JP2004344788A - 塗装装置 - Google Patents

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JP2004344788A
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Hiromi Nonomura
広実 野々村
Masumi Hara
益己 原
Yasuo Takamizu
康夫 高水
Makoto Watanabe
渡辺  誠
Kozo Ishida
浩三 石田
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Taikisha Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Asahi Sunac Corp
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Taikisha Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Asahi Sunac Corp
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Abstract

【課題】洗浄性の向上及び洗浄時間の短縮化を図ることが可能な塗装装置を提供する。
【解決手段】塗装装置1の塗装ガン10に定量の塗料を押し出す塗料押出機40は、押出用シリンダ41と、2つのOリング42b、42cを持ち、押出用シリンダ41の内部を水密状態で摺動可能な押出用ピストン42とを備え、押出用シリンダ41の先端部には、前方Oリング42aの外径より大きな内径を有する拡径部41aと、洗浄用エア及び洗浄液が供給される注入孔41bとが形成されている。押出用ピストン42が前進限位置に位置する場合に、拡径部41aにより前方Oリング42bが押出用シリンダ41内を非水密状態にすると共に、後方Oリング42cが押出用シリンダ41内を水密状態を維持し、Oリング42b、42cの間に向かって注入孔41bが開口している。
【選択図】図2

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、塗装装置に関し、特に水性塗料などの導電性塗料に高電圧を印加して塗装を行うのに適した塗装装置に関する。
【0002】
【背景技術】
水性塗料は、有機溶剤を含まないので廃液処理が容易で環境に優しく、また有機溶剤等の危険物を含まないので火災事故防止の点で優れている。このため、有機溶剤系塗料に代えて或いは有機溶剤系塗料とともに、中塗り塗料や上塗り塗料としてのニーズが増加している。
【0003】
こうした水性塗料に高電圧を印加して静電塗装する場合、有機溶剤系塗料とは異なり、塗料回路の絶縁機構(以下、ボルテージブロック方式と称する。)等を塗装装置に設ける必要がある。
【0004】
このような塗装装置として、塗装ガンに塗料を押し出す塗料押出機と塗料供給源との間に接合部を設け、塗装ガンの高電圧の印加/非印加に従って、当該接合部を分離/接合してボルテージブロック機能を発揮させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このような塗装装置における色替え等の塗料押出機の洗浄は、塗料押出機のピストンを前進させた状態で、シリンダ内の先端部に形成された注入孔からエア及び洗浄液を供給することにより行われている。
【0006】
しかしながら、このようにピストンの前方からエア及び洗浄液を供給して洗浄を行った場合には、当該ピストンの細部にエア及び洗浄液が回り込まず、ピストンを効率的に洗浄することが出来ず、洗浄時間が長くなるという問題がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−141139号公報
【0008】
【発明の開示】
本発明は、洗浄性の向上及び洗浄時間の短縮化を図ることが可能な塗装装置を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、電圧が印加される塗装ガンと、前記塗装ガンに塗料を導く塗料配管と、前記塗料配管に連通したシリンダ、及び、少なくとも二つの環状シール部材を持ち、前記シリンダの内部を水密状態で移動可能なピストンを少なくとも有し、前記ピストンの前方に充填された塗料を前記塗料配管に押し出す塗料押出手段と、少なくとも前記塗料押出手段に洗浄用流体を供給して、前記塗料押出手段の洗浄を行う洗浄手段と、を少なくとも備えた塗装装置であって、前記塗料押出手段のシリンダには、一方の前記環状シール部材の外径より大きな内径を有する拡径部と、前記洗浄手段から洗浄用流体が供給される注入孔と、が先端側に形成されており、前記ピストンが前進限位置に位置する場合に、前記シリンダの拡径部により前記一方の環状シール部材が前記シリンダ内を非水密状態にすると共に、他方の前記環状シール部材が前記シリンダ内の水密状態を維持し、前記一方の環状シール部材と前記他方の環状シール部材との間に向かって前記注入孔が開口している塗装装置が提供される。
【0010】
本発明では、塗料押出手段のシリンダの先端側に拡径部及び注入孔を設け、ピストンが前進限位置に位置する場合に、拡径部において一方の環状シール部材が前記シリンダ内を非水密状態にすると共に、他方の環状シール部材がシリンダ内の水密状態を維持し、一方の環状シール部材と他方の環状シール部材との間に向かって注入孔が開口していることにより、従来洗浄し難かった環状シール部材の間を洗浄用流体により直接洗浄することが可能になると共に、環状シール部材の前方に位置するピストンの部位も洗浄出来るので、洗浄性が大幅に向上し、洗浄時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係る塗装装置の概略構成図、図2は図1に示す塗装装置の塗料押出機の先端部の詳細図、図3は図2のIII部の拡大図、図4は図1に示す塗装装置の塗料注入機の概略構成図、図5は本発明の実施形態に係る塗装装置の使用態様を示す概略構成図、図6は本発明の実施形態に係る塗装装置における動作の一例を示すフローチャートである。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る塗装装置1は、−90kV〜−60kVの高電圧が印加されるベル型静電塗装ガン10と、この塗装ガン10に塗料を導くための可撓性を有する塗料ホース20(塗料配管)と、第1の配管34を介して前記塗装ガン10及び塗料ホース20の洗浄を行う第1の洗浄用バルブ機構30(洗浄手段)と、塗料ホース20を介して塗装ガン10に定量の塗料を押し出す塗料押出機40(塗料押出手段)と、塗料注入機50の注入用シリンダ51及び第4の配管48を介して塗料押出機40に任意の色の塗料を充填するカラーチェンジバルブユニット60(塗料充填手段)と、カラーチェンジバルブユニット60からの充填後に注入用シリンダ51内に残存する塗料を塗料押出機40に強制的に注入する塗料注入機50(塗料充填手段)と、第4及び第5の配管48、56を介して前記塗料押出機40及び塗料注入機50の洗浄を行う第2の洗浄用バルブ機構70(洗浄手段)と、塗装ガン10、塗料押出機40及び塗料注入機50等に接続され、塗装装置1を全体的に制御する制御装置80とを備えている。なお、図1において、第1及び第2の洗浄用バルブ機構30、70から供給される後述する換気用エアの流れは一点鎖線により示されており、制御装置80から各要素への指令信号の流れは破線により示されている。
【0014】
ベル型静電塗装ガン10は、制御装置80からの指令信号に基づいて、トリガバルブ21が開き、塗料押出機40より塗料が押し出されると、塗料ホース20によりガン本体11の先端に取り付けられたベルカップ12に塗料が導かれ、このベルカップ12を高速回転させることで、導かれた塗料が、ベルカップ12の先端エッジから微粒化されながら放射状に噴霧される。図1においては、ベルカップ12の先端エッジから噴霧された塗粒のパターンを調整するためのシェービングエアの図示は省略する。なお、本発明の塗装装置は同図に示すベル型静電塗装ガンに限定されるのではなく、エア霧化式静電塗装ガン等も採用できる。
【0015】
本実施形態に係る塗料ホース20は、図5を参照して後述するように、塗装ガン10を塗装ロボットRのアーム先端部に装着して用いられ、当該塗装ロボットRの作業姿勢に伴って湾曲するので、塗料ホース自体の柔軟性を確保するために、ナイロン系、ポリテトラフルオロエチレン系或いはウレタン系の樹脂にて構成された可撓性を有することが好ましい。また、本発明の塗料配管は以下のタイプに限定されるものではないが、塗料ホース20を耐摩耗性に優れた材料から成る内面層と、これを包囲するように設けられ、配管内圧による膨張を防止するための補強材と、さらにこれを包囲するように設けられ、塗料ホース20の湾曲に追従できる柔軟性のある材料から構成された外面層と、で形成することがより好ましい。
【0016】
本実施形態に係る第1の洗浄用バルブ機構30は、図外のコンプレッサー等から0.5MPa程度の圧縮空気が供給される洗浄エアバルブ31と、図外の洗浄液供給源から洗浄液(導電性塗料の場合は洗浄用純水、非導電性塗料の場合は洗浄用シンナーをいう。以下同じ。)が供給される洗浄液バルブ32と、図外の他のコンプレッサー等から0.01〜0.05MPa程度の圧縮空気が供給される換気エアバルブ33(流通手段)とを備えており、塗料ホース20の途中から分岐し、第1の切替バルブ34aを介して第1の洗浄用バルブ機構30に至る第1の配管34により、当該第1の洗浄用バルブ機構30がベル型静電塗装ガン10及び塗料ホース20に連結されており、塗装ガン10及び塗料ホース20に洗浄用エア、洗浄液及び換気用エアを供給可能となっている。この第1の洗浄バルブ機構30の各バルブ31〜33は制御装置80に接続されており、当該制御信号80からの指令信号に基づいて、各バルブ31〜33の開閉操作がそれぞれ行われる。
【0017】
また、第1の切替バルブ34aから第1の洗浄用バルブ機構30に至るまでの間の第1の配管34から、第2の配管35が分岐しており、当該第2の配管35は、第2の切替バルブ35aを介して第1のドレン槽37に至っている。さらに、第2の切替バルブ35aから第1のドレン槽37に至るまでの間の第2の配管35から、第3の配管36が分岐しており、当該第3の配管36は、第3の切替バルブ36aを介して、塗料押出機40の押出用シリンダ31の先端部の内部に連結されている。各バルブ34a、35a、36aは、制御装置80に接続されており、当該制御装置80からの指令信号に基づいて、各バルブ34a、35a、36aの開閉操作がそれぞれ行われる。
【0018】
これら第1〜第3の配管34〜36は、例えば電気的絶縁特性を有する合成樹脂などの絶縁性材料により構成されている。このような材料から構成される第1〜第3の配管34〜36を用いると共に、塗装ガン10の高電圧印加時に当該配管34〜36の内部に空気が充満していることにより、高電圧が印加される塗装ガン10と第1の洗浄用バルブ機構30との間が電気的に絶縁され、電流のリークが防止され、ボルテージブロック機能が発揮されている(第1のボルテージブロック)。
【0019】
本実施形態に係る塗装ガン10及び塗料ホース20の色替え時の洗浄は、まず、制御装置80の指令に基づいて、トリガバルブ21及び第2の切替バルブ35aを閉じ、第1の切替バルブ34aを開いて、第1の洗浄用バルブ機構30と塗料ホース20及び塗装ガン10とを連通させる。そして、第1の洗浄用バルブ機構30において洗浄エアバルブ31のみを開くことにより、当該洗浄エアバルブ31から洗浄用エアが、第1の配管34を介して、塗料ホース20及び塗装ガン10に瞬間的又は一時的に供給され、塗装ガン10の吐出口から、前色塗料が強制的に押し出される。
【0020】
次に、制御装置80の指令信号に基づいて、第1の洗浄用バルブ機構30において洗浄液バルブ32のみを開くことにより、当該洗浄液バルブ32から洗浄液が、第1の配管34を介して、塗料ホース20及び塗装ガン10に供給され、塗装ガン10の吐出口から、塗料ホース20及び塗装ガン10の内壁に付着した付着物が洗浄液と共に押し出される。
【0021】
この動作を1乃至数サイクル繰り返した後に、最後に塗料ホース20及び塗装ガン10の内部に残存する洗浄液を除去するために、第1の洗浄用バルブ機構30において洗浄エアバルブ31のみを開き、洗浄用エアを再度供給して洗浄作業が完了する。
【0022】
さらに、本発明の実施形態に係る塗装装置1は、上記の洗浄過程を繰り返した後もなお残存している洗浄液の水滴の蒸気により、前記ボルテージブロック機能の絶縁性能が低下するのを防止するため、上記の塗装ガン10及び塗料ホース20の洗浄時に洗浄液が通過した経路に換気用エアを流通させる構造を備えている。
【0023】
具体的には、制御装置80の指令信号に基づいて、第1の切替バルブ34a及び第3の切替バルブ36aを閉じ、第2の切替バルブ35aを開け、第1の洗浄用バルブ機構30から、第1及び第2の配管34、35を介して第1のドレン槽37に至る第1の経路100を連通させる。そして、第1の洗浄用バルブ機構30において換気エアバルブ33のみを開け、この第1の経路100に換気用エアを供給する。塗装ガン10の高電圧印加の間、この換気用エアを常時又は断続的に流通させることにより、洗浄後の第1の経路100内に残存する洗浄液の蒸気量を飽和蒸気量以下に維持して、即ち、第1の経路100内の圧力を残存する洗浄液の飽和蒸気圧以上に維持して、当該洗浄液の水滴の蒸発を防止することが出来るので、ボルテージブロック機能の絶縁性能の低下を防止することが可能となる。また、たとえ残存する洗浄液が蒸発しても、第1の経路100内は換気用エアにより換気されているので、当該経路内に洗浄液の蒸気が留まることはなく、ボルテージブロック機能の絶縁性能の低下を防止することが可能となる。
【0024】
本実施形態に係る塗料押出機40は、図1に示すように、例えば電気的絶縁特性を有する合成樹脂などの絶縁性材料から構成されている押出用シリンダ41と、当該押出用シリンダ41の内部を水密状態で摺動可能な押出用ピストン42と、当該押出用ピストン42を適宜の位置及び適宜の速度で移動させる押出用駆動手段43とを備えており、押出用ピストン42を所定の速度で移動させることにより、第4の配管48を介して塗料注入機50及びカラーチェンジバルブユニット60より充填された塗料を、塗料ホース20を介して塗装ガン10に定量で押し出すことが可能となっている。
【0025】
この塗料押出機40の押出用ピストン42は、図2に詳細に示すように、絶縁材から成るピストン本体42aに、同じく絶縁材から成り塗料の漏洩を防止するための前方Oリング42b、後方Oリング42cがそれぞれ前方及び後方に装着されている。ピストン本体42aは、ナイロンなどの水や溶剤で劣化しない絶縁材から構成することが好ましく、Oリング42b、42cは適度な弾性を有するゴムなどの材料であって、耐摩耗性及び耐溶剤性に優れたものから構成することが好ましい。
【0026】
このOリング42b、42cは、押出用ピストン42の前後における塗料等の水密性を確保するほか、当該ピストン42の摺動性を向上させる機能をも司り、さらに色替え時等の洗浄において押出用シリンダ41の内壁に付着した前色塗料を掻き取る機能をも備えている。
【0027】
図1に戻り、この押出用ピストン41を移動させるための押出用駆動手段43は、例えば電気的絶縁特性を有する合成樹脂などの絶縁性材料から構成され、先端がピストン本体42aに固定された絶縁シャフト44a、及び当該絶縁シャフト44aの後方にジョイント44bを介して連結されたボールネジ44cから成る押出用シャフト44と、当該ボールネジ44cに咬合した歯車機構45及びタイミングベルト46を介してボールネジ44cに動力を伝達し、押出用ピストン42を移動させるサーボモータ47とを備えている。この塗料押出機40のサーボモータ47は、制御装置80に接続されており、当該制御装置80からの指令信号に基づいて、当該サーボモータ47の駆動操作が行われる。
【0028】
この塗料押出機40の押出用駆動手段43は、制御装置80からの指令信号に基づいて、サーボモータ46が所定の回転数を回転すると、タイミングベルト46を介して、回転動力が歯車機構45及びボールネジ44cに伝達され、当該歯車機構45及びボールネジ44cにより当該回転動力が押出用シリンダ41の長手方向に沿った移動動力に変換され、ジョイント44b及び絶縁シャフト44aを介して押出用ピストン42が押出用シリンダ41の内部を長手方向に沿って摺動するようになっている。
【0029】
さらに、この塗料押出機40の押出用シリンダ41の先端部には、図2及び図3に示すように、前方Oリング42bの外径より大きな内径を有する拡径部41aが形成されており、押出用ピストン42が前進限位置近傍に位置する際に、後方Oリング42cのみにより水密状態が維持され、前方Oリング42bと押出用シリンダ41(拡径部41a)の内壁との間に隙間が形成されるようになっている。また、この押出用ピストン41の拡径部41aには、押出用ピストン42が前進限位置に位置する際の前方Oリング42bと後方Oリング42cとの間に、洗浄液及び洗浄用エアが注入される注入孔41bが形成されている。さらに、図3に拡大して示すように、押出用ピストン42に装着された前方Oリング42bの近傍の拡径部41aには、前方Oリング42bの凹部に対応するように突出した断面形状を有するリブ41cが内周方向に沿って形成されている。
【0030】
以上のような本実施形態の塗料押出機40は、押出用シリンダ41、押出用ピストン42及び押出用シャフト44がいずれも絶縁性材料で構成されていると共に、押出用シリンダ41が押出用ピストン42により密閉され、当該押出用ピストン42の後方の押出用シリンダ41に空気が充満していることにより、塗装ガン10の高電圧印加時における当該押出用ピストン42より後方への電流のリークが防止され、ボルテージブロック機能が発揮されている(第2のボルテージブロック)。
【0031】
本実施形態に係るカラーチェンジバルブユニット60は、図外の塗料供給源より異なる塗料が供給される5つの塗料バルブ61と、各塗料バルブ61と塗料注入機50の注入用シリンダ51の内部とを連通させるマニホールド62とを備えており、当該マニホールド62が、塗料注入機50の注入用シリンダ51の後端部近傍を貫通するように取り付けられており、塗料注入機50の注入用シリンダ51及び第4の配管48を介して、塗料押出機40に塗料を充填可能となっている。さらに、当該マニホールド62には、図外のコンプレッサー等から0.5MPa程度の圧縮空気が供給される洗浄エアバルブ71と、図外の洗浄液供給源から洗浄液が供給される洗浄液バルブ72と、図外の他のコンプレッサー等から0.01〜0.05MPa程度の圧縮空気が供給される換気エアバルブ73(流通手段)とを有する第2の洗浄用バルブ機構70が連結されており、この第2の洗浄用バルブ機構70により、塗料押出機40及び塗料注入機50の色替え時等の洗浄が行われる。このカラーチェンジバルブユニット60の各塗料バルブ61及び第2の洗浄バルブ機構70の各バルブ71〜73は制御装置80に接続されており、当該制御信号80からの指令信号に基づいて、各バルブ61、71〜73の開閉操作がそれぞれ行われる。
【0032】
本実施形態に係る塗料注入機50は、図4に示すように、例えば電気的絶縁特性を有する合成樹脂などの絶縁性材料から構成されている注入用シリンダ51と、当該注入用シリンダ51の内部を大部分を水密状態で摺動可能な注入用ピストン52と、当該注入用ピストン52を適宜に移動させる注入用駆動手段53とを備えており、注入用ピストン52を移動させることにより、カラーチェンジバルブユニット60より塗料押出機40に塗料が充填された後に当該注入用シリンダ51内に残存する塗料を、第3の切替弁48aが設けられた第4の配管48を介して、塗料押出機40に強制的に注入することが可能となっている。
【0033】
この塗料注入機50の注入用ピストン52は、押出用ピストン42と同様に、図4に詳細に示すように、絶縁材から成るピストン本体52aに、同じく絶縁材から成り塗料の漏洩を防止するための2つのOリング52bがそれぞれ前方及び後方に装着されている。ピストン本体52aは、ナイロンなどの水や溶剤で劣化しない絶縁材から構成することが好ましく、Oリング52bは適度な弾性を有するゴムなどの材料であって、耐摩耗性及び耐溶剤性に優れたものから構成することが好ましい。このOリング52bは、注入用ピストン52の前後における塗料等の水密性を確保するほか、当該ピストン52の摺動性を向上させる機能をも司り、さらに色替え時等において注入用シリンダ51の内壁に付着した前色塗料を掻き取る機能をも備えている。
【0034】
この注入用ピストン52を移動させるための注入用駆動手段53は、例えば絶縁特性を有する合成樹脂などの絶縁材料から構成され、先端がピストン本体52aに固定された第1の注入用シャフト54a、及び当該第1の注入用シャフト54aの後方にジョイント54bを介して連結された第2の注入用シャフト54cから成る注入用シャフト54と、当該第2の注入用シャフト54cの後端部に設けられ、注入用シャフト54に動力を伝達して注入用ピストン52を注入用シリンダ51の長手方向に沿って移動させるエアシリンダ55とを備えている。この塗料注入機50のエアシリンダ55は、制御装置80に接続されており、当該制御装置80の指令信号に基づいて、駆動操作が行われる。
【0035】
さらに、この塗料注入機50の注入用シリンダ51は、図4に示すように、移動する注入用ピストン52の前進限位置及び後退限位置に対応する部分の内径がOリング52bの外径より大きい2つの拡径部51aが形成されており、注入用ピストン52が前進限位置又は後退限位置に位置する場合に、注入用シリンダ51(拡径部51a)の内壁と注入用ピストン52との間に隙間が形成され、注入用ピストン52の2つのOリング52bによる水密状態が維持されないように、即ち非水密状態となっている。また、この注入用シリンダ51の先端部には排出孔51bが形成されており、当該排出孔51bを介して当該注入用シリンダ51の内部と第4の配管48とが連通している。この排出孔51bが注入用シリンダ51の先端部に形成されていることにより、残存する塗料を注入用シリンダ51の先端部まで掻き取って強制的に注入することが可能になると共に、洗浄時において注入用シリンダ51の後端部から供給される洗浄液を注入用シリンダ51全体に行き渡らせることが可能となり、洗浄性が向上する。
【0036】
塗料押出機40と塗料注入機50とを連結する第4の配管48の第4の切替バルブ48aと塗料注入機50との間から、第5の配管56が分岐しており、当該第5の配管56は、第5の切替バルブ56aを介して、第2のドレン槽57に至っている。この第5の配管56は、第1〜第3の配管34〜36と同様に、例えば電気的絶縁特性を有する合成樹脂などの絶縁性材料により構成されている。第4及び第5の切替バルブ48a、56aは制御装置80に接続されており、当該制御装置80からの指令信号に基づいて、各バルブ48a、56aの開閉操作がそれぞれ行われる。
【0037】
以上のように、塗料注入機50の注入用シリンダ51、注入用ピストン52、注入用シャフト54及び第5の配管56がいずれも絶縁性材料で構成されていると共に、塗装ガン10の高電圧印加に注入用ピストン52の後方に空気が充満していることより、高電圧で印加される塗装ガン10と第2の洗浄用バルブ機構70との間が電気的に絶縁され、電流のリークが防止され、ボルテージブロック機能が発揮されている(第3のボルテージブロック)。
【0038】
カラーチェンジバルブユニット60から塗料押出機40に塗料を注入する場合には、まず、制御装置80の指令信号に基づいて、注入用駆動手段53の駆動により注入用ピストン52が後退限位置に移動して静止した状態で、カラーチェンジバルブユニット60の何れかの塗料バルブ61と、第4の配管48に設けられた第4の切替バルブ48aとを開く。そして、カラーチェンジバルブユニット60の塗料バルブ61より塗料が供給されると、当該塗料は、マニホールド62、注入用シリンダ51及び第4の配管48を介して、塗料押出装置40に塗料が充填される。この際、上述の通り、後退限位置に位置する注入用ピストン52と注入用シリンダ51(拡径部51a)の内壁との間には隙間が形成されており、供給された塗料は当該隙間を通過する。
【0039】
そして、カラーチェンジバルブユニット60からの塗料の充填が完了したら、制御装置80の指令信号に基づいて、エアシリンダ55を駆動させ、注入用ピストン52を注入用シリンダ51の先端側に摺動させて、注入用シリンダ51の内部に残存する塗料を塗料押出機40に強制的に注入する。このように、塗料の充填時において、カラーチェンジバルブユニット60と塗料押出機40との間に残存する塗料を塗料押出機に強制的に注入することにより、従来洗浄時において廃棄されていた、残存する塗料を有効に活用することが可能となり、塗料の使用量を低減することが可能となる。
【0040】
また、このような塗料の強制的な注入と同時に、注入用ピストン52が注入用シリンダ51の内壁に付着した塗料を掻き取るので、後述する塗料注入機50の洗浄時において注入用シリンダ51の先端部だけ洗浄すれば良く、注入用シリンダ51の洗浄を必要とする容積を最小限にすることが可能となり、洗浄時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0041】
本実施形態に係る塗料押出機40の色替え時の洗浄は、まず、制御装置80の指令信号に基づいて、トリガバルブ21、第2及び第5の切替バルブ35a、56aを閉じ、第3及び第4の切替バルブ36a、48aを開け、第2の洗浄用バルブ機構70において洗浄エアバルブ71のみを開けることにより、当該洗浄エアバルブ71から洗浄用エアが、マニホールド62、注入用シリンダ51、第4の配管48を介して塗料押出機40の押出用シリンダ41に瞬間的又は一時的に供給され、当該押出用シリンダ41から前色塗料が第3及び第2の配管36、35を介して第1のドレン槽37に強制的に押し出される。
【0042】
次に、制御装置80の指令信号に基づいて、第2の洗浄用バルブ機構70において、洗浄液バルブ72のみを開くことにより、当該洗浄液バルブ72から洗浄液が、洗浄用エアと同様に、マニホールド62、注入用シリンダ51、第4の配管48を介して塗料押出機40の押出用シリンダ41に供給され、押出用シリンダ41の内壁に付着した付着物が洗浄液と共に、第3及び第2の配管36、35を介して第1のドレン槽37に押し出される。
【0043】
この動作を1乃至数サイクル繰り返した後に、最後に押出用シリンダ41の内部に残存する洗浄液を除去するために、制御装置80の指令信号に基づいて、第2の洗浄用バルブ機構70において洗浄エアバルブ71のみを開け、洗浄用エアを再度供給して洗浄作業が完了する。なお、この洗浄時には、塗料注入機50の注入用ピストン52は前進限位置に位置しており、拡径部51aにより形成された注入用ピストン52と注入用シリンダ51の内壁との間の隙間を洗浄用エア及び洗浄液が通過するようになっている。
【0044】
このような塗料押出機40の洗浄において、押出用ピストン42が前進限位置に移動している共に、具備された2つのOリング42b、42cの掻き取り機能により、洗浄を必要とする押出シリンダ41の容積が最小限となっているため、当該塗料押出機40の洗浄時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0045】
また、前方Oリング42bと後方Oリング42cとの間に設けられた注入孔41bより洗浄用エア及び洗浄液を供給することにより、従来洗浄し難かった前方Oリング42bと後方Oリング42cとの間を直接的に洗浄することが可能になる共に、押出用シリンダ41の先端部に、前方Oリング42bの外径より大きな内径の拡径部41aを形成することにより、前方Oリング42bの前方も洗浄出来るので、塗料押出機40の洗浄性が大幅に向上し、洗浄時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0046】
さらに、拡径部41aに形成されたリブ41cが、前進限位置にある押出用ピストン42の前方Oリング42bの凹部に対向することにより、従来洗浄し難かった前方Oリング42bの凹部に洗浄液及び洗浄用エアが積極的に入り込み、塗料押出機40の洗浄性が向上し、洗浄時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0047】
これに対し、本実施形態に係る塗料注入機50の色替え時の洗浄は、まず、制御装置80の指令信号に基づいて、第4の切替バルブ48aを閉じ、第5の切替バルブ56aを開き、第2の洗浄用バルブ機構70において洗浄エアバルブ71のみを開くことにより、当該洗浄エアバルブ71から洗浄用エアが、マニホールド62を介して塗料注入機50の注入用シリンダ51に瞬間的又は一時的に供給され、当該注入用シリンダ51から前色塗料が、排出孔51b、第4の配管48及び第5の配管56を介して、第2のドレン槽57に強制的に押し出される。
【0048】
次に、制御装置80の指令信号に基づいて、第2の洗浄用バルブ機構70において洗浄液バルブ72のみを開くことにより、当該洗浄液バルブ72から洗浄液が、洗浄用エアと同様に、マニホールド62を介して塗料注入機50の注入用シリンダ51に供給され、当該注入用シリンダ51の内壁に付着した付着物が、排出孔51b、第4の配管48及び第5の配管56を介して、洗浄液と共に第2のドレン槽57に押し出される。
【0049】
この動作を1乃至数サイクル繰り返した後に、最後に注入用シリンダ51の内部に残存する洗浄液を除去するために、制御装置80の指令信号に基づいて、第2の洗浄用バルブ機構70において洗浄エアバルブ71のみを開き、洗浄用エアを再度供給して洗浄作業が完了する。なお、この洗浄時には、上記と同様に、塗料注入機50の注入用ピストン52は前進限位置に位置しており、拡径部51aにより形成された注入用ピストン52と注入用シリンダ51の内壁との間の隙間を洗浄用エア及び洗浄液が通過するようになっている。
【0050】
さらに、本発明の実施形態に係る塗装装置1は、上記の洗浄過程を繰り替えした後もなお残存している洗浄液の水滴の蒸気により、前記ボルテージブロック機能の絶縁性能が低下するのを防止するため、上記の塗料注入機50の洗浄時に洗浄液が通過した経路に換気用エアを供給する構造を備えている。
【0051】
具体的には、制御装置80の指令信号に基づいて、第4の切替バルブ48aを閉じ、第5の切替バルブ56aを開き、第2の洗浄用バルブ機構70から、塗料注入機50の注入用シリンダ51及び第5の配管56を介して、第2のドレン槽57に至る第2の経路200を連通させる。そして、制御装置80の指令信号に基づいて、第2の洗浄用バルブ機構70において換気エアバルブ73のみを開き、この第2の経路200に換気用エアが供給される。塗装ガン10の高電圧印加の間、この換気用エアを常時又は断続的に流通させることにより、洗浄後の第2の経路200内に残存する洗浄液の蒸気量を飽和蒸気量以下に維持して、即ち、第2の経路200内の圧力を残存する洗浄液の飽和蒸気圧以上に維持して、当該洗浄液の水滴の蒸発を防止することが出来るので、ボルテージブロック機能の絶縁性能の低下を防止することが可能となる。また、残存する洗浄液が蒸発しても、第2の経路200内は当該換気用エアにより換気されているので、当該経路内に洗浄液の蒸気が留まることなく、ボルテージブロック機能の絶縁性能の低下を防止することが可能となる。
【0052】
このように構成された本実施形態の塗装装置1は、例えば図5に示すように、塗装装置Rに装着されて塗装ラインLで使用される。同図において、「S」は塗装ブース、「D」は塗装台車、「B」は被塗物である自動車ボディである。この場合、少なくとも、押出用駆動手段43及び注入用駆動手段53を塗装ブースSの外部へ設置することが好ましい。これは以下の理由による。即ち、塗装ブースSで使用される塗料類が全て非溶剤系(非危険物)である場合には問題ないが、溶剤系塗料と非溶剤系塗料との混成ラインの場合には、塗装装置に使用される駆動モータや電気配線を防爆仕様にする必要があり、設備のコストアップになる。しかしながら、防爆仕様が必要とされるサーボモータ47等を塗装ブースSの外部に設置することで、溶剤系塗料の混成ラインであってもこれらを防爆仕様にする必要がなく、コストダウンを図ることができる。また、駆動手段43、53を塗装ブースSの外部に設置することで保守点検の作業性も向上する。
【0053】
以下に、図6に従って、本実施形態に係る塗装装置における動作の一例について説明する。
【0054】
図6は、本実施形態の塗装装置1に塗料を供給して、塗装ガン10から被塗物Bに塗料を塗布し、次の被塗物Bを待機するまでの1サイクルの手順を示したもので、まず押出用ピストン42が印加可能位置にある状態から説明する。この状態では、押出用ピストン42の前方と押出用シリンダ41との密閉空間に被塗物Bに塗布すべき塗料が充填されている。この充填量は、塗装ガン10で塗布される塗料の使用量にほぼ等しい。これに対し、押出用ピストン42の後方には空気が充満している。なお、この状態において、第1及び第3の切替バルブ34a、36aは閉じ、第2の切替バルブ35a及び第1の洗浄用バルブ機構30の換気エアバルブ33が開いており、第1の経路100に換気用エアが流通している。また、塗料注入機50は、塗料押出機40への塗料の注入を終えて洗浄が完了して、注入用シリンダ51が後退限位置に位置しており、第4の切替バルブ48aが閉じ、第5の切替バルブ56a及び第2の洗浄用バルブ機構70の換気エアバルブ73が開いており、第2の経路200に換気用エアが流通している。
【0055】
この状態から、塗装ガン10に高電圧を印加すると共に、トリガバルブ21を開く(ステップS1)。これにより、塗装ガン10から、導電性塗料を介して電流が流れるが、上述の第1〜第3のボルテージブロックが機能を発揮して、第1及び第2の洗浄用バルブ30、70やカラーチェンジバルブ60等が電気的に絶縁され、電流のリークが防止されている。また、上述のように、塗装ガン10の高電圧印加時の間、第1の経路100及び第2の経路200に換気用エアが流通しているので、残存する洗浄液の水滴の蒸気によるボルテージブロックの絶縁性能の低下が防止されている。
【0056】
トリガバルブ21の開動作とほぼ同時に、制御装置80が塗料押出機40の押出用駆動手段43を作動させ、押出用シャフト44を介して押出用ピストン42を塗装ガン10に向かって前進させる(ステップS2)。
【0057】
なお、トリガバルブ21と押出用ピストン42の押出動作とは、ほぼ同時に行うが、塗装ロボットRの姿勢如何では塗装ガン10のベルカップ12が横向き、或いは斜め上向きになっている場合もあるので、最初の吐出量や霧化パターンを安定させるために、押出用ピストン42の押出動作をトリガバルブ21の開動作に対して若干先行させることが好ましい。こうすることで、特に回転霧化式塗装ガンでは、フィードバック先端の塗料タレ対策に有効な手段となる。
【0058】
押出用ピストン42を押し出す際の押出速度は、ベルカップ12からの吐出量に関係する。即ち、押出速度を速くすると吐出量が増加し、押出速度を遅くすると吐出量が減少するので、制御装置80から最適な押出速度を押出用駆動手段43に送出する。
【0059】
押出用ピストン42が塗装ガン10に向かって前進し、当該押出用ピストン42が押出用シリンダ41の前進限位置に到達すると、押出用駆動手段43を停止すると共に、塗装ガン10への高電圧の印加を停止し、被塗物Bへの塗装を終了する(ステップS3)。なお、押出用ピストン42の前進限位置及び後退限位置は、サーボモータ47の回転数や当該位置に設けられ、制御装置80に接続されたセンサ(不図示)などにより検出される。
【0060】
これ以降の操作が色替えサイクルとなる。まず、制御装置80の指令信号に基づいて、第1及び第2の洗浄用バルブ機構30、70の換気エアバルブ33、73をそれぞれ閉じて、第1及び第2の経路100、200への換気エアの流通を停止させる(ステップS4)。
【0061】
次に、制御装置80の指令信号に基づいて、トリガバルブ21及び第2の切替バルブ35aを閉じると共に、第1の切替バルブ34aを開けて、第1の洗浄用バルブ機構30、第1の配管34、塗料ホース20及び塗装ガン10を連通させる。これと同時に、制御装置80の指令信号に基づいて、第3及び第4の切替バルブ36a、48aを開けると共に、第5の切替バルブ56aを閉じて、第2の洗浄用バルブ機構70、塗料注入機50、第4の配管48、塗料押出機40、第3の配管36、第2の配管35及び第1のドレン槽37を連通させる(ステップS5)。
【0062】
そして、第1の洗浄用バルブ機構30の洗浄エアバルブ31と洗浄液バルブ32とを交互に開閉して、塗料ホース20及び塗装ガン10に洗浄用エアと洗浄液とを交互に供給して前色塗料を塗装ガン10の吐出口から強制的に押し出して洗浄し、最後に洗浄エアバルブ31を再度開けて洗浄用エアを供給して残存する洗浄液を除去する(ステップS6)。
【0063】
これと同時に、第2の洗浄用バルブ機構70の洗浄エアバルブ71と洗浄液バルブ72とを交互に開閉して、塗料押出機40の押出用ピストン42の前方に洗浄用エアと洗浄液とを交互に供給して前色塗料を第1のドレン槽37に強制的に押し出して洗浄し、最後に洗浄エアバルブ71を再度開けて洗浄用エアを供給して残存する洗浄液を除去する(ステップS7)。この際、押出用ピストン42が前進限位置に位置しており、洗浄を必要とする容積が最小限となっているため、洗浄時間が短縮される。
【0064】
塗装ガン10、塗料ホース20及び塗料押出機40が清浄となったら、第1及び第3の切替バルブ34a、36aを閉じると共に、第2の切替バルブ35aを開けて、第1の洗浄用バルブ機構30から第1及び第2の配管34、35を介して第1のドレン槽37に至る第1の経路100を連通させる(ステップS8)。そして、第1の洗浄用バルブ機構30の換気エアバルブ33を開けて、換気用エアを第1の経路100に流通させる(ステップS9)。
【0065】
次に、制御装置80の指令信号に基づいて、塗装押出機40の押出用駆動手段43が駆動し、押出用シャフト44を介して押出用ピストン42が後退する(ステップS10)。
【0066】
押出用ピストン42が後退限位置に到達したら、カラーチェンジバルブユニット60の塗料バルブ61の何れかを開いて次色の塗料を、塗料注入機50の注入用シリンダ51及び第4の配管48を介して、塗料押出機40に充填する(ステップS11)。このとき、塗料使用量に応じて制御装置80が塗料バルブ61の開閉タイミングを制御し、その塗料に適した充填量とする。
【0067】
カラーチェンジバルブユニット60から塗料押出機40への塗料の充填が完了したら、制御装置80の指令信号に基づいて、塗料注入機50の注入用駆動手段53が駆動し、注入用シャフト54を介して注入用ピストン52が前進して、注入用ピストン52内に残存する塗料を塗料押出機40に強制的に注入する(ステップS13)。このような注入用ピストン52の強制的な注入により塗料の使用量を削減することが可能となる。なお、注入用ピストン52の前進限位置及び後退限位置は、当該位置に設けられ、制御装置80に接続されたセンサ(不図示)などにより検出される。
【0068】
次に、制御装置80の指令信号に基づいて、第4の切替バルブ48aを閉じると共に、第5の切替バルブ56aを開き、第2の洗浄用バルブ機構70、塗料注入機50、第5の配管56及び第2のドレン槽57を連通させる(ステップS14)。
【0069】
そして、第2の洗浄用バルブ機構70の洗浄エアバルブ71と洗浄液バルブ72とを交互に開閉し、塗料注入機50の注入用ピストン52に洗浄用エアと洗浄液とを交互に供給して次色塗料を第2のドレン槽57に強制的に押し出して洗浄し、最後に洗浄エアバルブ71を再度開けて洗浄用エアを供給して残存する洗浄液を除去する(ステップS15)。この際、押出用ピストン42が前進限位置に位置しており、洗浄を必要とする容積が最小限となっているため、洗浄時間が短縮される。
【0070】
塗料注入機50が清浄となったら、制御装置80の指令信号に基づいて、塗料注入機50の注入用駆動手段53が駆動し、注入用シャフト54を介して注入用ピストン52が後退する(ステップS16)。
【0071】
注入用ピストン52が後退限位置に位置したら、制御装置80の指令信号に基づいて、第2の洗浄用バルブ機構70の換気エアバルブ73を開き、第2の洗浄用バルブ機構70から塗料注入機50及び第5の配管56を介して第2のドレン槽57に至る第2の経路200に換気用エアが流通し、この状態で次色の塗装スタート信号を待機する(ステップS17)。
【0072】
本実施形態に係る塗装装置1は、以下の効果が期待できる。
【0073】
第1に、本実施形態に係る塗装装置1は、塗料押出機40とカラーチェンジバルブユニット60との間に、残存する塗料を強制的に注入するピストンを有する塗料注入機50を設けることにより、従来のように塗料押出機40とカラーチェンジバルブユニット60との間に接合部を設けずにボルテージブロック機能を確保することが出来るので、塗装装置1の構造を簡素化することが可能になると共に、接合/分離による当該接合部の摩耗・劣化の問題も無くなる。
【0074】
また、カラーチェンジバルブユニット60からの塗料押出機40への充填後に、当該塗料注入機50により注入用シリンダ51内に残存する塗料を塗料押出機40に強制的に注入することにより、従来洗浄時において廃棄されていた、塗料押出機40とカラーチェンジバルブユニット60との間に残存する塗料を有効に活用することが可能となり、塗料の使用量を低減することが可能となる。
【0075】
さらに、塗料の使用量を低減するために設けられた塗料注入機50の洗浄において、強制的な注入と同時に、注入用ピストン52が注入用シリンダ51の内壁に付着した塗料を掻き取るので、洗浄時に当該注入用シリンダ51の先端部だけを洗浄すれば良く、注入用シリンダ51の洗浄を必要とする容積を最小限にすることが可能となり、洗浄時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0076】
第2に、本実施形態に係る塗装装置1は、塗料押出機40の押出用ピストン42に具備されている2つのOリング42b、42cとの間に設けられた注入孔41bから洗浄用エア及び洗浄液を供給することにより、従来洗浄し難かった当該Oリング42b、42c間を直接洗浄可能になると共に、押出用シリンダ41の先端部に、前方Oリング42bの外径より大きな内径の拡径部41aを形成することにより、前方Oリング42bの前方も洗浄出来るので、塗料押出機40の洗浄性が大幅に向上し、洗浄時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0077】
さらに、押出用シリンダ41の拡径部41aにリブ41cを形成し、押出用ピストン42が前進限位置にある場合に、前方Oリング42bの凹部に当該リブ41cを対向させるにより、従来洗浄し難かった前方Oリング42bの凹部に洗浄用エア及び洗浄液が積極的に入り込み、塗料押出機40の洗浄性が向上し、洗浄時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0078】
第3に、本実施形態に係る塗装装置1は、塗装ガン10の高電圧印加時に、洗浄液が通過した第1及び第2の経路100、200に換気用エアを流通させて、当該経路100、200内の残存する洗浄液の蒸気量を飽和蒸気量以下に維持して、即ち当該経路100、200内の圧力を残存する洗浄液の飽和蒸気圧以上に維持することにより、当該残存する洗浄液の水滴の蒸発(湿度の上昇)を防止することが可能となり、ボルテージブロック機能の絶縁性能の低下を防止することが可能となる。
【0079】
また、残存する洗浄液がたとえ蒸発しても、当該経路100、200が換気用エアにより換気されているので、当該経路100、200内に洗浄液の蒸気が留まることなく、ボルテージブロック機能の絶縁性能の低下を防止することが可能となる。
【0080】
さらに、洗浄液が通過した経路100、200内に換気用エアを流通させることにより、洗浄作業の最後に洗浄用エアを長時間流し続ける必要がなくなるので、洗浄時間の短縮化を図れると共に、省エネルギー化を図ることが可能となる。
【0081】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る塗装装置の概略構成図である。
【図2】図2は、図1に示す塗装装置の塗料押出機の先端部の詳細図である。
【図3】図3は、図2のIII部の拡大図である。
【図4】図4は、図1に示す塗装装置の塗料注入機の概略構成図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る塗装装置の使用態様を示す概略構成図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態に係る塗装装置における動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…塗装装置
10…ベル型静電塗装ガン
20…塗料ホース
30…第1の洗浄用バルブ機構
40…塗料押出機
41…押出用シリンダ
41a…拡径部
41b…注入孔
41c…リブ
42…押出用ピストン
42a…ピストン本体
42b…前方Oリング
42c…後方Oリング
43…押出用駆動手段
50…塗料注入機
60…カラーチェンジバルブユニット
70…第2の洗浄用バルブ機構

Claims (3)

  1. 電圧が印加される塗装ガンと、
    前記塗装ガンに塗料を導く塗料配管と、
    前記塗料配管に連通したシリンダ、及び、少なくとも二つの環状シール部材を持ち、前記シリンダの内部を水密状態で移動可能なピストンを少なくとも有し、前記ピストンの前方に充填された塗料を前記塗料配管に押し出す塗料押出手段と、
    少なくとも前記塗料押出手段に洗浄用流体を供給して、前記塗料押出手段の洗浄を行う洗浄手段と、を少なくとも備えた塗装装置であって、
    前記塗料押出手段のシリンダには、
    一方の前記環状シール部材の外径より大きな内径を有する拡径部と、
    前記洗浄手段から洗浄用流体が供給される注入孔と、が先端側に形成されており、
    前記ピストンが前進限位置に位置する場合に、前記シリンダの拡径部により前記一方の環状シール部材が前記シリンダ内を非水密状態にすると共に、他方の前記環状シール部材が前記シリンダ内の水密状態を維持し、前記一方の環状シール部材と前記他方の環状シール部材との間に向かって前記注入孔が開口している塗装装置。
  2. 前記ピストンに設けられた前記一方の環状シール部材は、凹部を含む断面形状を有し、
    前記シリンダの拡径部は、前記一方の環状シール部材の凹部に対応した形状のリブを有しており、
    前記ピストンが前進限位置にある場合に、前記拡径部のリブが前記一方の環状シール部材の凹部に対向する請求項1記載の塗装装置。
  3. 前記塗料が導電性塗料である請求項1〜3の何れかに記載の塗装装置。
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