JP2023027839A - 端子付き電線、および端子付き電線の製造方法 - Google Patents

端子付き電線、および端子付き電線の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストの低減が可能であり、しかも、端子と電線との接合強度を高めることが可能となる端子付き電線を提供する。【解決手段】導体及び前記導体を覆う絶縁被膜を有する電線と、前記電線の端部に取り付けられ相手端子と電気的に接続可能な端子と、を備える端子付き電線であって、前記導体は、前記絶縁被膜から露出する導体端部を有し、前記端子は、前記相手端子と電気的に接続可能な端子先部と、前記導体端部と接合される端子基部と、を有し、前記導体端部は、前記端子基部と接する第一導体面と、前記第一導体面と反対側であるとともに前記端子から露出する第二導体面と、を有し、前記端子基部は、前記導体端部と接する第一端子面と、前記第一端子面と反対側の第二端子面と、を有し、前記第二導体面と反対側である前記第二端子面に、圧痕が形成されていて、前記端子基部は、前記圧痕の直上位置に形成され前記導体端部と接合する固相接合部を有する。【選択図】 図1

Description

本開示は、端子付き電線、および端子付き電線の製造方法に関する。
特許文献1に、電線と、その電線の端部に取り付けられている端子とを備える端子付き電線が開示されている。端子が相手端子に固定されている状態で、電線を湾曲させると、その端子から電線の端部を引き剥がす力が作用する。端子付き電線では、端子と電線との接合力が前記のような引き剥がす力に抗する必要がある。
特開2012-28112号公報
例えば電気自動車などの車両において大電流化が進むと、これに対応すべく、用いられる端子付き電線は大径化する。電線が大径化すると、例えばその電線を湾曲させた際に、端子から電線の端部を引き剥がす力が大きくなる。このため、端子と電線との接合強度を高めることが必要とされる。
前記特許文献1では、端子は、導体(電線の端部)が配置される基底部と、その基底部から延びて設けられ塑性変形させて端子と導体とを一体化するカシメ部とを有する。基底部及びカシメ部の双方を導体と共に塑性流動させ、導体と端子とを接合している。前記特許文献1に開示の端子付き電線の場合、カシメ部を塑性変形させる工程と、その後に基底部およびカシメ部を対象として導体と摩擦攪拌接合する工程とが存在する。摩擦攪拌接合の際、カシメ部の先端に塑性流動を及ばせる必要があるが、その作業及び品質管理は難しくなり、端子付き電線のコストが上昇する可能性がある。
そこで、本開示では、コストの低減が可能であり、しかも、端子と電線との接合強度を高めることが可能となる端子付き電線を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る端子付き電線は、導体及び前記導体を覆う絶縁被膜を有する電線と、前記電線の端部に取り付けられ相手端子と電気的に接続可能な端子と、を備える端子付き電線であって、前記導体は、前記絶縁被膜から露出する導体端部を有し、前記端子は、前記相手端子と電気的に接続可能な端子先部と、前記導体端部と接合される端子基部と、を有し、前記導体端部は、前記端子基部と接する第一導体面と、前記第一導体面と反対側であるとともに前記端子から露出する第二導体面と、を有し、前記端子基部は、前記導体端部と接する第一端子面と、前記第一端子面と反対側の第二端子面と、を有し、前記第二導体面と反対側である前記第二端子面に、圧痕が形成されていて、前記端子基部は、前記圧痕の直上位置に形成され前記導体端部と接合する固相接合部を有する。
本開示によれば、端子と電線と接合強度を高めることが可能となる。
図1は、端子付き電線の斜視図である。 図2は、端子付き電線を図1と反対側から見た斜視図である。 図3は、図1のIII-III矢視の断面図である。 図4は、第二端子面及びその周囲を示す底面図である。 図5は、第二導体面及びその周囲を示す平面図である。 図6は、端子付き電線の変形例を示す図であり、第二端子面及びその周囲を示す平面図である。 図7は、端子付き電線のさらに別の変形例を示す斜視図である。 図8は、図7に示す端子付き電線を反対側から見た場合の斜視図である。 図9は、摩擦撹拌スポット接合、及びそのツールの説明図である。
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本実施形態の端子付き電線は、導体及び前記導体を覆う絶縁被膜を有する電線と、前記電線の端部に取り付けられ相手端子と電気的に接続可能な端子と、を備える端子付き電線であって、前記導体は、前記絶縁被膜から露出する導体端部を有し、前記端子は、前記相手端子と電気的に接続可能な端子先部と、前記導体端部と接合される端子基部と、を有し、前記導体端部は、前記端子基部と接する第一導体面と、前記第一導体面と反対側であるとともに前記端子から露出する第二導体面と、を有し、前記端子基部は、前記導体端部と接する第一端子面と、前記第一端子面と反対側の第二端子面と、を有し、前記第二導体面と反対側である前記第二端子面に、圧痕が形成されていて、前記端子基部は、前記圧痕の直上位置に形成され前記導体端部と接合する固相接合部を有する。
本実施形態の端子付き電線によれば、端子から露出する第二導体面と反対側である第二端子面に圧痕が形成され、その直上位置で導体端部と端子基部とは固相接合されている。本実施形態での固相接合は、従来のような端子のカシメ部を対象としないことから、コストの低減が可能となる。圧痕を伴う力に基づく固相接合によって端子基部と導体端部とは接合されるので、端子基部と導体端部との間で高い接合強度が得られる。
(2)好ましくは、前記圧痕は、前記導体端部側に凹む凹部を有する。前記第二端子面に対して摩擦攪拌スポット接合を行うことで前記端子付き電線が得られる。
(3)前記(2)の端子付き電線において、好ましくは、前記凹部の底は、前記端子基部の一部である端子層により構成されている。この場合、凹部の直上位置においても、導体端部と端子基部の一部(端子層)とが接合された状態にあり、両者間で通電面積が維持される。摩擦撹拌スポット接合のためのツールのピンは、端子基部を貫通しない。前記構成はツールの耐久性の観点からも好ましい。
(4)好ましくは、前記導体は、アルミニウム合金からなり、前記端子は、銅合金からなる。このように、導体と端子とが異種金属であっても、端子基部と導体端部との接合は圧痕を伴う力に基づく固相接合によるため、端子基部と導体端部との間で高い接合強度が得られる。
(5)好ましくは、前記端子先部及び前記端子基部に、錫メッキが付されている。この場合、相手端子と電気的に接続される端子先部の他に、導体端部と接合される端子基部においても、酸化膜の形成が抑制され、電気比抵抗が高くなるのを防ぐことが可能となる。端子基部に錫メッキが付されていても、その端子基部と導体端部との接合は圧痕を伴う力に基づく固相接合によるため、強い接合強度が得られる。
(6)前記導体は単芯線であってもよいが、前記導体は、複数の芯線が撚られた撚り線であってもよい。導体が撚り線である場合、撚り線の芯線(素線)と端子基部との間に隙間が生じやすくなる。しかし、端子基部と導体端部との接合は圧痕を伴う力に基づく固相接合によるため、前記隙間の発生を低減することが可能となる。
(7)前記導体が撚り線である場合、好ましくは、前記電線の長手方向に直交し前記第二導体面に沿った方向を幅方向と定義した場合、前記圧痕の前記幅方向の寸法は、前記導体端部の幅方向の寸法以上である。この場合、導体端部と端子基部とが幅方向に広く固相接合された端子付き電線が得られる。
(8)好ましくは、前記第一端子面は前記導体端部側に隆起している。前記圧痕の形成によって第一端子面は前記導体端部側に隆起する。このような圧痕を伴う力に基づく固相接合によるため、端子基部と導体端部との間で高い接合強度が得られる。
(9)好ましくは、前記端子基部は前記絶縁被膜に圧着する圧着部を有する。この場合、端子と電線との接続強度がより一層高まる。
(10)または、好ましくは、前記端子基部は前記絶縁被膜と離れて設けられている。この場合、端子は、前記絶縁被膜に圧着する圧着部を有さない。端子が圧着部を有していなくても、端子基部と導体端部との接合は圧痕を伴う力に基づく固相接合によるため、強い接合強度が得られる。
(11)本実施形態の端子付き電線の製造方法は、導体及び前記導体を覆う絶縁被膜を有する電線と、前記電線の端部に取り付けられ相手端子と電気的に接続可能な端子と、を備える端子付き電線の製造方法であって、前記絶縁被膜から前記導体の端部を露出させた状態で前記導体の端部を前記端子に重ねる準備工程と、前記端子のうち、露出する前記導体の端部と反対側の面に対してツールを接触させて前記導体の端部と前記端子とを摩擦攪拌スポット接合する接合工程と、を含む。
本実施形態の製造方法によれば、端子のうち、露出する導体の端部と反対側の面に圧痕が形成され、その直上位置で導体端部と端子基部とは固相接合される。本実施形態での固相接合は、従来のような端子のカシメ部を対象としないことから、コストの低減が可能となる。圧痕を伴う力に基づく固相接合によって端子基部と導体端部とは接合されるので、端子基部と導体端部との間で高い接合強度が得られる。
<本開示の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本開示の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔端子付き電線の全体構成について〕
図1は、端子付き電線10の斜視図である。端子付き電線10は、電力供給用の電線として自動車などの様々な装置に用いられ、本実施形態では電気自動車に用いられる。端子付き電線10は、例えばバッテリから車載機器に電力を供給する経路に用いられる。
端子付き電線10は、電線11と、電線11の端部に取り付けられている端子12とを備える。端子12は、相手端子(図示せず)と機械的および電気的に接続可能である。電線11は、導体13、及び導体13を覆う絶縁被膜14を有する。電線11の端部で導体13は露出している。つまり、導体13は、絶縁被膜14に囲われている導体本体部15と、絶縁被膜14から露出する導体端部16とを有する。
端子12及び導体13は、導電性の優れる材料により構成されている。本実施形態では、端子12は銅合金からなり、導体13はアルミニウム合金からなる。絶縁被膜14は、難燃性に優れる絶縁性材料により構成されていて、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)が用いられる。なお、端子12、導体13、及び絶縁被膜14の材質は他であってもよい。導体13は、複数の芯線13aが撚られた撚り線である。導体13は、導体端部16において端子12と接合されている。端子12との接合部分となる導体端部16は、全体として平坦形状を有する。
本開示の端子付き電線10の各方向について定義する。電線11の長手方向と端子付き電線10の長手方向とは一致する。電線11を直線状として配置した場合に、その電線11の長手方向を「前後方向」と定義し、端子12の先端12a側を「前」と定義する。
平坦形状を有する導体端部16は、後に説明するが、端子12と接する面と反対側の第二導体面22を有する。電線11の前後方向(長手方向)に直交し第二導体面22に沿った方向を「幅方向」と定義する。
前後方向及び幅方向の双方に直交する方向を「上下方向」と定義する。なお、この上下方向は、本開示の端子付き電線10の構成を説明するために、仮想の水平面に沿って端子付き電線10を直線状として配置した場合の方向である。言うまでもないが、端子付き電線10が実際に使用される際、前記上下方向は鉛直方向と一致しない場合がある。図2は、端子付き電線10を図1と反対側、つまり、下側から見た斜視図である。図3は、図1のIII-III矢視の断面図である。
〔端子12について〕
図1及び図2に示すように、端子12は、相手端子(図示せず)と電気的に接続可能な端子先部18と、導体端部16と接合される端子基部17とを有する。端子先部18は、板状であり、平坦形状を有する。端子基部17は、端子先部18と前後方向に連続する。端子基部17は、接合対象部33と、一対の側壁部34,34と、基底部35と、一対の圧着部36,36とを有する。接合対象部33は、導体端部16と接合される部分であり、図2に示すように、凹部44を有する圧痕40が形成されているが、板状であり平坦形状を有する。この構成により、端子基部17は、接合対象部33において(図3参照)、導体端部16と接する第一端子面31と、第一端子面31と上下方向について反対側の第二端子面32とを有する。第一端子面31は、その中央で隆起しているが、その他は平面状である。端子基部17は、第一端子面31を部分的に導体端部16側に隆起させている隆起部37を有する。第二端子面32は、その中央に凹部44を有する圧痕40が形成されているが、その他は平面状である。
側壁部34,34は、接合対象部33の幅方向両側から立ち上がるようにして設けられている。図1及び図2に示すように、基底部35は、接合対象部33から後方に延びて設けられている部分であり、絶縁被膜14と面する。圧着部36,36は、基底部35の幅方向両側から上に延びて設けられ、絶縁被膜14に対してカシメられることで圧着する部分(カシメ部)である。圧着部36は、インシュレーションバレルとも呼ばれる。電線11のうち絶縁被膜14を有する部分を、圧着部36,36は基底部35との間で挟むことで、端子12を電線11に圧着する。このように、図1に示す形態では、端子基部17は、絶縁被膜14に圧着する一対の圧着部36,36を有する。
端子先部18及び端子基部17に錫メッキ19が付されている。本実施形態では、端子12の全体に錫メッキ19が付されている。端子12に錫メッキ19を付する作業において、マスキングが不要となり生産効率が高い。なお、端子先部18にのみ錫メッキ19が付されていてもよい。
〔電線11について〕
電線11が有する導体端部16についてさらに説明する。前記のとおり、導体端部16は全体として平坦形状を有する。導体端部16は(図3参照)、端子基部17の接合対象部33と接する第一導体面21と、第一導体面21と上下方向について反対側の第二導体面22とを有する。第一導体面21は、その中央で隆起部37に沿って窪んでいるが、その他は平面状である。第二導体面22は、ほぼ平面状であり、端子12の一部によって上から覆われておらず、その全体が端子12から露出する面である。
第一端子面31と第一導体面21とが接合されている。その接合は固相接合である。固相接合されている範囲では、導体端部16と端子基部17との接合界面が無くなっている。図3では、導体端部16と端子基部17(接合対象部33)とは固相接合されていることから、その界面を仮想線(二点鎖線)により示している。なお、導体端部16と端子基部17が有する側壁部34とは固相接合されていない。固相接合は、第一端子面31と第一導体面21との全体で成されているのが好ましいが、部分的に成されていてもよい。
〔電線11と端子12との接合構造について〕
前記のとおり、電線11が有する導体端部16と、端子12が有する端子基部17とは固相接合されている。そのために、本実施形態では、端子基部17に導体端部16を重ねた状態で、端子基部17に対して摩擦撹拌スポット接合を行う(図9参照)。摩擦撹拌スポット接合では、回転するツール50を、端子12から露出する第二端子面32に接触させ押し付ける。これにより、第二端子面32に圧痕40が形成され(図3参照)、その圧痕40の直上位置に固相接合部41が形成される。つまり、端子基部17は、第一端子面31側に、導体端部16と接合する固相接合部41を有する。固相接合は、第一端子面31と第一導体面21との間で、全体的に成されているのが好ましいが、部分的に成されていてもよい。つまり、端子基部17は、第一端子面31側の少なくとも一部に固相接合部41を有していればよい。
図9に示すように、ツール50は、円柱状のショルダ51と、ショルダ51の下面に突出して設けられているピン52とを有する。ピン52はショルダ51よりも外径が小さい。回転するツール50を端子基部17に押し付け、ピン52を端子基部17に圧入する。導体端部16及び端子基部17は、回転するツール50との間で生じる摩擦熱によって加熱され、第一導体面21と第一端子面31との間で金属結合が実現され、導体端部16と端子基部17とは固相接合される。
導体端部16は、端子基部17と治具53とによって挟まれた状態となり、治具53は、ツール50による端子基部17及び導体端部16への押し付け力を支える。
導体端部16は撚り線からなる。その撚り線に含まれ隣り合う芯線13a同士においても金属結合が実現され接合される。つまり、撚り線に含まれ隣り合う芯線13a同士も固相接合される。なお、前記加熱により上昇する温度は、導体端部16(アルミニウム合金)及び端子基部17(銅合金)の融点以下の温度である。
回転するツール50を端子基部17に押し付けることで、ツール50の回転接触面の形状が第二端子面32に転写され、圧痕40が形成される。図3に示すように、ピン52によって、圧痕40は、導体端部16側に凹む凹部44を有する。本実施形態では、ピン52の突出長さLは(図9参照)端子基部17が有する接合対象部33の厚さtよりも小さい。このため、図3に示すように、凹部44の底44bは、ピン52により押し潰された端子基部17の一部により構成されている。より具体的に説明すると、底44bは、変形した端子基部17の一部である端子層17aにより構成されている。つまり、底44bは、端子12の材料である銅合金による層により構成されている。
第一端子面31は導体端部16側に部分的に隆起している。隆起部37は、圧痕40の直上位置を含む範囲で形成されている。隆起部37の隆起形状に応じて、導体端部16は窪んでいる。
圧痕40は、その中央に深い凹部44を有し、その凹部44の周囲に押圧部43を有する。凹部44は、ツール50のピン52が接触することで形成され、図4に示すように、下面視において円形となる。押圧部43は、ツール50のショルダ51が接触することで形成され、下面視において円環状である。図5に示すように、第二端子面32と反対側である第二導体面22のうち、圧痕40の直上位置の面は、平面状であり、端子12から露出している。第二導体面22は、全体が端子12から露出する面である。図4は、第二端子面32及びその周囲を示す底面図であり、図5は、第二導体面22及びその周囲を示す平面図である。
図3において、固相接合部41は、主に凹部44の直上位置に形成され、さらに、押圧部43の直上位置にも形成される。押圧部43の直上位置の全体に、固相接合部41が形成されるのが好ましいが、押圧部43の直上位置の全体に形成されていなくてもよい。押圧部43の直上位置の少なくとも一部に固相接合部41が形成されている。
本実施形態では、ツール50が、第二端子面32の全体にわたって接触するのではなく、部分的に接触する。ツール50は、第二端子面32の中央を含む領域に対して接触する。
第二端子面32をツール50が押圧することで、端子基部17と治具53に挟まれる導体端部16は幅方向に広がろうとする。端子基部17が有する側壁部34,34は、幅方向に広がろうとする導体端部16を規制することができる。
〔変形例1〕
図6は、端子付き電線10の変形例を示す図であり、第二端子面32及びその周囲を示す平面図である。図6に示す形態では、圧痕40の幅方向の寸法は、導体端部16の幅方向の寸法よりも大きい。なお、圧痕40の幅方向の寸法は、導体端部16の幅方向の寸法以上であってもよい。このために、ツール50のショルダ51(図9参照)における回転接触面の直径が、導体端部16の幅方向の寸法以上に設定される。
図6に示す形態によれば、図4に示す形態と比較して、導体端部16と端子基部17とが、幅方向に広く固相接合される。よって、電線11と端子12との接合強度はより一層高くなる。図6に示す形態と、図4に示す形態とでは、圧痕40の範囲が異なるが、その他については同じであり、ここでは説明を省略する。
〔変形例2〕
図7は、端子付き電線10のさらに別の変形例を示す斜視図である。図8は、図7に示す端子付き電線10を反対側から(下から)見た場合の斜視図である。図7及び図8に示す端子付き電線10では、端子12が側壁部34,34(図1参照)を備えていない点で、前記各形態と異なる。図7および図8に示す端子付き電線10では、前記各形態と同様に、端子12は、相手端子(図示せず)と電気的に接続可能な端子先部18と、導体端部16と接合される端子基部17とを有する。しかし、図7および図8に示す形態では、端子基部17は、電線11の絶縁被膜14と離れて設けられており、図1及び図2に示すような基底部35、及び絶縁被膜14に対してカシメられることで圧着する圧着部36を有していない。端子基部17は、導体端部16と接合される部分として、接合対象部33を有し、接合対象部33は、板状であり平坦形状を有する。
図7および図8に示す端子付き電線10においても、前記各形態と同様、導体端部16は、端子基部17と接する第一導体面21と、第一導体面21と反対側であるとともに全体が端子12から露出する第二導体面22とを有する。端子基部17は、導体端部16(第一導体面21)と接する第一端子面31と、第一端子面31と反対側の第二端子面32とを有する。端子12から露出する第二導体面22と反対側である第二端子面32に、圧痕40が形成されている。端子基部17は、第一端子面31側に、圧痕40の直上位置に形成され導体端部16と接合する固相接合部41を有する。図7および図8に示す形態と、前記各形態とでは、端子基部17の形態が異なるが、その他については同じであり、ここでは説明を省略する。
〔端子付き電線10の製造方法について〕
端子付き電線10の製造方法について説明する。その製造方法は、準備工程と接合工程とを含む。準備工程では、図9に示すように、絶縁被膜14から導体13の端部(導体端部16)を露出させた状態で、その導体端部16を端子12に重ねる。露出する導体13の端部(導体端部16)を治具53によって受ける。接合工程では、端子12のうち、露出する導体13の端部(導体端部16)と反対側の面に対してツール50を接触させて導体端部16と端子12とを摩擦攪拌スポット接合する。
準備工程では、事前処理を行い、導体端部16は、予め全体として平坦状に成形されるのが好ましい。例えば、導体端部16に対して事前に圧力を加えて、導体端部16を平坦状とする。事前処理として、導体端部16を端子基部17上に重ねた状態で、これら導体端部16と端子基部17とに上下方向の圧力を加えて、導体端部16を全体として平坦状に成形してもよい。この場合、導体端部16と端子基部17とが圧着され仮接合されてもよい。これにより、端子基部17上において導体端部16は平坦状となる。事前処理の後、接合工程が行われる。
図4に示す形態の場合、圧痕40は、導体端部16の先端16c及び幅方向の両側部16b,16bの直下位置に形成されていない。このため、導体端部16の先端16c及び幅方向の両側部16b,16bにおいて、導体13の芯線13aと端子12とが接合されない部分が生じる可能性がある。
そこで、図6に示すように、導体端部16の先端16c及び幅方向の両側部16b,16bの直下位置にも、圧痕40が形成されるように摩擦撹拌スポット接合されてもよい。このために、第二端子面32のうち導体端部16の先端16cの直下位置にツール50(図9参照)のショルダ51を接触させる。そのための手段として、ツール50の直径が大きく設定されてもよい。この場合、第二端子面32のうち、導体端部16の先端16cの直下位置にも圧痕40が形成され、導体13の芯線13aと端子12とが広く固相接合される。
さらに、ツール50の直径は、導体端部16の幅方向の寸法よりも大きく設定されてもよい。この場合、図6に示すように、第二端子面32のうち、導体端部16の幅方向の全体の直下位置に圧痕40が形成され、導体13の芯線13aと端子12とが広く固相接合される。
〔前記各形態の端子付き電線10について〕
前記各形態の端子付き電線10は、電線11と、電線11の端部に取り付けられ相手端子(図示せず)と電気的に接続可能な端子12とを備える。電線11は、導体13及び導体13を覆う絶縁被膜14を有する。導体13は、絶縁被膜14から露出する導体端部16を有する。端子12は、相手端子(図示せず)と電気的に接続可能な端子先部18と、導体端部16と接合される端子基部17とを有する。導体端部16は、端子基部17と接する第一導体面21と、第一導体面21と反対側であるとともに端子12から露出する第二導体面22とを有する。端子基部17は、導体端部16と接する第一端子面31と、第一端子面31と反対側の第二端子面32とを有する。端子12から露出する第二導体面22と反対側である第二端子面32に、圧痕40が形成されている。端子基部17は、圧痕40の直上位置に形成され導体端部16と接合する固相接合部41を有する。
この端子付き電線10では、端子12から露出する第二導体面22と反対側である第二端子面32に圧痕40が形成され、その直上位置で導体端部16と端子基部17とは固相接合されている。前記各形態での固相接合は、従来のような端子のカシメ部を対象としないことから、その作業及び生産管理は比較的容易であり、コストの低減が可能となる。圧痕40を伴う力に基づく固相接合によって端子基部17と導体端部16とは接合されるので、端子基部17と導体端部16との間で高い接合強度が得られる。
前記各形態では、導体13はアルミニウム合金からなり、端子12は銅合金からなる。導体13と端子12とが異種金属であっても、端子基部17と導体端部16との接合は圧痕40を伴う力に基づく固相接合によるため、端子基部17と導体端部16との間で高い接合強度が得られる。
導体13は、単芯線であってもよいが、前記各形態では、複数の芯線13aが撚られた撚り線である。導体13が撚り線である場合、撚り線の芯線(素線)13aと端子基部17との間に隙間が生じやすくなる。しかし、端子基部17と導体端部16との接合は圧痕を伴う力に基づく固相接合によるため、前記隙間の発生を低減することが可能となる。また、隣り合う芯線13a,13a同士の間も固相接合され、隙間が削減される。
第二端子面32に対して摩擦攪拌スポット接合が行われる。図9に示すように、ピン52とショルダ51とが一体であるツール50が用いられる。ツール50のピン52により、圧痕40は、導体端部16側に凹む凹部44を有する。
なお、摩擦撹拌スポット接合は、複動式であってもよい。この場合、図9を参考に説明すると、ピン52を導体端部16に圧入したあと、ピン52によって形成された凹部が、回転するショルダ51によって埋め戻される。このため、圧痕40は、図3に示すような凹部44を有さない場合がある。
前記各形態では、凹部44を有する圧痕40が第二端子面32に形成されるが、凹部44の底44bは、端子基部17の一部である端子層17aにより構成されている。このために、摩擦撹拌スポット接合では、ツール50のピン52は、端子基部17を貫通しない。この構成により、凹部44の直上位置においても、導体端部16と端子基部17の一部(端子層17a)とが接合された状態にあり、両者間で通電面積が維持される。また、この構成は、ツール50の耐久性の観点からも好ましい。
ツール50のピン52が端子基部17を押圧し、圧痕40の形成にともなって、第一端子面31は導体端部16側に隆起している。このような圧痕40を伴う力に基づく固相接合によるため、端子基部17と導体端部16との間で高い接合強度が得られる。
端子先部18及び端子基部17に、錫メッキ19が付されている。このため、相手端子(図示せず)と電気的に接続される端子先部18の他に、導体端部16と接合される端子基部17においても、酸化膜の形成が抑制され、電気比抵抗が高くなるのを防ぐことが可能となる。端子基部17に錫メッキが付されていても、その端子基部17と導体端部16との接合は圧痕を伴う力に基づく固相接合によるため、強い接合強度が得られる。
図1に示す形態では、端子基部17は絶縁被膜14に圧着する圧着部36,36を有する。この場合、電線11を端子12に近い部分で曲げた際に生じる、電線端部16を端子基部17から引き剥がそうとする力が低減される。端子12と電線11との接合強度がより一層高まる。前記接合工程の前に、圧着部36,36によって、電線11のうち絶縁被膜14を有する部分を端子基部17に圧着してもよい。この場合、電線11と端子12との相対的な位置が固定され、接合工程の際、電線端部16と端子基部17との位置ずれを防止することが可能となる。
図7に示す形態では、端子12は、絶縁被膜14に圧着する圧着部36,36を有さない。端子基部17は絶縁被膜14と離れて設けられている。端子12が圧着部36,36を有していなくても、端子基部17と導体端部16との接合は圧痕40を伴う力に基づく固相接合によるため、強い接合強度が得られる。
〔その他について〕
前記各形態では、第二端子面32に圧痕40が一つのみ形成されている。圧痕40の数は制限がなく、例えば大径化した端子付き電線10の場合、圧痕40は複数設けられていてもよい。例えば、複数の圧痕40は前後方向に並んで設けられる。
前記各形態では、圧痕40が有する凹部44は、平面視において円形の穴である。この「円形」は、真円であってもよいが、長円であってもよい。例えば、摩擦撹拌スポット接合の際、回転するツール50を前後方向に沿って移動させてもよく、この場合、形成される凹部44の形状は長円となる。これにより、固相接合部41が広く形成される。
端子12は、図示した形態以外であってもよい。図1に示す形態と比較して、図7および図8に示す形態では、端子12は側壁部34,34及び圧着部36,36の双方を有していない。側壁部34,34及び圧着部36,36のうちのいずれか一方を、端子12は有していてもよい。
前記各形態では、導体端部16と端子基部17とを摩擦撹拌スポット接合する際、ツール50のピン52は、端子基部17を貫通しない場合について説明した。つまり、凹部44の底44bは、端子基部17の一部である端子層17aにより構成されている場合について説明した。これとは異なり、ツール50のピン52は端子基部17を貫通してもよい。この場合、導体端部16及び端子基部17が一部において塑性流動を伴って固相接合される。
前記実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、前記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更を含む。
10 端子付き電線
11 電線
12 端子
12a 先端
13 導体
13a 芯線
14 絶縁被膜
15 導体本体部
16 導体端部
16a 導体層
16b 側部
16c 先端
17 端子基部
17a 端子層
18 端子先部
19 錫メッキ
21 第一導体面
22 第二導体面
31 第一端子面
32 第二端子面
33 接合対象部
34 側壁部
35 基底部
36 圧着部
37 隆起部
40 圧痕
41 固相接合部
43 押圧部
44 凹部
44b 底
50 ツール
51 ショルダ
52 ピン
53 治具

Claims (11)

  1. 導体及び前記導体を覆う絶縁被膜を有する電線と、前記電線の端部に取り付けられ相手端子と電気的に接続可能な端子と、を備える端子付き電線であって、
    前記導体は、前記絶縁被膜から露出する導体端部を有し、
    前記端子は、前記相手端子と電気的に接続可能な端子先部と、前記導体端部と接合される端子基部と、を有し、
    前記導体端部は、前記端子基部と接する第一導体面と、前記第一導体面と反対側であるとともに前記端子から露出する第二導体面と、を有し、
    前記端子基部は、前記導体端部と接する第一端子面と、前記第一端子面と反対側の第二端子面と、を有し、
    前記第二導体面と反対側である前記第二端子面に、圧痕が形成されていて、
    前記端子基部は、前記圧痕の直上位置に形成され前記導体端部と接合する固相接合部を有する、
    端子付き電線。
  2. 前記圧痕は、前記導体端部側に凹む凹部を有する、請求項1に記載の端子付き電線。
  3. 前記凹部の底は、前記端子基部の一部である端子層により構成されている、請求項2に記載の端子付き電線。
  4. 前記導体は、アルミニウム合金からなり、
    前記端子は、銅合金からなる、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  5. 前記端子先部及び前記端子基部に、錫メッキが付されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  6. 前記導体は、複数の芯線が撚られた撚り線である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  7. 前記電線の長手方向に直交し前記第二導体面に沿った方向を幅方向と定義した場合、
    前記圧痕の前記幅方向の寸法は、前記導体端部の幅方向の寸法以上である、請求項6に記載の端子付き電線。
  8. 前記第一端子面は前記導体端部側に隆起している、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  9. 前記端子基部は前記絶縁被膜に圧着する圧着部を有する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  10. 前記端子基部は前記絶縁被膜と離れて設けられている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  11. 導体及び前記導体を覆う絶縁被膜を有する電線と、前記電線の端部に取り付けられ相手端子と電気的に接続可能な端子と、を備える端子付き電線の製造方法であって、
    前記絶縁被膜から前記導体の端部を露出させた状態で前記導体の端部を前記端子に重ねる準備工程と、
    前記端子のうち、露出する前記導体の端部と反対側の面に対してツールを接触させて前記導体の端部と前記端子とを摩擦攪拌スポット接合する接合工程と、
    を含む、端子付き電線の製造方法。
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