JP2004344242A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】監視手段以外の装置を設置するスペースを大きく確保することができるとともに、監視手段が不正に改造される心配のない遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機は、メイン制御ボックスの収納ケースにICタグとアンテナとが設置されている。さらに、サブ統合基板74を収納したサブ統合基板ボックス71の収納ケース11にR/Wユニット38が収納されており、その収納ケース11に、ICタグ26bとアンテナ32bとが設置されている。そして、メイン制御ボックスの収納ケースに設置されたICタグとアンテナ、および、サブ統合基板ボックスの収納ケース11に設置されたICタグ26bとアンテナ32bが、それぞれ、R/Wユニット38による制御に基づき無線通信を定期的に繰り返すことによって、メイン制御ボックスの収納ケースおよびサブ統合基板ボックスの収納ケース11の状態を常時監視する。
【選択図】図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシーン等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のパチンコ機には、動作内容を制御するLSIやROM等の制御素子を分割式の収納ケースに収納した制御装置が設置されている。かかるパチンコ機においては、制御装置の収納ケースを開放しLSIやROM等の制御素子を偽造されたものにすり替える不正行為が行われることがある。それゆえ、そのような不正行為を防止可能な遊技機として、固有の識別情報を記憶したICタグを制御装置の収納ケースの表面に貼着するとともに、ID読取装置を制御装置の近傍に設置し、そのID読取装置によってICタグの識別情報を一定の周期毎に読み取る(確認する)ようにしたものが考案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−288218
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された遊技機は、制御装置の監視手段であるID読取装置を設置するために大きなスペースが必要であるので、背面の構成によっては、ID読取装置を出張らないように収納することができないし、メイン制御装置等の監視手段以外の装置を設置するスペースが小さくなり、背面のレイアウトが限定されてしまう、という不具合もある。また、ID読取装置が外部に設置されているので、不正に改造されて、制御装置の不正開放をリアルタイムで検知することができなくなってしまうこともある。
【0005】
本発明の目的は、上記従来の遊技機が有する問題点を解消し、メイン制御装置等の監視手段以外の装置を設置するスペースを大きく確保することができるとともに、監視手段が不正に改造される心配のない遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の構成のうち、請求項1に記載された発明の構成は、主たる動作を制御するための主制御基板と、副次的な動作を制御するための副制御基板とが別個に設けられており、呼出波を受信すると記憶している固有の識別情報を含む反射波を出力する非接触ICタグと、その非接触ICタグに対して呼出波を送信し非接触ICタグからの反射波を受信するアンテナとの通信状態を監視する監視装置によって、前記主制御基板等への不正行為を監視する遊技機であって、前記副制御基板が、前記主制御基板からの指令にしたがって各種の制御を行う副制御手段を備えたものであるとともに、前記監視装置が、アンテナを介して非接触ICタグと通信を行う監視制御手段を備えたものであり、その監視制御手段が、前記副制御基板と一体になって収納ケース内に収納されていることにある。なお、主たる動作とは、遊技媒体の払い出しや、遊技者にとって有利な「大当たり状態」を生起させるか否かの「抽選」等の各種の動作(すなわち、遊技者の利益に直接的に関わる動作)のことであり、副次的な動作とは、図柄表示装置における図柄の表示、電飾ランプの発光、スピーカによる効果音の発生等の主たる動作以外の各種の動作のことである。
【0007】
請求項2に記載された発明の構成は、請求項1に記載された発明において、副制御手段と前記監視制御手段とが同一の基板に設置されていることにある。
【0008】
請求項3に記載された発明の構成は、請求項1に記載された発明において、副制御手段と前記監視制御手段とが同一のチップ内にモジュール化されていることにある。
【0009】
請求項4に記載された発明の構成は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、主制御基板から副制御基板への指令が、一方向通信であることにある。
【0010】
請求項5に記載された発明の構成は、請求項1〜4のいずれかに記載された発明において、収納ケースが、複数のパーツからなる分割式のものであるとともに、第二の非接触ICタグおよび第二のアンテナが、それぞれ、前記収納ケースの各パーツに取り付けられており、通信可能な状態で対峙していることにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基づき、次の目次の順序にしたがって、詳細に説明する。
1.実施例のパチンコ機の概要
2.実施例のパチンコ機の構造
3.実施例のパチンコ機の動作内容
4.実施例のパチンコ機の効果
5.本発明の変更例の説明
【0012】
1.実施例のパチンコ機の概要
実施例のパチンコ機は、メイン制御基板(主制御基板)を収納したメイン制御ボックスの収納ケースに第一ICタグ(非接触ICタグ)と第一アンテナとが設置されている。さらに、サブ統合基板(副制御基板)を収納したサブ統合基板ボックスの収納ケースに監視装置が収納されており、そのサブ統合基板ボックスの収納ケースに、第二ICタグ(非接触ICタグ)と第二アンテナとが設置されている。そして、メイン制御ボックスの収納ケースに設置された第一ICタグと第一アンテナとが、監視装置による制御に基づき無線通信を定期的に繰り返すことによって、メイン制御ボックスの収納ケースの状態(不正開閉の有無等)を常時監視するようになっている。また、サブ統合基板ボックスの収納ケースに設置された第二ICタグと第二アンテナとが、監視装置による制御に基づき無線通信を定期的に繰り返すことによって、サブ統合基板ボックスの収納ケースの状態(不正開閉の有無等)をも常時監視するようになっている。
【0013】
2.実施例のパチンコ機の構造
図1は、実施例のパチンコ機を示したものであり、パチンコ機1は、中央よりやや上側に遊技盤39が設けられており、その遊技盤39の表面には、ガイドレールで囲まれた略円形の遊技領域41が設けられている。また、遊技盤39の下側には、内蔵された発射装置に遊技球を供給するための供給皿42が設けられており、その供給皿42の下側には、供給皿42から溢れた遊技球を貯留するための貯留皿43が設けられている。さらに、供給皿42と貯留皿43との間には、効果音を発生させるスピーカ44が設けられており、貯留皿43の右側には、発射装置を操作するための発射ハンドル45が設けられている。また、遊技領域41の略中央には、図柄表示装置46が設けられており、液晶画面47に、種々の動画やメッセージ等を表示することができるようになっている。さらに、図柄表示装置46の下側には、図柄始動口48が設けられており、その図柄始動口48の下方には、扉部材を開閉させるアタッカ部材49が設けられている。加えて、遊技領域41には、サイドランプ85,85、電飾ランプ86,86・・が設置されている。
【0014】
一方、図2は、パチンコ機1の背面を示したものであり、パチンコ機1の背面の左下方には、パチンコ機の主たる作動内容を制御するためのメイン制御ボックス36が設けられている。図3〜図5は、それぞれ、メイン制御ボックス36の正面図、左側面図、分解斜視図であり、メイン制御ボックス36は、各種の制御素子を搭載した主制御基板であるメイン制御基板2、メイン制御基板2を覆うための分割式の収納ケース10、無線による所定の呼出波を受信すると記憶している固有の識別情報を含む反射波を無線により出力するICタグ26a、ICタグ26aに対して呼出波を送信しICタグ26aからの反射波を受信するアンテナ32a等によって構成されている。また、分割式の収納ケース10は、カバー部材である透明な合成樹脂製の上ケース3と、ベース部材である透明な合成樹脂製の下ケース4とによって構成されている。
【0015】
上ケース3は、透明な合成樹脂(アクリル樹脂等)によって開口した箱状に形成されており、長方形状のフロントパネル5の周囲が、略直角に後方に折り返された状態になっている。フロントパネル5の右側の折返し部6の後端縁際には、3個の縦長な係止孔7,7・・が等間隔で穿設されている。また、フロントパネル5の左側の折返し部8には、2個の係合翼9a,9bが設けられている。さらに、上側の係合翼9aの上端、および、下側の係合翼9bの下端には、それぞれ、係合孔12が穿設されている。また、フロントパネル5の上端際には、コネクタ挿通窓14が設けられている。
【0016】
また、下ケース4は、透明な合成樹脂(アクリル樹脂等)によって扁平な直方体状に形成されている。そして、長方形状の基板支持板16の表面に、補強用のリブ17,17・・が格子状に立設されており、基板支持板16の周囲が略直角に前方に折り返された状態になっている。また、下ケース4の右端縁際には、後述する効果音制御装置56を覆うための中空状の音基板カバー19が設けられており、その音基板カバー19の内側面には、嵌合突起20,20・・が突設されている。さらに、左側の折返し部21には、2個の支持翼22a,22bが連設されており、支持翼22aの上端、および、支持翼22bの下端には、それぞれ、先端を矢尻状に形成した係合体24,24が突設されている。
【0017】
一方、メイン制御基板2は、縦長な長方形に形成されており、中央部分の表面に、パチンコ機1の動作内容を制御するためのLSI25等の各種の制御素子が搭載されている。なお、LSI25は、各種の演算処理を行うCPU、データやプログラム等を一時的に記憶するRAM、各種のデータや制御プログラム等を記憶したROM等を一体にモールディングしたものである。また、メイン制御基板2の上端際には、各種の装置に接続するためのコネクタ13,13・・が設置されている。かかるメイン制御基板2は、リブ17,17・・に支えられた状態で、下ケース4に螺着されている。
【0018】
メイン制御ボックス36は、下ケース4の右側の音基板カバー19の内側面に突設された嵌合突起20,20・・を、上ケース3の右側の折返し部6に穿設された係止孔7,7・・に嵌合させた状態で、下ケース4の左側の各支持翼22a,22bに突設された各係合体24,24を、上ケース3の左側の各係合翼9a,9bに穿設された各係合孔12,12に係合させることによって、下ケース4と上ケース3とが一体になっている。そして、下ケース4と上ケース3とでメイン制御基板2を覆い、メイン制御基板2を外部と遮断している。
【0019】
また、下ケース4の左端縁の支持翼22aの外側には、扁平な長方形状のICタグ26a(非接触ICタグ)が貼着されている。図6は、ICタグ26aの外観を示したものであり、図7は、ICタグ26aの制御機構を示したものである。ICタグ26aは、薄いフレキシブルプリント基板27上に、RF回路28とEEPROM29とを一体にしたICチップ30、および送受信回路31を設けたものであり、RF回路28にEEPROM29と送受信回路31とが接続された状態になっている。そして、EEPROM29の上書消去禁止区域には、ICタグ26aを他のICタグと識別するためのIDコード、メーカーID、ホールID等の識別データが記憶されている。かかるICタグ26aは、接着剤によって下ケース4に強固に接着されている。
【0020】
一方、図3の如く、上ケース3の係合翼9aには、アンテナ32aが、略半分を係合翼9aの表面に沿って外側(下ケース4の方向)に突出させた状態で貼着されている。そして、上ケース3と下ケース4とを組み付けた状態においては、アンテナ32aが、下ケース4の支持翼22aの外側に接着されたICタグ26aを覆っており、ICタグ26aと対峙した状態になっている。図8は、アンテナ32aを示したものであり、アンテナ32aは、硬質な合成樹脂(ポリカーボネート)製のプリント基板34の表面に、送受信回路35が渦巻き状に形成されている。そして、送受信回路35の両端縁の端子33,33に、同軸ケーブル37が接続されている。
【0021】
上記したICタグ26aは、アンテナ32aとの間で、所定の周波数(ここでは、13.56MHz)を利用して、ノイズの影響が比較的に少ないRF送受信を行うことができ、呼出波を受信すると、予め登録された識別情報を含む反射波を、所定の通信範囲(約1mm)内に出力(返信)する。なお、反射波の返信は、EEPROM29からIDコード等の識別情報を読み出し、その識別情報を反射波に乗せてRF回路28から送信することによって行われる。また、ICタグ26aは、呼出波が送信されると、その呼出波を送受信回路31が受信し、呼出波に含まれた搬送波成分をRF回路28で整流することによって直流電圧を得ることができる。したがって、ICタグ26aは、外部からの電源供給を受けることなく必要な時にいつでも反射波を返信することができる。また、呼出波に乗せて送信された特定のデータ(異常の履歴等)をEEPROM29に記憶しておくこともできる。
【0022】
一方、図2の如く、メイン制御ボックス36の右側には、遊技領域41に設置されたサイドランプ85,85や電飾ランプ86,86・・等の発光を制御するための発光制御基板55が設けられている。また、メイン制御ボックス36の右端際の音基板カバー19の内部には、スピーカ44から発生させる効果音の内容を制御するための効果音制御基板56が設けられている。加えて、発光制御基板55の右上方には、賞品球や貸球を払い出すための遊技球払出装置57が設置されている。また、メイン制御ボックス36の上方には、センターカバー50が設置されており、そのセンターカバー50の内部には、図9の如く、図柄表示装置46による図柄の表示内容を制御するための図柄制御基板54、各種の装置や基板を電気的に接続するための接続部材70、サブ統合基板ボックス71等が内蔵されている。
【0023】
図10は、サブ統合基板ボックス71の左側面を示したものであり、統合基板ボックス71は、上カバー72、下カバー73、副制御基板であるサブ統合基板74等によって構成されている。なお、上カバー72、下カバー73は、分割式の収納ケース11を構成するパーツである。
【0024】
上カバー72は、透明な合成樹脂によって開口した箱状に形成されており、長方形状のフロントパネル75の外周が、略直角に前方へ折り返された状態になっている。そして、その折返し部の前端際には、複数の係合片76,76・・が設置されており、折返し部の外端縁からコ字状に前方へ突出した状態になっている。また、フロントパネル75の内面には、メイン制御ボックス36に設置されたICタグ26aと同一のICタグ26bが、接着剤によって強固に貼着されている。
【0025】
また、下カバー73は、透明な合成樹脂によって、扁平な直方体状に形成されており、長方形状のリアパネル77の周囲が、略直角に後方へ折り返された状態になっている。そして、その折返し部には、複数の係合突起78,78・・が突設されている。さらに、下カバー73の内部には、サブ統合基板74が、リアパネル77と所定の間隔を隔てて平行になるように設置されている。
【0026】
サブ統合基板74には、図柄制御基板54、発光制御基板55、効果音制御基板56を統合して制御するための副制御手段であるLSI87等の制御素子が搭載されている。また、サブ統合基板74には、図柄表示装置46の表示様式を変更するためのディップスイッチ79が設置されている。さらに、サブ統合基板74には、メイン制御ボックス36に設置されたアンテナ32aと同一のアンテナ32bが設置されている。加えて、サブ統合基板74には、メイン制御ボックス36およびサブ統合基板ボックス71の状態を監視するための監視装置であるリーダ/ライタユニット(以下、R/Wユニットという)38が設置されている。
【0027】
図11は、R/Wユニット38の制御機構を示したものであり、R/Wユニット38は、CPU51、RAM63、ROM64、EEPROM52、タイマ53、ICタグ26aとの間でRF送受信を行うための監視制御手段であるRF回路58等を有している。また、CPU51が、I/Oインタフェイス59を介して、外部の装置等へ信号を出力する際の出力ポートであるLANユニット60、メイン制御基板2のLSI25等と接続されている。さらに、RF回路58が、アンテナ32aの同軸ケーブル37およびアンテナ32bの同軸ケーブル37と接続されている。加えて、LANユニット60は、外部のネットワーク(PCやPDA等の携帯端末)と接続されている。なお、R/Wユニット38は、24時間(常時)電源供給されるようになっている。
【0028】
サブ統合基板ボックス71は、上カバー72の係合片76,76・・を下カバー73の係合突起78,78・・に係合させることによって上カバー72と下カバー73とを合着させた状態で、サブ統合基板74を収納している。そして、上カバー72のフロントパネル75の内面に接着されたICタグ26bが、サブ統合基板74上のアンテナ32bと所定の距離を隔てて対峙しており、通信可能な状態になっている。
【0029】
また、図12は、パチンコ機1の制御機構を示したものである。メイン制御基板2は、CPUを内蔵したLSI25、ROMやRAM等の記憶手段81、タイマ84等を有しており、LSI25が、I/Oインタフェイス67を介して、図柄始動口48等の入賞装置への入賞を検出するための入賞検出装置66、アタッカ部材49等の可動式入賞装置を作動させるための作動装置65、遊技球払出装置57等と接続されている。また、メイン制御基板2は、サブ統合基板74を介して、図柄制御基板54、発光制御基板55、効果音制御基板56と接続されている。
【0030】
3.実施例のパチンコ機の動作内容
パチンコ機1は、メイン制御基板2のLSI25に記憶されたプログラムにしたがって、主たる遊技動作を実行する。そして、発射ハンドル45の回転操作によって遊技領域41に打ち出された遊技球が各種の入賞装置に遊技球が入賞した場合には、遊技球払出装置57が、所定数の遊技球を賞品球として供給皿42に払い出す。また、遊技領域41に打ち出された遊技球が図柄始動口48に入賞すると、「抽選」を実行し、「大当たり」を生起させるか否かを決定する。さらに、「抽選」を実行すると略同時に、メイン制御基板2からサブ統合基板74を介して図柄制御基板54にコマンドを送信することによって、図柄表示装置46に表示された図柄を変動させ(他の図柄と順々に入れ替わる動画を表示し)、所定時間後に停止させて新たな図柄を表示する。さらに、「抽選」において「大当たり」が生起した場合には、図柄の変動後に、予め設定された「大当たり図柄」を表示し、しかる後に、「大当たり状態」を生起させる。「大当たり状態」においては、アタッカ部材49の扉部材を所定回数だけ断続的に開成させる。したがって、「大当たり状態」が生起した場合には、遊技者は、多くの賞品球を獲得することが可能となる。
【0031】
また、パチンコ機1は、メイン制御基板2からサブ統合基板74を介して発光制御基板55へコマンドを送信することによって、所定のタイミングで、サイドランプ85,85や電飾ランプ86,86・・等の発光部材を発光させる。さらに、メイン制御基板2からサブ統合基板74を介して効果音制御基板56へコマンドを送信することによって、所定のタイミングでスピーカ44から効果音を発生させる。
【0032】
一方、パチンコ機1は、メイン制御ボックス36の状態を監視するために、R/Wユニット38のRF回路58が、メイン制御ボックス36のアンテナ32aを介して、メイン制御ボックス36のICタグ26aに対して、所定の周波数(13.56MHz)の呼出波を送信(RF送信)する。ICタグ26aは、呼出波を受けると、直ちに、EEPROM29内から識別コードを呼び出し、その識別コードを含めた反射波を送信(RF送信)する。
【0033】
ICタグ26aが反射波を送信すると、R/Wユニット38は、アンテナ32aによって、その反射波を受信(RF受信)する。R/Wユニット38は、反射波に含まれる識別コードが登録されたものであると確認すると、再度、直ちに呼出波を送信することにより、メイン制御ボックス36の監視動作を、短時間(約数十ms)の周期で繰り返し実行する。そして、呼出波を送信してから所定時間(たとえば、50ms)内に反射波を受信しなかった場合には、異常と判断し、異常を検知した旨をEEPROM52に記憶し、LANユニット60を介して異常検知信号を外部のネットワークへ出力し、管理者へ報知する。
【0034】
したがって、メイン制御ボックス36が不正に開放された場合には、ICタグ26aがアンテナ32aからの呼出波に応答して反射波を送信できなり、R/Wユニット38が、アンテナ32aに呼出波を送信しても、ICタグ26aから所定時間内に反射波を受信することができないため、異常を検知した旨がEEPROM52に記憶されるとともに、LANユニット60から異常検知信号が外部のネットワークへ出力され、管理者へ報知される。
【0035】
また、パチンコ機1は、サブ統合基板ボックス71の状態を監視するために、R/Wユニット38のRF回路58が、サブ統合基板ボックス71のアンテナ32bを介して、サブ統合基板ボックス71のICタグ26bに対して、所定の周波数(13.56MHz)の呼出波を送信する。ICタグ26bは、呼出波を受けると、直ちに、EEPROM29内から識別コードを呼び出し、その識別コードを含めた反射波を送信する。
【0036】
ICタグ26bが反射波を送信すると、R/Wユニット38は、アンテナ32bによって、その反射波を受信する。R/Wユニット38は、反射波に含まれる識別コードが登録されたものであると確認すると、再度、直ちに呼出波を送信することにより、サブ統合基板ボックス71の監視動作を、短時間(約数十ms)の周期で繰り返し実行する。そして、呼出波を送信してから所定時間(たとえば、50ms)内に反射波を受信しなかった場合には、異常と判断し、異常を検知した旨をEEPROM52に記憶し、LANユニット60を介して異常検知信号を外部のネットワークへ出力し、管理者へ報知する。
【0037】
したがって、サブ統合基板ボックス71が不正に開放された場合には、ICタグ26bがアンテナ32bからの呼出波に応答して反射波を送信できなり、R/Wユニット38が、アンテナ32bに呼出波を送信しても、ICタグ26aから所定時間内に反射波を受信することができないため、異常を検知した旨がEEPROM52に記憶されるとともに、LANユニット60から異常検知信号が外部のネットワークへ出力され、管理者へ報知される。
【0038】
4.実施例のパチンコ機の効果
パチンコ機1は、上記の如く、R/Wユニット38(監視装置)のRF回路58(監視制御手段)が、サブ統合基板74と一体になってサブ統合基板ボックス71の収納ケース11内に収納されており、外部からアクセスすることができない(直接触れることができない)ようになっているため、不正監視用の装置の設置スペースが小さく、不正監視用の装置以外の装置の設置スペースが大きく、背面のレイアウトの自由度が大きい。また、R/Wユニット38のRF回路58とサブ統合基板74とに、別個に、不正監視用のICタグおよびアンテナを設置する必要がないため、安価に製造することができる。
【0039】
また、パチンコ機1は、LSI87(副制御手段)とRF回路58とが同一のサブ統合基板74(副制御基板)に設置されているため、RF回路58の監視を、LSI87の監視とともに効率良く行うことができる。
【0040】
さらに、パチンコ機1は、メイン制御基板2からサブ統合基板74への指令が、一方向通信であるため、出荷前に行う保安電子通信技術協会(いわゆる保通協)によるメイン制御基板2の検査を、短時間で終了させることができる。
【0041】
加えて、パチンコ機1は、サブ統合基板74を収納する収納ケース11が複数のパーツ(上カバー72、下カバー73)からなる分割式のものであるとともに、ICタグ26bおよびアンテナ32bが、それぞれ、収納ケース11の各パーツ(上カバー72、下カバー73)に取り付けられており、RFID通信可能な状態で対峙しているため、R/Wユニット38の不正な改造を防止することができる。それゆえ、メイン制御ボックス36の不正開放の監視の精度が高い。それにも拘わらず、サブ統合基板74やR/Wユニット38の修理やメンテナンス等の必要な場合には、容易に収納ケース11を開放することができる。
【0042】
5.本発明の変更例の説明
本発明の制御装置は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、主制御基板、副制御基板、副制御手段、監視装置、監視制御手段、収納ケース、ICタグ、アンテナの材料、形状、構造等の構成を本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができる。
【0043】
たとえば、遊技機は、サブ統合基板にR/Wユニットを設置したものに限定されず、図柄表示基板や効果音制御基板等の基板にR/Wユニットを設置したものでも良い。また、遊技機は、R/Wユニットのすべてのパーツを同一の場所に設置したものに限定されず、RF回路等のR/Wユニットの一部のパーツを別の場所に設置したものでも良い。加えて、サブ統合基板は、図柄制御基板、発光制御基板、効果音制御基板を統合して制御するものに限定されず、図柄制御基板、発光制御基板、効果音制御基板の内の一部、あるいは図柄制御基板、発光制御基板、効果音制御基板以外の基板を統合して制御するものに変更することも可能である。
【0044】
また、遊技機は、LSI等の副制御手段とRF回路等の監視制御手段とを同一の基板に設置したものに限定されず、副制御手段と監視制御手段とを同一の収納ケース内において別々に設置したものでも良い。加えて、遊技機は、副制御手段と監視制御手段とを同一のチップ内にモジュール化(一体的にモールド)したものでも良い。かかる構成を採用した場合には、監視装置の設置用のスペースをきわめて小さくすることができるので、不正監視用の装置以外の装置の設置スペースを非常に大きく確保することが可能となる。
【0045】
さらに、分割式の収納ケースは、上記実施形態の如く、シンプルな係合機構のみを設けたものに限定されず、片方のケースの端縁に、ワンウェイタイプのネジを保持した切断可能な複数のネジ保持部を設ける(たとえば、小径の連結体を介して片方のケースの本体にネジ保持部が繋がった形状となるように、片方のケース、連結体、ネジ保持部を合成樹脂によって一体的に成形する)とともに、他方のケースの端縁に、ネジ保持部に保持されたネジを螺着させるネジ孔を形成したもの等に変更することも可能である。かかる構成を採用した場合には、収納ケースが不正に開放されると、収納ケースに不正に開放された痕跡が残り、目視によっても、その事態を速やかに把握することができるため、収納ケースの不正開放が一層困難なものとなる、というメリットがある。
【0046】
一方、監視装置は、メイン制御ボックスの不正監視を行うものに限定されず、アタッカ部材の開閉扉の不正開放の監視や前面枠の不正開放の監視等を行うものでも良い。また、遊技機は、上記実施形態の如く、監視制御手段および副制御基板を収納した収納ケースを監視する第二のICタグおよび第二のアンテナを1セットのみ取り付けたものに限定されず、第二のICタグおよび第二のアンテナを2セット以上取り付けたものでも良い。加えて、遊技機は、上記実施形態の如く、第二のICタグおよび第二のアンテナ以外のICタグおよびアンテナ(すなわち、上記実施形態における第一のアンテナおよび第一のアンテナ)を1セットのみ取り付けたものに限定されず、第二のICタグおよび第二のアンテナ以外のICタグおよびアンテナを2セット以上取り付けたものでも良い。
【0047】
また、ICタグやアンテナを収納ケースに取り付ける方法は、接着剤による接着に限定されず、ICタグやアンテナを構成する樹脂を収納ケースに融着させる方法や、ICタグやアンテナを収納ケースと一体的に成形する方法等の別の取付方法に変更することも可能である。なお、シート状のICタグやアンテナを、裏面に粘着剤を塗布したシールとするとともに、粘着剤層の表面に剥離紙を貼着しておき、設置する際に剥離紙を剥離して貼着するようにすれば、ICタグやアンテナの設置が非常に容易になる、というメリットがある。
【0048】
さらに、副制御基板の収納ケースへのICタグおよびアンテナの設置態様は、上記実施形態の如く、収納ケースの上カバーにICタグを設置するとともに下カバーに固着された基板にアンテナを設置する態様に限定されず、収納ケースの上カバーにICタグおよびアンテナの内の片方を設置するとともに下カバーに直接的に他方を設置する態様等に変更することも可能である。
【0049】
加えて、R/Wユニットは、定期的(周期的)な監視のみを行うものに限定されず、テンキー等の入力手段が設けられており、所定の入力をすることによって、任意のタイミングで監視を行うことができるものに変更することも可能である。なお、R/Wユニットを、上記実施形態の如く、ごく短期間の周期の定期的な監視を行うものとした場合には、不正行為が行われた事態をリアルタイムで把握することができる、というメリットがある。また、R/Wユニットは、異常を検知した旨を不揮発性の記憶手段であるEEPROMに記憶するものに限定されず、通常のROM,RAM、ハードディスク、光メディア等の記憶手段に記憶するもの等でも良い。さらに、R/Wユニットは、パチンコ機が設置される島設備から電源供給を受けるものに限定されず、パチンコ機から電源供給を受けるもの等でも良い。加えて、パチンコ機から24時間(常時)バックアップ電源の供給を受けるものでも良い。また、R/Wユニットは、営業時間中には異常事態の報知のみを行い、パチンコ機が稼働していない夜間等には監視履歴情報をEEPROM等の記憶手段に記憶させるものに変更することも可能である。さらに、R/Wユニットは、携帯端末(たとえば、PDAや携帯電話)等の外部の機器からの呼び出しに応じて、記憶手段に記憶させた監視履歴に関する情報を出力するものとすることも可能である。加えて、R/Wユニットは、異常を検知した場合に外部のネットワーク(PCやPDA等の携帯端末)へ異常検知信号を出力するものに限定されず、遊技機の前面に設けられたランプ等の報知手段によって異常を検知した旨を報知するもの等に変更することも可能である。なお、R/Wユニットと外部のネットワークとの接続方法は、有線による接続に限定されず、無線による接続でも良い。
【0050】
また、ICタグは、他のICタグと識別するためのIDコードのみならずメーカーIDやホールID等の識別情報をも記憶させたものに変更することも可能である。さらに、ICタグは、RFID通信を利用して識別情報を送信するものに限定されず、赤外線通信(たとえば、IrID通信)を利用して識別情報を送信するもの等に変更することも可能である。
【0051】
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ機に限定されず、スロットマシーンやテレビゲーム等のパチンコ機以外の遊技機に変更することも可能である。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載された遊技機は、非接触ICタグおよびアンテナを利用して不正行為を監視する監視装置の監視制御手段が、副制御基板と一体となって収納ケース内に収納されているため、不正監視用の装置の設置スペースが小さく、不正監視用の装置以外の装置の設置スペースが大きく、背面のレイアウトの自由度が大きい。
【0053】
請求項2に記載された遊技機は、副制御手段と監視制御手段とが同一の基板に設置されているため、監視制御手段の監視を、副監視手段の監視とともに効率良く行うことができる。
【0054】
請求項3に記載された遊技機は、副制御手段と監視制御手段とが同一のチップ内にモジュール化されているため、監視装置の設置用のスペースをきわめて小さくすることができるので、不正監視用の装置以外の装置の設置スペースを非常に大きく確保することができる。
【0055】
請求項4に記載された遊技機は、主制御基板から副制御基板への指令が、一方向通信であるため、出荷前に行う保安電子通信技術協会による主制御基板の検査を、短時間で終了させることができる。
【0056】
請求項5に記載された遊技機は、収納ケースが、複数のパーツからなる分割式のものであるとともに、第二の非接触ICタグおよび第二のアンテナが、それぞれ、収納ケースの各パーツに取り付けられており、通信可能な状態で対峙しているため、監視装置の不正な改造を防止することができる。それゆえ、主制御装置等の不正開放の監視の精度が高い。それにも拘わらず、副制御基板や監視装置の修理やメンテナンス等の必要な場合には、容易に収納ケースを開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の背面図である。
【図3】メイン制御装置の正面図である。
【図4】メイン制御装置の左側面図である。
【図5】メイン制御装置の分解斜視図である。
【図6】ICタグの正面図である。
【図7】ICタグの制御機構を示すブロック図である。
【図8】アンテナの正面図である。
【図9】センターカバーの内部を示す説明図である。
【図10】サブ統合基板ボックスの左側面図である。
【図11】R/Wユニットの制御機構を示すブロック図である。
【図12】パチンコ機の制御機構を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・パチンコ機、2・・メイン制御基板(主制御基板)、11・・収納ケース、26a,26b・・ICタグ、32a,32b・・アンテナ、38・・R/Wユニット(監視装置)、58・・RF回路(監視制御手段)、72・・上カバー、73・・下カバー、74・・サブ統合基板(副制御基板)、87・・LSI(副制御手段)。

Claims (5)

  1. 主たる動作を制御するための主制御基板と、副次的な動作を制御するための副制御基板とが別個に設けられており、
    呼出波を受信すると記憶している固有の識別情報を含む反射波を出力する非接触ICタグと、その非接触ICタグに対して呼出波を送信し非接触ICタグからの反射波を受信するアンテナとの通信状態を監視する監視装置によって、前記主制御基板等への不正行為を監視する遊技機であって、
    前記副制御基板が、前記主制御基板からの指令にしたがって各種の制御を行う副制御手段を備えたものであるとともに、
    前記監視装置が、アンテナを介して非接触ICタグと通信を行う監視制御手段を備えたものであり、
    その監視制御手段が、前記副制御基板と一体になって収納ケース内に収納されていることを特徴とする遊技機。
  2. 副制御手段と前記監視制御手段とが同一の基板に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 副制御手段と前記監視制御手段とが同一のチップ内にモジュール化されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  4. 主制御基板から副制御基板への指令が、一方向通信であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 収納ケースが、複数のパーツからなる分割式のものであるとともに、
    第二の非接触ICタグおよび第二のアンテナが、それぞれ、前記収納ケースの各パーツに取り付けられており、通信可能な状態で対峙していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。
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