WO2007000853A1

WO2007000853A1 - ベル型塗装装置

Info

Publication number: WO2007000853A1
Application number: PCT/JP2006/309658
Authority: WO
Inventors: Shinji Katayama
Original assignee: Durr Japan K.K.
Priority date: 2005-06-27
Filing date: 2006-05-15
Publication date: 2007-01-04
Also published as: JP2007000826A

Abstract

　微粒化の度合いを容易に変更することができるベル型塗装装置を提供することにある。　ベル型塗装装置１０は、それぞれがベル２０の側面２２を向いている第１の噴射口７２を有する複数の第１の噴射ノズル７０と、それぞれがベル２０の外側を向いている第２の噴射口６２を有する複数の第２の噴射ノズル６０とを備える。第１の噴射ノズル７０及び第２の噴射ノズル６０は、選択的に圧縮空気を噴射することができ、かつ、選択された圧縮空気により噴霧された霧状の塗料の噴霧方向を中心線Ｃの伸びる方向に矯正させる。

Description

明細書

ベル型塗装装置

技術分野

[0001] 本発明は、ベル型塗装装置に関し、特に、静電塗装機に用いられるベル型塗装装置に関する。

背景技術

[0002] 霧化塗装の 1つに静電塗装がある。静電塗装は、塗料に遠心力を付与して霧化させ、霧化した塗料の粒子に静電気を帯電させて、被塗装物に塗布させる塗装である。静電塗装は、霧化塗装の一種で、遠心力'空気圧'液圧などで霧化した塗料粒子に静電気を帯電させて電気的に被塗装物 (ワーク）に塗布させる。

[0003] 具体的には、静電塗装は、被塗装物をアース (接地)しておいて、塗料霧化装置を高電圧の負極にする。このようにすることにより、被塗装物の表面は正に帯電する。その結果、被塗装物ど塗料霧化装置との間には静電界が形成される。霧化装置を飛び出した塗料粒子は負に帯電するので、正に帯電した被塗装物に塗着する。この方式は、手吹き式ガンなどに比べて塗料の無駄が殆どな、と、う特徴を有する。

[0004] 図 7に示すように、静電塗装を行う静電塗装装置としては、例えば、自動車ボディ W などの被塗物をコンベアで搬送しながら、その前面や後面を塗装するベル型塗装装置がある。ベル型塗装装置は塗料霧化装置として作用する。

[0005] ベル型塗装装置 100を搭載した塗装ロボット 105が塗装室 110に設置されて、る。

塗装ロボット 105は、例えば、案内レール 130上を走行するベース 140に、ロボットァーム 115の先端にベル型塗装装置 100を取り付けた多関節型多軸制御マシン 150 とされる。

[0006] ベル型塗装装置は、線対称形の側面を備えるベルを回転させた状態で、ベルに塗料を供給することにより、塗料に遠心力を付与して塗料を霧状にさせる。霧状の塗料が被塗装物に塗布するように、ベル型塗装装置は高電圧を霧状の塗料と被塗装物とに付与する。霧状にされた塗料は電荷の吸引力によって被塗装物に付着する。

[0007] ベル型塗装装置の塗装は、一般に、微粒化された塗料を被塗装物に付着させて行う。色合い、ムラなどの塗装の品質は、主に、塗料の微粒ィ匕の度合いで決定される。そして微粒ィ匕の度合いは、主に、噴霧された塗料に吹き付ける空気の速度、ベルの回転速度、静電容量で決定される。噴霧された塗料の微粒化の方法は、ベルを高速に回転させることにより噴霧された塗料を微粒ィ匕する方法と、ベル力ゝら噴霧された塗料に、これの噴霧方向に直角の方向から高速の空気を当てることにより、塗料を微粒化する方法とがある。そのようなベル型塗装装置は、例えば、前者としては特許文献

1に記載されており、後者としては特許文献 2に記載されて、る。

[0008] 図 8に示すように、特許文献 1に記載のベル型塗装装置 200は、ベル 202の側面 2 04に向けて開口している複数の噴射口 206を備えている。各噴射口 206から噴射された空気 ίま、ベノレ 202の佃 J面 204を?¾うように流れる。ベノレ 202のエッジ 208力ら噴霧される霧状の塗料は、ベル 202の側面 204に沿って流れる空気によって被塗装物に吹き付けられる。

[0009] 噴射口 206から噴射された空気は、ベル 202の側面 204に沿って流れるので、噴射口 206とベル 202のエッジから噴霧された塗料に当たる所との間の距離は、後述する特許文献 2に記載のベル型塗装装置 300よりも長い。このため、噴霧された塗料は、ベル型塗装装置 300の場合よりゆっくりした速度で流れる空気とともに被塗装物に移動する（図 6参照)。

[0010] ベル型塗装装置 200は、これ〖こより、噴射口 206から噴射される空気をベル 202の側面 204に接触するような気流に形成した後に、霧状の塗料を被塗装物に付着させ、塗装を行う。したがって、側面 204に接触するように流れた気流は、霧状の塗料を広範囲に被塗装物に付着させるので、ベル型塗装装置 200は広範囲の塗装を行うのに適している。

[0011] また、図 9に示すように、特許文献 2に記載のベル型塗装装置 300は、複数の噴射口 302の中心をベル 202のエッジより大きい円周上に配置されるように、形成されている。

[0012] 特許文献 2に記載のベル型塗装装置は、ベルから噴霧された塗料に直接噴射口カゝら噴射された空気を当てることにより、噴霧された塗料を被塗装物に付着させる。噴射口はベルの回転軸が伸びる方向に平行な方向に向ヽて、るので、噴霧された塗料は、ほぼ回転軸の伸びる方向にある被塗装物に付着する。

[0013] このように、ベル型塗装装置は、同じ塗料を用いても、ベルの回転によって噴霧された塗料に噴射口から噴射される空気の速度によって、噴霧された塗料の微粒化の度合いやその塗料が被塗装物に付着したときの色合いが異なってしまう特性を有する。したがって、塗料が同じであっても、被塗装物に塗装する塗料の色合いを変更するときは、ベル型塗装装置を変更する必要があった。

特許文献 1：特開平 9— 94488号公報

特許文献 2：特開 2003 - 236417号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0014] 本発明の目的は、微粒ィ匕の度合いを容易に変更することができるベル型塗装装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0015] 発明者は、上記目的に鑑み、広範囲用の複数の噴射口と狭い範囲用の複数の噴射口とは段差を有するような位置に備えた以下のベル型塗装装置を発明した。

[0016] (1) 一端に位置する円状の第 1のエッジ及び他端に位置する第 2のエッジであつて前記第 1のエッジの直径より小さ!/、直径を有する円状の第 2のエッジを形成する線対称形の側面と第 1のエッジを開口とする第 1の凹部とを有するベルと、前記第 1の凹部に塗料を供給する塗料吐出部と、前記ベルを回転させるモータと、前記ベルを相対的回転可能に支持する支持部と、それぞれが前記第 1のエッジが通る第 1の平面より前記第 2のエッジ側に位置する第 1の噴射口を有する複数の第 1の噴射ノズルと、それぞれが前記第 1の噴射口に対して前記第 1のエッジのある側と反対の側に配置された第 2の噴射口を有する複数の第 2の噴射ノズルと、を備え、前記ベルの回転軸線が延びる方向において、前記第 1の噴射口の位置と前記第 2の噴射口の位置とは段差を有しており、前記第 1の噴射口は前記第 1のエッジの外側に向けて開口しており、前記第 2の噴射口は前記側面に向けて開口して!/、るベル型塗装装置。

[0017] (1)に記載の発明によれば、ベル型塗装装置は、第 1の噴射口と第 2の噴射口とは段差を有するような位置に備えて、るので、噴霧した塗料の微粒ィ匕の方法を選択することができる。このため、同じ塗料を用いても、塗装中に、塗装面積が広い部分から塗装面積が狭い部分に又はその逆に塗装箇所が移行しても、塗装を継続しながら圧縮空気の噴射を第 1の噴射口及び第 2の噴射口のいずれかに選択するだけで、塗装の範囲を切り替えることができる。

[0018] (2) 前記支持部は線対称形の側面を有する第 2の凹部と該第 2の凹部の底面及び側面の少なくとも一方を貫通する複数の貫通穴とを有し、前記ベルは、前記第 2のエッジが前記第 2の凹部の内部に位置するように、かつ、前記第 1のエッジが前記第 2の凹部の外側に位置するように、配置され、前記第 2の噴射口は前記第 2の凹部の底面に配置され、前記第 1の噴射口は前記第 2の凹部の開口を形成する開口部に配置されている（1)に記載のベル型塗装装置。

[0019] (3) 各貫通穴の一方は、各第 2の噴射口の近傍に位置して、る (2)に記載のベル型塗装装置。

[0020] (2)及び（3)に記載の発明は、ベルの一部が第 2の凹部内に配置されているので、第 1のエッジと第 1の噴射口との距離を小さくすることができる。このため、第 1の噴射口から噴射された圧縮空気が殆ど撹拌されな!ヽ状態で霧化された塗料を被塗装物に吹き付けることができ、塗装箇所に正確に塗装をすることができる。

[0021] さらに、第 2の凹部の底面又は側面力入り込んだ空気は、第 2の噴射口から噴出された圧縮空気とともに、ベルの側面に流れ込むので、ベルの第 1のエッジから噴霧した塗料を流れよく被塗装物に付着させることができる。

[0022] 以上のベル型塗装装置は、前記第 1の噴射口は、前記第 1の平面に対して、鋭角に交差する方向に開口していてもよい。また、前記第 2の噴射口は、前記第 2の平面に対して、鋭角に交差する方向に開口していてもよい。そのようにすることにより、第 1 及び第 2の噴射口がそれぞれ第 1及び第 2の平面に対して鋭角に交差するように開口して、るので、各第 1及び第 2の噴射ノズルの噴射口力噴射された圧縮空気は竜巻のような気流を形成する。このため、霧状の塗料の噴霧方向を被塗装物がある方向に矯正することができる。

[0023] また、前記支持部の線対称軸線すなわち中心軸の伸びる方向において前記第 1のエッジと前記第 1の噴射口との間の距離は、 5mn！〜 9mmの範囲にあるようにしてもよい。そのようにすることにより、第 1の噴射ロカ噴射された圧縮空気は、 5mn！〜 9 mmの範囲にある距離だけ大気中を通ってから、ベルの第 1のエッジから噴霧された塗料を被塗装物に付着させる。ここで、第 1の噴射口から噴射された直後の圧縮空気の横断面は、第 1の噴射口の大きさとほぼ同じ大きさを形成しているが、第 1の噴射ロカも離れるにつれてその大きさは大きくなる。したがって、中心軸の伸びる方向にお、て第 1のエッジと第 1の噴射口との間の距離を 5mn！〜 9mmの範囲にすることにより、第 1の噴射口及びこれに隣接する第 1の噴射口のそれぞれから噴射される圧縮空気は、ラッパの側面のようなエアーカーテンを得ることでき、噴霧された塗料は、均一に被塗装物を塗装することができる。

発明の効果

[0024] 本発明によれば、ベル型塗装装置は、広範囲用とされる第 2の噴射口と狭い範囲用とされる第 1の噴射口とは段差を有するような位置に備えているので、噴霧した塗料を狭い範囲又は広い範囲に付着させることができる。また、ベル型塗装装置は、それぞれがベルの側面を向いている第 1の噴射口を有する複数の第 1の噴射ノズルと、ベルの外側を向、て、る第 2の噴射口を有する複数の第 2の噴射ノズルとを備えているので、圧縮空気が噴射する第 1又は第 2の噴射ノズル力他方に切り替えるだけで、塗装中に、ベル型塗装装置が被塗装物を吹き付ける範囲を変更することができる。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]本発明に係るベル型塗装装置の一実施形態の一部縦断面である。

[図 2]図 1に示すベル型塗装装置の外周の状態を説明するための一部縦断面図である。

[図 3]図 1に示すベル型塗装装置の側面図である。

[図 4]図 1に示すベル型塗装装置のベルの縦断面図である。

[図 5]図 1に示すベル型塗装装置が噴射する圧縮空気の流れを説明するための図である。

[図 6]図 1に示すベル型塗装装置の噴射ノズルと圧縮空気の噴射速度との関係を示すグラフである。 [図 7]従来のベル型塗装装置を用いた塗装工場を示した模式図である。

[図 8]従来のベル型塗装装置の縦断面図である。

[図 9]従来の別のベル型塗装装置の縦断面図である。

符号の説明

[0026] 10 ベル型塗装装置

12 支持部

20 ベル

22 ベノレの側面

24a ベルの側面の第 1のエッジ

24b ベルの側面の第 2のエッジ

25a, 25b, 25c, 25d 仮想的な平面

26 第 1のエッジを開口とする凹部

30 塗料吐出部

40 中心軸

42 先端

44 ボノレト

45 モータ

60 第 2の噴射ノズル

62 第 2の噴射口

70 第 1の噴射ノズル

72 第 2の噴射口

80 貫通穴

90 支持部に形成された凹部

発明を実施するための形態

[0027] 図 1から図 4に示すように、ベル型塗装装置 10は、線対称形の側面 22を有するベル 20と、ベル 20に塗料を供給する塗料吐出部 30と、ベル 20を相対的回転不能に保持する中心軸 40と、中心軸 40を回転させるモータ 45と、モータ 45を相対的回転不能に支持する支持部 12と、ベル 20の側面 22に向けて空気を噴射する複数の噴射ノズル 60とを備える。

[0028] 支持部 12は、例えば、ロボットアーム 115の先端部に取り付けられる。支持部 12はほぼ線対称形の円柱形状を有する。支持部 12の一端には、凹部 90が形成されている。支持部 12の他端は、ロボットアーム 115の先端部に取り付けられている。凹部 90 は、支持部 12の線対称軸線すなわち中心線 Cを線対称軸とする円錐の側面の一部を形成している。

[0029] 支持部 12は、中心軸 40を相対的回転可能に支持している。中心軸 40は、凹部 90 の底面の中心に刺さったような状態に配置されている。中心軸 40の一端は、支持部 12に相対的回転不能に支持されたモータ 45の出力軸に相対的回転不能に接続している。モータ 45には、例えば、エアーモータや電気モータが採用される。中心軸 4 0の他端は、ベル 20の殆どの部分を凹部 90内に位置するように、ベル 20の凹部 27 の底面の中心に相対的回転不能にボルト 44によって組み付けられて、る。

[0030] ベル 20の側面 22は、側面 22の一端に位置する円状のエッジ 24aと側面 22の他端に位置する円状のエッジ 24bとを有する。エッジ 24bの直径はエッジ 24aの直径より小さい。ベル 20は大径のエッジ 24aを開口とする凹部 26を有する。ベル 20は仮想的な平面 25bに開口している凹部 27を有する。凹部 27は、中心線 Cを線対称軸とする円柱形状の側面を有する。凹部 27の底面には凹部 26に繋がる複数の貫通穴 28の一方が形成されている。各貫通穴 28の他方は凹部 26の側面に露出している。

[0031] 複数の噴射ノズル 60は、ホースのような共通の圧縮空気供給経路 66を介してコンプレッサーのような圧縮空気を供給する圧縮空気供給源（図示せず）に気密的に接続している。

[0032] 複数の噴射ノズル 60は、中心線 Cを中心とする仮想的な円柱又は円錐の側面に整列した状態になるように、支持部 12の内部に形成されている。噴射ノズル 60の噴射口 62は、凹部 90の底面に開口している。噴射口 62の中心は中心線 Cを中心とする仮想的な円上に位置している。噴射口 62は、噴射口 62から噴射された圧縮空気がベル 20の側面 22を流れるように、側面 22に向いている。噴射口 62の内径は、例えば、直径 lmmとされる。

[0033] したがって、噴射ノズル 60は、仮想的な平面 25aに平行な仮想的な平面 25cに形成された噴射口 62を有する。仮想的な平面 25cは、仮想的な平面 25aよりモータ 45 側に位置していればよぐ仮想的な平面 25dよりモータ 45側に位置してもよいし、仮想的な平面 25d側に位置していてもよい。つまり、仮想的な平面 25dと 25cとの間に段差が形成されていればよい。噴射口 62は中心線 Cを中心とし、かつ、エッジ 24bより大きい直径の円周上に配置されている。また、噴射口 62は、エッジ 24bを通る仮想的な平面 25bが中心線 Cの伸びる方向にお!、てエッジ 24aの反対側に配置されて!ヽる。

[0034] 塗料吐出部 30は、ベル型塗装装置 10の外部に配置された塗料供給ポンプ（図示せず)から配管（図示せず)を介して供給された塗料 Pをベル 20の凹部 27の側面に供給することができるように、ベル型塗装装置 10の支持部 12に配置されている。

[0035] 中心軸 40は、エッジ 24a及び 24bのそれぞれの中心を通る中心線 Cの周りに回転可能に支持部 12に支持されている。ベル 20は、中心軸 40の先端 42〖こボルト 44のような取付具によつて取り外し可能に組み付けられている。

[0036] ベル型塗装装置 10は、さらに、複数の噴射ノズル 70を支持部 12に備える。各噴射ノズル 70は仮想的な平面 25dに形成された噴射口 72を有する。仮想的な平面 25d は、エッジ 24aが通る仮想的な平面 25aとエッジ 24bが通る仮想的な平面 25bとの間になるような、かつ、平面 25aに平行になるような面である。噴射口 72は、中心線 Cを中心としエッジ 24aの直径 dlより大き!/、直径 d2の円周上に位置する（図 3参照）。また、中心線 Cの伸びる方向においてエッジ 24aと噴射口 72との間の距離は、 5mm〜 9mmの範囲にあり、好ましくは、 6mn！〜 8mmの範囲にあり、特に、ほぼ 7mmとされる。

[0037] 噴射ノズル 70は、ホースとは別のホースのような圧縮空気供給経路 76を介してコンプレッサーのような圧縮空気を供給する圧縮空気供給源（図示せず）に気密的に接続している。

[0038] 噴射口 72は、エッジ 24aから仮想的な平面 25aが伸びる方向に噴霧状になった塗料を中心線 Cの伸びる方向に矯正することができるように、平面 25aにおいてエッジ 2 4aの外側に向いて開口している。噴射口 72は、約 lmmの内径を有する。また、噴射口 72の開口方向 aは、仮想的な平面 25aに対して約 45° 〖こ、ベル 20の回転方向 rと逆の方向にねじるように、傾斜している（図 5参照)。

[0039] 支持部 12の外周には、複数の貫通穴 80が形成されている。貫通穴 80の一方は、これが噴射口 62の近傍に向くように、凹部 90の底面の近傍に位置している。貫通穴

80の他方は支持部 12の外周に形成されて!ヽる。

[0040] 以上のベル型塗装装置 10は、以下のように作用する。

[0041] <ベルを高速に回転させること〖こより噴霧された塗料を微粒化する方法 >

[0042] ベル型塗装装置 10は、以下に示すように、ベルを高速に回転させて、噴霧された塗料を微粒化させることができる。このような方法により微粒化された塗料は、例えば

、自動車のルーフのようなほぼ平面状の被塗装物 Wに塗料 Pで塗装するときに用いられる。

[0043] まず、ベル型塗装装置 10は、モータ 45の出力軸を回転させて、ベル 20を中心線 C の周りを回転させる。このとき、ベル 20は、例えば、ベル 20のエッジ 24aの周速度が音速を超えるような 7万回転 Z分の回転速度で回転される。

[0044] 次に、噴射口 62から圧縮空気を噴射させる。このとき、噴射口 62から圧縮空気を噴射させるが、噴射口 72からは圧縮空気の噴射を行わない。噴射口 62から噴射された圧縮空気は、凹部 90とベル 20との間の空気とともに、凹部 90の側面とベル 20 の側面 22との間を通って、ベル 20の前方すなわち被塗装物 Wのある側に移動する。このため、凹部 90とベル 20との間の空気圧が低くなる力支持部 12の外周にある空気が貫通穴 80を通って、凹部 90とベル 20との間に供給される。つまり、支持部 12 の外周の空気は、貫通穴 80を通って、凹部 90とベル 20との間に供給される。

[0045] 次に、ベル 20に塗料 Pを供給する。これにより、塗料 Pは、ベル 20の回転による遠心力によって、供給された塗料は貫通穴 28を通って、ベル 20の凹部 26を伝わってエッジ 24aに移動する。エッジ 24aの周速度は亜音速に近いので、エッジ 24aに到達した塗料は、亜音速に近い速度で回転される。エッジ 24aに到達した塗料は、エッジ 24aから離れるとき、微粒ィ匕され、噴霧される。噴霧された塗料は、噴射口 62から噴射された空気によって被塗装物 Wに運ばれて、被塗装物 Wに付着することにより被塗装物 Wを塗装する。

[0046] 本実施例のベル型塗装装置 10の噴射口 62からエッジ 24aまでの距離は、噴射口 62の直径の約 50倍とされている。その結果、噴射口 62の直径 DOに 7倍の距離における速度 Vxは、噴射口 62における圧縮空気の速度 VOの 0. 1倍以下になっている。すなわち、エッジ 24aにおける圧縮空気の速度は、噴射口 62における圧縮空気の速度の 10分の 1になっている。これにより、微粒ィ匕された塗料は、ゆっくりと被塗装物 Wに付着するので、ベル型塗装装置 10は、均一に塗装をすることができる。

[0047] また、噴射口 62から噴射された圧縮空気は、ベル 20の側面 22に沿って流れるので、均一した気流を維持することができ、大気中に噴霧された塗料を均一に被塗装物 Wに付着させることができる。

[0048] また、ベル 20の側面 22は、エッジ 24bの直径よりエッジ 24aの直径が大き!/、ヽゎゅるラッパの形状を有しているので、噴射口 62から噴射された圧縮空気は、ベル 20の側面 22に沿って広がるような気流を形成する。このため、ベル型塗装装置 10は、広範囲の塗装をすることができる。

[0049] くベルから噴霧された塗料に高速の空気を当てることにより、塗料を微粒化する方法

>

[0050] ベル型塗装装置 10は、以下に示すように、ベルから噴霧された塗料に、これの噴霧方向に直角の方向から高速の空気を当てることにより、塗料を微粒ィ匕させることができる。このような方法は、例えば、自動車のルーフの端部のような箇所に塗料 Pで塗装するときは、以下に示すような狭い範囲の塗装を行うときに用いられる。

[0051] まず、ベル型塗装装置 10は、モータ 45の出力軸を回転させて、ベル 20を中心線 C の周りを回転させる。このとき、ベル 20は、例えば、ベル 20のエッジ 24aの周速度が音速を超えない程度 (例えば、 3万回転 Z分)の回転速度で回転される。

[0052] 次に、噴射口 72から圧縮空気を噴射させる。このとき、噴射口 72から圧縮空気を噴射させるが、噴射口 62からは圧縮空気の噴射を行わな、。

[0053] 次に、ベル 20に塗料 Pを供給する。これにより、塗料 Pは、ベル 20の回転による遠心力によって、供給された塗料は貫通穴 28を通って、ベル 20の凹部 26を伝わってエッジ 24aに移動する。エッジ 24aの周速度は亜音速よりも低速であるので、エッジ 2 4aに到達した塗料は、殆ど微粒化されな！/ヽで噴霧される。

[0054] 高品質の塗装を行うためには、塗料を微粒ィ匕することが好ま、。そこで、本実施例のベル型塗装装置 10の噴射口 72からエッジ 24aまでの距離を調べてみると、この距離は、噴射口 72の直径の約 7倍とされている。その結果、噴射口 62の直径 DO〖こ 7 倍の距離 Xにおける速度 Vxは、噴射口 62における圧縮空気の速度 VOの 0. 5倍以下になつている。つまり、噴射口 72から噴射された圧縮空気の速度は、殆ど低下しないで、噴霧された塗料に当たる。

[0055] したがって、噴霧された塗料は、ベル 20から噴霧された塗料に、これの噴霧方向に直角の方向力も高速の空気を当てることにより、微粒ィ匕されるとともに、中心線 Cの伸びる方向に移動する。これにより、ベル型塗装装置 10は、微粒化された塗料で狭い範囲の塗装を行うことができる。

[0056] 以上のベル型塗装装置 10は、一方の噴射口が配置された位置と他方の噴射口が配置された位置との間に段差を有しているので、例えば、 1つ被塗装物 Wに対して、 2種類の塗料の微粒ィ匕方法を使用することができるので、塗装を行って、る最中に、ベル 20の回転速度を変化させ、かつ、圧縮空気が噴射される噴射口を選択することで、微粒ィ匕の方法を切り替えることができる。また、 1つのベル型塗装装置 10は、塗装条件の異なる被塗装物をベル 20の回転速度及び圧縮空気が噴射される噴射口を選択するだけで塗装をすることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 一端に位置する円状の第 1のエッジ及び他端に位置する第 2のエッジであって前記第 1のエッジの直径より小さい直径を有する円状の第 2のエッジを形成する線対称形の側面と第 1のエッジを開口とする第 1の凹部とを有するベルと、

前記第 1の凹部に塗料を供給する塗料吐出部と、

前記ベルを回転させるモータと、

前記ベルを相対的回転可能に支持する支持部と、

それぞれが前記第 1のエッジが通る第 1の平面より前記第 2のエッジ側に位置する第 1の噴射口を有する複数の第 1の噴射ノズルと、

それぞれが前記第 1の噴射口に対して前記第 1のエッジのある側と反対の側に配置された第 2の噴射口を有する複数の第 2の噴射ノズルと、を備え、

前記ベルの回転軸線が延びる方向において、前記第 1の噴射口の位置と前記第 2 の噴射口の位置とは段差を有しており、

前記第 1の噴射口は前記第 1のエッジの外側に向けて開口しており、前記第 2の噴射口は前記側面に向けて開口して!、るベル型塗装装置。

[2] 前記支持部は線対称形の側面を有する第 2の凹部と該第 2の凹部の底面及び側面の少なくとも一方を貫通する複数の貫通穴とを有し、

前記ベルは、前記第 2のエッジが前記第 2の凹部の内部に位置するように、かつ、前記第 1のエッジが前記第 2の凹部の外側に位置するように、配置され、

前記第 2の噴射口は前記第 2の凹部の底面に配置され、

前記第 1の噴射口は前記第 2の凹部の開口を形成する開口部に配置されている請求項 1に記載のベル型塗装装置。

[3] 各貫通穴の一方は、各第 2の噴射口の近傍に位置している請求項 2に記載のベル型塗装装置。