JP2004340839A - 核酸回収方法及び核酸回収キット - Google Patents

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Abstract

【課題】生物試料中に存在するデオキシリボ及びリボ核酸分子を、同一の試料から簡便かつ安全に分別して分離及び回収する方法並びにそのための試薬を提供する。
【解決手段】カオトロピック剤を含む核酸試料溶液のpH、温度、陽イオン濃度のいずれかまたはその組み合わせを変更することにより、同一の生物試料からのデオキシリボ及びリボ核酸それぞれの分離及び回収を行う。
【効果】同一の生物試料から簡便かつ安全にデオキシリボ及びリボ核酸の分別分離及び回収が達成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,細胞及び組織等の生物試料から核酸結合性担体を用いて、デオキシリボ核酸及びリボ核酸をそれぞれ分離して単離及び回収する方法、及びキットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の分子生物学的解析技術の発展に伴い、遺伝情報を担う核酸分子を解析することにより、臨床診断や遺伝子工学等の分野において非常に有益な情報を得ることが出来るようになった。これら核酸分子の解析を行う際には、生体試料からの核酸分子の抽出と回収が重要なステップである。通常、生体試料中にはリボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)が核酸分子として存在しているが、特に使用できる生体試料量が限定される場合には、同一の生体試料からリボ核酸及びデオキシリボ核酸の両方を分別して抽出及び回収することが望ましい。
【0003】
一般に、血液や細胞または組織等の生物試料に含まれるリボ核酸及びデオキシリボ核酸分子を抽出するためには、まず撹拌や超音波や熱等による物理的作用や界面活性剤やプロテアーゼ処理等による化学的作用により、細胞を破砕し核酸を遊離させることが必要である。次に、遊離した核酸分子を回収するため、塩化セシウム密度勾配超遠心分離やフェノール抽出、またはカラムクロマトグラフィー分離の操作を行う。これら手法は、目的とする核酸種、使用する生物試料、さらには抽出したい核酸分子の用途に応じて、単独でまたは組み合わせて選択・使用される。
【0004】
Boom等により、生物試料からの簡便な核酸抽出及び回収法として、カオトロピック塩存在下でシリカ粒子を核酸結合担体として使用する方法が考案されている(例えば非特許文献1)。この方法によれば、生物試料中に存在する一本鎖核酸(1本鎖DNAとRNA)、及び二本鎖核酸(2本鎖DNA)を同時に分離することが出来る。しかしながら、分離したリボ核酸とデオキシリボ核酸を分別して回収することは困難である。
一方、生物試料からリボ核酸のみを選択的に回収する方法がある(例えば特許文献1)。この方法によれば、リボ核酸を含有する試料に、カオトロピック剤を含有する酸性溶液と水溶性有機溶媒及び核酸結合担体を混合し、リボ核酸が吸着した該担体を液相から分離し、該リボ核酸−担体複合体から溶出操作によりリボ核酸のみを抽出及び回収することが可能である。しかしながら、生物試料から回収されたリボ核酸と共存していたデオキシリボ核酸は、回収することが出来ない。
また、同一生物試料から二本鎖/一本鎖核酸をそれぞれ分離して回収するための方法が報告されている(例えば特許文献2)。この方法は、カオトロピック剤、キレート剤、pH等の適当な条件下で、試料溶液中の二本鎖核酸をシリカ粒子に吸着させ、さらに二本鎖核酸を吸着したシリカ粒子を除去した上清のキレート剤濃度等を変更し、一本鎖核酸をシリカ粒子に吸着させることで、二本鎖/一本鎖核酸を分離して回収できる。しかしながら、シリカ粒子回収のために遠心分離操作が必要であるため、工程が煩雑である。
【0005】
また、二本鎖/一本鎖核酸の分離方法が報告されている(例えば特許文献3)。この方法は、アルコール基を有する物質を含まない条件下で無機支持体に二本鎖核酸であるデオキシリボ核酸のみを吸着させ、一本鎖核酸であるリボ核酸と分離すること、または、二本鎖/一本鎖核酸を同時に無機支持体に吸着後、分別溶出により二本鎖及び一本鎖核酸を分離することからなる。しかしながら、二本鎖及び一本鎖核酸を回収するためには、高濃度のアルコールを含む溶液を使用することが必要である。取扱いの安全性留意及び回収産物に残存したアルコールによる酵素反応の阻害等の課題がある。
【0006】
【特許文献1】特開平11−196869号公報
【特許文献2】特表2000−505295号公報
【特許文献3】特開2002−187897号公報
【非特許文献1】J. Clin. Microbiol. 28:495−503(1990)
【発明が解決しようとする課題】
密度勾配超遠心分離による核酸抽出の場合には、核酸抽出処理に長時間を要する。またフェノール抽出の場合では、毒劇物であるフェノールを使用するため、安全な処理に留意する必要がある。また、操作が煩雑となることも避け難い。
【0007】
より簡便な核酸抽出及び回収法として報告されている技術に関しては、上記の通り、取扱いが簡便な試薬溶液を用いて、かつリボ核酸及びデオキシリボ核酸を分離して回収することは困難であった。
【0008】
本発明の目的は、細胞や組織を溶解させた生物試料中に存在するデオキシリボ核酸及びリボ核酸分子を、一の生物試料から簡便かつ安全に分別して分離及び回収することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カオトロピック剤を含む核酸試料溶液のpH、温度、陽イオン濃度のいずれかまたはその組み合わせを変更することにより、一の生物試料からの二本鎖及びリボ核酸それぞれの分離及び回収を達成する。
【0010】
すなわち、本発明は、次のような工程から構成されている。
1)カオトロピック剤を含む溶液により溶解したデオキシリボ及びリボ核酸を含有する生物試料溶液のpH、温度、陽イオン濃度のいずれかまたはその組み合わせをデオキシリボ核酸が核酸吸着固相担体に選択的吸着される条件に調整し、固相担体に接触させることによりデオキシリボ核酸を吸着させる。吸着したデオキシリボ核酸は任意に行う洗浄処理後、水や任意の緩衝液等で溶離、回収できる。
2)固相担体に吸着しなかったリボ核酸を含有している核酸試料溶液のpH、温度、陽イオン濃度のいずれかまたはその組み合わせを調整し、リボ核酸が固相担体に吸着出来る条件とし、リボ核酸を新たに準備した固相担体若しくはデオキシリボ核酸を吸着させた固相担体とは別の位置に設けた固相担体に吸着させる。吸着したリボ核酸は任意に行う洗浄処理後、水や任意の緩衝液等で溶離、回収できる。
【0011】
具体的には、本発明は、デオキシリボ核酸とリボ核酸とを含む試料溶液から、前記デオキシリボ核酸を吸着により選択的に回収する第1の工程と、前記第1の工程の後に、前記リボ核酸を吸着により回収する第2の工程とを有し、前記第1の工程と前記第2の工程は、前記試料溶液のpH、温度、2価陽イオン濃度の少なくともいずれかを変化して行われていることを特徴とする。ここで、吸着は、試料溶液を固相担体に接触させることにより固相担体に吸着させることを言うが、1の固相担体を用いて第1の工程で吸着した前記デオキシリボ核酸を溶離させ第2の工程でリボ核酸を選択的に吸着させても良いし、各工程で異なる固相担体を用いても良い。また、前記第1の工程ではpHを6.0以上とし、前記第2の工程では前記pHを6.0以下としてもよい。また、第1の工程では2価陽イオンの濃度を100mM以上250mM以下とし、前記第2の工程では前記2価陽イオンの濃度を100mM以下としてもよい。第1の工程では前記試料の温度を50℃以上100℃以下とし、前記第2の工程では前記試料の温度を50℃以下としてもよい。
【0012】
また、本発明の他の発明は、デオキシリボ核酸とリボ核酸とを選択的に分離する核酸回収キットであって、開口端を持つ容器と、前記容器に収められる固相担体と、2価陽イオンを100mM以上250mM以下含み、pHを6.0以上とする第1の溶液と、前記2価陽イオンを100mM以下含み、前記pHを6.0以下とする第2の溶液とを有し、前記第1の溶液は、前記デオキシリボ核酸を主に回収するために用いるものであり、前記第2の溶液は、前記リボ核酸を主に回収するために用いるものであることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の他の発明は、上記第1の溶液と上記第2の溶液に代えて、分離対象たる試料溶液の2価陽イオンを100mM以上250mM以下とし、pHを6.0以上とするための第1調整溶液と、前記試料溶液の前記2価陽イオンを100mM以下とし、前記pHを6.0以下とするための第2調整溶液とを有し、前記第1調整溶液は、前記デオキシリボ核酸を主に回収するために用いるものであり、前記第2調整溶液は、前記リボ核酸を主に回収するために用いるものであることを特徴とする。
【0014】
これらにより一の生物試料からのデオキシリボ及びリボ核酸それぞれの分離及び回収を実現する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、デオキシリボ核酸とリボ核酸を含有する生体試料とは、例えば血液、髄液、精液、だ液、組織及び細胞(例えば、細菌細胞、真菌細胞、植物細胞、動物細胞)のような核酸を含有する生物材料である。
【0016】
本発明における核酸単離及び回収の手順の概略を図8に示す。まずデオキシリボ核酸とリボ核酸を含有する生体試料をカオトロピック剤存在下で溶解させ、核酸を遊離させる。カオトロピック剤を含む溶解液はpHを6以上、且つまたは、2価陽イオンを100mM以上含むように調製する。そのため、溶解液には緩衝剤を含有させることが望ましい。緩衝剤は、あらかじめカオトロピック剤を含む溶解液に含有されていても良く、また生体試料溶解後に添加しても良い。緩衝剤は、一般に使用されている任意の緩衝剤を用いることができるが、特に、pH6以上に緩衝能を有するものが望ましい。例えば、MESバッファーが挙げられ、その使用濃度は1から500mMの範囲が好ましい。
【0017】
カオトロピック剤を含む溶解液はpHを6以上、且つまたは、2価陽イオンを100mM以上含むように調製する。そのため、溶解液には緩衝剤を含有させることが望ましい。緩衝剤は、あらかじめカオトロピック剤を含む溶解液に含有されていても良く、また生体試料溶解後に添加しても良い。緩衝剤は、一般に使用されている任意の緩衝剤を用いることができるが、特に、pH6以上に緩衝能を有するものが望ましい。例えば、MESバッファーが挙げられ、その使用濃度は1から500mMの範囲が好ましい。
【0018】
カオトロピック剤を含む溶解液中の2価陽イオンは、特に限定はされないが、例えばマグネシウムイオン、カルシウムイオン、マンガンイオンであり、好ましくはマグネシウムイオンであり、その使用濃度は100mM以上250mM以下で、特に150mM以上が好ましい。
【0019】
本発明のおいて用いられるカオトロピック剤としては、グアニジニウムイソチオシアネート/グアニジウムチオシアネート、塩酸グアニジニウム、尿素、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等が挙げられ、これらを単独でもしくは組み合わせて使用する。カオトロピック剤の溶解液中の濃度は用いるカオトロピック剤によって異なるが、例えばグアニジニウムイソチオシアネート/グアニジウムチオシアネートを用いる場合には、1〜6Mの範囲の濃度で使用するのが望ましい。
【0020】
本発明では、カオトロピック剤存在下で遊離したデオキシリボ核酸とリボ核酸を含有する生体試料溶液をpH条件、且つまたは2価陽イオン存在条件下で、核酸結合能を有する第一の固相担体に接触させ、デオキシリボ核酸を選択的に第一の固相担体に吸着させ、リボ核酸と分離する。このデオキシリボ核酸の固相担体への吸着においては、生体試料溶液、且つまたは第一の固相担体の温度を50℃以上100℃以下に設定し生体試料溶液と第一の固相担体を接触させることが、デオキシリボ核酸の第一の固相担体への吸着には好適である。吸着したデオキシリボ核酸は任意に行う洗浄処理後、水や任意の緩衝液等で溶離、回収できる。
【0021】
本発明において用いられる核酸結合能を有する第一、及び第二の固相担体としては、カオトロピック剤存在下で核酸結合能を有することが知られているシリカを含有する固体、例えばガラス、珪藻土、あるいはこれらの表面を化学的に処理したものが挙げられる。また、固相担体の形態は、特に限定されず、粒子状、繊維状、フィルター状等いずれでもよい。
【0022】
本発明において、pH、且つまたは2価陽イオン濃度、且つまたは吸着時の温度条件で第一の固相担体へ吸着しなかったリボ核酸は、デオキシリボ核酸を第一の固相担体へ吸着させた後の生体試料溶液中に回収される。このリボ核酸は、その後、生体試料溶液のpHを6以下、且つまたは2価陽イオン100mM以下、好ましくは50mM以下、含むように調製することにより、第二の固相担体に吸着できるようになる。このとき、生体試料溶液、且つまたは第二の固相担体の温度を50℃以下、好ましくは30℃以下に設定し、生体試料溶液と第二の固相担体を接触させることが、リボ核酸の第二の固相担体への吸着には好適である。吸着したデオキシリボ核酸は任意に行う洗浄処理後、水や任意の緩衝液等で溶離、回収できる。
本発明において、デオキシリボ核酸を固相担体に吸着させる第一の工程とリボ核酸を固相担体に吸着させる第二の工程において、生体試料溶液のpHを6以上から6以下に変更することが必要である。生体試料溶液のpHは、1)混合によりpH6以下となるようpHを調整したカオトロピック剤を含む溶液を添加、または、2)混合によりpH6以下となるようpHを調整した緩衝液または緩衝剤を添加すること等、により所望のpHに変更する。
【0023】
本発明において、デオキシリボ核酸を固相担体に吸着させる第一の工程とリボ核酸を固相担体に吸着させる第二の工程において、第一の工程では生体試料溶液の二価陽イオン濃度を、100mM以上250mM以下、好ましくは150mM以上250mM以下、第二の工程では0mM以上100mM以下、好ましくは0mM以上50mM以下含むように調製することが必要である。生体試料溶液の二価陽イオン濃度は、1)希釈により二価陽イオン濃度が100mM以下、好ましくは50mM以下となるよう調整したカオトロピック剤を含む溶液を添加、または、2)混合により二価陽イオン濃度を、100mM以下、好ましくは50mM以下となるように変更する。例えば、二価陽イオンのキレート剤、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)溶液を添加すること等、により所望の濃度に変更できる。
【0024】
本発明において、第一及び第二の工程において使用する固相担体は、デオキシリボ核酸及びリボ核酸をそれぞれ吸着するために別個に準備されたものを使用することが出来る。図7に固相担体を保持した容器の一例を示した。図7は、1個の固相担体1が核酸吸着用固相担体支持部材10及び11により、容器3内に設置された場合を示している。容器3の開口部5に吸引吐出のための図示しないシリンジポンプ等に連結し、容器3の開口部4から、デオキシリボ核酸が固相担体1に選択的に吸着する条件に調製された生物試料溶液を容器3内に導入し、固相担体1に接触させる。この時、生物試料溶液及び固相担体1の温度を60℃以上となるように制御する。容器3内に導入された生物試料溶液は、吸引吐出を繰り返すことにより、デオキシリボ核酸と固相担体1の接触頻度を向上させ、吸着量を増大させることが出来る。次に、固相担体1との接触によりデオキシリボ核酸が除去されリボ核酸を主に含む生物試料溶液を回収し、試料溶液のpH、且つまたは二価陽イオン濃度をリボ核酸吸着に適した条件になるよう試薬等を添加する。新たに用意した固相担体を保持する容器を用いて、第一の工程と同様な操作によりリボ核酸を固相担体に吸着させる第2の工程を行う。但し、生物試料溶液及び固相担体1の温度を30℃以下となるように制御する。別個の固相担体に吸着したデオキシリボ及びリボ核酸はそれぞれに応じた洗浄、溶離の工程により別個に回収できる。なお、固相担体1を第1の工程と第2の工程と双方に用いることも可能である。その場合には、第1の工程の後に、デオキシリボ核酸に応じた洗浄、溶離の工程を行って固相担体1からデオキシリボ核酸を回収し、その後に第2の工程でこの固相担体1を再び用いてリボ核酸を吸着させ、第2の工程の後に、リボ核酸に応じた洗浄、溶離の工程を行って固相担体1からリボ核酸を回収する。
【0025】
固相担体の異なる形態としては、第一及び第二の工程において使用する固相担体は、デオキシリボ核酸及びリボ核酸をそれぞれ吸着するために別個に準備されたものを使用することが出来る。固相担体の異なる形態としては、第一及び第二の工程に用いるデオキシリボ核酸及びリボ核酸吸着のための固相担体を二個以上、同一容器内に保持する核酸回収用容器がある。図1にその一例を示し、動作を説明する。図1において、第一の工程に用いる固相担体1と第二の工程に用いる固相担体2は、それぞれ図示するような、容器3内の離れた位置に設置される。容器3の開口部4に吸引吐出のための図示しないシリンジポンプ等に連結する。容器3の開口部4から、デオキシリボ核酸が固相担体に吸着する条件に調製された生物試料溶液を容器3内に導入し、第一の工程用固相担体1に接触させる。生物試料溶液は、固相担体1に接触するが固相担体2及び試薬7には接触しない様、容器内空間6と固相担体1の間に位置させる。また、容器内の位置での液の震盪により、デオキシリボ核酸と固相担体1の接触頻度を向上させることは、吸着量の増大には有利である。固相担体1との接触によりデオキシリボ核酸が除去され、リボ核酸を主に含む生物試料溶液を、次に容器3の空間6に位置させる。空間6内に設置された試薬7と接触、混合及び溶解させ、試料溶液のpH、且つまたは二価陽イオン濃度を、リボ核酸を固相担体2に吸着させる条件に調整する。次に、生物試料溶液を第二の工程用の固相担体2に接触させ、液を震盪、溶液内のリボ核酸を固相担体2に吸着させる。第二の工程終了後、生物試料溶液は容器3の開口部4から排出される。容器3は、固相担体1と2を別個の保持するように分割できる。分割する際には、それぞれの固相担体は、吸着している核酸に応じた洗浄、溶離の工程により、デオキシリボ及びリボ核酸を同一試料から別個に回収できる。
本発明において、第一の工程を核酸試料溶液、及びまたは固相担体の温度を50℃以上100℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下とし、第二の工程では核酸試料溶液、及びまたは固相担体の温度を0℃以上60℃以下、好ましくは0℃以上30℃以下とすることで、デオキシリボ核酸及びリボ核酸を同一核酸試料溶液から分別して分離、回収できる。図2(A)に実施の形態の一例として、容器内の固相担体設置位置の温度を制御することが出来る機構を備えた容器及び装置の構成の平面図、(B)にA−A‘断面図を示す。図2(A)及び(B)に示すように、容器3内の各固相担体1及び2の近傍に、容器3の側面に接触して温度制御ユニット8及び9を装着する。温度制御ユニット8及び9はそれぞれ独立して温度制御が可能である。第一の工程を実施するため、固相担体1近傍に装着された温度制御ユニット8を制御し、固相担体1の温度が50℃以上100℃以下、望ましくは70℃となるようにする。一方、固相担体2近傍に装着された温度制御ユニット9を制御し、固相担体2近傍の温度を0℃以上60℃以下、望ましくは30℃になるようにする。次に、生物試料溶液をもしかして、固相2を通過してくるのは必須でその後のことを言っている???←位置させることをいうのみ。OK固相担体1に接触するが固相担体2には接触しない様、容器内空間6及び固相担体1に位置させる。また、容器内の位置での液の震盪により、デオキシリボ核酸と固相担体1の接触頻度を向上させることは、吸着量の増大には有利である。次に、固相担体1との接触によりデオキシリボ核酸が除去されリボ核酸を主に含む生物試料溶液を容器3の空間6から、所望の温度に制御された固相担体2に接触させ、リボ核酸を吸着させる。第二の工程終了後、生物試料溶液は容器3の開口部4から排出される。容器3は、固相担体1と2を別個に保持するように分割可能である。分割を行う場合、それぞれの固相担体を保持する様容器を分割し、吸着している核酸に応じた洗浄、溶離の工程により、デオキシリボ核酸及びリボ核酸を同一試料から別個に回収できる。
【0026】
図3(A)には、図2の容器内の固相担体設置位置の温度を制御する実施の形態に代えて、容器内の固相担体間の容器部分の温度を制御することが出来る機構を備えた容器及び装置の構成の平面図、(B)にA−A‘断面図を示す。図3(A)及び(B)に示すように、容器3内の各固相担体1及び2の近傍で且つ固相担体に挟まれた空間6に、容器3の側面に接触して温度制御ユニット12を装着する。第一の工程を実施するため、生物試料溶液の温度をあらかじめ50℃以上100℃以下、望ましくは70℃とする。次に、開口部4よりこの生物試料溶液を容器3内に導入し、固相担体1に接触するが固相担体2には接触しない様、容器内空間6と固相担体1の間に位置させる。容器内の位置での液の震盪により、デオキシリボ核酸と固相担体1の接触頻度を向上させ、吸着量の増大させる。次に、固相担体1との接触によりデオキシリボ核酸が除去されリボ核酸を主に含む生物試料溶液を容器3の空間6に保持する。空間6の近傍に装着された温度制御ユニット13を制御し、空間6に保持されリボ核酸を主に含む生物試料溶液の温度を0℃以上60℃以下、望ましくは30℃になるようにする。次に、所望の温度に制御されたリボ核酸を主に含む生物試料溶液を固相担体2に接触させ、リボ核酸を吸着させる。第二の工程終了後、生物試料溶液は容器3の開口部4から排出される。容器3は、固相担体1と2を別個に保持するように例えば空間6において分割できる。分割する際には、各固相担体がそれぞれの分割された容器に保持された状態にすることが可能である。該分割された容器内に保持されたそれぞれの固相担体から、吸着している核酸に応じた洗浄、溶離の工程により、デオキシリボ及びリボ核酸を同一試料から別個に回収できる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例を例示することにより、本発明の効果を説明する。
【0028】
実施例1:デオキシリボ核酸及びリボ核酸の固相担体吸着におけるpHの影響
材料および方法は以下のとおりである。
1.核酸サンプルの調製
シロイヌナズナ(Arabidopsis)種子のを蒔いた後1週間の緑化植物体を液体窒素で凍結し、次に液体窒素存在下でホモジナイズし粉末状態にした。0.5gの凍結植物組織当たり、5mlのTRIZOL試薬(Invitrogen社)を添加し、添付プロトコールに従い、全RNAを調製した。またDNAサンプルとしては、大腸菌ベクターpSPORT1 (Invitrogen社)に挿入されたシロイヌナズナcDNAでcDNAサイズが約2kb程度の断片を2個選択し、そのcDNA断片をM13フォワード、およびリバースプライマーを用いたPCR増幅により得られた DNA断片を使用した。2.固相担体
核酸吸着用担体としては、Quartz Glass Wools ; B grade (東芝セラミックス(株)) 5mgを細管状チップの先端部に配置したものを用いた。
3.核酸吸着溶液
種々のpHの100mM MES−KOH溶液に、29.54 gのグアニジウムイソチオシアネート(Invitrogen社)を溶解し50mlの溶液(終濃度 5 mole/L)とした。なお、グアニジウムイソチオシアネートの溶解によりpHが変動するため、グアニジウムイソチオシアネートの溶解後に再度溶液のpHを測定し、これを溶液の最終pHとした。
4.固相担体への核酸吸着方法
上記グアニジウムイソチオシアネート溶液480μlに、10μl 全RNAサンプル(3μg相当)と110μl滅菌水を加え混合した溶液を細管状チップの先端部に配置したQuartz Glass Woolsに接触させた。核酸溶液をシリンジにより、細管状チップ内で20回往復しん盪させ、核酸を担体に吸着させた。DNAの場合には、10μl DNAサンプル(0.5 μg相当)を用い、同様に吸着させた。
5.固相担体への核酸吸着の測定
担体への吸着は、担体と接触後の核酸溶液に残存している未吸着の核酸を測定することにより判定した。未吸着画分600μlに5 mole/L 酢酸ナトリウム溶液を60μl添加し、そこに1.2 mlのエタノールを加え混合した後、−80℃で30分間静置した。次に、遠心操作を行い、核酸を沈澱させた。沈澱を80%エタノールで洗浄後、乾燥させた。乾燥した沈澱に滅菌水10μlを加え、沈澱を溶解させた後、電気泳動用のサンプルローディング液を加え、70℃で10分間熱変性した。サンプルを氷上で冷却した後、ホルマリンを含むアガロースゲルを用いて電気泳動した。泳動後、エチジウムブロミドで核酸を染色、検出した。検出されたバンドの蛍光強度をイメージアナライザFMBIO(TAKARA社)を用いて、定量した。
【0029】
以上の材料及び方法に基づき、100mM MES−KOH緩衝液により、pHを、5.1、5.8、6.4、6.9に調製した5M グアニジウムイソチオシアネート溶液を用いて、終濃度4Mの条件でデオキシリボ核酸及びリボ核酸の担体吸着におけるpHの影響を検討した。サンプルとして用いた核酸量に対して、担体に吸着した核酸量の比を核酸回収率(%)として求めた。図4にその結果を示す。図4より、デオキシリボ核酸(DNA)は検討した全てのpHにおいてほぼ100%の回収率を示すのに対し、リボ核酸(RNA)はpH6.4以下では回収量が低下し、pH6.9では回収率がほぼ半分になった。これより、pH6以上では、リボ核酸吸着が低下し、デオキシリボ核酸が優先的に固相担体に吸着することが分かった。
【0030】
実施例2:デオキシリボ及びリボ核酸の固相担体吸着における温度の影響
終濃度4Mのグアニジウムイソチオシアネート条件(pH5.8)下でデオキシリボ核酸及びリボ核酸の担体吸着おける温度の影響を検討した。材料および方法は実施例1と同様である。図5に示すように、デオキシリボ核酸(DNA)の吸着は、検討したどのような温度においても98%以上の回収率を示すのに対し、リボ核酸(RNA)の回収率は温度60℃以上で低下し、約74%となり、70℃では約65%となる。これより、温度が60℃以下の条件では、リボ核酸吸着が低下し、デオキシリボ核酸が優先的に固相担体に吸着することが分かった。
【0031】
実施例3:デオキシリボ核酸及びリボ核酸の固相担体吸着における核酸吸着における陽イオンの影響
終濃度4Mのグアニジウムイソチオシアネート条件(pH5.8)下で2価陽イオンがデオキシリボ核酸及びリボ核酸の担体吸着及ぼす影響を検討した。材料および方法は実施例1と同様であるが、ここでは、一例としてMgイオンについて検討した結果を示す(図6)。図6に示すように、デオキシリボ核酸(DNA)は検討したどのようなMgイオン濃度においてもほぼ100%の回収率を示すのに対し、リボ核酸(RNA)の回収率はMgイオン濃度が100mM以上になると低下し、150mM以上で約65%まで低下した。これより、Mgイオンがリボ核酸の担体吸着を阻害することが示された。これより、Mgイオン濃度が100mM以上の条件では、リボ核酸吸着が低下し、デオキシリボ核酸が優先的に固相担体に吸着することが分かった。
【0032】
以上の結果から、pH6以上且つまたは、温度60℃以上且つまたは、陽イオン濃度100mM以上の条件では、リボ核酸吸着が低下し、デオキシリボ核酸の優先的な固相担体への吸着が達成され、またpH6以下且つまたは、温度60℃以下且つまたは、陽イオン濃度100mM以下の条件ではリボ核酸の良好な吸着が達成された。
【0033】
この結果を踏まえ、デオキシリボ核酸の優先的な固相担体への吸着のための生体試料溶液のpHは、pH6以上の範囲、リボ核酸の優先的な吸着のためのpHは、pH6以下の範囲と考えられる。また、デオキシリボ核酸の優先的な固相担体への吸着のための温度は、50℃以上100℃以下の範囲、好ましくは50℃以上70℃以下の範囲、リボ核酸の優先的な吸着のための温度は、0℃以上60℃以下の範囲、好ましくは0℃以上30℃以下の範囲と考えられる。さらに、デオキシリボ核酸の優先的な固相担体への吸着のための生体試料溶液の二価陽イオン濃度は、100mM以上250mM以下の範囲、好ましくは150mM以上250mM以下の範囲、リボ核酸の優先的な吸着のための同濃度は、0mM以上100mM以下の範囲、好ましくは0mM以上50mM以下の範囲と考えられる。
【0034】
実施例4:デオキシリボ核酸及びリボ核酸混合物を用いた固相担体への各核酸の分別吸着
デオキシリボ核酸及びリボ核酸混合物を用いて、デオキシリボ核酸の吸着回収を行う第一の工程及び、リボ核酸の吸着回収を行う第二の工程を、グアニジウムイソチオシアネート溶液のpH、Mg2+イオン濃度及び温度を変化させて行い、各核酸の回収率について検討した。デオキシリボ核酸(DNA:約2kbのPCR断片、0.3μg相当)及びリボ核酸(全RNA:3μg相当)を含む4Mグアニジウムイソチオシアネート溶液(pH6.5、Mg2+濃度150mM)を調製し、次いでこの溶液の温度を60℃まで加温、保持した。この溶液を担体に接触させ、核酸を吸着させる第一の工程を実施した。第一の工程後の未吸着画分(1)に、4Mグアニジウムイソチオシアネート溶液(pH5.0)を適当量添加することにより、未吸着画分のpHを6以下、Mg2+濃度を50mM以下になるように調製した。次に、この調製された未吸着画分溶液(1)の温度を30℃まで冷却した。溶液の温度が30℃になった後、第一の工程で用いたものとは別の担体と溶液を接触させ、第二の工程を実施した。 第一の工程の未吸着画分溶液(1)及び第二の工程の未吸着画分溶液(2)から、残存している核酸をエタノール沈殿法により回収し。回収された核酸を電気泳動解析し、各工程での核酸回収率を算出した(表1)。
【表1】第一及び第二の工程でのデオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)の回収率
Figure 2004340839
【0035】
表1に示すように、第一の工程では、デオキシリボ核酸(DNA)はほぼ全量が担体に吸着、回収された。一方、リボ核酸(RNA)は、吸着されたがその量は使用したリボ核酸量の約10%以下であった。これより、pH6以上、Mg2+イオン濃度100mM以上、温度60℃以上に設定された第一の工程では、デオキシリボ核酸が選択的に担体に吸着することが示された。また、第二の工程では、はじめに用いたリボ核酸量の約75−80%(未吸着画分(1)に残存するリボ核酸の約90%)が吸着、回収された。
以上の結果から、デオキシリボ核酸及びリボ核酸混合物からの各核酸の分別吸着に際し、pH6以上且つまたは、温度60℃以上且つまたは、陽イオン濃度100mM以上の条件では、リボ核酸吸着が低下し、デオキシリボ核酸の優先的な固相担体への吸着が達成され、またpH6以下且つまたは、温度60℃以下且つまたは、陽イオン濃度100mM以下の条件ではリボ核酸の良好な吸着が達成された。
【0036】
本実施例の方法によれば、ごく微量の試料からデオキシリボ核酸及びリボ核酸の双方を分別することもできる。例えば、レーザマイクロダイセクション法等により組織切片から切り出した1の特定部位からDNAとRNAの双方を抽出回収し、この特定部位における染色体DNA上の遺伝子変異とmRNAの発現することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば,細胞や組織を溶解させた生物試料中に存在するデオキシリボ核酸及びリボ核酸分子を、一の試料から簡便かつ安全に分別して分離及び回収することが出来る。また、一の試料からDNAとRNAを別個に抽出回収する場合に、多量の試料を調製せずとも、極微量の試料からの抽出回収が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】デオキシリボ核酸及びリボ核酸吸着のための固相担体を二個以上、同一容器内に保持する核酸回収用容器の構成を示す図。
【図2】容器内の固相担体設置位置の温度を制御することが出来る機構を備えた容器及び装置の構成を示す図。
【図3】容器内に複数個保持された固相担体の容器部分の温度を制御することが出来る機構を備えた容器及び装置の構成を示す図。
【図4】デオキシリボ及びリボ核酸の固相担体吸着におけるpHの影響を示す図。
【図5】デオキシリボ及びリボ核酸の固相担体吸着における温度の影響を示す図。
【図6】デオキシリボ及びリボ核酸の固相担体吸着における核酸吸着における陽イオンの影響を示す図。
【図7】デオキシリボ核酸及びリボ核酸吸着のための固相担体を保持した核酸回収用容器の構成を示す図。
【図8】デオキシリボ核酸及びリボ核酸の単離及び回収方法の概略。
【符号の説明】
1、2…核酸吸着用固相担体,3…容器,4、5…開口部,6…容器内空間,7…試薬,8、9、13…温度制御ユニット、10、11…核酸吸着用固相担体保持部材。

Claims (18)

  1. デオキシリボ核酸とリボ核酸とを含む試料溶液から、前記デオキシリボ核酸を吸着により選択的に回収する第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記リボ核酸を吸着により回収する第2の工程とを有し、
    前記第1の工程と前記第2の工程は、前記試料溶液のpH、温度、2価陽イオン濃度の少なくともいずれかを変化して行われていることを特徴とする核酸回収方法。
  2. 前記第1の工程では、前記試料溶液を固相担体に接触させることにより、前記デオキシリボ核酸を選択的に前記固相担体に吸着させ、前記第2の工程では、前記第1の工程で吸着した前記デオキシリボ核酸を溶離させた前記固相担体を用い、前記試料溶液を前記固相担体に接触させることにより、前記リボ核酸を選択的に前記固相担体に吸着させることを特徴とする請求項1に記載の核酸回収方法。
  3. 前記第1の工程では、前記試料溶液を第1の固相担体に接触させることにより、前記デオキシリボ核酸を選択的に前記第1の固相担体に吸着させ、前記第2の工程では、前記試料溶液を第2の固相担体に接触させることにより、前記リボ核酸を選択的に前記第2の固相担体に吸着させることを特徴とする請求項1に記載の核酸回収方法。
  4. 前記第1の工程ではpHを6.0以上とし、前記第2の工程では前記pHを6.0以下とすることを特徴とする請求項1に記載の核酸回収方法。
  5. 前記第1の工程では2価陽イオンの濃度を100mM以上250mM以下とし、前記第2の工程では前記2価陽イオンの濃度を100mM以下とすることを特徴とする請求項1に記載の核酸回収方法。
  6. 前記第1の工程では前記試料の温度を50℃以上100℃以下とし、前記第2の工程では前記試料の温度を50℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載の核酸回収方法。
  7. 前記pHは、前記第1の工程の後に混合によりpHが低下するよう予め調整された溶液を添加することにより低下されることを特徴とする請求項1に記載の核酸回収方法。
  8. イオン濃度の変え方
    前記2価陽イオン濃度は、前記第1の工程の後に前記試料溶液を希釈することにより低下されることを特徴とする請求項1に記載の核酸回収方法。
  9. 前記2価陽イオン濃度は、前記第1の工程の後に前記試料溶液に2価陽イオンのキレート剤を添加することにより低下されることを特徴とする請求項1に記載の核酸回収方法。
  10. 前記温度の変化は、前記第1の工程の後に前記第1の固相担体、及び/又は前記第2の固相担体、及び/又は前記試料溶液の温度の変化であることを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の核酸回収方法。
  11. 前記温度の変化は、前記第1の固相担体の設置位置及び/又は前記第2の固相担体の設置位置の温度の制御によることを特徴とする請求項3に記載の核酸回収方法。
  12. 前記温度の変化は、前記第1の固相担体及び前記第2の固相担体が設置される容器における、前記第1の固相担体と前記第2の固相担体との間の部位の温度の制御によることを特徴とする請求項3に記載の核酸回収方法。
  13. デオキシリボ核酸とリボ核酸とを選択的に分離する核酸回収キットであって、
    開口端を持つ容器と、
    前記容器に収められる固相担体と、
    2価陽イオンを100mM以上250mM以下含み、pHを6.0以上とする第1の溶液と、
    前記2価陽イオンを100mM以下含み、前記pHを6.0以下とする第2の溶液とを有することを特徴とする核酸回収キット。
  14. デオキシリボ核酸とリボ核酸とを選択的に分離する核酸回収キットであって、
    開口端を持つ容器と、
    前記容器に収められる固相担体と、
    分離対象たる試料溶液の2価陽イオンを100mM以上250mM以下とし、pHを6.0以上とするための第1調整溶液と、
    前記試料溶液の前記2価陽イオンを100mM以下とし、前記pHを6.0以下とするための第2調整溶液とを有することを特徴とする核酸回収キット。
  15. 前記2価陽イオンは、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、マンガンイオンのいずれかであることを特徴とする請求項13あるいは請求項14に記載の核酸回収キット。
  16. 前記固相担体はシリカを含有するものであり、ガラス、珪藻土、これらの表面を化学的に処理したもののいずれかであることを特徴とする請求項13あるいは請求項14に記載の核酸回収キット。
  17. 前記固相担体は、前記容器の内部の2箇所に設けられるものであり、1の前記固相担体は前記デオキシリボ核酸を分離するために用いるものであり、他の前記固相担体は前記リボ核酸を分離するために用いるものであることを特徴とする請求項13あるいは請求項14に記載の核酸回収キット。
  18. 前記固相担体は、前記容器の内部の2箇所に設けられるものであり、前記容器は各々の前記固相担体を別個に保持するように分割されるものであることを特徴とする請求項13あるいは請求項14に記載の核酸回収キット。
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