はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.固有の識別情報を記憶した記憶部(ICチップ305)とこの識別情報を含む電波を発信するアンテナ部(アンテナ部306)とを備えた電子タグ(ICタグ303)を、遊技の制御を実行する制御装置(主制御装置271)に取り付けた遊技機であって、
前記電波を受信することで前記識別情報の読み取りを行うリーダ手段(リーダ装置331)を備え、
前記識別情報が読み取り可能なレベルの電波が到達する電波到達領域に、前記リーダ手段を配置したことを特徴とする遊技機。
手段1によれば、制御装置に設けられた電子タグは、記憶部とアンテナ部とを備えており、記憶部に記憶された識別情報は電波としてアンテナ部から発信される。この場合に、アンテナ部から識別情報が読み取り可能なレベルの電波が到達する電波到達領域に、リーダ手段が設けられている。これにより、遊技ホールの管理者等が識別情報の読み取り作業を行わなくても識別情報を確実に読み取ることができるため、識別情報の読み取りを良好に行うことができる。
手段2.手段1において、前記制御装置は遊技機内部又は背面部に設置され、
さらに、前記電波を透過可能な材料により形成され、遊技機内部又は背面部における前記電波到達領域において前記リーダ手段を被包する被包手段(基板ボックス273)を設けたことを特徴とする遊技機。
遊技機にリーダ手段を搭載した構成においては、当該リーダ手段に対する不正が想定される。例えば、リーダ手段に対して不正な電子部品などを取り付けることで、実際には識別情報を読み取っていないにも関わらず識別情報を読み取っているように偽装するなどといった不正が想定される。この場合、電子タグを利用した不正の発見が正確に行われなくなってしまう。これに対して、手段2によれば、リーダ手段を被包する被包手段を設けたことにより、リーダ手段に対する不正を抑制することができる。また、被包手段はアンテナ部からの電波を透過可能な材料により形成されているため、リーダ手段を被包手段により被包した構成においてアンテナ部からの電波が被包手段にて遮断されることはない。
手段3.手段2において、前記被包手段は、前記電子タグが取り付けられた制御装置の一部を構成し、制御基板(主制御基板278)を被包する基板ボックス(基板ボックス273)であり、
当該基板ボックス内に、前記電波到達領域を設定するとともに前記リーダ手段を収容したことを特徴とする遊技機。
手段3によれば、既存の基板ボックスが被包手段としての機能を果たすこととなるため、構成の簡素化を図りつつリーダ手段に対する不正を抑制することができる。
手段4.手段3において、前記電子タグを前記基板ボックスの外面に対して取り付け、
前記電波到達領域は、前記基板ボックスの内側から前記電子タグ側を臨む領域であり、
当該領域に前記リーダ手段を配置したことを特徴とする遊技機。
手段4によれば、電子タグが基板ボックスの外面に対して取り付けられた構成において、基板ボックスの内側から電子タグ側を望む領域にリーダ手段が設けられている。したがって、リーダ手段と電子タグとの間で介在するのは合成樹脂製である基板ボックスの一部のみであり、電子タグからの電波は途中で遮断されることなくリーダ手段にて受信される。
手段5.手段3又は4において、前記基板ボックスを透明性材料により成形するとともに、前記制御装置を制御基板の所定の板面(部品実装面337)が基板ボックスを通して目視可能なように遊技機内部又は背面部に設置し、
前記リーダ手段を、前記所定の板面側に配置したことを特徴とする遊技機。
手段5によれば、リーダ手段が収容された制御装置を遊技機から離脱させなくても、当該制御装置の基板ボックス内に収容されたリーダ手段を目視することができる。よって、リーダ手段に動作不良が発生した場合などには、リーダ手段の確認を簡易的に行うことができる。
手段6.手段3乃至5のいずれかにおいて、前記基板ボックスは相互に分離可能なケース体(ボックスベース276、ボックスカバー277)からなり、
それらいずれかのケース体に対して前記制御基板を固定するとともに、そのケース体と制御基板とによって囲まれた空間内に前記リーダ手段を収容したことを特徴とする遊技機。
手段6によれば、基板ボックスを構成する各ケース体を相互に分離させたとしてもリーダ手段の被包を解除することはできず、さらにケース体から制御基板を取り外さない限りリーダ手段の被包を解除することはできない。よって、リーダ手段に対して不正を行おうとする者にとってはその作業が煩雑となり、リーダ手段に対する不正を抑制することができる。
手段7.手段3乃至6のいずれかにおいて、前記基板ボックスは透明性材料により成形されており、さらに前記リーダ手段はハウジング(ハウジング332)を有するリーダ装置であり、
前記制御基板の板面には電子部品を実装しない非実装領域(対峙領域FS)を設けるとともに、前記ハウジングが前記制御基板の板面において前記非実装領域とのみ対峙するように前記リーダ装置を配置したことを特徴とする遊技機。
リーダ装置を基板ボックス内に収容した構成において、当該基板ボックス内に収容された制御基板の電子部品がリーダ装置のハウジングによって隠れてしまうと、基板ボックスを開封しリーダ装置を取り外さない限りその隠れてしまった電子部品を目視することができない。これに対して、手段7によれば、制御基板の板面におけるリーダ装置のハウジングと対峙する領域には、電子部品が実装されていない。したがって、基板ボックス内にリーダ装置を収容した構成において、上記不都合の発生を抑制することができる。
なお、非実装領域には配線パターンも形成しないようにすることで、基板ボックス内にリーダ装置を収容した構成において、制御基板に形成された配線パターンが当該リーダ装置のハウジングによって隠れてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
手段8.手段3乃至6のいずれかにおいて、前記リーダ手段として、前記制御基板に配線パターンを形成するとともに電子部品を実装することでリーダ回路を形成したことを特徴とする遊技機。
手段8によれば、リーダ手段が制御基板に対してリーダ回路として形成されているので、リーダ手段の嵩を極力小さくすることができる。これにより、リーダ手段を基板ボックスに収容するようにした構成において、基板ボックスの薄型化を図ることが可能となる。
手段9.手段3乃至8のいずれかにおいて、前記リーダ手段が読み取った識別情報を入力するとともに、その入力結果に基づいて不正行為の有無を判定する制御装置(音声ランプ制御装置272)を、前記リーダ手段を収容する基板ボックスを備えた制御装置とは別に設けたことを特徴とする遊技機。
例えば、リーダ手段を収容する基板ボックスを備えた制御装置において不正行為の有無の判定が実行される構成を想定すると、その制御装置に対して不正が行われると、その不正の態様によっては電子タグやリーダ手段を設けた効果が消失してしまうおそれがある。これに対して、手段9によれば、上記判定が、リーダ手段を収容する基板ボックスを備えた制御装置とは別の制御装置において実行される。これにより、上記不都合の発生が生じることはなく、電子タグやリーダ手段を設けた効果が好適に発揮される。
手段10.手段1乃至9のいずれかにおいて、一方の面に粘着層(粘着層302)を有するベースシート(ベースシート301)の粘着層側に前記電子タグを貼り付けてシール部材(封印シール300)を構成し、そのシール部材を前記制御装置に貼り付けたことを特徴とする遊技機。
手段10によれば、シール部材が制御装置に貼り付けられることにより、電子タグが同制御装置に取り付けられる。この場合、電子タグを、ベースシートに覆われるようにして制御装置に貼り付けることができ、同電子タグの保護を図ることができる。
手段11.手段10において、長尺状をなす前記アンテナ部を直線状、略直線状又は弧状に拡げた状態で前記電子タグを前記ベースシートに貼り付ける一方、前記ベースシートを、前記制御装置への貼付状態から剥がす際にその応力に伴い破損が生じる程度の脆弱性を有するものとしたことを特徴とする遊技機。
手段11によれば、ベースシートは一旦貼り付けた後は、剥がす際の応力により破損するため、その破損に伴って長尺状のアンテナ部にも破損が生じる。したがって、シール部材を剥がす場合には電子タグの破損を招くこととなり、電子タグを取り出そうとする不正行為が抑制できる。
手段12.手段11において、複数に分割可能な基板ボックス(基板ボックス273)内に制御基板(主制御基板278)を収容して前記制御装置を構成し、前記基板ボックスの分割部分を跨ぐようにして前記シール部材を貼り付けたことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、基板ボックスの分割部分を跨ぐようにしてシール部材が貼り付けられているため、制御基板の取り出しや、基板ボックス内への不正な電子部品の装着などを目的として基板ボックスを開放する場合には、シール部材を一旦剥がさなければならない。そのため、上記のとおりシール部材を剥がすことに伴い電子タグの破損が生じ、その後の電子タグの使用を不可とすることができる。これにより、不正行為の発見が可能となる。
手段13.手段12において、前記基板ボックスは、複数のケース体(ボックスベース276、ボックスカバー277)からなり、
それらケース体を相互に締結する締結具(ネジ283,284)を設けるとともに、当該締結具の少なくとも一部を覆うようにして前記シール部材を貼り付け、
さらに、前記ベースシートを略四角形状に形成するとともに、
前記アンテナ部を、その長手方向が前記ベースシートのすべての辺方向と交差し、前記ベースシートとともに前記ケース体間の境界を跨ぐように前記ベースシートの一辺側から他の一辺側に亘って延び、さらに前記締結具における前記シールに覆われる部分と対峙するようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段13によれば、シール部材をその隅角からではなく、その一辺全体から剥がそうとしたとしても、アンテナ部の長手方向と交差する方向に破壊が生じる。そして、破壊が生じた位置にてアンテナ部が分断されることとなる。この場合、遊技場の管理者等が読取装置により記憶部に格納された識別情報を確認できなくなるので、制御基板に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、アンテナ部は、締結具と対峙するようにして配置されている。したがって、締結具を取り外すべく締結具を露出させるようにシール部材を巧妙に剥がそうとしたとしても、そのためにはシール部材におけるアンテナ部が配置された部分を剥がす必要が生じる。そして、かかる場合、アンテナ部が分断され読取装置により識別情報が確認できなくなることで、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
なお、「略四角形状」としては、正方形状や長方形状などが考えられる。
手段14.手段13において、前記締結具を着脱自在とし、
前記シール部材を前記締結具の取り外し方向側の端部(頭部283a,284aの頂上)を覆うようにして貼り付けるとともに、前記アンテナ部を当該端部と対峙するようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、締結具は着脱自在であるため、遊技場などにおける制御基板の点検時やメンテナンス時には締結具の締結を解除し制御基板を取り出すことが可能である。かかる構成において、制御基板を不正に取り出すためには締結具の取り外し方向側の端部を露出させる必要がある。この場合に、当該端部を露出させるようにシール部材を巧妙に剥がそうとしたとしても、当該端部と対峙するようにしてアンテナ部が配置されているためシール部材におけるアンテナ部が配置された部分を剥がす必要が生じる。したがって、締結具の取り外し方向側の端部を露出させようとするとアンテナ部が分断されて読取装置により識別情報が確認できなくなり、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
なお、「着脱自在」である構成とは、ケース体や締結具などの破壊を伴わずに当該締結具の着脱を行うことができる構成をいい、例えば、ネジやビスなどを締結具として用いる構成をいう。
手段15.手段14において、前記アンテナ部を、前記締結具の前記端部を跨ぐようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段15によれば、アンテナ部が締結具の取り外し方向側の端部を跨いでいるので、当該端部を露出させる際にアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
手段16.手段14において、前記シール部材が貼り付けられる各ケース体には相互に連通する連通孔(ネジ孔285,286)を設けるとともに、前記締結具は前記連通孔に挿通された状態で締結を行い、
前記アンテナ部を、前記連通孔における前記締結具の取り外し方向の開口(取り外し側開口289,290)を跨ぐようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、アンテナ部が連通孔における締結具の取り外し方向の開口を跨いでいるので、締結具の取り外し方向側の端部を露出させる際にアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
手段17.手段16において、前記アンテナ部の短手方向の寸法を、前記開口の開口幅よりも小さくするとともに、
前記アンテナ部を、前記開口を挟んで当該開口の周縁部を架渡すようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段17によれば、開口を挟んで当該開口の周縁部を架渡すようにしてアンテナ部が配置されているので、シール部材を剥がす場合にはアンテナ部における開口の周縁部に対応する位置にシール部材を剥がす力に伴う応力が集中し易くなる。そして、アンテナ部の短手方向の寸法は開口の開口幅よりも小さくなっている。よって、アンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができ、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
なお、「連通孔における締結具の取り外し方向に位置する開口側を段差状に拡径させて締結具の頭部を収容する頭収容部を形成し、この頭収容部の段差部に前記頭部が当接することで前記締結具の挿入方向の移動が規制される構成」においては、アンテナ部の短手方向の寸法を、頭収容部の孔径よりも小さくする構成としてもよい。
手段18.手段13乃至17のいずれかにおいて、前記ケース体の前記シール部材が貼り付けられる貼付面(貼付面281a,281b,282a,282b)に対応させて、前記アンテナ部が前記締結具と対峙する位置となるように前記シール部材の貼付位置をガイドするガイド手段(囲い部C)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段18によれば、ガイド手段が設けられていることにより、シール部材を貼付面に貼り付けることで自ずとアンテナ部が締結具と対峙する。これにより、アンテナ部と締結具とを確実に対峙させることができる。また、シール部材を貼り付ける場合の作業性を低下させることなく、アンテナ部と締結具とを対峙させることができる。
手段19.手段18において、前記ガイド手段は、前記貼付面を囲むようにして形成された囲い枠(囲い部C)であることを特徴とする遊技機。
手段19によれば、シール部材を貼り付ける場合には囲い枠により囲まれた領域内にシール部材を持っていけばよく、シール部材を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。また、制御基板に対して不正を行うべくシール部材を剥がそうとしても、シール部材は囲い枠にて囲まれているためにその剥がし行為が非常に困難なものとなる。したがって、当該剥がし行為に際してベースシートが破壊され易くなり、さらにはアンテナ部が分断され易くなる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。さらには、囲い枠がガイド手段としての機能とシール部材の剥がし行為を困難なものとする機能とを併せ持つこととなり、構成の簡素化を図りつつ上記効果を奏することができる。
手段20.手段19において、前記貼付面に前記シール部材を貼り付ける場合に前記アンテナ部が前記締結具と対峙する位置から外れない範囲内で、前記貼付面が前記シールの面積よりも広くなるように前記囲い枠を形成したことを特徴とする遊技機。
手段20によれば、貼付面がシール部材の面積よりも広くなるように囲い枠が形成されている。また、貼付面はシール部材を貼り付ける場合にアンテナ部が締結具と対峙する位置から外れない範囲内で設定されている。これにより、シール部材を貼付面に貼り付ける場合の貼付位置にゆとりが生まれ、上記手段19における効果を奏するようにした構成においてシール部材を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。
手段21.手段13乃至20のいずれかにおいて、前記締結具を複数設け、
さらに前記シール部材を前記複数の締結具に対してそれぞれの少なくとも一部を覆うようにして貼り付けるとともに、前記アンテナ部を前記複数の締結具における前記シール部材に覆われる部分と対峙するようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段21によれば、締結具が複数設けられているので、各ケース体が強固に締結される。かかる構成においては、制御基板を取り外すためにはすべての締結具の締結を解除する必要がある。この場合に、シール部材が複数の締結具に対してそれぞれの少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられている。よって、不正に締結具の締結を解除する作業を煩雑なものとすることができ、さらにはかかる不正な解除作業に際してベースシートの破壊が生じる機会を多く設けることができる。一の締結具を巧妙に露出させることができたとしても、他の締結具を露出させる必要があるからである。
また、複数の締結具におけるシール部材に覆われる部分と対峙するようにしてアンテナ部が配置されているので、不正に締結具の締結が解除される場合においてアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
手段22.手段13乃至20のいずれかにおいて、前記各ケース体の外周部には相互に対向する板面を有する貼付板部(貼付板部281,282)を設け、
前記締結具は、前記板面に対して略直交する方向に延び、前記両貼付板部における両者の境界を跨ぐようにして形成された連通孔(ネジ孔283,284)に挿通された状態で締結を行い、
さらに各貼付板部の境界を跨ぐようにして前記シール部材を貼り付ける構成であって、
前記締結具として、前記各貼付板部の境界に対して一方の貼付板部側への方向を取り外し方向とする第1締結具(第1ネジ283)と、その反対方向を取り外し方向とする第2締結具(第2ネジ284)とを設け、
前記シール部材を、前記第1締結具及び前記第2締結具の両方の取り外し方向側の端部(頭部283a,284aの頂上)を覆うようにして貼り付けるとともに、
前記アンテナ部を、前記両貼付板部における対応する締結具の取り外し方向側の面(第1貼付面281a、第2貼付面282a)に位置し、且つ前記第1締結具の前記端部又は前記第2締結具の前記端部の少なくとも一方と対峙するようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段22の遊技機では、貼付板部が締結具によって締結されるのに伴って、各ケース体が締結される。そして、その締結された貼付板部の境界を跨ぐようにしてシール部材が貼り付けられている。この場合に、締結具が複数設けられているので、各貼付板部(各ケース体)が強固に固定される。また、制御基板を取り外すためには、第1締結具及び第2締結具の締結を解除する必要がある。
かかる構成において、第1締結具は各貼付板部の境界に対して一方の貼付板部側への方向が取り外し方向となるように取り付けられているのに対して、第2締結具はその反対方向が取り外し方向となるように取り付けられている。そして、これら第1締結具及び第2締結具の取り外し方向側の端部を覆うようにしてシール部材が貼り付けられており、さらに両貼付板部における対応する締結具の取り外し方向側の面に位置するようにしてアンテナ部が配置されている。よって、不正に締結具の締結を解除する作業を煩雑なものとすることができ、さらにはかかる不正な解除作業に際してベースシートの破壊、及びアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。第1締結具の取り外し方向側の端部又は第2締結具の取り外し方向側の端部のいずれか一方を露出させることができたとしても、他方を露出させる必要があるからである。
また、例えば、第1締結具及び第2締結具のいずれもが、両貼付板部の境界に対して同一方向を取り外し方向とする構成においては、たとえ両貼付板部の境界を跨ぐようにしてシール部材を貼り付け、さらに両貼付板部における対応する締結具の取り外し方向側の面に位置するようにしてアンテナ部を配置していたとしても、当該シール部材における前記締結具の取り外し方向側の部分を剥がすだけで、すなわち、シール部材をすべて剥がすことなく、両締結具の取り外し方向側の端部を露出させることができてしまう。この場合、上記のようにシール部材を貼り付け、さらに上記のようにアンテナ部を配置した効果が好適に発揮されなくなってしまう。これに対して、本手段22における構成によれば上記のとおりであるので、当該効果が好適に発揮される。
手段23.手段22において、前記アンテナ部を、前記第1締結具の前記端部及び前記第2締結具の前記端部の両方と対峙するようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段23によれば、第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部と対峙するようにしてアンテナ部が配置されているので、不正に締結具の締結が解除される場合においてアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
手段24.手段23において、前記アンテナ部を、前記ベースシートの中心に対して点対称となるようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段24によれば、180°回転させて貼付面にシール部材を貼り付けたとしても、第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部に対してアンテナ部を対峙させることができる。よって、第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部に対してアンテナ部を対峙させるようにした構成において、シール部材を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。
なお、ベースシートを長方形状(矩形状)に形成することで、シール部材の貼り付け作業を行う作業者にとっては、シール部材の短手方向又は長手方向を基準として当該シール部材をケース体に貼り付けるだけで第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部に対してアンテナ部を対峙させることができ、シール部材を貼り付ける場合のさらなる作業性向上を図ることができる。
さらには、上記手段18乃至20のいずれかを備えた構成においては、ガイド手段によりシール部材の貼り付け位置がガイドされるため、シール部材の貼り付け作業を行う作業者にとっては、ガイド手段にガイドされた位置にシール部材を貼り付けるだけで第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部に対してアンテナ部を対峙させることができ、シール部材を貼り付ける場合のさらなる作業性向上を図ることができる。
手段25.手段13乃至24のいずれかにおいて、前記締結具を金属製とし、
前記アンテナ部を前記締結具に対して離間させて配置したことを特徴とする遊技機。
手段25によれば、締結具が金属製であるので、制御基板を不正に取り外すべく締結具を分断しようとする行為が抑制される。この場合に、アンテナ部が締結具に対して離間されているので、不正が行われていない場合における読取装置への識別情報の送信を確実に行うことができる。金属製の締結具とアンテナ部とが接触しているとアンテナ部に対して設定された周波数が変化してしまうなどといった理由により、読取装置への識別情報の送信が阻害されてしまうからである。よって、かかる不都合を生じさせることなく、締結具と対峙するようにしてアンテナ部を配置したことによる上述した効果を得ることができる。
手段26.手段25において、前記シール部材が貼り付けられる各ケース体には相互に連通する連通孔(ネジ孔285,286)を設けるとともに、前記締結具は前記連通孔に挿通された状態で締結を行い、
前記締結具の挿通状態において当該締結具の取り外し方向側の端部(頭部283a,284aの頂上)の位置が前記連通孔におけるその軸線方向の途中位置となるよう構成し、
さらに、前記シール部材を、前記連通孔における前記締結具の取り外し方向に位置する開口(取り外し側開口289,290)を覆うようにして貼り付けるとともに、
前記アンテナ部を、前記締結具の前記端部と対峙するようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段26によれば、締結具の取り外し方向側の端部の位置が連通孔におけるその軸線方向の途中位置となっているのに対して、アンテナ部の位置が連通孔における締結具の取り外し方向側の開口付近となっている。よって、締結具と対峙するようにアンテナ部を配置した構成において、金属製の締結具とアンテナ部とを確実に離間させることができる。
なお、上記手段16を備えた構成においては、アンテナ部が連通孔における前記開口を跨ぐこととなるので、アンテナ部が締結具の前記端部に向けて(連通孔内に向けて)撓みにくくなり、アンテナ部と締結具の前記端部とを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。
手段27.手段26において、前記アンテナ部と前記締結具の前記端部との間には、両者を介在する介在部材を不具備としたことを特徴とする遊技機。
手段27によれば、アンテナ部と締結具の取り外し方向側の端部との間に両者を介在する介在部材が不具備となっているので、アンテナ部と締結具の取り外し方向側の端部との間には所定の空間が形成されている。また、連通孔における締結具の取り外し方向に位置する開口を覆うようにしてシール部材が貼り付けられている。これにより、不正に締結具の締結を解除すべくシール部材を剥がして締結具の取り外し方向側の端部を露出させようとする場合において、アンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。つまり、シール部材は開口の周縁部を境界としてケース体に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分とが存在し、これはアンテナ部においても同様である。この場合に、締結具の取り外し方向側の端部を露出させようとしてシール部材を剥がすと、アンテナ部におけるケース体に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分との境界にシール部材を剥がす力に伴う応力が集中し易くなるからである。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
特に、上記手段17及び当該手段27を備えた構成においては、開口を挟んで当該開口の周縁部を架渡すようにしてアンテナ部が配置されており、さらにアンテナ部と締結具の取り外し方向側の端部との間に所定の空間が形成される。つまり、アンテナ部における架渡す部位が浮いた状態となる。よって、締結具の取り外し方向側の端部を露出させようとしてシール部材を剥がすと、アンテナ部におけるケース体に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分との境界にシール部材を剥がす力に伴う応力がより集中し易くなる。よって、アンテナ部の分断が生じる機会をより多く設けることができる。
手段28.手段13乃至27のいずれかにおいて、前記アンテナ部を、前記ベースシートの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして配置したことを特徴とする遊技機。
手段28によれば、アンテナ部がベースシートの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして配置されていることにより、アンテナ部の長手方向の寸法を長く確保することができる。よって、シール部材が剥がされた場合におけるアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができるので、制御基板に対して不正が行われたことをより確実に発見することができる。
手段29.手段28において、前記アンテナ部を、前記ベースシートの対角線上に配置したことを特徴とする遊技機。
手段29によれば、アンテナ部がベースシートの対角線上に設けられているので、アンテナ部の長さ寸法を極力大きく確保することができる。よって、シール部材が剥がされた場合におけるアンテナ部の分断が生じる機会をできる限り多く設けることができる。
手段30.手段13乃至29のいずれかにおいて、前記記憶部はICチップであり、当該ICチップを基準としてその両側に向けて前記アンテナ部の長手方向が延びるように、前記ICチップの配置位置を設定したことを特徴とする遊技機。
手段30によれば、ICチップを基準としてその両側に向けてアンテナ部の長手方向が延びるようにICチップの配置位置が設定されているので、ICチップがシール部材の外縁側(一辺側)には位置しないこととなる。よって、ICチップの厚みに起因してシール部材が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップは所定の厚みを有するためシール部材におけるICチップの周囲とケース体との間には隙間が生じることとなる。この場合に、ICチップがシール部材の外縁側にあるとその外縁とケース体との隙間に指を掛けることでシール部材が剥がし易くなってしまう。これに対して、本手段のように、ICチップの位置がシール部材の外縁側でないことにより、所定の厚みを有するICチップを備えた構成においてシール部材が剥がし易くなることを抑制することができる。
なお、ICチップをアンテナ部の長手方向の略中央に配置することで、上記効果はより顕著なものとなる。
手段31.手段13乃至30のいずれかにおいて、前記記憶部はICチップであり、前記アンテナ部の厚み寸法が前記ICチップの厚み寸法よりも小さいことを特徴とする遊技機。
手段31によれば、アンテナ部の厚み寸法がICチップの厚み寸法よりも小さいので、シール部材が剥がされた際にアンテナ部が破壊され易くなる。よって、制御基板に対して不正が行われたことをより確実に発見することができる。
この場合に、ICチップがシール部材の外縁側にあると、シール部材が剥がし易くなってしまう。これに対して、上記手段30の構成を備えることで、シール部材が剥がし易くなることを抑制することができる。
手段32.手段13乃至31のいずれかにおいて、前記シール部材を、曲げ中心の延びる方向が該シール部材の一辺の延びる方向に対して略平行となるように、所定の角度又は所定の曲率で曲げて前記ケース体に貼り付けたことを特徴とする遊技機。
手段32によれば、曲げ中心の延びる方向がシール部材の一辺の延びる方向に対して略平行となるように、シール部材が所定の角度又は所定の曲率で曲げてケース体に貼り付けられているので、シール部材がその隅角から剥がされた場合のベースシートの破壊がより顕著に発生することとなる。なぜなら、上記のようにシール部材が貼り付けられている構成においてシール部材をその隅角から剥がそうとすると、曲げ中心の端部に剥がす力に伴う応力が集中するからである。この場合、制御基板に対して不正を行おうとする者は、自ずとシール部材の一辺に沿う方向に当該シール部材を剥がそうとする。これに対して、上記手段13の構成を備えていることにより、一辺に沿う方向にシール部材を剥がそうとするとアンテナ部が分断され、制御基板に対して不正が行われたことを容易に発見することができる。
手段33.手段13乃至32のいずれかにおいて、前記ベースシートにおける前記アンテナ部の周囲に、アンテナ用切り込み(アンテナ用切り込み307)を複数形成したことを特徴とする遊技機。
手段33によれば、シール部材が剥がされた場合、その剥がす力に伴う応力がアンテナ部の周囲に形成されたアンテナ用切り込みの端部に集中し、アンテナ用切り込みの端部からベースシートが破壊されるのに伴ってアンテナ部も破壊され、その位置にてアンテナ部が分断されることとなる。よって、アンテナ部が分断され易くなり、制御基板に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。
手段34.手段33において、前記アンテナ用切り込みは、前記アンテナ部の長手方向及び前記ベースシートのすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みであることを特徴とする遊技機。
手段34によれば、アンテナ用切り込みは、アンテナ部の長手方向及びベースシートのすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みであるので、シール部材が一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込みのアンテナ部側端部に集中し易くなる。これにより、アンテナ用切り込みを介したアンテナ部の分断をより発生し易くすることができる。
なお、アンテナ部が分断されない程度でアンテナ部に達する位置までアンテナ用切り込みを形成する構成とすることにより、シール部材が剥がされた場合のアンテナ部の分断がより発生し易くなる。
また、アンテナ部を挟んでアンテナ用切り込みが直線状に並ばないようにすることで、例えば、遊技機の製造時におけるシール部材の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合に、アンテナ部を挟んで位置するアンテナ用切り込みが繋がりそれに伴ってアンテナ部が分断されてしまうことを抑制することができる。
手段35.手段13乃至34のいずれかにおいて、前記ベースシートの少なくとも隅角に、外周から内側に向けて延びる複数の外縁切り込み(外縁切り込み309)を形成したことを特徴とする遊技機。
手段35によれば、シール部材をその隅角から剥がすと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込みの内側端部に集中しベースシートの破壊がより発生し易くなる。この場合、制御基板に対して不正を行おうとする者は、自ずとシール部材の一辺に沿う方向に当該シール部材を剥がそうとする。これに対して、上記手段13の構成を備えていることにより、一辺に沿う方向にシール部材を剥がそうとするとアンテナ部が分断され、制御基板に対して不正が行われたことを容易に発見することができる。
なお、外縁切り込みをベースシートの外周方向に多数並べて形成することにより、シール部材がその一辺に沿う方向に剥がされた場合に、ベースシートの破壊が発生し易くなる。これにより、シール部材が不正に剥がされたことの痕跡がベースシートに残ることとなり、不正の発見をより容易に行うことができる。
手段36.手段35において、前記外縁切り込みの少なくとも内側端部を、線状又は鋭角状としたことを特徴とする遊技機。
手段36によれば、外縁切り込みの少なくとも内側端部が線状又は鋭角状となっているので、シール部材をその隅角から剥がした場合に、その剥がす力に伴う応力が外縁切り込みの内側端部により局所的に集中することとなる。よって、シール部材をその隅角から剥がした場合の外縁切り込みを介したベースシートの破壊をより発生し易くすることができる。
手段37.手段13乃至36のいずれかにおいて、前記ベースシートにおける隅角側に隅側切り込み(隅側切り込み308)を形成したことを特徴とする遊技機。
手段37によれば、ベースシートにおける隅角側に隅側切り込みが形成されているので、シール部材をその隅角から剥がした場合におけるベースシートの破壊がより発生し易くなる。この場合、制御基板に対して不正を行おうとする者は、自ずとシール部材の一辺に沿う方向に当該シール部材を剥がそうとする。これに対して、上記手段13の構成を備えていることにより、一辺に沿う方向にシール部材を剥がそうとするとアンテナ部が分断され、制御基板に対して不正が行われたことを容易に発見することができる。
なお、隅側切り込みをベースシートのコーナー部分に沿うようにして略L字状に形成する構成とすることにより、シール部材がその隅角から剥がされた場合に、ベースシートをより破壊され易くすることができ、さらには破壊の程度を大きくすることができる。
手段38.手段13乃至37のいずれかにおいて、前記複数のケース体は一対のケース体からなり、一方のケース体に対して他方のケース体をスライドさせることで分離可能となる構成とし、前記シール部材を前記一対のケース体におけるスライド方向の端部に貼り付けたことを特徴とする遊技機。
手段38では、一方のケース体に対して他方のケース体をスライドさせることで、一対のケース体を分離させることができる。この場合に、シール部材が一対のケース体におけるスライド方向の端部に貼り付けられているので、ケース体を分離させるには必ずシール部材を剥がす必要がある。そして、上記手段13等の構成を備えていることにより、シール部材を剥がしたことが容易に且つ確実に発見される構成となっている。よって、制御基板に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
手段39.手段1乃至38のいずれかにおいて、前記リーダ手段は、前記識別情報を呼び出す呼出波を発信する呼出波発信手段(リーダ装置331のCPU346、RF回路347、及びリーダアンテナ333)と、その呼出波に対する前記電子タグからの応答波を受信する応答波受信手段(リーダ装置331のCPU346、RF回路347、及びリーダアンテナ333)とを備え、
さらに、前記呼出波を発信してから前記応答波を受信するまでの応答期間を計測する応答期間計測手段(応答時間計測タイマ348)と、
予め設定された基準応答期間と前記応答期間計測手段が計測した応答期間とを比較し、その比較結果に基づいて前記計測した応答期間が正常であるか否かを判定する判定手段(音声ランプ制御装置272の不正検出処理におけるステップS16)と、
当該判定手段により前記計測した応答期間が正常でないと判定された場合に異常処理を実行する異常処理実行手段(音声ランプ制御装置272の不正検出処理におけるステップS18)とを備えたことを特徴とする遊技機。
遊技機に対する不正行為としては、制御装置を不正な装置に交換する不正行為が想定され、さらにかかる不正行為に際して正規の制御装置に取り付けられていた電子タグを取り外し、当該電子タグを識別情報発信用のダミー品として不正な装置に添える行為が想定される。また、上記手段12を備えた構成においては、基板ボックスの一部を切断することで電子タグを破壊することなく基板ボックスを開封して制御基板に対して不正(例えば、不正な電子部品の実装や制御基板の不正な基板への交換)を行った後に、別途用意した不正な基板ボックスに不正を行った基板を収容させるとともに、破壊することなく取り外した正規の電子タグを識別情報発信用のダミー品として不正な基板ボックスに添える行為が想定される。
但し、これらの不正行為が行われた場合には、電子タグをダミー品として不正な装置や基板ボックスに添える際にその電子タグのリーダ手段に対する相対距離が変化するものと考えられる。これに対して、手段39によれば、リーダ手段から呼出波を発信してから当該リーダ手段にて応答波を受信するまでの応答期間が計測され、その計測した応答期間が正常でない場合には異常処理が実行される。これにより、電子タグをダミー品として使用する不正行為が行われたとしても、かかる不正行為が行われたことを発見することが可能となる。
手段40.手段1乃至38のいずれかに記載の遊技機を備えるとともに、当該遊技機の外部に不正監視装置(ホールコンピュータ601)を備えた不正監視システムであって、
前記不正監視装置は、前記リーダ手段が読み取った読み取り結果を入力するとともに、その入力した読み取り結果に基づいて不正行為の有無を判定する不正判定処理を実行し、さらに、その不正判定処理の判定結果に基づいて異常処理を実行することを特徴とする不正監視システム。
手段40によれば、リーダ手段による識別情報の読み取り結果は不正監視装置に入力され、その入力結果に基づいて不正行為の有無が判定されるとともに、不正行為が有ったと判定された場合には異常処理が実行される。本構成とすることにより、遊技機外部にて不正有無の判定及び異常処理を実行することができる。例えば、遊技機内部にて不正有無の判定及び異常処理が実行される構成においては、それら処理を行う装置に対して不正が行われると、電子タグやリーダ手段を設けた効果が消失してしまう。これに対して、遊技機外部の不正監視装置において不正有無の判定及び異常処理を実行することで、電子タグやリーダ手段を設けた効果が好適に発揮される。
手段41.手段1乃至38のいずれかに記載の遊技機を備えた不正監視システムであって、
前記リーダ手段は、前記識別情報を呼び出す呼出波を発信する呼出波発信手段と、その呼出波に対する前記電子タグからの応答波を受信する応答波受信手段とを備え、
さらに、前記呼出波を発信してから前記応答波を受信するまでの応答期間を計測する応答期間計測手段と、
予め設定された基準応答期間と前記応答期間計測手段が計測した応答期間とを比較し、その比較結果に基づいて前記計測した応答期間が正常であるか否かを判定する判定手段と、
当該判定手段により前記計測した応答期間が正常でないと判定された場合に異常処理を実行する異常処理実行手段とを備えたことを特徴とする不正監視システム。
遊技機に対する不正行為としては、制御装置を不正な装置に交換する不正行為が想定され、さらにかかる不正行為に際して正規の制御装置に取り付けられていた電子タグを取り外し、当該電子タグを識別情報発信用のダミー品として不正な装置に添える行為が想定される。また、上記手段12を備えた構成においては、基板ボックスの一部を切断することで電子タグを破壊することなく基板ボックスを開封して制御基板に対して不正(例えば、不正な電子部品の実装や制御基板の不正な基板への交換)を行った後に、別途用意した不正な基板ボックスに不正を行った基板を収容させるとともに、破壊することなく取り外した正規の電子タグを識別情報発信用のダミー品として不正な基板ボックスに添える行為が想定される。
但し、これらの不正行為が行われた場合には、電子タグをダミー品として不正な装置や基板ボックスに添える際にその電子タグのリーダ手段に対する相対距離が変化するものと考えられる。これに対して、手段41によれば、リーダ手段から呼出波を発信してから当該リーダ手段にて応答波を受信するまでの応答期間が計測され、その計測した応答期間が正常でない場合には異常処理が実行される。これにより、電子タグをダミー品として使用する不正行為が行われたとしても、かかる不正行為が行われたことを発見することが可能となる。
手段42.固有の識別情報を記憶した記憶部とこの識別情報を含む電波を発信するアンテナ部とを備えた電子タグ(ICタグ558)を、遊技の制御を実行する制御装置(主制御装置553)に取り付けた遊技機であって、
前記識別情報の読み取り作業に際して、前記電波を受信することで前記識別情報の読み取りを行うリーダ装置(リーダ装置565)を、前記識別情報が読み取り可能なレベルの電波が到達する電波到達領域に位置決めするために使用される位置決め手段(位置決め用板部561)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段42によれば、制御装置に設けられた電子タグは、記憶部とアンテナ部とを備えており、記憶部に記憶された識別情報は電波としてアンテナ部から発信される。この場合に、リーダ装置を識別情報が読み取り可能なレベルの電波が到達する電波到達領域に位置決めするために使用される位置決め手段が設けられている。これにより、識別情報の読み取り作業を行う際は、位置決め手段によって位置決めされる位置にリーダ装置を配置することで識別情報を確実に読み取ることができるため、識別情報の読み取りを良好に行うことができる。また、識別情報の読み取り作業を行う作業者にとっては、位置決め手段によって位置決めされる位置にリーダ装置を配置すれば識別情報の読み取りを確実に行うことができるため、読み取り作業の作業性を向上させることができる。
手段43.手段42において、前記位置決め手段は、前記電子タグと対峙するようにして設けられたリーダ装置当接部であることを特徴とする遊技機。
手段43によれば、識別情報の読み取り作業を行う際は、リーダ装置をリーダ装置当接部に当接させるだけで識別情報を確実に読み取ることができる位置にリーダ装置を配置することができる。よって、読み取り作業の作業性を向上させることができる。
手段44.手段43において、前記リーダ装置当接部を、前記電波を透過可能な材料により形成するとともに、前記電子タグと対峙する側とは反対側に前記リーダ装置における前記電波の受信部(リーダアンテナ568)側の端部を当接させるよう形成したことを特徴とする遊技機。
手段44によれば、識別情報の読み取り作業を行う際は、リーダ装置当接部における電子タグと対峙する側とは反対側にリーダ装置における受信部側の端部を当接させる。そして、リーダ装置当接部は電子タグのアンテナ部からの電波が透過可能な材料により形成されているので、リーダ装置にて電波を受信し識別情報を読み取ることができる。これにより、リーダ装置当接部に対して無理なくリーダ装置を当接させることができ、読み取り作業の作業性を向上させることができる。
手段45.手段42乃至44のいずれかにおいて、取付対象(外枠11)に対して遊技機前方に回動可能に取り付けられたベース体(本体枠12)を備え、当該ベース体の背面に前記制御装置を配設し、
前記電波到達領域を前記ベース体の背面における回動先端側に設定するとともに、前記位置決め手段を前記ベース体の背面における前記回動先端側に設けたことを特徴とする遊技機。
手段45によれば、ベース体の背面に制御装置を配設した構成において、ベース体の背面における回動先端側に位置決め手段が設けられている。したがって、識別情報の読み取り作業を行う際は、ベース体を遊技機前方に回動させることで位置決め手段が作業者にとって近い位置となり、リーダ装置を位置決め手段によって位置決めされる位置に配置し易くなる。これにより、読み取り作業の作業性のさらなる向上を図ることができる。
手段46.手段42乃至45のいずれかにおいて、前記位置決め手段は、前記リーダ装置における前記電波を受信する受信部(リーダアンテナ568)と前記電子タグとの間の距離が常に一定となるよう前記リーダ装置の位置を規定することを特徴とする遊技機。
手段46によれば、リーダ装置の受信部と電子タグとの間の距離が常に一定となるため、識別情報の読み取り作業を行う作業者にとっては常に同じ態様で作業を行うことができる。つまり、例えば、リーダ装置を位置決め手段によって位置決めされる位置に配置してから識別情報の読み取りが完了するまでのタイミングが同一となる。
手段47.手段42乃至46のいずれかに記載の遊技機を備えた不正監視システムであって、
前記リーダ装置は、前記識別情報を呼び出す呼出波を発信する呼出波発信手段(リーダ装置565のCPU566、RF回路567、及びリーダアンテナ568)と、その呼出波に対する前記電子タグからの応答波を受信する応答波受信手段(リーダ装置565のCPU566、RF回路567、及びリーダアンテナ568)とを備え、
さらに、前記呼出波を発信してから前記応答波を受信するまでの応答期間を計測する応答期間計測手段(応答時間計測タイマ569)と、
予め設定された基準応答期間と前記応答期間計測手段が計測した応答期間とを比較し、その比較結果に基づいて前記計測した応答期間が正常であるか否かを判定する判定手段(ホールコンピュータ576の不正検出処理におけるステップS44)と、
当該判定手段により前記計測した応答期間が正常でないと判定された場合に異常処理を実行する異常処理実行手段(ホールコンピュータ576の不正検出処理におけるステップS46)とを備えたことを特徴とする不正監視システム。
遊技機に対する不正行為としては、制御装置を不正な装置に交換する不正行為が想定され、さらにかかる不正行為に際して正規の制御装置に取り付けられていた電子タグを取り外し、当該電子タグを識別情報発信用のダミー品として不正な装置に添える行為が想定される。
但し、かかる不正行為が行われた場合には、電子タグをダミー品として不正な装置に添える際にその電子タグの位置決め手段に対する相対距離が変化するものと考えられる。これに対して、手段47によれば、リーダ装置から呼出波を発信してから当該リーダ装置にて応答波を受信するまでの応答期間が計測され、その計測した応答期間が正常でない場合には異常処理が実行される。これにより、電子タグをダミー品として使用する不正行為が行われたとしても、かかる不正行為が行われたことを発見することが可能となる。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する球発射手段(遊技球発射機構160)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニット50)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
(第1の実施の形態)
以下、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に関する一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成し、下皿16への球排出口17aが形成された奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。
遊技球発射ハンドル18は、操作ハンドル18aと支持台座18bとより構成されている。操作ハンドル18aは、ABS樹脂にて成形されており、その表面にメッキ処理が施されている。支持台座18bには、周知の構成のため図示による説明は省略するが、遊技者が操作ハンドル18aに触れていることを検知するためのタッチセンサ、操作ハンドル18aが操作されたことを検知するための発射スイッチ及び操作ハンドル18aの操作量を検知するためのダイヤル可変抵抗器が設けられている。さらに、操作ハンドル18aを操作した状態で、遊技球の発射を止めるべく操作される止め打ちスイッチが設けられている。これらタッチセンサ、発射スイッチ、ダイヤル可変抵抗器及び止め打ちスイッチの信号線は、後述する電源及び発射制御装置313に接続されている。
奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。したがって、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構160側へ導くための球受皿である。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。
作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。
その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を可変表示する図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。このセンターフレーム43は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
センターフレーム43の上部中央には、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48が横並びの状態で設けられている。また、これら両特定ランプ部47,48が配設された領域を挟むように、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。センターフレーム43の下部には、第2特定ランプ部48に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は8インチサイズの液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部47には、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが配設されている。そして、作動口33への入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われ、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には大当たりが発生し、青色が停止表示された場合には大当たりが発生しない。また、最終的に赤色で停止表示された場合と、最終的に緑色で停止表示された場合とで、大当たりの種類が異なり、前者の方が遊技者に有利な大当たりが発生する(いわゆる、確変大当たり)。
一方、第2特定ランプ部48には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが配設されている。この第2特定ランプ部48は、スルーゲート34の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。そして、赤色が停止表示された場合には、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、大当たりが発生すると、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態となる。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤30には、後述する遊技球発射機構160から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射機構160から発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。また、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するためのスペース(図のSa,Sb)となっている。証紙等のシールを遊技盤30に直接貼り付ける構成とすることで、証紙等の不正な貼り直し等が行いにくいものとなっている。
図3の説明に戻り、樹脂ベース25の窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射機構160が取り付けられている。遊技球発射機構160は、図5に示すように、ベース部材としての金属板161を備えており、金属板161には、電磁式のソレノイド162と、発射レール163とが取り付けられている。
ソレノイド162は、本体部162aと出力軸162bとを主要構成部品として備えており、本体部161aへの電気的な信号の入力に基づき通電され、出力軸162bが伸縮方向に移動する。また、ソレノイド162は、通電時に出力軸162bが左斜め上方へ突出するように配置されている。発射レール163は、ソレノイド162により打ち出された遊技球を案内するものであり、その長手方向が出力軸162bの伸縮方向に延びるように配置されている。
以上の構成において、遊技者により遊技球発射ハンドル18が操作されるのに基づいてソレノイド162が通電されると出力軸162bが突出し、発射レール163上においてストッパ164により保持されている遊技球が打ち出される。そして、当該遊技球は発射レール163上を移動し、遊技領域に打ち出される。
発射レール163と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。したがって、仮に遊技球発射機構160から発射された遊技球がファール球としてレールユニット50内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。
また、本体枠12の前面において発射レール163の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図10参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。したがって、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。したがって、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25には、窓孔26の右下部に略四角形状の小窓78が設けられている。したがって、遊技盤30の右下隅部スペース(図4のSa)に貼られた証紙等は、この小窓78を通じて視認できるようになっている。この小窓78から遊技盤30上に証紙等を直接貼り付けることも可能である。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部にも小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。前扉枠開放スイッチ27は、樹脂ベース25の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠13の閉鎖が検知され、本体枠12に対して前扉枠13を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠13の開放が検知されるようになっている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図6に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。したがって、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
次に、前扉枠13について図1,図6を参照しつつ説明する。なお、図6は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は、円形に近い略楕円形状をなし、ガラス137が嵌め込まれている。
前扉枠13の下端部における左右両側には、本体枠12表面や遊技盤30表面等(証紙等を含む)の一部を視認できるよう透明樹脂を取り付けた小窓107が設けられている。小窓107に取り付けられる透明樹脂は、その内部の証紙等を工場等で容易に機械読み取りできるよう平坦状に構成される。但し、小窓107に、内部の証紙等をホール作業者等が容易に目視できるよう拡大レンズ部を設けることも可能である。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状ランプ102が左右対称に設けられ、環状ランプ102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央ランプ103が設けられている。本パチンコ機10では、中央ランプ103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿ランプ104が設けられている。その他、中央ランプ103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図6に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図6の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図6の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図7はパチンコ機10の背面図、図8はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主制御基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、電源及び発射制御装置313(電源及び発射制御基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図9の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面(背面)に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。したがって、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図10は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図11は本体枠12を後方より見た斜視図、図12は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図10にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。したがって、図10に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置にカウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、カウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271(主制御基板)に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271(主制御基板)に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271(主制御基板)に取り込まれ、当該主制御装置271にて入賞判定が実行される。そして、その入賞判定後の判定結果に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311(払出制御基板)に出力される。そして、払出制御装置311(払出制御基板)の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。
集合板ユニット215には、その中央上部に中継端子板276が設けられており、さらにその右上部に盤用外部端子板230が設けられている。中継端子板276は、主制御装置271(主制御基板)や電源及び発射制御装置313(電源及び発射制御基板)から音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)への信号線を中継するものである。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(確定)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図13に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図10では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図10では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図14〜図17に基づいて説明する。図14は第1制御基板ユニット201の正面図、図15は同ユニット201の斜視図、図16は同ユニット201の分解斜視図、図17は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(電源監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。主制御装置271には複数のコネクタが設けられており、各コネクタにハーネスや信号線が差し込まれることで、他の基板等(払出制御基板、盤面中継基板226等)との電気的な接続がなされるようになっている。なお、主制御装置271の詳細な構成については後に説明する。
音声ランプ制御装置272は、主制御装置271からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置214の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス274に収容されて構成されている。
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、例えば緑や青等に着色されて不透明とされている。但し、取付台251は無色透明又は半透明であってもよい。取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は縦横に直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置272は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
ここで、図16に示すように、基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔256が形成されている。一方、主制御装置271の基板ボックス273には、その裏面の左右2カ所に回動操作式の固定具275が設けられている。主制御装置271を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔256に固定具275が挿通されるように主制御装置271を載置し、その状態で固定具275を回動操作することで主制御装置271がロックされる。したがって、主制御装置271は第1制御基板ユニット201の裏面側から固定具275をロック解除しなければ取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
また、取付台251において、主制御基板用の基板搭載面252の下方には、基板搭載面252の裏面空間に通じる開口を遮蔽するための遮蔽部257が設けられている。したがって、基板搭載面252の下方より取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具275のロック状態を不正に解除することができないようになっている。また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10背面に搭載した状態では、当該ユニット201の上部が裏パックユニット203により覆われるため、やはり取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具275のロック状態を不正に解除することができないようになっている。
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。したがって、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン261が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ262が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔263が前記係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、主制御装置271の構成を図18〜図21に基づいて説明する。図18は主制御装置271の斜視図、図19は主制御装置271の分解斜視図、図20は主制御装置271の基板ボックス273を説明するための説明図、図21は主制御措置271の一部を拡大して示す斜視図である。
主制御装置271は、上記のとおり基板ボックス273を備えている。基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベース276と該ボックスベース276の開口部を覆うボックスカバー277とから構成されており、それらボックスベース276とボックスカバー277とから構成される内部空間に主制御基板278が収容されている。
主制御基板278は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生機、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがマイコンチップ278aに1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ278b等が搭載されている。
ボックスベース276及びボックスカバー277は、ポリカーボネート樹脂などといった透明性を有する合成樹脂により形成されている。ボックスベース276には、底板部276aの長辺側に側板部276bが形成されており、短辺側の一側には側板部276bに連なるようにして段差部276cが形成されている。側板部276bの先端は内側に折り曲げて形成されている。側板部276bの右端部は、ボックスカバー277をスライド装着するための装着口276dとなっている。この場合、図20に示すように、ボックスカバー277を装着口276dから装着し、段差部276cに当たるまでスライド移動させることで、ボックスカバー277がボックスベース276上の所定位置に装着されるようになっている。
ボックスカバー277には、ボックスベース276の段差部276cと重なるようにして延出部277aが形成されている。延出部277aはボックスベース276の段差部276cと共に封印手段としての封印ユニット279(いわゆる、カシメ構造)を構成しており、当該封印ユニット279によってボックスベース276とボックスカバー277とが連結され、基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット279は、ボックスベース276とボックスカバー277とを連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図19等に示すように、5つの封印部材279a,279bが形成された構成となっており、この封印部材279a,279bの長孔に係止爪を挿入することでボックスベース276とボックスカバー277とが連結されるようになっている。この場合、係止爪を封印部材279a,279bから抜くことが不可能な構成となっているため、基板ボックス273を開封するためには封印部材279a,279bを破壊する必要が生じる。よって、基板ボックス273が不正に開封されたことの履歴を残すことができ、主制御基板278に対して不正が行われたことを発見することができる。
ボックスカバー277及びボックスベース276には、封印ユニット279が設けられた側部とは反対側の側部に貼付板部281,282が設けられており、これら貼付板部281,282が締結具(連結具)としての金属製のネジ283,284によって締結されている(連結されている)。このように金属製のネジ283,284によって締結することで、主制御基板278を不正に取り外すべく両貼付板部281,282を締結する締結具を分断しようとする行為が抑制される。
かかる締結に関する構成について図22に示す貼付板部281,282の縦断面図を用いて説明する。各貼付板部281,282には、それぞれの長辺方向の両端側に各貼付板部281,282を貫通するようにしてネジ孔285a,285b,286a,286bが形成されている。ネジ孔285aとネジ孔285bとはその軸線が同一軸線上に位置するようにして形成されており、これらが連通されて第1ネジ孔285が形成されている。一方、ネジ孔286aとネジ孔286bとはその軸線が同一軸線上に位置するようにして形成されており、これらが連通されて第2ネジ孔286が形成されている。なお、第1ネジ孔285及び第2ネジ孔286は、各貼付板部281,282において上下に並んでいる。
第1ネジ孔285には、貼付板部281におけるパチンコ機10後方を向く面281a(以下、第1貼付面281aともいう)側を段差状に拡径させて頭収容部287が形成されている。これに対して、第2ネジ孔286には、貼付板部282におけるパチンコ機10前方を向く面282a(以下、第2貼付面282aともいう)側を段差状に拡径させて頭収容部288が形成されている。そして、これら頭収容部287,288に各ネジ283,284の頭部283a,284aが収容されるようにネジ283,284が螺着されている。つまり、一方のネジ283(以下、第1ネジ283ともいう)は第1貼付面281a側から螺着されているのに対して、他方のネジ284(以下、第2ネジ284ともいう)は第2貼付面282a側から螺着されている。
各ネジ283,284の螺着に際しては、各頭部283a,284aが各頭収容部287,288の段差部287a,288aに当接するまで螺着される。この場合に、各頭部283a,284aが段差部287a,288aに当接した状態(すなわち、締結が完了した状態)では、各ネジ283,284の頭部283a,284aは開口289,290(以下、取り外し側開口289,290ともいう)に対してX1の距離だけ内側の位置にある。つまり、各頭部283a,284aの頂上(先端)の位置は各ネジ孔285,286における軸線方向の途中位置となっている。
各ネジ283,284によって締結された貼付板部281,282には、図21等に示すように、封印シール300が貼り付けられている。この場合に、図21や図22等に示すように、各貼付板部281,282には、その上縁に一連の上側突条291a,292aが一体形成されており、その下縁にも一連の下側突条291b,292bが一体形成されている。そして、各貼付板部281,282が締結されていることにより、各上側突条291a,292aの先端が相互に当接するとともに、各下側突条291b,292bの先端が相互に当接している。また、各貼付板部281,282はそれぞれボックスカバー277の側方端部293及びボックスベース276の側方端部294に対して連続させて形成されており、これら側方端部293,294はそれぞれ各貼付板部281,282の基端側の区画壁を構成する。つまり、上側突条291a,292a、下側突条291b,292b、及び側方端部293,294は囲み部Cとして機能し、貼付板部281,282における貼付面281a、281b,282a,282bは当該囲み部Cによって囲まれている。
囲み部Cによって囲まれた貼付面281a、281b,282a,282bに封印シール300が略コ字状に曲げられて貼り付けられている。この場合に、封印シール300の周縁は囲み部Cに近接しており、封印シール300を剥がそうとしても、その剥がし行為が非常に困難なものとなっている。封印シール300が貼り付けられていることにより貼付面281a、281b,282a,282bのほぼ全域が覆われている。したがって、各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290は封印シール300によって覆われている。
次に、封印シール300の構成を図23〜図26に基づいて説明する。図23は封印シール300の構成を示す断面図、図24(a)は封印シール300の構成を示す正面図、図24(b)は封印シール300の構成を示す背面図、図25は貼付面281a、281b,282a,282bに対する封印シール300の位置関係を説明するための説明図、図26(a)は封印シール300周辺を拡大して示す正面図、図26(b)は封印シール300周辺を拡大して示す側面図、図26(c)は封印シール300周辺を拡大して示す背面図である。なお、図25においては、後述する各切り込み307,308,309を省略して示す。
封印シール300は、略矩形状のベースシート301を備えており、ベースシート301の背面には粘着剤が塗布され粘着層302が形成されている。粘着層302には電子タグとしてのICタグ303が埋め込まれている。なお、図23においては、粘着層302の背面側に剥離シート304が示してある。この剥離シート304は封印シール300を基板ボックス273に貼り付ける際に剥がされる。
ベースシート301はポリエステル系フィルムなどの可撓性樹脂フィルムにより形成されており適度な脆性を有し、さらに溶剤や熱に対して反応性を有する。具体的には、粘着層302を構成する粘着剤に対して溶解性を備えたトルエンなどがベースシート301に塗布されると、ベースシート301は変色する。また、粘着層の粘着力が低下する温度(例えば、50℃)以上の熱が加えられた場合にもベースシート301は変色する。これにより、基板ボックス273の貼付板部281,282から封印シール300を不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、ベースシート301が変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
ベースシート301の表面には、図24(a)に示すように、インク塗布部301a、識別番号部301b及び機種情報部301cが設けられている。インク塗布部301aには、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別番号部301bには、複数の数字が記載されており、当該識別番号部301bに記載される数字はパチンコ機毎に異なっている。機種情報部301cには、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。なお、インク塗布部301a及び識別番号部301bが設けられた上部領域R1は貼付板部281の第1貼付面281aに位置し、機種情報部301cが設けられた中間領域R2は両貼付板部281,282の側面側に位置し、下部領域R3は貼付板部282の第2貼付面282aに位置している。
粘着層302の粘着剤は、従来の封印シールと同様に、一旦貼り付けされた後に剥がされるとベースシート301から剥がれる程度の粘着力を有している。したがって、封印シール300が剥がされた場合には再度貼り付けすることが不可能なものであり、さらには粘着層の一部が貼付板部281,282側に残ることとなる。よって、封印シール300を不正に剥がした痕跡を残すことができる。
ICタグ303は、ICチップ305及びアンテナ部306より構成されており、長尺状のアンテナ部306の中央付近にICチップ305が配置されている。ICチップ305は集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別情報としてのID情報が格納されている。具体的には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。ICチップ305のメモリ領域はデータ書き換え不可であるため、ID情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できるようになっている。
アンテナ部306は、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ305の厚みよりも薄い。また、アンテナ部306は、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップ305のID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部306から電波として発信することができるように構成されており、アンテナ部306から発信された電波を、リーダ装置で受信してID情報を読み取ることができるようになっている。かかるリーダ装置によるID情報の読み取りについては後に詳細に説明する。
ICタグ303(アンテナ部306)は、図24(b)に示すように、ベースシート301においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。この場合、長尺状のアンテナ部306はその長手方向がベースシート301のすべての辺方向と交差することとなる。そして、封印シール300が両貼付板部281,282に跨って貼り付けられているのに伴って、アンテナ部306も両貼付板部281,282に跨っている。また、ICタグ303は、矩形状のベースシート301の中心に対して点対称となるように配置されている。
封印シール300には、アンテナ部306の長手方向に沿って等間隔で並ぶ多数のアンテナ用切り込み307が形成されている。アンテナ用切り込み307は、アンテナ部306の長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、ベースシート301の表面側から粘着層302の背面側まで貫通している(なお、図24(a)ではアンテナ用切り込み307を省略して示してある)。
アンテナ用切り込み307が延びる方向は、アンテナ部306の長手方向に対して略直交する方向であるため、ベースシート301のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み307は、アンテナ部306に若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ部306はアンテナ用切り込み307により分断されていないため、ID情報の出力に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み307がアンテナ部306を挟んで直線状に並ばないように、アンテナ部306の一側に位置するアンテナ用切り込み307と他側に位置するアンテナ用切り込み307とは、アンテナ部306の長手方向にずらして形成されている。
封印シール300の4隅には、ベースシート301の表面側から粘着層302の背面側まで貫通する隅側切り込み308がそれぞれ形成されている。隅側切り込み308は、封印シール300の隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。また、封印シール300の外縁には、図24に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み309が形成されている。これら外縁切り込み309は、内側から外側に向けて開くようにして鋭角のV字状となっており、さらに封印シール300の外周に沿って等間隔で形成されている。
封印シール300を貼付板部281,282から剥がそうとする場合、封印シール300をその隅角から剥がす場合と、封印シール300の一辺に沿う方向に剥がす場合とが想定される。前者の場合、剥がす力に伴う応力が隅側切り込み308や外縁切り込み309に集中するため、封印シール300の破壊が生じ易い。一方、後者の場合、この剥がす方向はアンテナ部306の延びる方向に対して交差する方向である。したがって、剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み307の端部に集中することで、アンテナ用切り込み307を介してベースシート301が破壊され、アンテナ部306が分断される。アンテナ部306が分断されるとID情報を含んだ電波が発信されなくなるので、リーダ装置にてID情報を読み取ることができなくなる。よって、主制御基板278に対して不正行為が行われた場合には、それを容易に発見することができる。
次に、封印シール300のアンテナ部306と各貼付板部281,282を締結する各ネジ283,284との位置関係について説明する。
アンテナ部306の両端部306a,306bは、図26等に示すように、第1貼付面281a及び第2貼付面282aにおいて、各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290を跨ぐようにして配置されている。詳細には、アンテナ部306の短手方向の寸法は当該開口289,290の孔径よりも小さくなっており、さらにアンテナ部306はその両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を挟んで当該開口289,290の周縁部を架渡すように配置されている。このようにアンテナ部306が配置されていることにより、アンテナ部306の両端部306a,306bは対応するネジ283,284の頭部283a,284aと対峙している。
かかる構成において、上記のとおり、各ネジ283,284の頭部283a,284aの頂上の位置は各ネジ孔285,286における軸線方向の途中位置となっている。すなわち、各頭部283a,284aの頂上の位置は封印シール300に対して各ネジ孔285,286内に入り込んだ位置となっている。したがって、アンテナ部306と各ネジ283,284とは、図22に示すように離間されている。また、アンテナ部306と各ネジ283,284との間には両者を介在する介在部材が設けられていない。つまり、アンテナ部306と各ネジ283,284との間には空間Sが設けられている。これにより、アンテナ部306が各ネジ283,284に接触することが防止されている。特に、上記のとおりアンテナ部306が取り外し側開口289,290を挟んで当該開口289,290の周縁部を架渡すように配置されているため、アンテナ部306がネジ孔285,286内に向けて撓みにくくなり、アンテナ部306と各ネジ283,284の頭部283a,284aとを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。例えば、アンテナ部306が各ネジ283,284に接触すると、設定された共振周波数(本実施の形態では、2.45GHz)が変化してしまい、ICチップ305に記憶されたID情報がリーダ装置によって読み取れなくなるおそれがあるが、本実施の形態における構成によればかかる不都合の発生を防止することができる。
上記のとおり各貼付板部281,282には囲み部Cが形成されており、封印シール300の周縁は囲み部Cに近接している。したがって、封印シール300の貼り付け作業に際しては、封印シール300が囲み部Cによって囲まれた領域内からはみ出ないように貼り付けることで、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する。
また、図25に示すように、囲み部Cによって囲まれる領域は、封印シール300の面積よりも広くなっている。これにより、封印シール300の貼り付け作業に際しては、貼り付け位置に所定のゆとりが生まれ、貼り付け作業の作業性が向上されている。この場合に、その貼り付け位置のゆとりは、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、且つ各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する範囲内で形成されている。さらに、上記のとおりICタグ303は矩形状のベースシート301の中心に対して点対称となるように配置されているため、封印シール300を上下逆に貼り付けたとしても、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、且つ各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する。
次に、ICタグ303からID情報を読み取るリーダ装置331について説明する。図27はリーダ装置331を説明するための主制御装置271の正面図、図28はリーダ装置331を説明するための主制御装置271の横断面図である。
リーダ装置331は、箱状のハウジング332を備えており、その内部にCPUチップなどの電子部品が実装され、さらに所定のRF回路が形成されたリーダ用制御基板が搭載されている。また、リーダ装置331には、ハウジング332における一の側面332a側に偏倚させてID情報を読み取るためのリーダアンテナ333が設けられている。
リーダ装置331は、主制御装置271の基板ボックス273内に収容されている。詳細には、基板ボックス273を構成するボックスカバー277には、ボックスベース276に向けて開放され主制御基板278に実装された各種電子部品を収容する収容部334が形成されている。収容部334には、その裏面334a側からボックスベース276に向けて延びる基板用ボス335が一体形成されており、その基板用ボス335に対してボックスベース276側からネジ336を螺着することにより主制御基板278が固定されている。この場合に、主制御基板278における各種電子部品が実装された部品実装面337はボックスカバー277側を向いており、各種電子部品は収容部334に収容されている。また、収容部334におけるボックスベース277側に開放された開放部334bは主制御基板278によって塞がれている。
主制御基板278には、部品実装面337から収容部334に向けて延びるリーダ用ボス338が形成されている。このリーダ用ボス338に対してネジ339を螺着させてリーダ装置331が固定されている。つまり、リーダ装置331はボックスカバー277の収容部334と主制御基板278とによって囲まれた空間内に収容されている。
主制御基板278においてリーダ用ボス338が形成された位置は、ボックスカバー277における貼付板部281が形成された側であり、リーダ装置331はボックスカバー277における貼付板部281側の側壁340と近接した位置にある。また、リーダ装置331はそのハウジング332におけるリーダアンテナ333が設けられた側の側面332aが、ボックスカバー277における貼付板部281側の側壁340の内側壁面340aと対峙するようにして配置されている。したがって、リーダ装置331を基板ボックス273内に収容させた構成において、基板ボックス273におけるICタグ303が設けられた側に偏倚させて(近接させて)リーダ装置331が取り付けられており、さらにリーダアンテナ333がICタグ303側となるようにリーダ装置331が配置されている。以上のようにリーダ装置331が配置されていることにより、リーダアンテナ333とICタグ303との間には、合成樹脂製のボックスカバー277のみが介在し、金属製の部材が介在していない。
ここで、リーダ装置331におけるID情報の読み取りについて詳細に説明する。ID情報の読み取りに際してはリーダ装置331から所定周波数の呼出波が発信される。この所定周波数はICタグ303のアンテナ部306に設定された共振周波数と同一の周波数となっている。リーダ装置331から発信される呼出波の電波強度は、図27に示すように、その伝播範囲WA1にICタグ303が含まれるように設定されている。この場合に、上記のとおり、リーダアンテナ333とICタグ303との間に金属製の部材が介在していないため、発信された呼出波がリーダアンテナ333とICタグ303との間で遮断されることはない。
リーダ装置331から呼出波が発信されると、その呼出波により誘導電磁界が形成される。上記のとおり呼出波の伝播範囲WA1にはICタグ303が含まれているため、ICタグ303のアンテナ部306において電磁誘導により起電力が発生する。ICタグ303のICチップ305ではこの起電力を電源として、メモリ領域に記憶されているID情報を呼び出してアンテナ部306からID情報を含んだ応答波を発信する。
応答波の電波強度は呼出波の電波強度に対応しており、応答波の伝播範囲WA2にはリーダ装置331のリーダアンテナ333が含まれている。この場合に、上記のとおりICタグ303とリーダアンテナ333との間に金属製の部材が介在していないため、発信された応答波がICタグ303とリーダアンテナ333との間で遮断されることはない。この応答波をリーダアンテナ333にて受信することで、リーダ装置331においてID情報の読み取りが行われる。
リーダ装置331は、上記のとおりボックスカバー277と主制御基板278とによって囲まれた空間内に収容されている。また、ボックスカバー277はパチンコ機10の背面部を構成しパチンコ機10の背面において露出しており、ボックスカバー277は上記のとおり透明性を有している。したがって、主制御装置271をパチンコ機10に搭載した状態においてリーダ装置331を目視することが可能である。
また、リーダ装置331がボックスカバー277と主制御基板278との間に収容されていることにより、リーダ装置331におけるハウジング332の底面332bは主制御基板278の部品実装面337と対峙している。この場合に、上記のとおり主制御基板278の部品実装面337には、各種電子部品が実装されておりさらに配線パターンが形成されているが、ハウジング332の底面332bと対峙する対峙領域FSには電子部品が実装されておらずさらに配線パターンが形成されていない。これにより、基板ボックス273内に主制御基板278を収容した状態で部品実装面337に実装された電子部品や形成された配線パターンを目視しようとした場合に、リーダ装置331が邪魔になってそれらの一部を目視することができないといった不都合の発生を抑制することができる。
リーダ装置331は、主制御基板278に対して接続されている。詳細には、リーダ装置331と主制御基板278の部品実装面337とにはそれぞれコネクタ341,342が設けられており、これら両コネクタ341,342を接続するようにしてコネクタ付信号線343が接続されている。これにより、リーダ装置331に対して主制御基板278を介して動作電力が供給されている。
但し、上記のようにリーダ装置331が主制御基板278に接続された構成において、リーダ装置331は主制御基板278のマイコンチップ278aとの間で電気的な信号のやり取りを行うのではなく、音声ランプ制御装置272のCPUとの間で電気的な信号のやり取りを行うように、主制御基板278の配線パターン等が構成されている。つまり、リーダ装置331はマイコンチップ278aとの間に信号経路が形成されておらず、代わりに、音声ランプ制御装置272のCPUとの間に信号経路が形成されている。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図29〜図31に基づいて説明する。図29は第2制御基板ユニット202の正面図、図30は同ユニット202の斜視図、図31は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台325を有し、取付台325に払出制御装置311、電源及び発射制御装置313が搭載されている。
払出制御装置311は、賞品球や貸出球の払出を制御する払出制御基板を具備しており、当該払出制御基板が基板ボックス315に収容されて構成されている。基板ボックス315は、ボックスベース317とボックスカバー318とから構成されている。これらボックスベース317及びボックスカバー318は、ポリカーボネート樹脂などといった透明性を有する合成樹脂により形成されている。これらボックスベース317及びボックスカバー318には封印手段としての封印ユニット319が設けられている。また、ボックスベース317とボックスカバー318とを跨ぐようにして封印シール320が貼り付けられている。
電源及び発射制御装置313は、基板ボックス316内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台325は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面326が設けられている。基板搭載面326には、電源及び発射制御装置313が搭載され、ネジ等で固定されている。電源及び発射制御装置313の基板ボックス316上には略平板状の台座プレート327が載置されるとともに台座プレート327上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源及び発射制御装置313との間には台座プレート327が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート327に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
取付台325には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン328が設けられており、掛止ピン328を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台325の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ329が設けられており、ナイラッチ329を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン328が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ329が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を図32,図33に基づいて説明する。図32は裏パックユニット203の正面図、図33は裏パックユニット203の分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する裏パック制御基板381が設置されている。また、裏パック制御基板381は、外部より主電源を取り込む役割を果たす。即ち、裏パック制御基板381には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ381aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図34のブロック図に基づいて説明する。図34では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置271に設けられた主制御基板278には、主制御回路500と停電監視回路508とが内蔵されている。主制御回路500には、上述したマイコンチップ278aとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、当該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置313に設けられた電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電力(データ記憶保持用電圧)が供給されてデータが保持される構成となっている。詳細には、電源及び発射制御基板313aには、データ記憶保持用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからデータ記憶保持用電力が供給される。
CPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路500の入力側には、主制御基板278に設けられた電源監視回路508、払出制御装置311に設けられた払出制御基板311a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、電源監視回路508には電源及び発射制御基板313aが接続されており、主制御回路500には電源監視回路508を介して電力が供給される。
一方、主制御回路500の出力側には、電源監視回路508、払出制御基板311a及び中継端子板276が接続されている。払出制御基板311aには、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。かかる場合に、当該各種コマンドは、ハーネスを介して一方向通信によって出力される。中継端子板276を介して主制御回路500から音声ランプ制御装置272に設けられた音声ランプ制御基板272aに対して各種コマンドなどが出力される。
電源監視回路508は、主制御回路500と電源及び発射制御基板313aとを中継し、また電源及び発射制御基板313aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板311aは、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御基板311aのRAM513は、主制御回路500のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電力が供給されてデータを保持できる構成となっている。
払出制御基板311aのCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板311aの入力側には、主制御回路500、電源及び発射制御基板313a、及び裏パック接続基板381が接続されている。また、払出制御基板311aの出力側には、主制御回路500及び裏パック接続基板381が接続されている。この場合に、裏パック接続基板381を介して払出装置358などを含む払出機構部352が接続されている。
電源及び発射制御基板313aは、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路500や払出制御基板311a等に対して各々に必要な動作電力を供給する。その概要としては、電源部は、裏パック接続基板381を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力、RAMのデータ記憶保持用電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力及びデータ記憶保持用電力を主制御回路500や払出制御基板311a等に対して供給する。なお、データ記憶保持用電力を生成するとは、データ記憶保持用コンデンサの充電を行うことをいう。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作にしたがって発射ソレノイド162の発射制御を担うものであり、発射ソレノイド162は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
なお、電源部には、RAM消去スイッチ回路が設けられており、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御回路500のRAM503に記憶されたデータをクリアするためのRAM消去信号を出力する。即ち、RAM消去スイッチ323が押された際、RAM消去スイッチ回路は主制御回路500に対してRAM消去信号を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御回路500においてRAM503のデータがクリアされる。また、この際、主制御回路500から払出制御基板311aに対して払出初期化コマンドが出力され、払出制御基板311aにおいてもRAM513のデータがクリアされる。
音声ランプ制御基板272aは、スピーカ20や各種ランプ102〜106、及び表示制御装置214を制御するものである。演算装置であるCPU521は、そのCPU521により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM522と、ワークメモリ等として使用されるRAM523とを備えている。
音声ランプ制御基板272aのCPU521にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板272aの入力側には中継端子板276に中継されて主制御回路500が接続されており、基本的には主制御回路500から出力される各種コマンドに基づいて、スピーカ20、各種ランプ102〜106、及び表示制御装置214を制御する。表示制御装置214は、音声ランプ制御基板272aから入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
次に、リーダ装置331によるID情報の読み取りに関する電気的構成について、図35のブロック図に基づいて説明する。なお、図34のブロック図において示した中継端子板276は図35のブロック図においては省略して示す。
リーダ装置331は、図35に示すように、その内部にCPU346、RF回路347、及び上述したリーダアンテナ333を備えている。CPU346には、当該CPU346により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMが内蔵されている。また、リーダ装置331は、タイマ回路からなる応答時間計測タイマ348を備えている。
リーダ装置331のCPU346は、音声ランプ制御装置272のCPU521に接続されている。したがって、リーダ装置331は音声ランプ制御装置272の制御に基づいて呼出波を発信し、さらにICタグ303から応答波を受信することで読み取ったID情報は音声ランプ制御装置272に対して出力される。
音声ランプ制御装置272のROM522には、ICタグ303のID情報が管理用ID情報として記憶されており、さらに基準応答時間が記憶されている。そして、音声ランプ制御装置272のCPU521では、これら管理用ID情報及び基準応答時間に基づいて不正検出処理を実行する。かかる不正検出処理において不正を検出した場合には、スピーカ20によるエラー報知音の出力、及びエラー表示ランプ106の点灯を実行するとともに、表示制御装置214に対してエラーコマンドを出力することで図柄表示装置41にてエラー検出表示を行う。
次に、音声ランプ制御装置272のCPU521において定期的に(例えば、2msec周期で)繰り返し実行される不正検出処理について図36のフローチャートを用いて説明する。
不正検出処理では、先ずステップS11にて、RAM523に設けられた待機中フラグ格納エリアに待機中フラグがセットされているか否かを判定する。待機中フラグはリーダ装置331に対して電波発信信号を出力することでセットされ、リーダ装置331から応答があった場合にクリアされるフラグである。つまり、待機中フラグがセットされている間はリーダ装置331からのID情報の入力待ち状態にある。
待機中フラグがセットされていない場合には、ステップS12〜ステップS13の不正検出設定処理を実行する。一方、待機中フラグがセットされている場合には、ステップS14〜ステップS19の不正検出判定処理を実行する。
不正検出設定処理では、先ずステップS12にて不正の検出開始時期となったか否かを判定する。ここで、本実施の形態では、待機中フラグがセットされていない状態で予め定められた特定期間(例えば、30min)が経過した場合にステップS12にて肯定判定をし、経過していない場合にはステップS12にて否定判定をする。ステップS12にて否定判定をした場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS12にて肯定判定をした場合には、ステップS13にて電波発信信号をリーダ装置331に対して出力し、さらに待機中フラグをセットした後に本処理を終了する。
リーダ装置331では、電波発信信号を音声ランプ制御装置272から入力することでICタグ303からのID情報の読み取りを開始する。ここで、リーダ装置331のCPU346にて実行されるID情報読み取り処理について図37のフローチャートを用いて説明する。なお、ID情報読み取り処理は定期的に(例えば、2msec周期で)繰り返し実行される。
ID情報読み取り処理では、先ずステップS21にて音声ランプ制御装置272から電波発信信号を入力したか否かを判定する。電波発信信号を入力していない場合には、そのままステップS23に進む。電波発信信号を入力している場合には、ステップS22にてRF回路347を駆動し、リーダアンテナ333を介して呼出波を発信する。この場合、1パルスの呼出波が発信されるようにRF回路347を駆動する。また、ステップS22では、カウントアップ式の応答時間計測タイマ348をON状態とする。その後、ステップS23に進む。
ステップS23では、ICタグ303から応答波を受信したか否かを判定する。応答波を受信していない場合には、そのまま本処理を終了する。応答波を受信している場合には、ステップS24にて、応答波から読み取ったID情報を音声ランプ制御装置272に出力する。また、ステップS24では、応答波を受信したタイミングにおける応答時間計測タイマ348の値を応答時間として音声ランプ制御装置272に出力する。さらに、ステップS24では、応答時間計測タイマ348をOFF状態とする。その後、本処理を終了する。
図36における不正検出処理の説明に戻り、ステップS13にて待機中フラグがセットされることにより、次回の不正検出処理ではステップS11にて肯定判定をする。これにより、不正検出判定処理を開始する。不正検出判定処理では、先ずステップS14にてリーダ装置331からID情報を入力したか否かを判定する。ID情報を入力している場合には、ステップS15に進む。
ステップS15では、入力したID情報とROM522に記憶された管理用ID情報とが一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS16に進み、ID情報と共に入力した応答時間がROM522に記憶された基準応答時間と一致するか否かを判定する。ここで、基準応答時間は、所定の範囲を持って設定されている。入力した応答時間が基準応答時間と一致する場合には(入力した応答時間が基準応答時間の範囲内に入る場合には)、ステップS17にて待機中フラグをクリアした後に本処理を終了する。
ステップS15において入力したID情報が管理用ID情報と一致しないと判定した場合、又はステップS16において入力した応答時間が基準応答時間と一致しないと判定した場合(入力した応答時間が基準応答時間の範囲内に入らない場合)には、ステップS18にて異常処理を実行した後に無限ループに入る。
異常処理では、スピーカ20からエラー報知音を出力するとともに、エラー表示ランプ106を点灯させる。さらに、表示制御装置214に対してエラーコマンドを出力し、図柄表示装置41にてエラー検出表示を行う。そして、無限ループに入っている間は、かかるエラー検出表示が継続される。これにより、遊技ホールの管理者等は、そのエラー検出表示が行われているパチンコ機10において不正行為が行われたことを把握することができる。なお、図柄表示装置41におけるエラー検出表示において、エラー検出の内容を表示させるようにしてもよい。
一方、ステップS14においてID情報を入力していないと判定した場合には、ステップS19に進む。ステップS19では、ステップS13にて電波発信信号を出力してから所定時間(例えば、5sec)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合には、そのまま本処理を終了する。所定時間が経過している場合には、ステップS18にて異常処理を実行した後に無限ループに入る。異常処理の内容は上述したとおりである。
ここで、上記不正検出処理で説明したように、本実施の形態では、リーダ装置331から呼出波を発信してから当該リーダ装置331にて応答波を受信するまでの応答時間を計測し、その計測結果に基づいて異常処理を実行する。このような不正検出の処理を実行するのは、以下の理由による。
つまり、主制御装置271に対する不正行為としては、不正行為後であってもリーダ装置331にて正規のID情報を読み取ることができるようにしてしまう行為が想定される。具体的には、貼付板部281,282を根元から切断することでICタグ303を破壊させずに基板ボックス273を開封し、主制御基板278のマイコンチップ278aを不正なチップに交換したり、主制御基板278に不正な電子部品を取り付ける。その後、図38に示すように、別途用意した不正な基板ボックス531に上記不正を施した主制御基板278を収容させて取付台251に取り付けるとともに、切断した貼付板部281,282をその不正な基板ボックス531に添える行為が想定される。図38においては、切断した貼付板部281,282が取付台251に対して固定されているが、これ以外にも不正な基板ボックス531内に収容させる行為が考えられる。かかる行為が行われると、切断された貼付板部281,282に貼り付けられた封印シール300のICタグ303が、正規のID情報を出力するためのダミー品として使用されることとなる。すなわち、基板ボックス273が開封され、主制御基板278(主制御装置271)に対して不正が行われているにも関わらず、リーダ装置331にて正規のID情報を読み取ることができてしまう。
これに対して、上記のとおり呼出波を発信してから応答波を受信するまでの応答時間を計測することで、ICタグ303を正規のID情報を出力するためのダミー品として使用する不正行為を発見することが可能となる。この応答時間の計測と不正行為の発見との相関について図39のタイムチャートを用いて説明する。
ICタグ303をダミー品として使用する不正行為が行われていない場合には、図39(a)に示すように、t1のタイミングでリーダ装置331から呼出波が発信されたのに対して、t2のタイミングでリーダ装置331にて応答波が受信され、応答時間がTaとなっている。この応答時間Taに対して±Tαの範囲が基準応答時間に該当する。
これに対して、ICタグ303をダミー品として使用する不正行為が行われ、且つICタグ303の位置がリーダ装置331のリーダアンテナ333に対し当初の位置よりも遠くなった場合(具体的には、図38のような場合)には、図39(b)に示すように、t1のタイミングでリーダ装置331から呼出波が発信されたのに対して、t3のタイミングでリーダ装置331にて応答波が受信され、応答時間がTbとなっている。この応答時間Tbは、基準応答時間Taに対してTb>(Ta+Tα)の関係にある。よって、上述した不正検出処理において異常処理が実行される。
また、ICタグ303をダミー品として使用する不正行為が行われ、且つICタグ303の位置がリーダ装置331のリーダアンテナ333に対して当初の位置よりも近くなった場合には、図39(c)に示すように、t1のタイミングでリーダ装置331から呼出波が発信されたのに対して、t4のタイミングでリーダ装置331にて応答波が受信され、応答時間がTcとなっている。この応答時間Tcは、基準応答時間に対してTc<(Ta―Tα)の関係にある。よって、上述した不正検出処理において異常処理が実行される。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置271の封印シール300にICタグ303を取り付けた。これにより、ICタグ303からID情報の読み取りを行うことで、主制御装置271に対して不正行為が行われたか否かを確認することができる。この場合に、ICタグ303との間に金属製の部材が介在せずに電波の送受が阻害されない領域にリーダ装置331を設置した。これにより、遊技ホールの管理者等がID情報の読み取り作業を行わなくてもID情報を確実に読み取ることができるため、ID情報の読み取りを良好に行うことができる。
但し、パチンコ機10にリーダ装置331を搭載した構成においては、当該リーダ装置331に対する不正が想定される。例えば、リーダ装置331に対して不正な電子部品などを取り付けることで、実際にはID情報を読み取っていないにも関わらずID情報を読み取っているように偽装するなどといった不正が想定される。この場合、ICタグ303を利用した不正の発見が正確に行われなくなってしまう。これに対して、リーダ装置331を被包手段としての基板ボックス273に収容した。これにより、パチンコ機10の背面部においてリーダ装置331が被包され、リーダ装置331に対する不正を抑制することができる。
また、上記のとおり基板ボックス273をリーダ装置331の被包手段としたことにより、既存の基板ボックス273が被包手段としての機能を果たすこととなるため、構成の簡素化を図りつつリーダ装置331に対する不正を抑制することができる。
主制御装置271においてリーダ装置331をパチンコ機10の背面部に露出したボックスカバー277と主制御基板278との間に配設した。そして、ボックスカバー277は透明性材料により成形されている。これにより、主制御装置271を取付台251から離脱させなくても、主制御装置271の基板ボックス273内に収容されたリーダ装置331を目視することができる。よって、リーダ装置331に動作不良が発生した場合には、リーダ装置331の確認を簡易的に行うことができる。
ボックスカバー277に主制御基板278を固定するとともに、ボックスカバー277と主制御基板278とにより囲まれる空間内にリーダ装置331を収容した。これにより、ボックスベース276からボックスカバー277を分離させたとしてもリーダ装置331の被包を解除することはできず、さらにボックスカバー277から主制御基板278を取り外さない限りリーダ装置331の被包を解除することはできない。よって、リーダ装置331に対して不正を行おうとする者にとってはその作業が煩雑となり、リーダ装置331に対する不正を抑制することができる。
主制御装置271において主制御基板278の部品実装面337におけるリーダ装置331のハウジング332と対峙する対峙領域FSには、電子部品及び配線パターンを不具備とした。リーダ装置331を主制御装置271の基板ボックス273内に収容した構成において、当該基板ボックス273内に収容された主制御基板278の電子部品や配線パターンがリーダ装置331のハウジング332によって隠れてしまうと、基板ボックス273を開封しリーダ装置331を取り外さない限りその隠れてしまった電子部品や配線パターンを目視することができない。これに対して、上記のとおり対峙領域FSには、電子部品及び配線パターンを不具備としたため、上記不都合の発生を抑制することができる。
リーダ装置331を収容させた主制御装置271においてリーダ装置331の読み取り結果を入力し不正検出処理を実行するのではなく、当該主制御装置271とは異なる音声ランプ制御装置272においてリーダ装置331の読み取り結果を入力し不正検出処理を実行するようにした。主制御装置271においてリーダ装置331の読み取り結果を入力し不正検出処理を実行する構成を想定すると、ICタグ303を取り付け監視対象とした主制御装置271に対して不正が行われると、不正検出処理が正確に行われなくなりICタグ303やリーダ装置331を設けた効果が消失してしまうおそれがある。これに対して、音声ランプ制御装置272において不正検出処理を実行することで、監視対象である主制御装置271に対する不正行為の有無に関係なく不正検出処理が正確に行われる。
リーダ装置331から呼出波を発信してから当該リーダ装置331にてICタグ303からの応答波を受信するまでの応答時間を計測するようにした。そして、かかる応答時間が予め設定された基準応答時間と一致しない場合には、異常処理を実行するようにした。これにより、ICタグ303を正規のID情報を発信するためのダミー品として使用する不正行為が行われた場合であっても、基準応答時間に対する実際の応答時間の差異を確認することで、かかる不正行為を発見することができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、上記第1の実施の形態と異なり、リーダ装置がパチンコ機10に搭載されていない。つまり、遊技ホールの管理者等がハンディ型のリーダ装置を用いてICタグ303からID情報の読み取り作業を行う。この場合に、本実施の形態では、ID情報の読み取り作業を確実に且つ効率良く行うことができる構成が設けられている。そこで、かかる構成について図40及び図41を用いて説明する。図40は本実施の形態におけるパチンコ機10の背面図、図41は本実施の形態における第1制御基板ユニット551の斜視図である。
図40及び図41に示すように、第1制御基板ユニット551は、上記第1の実施の形態と同様に、取付台552と、主制御装置553とを備えている。取付台552は、上記第1の実施の形態における取付台251と同様に合成樹脂により成形されており、さらに図示による説明は省略するが主制御装置553を搭載するための基板搭載面が形成されている。
主制御装置553は、上記第1の実施の形態における主制御装置271とほぼ同様の構成を備えている。つまり、基板ボックス554の左右方向の一側部には封印ユニット555が一体形成されている。また、基板ボックス554における封印ユニット555とは反対側の側部には貼付板部556,557が一体形成されており、貼付板部556,557にはICタグ558が埋め込まれた封印シール559が貼り付けられている。
但し、本実施の形態では、封印ユニット555と貼付板部556,557との位置が上記第1の実施の形態とは左右逆となるように基板ボックス554が成形されている。つまり、封印ユニット555は本体枠12における外枠11に対する回動軸側にあり、貼付板部556,557は本体枠12における外枠11に対する回動先端側にある。そして、貼付板部556,557が回動先端側にあるのに伴って、ICタグ558も回動先端側にある。また、主制御装置553は、本体枠12における外枠11に対する回動先端側に偏倚させて配置されている。したがって、ICタグ558は本体枠12における外枠11に対する回動先端側に近接した位置にある。
取付台552には、ICタグ558よりも前記回動先端側にて当該ICタグ558と対峙する位置決め用板部561が一体形成されている。位置決め用板部561は、その板面が左右方向を向くようにして形成されており、ICタグ558と対峙する板面は当該ICタグ558が取り付けられた貼付板部556,557の側面(上記第1の実施の形態における貼付面281b,282bに対応)全体と対峙している。また、位置決め用板部561は貼付板部556,557よりも後方に突出しており、位置決め用板部561と貼付板部556,557に貼り付けられた封印シール559との間には何ら部材が介在していない。
位置決め用板部561における外方を向く板面562(ICタグ558と対峙する板面とは反対側の板面562)には、ICタグ558からのID情報の読み取り作業に際してハンディ型のリーダ装置565を位置決めするための囲み壁563が一体形成されている。囲み壁563はリーダ装置565におけるリーダアンテナが設けられた読み取り側端部に対応させて形成されており、囲み壁563によって囲まれる領域は読み取り側端部を挿入可能な大きさとなっている。なお、囲み壁563を、その内壁がリーダ装置565の読み取り側端部の周壁と接するように形成してもよい。この場合、リーダ装置565の位置決めをより一定なものとすることができる。
ICタグ558からのID情報の読み取り作業について以下に説明する。読み取り作業を行う場合は、本体枠12を外枠11に対して回動させ本体枠12の背面側をパチンコ機10前方側に開放させる。そして、囲み壁563によって囲まれた領域にリーダ装置565の読み取り側端部を差し込んで位置決め用板部561の外方を向く面に当接させ、その状態でリーダ装置565を操作し呼出波を発信させる。上記のとおり位置決め用板部561は合成樹脂(電波を透過可能な材料)により形成されており、位置決め用板部561とICタグ558との間には何ら金属製の部材が介在していない。さらに、位置決め用板部561の位置はリーダ装置565から発信された呼出波がICタグ558に到達可能な位置に設定されている。したがって、リーダ装置565から発信された呼出波は途中で遮断されることなく、ICタグ558に到達する。ICタグ558からは呼出波に対して応答波が発信され、当該応答波はリーダ装置565にて受信される。これにより、リーダ装置565にてID情報を読み取ることができる。
次に、リーダ装置565及びそれに関連する電気的構成について図42のブロック図を用いて説明する。
リーダ装置565は、上記第1の実施の形態におけるリーダ装置331と同様にCPU566、RF回路567、リーダアンテナ568、及び応答時間計測タイマ569を備えている。CPU566には、当該CPU566により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM570と、そのROM570内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであるRAM571が内蔵されている。リーダアンテナ568を介して読み取ったID情報はRAM571に順次記憶されていく。
また、リーダ装置565は、ID情報の読み取り作業等に際して作業者によって操作される操作部572と、当該読み取り作業等に際して各種情報を表示する表示部573とを備えている。読み取り作業の開始に際しては操作部572に設けられた開始操作ボタンを操作することでリーダ装置565から呼出波が発信され、リーダ装置565にて応答波を受信した場合にはその旨が表示部573に表示される。また、操作部572にはテンキーが設けられており、ID情報の読み取り作業を開始するパチンコ機10の固有情報(例えば、台番号等)を開始操作ボタンの操作に合わせて入力する。
また、リーダ装置565は、RAM571に記憶したID情報をホールコンピュータ576に出力するための出力部574を備えている。かかる出力の構成は、出力部574をホールコンピュータ576の入力部に接続して行う構成であってもよく、電波や赤外線を用いて非接触で行う構成であってもよい。ホールコンピュータ576では、リーダ装置565からのID情報の入力に基づいて不正検出処理を実行する。なお、リーダ装置565からのID情報の出力先はホールコンピュータ576に限定されることはなく、ID情報の管理用に設けられた管理装置であってもよい。
次に、リーダ装置565のCPU566において実行されるID情報読み取り処理について図43のフローチャートを用いて説明する。なお、ID情報読み取り処理は定期的に(例えば、2msec周期で)繰り返し実行される。
ID情報読み取り処理では、先ずステップS31にてICタグ558からの応答波の受信待機中か否かを判定する。かかる待機中か否かの判定は、応答時間計測タイマ569がON状態か否かにより判定する。応答時間計測タイマ569がOFF状態となっている場合には、ステップS32にてリーダ装置565の操作部572に設けられた開始操作ボタンが操作されたか否かを判定する。操作されていない場合には、そのまま本処理を終了する。操作されている場合には、ステップS33にてRF回路567を駆動し、リーダアンテナ568を介して呼出波を発信する。この場合、1パルスの呼出波が発信されるようにRF回路567を駆動する。また、ステップS33では、カウントアップ式の応答時間計測タイマ569をON状態とするとともに、テンキーを用いて入力されたパチンコ機10の固有情報をRAM571に記憶する。その後、本処理を終了する。
一方、ステップS31にて応答時間計測タイマ569がON状態となっている場合には、ステップS34にてICタグ558から応答波を受信したか否かを判定する。応答波を受信している場合には、ステップS35にて、応答波から読み取ったID情報をRAM571に記憶する。また、ステップS35では、応答波を受信したタイミングにおける応答時間計測タイマ569の値を応答時間としてRAM571に記憶する。さらに、ステップS35では、応答時間計測タイマ569をOFF状態とする。なお、この際、表示部573にて応答波を受信した旨の表示を行い、ID情報の読み取りが完了した旨を報知する。その後、本処理を終了する。
ステップS34にて応答波を受信していない場合には、ステップS36にて、応答時間計測タイマ569の値が所定値となったか否かを判定する。所定値となっていない場合には、そのまま本処理を終了する。所定値となっている場合には、ICタグ558から応答がない旨のエラー表示を表示部573にて行う。これにより、作業者はそのパチンコ機10に対して何らかの不正行為が行われたことを把握することができる。
次に、ホールコンピュータ576において定期的に(例えば、2msec周期で)繰り返し実行される不正検出処理について図44のフローチャートを用いて説明する。
不正検出処理では、先ずステップS41にて、リーダ装置565からID情報を入力したか否かを判定する。入力していない場合には、そのまま本処理を終了する。入力している場合には、ステップS42にて管理用ID情報読み出し処理を実行する。管理用ID情報読み出し処理では、ID情報とともに入力した固有情報に基づいてID情報の出力元のパチンコ機10を特定し、その特定したパチンコ機Pの管理用に登録されたID情報を読み出す。より詳細には、ホールコンピュータ576には、管理データが予め作成されている。かかる管理データは、各パチンコ機10の固有情報とそれに対応する管理用のID情報とがセットで登録されている。そして、管理用ID情報読み出し処理では入力したID情報の固有情報に対応した管理用のID情報を読み出す。
その後、ステップS43では、入力したID情報と管理用のID情報とが一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS44に進み、ID情報と共に入力した応答時間が予めホールコンピュータ576に設定された基準応答時間と一致するか否かを判定する。ここで、本実施の形態では、上記のとおり位置決め用板部561が設けられているため、ID情報の読み取り時においてはリーダ装置565のリーダアンテナ568とICタグ558との間の距離が一定となり、応答時間は一定となる。この想定される応答時間に対して所定の範囲を持って設定された時間が基準応答時間である。但し、上記第1の実施の形態において説明したようなICタグ303を正規のID情報を出力するためのダミー品として使用する不正行為が行われた場合には、応答時間が基準応答時間と一致しない。入力した応答時間が基準応答時間と一致する場合には(入力した応答時間が基準応答時間の範囲内に入る場合には)、ステップS45にて正常処理を実行した後に本不正検出処理を終了する。
正常処理では、ホールコンピュータ576においてリーダ装置565から出力されたID情報の確認が正常に完了したことを記憶保持するとともに、その旨をホールコンピュータ576に接続された表示装置において表示する。
ステップS43において入力したID情報が管理用のID情報と一致していないと判定した場合、又はステップS44において入力した応答時間が基準応答時間と一致していないと判定した場合(入力した応答時間が基準応答時間の範囲内に入らない場合)には、ステップS46にて異常処理を実行した後に本不正検出処理を終了する。
異常処理では、ID情報が管理用のID情報と一致しなかったパチンコ機Pの台番号等、又は応答時間が基準応答時間と一致しなかったパチンコ機10の台番号等をホールコンピュータ576において記憶保持するとともに、その旨をホールコンピュータ576に接続された表示装置において表示する。
なお、リーダ装置565からホールコンピュータ576に対しては複数のID情報が一括して出力される。したがって、上述したステップS42〜ステップS46の各処理は複数のID情報に対してまとめて実行される。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ICタグ558との間に金属製の部材が介在せずに電波の送受が阻害されない領域に位置決め用板部561を設けた。これにより、ID情報の読み取り作業を行う際は、位置決め用板部561によって位置決めされる位置にリーダ装置565を配置することでID情報を確実に読み取ることができるため、ID情報の読み取りを良好に行うことができる。また、ID情報の読み取り作業を行う作業者にとっては、位置決め用板部561によって位置決めされる位置にリーダ装置565を配置すればID情報の読み取りを確実に行うことができるため、読み取り作業の作業性を向上させることができる。
また、ID情報の読み取り作業を行う際は、リーダ装置565を位置決め用板部561に当接させるだけでID情報を確実に読み取ることができる位置にリーダ装置565を配置することができる。よって、読み取り作業の作業性を向上させることができる。
また、ID情報の読み取り作業を行う際は、位置決め用板部561におけるICタグ558と対峙する面とは反対側の面にリーダ装置565を当接させればよいので、読み取り作業を行う作業者にとってはリーダ装置565の配置を無理なく行うことができる。よって、読み取り作業の作業性を向上させることができる。
また、ID情報の読み取り作業を行う際は、位置決め用板部561の囲み壁563によって囲まれた領域にリーダ装置565のリーダアンテナ568側の端部を挿入し、さらに当該端部を位置決め用板部561の板面562に当接させるようにした。これにより、リーダアンテナ568とICタグ558との間の距離が常に一定となるため、ID情報の読み取り作業を行う作業者にとっては常に同じ態様で作業を行うことができる。
本体枠12の背面における外枠11に対する回動先端側となる位置に位置決め用板部561を設けた。したがって、ID情報の読み取り作業を行う際は、本体枠12をパチンコ機10前方に回動させることで位置決め用板部561が作業者にとって近い位置となり、リーダ装置565を位置決め用板部561の位置に配置し易くなる。これにより、読み取り作業の作業性のさらなる向上を図ることができる。
上記のようにID情報の読み取り作業を行う際はリーダ装置565の配置位置が一定となるようにした構成において、リーダ装置565から呼出波を発信してから当該リーダ装置565にてICタグ558からの応答波を受信するまでの応答時間を計測するようにした。そして、かかる応答時間が予め設定された基準応答時間と一致しない場合には、異常処理を実行するようにした。これにより、ICタグ558を正規のID情報を発信するためのダミー品として使用する不正行為が行われた場合であっても、基準応答時間に対する実際の応答時間の差異を確認することで、かかる不正行為を発見することができる。
(他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)リーダ装置の設置に関する構成の変形例を図45(a),(b)に示す。図45(a),(b)はリーダ装置の設置に関する構成を説明するための説明図である。
図45(a)では、リーダ装置581は、主制御装置271と当該主制御装置271の取付台582との間に配設されている。詳細には、取付台582には、主制御装置271の封印シール300と対峙する位置に裏面側に凹ませて収容部583が形成されている。収容部583は主制御装置271側に開放されている。そして、この開放部が主制御装置271のボックスベース276によって塞がれている。つまり、収容部583と主制御装置271との間に形成された収容空間は閉じられた空間となっている。この収容空間にリーダ装置581が設置されている。この場合に、リーダ装置581はそのリーダアンテナ584が主制御装置271の封印シール300と対峙するように配置されており、封印シール300のICタグ303からID情報を読み取ることができる。
図45(b)では、リーダ装置591は、主制御装置271の取付台592の裏面側に設置されている。この場合に、リーダ装置591はそのリーダアンテナ593が主制御装置271の封印シール300と対峙するように配置されており、封印シール300のICタグ303からID情報を読み取ることができる。ここで、上記第1の実施の形態と同様に、取付台592は遊技盤30の裏面に設けられており、取付台592の裏面は遊技盤30の裏面と対峙している。さらには、取付台592の裏面にはリーダ装置591を囲むようにして周囲壁594が一体形成されており、周囲壁594の先端は遊技盤30の裏面に当接している。したがって、遊技盤30から取付台592を取り外し、又は後退させない限りリーダ装置591を露出させることができない。よって、リーダ装置591に対する不正行為を抑制することができる。
なお、上記各構成以外にも、リーダ装置をパチンコ機10の背面において被包することなくICタグに並設するようにしてもよい。
(2)リーダ装置によるID情報の読み取りに関する電気的構成の変形例について、図46のブロック図に基づいて説明する。
図46に示すように、パチンコ機10に搭載されたリーダ装置331は、音声ランプ制御装置272に読み取り結果を出力するのではなく、遊技ホールのホールコンピュータ601に読み取り結果を出力する(なお、かかる読み取り結果の出力は有線通信に限定されることはなく無線通信であってもよい)。ホールコンピュータ601は、CPU602、ROM603、RAM604、入出力ポート605、及び表示装置606を備えている。ROM603内には、遊技ホールの各パチンコ機10に設けられた各ICタグ303のID情報が記憶されている。そして、ホールコンピュータ601では、各パチンコ機10のリーダ装置331からID情報を収集し、不正検出処理を実行する。これにより、パチンコ機10の外部にて不正有無の判定及び異常処理を実行することができる。例えば、パチンコ機10内部にて不正有無の判定及び異常処理が実行される構成においては、それら処理を行う装置に対して不正が行われると、ICタグ303やリーダ装置331を設けた効果が消失してしまう。これに対して、パチンコ機10外部のホールコンピュータ601において不正有無の判定及び異常処理を実行することで、ICタグ303やリーダ装置331を設けた効果が好適に発揮される。
ここで、本構成では、リーダ装置331に対して電源及び発射制御装置313を介して動作電力が供給される。この場合に、リーダ装置331に対しては、パチンコ機10の電源のOFF後においても動作電力が供給されるようになっている。詳細には、電源及び発射制御装置313には、主制御装置271のRAM503に対して上述したデータ記憶保持用電力を供給するためのデータ記憶保持用コンデンサ608(データ記憶保持用電源部)が設けられている。このデータ記憶保持用コンデンサ608は電源及び発射制御装置313の電源部に接続されており、パチンコ機10の電源がON状態の場合にはデータ記憶保持用コンデンサ608にて蓄電される。また、データ記憶保持用コンデンサ608は主制御装置271のCPU501のVBB端子に電気的に接続されている。したがって、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合にはデータ記憶保持用コンデンサ608から放電され、RAM503に対してデータ記憶保持用電力が供給される。
この場合に、このデータ記憶保持用コンデンサ608はリーダ装置331に対しても電気的に接続されており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合にはデータ記憶保持用コンデンサ608から放電され、リーダ装置331に対して動作電力が供給される。これにより、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であってもリーダ装置331によるID情報の読み取りは継続される。ちなみに、データ記憶保持用コンデンサ608の容量は比較的大きく確保されており、電源がOFF状態となる前にRAM503に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持されるとともに、スキャナSCに対しても所定の期間内(例えば、1日や2日)に亘って動作電力が供給される。また、ホールコンピュータ601は、各パチンコ機10の電源をOFF状態とする遊技ホールの閉店時であっても電源はON状態に維持されている。これにより、リーダ装置331におけるID情報の読み取り結果は、遊技ホールの閉店時であってもホールコンピュータ601にて入力され、不正検出処理が実行される。
なお、データ記憶保持用電力を供給するデータ記憶保持用電源部は、コンデンサに限定されることはなく、バッテリーや電池等であってもよい。
(3)上記(2)の構成において、リーダ装置331にデータ記憶保持用電力を供給するか否かは任意である。また、電源及び発射制御装置313に設けられたデータ記憶保持用コンデンサ608からリーダ装置331に電力を供給するのではなく、主制御装置271に電源遮断時用電源部を設け、当該電源部からリーダ装置331に電力を供給するようにしてもよい。また、ホールコンピュータ601側からリーダ装置331に通常時電力及び/又は電源遮断時用電力を供給するようにしてもよい。また、リーダ装置331に固有の電源部を搭載するようにしてもよい。
(4)上記第1の実施の形態では、主制御装置271においてリーダ装置331をボックスカバー277と主制御基板278との間に配設したが、これに代えて、ボックスベース276と主制御基板278との間に配設してもよい。この場合、主制御装置271を取付台251に取り付けた状態では、リーダ装置331を目視することができなくなるが、その代わりにリーダ装置331をパチンコ機10の背面部において隠すことができる。リーダ装置331をパチンコ機10の背面部において隠すことで、リーダ装置331に対する不正を抑制することができる。
(5)上記第1の実施の形態では、リーダ手段をリーダ装置として設けたが、かかるリーダ手段を主制御基板278に対してリーダ回路として形成してもよい。つまり、主制御基板278の所定の板面(例えば、部品実装面337)にリーダ回路用の配線パターンを形成するとともに、電子部品を実装することでリーダ回路を形成する。これにより、リーダ手段をリーダ装置として設ける構成に比べ、リーダ手段の嵩を小さくすることができ、上記実施の形態に比べ、主制御装置271の薄型化を図ることが可能となる。
この場合に、リーダ回路を主制御基板278におけるボックスカバーを向く面(すなわち、パチンコ機10後方を向く面)に形成することで、主制御装置271を取り外すことなくリーダ回路を確認することができる。一方、リーダ回路を主制御基板278におけるボックスベースを向く面(すなわち、遊技盤30の背面を向く面)に形成することで、パチンコ機10の背面部においてリーダ回路を隠すことができる。
(6)上記第1の実施の形態では、リーダ装置331を主制御基板278に固定したが、リーダ装置331をどこに固定するかは任意であり、例えば、リーダ装置331をボックスカバー277に固定してもよい。
(7)上記第1の実施の形態において遊技中はリーダ装置331から呼出波を発信しないようにしてもよい。つまり、遊技球発射機構160から遊技球が発射されている間、遊技領域を遊技球が流下している間、図柄表示装置41において図柄の可変表示が行われている間、及び払出装置358から遊技球が払い出されている間などにはリーダ装置331から呼出波を発信しないようにする。遊技中に電波が発信されると、それがノイズとなり各種制御装置などが誤作動することで遊技の正常な進行が阻害されるおそれがあるが、本構成とすることによりかかる不都合の発生を抑制することができる。
(8)上記第1の実施の形態では、主制御基板278におけるリーダ装置331のハウジング332の底面332bと対峙する対峙領域FSには電子部品が実装されておらずさらに配線パターンが形成されていない構成としたが、対峙領域FSだけでなく、その周囲の領域にも電子部品が実装されておらずさらに配線パターンが形成されていない構成としてもよい。例えば、主制御基板278の部品実装面337における左右方向の領域において、対峙領域FSの内側端部よりも外側の領域の全体には電子部品が実装されておらずさらに配線パターンが形成されていない構成としてもよい。
(9)上記第1の実施の形態では、リーダ装置331と音声ランプ制御装置272のCPU521との間に信号経路を形成し、当該音声ランプ制御装置272にてリーダ装置331におけるID情報の読み取り結果に基づく不正検出処理を実行するようにしたが、これに代えて、リーダ装置331と主制御装置271のCPU501との間に信号経路を形成し、主制御装置271にてリーダ装置331におけるID情報の読み取り結果に基づく不正検出処理を実行するようにしてもよい。
また、リーダ装置331にて独自に不正検出処理を実行し、主制御装置271のCPU501や音声ランプ制御装置272のCPU521などで不正検出処理を実行しないようにしてもよい。当該構成においては、不正検出処理における検出結果を、主制御装置271のCPU501や音声ランプ制御装置272のCPU521等に出力するようにしてもよい。
また、リーダ装置331にて独自に不正検出処理を実行する構成においては、リーダ装置331をスピーカ20やエラー表示ランプ106に電気的に接続しておき、エラー報知を実行する際はリーダ装置331がスピーカ20やエラー表示ランプ106を直接駆動するようにしてもよい。さらに、リーダ装置331にスピーカなどを搭載しておき、エラー報知を実行する際はそのスピーカを駆動しエラー報知音を出力させるようにしてもよい。
(10)上記各実施の形態では、リーダ装置にて応答時間を計測し、その計測結果に基づいて不正の有無の検出を行う構成としたが、かかる応答時間の計測、及びその計測結果に基づく不正の有無の検出を行わない構成としてもよい。
(11)上記各実施の形態では、応答時間の計測をリーダ装置にて行うようにしたが、これを変更してもよい。例えば、上記第1の実施の形態においては、応答時間の計測を音声ランプ制御装置272等において行うようにしてもよい。また、上記第2の実施の形態においては、応答時間の計測をホールコンピュータ576において行うようにしてもよい。
(12)ICタグを取り付ける対象は主制御装置271,553に限定されることはなく、例えば、払出制御装置311や音声ランプ制御装置272等にICタグを取り付けてもよい。そして、それら制御装置等に対して上記各実施の形態におけるリーダ装置に関する構成を適用してもよい。
(13)上記第2の実施の形態では、位置決め手段として、囲み壁563を有する位置決め用板部561を取付台552に設けたが、位置決め手段の構成はこれに限定されることはない。例えば、位置決め手段として取付台552や主制御装置553等に係合部を設け、その係合部にリーダ装置565を係合させることで当該リーダ装置565が位置決めされるようにしてもよい。また、位置決め用板部を主制御装置553の基板ボックス554に形成してもよい。
(14)上記第2の実施の形態では、位置決め手段を本体枠12の外枠11に対する回動先端側に設けたが、リーダ装置を位置決めさせた際にICタグのID情報を読み取ることができるのであれば、位置決め手段の配置位置は任意である。例えば、位置決め手段を本体枠12の外枠11に対する回動軸側に設けてもよい。
(15)上記各実施の形態において、リーダ装置における出力周期タイマをカウンタとして構成してもよい。すなわち、ID情報読み取り処理は、例えば、2msec周期などといったように定期的に実行されるため、ID情報読み取り処理を実行する毎にカウンタの値に1加算していく構成とすることで、カウンタの値によって出力周期を特定することが可能となる。
(16)上記各実施の形態では、直線状に延びるアンテナ部を有するICタグ303,558を用いたが、これに代えて、略直線状又は弧状に延びるアンテナ部を有するICタグを用いてもよい。
(17)上記各実施の形態では、ICタグ303,558を有する封印シール300,559を、主制御装置271,553の基板ボックス273,554外面に貼り付ける構成としたが、この構成を変更する。例えば、同基板ボックス273,554の内周面に貼り付けても良い。また、基板ボックス273,554を構成する樹脂材にICタグ303,558を埋設しても良い。さらに、ICタグ303,558を有するシール部材を基板部材に直接貼り付けても良い。
(18)上記各実施の形態では、ICタグ303,558はリーダ装置からの呼出波を受信することにより識別情報を応答波として発信する構成としたが、これに代えて、識別情報を含んだ電波を常時発信するICタグとしてもよい。
(19)上記各実施の形態では、表示制御装置214は音声ランプ制御装置272から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、表示制御装置214は主制御回路500から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御するとともに、音声ランプ制御装置272に対して音声ランプコマンドを出力するようにする。そして、音声ランプ制御装置272は、表示制御装置214から入力する音声ランプコマンドに基づいてスピーカ20や各種ランプ102〜106を駆動制御するようにする。かかる構成において上記第1の実施の形態では、表示制御装置214にて不正検出処理を実行するようにしてもよい。
また、表示制御装置214と音声ランプ制御装置272とを別個に設けるのではなく、両者の機能が集約された一のサブ制御装置を設ける構成としてもよい。かかる構成において上記第1の実施の形態では、そのサブ制御装置にて不正検出処理を実行するようにしてもよい。
(20)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、電子タグを設けた本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、電子タグを設けた本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、電子タグを設けた本発明を適用できる。