JP2004345392A - 自動車のタイダウンフック取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で製造コストの低減が得られ、かつ車体剛性の向上が得られる自動車のタイダウンフック取付構造を提供する。
【解決手段】サイドシル11の各後部にリヤフレーム21の前部が結合すると共に、サイドシル11にクロスメンバ31が掛け渡されて結合され、タイダウンフック41をサイドシル11のサイドシル12とリヤフレーム31の結合部においてサイドシルインナ12とリヤフレーム21に跨り配置し、タイダウンフック41をサイドシルインナ13及びリヤフレーム21にそれぞれボルト結合する。
【選択図】 図1
【解決手段】サイドシル11の各後部にリヤフレーム21の前部が結合すると共に、サイドシル11にクロスメンバ31が掛け渡されて結合され、タイダウンフック41をサイドシル11のサイドシル12とリヤフレーム31の結合部においてサイドシルインナ12とリヤフレーム21に跨り配置し、タイダウンフック41をサイドシルインナ13及びリヤフレーム21にそれぞれボルト結合する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の輸送時にロープ等の繋留用索条を係止する自動車のタイダウンフック取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車には、船舶、貨車、搬送車等による輸送時に自動車自体をロープ等の繋留用索条によって係止するためのタイダウンフックが設けられている。
【0003】
このタイダウンフックは、棒状部材をU字状またはV字状に屈曲成形したフック部材、或いは板状鋼板に係合孔が穿孔されたフック部材によって形成され、車体の前後端部において車体フレーム等の高強度の車体部分に溶接等によって取り付けられている。
【0004】
このタイダウンフックは、例えば図9に示すようにフックブラケット102と、このフックブラケット102に両端が一体に取り付けられるU字形のフック部材103と、バンパブラケット104と、取り付け用のステー105とが一体に組み付けられた部品として構成される。このように構成されたタイダウンフック101は、図10に示すように車体側に取り付けられた車体ブラケット107を介してクロスメンバ108及びフロアパネル109に取り付けられ、かつバンパブラケット103にバンパ110を取り付けるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、車体後部構造は、図11に要部平面図を示し、かつ図11のA矢視図を図12に示すように、左右の車体側方に沿って対向して延びるサイドシル111の後部に、前後方向に延在する左右のリヤフレーム112の前部を連結し、このリヤフレーム112の前端近傍及び中間位置にクロスメンバ113、114が掛け渡されて梯子状に形成している。この左右のリヤフレーム112の後部側面にそれぞれフック係止孔116が穿設された板状のタイダウンフック115を結合している(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−180240号公報
【特許文献2】
実開平6−74582号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載のタイダウンフック取付構造によると、フック部材103が取り付けられたフックブラケット102を、車体ブラケット107を介してクロスメンバ108及びフロアパネル109に取り付けることによって、タイダウンフック101の取付強度が得られる。
【0008】
しかし、フック部材103を取り付けるためのフックブラケット102、ステー105及び車体ブラケット107を要し、構成部品点数が多く、構造が複雑になり製造コストの増大を招くことが懸念される。
【0009】
一方、上記特許文献2に記載のように左右のリヤフレーム112の後部側面に板状のタイダウンフック115を直接結合することによって、構成部品の点数が削減されて製造コストの削減が期待できる。
【0010】
しかし、左右のリヤフレーム112の側面に結合された板状のタイダウンフック115は、その取付強度、特に車幅方向から作用する荷重に対する取付強度が十分に確保できないおそれがある。また、図11に示すようにサイドシル111とリヤフレーム112が直線状に結合されない場合には、その結合部の剛性が低く、この連結部が車体前後方向の剛性上の不連続部分となり、車体剛性の低下を招く要因となり、かつ衝突時における円滑な衝撃荷重の分散伝達に影響を及ぼす要因となることがある。
【0011】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、構成部品の増加を招くことなく簡単な構造で製造コストの低減が得られ、かつ車体剛性の向上が得られる自動車のタイダウンフック取付構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の自動車のタイダウンフック取付構造の発明は、前後方向に延在する左右のサイドシルの各後部にそれぞれ前後方向に延在する左右のリヤフレームの前部を結合すると共に、上記左右のサイドシルにクロスメンバが掛け渡されて結合された自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、上記サイドシルのサイドシルインナとリヤフレームの結合部において上記サイドシルインナとリヤフレームに跨り配置され、上記タイダウンフックとサイドシルインナとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってサイドシルインナに結合すると共に、上記タイダウンフックとリヤフレームに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってリヤフレームに結合したことを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明によると、サイドシルインナとリヤフレームの結合部において、タイダウンフックをサイドシルインナとリヤフレームに跨り配置して、タイダウンフックとサイドシルインナ及びタイダウンフックとリヤフレームをそれぞれボルト結合してタイダウンフックを取り付けることによって、タイダウンフックを介してサイドシルインナとリヤフレームが連結されてサイドシルとリヤフレームの結合剛性が向上し、車体剛性が確保できる。車体剛性の確保によって優れた走行安定性及び操縦性が確保できると共に、衝突等により衝撃荷重が作用したときには、その衝撃荷重を車体全体に効率的に分散伝達することができる。また、結合ボルトによる締め付けによる簡単な作業でタイダウンフックを取り付けることができ、タイダウンフックの取付作業性に優れ、かつタイダウンフックが単一の部品で構成されることから製造コストの低減が得られる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1の自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、更に互いに重合する該タイダウンフックとサイドシルインナとリヤフレームとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってサイドシルインナ及びリヤフレームに共締めされて結合したことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によると、請求項1に加え、更にサイドシルインナとリヤフレームとがボルト結合されて、サイドシルとリヤフレームの結合剛性が更に向上し、車体剛性が更に向上する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1の自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、更に互いに重合する該タイダウンフックと上記サイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトよってサイドシルインナ、リヤフレーム及びクロスメンバに共締めされて結合したことを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明によると、請求項2の発明に加え、クロスメンバもサイドシルインナ及びリヤフレームに取付ボルトよって共締めされてサイドシルとリヤフレームとクロスメンバの結合剛性が向上し、車体剛性が更に向上する。
【0018】
請求項4に記載の自動車のタイダウンフック取付構造の発明は、前後方向に延在する左右のサイドシルの各後部にそれぞれ前後方向に延在する左右のリヤフレームの前部を結合すると共に、上記左右のサイドシルにクロスメンバが掛け渡されて結合された自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、上記サイドシルのサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとの結合部において互いに重合する上記タイダウンフックとサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによりサイドシルインナ、リヤフレーム及びクロスメンバに共締めされて結合したことを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明によると、サイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバの結合部において、タイダウンフックをサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバに結合ボルトによって共締めすることによって、サイドシルとリヤフレームとクロスメンバの結合剛性が確保でき、車体剛性が向上して走行安定性が確保できると共に、衝突等により衝撃荷重が作用したときには、その衝撃荷重を車体全体に効率的に分散伝達することができる。また、結合ボルトによる締め付けによる簡単な作業でタイダウンフックを取り付けることができ、タイダウンフックの取付作業性に優れ、かつタイダウンフックが単一の部品で構成されることから製造コストの低減が得られる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、該タイダウンフックに穿設された取付孔側から挿入された上記結合ボルトによって結合したことを特徴とする。
【0021】
請求項5の発明によると、タイダウンフックをタイダウンフック側、即ち、車体下面側からの結合ボルトの締結作業によってタイダウンフックを取り付けることが可能になり、優れたタイダウンフックの取付作業性が確保できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による自動車のタイダウンフック取付構造の実施の形態を図を参照して説明する。なお、図中矢印Fは車体前方方向、矢印OUTは車幅方向における外方方向を示し、矢印UPは上方方向を示している。
【0023】
車体後部は、図1に要部平面図を示すように、左右の車体側方に沿って対向して延在するサイドシル11の後部に、前後方向に延在するリヤフレーム21の前部が結合されている。この左右の結合部分にクロスメンバ31の左右端部が結合されて掛け渡され、これらサイドシル11、リヤフレーム21、クロスメンバ31の結合部分にサイドシル11、リヤフレーム21及びクロスメンバ31に跨ってタイダウンフック41が取り付けられている。
【0024】
次に、図2乃至図8を参照してサイドシル11、リヤフレーム21、クロスメンバ31、タイダウンフック41のそれぞれの概要を説明し、続いてそれらの結合状態を説明する。図2は、タイダウンフックの取付部の概要を示す分解斜視図、図3はタイダウンフックの取付部を示す斜視図、図4はタイダウンフックの斜視図、図5、図6、図7、図8はそれぞれ図3のIII−III線断面図、II−II線断面図、I−I線断面図、IV−IV線断面図である。
【0025】
サイドシル11は、図2に示すように車体外方側が開口する断面略コ字状乃至C字状で前後方向に連続する内側面13の上縁及び下縁に沿って上側フランジ14、下側フランジ15が折曲形成されたサイドシルインナ12と、車体内方側が開口する断面略コ字状乃至C字状で前後方向に連続する外側面17の上縁及び下縁に沿って上側フランジ18、下側フランジ19が折曲形成されたサイドシルアウタ16と、板状のリンホース20とを有している。
【0026】
サイドシルインナ12の内側面13の下部に車体前後方向に離れて前側取付孔13aと後側取付孔13cが穿設されている。そして、リンホース20の上縁20a及び下縁20bを、それぞれ対向するサイドシルインナ12及びサイドシルアウタ16の上側フランジ14と18、下側フランジ15と19の間に挟んでそれぞれ上側フランジ14と18、下側フランジ15と19を結合することによって、リンホース20によって内部が区画された前後方向に連続する中空の閉断面形状のサイドシル11が形成される。
【0027】
リヤフレーム21は、内面22、下面23、外面24によって上方が開放された車体前後方向に連続する断面略コ字状であって、内面22及び外面24の上端に内側フランジ22a及び外側フランジ24aが折曲形成されている。内側フランジ22a及び外側フランジ24aが図示しないリヤフロアパネルの下面に結合してリヤフレーム21とフロアパネルによって車体前後方向に連続する中空状の閉断面形状を形成している。
【0028】
リヤフレーム21の前部は、下面23が前方に移行するに従って漸次狭くなるテーパ状に形成され、外面24の前端に対し内面22の前端が車体前方側に位置している。内面22の前端に、上下に延びてサイドシルインナ12の内側面13に結合する結合面25が形成され、かつ下面23の外側縁に沿って下方に折曲して結合フランジ26が形成されている。結合フランジ26は前端が結合面25に連続すると共に、下面23の外側縁に沿って前後方向に連続し、かつサイドシルインナ12に穿設された前側取付孔13aに対応して前側取付孔26aが穿設されている。更に、リヤフレーム21の下面23に中間取付孔23bが穿設されている。
【0029】
クロスメンバ31は、底面部32及びこの底面部32の後端に上方に折曲形成された後面部33によって形成された車幅方向に連続する断面略L字状であって、底面部32の前端縁32aに沿って図示しないフロントフロアの後端が結合される。一方、後面部33の上縁に沿って図示しないリヤフロアの前端が結合される上端フランジ33aが折曲形成されている。底面部32の側端に沿ってリヤフレーム21に形成された結合フランジ26の前部範囲及びサイドシルインナ12の内側面13に結合する結合部34が前後方向に延在して折曲形成されている。結合部34の後端近傍にサイドシルインナ12の内側面13及びリヤフレーム21の結合フランジ26に穿孔された前側取付孔13a、26aに対応する前側取付孔34aが穿設されている。後面部33の側端に上下方向に連続してリヤフレーム21の内面22に結合される側端フランジ33bが折曲形成されている。
【0030】
このクロスメンバ31の前端縁32aの近傍と上端フランジ33aとの間に、図示しない断面略L字状で車幅方向に連続するクロスメンバリンホースが掛け渡されてクロスメンバ31とクロスメンバリンホースとによって車幅方向に連続する中空の閉断面形状を形成することによって、左右のリヤフレーム21の前端間を連結して車体剛性を確保する。
【0031】
タイダウンフック41は、比較的板厚が大で剛性が確保された板状材で形成され、図4に示すように、リヤフレーム21の下面23に接合可能で前後方向に延びる上部取付部42と、上部取付部42の内側縁から下方に折曲形成されて前後方に連続する前部取付部43、フック部45、後部取付部44を有する剛性が確保された断面略L字状に形成されている。上部取付部42の中央部にリヤフレーム21の下面23に穿設された中間取付孔23bに対応する中間取付孔42bが穿設されている。前部取付部43は、クロスメンバ31の結合部34に接合すると共にサイドシルインナ12、リヤフレーム21及びクロスメンバ31に穿設された前側取付孔13a、26a及び34aに対応する前側取付孔43aが穿設されている。後部取付部44は、サイドシルインナ12の内側面13に接合すると共に、サイドシルインナ12に穿設された後側取付孔13cに対応する後側取付孔44cが穿設されている。フック部45は前縁が段差45aを介して折曲して前部取付部43に連続し、後縁が段差45bを介して折曲して後部取付部44に連続すると共にサイドシルインナ12の内側面13から離れ、かつ中央部にフック係止孔46が開口している。
【0032】
更に、図5、図7及び図8に示すようにリヤフレーム21の下面23には板状のリンホース28が設けられ、かつ中間取付孔23bに対応してナットプレート47が取り付けられている。また、サイドシルインナ12には、図6に示すようにその前側取付孔13aに対応してナット48が取り付けられ、かつ図8に示すように後側取付孔13cに対応してナットプレート49が取り付けられている。なお、図2及び図3にはリンホース28、ナットプレート47、ナット48、ナットプレート49は省略されている。
【0033】
このように形成されたサイドシルインナ12、リヤフレーム21、クロスメンバ31、タイダウンフック41の結合は、予めサイドシルインナ12の前側取付孔13a及び後側取付孔13cに対応してナット48とナットプレート49を取り付け、リヤフレーム21にリンホース28を取り付けると共に中間取付孔23bに対応してナットプレート47を取り付けて準備する。
【0034】
ナット48及びナットプレート49が取り付けられたサイドシルインナ12の内側面13に、図3に示すようにリヤフレーム21の内面22の前端に形成された結合部25及び下面23に形成された結合フランジ26を、互いの前側取付孔13aと26aが対応するように位置決めして重ね、互いに重合する結合部25及び結合フランジ26を溶接結合する。またリヤフレーム21に予め取り付けられたリンホース28と内面部13を溶接結合してサイドシルインナ12とリヤフレーム21の前部を結合する。
【0035】
クロスメンバ31の底面部32の端縁に形成された結合部34及び後面部33の端縁に形成された側端フランジ33bと、リヤフレーム21の結合フランジ26及び内面22を、互いの前側取付孔26aと34aが対応するように位置決めして重ね、互いに重合する結合部34と結合フランジ26を共にサイドシルインナ12の内側面13に溶接結合し、かつ、側端フランジ33bとリヤフレーム21に内面22を溶接結合してサイドシルインナ12とリヤフレーム21の前部分とクロスメンバ31の側端部分を一体結合する。
【0036】
更に、サイドシルインナ12及びサイドシルアウタ16の上側フランジ14と18、下側フランジ18と19をリンホース20を介在して重ね、互いに重合する上側フランジ14と18とリンホース20の上縁20aを共に溶接し、かつ下側フランジ15と19とリンホース20の下縁20bを共に溶接してリンホース20によって内部が区画された前後方向に連続する中空の断面形状で剛性が確保されたサイドシル11を形成する。
【0037】
しかる後、タイダウンフック41の上部取付部42、前部取付部43、後部取付部44をそれぞれリヤフレーム21の下面23、クロスメンバ31の結合部34、サイドシルインナ12の内側面13に跨り、それぞれ中間取付孔23bと42b、前側取付孔34aと43a、後側取付孔13cと44cが対応するように位置決めして重ねる。
【0038】
そして、図6に示すように位置決めされて互いに重合するタイダウンフック41の前部取付部43、クロスメンバ31の結合部34、リヤフレーム21の結合フランジ26、及びサイドシルインナ12の内側面13に穿設された前側取付孔43a、34a、26a、13aにタイダウンフック41の前側取付孔43a側から結合ボルト51を挿入して貫通させ、ナット48に螺合してタイダウンフック41の前部取付部43をクロスメンバ31の結合部34、リヤフレーム21の結合フランジ26及びサイドシルインナ12の内側面13に共締めして結合する。
【0039】
また、図7に示すように位置決めされた上部取付部42及びリヤフレーム21の下面23に穿設された中間取付孔42b、23bにタイダウンフック41の中間取付孔42b側から結合ボルト52を挿入して貫通させ、ナットプレート47に螺合して上部取付部42をリヤフレーム21の下面23に結合する。同様に図8に示すように位置決めされた後部取付部44及びサイドシルインナ12の内側面13に穿設された後側取付孔44c、13cにタイダウンフック41の後側取付孔44c側から結合ボルト53を挿入して貫通させ、ナットプレート49に螺合して後部取付部44をサイドシルインナ12の内側面13に結合することによってタイダウンフック41を車体に取り付ける。なお、図5において符号55は、ロープ等の繋留用索条の先端に取り付けられてフック係止孔46に係合するフックである。
【0040】
このように構成された本実施の形態によると、互いに重合するサイドシルインナ12の内側面13と、リヤフレーム21の結合フランジ26と、クロスメンバ31の結合部34と、タイダウンフック41の前部取付部43が結合ボルト51及びナット48によって共締めされてサイドシルインナ12とリヤフレーム21とクロスメンバ31が強固に結合され、サイドシルインナ12とリヤフレーム21とクロスメンバ31との結合剛性が確保できる。また、剛性が確保されたその部分にタイダウンフック41が結合されてタイダウンフック41の取付剛性が向上する。
【0041】
更に、リヤフレーム21の下面23とタイダウンフック41の上部取付部42が結合ボルト52及びナットプレート47によって結合され、かつサイドシルインナ12の内側面13とタイダウンフック41の後部取付部44が結合ボルト53及びナットプレート49によって結合されてサイドシルインナ12とリヤフレーム31が強固に結合される。換言すると、タイダウンフック41がサイドシルインナ12とリヤフレーム21とクロスメンバ31に跨り配置され、サイドシルインナ12とリヤフレーム21とタイダウンフック41の前部取付部43が結合ボルト51及びナット48によって結合され、サイドシルインナ12とタイダウンフック41の後部取付部44が結合ボルト53及びナットプレート49によって結合され、かつリヤフレーム21とタイダウンフック41の上部取付部42が結合ボルト52及びナットプレート28によって結合されてサイドシル11とリヤフレーム21がタイダウンフック41と共に3箇所でボルト結合され、サイドシル11とリヤフレーム21の結合剛性が確保できる。
【0042】
サイドシル11とリヤフレーム21とクロスメンバ31が互いに強固に結合されて車体剛性が確保でき、車体の曲げ剛性及び捩り剛性が向上して走行安定性および操縦性が確保でき乗り心地の向上が得られる。
【0043】
また、サイドシル11とリヤフレーム21の結合部の剛性が確保され、例えば衝突等により車体後方から衝撃荷重が作用したときには、その衝撃荷重をリヤフレーム21からサイドシル11及びクロスメンバ31等を介して車体全体に効率的に分散伝達されて有効的に衝撃を緩和することができる。同様に車体側方から衝撃荷重が作用したときにも、サイドシル11からリヤフレーム21及びクロスメンバ31等を介して車体全体に分散伝達されて効率的に衝撃を緩和が得られ、衝突時の安全性に優れると共に、車体の局部的な変形が抑制されてドアの開扉性が確保でき乗員の安全性が確保できる。
【0044】
また、結合ボルト51を前部取付部43に穿設された前側取付孔43a側から挿入してクロスメンバ31、リヤフレーム21及びサイドシルインナ12の前側取付孔34a、26a、13aを貫通してナット48に締め付け、同様に取付ボルト52を上部取付部42に穿設された中間取付孔42bから挿入してリヤフレーム21の中間取付孔23bを貫通してナットプレート47に締め付け、かつ取付ボルト53を後部取付部43に穿設された後側取付孔43cから挿入してサイドシルインナ12の後側取付孔13cを貫通してナットプレート49に締め付けることから、全ての結合ボルト51、52、53が車体下面側からの締結作業によって行え、簡単な作業でタイダウンフック41を取り付けることができ、タイダウンフック41の取付作業性に優れる。タイダウンフック41が断面略L字状で連続する簡単な単一の部品で構成されることと相俟って製造コストの低減が得られる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明した自動車のタイダウンフック取付構造によると、サイドシルとリヤフレームの結合部において、タイダウンフックをサイドシルインナとリヤフレームに跨り配置して、タイダウンフックとサイドシルインナ及びタイダウンフックとリヤフレームをそれぞれボルト結合してタイダウンフックを取り付けることによって、タイダウンフックを介してサイドシルインナとリヤフレームが連結されてサイドシルとリヤフレームの結合剛性が向上して車体剛性が確保できる。サイドシルとリヤフレームの結合剛性の確保によって、衝突等により衝撃荷重が作用したときには、その衝撃荷重を車体全体に効率的に分散伝達することができる。また、結合ボルトによる締め付けによる簡単な作業でタイダウンフックを取り付けることができ、タイダウンフックの取付作業性に優れ、かつタイダウンフックを単一の部品で構成することができ製造コストの低減が得られる。
【0046】
また、本発明によると、サイドシルとリヤフレームとクロスメンバの結合部において、タイダウンフックをサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバに結合ボルトによって共締めすることによって、サイドシルとリヤフレームとクロスメンバとの結合剛性が向上して車体剛性が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタイダウンフック取付構造の実施の形態の概要を示す車体後部の平面図である。
【図2】同じく、本実施の形態の概要を示すタイダウンフック取付部の分解斜視図である。
【図3】同じく、タイダウンフックの取付部を示す斜視図である。
【図4】同じく、タイダウンフックの斜視図である。
【図5】同じく、図3のIII−III線断面図である。
【図6】同じく、図3のII−II線断面図である。
【図7】同じく、図3のI−I線断面図である。
【図8】同じく、図3のIV−IV線断面図である。
【図9】従来のタイダウンフックの概要を示す斜視図である。
【図10】同じく、タイダウンフックの取付状態を示す側面図である。
【図11】車体後部構造を示す要部平面図である。
【図12】図11のA矢視図である。
【符号の説明】
11 サイドシル
12 サイドシルインナ
13 内側面
13a 前側取付孔(取付孔)
13c 後側取付孔(取付孔)
16 サイドシルアウタ
21 リヤフレーム
22 内面
23 下面
23b 中間取付孔(取付孔)
24 外面
25 結合面
26 結合フランジ
26a 前側取付孔(取付孔)
31 クロスメンバ
32 底面部
32a 前端縁
33 後面部
34 結合部
34a 前側取付孔(取付孔)
41 タイダウンフック
42 上部取付部
42b 中間取付孔(取付孔)
43 前部取付部
43a 前側取付孔(取付孔)
44 後部取付部
44c 後側取付孔(取付孔)
45 フック部
46 フック係止孔
47 ナットプレート
48 ナット
49 ナットプレート
51 結合ボルト
52 結合ボルト
53 結合ボルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の輸送時にロープ等の繋留用索条を係止する自動車のタイダウンフック取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車には、船舶、貨車、搬送車等による輸送時に自動車自体をロープ等の繋留用索条によって係止するためのタイダウンフックが設けられている。
【0003】
このタイダウンフックは、棒状部材をU字状またはV字状に屈曲成形したフック部材、或いは板状鋼板に係合孔が穿孔されたフック部材によって形成され、車体の前後端部において車体フレーム等の高強度の車体部分に溶接等によって取り付けられている。
【0004】
このタイダウンフックは、例えば図9に示すようにフックブラケット102と、このフックブラケット102に両端が一体に取り付けられるU字形のフック部材103と、バンパブラケット104と、取り付け用のステー105とが一体に組み付けられた部品として構成される。このように構成されたタイダウンフック101は、図10に示すように車体側に取り付けられた車体ブラケット107を介してクロスメンバ108及びフロアパネル109に取り付けられ、かつバンパブラケット103にバンパ110を取り付けるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、車体後部構造は、図11に要部平面図を示し、かつ図11のA矢視図を図12に示すように、左右の車体側方に沿って対向して延びるサイドシル111の後部に、前後方向に延在する左右のリヤフレーム112の前部を連結し、このリヤフレーム112の前端近傍及び中間位置にクロスメンバ113、114が掛け渡されて梯子状に形成している。この左右のリヤフレーム112の後部側面にそれぞれフック係止孔116が穿設された板状のタイダウンフック115を結合している(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−180240号公報
【特許文献2】
実開平6−74582号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載のタイダウンフック取付構造によると、フック部材103が取り付けられたフックブラケット102を、車体ブラケット107を介してクロスメンバ108及びフロアパネル109に取り付けることによって、タイダウンフック101の取付強度が得られる。
【0008】
しかし、フック部材103を取り付けるためのフックブラケット102、ステー105及び車体ブラケット107を要し、構成部品点数が多く、構造が複雑になり製造コストの増大を招くことが懸念される。
【0009】
一方、上記特許文献2に記載のように左右のリヤフレーム112の後部側面に板状のタイダウンフック115を直接結合することによって、構成部品の点数が削減されて製造コストの削減が期待できる。
【0010】
しかし、左右のリヤフレーム112の側面に結合された板状のタイダウンフック115は、その取付強度、特に車幅方向から作用する荷重に対する取付強度が十分に確保できないおそれがある。また、図11に示すようにサイドシル111とリヤフレーム112が直線状に結合されない場合には、その結合部の剛性が低く、この連結部が車体前後方向の剛性上の不連続部分となり、車体剛性の低下を招く要因となり、かつ衝突時における円滑な衝撃荷重の分散伝達に影響を及ぼす要因となることがある。
【0011】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、構成部品の増加を招くことなく簡単な構造で製造コストの低減が得られ、かつ車体剛性の向上が得られる自動車のタイダウンフック取付構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の自動車のタイダウンフック取付構造の発明は、前後方向に延在する左右のサイドシルの各後部にそれぞれ前後方向に延在する左右のリヤフレームの前部を結合すると共に、上記左右のサイドシルにクロスメンバが掛け渡されて結合された自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、上記サイドシルのサイドシルインナとリヤフレームの結合部において上記サイドシルインナとリヤフレームに跨り配置され、上記タイダウンフックとサイドシルインナとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってサイドシルインナに結合すると共に、上記タイダウンフックとリヤフレームに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってリヤフレームに結合したことを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明によると、サイドシルインナとリヤフレームの結合部において、タイダウンフックをサイドシルインナとリヤフレームに跨り配置して、タイダウンフックとサイドシルインナ及びタイダウンフックとリヤフレームをそれぞれボルト結合してタイダウンフックを取り付けることによって、タイダウンフックを介してサイドシルインナとリヤフレームが連結されてサイドシルとリヤフレームの結合剛性が向上し、車体剛性が確保できる。車体剛性の確保によって優れた走行安定性及び操縦性が確保できると共に、衝突等により衝撃荷重が作用したときには、その衝撃荷重を車体全体に効率的に分散伝達することができる。また、結合ボルトによる締め付けによる簡単な作業でタイダウンフックを取り付けることができ、タイダウンフックの取付作業性に優れ、かつタイダウンフックが単一の部品で構成されることから製造コストの低減が得られる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1の自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、更に互いに重合する該タイダウンフックとサイドシルインナとリヤフレームとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってサイドシルインナ及びリヤフレームに共締めされて結合したことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によると、請求項1に加え、更にサイドシルインナとリヤフレームとがボルト結合されて、サイドシルとリヤフレームの結合剛性が更に向上し、車体剛性が更に向上する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1の自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、更に互いに重合する該タイダウンフックと上記サイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトよってサイドシルインナ、リヤフレーム及びクロスメンバに共締めされて結合したことを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明によると、請求項2の発明に加え、クロスメンバもサイドシルインナ及びリヤフレームに取付ボルトよって共締めされてサイドシルとリヤフレームとクロスメンバの結合剛性が向上し、車体剛性が更に向上する。
【0018】
請求項4に記載の自動車のタイダウンフック取付構造の発明は、前後方向に延在する左右のサイドシルの各後部にそれぞれ前後方向に延在する左右のリヤフレームの前部を結合すると共に、上記左右のサイドシルにクロスメンバが掛け渡されて結合された自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、上記サイドシルのサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとの結合部において互いに重合する上記タイダウンフックとサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによりサイドシルインナ、リヤフレーム及びクロスメンバに共締めされて結合したことを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明によると、サイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバの結合部において、タイダウンフックをサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバに結合ボルトによって共締めすることによって、サイドシルとリヤフレームとクロスメンバの結合剛性が確保でき、車体剛性が向上して走行安定性が確保できると共に、衝突等により衝撃荷重が作用したときには、その衝撃荷重を車体全体に効率的に分散伝達することができる。また、結合ボルトによる締め付けによる簡単な作業でタイダウンフックを取り付けることができ、タイダウンフックの取付作業性に優れ、かつタイダウンフックが単一の部品で構成されることから製造コストの低減が得られる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの自動車のタイダウンフック取付構造において、上記タイダウンフックは、該タイダウンフックに穿設された取付孔側から挿入された上記結合ボルトによって結合したことを特徴とする。
【0021】
請求項5の発明によると、タイダウンフックをタイダウンフック側、即ち、車体下面側からの結合ボルトの締結作業によってタイダウンフックを取り付けることが可能になり、優れたタイダウンフックの取付作業性が確保できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による自動車のタイダウンフック取付構造の実施の形態を図を参照して説明する。なお、図中矢印Fは車体前方方向、矢印OUTは車幅方向における外方方向を示し、矢印UPは上方方向を示している。
【0023】
車体後部は、図1に要部平面図を示すように、左右の車体側方に沿って対向して延在するサイドシル11の後部に、前後方向に延在するリヤフレーム21の前部が結合されている。この左右の結合部分にクロスメンバ31の左右端部が結合されて掛け渡され、これらサイドシル11、リヤフレーム21、クロスメンバ31の結合部分にサイドシル11、リヤフレーム21及びクロスメンバ31に跨ってタイダウンフック41が取り付けられている。
【0024】
次に、図2乃至図8を参照してサイドシル11、リヤフレーム21、クロスメンバ31、タイダウンフック41のそれぞれの概要を説明し、続いてそれらの結合状態を説明する。図2は、タイダウンフックの取付部の概要を示す分解斜視図、図3はタイダウンフックの取付部を示す斜視図、図4はタイダウンフックの斜視図、図5、図6、図7、図8はそれぞれ図3のIII−III線断面図、II−II線断面図、I−I線断面図、IV−IV線断面図である。
【0025】
サイドシル11は、図2に示すように車体外方側が開口する断面略コ字状乃至C字状で前後方向に連続する内側面13の上縁及び下縁に沿って上側フランジ14、下側フランジ15が折曲形成されたサイドシルインナ12と、車体内方側が開口する断面略コ字状乃至C字状で前後方向に連続する外側面17の上縁及び下縁に沿って上側フランジ18、下側フランジ19が折曲形成されたサイドシルアウタ16と、板状のリンホース20とを有している。
【0026】
サイドシルインナ12の内側面13の下部に車体前後方向に離れて前側取付孔13aと後側取付孔13cが穿設されている。そして、リンホース20の上縁20a及び下縁20bを、それぞれ対向するサイドシルインナ12及びサイドシルアウタ16の上側フランジ14と18、下側フランジ15と19の間に挟んでそれぞれ上側フランジ14と18、下側フランジ15と19を結合することによって、リンホース20によって内部が区画された前後方向に連続する中空の閉断面形状のサイドシル11が形成される。
【0027】
リヤフレーム21は、内面22、下面23、外面24によって上方が開放された車体前後方向に連続する断面略コ字状であって、内面22及び外面24の上端に内側フランジ22a及び外側フランジ24aが折曲形成されている。内側フランジ22a及び外側フランジ24aが図示しないリヤフロアパネルの下面に結合してリヤフレーム21とフロアパネルによって車体前後方向に連続する中空状の閉断面形状を形成している。
【0028】
リヤフレーム21の前部は、下面23が前方に移行するに従って漸次狭くなるテーパ状に形成され、外面24の前端に対し内面22の前端が車体前方側に位置している。内面22の前端に、上下に延びてサイドシルインナ12の内側面13に結合する結合面25が形成され、かつ下面23の外側縁に沿って下方に折曲して結合フランジ26が形成されている。結合フランジ26は前端が結合面25に連続すると共に、下面23の外側縁に沿って前後方向に連続し、かつサイドシルインナ12に穿設された前側取付孔13aに対応して前側取付孔26aが穿設されている。更に、リヤフレーム21の下面23に中間取付孔23bが穿設されている。
【0029】
クロスメンバ31は、底面部32及びこの底面部32の後端に上方に折曲形成された後面部33によって形成された車幅方向に連続する断面略L字状であって、底面部32の前端縁32aに沿って図示しないフロントフロアの後端が結合される。一方、後面部33の上縁に沿って図示しないリヤフロアの前端が結合される上端フランジ33aが折曲形成されている。底面部32の側端に沿ってリヤフレーム21に形成された結合フランジ26の前部範囲及びサイドシルインナ12の内側面13に結合する結合部34が前後方向に延在して折曲形成されている。結合部34の後端近傍にサイドシルインナ12の内側面13及びリヤフレーム21の結合フランジ26に穿孔された前側取付孔13a、26aに対応する前側取付孔34aが穿設されている。後面部33の側端に上下方向に連続してリヤフレーム21の内面22に結合される側端フランジ33bが折曲形成されている。
【0030】
このクロスメンバ31の前端縁32aの近傍と上端フランジ33aとの間に、図示しない断面略L字状で車幅方向に連続するクロスメンバリンホースが掛け渡されてクロスメンバ31とクロスメンバリンホースとによって車幅方向に連続する中空の閉断面形状を形成することによって、左右のリヤフレーム21の前端間を連結して車体剛性を確保する。
【0031】
タイダウンフック41は、比較的板厚が大で剛性が確保された板状材で形成され、図4に示すように、リヤフレーム21の下面23に接合可能で前後方向に延びる上部取付部42と、上部取付部42の内側縁から下方に折曲形成されて前後方に連続する前部取付部43、フック部45、後部取付部44を有する剛性が確保された断面略L字状に形成されている。上部取付部42の中央部にリヤフレーム21の下面23に穿設された中間取付孔23bに対応する中間取付孔42bが穿設されている。前部取付部43は、クロスメンバ31の結合部34に接合すると共にサイドシルインナ12、リヤフレーム21及びクロスメンバ31に穿設された前側取付孔13a、26a及び34aに対応する前側取付孔43aが穿設されている。後部取付部44は、サイドシルインナ12の内側面13に接合すると共に、サイドシルインナ12に穿設された後側取付孔13cに対応する後側取付孔44cが穿設されている。フック部45は前縁が段差45aを介して折曲して前部取付部43に連続し、後縁が段差45bを介して折曲して後部取付部44に連続すると共にサイドシルインナ12の内側面13から離れ、かつ中央部にフック係止孔46が開口している。
【0032】
更に、図5、図7及び図8に示すようにリヤフレーム21の下面23には板状のリンホース28が設けられ、かつ中間取付孔23bに対応してナットプレート47が取り付けられている。また、サイドシルインナ12には、図6に示すようにその前側取付孔13aに対応してナット48が取り付けられ、かつ図8に示すように後側取付孔13cに対応してナットプレート49が取り付けられている。なお、図2及び図3にはリンホース28、ナットプレート47、ナット48、ナットプレート49は省略されている。
【0033】
このように形成されたサイドシルインナ12、リヤフレーム21、クロスメンバ31、タイダウンフック41の結合は、予めサイドシルインナ12の前側取付孔13a及び後側取付孔13cに対応してナット48とナットプレート49を取り付け、リヤフレーム21にリンホース28を取り付けると共に中間取付孔23bに対応してナットプレート47を取り付けて準備する。
【0034】
ナット48及びナットプレート49が取り付けられたサイドシルインナ12の内側面13に、図3に示すようにリヤフレーム21の内面22の前端に形成された結合部25及び下面23に形成された結合フランジ26を、互いの前側取付孔13aと26aが対応するように位置決めして重ね、互いに重合する結合部25及び結合フランジ26を溶接結合する。またリヤフレーム21に予め取り付けられたリンホース28と内面部13を溶接結合してサイドシルインナ12とリヤフレーム21の前部を結合する。
【0035】
クロスメンバ31の底面部32の端縁に形成された結合部34及び後面部33の端縁に形成された側端フランジ33bと、リヤフレーム21の結合フランジ26及び内面22を、互いの前側取付孔26aと34aが対応するように位置決めして重ね、互いに重合する結合部34と結合フランジ26を共にサイドシルインナ12の内側面13に溶接結合し、かつ、側端フランジ33bとリヤフレーム21に内面22を溶接結合してサイドシルインナ12とリヤフレーム21の前部分とクロスメンバ31の側端部分を一体結合する。
【0036】
更に、サイドシルインナ12及びサイドシルアウタ16の上側フランジ14と18、下側フランジ18と19をリンホース20を介在して重ね、互いに重合する上側フランジ14と18とリンホース20の上縁20aを共に溶接し、かつ下側フランジ15と19とリンホース20の下縁20bを共に溶接してリンホース20によって内部が区画された前後方向に連続する中空の断面形状で剛性が確保されたサイドシル11を形成する。
【0037】
しかる後、タイダウンフック41の上部取付部42、前部取付部43、後部取付部44をそれぞれリヤフレーム21の下面23、クロスメンバ31の結合部34、サイドシルインナ12の内側面13に跨り、それぞれ中間取付孔23bと42b、前側取付孔34aと43a、後側取付孔13cと44cが対応するように位置決めして重ねる。
【0038】
そして、図6に示すように位置決めされて互いに重合するタイダウンフック41の前部取付部43、クロスメンバ31の結合部34、リヤフレーム21の結合フランジ26、及びサイドシルインナ12の内側面13に穿設された前側取付孔43a、34a、26a、13aにタイダウンフック41の前側取付孔43a側から結合ボルト51を挿入して貫通させ、ナット48に螺合してタイダウンフック41の前部取付部43をクロスメンバ31の結合部34、リヤフレーム21の結合フランジ26及びサイドシルインナ12の内側面13に共締めして結合する。
【0039】
また、図7に示すように位置決めされた上部取付部42及びリヤフレーム21の下面23に穿設された中間取付孔42b、23bにタイダウンフック41の中間取付孔42b側から結合ボルト52を挿入して貫通させ、ナットプレート47に螺合して上部取付部42をリヤフレーム21の下面23に結合する。同様に図8に示すように位置決めされた後部取付部44及びサイドシルインナ12の内側面13に穿設された後側取付孔44c、13cにタイダウンフック41の後側取付孔44c側から結合ボルト53を挿入して貫通させ、ナットプレート49に螺合して後部取付部44をサイドシルインナ12の内側面13に結合することによってタイダウンフック41を車体に取り付ける。なお、図5において符号55は、ロープ等の繋留用索条の先端に取り付けられてフック係止孔46に係合するフックである。
【0040】
このように構成された本実施の形態によると、互いに重合するサイドシルインナ12の内側面13と、リヤフレーム21の結合フランジ26と、クロスメンバ31の結合部34と、タイダウンフック41の前部取付部43が結合ボルト51及びナット48によって共締めされてサイドシルインナ12とリヤフレーム21とクロスメンバ31が強固に結合され、サイドシルインナ12とリヤフレーム21とクロスメンバ31との結合剛性が確保できる。また、剛性が確保されたその部分にタイダウンフック41が結合されてタイダウンフック41の取付剛性が向上する。
【0041】
更に、リヤフレーム21の下面23とタイダウンフック41の上部取付部42が結合ボルト52及びナットプレート47によって結合され、かつサイドシルインナ12の内側面13とタイダウンフック41の後部取付部44が結合ボルト53及びナットプレート49によって結合されてサイドシルインナ12とリヤフレーム31が強固に結合される。換言すると、タイダウンフック41がサイドシルインナ12とリヤフレーム21とクロスメンバ31に跨り配置され、サイドシルインナ12とリヤフレーム21とタイダウンフック41の前部取付部43が結合ボルト51及びナット48によって結合され、サイドシルインナ12とタイダウンフック41の後部取付部44が結合ボルト53及びナットプレート49によって結合され、かつリヤフレーム21とタイダウンフック41の上部取付部42が結合ボルト52及びナットプレート28によって結合されてサイドシル11とリヤフレーム21がタイダウンフック41と共に3箇所でボルト結合され、サイドシル11とリヤフレーム21の結合剛性が確保できる。
【0042】
サイドシル11とリヤフレーム21とクロスメンバ31が互いに強固に結合されて車体剛性が確保でき、車体の曲げ剛性及び捩り剛性が向上して走行安定性および操縦性が確保でき乗り心地の向上が得られる。
【0043】
また、サイドシル11とリヤフレーム21の結合部の剛性が確保され、例えば衝突等により車体後方から衝撃荷重が作用したときには、その衝撃荷重をリヤフレーム21からサイドシル11及びクロスメンバ31等を介して車体全体に効率的に分散伝達されて有効的に衝撃を緩和することができる。同様に車体側方から衝撃荷重が作用したときにも、サイドシル11からリヤフレーム21及びクロスメンバ31等を介して車体全体に分散伝達されて効率的に衝撃を緩和が得られ、衝突時の安全性に優れると共に、車体の局部的な変形が抑制されてドアの開扉性が確保でき乗員の安全性が確保できる。
【0044】
また、結合ボルト51を前部取付部43に穿設された前側取付孔43a側から挿入してクロスメンバ31、リヤフレーム21及びサイドシルインナ12の前側取付孔34a、26a、13aを貫通してナット48に締め付け、同様に取付ボルト52を上部取付部42に穿設された中間取付孔42bから挿入してリヤフレーム21の中間取付孔23bを貫通してナットプレート47に締め付け、かつ取付ボルト53を後部取付部43に穿設された後側取付孔43cから挿入してサイドシルインナ12の後側取付孔13cを貫通してナットプレート49に締め付けることから、全ての結合ボルト51、52、53が車体下面側からの締結作業によって行え、簡単な作業でタイダウンフック41を取り付けることができ、タイダウンフック41の取付作業性に優れる。タイダウンフック41が断面略L字状で連続する簡単な単一の部品で構成されることと相俟って製造コストの低減が得られる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明した自動車のタイダウンフック取付構造によると、サイドシルとリヤフレームの結合部において、タイダウンフックをサイドシルインナとリヤフレームに跨り配置して、タイダウンフックとサイドシルインナ及びタイダウンフックとリヤフレームをそれぞれボルト結合してタイダウンフックを取り付けることによって、タイダウンフックを介してサイドシルインナとリヤフレームが連結されてサイドシルとリヤフレームの結合剛性が向上して車体剛性が確保できる。サイドシルとリヤフレームの結合剛性の確保によって、衝突等により衝撃荷重が作用したときには、その衝撃荷重を車体全体に効率的に分散伝達することができる。また、結合ボルトによる締め付けによる簡単な作業でタイダウンフックを取り付けることができ、タイダウンフックの取付作業性に優れ、かつタイダウンフックを単一の部品で構成することができ製造コストの低減が得られる。
【0046】
また、本発明によると、サイドシルとリヤフレームとクロスメンバの結合部において、タイダウンフックをサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバに結合ボルトによって共締めすることによって、サイドシルとリヤフレームとクロスメンバとの結合剛性が向上して車体剛性が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタイダウンフック取付構造の実施の形態の概要を示す車体後部の平面図である。
【図2】同じく、本実施の形態の概要を示すタイダウンフック取付部の分解斜視図である。
【図3】同じく、タイダウンフックの取付部を示す斜視図である。
【図4】同じく、タイダウンフックの斜視図である。
【図5】同じく、図3のIII−III線断面図である。
【図6】同じく、図3のII−II線断面図である。
【図7】同じく、図3のI−I線断面図である。
【図8】同じく、図3のIV−IV線断面図である。
【図9】従来のタイダウンフックの概要を示す斜視図である。
【図10】同じく、タイダウンフックの取付状態を示す側面図である。
【図11】車体後部構造を示す要部平面図である。
【図12】図11のA矢視図である。
【符号の説明】
11 サイドシル
12 サイドシルインナ
13 内側面
13a 前側取付孔(取付孔)
13c 後側取付孔(取付孔)
16 サイドシルアウタ
21 リヤフレーム
22 内面
23 下面
23b 中間取付孔(取付孔)
24 外面
25 結合面
26 結合フランジ
26a 前側取付孔(取付孔)
31 クロスメンバ
32 底面部
32a 前端縁
33 後面部
34 結合部
34a 前側取付孔(取付孔)
41 タイダウンフック
42 上部取付部
42b 中間取付孔(取付孔)
43 前部取付部
43a 前側取付孔(取付孔)
44 後部取付部
44c 後側取付孔(取付孔)
45 フック部
46 フック係止孔
47 ナットプレート
48 ナット
49 ナットプレート
51 結合ボルト
52 結合ボルト
53 結合ボルト
Claims (5)
- 前後方向に延在する左右のサイドシルの各後部にそれぞれ前後方向に延在する左右のリヤフレームの前部を結合すると共に、上記左右のサイドシルにクロスメンバが掛け渡されて結合された自動車のタイダウンフック取付構造において、
上記タイダウンフックは、上記サイドシルのサイドシルインナとリヤフレームの結合部において上記サイドシルインナとリヤフレームに跨り配置され、上記タイダウンフックとサイドシルインナとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってサイドシルインナに結合すると共に、上記タイダウンフックとリヤフレームに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってリヤフレームに結合したことを特徴とする自動車のタイダウンフック取付構造。 - 上記タイダウンフックは、更に互いに重合する該タイダウンフックとサイドシルインナとリヤフレームとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによってサイドシルインナ及びリヤフレームに共締めされて結合したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のタイダウンフック取付構造。
- 上記タイダウンフックは、更に互いに重合する該タイダウンフックと上記サイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトよってサイドシルインナ、リヤフレーム及びクロスメンバに共締めされて結合したことを特徴とする請求項1に記載の自動車のタイダウンフック取付構造。
- 前後方向に延在する左右のサイドシルの各後部にそれぞれ前後方向に延在する左右のリヤフレームの前部を結合すると共に、上記左右のサイドシルにクロスメンバが掛け渡されて結合された自動車のタイダウンフック取付構造において、
上記タイダウンフックは、上記サイドシルのサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとの結合部において互いに重合する上記タイダウンフックとサイドシルインナとリヤフレームとクロスメンバとに対応して穿設された取付孔を貫通する結合ボルトによりサイドシルインナ、リヤフレーム及びクロスメンバに共締めされて結合したことを特徴とする自動車のタイダウンフック取付構造。 - 上記タイダウンフックは、該タイダウンフックに穿設された取付孔側から挿入された上記結合ボルトによって結合したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車のタイダウンフック取付構造。
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- 2003-05-20 JP JP2003141980A patent/JP2004345392A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014148192A (ja) * | 2013-01-31 | 2014-08-21 | Daihatsu Motor Co Ltd | 自動車の下部車体構造 |
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