JP5237143B2 - 電線接続用の端子、電線接続構造および電線と端子の接続方法 - Google Patents

電線接続用の端子、電線接続構造および電線と端子の接続方法 Download PDF

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本発明は、電線接続用の端子、電線接続構造、電線と端子の接続方法およびこの接続方法に用いられる加熱電極に関するものである。
従来、電線としては、銅または銅合金製のものが多く用いられている。その一方、アルミニウムまたはアルミニウム合金は電導性もよく、銅などに比べて軽量かつ安価であるので、電線にアルミニウムなどを用いることができれば利点が多い。
上記利点から、自動車全体を軽量化して燃費の向上を図るために、自動車のバッテリーケーブルやアースケーブルなどのワイヤハーネスに、また、装置の軽量化のために、電気自動車のバッテリーチャージャー、電力伝送装置、および大電力用のインバータなどに、アルミニウムやアルミニウム合金製の電線が採用されようとしている。この場合に、加熱電極(ヒュージング溶接電極や抵抗溶接電極など)で絶縁被覆された電線を挟んで加熱しながら加圧することにより、絶縁被覆を溶かして電線と端子を接合する端子構造が従来から知られている(例えば、特許文献1)。
しかし、電線にアルミニウムなどを用いた場合、これと異なる材質の銅や銅合金製の端子との接合が必要になるが、自動車のワイヤハーネスでは雨水等が介在すると電線と端子間で電触が生じて電線が腐食し、エンジン始動不能などのトラブルを誘起するおそれがある。また、電気自動車のバッテリーチャージャー、電力伝送装置や大電力用のインバータなどにおいても、電触に基づくトラブルを誘起するおそれがある。
このため、従来から、端子金具にアルミニウム線を圧着接続したあと圧着部全体をホットメルトモールディングする水密封止構造として、電触防止機能を向上させた圧着接続構造が知られている(例えば、特許文献2)。
特開2000−277325号公報 特開2006−286385号公報
しかし、従来のようにアルミニウムやアルミニウム合金製の電線を加圧および加熱する圧着接続により端子に接合すると、銅または銅合金製に比べて強度が低いため、電線が当該加圧により折れてしまう場合があるという問題があった。
また、アルミニウム等の半田付けにおいて電線を加熱する時に、フラックスで電線表面を活性化し酸化皮膜が生成されるのを防止して、半田付けすることになるが、フラックス処理が適切でない場合には、酸化皮膜により半田付けできず、半田不良を起こすおそれがある。
本発明は、端子と電線が異なる材質であっても、適切なフラックス処理により強固な半田付けが可能な電線接続用の端子、電線接続構造、電線と端子の接続方法およびこの接続方法に用いられる加熱電極を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一構成に係る電線接続用の端子は、コネクタ部と電線が半田付けにより接続される電線接続部とを有するものであって、前記電線接続部は、端子の傾斜状態で半田付け用のフラックスを該電線接続部内部に一時的に滞留させる滞留生成部を備え、前記滞留生成部は、前記電線の外面の少なくとも一部に対向する内面に設けられている。
この構成によれば、滞留生成部により、端子の傾斜状態で電線と電線接続部間にフラックスを一時的に滞留させて、その逃げを一時的に抑止できるから、この間フラックスにより電線表面を活性化して酸化皮膜の生成を防止するので、強固に半田付けを行うことができる。これにより、低コストかつ簡単な構造で、適切なフラックス処理により半田不良を防止して、電線と端子の強固な半田付けが可能となる。
好ましくは、前記滞留生成部は、長手方向に延びる前記電線の外周面の一部に対向する前記電線接続部の内面に形成され、その内方に突出して横方向に延びる少なくとも1つの凸壁からなる。したがって、より低コストかつ簡単な構造で、半田不良を防止して、強固な半田付けが可能となる。また、この凸壁により電線接続部内で電線をよりしっかりと保持することができる。
好ましくは、前記滞留生成部は、前記電線の外周面の一部に対向する前記電線接続部の内面に形成された、少なくとも1つの長手方向に延びる凹部からなる。また、好ましくは、前記滞留生成部は、前記電線の外周面の一部に対向する前記電線接続部の内面に形成された、複数の溝列からなる。好ましくは、前記滞留生成部は、前記電線の外周面の一部に対向する前記電線接続部の内面に形成された螺旋状の溝からなる。したがって、より低コストかつ簡単な構造で、半田不良を防止して、強固な半田付けが可能となる。また、投入されたフラックスおよび半田が溝に沿ってスムーズに電線全体に行き渡るので、より確実なフラックス処理が可能となる。
本発明の他の構成に係る電線接続用の端子は、コネクタ部と電線が半田付けにより接続される電線接続部とを有するものであって、前記電線接続部は、端子の傾斜状態で半田付け用のフラックスを該電線接続部内部に一時的に滞留させる滞留生成部を備え、前記滞留生成部は、前記電線の外端面に対向する前記電線接続部のコネクタ部側の端部に形成された当該端部を覆う蓋部からなる。したがって、蓋部の滞留生成部により、端子の傾斜状態で電線と電線接続部間にフラックスを一時的に滞留させてその逃げを一時的に抑止し、強固に半田付けを行うことができるので、より低コストかつ簡単な構造で、半田不良を防止して、強固な半田付けが可能となる。
好ましくは、前記端子は電線と異なる材質の金属からなる。例えば、前記電線がアルミニウム、アルミニウム合金またはアルミニウム系複合材料からなり、および前記端子が銅、銅合金または銅系複合材料からなる、もしくは、前記電線が銅、銅合金または銅系複合材料からなり、および前記端子がアルミニウム、アルミニウム合金またはアルミニウム系複合材料からなる。したがって、異種金属であっても、電線と端子の強固な半田付けが可能となる。
本発明のまた他の構成に係る電線接続構造は、前記した端子と前記電線とを接続したものであって、前記電線が前記電線接続部に非かしめ状態で保持され、かつ半田付けされている。ここで、「非かしめ状態」とは、電線接続部を曲げて電線の外周面に軽く接触するか、僅かの隙間を存して接触しない程度の状態であって、電線の外周面を締め付ける状態でないことをいう。その結果、電線に横方向の圧縮力がほとんど付加されない。
この構成によれば、滞留生成部により、端子の傾斜状態で電線と電線接続部間にフラックスを一時的に滞留させて、その逃げを一時的に抑止するので、この間フラックスにより電線表面を活性化して酸化皮膜の生成を防止するので、強固に半田付けを行うことができる。これにより、低コストかつ簡単な構造で、適切なフラックス処理により半田不良を防止して、電線と端子の強固な半田付けが可能となる。また、電線接続部に非かしめ状態で保持された電線を加熱した状態で半田付けするので、電線が圧着されることなく端子に接合されるから、電線の折れも防止して適切な半田付けが可能となる。
本発明のさらに他の構成に係る電線と端子の接続方法は、前記した端子に電線を接続するものであって、前記傾斜状態の電線を前記電線接続部に非かしめ状態で保持し、前記電線接続部および端子を加熱状態で傾斜させて、その上端側からフラックスを投入して前記端子の電線接続部内部に一時的に滞留させ、この状態で端子に電線を半田付けする。
この構成によれば、端子の傾斜状態で電線と電線接続部間にフラックスを一時的に滞留させて、その逃げを一時的に抑止するので、この間フラックスにより電線表面を活性化して酸化皮膜の生成を防止するので、低コストかつ簡単な構造で、適切なフラックス処理により半田不良を防止して、強固な半田付けが可能な電線接続用の端子を製造することができる。また、電線接続部に非かしめ状態で保持された電線を加熱状態で半田付けするので、電線が圧着されることなく端子に接合されるから、電線の折れも防止して適切な半田付けが可能な電線接続用の端子を製造することができる。
前記電線と端子の接続方法に用いられる一対の加熱電極は、前記電線接続部および端子を加熱状態で傾斜させて保持するように、各先端部がそれぞれ傾斜されてなる。したがって、低コストかつ簡単な構造で、端子を傾斜状態に保持できる。
(A)は本発明の第1実施形態にかかる電線接続用の端子を示す展開図、(B)はその電線接続用の端子を示す斜視図、(C)は完成した電線接続構造を示す斜視図である。 (A)は図1の端子と電線の接合方法の構成を示す側面図、(B)はその一部断面図である。 (A)は第2実施形態にかかる端子と電線の接合方法の構成を示す側面図、(B)は完成した電線接続構造を示す斜視図である。 (A)は第3実施形態にかかる電線接続用の端子を示す展開図、(B)はその電線接続用の端子を示す斜視図、(C)は滞留生成部を示す断面図である。 第4実施形態にかかる電線接続用の端子を示す展開図である。 第5実施形態にかかる電線接続用の端子を示す斜視図である。 (A)は第6実施形態にかかる電線接続用の端子を示す展開図、(B)はその電線接続用の端子を示す斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1(A)は本発明の第1実施形態にかかる電線接続用の端子を示す展開図、(B)はその電線接続用の端子を示す斜視図、C)は完成した電線接続構造を示す斜視図である。図1(B)のように、端子1は、コネクタ部2および電線5を半田付けにより接続する電線接続部3を有し、電線5は、その端部50が電線接続部3に保持された状態で端子1に接合される。コネクタ部2と電線接続部3は、電線5の端部50の長手方向Xと合致した方向に沿って並んでいる。
図1(A)のように、電線5は例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金製の丸線の単線からなり、端子1は、これと異なる材質の例えば銅または黄銅のような銅合金の1枚の板材6からなり、電線接続部3は板材6の略矩形部分の両端側をR方向に曲げ加工して略円筒状に形成される。この場合、図1(B)に示す電線5は電線接続部3により非かしめ状態で保持される。すなわち、図1(A)の電線5を電線接続部3における電線保持面(内面)3aに導入し、板材6の略矩形部分の両端側を電線5の外形に沿ってゆるく曲げることにより、電線5は電線接続部3となる板材6により強固にかしめられて固定されるのではなく、電線接続部3内でがたつかない程度の非かしめ状態に保持される。この例では、電線5は丸線の単線からなるが、角線の単線でもよく、この場合、電線接続部3は略四角筒状に形成される。
前記電線接続部3は、電線5の外面(外周面)5aの少なくとも一部に対向する内面に設けられ、端子1の傾斜状態で半田付け用のフラックスを電線接続部3内部に一時的に滞留させる滞留生成部7を備えている。
前記滞留生成部7は、図1(A)(B)のように、電線5の外周面5aの一部に対向する電線接続部3の内面3aに形成され、その内方に突出して横方向Yに延びる少なくとも1つの凸壁7aからなる。例えば、図1(A)のように横方向Yに延びて形成された3つの凸壁7aはR方向に曲げられて、図1(B)のように、電線5の長手方向Xから見て上下にそれぞれ半円周状に延びる2つの凸壁7a、7aを形成し(半円バンプ構造)、かつ、各半円周状の凸壁7a、7aは長手方向Xに所定間隔ずらして配置される。
この凸壁7aは、板材6を例えばプレス加工することにより形成される。この場合、電線接続部3の外面3b側から内面3a側へプレス加工するとき、電線接続部3の内面3aに半円周状の凸壁7aが形成されるのに伴って、その外面3bに半円周状の凹部7bが形成される。
電線接続部3における各凸壁7a、7aの長手方向位置は、フラックスの一時的滞留を効果的にするために、電線接続部3の長さをLとしたとき、コネクタ部2側の先端部からL/3〜Lの範囲内が好ましく、特にL/2〜Lの範囲内が好ましい。また、凸壁7aの突起高さは板厚をtとしたとき、t/5〜t/7の範囲内が好ましい。
なお、滞留生成部7として、2つの半円周状の凸壁7a、7aに代えて、1つの円周状の凸壁とし、該凸壁に所定間隔で複数の貫通部を設けるようにしてもよい。
図2(A)は図1の端子と電線の接合方法の構成を示す側面図、(B)はその一部断面図である。本接合方法は、例えば自動車のワイヤハーネス用の電線に適用される。図2(A)のように、この例では、上下方向Zにそれぞれ移動自在な一対の加熱電極であるヒュージング溶接電極8、8とこれに通電する通電制御部13とが設けられており、両電極8、8の先端部がそれぞれ斜めにカット加工等により水平面に対して例えば15〜30°に傾斜されてなり、その間に端子1はコネクタ部2が上側に位置する前記水平面に対して傾斜した状態で電線接続部3が加圧されることなく挟まれて保持される。この非加圧状態にある端子1では、電線5が前記したように電線接続部3に非かしめ状態で保持されているから、電線接続部3が両電極8、8により非加圧状態で保持されて、つまり電線5が両電極8、8により上下方向の圧縮力を受けることなく保持されて、通電制御部13により通電して加熱される。
図2(A)のように、フラックスFは、電線5のコネクタ部2側の上側の端部(図では右上側)から、図2(B)に示す電線5の外周面5aと電線接続部3の内面3a間の間隙部15を通って電線5に投入される。投入されたフラックスFは凸壁7a(滞留生成部)の手前(図では右側)の溜まり部16に一時的に滞留する。その後に半田Sが同様に投入されて、電線5が端子1の電線接続部3に半田付けされ、図2(C)に示す電線接続構造Aが得られる。なお、フラックスFおよび半田Sを投入するために、電線接続部3におけるコネクタ部2側の端部近傍にその周壁を貫通する投入用孔を別に設けてもよい。
(実施例)
電線5は例えばアルミニウム製の単線、端子1は黄銅製のものが使用される。図2(A)のように、電線接続部3に非かしめ状態で保持された電線5が傾斜した状態で、一対のヒュージング溶接電極8、8により非加圧状態で保持される。例えばヒュージング溶接電極8、8に接触する電線5が300〜650℃の温度範囲に加熱されるように、通電制御部13で通電電流が設定されて、1〜1.5秒通電される。この加熱状態で、電線5の上側の端部から、電線5の外周面5aと電線接続部3の内面3a間の間隙部15を介して電線5へフラックスFが投入される。フラックスFは間隙部15内を流れるが、滞留生成部7の手前の溜まり部16で一時的に滞留するので、その逃げが一時的に抑止されるから、この間にフラックスFにより電線5のアルミニウム表面が十分に活性化して酸化皮膜の生成を防止する。フラックスF投入の0.5〜1秒後に半田Sが間隙部15を介して電線5へ投入されて、電線5表面が半田付け可能状態で、電線5が端子1の電線接続部3に強固に半田付けされる。
ところで、滞留生成部として、2つの半円周状の凸壁7a、7aが互いに長手方向Xにずれていることにより、フラックスFの溜まり部16が1箇所に集中することなく分散するので、過度の圧迫による電線5の断線を防止することができる。また、この凸壁7aにより、電線接続部3内で電線5を非かしめ状態でかつしっかりと固定することができる。さらに、電線接続部3の外面3bに形成された凹部7bにより、両電極8、8で加熱する電線接続部3の長手方向Xの位置を確認することができる。最も両電極8、8の加熱状態が良好な位置で端子1の半田付けを行うことができる。
このように、本発明は、滞留生成部7により、端子1の傾斜状態で電線5と電線接続部3間にフラックスFを一時的に滞留させて、その逃げを一時的に抑止するので、この間フラックスFにより電線5表面を活性化して酸化皮膜の生成を防止するので、強固に半田付けを行うことができる。これにより、低コストかつ簡単な構造で、適切なフラックス処理により半田不良を防止して、電線5と端子1の強固な半田付けが可能となる。
また、電線接続部3に非かしめ状態で保持された電線5を例えばヒュージング溶接電極のような加熱電極8、8間で非加圧状態で加熱した状態で半田付けするので、電線5が圧着されることなく端子1に接合されるから、アルミニウム製のように折れやすい電線5の折れを防止して適切な半田付けが可能となる。しかも、加熱電極8、8は、電線接続部3および端子1を加熱状態で傾斜させて保持するように、各先端部がそれぞれ傾斜されてなるので、低コストかつ簡単な構造で、端子1を傾斜状態に保持できる。
図3(A)は第2実施形態にかかる端子と電線の接合方法の構成を示す側面図、(B)は完成した電線接続構造A1を示す斜視図である。図3(A)(B)のように、第2実施形態の滞留生成部7は、電線5の外端面に対向する電線接続部3内のコネクタ部2側の端部に形成されて、当該端部を覆う蓋部7Aからなる。また、端子1は、第1実施形態とは逆に、コネクタ部2が下側に位置して傾斜した状態で電線接続部3が両電極8、8に保持されている。蓋部7Aには、半田付けに際して発生するガスを抜くために、蓋部7Aを貫通するガス抜き孔10が設けられている。フラックスFおよび半田Sの投入用孔9、9が電線接続部3におけるコネクタ部2の反対側の上側の端部(図では右上側)に設けられており、フラックスFは投入用孔9、9から前記電線5と電線接続部3間の間隙部15内(図2(B))を通って電線5に投入される。蓋部7A(滞留生成部)は、蓋部7Aの手前(図3では右側)で、端子1の傾斜状態で電線5と電線接続部3間にフラックスFを一時的に滞留させる。その他の構成は第1実施形態と同様である。これにより、第1実施形態と同様に、フラックスFの逃げを一時的に抑止するので、この間フラックスFにより電線5表面を活性化して酸化皮膜の生成を防止することができる。
第2実施形態は、蓋部7A(滞留生成部)により、より低コストかつ簡単な構造で、適切なフラックス処理により半田不良を防止して、強固な半田付けが可能となる。なお、この例では、滞留生成部として蓋部7Aのみを設けているが、この蓋部7Aと第1実施形態における凸壁7の両方を設けてもよい。
図4(A)は第3実施形態にかかる電線接続用の端子を示す展開図、(B)はその電線接続用の端子を示す斜視図、(C)は滞留生成部7Bの一変形例を示す側面図である。図4(A)(B)のように、第3実施形態の滞留生成部は、第1実施形態と異なり、電線5の外周面5aの一部に対向する電線接続部3の内周面3aに形成された、少なくとも1つの凹部7Bからなる。この凹部7Bは例えばプレス加工により長手方向Xに沿って延びるように形成される。また、凹部7Bの先端部には細い凹部からなるフラックスFおよび半田Sの導入部14が設けられている。凹部7Bは、該凹部7B内において、端子1の傾斜状態で電線5と電線接続部3間にフラックスFを一時的に滞留させる。その他の構成は第1実施形態と同様である。これにより、第1実施形態と同様に、フラックスFの逃げを一時的に抑止するので、この間フラックスFにより電線5表面を活性化して酸化皮膜の生成を防止することができる。
なお、図4(A)のように、凹部7Bの両側(長手方向Xと直交する方向に離間した)にさらに凹部11、11(破線部)を別に設けてもよい。各凹部11、11により板材6の折り曲げ部分の厚みを薄くすることにより、折り曲げ時に電線5への圧力を可及的に低くして、より非かしめ状態とすることができる。この凹部11、11を前記第1、2実施形態においても設けることができる。また、図4(C)のように、凹部7Bの底部を投入されたフラックスFが投入方向(矢印)へより流れやすいように傾斜部12を設けるようにしてもよい。この場合、端子1を電極間に水平状態に保持することができる。
第3実施形態では、凹部7B(滞留生成部)により、より低コストかつ簡単な構造で、適切なフラックス処理により半田不良を防止して、強固な半田付けが可能となる。
図5は第4実施形態にかかる電線接続用の端子を示す展開図である。図5のように、第4実施形態の滞留生成部は、第3実施形態と異なり、電線5の外周面の一部に対向する電線接続部3の内面3aに形成された、複数の溝列、例えば格子状の溝7Cにより形成されている。格子状の溝7C(滞留生成部)は、溝7C内において、端子1の傾斜状態で電線5と電線接続部3間にフラックスFを一時的に滞留させる。その他の構成は第1実施形態と同様である。これにより、第1実施形態と同様に、フラックスFの逃げを一時的に抑止するので、この間フラックスFにより電線5表面を活性化して酸化皮膜が生成されるのを防止することができる。なお、溝7Cを格子状に並べた溝列に代えて、複数の溝を平行線状に並べた溝列としてもよい。
図6は第5実施形態にかかる電線接続用の端子を示す斜視図である。図6のように、第5実施形態の滞留生成部は、第3実施形態と異なり、電線5の外周面の一部に対向する電線接続部3の内周面に形成された、螺旋状の溝(例えば雌ねじ)7Dからなる。螺旋状の溝7D(滞留生成部)は、溝7D内において、端子1の傾斜状態で電線5と電線接続部3間にフラックスFを一時的に滞留させる。その他の構成は第1実施形態と同様である。これにより、第1実施形態と同様に、フラックスFの逃げを一時的に抑止するので、この間フラックスFにより電線5表面を活性化して酸化皮膜が生成されるのを防止することができる。
第4実施形態および第5実施形態では、格子状の溝7Cおよび螺旋状の溝7D(滞留生成部)により同様に、より低コストかつ簡単な構造で、適切なフラックス処理により半田不良を防止して、強固な半田付けが可能となる。また、投入されたフラックスFがそれぞれの溝に沿ってスムーズに電線5全体に行き渡るので、より確実なフラックス処理が可能となる。
図7(A)は第6実施形態にかかる電線接続用の端子を示す展開図、(B)はその電線接続用の端子を示す斜視図である。第6実施形態は、第1実施形態では電線が単線であるのと異なり、例えば多数の丸線の束からなる複数線5Aである。また多数の丸線の束に代えて、角線の束、撚り線の束およびアルミ箔被覆線の束などとしてもよい。その他の構成は第1実施形態と同様である。
多数の丸線の束からなる電線5Aが、第1実施形態と同様に、両電極8、8により無応力下で保持され加熱される。この状態で、フラックスFが投入されることにより、各丸線のアルミニウム表面が活性化して酸化皮膜の生成が防止され、その直後に半田Sが投入されることによって、各丸線間の毛細管現象により、半田Sが各丸線の束の中心まで瞬時に入る。このため、電線5Aの丸線束の表面だけでなく各丸線の内部まで半田付けされるので、強固な半田付けが可能となる。
また、複数線の電線5Aは第1実施形態だけでなく、第2〜5実施形態にも適用することができる。この場合、例えば第3実施形態では、滞留生成部が長手方向Xに沿って延びる凹部7Bであるが、丸線束の各丸線の落ち込みを防止するために、凹部7Bを長手方向Xに対して斜め(同一平面上で)になるように配置してもよい。第4実施形態では、滞留生成部が格子状の溝7Cであるので、丸線束の各丸線の落ち込みをより効果的に防止できる。
なお、上記各実施形態では、電線接続用の端子を自動車のワイヤハーネス用の電線に適用しているが、電気自動車のバッテリーチャージャー、電力伝送装置や大電力用のインバータなどの電線に適用してもよい。
なお、上記各実施形態では、加熱電極として、ヒュージング溶接電極で電線を加熱しているが、抵抗溶接電極で加熱してもよい。
1:電線接続用の端子
2:コネクタ部
3:電線接続部
5:電線
6:板材
7:滞留生成部
8:加熱電極
13:通電制御部
A:電線接続構造
S:半田
F:フラックス


Claims (11)

  1. コネクタ部と電線が半田付けにより接続される電線接続部とを有する電線接続用の端子であって、
    前記電線接続部は、端子の傾斜状態で半田付け用のフラックスを該電線接続部内部に一時的に滞留させる滞留生成部を備え、
    前記滞留生成部は、前記電線の外面の少なくとも一部に対向する内面に設けられている、
    電線接続用の端子。
  2. 請求項1において、
    前記滞留生成部は、長手方向に延びる前記電線の外周面の一部に対向する前記電線接続部の内面に形成され、その内方に突出して横方向に延びる少なくとも1つの凸壁からなる、電線接続用の端子。
  3. 請求項1において、
    前記滞留生成部は、前記電線の外周面の一部に対向する前記電線接続部の内面に形成された、少なくとも1つの電線の長手方向に延びる凹部からなる、電線接続用の端子。
  4. 請求項1において、
    前記滞留生成部は、前記電線の外周面の一部に対向する前記電線接続部の内面に形成された、複数の溝列からなる、電線接続用の端子。
  5. 請求項1において、
    前記滞留生成部は、前記電線の外周面の一部に対向する前記電線接続部の内周面に形成された、螺旋状の溝からなる、電線接続用の端子。
  6. コネクタ部と電線が半田付けにより接続される電線接続部とを有する電線接続用の端子であって、
    前記電線接続部は、端子の傾斜状態で半田付け用のフラックスを該電線接続部内部に一時的に滞留させる滞留生成部を備え、
    前記滞留生成部は、前記電線の外端面に対向する前記電線接続部のコネクタ部側の端部に形成された当該端部を覆う蓋部からなる、電線接続用の端子。
  7. 請求項1から6のいずれか1項において、
    前記端子は、電線と異なる材質の金属からなる、電線接続用の端子。
  8. 請求項7において、
    前記電線がアルミニウム、アルミニウム合金またはアルミニウム系複合材料からなり、および前記端子が銅、銅合金または銅系複合材料からなる、もしくは、前記電線が銅、銅合金または銅系複合材料からなり、および前記端子がアルミニウム、アルミニウム合金またはアルミニウム系複合材料からなる、電線接続用の端子。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の端子と電線とを接続した電線接続構造であって、
    前記電線が前記電線接続部に非かしめ状態で保持され、かつ半田付けされている、電線接続構造。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の端子に電線を接続する方法であって、
    前記電線を前記電線接続部に非かしめ状態で保持し、前記電線接続部および端子を加熱状態で傾斜させて、その上端側からフラックスを投入して前記端子の電線接続部内部に一時的に滞留させ、この状態で端子に電線を半田付けする、
    電線と端子の接続方法。
  11. 請求項10に記載の電線と端子の接続方法に用いられる一対の加熱電極であって、
    前記一対の加熱電極は、前記電線接続部および端子を加熱状態で傾斜させて保持するように、各先端部がそれぞれ傾斜されてなる、
    電線と端子の接続方法に用いられる加熱電極。


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