JP2014239931A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子タグを利用した不正発見作業を、いつでも効率良く行うことのできる遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ機における遊技の進行を制御する主制御装置271には、封印シール300が貼り付けられている。封印シール300にはICタグが埋め込まれており、ICタグにはID情報が格納されている。ICタグにおいてID情報はリーダ装置346から呼出波を受信することにより呼び出され、応答波として発信される。この場合に、前扉枠13と主制御装置271との間には、誘導体330及び反射板341,342が設けられており、これら誘導体330及び反射板341,342により前扉枠13からICタグに向けて延びる伝播路L1が形成されている。
【選択図】 図28

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機は、遊技制御処理を実行するCPU、遊技制御プログラムが記憶されたROM、遊技の進行により発生する各種データを一時的に記憶するRAM等の各種電子部品が実装された制御基板を備えている。そして、ROMに記憶された遊技制御プログラムに従って、CPUにより遊技機に搭載されている各種遊技機器が制御され、一連の遊技が実行される。
この種の遊技機では、制御基板を正規のものとは異なる不正な制御基板に変更したり、ROM(ROMがCPUと共に1チップ化されている場合には当該チップ)を不正なものに交換したりする等の不正行為の発生が数多く報告されている。
このような不正行為に対処すべく、例えば、制御基板を透明な基板ボックス内に収容して制御基板の状態を外部から容易に視認できるようにする、基板ボックスに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を設けて基板ボックスの開封時には破壊等による開封履歴を残すようにする、または基板ボックスを構成する複数のケース体を跨ぐように再貼付不可能でありかつ剥がすと痕跡が残る有脆弱性の封印シールを貼付する等の不正対策が採用されている(例えば特許文献1参照)。これらの不正対策は、基板ボックスが開封された事実や制御基板が交換された事実を目視確認する場合にその確認作業を補助するものであり、またこのような不正対策の存在により不正行為を躊躇させる効果もある。
上記の各種不正対策はいずれも制御基板や基板ボックスを目視確認するものであり、制御基板は遊技機の背面や筐体内部に隠されて設置されているため、日々の確認作業は煩雑である。また、封印箇所を目視では確認しづらい程度に巧妙に復元したものを発見するのは大変な作業である。特に、遊技機設置台数の多い大型の遊技ホールではそのような問題が顕著となる。
一方、目視確認による不正対策以外の新たな不正対策として、例えば、制御基板または当該制御基板を収容する基板ボックスに、固有ID等の識別情報が記憶されたICチップ部及びアンテナ部を含む電子タグを取り付けた構成が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特開2003−180917号公報 特開2005−143641号公報
電子タグを取り付けておけば、遊技ホールの管理者などがリーダ装置などの読取装置により識別情報の読取作業を行うことで、制御基板の不正な交換等の発生有無が確認される。このような電子タグを用いた不正対策では、読取装置による読取結果により不正発見をすることができることから、封印箇所の目視確認に比べて不正発見のための労力は少ないし、不正の見落としも少なくなることが期待される。
しかしながら、電子タグを用いた不正対策においても、電子タグから発信される電波が微弱であることに起因して読取装置を電子タグに近づける必要があるため、遊技機内部や背面を遊技ホール通路側に開放しなければならない。このような開放作業は封印箇所の目視確認の場合と変わりないことから、遊技機の稼動中などには確認作業ができないなど作業期間が制限されるとともに効率面でも依然として改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電子タグを利用した不正発見作業を、いつでも効率良く行うことのできる遊技機を提供することを主たる目的とするものである。
本発明は、固有の識別情報を格納した記憶部とこの識別情報を含む電波を発信するアンテナ部とを備えた電子タグを、遊技機内部又は背面部に設置された制御装置に備えるとともに、
遊技機前方から読取装置により前記識別情報を読取可能とすべく、前記電子タグから発信される電波の導波路を構成する導波管を備え、
当該導波管内は誘電体により塞がれていることを特徴とする。
本発明によれば、電子タグを利用した不正発見作業を、いつでも効率良く行うことのできる遊技機を提供することが可能となる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図である。 パチンコ機を構成する本体枠の前面構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 遊技球発射機構の構成を示す正面図である。 前扉枠の構成を示す背面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 本体枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 本体枠の背面構成を示す斜視図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 軸受け金具の構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 主制御装置の斜視図である。 主制御装置の分解斜視図である。 基板ボックスを説明するための説明図である。 主制御装置に貼り付けられた封印シール周辺を拡大して示す斜視図である。 主制御装置の基板ボックスに形成された貼付板部の縦断面図である。 封印シールの構成を示す断面図である。 (a)は封印シールの構成を示す正面図、(b)は封印シールの構成を示す背面図である。 封印シールの構成を示す背面図である。 (a)は封印シール周辺を拡大して示す正面図、(b)は封印シール周辺を拡大して示す側面図、(c)は封印シール周辺を拡大して示す背面図である。 伝播路を説明するための遊技盤の斜視図である。 伝播路を説明するための第1制御基板ユニットの斜視図である。 伝播路を説明するためのパチンコ機の横断面図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態における伝播路を説明するための概略図である。 パチンコ機における第1導波体周辺の構成を説明するための縦断面図である。 パチンコ機における第1導波体周辺の構成を説明するための縦断面図である。 第3の実施の形態における可変入賞装置周辺の構成を説明するための縦断面図である。 可変入賞装置周辺の構成を説明するための縦断面図である。 第4の実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。 スロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図である。 筐体の正面図である。 別の伝播路を説明するためのパチンコ機の横断面図である。 別の伝播路を説明するためのパチンコ機の横断面図である。 別の伝播路を説明するための概略図である。 遊技ホールにおける不正監視の構成を説明するための概略図である。
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段1.固有の識別情報を格納した記憶部(ICチップ305)とこの識別情報を含む電波を発信するアンテナ部(アンテナ部306)とを備えた電子タグ(ICタグ303,614)を、遊技機内部又は背面部に設置された制御装置(主制御装置271,610)に備えるとともに、
遊技機前方から読取装置により前記識別情報を読取可能とすべく、前記電子タグから発信される電波の導波路を構成する導波管(導波管331,561,617、金属製ベース572等)を備え、
当該導波管内は誘電体(誘電体332,565,579,618)により塞がれていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、制御装置に設けられた電子タグは、記憶部とアンテナ部とを備えており、記憶部に格納された識別情報は電波としてアンテナ部から発信される。この場合、電波の導波路を構成する導波管が設けられており、アンテナ部から発信された電波は遊技機前面部に導かれる。また、導波管により電波を導くようにしたことにより、アンテナ部から発信された電波は確実に遊技機前面部に導かれる。これにより、遊技機内部又は背面部に設置された制御装置を遊技機前面側に露出させなくても、遊技機前面部にて読取装置により電波を受信することで識別情報を読み取ることができる。よって、電子タグを利用した不正発見作業を、いつでも効率良く行うことができる。
また、導波管内が誘電体により塞がれていることにより、導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していない。導波管の内部が電波の伝播方向に貫通した構成においては、導波管を介して不正用冶具を遊技機奥側へ挿入する行為が想定される。特に、導波管が制御装置に向けて延びた構成においては、導波管を介して不正用冶具を制御装置に向けて挿入されるおそれがある。これに対して、本構成によれば導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していないため、上記不正行為を抑制することができる。また、導波管内を塞ぐのは誘電体であるため、導波管内における電波の伝播が阻害されることはない。
なお、導波管内の全体を誘電体で埋めるようにしてもよい。この場合、不正用治具の挿入をより確実に抑制することができる。一方、導波管内の一部に誘電体を設けて導波管内を塞ぐようにすることで、導波管を伝播する電波の減衰を極力抑えつつ、不正用治具の挿入を抑制することができる。
また、誘電体として、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂などといった合成樹脂が用いられる。
また、導波管は、断面が円形状のものに限定されることはなく、断面方形状(断面多角形状)であってもよい。
手段2.前記遊技機前面部と前記制御装置との間には、遊技が実行される遊技装置ユニット(遊技盤30、リールユニット596)を備え、
前記導波管を、前記遊技装置ユニットを貫通するようにして、又は前記遊技装置ユニットを避けるようにして設置したことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
電波は金属を透過し難いため、電子タグのアンテナ部から発信される電波が遊技装置ユニットによって遮断されないようにする必要がある。この場合に、手段2によれば、導波管が遊技装置ユニットを貫通するようにして、又は遊技装置ユニットを避けるようにして設けられているので、電子タグのアンテナ部から発信された電波は遊技装置ユニットによって遮断されることはない。
また、上記手段1の構成を備えており、導波管の内部は電波の伝播方向に貫通していない。遊技装置ユニットを貫通するようにして、又は遊技装置ユニットを避けるようにして導波管を設置した構成において導波管の内部が電波の伝播方向に貫通している構成を想定すると、遊技機前面側から導波管内に不正用冶具を挿入することで、当該不正用冶具を遊技装置ユニットの奥側にある制御装置の位置まで容易に差し入れることができてしまうと考えられる。これに対して、上記のとおり導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していないため、かかる不正行為を抑制することができる。
手段3.前記電子タグからの電波を前記導波管に向けて反射させる電波反射板(反射板341,342,553,554等)を設けたことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
手段3によれば、電波反射板によって電波の伝播方向を変えることができるため、電波を遊技機前面部に導く上で導波管と電子タグとの間に種々の障害物が存在したとしても、それを避けて電波を導くことができる。
手段4.前記遊技装置ユニットは盤面(盤面30a)に多数の釘(釘37)が配設されて遊技領域(遊技領域S)が形成された遊技盤(遊技盤30)であり、
当該遊技盤を貫通させて前記導波管を設置したことを特徴とする手段2又は3に記載の遊技機。
手段4によれば、遊技盤の奥側に制御装置が設置された構成において、遊技盤を貫通させて導波管を設置することにより電子タグのアンテナ部から発信された電波が遊技盤にて遮断されることはなく、遊技機前面部への電波の導出を良好に行うことができる。
また、上記手段1の構成を備えており、導波管の内部は電波の伝播方向に貫通していない。遊技盤を貫通させて導波管を設置した構成において導波管の内部が電波の伝播方向に貫通している構成を想定すると、遊技機前面側から導波管内に不正用冶具を挿入することで、当該不正用冶具を遊技盤の奥側にある制御装置の位置まで容易に差し入れることができてしまうと考えられる。これに対して、上記のとおり導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していないため、かかる不正行為を抑制することができる。
手段5.前記導波管を、前記遊技領域の外方にて前記遊技盤を貫通するようにして設置したことを特徴とする手段4に記載の遊技機。
遊技領域には多数の釘が配設されているため、遊技領域内にて遊技盤を貫通させて導波管を設置しようとしてもそれが困難である。また、遊技領域内における盤面から導波管が突出すると、遊技領域を流下する遊技球が導波管に当たってしまう。これに対して、手段5によれば、遊技領域の外方にて遊技盤を貫通するようにして導波管が設置されているので、導波管の設置を良好に行うことができる。
手段6.前記遊技盤の盤面側における前記遊技領域の外方には所定の情報が記載された証紙(証紙ラベル53)を備え、前記遊技機前面部における前記証紙と対峙する位置には当該証紙に記載された情報を遊技機前方から視認可能とする透明板(小窓107に取り付けられた透明樹脂)を設けた構成であって、
前記導波管を、前記証紙の裏面側にて前記遊技盤を貫通するようにして設置したことを特徴とする手段5に記載の遊技機。
証紙に記載された情報を遊技機前方から視認可能とするために証紙と遊技機前面部の透明板との間に何らかの部材が介在することはない。この場合に、手段6によれば、証紙の裏面側に導波管が設置されているので、導波管から放射された電波が途中で遮断されることはなく、遊技機前面部にて読取装置により識別情報を読み取ることができる。
手段7.前記証紙を保持する非金属製の証紙保持部(証紙用ベース51の手前側板部55)を有し、
当該証紙保持部を前記盤面よりも遊技機前方に設けるとともに、前記導波管をその一端が前記証紙保持部に近接した位置となるように設置したことを特徴とする手段6に記載の遊技機。
手段7によれば、証紙保持部が盤面よりも遊技機前方に設けられているので、遊技機前面部に設けられた透明板に対して証紙の位置が近くなり、当該証紙の視認性の向上が図られる。この場合に、導波管はその一端が証紙保持部に近接した位置となるように設置されている。これにより、導波管の一端の位置が遊技機前面部に近い位置となり、遊技機前面部における読取装置による識別情報の読み取りを行い易くなる。
また、上記手段1の構成を備えており、導波管の内部は電波の伝播方向に貫通していない。導波管の一端の位置が遊技機前面部に近い位置となった構成においては、遊技機前面側から導波管内に不正用冶具を挿入し易くなる。この場合に、導波管の内部が電波の伝播方向に貫通している構成を想定すると、当該不正用冶具を遊技盤の奥側にある制御装置の位置まで容易に差し入れることができてしまうと考えられる。これに対して、上記のとおり導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していないため、かかる不正行為を抑制することができる。
手段8.前記遊技盤には、当該遊技盤を前後方向に貫通するようにして設けられた入球装置(一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33)を備え、当該入球装置に遊技球が入球した場合に遊技者に特典が付与される構成であって、
前記入球装置の遊技球通路(導出通路580)を構成するようにして前記導波管を設置し、
さらに、当該導波管を前記遊技盤の背面側から突出させて設け、
当該導波管には、前記遊技盤の背面側において遊技球を導波管外部に排出する孔部(孔部578)を形成するとともに、当該導波管内における前記孔部よりも奥側が前記誘電体により塞がれていることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
手段8によれば、入球装置に設けられた遊技球通路により、電子タグのアンテナ部から発信された電波を遊技機前面部に導くための導波管としての機能が果たされる。これにより、遊技盤を貫通する既存の構成を利用して導波管を設けることができる。
また、導波管が遊技盤の背面側から突出させて設けられているので、導波管の奥側端部が電子タグに対して近い位置となり、電子タグのアンテナ部から発信された電波が導波管内に導入され易くなる。この場合に、導波管内における孔部よりも奥側が誘電体により塞がれていることにより、導波管内を通る遊技球は誘電体に当たることでそれ以上奥側に進むことはない。よって、導波管内を通る遊技球を外部へ確実に導出することができる。つまり、誘電体は導波管の内部が電波の伝播方向に貫通しないようにする機能だけでなく、導波管内を通る遊技球を外部へ確実に導出する機能をも有することとなる。
手段9.前記遊技盤は、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な複数の入球部(一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33)と、いずれの入球部にも入球しなかった遊技球を前記遊技領域から排出させるアウト口(アウト口36)とを備え、
当該アウト口を構成するようにして前記導波管を設置し、
さらに、当該導波管を前記遊技盤の背面側から突出させて設け、
当該導波管には、前記遊技盤の背面側において遊技球を導波管外部に排出する孔部(孔部564)を形成するとともに、当該導波管内における前記孔部よりも奥側が前記誘電体により塞がれていることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
手段9によれば、アウト口により、電子タグのアンテナ部から発信された電波を遊技機前面部に導くための導波管としての機能が果たされる。これにより、遊技盤を貫通する既存の構成を利用して導波管を設けることができる。
また、アウト口は他のいずれの入球部にも入球しなかった遊技球を遊技領域から排出する機能を有するため、アウト口に入球した遊技球を排出する必要はなく、導波管に対して球検出手段等を取り付ける必要がない。よって、導波管の構成を簡素なものとしつつ上記効果を得ることができる。また、球検出手段が取り付けられていると、電子タグからの電波がノイズとなり球検出手段が誤作動するおそれがある。これに対して、アウト口を構成するようにして導波管を設けたことにより、かかる不都合の発生を防止することができる。
また、導波管が遊技盤の背面側から突出させて設けられているので、導波管の奥側端部が電子タグに対して近い位置となり、電子タグのアンテナ部から発信された電波が導波管内に導入され易くなる。この場合に、導波管内における孔部よりも奥側に誘電体により塞がれていることにより、導波管内を通る遊技球は誘電体に当たることでそれ以上奥側に進むことはない。よって、導波管内を通る遊技球を外部へ確実に導出することができる。つまり、誘電体は導波管の内部が電波の伝播方向に貫通しないようにする機能だけでなく、導波管内を通る遊技球を外部へ確実に導出する機能をも有することとなる。
手段10.前記遊技機前面部に、前記読取装置を近接させて前記識別情報を読み取るために使用される読取エリアを設け、
当該読取エリアと前記電子タグとが遊技機前後方向に並ぶよう構成し、
さらに、前記読取エリアと前記電子タグとを結ぶようにして遊技機前後方向に延びる導波管を設置したことを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
手段10によれば、遊技機前後方向に延びる導波管のみによって電子タグのアンテナ部から発信される電波を遊技機前面部に導くことができ、電波の導出に関する構成の簡素化を図ることができる。また、一の導波管により電波を導くようにした構成において、導波管の長さを極力短くすることができる。これにより、電子タグのアンテナ部から発信された電波の減衰が極力抑えられ、遊技機前面部における読取装置による識別情報の読み取りを良好に行うことができる。
また、上記手段1の構成を備えており、導波管の内部は電波の伝播方向に貫通していない。読取エリアと電子タグとを結ぶようにして遊技機前後方向に延びる導波管を設置した構成において導波管の内部が電波の伝播方向に貫通している構成を想定すると、遊技機前面側から導波管内に不正用冶具を挿入することで、当該不正用冶具を制御装置の位置まで容易に差し入れることができてしまうと考えられる。これに対して、上記のとおり導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していないため、かかる不正行為を抑制することができる。
手段11.前記導波管にアース手段(アース接続部331a、アース線333)を設けたことを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
手段11によれば、導波管に対してアース手段が設けられていることにより、導波管が帯電することが防止される。導波管が帯電するとそれが制御装置等に対してノイズとなるおそれがある。本構成によれば、かかる不都合の発生を防止することができる。
手段12.前記電子タグとして、第1電子タグ(主側ICタグ651)と、当該第1電子タグに対して離間させて設けられる第2電子タグ(払出側ICタグ652)とを備え、
前記導波管をその延びる方向の途中位置にて分岐させることにより、その分岐位置から前記第1電子タグ側に延び当該第1電子タグから発信される電波を遊技機前面側に導く第1導波部(主側導波部654)と、前記分岐位置から前記第2電子タグ側に延び当該第2電子タグから発信される電波を遊技機前面側に導く第2導波部(払出側導波部655)とを設け、
前記第1導波部及び前記第2導波部の両方に対して前記導波管の内部が電波の伝播方向に貫通しないように前記誘電体を設けたことを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。
手段12によれば、遊技機において遊技に関わる複数種の装置に対して電子タグを設けることが可能となり、遊技機に対する不正をより効果的に抑制することができる。この場合に、導波管には第1導波部と第2導波部とが設けられているので、第1電子タグからの電波及び第2電子タグからの電波は共に一の導波管を伝播することとなる。これにより、各電子タグからの識別情報を遊技機前面部における所定の一箇所で読み取れるようにすることが可能となり、複数種の装置に対して電子タグを設けた構成において識別情報の読み取り作業の作業性を向上させることができる。
また、第1導波部及び第2導波部の両方に対して導波管の内部が電波の伝播方向に貫通しないように誘電体が設けられている。これにより、電子タグが設けられた各装置に対して、導波管を介して不正用冶具を挿入しようとする不正行為を抑制することができる。
手段13.前記電子タグは、前記アンテナ部にて所定周波数の電波を受信することにより前記識別情報を含んだ電波を応答波として発信することを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
手段13によれば、電子タグから常に電波が発信されているのではなく、読取装置から所定周波数の電波が発信されそれがアンテナ部にて受信された場合に応答波として発信される。これにより、識別情報の読み取り作業時ではない遊技時などにおいて電子タグから電波が発信されることが防止される。遊技時などにおいて電子タグから電波が発信されると、それが制御装置に対してノイズとなり制御装置が誤動作するおそれがあるが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止することができる。
また、上記手段1等の構成を備え導波管が設けられていることにより、上記構成の電子タグであったとしても、識別情報の読み取りを容易に行えるようになっている。つまり、識別情報の読み取り作業に際しては、遊技機前面部にて読取装置から呼出波を発信させることで、その呼出波は導波管を伝播し電子タグのアンテナ部にて受信される。そして、呼出波の受信に伴い電子タグから発信される応答波は呼出波の伝播した経路を反対方向に伝播し、遊技機前面部にある読取装置にて受信される。
手段14.前記制御装置には、前記アンテナ部の少なくとも一部が遊技機前方を向くようにして前記電子タグを設置したことを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機。
手段14によれば、電子タグのアンテナ部からは少なくとも遊技機前方に向けて電波が発信される。これにより、伝播路や導波管内にアンテナ部からの電波が導入され易くなる。
手段15.一方の面に粘着層(粘着層302)を有するベースシート(ベースシート301)の粘着層側に前記電子タグを貼り付けてシール部材(封印シール300)を構成し、そのシール部材を前記制御装置に貼り付けたことを特徴とする手段1乃至14のいずれかに記載の遊技機。
手段15によれば、シール部材が制御装置に貼り付けられることにより、電子タグが同制御装置に取り付けられる。この場合、電子タグを、ベースシートに覆われるようにして制御装置に貼り付けることができ、同電子タグの保護を図ることができる。
手段16.長尺状をなす前記アンテナ部を直線状、略直線状又は弧状に拡げた状態で前記電子タグを前記ベースシートに貼り付ける一方、前記ベースシートを、前記制御装置への貼付状態から剥がす際にその応力に伴い破損が生じる程度の脆弱性を有するものとしたことを特徴とする手段15に記載の遊技機。
手段16によれば、ベースシートは一旦貼り付けた後は、剥がす際の応力により破損するため、その破損に伴って長尺状のアンテナ部にも破損が生じる。したがって、シール部材を剥がす場合には電子タグの破損を招くこととなり、電子タグを取り出そうとする不正行為が抑制できる。
手段17.分離可能な複数のケース体(ボックスベース276、ボックスカバー277)内に制御基板を収容して前記制御装置を構成し、前記ケース体間の分割部分を跨ぐようにして前記シール部材を貼り付けたことを特徴とする手段16に記載の遊技機。
手段17によれば、ケース体間の分割部分を跨ぐようにしてシール部材が貼り付けられているため、制御基板の取り出しや、制御基板への不正な電子部品の装着などを目的として各ケース体を分離する場合には、シール部材を一旦剥がさなければならない。そのため、上記のとおりシール部材を剥がすことに伴い電子タグの破損が生じ、その後の電子タグの使用を不可とすることができる。これにより、不正行為の発見が可能となる。
手段18.前記シールが貼り付けられるケース体を相互に締結する締結具(ネジ283,284)を設けるとともに、当該締結具の少なくとも一部を覆うようにして前記シール部材を貼り付け、
さらに、前記ベースシートを略四角形状に形成するとともに、
前記アンテナ部を、その長手方向が前記ベースシートのすべての辺方向と交差し、前記ベースシートとともに前記ケース体間の境界を跨ぐように前記ベースシートの一辺側から他の一辺側に亘って延び、さらに前記締結具における前記シールに覆われる部分と対峙するようにして配置したことを特徴とする手段17に記載の遊技機。
手段18によれば、シール部材をその隅角からではなく、その一辺全体から剥がそうとしたとしても、アンテナ部の長手方向と交差する方向に破壊が生じる。そして、破壊が生じた位置にてアンテナ部が分断されることとなる。この場合、遊技ホールの管理者等が読取装置により記憶部に格納された識別情報を確認できなくなるので、制御基板に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、アンテナ部は、締結具と対峙するようにして配置されている。したがって、締結具を取り外すべく締結具を露出させるようにシール部材を巧妙に剥がそうとしたとしても、そのためにはシール部材におけるアンテナ部が配置された部分を剥がす必要が生じる。そして、かかる場合、アンテナ部が分断され読取装置により識別情報が確認できなくなることで、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
なお、「略四角形状」としては、正方形状や長方形状などが考えられる。
手段19.前記締結具を着脱自在とし、
前記シール部材を前記締結具の取り外し方向側の端部(頭部283a,284aの頂上)を覆うようにして貼り付けるとともに、前記アンテナ部を当該端部と対峙するようにして配置したことを特徴とする手段18に記載の遊技機。
手段19によれば、締結具は着脱自在であるため、遊技ホールなどにおける制御基板の点検時やメンテナンス時には締結具の締結を解除し制御基板を取り出すことが可能である。かかる構成において、制御基板を不正に取り出すためには締結具の取り外し方向側の端部を露出させる必要がある。この場合に、当該端部を露出させるようにシール部材を巧妙に剥がそうとしたとしても、当該端部と対峙するようにしてアンテナ部が配置されているためシール部材におけるアンテナ部が配置された部分を剥がす必要が生じる。したがって、締結具の取り外し方向側の端部を露出させようとするとアンテナ部が分断されて読取装置により識別情報が確認できなくなり、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
なお、「着脱自在」である構成とは、ケース体や締結具などの破壊を伴わずに当該締結具の着脱を行うことができる構成をいい、例えば、ネジやビスなどを締結具として用いる構成をいう。
手段20.前記アンテナ部を、前記締結具の前記端部を跨ぐようにして配置したことを特徴とする手段19に記載の遊技機。
手段20によれば、アンテナ部が締結具の取り外し方向側の端部を跨いでいるので、当該端部を露出させる際にアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
手段21.前記シール部材が貼り付けられる各ケース体には相互に連通する連通孔(ネジ孔285,286)を設けるとともに、前記締結具は前記連通孔に挿通された状態で締結を行い、
前記アンテナ部を、前記連通孔における前記締結具の取り外し方向の開口(取り外し側開口289,290)を跨ぐようにして配置したことを特徴とする手段19に記載の遊技機。
手段21によれば、アンテナ部が連通孔における締結具の取り外し方向の開口を跨いでいるので、締結具の取り外し方向側の端部を露出させる際にアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
手段22.前記アンテナ部の短手方向の寸法を、前記開口の開口幅よりも小さくするとともに、
前記アンテナ部を、前記開口を挟んで当該開口の周縁部を架渡すようにして配置したことを特徴とする手段21に記載の遊技機。
手段22によれば、開口を挟んで当該開口の周縁部を架渡すようにしてアンテナ部が配置されているので、シール部材を剥がす場合にはアンテナ部における開口の周縁部に対応する位置にシール部材を剥がす力に伴う応力が集中し易くなる。そして、アンテナ部の短手方向の寸法は開口の開口幅よりも小さくなっている。よって、アンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができ、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
なお、「連通孔における締結具の取り外し方向に位置する開口側を段差状に拡径させて締結具の頭部を収容する頭収容部を形成し、この頭収容部の段差部に前記頭部が当接することで前記締結具の挿入方向の移動が規制される構成」においては、アンテナ部の短手方向の寸法を、頭収容部の孔径よりも小さくする構成としてもよい。
手段23.前記ケース体の前記シール部材が貼り付けられる貼付面(貼付面281a,281b,282a,282b)に対応させて、前記アンテナ部が前記締結具と対峙する位置となるように前記シール部材の貼付位置をガイドするガイド手段(囲い部C)を設けたことを特徴とする手段18乃至22のいずれかに記載の遊技機。
手段23によれば、ガイド手段が設けられていることにより、シール部材を貼付面に貼り付けることで自ずとアンテナ部が締結具と対峙する。これにより、アンテナ部と締結具とを確実に対峙させることができる。また、シール部材を貼り付ける場合の作業性を低下させることなく、アンテナ部と締結具とを対峙させることができる。
手段24.前記ガイド手段は、前記貼付面を囲むようにして形成された囲い枠(囲い部C)であることを特徴とする手段23に記載の遊技機。
手段24によれば、シール部材を貼り付ける場合には囲い枠により囲まれた領域内にシール部材を持っていけばよく、シール部材を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。また、制御基板に対して不正を行うべくシール部材を剥がそうとしても、シール部材は囲い枠にて囲まれているためにその剥がし行為が非常に困難なものとなる。したがって、当該剥がし行為に際してベースシートが破壊され易くなり、さらにはアンテナ部が分断され易くなる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。さらには、囲い枠がガイド手段としての機能とシール部材の剥がし行為を困難なものとする機能とを併せ持つこととなり、構成の簡素化を図りつつ上記効果を奏することができる。
手段25.前記貼付面に前記シール部材を貼り付ける場合に前記アンテナ部が前記締結具と対峙する位置から外れない範囲内で、前記貼付面が前記シールの面積よりも広くなるように前記囲い枠を形成したことを特徴とする手段24に記載の遊技機。
手段25によれば、貼付面がシール部材の面積よりも広くなるように囲い枠が形成されている。また、貼付面はシール部材を貼り付ける場合にアンテナ部が締結具と対峙する位置から外れない範囲内で設定されている。これにより、シール部材を貼付面に貼り付ける場合の貼付位置にゆとりが生まれ、上記手段24における効果を奏するようにした構成においてシール部材を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。
手段26.前記締結具を複数設け、
さらに前記シール部材を前記複数の締結具に対してそれぞれの少なくとも一部を覆うようにして貼り付けるとともに、前記アンテナ部を前記複数の締結具における前記シール部材に覆われる部分と対峙するようにして配置したことを特徴とする手段18乃至25のいずれかに記載の遊技機。
手段26によれば、締結具が複数設けられているので、各ケース体が強固に締結される。かかる構成においては、制御基板を取り外すためにはすべての締結具の締結を解除する必要がある。この場合に、シール部材が複数の締結具に対してそれぞれの少なくとも一部を覆うようにして貼り付けられている。よって、不正に締結具の締結を解除する作業を煩雑なものとすることができ、さらにはかかる不正な解除作業に際してベースシートの破壊が生じる機会を多く設けることができる。一の締結具を巧妙に露出させることができたとしても、他の締結具を露出させる必要があるからである。
また、複数の締結具におけるシール部材に覆われる部分と対峙するようにしてアンテナ部が配置されているので、不正に締結具の締結が解除される場合においてアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
手段27.前記各ケース体の外周部には相互に対向する板面を有する貼付板部(貼付板部281,282)を設け、
前記締結具は、前記板面に対して略直交する方向に延び、前記両貼付板部における両者の境界を跨ぐようにして形成された連通孔(ネジ孔283,284)に挿通された状態で締結を行い、
さらに各貼付板部の境界を跨ぐようにして前記シール部材を貼り付ける構成であって、
前記締結具として、前記各貼付板部の境界に対して一方の貼付板部側への方向を取り外し方向とする第1締結具(第1ネジ283)と、その反対方向を取り外し方向とする第2締結具(第2ネジ284)とを設け、
前記シール部材を、前記第1締結具及び前記第2締結具の両方の取り外し方向側の端部(頭部283a,284aの頂上)を覆うようにして貼り付けるとともに、
前記アンテナ部を、前記両貼付板部における対応する締結具の取り外し方向側の面(第1貼付面281a、第2貼付面282a)に位置し、且つ前記第1締結具の前記端部又は前記第2締結具の前記端部の少なくとも一方と対峙するようにして配置したことを特徴とする手段18乃至25のいずれかに記載の遊技機。
手段27の遊技機では、貼付板部が締結具によって締結されるのに伴って、各ケース体が締結される。そして、その締結された貼付板部の境界を跨ぐようにしてシール部材が貼り付けられている。この場合に、締結具が複数設けられているので、各貼付板部(各ケース体)が強固に固定される。また、制御基板を取り外すためには、第1締結具及び第2締結具の締結を解除する必要がある。
かかる構成において、第1締結具は各貼付板部の境界に対して一方の貼付板部側への方向が取り外し方向となるように取り付けられているのに対して、第2締結具はその反対方向が取り外し方向となるように取り付けられている。そして、これら第1締結具及び第2締結具の取り外し方向側の端部を覆うようにしてシール部材が貼り付けられており、さらに両貼付板部における対応する締結具の取り外し方向側の面に位置するようにしてアンテナ部が配置されている。よって、不正に締結具の締結を解除する作業を煩雑なものとすることができ、さらにはかかる不正な解除作業に際してベースシートの破壊、及びアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。第1締結具の取り外し方向側の端部又は第2締結具の取り外し方向側の端部のいずれか一方を露出させることができたとしても、他方を露出させる必要があるからである。
また、例えば、第1締結具及び第2締結具のいずれもが、両貼付板部の境界に対して同一方向を取り外し方向とする構成においては、たとえ両貼付板部の境界を跨ぐようにしてシール部材を貼り付け、さらに両貼付板部における対応する締結具の取り外し方向側の面に位置するようにしてアンテナ部を配置していたとしても、当該シール部材における前記締結具の取り外し方向側の部分を剥がすだけで、すなわち、シール部材をすべて剥がすことなく、両締結具の取り外し方向側の端部を露出させることができてしまう。この場合、上記のようにシール部材を貼り付け、さらに上記のようにアンテナ部を配置した効果が好適に発揮されなくなってしまう。これに対して、本手段27における構成によれば上記のとおりであるので、当該効果が好適に発揮される。
手段28.前記アンテナ部を、前記第1締結具の前記端部及び前記第2締結具の前記端部の両方と対峙するようにして配置したことを特徴とする手段27に記載の遊技機。
手段28によれば、第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部と対峙するようにしてアンテナ部が配置されているので、不正に締結具の締結が解除される場合においてアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
手段29.前記アンテナ部を、前記ベースシートの中心に対して点対称となるようにして配置したことを特徴とする手段28に記載の遊技機。
手段29によれば、180°回転させて貼付面にシール部材を貼り付けたとしても、第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部に対してアンテナ部を対峙させることができる。よって、第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部に対してアンテナ部を対峙させるようにした構成において、シール部材を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。
なお、ベースシートを長方形状(矩形状)に形成することで、シール部材の貼り付け作業を行う作業者にとっては、シール部材の短手方向又は長手方向を基準として当該シール部材をケース体に貼り付けるだけで第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部に対してアンテナ部を対峙させることができ、シール部材を貼り付ける場合のさらなる作業性向上を図ることができる。
さらには、上記手段23乃至25のいずれかを備えた構成においては、ガイド手段によりシール部材の貼り付け位置がガイドされるため、シール部材の貼り付け作業を行う作業者にとっては、ガイド手段にガイドされた位置にシール部材を貼り付けるだけで第1締結具及び第2締結具の両方の取り外し方向側の端部に対してアンテナ部を対峙させることができ、シール部材を貼り付ける場合のさらなる作業性向上を図ることができる。
手段30.前記締結具を金属製とし、
前記アンテナ部を前記締結具に対して離間させて配置したことを特徴とする手段18乃至29のいずれかに記載の遊技機。
手段30によれば、締結具が金属製であるので、制御基板を不正に取り外すべく締結具を分断しようとする行為が抑制される。この場合に、アンテナ部が締結具に対して離間されているので、不正が行われていない場合における読取装置への識別情報の送信を確実に行うことができる。金属製の締結具とアンテナ部とが接触しているとアンテナ部に対して設定された周波数が変化してしまうなどといった理由により、読取装置への識別情報の送信が阻害されてしまうからである。よって、かかる不都合を生じさせることなく、締結具と対峙するようにしてアンテナ部を配置したことによる上述した効果を得ることができる。
手段31.前記シール部材が貼り付けられる各ケース体には相互に連通する連通孔(ネジ孔285,286)を設けるとともに、前記締結具は前記連通孔に挿通された状態で締結を行い、
前記締結具の挿通状態において当該締結具の取り外し方向側の端部(頭部283a,284aの頂上)の位置が前記連通孔におけるその軸線方向の途中位置となるよう構成し、
さらに、前記シール部材を、前記連通孔における前記締結具の取り外し方向に位置する開口(取り外し側開口289,290)を覆うようにして貼り付けるとともに、
前記アンテナ部を、前記締結具の前記端部と対峙するようにして配置したことを特徴とする手段30に記載の遊技機。
手段31によれば、締結具の取り外し方向側の端部の位置が連通孔におけるその軸線方向の途中位置となっているのに対して、アンテナ部の位置が連通孔における締結具の取り外し方向側の開口付近となっている。よって、締結具と対峙するようにアンテナ部を配置した構成において、金属製の締結具とアンテナ部とを確実に離間させることができる。
なお、上記手段21を備えた構成においては、アンテナ部が連通孔における前記開口を跨ぐこととなるので、アンテナ部が締結具の前記端部に向けて(連通孔内に向けて)撓みにくくなり、アンテナ部と締結具の前記端部とを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。
手段32.前記アンテナ部と前記締結具の前記端部との間には、両者を介在する介在部材を不具備としたことを特徴とする手段31に記載の遊技機。
手段32によれば、アンテナ部と締結具の取り外し方向側の端部との間に両者を介在する介在部材が不具備となっているので、アンテナ部と締結具の取り外し方向側の端部との間には所定の空間が形成されている。また、連通孔における締結具の取り外し方向に位置する開口を覆うようにしてシール部材が貼り付けられている。これにより、不正に締結具の締結を解除すべくシール部材を剥がして締結具の取り外し方向側の端部を露出させようとする場合において、アンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができる。つまり、シール部材は開口の周縁部を境界としてケース体に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分とが存在し、これはアンテナ部においても同様である。この場合に、締結具の取り外し方向側の端部を露出させようとしてシール部材を剥がすと、アンテナ部におけるケース体に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分との境界にシール部材を剥がす力に伴う応力が集中し易くなるからである。よって、制御基板に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
特に、上記手段22及び当該手段32を備えた構成においては、開口を挟んで当該開口の周縁部を架渡すようにしてアンテナ部が配置されており、さらにアンテナ部と締結具の取り外し方向側の端部との間に所定の空間が形成される。つまり、アンテナ部における架渡す部位が浮いた状態となる。よって、締結具の取り外し方向側の端部を露出させようとしてシール部材を剥がすと、アンテナ部におけるケース体に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分との境界にシール部材を剥がす力に伴う応力がより集中し易くなる。よって、アンテナ部の分断が生じる機会をより多く設けることができる。
手段33.前記アンテナ部を、前記ベースシートの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして配置したことを特徴とする手段18乃至32のいずれかに記載の遊技機。
手段33によれば、アンテナ部がベースシートの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして配置されていることにより、アンテナ部の長手方向の寸法を長く確保することができる。よって、シール部材が剥がされた場合におけるアンテナ部の分断が生じる機会を多く設けることができるので、制御基板に対して不正が行われたことをより確実に発見することができる。
手段34.前記アンテナ部を、前記ベースシートの対角線上に配置したことを特徴とする手段33に記載の遊技機。
手段34によれば、アンテナ部がベースシートの対角線上に設けられているので、アンテナ部の長さ寸法を極力大きく確保することができる。よって、シール部材が剥がされた場合におけるアンテナ部の分断が生じる機会をできる限り多く設けることができる。
手段35.前記記憶部はICチップであり、当該ICチップを基準としてその両側に向けて前記アンテナ部の長手方向が延びるように、前記ICチップの配置位置を設定したことを特徴とする手段18乃至34のいずれかに記載の遊技機。
手段35によれば、ICチップを基準としてその両側に向けてアンテナ部の長手方向が延びるようにICチップの配置位置が設定されているので、ICチップがシール部材の外縁側(一辺側)には位置しないこととなる。よって、ICチップの厚みに起因してシール部材が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップは所定の厚みを有するためシール部材におけるICチップの周囲とケース体との間には隙間が生じることとなる。この場合に、ICチップがシール部材の外縁側にあるとその外縁とケース体との隙間に指を掛けることでシール部材が剥がし易くなってしまう。これに対して、本手段のように、ICチップの位置がシール部材の外縁側でないことにより、所定の厚みを有するICチップを備えた構成においてシール部材が剥がし易くなることを抑制することができる。
なお、ICチップをアンテナ部の長手方向の略中央に配置することで、上記効果はより顕著なものとなる。
手段36.前記記憶部はICチップであり、前記アンテナ部の厚み寸法が前記ICチップの厚み寸法よりも小さいことを特徴とする手段18乃至35のいずれかに記載の遊技機。
手段36によれば、アンテナ部の厚み寸法がICチップの厚み寸法よりも小さいので、シール部材が剥がされた際にアンテナ部が破壊され易くなる。よって、制御基板に対して不正が行われたことをより確実に発見することができる。
この場合に、ICチップがシール部材の外縁側にあると、上記手段35に示したとおり、シール部材が剥がし易くなってしまう。これに対して、上記手段35の構成を備えることで、シール部材が剥がし易くなることを抑制することができる。
手段37.前記シール部材を、曲げ中心の延びる方向が該シール部材の一辺の延びる方向に対して略平行となるように、所定の角度又は所定の曲率で曲げて前記ケース体に貼り付けたことを特徴とする手段18乃至36のいずれかに記載の遊技機。
手段37によれば、曲げ中心の延びる方向がシール部材の一辺の延びる方向に対して略平行となるように、シール部材が所定の角度又は所定の曲率で曲げてケース体に貼り付けられているので、シール部材がその隅角から剥がされた場合のベースシートの破壊がより顕著に発生することとなる。なぜなら、上記のようにシール部材が貼り付けられている構成においてシール部材をその隅角から剥がそうとすると、曲げ中心の端部に剥がす力に伴う応力が集中するからである。この場合、制御基板に対して不正を行おうとする者は、自ずとシール部材の一辺に沿う方向に当該シール部材を剥がそうとする。これに対して、上記手段18の構成を備えていることにより、一辺に沿う方向にシール部材を剥がそうとするとアンテナ部が分断され、制御基板に対して不正が行われたことを容易に発見することができる。
手段38.前記ベースシートにおける前記アンテナ部の周囲に、アンテナ用切り込み(アンテナ用切り込み307)を複数形成したことを特徴とする手段18乃至37のいずれかに記載の遊技機。
手段38によれば、シール部材が剥がされた場合、その剥がす力に伴う応力がアンテナ部の周囲に形成されたアンテナ用切り込みの端部に集中し、アンテナ用切り込みの端部からベースシートが破壊されるのに伴ってアンテナ部も破壊され、その位置にてアンテナ部が分断されることとなる。よって、アンテナ部が分断され易くなり、制御基板に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。
手段39.前記アンテナ用切り込みは、前記アンテナ部の長手方向及び前記ベースシートのすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みであることを特徴とする手段38に記載の遊技機。
手段39によれば、アンテナ用切り込みは、アンテナ部の長手方向及びベースシートのすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みであるので、シール部材が一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込みのアンテナ部側端部に集中し易くなる。これにより、アンテナ用切り込みを介したアンテナ部の分断をより発生し易くすることができる。
なお、アンテナ部が分断されない程度でアンテナ部に達する位置までアンテナ用切り込みを形成する構成とすることにより、シール部材が剥がされた場合のアンテナ部の分断がより発生し易くなる。
また、アンテナ部を挟んでアンテナ用切り込みが直線状に並ばないようにすることで、例えば、遊技機の製造時におけるシール部材の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合に、アンテナ部を挟んで位置するアンテナ用切り込みが繋がりそれに伴ってアンテナ部が分断されてしまうことを抑制することができる。
手段40.前記ベースシートの少なくとも隅角に、外周から内側に向けて延びる複数の外縁切り込み(外縁切り込み309)を形成したことを特徴とする手段18乃至39のいずれかに記載の遊技機。
手段40によれば、シール部材をその隅角から剥がすと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込みの内側端部に集中しベースシートの破壊がより発生し易くなる。この場合、制御基板に対して不正を行おうとする者は、自ずとシール部材の一辺に沿う方向に当該シール部材を剥がそうとする。これに対して、上記手段18の構成を備えていることにより、一辺に沿う方向にシール部材を剥がそうとするとアンテナ部が分断され、制御基板に対して不正が行われたことを容易に発見することができる。
なお、外縁切り込みをベースシートの外周方向に多数並べて形成することにより、シール部材がその一辺に沿う方向に剥がされた場合に、ベースシートの破壊が発生し易くなる。これにより、シール部材が不正に剥がされたことの痕跡がベースシートに残ることとなり、不正の発見をより容易に行うことができる。
手段41.前記外縁切り込みの少なくとも内側端部を、線状又は鋭角状としたことを特徴とする手段40に記載の遊技機。
手段41によれば、外縁切り込みの少なくとも内側端部が線状又は鋭角状となっているので、シール部材をその隅角から剥がした場合に、その剥がす力に伴う応力が外縁切り込みの内側端部により局所的に集中することとなる。よって、シール部材をその隅角から剥がした場合の外縁切り込みを介したベースシートの破壊をより発生し易くすることができる。
手段42.前記ベースシートにおける隅角側に隅側切り込み(隅側切り込み308)を形成したことを特徴とする手段18乃至41のいずれかに記載の遊技機。
手段42によれば、ベースシートにおける隅角側に隅側切り込みが形成されているので、シール部材をその隅角から剥がした場合におけるベースシートの破壊がより発生し易くなる。この場合、制御基板に対して不正を行おうとする者は、自ずとシール部材の一辺に沿う方向に当該シール部材を剥がそうとする。これに対して、上記手段18の構成を備えていることにより、一辺に沿う方向にシール部材を剥がそうとするとアンテナ部が分断され、制御基板に対して不正が行われたことを容易に発見することができる。
なお、隅側切り込みをベースシートのコーナー部分に沿うようにして略L字状に形成する構成とすることにより、シール部材がその隅角から剥がされた場合に、ベースシートをより破壊され易くすることができ、さらには破壊の程度を大きくすることができる。
手段43.前記複数のケース体は一対のケース体からなり、一方のケース体に対して他方のケース体をスライドさせることで分離可能となる構成とし、前記シール部材を前記一対のケース体におけるスライド方向の端部に貼り付けたことを特徴とする手段18乃至42のいずれかに記載の遊技機。
手段43では、一方のケース体に対して他方のケース体をスライドさせることで、一対のケース体を分離させることができる。この場合に、シール部材が一対のケース体におけるスライド方向の端部に貼り付けられているので、ケース体を分離させるには必ずシール部材を剥がす必要がある。そして、上記手段18等の構成を備えていることにより、シール部材を剥がしたことが容易に且つ確実に発見される構成となっている。よって、制御基板に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
手段44.固有の識別情報を格納した記憶部とこの識別情報を含む電波を発信するアンテナ部とを備えた電子タグを、遊技機内部又は背面部に設置された遊技媒体の払出装置に備えるとともに、
遊技機前方から読取装置により前記識別情報を読取可能とすべく、前記電子タグから発信される電波の導波路を構成する導波管を備え、
当該導波管内が誘電体により塞がれていることを特徴とする遊技機。
手段44によれば、払出装置に設けられた電子タグは、記憶部とアンテナ部とを備えており、記憶部に格納された識別情報は電波としてアンテナ部から発信される。この場合、電波の導波路を構成する導波管が設けられており、アンテナ部から発信された電波は遊技機前面部に導かれる。また、導波管により電波を導くようにしたことにより、アンテナ部から発信された電波は確実に遊技機前面部に導かれる。これにより、遊技機内部又は背面部に設置された払出装置を遊技機前面側に露出させなくても、遊技機前面部にて読取装置により電波を受信することで識別情報を読み取ることができる。よって、電子タグを利用した不正発見作業を、いつでも効率良く行うことができる。
また、導波管内が誘電体により塞がれていることにより、導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していない。導波管の内部が電波の伝播方向に貫通した構成においては、導波管を介して不正用冶具を遊技機奥側へ挿入する行為が想定される。特に、導波管が払出装置に向けて延びた構成においては、導波管を介して不正用冶具を払出装置に向けて挿入されるおそれがある。これに対して、本構成によれば導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していないため、上記不正行為を抑制することができる。また、導波管内を塞いでいるのは誘電体であるため、導波管内における電波の伝播が阻害されることはない。
なお、導波管内の全体を誘電体で埋めるようにしてもよい。この場合、不正用治具の挿入をより確実に抑制することができる。一方、導波管内の一部に誘電体を設けて導波管内を塞ぐようにすることで、導波管を伝播する電波の減衰を極力抑えつつ、不正用治具の挿入を抑制することができる。
また、誘電体として、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂などといった合成樹脂が用いられる。
また、本手段44に対して上記手段2乃至43のいずれかを適用することで、本発明をより効果的なものとすることができる。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する球発射手段(遊技球発射機構160)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(レールユニット50)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置(リールユニット596)を備え、始動操作手段(スタートレバー600)の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段(ストップスイッチ601)の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2,図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成し、下皿16への球排出口17aが形成された奥壁パネル17とを備えている。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。
遊技球発射ハンドル18は、操作ハンドル18aと支持台座18bとより構成されている。支持台座18bには、周知の構成のため図示による説明は省略するが、遊技者が操作ハンドル18aに触れていることを検知するためのタッチセンサ、操作ハンドル18aが操作されたことを検知するための発射スイッチ及び操作ハンドル18aの操作量を検知するためのダイヤル可変抵抗器が設けられている。さらに、操作ハンドル18aを操作した状態で、遊技球の発射を止めるべく操作される止め打ちスイッチが設けられている。これらタッチセンサ、発射スイッチ、ダイヤル可変抵抗器及び止め打ちスイッチの信号線は、後述する電源及び発射制御装置313に接続されている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。球抜きレバー19が操作されると下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構160側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の木製の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、後述する遊技球発射機構160から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられている。遊技盤30の盤面30aにおいて当該レールユニット50によって区画された内側領域が遊技領域Sとなっている。遊技球発射機構160から発射された遊技球はレールユニット50を通じて遊技領域Sに案内されるようになっている。
遊技盤30には、その遊技領域Sにルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により盤面30aに取り付けられている。
作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘37が植設されていると共に、風車38等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部中央には、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48が横並びの状態で設けられている。また、これら両特定ランプ部47,48が配設された領域を挟むように、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。センターフレーム43の下部には、第2特定ランプ部48に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は8インチサイズの液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。この図柄の変動表示については、後に詳細に説明することとする。
第1特定ランプ部47には、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが配設されている。そして、作動口33への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には大当たりが発生し、青色が停止表示された場合には大当たりが発生しない。また、最終的に赤色で停止表示された場合と最終的に緑色で停止表示された場合とで大当たりの種類が異なり、前者の方が遊技者に有利な大当たりが発生する(いわゆる、確変大当たり)。
一方、第2特定ランプ部48には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが配設されている。この第2特定ランプ部48は、スルーゲート34の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤30における遊技領域Sの外側であって遊技盤30の右下隅部には、証紙ラベルを貼り付けるための証紙用ベース51がネジ止めされている。証紙用ベース51は、ポリスチレンなどといった合成樹脂により所定の厚みを有するよう成形されており、前面部52が遊技盤30の盤面よりも手前側にある。この前面部52に証紙ラベル53が貼り付けられている。証紙ラベル53には、製造メーカ名、遊技機製造番号、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコード(登録商標)が印刷等により記されている。
遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
樹脂ベース25の窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射機構160が取り付けられている。遊技球発射機構160は、図5に示すように、ベース部材としての金属板161を備えており、金属板161には、電磁式のソレノイド162と、発射レール163とが取り付けられている。
ソレノイド162は、本体部162aと出力軸162bとを主要構成部品として備えており、本体部161aへの電気的な信号の入力に基づき通電され、出力軸162bが伸縮方向に移動する。また、ソレノイド162は、通電時に出力軸162bが左斜め上方へ突出するように配置されている。発射レール163は、ソレノイド162により打ち出された遊技球を案内するものであり、その長手方向が出力軸162bの伸縮方向に延びるように配置されている。なお、発射レール163上には前扉枠13側の球出口(上皿23の最下流部より通じる球出口)から1つずつ遊技球Bが供給されるが、当該遊技球Bを発射レール163上に保持するためのストッパ164が金属板161上に取り付けられている。
以上の構成において、遊技者により遊技球発射ハンドル18が操作されるのに基づいてソレノイド162が通電されると出力軸162bが突出し、発射レール163上においてストッパ164により保持されている遊技球が打ち出される。そして、当該遊技球は発射レール163上を移動し、遊技領域Sに打ち出される。
発射レール163と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。したがって、仮に遊技球発射機構160から発射された遊技球がファール球としてレールユニット50内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。
本体枠12の前面において発射レール163の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図10参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。したがって、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。したがって、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。
樹脂ベース25には、窓孔26の右下部に略四角形状の小窓78が設けられている。小窓78は、遊技盤30に設けられた証紙用ベース51の外周形状に合わせて形成されており、証紙用ベース51は小窓78を貫通している。つまり、証紙用ベース51における証紙ラベル53が貼り付けられた前面部52は、樹脂ベース25の小窓78よりも手前側に突出している。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部にも小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。
樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図6に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
次に、前扉枠13について図1,図6を参照しつつ説明する。なお、図6は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には遊技領域Sのほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は円形に近い略楕円形状をなし、ガラス137が嵌め込まれている。
前扉枠13の下端部における右側には、透明樹脂を取り付けた小窓107が設けられている。小窓107は遊技盤30に取り付けられた証紙用ベース51と対峙する位置にあり、証紙用ベース51に貼り付けられた証紙ラベル53は小窓107を介して視認することができる。この場合、上記のとおり、証紙用ベース51は遊技盤30の盤面30aよりもパチンコ機10の前方に突出しており、証紙用ベース51の前面部52は小窓107に近接した位置にある。よって、証紙ラベル53の視認性の向上が図られている。また、小窓107に取り付けられた透明樹脂は平坦状に構成されており、証紙ラベル53を工場等で容易に機械読み取りできるようになっている。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状ランプ102が左右対称に設けられ、環状ランプ102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央ランプ103が設けられている。本パチンコ機10では、中央ランプ103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿ランプ104が設けられている。その他、中央ランプ103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図6に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図6の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図6の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域Sにまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図7はパチンコ機10の背面図、図8はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主制御基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、電源及び発射制御装置313(電源及び発射制御基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図9の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図10は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図11は本体枠12を後方より見た斜視図、図12は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図10にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する上側排出通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための下側排出通路218が形成されている。したがって、図10に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の上側排出通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の下側排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に下側排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も下側排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置にカウントスイッチ223が設けられている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、カウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271(主制御基板)に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271(主制御基板)に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271(主制御基板)に取り込まれ、該主制御装置271(主制御基板)よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311(払出制御基板)に出力される。そして、払出制御装置311(払出制御基板)の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。
集合板ユニット215には、その中央上部に中継端子板276が設けられており、さらにその右上部に盤用外部端子板230が設けられている。中継端子板276は、主制御装置271(主制御基板)や電源及び発射制御装置313(電源及び発射制御基板)から音声ランプ制御装置272への信号線を中継するものである。盤用外部端子板230には、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側のホールコンピュータに対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図13に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図10では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図10では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は下側排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが下側排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図14〜図16に基づいて説明する。図14は第1制御基板ユニット201の正面図、図15は同ユニット201の斜視図、図16は同ユニット201の分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(電源監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。主制御装置271には複数のコネクタが設けられており、各コネクタにハーネスや信号線が差し込まれることで、他の基板等(払出制御基板、盤面中継基板226等)との電気的な接続がなされるようになっている。なお、主制御装置271の詳細な構成については後に説明する。
音声ランプ制御装置272は、表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス274に収容されて構成されている。
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は縦横に直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置272は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。したがって、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。この場合に、取付台251には、遊技盤30に向けて延びる周壁256が一体形成されており、当該周壁256によって遊技盤30と取付台251の基板搭載面252,253との間には所定の空間が確保されている。
次に、主制御装置271の構成を図17〜図20に基づいて説明する。図17は主制御装置271の斜視図、図18は主制御装置271の分解斜視図、図19は主制御装置271の基板ボックス273を説明するための説明図、図20は主制御措置271の一部を拡大して示す斜視図である。
主制御装置271は、上記のとおり基板ボックス273を備えている。基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベース276と該ボックスベース276の開口部を覆うボックスカバー277とから構成されており、それらボックスベース276とボックスカバー277とから構成される内部空間に主制御基板278が収容されている。
主制御基板278は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生機、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがマイコンチップ278aに1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、入出力ドライバ用ICチップ278b及びラッチ用ICチップ278cが搭載されている。
ボックスベース276及びボックスカバー277は、ポリカーボネート樹脂などといった透明性を有する合成樹脂により形成されている。ボックスベース276には、底板部276aの長辺側に側板部276bが形成されており、短辺側の一側には側板部276bに連なるようにして段差部276cが形成されている。側板部276bの先端は内側に折り曲げて形成されている。側板部276bの右端部は、ボックスカバー277をスライド装着するための装着口276dとなっている。この場合、図19に示すように、ボックスカバー277を装着口276dから装着し、段差部276cに当たるまでスライド移動させることで、ボックスカバー277がボックスベース276上の所定位置に装着されるようになっている。
ボックスカバー277には、ボックスベース276の段差部276cと重なるようにして延出部277aが形成されている。延出部277aはボックスベース276の段差部276cと共に封印手段としての封印ユニット279(いわゆる、カシメ構造)を構成しており、当該封印ユニット279によってボックスベース276とボックスカバー277とが連結され、基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット279は、ボックスベース276とボックスカバー277とを連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図18等に示すように、5つの封印部材279a,279bが形成された構成となっており、この封印部材279a,279bの長孔に係止爪を挿入することでボックスベース276とボックスカバー277とが連結されるようになっている。この場合、係止爪を封印部材279a,279bから抜くことが不可能な構成となっているため、基板ボックス273を開封するためには封印部材279a,279bを破壊する必要が生じる。よって、基板ボックス273が不正に開封されたことの履歴を残すことができ、主制御基板278に対して不正が行われたことを発見することができる。この封印ユニット279が設けられた位置は、パチンコ機10の前面側から見て主制御装置271の左側部となっている。
ボックスカバー277及びボックスベース276には、封印ユニット279が設けられた側部とは反対側の側部に貼付板部281,282が設けられている。これら貼付板部281,282が設けられた位置は、パチンコ機10の前面側から見て主制御装置271の右側部となっている。これら貼付板部281,282は、締結具(連結具)としての金属製のネジ283,284によって締結されている(連結されている)。このように金属製のネジ283,284によって締結することで、主制御基板278を不正に取り外すべく両貼付板部281,282を締結する締結具を分断しようとする行為が抑制される。
かかる締結に関する構成について図21に示す貼付板部281,282の縦断面図を用いて説明する。各貼付板部281,282には、それぞれの長辺方向の両端側に各貼付板部281,282を貫通するようにしてネジ孔285a,285b,286a,286bが形成されている。ネジ孔285aとネジ孔285bとはその軸線が同一軸線上に位置するようにして形成されており、これらが連通されて第1ネジ孔285が形成されている。一方、ネジ孔286aとネジ孔286bとはその軸線が同一軸線上に位置するようにして形成されており、これらが連通されて第2ネジ孔286が形成されている。なお、第1ネジ孔285及び第2ネジ孔286は、各貼付板部281,282において上下に並んでいる。
第1ネジ孔285には、貼付板部281におけるパチンコ機10後方を向く面281a(以下、第1貼付面281aともいう)側を段差状に拡径させて頭収容部287が形成されている。これに対して、第2ネジ孔286には、貼付板部282におけるパチンコ機10前方を向く面282a(以下、第2貼付面282aともいう)側を段差状に拡径させて頭収容部288が形成されている。そして、これら頭収容部287,288に各ネジ283,284の頭部283a,284aが収容されるようにネジ283,284が螺着されている。つまり、一方のネジ283(以下、第1ネジ283ともいう)は第1貼付面281a側から螺着されているのに対して、他方のネジ284(以下、第2ネジ284ともいう)は第2貼付面282a側から螺着されている。
各ネジ283,284の螺着に際しては、各頭部283a,284aが各頭収容部287,288の段差部287a,288aに当接するまで螺着される。この場合に、各頭部283a,284aが段差部287a,288aに当接した状態(すなわち、締結が完了した状態)では、各ネジ283,284の頭部283a,284aは開口289,290(以下、取り外し側開口289,290ともいう)に対してX1の距離だけ内側の位置にある。つまり、各頭部283a,284aの頂上(先端)の位置は各ネジ孔285,286における軸線方向の途中位置となっている。
各ネジ283,284によって締結された貼付板部281,282には、図20等に示すように、封印シール300が貼り付けられている。この場合に、図20や図21等に示すように、各貼付板部281,282には、その上縁に一連の上側突条291a,292aが一体形成されており、その下縁にも一連の下側突条291b,292bが一体形成されている。そして、各貼付板部281,282が締結されていることにより、各上側突条291a,292aの先端が相互に当接するとともに、各下側突条291b,292bの先端が相互に当接している。また、各貼付板部281,282はそれぞれボックスカバー277の側方端部293及びボックスベース276の側方端部294に対して連続させて形成されており、これら側方端部293,294はそれぞれ各貼付板部281,282の基端側の区画壁を構成する。つまり、上側突条291a,292a、下側突条291b,292b、及び側方端部293,294は囲み部Cとして機能し、貼付板部281,282における貼付面281a、281b,282a,282bは当該囲み部Cによって囲まれている。
囲み部Cによって囲まれた貼付面281a、281b,282a,282bに封印シール300が略コ字状に曲げて貼り付けられている。この場合に、封印シール300の周縁は囲み部Cに近接しており、封印シール300を剥がそうとしても、その剥がし行為が非常に困難なものとなっている。封印シール300が貼り付けられていることにより貼付面281a、281b,282a,282bのほぼ全域が覆われている。したがって、各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290は封印シール300によって覆われている。
次に、封印シール300の構成を図22〜図25に基づいて説明する。図22は封印シール300の構成を示す断面図、図23(a)は封印シール300の構成を示す正面図、図23(b)は封印シール300の構成を示す背面図、図24は貼付面281a、281b,282a,282bに対する封印シール300の位置関係を説明するための説明図、図25(a)は封印シール300周辺を拡大して示す正面図、図25(b)は封印シール300周辺を拡大して示す側面図、図25(c)は封印シール300周辺を拡大して示す背面図である。なお、図24においては、後述する各切り込み307,308,309を省略して示す。
封印シール300は、略矩形状のベースシート301を備えており、ベースシート301の背面には粘着剤が塗布され粘着層302が形成されている。粘着層302には不正監視用の電子タグとしてのICタグ303が埋め込まれている。なお、図22においては、粘着層302の背面側に剥離シート304が示してある。この剥離シート304は封印シール300を基板ボックス273に貼り付ける際に剥がされる。
ベースシート301はポリエステル系フィルムなどの可撓性樹脂フィルムにより形成されており適度な脆性を有し、さらに溶剤や熱に対して反応性を有する。具体的には、粘着層302を構成する粘着剤に対して溶解性を備えたトルエンなどがベースシート301に塗布されると、ベースシート301は変色する。また、粘着層の粘着力が低下する温度(例えば、50℃)以上の熱が加えられた場合にもベースシート301は変色する。これにより、基板ボックス273の貼付板部281,282から封印シール300を不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、ベースシート301が変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
ベースシート301の表面には、図23(a)に示すように、インク塗布部301a、識別番号部301b及び機種情報部301cが設けられている。インク塗布部301aには、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別番号部301bには、複数の数字が記載されており、当該識別番号部301bに記載される数字はパチンコ機毎に異なっている。機種情報部301cには、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。なお、インク塗布部301a及び識別番号部301bが設けられた上部領域R1は貼付板部281の第1貼付面281aに位置し、機種情報部301cが設けられた中間領域R2は両貼付板部281,282の側面側に位置し、下部領域R3は貼付板部282の第2貼付面282aに位置している。
粘着層302の粘着剤は、従来の封印シールと同様に、一旦貼り付けされた後に剥がされるとベースシート301から剥がれる程度の粘着力を有している。したがって、封印シール300が剥がされた場合には再度貼り付けすることが不可能なものであり、さらには粘着層の一部が貼付板部281,282側に残ることとなる。よって、封印シール300を不正に剥がした痕跡を残すことができる。
ICタグ303は、ICチップ305及びアンテナ部306より構成されており、長尺状のアンテナ部306の中央付近にICチップ305が配置されている。ICチップ305は集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別情報としてのID情報が格納されている。具体的には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。ICチップ305のメモリ領域はデータ書き換え不可であるため、ID情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できるようになっている。
アンテナ部306は、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ305の厚みよりも薄い。また、アンテナ部306は、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップ305のID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部306から発信することができるように構成されており、アンテナ部306から発信されたID情報を、リーダ装置で受信して読み取ることができるようになっている。詳細には、リーダ装置からは前記周波数の電波で呼び出しが行われるようになっており、この電波により誘導電磁界が形成される。そして、誘導電磁界内にアンテナ部306が含まれると、アンテナ部306に電磁誘導で起電力が発生する。ICチップ305ではこの起電力を電源として、メモリ領域に格納されているID情報を制御部で呼び出してアンテナ部306から発信する。
ICタグ303(アンテナ部306)は、図23(b)に示すように、ベースシート301においてその一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。この場合、長尺状のアンテナ部306はその長手方向がベースシート301のすべての辺方向と交差することとなる。そして、封印シール300が両貼付板部281,282に跨って貼り付けられているのに伴って、アンテナ部306も両貼付板部281,282に跨っている。また、ICタグ303は、矩形状のベースシート301の中心に対して点対称となるように配置されている。
封印シール300には、アンテナ部306の長手方向に沿って等間隔で並ぶ多数のアンテナ用切り込み307が形成されている。アンテナ用切り込み307は、アンテナ部306の長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、ベースシート301の表面側から粘着層302の背面側まで貫通している(なお、図23(a)ではアンテナ用切り込み307を省略して示してある)。
アンテナ用切り込み307が延びる方向は、アンテナ部306の長手方向に対して略直交する方向であるため、ベースシート301のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み307は、アンテナ部306に若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ部306はアンテナ用切り込み307により分断されていないため、ID情報の出力に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み307がアンテナ部306を挟んで直線状に並ばないように、アンテナ部306の一側に位置するアンテナ用切り込み307と他側に位置するアンテナ用切り込み307とは、アンテナ部306の長手方向にずらして形成されている。
封印シール300の4隅には、ベースシート301の表面側から粘着層302の背面側まで貫通する隅側切り込み308がそれぞれ形成されている。隅側切り込み308は、封印シール300の隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。また、封印シール300の外縁には、図23に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み309が形成されている。これら外縁切り込み309は、内側から外側に向けて開くようにして鋭角のV字状となっており、さらに封印シール300の外周に沿って等間隔で形成されている。
封印シール300を貼付板部281,282から剥がそうとする場合、封印シール300をその隅角から剥がす場合と、封印シール300の一辺に沿う方向に剥がす場合とが想定される。前者の場合、剥がす力に伴う応力が隅側切り込み308や外縁切り込み309に集中するため、封印シール300の破壊が生じ易い。一方、後者の場合、この剥がす方向はアンテナ部306の延びる方向に対して交差する方向である。したがって、剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み307の端部に集中することで、アンテナ用切り込み307を介してベースシート301が破壊され、アンテナ部306が分断される。アンテナ部306が分断されるとID情報が出力されなくなるので、ID情報をリーダ装置で読み取ることができなくなる。よって、主制御基板278に対して不正行為が行われた場合には、それを容易に発見することができる。
次に、封印シール300のアンテナ部306と各貼付板部281,282を締結する各ネジ283,284との位置関係について説明する。
アンテナ部306の両端部306a,306bは、図25等に示すように、第1貼付面281a及び第2貼付面282aにおいて、各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290を跨ぐようにして配置されている。詳細には、アンテナ部306の短手方向の寸法は当該開口289,290の孔径よりも小さくなっており、さらにアンテナ部306はその両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を挟んで当該開口289,290の周縁部を架渡すように配置されている。このようにアンテナ部306が配置されていることにより、アンテナ部306の両端部306a,306bは対応するネジ283,284の頭部283a,284aと対峙している。
かかる構成において、上記のとおり、各ネジ283,284の頭部283a,284aの頂上の位置は各ネジ孔285,286における軸線方向の途中位置となっている。すなわち、各頭部283a,284aの頂上の位置は封印シール300に対して各ネジ孔285,286内に入り込んだ位置となっている。したがって、アンテナ部306と各ネジ283,284とは、図21に示すように離間されている。また、アンテナ部306と各ネジ283,284との間には両者を介在する介在部材が設けられていない。つまり、アンテナ部306と各ネジ283,284との間には空間BSが設けられている。これにより、アンテナ部306が各ネジ283,284に接触することが防止されている。特に、上記のとおりアンテナ部306が取り外し側開口289,290を挟んで当該開口289,290の周縁部を架渡すように配置されているため、アンテナ部306がネジ孔285,286内に向けて撓みにくくなり、アンテナ部306と各ネジ283,284の頭部283a,284aとを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。例えば、アンテナ部306が各ネジ283,284に接触すると、設定された共振周波数(本実施の形態では、2.45GHz)が変化してしまい、ICチップ305に記憶されたID情報がリーダ装置によって読み取れなくなるおそれがあるが、本実施の形態における構成によればかかる不都合の発生を防止することができる。
上記のとおり各貼付板部281,282には囲み部Cが形成されており、封印シール300の周縁は囲み部Cに近接している。したがって、封印シール300の貼り付け作業に際しては、封印シール300が囲み部Cによって囲まれた領域内からはみ出ないように貼り付けることで、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する。
また、図24に示すように、囲み部Cによって囲まれる領域は、封印シール300の面積よりも広くなっている。これにより、封印シール300の貼り付け作業に際しては、貼り付け位置に所定のゆとりが生まれ、貼り付け作業の作業性が向上されている。この場合に、その貼り付け位置のゆとりは、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、且つ各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する範囲内で形成されている。さらに、上記のとおりICタグ303は矩形状のベースシート301の中心に対して点対称となるように配置されているため、封印シール300を上下逆に貼り付けたとしても、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、且つ各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する。
ここで、本実施の形態では、リーダ装置によるICタグ303からのID情報の読み取りをパチンコ機10の前面側にて行えるように電波の伝播路が設けられている。そこで、以下にかかる伝播路の構成について図26〜図28を用いて説明する。図26は伝播路を説明するための遊技盤の斜視図、図27は伝播路を説明するための第1制御基板ユニット201の斜視図、図28は伝播路を説明するためのパチンコ機10の横断面図である。
伝播路L1は、遊技盤30に設けられた導波体330と、第1制御基板ユニット200に設けられた複数(本実施の形態では、2枚)の反射板341,342とを用いて構成されている。先ず、導波体330について説明する。
導波体330は、図28に示すように、鉄や銅等により成形された導波管331と、当該導波管331の管内全体を埋めるようにして(当該導波管331の管内全体に充填させて)設けられた誘電体332とから構成されている。誘電体332を構成する材料としては、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂などといった合成樹脂(樹脂体)が挙げられる。また、合成樹脂だけでなく、セラミックやマイカなどが挙げられる。導波管331は、直線的に形成されており、一端に向けて除々に小径となるように略メガホン形状をなしている。また、導波管331にはその外面にアース接続部331aが一体形成されており、当該アース接続部331aにはアース線333が接続されている。
導波体330は遊技盤30の右下隅部に形成された貫通孔39を貫通するようにして取り付けられネジ止めされている。この場合、導波体330の長さ方向は遊技盤30の厚み方向となっている。また、導波体330はその長さ寸法が遊技盤30の厚み寸法よりも大きくなっており、導波体330は大径側の端部がパチンコ機10の前面側となるようにして遊技盤30に対して前後に突出している。貫通孔39における手前側開口の周縁部39aはその全体に亘って導波体330(導波管331)の外周面334に当接しており、パチンコ機10の前方から見て貫通孔39は導波体330によって塞がれている。
導波体330における遊技盤30の盤面30aよりも手前側に突出した部位は、上述した証紙用ベース51に収容されている。詳細には、証紙用ベース51はパチンコ機10の奥側に開放された略箱形状をなしており、この奥側開放部54を遊技盤30の盤面により塞ぐようにして取り付けられている。この場合に、導波体330は証紙用ベース51と前後する位置にあり、導波体330における遊技盤30よりも前方に突出した部位は証紙用ベース51に収容されている。
導波体330の手前側端面335は、図28に示すように、証紙用ベース51の手前側板部55に近接した位置にある。また、上述したように、手前側板部55の前面部52は前扉枠13の小窓107に近接した位置にある。よって、導波体330の手前側端面335は前扉枠13の小窓107に近接した位置にある。
次に、反射板341,342について説明する。各反射板341,342は、鉄や銅などの金属により成形されており、第1制御基板ユニット201の取付台251に形成されたボス343,344にネジ止めされている。この場合、各反射板341,342は、パチンコ機10の左右にずらして配設されており、一方の反射板341(以下、第1反射板341ともいう)は、導波体330の奥側にあり、他方の反射板342(以下、第2反射板342ともいう)は、パチンコ機10の右縁側にある。また、第1,第2反射板341,342が配設された位置は、主制御装置271と前後する位置であり、第2反射板342は主制御装置271に貼り付けられた封印シール300の手前側にある。
第1反射板341は、図28に示すように、導波体330により導かれた電波を第2反射板342に向けて反射するように所定の角度で傾けて固定されている。また、第2反射板342は、第1反射板341にて反射された電波を主制御装置271の封印シール300に向けて反射するように所定の角度で傾けて固定されている。
以上の構成であることにより、伝播路L1は、導波体330(導波管331)によって形成される導波路により一部が構成されており、さらに反射板によって伝播の伝播方向が変えられている。そして、かかる伝播路L1が設けられていることにより、前扉枠13の小窓107にリーダ装置346を近づけ呼出波を発信させると、その呼出波が封印シール300に埋め込まれたICタグ303に導かれる。
詳細には、前扉枠13の小窓107付近にてリーダ装置346から呼出波を発信させると、その呼出波は合成樹脂製の小窓107及び証紙用ベース51を透過し、導波体330に到達する。この場合、上記のとおり、導波体330の手前側端面335が前扉枠13の小窓107に近接しているため、呼出波が導波体330に導入され易くなっている。
導波体330に導入された呼出波は、導波体330における誘電体332を透過し、さらに導波管331の内壁331bにて反射することで、導波体330の奥側端面336から放射され、第1反射板341に導かれる。この場合、導波体330の小径側の端部がパチンコ機10の奥側にあることにより、導波体330に導入された呼出波を効率良く第1反射板341に導くことができる。
第1反射板341に導かれた呼出波は、当該第1反射板341にて反射することで第2反射板342に導かれる。そして、第2反射板342に導かれた呼出波は、当該第2反射板342にて反射することでICタグ303に到達する。ICタグ303では、上述したとおり呼出波を受信することにより、ID情報を含んだ応答波を発信する。この発信された応答波は呼出波の伝播した経路を反対方向に伝播し、リーダ装置346にて受信される。これにより、パチンコ機10の背面側に設けられたICタグ303のID情報をパチンコ機10の前面側にて読み取ることができる。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図29〜図31に基づいて説明する。図29は第2制御基板ユニット202の正面図、図30は同ユニット202の斜視図、図31は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台325を有し、取付台325に払出制御装置311、電源及び発射制御装置313が搭載されている。
払出制御装置311は、賞品球や貸出球の払出を制御する払出制御基板を具備しており、当該払出制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス315に収容されて構成されている。基板ボックス315は、ボックスベース317とボックスカバー318とから構成されており、これらボックスベース317及びボックスカバー318には封印手段としての封印ユニット319が設けられている。また、ボックスベース317とボックスカバー318とを跨ぐようにして封印シール320が貼り付けられている。
また、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置313は、基板ボックス316内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台325は例えば無色透明な樹脂成形品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面326が設けられている。基板搭載面326には、電源及び発射制御装置313が搭載されネジ等で固定されている。電源及び発射制御装置313の基板ボックス316上には略平板状の台座プレート327が載置されるとともに台座プレート327上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。
取付台325には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン328が設けられており、掛止ピン328を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台325の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ329が設けられており、ナイラッチ329を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。
次に、裏パックユニット203の構成を図32,図33に基づいて説明する。図32は裏パックユニット203の正面図、図33は裏パックユニット203の分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成形されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する裏パック制御基板381が設置されている。また、裏パック制御基板381は、外部より主電源を取り込む役割を果たす。即ち、裏パック制御基板381には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ381aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、払出モータ358aからの駆動信号を出力するための出力端子、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側のホールコンピュータに対して枠側の状態に関する信号が出力される。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。したがって、裏パックユニット203を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット203を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図34のブロック図に基づいて説明する。図34では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置271に設けられた主制御基板278には、主制御回路500と停電監視回路508とが内蔵されている。主制御回路500には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置313に設けられた電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源(データ記憶保持用電圧)が供給されてデータが保持される構成となっている。詳細には、電源及び発射制御基板313aには、データ記憶保持用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからデータ記憶保持用電源が供給される。
CPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路500の入力側には、主制御基板278に設けられた電源監視回路508、払出制御装置311に設けられた払出制御基板311a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、電源監視回路508には電源及び発射制御基板313aが接続されており、主制御回路500には電源監視回路508を介して電源が供給される。
一方、主制御回路500の出力側には、電源監視回路508、払出制御基板311a及び中継端子板276が接続されている。払出制御基板311aには、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板276を介して主制御回路500から音声ランプ制御装置272に設けられた音声ランプ制御基板272aに対して各種コマンドなどが出力される。
電源監視回路508は、主制御回路500と電源及び発射制御基板313aとを中継し、また電源及び発射制御基板313aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板311aは、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御基板311aのCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板311aの入力側には、主制御回路500、電源及び発射制御基板313a、及び裏パック接続基板381が接続されている。また、払出制御基板311aの出力側には、主制御回路500及び裏パック接続基板381が接続されている。この場合に、裏パック接続基板381を介して払出装置358などを含む払出機構部352が接続されている。
電源及び発射制御基板313aは、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路500や払出制御基板311a等に対して各々に必要な動作電源を供給する。発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作にしたがって発射ソレノイド162の発射制御を担うものであり、発射ソレノイド162は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御基板272aは、スピーカ20や各種ランプ102〜106、及び表示制御装置214を制御するものである。演算装置であるCPU521は、そのCPU521により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM522と、ワークメモリ等として使用されるRAM523とを備えている。
音声ランプ制御基板272aのCPU521にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板272aの入力側には中継端子板276に中継されて主制御回路500が接続されており、主制御回路500から出力される各種コマンドに基づいて、スピーカ20、各種ランプ102〜106、及び表示制御装置214を制御する。表示制御装置214は、音声ランプ制御基板272aから入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置271にID情報が記憶されたICタグ303を取り付けたことにより、そのID情報の読み取りを行うことで不正な制御装置への交換等といった不正行為が行われたか否かを確認することができる。この場合に、ICタグ303はICチップ305とアンテナ部306とを有しており、ICチップ305に格納されたID情報は電波としてアンテナ部306から発信される。また、導波体330及び反射板341,342を有して構成される伝播路L1(電波を特定方向に導くためではない金属製の部材を経路上に不具備とした電波の経路)を設け、パチンコ機10の前面側にてリーダ装置346から発信された呼出波をICタグ303に導くようにするとともに、アンテナ部306からの応答波をパチンコ機10の前面側に導くようにした。これにより、本体枠12を開放させて主制御装置271を露出させなくても、パチンコ機10の前面側にてICタグ303のID情報を読み取ることができる。よって、ID情報の読み取りに基づいた不正行為の確認を良好に行うことができる。
また、導波体330を構成する導波管331の内側領域を誘電体332により埋めて塞いだ。これにより、導波体330が電波の伝播方向に貫通していない。導波体330が電波の伝播方向に貫通した構成においては、導波体330を介して不正用冶具をパチンコ機10の奥側へ挿入する行為が想定される。特に、導波体330は主制御装置271に向けて延びるため、導波体330を介して不正用冶具を主制御装置271に向けて挿入されるおそれがある。これに対して、本構成によれば、導波体330が電波の伝播方向に貫通していないため、上記不正行為を抑制することができる。また、導波管331の内側領域の全体を埋めたため、不正用冶具の挿入をより確実に抑制することができる。なお、導波管331の内側領域を誘電体332により埋めたため、導波体330内における電波の伝播が阻害されることはない。
また、導波体330は遊技盤30に形成された貫通孔39を介して当該遊技盤30を貫通する構成である。この場合に、導波体330はパチンコ機10の前面側が広口となるようにメガホン状をなし、貫通孔39における手前側開口の周縁部39aはその全体に亘って導波体330の外周面334に当接しており、パチンコ機10の前方から見て貫通孔39は導波体330によって塞がれている。よって、貫通孔39を介してパチンコ機10の奥側に不正用冶具を挿入しようとする行為を抑制することができる。
導波体330を、遊技盤30を貫通するようにして設けた。電波は金属を透過し難いため、リーダ装置346から発信された呼出波及びICタグ303から発信された応答波が遊技盤30によって遮断されるおそれがあるが、上記のとおり遊技盤30を貫通するようにして導波体330を設けたことで呼出波及び応答波が遮断されることはなく、パチンコ機10の前面側にてICタグ303のID情報を読み取ることができる。また、主制御装置271は遊技盤30の背面側に搭載されているため、遊技盤30を貫通させて導波体330を設けることで、伝播路L1を良好に設けることができる。
また、導波体330を遊技盤30における遊技領域Sの外部を貫通させて設けた。遊技領域Sには多数の釘37が配設されているため、遊技盤30における遊技領域S内を貫通させて導波体330を配置しようとしてもそれが困難である。また、遊技領域S内における盤面30aから導波体330が突出すると、遊技領域Sを流下する遊技球が導波体330に当たってしまう。これに対して、上記のとおり遊技盤30における遊技領域Sの外部を貫通させて導波体330を配置することで、導波体330の配置を良好に行うことができる。
証紙用ベース51の奥側にて遊技盤30を貫通するようにして導波体330を設置した。証紙用ベース51の前面部52には所定の情報が記載された証紙ラベル53が貼り付けられるため、その証紙ラベル53に記載された情報をパチンコ機10の前方から視認可能とするために証紙用ベース51と前扉枠13の小窓107との間に何らかの部材が介在することはない。この場合に、上記のとおり証紙用ベース51の奥側に導波体330を設置することで、リーダ装置346からの呼出波及び導波体330から放射されるICタグ303の応答波がリーダ装置346と導波体330との間にて遮断されることはなく、パチンコ機10の前面側にてICタグ303のID情報を読み取ることができる。なお、証紙用ベース51の奥側に導波体330を設置したことにより、導波体330及び貫通孔39を隠すことができる。
証紙用ベース51を所定の厚み寸法を有するように形成することで、証紙保持部としての証紙用ベース51の手前側板部55を遊技盤30の盤面30aよりも前方に突出させて設けた。これにより、前扉枠13の小窓107に対して証紙ラベル53の位置が近くなり、当該証紙ラベル53の視認性の向上が図られる。この場合に、導波体330をその一端が手前側板部55に近接した位置となるように設置した。これにより、導波体330の一端の位置が前扉枠13に近い位置となり、リーダ装置346からの呼出波が導波体330に到達し易くなるとともに、導波体330から放射されるICタグ303の応答波がリーダ装置346に到達し易くなる。よって、パチンコ機10の前面側にてICタグ303のID情報を読み取り易くなる。また、本構成によれば、リーダ装置346から発信される呼出波の電波強度を下げて当該呼出波の伝播範囲を狭めることが可能となる。したがって、1台のパチンコ機10からID情報の読み取りを行おうとしている場合に、それに合わせて他のパチンコ機10のICタグ303から応答波が発信されてしまうことを抑制することができ、複数台のパチンコ機10から発信された応答波が干渉してID情報の読み取りを正確に行えないといった不都合の発生を抑制することができる。
伝播路L1を、パチンコ機10の厚み方向に延びる導波体330と、導波体330からの呼出波をICタグ303に向けて反射する、又はICタグ303からの応答波を導波体330に向けて反射する反射板341,342とにより形成した。これにより、パチンコ機10の前面におけるID情報の読み取り位置とICタグ303の位置とがパチンコ機10の厚み方向に並んでいない構成において、それら両者の位置に合わせて伝播路L1が形成されることで、パチンコ機10の前面側にてICタグ303のID情報を読み取ることができる。
また、導波体330を曲げ成形することで反射板341,342を不具備とする構成も考えられるが、かかる構成では導波体330の成形が困難となり、さらには導波体330内において電波の伝播が良好に行われないおそれがある。これに対して、本構成によれば、かかる不都合を生じさせることなく、パチンコ機10の前面側にてICタグ303のID情報を読み取ることができる。
導波体330の導波管331にはアース線333が接続されるアース接続部331aを形成した。これにより、導波管331が帯電することが防止される。導波管331が帯電するとそれが主制御装置271等に対してノイズとなるおそれがあるが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止することができる。
また、上記のとおり、ICタグ303はリーダ装置346から発信された呼出波を受信することにより応答波を発信する。これにより、ID情報の読み取り作業時ではない遊技時などにおいてICタグ303から電波が発信されることが防止される。遊技時などにおいてICタグ303から電波が発信されると、それが主制御装置271等に対してノイズとなるおそれがあるが、本構成によれば、かかる不都合の発生を防止することができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、伝播路の構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、かかる伝播路の構成について以下に説明する。図35は伝播路を説明するための概略図である。なお、図35において遊技盤30が延びる方向がパチンコ機10の左右方向となっている。
図35に示すように、伝播路L2は、複数(本実施の形態では2個)の導波体551,552と、複数(本実施の形態では2枚)の反射板553,554とを用いて構成されている。複数の導波体551,552のうち一方は、遊技盤30に対して略直行する方向(前後方向)に延びるように設けられた第1導波体551であり、他方は遊技盤30の奥側にて当該遊技盤30に沿う方向(左右方向)に延びるように設けられた第2導波体552である。第1導波体551によって形成される導波路によりパチンコ機10の前面側にて前後方向に延びる伝播路L2が構成され、第2導波体552によって形成される導波路によりICタグ303側にて左右方向に延びる伝播路L2が構成されている。
また、複数の反射板553,554のうち一方は、第1導波体551と第2導波体552とを繋ぐ伝播路L2上に設けられた第1反射板553であり、他方は第2導波体552とICタグ303とを繋ぐ伝播路L2上に設けられた第2反射板554である。第1反射板553によって、第1導波体551から放射された電波が第2導波体552に導かれるとともに、第2導波体552から放射された電波が第1導波体551に導かれる。また、第2反射板554によって、第2導波体552から放射された電波がICタグ303に導かれるとともに、ICタグ303から放射された電波が第2導波体552に導かれる。
ここで、第1導波体551は、遊技盤30においてアウト口36を構成するようにして設けられている。この第1導波体551の構成について図36及び図37を用いて詳細に説明する。図36及び図37はパチンコ機10における第1導波体551周辺の縦断面図である。
図36に示すように、第1導波体551は鉄や銅等により成形された導波管561を有している。導波管561は、断面略矩形状となっており、遊技球が通過可能な開口幅を有する。また、導波管561はその長さ寸法が遊技盤30の厚み寸法よりも大きくなっており、その一方の端部にはフランジ562が一体形成されている。そして、遊技盤30の盤面30aにフランジ562を当接させてネジ止めすることで、導波管561が遊技盤30を貫通し後方に突出した状態で固定されている。この場合、導波管561の奥側端部は、本体枠12の背面に形成された下側排出通路218よりも後方に突出している。
導波管561は、その底部563が奥側に向けて下り傾斜となるように遊技盤30に対して設置されている。底部563には、前後方向の途中位置に遊技球1個分よりも若干大きい孔部564が形成されており、当該孔部564は本体枠12の背面に形成された下側排出通路218に繋がっている。また、導波管561における孔部564が形成された位置よりも奥側は、誘電体565により埋められている(誘電体565が充填されている)。誘電体565を構成する材料としては、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂などといった合成樹脂(樹脂体)が挙げられる。また、合成樹脂だけでなく、セラミックやマイカなどが挙げられる。
以上の構成であることにより、第1導波体551は手前側及び下側に開口した形状をなし、アウト口36を構成している。また、誘電体565によってアウト口36の奥側の規制壁が構成されている。そして、図37(a)に示すように、遊技領域Sを流下しアウト口36に入った遊技球は導波管561内を奥側に進み、誘電体565の手前側端面565aに当たることで孔部564を介して下側排出通路218へ導出される。
次に、当該第1導波体551を備えた伝播路L2における電波の伝播について説明する。ICタグ303からID情報の読み取りを行う際は、前扉枠13のガラス137におけるアウト口36と対峙した位置付近にてリーダ装置569から呼出波を発信させる。その発信された呼出波は、図37(b)に示すように、ガラス137を透過し第1導波体551に到達する。第1導波体551に導入された呼出波は、導波管561の内壁にて反射し、さらに誘電体565を透過することで、第1導波体551の奥側端面567から放射される。
第1導波体551から放射された呼出波は、第1反射板553にて反射することで第2導波体552に導かれる。第2導波体552は鉄や銅等の導波管により構成されており、図35に示すように、第2導波体552に到達した呼出波は導波管にて反射することで第2反射板554側の端部から放射される。そして、この放射された呼出波は第2反射板554にて反射することでICタグ303に到達する。ICタグ303では、上記第1の実施の形態にて説明したとおり、呼出波を受信することにより、ID情報を含んだ応答波を発信する。この発信された応答波は呼出波の伝播した経路を反対方向に伝播し、リーダ装置569にて受信される。これにより、パチンコ機10の背面側に設けられたICタグ303のID情報をパチンコ機10の前面側にて読み取ることができる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
アウト口36を構成するようにして第1導波体551を設けた。かかる構成とすることにより、アウト口36は、一般入賞口31、可変入賞装置32、及び作動口33のいずれにも入球しなかった遊技球を下側排出通路218に排出する機能だけでなく、ICタグ303のアンテナ部306から発信された電波をパチンコ機10の前面側に導くための導波管としての機能を有する。これにより、遊技領域Sを縮小させたり、新たなルータ加工を行ったりすることなく、遊技盤30を貫通する既存の構成を利用して伝播路L2を設けることができる。
また、パチンコ機10は遊技球が遊技領域Sを流下する際のランダムな変化を視認させて楽しませることを遊技の特徴としているため、遊技領域Sはパチンコ機10の前方から視認可能とするのが一般的であり、遊技領域Sと前扉枠13のガラス137との間に何らかの金属製の部材が介在することはない。この場合に、上記のとおり遊技領域Sに設けられたアウト口36を構成するようにして第1導波体551を設けることで、リーダ装置569からの呼出波及び第1導波体551から放射されるICタグ303の応答波がリーダ装置569と第1導波体551との間にて遮断されることはなく、パチンコ機10の前面側にてICタグ303のID情報を読み取ることができる。
また、遊技領域Sに設けられた複数ある入球部(一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33)のうちアウト口36を構成するようにして第1導波体551を設けたことにより、他の入球部に対して第1導波体551を設ける構成に比べ、第1導波体551の構成を簡素なものとしつつ上記効果を得ることができる。
また、アウト口36は他のいずれの入球部にも入球しなかった遊技球を遊技領域Sから排出する機能を有するため、アウト口36に入球した遊技球を検出する必要はなく、球検出センサ等を取り付ける必要がない。球検出センサ等が取り付けられていると、リーダ装置569からの呼出波やICタグ303からの応答波がノイズとなり、球検出センサが誤作動するおそれがある。これに対して、他の入球部ではなくアウト口36を構成するようにしてリーダ装置569を設けたことにより、かかる不都合の発生を防止することができる。
第1導波体551の奥側端部が本体枠12の背面に形成された下側排出通路218よりも後方となるように第1導波体551を設けた。これにより、第1導波体551の奥側端部をICタグ303側に極力近づけることが可能となる。この場合に、第1導波体551を構成する導波管561の内側領域における孔部564よりも奥側には誘電体565を設けた。これにより、導波管561内を通る遊技球は誘電体565の手前側端面565aに当たることでそれ以上奥側に進むことはない。よって、導波管561内を通る遊技球を下側排出通路218へ確実に導出することができる。なお、導波管561の内側領域に設けたのは誘電体565であるため、第1導波体551内における電波の伝播が阻害されることはない。
また、導波管561の内側領域における孔部564よりも奥側を誘電体565により埋めたため、第1導波体551が電波の伝播方向に貫通していない。第1導波体551が電波の伝播方向に貫通した構成においては、第1導波体561を介して不正用冶具をパチンコ機10奥側へ挿入する行為が想定される。特に、第1導波体551は主制御装置271に向けて延びるため、第1導波体551を介して不正用冶具を主制御装置271に向けて挿入されるおそれがある。これに対して、本構成によれば第1導波体551が電波の伝播方向に貫通していないため、上記不正行為を抑制することができる。
なお、本第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態における特徴的な構成と同一又は類似した構成を備えており、かかる構成に基づく効果は本第2の実施の形態においても同様に奏する。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、上記第2の実施の形態とほぼ同様の構成の伝播路を備えている。すなわち、伝播路は、複数の導波体と、複数の反射板とを用いて構成されている。但し、上記第2の実施の形態においては第1導波体がアウト口36を構成するようにして設けられていたが、本実施の形態においては第1導波体が遊技盤30に設けられた可変入賞装置571を構成するようにして設けられている。そこで、この可変入賞装置571の構成について図38及び図39を用いて詳細に説明する。図38及び図39はパチンコ機10における可変入賞装置571周辺の縦断面図である。
図38に示すように、可変入賞装置571は、鉄や銅等により成形された金属製ベース572を有している。金属製ベース572は、前後方向に延びる管状に形成されており、断面は横長矩形状となっている。金属製ベース572の開口幅は遊技球が通過可能な大きさとなっている。また、金属製ベース572はその長さ寸法が遊技盤30の厚み寸法よりも大きくなっており、その一方の端部にはフランジ573が一体形成されている。そして、遊技盤30の盤面30aにフランジ573を当接させてネジ止めすることで、金属製ベース572が遊技盤30を貫通し後方に突出した状態で固定されている。この場合、金属製ベース572の奥側端部は、遊技盤30の背面に形成された上側排出通路216よりも後方に突出している。
金属製ベース572の手前側開口574は大入賞口を構成し、当該手前側開口574に対してはシャッタ575が取り付けられている。シャッタ575はポリスチレン等の合成樹脂製であり、金属製ベース572の手前側開口574と略同一の形状及び大きさを有している。また、シャッタ575は図示しない駆動機構に連結されており、当該駆動機構により駆動されて金属製ベース572の手前側開口574を開閉する。なお、符号576は装飾部材であり、装飾部材576は合成樹脂により成形されている。
金属製ベース572の底部577は、奥側に向けて下り傾斜となるように形成されている。底部577には、前後方向の途中位置に遊技球1個分よりも若干大きい孔部578が形成されており、当該孔部578は遊技盤30の背面に形成された上側排出通路216に繋がっている。なお、孔部578には上側排出通路216へ導出される遊技球を検出するカウントスイッチ223が設けられている。
金属製ベース572における孔部578が形成された位置よりも奥側は、誘電体579により埋められている(誘電体579が充填されている)。誘電体579を構成する材料としては、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂などといった合成樹脂(樹脂体)が挙げられる。また、合成樹脂だけでなく、セラミックやマイカなどが挙げられる。
以上の構成であることにより、図39(a)に示すように、シャッタ575が開放され手前側開口574から可変入賞装置571に入球した遊技球は金属製ベース572内を奥側に進み、誘電体579の手前側端面579aに当たることで孔部578を介して上側排出通路216へ導出される。つまり、金属製ベース572によって、大入賞口に入球した遊技球を上側排出通路216へ導出する導出通路580が形成されており、誘電体579は導出通路580の通路壁を構成している。なお、導出通路580を通過した遊技球はカウントスイッチ223にて検出される。
次に、当該第1導波体(可変入賞装置571)を備えた伝播路における電波の伝播について説明する。ICタグ303からID情報の読み取りを行う際は、前扉枠13のガラス137における可変入賞装置571と対峙した位置付近にてリーダ装置585から呼出波を発信させる。その発信された呼出波は、図39(b)に示すように、ガラス137、装飾部材576及びシャッタ575を透過し可変入賞装置571内に到達する。可変入賞装置571内に導入された呼出波は、金属製ベース572の内壁にて反射し、さらに誘電体579を透過することで、可変入賞装置571の奥側端面581から放射される。
可変入賞装置571から放射された呼出波は、上記第2の実施の形態と同様に、第1反射板、第2導波体、及び第2反射板によって導かれることでICタグ303に到達する。そして、ICタグ303からはID情報を含んだ応答波が発信され、この発信された応答波は呼出波の伝播した経路を反対方向に伝播し、リーダ装置585にて受信される。これにより、パチンコ機10の背面側に設けられたICタグ303のID情報をパチンコ機10の前面側にて読み取ることができる。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
可変入賞装置571の導出通路580を構成するようにして導波体を設けた。かかる構成とすることにより、導出通路580は、大入賞口に入球した遊技球を上側排出通路216へ導く機能だけでなく、ICタグ303のアンテナ部306から発信された電波をパチンコ機10の前面側に導くための導波管としての機能を有する。これにより、遊技盤30を貫通する既存の構成を利用して伝播路を設けることができる。
また、遊技領域Sをパチンコ機10の前方から視認可能とするために、遊技領域Sと前扉枠13のガラス137との間に何らかの部材が介在することはない。この場合に、上記のとおり遊技領域Sに設けられた可変入賞装置571により導波体を形成することで、リーダ装置585からの呼出波及び導波体から放射されるICタグ303の応答波がリーダ装置585と導波体との間にて遮断されることはなく、パチンコ機10の前面側にてICタグ303のID情報を読み取ることができる。
金属製ベース572の奥側端部が遊技盤30の背面に形成された上側排出通路216よりも後方となるように金属製ベース572を設けた。これにより、金属製ベース572の奥側端部をICタグ303側に極力近づけることが可能となる。この場合に、金属製ベース572の内側領域における孔部578よりも奥側に誘電体579を設けた。これにより、金属製ベース572内を通る遊技球は誘電体579の手前側端面579aに当たることでそれ以上奥側に進むことはない。よって、金属製ベース572内を通る遊技球を下側排出通路218へ確実に導出することができる。なお、金属製ベース572の内側領域に設けたのは誘電体579であるため、可変入賞装置571内における電波の伝播が阻害されることはない。
また、金属製ベース572の内側領域における孔部578よりも奥側を誘電体579により埋めたため、可変入賞装置571が電波の伝播方向に貫通していない。可変入賞装置571が電波の伝播方向に貫通した構成においては、可変入賞装置571を介して不正用冶具をパチンコ機10奥側へ挿入する行為が想定される。特に、可変入賞装置571は主制御装置271に向けて延びるため、可変入賞装置571を介して不正用冶具を主制御装置271に向けて挿入されるおそれがある。これに対して、本構成によれば可変入賞装置571が電波の伝播方向に貫通していないため、上記不正行為を抑制することができる。
なお、本第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態における特徴的な構成と同一又は類似した構成を備えており、かかる構成に基づく効果は本第3の実施の形態においても同様に奏する。
(第4の実施の形態)
以下、スロットマシンに関する第4の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図40はスロットマシン590の正面図、図41はスロットマシン590の前面扉591を開いた状態の斜視図、図42は筐体592の正面図である。
スロットマシン590の筐体592は、木製の板材を組み合わせることで、前方に開放した箱状に形成されている。筐体592の前面側には、前面扉591が開閉可能に取り付けられている。前面扉591の上寄りには合成樹脂製の遊技パネル593が設けられている。遊技パネル593は上下に区画されており、下側領域594には縦長の3つの表示窓595L,595M,595Rが横並びとなるように形成されている。各表示窓595L,595M,595Rを通じて筐体592の内部に設けられたリールユニット596による図柄の可変表示が視認可能となっている。なお、遊技パネル593の上側領域597には遊技者に各種情報を与える補助表示部598が設けられている。
リールユニット596は、円筒状にそれぞれ形成された複数のリール599L,599M,599Rを備えている。これら各リール599L,599M,599Rは、各表示窓595L,595M,595Rに1対1で対応している。各リール599L,599M,599Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されており、各リール599L,599M,599Rの外周面には複数の図柄が回転方向に付されている。また、各リール599L,599M,599Rは、それぞれ図示しないステッピングモータに連結されており、ステッピングモータの駆動により各リール599L,599M,599Rが個別に回転する。各リール599L,599M,599Rが回転することにより、上述した図柄の可変表示が実行される。
遊技パネル593の下方左側には、各リール599L,599M,599Rを一斉に回転開始させるために操作されるスタートレバー600が設けられている。また、スタートレバー600の右側には、回転している各リール599L,599M,599Rを個別に停止させるために操作されるストップスイッチ601L,601M,601Rが設けられている。また、スタートレバー600とストップスイッチ601L,601M,601Rとの間には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのマックスベットスイッチ602が設けられている。また、表示窓595L,595M,595Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口603が設けられている。
メダル投入口603から投入されたメダルは、前面扉591の背面に設けられたセレクタ604によって貯留用通路605か排出用通路606のいずれかへ導かれる。貯留用通路605に導かれたメダルは、メダルを遊技者に払い出すためのホッパ装置607へと導かれる。一方、排出用通路606に導かれたメダルは、前面扉591の前面下部に設けられたメダル受け皿608へと導かれ、遊技者に返還される。
筐体592の内部においてリールユニット596の上方には、主制御装置610が設けられている。主制御装置610は、主たる制御を司るCPU等を含む主基板を具備しており、主基板が基板ボックス611に収容されて構成されている。基板ボックス611は、ボックスベースとボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット612によって開封不能に連結されている。また、基板ボックス611には、ボックスベースとボックスカバーとを跨ぐようにして封印シール613が貼り付けられている。
封印シール613は上記第1の実施の形態における封印シール300と同様にICタグ614を備えている。そして、このICタグ614に格納されたID情報を読み取ることで主制御装置610に対する不正行為の有無が確認される。この場合、かかるID情報の読み取りをスロットマシン590の前面側にて行えるように電波の伝播路が設けられている。そこで、以下にかかる伝播路の構成について説明する。
伝播路は、導波体616を用いて構成されている。導波体616は、鉄や銅等により真直ぐ延びる円管状に形成された導波管617と、当該導波管617の管内全体を埋めるようにして設けられた誘電体618(当該導波管671の管内全体に充填させて設けられた誘電体618)とから構成されている。誘電体618を構成する材料としては、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂などといった合成樹脂(樹脂体)が挙げられる。また、合成樹脂だけでなく、セラミックやマイカなどが挙げられる。
導波体616は、図41に示すように、遊技パネル593の背面における主制御装置610のICタグ614と対峙する位置にネジ止めされており、その遊技パネル593の背面からICタグ614に向けて延びている。この場合、導波体616とICタグ614とは前後(スロットマシン590の厚み方向)に並んでおり、その間には何ら部材が介在していない。
以上のように、伝播路が形成されていることにより、遊技パネル593の上側領域597における導波体616が設けられた位置にリーダ装置を近づけ呼出波を発信させると、その呼出波がICタグ614に導かれる。詳細には、リーダ装置から呼出波を発信させると、その呼出波は合成樹脂製の遊技パネル593を透過し、導波体616に到達する。導波体616に導入された呼出波は、導波体616の内壁にて反射することで導波体616の奥側端部から放射されICタグ614に到達する。そして、ICタグ614からID情報を含んだ応答波が発信され、この発信された応答波は呼出波の伝播した経路を反対方向に伝播し、リーダ装置にて受信される。これにより、スロットマシン590の内部に設けられたICタグ614のID情報をスロットマシン590の前面側にて読み取ることができる。
以上詳述した第4の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置610にID情報が記憶されたICタグ614を取り付けたことにより、そのID情報の読み取りを行うことで不正な制御装置への交換等といった不正行為が行われたか否かを確認することができる。この場合に、ICタグ614はID情報を電波として発信する。また、前面扉591とICタグ614との間には導波体616を設け、スロットマシン590の前面側にてリーダ装置から発信された呼出波をICタグ614に導くようにするとともに、ICタグ614からの応答波をスロットマシン590の前面側に導くようにした。これにより、前面扉591を開放させて主制御装置610を露出させなくても、スロットマシン590の前面側にてICタグ614のID情報を読み取ることができる。よって、ID情報の読み取りに基づいた不正行為の確認を良好に行うことができる。
また、導波体616を構成する導波管617の内側領域を誘電体618により埋めた。これにより、導波体616が電波の伝播方向に貫通していない。導波体616が電波の伝播方向に貫通した構成においては、導波体616を介して不正用冶具をスロットマシン590の奥側へ挿入する行為が想定される。特に、導波体616は主制御装置610に向けて延びるため、導波体616を介して不正用冶具を主制御装置610に向けて挿入されるおそれがある。これに対して、本構成によれば、導波体616が電波の伝播方向に貫通していないため、上記不正行為を抑制することができる。なお、導波管617の内側領域を誘電体618により埋めたため、導波体616内における電波の伝播が阻害されることはない。
(他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記第1の実施の形態における伝播路(又は、導波体)の変形例を図43(a),(b)、及び図44(a),(b)に示す。図43(a),(b)、及び図44(a),(b)は伝播路を説明するためのパチンコ機10の横断面図である。
図43(a)の変形例では、上記第1の実施の形態と同様に、導波体631に誘電体632が設けられている。但し、上記第1の実施の形態と異なり、誘電体632は導波管633の管内全体を埋めるようにして設けられているのではなく、導波管633の手前側部分を塞ぐようにして設けられている。このように誘電体632を設けることで、導波体631内を伝播する電波の減衰を極力抑えつつ、導波体631を介した不正用冶具の挿入を抑制することができる。
なお、本構成のように導波管633内をその一部において塞ぐようにして誘電体632を設ける構成においては、導波管633の前後方向の途中位置や導波管633の奥側部分を塞ぐようにして誘電体632を設けたとしても、同様の効果を得ることができる。
図43(b)の変形例では、導波体635が曲げて成形されており、導波体635は前後方向に延びる第1導波部636と左右方向に延びる第2導波部637とからなる。第1導波部636は遊技盤30を貫通しており、第2導波部637は第1導波部636の奥側端部から横方に延びている。第2導波部637の側方には第2導波部637から放射された電波をICタグ303に向けて反射する反射板638が設けられている。この場合、リーダ装置639から発信された呼出波は、導波体635内を伝播し反射板638にて反射されることでICタグ303に到達する。かかる構成とすることにより、上記第1の実施の形態よりも反射板の数が少なくなるので伝播路の構成の簡素化を図ることができる。
なお、第2導波部637を反射板638の位置まで延出させて形成し、さらにその延出させた位置からICタグ303に向けて延びる第3導波部を一体形成する構成としてもよい。この場合、リーダ装置639から発信された呼出波は、導波体635内を伝播し第3導波部から放射されることでICタグ303に到達する。かかる構成においては、反射板を設ける必要はなく一の導波体のみを用いて伝播路が形成されるので、伝播路の構成のさらなる簡素化を図ることができる。
図44(a)の変形例では、遊技機前面部におけるID情報の読取エリアとICタグ303とが前後方向に並ぶよう構成されている。つまり、主制御装置271の配置位置が上記第1の実施の形態と異なっており、主制御装置271はICタグ303が小窓107の後方に位置するようにして配置されている。また、上記第1の実施の形態では小窓107と主制御装置271との間には音声ランプ制御装置272が設けられていたが、本構成においてはその位置に当該音声ランプ制御装置272が設けられていない。
かかる構成において、小窓107とICタグ303を直線的に結ぶようにして、前後方向に直線的に延びる導波体641が設置されている。この場合、リーダ装置642から発信された呼出波は、導波体641内を伝播し放射されることでICタグ303に到達する。本構成においては、反射板を設ける必要はなく一の導波体のみを用いて伝播路が形成されるので、伝播路の構成の簡素化を図ることができる。また、導波体を曲げ形成する必要がないので、導波体の構成の簡素化を図ることができるとともに、導波体内における電波の伝播を良好なものとすることができる。さらには、伝播路の長さを極力短くすることができるため、リーダ装置642からの呼出波及びICタグ303からの応答波の減衰が極力抑えられ、パチンコ機10の前面におけるID情報の読み取りを良好に行うことができる。
また、上記構成において、導波体641を構成する導波管642の内側領域はその全体が誘電体643により埋められている。小窓107とICタグ303とを直線的に結ぶようにして導波体641を設置した構成において導波管642の内部が電波の伝播方向に貫通している構成を想定すると、パチンコ機10の前面側から導波管642内に不正用冶具を挿入することで、当該不正用冶具を主制御装置271の位置まで容易に差し入れることができてしまうと考えられる。これに対して、上記のとおり導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していないため、かかる不正行為を抑制することができる。
なお、本構成を上記第2の実施の形態又は上記第3の実施の形態に対して適用してもよい。つまり、上記第2の実施の形態においては、主制御装置271のICタグ303がアウト口36の後方に位置するよう構成する。また、上記第3の実施の形態においては、主制御装置271のICタグ303が可変入賞装置571の後方に位置するよう構成する。
図44(b)の変形例では、反射板が設けられておらず、伝播路が一の導波体645のみを用いて形成されている。この場合、導波体645は、証紙用ベース51からICタグ303に向けて斜め方向に延びており、導波体645の手前側端面646は証紙用ベース51の手前側板部55と対峙し、導波体645の奥側端面647はICタグ303と対峙している。そして、リーダ装置648から発信された呼出波は導波体645内を伝播することでICタグ303に到達する。かかる構成とすることにより、反射板を設ける必要がないので伝播路の構成の簡素化を図ることができる。
また、上記構成において、導波体645を構成する導波管649の内側領域はその全体が誘電体650により埋められている。小窓107とICタグ303とを直線的に結ぶようにして導波体645を設置した構成において導波管649の内部が電波の伝播方向に貫通している構成を想定すると、パチンコ機10の前面側から導波管649内に不正用冶具を挿入することで、当該不正用冶具を主制御装置271の位置まで容易に差し入れることができてしまうと考えられる。これに対して、上記のとおり導波管の内部が電波の伝播方向に貫通していないため、かかる不正行為を抑制することができる。
(2)主制御装置271だけでなく払出制御装置311にもICタグを設けるようにしてもよい。払出制御装置311では遊技球の払い出しが制御されるため、主制御装置271だけでなく払出制御装置311に対しても不正が行われることが想定され、払出制御装置311に対してICタグを設けることで当該払出制御装置311への不正の有無を容易に確認することができる。
但し、本構成においては、不正行為の有無の確認作業に際して、主制御装置271のICタグ(主側ICタグ)と払出制御装置311のICタグ(払出側ICタグ)との両方からID情報を読み取る必要が生じ、ID情報の読み取り作業が煩雑となるおそれがある。これに対して、主側ICタグ及び払出側ICタグからのID情報の読み取りを所定の一箇所で行うようにすることで、読み取り作業の作業性を向上させることができると考えられる。そこで、かかる作業性向上に関する構成を図45の概略図に示す。
図45において、符号651は主側ICタグであり、符号652は払出側ICタグである。この場合、前扉枠13のガラス137と各ICタグ651,652との間には、導波体653が設けられている。導波体653は、ガラス137と各ICタグ651,652との間の途中位置にて二股に分岐しており、その一方の主側導波部654は主側ICタグ651に向けて延び、他方の払出側導波部655は払出側ICタグ652に向けて延びている。
本構成においては、リーダ装置656から合流導波部657に向けて発信された呼出波は当該合流導波部657内を伝播し、主側導波部654及び払出側導波部655の両方に導入される。主側導波部654に導入された呼出波は主側ICタグ651に向けて放射され、払出側導波部655に導入された呼出波は払出側ICタグ652に向けて放射される。そして、主側ICタグ651及び払出側ICタグ652からの応答波は呼出波の伝播した経路に対して反対方向に伝播し、合流導波部657を介してリーダ装置656にて読み取られる。以上より、複数のICタグ651,652が設けられた構成において所定の一箇所で各ID情報の読み取りを行うことができ、ID情報の読み取り作業の作業性を向上させることができる。
また、当該構成において、主側導波部654及び払出側導波部655の両方に対して導波体653が電波の伝播方向に貫通しないように、導波体653を構成する導波管に誘電体を充填する必要がある。例えば、合流導波部657の部分に誘電体を充填する構成や、主側導波部654の部分及び払出側導波部655の部分の双方に誘電体を充填する構成が考えられる。また、導波体653を構成する導波管の内側領域の全体に誘電体を充填する構成が考えられる。これにより、導波体653を介して主制御装置271及び/又は払出制御装置311に向けて不正用冶具を差し入れようとする不正行為を抑制することができる。
また、上記構成において、主側ICタグ651と払出側ICタグ652とを同一の共振周波数に設定しておくことで、当該周波数の呼出波をリーダ装置656から発信すれば主側ICタグ651のID情報と払出側ICタグ652のID情報とを同時に読み取ることができる。
さらに、各ICタグ651,652の共振周波数を同一とした構成において主側導波部654と払出側導波部655との各長さ寸法を異ならせることで、主側ICタグ651からの応答波が合流導波部657を伝播するタイミングと払出側ICタグ655からの応答波が合流導波部657を伝播するタイミングとにずれが生じる。この場合、各応答波の干渉が防止され、各応答波を確実に読み取ることができる。
また、主側ICタグ651の共振周波数と払出側ICタグ652の共振周波数とを異ならせてもよい。この場合、各ICタグ651,652から応答波が同時に発信されることが防止され、リーダ装置656においては各応答波を個別に受信することができる。よって、各応答波の干渉が防止され、各応答波を確実に読み取ることができる。
(3)一の導波体を途中位置にて二股に分岐させて形成することで、主側ICタグのID情報と払出側ICタグのID情報とを一箇所で読み取るようにするのではなく、主側ICタグ用の導波体と払出側ICタグ用の導波体とを設け、それら各導波体におけるパチンコ機10前面側の端部を集約して配置するようにしてもよい。かかる構成であっても、複数のICタグが設けられた構成において所定の一箇所で各ID情報の読み取りを行うことができ、ID情報の読み取り作業の作業性を向上させることができる。
(4)ICタグを設ける対象は主制御装置271及び払出制御装置311に限定されることはなく、例えば、音声ランプ制御装置272、電源及び発射制御装置313、又は払出装置358にICタグを設けてもよい。これらの装置272,313,358を不正な装置に交換することが想定されるため、ICタグを設けることで不正な装置への交換が行われた場合にはそれを容易に発見することができる。特に、払出装置358は遊技球の払い出しを実行する装置であるため、払出装置358を不正な装置に交換することで遊技球の払い出しを不正に行わせようとする行為が想定され、この払出装置358に対してICタグを設けることで不正な装置への交換を容易に発見することができ、遊技球の払い出しを不正に行わせようとする行為を抑制することができる。
かかる場合、上記各装置272,313,358は主制御装置271と同様にパチンコ機10の背面側に設けられているため、上記各実施の形態のような伝播路を設け、パチンコ機10の前面側にてICタグのID情報の読み取りを行えるようにすることで、ID情報の読み取り作業の作業性を向上させることができる。
(5)上記各実施の形態では、主制御装置にICタグを取り付け、リーダ装置によりそのICタグからID情報を読み取ることで主制御装置に対する不正行為の有無を確認するようにした。この場合に、不正行為の有無の確認作業としては、リーダ装置により各パチンコ機10から読み取ったID情報を遊技ホールの管理コンピュータにおいて収集して確認する構成が考えられる。かかる確認作業の構成を、上記第1の実施の形態におけるパチンコ機10が多数設置された遊技ホールHを例にとって図46の概略図を用いて説明する。
図46において、遊技ホールHに設置された各パチンコ機10には各々、前述したとおり主制御装置271にICタグ303が取り付けられている。リーダ装置346は、ハンディタイプのリーダであり、ICタグ303から非接触の状態でID情報の読み取りが可能となっている。この場合、上記第1の実施の形態にて説明したように各パチンコ機10には伝播路L1が設けられていることにより、パチンコ機10の前面部に形成された小窓107の位置にてICタグ303のID情報を読み取ることができる。
また、管理コンピュータ661は、パチンコ機10の管理プログラムを有する電子演算装置であり、リーダ装置346に接続されることで同リーダ装置346の読み取り情報を読み込むことができるようになっている。図46中、符号662は、遊技ゲーム数や大当たり回数などを表示するためのデータカウンタであり、同データカウンタ662には、遊技ホールHにおいてパチンコ機10ごとの台番号が付されている。
以上の構成において、リーダ装置346により各パチンコ機10のICタグ303からID情報を読み取ると、その読み取り結果は管理コンピュータ661において入力されて収集される。この場合に、リーダ装置346からはID情報とともにそのID情報の出力元のパチンコ機10を特定する固有情報(台番号等)が合わせて出力される。つまり、リーダ装置346を操作する作業者はID情報の読み取りを開始する際にその読み取りを開始するパチンコ機10の固有情報をリーダ装置346に入力し、その入力した固有情報は読み取ったID情報とともに管理コンピュータ661に出力される。
管理コンピュータ661には、パチンコ機10の固有情報と対応づけて管理用のID情報が登録された管理データが記憶されている。そして、管理コンピュータ661では、入力した固有情報に基づいて管理用のID情報を読み出し、その管理用のID情報と入力したID情報とを比較し、その比較結果を記憶するとともに、その比較結果を管理コンピュータ661に備え付けられた表示装置にて表示する。これにより、主制御装置271に対する不正行為として、主制御装置271の不正な装置への交換や、基板ボックス273を開封して行う不正な制御基板又は不正なチップへの交換などを行った後に、ID情報を発信可能な不正なICタグを取り付ける不正行為が行われたとしても、それを発見することが可能となる。
また、リーダ装置346から呼出波を発信したにも関わらず、所定時間経過しても当該リーダ装置346にて応答波を受信しない場合には、その旨の情報を管理コンピュータ661に出力するようにしてもよい。そして、管理コンピュータ661では、応答波を受信しない旨をそのパチンコ機10を特定した態様で記憶するとともに、表示装置にて表示する。これにより、主制御装置271の不正な装置への交換や、基板ボックス273を開封して行う不正な制御基板又は不正なチップへの交換などを行った後に、不正なICタグを取り付けない不正行為が行われた場合には、それを発見することが可能となる。
さらに、上記(2)の構成のように主制御装置271以外にもICタグを取り付けた構成においては、パチンコ機10の納入時に、それら各ICタグのID情報をそれぞれ対応付けた管理データを管理コンピュータ661に予め記憶させておくようにしてもよい。この場合、パチンコ機10の納入後に1台のパチンコ機10に設定された複数のID情報をリーダ装置346にて読み取り、それら読み取ったID情報を管理コンピュータ661において比較することで、遊技ホールHへのパチンコ機10の搬送途中において主制御装置271が不正品に差し替えられたとしてもそれを発見することが可能となる。なお、ICタグを取り付ける対象は、主制御装置271や払出制御装置311に限定されることはなく、他の制御装置であってもよく、また遊技盤30や本体枠12であってもよい。また、遊技盤30や本体枠12などにはICタグではなく、QRコードが記載された証紙ラベルを取り付け、そのQRコード情報と主制御装置271のID情報とを比較するようにしてもよい。
(6)上記第1の実施の形態において、遊技盤30の証紙用ベース51に貼り付けた証紙ラベル53にICタグを埋め込んでもよい。これにより、遊技盤30を不正な遊技盤に交換された場合にはそれを容易に発見することができる。この場合に、上記第1の実施の形態においては証紙用ベース51に対して導波体330を設けたため、リーダ装置346から証紙用ベース51に向けて呼出波を発信させることにより、主制御装置271のICタグ303のID情報と証紙ラベル53のICタグのID情報とを一括して読み取ることができる。特に、両ICタグの共振周波数を同一とすることで、当該周波数の呼出波をリーダ装置346から発信すれば両ICタグのID情報を同時に読み取ることができる。
かかる構成において、上記(5)で説明したように、両ICタグのID情報を遊技ホールの管理コンピュータなどで対応付けて管理するようにしてもよい。これにより、主制御装置271に対する不正行為として、主制御装置271の不正な装置への交換や、基板ボックス273を開封して行う不正な制御基板又は不正なチップへの交換などを行った後に、ID情報を発信可能な不正なICタグを取り付ける不正行為が行われたとしても、それを発見することが可能となる。また、遊技ホールHへのパチンコ機10の搬送途中において主制御装置271が不正品に差し替えられたとしてもそれを発見することが可能となる。
(7)上記第1の実施の形態において、証紙用ベース51を設けずに、導波体330の手前側端面335に証紙ラベル53を貼り付けるようにしてもよい。また、証紙用ベース51の手前側板部55を遊技盤30の盤面よりも手前側に張り出させるのではなく、手前側板部55の位置が遊技盤30の盤面の位置となるようにしてもよく、また遊技盤30の盤面よりも奥側となるようにしてもよい。
(8)上記第1の実施の形態において、遊技盤30における遊技領域Sの外側であって証紙用ベース51の奥側ではない領域を貫通するようにして導波体330を設けてもよい。但し、本構成においては、リーダ装置346からの呼出波が導波体330に到達するように、及び導波体330から放射されるICタグ303からの応答波がリーダ装置346に到達するように、導波体330の手前側端面335と前扉枠13の前面との間には金属製の部材を設けないようにする必要がある。
(9)上記各実施の形態において、誘電体を導波管(上記第3の実施の形態においては、金属製ベース572)に対してどのような方法で設けるかは任意である。つまり、誘電体を溶融させてそれを導波管に対して流し込んで誘電体を設けてもよく、また誘電体を導波管に対して嵌め込んでもよい。
(10)上記第3の実施の形態では可変入賞装置571の導出通路580を構成するようにして導波体を設けたが、一般入賞口31や作動口33の導出通路を構成するようにして導波体を設けてもよい。これら一般入賞口31や作動口33も可変入賞装置571と同様に遊技盤30を貫通しているため、一般入賞口31や作動口33の導出通路を構成するようにして導波体を設けることで遊技盤30の前後に電波を伝播させることができる。
(11)上記第1の実施の形態において、導波体330に対してアース線333を接続しないようにしてもよい。また、アース線を接続状態と非接続状態とに切り替える切替手段を設けてもよい。この場合、必要に応じてアース線を接続状態としたり非接続状態としたりすることが可能となる。
(12)上記第2〜第3の各実施の形態において、導波体に対して上記第1の実施の形態にて示したアース接続部331aを設け、アース線を接続するようにしてもよい。また、上記各実施の形態における各反射板にアース線を接続するようにしてもよい。
(13)伝播路の曲がる方向は左右方向だけに限定されることはなく、上下方向に曲げて伝播路を形成してもよい。
(14)上記各実施の形態では、ICタグ303,614を有する封印シール300,613を、主制御装置271,610の基板ボックス273,611外面に貼り付ける構成としたが、この構成を変更する。例えば、同基板ボックス273,611の内周面に貼り付けても良い。また、基板ボックス273,611を構成する樹脂材にICタグ303,614を埋設しても良い。さらに、ICタグ303,614を有するシール部材を基板部材に直接貼り付けても良い。
(15)上記各実施の形態では、ICタグ303,614はリーダ装置からの呼出波を受信することにより識別情報を応答波として発信する構成としたが、これに代えて、識別情報を含んだ電波を常時発信するICタグとしてもよい。
(16)上記各実施の形態において導波管を金属により成形するのではなく、熱可塑性プラスチックなどの合成樹脂により成形し、その管の内面に銅膜などの金属膜をメッキなどによって形成するようにしてもよい。また、これと同様に反射板を形成してもよい。
(17)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。また、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機に対して適用してもよい。
10…遊技機としてのパチンコ機、11…外枠、12…本体枠、13…前扉枠、18…操作手段としての遊技球発射ハンドル、30…遊技盤、30a…盤面、31…一般入賞口、32…可変入賞装置、33…作動口、36…アウト口、37…釘、50…レールユニット、51…証紙用ベース、53…証紙ラベル、55…証紙保持部としての手前側板部、107…小窓、137…ガラス、160…球発射手段としての遊技球発射機構、271…主制御装置、273…基板ボックス、278…主制御基板、300…封印シール、301…ベースシート、302…粘着層、303…電子タグとしてのICタグ、305…ICチップ、306…アンテナ部、311…払出制御装置、330…導波体、331…導波管、331a…アース手段を構成するアース接続部、332…誘電体、333…アース手段を構成するアース線、341,342…反射板、346…リーダ装置、551,552…導波体、553,554…反射板、561…導波管、564…孔部、565…誘電体、569…リーダ装置、571…可変入賞装置、572…金属製ベース、578…孔部、579…誘電体、580…導出通路、585…リーダ装置、591…前面扉、596…遊技装置ユニットとしてのリールユニット、600…始動操作手段としてのスタートレバー、601…停止操作手段としてのストップスイッチ、610…主制御装置、614…電子タグとしてのICタグ、616…導波体、617…導波管、618…誘電体、651…第1電子タグとしての主側ICタグ、652…第2電子タグとしての払出側ICタグ、653…導波体、654…第1導波部としての主側導波部、655…第2導波部としての払出側導波部、L1…伝播路、L2…伝播路、S…遊技領域。

Claims (1)

  1. 固有の識別情報を格納した記憶部とこの識別情報を含む電波を発信するアンテナ部とを備えた電子タグを、遊技機内部又は背面部に設置された制御装置に備えるとともに、
    遊技機前方から読取装置により前記識別情報を読取可能とすべく、前記電子タグから発信される電波の導波路を構成する導波管を備え、
    当該導波管内は誘電体により塞がれていることを特徴とする遊技機。
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