合する方法であれば、本発明の範疇となる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、汎用性が高く、接合信頼性及び接合作業性も良好な接合構造及び接合方法を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るFPCの接合構造を示す図である。
【図2】第2実施形態に係るFPCの接合構造を示す図である。
【図3】第3実施形態に係るFPCの接合構造を示す図である。
【図4】第4実施形態に係るFPCの接合構造を示す図である。
【図5】従来技術のFPCの専用コネクタによる接合構造を示す図である。
【図6】従来技術のFPCのピンヘッダーによる接合構造を示す図である。
【符号の説明】
1 FPC
1a 貫通孔
2 ランド部
3 導体部
4 ソレノイド
5 電極端子
5a 貫通孔
6 リベット
6a ヘッド部
6b 軸部
6c かしめ部
7 平板ワッシャ
8 はんだ部
9 メッキ部
Claims (6)
- 絶縁フィルム内に導体部を有するフレキシブル基板の露出したランド部を端子に接続するフレキシブル基板の接合構造であって、
前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子にそれぞれ貫通孔を設け、
前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子のそれぞれの貫通孔を重ねた孔内にリベットの軸部を差し込み、差し込まれたリベットの軸部の先端をかしめて、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子を挟持して接合したことを特徴とするフレキシブル基板の接合構造。 - 前記端子と共に前記ランド部におけるフレキシブル基板を挟み込む座金を備えたことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板の接合構造。
- リベットは、軸部を前記端子に最後に差し込む方向から差し込まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブル基板の接合構造。
- リベットは、差し込んだ側から軸部の先端のかしめができるブラインドリベットであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のフレキシブル基板の接合構造。
- 前記ランド部と前記端子とをはんだ付けしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のフレキシブル基板の接合構造。
- 絶縁フィルム内に導体部を有するフレキシブル基板の露出したランド部を端子に接続するフレキシブル基板の接合方法であって、
前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子にそれぞれ貫通孔を設け、
前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子のそれぞれの貫通孔を重ねた孔内にリベットの軸部を差し込み、
差し込まれたリベットの軸部の先端をかしめて、前記ランド部におけるフレキシブル基板及び前記端子を挟持して接合することを特徴とするフレキシブル基板の接合方法。
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JP2009065748A (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-26 | Keihin Corp | 分割モジュール端子を有するインバータ装置 |
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-
2003
- 2003-05-22 JP JP2003144345A patent/JP2004349437A/ja active Pending
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