JP3718053B2 - 静電塗装機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速回転駆動される回転霧化頭に高電圧を印加した状態で塗料を供給して霧化させ、その噴霧した塗料を反対極となる被塗物に静電塗着させる静電塗装機に関し、特に、導電性塗料の静電塗装に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
静電塗装機に高電圧を印加して、水性塗料やメタリック塗料などの導電性塗料を静電塗装する場合には、塗料供給系を介して高電圧がリークするのを防止するために、その塗料供給系全体に絶縁対策を施さなければならず面倒であった。
また、静電塗装機の後端側をアース体であるロボットアームなどに装着する場合には、高電圧が印加される回転霧化頭に導電性塗料を供給する塗装機内の塗料供給系を介して塗装機の後端側まで高電圧が印加されるおそれがある。
【0003】
そこで本出願人らは、塗料供給系の絶縁対策が不要で、塗装機後端側をアース体であるロボットアーム等に取付使用可能な静電塗装機を提案した(特開平9−94490号,同150079号,同234397号公報参照)。
図3はこのような従来の静電塗装機31の概略構成を示す流体回路図であって、絶縁体で形成されたハウジング2の先端に高電圧が印加される回転霧化頭3が配設されている。
静電塗装機31は、高電圧が印加される回転霧化頭3等が配設されたハウジング2の先端側2aに対して、ロボットアームなどのアース体に装着されるハウジング2の後端側2bが所定の絶縁距離離して形成されると共に、塗料供給源から塗装機31に至る塗料供給系32Aと、回転霧化頭3へ塗料を供給する静電塗装機31内の塗料供給系32Bが分断可能に形成されている。
そして、塗装中に塗料供給系32A,32Bを分断させれば、ハウジング2の後端側2bは前記先端側2aに対して所定の絶縁距離離して形成されているので、塗料供給源に至る塗料供給系32Aを介して高電圧がリークしたり、後端側2bに装着されたロボットアームを介して高電圧がリークすることもない。
【0004】
具体的には、静電塗装機31は、ハウジング2内に、前記回転霧化頭3に塗料を送給するシリンダポンプ4と、当該シリンダポンプ4に塗料を充填する塗料供給ポートPsが配設されて成る。
そして、シリンダポンプ4は、シリンダ5内を往復動するピストン6により当該シリンダ5が塗料室4Pと作動流体室4Aに仕切られ、流入口4inから塗料室4Pに充填した塗料を、作動流体の圧力で前進するピストン6により流出口4out から圧し出して、トリガーバルブVtを介して回転霧化頭3へ送給するようになっている。
また、塗料供給ポートPsは、シリンダポンプ4の流入口4inに塗料充填バルブVpを介して連通されている塗料流入ポートPinに対して所定の絶縁距離離れた位置から進退されて係脱可能に連結されるように配設されている。
【0005】
これによれば、まず、回転霧化頭3に高電圧が印加されていない状態で、トリガーバルブVtを閉じ、塗料充填バルブVpを開き、塗料供給ポートPsを進出させて塗料流入ポートPinに連結させ、シリンダポンプ4内に塗料を充填する。
次いで、塗料充填バルブVpを閉じて塗料供給ポートPsを後退させた後、回転霧化頭3を高速回転させて高電圧を印加し、トリガーバルブVtを開いてシリンダポンプ4から塗料を圧し出せば、塗料は回転霧化頭3に供給されて霧化され、反対極となる被塗物に静電塗着される。
【0006】
このとき、塗料供給源に接続されている塗料供給ポートPsは、絶縁対策が施されていないアース体であるが、塗料流入ポートPinから離脱されて所定の絶縁距離離れているので、回転霧化頭3に印加されている高電圧が、塗料配管などを介してリークすることはない。
また、ハウジング2は絶縁体で形成されて、しかも、高電圧が印加される先端側2aと、ロボットアームなどのアース体に装着される後端側2bが所定の絶縁距離離れているので、ロボットアームを介して高電圧がリークすることもない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この静電塗装機31で塗装をしていると、塗装機31の姿勢によっては塗料が連続的に噴霧されずに、塗料が断続されて間欠的に噴霧される息切れ現象を起こすという問題を生じた。
この息切れ現象を起こした場合、塗装中に塗料の噴霧が一時的に中断されることとなるので、塗膜が部分的に薄くなったり、あるいは、塗料が付着されなかったりして塗装ムラを生ずる。
【0008】
そして、本発明者らの実験によれば、シリンダポンプ4の塗料室4Pに塗料を充填した状態でその内部に空気が残っていると、塗装機31の姿勢によってはその空気が流出口4out まで移動して塗料と一緒に圧し出されて回転霧化頭3に供給されるので、その空気によって塗料の息切れ現象を生ずることが判明した。
【0009】
そこで本発明は、シリンダポンプの塗料室に塗料を充填した後、塗装開始前までに塗料室内に残る空気を確実に抜くことができ、塗装中に塗料の息切れ現象を起こさせないようにすることを技術的課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明は、絶縁体で形成されたハウジングの先端に、高電圧を印加した状態で回転駆動される回転霧化頭が配設されると共に、ハウジング内には、前記回転霧化頭に塗料を送給するシリンダポンプと、当該シリンダポンプに塗料を充填する塗料供給ポートが配設され、前記シリンダポンプは、シリンダ内を往復動するピストンにより当該シリンダが塗料室と作動流体室に仕切られて、流入口から塗料室に充填した塗料を作動流体の圧力で前進する前記ピストンにより流出口から圧し出すように成され、前記塗料供給ポートは、シリンダポンプの流入口に連通された塗料流入ポートに対して相対的に進退されて、所定の絶縁距離離れた位置から係脱可能に連結されるように配設されてなる静電塗装機において、前記シリンダポンプは、ピストンを塗料室側のシリンダ端部へ前進させて塗料を出し切った状態で当該ピストンとシリンダとの間に形成される空隙に、その流入口及び流出口が個別に開口形成されると共に、塗料を捨て吹きするために回転霧化頭を下向きにした時に、流出口が形成されたシリンダ端部側が上向きになるように設置されたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る静電塗装機を用いて多色静電塗装を行う場合に、前色塗料による塗装が終了後、色替洗浄,捨て吹き,次色塗料の充填,次色塗料による塗装を行う。
シリンダポンプのピストンを塗料室内のシリンダ端部側に前進させて、塗料室の塗料を出し切ったところで、前色塗料による塗装が終了する。
次いで、高電圧の供給を停止した状態で塗料供給ポートを塗料流入ポートに連結し、シリンダポンプの塗料室に洗浄液・洗浄エアを供給して色替洗浄を行う。
洗浄液・洗浄エアは、シリンダポンプの流入口から塗料室内に入り、シリンダとピストンの間に形成された空隙を通って流出口から排出される。
そして、最後に、洗浄エアを供給して、配管や塗料室内の残る洗浄液を払拭して、色替洗浄を終了する。
【0012】
次いで、塗料供給ポートを塗料流入ポートに連結した状態で、流入口から塗料を供給すると塗料室内に塗料が充填されるが、色替洗浄が終了した時点で、塗料流入ポートからシリンダポンプの流入口に至るまでの流路内や、シリンダとピストンの間に形成される空隙内には空気があるため、その空気が塗料と共に塗料室に流入することがある。
【0013】
一方、静電塗装機は、シリンダポンプ及び回転霧化頭間に残る洗浄液などが塗装開始初期に吹き出されて塗装不良を起こさないように、塗装開始前に捨て吹きを行い、その残存洗浄液を次色塗料で圧し出すようにしている。
このとき、回転霧化頭を下向きにして捨て吹きすることにより、シリンダポンプの流出口を形成したシリンダ端部が上向きになるので、塗料室内に残る空気は塗料と一緒に流出口から排出される。
【0014】
これにより、塗料室内に残る空気は塗装開始前に確実に圧し出されて、塗料室内には塗料しか存在しないので、以後、塗装機がどのような姿勢をとろうとシリンダポンプから送給される塗料に空気が混じることがなく、したがって、塗装中に塗料室内の空気が回転霧化頭に送給されることに起因する塗料の息切れ現象を生じない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明に係る静電塗装機の概略構成を示す流体回路図、図2はその実装置を示す断面図である。なお、図3と共通する部分については同一符合を付して詳細説明は省略する。
【0016】
本例に係る静電塗装機1のハウジング2内には、回転霧化頭3を高速回転駆動するエアモータ7,前記シリンダポンプ4及び各バルブV1 〜V6 を装着すると共に塗料や作動流体等の各種流路R1 〜R5 ,Raが形成された機体8と、前記回転霧化頭3に高電圧を印加する高電圧発生器9と、前記シリンダポンプ4に塗料を充填したり色替洗浄する塗料充填/洗浄装置10が配設されている。
【0017】
前記シリンダポンプ4は、ピストン6を塗料室4P側のシリンダ端部へ前進させて塗料を出し切った状態で当該ピストン6とシリンダ5との間に空隙4sが形成されるように成されている。
本例では、図1に示すように、塗料室4P側のシリンダ端部が円錐凹面5sに形成されると共に、ピストン6の塗料室4P側の面が前記円錐凹面5sより頂角が僅かに大きい円錐凸面6sに形成されているので、ピストン6をシリンダ端部まで前進させたときに、前記円錐凹面5sと前記円錐凸面6sとの間で空隙4sが形成される。
【0018】
そして、シリンダポンプ4のピストン6を塗料室4P側のシリンダ端部まで前進させたときに、シリンダ5の円錐凹面5sとピストン6の円錐凸面6sの間に形成される空隙4sに、流入口4in及び流出口4out が個別に開口形成されている。
本例では、流入口4inがシリンダ5の円錐凹面5sの周縁部に開口されると共に、流出口4out がシリンダ5の円錐凹面5sの頂部に開口形成されている。
また、シリンダポンプ4の作動流体室4A側には、作動流体として圧縮空気を流入出する作動エア流入出口4air が開口形成されている。
【0019】
このシリンダポンプ4は、前記作動流体室4A側をハウジング2の先端側2aに向け、且つ、前記塗料室4Pをハウジング2の後端側2bに向けた状態で前記機体8の背面に取り付けられている。
これにより、塗料を捨て吹きするために回転霧化頭3を下向きにした時に、流出口4out を形成したシリンダ端部が上向きになる。
【0020】
また、シリンダポンプ4は、機体8に装着されている部分を除きカップ状の絶縁カバー11で覆われている。
この絶縁カバー11は、開口部11aをハウジング2の先端側2aに向けると共に、その底部11bをハウジング2の後端側2bに向けて、前記開口部11a側が機体8に固定されており、前記シリンダポンプ4は、流出口4out が形成されたシリンダ端部側を前記絶縁カバー11の底部11bに向けた状態で収容配設されて成る。
これにより、シリンダポンプ4は、ハウジング2の後端側2bに対して電気的絶縁状態に維持されるので、回転霧化頭3に供給された高電圧が導電性塗料を介してシリンダポンプ4に印加されても、ハウジング2の後端側2bに高電圧がリークすることはない。
【0021】
また、塗料充填/洗浄装置10は、前記機体8の背面側に形成されたレセプタクル12と、当該レセプタクル12に対して所定の絶縁距離離れた位置からエアシリンダ13のピストンロッドにより進退されて係脱自在に連結されるコネクタヘッド14からなる。
【0022】
このコネクタヘッド14には、任意の色の塗料,洗浄液,洗浄エアを択一的に供給する色替装置CCVに連結された塗料供給ポートPsと、洗浄液,洗浄エアを択一的に供給するクリーナバルブ装置15に接続されたクリーナ供給ポートCsと、ドレンタンク16に接続された二つのドレンポート17,18が形成されている。
【0023】
そして、レセプタクル12には、コネクタヘッド14を連結した状態で、前記塗料供給ポートPsと連通する塗料流入ポートPinと、前記クリーナ供給ポートCsと連通するクリーナ流入ポートCinと、前記各ドレンポート17,18に連通するドレンポート19,20が形成されている。
【0024】
なお、前記塗料供給ポートPsと塗料流入ポートPinは、その先端にチェックバルブ21,21が形成され、コネクタヘッド14をレセプタクル12に連結したときのみ、前記チェックバルブ21,21が開いて連通するように成されている。
【0025】
また、機体8には、塗料や作動流体等を流通させる各流路R1 〜R5 ,Raが形成されると共に、各流路R1 〜R5 を断続するバルブV1 〜V6 が形成されている。
本例では、レセプタクル12の塗料流入ポートPinから塗料充填バルブV1 を経てシリンダポンプ4の流入口4inに至る塗料充填流路R1 と、その流出口4out から流路分断バルブV2 ,エアオペレートレギュレータ22,トリガーバルブV3 を経て回転霧化頭3に至る塗料吐出流路R2 が形成されている。
【0026】
また、前記流路分断バルブV2 の上流側で塗料吐出流路R2 から分岐されドレンバルブV4 を経てレセプタクル12のドレンポート19に至るポンプ廃液流路R3 と、レセプタクル12のクリーナ流入ポートCinからレギュレータ洗浄バルブV5 を経て前記流路分断バルブV2 とエアオペレートレギュレータ22の流入口の間で塗料吐出流路R2 に合流するレギュレータ洗浄流路R4 と、トリガーバルブV3 から分岐されてダンプバルブV6 を経てレセプタクル12のドレンポート20に至るレギュレータ廃液流路R5 と、シリンダポンプ4の作動流体室4Aに圧縮空気を供給するエア流路Raが形成されている。
【0027】
以上が本発明の一例構成であって、次にその作用を説明する。
この静電塗装機1を用いて導電性塗料を塗装するときは、塗料充填−捨吹−次色塗料の塗装−色替洗浄を順次繰り返す。これにより、コンベアで連続して搬送されてくる被塗物ごとに夫々指定された色の塗料を充填して、被塗物ごとに異なる色の塗料で塗装を行うことができる。
【0028】
具体的には、前色塗料の塗装が終了し、色替洗浄が終了した状態で、塗料の充填を行う。
まず、高電圧発生器9をオフにした状態で、エアシリンダ13のピストンロッドを伸長させてコネクタヘッド14を機体8に形成されたレセプタクル12に連結させ、色替装置CCVから所望の色の導電性塗料を供給する。
【0029】
このとき、シリンダポンプ4のピストン6は、流入口4in及び流出口4out を形成したシリンダ端部側に位置しているので、塗料充填バルブV1 を開いて、その他のバルブV2 〜V6 を閉じ、エア流路Raを大気に開放すれば、塗料の供給圧力でピストン6が後退し、塗料室4Pに塗料が充填される。
【0030】
なお、色替洗浄が終了した時点で、塗料流入ポートPinからシリンダポンプ4の流入口4inに至るまでの塗料充填流路R1 内や、シリンダ5とピストン6の間に形成される空隙4s内には空気があるため、塗料供給ポートPsと塗料流入ポートPinに連結させてシリンダポンプ4の塗料室4Pに塗料を供給すると、その空気は塗料と共に塗料室4Pに流入する。
そして、塗料の充填が終了した時点で、塗料充填バルブV1 を閉じ、コネクタヘッド14を後退させてレセプタクル12から離脱させ、所定の絶縁距離離れた位置まで後退させる。
【0031】
次いで、エアモータ7により回転霧化頭3を高速回転駆動させ、エア流路Raから圧縮エアを供給して作動流体室4Aを陽圧に維持した状態で、バルブV1 〜V6 の切り換えにより、捨て吹きと塗装を行う。
まず、塗装開始前に塗料室4Pに充填された塗料の捨て吹きを行う場合、高電圧発生器9をオフにしたまま、回転霧化頭3を下向きにして、バルブV2 ,V3 を短時間だけ開成すると共に、その他のバルブV1 ,V4 〜V6 を閉成する。
これにより、作動流体室4A内の空気圧によりピストン6が進出され、前記バルブV2 ,V3 が開成されている間、塗料室4P内の塗料が捨て吹きされる。
【0032】
このとき、回転霧化頭3が下向きになっているので、シリンダポンプ4は、流出口4out を形成したシリンダ端部が上向きになり、塗料室4P内に残っている空気は流出口4out へ移動し、塗料室4P内の塗料と一緒に塗料室4Pから圧し出されて、回転霧化頭3から捨て吹きされることとなる。
【0033】
したがって、塗料室4P内に空気が残っていても、塗装開始前の捨て吹きの際に確実に塗料室4Pから残らず排出され、当該塗料室4P内は塗料だけになる。
特に、本例のように、シリンダ5の内側端面を円錐凹面5sに形成して、その頂点に流出口4out を開口させれば、空気は円錐凹面5sの頂点に移動するから、塗料室4P内に残る空気をより確実に排出させることができる。
【0034】
捨て吹きが終了すると、高電圧発生器9をオンさせて回転霧化頭3に高電圧を印加した状態で、再び、バルブV2 ,V3 を開き、静電塗装機1を被塗物に向けると、作動流体室4A内の空気圧によりピストン6が進出されてシリンダポンプ4からエアオペレートレギュレータ22を介して定量供給された塗料が回転霧化頭3で霧化され、その噴霧された塗料が被塗物に塗着される。
このとき、塗料室4P内の塗料に空気が混ざっていないので、静電塗装機1をどのような姿勢にしても、空気が回転霧化頭3に供給されることはなく、したがって、塗料の息切れ現象による塗装不良を生ずることもない。
【0035】
また、シリンダポンプ4は、塗料吐出流路R2 を介して供給される導電性塗料により回転霧化頭3と電気的に導通して、回転霧化頭3と同電位になっても、絶縁カバー11内に収容されているので、ハウジング2の後端側2bに対して電気的絶縁状態に維持される。
したがって、シリンダポンプ4の後端部から、アース電位となるハウジング2の後端側2bまで所定の絶縁距離離れていなくても、高電圧がリークすることはなく、その分、静電塗装機1をコンパクトに形成することができる。
【0036】
さらに、色替装置CCVに接続されたコネクタヘッド14は、機体8の背面に形成されたレセプタクル12から離脱されて所定の絶縁距離離されているので、機体8が回転霧化頭3と同電位になったとしても、コネクタヘッド14を介して高電圧がリークすることがなく、したがって、アース体である色替装置CCVやこれに接続される各色塗料供給源に至るまでの塗料供給系に、特段の絶縁対策を施す必要もない。
【0037】
そして、塗装が終了して、エアモータ7,高電圧発生器9をオフした後、コネクタヘッド14を進出させてレセプタクル12に連結させ、色替洗浄を行う。
この場合に、まず、流路分断バルブV2 ,トリガーバルブV3 を閉じて、その他のバルブV1 ,V4 〜V6 を開く。
これにより、塗料流入ポートPinから塗料充填流路R1 ,シリンダポンプ4,塗料吐出流路R2 ,ポンプ廃液流路R3 を経てドレンポート19に至るポンプ洗浄系と、クリーナ流入ポートCinからレギュレータ洗浄流路R4 ,エアオペレートレギュレータ22,レギュレータ廃液流路R5 を経てドレンポート20に至るレギュレータ洗浄系が形成される。
【0038】
ここで、コネクタヘッド14の塗料供給ポートPs及びクリーナ供給ポートCsから、洗浄液及び洗浄エアを交互に供給すると、塗料充填流路R1 ,シリンダポンプ4及びエアオペレートレギュレータ22を同時並行的に洗浄することができ、その廃液はドレンタンク16に排出される。
このように、洗浄に比較的時間のかかるシリンダポンプ4とエアオペレートレギュレータ22を別々の洗浄系で同時に洗浄することができ、夫々に清浄な洗浄液が供給されるので、短時間で且つ確実に洗浄することができる。
【0039】
このとき、ピストン6の円錐凸面6sの頂角は、シリンダ5の円錐凹面5sの頂角よりわずかに大きいので、ピストン6を塗料室4P側のシリンダ端部へ前進させて塗料を出し切った状態で当該ピストン6とシリンダ5との間に空隙4sが形成される。
したがって、流入口4inから流入する洗浄液,洗浄エアはその空隙4s内を流れて流出口4out から流出し、シリンダポンプ4の塗料室4P内を迅速且つ確実に洗浄できる。
【0040】
そして、シリンダポンプ4とエアオペレートレギュレータ22について洗浄が終了した時点で、塗料充填バルブV1 を開いたまま、ドレンバルブV4 とダンプバルブV6 を閉成し、流路分断バルブV2 とトリガーバルブV3 を開成することにより、シリンダポンプ4から回転霧化頭3に至る塗料吐出流路R2 の全域を洗浄し、最後に洗浄エアを供給して、塗料充填流路R1 ,シリンダポンプ4,塗料吐出流路R2 に残存する洗浄液を回転霧化頭3から吐き出させて色替洗浄を終了する。
色替洗浄が終了すると、色替装置CCVから次色塗料を供給して、次色塗料について、前述と同様に、塗料の充填,捨て吹き,塗装,色替洗浄を行い、これを繰り返すことにより、導電性塗料による多色静電塗装を行う。
【0041】
なお、上述の説明では、流出口4out を形成したシリンダ5の内側端面を円錐凹面5sで形成し、ピストン6の塗料室4P側の面を円錐凸面6sで形成する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図2に示すように双方を略フラットな面で形成し、その一方、例えばシリンダ5の内側端面に突起5aを形成して空隙4sを形成するようにしてもよい。この場合、流入口4in及び流出口4out はシリンダ5の周縁部に形成することが好ましい。
【0042】
また、シリンダポンプ4を機体8に固定し、塗料流入ポートPinを備えたレセプタクル12に対して塗料供給ポートPsを備えたコネクタヘッド14が進退する場合について説明したが、塗料流入ポートPinを塗料供給ポートPsに対して進退可能に配設する場合であってもよい。
また、特開平9−150079号,同234397号公報に記載されているように、塗料流入ポートPinを備えたシリンダポンプ4を塗料供給ポートPsに対して移動可能に配して、ハウジング2などに固定させたコネクタヘッド14の塗料供給ポートPsと塗料流入ポートPinを係脱させる従来公知の塗装機に適用する場合であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、導電性塗料の静電塗装を行う場合において、塗装開始前に必ず行われる捨て吹きの際に、回転霧化頭を下に向けることにより、シリンダポンプの流出口が形成されたシリンダ端部側が上向きになり、塗料室に残っている空気は流出口に向かって上方へ移動し、塗料と一緒に圧し出されて捨て吹きされるので、塗料室内には空気が存在せず、したがって、塗装中に静電塗装機がどんな姿勢をとっても塗料の息切れ現象や、これに起因する塗装不良を起こさず、塗装品質を一定に維持することができるという大変優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電塗装機の概略構成を示す流体回路図。
【図2】その実装置を示す断面図。
【図3】従来装置を示す流体回路図。
【符号の説明】
1・・・・静電塗装機 2・・・・ハウジング
3・・・・回転霧化頭 4・・・・シリンダポンプ
4in・・・流入口 4out ・・流出口
4P・・・塗料室 4A・・・作動流体室
5・・・・シリンダ 6・・・・ピストン
Pin・・・塗料流入ポート Ps・・・塗料供給ポート
10・・・・塗料充填/洗浄装置 11・・・・絶縁カバー
Claims (2)
- 絶縁体で形成されたハウジング(2)の先端に、高電圧を印加した状態で回転駆動される回転霧化頭(3)が配設されると共に、ハウジング(2)内には、前記回転霧化頭(3)に塗料を送給するシリンダポンプ(4)と、当該シリンダポンプ(4)に塗料を充填する塗料供給ポート(Ps) が配設され、前記シリンダポンプ(4)は、シリンダ(5)内を往復動するピストン(6)により当該シリンダ(5)が塗料室(4P) と作動流体室 (4A) に仕切られて、流入口(4in) から塗料室 (4P) に充填した塗料を作動流体の圧力で前進する前記ピストン(6)により流出口(4out)から圧し出すように成され、前記塗料供給ポート(Ps) は、シリンダポンプ(4)の流入口(4in) に連通された塗料流入ポート(Pin) に対して相対的に進退されて、所定の絶縁距離離れた位置から係脱可能に連結されるように配設されてなる静電塗装機において、
前記シリンダポンプ(4)は、ピストン(6)を塗料室(4P)側のシリンダ端部へ前進させて塗料を出し切った状態で当該ピストン(6)とシリンダ(5)との間に形成される空隙(4s)に、その流入口(4in) 及び流出口(4out)が個別に開口形成されると共に、塗料を捨て吹きするために回転霧化頭(3)を下向きにした時に、流出口(4out)が形成されたシリンダ端部側が上向きになるように設置されたことを特徴とする静電塗装機。 - 前記ハウジング(2)内には、前記シリンダポンプ(4)を覆うバケット状の絶縁カバー(11)が、その開口部(11a)をハウジング(2)の先端側(2a)に向けると共に、その底部(11b) をハウジング(2)の後端側(2b)に向けて配設され、前記シリンダポンプ(4)は、流出口(4out)が形成されたシリンダ端部側を前記絶縁カバー(11)の底部(11b)に向けた状態で収容配設されて成る請求項1記載の静電塗装機。
Priority Applications (1)
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JP13278298A JP3718053B2 (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | 静電塗装機 |
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