(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機Pの正面図、図2はパチンコ機Pの主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機Pを構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機Pの遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機Pは、当該パチンコ機Pの外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールHへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。したがって、釘やリベットを使って各板材を組み付けていた従来構造と比べて構成部材の再利用(リユース)が容易な構成となっている。なお、外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成してもよい。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機Pの正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。更に言うと、本パチンコ機Pには右側に遊技球発射ハンドル18の設置箇所が設けられているため、遊技球発射ハンドル18とは反対側の側部を中心に本体枠12を開閉可能としたということができる。なお本実施の形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホールH側に予め設けておき、遊技ホールHへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。かかる構成では、本体枠12のみにより遊技機本体が構成される。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成し、下皿16への球排出口17aが形成された奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。
遊技球発射ハンドル18は、操作ハンドル18aと支持台座18bとより構成されている。支持台座18bには、周知の構成のため図示による説明は省略するが、遊技者が操作ハンドル18aに触れていることを検知するためのタッチセンサ、操作ハンドル18aが操作されたことを検知するための発射スイッチ及び操作ハンドル18aの操作量を検知するためのダイヤル可変抵抗器が設けられている。さらに、操作ハンドル18aを操作した状態で、遊技球の発射を止めるべく操作される止め打ちスイッチが設けられている。これらタッチセンサ、発射スイッチ、ダイヤル可変抵抗器及び止め打ちスイッチの信号線は、後述する電源及び発射制御装置313に接続されている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。球抜きレバー19が操作されると下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。ベース部15の膨出部15a左方には灰皿21が設けられている。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機Pの正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構160側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。前扉枠13には、ガラス137が設けられている。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口装置33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口装置33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口装置33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部両側に一般入賞口31がそれぞれ複数配置されている。作動口装置33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口装置33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
可変表示ユニット35には、作動口装置33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部中央には、第1特定ランプ部47及び第2特定ランプ部48が横並びの状態で設けられている。また、これら両特定ランプ部47,48が配設された領域を挟むように、第1特定ランプ部47及び図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口装置33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。センターフレーム43の下部には、第2特定ランプ部48に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置41は8インチサイズの液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。この図柄の変動表示については、後に詳細に説明することとする。
第1特定ランプ部47には、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDランプが配設されている。そして、作動口装置33への入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、作動口装置33への入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、第1特定ランプ部47には、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たりが発生し、青色が停止表示された場合には、大当たりが発生しない。また、最終的に赤色で停止表示された場合と、最終的に緑色で停止表示された場合とで、大当たりの種類が異なり、前者の方が遊技者に有利な大当たりが発生する(いわゆる、確変大当たり)。
一方、第2特定ランプ部48には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDランプが配設されている。この第2特定ランプ部48は、スルーゲート34の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート34を通過すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、第2特定ランプ部48には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、作動口装置33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤30には、後述する遊技球発射機構160から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射機構160から発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50は、内外二重に設けられた内レール部51と外レール部52とを有する。
内レール部51は、他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。また、外レール部52は、内レール部51と同様に他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられた支持部52aを有し、その支持部52aの内側面に、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするための摺動プレート52bが取り付けられている。摺動プレート52bは、長尺状をなすステンレス製の金属帯よりなり、複数箇所で支持部52aに支持されている。かかる場合、内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により球案内通路が形成されている。なお、内外のレール部51,52が対向する部位では、遊技盤30との当接部53により各レール部51,52が連結されており、球案内通路は手前側に開放した溝状に形成されている。
レールユニット50において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。
内レール部51及び外レール部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。凸部57は、内レール部51の外周部から下方へ延びるように形成され、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路76(図3参照)に導く機能を有する。遊技盤30の右下隅部には矩形状の凹み部が形成されており、当該凹み部に金属製の第1板状アンテナ551が嵌め込み固定されている。第1板状アンテナ551は、共振周波数を2.45GHz等の一定周波数に設定されている。また、第1板状アンテナ551の共振周波数が変化しないよう、第1板状アンテナ551の近傍には、金属製の部材(導電性部材)が設けられていない。遊技盤30には、第1板状アンテナ551と対応する位置に、前後方向に貫通する貫通孔552が形成されている。貫通孔552は、第1板状アンテナ551より小さく形成されており、第1板状アンテナ551が遊技盤30に取り付けられた状態では、貫通孔552が第1板状アンテナ551により覆い隠されるようになっている。第1板状アンテナ551の背面側には、電気配線を接続するための金属製の係合部(図示略)が設けられており、当該係合部に電気配線の係合端子を係合させた上でネジ止め固定することにより、第1板状アンテナ551に電気配線が接続されている。詳細は後述するが、第1板状アンテナ551には、遊技盤30の背面側に設けられた第2板状アンテナ556に接続するための電気線と、第1板状アンテナ551をアース(接地)するためのアース線が接続されており、これら電気線とアース線が貫通孔552を介して遊技盤30の背面側に挿通されるようになっている。
また、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙等のシールやプレートを貼着するためのスペース(図のSa,Sb)となっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58a,58bが形成されている。証紙等のシールを遊技盤30に直接貼り付ける構成とすることで、証紙等の不正な貼り直し等が行いにくいものとなっている。このとき、遊技盤30の右下隅部では、証紙等のシールが第1板状アンテナ551と前後に重なるようにして貼り付けられるようになっている。さらにいうと、本パチンコ機Pでは、遊技盤30の右下隅部に証紙等が貼り付けられた状態において、第1板状アンテナ551が証紙等により覆い隠されるようになっている。
遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機P前面側に露出されるようになっている。
樹脂ベース25の窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射機構160が取り付けられている。遊技球発射機構160は、図5に示すように、ベース部材としての金属板161を備えており、金属板161には、電磁式のソレノイド162と、発射レール163とが取り付けられている。
ソレノイド162は、本体部162aと出力軸162bとを主要構成部品として備えており、本体部161aへの電気的な信号の入力に基づき通電され、出力軸162bが伸縮方向に移動する。また、ソレノイド162は、通電時に出力軸162bが左斜め上方へ突出するように配置されている。発射レール163は、ソレノイド162により打ち出された遊技球を案内するものであり、その長手方向が出力軸162bの伸縮方向に延びるように配置されている。なお、発射レール163上には前扉枠13側の球出口(上皿23の最下流部より通じる球出口)から1つずつ遊技球Bが供給されるが、当該遊技球Bを発射レール163上に保持するためのストッパ164が金属板161上に取り付けられている。
以上の構成において、遊技者により遊技球発射ハンドル18が操作されるのに基づいてソレノイド162が通電されると出力軸162bが突出し、発射レール163上においてストッパ164により保持されている遊技球が打ち出される。そして、当該遊技球は発射レール163上を移動し、遊技領域に打ち出される。
発射レール163と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。したがって、仮に遊技球発射機構160から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。
本体枠12の前面において発射レール163の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図10参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。したがって、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機Pにあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。したがって、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。
樹脂ベース25には、窓孔26の右下部に略四角形状の小窓78が設けられている。したがって、遊技盤30の右下隅部スペース(図4のSa)に貼られた証紙等は、この小窓78を通じて視認できるようになっている。この小窓78から遊技盤30上に証紙等を直接貼り付けることも可能である。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部にも小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。
樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図6に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。したがって、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機Pでは、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。さらにいうと、本パチンコ機Pでは、キーが右に回された場合、前扉枠13の施錠が解かれると共に前扉枠13が本体枠12から押し出されるようにして開放される一方、キーが左に回された場合、本体枠12の施錠は解かれるものの当該本体枠12が外枠11から開放されないようになっている。つまり、本体枠12を外枠11から開放する場合には、キーを左に回した状態で本体枠12を前方に引き出す必要がある。
次に、前扉枠13について図1,図6を参照しつつ説明する。なお、図6は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は、円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。
前扉枠13の下端部における左右両側には、本体枠12表面や遊技盤30表面等(証紙等を含む)の一部を視認できるよう透明樹脂を取り付けた小窓107が設けられている。小窓107に取り付けられる透明樹脂は、その内部の証紙等を工場等で容易に機械読み取りできるよう平坦状に構成される。但し、小窓107に、内部の証紙等をホール作業者等が容易に目視できるよう拡大レンズ部を設けることも可能である。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状ランプ102が左右対称に設けられ、環状ランプ102の中央であってパチンコ機Pの最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央ランプ103が設けられている。本パチンコ機Pでは、中央ランプ103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿ランプ104が設けられている。その他、中央ランプ103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に、貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機Pの側方に配置されたCRユニットに紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図6に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図6の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機Pにおいても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図6の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134には、前記発射レール163に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面(図6に見える面)は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール163の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール163から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機P後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機P後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の内側が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。ガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
次に、パチンコ機Pの背面の構成を説明する。なお、図7はパチンコ機Pの背面図、図8はパチンコ機Pの背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機Pの背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機Pの背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主制御基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、電源及び発射制御装置313(電源及び発射制御基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図9の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機Pのほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機Pの背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機P本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機Pの背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機P本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機Pの背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機P本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図10は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図11は本体枠12を後方より見た斜視図、図12は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図10にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口装置33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機P外部の例えば遊技ホールHの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。したがって、図10に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機P外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機P外部に排出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置に特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球が特定領域に入ったことを判定するスイッチである。特定領域とはラウンドの更新可否を判定するための領域であり、Vゾーンとも称されている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口装置33に対応する位置には作動口装置33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271(主制御基板)に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271(主制御基板)に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口装置33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271(主制御基板)に取り込まれ、該主制御装置271(主制御基板)よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311(払出制御基板)に出力される。そして、払出制御装置311(払出制御基板)の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。
回収通路216の左下部には、回収通路216を前後方向に貫通する案内通路部553が形成されている。案内通路部553は、その中心軸線が遊技盤30に形成された貫通孔552の中心軸線と一致するように形成されている。そして、第1板状アンテナ551に接続された電気線及びアース線が、遊技盤30に形成された貫通孔552及び前記案内通路部553を介して遊技盤30の背面側に挿通されるようになっている。回収通路216の右中央部には矩形状の凹み部が形成されており、当該凹み部に金属製の第2板状アンテナ556が嵌め込み固定されている。第2板状アンテナ556は、第1板状アンテナ551と同様、その共振周波数を2.45GHz等の一定周波数に設定されている。また、例えば金属製部材(導電性部材)を有する入賞口スイッチ221は、第2板状アンテナ556の共振周波数が変化しないよう、第2板状アンテナ556から離間して配置されている。第2板状アンテナ556には、図10における前面側に、電気配線を接続するための金属製の係合部(図示略)が設けられている。第2板状アンテナ556は、第1板状アンテナ551に接続された電気線の他端の係合端子を前記係合部に係合させた上でネジ止め固定することにより、第1板状アンテナ551と電気的に接続されている。なお図示は省略するが、第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556とを接続する電気線は、回収通路216の背面側(図10における前面側)に沿うようにして固定されている。
集合板ユニット215には、その中央上部に中継端子板250が設けられており、さらにその右上部に盤用外部端子板230が設けられている。中継端子板250は、主制御装置271(主制御基板)や電源及び発射制御装置313(電源及び発射制御基板)から音声ランプ制御装置272への信号線を中継するものである。盤用外部端子板230には、表示制御装置214からの可変表示中信号を出力するための出力端子と、電源及び発射制御装置313からの発射許可信号を出力するための出力端子とが設けられている。なお、これ以外にも、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホールH側のホールコンピュータに対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には、第2板状アンテナ556を挟むようにして上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図13に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図10では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図10では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。シリンダ錠91の基端面には、キー操作に伴って回動するカム板92が設けられている。カム板92は、当該カム板92の上部から開閉中心側に向かって突出形成された第1係合爪部92aと、カム板92の下部から開閉中心側に向かって突出形成された第2係合爪部92bとを備えている。連動杆248は、カム板92の回動により上下いずれかの方向に移動する。具体的には、カム板92の一方への回動(図10における時計回りの回動)に伴って第1係合爪部92aが下向きに移動すると、第1係合爪部92aと連動杆248の被係合部が係合し、連動杆248が下方に移動にする。また、カム板92の他方への回動(図10における反時計回りの回動)に伴って第2係合爪部92bが上向きに移動すると、第2係合爪部92bと連動杆248の被係合部が係合し、連動杆248が上方に移動にする。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。基枠247には、カム板92の回動を検知するための検知センサ93が、カム板92と対応する位置に設けられている。詳細は後述するが、検知センサ93は、第1板状アンテナ551のアース線に設けられたスイッチ回路に電気的に接続されており、第2係合爪部92bの上向きの移動が検知された場合、スイッチ回路に対して解錠信号を出力するようになっている。また、基枠247には第1板状アンテナ551のアース線が接続されており、検知センサ93から解錠信号が出力されていない状況下において、第1板状アンテナ551及び第2板状アンテナ556がアースされるようになっている。
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図14〜図17に基づいて説明する。図14は第1制御基板ユニット201の正面図、図15は同ユニット201の斜視図、図16は同ユニット201の分解斜視図、図17は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(電源監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。主制御装置271には複数のコネクタが設けられており、各コネクタにハーネスや信号線が差し込まれることで、他の基板等(払出制御基板、盤面中継基板226等)との電気的な接続がなされるようになっている。なお、主制御装置271の詳細な構成については後に説明する。
音声ランプ制御装置272は、表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス274に収容されて構成されている。
取付台251は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、取付台251の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は縦横に直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面252の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面252より起立した起立部254が一体成形されている。そして、横長の基板搭載面252上に主制御装置271が配置されると共に、縦長の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部254にて支えられる。また、音声ランプ制御装置272は、複数箇所でネジ等により基板搭載面253に固定される。
ここで、図16に示すように、基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔256が形成されている。一方、主制御装置271の基板ボックス273には、図17に示すように、その裏面の左右2カ所に回動操作式の固定具275が設けられている。主制御装置271を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔256に固定具275が挿通されるように主制御装置271を載置し、その状態で固定具275を回動操作することで主制御装置271がロックされる。したがって、主制御装置271は第1制御基板ユニット201の裏面側から固定具275をロック解除しなければ取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
また、取付台251において、主制御基板用の基板搭載面252の下方には、基板搭載面252の裏面空間に通じる開口を遮蔽するための遮蔽部257が設けられている。したがって、基板搭載面252の下方より取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具275のロック状態を不正に解除することができないようになっている。また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機P裏面に搭載した状態では、当該ユニット201の上部が裏パックユニット203により覆われるため、やはり取付台251の裏面に手などを差し入れることが阻止され、固定具275のロック状態を不正に解除することができないようになっている。
取付台251の左端面には上下一対の掛止ピン261が設けられており、この掛止ピン261を前記軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持される。取付台251の右端部には前記被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ262が設けられている。取付台251の上端部には前記係止爪片233が係止される長孔263が設けられている。したがって、ナイラッチ262を被締結孔232にはめ込むと共に、長孔263に係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。
次に、主制御装置271の構成を図18〜図21に基づいて説明する。図18は主制御装置271の斜視図、図19は主制御装置271の分解斜視図、図20は主制御装置271の基板ボックス273を説明するための説明図、図21は主制御装置271の一部を拡大して示す斜視図である。
主制御装置271は、上記のとおり基板ボックス273を備えている。基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベース276と該ボックスベース276の開口部を覆うボックスカバー277とから構成されており、それらボックスベース276とボックスカバー277とから構成される内部空間に主制御基板278が収容されている。
主制御基板278は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生機、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を備えている。本実施の形態では、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ278aに1チップ化されている。また、詳細な説明は省略するが、主制御基板278には、入出力ドライバ用ICチップ278b及びラッチ用ICチップ278cが搭載されている。
ボックスベース276及びボックスカバー277は、ポリカーボネート樹脂などといった透明性を有する合成樹脂により形成されている。ボックスベース276には、底板部276aの長辺側に側板部276bが形成されており、短辺側の一側には側板部276bに連なるようにして段差部276cが形成されている。側板部276bの先端は内側に折り曲げて形成されている。側板部276bの右端部は、ボックスカバー277をスライド装着するための装着口276dとなっている。この場合、図20に示すように、ボックスカバー277を装着口276dから装着し、段差部276cに当たるまでスライド移動させることで、ボックスカバー277がボックスベース276上の所定位置に装着されるようになっている。
ボックスカバー277には、ボックスベース276の段差部276cと重なるようにして延出部277aが形成されている。延出部277aはボックスベース276の段差部276cと共に封印手段としての封印ユニット279(いわゆる、カシメ構造)を構成しており、当該封印ユニット279によってボックスベース276とボックスカバー277とが連結され、基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット279は、ボックスベース276とボックスカバー277とを連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図19等に示すように、5つの封印部材279a,279bが形成された構成となっており、この封印部材279a,279bの長孔に係止爪を挿入することでボックスベース276とボックスカバー277とが連結されるようになっている。この場合、係止爪を封印部材279a,279bから抜くことが不可能な構成となっているため、基板ボックス273を開封するためには封印部材279a,279bを破壊する必要が生じる。よって、基板ボックス273が不正に開封されたことの履歴を残すことができ、主制御基板278に対して不正が行われたことを発見することができる。
ボックスカバー277及びボックスベース276には、封印ユニット279が設けられた側部とは反対側の側部に貼付板部281,282が設けられており、これら貼付板部281,282が締結具(連結具)としての金属製のネジ283,284によって締結されている(連結されている)。このように金属製のネジ283,284によって締結することで、主制御基板278を不正に取り外すべく両貼付板部281,282を締結する締結具を分断しようとする行為が抑制される。
かかる締結に関する構成について図22に示す貼付板部281,282の縦断面図を用いて説明する。各貼付板部281,282には、それぞれの長辺方向の両端側に各貼付板部281,282を貫通するようにしてネジ孔285a,285b,286a,286bが形成されている。ネジ孔285aとネジ孔285bとはその軸線が同一軸線上に位置するようにして形成されており、これらが連通されて第1ネジ孔285が形成されている。一方、ネジ孔286aとネジ孔286bとはその軸線が同一軸線上に位置するようにして形成されており、これらが連通されて第2ネジ孔286が形成されている。なお、第1ネジ孔285及び第2ネジ孔286は、各貼付板部281,282において上下に並んでいる。
第1ネジ孔285には、貼付板部281におけるパチンコ機P後方を向く面281a(以下、第1貼付面281aともいう)側を段差状に拡径させて頭収容部287が形成されている。これに対して、第2ネジ孔286には、貼付板部282におけるパチンコ機P前方を向く面282a(以下、第2貼付面282aともいう)側を段差状に拡径させて頭収容部288が形成されている。そして、これら頭収容部287,288に各ネジ283,284の頭部283a,284aが収容されるようにネジ283,284が螺着されている。つまり、一方のネジ283(以下、第1ネジ283ともいう)は第1貼付面281a側から螺着されているのに対して、他方のネジ284(以下、第2ネジ284ともいう)は第2貼付面282a側から螺着されている。
各ネジ283,284の螺着に際しては、各頭部283a,284aが各頭収容部287,288の段差部287a,288aに当接するまで螺着される。この場合に、各頭部283a,284aが段差部287a,288aに当接した状態(すなわち、締結が完了した状態)では、各ネジ283,284の頭部283a,284aは開口289,290(以下、取り外し側開口289,290ともいう)に対してX1の距離だけ内側の位置にある。つまり、各頭部283a,284aの頂上(先端)の位置は各ネジ孔285,286における軸線方向の途中位置となっている。
各ネジ283,284によって締結された貼付板部281,282には、図21等に示すように、封印シール300が貼り付けられている。この場合に、図21や図22等に示すように、各貼付板部281,282には、その上縁に一連の上側突条291a,292aが一体形成されており、その下縁にも一連の下側突条291b,292bが一体形成されている。そして、各貼付板部281,282が締結されていることにより、各上側突条291a,292aの先端が相互に当接するとともに、各下側突条291b,292bの先端が相互に当接している。また、各貼付板部281,282はそれぞれボックスカバー277の側方端部293及びボックスベース276の側方端部294に対して連続させて形成されており、これら側方端部293,294はそれぞれ各貼付板部281,282の基端側の区画壁を構成する。つまり、上側突条291a,292a、下側突条291b,292b、及び側方端部293,294は囲み部Cとして機能し、貼付板部281,282における貼付面281a、281b,282a,282bは当該囲み部Cによって囲まれている。
囲み部Cによって囲まれた貼付面281a、281b,282a,282bには、封印シール300が略コ字状に曲げて貼り付けられている。この場合に、封印シール300の周縁は囲み部Cに近接しており、封印シール300を剥がそうとしても、その剥がし行為が非常に困難なものとなっている。封印シール300が貼り付けられていることにより貼付面281a、281b,282a,282bのほぼ全域が覆われている。したがって、各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290は封印シール300によって覆われている。
次に、封印シール300の構成を図23〜図26に基づいて説明する。図23は封印シール300の構成を示す断面図、図24(a)は封印シール300の構成を示す正面図、図24(b)は封印シール300の構成を示す背面図、図25は貼付面281a、281b,282a,282bに対する封印シール300の位置関係を説明するための説明図、図26(a)は封印シール300周辺を拡大して示す正面図、図26(b)は封印シール300周辺を拡大して示す側面図、図26(c)は封印シール300周辺を拡大して示す背面図である。なお、図25においては、後述する各切り込み307,308,309を省略して示す。
封印シール300は略矩形状のベースシート301を備えており、ベースシート301の背面には粘着剤が塗布され粘着層302が形成されている。また、粘着層302の一部には、IDタグ303が埋め込まれている。図23においては、粘着層302の背面側に剥離シート304が示されている。この剥離シート304は封印シール300を基板ボックス273に貼り付ける際に剥がされるものであり、剥離シート304を剥がすことにより封印シール300の裏面側において粘着層302が露出し、基板ボックス273へのシール貼着が可能となっている。
ベースシート301は、ポリエステル系フィルムなど、適度な脆性を有する可撓性樹脂フィルムにより形成されており、さらに溶剤や熱に対して反応性を有する。具体的には、粘着層302を構成する粘着剤に対して溶解性を備えたトルエンなどがベースシート301に塗布されると、ベースシート301は変色する。また、粘着層302の粘着力が低下する温度(例えば、50℃)以上の熱が加えられた場合にもベースシート301は変色する。これにより、基板ボックス273の貼付板部281,282から封印シール300を不正に剥がそうとして溶剤がかけられたり、熱が加えられたりした場合、ベースシート301が変色することで当該不正行為の痕跡を残すことができる。
粘着層302の粘着剤は、従来の封印シールと同様に、一旦貼り付けされた後に剥がされる場合にベースシート301から剥離される程度の粘着力を有している。したがって、封印シール330が剥がされた場合には再度貼り付けすることが不可能となり、さらには粘着層の一部が基板ボックス側に残ることとなる。よって、封印シール330を不正に剥がした痕跡を残すことができる。
IDタグ303は、ICチップ305及びアンテナ部306より構成されており、長尺状のアンテナ部306の中央付近にICチップ305が配置されている。ICチップ305は集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。具体的には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。ICチップ305のメモリ領域はデータ書き換え不可であるため、ID情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できるようになっている。さらにいうと、ICチップ305にはICチップ305毎に異なるID情報が格納されるようになっており、同一のID情報を有するIDタグ303が生産されないようになっている。この点からも不正を抑止することが可能となっている。
アンテナ部306は、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ305の厚みよりも薄い。また、アンテナ部306は、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。そして、ICチップ305のID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部306から発信することができるように構成されており、アンテナ部306から発信されたID情報を、リーダー装置で受信して読み取ることができるようになっている。
IDタグ303(アンテナ部306)は、図24(b)に示すように、ベースシート301において斜めに配置されている。詳細には、IDタグ303のICチップ305が矩形状のベースシート301の中心に位置するように配置されている。また、アンテナ部306がベースシート301の対角線上から若干ずれた位置となるよう、ベースシート331の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。したがって、IDタグ303は、矩形状のベースシート301の中心に対して点対称となるように配置されており、アンテナ部306の長手方向がベースシート301の両対角線と交差している。この場合、長尺状のアンテナ部306はその長手方向がベースシート301のすべての辺方向と交差することとなる。そして、封印シール300が両貼付板部281,282に跨って貼り付けられているのに伴って、アンテナ部306も両貼付板部281,282に跨っている。
また、封印シール300には、アンテナ部306の長手方向に沿って等間隔で並ぶ多数のアンテナ用切り込み307が形成されている。アンテナ用切り込み307は、アンテナ部306の長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、ベースシート301の表面側から粘着層302の背面側まで貫通している(なお、図24(a)ではアンテナ用切り込み307を省略して示している)。すなわち、アンテナ用切り込み307は、図24における前後方向に封印シール307を貫通している。ちなみに、アンテナ用切り込み307が延びる方向は、アンテナ部306の長手方向に対して略直交する方向であるため、ベースシート301のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み307は、アンテナ部306に若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ部306はアンテナ用切り込み307により分断されていないため、ID情報の送信に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み307がアンテナ部306を挟んで直線状に並ばないように、アンテナ部306の一側に位置するアンテナ用切り込み307と他側に位置するアンテナ用切り込み307がずらして形成されている。詳細には、アンテナ部306の一側に位置するアンテナ用切り込み307と他側に位置するアンテナ用切り込み307が、アンテナ部306の長手方向に沿って交互に並ぶように形成されている。
以上説明した封印シール300を両貼付板部281,282から剥がそうとする場合、その剥がす力に伴う応力がアンテナ部306の周囲に位置するアンテナ用切り込み307の端部に集中することで、アンテナ用切り込み307を介してベースシート301が破断され、それに伴ってアンテナ部306が分断されることとなる。つまり、アンテナ用切り込み307におけるアンテナ部306側の端部に応力が集中し、アンテナ部306の一側に位置するアンテナ用切り込み307と他側に位置するアンテナ用切り込み307とを結ぶようにして応力が伝搬することによりアンテナ部306が分断される。アンテナ部306が分断されるとID情報がアンテナ部306から送信されなくなるので、ID情報をリーダー装置で読み取ることができなくなる。よって、封印シール300を両貼付板部281,282から丁寧に剥がして基板ボックス273を開封し、主制御基板278に対して不正を行った後に基板ボックス273を封印して封印シール300を再度貼ったとしても、アンテナ部306が分断されているためにID情報をリーダー装置で読み取ることができず、当該不正行為を容易に発見することができる。
封印シール300の4隅には、ベースシート301の表面側から粘着層302の背面側まで貫通する隅側切り込み308がそれぞれ形成されている。詳細には、隅側切り込み308は、封印シール300の隅角の内側にて当該隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。よって、封印シール300がその一辺に沿う方向に剥がされるのではなく封印シール300の隅角側から剥がされたとしても、隅側切り込み308から封印シール300に破断が生じ、不正行為の痕跡を残すことができる。
封印シール300の外縁には、図24に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み309が形成されている。これら外縁切り込み309は、内側から外側に向けて開くようにして鋭角のV字状となっており、さらに封印シール300の外周に沿う方向に等間隔で形成されている。したがって、基板ボックス273の両貼付板部281,282から封印シール300を剥がそうとすると、この剥がす力に伴う応力が外縁切り込み309の内側端部に集中し、また上記のとおりベースシート301が適度な脆性を有していることにより、封印シール300に破れなどといった破断が生じる。これにより、封印シール300が剥がされたことの痕跡を残すことができ、主制御基板278に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
また、ベースシート301の表面には、図24(a)に示すように、インク塗布部301a、識別情報部301b及び機種情報部301cが設けられている。インク塗布部301aには、紫外線などといった特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別情報部301bには、複数の英数字(アルファベット又は数字)が記載されており、当該識別情報部301bに記載される英数字は遊技機毎に異なるものとなっている。この場合に、識別情報部301bに記載される英数字はICチップ305に格納されているID情報と対応づけて規定されている。例えば、ID情報が数字で登録されている場合には、ID情報の数字と識別情報部301bに記載された数字との和が、遊技ホールHなどに設置された複数の遊技機において同一となるように規定されている。機種情報部301cには、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカ名などが記載されている。
識別情報部301bに付される英数字について追記する。封印シール300の製造過程において、当該封印シール300にIDタグ303が組み付けられた段階では未だ識別情報部301bに英数字が付されておらず、IDタグ303の組み付け後にリーダー装置によりID情報が読み取られると、その読み取られたID情報に関連付けて英数字がレーザ刻印等により印字される。なお、識別情報部301bに英数字を印字する作業は、IDタグ303のID情報が正常に読み取ることができたことを条件に行われ、仮にIDタグ303のID情報が正常に読み取れなかった場合には、英数字の印字が行われない。この場合、該当する封印シール300は、再使用されないようIDタグ303を破壊した上で破棄される。
ここで、封印シール300の図24(a)における上部領域R1は、ボックスカバー277の貼付板部281側、より詳しくは第1貼付面281aに貼り付けられる。よって、主制御装置271の正面側からインク塗布部301a及び識別情報部301bを視認することができ、インク塗布部301a及び識別情報部301bの確認作業を容易に行うことができる。また、封印シール300の図24(a)における中間領域R2は、両貼付板部281,282の側面側、より詳しくは貼付面281b,282bに貼付される。よって、インク塗布部301aや識別情報部301bの確認作業に加えて、機種情報部301cに記載された内容の確認作業は、主制御装置271を取付台251から取り外すことなく行うことができる。なお、下部領域R3は、ボックスベース276の貼付板部282側、より詳しくは第2貼付面282aに貼付される。
以上のようにインク塗布部301a及び識別情報部301bが設けられていることにより、主制御装置271が不正に交換された場合に、その交換がなされていることを容易に発見することができる。即ち、交換された不正用の主制御装置が正規のものと外観上区別できなかったとしても、インク塗布部301aに特有の光を照射し模様が表れないことを目視確認したり、識別情報部301bや機種情報部301cに記載された内容が異なることを目視確認したりすることにより、主制御装置271が交換されたことを発見することができる。また、不正用の主制御装置の封印シールにIDタグが設けられていたとしても、上述した通りIDタグ303には各IDタグ303固有のID情報が格納されているため、ID情報をリーダー装置で読み取り、その情報と識別情報部301bの情報とを確認することで交換されたことを発見することができる。
次に、封印シール300のアンテナ部306と各貼付板部281,282を締結する各ネジ283,284との位置関係について説明する。
アンテナ部306の両端部306a,306bは、図26等に示すように、第1貼付面281a及び第2貼付面282aにおいて、各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290を跨ぐようにして配置されている。詳細には、アンテナ部306の短手方向の寸法は当該開口289,290の孔径よりも小さくなっており、さらにアンテナ部306はその両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を挟んで当該開口289,290の周縁部を架渡すように配置されている。このようにアンテナ部306が配置されていることにより、アンテナ部306の両端部306a,306bは対応するネジ283,284の頭部283a,284aと対峙している。
かかる構成において、上記のとおり、各ネジ283,284の頭部283a,284aの頂上の位置は各ネジ孔285,286における軸線方向の途中位置となっている。すなわち、各頭部283a,284aの頂上の位置は封印シール300に対して各ネジ孔285,286内に入り込んだ位置となっている。したがって、アンテナ部306と各ネジ283,284とは、図22に示すように離間されている。また、アンテナ部306と各ネジ283,284との間には両者を介在する介在部材が設けられていない。つまり、アンテナ部306と各ネジ283,284との間には空間Sが設けられている。これにより、アンテナ部306が各ネジ283,284に接触することが防止されている。特に、上記のとおりアンテナ部306が取り外し側開口289,290を挟んで当該開口289,290の周縁部を架渡すように配置されているため、アンテナ部306がネジ孔285,286内に向けて撓みにくくなり、アンテナ部306と各ネジ283,284の頭部283a,284aとを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。例えば、アンテナ部306が各ネジ283,284に接触すると、設定された共振周波数(本実施の形態では、2.45GHz)が変化してしまい、ICチップ305に記憶されたID情報がリーダー装置によって読み取れなくなるおそれがあるが、本実施の形態における構成によればかかる不都合の発生を防止することができる。
上記のとおり各貼付板部281,282には囲み部Cが形成されており、封印シール300の周縁は囲み部Cに近接している。したがって、封印シール300の貼り付け作業に際しては、封印シール300が囲み部Cによって囲まれた領域内からはみ出ないように貼り付けることで、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する。
また、図25に示すように、囲み部Cによって囲まれる領域は、封印シール300の面積よりも広くなっている。これにより、封印シール300の貼り付け作業に際しては、貼り付け位置に所定のゆとりが生まれ、貼り付け作業の作業性が向上されている。この場合に、その貼り付け位置のゆとりは、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、且つ各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する範囲内で形成されている。さらに、上記のとおりIDタグ303は矩形状のベースシート301の中心に対して点対称となるように配置されているため、封印シール300を上下逆に貼り付けたとしても、アンテナ部306の両端部306a,306bが取り外し側開口289,290を跨ぎ、且つ各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する。
さらに、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定された状態では、主制御装置271の封印シール300と、遊技盤30の第2板状アンテナ556とが取付台251を介して対向するようになっている。より詳しくは、ボックスカバー277の裏側貼付面282bに貼り付けされたアンテナ部306と、遊技盤30の第2板状アンテナ556とが取付台251を介して対向するようになっている。封印シール300と第2板状アンテナ556との間には、合成樹脂製の取付台251が位置するのみであり、例えば電気線等の金属製部材(導電性部材)が位置しないようになっている。したがって、封印シール300のアンテナ部306から電波が送信された際には第2板状アンテナ556が前記電波を受信でき、第2板状アンテナ556から電波が送信された際には封印シール300のアンテナ部306が前記電波を受信できるようになっている。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図27〜図29に基づいて説明する。図27は第2制御基板ユニット202の正面図、図28は同ユニット202の斜視図、図29は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台325を有し、取付台325に払出制御装置311、電源及び発射制御装置313及びCRユニット接続基板314が搭載されている。
払出制御装置311は、賞品球や貸出球の払出を制御する払出制御基板を具備しており、当該払出制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス315に収容されて構成されている。基板ボックス315は、ボックスベース317とボックスカバー318とから構成されており、これらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。また、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられており、例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置313は、基板ボックス316内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機Pは各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールHの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
CRユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないCRユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。
取付台325は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面326が設けられている。基板搭載面326には、電源及び発射制御装置313及びCRユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源及び発射制御装置313の基板ボックス316上には略平板状の台座プレート327が載置されるとともに台座プレート327上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。
取付台325には、パチンコ機P後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン328が設けられており、掛止ピン328を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台325の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ329が設けられており、ナイラッチ329を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。
次に、裏パックユニット203の構成を図30,図31に基づいて説明する。図30は裏パックユニット203の正面図、図31は裏パックユニット203の分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機P後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールHの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する裏パック接続基板381が設置されている。また、裏パック接続基板381は、外部より主電源を取り込む役割を果たす。即ち、裏パック接続基板381には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ381aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、払出モータ358aからの駆動信号を出力するための出力端子、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホールH側のホールコンピュータに対して枠側の状態に関する信号が出力される。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。したがって、裏パックユニット203を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット203を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機P後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。
次に、本パチンコ機Pの電気的構成について、図32のブロック図に基づいて説明する。図32では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置271に設けられた主制御基板278には、主制御回路500と停電監視回路508とが内蔵されている。主制御回路500には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機Pの電源の遮断後においても電源及び発射制御装置313に設けられた電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源(データ記憶保持用電圧)が供給されてデータが保持される構成となっている。詳細には、電源及び発射制御基板313aには、データ記憶保持用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからデータ記憶保持用電源が供給される。
CPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御回路500の入力側には、主制御基板278に設けられた停電監視回路508、払出制御装置311に設けられた払出制御基板311a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路508には電源及び発射制御基板313aが接続されており、主制御回路500には停電監視回路508を介して電源が供給される。
一方、主制御回路500の出力側には、停電監視回路508、払出制御基板311a及び中継端子板250が接続されている。払出制御基板311aには、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板250を介して主制御回路500から音声ランプ制御装置272に設けられた音声ランプ制御基板272aに対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路508は、主制御回路500と電源及び発射制御基板313aとを中継し、また電源及び発射制御基板313aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板311aは、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御基板311aのRAM513は、主制御回路500のRAM503と同様に、パチンコ機Pの電源の遮断後においても電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源が供給されてデータを保持できる構成となっている。また、RAM513における各種のカウンタ等が記憶される作業エリアには、コマンド入力フラグ格納エリアなどといった各種フラグ格納エリアと共に、主制御回路500から出力されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ513aが設けられている。
コマンドバッファ513aは、主制御回路500から出力されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ513aにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御基板311aのCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板311aの入力側には、主制御回路500、電源及び発射制御基板313a、及び裏パック接続基板381が接続されている。また、払出制御基板311aの出力側には、主制御回路500及び裏パック接続基板381が接続されている。この場合に、裏パック接続基板381を介して払出装置358などを含む払出機構部352が接続されている。
電源及び発射制御基板313aは、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御回路500や払出制御基板311a等に対して各々に必要な動作電源を供給する。
発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従って発射ソレノイド162の発射制御を担うものであり、発射ソレノイド162は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。具体的には、発射制御部には遊技球発射ハンドル18に設けられた発射スイッチ331、タッチセンサ332及び止め打ちスイッチ333が接続されており、発射スイッチ331及びタッチセンサ332がオン、止め打ちスイッチ333がオフの状態となった場合に限って発射許可信号を主制御回路500(停電監視回路508を介して)に出力する。主制御回路500は、当該発射許可信号の入力に基づいて所定周期の発射制御信号を発射制御部(停電監視回路508を介して)に出力する。これにより、発射制御部は、発射制御信号の入力周期に従って発射ソレノイド162を駆動する。この場合に、遊技球発射ハンドル18にはハンドル操作量を判定するためのダイヤル可変抵抗器が設けられており、発射制御部はダイヤル可変抵抗器における抵抗値の変化に基づいて発射ソレノイド162による打ち出し速度を決定する。また、発射許可信号は主制御回路500だけでなく、遊技ホールH側のホールコンピュータに出力される。
なお、電源部には、RAM消去スイッチ回路が設けられており、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御回路500のRAM503に記憶されたデータをクリアするためのRAM消去信号を出力する。即ち、RAM消去スイッチ323が押された際、RAM消去スイッチ回路は主制御回路500に対してRAM消去信号を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機Pの電源が投入されると、主制御回路500においてRAM503のデータがクリアされる。また、この際、主制御回路500から払出制御基板311aに対して払出初期化コマンドが出力され、払出制御基板311aにおいてもRAM513のデータがクリアされる。
音声ランプ制御基板272aは、スピーカ20や各種ランプ102〜106、及び表示制御装置214を制御するものである。演算装置であるCPU521は、そのCPU521により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM522と、ワークメモリ等として使用されるRAM523とを備えている。
音声ランプ制御基板272aのCPU521にはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板272aの入力側には中継端子板250に中継されて主制御回路500が接続されており、主制御回路500から出力される各種コマンドに基づいて、スピーカ20、各種ランプ102〜106、及び表示制御装置214を制御する。表示制御装置214は、音声ランプ制御基板272aから入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置41を制御する。
以下、封印シール300のIDタグ303に格納されたID情報を用いたパチンコ機管理システムについて概略を説明する。図33は本実施形態におけるパチンコ機管理システムの概要を示す構成図である。
図33において、遊技ホールHには多数のパチンコ機Pが設置されている。パチンコ機Pの主制御装置271には、IDタグ303によって各パチンコ機P固有のID情報が付与されている。リーダー装置601は、ハンディタイプの読取装置であり、IDタグ303のID情報を読み取るための読み取り機能を有している。リーダー装置601は、パチンコ機P前面側に設けられた第1板状アンテナ551にリーダー装置601を近接させることにより、非接触の状態でID情報の読み取りが可能となっている。リーダー装置601には、各種ボタン類よりなり管理者等が入力操作を行う操作部601aと、液晶画面等よりなる表示部601bとが設けられている。
管理コンピュータ602は、パチンコ機Pの管理プログラムを有する電子演算装置であり、リーダー装置601に接続されることで同リーダー装置601の読み取り情報(IDタグ303のID情報)を読み込むことができるようになっている。図33中、符号603は、遊技ゲーム数や大当たり回数などを表示するためのデータカウンタであり、同データカウンタ603には、遊技ホールHにおいてパチンコ機P毎の台番号等が付されている。
ちなみに、遊技ホールHには、各パチンコ機Pの出玉管理等を行うホールコンピュータが設けられているが、上記管理コンピュータ602はホールコンピュータと別装置として構成されており、例えばノート型パソコンで具現化される。なお、リーダー装置601とホールコンピュータとを双方向通信可能な構成とし、リーダー装置601にて読み込まれた読み取り情報がホールコンピュータに転送される構成としても良い。或いは、リーダー装置601が読み取り情報を記憶可能な構成とし、各パチンコ機PのID情報を読み取る作業を行った後に、リーダー装置601に記憶された読み取り情報をホールコンピュータで取り込む構成としても良い。
ここで、本実施の形態では、パチンコ機P背面側に設けられたIDタグ303のID情報を、本体枠12や前扉枠13を外枠11から開放することなく、パチンコ機P前面側からリーダー装置601により読み取ることができるようになっている。そこで、ID情報の読み取りシステムに関する電気的構成について、図34に基づいて説明する。
パチンコ機Pの前面側には、第1板状アンテナ551が設けられている。第1板状アンテナ551は、パチンコ機Pの背面側に設けられた第2板状アンテナ556と電気線により電気的に接続されている。各板状アンテナ551,556は、共振周波数を共に2.45GHz等の一定周波数に設定されている。第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556を接続する電気線には、電流を増幅させるアンプ等からなる増幅装置561が接続されている。主制御装置271には、第2板状アンテナ556と対向する位置に封印シール300が貼り付けられており、封印シール300に設けられたアンテナ部306と第2板状アンテナ556とが取付台251を介して対向するようになっている。また、第1板状アンテナ551は、アース線を通じて施錠装置の基枠247に接続されており、当該施錠装置からアースされるようになっている。そして、第2板状アンテナ556は増幅装置561を介して第1板状アンテナ551と電気的に接続されており、第2板状アンテナ556も第1板状アンテナ551に接続されたアース線を通じて施錠装置からアースされるようになっている。つまり、各板状アンテナ551,556は、施錠装置からアースされるようになっている。第1板状アンテナ551と施錠装置とを接続するアース線には、各板状アンテナ551,556のアース状態と非アース状態とを切り替え可能なスイッチ回路562が設けられている。スイッチ回路562には検知センサ93から出力された解錠信号が入力されるようになっている。検知センサ93は、カム板92の回動、より詳しくは第2係合爪部92bの上向きの移動が検知された場合に解錠信号を出力し、スイッチ回路562に前記解錠信号が入力されると、各板状アンテナ551,556がアース状態から非アース状態に切り替えられるようになっている。
リーダー装置601は、その内部にCPU606、RF回路607、及びリーダーアンテナ608を備えている。CPU606はRF回路607に接続されており、RF回路607はリーダーアンテナ608に接続されている。CPU606には、当該CPU606により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMが内蔵されている。CPU606の入力側及び出力側には、管理コンピュータ602が接続されている。
管理コンピュータ602は、演算処理手段であるCPUを備えている。CPUには、このCPUによって実行される各種の制御プログラムや、各パチンコ機Pに設けられたICチップ305のID情報といった固定値データ等を記憶したROMと、このROM内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAMなどが内蔵されている。また、管理コンピュータ602には表示装置が設けられており、CPUにおける処理に基づいて表示装置に各種の表示が行われるようになっている。
次に、遊技ホールHの管理者等により行われるID情報の読み取り作業について説明する。
ID情報の読み取り作業を行う際には、先ずシリンダ錠91の鍵穴にキーを差し込み、差し込んだキーを反時計回りに操作する。このとき、検知センサ93は、キー操作に伴う第2係合爪部92bの上向きの移動を検知し、解錠信号をスイッチ回路562に対して出力する。スイッチ回路562に前記解錠信号が入力されると、各板状アンテナ551,556がアース状態から非アース状態に切り替えられる。
管理者等がリーダー装置601の操作部601aに所定の入力操作を行った場合、リーダー装置601のCPU606は、RF回路607を駆動してリーダーアンテナ608から所定周波数(本実施の形態では2.45GHz)の呼出波を出力させる。リーダーアンテナ608から出力された呼出波により、誘導電磁界が形成される。そこで、キーを反時計回りに操作した状態でこの誘導電磁界内に第1板状アンテナ551が位置する程度にリーダー装置601を第1板状アンテナ551に近接させると、各板状アンテナ551,556が非アース状態に切り替えられているため、第1板状アンテナ551に呼出波が入力される。
ここで、本体枠12と前扉枠13には、第1板状アンテナ551と対応する位置に小窓78,107がそれぞれ設けられており、第1板状アンテナ551の前方には、前扉枠13の小窓107に透明樹脂が取り付けられているのみであって金属製部材(導電性部材)が取り付けられていない。つまり、第1板状アンテナ551の前方には、リーダーアンテナ608から出力された呼出波を遮蔽する部材が設けられていない。また、リーダー装置601は、前扉枠13の小窓107にリーダー装置601を近接させれば、第1板状アンテナ551に呼出波を入力させることが可能な構成となっている。したがって、本実施の形態では、前扉枠13を本体枠12から開放せずとも、前扉枠13の小窓107にリーダー装置601を近接させれば、呼出波を第1板状アンテナ551に入力させることができる。
リーダー装置601から出力された呼出波が第1板状アンテナ551に入力されると、当該呼出波は電流に変換され、第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556とを接続する電気線に電流が生じる。電気線に生じた電流は増幅装置561により増幅され、第2板状アンテナ556から所定周波数の呼出波が出力される。第2板状アンテナ556から出力された呼出波により、パチンコ機Pの背面側に誘導電磁界が形成される。この誘導電磁界が形成される範囲内には、主制御装置271に貼り付けられた封印シール300が含まれている。パチンコ機Pの封印シール300に設けられたアンテナ部306は、第2板状アンテナ556から出力される呼出波の周波数に合わせて作製されている。
第2板状アンテナ556から出力される呼出波によって誘導電磁界が形成されることで、アンテナ部306において電磁誘導により起電力が発生する。封印シール300のICチップ305では、この起電力を電源としてメモリ領域に記憶されているID情報を呼び出し、アンテナ部306からID情報を含んだ応答波を出力する。この出力された応答波は第2板状アンテナ556に入力される。第2板状アンテナ556に入力された応答波は電流に変換されて第1板状アンテナ551に至り、第1板状アンテナ551からID情報を含んだ応答波として出力される。
リーダー装置601が第1板状アンテナ551(前扉枠13の小窓107)に近接された状態であれば、第1板状アンテナ551から出力された応答波がリーダー装置601のリーダーアンテナ608に入力される。この入力された応答波に内在したID情報はリーダー装置601のCPU606に読み込まれ、当該CPU606は読み込んだID情報を管理コンピュータ602に出力する。管理コンピュータ602のCPUにおいては、入力されたID情報がROMに記憶されたID情報と一致するか否かを判定し、一致する場合には、管理コンピュータ602に設けられた表示装置において正常表示を行う。一方、例えば主制御装置271が不正用の主制御装置に交換され、当該主制御装置にIDタグを有する不正な封印シールが設けられていた場合、上述した通りIDタグ303には各IDタグ303固有のID情報が格納されているため、入力されたID情報が管理コンピュータ602のROMに記憶されたID情報と一致しない。かかる場合には、管理コンピュータ602の表示装置においてエラー表示を行う。
また、パチンコ機Pの主制御装置271が不正な主制御装置に交換された場合には、封印シール300が貼り付けられていないため応答波の出力は行われない。加えて、主制御装置271の基板ボックス273が不正に開放された場合には、封印シール300のアンテナ部306が分断されているためアンテナ部306からの応答波の出力は行われない。これらの場合、管理コンピュータ602のCPUにおいては、不正が行われたパチンコ機Pに対応するID情報がリーダー装置601から出力されないことに基づいて、そのパチンコ機Pにおける主制御装置271に対して不正行為が行われたことを把握する。そして、管理コンピュータ602に設けられた表示装置においてエラー表示を行う。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置271にID情報が記憶されたIDタグ303を設けたことにより、そのID情報の読み取りを行うことで不正な制御装置への交換等といった不正行為が行われたか否かを確認することができる。
遊技盤30の前面側に第1板状アンテナ551を設けると共に、遊技盤30の背面側にはIDタグ303のアンテナ部306と対向する位置に第2板状アンテナ556を設け、これら板状アンテナ551,556が電気的に接続される構成とした。かかる構成とすることにより、遊技ホールHの管理者等がID情報の読み取り作業を行う場合に、外枠11から本体枠12を開放することなく、パチンコ機Pの前面側からリーダー装置601を用いてID情報の読み取りを行うことができる。故に、ID情報の読み取りに基づいた不正行為の確認を容易に行うことができる。遊技ホールHには多数のパチンコ機Pが設置されていることが一般的であるため、本体枠12を外枠11から開放し、パチンコ機Pの背面側に設けられたIDタグ303にリーダー装置601を近接させてID情報を読み取る構成とした場合、読み取り作業の繁雑化が懸念されるからである。
遊技盤30の右下隅部に第1板状アンテナ551を設けたため、IDタグ303のID情報をパチンコ機P前面側から読み取る構成とした場合であっても、パチンコ機Pの構成が複雑化することを抑制することが可能となる。すなわち、遊技盤30の右下隅部は、証紙等のシールが貼り付けられるスペースであり、証紙等の記載内容を容易に確認するためには遊技盤30を平坦に形成することが望ましい。また、第1板状アンテナ551を設けるにあたっては、リーダー装置601からの呼出波が確実に入力されるよう、遊技盤30の平坦な位置に設けることが望ましい。したがって、第1板状アンテナ551を遊技盤30の右下隅部に設けることにより、証紙等の貼り付けられるスペース及び証紙等の視認性を確保しつつ、第1板状アンテナ551を比較的容易に遊技盤30に設けることができる。また、当該部位は遊技領域外であるため、可変入賞装置32や可変表示ユニット35等の遊技領域内に配置される各種部材の配置自由度が低下することも抑制することができる。さらには、証紙等のシールをパチンコ機P前方から視認可能とすべく、本体枠12及び前扉枠13には小窓78,107がそれぞれ設けられており、金属製部材が設けられていない。したがって、当該部位に第1板状アンテナ551を設ければ、本体枠12や前扉枠13に設計変更を施すことなく第1板状アンテナ551を設けることができる。以上の結果、パチンコ機Pの構成が複雑化することを抑制しつつ、証紙等の貼り付けられるスペースを利用して第1板状アンテナ551を設けることが可能となる。
第1板状アンテナ551を遊技盤30の前面側に設ける場合、第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556を接続する電気線を遊技盤30の背面側に挿通させるための挿通孔部が必要となる。そこで、遊技盤30の右下隅部に貫通孔552を形成する一方、第1板状アンテナ551が遊技盤30に取り付けられた状態では、貫通孔552が第1板状アンテナ551により覆い隠される構成とした。かかる構成とすることにより、針金やフィルム等を貫通孔552から遊技盤30の背面側に侵入させ、主制御装置271等に不正が行われることを防止することができる。また、遊技盤30の右下隅部に証紙等が貼り付けられた状態では第1板状アンテナ551が証紙等により覆い隠される構成としたため、貫通孔552の存在のみならず第1板状アンテナ551の存在をも把握し難くすることができる。故に、貫通孔552を用いた不正行為のみならず第1板状アンテナに向けて電波を入力させる不正行為をも抑止することが可能となる。
キーがシリンダ錠91の鍵穴に差し込まれた状態で反時計回りに操作された場合、各板状アンテナ551,556がアース状態から非アース状態に切り替えられる構成とした。かかる構成とすることにより、各板状アンテナ551,556が帯電し、読み取り作業を行う際にノイズが発生してID情報を正確に読み取れなくなる不具合が発生することを回避できる。また、キーは遊技ホールHの管理者等が所持していることが一般的であるため、キー操作によってアース状態と非アース状態を切り替え可能な構成とすることにより、各板状アンテナ551,556がアース状態から非アース状態に切り替えられて主制御装置271のID情報を不正に読み取られる不具合を抑制することが可能となる。この結果、主制御装置271に貼り付けられた封印シール300のID情報を不正に取得し、当該ID情報を有する封印シールを偽造する等の不正が行われることを抑制することが可能となる。
第1板状アンテナ551を遊技盤30の右下隅部、すなわちパチンコ機Pの開放端側に設けると共に、アース線を施錠装置の基枠247に接続し、施錠装置へのキー操作に基づいて各板状アンテナ551,556をアース状態から非アース状態に切り替えられる構成とした。かかる構成においては、各板状アンテナ551,556のアース機構をパチンコ機Pの開放端側に集約させることができ、アース線の取り回しや検知センサ93とスイッチ回路562の接続等を比較的容易なものとすることが可能となる。
第2板状アンテナ556を回収通路216に設けたため、第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556とを接続する電気線の取り回しを容易なものとしつつ、遊技盤30裏面のメンテナンス作業等が繁雑化することを抑制することが可能となる。
ここで、第2板状アンテナ556を取付台251に設けた場合を考える。可変入賞装置32等のメンテナンス作業を行う際には取付台251(第1制御基板ユニット201)が遊技盤30から展開されるため、第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556とを接続する電気線の取り回しを容易なものとすべく当該電気線を短くするには、第2板状アンテナ556を取付台251から着脱可能な構成とする必要がある。かかる構成とした場合、メンテナンス作業の開始前後に第2板状アンテナ556の着脱作業を行う必要が生じ、メンテナンス作業の繁雑化が懸念されることとなる。また、メンテナンス作業開始前における第2板状アンテナ556の取り外し忘れに伴う電気線の破損、メンテナンス作業終了時における第2板状アンテナ556の取り付け忘れ等も懸念される。このことは、メンテナンス作業の開始前後に第2板状アンテナ556ではなく電気線を着脱させる構成としても同様である。これら懸念を解消すべく、第2板状アンテナ556と電気線を取り付けたまま第1制御基板ユニット201を展開できるよう電気線の長さを長くした場合、例えば他の電気線と絡まったり、取付台251を遊技盤30に固定した際に電気線を取付台251と遊技盤30との間に挟み込んでしまったりする等の不具合が生じ得る。
一方、第2板状アンテナ556を回収通路216に設けた本実施の形態の場合、電気線の長さの最適化を図ることができると共に、メンテナンス作業時に第2板状アンテナ556や電気線の着脱作業を行うことなく取付台251を展開させることができる。故に、第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556とを接続する電気線の取り回しを容易なものとしつつ、遊技盤30裏面のメンテナンス作業等が繁雑化することを抑制することが可能となる。
第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556とを接続する電気線に増幅装置561を接続したため、リーダー装置601から出力された呼出波又は封印シールから出力された応答波の減衰を抑制することが可能となる。
ICチップ305を、アンテナ部306を有するIDタグ303として封印シール300に設けた。このIDタグ303はアンテナ部306から出力する応答波によりID情報を出力する構成であり、アンテナ部306が分断されることにより応答波の出力が行われなくなる。また、アンテナ部306は封印シール300を剥がす力に伴う応力によって一部が破断される程度の脆性を有している。さらには、主制御装置271の基板ボックス273を開封するためには封印シール300を剥がす必要がある。つまり、以上の構成によれば、基板ボックス273が開封された場合には、ICチップ305からID情報が出力されなくなり、エラー表示が行われる。よって、不正な主制御装置への交換だけでなく、基板ボックス273の不正な開封が行われたか否かを確認することができる。
IDタグ303を有する封印シール300を主制御装置271に貼り付けることにより、仮に不正行為が行われたとしてもその不正行為を適正に見つけることが可能となる。主制御装置271は少なくとも当たり抽選機能と払出管理機能とを有しているため、その主制御装置271を対象にして不正行為がなされる可能性が高いと考えられるからである。
主制御装置271において、主制御基板278を収容するボックスベース276とボックスカバー277とを跨ぐようにして、IDタグ303を有する封印シール300を貼り付ける構成とした。かかる構成において基板ボックス273を開封するためには、貼付板部281,282から封印シール300を剥がし当該貼付板部281,282のネジ固定を解除する必要がある。この場合に、封印シール300をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力がベースシート301の隅角部分に集中する。そして、ベースシート301が適度な脆性(封印シール300を剥がす力に伴う応力によって一部が破断される脆性)を有しているので、ベースシート301が大きく破断されることとなる。また、封印シール300の外縁に、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込み309を形成したため、封印シール300をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込み309の内側端部(内側に尖った部位)に集中し、ベースシート301の破断の程度はより大きなものとなる。さらに、封印シール300を貼付板部281,282に対して略コ字状に折り曲げて貼り付けたため、封印シール300をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が折り曲げ部分に集中し、同様にベースシート301が大きく破断されることとなる。この場合、封印シール300が不正に剥がされたこと、即ち、主制御装置271(主制御基板278)に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。
かかる構成を有する場合、主制御装置271に対して不正を行おうとする者は、封印シール300の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がすことで、剥がす力に伴う応力をベースシート301の一辺全体に分散させ、ベース部材が極力破断されないようにする。この点、アンテナ部306をその長手方向が封印シール300のすべての辺方向と交差するように配置する構成としたため、封印シール300をその一辺全体から剥がそうとすると、アンテナ部306の長辺方向と交差する方向に破断が生じる。そして、アンテナ部306が長尺状であり、アンテナ部306の長手方向と交差する方向の寸法は短くなっていることにより、破断が生じた位置にてアンテナ部306が分断されることとなる。この場合、遊技ホールHの管理者等がリーダー装置601によりICチップ305に格納されたID情報を確認できなくなるため、主制御装置271に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、上記のとおり、アンテナ部306をベースシート301の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置する構成としたため、アンテナ部306をベースシート301の一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナ部306の長さ寸法が大きく確保されている。よって、封印シール300が剥がされた場合におけるアンテナ部306の分断が生じる機会を多く設けることができる。
ICチップ305をアンテナ部306の長手方向の略中央に配置する構成としたため、上記のとおりアンテナ部306が封印シール300の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置された構成においては、ICチップ305の位置が封印シール300の中央付近となる。よって、ICチップ305の厚みに起因して封印シール300が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップ305は所定の厚みを有するため、封印シール300におけるICチップ305の周囲と貼付板部281,282との間には隙間が生じることとなる。この場合に、ICチップ305が封印シール300の外縁側にあるとその外縁と貼付板部281,282との隙間に指を掛けることで封印シール300が剥がし易くなる。この点、ICチップ305の位置が封印シール300の中央付近である場合には、ICチップ305の厚みに起因して封印シール300の外縁と貼付板部281,282との間に隙間が生じることはない。
ベースシート301におけるアンテナ部306の周囲にアンテナ用切り込み307を形成したため、封印シール300が剥がされた場合にアンテナ用切り込み307の端部からベースシート301が破断されるのに伴ってアンテナ部306も破断され、その位置にてアンテナ部306が分断されることとなる。よって、アンテナ部306が分断され易くなり、主制御装置271に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。特に、アンテナ用切り込み307をアンテナ部306の長手方向及びベースシート301のすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みとすることにより、封印シール300がその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み307のアンテナ部側端部に集中し易くなる。これにより、封印シール300がその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナ部306の分断をより確実に発生させることができる。なお、アンテナ用切り込み307はアンテナ部306に達する位置まで形成されているので、封印シール300が不正に剥がされた場合にアンテナ部306が分断され易い構成となっている。また、アンテナ用切り込み307がアンテナ部306を挟んで直線上に並ばないように形成されていることにより、例えば、パチンコ機Pの製造時における封印シール300の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合にアンテナ部306を挟んで位置するアンテナ用切り込み307が繋がりそれに伴ってアンテナ部306が分断されてしまうことを抑制することができる。
封印シール300の4隅に、ベースシート301の表面側から粘着層302の背面側まで貫通するL字状の隅側切り込み308をそれぞれ形成したため、封印シール300がその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅側切り込み308の端部に集中し、隅側切り込み308から封印シール300に破れなどといった破断が生じる。よって、主制御装置271に対して不正が行われたことの痕跡が封印シール300に残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅側切り込み308を介した封印シール300の破断を回避すべく、封印シール300の一辺に沿う方向に当該封印シール300が剥がされたとしても、上記のとおりアンテナ部306の分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
粘着層302を構成する粘着剤に対して溶解性を示す溶媒が封印シール300に塗布された場合にベースシート301が変色する構成としたため、溶媒により粘着層302の接着力を弱めアンテナ部306を分断させることなく封印シール300を剥がして主制御装置271に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。また、封印シール300に対して所定温度以上の熱が加えられた場合も同様に、ベースシート301が変色する構成とすることにより、所定温度以上の熱を加えることにより粘着層302の接着力を弱めアンテナ部306を分断させることなく封印シール300を剥がして主制御装置271に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
各ネジ283,284における頭部283a,284aの頂上の位置が各ネジ孔285,286の軸線方向の途中位置、すなわち、各頭部283a,284aの頂上の位置が封印シール300に対して各ネジ孔285,286内に入り込んだ位置(各ネジ孔285,286におけるネジ取り付け方向側に入り込んだ位置)となるように構成した。これにより、アンテナ部306と各ネジ283,284とを離間させることができ、不正が行われていない場合におけるリーダー装置601へのID情報の送信を確実に行うことができる。金属製のネジ283,284とアンテナ部306とが接触しているとアンテナ部306に対して設定された共振周波数が変化してしまい、リーダー装置601へのID情報の送信が阻害されてしまうからである。そして、この場合、不正が行われていないにも関わらずID情報を読み取ることができなくなり、結果的に封印シール300にIDタグ303を設けた効果を得ることができなくなってしまう。これに対して、上記のとおりアンテナ部306と各ネジ283,284とを離間させることで、封印シール300にIDタグ303を設けた効果を確実に得ることができる。
アンテナ部306を、各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290を跨ぐようにして配置した。これにより、アンテナ部306が各ネジ孔285,286内に向けて撓みにくくなり、アンテナ部306と各ネジ283,284の頭部283a,284aとを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。
また、上記のとおり各ネジ283,284における頭部283a,284aの頂上の位置が各ネジ孔285,286の軸線方向の途中位置となるよう構成するとともに、アンテナ部306の両端部306a,306bが各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290を跨ぐようにしてアンテナ部306を配置した。これにより、アンテナ部306と各ネジ283,284とを離間させた構成において、アンテナ部306を各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙させることができる。したがって、各ネジ283,284を取り外すべく各頭部283a,284aを露出させるように封印シール300を巧妙に剥がそうとしたとしても、そのためには封印シール300におけるアンテナ部306が配置された部分を剥がす必要が生じる。そして、かかる場合、アンテナ部306が分断されリーダー装置601によりID情報が確認できなくなることで、主制御装置271に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
アンテナ部306の短手方向の寸法を各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290の孔径よりも小さくするとともに、アンテナ部306を取り外し側開口289,290を挟んで当該開口289,290の周縁部を架渡すようにして配置した。これにより、封印シール300を剥がす場合にはアンテナ部306における取り外し側開口289,290の周縁部に対応する位置に封印シール300を剥がす力に伴う応力が集中し易くなる。よって、アンテナ部306の分断が生じる機会を多く設けることができ、主制御装置271に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
アンテナ部306と各ネジ283,284の頭部283a,284aとの間には、両者を介在する介在部材を不具備とした。すなわち、アンテナ部306と各ネジ283,284の頭部283a,284aとの間には所定の空間Sが形成されている。また、各ネジ孔285,286における取り外し側開口289,290を覆うようにして封印シール300が貼り付けられているとともに、上記のとおり開口289,290を挟んで当該開口289,290の周縁部を架渡すようにしてアンテナ部306が配置されている。これにより、不正に各ネジ283,284の締結を解除すべく封印シール300を剥がして各ネジ283,284の頭部283a,284aを露出させようとする場合において、アンテナ部306の分断が生じる機会を多く設けることができる。つまり、封印シール300は取り外し側開口289,290の周縁部を境界として貼付板部281,282に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分とが存在し、これはアンテナ部306においても同様である。この場合に、各ネジ283,284の頭部283a,284aを露出させようとして封印シール300を剥がすと、アンテナ部306(封印シール300)における貼付板部281,282に貼り付けられた部分と貼り付けられていない部分との境界に封印シール300を剥がす力に伴う応力が集中し易くなるからである。よって、主制御装置271に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
第1ネジ283をパチンコ機P後方を向く第1貼付面281a側から螺着するようにしたのに対して、第2ネジ284をパチンコ機P前方を向く第2貼付面282a側から螺着するようにした。そして、これら各ネジ283,284の頭部283a,284aを覆うようにして封印シール300を貼り付けるとともに、アンテナ部306をその両端部306a,306bがそれぞれ第1貼付面281a及び第2貼付面282aに位置するようにして配置した。よって、不正に各ネジ283,284の締結を解除する作業を煩雑なものとすることができ、さらにはかかる不正な解除作業に際してベースシート301の破壊、及びアンテナ部306の分断が生じる機会を多く設けることができる。第1ネジ283の頭部284a又は第2ネジ284の頭部284aのいずれか一方を露出させることができたとしても、他方を露出させる必要があるからである。
また、例えば、第1ネジ283の頭部283a及び第2ネジ284の頭部284aのいずれもが、両貼付板部281,282の境界に対して同一方向に位置する構成においては、たとえ両貼付板部281,282の境界を跨ぐようにして封印シール300を貼り付け、さらに第1貼付面281a及び第2貼付面282aに位置するようにしてアンテナ部306を配置していたとしても、当該封印シール300における両ネジ283,284の取り外し方向側の部分を剥がすだけで、すなわち、封印シール300をすべて剥がすことなく、頭部283a,284aを露出させることができてしまう。この場合、上記のように封印シール300を貼り付け、さらに上記のようにアンテナ部306を配置した効果が好適に発揮されなくなってしまう。これに対して、本実施の形態における構成によれば上記のとおりであるので、当該効果が好適に発揮される。
また、アンテナ部306を、第1ネジ283及び第2ネジ284の両方の頭部283a,284aと対峙するようにして配置した。これにより、不正に各ネジ283,284の締結が解除される場合においてアンテナ部306の分断が生じる機会を多く設けることができる。よって、主制御装置271に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。
アンテナ部306をベースシート301の中心に対して点対称となるようにして配置した。これにより、封印シール300を180°回転させて貼付面281a,281b,282a,282bに当該封印シール300を貼り付けたとしても、第1ネジ283の頭部283a及び第2ネジ284の頭部284aに対してアンテナ部306を対峙させることができる。よって、両ネジ283,284の頭部283a,284aに対してアンテナ部306を対峙させるようにした構成において、封印シール300を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。特に、上記のように囲い部Cが設けられており、さらに封印シール300が矩形状に形成されていることにより、封印シール300の貼り付け作業を行う作業者にとっては、貼付面281a,281b,282a,282bからはみ出ないように封印シール300を貼り付けるだけで両ネジ283,284の頭部283a,284aに対してアンテナ部306を対峙させることができ、封印シール300を貼り付ける場合のさらなる作業性向上を図ることができる。
貼付面281a,281b,282a,282bを囲むようにして囲い部Cを設けた。そして、当該囲い部Cは封印シール300の周縁と近接している。これにより、封印シール300を貼り付ける場合には囲い部Cにより囲まれた領域内に封印シール300を持っていけばよく、封印シール300を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。また、主制御装置271に対して不正を行うべく封印シール300を剥がそうとしても、封印シール300は囲い部Cに囲まれているためにその剥がし行為が非常に困難なものとなる。したがって、当該剥がし行為に際してベースシート301が破断され易くなり、さらにはアンテナ部306が分断され易くなる。よって、主制御装置271に対して不正が行われたことを確実に発見することができる。さらには、囲い部Cがガイド手段としての機能と封印シール300の剥がし行為を困難なものとする機能とを併せ持つこととなり、構成の簡素化を図りつつ上記効果を奏することができる。
貼付面281a,281b,282a,282bに封印シール300を貼り付ける場合にアンテナ部306が各ネジ283,284の頭部283a,284aと対峙する位置から外れない範囲内で、貼付面281a,281b,282a,282bが封印シール300の面積よりも広くなるように囲い部Cを形成した。これにより、封印シール300を貼付面281a,281b,282a,282bに貼り付ける場合の貼付位置にゆとりが生まれ、囲い部Cを設けた構成において封印シール300を貼り付ける場合の作業性を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、IDタグ303を有する封印シール300を主制御装置271にのみ貼り付ける構成としたが、主制御装置271に加えて払出制御装置311にもIDタグを有する封印シールを貼り付ける構成としても良い。払出制御装置311は遊技球の払い出しに関わる制御を行うため、主制御装置271ではなく払出制御装置311に対して不正が行われる可能性が考えられるからである。そこで、本実施の形態では、パチンコ機Pの背面側に位置する複数のIDタグに格納されたID情報を、パチンコ機Pの前面側から読み取ることが可能な構成について説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を説明し、同一の構成については基本的に同一番号を付すと共に説明を省略する。
図35に示すように、遊技盤30の右下隅部には矩形状の凹み部が形成されており、当該凹み部に金属製の第1板状アンテナ701が嵌め込み固定されている。第1板状アンテナ701は、共振周波数を2.45GHz等の一定周波数に設定されている。また、第1板状アンテナ701の共振周波数が変化しないよう、第1板状アンテナ701の近傍には、金属製の部材(導電性部材)が設けられていない。遊技盤30には、第1板状アンテナ701と対応する位置に、前後方向に貫通する貫通孔702が形成されている。貫通孔702は、第1板状アンテナ701より小さく形成されており、第1板状アンテナ701が遊技盤30に取り付けられた状態では、貫通孔702が第1板状アンテナ701により覆い隠されるようになっている。第1板状アンテナ701の背面側には、電気配線を接続するための金属製の係合部(図示略)が設けられており、当該係合部に電気配線の係合端子を係合させた上でネジ止め固定することにより、第1板状アンテナ701に電気配線が接続されている。そして、第1板状アンテナ701に接続された電気配線が貫通孔702を介して遊技盤30の背面側に挿通されるようになっている。また、遊技盤30の右下隅部は、証紙等のシールを貼着するためのスペース(図のSa)となっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58aが形成されている。証紙等のシールを遊技盤30に直接貼り付ける構成とすることで、証紙等の不正な貼り直し等が行いにくいものとなっている。このとき、遊技盤30の右下隅部では、証紙等のシールが第1板状アンテナ701と前後に重なるようにして貼り付けされるようになっている。
また、遊技盤30の右下隅部には、第1板状アンテナ701と近接するようにしてIDシール703が貼り付けられている。IDシール703は、ICチップ703a及びアンテナ部703bを有している。ICチップ703aは集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。具体的には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技盤30固有のID番号が格納されている。ICチップ703aのメモリ領域はデータ書き換え不可であるため、ID情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できるようになっている。アンテナ部703bは、アルミ等の金属薄層で形成されており、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数すなわち第1板状アンテナ701と同一周波数となるようにアンテナパターンが作製されている。そして、ICチップ703aのID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部703bから発信することができるように構成されており、アンテナ部703bから発信されたID情報を、リーダー装置601で受信して読み取ることができるようになっている。
主制御装置271には封印シール300が貼り付けられており、遊技盤30の背面側には、封印シール300と対向する位置に金属製の第2板状アンテナ556が取付固定されている。封印シール300に設けられたIDタグ303には、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、主制御装置271固有のID番号がID情報として格納されている。また、施錠装置の基枠247には、カム板92の回動を検知するための検知センサ93がカム板92と対応する位置に設けられると共に、第1板状アンテナ701のアース線が接続されている。なお、これら検知センサ93,封印シール300及び第2板状アンテナ556の形状及び設けられている位置等については上記第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図36〜図38に基づいて説明する。図36は第2制御基板ユニット202の正面図、図37は同ユニット202の斜視図、図38は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台325を有し、取付台325に電源及び発射制御装置313及びCRユニット接続基板314が搭載されている。取付台325は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面326が設けられている。基板搭載面326には、電源及び発射制御装置313及びCRユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源及び発射制御装置313の基板ボックス316上には略平板状の台座プレート711が載置されるとともに台座プレート711上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。台座プレート711は、取付台325と同様、例えば無色透明な樹脂成型品により構成されている。
取付台325には、パチンコ機P後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン328が設けられており、掛止ピン328を本体枠12の軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台325の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ329が設けられており、ナイラッチ329を本体枠12の被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。
払出制御装置311は、賞品球や貸出球の払出を制御する払出制御基板を具備しており、当該払出制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス315に収容されて構成されている。基板ボックス315は、ボックスベース317とボックスカバー318とから構成されており、これらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。また、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられており、例えば、払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
払出制御装置311の上部には、ボックスベース317とボックスカバー318とを跨ぐようにして封印シール706が貼り付けられている。すなわち、封印シール706は、ボックスカバー318の前面側からボックスカバー318とボックスベース317の当接面を跨ぎ、ボックスベース317の背面側へと至るように貼り付けられている。
封印シール706は、主制御装置271に貼り付けられた封印シール300と同じ構成を有している。このため詳細な説明は省略するが、封印シール706は、例えば図38等に示すように、ICチップ707a及びアンテナ部707bを有するIDタグ707を備えている。ICチップ707aには、製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、払出制御装置311固有のID番号が、ID情報として格納されている。アンテナ部707bのパターンは、その共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるように、すなわち主制御装置271(封印シール300)のアンテナ部306のアンテナパターンと同一となるように形成されている。
台座プレート711には、封印シール706の上方に位置するようにして、金属製の第3板状アンテナ721が設けられている。より詳しくは、台座プレート711の上部には、左右一対のアンテナ載置部712が形成されている。アンテナ載置部712は、台座プレート711から起立するように形成された脚部712aと、当該脚部712aの先端部から払出制御装置311側に向かって延びる載置部712bとより略L字状に形成されている。両載置部712bには、互いに向き合うようにして案内溝712cが形成されている。案内溝712cは、取付台325側が開放されると共に払出制御基板311側が閉鎖されている。つまり、台座プレート711には、第3板状アンテナ721を取付台325側からスライド装着可能となるようにアンテナ載置部712が形成されている。アンテナ載置部712は合成樹脂にて成型されているため、第3板状アンテナ721がアンテナ載置部712に装着された状態では、第3板状アンテナ721が他の金属製部材(導電性部材)から離間して配置されることとなる。第3板状アンテナ721は、共振周波数を2.45GHz等の一定周波数、すなわち第1板状アンテナ701及び第2板状アンテナ556と同一周波数に設定されている。
電源及び発射制御装置313,CRユニット接続基板314の構成については、上記第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
ここで、本実施の形態では、パチンコ機P背面側に設けられたIDタグ303,707のID情報を、本体枠12や前扉枠13を外枠11から開放することなく、パチンコ機P前面側からリーダー装置601により読み取ることができるようになっている。そこで、ID情報の読み取りシステムに関する電気的構成について、図39に基づいて説明する。
パチンコ機Pの前面側には、第1板状アンテナ701とIDシール703が設けられている。第1板状アンテナ701は、パチンコ機Pの背面側に設けられた第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721と、分流装置726を介して電気的に接続されている。各板状アンテナ701,556,721及びIDシールのアンテナ部703bは、共振周波数を共に2.45GHz等の一定周波数に設定されている。分流装置726は、第1板状アンテナ701から入力された電流を増幅しつつ第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721に対して同時に出力する機能と、第2板状アンテナ556又は第3板状アンテナ721から入力された電流を第1板状アンテナ701に対して出力する機能と、を有する装置である。
主制御装置271には、第2板状アンテナ556と対向する位置に封印シール300が貼付されており、封印シール300に設けられたアンテナ部306と第2板状アンテナ556とが取付台251を介して対向するようになっている。また、払出制御装置311には、第3板状アンテナ721と対向する位置に封印シール706が貼り付けられており、封印シール706に設けられたアンテナ部707bと第3板状アンテナ721とが対向するようになっている。
第1板状アンテナ701は、アース線を通じて施錠装置の基枠247に接続されており、当該施錠装置からアースされるようになっている。そして、第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721は分流装置726を介して第1板状アンテナ701と電気的に接続されており、第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721も第1板状アンテナ701に接続されたアース線を通じて施錠装置からアースされるようになっている。つまり、各板状アンテナ701,556,721は、施錠装置からアースされるようになっている。第1板状アンテナ701と施錠装置とを接続するアース線には、各板状アンテナ701,556,721のアース状態と非アース状態とを切り替え可能なスイッチ回路562が設けられている。スイッチ回路562には検知センサ93から出力された解錠信号が入力されるようになっている。検知センサ93は、カム板92の回動、より詳しくは第2係合爪部92bの上向きの移動が検知された場合に解錠信号を出力し、スイッチ回路562に前記解錠信号が入力されると、各板状アンテナ701,556,721がアース状態から非アース状態に切り替えられるようになっている。
リーダー装置601及び管理コンピュータ602の構成については、上記第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
次に、遊技ホールHの管理者等により行われる各ID情報の読み取り作業について説明する。
各ID情報の読み取り作業を行う際には、先ずシリンダ錠91の鍵穴にキーを差し込み、差し込んだキーを反時計回りに操作する。このとき、検知センサ93は、キー操作に伴う第2係合爪部92bの上向きの移動を検知し、解錠信号をスイッチ回路562に対して出力する。スイッチ回路562に前記解錠信号が入力されると、各板状アンテナ701,556,721がアース状態から非アース状態に切り替えられる。
管理者等がリーダー装置601の操作部601aに所定の入力操作を行った場合、リーダー装置601のCPU606は、RF回路607を駆動してリーダーアンテナ608から所定周波数(本実施の形態では2.45GHz)の呼出波を出力させる。リーダーアンテナ608から出力された呼出波により、誘導電磁界が形成される。そこで、キーを反時計回りに操作した状態でこの誘導電磁界内に第1板状アンテナ701が位置する程度にリーダー装置601を第1板状アンテナ701に近接させると、各板状アンテナ701,556,721が非アース状態に切り替えられているため、第1板状アンテナ701に呼出波が入力される。
またこのとき、誘導電磁界内に第1板状アンテナ701のみならずIDシール703が位置する程度にリーダー装置601を近接させた場合、IDシール703のアンテナ部703bにおいて電磁誘導により起電力が発生する。ICチップ703aでは、この起電力を電源として、メモリ領域に記憶されているID情報を呼び出してアンテナ部703bからID情報を含んだ応答波を出力する。
リーダー装置601がIDシール703(前扉枠13の小窓107)に近接された状態であれば、IDシール703のアンテナ部703bから出力された応答波がリーダー装置601のリーダーアンテナ608に入力される。この入力された応答波に内在したID情報はリーダー装置601のCPU606に読み込まれ、当該CPU606は読み込んだID情報を管理コンピュータ602に出力する。管理コンピュータ602のCPUにおいては、入力されたID情報がROMに記憶されたID情報と一致するか否かを判定し、一致する場合には、管理コンピュータ602に設けられた表示装置において正常表示を行う。一方、入力されたID情報がROMに記憶されたID情報と一致しない場合には、表示装置においてエラー表示を行う。
リーダー装置601から出力された呼出波が第1板状アンテナ701に入力されると、当該呼出波は電流に変換され、第1板状アンテナ701と分流装置726とを接続する電気線に電流が生じる。分流装置726は、第1板状アンテナ701から入力された電流を増幅し、入力された電流より大きな電流を第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721に対してそれぞれ出力する。これにより、第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721から所定周波数の呼出波が出力される。これら板状アンテナ556,721から出力された呼出波により、パチンコ機Pの背面側に誘導電磁界が形成される。第2板状アンテナ556から出力された呼出波によって形成される誘導電磁界の範囲内には、主制御装置271に貼り付けられた封印シール300が含まれており、第3板状アンテナ721から出力された呼出波によって形成される誘導電磁界の範囲内には、払出制御装置311に貼り付けられた封印シール706が含まれている。各封印シール300,706に設けられたアンテナ部306,707bは、対応する板状アンテナ556,721から出力される呼出波の周波数に合わせて作製されている。
第2板状アンテナ556から出力される呼出波によって誘導電磁界が形成されることで、アンテナ部306において電磁誘導により起電力が発生する。封印シール300のICチップ305では、この起電力を電源としてメモリ領域に記憶されているID情報を呼び出し、アンテナ部306からID情報を含んだ応答波を出力する。この出力された応答波は第2板状アンテナ556に入力される。第2板状アンテナ556に入力された応答波は電流に変換されて第1板状アンテナ551に至り、第1板状アンテナ551からID情報を含んだ応答波として出力される。
同様に、第3板状アンテナ721から出力される呼出波によって誘導電磁界が形成されることで、アンテナ部707bにおいて電磁誘導により起電力が発生する。封印シール706のICチップ707aでは、この起電力を電源としてメモリ領域に記憶されているID情報を呼び出し、アンテナ部707bからID情報を含んだ応答波を出力する。この出力された応答波は第3板状アンテナ721に入力される。第3板状アンテナ721に入力された応答波は電流に変換されて第1板状アンテナ701に至り、第1板状アンテナ701からID情報を含んだ応答波として出力される。
リーダー装置601が第1板状アンテナ701(前扉枠13の小窓107)に近接された状態であれば、第1板状アンテナ701から出力された応答波、すなわち主制御装置271の封印シール300又は払出制御装置311の封印シール706から出力された応答波がリーダー装置601のリーダーアンテナ608に入力される。この入力された応答波に内在したID情報はリーダー装置601のCPU606に読み込まれ、当該CPU606は読み込んだID情報を管理コンピュータ602に出力する。管理コンピュータ602のCPUにおいては、入力されたID情報がROMに記憶されたID情報と一致するか否かを判定し、一致する場合には、管理コンピュータ602に設けられた表示装置において正常表示を行う。一方、例えば主制御装置271が不正用の主制御装置に交換され、当該主制御装置にIDタグを有する不正な封印シールが設けられていた場合、上述した通りIDタグ303には各IDタグ303固有のID情報が格納されているため、入力されたID情報が管理コンピュータ602のROMに記憶されたID情報と一致しない。かかる場合には、管理コンピュータ602の表示装置においてエラー表示を行う。
また、主制御装置271又は払出制御装置311の少なくとも一方が不正な制御装置に交換された場合には、交換された不正な制御装置に封印シールが貼り付けられていないため、交換された制御装置と対応する応答波の出力が行われない。加えて、主制御装置271や払出制御装置311の基板ボックス273,315が不正に開放された場合には、封印シール300,706のアンテナ部306,707bが分断され、アンテナ部306,707bからの応答波の出力が行われない。これらの場合、管理コンピュータ602のCPUにおいては、不正が行われた制御装置と対応するID情報がリーダー装置601から出力されないことに基づいて、パチンコ機Pの制御装置に対して不正行為が行われたことを把握する。そして、管理コンピュータ602に設けられた表示装置においてエラー表示を行う。
なお、管理コンピュータ602において、IDシール703のID情報と、主制御装置271のID情報と、払出制御装置311のID情報とをパチンコ機P毎に関連付けてROMに記憶させておくことも可能である。かかる構成とした場合には、例えば主制御装置271が不正な主制御装置に交換され、この不正な主制御装置に他のパチンコ機Pにおける正規のID情報が格納された封印シールが貼り付けられていたとしても、関連付けが異なっていることからパチンコ機Pの制御装置に対して不正行為が行われたことを発見することができる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置271及び払出制御装置311にID情報が記憶されたIDタグ303,707を設けたことにより、そのID情報の読み取りを行うことで不正な制御装置への交換等といった不正行為が行われたか否かを確認することができる。
遊技盤30の前面側に第1板状アンテナ701を設けると共に、遊技盤30の背面側には、IDタグ303のアンテナ部306と対向する位置に第2板状アンテナ556を設け、IDタグ707のアンテナ部707bと対向する位置に第3板状アンテナ721を設けた。そして、第1板状アンテナ701と第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721が電気的に接続される構成とした。かかる構成とすることにより、遊技ホールHの管理者等がID情報の読み取り作業を行う場合に、外枠11から本体枠12を開放することなく、パチンコ機Pの前面側からリーダー装置601を用いて各制御装置271,311のID情報の読み取りを行うことができる。故に、各ID情報の読み取りに基づいた不正行為の確認を容易に行うことができる。遊技ホールHには多数のパチンコ機Pが設置されていることが一般的であるため、本体枠12を外枠11から開放し、パチンコ機Pの背面側に設けられたIDタグ303,707にリーダー装置601を近接させてID情報をそれぞれ読み取る構成とした場合、読み取り作業の繁雑化が懸念されるからである。
各IDタグ303,707のアンテナ部306,707bと対向する位置に第2板状アンテナ556と第3板状アンテナ721を設けることにより、各制御装置271,311を配置する位置や封印シール300,706を貼り付ける位置等に制約が生じることを低減させることが可能となる。
確かに、第2板状アンテナ556から出力される呼出波により形成される誘導電磁界の範囲内に各封印シール300,706が含まれる構成とすれば、第3板状アンテナ721を設けることなくパチンコ機P前面側からIDタグ303,707のID情報を読み取ることが可能となる。しかしながら、かかる構成とした場合、主制御装置271と払出制御装置311の配置位置や封印シール300,706の貼付位置、さらには第2板状アンテナ556の配置位置が限定されてしまうこととなり、これらのレイアウトのみならず他の部材等のレイアウトも大幅に変更する必要が生じ得る。また、例えば、主制御装置271と払出制御装置311とを前後に重なるように配置すると共に、各制御装置271,311の同じ一側に封印シール300,706を貼り付ける構成とすれば、1の板状アンテナにて各IDタグ303,707のID情報を読み取ることが可能となる。しかしながら、かかる構成とした場合、前側に配置される制御装置の視認性が低下することとなり、例えばパチンコ機Pの背面側のメンテナンス作業等を行った際に各制御装置271,311に不正が行われていないかを目視確認することが困難なものとなってしまう。一方、各封印シール300,706と対応する板状アンテナ556,721を設けた場合、上記各懸念が生じることを低減させることが可能となる。故に、パチンコ機Pの構成が複雑化することを抑制しつつ、各封印シール300,706と各板状アンテナ556,721を設けることができる。
第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721を、分流装置726を介して第1板状アンテナ701と電気的に接続される構成とした。分流装置726は、第1板状アンテナ701から入力された電流を第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721に対して同時に出力する機能と、第2板状アンテナ556又は第3板状アンテナ721から入力された電流を第1板状アンテナ701に対して出力する機能と、を有する装置である。このため、第1板状アンテナ701にリーダー装置601を近接させて応答波を出力する作業を1回行えば、各制御装置271,311のID情報を共に読み取ることができる。すなわち、リーダー装置601から呼出波を出力させるという1の作業工程で複数のID情報を同時に読み取ることができる。したがって、複数のIDタグが貼り付けられたパチンコ機Pであっても、ID情報の読み取り作業が繁雑化することを好適に抑制することが可能となる。
遊技盤30の右下隅部に第1板状アンテナ551と近接するようにしてIDシール703を貼り付けたため、第1板状アンテナ551にリーダー装置601を近接させて応答波を出力すれば、パチンコ機Pの背面側に設けられたIDタグ303,707のID情報のみならずパチンコ機Pの前面側に設けられたIDシール703のID情報も読み取ることができる。故に、ID情報の読み取り作業が繁雑化することを好適に抑制することが可能となる。すなわち、IDシール703と第1板状アンテナ701とを、リーダー装置601からの呼出波によって形成される誘導電磁界の範囲内に共に位置するように近接配置させることにより、リーダー装置601から呼出波を出力させるという1の作業工程を行えば、パチンコ機P背面側に設けられたIDタグ303,707のID情報のみならず、パチンコ機P前面側に設けられたIDシール703のID情報をも同時に読み取ることができる。
なお、上記第1の実施の形態と同じ構成については、上記第1の実施の形態において記載した効果と同じ効果を本実施の形態においても奏することは言うまでもない。
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、遊技盤30の遊技領域外のスペースを利用して、リーダー装置601から出力された電波を受信又はIDタグ303のアンテナ部306から出力された電波を送信するための第1板状アンテナ551を設ける構成としたが、遊技領域内にアンテナ部を設置することも可能である。そこで、本実施の形態では、遊技領域内に配置される作動口装置にアンテナ部を設けた構成について説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を説明し、同一の構成については基本的に同一番号を付すと共に説明を省略する。
本実施の形態における作動口装置750の構成を図40に基づいて説明する。図40(a)は作動口装置750の正面図、図40(b)は作動口装置750が遊技盤30に取り付けられた状態での要部断面図である。遊技盤30には、作動口装置750を取り付ける位置に前後に貫通する取付孔30aが形成されており、当該取付孔30aを塞ぐようにして作動口装置750が取り付けられている。
作動口装置750は、遊技盤30に取付固定されるための取付固定部751を有している。取付固定部751は合成樹脂材料により成形されており、取付固定部751の上部には、当該取付固定部751を前後に貫通する上側作動口752が形成されている。上側作動口752には、金属にて一体形成された作動口通路樋752aが設けられている。作動口通路樋752aは、遊技盤30の前面側から背面側まで延びるように形成され、その下面後端部に球排出孔752bが形成されている。また、作動口通路樋752aは、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるように外側表面積が設定されると共に、作動口通路樋752aの後端壁部には金属製の係合部752cが設けられている。当該係合部752cには、電気線753の係合端子とアース線(図示略)の係合端子がネジ止め固定されている。電気線753は、後述する第2板状アンテナ556に接続され、アース線は、上記第1の実施の形態と同様、施錠装置の基枠247に接続されるようになっている。つまり、本実施の形態では、作動口装置750の作動口通路樋752aに、上側作動口752に入賞した遊技球を遊技盤30背面側へと案内する機能と、前記一定周波数の電波を受信又は送信するアンテナ部としての機能とを付与している。本実施の形態における作動口装置750では、作動口通路樋752aの共振周波数が変化しないよう、他の金属製部材(導電性部材)が作動口通路樋752aから離間して配置されている。なお、作動口通路樋752aを複数の金属製部材を組み合わせて構成しても良い。
上側作動口752の下方には、取付固定部751を前後に貫通する下側作動口756が形成されており、下側作動口756を挟むようにして左右一対の可動片よりなる電動役物757が設けられている。電動役物757の前方には役物固定板758が設けられており、取付固定部751の背面側には、電動役物757を開放するための作動口ソレノイドを有するモーター装置757aが取り付けられている。
作動口装置750は、取付固定部751や作動口通路樋752a等が遊技盤30の前面側に突出するように、且つ、前記作動口通路樋752aやモーター装置757a等が遊技盤30の背面側に突出するように、遊技盤30の取付孔30aに取り付けられている。つまり、作動口装置750は、遊技盤30を前後に貫通するように取り付けられている。また、遊技盤30の背面には、作動口通路樋752aの下方に、当該作動口通路樋752aの球排出孔752bから排出された遊技球を回収する回収通路216が設けられている。回収通路216には、作動口通路樋752aに入賞した遊技球を検知する作動口スイッチ759が設けられている。本実施の形態では、作動口スイッチ759と主制御装置271とを、2ピン構造のコネクタ部を有する電気線760により電気的に接続しており、当該電気線760と作動口通路樋752aに接続された電気線753とは、束ね部材761により束ねられている。
次に、本実施の形態では、第2板状アンテナ556を回収通路216ではなく第1制御基板ユニット201の取付台771に設けている。そこで、取付台771の構成について図41を用いて説明する。図41は同ユニット201の分解斜視図である。
取付台771は、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、取付台771の表面には平坦状をなす2つの基板搭載面772,773が設けられている。これら基板搭載面772,773は縦横に直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。基板搭載面772の上縁部及び下縁部にはそれぞれ、基板搭載面772より起立した起立部774が一体成形されている。そして、横長の基板搭載面772上に主制御装置271が配置されると共に、縦長の基板搭載面773上に音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、主制御装置271は、上下の側部が起立部774にて支えられる。
基板搭載面772の開放端側には、主制御装置271の封印シール300と対応する位置に取付固定部775が形成されており、当該取付固定部775に第2板状アンテナ556が取付固定されるようになっている。取付固定部775は、基板搭載面772から取付台771後方(遊技盤30に搭載された状態においては遊技盤30側)に向けて段差状に形成された凹み部775aと、凹み部775aから開放端側へ向けて突出形成された上下一対のアンテナ支持部775bとより形成されている。基板搭載面772と取付固定部775の第2アンテナ搭載面との幅寸法は、第2板状アンテナ556の厚さ寸法とほぼ同じ又は若干大きいものとなっており、取付台771に第2板状アンテナ556と主制御装置271を取り付けた状態において、第2板状アンテナ556と、主制御装置271に貼り付けられた封印シール300のアンテナ部306とが近接するようになっている。
また、束ね部材761によって束ねられた各電気線753,760は、取付台771の近傍にてその束ね状態が解除されるようになっており、作動口通路樋752aに接続された電気線753は第2板状アンテナ556と接続され、作動口スイッチ759に接続された電気線760は主制御装置271のコネクタ部777に差し込まれるようになっている。
ID情報の読み取りシステムに関する電気的構成については、上記第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。なお、作動口装置750の前方にはガラス137が設けられているのみであり、金属製部材は配置されていない。したがって、上記第1の実施の形態と同様、本体枠12や前扉枠13を外枠11から開放することなく、パチンコ機P前面側からリーダー装置601によりID情報を読み取ることができるようになっている。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
作動口装置750の作動口通路樋752aにアンテナ部としての機能を付与したため、遊技領域内にアンテナ部を設ける構成とした場合であっても、遊技領域内に配置される可変表示ユニット35等の各種部材の配置位置に関する設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
遊技盤30を前後に貫通する作動口通路樋750aにアンテナ部としての機能を付与し、作動口通路樋750aの後端壁部に電気線753とアース線を接続する構成としたため、上記第1の実施の形態に示したような電気線を遊技盤30背面側に挿通させるための挿通孔が不要となる。また、遊技盤30の作動口装置750と対応する位置には作動口装置750を取り付けるための取付孔30aが予め形成されているため、新たに挿通孔を形成せずともアンテナ部としての作動口通路樋752aと第2板状アンテナ556とを電気線753により接続することができる。故に、パチンコ機P前面側に配置されるアンテナ部と背面側に配置されるアンテナ部とを電気線により接続する構成を比較的簡易に実現することが可能となる。
第1制御基板ユニット201の取付台771に第2板状アンテナ556を設ける構成としたため、主制御装置271のIDタグ303と第2板状アンテナ556とを近接配置させることが可能となる。故に、第2板状アンテナ556から送信された呼出波をIDタグ303のアンテナ部306が受信できなかったり、IDタグ303のアンテナ部306から送信された応答波を第2板状アンテナ556が受信できなかったりする不具合が発生することを回避することが可能となる。また、作動口スイッチ759に接続された電気線760は主制御装置271のコネクタ部777に接続されるものであるため、かかる構成とすることにより、作動口スイッチ759に接続された電気線760と、作動口通路樋752aに接続された電気線753とをまとめて取付台771側に取り回すことが可能となり、これら電気線753,760の接続作業を容易なものとすることが可能となる。
作動口通路樋752aに接続された電気線753と、作動口スイッチ759に接続された電気線760とを束ね部材761により束ねる構成とした。かかる構成とすることにより、これら電気線753,760を1つの電気線ユニットとして取り扱うことが可能となり、電気線753,760の取り回しを容易なものとしつつパチンコ機P背面側が電気線により繁雑化することを抑制することが可能となる。
また、これら電気線753,760を束ね部材761にて束ねることにより、可変入賞装置32等のメンテナンス作業を行う際に、第2板状アンテナ556を取付台771から取り外すことを忘れたり、第2板状アンテナ556から電気線753を取り外すことを忘れたりする不具合が生じることを抑制することが可能となる。作動口スイッチ759に接続された電気線760を主制御装置271のコネクタ部777から取り外す際に、第2板状アンテナ556又は第2板状アンテナ556に接続された電気線753を取付台771から取り外さなければならないことを作業者に気付かせることができるからである。
なお、上記第1の実施の形態と同じ構成については、上記第1の実施の形態において記載した効果と同じ効果を本実施の形態においても奏することは言うまでもない。
(第4の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、遊技盤30の遊技領域外のスペースを利用して、リーダー装置601から出力された電波を受信又はIDタグ303のアンテナ部306から出力された電波を送信するための第1板状アンテナ551を設ける構成としたが、遊技領域内にアンテナ部を設置することも可能である。そこで、本実施の形態では、遊技領域内に配置される作動口装置にアンテナ部を設けた構成について説明する。なお、以下の説明では、上記第1の実施の形態との相違点を説明し、同一の構成については基本的に同一番号を付すと共に説明を省略する。
本実施の形態における作動口装置800の構成を図42に基づいて説明する。図42(a)は作動口装置800の正面図、図42(b)は作動口装置800が遊技盤30に取り付けられた状態での要部断面図である。遊技盤30には、作動口装置800を取り付ける位置に前後に貫通する取付孔30aが形成されており、当該取付孔30aを塞ぐようにして作動口装置800が取り付けられている。
作動口装置800は、遊技盤30に取付固定されるための取付固定部801を有している。取付固定部801は合成樹脂材料により成形されており、取付固定部801の上部には、当該取付固定部801を前後に貫通する上側作動口802が形成されている。上側作動口802には、作動口通路樋802aが設けられている。作動口通路樋802aは、遊技盤30の前面側から背面側まで延びるように形成され、その下面後端部に球排出孔802bが形成されている。
上側作動口802の下方には、取付固定部801を前後に貫通する下側作動口806が形成されており、下側作動口806を挟むようにして左右一対の可動片よりなる電動役物807が設けられている。電動役物807の前方には役物固定板808が設けられており、取付固定部801の背面側には、電動役物807を開放するための作動口ソレノイドを有するモーター装置807aが取り付けられている。
取付固定部801の前面側には、上側作動口802と下側作動口806の中間位置に、金属製の第1板状アンテナ811が設けられている。取付固定部801には台形状のアンテナ載置部801aが形成されており、当該アンテナ載置部801aに第1板状アンテナ811が嵌め込み固定されている。取付固定部801には、アンテナ載置部801aと対応する位置に、前後方向に貫通する挿通孔801bが形成されている。挿通孔801bは、アンテナ載置部801aより小さく形成されており、第1板状アンテナ811がアンテナ載置部801aに取り付けられた状態では、挿通孔801bが第1板状アンテナ811により覆い隠されるようになっている。第1板状アンテナ811の背面側には、電気配線を接続するための金属製の係合部811aが設けられており、当該係合部811aに電気線812及び図示しないアース線の係合端子を係合させた上でネジ止め固定することにより、これら電気配線が第1板状アンテナ811に接続されている。電気線812は、挿通孔801bから遊技盤30の取付孔30aを介して遊技盤30の背面側に挿通されるようになっている。また、第1板状アンテナ811は、その共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるように設定されており、共振周波数が変化しないよう他の金属製部材(導電性部材)から離間して配置されている。
作動口装置800は、取付固定部801や作動口通路樋802a等が遊技盤30の前面側に突出するように、且つ、前記作動口通路樋802aやモーター装置807a等が遊技盤30の背面側に突出するように、遊技盤30の取付孔30aに取り付けられている。また、遊技盤30の背面には、作動口通路樋802aの下方に、当該作動口通路樋802aの球排出孔802bから排出された遊技球を回収する回収通路216が設けられている。回収通路216には、作動口通路樋802aに入賞した遊技球を検知する作動口スイッチ809が設けられている。本実施の形態では、作動口スイッチ809に、2ピン構造のコネクタ部を有する電気線810が接続されており、当該電気線810の他端部と第1板状アンテナ811に接続された電気線812の他端部とが、3ピン構造を有するコネクタ部材813により1つにまとめられている。そして、これら電気線810,812が主制御装置271とコネクタ部材813を介して接続されるようになっている。つまり、本実施の形態では、第1板状アンテナ811が呼出波を受信すると、その際に生じた電流が主制御装置271に入力されるようになっている。なお、第1板状アンテナ811に接続されたアース線は、上記第1の実施の形態と同様、施錠装置の基枠247に接続されるようになっている。
次に、主制御装置271の構成を図43及び図44に基づいて説明する。図43は主制御装置271の斜視図、図44は主制御装置271の分解斜視図である。なお、上記第1の実施の形態と同じ構成については同一番号を付すこととする。また、封印シール300の構成及び封印シール300が主制御装置271に貼り付けられる位置等については、上記第1の実施の形態と同じため説明を省略する。
主制御装置271は主制御基板278を具備しており、主制御基板278が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。
主制御基板278は、デジタル回路等の電子部品を実装した表側の面と、この表側面とバイアホールを介して電気的に接続される裏側の面とよりなり、これら各面に導体パターンがプリントされた両面プリント基板である。主制御基板278は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生機、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を備えている。以下、主制御基板278の表側面の構成を説明する。図44に示すように、主制御基板278の中央右部には、CPU、ROM及びRAMがCPUチップ278aに1チップ化されて搭載されている。また、主制御基板278の中央上部には入出力ドライバ用ICチップ278bが搭載されており、主制御基板278の左下部にはラッチ用ICチップ278cが搭載されている。また、主制御基板278の右部には、封印シール300のアンテナ部306と対向するようにして、第2板状アンテナ821が搭載されている。第2板状アンテナ821は、その共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるように作製されている。
主制御基板278の上部にはコネクタ搭載領域が形成されており、当該領域には、作動口スイッチ809や表示制御装置214等の他の電子機器と接続するためのコネクタ822〜824が搭載されている。
本実施の形態では、作動口スイッチ809に接続された電気線810と、第1板状アンテナ811に接続された電気線812とに設けられたコネクタ部材813が、主制御基板278の上部中央に設けられたコネクタ823(以下、「中央コネクタ823」とも言う。)と接続されるようになっている。図示は省略するが、中央コネクタ823とCPUチップ278aとの間には、作動口スイッチ809に接続された電気線810とCPUチップ278aとを結ぶ2本の導体パターンが予めプリントされており、中央コネクタ823と第2板状アンテナ821との間には、第1板状アンテナ811に接続された電気線812と第2板状アンテナ821とを結ぶ1本の導体パターンが予めプリントされている。但し、第1板状アンテナ811に接続された電気線812とCPUチップ278aとを結ぶ導体パターンは主制御基板278にプリントされていない。つまり、第1板状アンテナ811にて生じた電流は主制御基板278に入力されるものの、CPUチップ278aを介することなく第2板状アンテナ821に入力される。
基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベース276と該ボックスベース276の開口部を覆うボックスカバー277とを備えている。
ボックスベース276には、底板部276aの長辺側に側板部276bが形成されており、短辺側の一側には側板部276bに連なるようにして段差部276cが形成されている。側板部276bの先端は内側に折り曲げて形成されている。側板部276bの右端部は、ボックスカバー277をスライド装着するための装着口276dとなっている。また、ボックスカバー277のうちコネクタ搭載領域と対応する位置には孔部822a〜824aが形成されており、ボックスカバー277をボックスベース276から開放することなくコネクタ部材813等を主制御基板278のコネクタ822〜824に接続できるようになっている。
ボックスカバー277には、ボックスベース276の段差部276cと重なるようにして延出部277aが形成されている。延出部277aはボックスベース276の段差部276cと共に封印手段としての封印ユニット279(いわゆる、カシメ構造)を構成しており、当該封印ユニット279によってボックスベース276とボックスカバー277とが連結され、基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット279は、ボックスベース276とボックスカバー277とを連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、上記第1の実施の形態と同様、5つの封印部材279a,279bが形成された構成となっており、この封印部材279a,279bの長孔に係止爪を挿入することでボックスベース276とボックスカバー277とが連結されるようになっている。この場合、係止爪を封印部材279a,279bから抜くことが不可能な構成となっているため、基板ボックス273を開封するためには封印部材279a,279bを破壊する必要が生じる。よって、基板ボックス273が不正に開封されたことの履歴を残すことができ、主制御基板278に対して不正が行われたことを発見することができる。
ボックスカバー277及びボックスベース276には、封印ユニット279が設けられた側部とは反対側の側部に貼付板部281,282が設けられており、これら貼付板部281,282が締結具(連結具)としての金属製のネジ283,284によって締結されている(連結されている)。このように金属製のネジ283,284によって締結することで、主制御基板278を不正に取り外すべく両貼付板部281,282を締結する締結具を分断しようとする行為が抑制される。また、各ネジ283,284によって締結された貼付板部281,282には、封印シール300が貼り付けられている。
ID情報の読み取りシステムに関する電気的構成については、主制御基板278に第1板状アンテナ811と第2板状アンテナ821とを結ぶ導体パターンが予めプリントされていることを除き上記第1の実施の形態と同じであるため、説明を省略する。なお、作動口装置750の前方にはガラス137が設けられているのみであり、金属製部材は配置されていない。したがって、上記第1の実施の形態と同様、本体枠12や前扉枠13を外枠11から開放することなく、パチンコ機P前面側からリーダー装置601によりID情報を読み取ることができるようになっている。
以上詳述した第4の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
作動口装置800の取付固定部801に第1板状アンテナ811を設けたため、遊技領域内に第1板状アンテナ811を設ける構成とした場合であっても、遊技領域内に配置される可変表示ユニット35等の各種部材の配置位置に関する設計自由度が低下することを抑制することが可能となる。
遊技盤30を前後に貫通する作動口装置800に第1板状アンテナ811を設けた。遊技盤30の作動口装置750と対応する位置には作動口装置750を取り付けるための取付孔30aが予め形成されているため、上記第1の実施の形態に示したような電気線を遊技盤30背面側に挿通させるための挿通孔を新たに設けずとも、第1板状アンテナ811に接続された電気線812やアース線を遊技盤30背面側に挿通させることができる。故に、パチンコ機P前面側に配置される第1板状アンテナ811と背面側に配置される第2板状アンテナ821とを電気線812により接続する構成を比較的簡易に実現することが可能となる。
主制御基板278に第2板状アンテナ821を設け、第2板状アンテナ821が基板ボックス273に収容される構成とした。かかる構成とすることにより、第2板状アンテナ821と封印シール300のアンテナ部306とを近接配置することが可能となる。また、基板ボックス273が開封されない、すなわち封印シール300が基板ボックス273から剥がされない限りは、第2板状アンテナ821と封印シール300のアンテナ部306との位置関係を保持することができる。故に、第2板状アンテナ821を基板ボックス273外に設けた構成と比して、第2板状アンテナ821と封印シール300のアンテナ部306との送受信状態を好適に保持することが可能となる。また、主制御基板278に第2板状アンテナ821を設けることにより、封印シール300のIDタグ303により管理される管理対象(すなわち主制御装置271)以外の部材又は装置のレイアウト等を変更することなく第2板状アンテナ821を設けることができる。故に、パチンコ機P背面側に設けられる各種部材の配置自由度が低下することを抑制することができる。
さらにいうと、上記第1の実施の形態において記載した通り、基板ボックス273外の例えば取付台251に第2板状アンテナを設けた構成においては、可変入賞装置32等のメンテナンス作業の際に第2板状アンテナ又はその電気線を取り外し忘れたり、メンテナンス作業の終了後に第2板状アンテナ又はその電気線を装着し忘れたりする可能性が生じ得る。一方、基板ボックス273内に第2板状アンテナ821を設けた本構成の場合、少なくとも中央コネクタ823からコネクタ部材813(すなわち電気線)を取り外さない限りは第1制御基板ユニット201を遊技盤30から展開させることができないため、可変入賞装置32等のメンテナンス作業を行うことができない。故に、可変入賞装置32等のメンテナンス作業の際に電気線の取り外し忘れが生じることを回避することができる。また、メンテナンス作業の終了後においては、主制御装置271に空きコネクタが存在することを通じて、電気線の装着忘れを作業者に気付かせることが可能となる。以上の結果、基板ボックス273内に第2板状アンテナ821を設けることにより、上記各懸念を解消することができる。
主制御装置271の基板ボックス273を透明樹脂材料等により形成すると共に、主制御基板278の表側に第2板状アンテナ821を設けたため、外枠11から本体枠12を開放した場合に、パチンコ機P背面側から第2板状アンテナ821と封印シール300を共に目視確認することができる。故に、第2板状アンテナ821に故障等の異常が発生していないか、封印シール300が剥がされていないか等を容易に確認することができる。
作動口スイッチ809に接続された電気線810と、第1板状アンテナ811に接続された電気線812とが、3ピン構造を有するコネクタ部材813により1つにまとめられる構成とした。かかる構成とすることにより、作動口スイッチ809と主制御装置271を電気的に接続する作業と、第1板状アンテナ811と第2板状アンテナ821とを電気的に接続する作業とを1つの作業工程にて行うことが可能となり、組み付け作業が繁雑化することを抑制することが可能となる。
第1板状アンテナ811にて生じた電流を、主制御基板278に入力されるもののCPUチップ278aを介することなく第2板状アンテナ821に入力される構成とした。かかる構成とすることにより、パチンコ機Pの前面側から不正な電波を第1板状アンテナ811に対して送信し、主制御基板278のCPUチップ278aを誤動作させる不正が行われることを回避することが可能となる。
なお、上記第1の実施の形態と同じ構成については、上記第1の実施の形態において記載した効果と同じ効果を本実施の形態においても奏することは言うまでもない。
(他の実施の形態)
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記第1の実施の形態では、主制御装置271にのみIDタグ303が貼り付けられる構成としたが、主制御装置271に加えて払出制御装置311等の他の制御装置にもIDタグが貼り付けられる構成としても良い。また、パチンコ機の背面側に複数のIDタグが貼り付けられる場合、第1板状アンテナを各IDタグと個別に対応させてパチンコ機前面側に複数設ける構成としても良い。例えば、主制御装置のID情報を読み取るための第1板状アンテナを遊技盤30の右下隅部に設け、払出制御装置のID情報を読み取るための第1板状アンテナを遊技盤30の左下隅部に設ける構成とする。なお、各ID情報を読み取るための第1板状アンテナを別個に設けるのであれば、各ID情報を読み取るための共振周波数が異なるように各板状アンテナ及び封印シールのアンテナ部を構成しても良い。
(2)上記第1の実施の形態では、第2板状アンテナ556を回収通路216に設ける構成としたが、例えば取付台の裏面であって封印シールのアンテナ部と対向する位置にアンテナ取付部を形成し、当該アンテナ取付部に第2板状アンテナを取付固定する構成としても良い。或いは、上記第1の実施の形態の場合、図7等に示すように、封印シール300と、裏パックユニット203の払出機構部352のうち裏パック接続基板381が設けられる部位の側面とが近接対向する位置関係にあるため、払出機構部352の前記側面にアンテナ取付部を形成し、当該アンテナ取付部に第2板状アンテナを取付固定する構成としても良い。すなわち、第2板状アンテナと封印シールのアンテナ部とが近接対向するのであれば、第2板状アンテナを配置する位置は任意である。但し、第2板状アンテナと封印シールのアンテナ部との間に金属製部材が配置されないように他の部材の配置を工夫する必要がある。
(3)上記第1の実施の形態では、第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ556とが増幅装置561を介して電気的に接続される構成としたが、電流の減衰が呼出波及び応答波に影響を及ぼさない程度であれば、増幅装置561を設けずとも良い。
(4)上記第1及び第2の実施の形態では、遊技盤30の右下隅部に第1板状アンテナ551,701を設ける構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技盤30の左下隅部に設ける構成としても良いし、右上隅部に設ける構成としても良い。すなわち、遊技盤のうち遊技領域外のスペースに第1板状アンテナを設けるのであれば、その位置は任意である。但し、証紙等が貼り付けられる位置以外の位置に第1板状アンテナを設ける場合、第1板状アンテナの前方に電波を遮断する金属製部材が配置されないよう、本体枠及び前面扉における金属製部材の配置位置を検討する必要がある。
また、遊技盤の角隅部に第1板状アンテナを設ける構成とすれば、遊技領域を縮小させること無く第1板状アンテナを設けることが可能となる。より詳しくは、略円形状の遊技領域を有する遊技盤において、当該略円形状の領域の上下又は左右の最外縁部よりもオフセットした位置に第1板状アンテナを設ける。
(5)上記第1及び第2の実施の形態では、遊技盤30に第1板状アンテナ551,701を設ける構成としたが、遊技領域外に第1板状アンテナを設けるのであれば、本体枠の前面側に設ける構成としても良いし、前扉枠の背面側に設ける構成としても良い。これら構成とした場合であっても、第1板状アンテナの前方に電波を遮蔽する金属製部材が配置されていないのであれば、IDタグに格納されたID情報をパチンコ機の前面側から読み取ることが可能となる。
(6)上記第2の実施の形態では、第1板状アンテナ701から入力された電流を第2板状アンテナ556及び第3板状アンテナ721に対して同時に出力する機能を有する分流装置726を設けたが、かかる構成を変更する。すなわち、第1板状アンテナと第2板状アンテナを接続する第1回路と、第1板状アンテナと第3板状アンテナを接続する第2回路と、第1板状アンテナをいずれの板状アンテナと接続するかを周期的に切り替える切替機能とを有する切替装置を設ける。かかる構成とした場合であっても、リーダー装置から呼出波を第1板状アンテナに対して送信すれば、切替装置にて第2板状アンテナ又は第3板状アンテナのいずれかに電流が入力されるため、リーダー装置の位置を変更することなく1箇所にて各ID情報の読み取り作業を行うことが可能となる。なお、切替装置の切替機能を、周期的に切り替えるのではなく、リーダー装置から所定の切替波が入力された場合に切り替える構成としても良い。
(7)上記第2の実施の形態では、遊技盤30の前面側にIDシール703を設けたが、IDシール703を設けずとも良い。
また、IDシール703に代えて、証紙番号等の固有のID情報が格納されたIDタグを証紙に設ける構成としても良い。このとき、IDタグを証紙の略中央位置に設け、前記IDタグと第1板状アンテナ701とが前後に重なる構成としても良いし、IDタグを証紙の上縁部に設け、前記IDタグと第1板状アンテナ701とが前後に重ならない構成としても良い。
(8)上記第2の実施の形態では、台座プレート711の上部に第3板状アンテナ721を搭載するためのアンテナ載置部712を設けたが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば台座プレート711の払出制御装置311搭載面にアンテナ載置部を設ける構成としても良いし、電源及び発射制御装置313の基板ボックス316にアンテナ載置部を設ける構成としても良い。これら構成とした場合であっても、上記第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(9)上記第2の実施の形態では、IDタグ303のアンテナ部306と対向する位置に第2板状アンテナ556を設け、IDタグ707のアンテナ部707bと対向する位置に第3板状アンテナ721を設けたが、両IDタグ303,707が1の板状アンテナにより形成される誘導電磁界内に位置するように両封印シールが貼り付けられるのであれば、パチンコ機の背面側に板状アンテナを複数設けずとも良い。
(10)上記第1及び第2の実施の形態では、第1制御基板ユニット201の開放端側に封印シール300が貼り付けられる構成に適用した例を説明したが、第1制御基板ユニット201の開閉中心側に封印シールが貼り付けられる構成に適用しても良いことは言うまでもない。
図45は、封印シール300が第1制御基板ユニット201の開閉中心側に貼り付けられるパチンコ機Pの背面図である。なお、上記第1の実施の形態と同一構成については同一番号を付している。
パチンコ機Pの背面から見て左端部には、第1制御基板ユニット201を開閉可能に支持するための支持金具231が設けられており、その支持金具231による軸線を中心にして第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。主制御装置271は、封印シール300が第1制御基板ユニット201の開閉中心側(すなわち図45における左側)に位置するように、取付台251に取り付けられている。
また、遊技盤30の背面側には、パチンコ機P後方に向けて延びるアンテナ載置部840が形成されており、当該アンテナ載置部840に第2板状アンテナ841が取付固定されている。アンテナ載置部840は、第2板状アンテナ841が封印シール300の側面と近接対向するように形成されている。
かかる構成においては、以下の優れた効果を奏する。
封印シール300を第1制御基板ユニット201の開閉中心側に設けた場合、遊技盤30の前面側に設けられた第1板状アンテナ551と、遊技盤30の背面側に設けられた封印シール300及び第2板状アンテナ841とが、パチンコ機Pの同じ一側に位置することとなる。故に、第1板状アンテナ551と第2板状アンテナ841とを接続する電気線を短くすることが可能となり、電気線の取り回しを比較的容易なものとすることが可能となる。また、キーがシリンダ錠91の鍵穴に差し込まれた状態で反時計回りに操作されたことに基づいて各板状アンテナ551,841がアース状態から非アース状態に切り替えられる構成においては、ID情報をパチンコ機P前面側から読み取るための構成をパチンコ機Pの一側に集約配置することが可能となる。故に、各板状アンテナ551,841を設けるにあたり、払出機構部352等のID情報の読み取りと無関係な部材の配置位置を大幅に変更しなければならない不具合が生じることを抑制することが可能となる。
なお、図46に示すように、取付台251の開閉中心側端部にアンテナ載置部840aを設けることも可能である。かかる構成とした場合、第2板状アンテナ841が第1制御基板ユニット201の開閉中心側に位置するため、取付台251に第2板状アンテナ841を設けたとしても、第2板状アンテナ841又はその電気線を取り外すことなく第1制御基板ユニット201を開閉させることが可能となる。
(11)上記第3の実施の形態では、作動口スイッチ759に接続された電気線760と、作動口通路樋752aに接続された電気線753とを束ね部材761により束ねる構成としたが、例えば第1の実施の形態のように第2板状アンテナが取付台ではなく遊技盤の背面に取付固定されている構成等においては、上記電気線753,760を束ねずとも良い。かかる構成においては、第1制御基板ユニットを展開させる際に第2板状アンテナ又は電気線を取り外す必要がないため、作動口通路樋と第2板状アンテナとを接続する電気線を、遊技盤の背面又は背面に設けられた部材に沿わせた状態で固定しておけば良いからである。
(12)上記第3の実施の形態では、作動口通路樋752aの外側表面がアンテナ部として機能する構成について説明したが、作動口通路樋752aの前面のみがアンテナ部として機能する構成としても良い。すなわち、遊技盤30を前後に貫通する電気装置にアンテナ部を設ける構成であれば良い。
(13)上記第1乃至第3の実施の形態では、パチンコ機Pの前面側に配置された第1板状アンテナ551,701,811又は作動口通路樋752aを施錠装置の基枠247に接続してアースさせる構成としたが、第2板状アンテナ556と施錠装置の基枠247とを接続し、各板状アンテナをアースさせる構成としても良い。特に、第2の実施の形態においては、第3板状アンテナ721と施錠装置の基枠247とを接続してアースさせる構成としても良い。
(14)上記第4の実施の形態では、主制御基板278に第2板状アンテナ821が搭載される構成としたが、例えば封印シールが主制御基板を挟むようにして基板ボックスに貼り付けられるのであれば、主制御基板のうち封印シールのアンテナ部と対向する位置にアンテナパターンを予めプリントしておく構成としても良い。
(15)上記第4の実施の形態では、主制御基板278において、CPUチップ278aと第2板状アンテナ821とが同じ一側部に搭載される構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、CPUチップ278aが主制御基板278の中央左部に搭載され、第2板状アンテナ821が主制御基板278の中央右部に搭載される構成としても良い。かかる構成とすれば、CPUチップ278aと第2板状アンテナ821とを主制御基板278において離間させることが可能となり、第2板状アンテナ821から出力される電波によってCPUチップ278aが誤作動したりRAMのデータが破壊されたりする等の不具合が生じることを回避することが可能となる。
上述した通り、CPUチップ278aのRAMは、パチンコ機Pの電源の遮断後においても電源及び発射制御装置313に設けられた電源及び発射制御基板313aからデータ記憶保持用電源(データ記憶保持用電圧)が供給されてデータが保持される構成となっている。このため、パチンコ機Pの電源を遮断した状態でID情報の読み取り作業を行ったとしても、第2板状アンテナ821から出力される電波によってデータが書き換えられる可能性が懸念される。データが書き換えられた場合、パチンコ機Pの電源を立ち上げた際にRAMのデータが破壊されたと判定して異常処理が行われる。したがって、CPUチップ278aと第2板状アンテナ821とを主制御基板278において離間させることにより、ID情報の読み取り作業を行った後の電源立ち上げ時に異常処理が行われる不具合を回避することが可能となり、上記懸念を解消することができる。
(16)上記第4の実施の形態では、第1板状アンテナ811が呼出波を受信すると、その際に生じた電流が主制御装置271に入力される構成としたが、封印シール300が払出制御装置311に貼り付けられる構成においては、前記電流が払出制御装置311に入力される構成とすれば良いことは言うまでもない。
(17)上記第4の実施の形態では、作動口スイッチ809に接続された電気線810と、第1板状アンテナ811に接続された電気線812とが、3ピン構造を有するコネクタ部材813により1つにまとめられて主制御装置271に接続される構成としたが、各電気線810,812が個別に主制御装置271に接続される構成としても良いことは言うまでもない。
また、中継基板を介して主制御装置に接続される構成としても良い。例えば、中継基板に、作動口スイッチの電気線が接続される2ピン構造の第1コネクタ受け部と、第1板状アンテナの電気線が接続される1ピン構造の第2コネクタ受け部と、3ピン構造の第3コネクタ受け部とを設ける。中継基板には、第1コネクタ受け部と第3コネクタ受け部とを結ぶ導体パターン、第2コネクタ受け部と第3コネクタ受け部とを結ぶ導体パターンを予めプリントしておく。そして、3ピン構造のコネクタを両端に有する電気線を用いて中継基板と主制御装置とを接続する。かかる構成とした場合であっても、上記第4の実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(18)上記第3及び第4の実施の形態では、作動口装置750の作動口通路樋752aにアンテナ部としての機能を付与する構成としたが、遊技盤30を前後に貫通する部材又は遊技領域に配置される電気装置にアンテナ部としての機能を付与する構成であれば良い。
例えば、遊技領域に植設される植設釘にアンテナ部としての機能を付与する。
図47(a)は、アンテナ部としての機能を有する植設釘845が遊技盤30に取り付けられた状態での要部断面図である。植設釘845は、その略中央部に突起部845aが形成されており、該突起部845aから植設釘845先端までの長さ寸法が遊技盤30の厚さ寸法より大きく設定されている。かかる構成においては、植設釘845を遊技盤30の前面側から取り付ける際に突起部845aと遊技盤30の当接によって植設釘845の遊技盤30後方への移動が阻止され、植設釘845の先端部が遊技盤30の背面側に突出することとなる。つまり、植設釘845は、遊技盤30を前後に貫通した状態で固定されている。したがって、植設釘845の先端部に第2板状アンテナと接続するための電気線846を接続する構成とすれば、上記第3の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
或いは、LED等の発光部材を有する発光風車装置が遊技領域に設けられる構成において、発光風車装置の取付部に第1板状アンテナを設ける。
図47(b)は、発光風車装置860が遊技盤850に取り付けられた状態での要部断面図である。遊技盤850には、発光風車装置860を取り付けるための取付孔850aが形成されており、当該取付孔850aを塞ぐようにして発光風車装置860が取り付けられている。
発光風車装置860は、遊技盤850に取付固定されるための取付固定部861を有し、取付固定部861には、軸部862を有する風車部材863が回転可能に取り付けられている。取付固定部861の前面側には、第1板状アンテナ870が設けられており、取付固定部861の背面側には、LED等の発光部材864と、該発光部材864を搭載する発光基板865とが、脚部866を介して取付固定されている。また、発光風車装置860が遊技盤850に取り付けられた状態では、発光基板865が遊技盤850の背面側に突出しないように構成されている。第1板状アンテナ870には電気線871と図示しないアース線が接続されており、電気線871とアース線が取付孔850aを介して遊技盤850の背面側に挿通されるようになっている。
かかる構成の場合、発光風車装置860自体は遊技盤850を前後に貫通していないものの、遊技盤850には発光風車装置860、より詳しくは発光基板865を収容するための取付孔850aが予め形成されている。故に、当該取付孔850aを利用して第1板状アンテナ870に接続された電気線871及びアース線を遊技盤850の背面側に挿通させることが可能となり、上記第3及び第4の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上述した植設釘845や発光風車装置860にアンテナ部としての機能を付与する他、可変入賞装置にアンテナ部としての機能を付与する構成としても良い。可変入賞装置も作動口装置と同様、遊技盤を前後に貫通するようにして設けられる電気装置であるため、可変入賞装置にアンテナ部としての機能を付与した場合であっても、上記第3及び第4の実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(19)上記第3及び第4の実施の形態では、作動口スイッチ759,809に2ピン構造のコネクタ部材を有する電気線を接続する構成について説明したが、1ピン構造のコネクタ部材を有する電気線を接続する構成としても良いし、3ピン以上の構造を有する電気線を接続する構成としても良い。
(20)上記各実施の形態では、本体枠12や前扉枠13を開放することなくID情報の読み取り作業を行うことが可能な構成としたが、前扉枠13を開放した上でID情報の読み取り作業を行う構成としてもよい。
(21)上記各実施の形態では、シリンダ錠91の鍵穴にキーを差し込み、差し込んだキーを反時計回りに操作すると、第1板状アンテナ551等の各アンテナ部がアース状態から非アース状態に切り替えられる構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、パチンコ機Pの前面側から各アンテナ部をアース状態から非アース状態に切替可能な構成であれば良い。例えば、各アンテナ部をアース状態から非アース状態に切り替えるためのキー操作部をシリンダ錠91と別個に設ける構成としても良いし、各アンテナ部をアース状態から非アース状態に切り替えるためのプッシュ式の切替スイッチをパチンコ機Pの前面側に設ける構成としても良い。但し、切替スイッチをパチンコ機の前面側に設ける場合には、遊技者等が操作し難い位置に切替スイッチを配置したり、遊技者等から切替スイッチを隠すための隠蔽部材を設けたりすることが望ましい。仮に遊技者等が操作し易い位置に切替スイッチを設けた場合、当該切替スイッチを遊技と関わるスイッチであると遊技者等が誤認識し、切替スイッチが不要に操作される可能性が懸念されるからである。
(22)上記各実施の形態では、キーを操作することで第1板状アンテナ551等の各アンテナ部がアース状態から非アース状態に切り替えられる構成としたが、リーダー装置601又は所定の電波出力装置から呼出波が出力されると、第1板状アンテナ551等の各アンテナ部がアース状態から非アース状態に切り替えられる構成としても良い。すなわち、各アンテナ部のアース状態から非アース状態への切り替えが手動操作によって行われるのではなく自動的に行われる構成としても良い。
(23)上記各実施の形態では、シリンダ錠91の鍵穴にキーを差し込み、差し込んだキーを反時計回りに操作すると、第1板状アンテナ551等の各アンテナ部がアース状態から非アース状態に切り替えられる構成としたが、差し込んだキーを反時計回りに操作すると、第1板状アンテナ551等の各アンテナ部が非アース状態からアース状態に切り替えられる構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、ID情報の読み取り作業を行う前段階で各アンテナ部をアースさせることができるため、ノイズ等を原因としてID情報を正確に読み取りできない等の不具合が発生することを回避することが可能となる。
(24)上記各実施の形態では、第1板状アンテナ551等のパチンコ機P前面側に設けられたアンテナ部にアース線を接続し、各アンテナ部をアース状態とすることが可能な構成としたが、パチンコ機P背面側に設けられた第2板状アンテナ556等のアンテナ部にアース線を接続する構成としても良いし、各アンテナ部に個別にアース線を接続する構成としても良い。
(25)上記各実施の形態では、遊技盤30の前面側及び背面側に板状アンテナを設ける構成としたが、ダイポールアンテナ等の線状アンテナを設ける構成としても良いし、スロットアンテナ等の立体アンテナを設ける構成としても良い。これら構成とした場合であっても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(26)上記各実施の形態では、遊技盤30の前面側と背面側のそれぞれに、リーダー装置601から出力された呼出波又はIDタグから出力された応答波を中継するためのアンテナを設ける構成としたが、呼出波及び応答波が十分な出力を有するのであれば、第2板状アンテナのみならず第1板状アンテナも遊技盤の背面側に設けても良い。すなわち、パチンコ機背面側に設けられたIDタグのID情報をパチンコ機前面側から読み取ることができるように中継アンテナが設置されていれば良い。但し、ID情報の読み取り作業を行う際にリーダー装置601を近接させる位置を用意に把握できるよう、遊技盤の前面側又は管理者等から視認可能な位置に第1板状アンテナを配置することが望ましい。
(27)上記各実施の形態において説明した構成を適宜組み合わせても良いことは言うまでもない。
IDタグを有する封印シールが主制御装置と払出制御装置に貼り付けられたパチンコ機において、主制御装置のID情報を読み取るための第1板状アンテナを遊技盤の右下隅部に設け、払出制御装置のID情報を読み取るための第1板状アンテナを作動口装置に設ける構成とする。
第1の実施の形態において、第2板状アンテナの設置位置を、第3の実施の形態に示したように第1制御基板ユニットの取付台とする。
遊技盤の右下隅部に設けられた第1板状アンテナと、主制御装置とを電気的に接続する構成とする。
IDタグを有する封印シールが主制御装置と払出制御装置に貼り付けられたパチンコ機において、作動口装置にアンテナ部としての機能を付与すると共に、作動口装置と第2板状アンテナ,作動口装置と第3板状アンテナを、分流装置を介して接続する構成とする。
遊技盤を前後に貫通する作動口通路樋にアンテナ部としての機能を付与し、作動口通路樋と主制御装置とが電気的に接続される構成とする。
(28)上記各実施の形態において、封印シールを複数のケース体を跨ぐようにして貼り付けるのではなく、ボックスベース又はボックスカバーの何れか一方のみに貼り付けたり、制御基板に貼り付ける構成としてもよい。また、取付台251等の台座部材とケース体とを跨ぐようにして封印シールを貼り付ける構成としても良い。さらには、IDタグが封印シール300に設けられている必要はなく、制御基板や基板ボックスなどに単独で設けられている構成であってもよい。
(29)上記各実施の形態では、IDタグを主制御装置271又は払出制御装置311に対して設けたが、制御装置271,311以外に設けてもよい。例えば、遊技媒体の払い出しを行う払出装置358,573に設けてもよい。この場合、不正な払出装置に交換されたか否かを容易に確認することができる。
また、電源及び発射制御装置313にIDタグを設ける構成としてもよい。電源及び発射制御装置313に対して不正を行うことにより遊技球の発射周期を変更する不正行為が想定されるため、電源及び発射制御装置313に対してIDタグを設けることで、かかる不正行為の確認を容易に行うことができる。
(30)上記各実施の形態では、遊技ホールH側のパチンコ機管理装置として、リーダー装置601と管理コンピュータ602とを設けたが、この構成を変更する。例えば、管理コンピュータ602の管理処理機能をリーダー装置601に付加する構成としても良い。
(31)上記各実施の形態では、IDタグ303を有する封印シール300を、主制御装置271の基板ボックス外面に貼り付ける構成としたが、この構成を変更する。例えば、同基板ボックスの内面側に貼り付けても良い。また、基板ボックスを構成する樹脂材にIDタグを埋設しても良い。さらに、IDタグを有するシール部材を主制御基板に直接貼り付けても良い。
(32)封印シール330において、ICチップ305から延びる長尺状のアンテナ部306を直線状とする以外に、細かなうねりや凹凸を有する略直線状としたり、弧状としたりすることも可能である。また、封印シール300の形状を、菱形状、円形状(楕円状を含む)、三角状、L字状、十字状などに変更することも可能である。
その他、封印シール300の別形態として、ベースシート301に形成したアンテナ用切り込み307、隅側切り込み308、外縁切り込み309の形状や大きさなどを変更したり、それらの少なくともいずれかを無くしたりした構成としても良い。
(33)上記各実施の形態では、封印シール300に所定の溶媒が塗布されたり、所定温度以上の熱が加えられたりした場合には、ベースシート301が変色する構成であったが、ベースシート301が変質する構成としてもよい。具体的には、ベースシート301が溶ける構成とする。当該構成によっても、封印シール300に所定の溶媒が塗布され、又は封印シール300に所定温度以上の熱が加えられて、封印シール300が剥がされ、主制御基板278に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
(34)上記各実施の形態では、パチンコ機Pの裏面側において、各種制御装置を2つの制御基板ユニット(第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202)に分散して搭載したが、この構成も変更でき、制御基板ユニット(すなわち取付台)を3つ以上設ける構成としてもよい。
(35)上記各実施の形態では、制御基板ユニットが本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成について説明したが、本体枠12又は遊技盤30の裏面に直接取付固定される構成に適用しても良いし、本体枠12又は遊技盤30の裏面に対してスライド移動可能に装着される構成に適用しても良い。
(36)制御装置以外の部材を装着するための台座部材を本体枠12や遊技盤30に取り付ける構成としても良い。制御装置以外の部材としては、電源装置、モータやソレノイド等の電気部材、遊技球通路部材などが考えられる。
(37)上記各実施の形態では、管理コンピュータ602のCPUにおいて、入力されたID情報がROMに記憶されたID情報と一致するか否かを判定し、一致する場合には正常表示を行うと共に、一致しない場合等にはエラー表示を行う構成としたが、かかる構成を変更する。
パチンコ機Pを製造する各製造メーカが管理サーバ装置を設け、管理コンピュータと管理サーバ装置との間で双方向通信が可能な構成とし、管理サーバ装置に登録された管理データと入力されたID情報が一致するか否かを管理サーバ装置が判定する構成とする。
このとき、各管理サーバ装置には、パチンコ機Pの出荷前に登録した管理データを記憶保持させておく。管理データとしてより詳しくは、(i)基準データ、(ii)板替えデータ、(iii)基板替えデータを記憶保持させておく。
(i)基準データは、管理コンピュータ602から受信したID情報の認証に際して基準となるデータである。基準データは、基本的にパチンコ機Pの出荷前に登録され記憶保持される。但し、前記遊技盤30の交換や主制御装置271の交換等に際して適宜更新される。基準データには、各パチンコ機Pに付されたID情報が、出荷先の遊技ホール名(店名)、その遊技ホールHにおける台番号、及び認証が完了しているか否かの情報と共に記憶されている。
(ii)板替えデータは、遊技盤30及び主制御装置271等からなる板替えユニットの出荷前に登録され記憶保持される。つまり、遊技ホールHにおいては板替えユニットの交換作業(機種変更)が行われることがある。この場合に、板替えデータを記憶保持しておくことで、遊技ホールHに到着した板替えユニットが真正品であるか否かなどの認証を行うことができ、搬送途中において当該板替えユニットが不正品に差し替えられたりしても、その不正品の判定が可能となる。板替えデータには、板替えユニットを構成する遊技盤30及び主制御装置271に付されたID情報が、出荷先の遊技ホール名(店名)、その遊技ホールHにおける交換対象の台番号、及び認証が完了しているか否かの情報と共に記憶されている。
(iii)基板替えデータは、主制御装置271の出荷前に登録され記憶保持される。つまり、遊技ホールHにおいては、主制御装置271に対する不正が想定される。この不正としては、主制御装置271の不正な制御装置への交換や、主制御基板278の不正な基板への交換や、主制御基板278に設けられたCPUチップ278aの不正なチップへの交換等がある。このような不正行為が行われた場合には、主制御装置271を真正品に交換する必要が生じる。この場合、製造メーカにおいては主制御装置271のみを出荷するため、基板替えデータを記憶保持しておくことで、遊技ホールHに到着した主制御装置271が真正品であるか否かなどの認証を行うことができ、搬送途中において主制御装置271が不正品に差し替えられたりしても、その不正品の判定が可能となる。
基板替えデータには、主制御装置271のID情報が、出荷先の遊技ホール名(店名)、その遊技ホールHにおける交換対象の台番号、及び認証が完了しているか否かの情報と共に記憶されている。
なお、遊技ホールHにおいては主制御装置271の基板ボックス273を開封し主基板272の点検などといったメンテナンスを行う場合があり、メンテナンス後はその主制御装置271が再度使用される。この場合、封印シール300は剥がされ、IDタグ303のアンテナ部306は分断されるため、その基板ボックス273に対して新たな封印シール300を貼り付ける必要がある。よって、製造メーカにおいては封印シール300のみを出荷する必要がある。かかる封印シール300の出荷に際しては、封印シール再発行データとして管理データに登録され記憶保持される。板替えデータや基板替えデータと同様に、この封印シール再発行データを用いて基準データが更新される。
上記構成の管理システムでは、遊技ホールHにおいて、管理者等によって、リーダー装置601を用いてパチンコ機PのID情報が読み取られる。リーダー装置601によって読み取られたID情報は管理コンピュータ602に対して逐次送信される。
そしてその後、遊技ホールH側(管理コンピュータ602)から製造メーカ側(管理サーバ装置)に対して読み取ったID情報の送信が行われる。この場合、送信データには、ID情報に加え、日時、メーカ名(又はメーカコード)、機種名(又は機種コード)、台番などのデータが含まれる。
製造メーカ側(管理サーバ装置)では、遊技ホールH側から受信したID情報と、登録済みの上記管理データとの照合によりパチンコ機Pの認証が行われる。この場合、ID情報と管理データとが整合し、認証OKとなればその旨の認証結果が遊技ホールH側に返信される。また、ID情報と管理データとで不整合などのエラーが生じると、そのエラー情報が遊技ホールH側に返信される。エラー内容としては以下の事例が想定される。
・店名や台番などで対応付けたデータ照合においてID情報と管理データとが不一致となるエラー(データ不一致エラー)。
・製造メーカ側で未採番の製造番号等が付されているエラー(データ矛盾エラー)。
・同一のID情報が重複して存在するエラー(データ重複エラー)。
・製造メーカ側で認識していない形式のID情報が付されているエラー(形式違反エラー)。
遊技ホールH側(管理コンピュータ602)では、上記のエラー情報を受信すると、そのエラー内容をディスプレイ等に表示する。
(38)パチンコ機Pに複数のIDタグを設け、これらIDタグに格納されたID情報をパチンコ機P前面側から読み取る場合、例えば各ID情報と対応付けられたQRコードの記載された証紙が遊技盤30に貼り付けられる構成とし、そのQRコードの情報と各ID情報との対応が一致しているか否かを管理コンピュータ602にて判定する構成としても良い。
(39)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の他の遊技機にも適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機(球使用回胴遊技機)にも適用できる。
以下、スロットマシンに適用した場合の構成を、図面に基づいて説明する。図48はスロットマシン900の前面扉902を閉じた状態の斜視図、図49はスロットマシン900の前面扉902を開いた状態の斜視図、図50は筐体901の正面図である。
スロットマシン900は、その外殻を形成する筐体901を備えている。筐体901は前方に開放した箱状に形成されている。筐体901の前面側には、前面扉902が開閉可能に取り付けられている。前面扉902の中央部上寄りには、遊技パネル903が設けられており、遊技パネル903には、縦長の3つの表示窓904L,904M,904Rが横並びとなるように形成されている。表示窓904L,904M,904Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓904L,904M,904Rを通じて筐体901の内部に設けられたリールユニット905による図柄の可変表示が視認可能となっている。
リールユニット905は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された複数(3個)のリール906L,906M,906Rを備えている。これら各リール906L,906M,906Rは、各表示窓904L,904M,904Rに1対1で対応している。各リール906L,906M,906Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール906L,906M,906Rの外周面には複数の図柄が回転方向に付されている。また、各リール906L,906M,906Rは、それぞれ図示しないステッピングモータに連結されており、ステッピングモータの駆動により各リール906L,906M,906Rが個別に回転する。各リール906L,906M,906Rが回転することにより、上述した図柄の可変表示が実行される。
遊技パネル903の下方左側には、各リール906L,906M,906Rを一斉に回転開始させるために操作されるスタートレバー911が設けられている。また、スタートレバー911の右側には、回転している各リール906L,906M,906Rを個別に停止させるために操作されるストップスイッチ912L,912M,912Rが設けられている。また、表示窓904L,904M,904Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口913が設けられている。
メダル投入口913から投入されたメダルは、前面扉902の背面に設けられたセレクタ915によって貯留用通路916か排出用通路917のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ915にはメダル通路切替ソレノイドが設けられ、そのメダル通路切替ソレノイドの非励磁時には排出用通路917側とされ、励磁時には貯留用通路916側に切り替えられるようになっている。貯留用通路916に導かれたメダルは、筐体901の内部に収納されたホッパ装置921へと導かれる。一方、排出用通路917に導かれたメダルは、前面扉902の前面下部に設けられたメダル受け皿925へと導かれ、遊技者に返還される。なお、セレクタ915にはメダル検出センサが設けられており、当該センサにより貯留用通路916に導かれるメダルが検出される。
メダルを遊技者に付与するホッパ装置921は、メダルを貯留する貯留タンク922と、メダルを遊技者に払い出す払出装置923とより構成されている。払出装置923は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路917へメダルを排出し、排出用通路917を介してメダル受け皿925へメダルを払い出すようになっている。
表示窓904L,904M,904Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのマックスベットスイッチ926が設けられている。なお、マックスベットスイッチ926が操作された場合の投入枚数は3枚に限定されることはない。
ストップスイッチ912L,912M,912Rの下方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート940が装着されている。下段プレートの右隅角部には透明樹脂にて形成された小窓941が設けられており、前面扉902には、小窓と対応する位置に第1板状アンテナ942が設けられている。
前面扉902の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ927と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ928と、遊技者に各種情報を与える補助表示部929とが設けられている。補助表示部929の背面には上部ランプ927やスピーカ928,補助表示部929を駆動させるための表示制御装置931が設けられている。
筐体901の内部においてリールユニット905の上方には、主制御装置932が設けられている。主制御装置932は、主たる制御を司るCPU等を含む主基板を具備しており、主基板が基板ボックス933に収容されて構成されている。基板ボックス933は、ボックスベースとボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット934によって開封不能に連結されている。また、基板ボックス933には、ボックスベースとボックスカバーとを跨ぐようにして封印シール935が貼り付けられている。
封印シール935は上記第1の実施の形態における封印シール300と同様にIDタグを備えている。また、筐体901内における主制御装置932に近接した位置には、第2板状アンテナ950が設けられている。第2板状アンテナ950は、前面扉902に設けられた第1板状アンテナ942と電気的に接続されている。第1板状アンテナ942及び第2板状アンテナ950は、上記第1の実施の形態と同様、リーダー装置から出力された呼出波をIDタグに向けて出力すると共に、IDタグから発信されたID情報を含む応答波をリーダー装置に向けて出力することができるようになっている。
11…外枠、12…本体枠、13…前扉枠、18…発射操作手段としての遊技球発射ハンドル、31…賞球入球部としての一般入賞口、32…賞球入球部としての可変入賞装置、33…始動入球部を有する作動口装置、41…図柄表示装置、92…切替手段を構成するカム板、92a…第1係合爪部、92b…第2係合爪部、93…切替手段を構成する検知センサ、160…遊技球発射機構、271…制御装置としての主制御装置、273…基板ボックス、276…ボックス構成体としてのボックスベース、277…ボックス構成体としてのボックスカバー、278…主制御基板、281,282…貼付板部、281a,281b,282a,282b…貼付面、283…第1締結具としての第1ネジ、284…第2締結具としての第2ネジ、283a,284a…取り外し方向側の端部としての頭部、285,286…連通孔としてのネジ孔、289,290…取り外し側開口、300…シール部材としての封印シール、301…ベースシート、302…粘着層、303…識別手段としてのIDタグ、305…記憶部としてのICチップ、306…発信アンテナ部及び送受信アンテナ部としてのアンテナ部、307…アンテナ用切り込み、308…隅側切り込み、309…外縁切り込み、311…制御装置としての払出制御装置、311a…払出制御基板、315…基板ボックス、358…払出装置、551…中継アンテナを構成すると共に第2中継アンテナ部としての第1板状アンテナ、552…貫通孔、553…案内通路部、556…中継アンテナを構成すると共に第1中継アンテナ部としての第2板状アンテナ、561…増幅装置、562…スイッチ回路、601…読取装置としてのリーダー装置、602…管理コンピュータ、606…CPU、607…RF回路、608…リーダアンテナ、701…中継アンテナを構成すると共に第2中継アンテナ部としての第1板状アンテナ、702…貫通孔、703…IDシール、703a…記憶部としてのICチップ、703b…発信アンテナ部及び送受信アンテナ部としてのアンテナ部、706…シール部材としての封印シール、707…IDタグ、707a…記憶部としてのICチップ、707b…発信アンテナ部及び送受信アンテナ部としてのアンテナ部、711…台座プレート、712…アンテナ載置部、721…中継アンテナを構成すると共に第1中継アンテナ部としての第3板状アンテナ、726…伝達手段としての分流装置、750…作動口装置、751…取付固定部、752…上側作動口、752a…中継アンテナを構成すると共に第2中継アンテナ部としての作動口通路樋、752b…球排出孔、753…電気線、756…下側作動口、757…電動役物、757a…モーター装置、758…役物固定板、759…作動口スイッチ、760…電気線、760a…コネクタ部、761…束ね部材、771…取付台、772…基板搭載面、773…基板搭載面、774…起立部、775…取付固定部、775a…凹み部、775b…アンテナ支持部、777…コネクタ部、800…作動口装置、801…取付固定部、801a…アンテナ載置部、801b…挿通孔、802…上側作動口、802a…作動口通路樋、802b…球排出孔、806…下側作動口、807…電動役物、807a…モーター装置、808…役物固定板、809…作動口スイッチ、810…電気線、811…中継アンテナを構成すると共に第2中継アンテナ部としての第1板状アンテナ、812…電気線、813…コネクタ部材、821…中継アンテナを構成すると共に第1中継アンテナ部としての第2板状アンテナ、822〜824…コネクタ、840…アンテナ載置部、841…中継アンテナを構成すると共に第1中継アンテナ部としての第2板状アンテナ、845…中継アンテナを構成すると共に第2中継アンテナ部としての植設釘、846…電気線、850…遊技盤、860…発光風車装置、861…取付固定部、862…軸部、863…風車部材、864…発光部材、865…発光基板、866…脚部、870…中継アンテナを構成すると共に第2中継アンテナ部としての第1板状アンテナ、871…電気線、900…スロットマシン、901…筐体、902…前面扉、903…遊技パネル、904…表示窓、905…絵柄表示装置としてのリールユニット、906…リール、911…始動操作手段としてのスタートレバー、912…停止操作手段としてのストップスイッチ、913…受入手段を構成するメダル投入口、915…受入阻止手段としてのセレクタ、916…受入手段を構成する貯留用通路、923…払出装置、932…主制御装置、935…シール部材としての封印シール、940…下段プレート、941…小窓、942…中継アンテナを構成すると共に第2中継アンテナ部としての第1板状アンテナ、950…中継アンテナを構成すると共に第1中継アンテナ部としての第2板状アンテナ、P…パチンコ機。