JP2006311803A - 核酸精製方法、及び核酸精製器具 - Google Patents

核酸精製方法、及び核酸精製器具 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、安全、且つ簡便な操作により、核酸含有試料からRNAを精製することに関する。
【解決手段】
本願発明者らが鋭意検討した結果、DNAとRNAを含む試料と、カオトロピック剤との混合液に、有機溶媒を添加すると、DNAが不溶化し、RNAは可溶状態を維持することを見出した。本発明は、核酸含有試料,カオトロピック剤、及び有機溶媒を混合し、
DNAを不溶化させ、不溶化物を混合液から分離し、その残液からRNAを精製することに関する。尚、残液に試薬等を加えなくとも、シリカ含有固相を接触させることで、シリカ含有固相にRNAを結合させることができる。また、不溶化物からDNAを精製することもできる。
本発明により、DNAとRNAを含む試料から高純度のRNAを安全、且つ簡便な操作により精製できる。また、単一の試料からRNAとDNAを同時に精製することも可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、核酸含有試料から核酸を精製する技術に関する。例えば、DNAとRNAを含有する生物材料から、RNAを精製する技術に関する。
生物の遺伝子情報を担う物質としては、DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)がある。一般的にDNAは生物の全遺伝子情報を担う物質であり、一方、RNAは
DNAの遺伝子情報を基に生体内のタンパク質合成を担う物質である。DNAの分析からは、主に遺伝子配列情報が得られ、また、RNAの分析からは、主に遺伝子発現情報が得られる。これらは、分子生物学的に極めて重要な情報である。DNA分析とRNA分析を行う場合は、一般的に、DNAとRNAを含有する生物材料等の試料からDNAとRNAを単離,精製する前処理操作が不可欠である。DNA、及びRNAの単離,精製においては、PCR、或いはRT−PCR等の分析に対する阻害物質の混入を排除する必要がある。特に、RNAの単離,精製においては、RNA分析の阻害物質となり得るDNAの混入を排除することが重要であり、高純度なRNAを単離,精製することが要求される。また、DNAとRNAの分析を効率的に行う場合においては、単一の試料からDNAとRNAを同時に単離,精製することが望まれる。
生物材料からRNAを単離,精製する方法として、Analitycal Biochemistry 162,156-159(1989) に記載される方法がある。本方法は、(1)生物材料をチオシアン酸グアニジン溶液により溶解し、酸性緩衝溶液,フェノール溶液,クロロホルム溶液を順次添加,混合し、(2)遠心分離によりRNAを含む水相と、変性タンパク質と不溶化DNAを含む有機溶媒相と水相の中間層に分離し、(3)RNAを含む水相にエタノールあるいはイソプロパノールを添加して(4)不溶化したRNAを遠心分離により選択的に沈殿させる。本方法は従来の超遠心分離方法と比較すると、効率的にRNAを単離,精製できるという長所があるが、有害性の強いフェノール,クロロホルムを使用しなければならない。また、単一の試料からDNAとRNAを同時に単離,精製することはできない。
フェノール,クロロホルム等を使用せず、且つ、エタノール沈殿,イソプロパノール沈殿等の操作を必要としない核酸の単離,精製方法として、カオトロピック剤の存在下における核酸とシリカ含有固相の結合特性を利用するB. Vogelstein and D. Gillespie,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 76(2), 615-619(1979)、また、R. Boom et al, J.Clin.
Microbiol.28(3),495-503(1990) に記載される方法があるが、本方法により単離,精製されるRNAはDNAを含有する。また、DNAとRNAを同時に単離,精製することはできない。
生物材料をカオトロピック剤により溶解し、溶解液に塩と緩衝剤等を含む水溶液を添加し、DNAを含む夾雑物を不溶化させ、不溶化物を除去した溶液からRNAを抽出する方法として、特表2002−507121号公報に記載される方法があるが、本方法は、不溶化物を除去した後に、アルコール等の溶液を添加してシリカ含有固相に対するRNAの結合条件を再構築する必要があり、単離,精製操作が煩雑化する。また、単一の試料からDNAとRNAを同時に単離,精製することはできない。
カオトロピック剤の存在下における核酸とシリカ含有固相の結合特性を応用し、RNAとDNAを単離,精製する方法として、特開2002−187897号公報に記載される方法があるが、本方法のRNAの単離,精製においてもRNAの選択性は不十分であり、DNAを含有する。また、単一の試料から、RNAとDNAを同時に単離,精製する為には、シリカ含有固相に対するDNAの結合条件、及び、シリカ含有固相に対するRNAの結合条件を、各々に構築する必要があり、単離,精製操作が煩雑化する。
単一の生物試料からDNAとRNAを同時に単離,精製する方法として、Molecular
Cloning Third edition 7.9にA Single-step Method for the Simultaneous Preparationof DNA,RNA,Protein from Cell and Tissue として記載される方法がある。本方法は、
(1)フェノールとチオシアン酸グアニジン等を含む溶解液により生物試料を溶解し、
(2)クロロホルムを混合し、(3)遠心分離によりRNAを含む水相とDNAとタンパク質を含む有機相に分離し、(4)水相からイソプロパノール沈殿によりRNAを精製し、(5)有機相からエタノール沈殿によりDNAを精製する方法である。本方法は単一の試料からDNAとRNAを同時に単離,精製することができるが、有害性の強いフェノール、及びクロロホルムを使用し、且つ、水相と有機相の分取操作や複数回の遠心分離操作などの煩雑な操作を要する。
特表2002−507121号公報 特開2002−187897号公報 Analitycal Biochemistry 162,156-159(1989) B. Vogelstein and D. Gillespie, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 76 (2), 615−619(1979) R. Boom et al, J.Clin.Microbiol.28(3),495-503(1990) Molecular Cloning Third edition 7.9, A Single-step Method for the Simultaneous Preparation of DNA,RNA,Protein from Cell and Tissue
本発明の目的は、安全、且つ簡便な操作により、核酸含有試料からRNAを精製することに関する。
本願発明者らが鋭意検討した結果、DNAとRNAを含む試料と、カオトロピック剤との混合液に、有機溶媒を添加すると、DNAが不溶化し、RNAは可溶状態を維持することを見出した。本発明は、核酸含有試料,カオトロピック剤、及び有機溶媒を混合し、
DNAを不溶化させ、不溶化物を混合液から分離し、その残液からRNAを精製することに関する。尚、残液に試薬等を加えなくとも、シリカ含有固相を接触させることで、シリカ含有固相にRNAを結合させることができる。また、不溶化物からDNAを精製することもできる。
本発明により、DNAとRNAを含む試料から高純度のRNAを安全、且つ簡便な操作により精製できる。また、単一の試料からRNAとDNAを同時に精製することも可能である。
以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴と効果について、図面を参照して説明する。
本実施例では、核酸含有試料,カオトロピック剤、及び有機溶媒を混合し、主にDNAを不溶化させ、不溶化物を混合液から分離する。そして、不溶化物が分離された混合液をシリカ含有固相と接触させて、シリカ含有固相にRNAを結合し、シリカ含有固相を混合液から分離して、洗浄液によりシリカ含有固相に結合した不純物を除去し、溶出液によりシリカ含有固相に結合したRNAを溶出する。また、混合液から分離した不溶化物から
DNAを精製することもできる。
DNAを不溶化させる為には、核酸含有試料にカオトロピック剤、及び有機溶媒を添加した後の混合液における有機溶媒の濃度を最適化する必要がある。有機溶媒の濃度が最適濃度域よりも低い場合はDNAが不溶化せず、一方、有機溶媒の濃度が最適濃度域よりも高い場合はDNAのみならずRNAも不溶化する。有機溶媒の最適濃度は主に有機溶媒の種類に依存して異なる。不溶化物の形成は、有機溶媒添加後の、ピペッティング、または攪拌機器等による混合により促進される。
RNAやDNAを抽出し、精製する出発材料である核酸含有試料としては、DNAと
RNAを含有する溶液や生物材料がある。DNAとRNAを含有する溶液としては、DNAとRNAを含む生物材料からDNAとRNAが混在する状態で核酸を粗精製したもの等が使用できる。また、DNAとRNAを含む生物材料としては、血液,生体組織,培養細胞,細菌等が使用できる。
核酸含有試料に添加され、シリカ含有固相と核酸の結合を促すカオトロピック剤としては、チオシアン酸グアニジン,チオシアン酸ナトリウム,塩酸グアニジン,ヨウ化ナトリウム,ヨウ化カリウム等が使用できる。カオトロピック剤の濃度としては、有機溶媒を添加した後の混合液における濃度において、1.0〜4.0mol/l の範囲が使用できる。但し、生物材料を対象とする場合は、カオトロピック剤に加えて、界面活性剤,タンパク質変性剤,タンパク質分解酵素等を添加し、さらに、混合液に対して攪拌機器、或いはホモジナイザー等による物理的処理等を施して、生物材料の溶解、及びDNAとRNAの遊離化を促進することが好ましい。
有機溶媒としては、脂肪族アルコール,脂肪族エーテル,脂肪族エステル,脂肪族ケトンの中から選ばれた化合物の1種または2種以上を組み合わせたものを使用できる。脂肪族アルコールとしては、メタノール,エタノール,2−プロパノール,2−ブタノール,ポリエチレングリコール等を使用できる。脂肪族エーテルとしては、ジエチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,エチレングリコールジメチルエーテル,エチレングリコールジエチルエーテル,プロピオングリコールジメチルエーテル,プロピオングリコールジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等を使用できる。脂肪族エステルとしては、乳酸エチル,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を使用できる。脂肪族ケトンとしては、アセトン,ヒドロキシアセトン,メチルケトン等を使用できる。
混合液からの不溶化物の分離は、混合液を濾過する方法、または混合液を遠心分離する方法により行う。混合液から不溶化物を分離する為には、核酸含有試料,カオトロピック剤、及び有機溶媒の混合液が投入される混合液投入口と、DNAの不溶化物を混合液から分離できるフィルタと、フィルタを通過した混合液が排出される混合液排出口とを備える部材を用いる。例えば、不溶化物を捕捉する為の粒子保持径を有し、且つ、混合液のRNAを結合しない非シリカ含有の材質で構成されるフィルタを内蔵したカラム,チップ、若しくはシリンジを通過させて混合液の濾過を実施することができる。不溶化物を捕捉する為の粒子保持径としては、0.1μm 〜500μmの範囲が使用できる。また、混合液の
RNAを結合しない非シリカ含有の材質としては、ポリプロピレン,ナイロン,ポリエステル,ポリフッ化ビニリデン等が使用できる。
混合液から不溶化物が分離された混合液とシリカ含有固相の接触は、シリカ含有固相と混合液を容器内で攪拌,混合する方法、または、混合液が投入される溶液投入口と、溶液投入口に投入された溶液と接触可能に配置されたシリカ含有固相を備える部材に混合液を通過させる方法により行う。シリカ含有固相を備える部材としては、シリカ含有固相を固定化したカラム,チップ、若しくはシリンジなどが使用できる。シリカ含有固相と混合液を接触させた後、シリカ含有固相と混合液を分離する。シリカ含有固相としては、ガラス粒子,シリカ粒子,ガラス繊維,シリカ繊維,ケイソウ土、または、それら破砕物等、酸化ケイ素を含有する物質を使用できる。
洗浄液とシリカ含有固相の接触は、シリカ含有固相と洗浄液を容器内で攪拌,混合する方法、または、シリカ含有固相を固定化したカラム,チップ、若しくはシリンジなどに洗浄液を通過させる方法により行う。シリカ含有固相に洗浄液を接触させた後、シリカ含有固相から洗浄液を分離する。洗浄液としては、シリカ含有固相に対するRNAの結合を維持し、且つ、シリカ含有固相に結合した不純物を除去できるものであり、エタノール80%(v/v)以上を含む水溶液、またはEtOH80%(v/v)以上を含む低塩濃度の緩衝液を使用できる。
溶出液とシリカ含有固相の接触は、シリカ含有固相と溶出液を容器内で攪拌,混合する方法、または、シリカ含有固相を固定化したカラム,チップ、若しくはシリンジなどに洗浄液を通過させる方法により行う。シリカ含有固相に溶出液を接触させた後、シリカ含有固相から溶出液を分離し、回収する。溶出液としては、シリカ含有固相に吸着したRNAを溶出できるものであり、ヌクレアーゼフリーの水、またはヌクレアーゼフリーの低塩濃度の緩衝液を使用できる。
不溶化物からのDNA精製は、混合液の濾過により不溶化物を分離した場合は、不溶化物を捕捉したフィルタに洗浄液を接触させて不純物を除去した後、溶出液をフィルタに接触させて、DNAを溶出する方法により行う。また、混合液の遠心分離により不溶化物を分離した場合は、上清を除去し、沈殿させた不溶化物に洗浄液を添加し、不溶化物に含まれる不純物を可溶化し、再度、遠心分離により不溶化物を沈殿させて、上清を除去し、沈殿させた不溶化物にDNA溶出液を添加して、DNAを溶出する方法により行う。洗浄液としては、DNAを可溶化せず、且つ、不溶化物に含まれる不純物を可溶化するものであり、EtOH70%(v/v)以上を含む水溶液、またはEtOH70%(v/v)以上を含む低塩濃度の緩衝液等を使用できる。溶出液としては、DNAを可溶化できるものであり、ヌクレアーゼフリーの水、またはヌクレアーゼフリーの低塩濃度の緩衝液を使用できる。尚、不溶化物から精製するDNAの純度と収量をさらに向上させるために、不溶化物をヌクレアーゼフリーの水、またはヌクレアーゼフリーの低塩濃度の緩衝液に溶解した後に、エタノール沈殿等の方法により再精製できる。
以上に説明されるように、本実施例においては、DNAを不溶化する為の混合液の組成と、シリカ含有固相とRNAを結合する為の混合液の組成が同一であり、DNAの不溶化条件とシリカ含有固相に対するRNAの結合条件、または、シリカ含有固相に対するDNAの結合条件とRNAの結合条件を各々に構築する必要がない。従って、DNAの不溶化物を分離した混合液を、直ちに、シリカ含有固相に接触させて、RNAを単離,精製することができる。具体的な例としては、DNAを不溶化した混合液を、DNAの不溶化物を捕捉可能なフィルタから、RNAを結合可能なシリカ含有のフィルタに連続的に通過させることで、DNAとRNAを単離,精製することができる。これにより、DNAとRNAの単離,精製操作の簡便性が大きく向上する。
(実験)
以下、本実施例の検証実験について説明する。
A)以下、本実験にて使用する材料,試薬,器具について説明する。
1.DNAとRNAを含む生物材料
1.1白血球
EDTA・2Naを抗凝固剤とする真空採血管に採取したヒト全血から単離した白血球を使用した。
1.2培養細胞
Mouse Myeloma(Sp2/0−Ag14)(大日本製薬製)の培養細胞を使用した。
1.3生体組織
Mouse Liver(フナコシ製)を使用した。
2.試薬
2.1赤血球溶解液
155mM NH4Cl
10mM KHCO3
0.1mM EDTA・2Na
2.2溶解液
4M GuSCN
25mM クエン酸ナトリウム(pH 7.5)
1% βメルカプトエタノール
2.3有機溶媒溶液
(1)40%(v/v)ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液
(2)42.5%(v/v)ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液
(3)45%(v/v)ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液
(4)47.5%(v/v)ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液
(5)50%(v/v)ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液
(6)65%(v/v)2−プロパノール水溶液
(7)67.5%(v/v)2−プロパノール水溶液
(8)70%(v/v)2−プロパノール水溶液
(9)72.5%(v/v)2−プロパノール水溶液
(10)75%(v/v)2−プロパノール水溶液
(11)77.5%(v/v)エタノール水溶液
(12)70%(v/v)2−ブタノール水溶液
(13)50%(v/v)ポリエチレングリコール(平均分子量300)水溶液
(14)70%(v/v)乳酸エチル水溶液
2.4洗浄液
(1)DNA洗浄液
80%(v/v)エタノール水溶液
(2)RNA洗浄液
80%(v/v)エタノール水溶液
2.5溶出液
(1)DNA溶出液
TE(pH 8.0)(和光純薬製)
(2)RNA溶出液
2O(ヌクレアーゼフリー)(和光純薬製)
3.DNA精製器具
(1)不溶化物分離フィルタ
粒子保持径100μmのポリプロピレン粒子焼結板(厚さ2mm)を使用した。
(2)チップタイプDNA精製器具
図1に、チップタイプDNA精製器具の構成例を示す。チップタイプRNA精製器具
10は、分注用チップのような外形であり、液体を投入できる開口部11と、液体を排出できる先端部12を備え、その内部に不溶化物分離フィルタ13を保有する。本器具は、開口部を圧力制御装置に装着し、先端部から液体を吸引吐出することも可能である。本実験では直径4.2mm の円柱状に切り抜いた不溶化物分離フィルタを内径4mmのチップ内部に圧入したものを使用した。
(3)スピンカラムタイプDNA精製器具
図2に、スピンカラムタイプDNA精製器具の構成例示す。スピンカラムタイプDNA精製器具20は、スピンカラムのような外形であり、溶液を投入する為の第1開口部21と、溶液を排出する第2開口部22を備え、その内部に不溶化物分離フィルタ23を保有する。本器具は、遠心分離器に設置し、遠心分離により、投入した溶液を不溶化物分離フィルタに通過させ、排出することができる。本実験では、直径7.6mm の円状に切り抜いた不溶化物分離フィルタを内径7.5mmのスピンカラム内部に圧入したものを使用した。
4.RNA精製器具
(1)シリカ含有固相
ガラス繊維濾紙(GF/D)(Whatman社製)を用いた。
(2)シリカ含有固相保持部材
粒子保持径100μmのポリプロピレン粒子焼結板(厚さ1.5mm)を使用した。
(3)チップタイプRNA精製器具
図3に、チップタイプRNA精製器具の構成例を示す。チップタイプRNA精製器具
30は、分注用チップのような外形であり、圧力制御装置に装着できる開口部31と、液体を吸引,排出できる先端部32を備え、その内部にシリカ含有固相33を保有する。シリカ含有固相の両側には、円板状のシリカ含有固相保持部材34が配置されている。これらのシリカ含有固相保持部材も液体及び気体の流通が自由な多数の小孔が形成されている。本器具は、開口部を圧力制御装置に装着し、先端部から液体を吸引,排出することも可能である。本実験では直径4.2mmの円状に切り抜いたシリカ含有固相1枚を、直径4.1mmの円状に切り抜いたシリカ含有固相保持部材2枚で挟んだ状態で、内径4mmの中空チップ内部に圧入したものを使用した。
(4)スピンカラムタイプRNA精製器具
図4に、スピンカラムタイプRNA精製器具の構成例を示す。スピンカラムタイプRNA精製器具40は、スピンカラムのような外形であり、溶液を投入する為の第1開口部41と、溶液を排出する第2開口部42を備え、その内部にシリカ含有固相保持部材44を両端に配置したシリカ含有固相43を保有する。この器具は、遠心分離器に設置し、遠心分離により、投入した溶液をシリカ含有固相を通過させ、排出することができる。本実験では、直径7.7mmの円状に切り抜いたシリカ含有固相2枚を、直径7.6mmの円状に切り抜いたシリカ含有固相保持部材2枚で挟んだ状態で、内径7.5mm のスピンカラム内部に圧入したものを使用した。
5.DNA,RNA精製器具
図5に、DNA,RNA精製器具の構成例を示す。DNA,RNA精製器具100は、スピンカラムタイプDNA精製器具と、スピンカラムタイプRNA精製器具とを組み合わせたものであり、DNA精製器具となる上段スピンカラム110とRNA精製器具となる下段スピンカラム120から構成される。上段スピンカラム110は、溶液を投入する為の第1開口部111と、溶液を排出する第2開口部112を備え、その内部に不溶化物分離フィルタ113を保有する。下段スピンカラム120は、上段スピンカラムと接続し、上段スピンカラムから排出された溶液を投入する為の第3開口部121と、溶液を排出する第4開口部122を備え、その内部にシリカ含有固相保持部材123を両端に配置したシリカ含有固相124を保有する。この器具は、遠心分離器に設置し、遠心分離により、投入した溶液を不溶化物分離フィルタとシリカ含有固相を連続して通過させ、排出することができる。本実験では、直径6.8mm の円状に切り抜いた不溶化物分離フィルタを内径6.7mmのスピンカラム内部に圧入した上部スピンカラムと、直径7.7mmの円柱状に切り抜いたガラス繊維濾紙2枚を、直径7.6mmの円状に切り抜いたシリカ含有固相保持部材2枚で挟んだ状態で、内径7.5mmのスピンカラム内部に圧入した下部スピンカラムを、2段に重ねたものを使用した。
B)以下に本実験に用いる各方法を示す。DNAとRNAを含む生物材料からDNAと
RNAを単離,精製する方法は以下の各方法を適宜、組み合わせて行う。
1.全血からの白血球単離方法
(1)全血容量に対して5倍容量の赤血球溶解液を全血に添加し混合する。
(2)氷上で5分間インキュベートする。
(3)400×gで10分間の遠心分離を行う。
(4)上清を除去する。
(5)全血添加量に対して2倍容量の赤血球溶解液をペレットに添加し混合する。
(6)4℃環境下において400×gで10分間の遠心分離を行う。
(7)上清を除去して白血球のペレットを得る。
2.生物材料の溶解方法
2.1白血球の溶解方法
(1)白血球を単離した全血量に対して半分容量の溶解液を白血球ペレットに添加し混合する。
(2)ホモジナイザー(QIA shredder homogenizer)(QAIGEN製)により混合液を均一化する。
2.2培養細胞の溶解方法
(1)細胞数5×105の細胞ペレットに対して、溶解液1mlを添加し混合する。
(2)ホモジナイザー(T 8 ULTRA−TURRAX)(IKA製)により混合液を均一化する。
2.3生体組織の溶解方法
(1)生体組織1mgに対して、溶解液1mlを添加し混合する。
(2)ホモジナイザー(T 8 ULTRA−TURRAX)(IKA製)により混合液を均一化する。
3.不溶化物の形成方法
生物材料に添加した溶解液と等量の有機溶媒を添加して十分に混合する。
4.DNA精製方法
4.1チップタイプDNA精製器具によるDNA単離,精製方法
(1)不溶化物を形成した混合液をチップ上部からチップ内部に添加する。
(2)チップにシリンジを装着して、チップ内部の溶液をチップ下部より排出する。
(3)シリンジを外して、混合液と等量のDNA洗浄液をチップ上部からチップ内部に添加する。
(4)シリンジを装着して、チップ内部のDNA洗浄液をチップ下部より排出する。
(5)(3),(4)を2回繰り返す。
(6)精製品容器に混合液の1/5容量のDNA溶出液を添加する。
(7)DNA溶出液をチップ下部より不溶化物分離フィルタを通過するまで吸引し、室温で3分間、インキュベートする。
(8)DNA溶出液をチップ下部より精製品容器に排出する。
(9)DNA溶出液をチップ下部より不溶化物分離フィルタを通過するまで吸引し、精製品容器に排出する。
(10)(9)を9回繰り返し、精製品容器にDNA精製溶液を得る。
4.2スピンカラムタイプDNA精製器具によるDNA単離,精製方法
(1)不溶化物を形成した混合液をスピンカラム内部に添加する。
(2)スピンカラムに液受け容器を設置して、2000×gで10秒間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を液受け容器に排出する。
(3)混合液と等量のDNA洗浄液をスピンカラム内部に添加する。
(4)スピンカラムに液受け容器を設置して、2000×gで10秒間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を液受け容器に排出する。
(5)(3),(4)を2回繰り返す。
(6)混合液の1/5容量のDNA溶出液をスピンカラム内部に添加する。
(7)60℃で3分間、インキュベートする。
(8)スピンカラムに液受け精製品容器を設置して、2000×gで1分間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を液受け精製品容器に排出し、DNA精製溶液を得る。
4.3遠心分離によるDNA単離,精製方法
(1)不溶化物を形成した混合液を、6000×gで3分間の遠心分離を行う。
(2)上清を別の容器に移す。
(3)混合液と等量のDNA洗浄液を沈殿物に添加し混合する。
(4)10000×gで5分間の遠心分離を行う。
(5)上清を廃棄し、混合液と等量のDNA洗浄液を沈殿物に添加し混合する。
(6)10000×gで5分間の遠心分離を行う。
(7)上清を廃棄し、混合液の1/5容量のDNA溶出液を沈殿物に添加,混合し、DNA精製溶液を得る。
5.RNA精製方法
5.1.チップタイプRNA精製器具によるRNA単離,精製方法
(1)チップにシリンジを装着する。
(2)不溶化物分離フィルタを通過した混合液を、チップ下部よりシリカ含有固相を通過するまで吸引し、容器に排出する。
(3)(2)を5回繰り返す。
(4)シリンジを外して、混合液と等量のRNA洗浄液をチップ上部からチップ内部に添加する。
(5)シリンジを装着して、チップ内部のRNA洗浄液をチップ下部より排出する。
(6)(4),(5)を2回繰り返す。
(7)精製品容器に混合液の1/20容量のRNA溶出液を添加する。
(8)RNA溶出液をチップ下部よりシリカ含有固相を通過するまで吸引し、精製品容器に排出する。
(9)(8)を10回繰り返し、精製品容器にRNA精製溶液を得る。
5.2スピンカラムタイプRNA精製器具によるRNA単離,精製方法
(1)不溶化物分離フィルタを通過した混合液をスピンカラム内部に添加する。
(2)スピンカラムに液受け容器を設置して、4000×gで1分間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を液受け容器に排出する。
(3)混合液と等量のRNA洗浄液をスピンカラム内部に添加する。
(4)スピンカラムに液受け容器を設置して、4000×gで1分間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を液受け容器に排出する。
(5)(3),(4)を2回繰り返す。
(6)混合液の1/20容量のRNA溶出液をスピンカラム内部に添加する。
(7)スピンカラムに液受け精製品容器を設置して、4000×gで1分間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を液受け精製品容器に排出し、RNA精製溶液を得る。
6.DNA,RNA精製器具によるDNAとRNAの単離,精製方法
(1)不溶化物を形成した混合液をDNA,RNA精製器具の上段スピンカラム内部に添加する。
(2)スピンカラムに液受け容器を設置して、4000×gで1分間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を液受け容器に排出する。
(3)DNA,RNA連続精製器具の上段スピンカラムと下段スピンカラムを分離する。
(4)混合液と等量のDNA洗浄液を上段スピンカラム内部に添加する。
(5)混合液と等量のRNA洗浄液を下段スピンカラム内部に添加する。
(6)各々のスピンカラムに液受け容器を設置して、4000×gで1分間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を液受け容器に排出する。
(7)(3),(4)を2回繰り返す。
(8)混合液の1/5容量のDNA溶出液をス上段ピンカラム内部に添加し、65℃で3分間、インキュベートする。
(9)混合液の1/20容量のRNA溶出液を下段スピンカラム内部に添加する。
(10)各々のスピンカラムに液受け精製品容器を設置して、4000×gで1分間の遠心分離を行い、スピンカラム内部の溶液を各々の液受け精製品容器に排出し、DNA精製溶液とRNA精製溶液を得る。
C)以下に本実験において精製したDNAとRNAの評価方法を説明する。
1.電気泳動によるDNAとRNAの含有比率算出
ホルムアミドによる変性処理を行ったDNA精製溶液とRNA精製溶液を1.25%アガロースゲル(Reliant RNA Gel System)(FMC製)により電気泳動(10V/cm,
40分間)を行った。電気泳動後のアガロースゲルはエチジウムブロマイドにより染色し、UV照射下においてデンシトグラフ(ATTO製)によりmRNAとrRNAを含む
RNA群の蛍光強度とgenomicDNAの蛍光強度を測定し、RNAとDNAの蛍光強度比に基づいて、RNAとDNAの含有比率を算出した。
2.DNAとRNAの濃度定量
DNA精製溶液とRNA精製溶液を適量に希釈して、分光光度計(GeneSpecI)(日立那珂インスツルメンツ製) により260nmの吸光度を測定し、デンシトグラフ解析から算出したDNAとRNAの含有比率を基に、RNAとDNAの濃度ファクタを40μg/
ml,50μg/mlとしてRNA量とDNA量を算出した。
D)検証実験1
DNAとRNAを含む生物材料と、カオトロピック剤との混合液に、有機溶媒を添加し、DNAを不溶化させ、DNAとRNAを単離,精製する為には、有機溶媒の濃度を最適化することが必要である。本実験では、DNAとRNAの単離,精製効果と有機溶媒濃度の関係を評価する為に、有機溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル、及び2−プロパノールを用いて、有機溶媒濃度を変化させ、DNAとRNAを単離,精製し、有機溶媒濃度の最適化について検討した。
生物材料:白血球(全血600μl相当)
有機溶媒:ジエチレングリコールジメチルエーテル水溶液,2−プロパノール水溶液
DNA精製方法:チップタイプDNA精製器具によるDNA精製方法
RNA精製方法:スピンカラムタイプRNA精製器具によるRNA精製方法
以下の表1に、DNA精製溶液のDNA量とRNA含有量、及び、RNA精製溶液の
RNA量とDNA含有量を示す。
ジエチレングリコールジメチルエーテルを用いた場合は、濃度45%前後において、
DNA精製溶液はRNAを殆ど含まず、また、RNA精製溶液はDNAを殆ど含まず、高純度のDNAとRNAが単離,精製された。一方、濃度40%においては、DNA精製溶液のDNA量が低下し、RNA精製溶液のDNA含有量が増加する傾向が認められた。また、濃度50%においては、DNA精製溶液のRNA含有量が増加し、RNA精製溶液のRNA量が低下する傾向が認められた。
2−プロパノールを用いた場合は、濃度70%前後において、DNA精製溶液はRNAを殆ど含まず、また、RNA精製溶液はDNAを殆ど含まず、高純度のDNAとRNAが単離,精製された。一方、濃度65%においては、DNA精製溶液のDNA量が低下し、RNA精製溶液のDNA含有量が増加する傾向が認められた。また、濃度75%においては、DNA精製溶液のRNA含有量が増加し、RNA精製溶液のRNA量が低下する傾向が認められた。
有機溶媒濃度に依存してRNA、またはDNAの含有比率が変動するのは、有機溶媒濃度が最適濃度域より低い場合はDNAの不溶化が不十分となり、可溶状態のDNAがRNAと共にシリカ含有固相に結合し、一方、有機溶媒濃度が最適濃度域よりも高い場合はDNAのみならずRNAが不溶化し、不溶化したRNAはDNAと共に不溶化物分離フィルタに捕捉されるためと考えられる。
Figure 2006311803
E)検証実験2
DNAとRNAを含む生物材料と、カオトロピック剤との混合液に、有機溶媒を添加し、DNAをのみを不溶化させ、DNAとRNAを単離,精製する方法は、様々な有機溶媒を用いて実施することができる。本実験では、DNAとRNAの単離,精製効果と有機溶媒種類の関係を評価する為に、有機溶媒としてエタノール,2−プロパノール,2−ブタノール,ポリエチレングリコール,乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテルを用いて、(検証実験1)の方法に基づいて決定した最適濃度において、DNAとRNAを単離,精製した。
生物材料:白血球(全血600μl相当)
DNA精製方法:チップタイプDNA精製器具によるDNA精製方法
RNA精製方法:スピンカラムタイプRNA精製器具によるRNA精製方法
以下の表2に、DNA精製溶液のDNA量とRNA含有量、及び、RNA精製溶液の
RNA量とDNA含有量を示す。各種有機溶媒の所定濃度において、DNA精製溶液は
RNAを殆ど含まず、また、RNA精製溶液はDNAを殆ど含まず、高純度なDNAと
RNAが単離,精製された。
Figure 2006311803
F)検証実験3
DNAとRNAを含む生物材料と、カオトロピック剤との混合液に、有機溶媒を添加し、DNAのみを不溶化させ、DNAとRNAを単離,精製する方法は、様々な精製器具を用いることにより実施できる。本実験では、DNAとRNAの単離,精製効果と各種精製器具の関係を評価する為に、スピンカラムタイプ、或いはチップタイプのDNA精製器具とRNA精製器具を用いた方法で、以下の条件により、DNAとRNAを単離,精製した。
生物材料:白血球(全血600μl相当)
有機溶媒:70%(v/v) 2−プロパノール水溶液
以下の表3に、DNA精製溶液のDNA量とRNA含有率、及び、RNA精製溶液の
RNA量とDNA含有率を示す。各方法において、DNA精製溶液はRNAを殆ど含まず、また、RNA精製溶液はDNAを殆ど含まず、高純度なDNAとRNAが単離,精製された。
DNA精製溶液のDNA量は遠心分離による方法で最も多く、次いで、チップタイプ精製器具による方法、スピンカラムタイプ精製器具による方法の順であった。これは、各方法で不溶化したDNAの捕捉効率がほぼ等しいものの、不溶化したDNAからのDNA溶出効率が異なる為と考えられる。また、RNA精製溶液のRNA量は、チップタイプ精製器具による方法が、スピンカラムタイプ精製器具による方法よりも多い。これは、各方法でシリカ含有固相に対するRNA結合効率とRNA溶出効率が異なる為と考えられる。
一方、DNAとRNAの単離,精製操作に要する時間は、DNA,RNA精製器具による方法が最も短く、次いで、スピンカラムタイプ精製器具による方法,チップタイプ精製器具による方法の順であった。これは、カラムタイプ精製器具による方法が、チップタイプ精製器具による方法よりも操作数が簡便な為である。
尚、DNAとRNAの単離,精製操作において最も簡便性の高い、DNA,RNA精製器具を用いる方法は、DNAの不溶化物を形成する為の混合溶液の組成と、シリカ含有固相とRNAを結合する為の混合溶液の組成が同一である為に、実施可能な方法である。
Figure 2006311803
G)検証実験4
DNAとRNAを含む生物材料と、カオトロピック剤との混合液に、有機溶媒を添加し、DNAのみを不溶化させ、DNAとRNAを単離,精製する方法は、各種の核酸含有試料に適用することが可能である。本実験では、DNAとRNAの単離,精製効果と核酸含有試料の関係を評価する為に、各種の生物材料を用いて、以下の条件によりDNAとRNAを単離,精製した。
生物材料:
(1)白血球(全血600μl相当)
(2)培養細胞(細胞数5×105
(3)生体組織(1mg)
有機溶媒:70%(v/v)乳酸エチル水溶液
DNA精製方法:チップタイプDNA精製器具によるDNA精製方法
RNA精製方法:チップタイプRNA精製器具によるRNA精製方法
以下の表4に、DNA精製溶液のDNA量とRNA含有率、及び、RNA精製溶液の
RNA量とDNA含有率を示す。各種の生物材料において、DNA精製溶液はRNAを殆ど含まず、また、RNA精製溶液はDNAを殆ど含まず、高純度のDNAとRNAが単離,精製された。
Figure 2006311803
チップタイプDNA精製器具の概略図。 カラムタイプDNA精製器具の概略図。 チップタイプRNA精製器具の概略図。 カラムタイプRNA精製器具の概略図。 DNA,RNA精製器具の概略図。
符号の説明
10…チップタイプDNA精製器具、11,31…開口部、12,32…先端部、13,23,113…不溶化物濾過フィルタ、20…スピンカラムタイプDNA精製器具、
21,41,111…第1開口部、22,42,112…第2開口部、30…チップタイプRNA精製器具、33,43,124…シリカ含有固相、34,44,123…シリカ含有固相保持部材、40…スピンカラムタイプRNA精製器具、100…DNA,RNA精製器具、110…上段スピンカラム、120…下段スピンカラム、121…第3開口部、122…第4開口部。


Claims (9)

  1. 核酸精製方法であって、
    核酸含有試料,カオトロピック剤、及び有機溶媒を混合し、DNAの不溶化物を形成し、
    不溶化物を混合液から除去し、
    不溶化物を分離した混合液をシリカ含有固相に接触させ、シリカ含有固相にRNAを結合させ、
    シリカ含有固相を混合液から分離し、
    シリカ含有固相を洗浄し、
    シリカ含有固相からRNAを溶出する方法。
  2. 請求項1記載の核酸精製方法であって、
    有機溶媒が、脂肪族アルコール,脂肪族エーテル,脂肪族エステル、若しくは脂肪族ケトンの化合物、又は、その組み合わせである方法。
  3. 請求項1記載の核酸精製方法であって、
    有機溶媒が、エタノール,2−プロパノール,2−ブタノール,ポリエチレングリコール,ジエチレングリコールジメチルエーテル,乳酸エチルである方法。
  4. 核酸精製方法であって、
    核酸含有試料,カオトロピック剤、及び有機溶媒を混合し、DNAの不溶化物を形成し、
    不溶化物を混合液から分離し、不溶化物からDNAを精製し、
    不溶化物を分離した混合液とシリカ含有固相を接触させ、シリカ含有固相にRNAを結合させ、
    シリカ含有固相を混合液から分離し、
    シリカ含有固相を洗浄し、
    シリカ含有固相からRNAを溶出する方法。
  5. 請求項4記載の核酸精製方法であって、
    有機溶媒が、脂肪族アルコール,脂肪族エーテル,脂肪族エステル、若しくは脂肪族ケトンの化合物、又は、その組み合わせである方法。
  6. 請求項4記載の核酸精製方法であって、
    有機溶媒が、エタノール,2−プロパノール,2−ブタノール、ポリエチレングリコール,ジエチレングリコールジメチルエーテル,乳酸エチルである方法。
  7. 以下の構成を含む核酸精製器具;
    核酸含有試料,カオトロピック剤、及び有機溶媒の混合液が投入される混合液投入口と、DNAの不溶化物を混合液から分離できるフィルタと、フィルタを通過した混合液が排出される混合液排出口とを備える分離部材;
    分離部材の混合液排出口と接続できる溶液投入口と、溶液投入口に投入された溶液と接触可能に配置されたシリカ含有固相を備える核酸捕捉部材。
  8. 請求項7記載の核酸精製器具であって、
    遠心力により、混合液をフィルタに通過させ、シリカ含有固相と接触させる核酸精製器具。
  9. 請求項7記載の核酸精製器具であって、
    圧力差により、混合液をフィルタに通過させ、シリカ含有固相と接触させる核酸精製器具。
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