JP4436529B2 - 車両の車体補強構造 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車体、特にセンタピラーの上部付近の補強構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
車両において、ルーフパネルの下部にルーフリンホースメント（ルーフブレース）を左右方向に配設し、該ルーフリンホースメントの両端部を左右のサイドレールに固定することにより、車体ルーフ部の補強をはかったものは従来より公知であり、例えば実開昭６２−１０５０７８号公報にて公開されている。
【０００３】
また、ルーフパネルの上面部にルーフレールが取付けられる車両においては、ルーフパネルの両側方の下部にルーフレール取付用ブラケットが車体側部材（ルーフリンホースメント又はサイドレール）に固着され、ルーフレールを該ルーフレール取付用ブラケットに取付ボルトにて取付けるようになっているのが一般的である（例えば実開平３−８９４６号公報参照）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
車両の側面衝突時に、強度の要となるセンタピラーの車室内方向への侵入量を減少させるための一つの手段として、センタピラー上方の上部構造の強化が考えられる。
【０００５】
センタピラー上方の上部構造の強化手段としては、上記従来技術のように、左右のサイドレール間にルーフブレースを配設したものにおいて、センタピラーの上部とサイドレールとルーフブレースとをルーフブレースサイドブラケットで固着結合して補強する構成が従来より採用されている。
【０００６】
しかし、ルーフブレースサイドブラケットで補強したものであっても、ルーフレールを装備する車両では、上記ルーフブレースサイドブラケットとは別に、左右のサイドレール部にルーフレール取付用ブラケットを設けなければならず、部品数及び取付工数が多くなり、コスト的に好ましくないばかりか、車両の重量アップにもつながる、という課題を有している。
【０００７】
本発明は上記のような従来の課題を解決することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、センタピラー上方の上部構造の強化手段として、センタピラーの上部とサイドレールとルーフブレースとに接合され溶接結合されてこれらセンタピラーとサイドレールとルーフブレースとを強固に連結するルーフブレースサイドブラケットを設けたものにおいて、該ルーフブレースサイドブラケットにルーフレール取付面部を、該ルーフブレースサイドブラケットの上端近傍にて車体前後方向に２箇所突出形成し、ルーフレールと該２箇所のルーフレール取付面部で上記ルーフパネルを接触して挟んだ状態で、該ルーフレールを上記２箇所のルーフレール取付面部に取付ボルトのねじ込み締付けにて取付けているものである。
【０００９】
上記のように、センタピラー上方の上部構造の強化手段としてのルーフブレースサイドブラケットに、ルーフレール取付用ブラケットとしての機能を兼用させたことにより、部品数の削減，取付工数の簡略化，コストの低減及び車体重量の軽減をはかることができると共に、ルーフレールの取付強度，剛性の向上及びルーフレールの耐荷重性の向上をはかることができるものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に付き、図面を参照して説明する。
【００１１】
図において、１は閉断面をなすセンタピラーであり、該センタピラー１の下端と上端とはそれぞれ前後方向の閉断面部材であるサイドシル２とサイドレール３とにそれぞれ結合される。４はルーフパネル６の下部に配設されるルーフブレースであり、該ルーフブレース４は閉断面に構成され、その両端部は左右のサイドレール３に結合される。
【００１２】
５はルーフブレースサイドブラケットであり、該ルーフブレースサイドブラケット５は車室内側からセンタピラー１の上部とサイドレール３とルーフブレース４の側部とに接合され溶接結合されて、これらセンタピラー１とサイドレール３とルーフブレース４とを強固に連結し、これによりセンタピラー１の上部付近の強度，剛性の向上をはかると共に、センタピラー１に入力する側面衝突荷重が該ルーフブレースサイドブラケット５を介して車体の骨格部材であるサイドレール３及びルーフブレース５に的確に伝達分散されることで、側面衝突時のセンタピラー１の車室内方向への侵入が抑制されるようになっている。
【００１３】
上記ルーフブレースサイドブラケット５の上端近傍の両側（車体の前後方向）には、ルーフレール取付面部５１，５１が一体に突出形成されており、該ルーフレール取付面部５１，５１にはルーフレール取付用のボルト穴が設けられると共に、その裏面部にはルーフレール取付用のナット８ａが溶着されており、該ナット８ａに取付ボルト８をねじ込み締付けることによりルーフレール７をルーフパネル６上からルーフレール取付面部５１，５１に取付けることができるようになっている。
【００１４】
ルーフブレースサイドブラケット５は、前述したように、センタピラー１に入力した側面衝突荷重を車体の骨格部材であるサイドレール３及びルーフブレース４等に伝達分散させ、センタピラー１の車室内方向への侵入を抑制するという機能をもった強度部品であり、その強度部品であるルーフブレースサイドブラケット５にルーフレール取付面部５１，５１を一体に突出形成したことにより、ルーフレール７は車体の強度部品に取付支持されることになり、ルーフレール７の取付強度，剛性は高くなり、該ルーフレール７に荷重が作用したときの耐荷重性は著しく向上する。
【００１５】
また、センタピラー１上方の上部構造の強化手段としてのルーフブレースサイドブラケット５に、ルーフレール取付用ブラケットの機能を兼用させることで、部品数の削減，取付工数の簡略化，及びコストの低減をはかり得るばかりか、車体重量の軽減をもはかり得ることはいうまでもない。
【００１６】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、センタピラーの上部とサイドレールとルーフブレースとを車室内側から強固に連結し、センタピラーに入力した側面衝突荷重を車体の骨格部材であるサイドレール及びルーフブレースに的確に伝達分散させる機能をもったルーフブレースサイドブラケットに、ルーフレール取付用ブラケットとしての機能を兼用させたことにより、部品数の削減，取付工数の簡略化，及びコストの低減をはかり、車体重量の軽減をもはかることができるばかりか、ルーフレールの取付強度，剛性の向上及びルーフレールの耐荷重性の向上をはかることができるもので、実用上多大の効果をもたらし得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を適用しようとする車両の車体の骨格の要部を示す斜視図である。
【図２】本発明の一実施例を示すもので、（Ａ）は図１のＸ部に相当する部分を車室内側から見た斜視図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ断面図、（Ｃ）は（Ｂ）のＣ−Ｃ断面図である。
【符号の説明】
１ センタピラー
３ サイドレール
４ ルーフブレース
５ ルーフブレースサイドブラケット
５１ ルーフレール取付面部
６ ルーフパネル
７ ルーフレール
８ 取付ボルト
８ａ ナット

Claims (1)

1. センタピラー上端部のサイドレールへの結合部の近傍において、ルーフブレースをその両端部を左右のサイドレールに結合してルーフパネルの下方に配設し、上記センタピラーの上部とサイドレールとルーフブレースとに接合され溶接結合されてこれらセンタピラーとサイドレールとルーフブレースとを連結するルーフブレースサイドブラケットを設けると共に、該ルーフブレースサイドブラケットにルーフレール取付面部を、該ルーフブレースサイドブラケットの上端近傍にて車体前後方向に２箇所突出形成し、ルーフレールと該２箇所のルーフレール取付面部で上記ルーフパネルを接触して挟んだ状態で、該ルーフレールを上記２箇所のルーフレール取付面部に取付ボルトのねじ込み締付けにて取付けていることを特徴とする車両の車体補強構造。

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