JP2004339180A - 口腔用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた吸水性、吸油性、粘性の兼ね備わったセルロース微紛体を配合した口腔用組成物を提供することである。
【解決手段】平均粒径が5ミクロン以下、20ミクロン以上の粒子の割合が5重量%未満で、かつ粒子の長径/短径比が5以上の棒状粒子であり、粒子の固形分が10重量%である水分散体の粘度が50〜1000mPa・sである結晶性セルロース微紛体を配合した口腔用組成物を得ること。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性セルロース微粉体を含有する口腔用組成物に関するものであり、その中でも特に歯磨きペーストとして有用な、口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
結晶性セルロース微紛体を用いた口腔組成物は、これまで特許文献1、特許文献2で開示されている。
特許文献1は、平均粒径を3〜30ミクロンに調整し、30ミクロン以上の粒子の含有量を10%以下に抑え、粒子の長軸と短軸の比が3以下である卵形の歯磨き向けセルロ−ス微粉末が提案されている。しかしこのセルロース微粉末の吸水性、吸油性は満足できるものではなく、この微粉末を配合した歯磨きペーストをチューブから押し出した時にペースト表面の離水や、油脂の分離が見られることがあった。さらにこのセルロース微粉末は、水に分散した時においても増粘効果が劣り、このため、歯磨きペーストにふくまれる研磨剤が沈降する問題があった。
【0003】
特許文献2で示されている微粒化セルロースは、平均粒子径が0.3〜6ミクロンと小さいが、12.5重量%の懸濁液の粘度は40Pa・sを越え、全く流動性のないものとなる。例えば、この微粒化セルロースを歯磨きペーストに配合すると、粘度が高いために作業性、取り扱いより、研磨剤や薬用成分など口腔用組成物の基材の量が制限される問題があった。またセルロースの配合量が制限されるため、セルロース自身の研磨剤、保形剤としての機能が充分に発揮されないことがあった。
【0004】
【特許文献1】
特開昭54−62328号公報
【特許文献2】
特開平5−58861号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は成分分離がみられず、保水性、保形性にすぐれ、かつ、口当たりがよく、しかも取り扱い作業性を損なわない程度の適度な粘性を有する口腔用組成物を提供することをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、平均粒径が5ミクロン以下、20ミクロン以上の粒子の割合が5重量%未満で、かつ粒子の長径/短径比が5以上の棒状粒子であり、粒子の固形分が10重量%である水分散体の粘度が50〜1000mPa・sである結晶性セルロース微紛体を用いることにより上記課題を解決するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
1.平均粒径が5ミクロン以下、20ミクロン以上の粒子の割合が5重量%未満で、かつ粒子の長径/短径比が5以上であり、粒子の固形分が10重量%である水分散体の粘度が50〜1000mPa・sである結晶性セルロース微紛体を含有することを特徴とする口腔用組成物、
2.平均粒径が5ミクロン以下、20ミクロン以上の粒子の割合が5重量%未満で、かつ粒子の長径/短径比が5以上の棒状粒子であり、粒子の固形分が10重量%である水分散体の粘度が50〜1000mPa・sである結晶性セルロース微紛体と、セルロース複合体を水に分散させることを特徴とする請求項1の口腔用組成物の製造法、である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳しく説明する。
本発明の口腔用組成物に用いられる、結晶性セルロース微粉体を構成する粒子の平均粒径は5ミクロン以下であることが必要である。5ミクロンを越えると、口腔用組成物のざらつきや異物感を与える原因となり、また口腔用組成物中の基材との分離を起こす可能性がある。
【0009】
そして、その20ミクロン以上の粒子の割合は5重量%未満である必要がある。上記と同様に5重量%を越えると、ざらつきや異物感を与えたり、セルロース粒子や口腔用組成物の基材の沈降を生じる。
また、その粒子の長径/短径比は5以上であることが必要である。長径/短径比が5未満では、セルロース微紛体を水に分散させた時に、十分な粘度を発現せず、セルロース粒子や口腔用組成物に配合される研磨剤等の固形物の分離や沈降が見られる。
【0010】
さらにその粒子の固形分が10重量%である水分散体の粘度は50〜1000mPa・sであることが必要である。粘度が50mPa・s未満ではセルロース自身や口腔用組成物の基材の分離、沈降を生じる。1000mPa・sを越えると粘度が高いために、口腔用組成物の基材の分散が不十分で未分散物が残ったり、チューブからの押し出しが困難となりやすい。好ましくは、50〜500mPa・sであり、さらに好ましくは、50〜100mPa・sである。
【0011】
本発明の結晶性セルロース微紛体の結晶性とは、該微紛体の結晶化度が、10%を越えることを意味する。ここでいう結晶化度とはX線回折図上の結晶散乱ピーク面積の割合として定義されるものである。結晶化度が10%以下の場合、口腔用組成物に必要とされる粘性がえられず、実用的でない。
【0012】
上記特性を有する、本発明の結晶性セルロース微紛体は、良好な吸水性、吸油性、および適度な増粘効果を示す。ここでいう、吸水性は、単位重量あたりのセルロース微紛体が吸収しうる水分量、吸油性は、おなじく、セルロース微紛体が吸収しうる流動パラフィン量としておのおの数値にて一義的に評価することができる。また、適度な増粘効果は、セルロース微紛体の固形分が10重量%の水分散液における粘度の値として評価することができる。これら、吸水性、および吸油性、増粘効果の測定および評価法について、後述の実施例の項において詳述する。本発明の結晶性セルロース微紛体の有する、良好な吸水性、吸油性、および適度な増粘効果のため、本発明の口腔用組成物は基材の分離、沈降、チューブからの押し出しや型くずれを改善でき、特に、口腔内の汚れ、薬用成分による歯槽膿漏等疾患を予防する口腔洗浄剤や歯磨きペーストとして有益である。
【0013】
本発明の結晶性セルロース微紛体の原料は、木材(針葉樹、広葉樹)、コットンリンター、麦藁、葦、竹などの天然セルロースやレーヨン、セロフアンの再生セルロースを主成分とするパルプが用いられる。そして、これらのパルプをそのまま湿式粉砕、乾式粉砕させたものや、パルプを酸加水分解またはアルカリ酸化分解などの機械的、化学的処理の後にセルロースのスラリーとし、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、棚段式乾燥法、ドラム乾燥法、ベルト乾燥法、流動床乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法、蒸発乾燥法等によって得られたものが、粒子調整前のセルロース原料として使用できる。
【0014】
そして上記で得られたセルロース原料をハンマーミル、ターボミル、ファインミル、ジェットミル、バンタムミル、グラインダーミル、カッターミルなどの機械的粉砕を繰り返し行い、結晶性セルロース微紛体を得ることができる。上記のうち好ましい粉砕方法はジェットミルである。ジェットミル粉砕は繰り返し行うことにより、効率よく長径/短径比が大きくなり、粒子の比表面積も上がり、吸水性、吸油性を増大させることができる。さらに粉砕回数が大きいほど、微紛体を水に分散させたときの粘度が大きくなり、基材の分散安定性を向上させることができる。ジェットミルの粉砕回数は3回以上が好ましい。但し、5回を越えると粒子が凝集し粗大粒子が発生し、収率も悪くなる傾向にある。
【0015】
本発明の口腔用組成物は、上記の結晶性セルロース微紛体にくわえて、さらにセルロース複合体を含有していてもよい。セルロース複合体を含有することにより、口腔用組成物中のセルロース粒子の三次元の網目構造をより強固なものとし、口腔用組成物の粘度を上げて、基材の安定性をより向上させることができる。さらにこのセルロース複合体粉末は水に分散させると、チキソトロピー性を示し、高粘度においてもシェアをかけることにより構造が壊れやすく、チューブからの押し出しをよりスムーズにすることができる。また、高温や長期の保存においても、基材の分離、沈降を生じることなく安定性を維持することができる。
【0016】
本発明のセルロース複合体とは結晶性セルロースと親水性高分子の組み合わせから成るものが挙げられる。親水性高分子とはローカストビーンガム、カラヤガム、グアガム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グルコマンナン、アラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸ナトリウム、ジェランガムなどの水溶性ガム類を意味する。この中で好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウムである。カルボキシメチルセルロースナトリウムとしてはカルボキシメチル基の置換度が0.2〜1.5、重合度が200〜500、2重量%の粘度が10〜10000mPa・s程度のものが使用される。上記以外のセルロース複合体粉末としてはヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、または一般的に使用されるポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールなどの界面活性剤も使用できる。
【0017】
本発明のセルロース複合体は、例えばパルプを酸加水分解により得られたセルロースのスラリーを濾過洗浄し、得られたウエットケーキに上述の親水性高分子を添加し、ニーダー、プラネタリーミキサーなどで混練した後で、乾燥し機械的粉砕して得られたものである。このセルロース複合体粉末は水中で機械的に分散させると、平均粒径20ミクロン以下のセルロース粒子となり、安定な懸濁性の特徴を示す。
【0018】
セルロース複合体の口腔用組成物中の配合量は0.1〜3重量%が好ましい。0.1重量%未満では口腔用組成物の基材の分離、沈降を生じ、3%を越えると口腔用組成物全体がゲル化し、基材が均一に分散せず、偏析しやすくなる。
本発明の口腔用組成物の製造法は特に限定されないが、上記、結晶性セルロース微紛体、セルロース複合体を水に分散させることにより得られる分散体を他の基材成分と混合する手法が一般的である。
【0019】
本願発明の口腔組成物は、必要に応じて、増粘剤、油脂成分、界面活性剤、甘味料、安定化剤、pH調整剤等を含有していてもよい。
口腔組成物に配合できる成分としては、例えば、増粘剤として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、プルラン、トラガントガム、キサンタンガム、ペクチン、ファーセラン、キトサン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸及びポリメタアクリル酸もしくはこれらの塩類、ゼラチン、ペプトン、カゼイン、コラーゲン、アルブミン、カラギーナン、アラビアガム、カラヤガム、カルボキシビニルポリマー、オイドラギット、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール・ジメチルアミノアセテート、セルロースアセテート・ジブチルヒドロキシプロピルエーテル等が挙げられる。
【0020】
油脂成分としては、流動パラフィン、パラフィン、セチルアルコール、及びステアリルアルコール等の高級アルコール、オレイン酸、イソプロピルミリステート等脂肪酸エステルが挙げられる。
研磨剤としては、水酸化アルミニウム、第2リン酸カルシウム・2水和物、第2リン酸カルシウム・無水和物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、非晶質シリカ、結晶質シリカ、アルミノシリケート、酸化アルミニウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。
【0021】
アルコールとしては、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、 グリセリン、1,5−ペンタジオール、ソルビット、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
【0022】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール・ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化 ヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン・脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、単一鎖長ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルスルホカルボン酸塩、−オレフィンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩、両性界面活性剤としては、酢酸ベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、非イオン性界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ラウリル酸デカグリセリル等が挙げられる。
【0023】
甘味料としては、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、アスパラチルフェニルアラニンメチルエステル、アセスルファームカリウム、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、アスパルテーム等が挙げられる。
香料としては、ペパーミント、スペアミント等の精油、ユーカリ油、オレンジ油、レモン油、l−メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、ハーブミント等が挙げられる。
【0024】
安定化剤としては、ビタミンC、ビタミンE、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
薬効成分としては、クロルヘキシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、ヒノキチオールなどの抗菌剤、フッ化ナトリウム、フッ化第1錫、モノフルオロリン酸ナトリウム などのフッ素化合物、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、プロテアーゼなどの歯垢形成抑制剤、トラネキサム酸、アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸類、アズレン、アラントイン、塩化リゾチーム、オオバクエキスなどの歯肉炎予防剤、ポリリン酸類などの歯石予防剤、塩化ナトリウムなどの歯茎引き締め剤、酢酸トコフェロールなどの各種ビタミンなどが挙げられる。
【0025】
pH調整剤としては、クエン酸及びその塩、リン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、グルコン 酸及びその塩、マレイン酸及びその塩、アスパラギン酸及びその塩、グルコン酸及びその塩、コハク酸及びその塩、グルクロン酸及びその塩、フマル酸及びその塩、グルタミン酸及びその塩、アジピン酸及びその塩、塩酸、 フッ化水素酸、水酸化アルカリ金属等が挙げられる。
【0026】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を制限するものではない。なお、実施例、比較例におけるセルロース粉末の平均粒径、粒子の長径/短径比、結晶化度、吸水性、吸油性および増粘効果(セルロース粉末の水分散液粘度)の測定は以下の手法に拠った。
【0027】
<平均粒径>
(1)メタノール溶媒中に、散乱光の透過率が85%となるように、試料を投入し、超音波を1分間かける。
(2)レーザー回折散乱装置により積算体積が50%になる値を読み取り、平均粒径とした。
<粒子の長径/短径比>
試料を電子顕微鏡により観察し、得られた画像より粒子1個について長径/短径比を観察し、50個の平均値とした。
【0028】
<結晶化度>
試料をアルミホルダーに装着し、X線回折の回折角度を5゜〜30゜まで操作して測定した。セルロース結晶は15.5゜付近と22.5゜付近に大きく2つの結晶性ピークを示し、これらピークの占める面積をそれぞれA、Bとした(図1)。一方、非晶部はバックグラウンド散乱部の占める面積をCとした。セルロース結晶化度は結晶部の面積および非晶部の面積の合計面積に対する結晶部の面積の割合として、下記の式により算出した。
結晶化度=(A+B)/(A+B+C) (%)
A,B,Cの面積の求め方は10°および30°の点1と点2を直線で結び、さらに18.5°での点3と点1、点2の各々を結んで求めた。
【0029】
<吸水性>
試料5gをシャーレの上に秤取り、水を徐々に滴下した。スパチュラで練りながら、目視にて状態を観察し、離水がみとめられた状態を終点とし、試料1gあたり滴下した水量(ml)を測定した。測定値が2.0ml/g以上の場合を、良好な吸水性と判定した。
<吸油性>
試料5gをシャーレの上に秤取り、流動パラフィンを徐々に滴下した。試料をスパチュラで練りながら、目視にて状態を観察し、離水がみとめられた状態を終点とし、試料1gあたり滴下した流動パラフィン量(ml)を測定した。測定値が2.0ml/g以上の場合を、良好な吸油性を有すると判定した。
【0030】
<増粘効果>
(1)試料(セルロース微紛体またはセルロース分散体)をセルロース固形分で10%となるように水分散液を調整した。
(2)この水分散液をTKホモミクサーで5分間分散させ、25℃の恒温槽に1時間放置した。
(3)1時間放置後、回転式B形粘度計で静置粘度を測定した。この時の粘度測定条件はローターNo.1使用、回転数を60pmとした。50mPa・s〜1000mPa・sの範囲にあるとき、適度な増粘効果を有すると判定した。
【0031】
【実施例1】
市販DPパルプを裁断し、10%塩酸水溶液中、105℃で30分間加水分解して得られた不溶解残さを濾過、洗浄、pH調整を行い、固形分濃度14%、pH6.5のセルロース分散体を調整した。このセルロース分散体を噴霧乾燥し、セルロース乾燥粉末を得た。そしてジェットミルの流量を3kg/hrとして5回連続粉砕した。得られた微紛体は平均粒径4.3ミクロン、20ミクロン以上の粒子は存在せず、形状は棒状で長径/短径比が5.5であった。この微紛体をX線回折で調べた結果、結晶性のピークが認められ、結晶化度は63%であった。吸水性は2.3ml/g、吸油性は2.5ml/g、この微紛体を固形分として10重量%で水分散した時の粘度は55mPa・sであった。このセルロース微紛体20重量部とセルロース複合体粉末としてアビセルRC−591NF(旭化成株式会社製)を1.5重量部、水78.5重量部をTKホモミクサーにより6000rpmで15分間分散してセルロース分散体A得た。次にこのセルロース分散体Aを用いて以下の処方により歯磨き組成物を製造した。
【0032】
第二リン酸カルシウム 20重量部
グリセリン 20重量部
塩化セチルピリジニウム 0.1重量部
セルロース分散体A 20重量部
N−ココイル−L−アルギニンエチルエステル・ピロリドンカルボン酸塩
0.1重量部
香料 0.1重量部
ペルーレジーノイド 0.08重量部
サッカリンナトリウム 0.1重量部
モノフルオロリン酸ナトリウム 4.0重量部
塩化ラウリルピリジニウム 1.0重量部
酢酸トコフェロール 0.1重量部
精製水 34.42重量部
この歯磨き組成物をチューブに充填し、歯ブラシの上に押し出したところ、離水、型くずれを起こさなかった。また、歯磨き時において、口ざわり、口内の付着は感じられなかった。
【0033】
【比較例1】
セルロース粉末として、アビセルPH−M06(旭化成株式会社製)を用いて実施例1と同様に評価した。アビセルPH−M06の平均粒径は10ミクロン、20ミクロン以上の粒子の割合は9重量%であり、形状は楕円状で長径/短径比が1.6であった。この微紛体をX線回折で調べた結果、結晶性のピークが認められ、結晶化度は80%であった。吸水性は1.0ml/g、吸油性は0.55ml/g、粘度は4mPa・sであった。実施例1と同様にセルロース微紛体の代わりにアビセルPH−M06を用いてセルロース分散体Bを得た。次に実施例1と同じ処方において、セルロース分散体Aの代わりにセルロース分散体Bを用いて、同様に歯磨き組成物を製造した。実施例1と同様にこの歯磨き組成物をチューブに充填し、歯ブラシの上に押し出したところ、離水、型くずれを起こした。また、歯磨き時において、口ざわり、口内の付着が少し感じられた。
【0034】
【比較例2】
セルロース粉末として、アビセルPH−F20(旭化成株式会社製)を用いて実施例1と同様に評価した。アビセルPH−F20の平均粒径は20ミクロン、20ミクロン以上の粒子の割合は51重量%であり、形状は棒状で、長径/短径比が5.1であった。この微紛体をX線回折で調べた結果、結晶性のピークが認められ、結晶化度は74%であった。吸水性は2.0ml/g、吸油性は1.2ml/g、粘度は6mPa・sであった。
【0035】
実施例1と同様にセルロース微紛体の代わりにアビセルPH−F20を用いてセルロース分散体Cを得た。次に実施例1と同じ処方において、セルロース分散体Aの代わりにセルロース分散体Cを用いて、同様に歯磨き組成物を製造した。実施例1と同様にこの歯磨き組成物をチューブに充填し、歯ブラシの上に押し出したところ、離水、型くずれを起こした。また、歯磨き時において、口ざわり、口内の付着が感じられた。
【0036】
【比較例3】
セルロース粉末を用いず、セルロース分散体として、セオラスクリームFP−03(旭化成株式会社製)を用いて実施例1と同様に歯磨き組成物を製造した。セオラスクリームFP−03の平均粒径は3.2ミクロン、20ミクロン以上の粒子は存在せず、形状は棒状で、長径/短径比は5.6であった。このセルロース分散体をX線回折で調べた結果、結晶性のピークが認められ、結晶化度は60%であった。また、粘度は6300mPa・sであった。実施例1と同様にこの歯磨き組成物をチューブに充填し、歯ブラシの上に押し出したところ、詰まりを生じ充分に押し出しが出来なかった。但し、磨き時において、口ざわり、口内の付着は感じられなかった。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、結晶性セルロース微紛体は、優れた吸水性、吸油性に加えて、水に分散させた時に粘性を付与することができ、これらの特性を生かして、離水、型くずれのしない口腔用組成物を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のセルロース微粉体のX線回折図。

Claims (2)

  1. 平均粒径が5ミクロン以下、20ミクロン以上の粒子の割合が5重量%未満で、かつ粒子の長径/短径比が5以上の棒状粒子であり、粒子の固形分が10重量%である水分散体の粘度が50〜1000mPa・sである結晶性セルロース微紛体を含有することを特徴とする口腔用組成物。
  2. 平均粒径が5ミクロン以下、20ミクロン以上の粒子の割合が5重量%未満で、かつ粒子の長径/短径比が5以上の棒状粒子であり、粒子の固形分が10重量%である水分散体の粘度が50〜1000mPa・sである結晶性セルロース微紛体と、セルロース複合体を水に分散させることを特徴とする請求項1の口腔用組成物の製造法。
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