JP2004339836A - 鉄骨柱の建入れ調整装置 - Google Patents

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博行 西出
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Abstract

【課題】建入れ調整を容易に行いつつ、既設鉄骨柱に対する新設鉄骨柱の仮固定強度を向上する。
【解決手段】連結手段3は既設鉄骨柱1に延在する下エレクションピース11に対して新設鉄骨柱2に延在する上エレクションピース21を摩擦接合により連結する。水平位置調整手段4は下エレクションピース11に支点部43を支承し下エレクションピース11の延在端に力点部41を向け、上エレクションピース21の延在端に作用点部42を向け、力点部41での高力ボルト44をねじ込むことで作用点部42が上エレクションピース21に水平方向の荷重を付加する。垂直位置調整手段5は一対の楔部材51,52を高力ボルト53で連結し、各楔部材51,52を上下エレクションピース21,11の間に挟み高力ボルト53をねじ込むことで各楔部材51,52が接離して上エレクションピース21に上下方向の荷重を付加する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設鉄骨柱の上に新設鉄骨柱を接合する際、新設鉄骨柱の水平位置および鉛直位置を調整する鉄骨柱の建入れ調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄骨柱の建入れ調整装置としては、既設鉄骨柱の上端部の周方向に間隔をおいて複数のエレクションピースを設け、かつ、新設鉄骨柱の下端部の周方向に間隔をおいて前記エレクションピースに対応する複数のエレクションピースを設けておく。そして、既設鉄骨柱の上方に新設鉄骨柱を接合する際、互いの鉄骨柱の上下関係にある各エレクションピースを連結し、既設鉄骨柱に対する新設鉄骨柱の水平位置および鉛直位置(すなわち建入れ)を調整する固定ジグを備えている。
【0003】
この固定ジグは、上下関係にある各エレクションピースに挿通するスリット部を有した環状の固定ジグであって、前記スリット部に対して水平方向へ進退可能に取り付けるボルトと、スリット内に配置される荷重支持装置とを有している。ボルトは、そのねじ込みにより固定ジグとエレクションピースとを連結し、さらにスリット部に差し込まれたエレクションピースの面に水平方向の力を付加して新設鉄骨柱を水平方向に移動させる。荷重支持装置は、上下関係にある各エレクションピース間のすきまに入れて各エレクションピースの間に支持荷重を入力し、当該支持荷重を可変して新設鉄骨柱の鉛直を保つ(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3375885号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、建入れ調整する際、ボルトをエレクションピースに直接当接させ、当該ボルトのねじ込みによって直接的に新設鉄骨柱の移動を行っている。この結果、新設鉄骨柱を移動させるための付加がボルトに直接かかるので、ボルトのねじ込みが重くなって建入れ調整の作業が難しくなる。さらに、建入れ調整後は、上記ボルトが固定ジグをエレクションピースに対して仮固定するので、ボルトにかかる付加が多大になって仮固定強度が懸念される。特に、1つの固定ジグにボルトを1本設けた場合では上記付加が1本のボルトに集中してしまう。また、固定ジグにボルトを複数設けた場合では建入れ調整の際に数多くのボルトを操作しなければならず建入れ調整の作業が難しくなる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑み、既設鉄骨柱に対する新設鉄骨柱の仮固定強度を向上することができ、また、建入れ調整を容易に行うことができる鉄骨柱の建入れ調整装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る鉄骨柱の建入れ調整装置は、既設鉄骨柱の水平方向に延在するエレクションピースに新設鉄骨柱の水平方向に延在するエレクションピースを摩擦接合により上下連結する連結手段と、前記エレクションピースの一方に支点部を支承し当該一方のエレクションピースの延在端に力点部を向けるとともに他方のエレクションピースの延在端に作用点部を向けた梃子をなし、前記力点部に設けた第1出力部によって前記力点部と前記一方のエレクションピースとが離間する外力を与えて前記他方のエレクションピースを前記作用点部で押圧し前記各エレクションピースの間に水平方向の荷重を付加する水平位置調整手段と、対称形状の一対の楔部材を第2出力部によって逆向きに連結してなり、前記各楔部材を前記各エレクションピースの間に挟み前記第2出力部によって前記各楔部材が接離する外力を与えて前記各エレクションピースの間に上下方向の荷重を付加する垂直位置調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、建入れ調整に際して、水平位置の調整では、第1出力部によって梃子をなす作用点部が各エレクションピースの間に水平方向の荷重を付加する。また、垂直位置の調整では、第2出力部によって各楔部材が各エレクションピースの間に上下方向の荷重を付加する。このように、第1出力部および第2出力部が荷重の付加において梃子や楔を介して直接作用しない。さらに、建入れ調整後は、建入れ調整に関わらない連結手段が各エレクションピースの間を連結して仮固定する。
【0009】
本発明の請求項2に係る鉄骨柱の建入れ調整装置は、上記請求項1において、前記第1出力部が前記力点部に螺着して前記一方のエレクションピースに当接する1本のボルトからなり、前記第2出力部が前記各楔部材に通した1本のボルトからなり、前記各ボルトの頭部を同方向に向けて設けたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、建入れ調整は、各調整に応じてそれぞれ1本のボルトの操作となる。しかも、各ボルトの頭部の向きを同方向としているために同じ方向からの操作となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る鉄骨柱の建入れ調整装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施の形態における鉄骨柱の建入れ調整装置を示す斜視図、図2はエレクションピースを示す側面図、図3は水平位置調整手段を示す側断面図、図4は垂直位置調整手段を示す側断面図、図5は鉄骨柱の建入れ調整装置の動作を示す側面図である。
【0012】
図1に示すように鉄骨柱の建入れ調整装置は、既設鉄骨柱1の上に新設鉄骨柱2を接合する際に、既設鉄骨柱1に対して新設鉄骨柱2の水平位置および鉛直位置の調整、すなわち建入れ調整するためのものである。なお、本実施の形態では、既設鉄骨柱1および新設鉄骨柱2の一例として、閉鎖型断面柱であって断面略四角形の鉄骨柱を適用している。
【0013】
既設鉄骨柱1の上端部には、下エレクションピース11が設けてある。下エレクションピース11は、縦板状に形成してあり、断面略四角形の既設鉄骨柱1の4箇所の各平坦部1aから水平方向にそれぞれ延在する態様で溶接して固定してある。図2に示すように、下エレクションピース11は、上端が円弧部11aを介して既設鉄骨柱1の平坦部1aから離れる形態としてある。下エレクションピース11の上端縁には、延在方向の基端側下方に傾く直線状の傾斜面11bと、延在方向の先端側下方に傾く直線状の傾斜面11bとが設けてある。各傾斜面11bは、互いに対称形状である。この下エレクションピース11には、後述の高力ボルト32aを挿通する挿通穴11cが本実施の形態では4箇所に設けてある。
【0014】
新設鉄骨柱2の下端部には、上エレクションピース21が設けてある。上エレクションピース21は、縦板状に形成してあり、断面略四角形の新設鉄骨柱2の4箇所の各平坦部2aから水平方向にそれぞれ延在する態様で溶接して固定してある。図2に示すように、上エレクションピース21は、下端が円弧部21aを介して新設鉄骨柱2の平坦部2aから離れる形態としてある。上エレクションピース21の下端縁には、延在方向の基端側上方に傾く直線状の傾斜面21bと、延在方向の先端側上方に傾く直線状の傾斜面21bとが設けてある。各傾斜面21bは、互いに対称形状である。この上エレクションピース21には、後述の高力ボルト32aを挿通する挿通穴21cが本実施の形態では4箇所に設けてある。
【0015】
本実施の形態での鉄骨柱の建入れ調整装置は、上記上下エレクションピース21,11を介して取り付けられるものであり、連結手段3と、水平位置調整手段4と、垂直位置調整手段5とを有している。
【0016】
連結手段3は、図1に示すように上下エレクションピース21,11を跨ぐ態様で、各上下エレクションピース21,11の両側面に添う継ぎ板31と、当該各継ぎ板31と各上下エレクションピース21,11とを繋ぎ止める高力ボルト32a(ナット32bを含む)とからなる。継ぎ板31には、上下エレクションピース21,11の挿通穴21c,11cと重合して高力ボルト32aを挿通する挿通穴31aが設けてある。すなわち、上下エレクションピース21,11は、継ぎ板31および高力ボルト32aによる摩擦接合によって上下連結される。
【0017】
水平位置調整手段4は、図1および図3に示すように力点部41と作用点部42との間に支点部43を配してなる梃子を構成している。
【0018】
力点部41は、一対の長手板体40aを対向配置した長手方向の一端側(図1,3中の下端側)に配設してあり、第1出力部を有している。第1出力部は、高力ボルト44からなる。高力ボルト44は、対向する各長手板体40aの間において当該長手板体40aの短手方向に延在する態様で支持部材45に螺着してある。支持部材45は、各長手板体40aに対して高力ボルト44に直交する回動軸45aによって回動可能としてある。すなわち、高力ボルト44は、支持部材45の回動によって向きが可変する。
【0019】
作用点部42は、長手板体40aの他端側(図1,3中の上端側)に配置してある。作用点部42は、対向する各長手板体40aの間に挟まれて固定してあり、当該長手板体40aの短手方向に延在する押圧体42aを有している。
【0020】
支点部43は、各長手板体40aの長手方向の中途部分が、前記押圧体42aと同じ方向である短手方向に延在した各腕板体40bで構成してある。各腕板体40bには、水平位置調整手段4の梃子の支点となる支承穴43aが設けてある。
【0021】
上記各長手板体40aは、対向する間隔が前記下エレクションピース11(あるいは上エレクションピース21)の板厚と、連結手段3の各継ぎ板31の板厚とを合計した厚さを挿通できる間隔にしてある。すなわち、支点部43を構成する各腕板体40bは、その間に上記合計した厚さを挿通することができる。なお、各長手板体40aは、その間に上記作用点部42および各補強部材46が挟まれて固定してあることで上記間隔を有している。
【0022】
垂直位置調整手段5は、図1および図4に示すように対をなす第1楔部材51および第2楔部材52を有している。第1楔部材51は、下エレクションピース11の延在端側の傾斜面11bと、上エレクションピース21の延在端側の傾斜面21bとに面接触し得る直線状の各楔面51aを有している。第2楔部材52は、下エレクションピース11の基端側の傾斜面11bと、上エレクションピース21の基端側の傾斜面21bとに面接触し得る直線状の各楔面52aを有している。各楔部材51,52は、楔面51a,52aが面接触し得る各傾斜面11b同士および各傾斜面21b同士が対称形状であることから互いに対称形状である。
【0023】
各楔部材51,52は、第2出力部によって連結してある。第2出力部は、高力ボルト53からなる。第1楔部材51には、高力ボルト53のネジ部53aを挿通する挿通穴51bが設けてある。一方、第2楔部材52には、高力ボルト53のネジ部53aに螺合するネジ穴52bが設けてある。高力ボルト53は、ネジ部53aを第1楔部材51の挿通穴51bに通した後、第2楔部材52のネジ穴52bに螺合し、頭部53bを楔部材51側に位置して各楔部材51,52を連結する。このように、高力ボルト53で連結した各楔部材51,52は、対称形状とした楔面51aと楔面52aとが互いに向き合う態様で逆向きにして連結してある。
【0024】
以下、上述した建入れ調整装置の作用を説明する。図5は建入れ調整装置の使用状態を示す側面図である。既設鉄骨柱1は、予め水平位置および垂直位置を合わせて施工してある。そして、当該既設鉄骨柱1の上に新設鉄骨柱2を取り付ける。この場合、新設鉄骨柱2をクレーンなどの重機で吊り上げ、新設鉄骨柱2の下端部を既設鉄骨柱1の上端部の位置に移動する。
【0025】
その後、上下エレクションピース21,11同士を連結手段3によって連結する。すなわち、上下エレクションピース21,11の両側面にそれぞれ継ぎ板31を添わせ、当該各継ぎ板31の間に上下エレクションピース21,11を挟む態様で高力ボルト32aを通す。この時点では、高力ボルト32aを完全にねじ込まないが、上下エレクションピース21,11の連結が継ぎ板31を介して複数(本実施の形態では計8箇所)の高力ボルト32aで支持してあり、かつ、既設鉄骨柱1に対して新設鉄骨柱2が複数(本実施の形態では計4箇所)の上下エレクションピース21,11で連結してあるので新設鉄骨柱2を支えるに十分な強度が得られる。そして、上記のごとく連結手段3で上下エレクションピース21,11同士を連結した後、重機による新設鉄骨柱2の吊り上げを外す。
【0026】
上記連結手段3で上下エレクションピース21,11を連結する際、各上下エレクションピース21,11の間に垂直位置調整手段5を介在する。すなわち、第1楔部材51の各楔面51aを下エレクションピース11の延在端側の傾斜面11bと上エレクションピース21の延在端側の傾斜面21bとに面して配置する。また、第2楔部材52の各楔面52aを下エレクションピース11の基端側の傾斜面11bと上エレクションピース21の基端側の傾斜面21bとに面して配置する。なお、第2出力部をなす高力ボルト53の頭部53bは、上下エレクションピース21,11の延在方向に向けておく。
【0027】
その後、下エレクションピース11に水平位置調整手段4を取り付ける。すなわち、支承穴43aを介して下エレクションピース11に支点部43を取り付ける。支点部43は、本実施の形態においては対向する腕板体40bの間に前記各継ぎ板31および下エレクションピース11を介在し、支承穴43aに前記高力ボルト32aを通して取り付けられる。これにより、下エレクションピース11の延在端に力点部41を向けるとともに上エレクションピース21の延在端に作用点部42を向けた形態となる。なお、第1出力部をなす高力ボルト44は、ネジ部44aの先端を下エレクションピース11の延在端に向け、頭部44bを下エレクションピースの延在方向に向けておく。
【0028】
次いで、新設鉄骨柱2の水平位置を調整する。すなわち、既設鉄骨柱1に対して新設鉄骨柱2が水平方向に出ている側にある水平位置調整手段4を操作する。この場合、第1出力部としての高力ボルト44の頭部44bにT型あるいはL型のレンチを係合して当該高力ボルト44をねじ込む。これにより、高力ボルト44のネジ部44aの先端が下エレクションピース11の延在端に当接して力点部41と下エレクションピース11とが離間する外力を与えることになる。この結果、上エレクションピース21の延在端に作用点部42の押圧体42aが当接して押圧することで上エレクションピース21に水平方向の荷重を付加し、新設鉄骨柱2が水平方向に移動して当該新設鉄骨柱2の水平位置が調整される。
【0029】
なお、水平位置調整手段4は、上述したように既設鉄骨柱1に対して新設鉄骨柱2が水平方向に出ている側を押圧することで新設鉄骨柱2の水平位置を調整している。したがって、既設鉄骨柱1に対して新設鉄骨柱2が水平方向に出ていない側には、水平位置調整手段4を操作する必要がないので、既設鉄骨柱1に対して新設鉄骨柱2が水平方向に出ている側のみに水平位置調整手段4を取り付ければよい。
【0030】
次いで、新設鉄骨柱2の垂直位置を調整する。すなわち、既設鉄骨柱1に対して新設鉄骨柱2が垂直基準から傾いている側の垂直位置調整手段5を操作する。垂直基準からの傾きは、垂直位置検出手段によって検出できる。図には明示しないが垂直位置検出手段は、既設鉄骨柱1および新設鉄骨柱2の一方に設けたターゲット板と、他方に設けたレーザポインタとからなる。そして、レーザポインタからのレーザ光をターゲット板に照射して、レーザ光が射すターゲット板の位置によって新設鉄骨柱2の垂直基準からの傾きが認識できる。この場合、第2出力部としての高力ボルト53の頭部53bにT型あるいはL型のレンチを係合して当該高力ボルト53をねじ込む。これにより、上下エレクションピース21,11に挟まれた状態において、高力ボルト53の頭部53bが当接しネジ部53aが挿通する第1楔部材51と、高力ボルト53のネジ部53aに螺着した第2楔部材52とが互いに近接する外力を与えることになる。この結果、上エレクションピース21に上下方向の荷重を付加し、新設鉄骨柱2が垂直基準の位置に起きて垂直位置が調整される。
【0031】
なお、垂直位置調整手段5の高力ボルト53を操作する際、上記水平位置調整手段4が取り付けてある場合には、図5に矢印で示すように、当該水平位置調整手段4の各長手板体40aの間にレンチを挿通して高力ボルト53を操作する。このように、垂直位置調整手段5による調整を行う際に水平位置調整手段4が妨げになる事態がないので、水平位置調整手段4を取り付けたままでも垂直位置の調整を行うことができる。
【0032】
そして、水平位置および垂直位置の調整した後は、連結手段3の高力ボルト32aをねじ込んで調整した状態を確実に維持し、既設鉄骨柱1に新設鉄骨柱2を溶接して接合する。
【0033】
このように、上述した鉄骨柱の建入れ調整装置では、建入れ調整に際して、水平位置の調整では、第1出力部としての高力ボルト44をねじ込むことで梃子をなす作用点部42の押圧体42aが上エレクションピース21に水平方向の荷重を付加する。また、垂直位置の調整では、第2出力部としての高力ボルト53をねじ込むことで各楔部材51,52が上エレクションピース21に上下方向の荷重を付加する。このように、高力ボルト44,53が荷重の付加において上エレクションピース21に直接当接して作用せず、また梃子や楔を介しているため、当該高力ボルト44,53に新設鉄骨柱2を移動させるための付加が直接かからないので、高力ボルト44,53のねじ込みが軽くなって建入れ調整の作業を容易にすることができる。
【0034】
また、建入れ調整は、各調整に応じてそれぞれ1本の高力ボルト44,53のねじ込みで行えるので、建入れの作業をさらに容易にすることができる。しかも、高力ボルト44,53をねじ込むための操作方向は、高力ボルト44,53の頭部44b,53bの向きを同じ方向としているために同方向からの操作になるので、建入れの作業を分かり易くすることができる。
【0035】
さらに、建入れ調整後は、建入れ調整に関わらない連結手段3が上下エレクションピース21,11の間を連結して仮固定するので、溶接するまでの仮固定強度を向上することができる。
【0036】
なお、上述した実施の形態において各楔部材51,52は、上下エレクションピース21,11の直線状の傾斜面21b,11bに面接触し得る直線状の楔面51a,52aを有して構成してあるがこの限りではない。例えば、図6に示すように上下エレクションピース21,11が円弧状の傾斜面21b′,11b′を有し、各楔部材51,52が、上記円弧状の傾斜面21b′,11b′に面接触し得る円弧状の楔面51a′,52a′を有して構成してもよい。
【0037】
また、上下エレクションピース21,11の傾斜面21b,11b(21b′,11b′)および各楔部材51,52の楔面、51a,52a(51a′,52a′)は上記構成に限らない。例えば、図には明示しないが上エレクションピース21の傾斜面21b(21b′)のみを設けて、楔部材51,52では傾斜面21b(21b′)に面接触し得る上側の楔面51a,52a(51a′,52a′)のみを有した構成としてもよい。同様に、下エレクションピース11の傾斜面11b(11b′)のみを設けて、楔部材51,52では傾斜面11b(11b′)に面接触し得る下側の楔面51a,52a(51a′,52a′)を有した構成としてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る鉄骨柱の建入れ調整装置によれば、建入れ調整に際して、水平位置の調整では、第1出力部によって梃子をなす作用点部が各エレクションピースの間に水平方向の荷重を付加する。また、垂直位置の調整では、第2出力部によって各楔部材が各エレクションピースの間に上下方向の荷重を付加する。このように、第1出力部および第2出力部が荷重の付加において梃子や楔を介して直接作用しないため、当該各出力部に建入れ調整するための付加が直接かからないので、操作が軽くなって建入れ調整の作業を容易にすることができる。さらに、建入れ調整後は、建入れ調整に関わらない連結手段が各エレクションピースの間を連結して仮固定するので、溶接するまでの仮固定強度を向上することができる。
【0039】
また、本発明の請求項2に係る鉄骨柱の建入れ調整装置によれば、建入れ調整は、各調整に応じてそれぞれ1本のボルトの操作で行えるので、建入れの作業をさらに容易にすることができる。しかも、各ボルトの頭部の向きを同方向としているために同じ方向から操作が行えるので、建入れの作業を分かり易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における鉄骨柱の建入れ調整装置を示す斜視図である。
【図2】エレクションピースを示す側面図である。
【図3】水平位置調整手段を示す側断面図である。
【図4】垂直位置調整手段を示す側断面図である。
【図5】鉄骨柱の建入れ調整装置の動作を示す側面図である。
【図6】垂直位置調整手段の別の形態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 既設鉄骨柱
1a 平坦部
2 新設鉄骨柱
2a 平坦部
3 連結手段
4 水平位置調整手段
5 垂直位置調整手段
11 下エレクションピース
11a 円弧部
11b 傾斜面
11c 挿通穴
21 上エレクションピース
21a 円弧部
21b 傾斜面
21c 挿通穴
31 継ぎ板
31a 挿通穴
32a 高力ボルト
32b ナット
40a 長手板体
40b 腕板体
41 力点部
42 作用点部
42a 押圧体
43 支点部
43a 支承穴
44 高力ボルト
44a ネジ部
44b 頭部
45 支持部材
45a 回動軸
46 補強部材
51 第1楔部材
51a 楔面
51b 挿通穴
52 第2楔部材
52a 楔面
52b ネジ穴
53 高力ボルト
53a ネジ部
53b 頭部

Claims (2)

  1. 既設鉄骨柱の水平方向に延在するエレクションピースに新設鉄骨柱の水平方向に延在するエレクションピースを摩擦接合により上下連結する連結手段と、
    前記エレクションピースの一方に支点部を支承し当該一方のエレクションピースの延在端に力点部を向けるとともに他方のエレクションピースの延在端に作用点部を向けた梃子をなし、前記力点部に設けた第1出力部によって前記力点部と前記一方のエレクションピースとが離間する外力を与えて前記他方のエレクションピースを前記作用点部で押圧し前記各エレクションピースの間に水平方向の荷重を付加する水平位置調整手段と、
    対称形状の一対の楔部材を第2出力部によって逆向きに連結してなり、前記各楔部材を前記各エレクションピースの間に挟み前記第2出力部によって前記各楔部材が接離する外力を与えて前記各エレクションピースの間に上下方向の荷重を付加する垂直位置調整手段と、
    を備えたことを特徴とする鉄骨柱の建入れ調整装置。
  2. 前記第1出力部が前記力点部に螺着して前記一方のエレクションピースに当接する1本のボルトからなり、
    前記第2出力部が前記各楔部材に通した1本のボルトからなり、
    前記各ボルトの頭部を同方向に向けて設けたことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨柱の建入れ調整装置。
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