JP2004344087A - 微生物計量における計量方法および液体培地および微多孔膜支持体 - Google Patents

微生物計量における計量方法および液体培地および微多孔膜支持体 Download PDF

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Abstract

【課題】被験材料中の微生物数を迅速に精度よく計量することを目的とする。
【解決手段】微生物を捕集する微多孔膜1と、この微多孔膜1を保持するベース3とリング2で構成された微多孔膜支持体6に、被験材料中の微生物を微多孔膜1に捕集したのち、捕集面の裏側から培地4を接触させ捕集面を裏向きにしたまま培養することで微多孔膜1に捕集された微生物に安定して培地成分を行き渡らせることで、微生物の増殖を良くしコロニー5を形成させ、形成されたコロニー5を発色あるいは蛍光染色しCCDで画像を撮り込むことにより短時間でかつ精度よく微生物を計量することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微多孔膜で微生物を捕集し、微多孔膜上で微生物を短時間培養して微小コロニーを形成させ、その形成した微小コロニーを光学的に測定する微生物計量方法および液体培地および微多孔膜支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の微生物検査方法は、被験材料中の菌数を計量するのに、例えば被験材料が液体の場合は寒天平板培地に直接塗沫し、また、被験材料が液体で無い場合は微生物を洗い出した液を寒天平板培地に塗沫して1個の菌が1個のコロニーを形成することを利用して、寒天平板培地上で微生物を培養し、寒天平板培地上に発現したコロニーを肉眼で観察しながら被験材料中の微生物数を計量する寒天平板法が用いられている。
【0003】
また、メンブレンフィルターを使用して、微生物を計量する方法として、(例えば、特許文献1および特許文献2参照)に記載されているよう方法があり、アデノシン三リン酸(以下ATP)分解酵素を含む溶液をメンブレンフィルターに施した後、乾燥処理をしたメンブレンフィルターに被験材料中の微生物をろ過捕集し、必要であれば所要時間培養した後、ATPを抽出するための液体抽出試薬と発光試薬であるルシフェリン・ルシフェラーゼを霧状に噴霧することにより、ルシフェリンとルシフェラーゼがATPと反応して、1分子のルシフェリンの酸化によって1フォトンの発光をし、その発光を高感度CCDカメラで撮り込み微生物を計量していた。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−137293号公報
【特許文献2】
特開平6−237793号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の寒天平板培地では、被験材料の検査量が1ml程度が限界であり、微生物数が少なく多量の検査が必要な被験材料の検査は不可能であり、検査の結果が得られるまでに1〜2日またはそれ以上の培養時間が必要となり、生鮮食品などの製造あるいは製品出荷の段階で検査結果待ちを要し、時間的経済的に大きなデメリットとなっており、場合によっては検査結果が判る前に出荷せざるおえないという課題があり、被験材料中の微生物数を計量するのに要する時間を短時間にすることが要求されている。
【0006】
また、メンブレンフィルターを使用して、所要時間の培養後または培養無しで微生物を計量する方法は、培養をする場合は微生物を捕集したメンブレンフィルターを平板培地に置いて培養する時に、メンブレンフィルターと培地の間にエアーが入るなどして、メンブレンフィルターと培地が完全に密着していないと培地の栄養分がメンブレンフィルターに捕集した微生物まで行き渡りにくく、メンブレンフィルターに捕集した微生物の培養性が悪くなり、同じサンプルを培養してもメンブレンフィルターごとに微生物の増殖性が一定にならずにコロニーの大きさがばらつくという課題があり、微生物の培養性を高めることが要求されている。
【0007】
また、培養無しの場合は、被験材料中に微生物と同じように発光する蛍光異物等が含まれる被験材料の検査においては、微生物と同じように発光する蛍光異物等と微生物の蛍光との明確な差が得られず、正確な微生物数の計量ができないという課題があり、正確な微生物数を計量することが要求されている。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので被験材料中の微生物数を計量するのに要する時間を短時間に、また、微生物をメンブレンフィルターに捕集したのち培養する時に、メンブレンフィルターと培地の密着性を向上させ、微生物の培養性を高め、また、メンブレンフィルターに捕集した微生物と異物を判別し、被験材料中の正確な微生物数を計量する微生物計量方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記、従来の課題を解決するために本発明は、微生物をろ過して捕集するために微多孔膜支持体の微多孔膜の表面に微生物を捕集した後、捕集した面を下向きにし、その反対側の面に培地を接触させることで、微多孔膜の微多孔を通じて培地の成分を微生物が捕集された面に行き渡らせ、所要時間微生物を培養してから光学的に微生物を計量するようにしたものである。
【0010】
本構成によって、微生物を計量する方法おいて、微多孔膜上に捕集した微生物をより迅速にかつ確実に生育させるために、重力を利用して培地成分を微生物の捕集面に移動させることができる。
【0011】
また、培地を液体培地としたものである。
【0012】
本構成によって、培地成分と微多孔膜の密着性を向上させ、より短時間でフィルターの微生物捕集した面に培地成分を行き渡らせることができる。
【0013】
また、培地を樹脂に付着させた培地としたものである。
【0014】
本構成によって、微多孔膜に培地成分を接触させる時に、培地部分を直接触らずに作業が可能で、培地のコンタミを防ぐことができる。
【0015】
また、培地を固形培地としたものである。
【0016】
本構成によって、培養した後に培地成分を取り除く時に培地成分が微多孔膜に残らないように容易に除去することができる。
【0017】
また、液体培地に色をつけたものである。
【0018】
本構成によって、培養中に培地成分が微生物の捕集した面に漏れた時に、漏れていることが容易に判別できるようになり、培地成分が微生物の捕集した面に漏れ出しコロニーが崩れて正確な培養が出来ていない時に、その検体を正規の検体として扱うことを防止し、正確な微生物数を計量することができる。
【0019】
また、培地を特定の微生物を選択的に増殖される培地としたものである。
【0020】
本構成によって、微多孔膜に捕集された微生物の中で特定の微生物のみを選択的に増殖させることができる。
【0021】
また、微多孔膜を親水性の微多孔膜としたものである。
【0022】
本構成によって、培養中に培地成分が微多孔膜に捕集された微生物に行き渡りやすくすることができる。
【0023】
また、所要時間培養した後、増殖したコロニーを固化した後に計量するようにしたものである。
【0024】
本構成によって、微多孔膜上に形成されたコロニーの崩れをなくすことにより、微多孔膜上に形成されたコロニーを正確に計量することができる。
【0025】
また、増粘剤を含んだ液体培地としたものである。
【0026】
本構成によって、培養中に培地成分が微生物の捕集面に漏れて、微多孔膜上に形成されたコロニーが崩れるのを防ぎ、最初に微多孔膜に捕集した微生物数を正確に把握することが可能になり、正確な微生物数を計量することができる。
【0027】
また、増粘剤を含んだ液体培地の粘度を300mPa・s以上の液体培地としたものである。
【0028】
本構成によって、増粘剤を含んだ液体培地を調製する時における粘度の管理指標を規定することで、調製時に予期せぬトラブルで規定の増粘剤の量を入れることが出来なくても、調製後に粘度管理し常に、基準を満たした液体培地が得ることができる。
【0029】
また、増粘剤としてメチルセルロースを使用した液体培地としたものである。
【0030】
本構成によって、培養中に培地成分が微生物の捕集面に漏れて、微多孔膜上に形成されたコロニーが崩れるのを防ぐことが可能になり、正確な微生物数を計量することができる。
【0031】
また、微多孔膜の裏側に液体培地を保持できるように微多孔膜支持体を構成し、押さえリングとベースの隙間から液体培地が所要時間漏れない構造としたものである。
【0032】
本構成によって、微多孔膜の裏側に液体培地を接触させるために、所定時間液体培地を保持する構造としており液体培地が微多孔膜のコロニー形成側に漏れてこない微多孔膜支持体を得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明は、被検体中に含まれる微生物を微多孔膜である0.1〜0.4μmの微多孔を有したメンブレンフィルターでろ過して、メンブレンフィルター上に捕集された微生物に培地から栄養成分を与え、短時間(好ましくは2〜5時間、微生物の種類、状態によっては5〜24時間)培養を行い、コロニーを形成した微生物を発色あるいは蛍光染色などを行い、発色または蛍光した微生物を光学的に計量する方法である。通常の培養法では、フィルターに微生物を捕集後、24〜48時間(微生物の種類、状態によっては、1週間以上)培養し、目視で形成したコロニーをカウントする。目視でカウントするため、ある程度の大きさ(通常は小さくても0.1mm以上)にならないとカウントできないため、その大きさまで増殖する時間が必要である。
【0034】
しかし、光学的に計測する方法では、微生物を発色あるいは蛍光染色し、測定するエリアをレンズで拡大し、発色または蛍光染色させた微生物をCCDで画像として撮り込み、発光点を計測することで0.5〜5μm程度の大きさでも十分に測定することができる。
【0035】
この方法では、微生物1個レベルでも測定することは可能であるが、微生物を短時間培養し、コロニーの構成数としては数個〜数百個まで増殖させ大きな形状で測定した方が精度良く測定できる。
【0036】
また、菌以外の発光物との区別としては、微生物を培養する工程の前、すなわち被験材料をメンブレンフィルターにろ過した段階で発光物を計測し、その後、培養してより大きなコロニーを形成し大きな発光になったものだけを微生物と認識させることで、正確に微生物だけを測定することができる。
【0037】
また、培養時間としては、微生物が大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌など一般的なものであれば、上記数個〜数百個まで増殖させるのに、2〜5時間で十分光学的な計測方法を用いて測定することが可能である。
【0038】
但し、その培養時間の間、微生物にとって栄養である培地成分が微生物に十分に補給される必要がある。
【0039】
また、捕集した菌を液体状の培地に浸した状態にすると形成したコロニーが崩れ、微生物1個1個にバラバラになってしまい、最初にメンブレンフィルターに捕集した被験材料中の微生物数が不明になるので、適当量の栄養成分を補給する必要がある。
【0040】
本発明は、微多孔膜に微生物を捕集した後、その捕集した面を下向きにし、微多孔膜の微生物捕集した面の反対側に培地を設置し、重力を利用して微多孔膜の細孔から培地成分を微小量ずつ微生物の捕集面に行き渡せることによって、微生物の増殖能力を最大限にさせることができる。したがって、例えば大腸菌の場合、活性があがり増殖を開始するまでに30分〜1時間程度かかるが、20分程度に1回分裂して増殖するため、増殖しはじめてから1時間後には1個の微生物が8個の微生物のコロニーになり、培養してから2時間程度で光学的に大きな発光として計測するには十分な大きさになり、短時間でかつ精度よく微生物を計量することができる。
【0041】
また、液体培地を用いることで、液体状であるため、培地と微多孔膜は隙間なく密着し、微多孔膜全体に均一に培地成分を行き渡せることができ、培地成分を効率的にフィルターの微生物捕集面に補給させることができる。
【0042】
また、樹脂に培地成分を付着させた培地を用いることで、微多孔膜に培地成分を接触させる時に、培地部分を直接触らずに作業が可能で、培地のコンタミを防ぐことができる。
【0043】
また、固形培地を用いることで、培地成分が固形であるため、培養後に微多孔膜から培地成分を除去することが容易になり、微多孔膜に培地成分を残さずに除去することができる。
【0044】
また、着色した液体培地を用いることで、培養中に微多孔膜上に形成されたコロニー側に液体培地が漏れてきた場合に、容易に漏れていることが判別できるようになり、培地が漏れてきている検体を把握することにより、培養中に微多孔膜上に形成されたコロニー側に培地が漏れた検体は測定せずに、培地成分が漏れていない、すなわちコロニーの崩れがなく、最初に捕集された微生物数が正確に計量出来る検体だけを計量することができ、精度よく微生物を計量することができる。
【0045】
また、特定の微生物を選択的に増殖される培地を用いることで、目的外の微生物の増殖を押さえることにより、微多孔膜上に捕集された微生物の中から計量したい微生物を選択的に培養することができ、被験材料中の様々微生物の中から目的の微生物だけを正確に計量することができる。
【0046】
また、親水性の微多孔膜も用いることで、培養時に培地成分が微多孔膜の反対側にいる微生物に行き渡りやすくなることで、微生物への培地成分の供給状態がよくなり、微生物の増殖をより高めることができ、培養時間を短縮することができる。
【0047】
また、所要時間培養した後、増殖したコロニーを固化した後に計量することで、培養後に微生物数を計量するために、生死細胞もしくは生細胞を発色もしくは蛍光させる化合物と反応させる時にコロニーが崩れ、微多孔膜上に捕集された最初の微生物数が不明になるということを防止することができ、精度よく微生物を計量することができる。
【0048】
また、増粘剤を含んだ液体培地を用いることで、培養中に液体培地が微多孔膜上に形成されたコロニー側に漏れてくることを防止し、微多孔膜上に形成されたコロニーが崩れ、微多孔膜上に捕集された最初の微生物数が不明になるということを防止することができ、精度よく微生物を計量することができる。
【0049】
また、増粘剤を含んだ液体培地の粘度を300mPa・s以上に規定することにより、粘度が低い為に培養中に液体培地が微多孔膜上に形成されたコロニー側に漏れてくる可能性のある液体培地を管理し、規定を満たしている液体培地のみ使用することで、培養中に液体培地が微多孔膜上に形成されたコロニー側に漏れてくることを防止し、微多孔膜上に形成されたコロニーが崩れ、微多孔膜上に捕集された最初の微生物数が不明になるということを防止することができ、精度よく微生物を計量することができる。
【0050】
また、増粘剤としてメチルセルロースを使用した液体培地を用いることで、培養中に液体培地が微多孔膜上に形成されたコロニー側に漏れてくることを防止し、微多孔膜上に形成されたコロニーが崩れ、微多孔膜上に捕集された最初の微生物数が不明になるということを防止することができ、精度よく微生物を計量することができる。
【0051】
また、微多孔膜の裏側に液体培地を保持できるように微多孔膜支持体を構成し、押さえリングとベースの隙間から液体培地が所要時間もれない構造とした微多孔膜支持体を使用することで、培養中に液体培地がこぼれたり、または漏れたりすることなく、微多孔膜に常に接触させた状態で保持することができる。
【0052】
【実施例】
【0053】
【実施例1】
以下に本発明の実施例1を図面1・2・3を参照して説明する。
【0054】
図1に示すように、微多孔膜1と押さえリング2とベース3からなる微多孔膜支持体6に被験材料が液体ならばそのまま微多孔膜にろ過し、被験材料が液体で無い場合は被験材料の微生物をストマッカー処理等で洗い出した液を微多孔膜にろ過する。この時、被験材料をろ過する前にSCDブイヨンまたはSCDLP等の液体培地もしくは界面活性剤等をろ過して、微多孔膜の親水性を上げることにより、その後の培養時の培地4成分の吸い上げを良くし、培養性を高めることができる。
【0055】
また、使用する微多孔膜を親水性の材料もしくは処理を施した微多孔膜を使用することで、より培養時の培地4成分の吸い上げを良くし、培養性を高めることができる。
【0056】
次に、図2に示すように微多孔膜支持体6を裏返し、微多孔膜1の微生物捕集面の反対側に培地4を付着させ微生物捕集面を裏向きにした状態で培養する。
【0057】
このとき微多孔膜1の微生物捕集面が直接他に触れないように押さえリング2が微多孔膜1より飛び出しているか、もしくはベース3に微多孔膜1の微生物捕集面が直接他に触れないように突起を設けた構造で微多孔膜支持体6は構成されている。微多孔膜1の微生物捕集面の反対側に接触させる培地4は、固形培地もしくは樹脂に培地を付着させた培地4を使用する。
【0058】
ここでいう固形培地4とは、一般的に使用される標準寒天培地やSCD寒天培地等で調製された培地4を指し、固形培地4は微多孔膜に密着しやすく、また作業性が良いように微多孔膜支持体6に合う形に作成されている。
【0059】
なお、培地4成分を付着させる物質は樹脂以外にも、鉄鋼類または非鉄鋼類など培地4成分を付着させられるものなら特に問題はない。
【0060】
また、固形培地4もしくは樹脂またはシート類に培地4成分を付着させた培地4を微多孔膜に接触させる時に、微多孔膜1もしくは固形培地もしくは樹脂に培地成分を付着させた培地4に水分を持たせることにより、培地4成分が微多孔膜に密着しやすくなり、培養効果が高めることができる。
【0061】
そして、図3に示すように4時間培養した後、微多孔膜1のコロニー5形成面側に生死細胞もしくは生細胞を発色もしくは蛍光させる化合物を滴下して反応させた後、生死細胞もしくは生細胞を発色もしくは蛍光させる化合物をろ過して、微生物計量装置(図示せず)で計量することにより、微多孔膜1上に形成されたコロニー5数を計量し、被験材料中に存在していた微生物数を計量する。
【0062】
また、生死細胞もしくは生細胞を発色もしくは蛍光させる化合物を滴下する前にコロニー5を30℃〜50℃で加熱乾燥もしくは冷凍保管もしくはホルマリンをろ過する等の方法で固定させることにより、コロニー5を崩れにくくする効果があり、微多孔膜上に捕集された最初の微生物数が不明になるということを防止することができ、正確な微生物数を計量することができる。
【0063】
さらに、使用する培地4を大腸菌もしくは大腸菌群もしくは黄色ブドウ球菌等を選択的に増殖させる培地を使用することで目的とする微生物だけを増殖させて、被験材料中に存在していた目的の微生物数を計量することができる。
【0064】
【実施例2】
以下に本発明の実施例2を図面1・2を参照して説明する。
【0065】
実施例2は、実施例1の微多孔膜1の微生物捕集面が直接他に触れないように押さえリング2が微多孔膜1より飛び出しているか、もしくはベース3に微多孔膜1の微生物捕集面が直接他に触れないように突起を設けた構造で微多孔膜支持体6は構成されている所までは同じで、さらに微多孔膜支持体6は微多孔膜1とベース3により空間が設けられることにより液体培地4が貯め易い構造に構成されている。
【0066】
また、微多孔膜支持体6は押さえリング2をベース3に圧入し微多孔膜1をしっかり押さえつける構造にし、さらに押さえリング2が押し戻されないように押さえリング2とベース3を接着もしくは超音波溶着もしくは熱溶着して製作され、また、微多孔膜1のろ過面以外の部分を疎水もしくは撥水処理するか、または押さえリング2を疎水または撥水処理するか、もしくは疎水材または撥水材料で製作することにより培地4成分が微多孔膜1の外周部分からコロニー5形成側に漏れてくるのを防ぐ構成となっている。なお、押さえリング2の微多孔膜1側にパッキンを入れることにより、培地4成分が微多孔膜1の外周部分から漏れてくるのを防ぐ効果が高くなる。
【0067】
【実施例3】
以下に本発明の実施例3を図面1・2を参照して説明する。
【0068】
実施例1の固形培地4もしくは樹脂に培地成分を付着させた培地4に替わり液体培地4、例えば標準ブイヨン培地もしくはSCDブイヨン培地もしくはSCDLPブイヨン培地等を使用することにより培地4成分を微多孔膜1に密着させることができ、培地4成分を微多孔膜1に捕集された微生物に行き渡らせることで、微生物の増殖性を高めることができる。
【0069】
また、図2のように微生物の捕集面を下向きし、微生物を捕集している面の反対側に培地4を密着させることにより、重力を利用して培地4成分が微少量ずつ微生物の捕集面に行き渡らせることが可能となり、微生物の増殖能力を最大限に引き上げることができる。
【0070】
このとき、液体培地4に増粘剤を含ませることにより、粘性が増し培養中に培地4成分が押さえリング2とベース3の隙間から微多孔膜1上のコロニー5形成側に漏れ出すことを防止することができ、また粘度を300mPa・s以上(装置は東機産業株式会社のVISCOMETER TV−10形粘度計を使用し、ロータM2で回転速度30rpmの条件下でサンプル温度20℃±1で計測した場合の値である。)と規定することで、増粘剤入りの液体培地4の調製時等における不備で粘度が低い為に、培養中に培地4成分が押さえリング2とベース3の隙間から微多孔膜1上に形成されたコロニー5側に漏れてくる可能性がある液体培地4を選別して使用しないようにすることが可能となり、規定の粘度を満たしている液体培地4のみを使用することが可能となる。
【0071】
また、液体培地4に色をつけておくことで培養中に、コロニー5形成側に培地4成分が漏れたときに容易に目視で判断することが可能となり、培地4成分の漏れによってコロニー5が崩れた検体を正規の検体として測定することが無いようすることが可能となる。
【0072】
ここで、SCD培地をベースに増粘剤にメチルセルロース(和光純薬工業4000cp)を使用した液体培地4の調製方法を示す。まず、SCDブイヨンにメチルセルロースが終濃度1.2%以上になるようにメチルセルロースを混合し、121℃で15分間の高圧滅菌処理を施す。高圧滅菌処理の直後はメチルセルロースが完全に溶解されていないので、良く撹拌した後1昼夜冷蔵で保存し完全にメチルセルロースをSCDブイヨンになじませることにより液体培地4を調製する。
【0073】
また、液体培地4のメチルセルロースの濃度を高くすると粘度が高くなりすぎ、ピペット作業時に正確な分注ができなくなるとともに作業性が著しく悪くなるのでメチルセルロースの濃度は1.6%以下もしくは粘度は1200mPa・s以下(装置は東機産業株式会社のVISCOMETER TV−10形粘度計を使用し、ロータM2で回転速度12rpmの条件下でサンプル温度20℃±1で計測した場合の値である。)が好ましい。
【0074】
なお、メチルセルロース以外にも増粘剤としてグリセロールもしくは高分子ポリマーもしくはポリビニールもしくはゼラチンもしくは寒天等を用いても良い。
【0075】
なお、増粘剤として、メチルセルロースを用いたが、メチルセルロースにヒドロキシプロピル基またはメトキシル基を混合し、温度における粘度低下を防止する増粘剤を用いても良い。
【0076】
また、微多孔膜支持体6(松下エコシステムズ製ろ過チップ)を使用して微生物をろ過捕集した後に、捕集面の裏側からメチルセルロースの濃度によって粘度が異なる液体培地4を接触させ、培地4成分の微生物捕集面への漏れ試験を行った結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
Figure 2004344087
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、微生物をろ過して捕集するための微多孔膜の表面に微生物を捕集した後、捕集面を下向きにし、その反対側の面に培地を付着させ捕集面を下向きにしたまま培養することで、培地成分を微多孔を通じて微生物が捕集された面に行き渡らせ、2〜5H時間微生物を培養してから生死細胞もしくは生細胞を発色もしくは蛍光させる化合物と反応させて微生物を計量することが可能であり、被験材料の微生物数の計量結果を迅速に得ることができる。
【0079】
また、微多孔膜と培地の接触がよくなることで、微多孔膜上の微生物に均一に安定して培地成分が行き渡り、微生物の増殖がよくなり、コロニーの大きさを安定させることができる。
【0080】
また、微多孔膜上に捕集した微生物を培養することで、微多孔膜上にコロニーを形成させ微生物単体と同じ程度の大きさの異物との区別を容易にし、正確な微生物の計量をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1と2と3の微多孔膜支持体の全体断面図
【図2】同実施例1と2と3の培養時の微多孔膜支持体の全体断面図
【図3】同実施例1の微多孔膜上に形成されたコロニーの模式図
【符号の説明】
1 微多孔膜
2 押さえリング
3 ベース
4 培地
5 コロニー
6 微多孔膜支持体

Claims (13)

  1. 微生物をろ過して捕集するために微多孔膜支持体の微多孔膜の表面に微生物を捕集した後、捕集した面を下向きにし、その反対側の面に培地を接触させることで、微多孔膜の微多孔を通じて培地の成分を微生物が捕集された面に行き渡らせ、所要時間微生物を培養してから光学的に微生物を計量することを特徴とする微生物計量方法。
  2. 培地を液体培地とした請求項1記載の微生物計量方法。
  3. 培地を樹脂に付着させた請求項1記載の微生物計量方法。
  4. 培地を固形培地とした請求項1記載の微生物計量方法。
  5. 色をつけた液体培地を使用する請求項1または2記載の微生物計量方法。
  6. 特定の微生物を選択的に増殖させる培地を使用した請求項1〜5のいずれかに記載の微生物計量方法。
  7. 微多孔膜を親水性の微多孔膜とした請求項1記載の微生物計量方法。
  8. 所要時間培養した後、増殖したコロニーを固化した後に計量する請求項1〜7のいずれかに記載の微生物計量方法。
  9. 増粘剤を含んだ液体培地。
  10. 請求項1、2、5または6記載の微生物計量方法に使用する増粘剤を含んだ液体培地。
  11. 粘度を300mPa・s以上にした請求項10記載の液体培地。
  12. 増粘剤としてメチルセルロースを使用した請求項10または11記載の液体培地。
  13. 請求項1記載の微生物計量方法に使用の微多孔膜支持体であって、微多孔膜の裏側に液体培地を保持できるように構成し、押さえリングとベースの隙間から液体培地が所要時間漏れない構造とすることを特徴とした微多孔膜支持体。
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