JP2004338817A - 作業車両の操作装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遠隔操作時において通信に異常が起きても、操縦者の意図に反した振舞いをすることのない作業車両を提供する。
【解決手段】作業車両(17)を遠隔操作する遠隔操作手段(13A,13B)と、遠隔操作手段(13A,13B)からの操作信号を受信する受信機(18A,18B)と、遠隔操作手段(13A,13B)の操作に基づいて、アクチュエータを動作させるコントローラ(12A,12B)と、作業車両(17)を停止させる走行ブレーキシステム(21,26)と、上部旋回体(19)を旋回させる旋回アクチュエータ(33,36)と、クレーン車両の走行速度を検出する車速センサ(28)と、操作信号が正常か異常かを判定する判定手段とを備え、操作信号が異常な場合には、コントローラ(12A,12B)は、走行速度に応じてこれを徐々に下げる信号を走行ブレーキシステム(21,26)に出力するとともに、旋回速度を徐々に下げる信号を旋回アクチュエータ(33,36)に出力することを特徴とする作業車両の操作装置。
【選択図】 図1
【解決手段】作業車両(17)を遠隔操作する遠隔操作手段(13A,13B)と、遠隔操作手段(13A,13B)からの操作信号を受信する受信機(18A,18B)と、遠隔操作手段(13A,13B)の操作に基づいて、アクチュエータを動作させるコントローラ(12A,12B)と、作業車両(17)を停止させる走行ブレーキシステム(21,26)と、上部旋回体(19)を旋回させる旋回アクチュエータ(33,36)と、クレーン車両の走行速度を検出する車速センサ(28)と、操作信号が正常か異常かを判定する判定手段とを備え、操作信号が異常な場合には、コントローラ(12A,12B)は、走行速度に応じてこれを徐々に下げる信号を走行ブレーキシステム(21,26)に出力するとともに、旋回速度を徐々に下げる信号を旋回アクチュエータ(33,36)に出力することを特徴とする作業車両の操作装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の遠隔操作手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転席に固定されたメイン操作手段と、ラジコン送信機等の遠隔操作手段との、複数の操作手段によって操作が可能な作業車両が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1の表1に示すように、遠隔操作手段は、メイン操作手段と同様に走行モードや作業モードを有しており、どちらでも走行や作業が可能となっている。
【0003】
このような作業車両においては、例えば遠隔操作手段から操作に応じた信号を、無線によって送信し、作業車両に備え付けられた受信機で受信する。受信機は、この信号をコントローラに送信し、コントローラは信号に基づいて、アクチュエータを操作している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−296985号公報(表1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
即ち、遠隔操作手段から発信される無線信号は、例えば電波障害や、遠隔操作手段の故障によって、正常でない信号が送信されることがある。その結果、作業機械が操縦者の意図に合わない振舞いをすることがある。
【0006】
これを防止するため、一般的な遠隔操作手段を備えた作業車両においては、無線信号が正常であるか否かを判定する判定手段を受信機又はコントローラが備えている。そして、走行時に異常が起きた際には、車両の走行ブレーキをかけ、旋回作業時に異常が起きた際には、旋回を止めるようにしている。
【0007】
ところが、従来技術においては、遠隔操作時のブレーキ動作は、メイン操作手段から操作した場合と比べて、特に工夫がなされてはいない。その結果、例えば走行時に通信の異常が発生すると、走行ブレーキが急ブレーキとなってスリップの原因となったり、吊荷が急停止によって大きく揺れたりすることがある。
また、旋回作業時に通信の異常が発生した場合にも、やはり旋回が急に止まって、吊荷が揺れることがある。
【0008】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、遠隔操作時において通信に異常が起きても、操縦者の意図に反した振舞いをすることのない作業車両を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明に関わる作業車両の操作装置は、
作業車両を遠隔操作する遠隔操作手段と、
遠隔操作手段からの操作信号を受信する受信機と、
遠隔操作手段の操作に基づいて、アクチュエータを動作させるコントローラと、
作業車両を停止させる走行ブレーキシステムと、
上部旋回体を旋回させる旋回アクチュエータと、
クレーン車両の走行速度を検出する車速センサと、
操作信号が正常か異常かを判定する判定手段とを備え、
操作信号が異常な場合には、コントローラは、走行速度を徐々に下げる信号を走行ブレーキシステムに出力するとともに、旋回速度を徐々に下げる信号を旋回アクチュエータに出力している。
【0010】
これにより、遠隔操作時に異常が発生しても、クレーン車両の走行が徐々に停止するので、スリップが起きることがない。また、吊荷を吊っていても、吊荷が振れたりすることがなく、操作者の意図に応じた操作が可能である。
また、上部旋回体の旋回も徐々に停止するので、吊荷が振れたりすることがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に関わる実施形態を詳細に説明する。
図1に、実施形態に関わるクレーン車両17の操作装置11のシステムチャートの概略を示す。図1において、実線は油空圧、破線は電気信号を示している。
【0012】
図1に示すように、クレーン車両17は、上部旋回体19と下部走行体20とを備えている。下部走行体20には、作業機を駆動する作業機ポンプ31と、作業機を操作する制御弁を駆動するPPCポンプ32とが備えられている。これらのポンプ31,32から吐出された作動油は、スイベルジョイント30を介して、上部旋回体19に供給される。
また、下部走行体20にはエアタンク27が備えられ、高圧のエアを上部旋回体19に供給する。
【0013】
操作装置11は、クレーン車両17に固定されたメイン操作手段14と、遠隔操作手段としての走行用ラジコン送信機13A及び作業用ラジコン送信機13Bとを備えている。
【0014】
ラジコン送信機13A,13Bからの操作信号は、走行用受信機18A及び作業用受信機18Bによって、走行用コントローラ12A及び作業用コントローラ12Bにそれぞれ伝えられる。尚、コントローラ12A,12Bが、受信機18A,18Bの機能を備えていてもよい。
【0015】
まず、走行を行なうための操作系統について、説明する。
走行用コントローラ12Aからの電気信号は、アクセルサーボ弁25及びブレーキサーボ弁26に入力される。アクセルサーボ弁25及びブレーキサーボ弁26は、走行用コントローラ12Aからの電気信号に応じた高圧エアを吐出する。
【0016】
シャトル弁34は、アクセルサーボ弁25及びブレーキサーボ弁26から吐出された高圧エアと、メイン操作手段14であるアクセル22及び走行ブレーキ21から吐出された高圧エアとのうち、高いほうをアクセルシリンダ41及びブレーキシリンダ40に供給する。
なお、走行ブレーキ21は前後輪にそれぞれ備えられているが、ここでは片方のみを代表して描画している。また、ステアリングについても、同様の作動が行なわれるが、ここでは説明を省略する。
【0017】
クレーン車両17には、車速センサ28が備えられており、走行用コントローラ12Aは、この車速センサ28の出力に基づいて、現在の車速を判定することが可能となっている。
【0018】
次に、作業を行なうための操作系統について、上部旋回体19を旋回させる旋回作業を例にとって、説明する。
作業用コントローラ12Bからの電気信号は、電磁比例式の旋回制御弁33に入力される。旋回制御弁33は、作業用コントローラ12Bから入力される電流に基づいた圧力の作動油を吐出する。
【0019】
旋回制御弁33から出力した作動油は、シャトル弁34に入力する。また、シャトル弁34には、作業機レバー24の操作に基づいた圧力を吐出するパイロット弁37から出力した作動油も入力している。
【0020】
シャトル弁34は、両方の作動油のうち、圧力の高いほうの作動油を通過させて旋回作業弁36に入力する。
旋回作業弁36から出た作動油は、旋回モータ35を回転させ、上部旋回体19を下部走行体20に対して旋回させる。
【0021】
このとき、パイロット弁37には、その油圧を逃がすパイロットアンロード弁38が、旋回制御弁33には、その油圧を逃がす遠隔操作アンロード弁39が、それぞれ接続されている。
【0022】
アンロード弁38,39には、作業機レバー24等のメイン操作手段14と、作業用ラジコン送信機13Bとの、どちらの操作を有効とするかを切り換えるための切換スイッチ15が接続されている。操作が無効となる方のアンロード弁38,39を動作させることによって、パイロット弁37又は旋回制御弁33の一方の油圧を逃して、他方の作動油のみが、旋回作業弁36に供給されるようにする。
【0023】
以下、このようなシステム構成において、ラジコン送信機13A,13Bからの送信に異常が発生した場合の処置について、図2のフローチャートを用いて説明する。
まず受信機18A,18Bは、ラジコン送信機13A,13Bからの操作信号に対し、これが正常か異常かを判定する(ステップS11)。
【0024】
ステップS11においては、信号の連続性及び整合性が共に正常である場合にのみ、正常と判定する。連続性は、例えばラジコン送信機13A,13Bから、操作信号とは別に、連続的又は所定の周期で送信されるテスト電波が、途切れたか否かで判定する。
【0025】
また、整合性については、次のように判定する。ラジコン送信機13A,13Bは、そのレバーやスイッチの操作信号を数値化して、受信機18A,18Bに一括して送信している。これと同時にラジコン送信機13A,13Bは、数値化した操作信号の例えば合計を、操作信号の後に合計信号として受信機18A,18Bに送信している。
【0026】
受信機18A,18Bは、受信した操作信号の数値を改めて合計し、この合計と、ラジコン送信機13A,13Bから送信された合計信号とを比較して、これが一致する場合にのみ、操作信号が正常と判定している。尚、正常/異常の判定は、合計信号に基づいたものに限られるものではなく、さまざまな手法が可能である。
【0027】
ステップS11で信号が正常であれば、受信機18A,18Bは、この操作信号を、コントローラ12A,12Bに送信する(ステップS12)。コントローラ12A,12Bは、この操作信号に基づいて、上述した旋回制御弁33やサーボ弁に信号を出力し、作業車両の操縦を行なう(ステップS13)。
【0028】
一方、信号が異常と判定された場合、受信機18A,18Bは異常であることを、コントローラ12A,12Bに送信する。この異常信号に基づいて、コントローラ12A,12Bは、クレーン車両17の走行及び作業機の動作を緩停止させる(ステップS14)。
【0029】
以下、緩停止の手順について、詳細に説明する。
走行用コントローラ12Aは、まずアクセルサーボ弁25を閉作動させて、クレーン車両17がそれ以上加速するのを止める。また、車速センサ28の出力に基づいて、現在の車速を判定し、どの程度のブレーキ力をかければ、クレーン車両17が緩やかに停止するかを判定し、これに応じた信号をブレーキサーボ弁26に送信して、ブレーキをかけるようにしている。
【0030】
図3に、走行緩停止時に走行用コントローラ12Aがブレーキサーボ弁26に出力する電流の時間変化を示す。実線Dに示すように、走行コントローラ12Aは、ブレーキサーボ弁26に対して一定の電流i1を出力し、クレーン車両17の車速がある値まで減速すると(時刻t1)、電流値iを傾き一定でi2まで次第に増加させ(時刻t2)、車両を停止させる(時刻t3)。破線Eは、ブレーキをかける前の車速が、大きい場合を示しており、この場合も電流値iの傾きは一定である。
【0031】
また、作業用コントローラ12Bは、上部旋回体19を旋回させるための旋回制御弁33に出力する信号を、次第に小さくすることにより、旋回モータ35の回転数を次第に減少させ、旋回動作を緩停止させる。
【0032】
図4に、旋回緩停止時に、作業用コントローラ12Bが旋回制御弁33に出力する電流の時間変化を、グラフで示す。図4において、縦軸が電流i、横軸が緩停止開始(t0)からの、経過時間tである。そして、直線A,B,Cは、それぞれ、旋回速度が大きい場合、中間の場合、小さい場合を示している。即ち、上部旋回体19の旋回速度が異なっても、略同一の傾きで電流iを下げていくことにより、常に同じ割合での緩停止を実現する。
【0033】
以上説明したように本発明によれば、遠隔操作手段13A,13Bとクレーン車両17との間でやり取りされる操作信号が、正常か異常かを判定している。そして、異常と判定された場合には、クレーン車両17の走行及び作業機の動作を、緩停止させている。
これにより、クレーン車両17が走行中に急停止したり、旋回動作を急停止したりして、吊荷が大きく振れるようなことがない。
【0034】
尚、上記の説明は、クレーン車両17を例にとって行なったが、遠隔操作手段によって操作可能な作業車両であれば、どのような車両に対しても、同様に応用が可能である。また、無線で操作するラジコン送信機13A,13Bについて説明したが、遠隔操作を行なう場合であれば、有線でリモートコントロールする場合も同様である。さらには、ラジコン送信機を1つだけ備えて、走行時及び作業時にモードを切り換えて操作するような場合も、同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に関わるクレーン車両の操作装置のシステムチャートの概略説明図。
【図2】ラジコン送信機の送信に異常が発生した場合の処置を示すフローチャート。
【図3】走行緩停止時にブレーキサーボ弁に出力する電流の時間変化を示すグラフ。
【図4】旋回緩停止時に旋回制御弁に出力する電流の時間変化を示すグラフ。
【符号の説明】
11:操作装置、12A:走行用コントローラ、12B:作業用コントローラ、13A:走行用ラジコン送信機、13B:作業用ラジコン送信機、14:メイン操作手段、15:切換スイッチ、17:クレーン車両、18A:走行用受信機、18B:作業用受信機、19:上部旋回体、20:下部走行体、21:走行ブレーキ、22:アクセル、24:作業機レバー、25:アクセルサーボ弁、26:ブレーキサーボ弁、27:エアタンク、28:車速センサ、30:スイベルジョイント、31:作業機ポンプ、32:PPCポンプ、33:旋回制御弁、34:シャトル弁、35:旋回モータ、36:旋回作業弁、37:パイロット弁、38:パイロットアンロード弁、39:遠隔操作アンロード弁、40:ブレーキシリンダ、41:アクセルシリンダ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の遠隔操作手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転席に固定されたメイン操作手段と、ラジコン送信機等の遠隔操作手段との、複数の操作手段によって操作が可能な作業車両が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1の表1に示すように、遠隔操作手段は、メイン操作手段と同様に走行モードや作業モードを有しており、どちらでも走行や作業が可能となっている。
【0003】
このような作業車両においては、例えば遠隔操作手段から操作に応じた信号を、無線によって送信し、作業車両に備え付けられた受信機で受信する。受信機は、この信号をコントローラに送信し、コントローラは信号に基づいて、アクチュエータを操作している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−296985号公報(表1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
即ち、遠隔操作手段から発信される無線信号は、例えば電波障害や、遠隔操作手段の故障によって、正常でない信号が送信されることがある。その結果、作業機械が操縦者の意図に合わない振舞いをすることがある。
【0006】
これを防止するため、一般的な遠隔操作手段を備えた作業車両においては、無線信号が正常であるか否かを判定する判定手段を受信機又はコントローラが備えている。そして、走行時に異常が起きた際には、車両の走行ブレーキをかけ、旋回作業時に異常が起きた際には、旋回を止めるようにしている。
【0007】
ところが、従来技術においては、遠隔操作時のブレーキ動作は、メイン操作手段から操作した場合と比べて、特に工夫がなされてはいない。その結果、例えば走行時に通信の異常が発生すると、走行ブレーキが急ブレーキとなってスリップの原因となったり、吊荷が急停止によって大きく揺れたりすることがある。
また、旋回作業時に通信の異常が発生した場合にも、やはり旋回が急に止まって、吊荷が揺れることがある。
【0008】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、遠隔操作時において通信に異常が起きても、操縦者の意図に反した振舞いをすることのない作業車両を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明に関わる作業車両の操作装置は、
作業車両を遠隔操作する遠隔操作手段と、
遠隔操作手段からの操作信号を受信する受信機と、
遠隔操作手段の操作に基づいて、アクチュエータを動作させるコントローラと、
作業車両を停止させる走行ブレーキシステムと、
上部旋回体を旋回させる旋回アクチュエータと、
クレーン車両の走行速度を検出する車速センサと、
操作信号が正常か異常かを判定する判定手段とを備え、
操作信号が異常な場合には、コントローラは、走行速度を徐々に下げる信号を走行ブレーキシステムに出力するとともに、旋回速度を徐々に下げる信号を旋回アクチュエータに出力している。
【0010】
これにより、遠隔操作時に異常が発生しても、クレーン車両の走行が徐々に停止するので、スリップが起きることがない。また、吊荷を吊っていても、吊荷が振れたりすることがなく、操作者の意図に応じた操作が可能である。
また、上部旋回体の旋回も徐々に停止するので、吊荷が振れたりすることがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に関わる実施形態を詳細に説明する。
図1に、実施形態に関わるクレーン車両17の操作装置11のシステムチャートの概略を示す。図1において、実線は油空圧、破線は電気信号を示している。
【0012】
図1に示すように、クレーン車両17は、上部旋回体19と下部走行体20とを備えている。下部走行体20には、作業機を駆動する作業機ポンプ31と、作業機を操作する制御弁を駆動するPPCポンプ32とが備えられている。これらのポンプ31,32から吐出された作動油は、スイベルジョイント30を介して、上部旋回体19に供給される。
また、下部走行体20にはエアタンク27が備えられ、高圧のエアを上部旋回体19に供給する。
【0013】
操作装置11は、クレーン車両17に固定されたメイン操作手段14と、遠隔操作手段としての走行用ラジコン送信機13A及び作業用ラジコン送信機13Bとを備えている。
【0014】
ラジコン送信機13A,13Bからの操作信号は、走行用受信機18A及び作業用受信機18Bによって、走行用コントローラ12A及び作業用コントローラ12Bにそれぞれ伝えられる。尚、コントローラ12A,12Bが、受信機18A,18Bの機能を備えていてもよい。
【0015】
まず、走行を行なうための操作系統について、説明する。
走行用コントローラ12Aからの電気信号は、アクセルサーボ弁25及びブレーキサーボ弁26に入力される。アクセルサーボ弁25及びブレーキサーボ弁26は、走行用コントローラ12Aからの電気信号に応じた高圧エアを吐出する。
【0016】
シャトル弁34は、アクセルサーボ弁25及びブレーキサーボ弁26から吐出された高圧エアと、メイン操作手段14であるアクセル22及び走行ブレーキ21から吐出された高圧エアとのうち、高いほうをアクセルシリンダ41及びブレーキシリンダ40に供給する。
なお、走行ブレーキ21は前後輪にそれぞれ備えられているが、ここでは片方のみを代表して描画している。また、ステアリングについても、同様の作動が行なわれるが、ここでは説明を省略する。
【0017】
クレーン車両17には、車速センサ28が備えられており、走行用コントローラ12Aは、この車速センサ28の出力に基づいて、現在の車速を判定することが可能となっている。
【0018】
次に、作業を行なうための操作系統について、上部旋回体19を旋回させる旋回作業を例にとって、説明する。
作業用コントローラ12Bからの電気信号は、電磁比例式の旋回制御弁33に入力される。旋回制御弁33は、作業用コントローラ12Bから入力される電流に基づいた圧力の作動油を吐出する。
【0019】
旋回制御弁33から出力した作動油は、シャトル弁34に入力する。また、シャトル弁34には、作業機レバー24の操作に基づいた圧力を吐出するパイロット弁37から出力した作動油も入力している。
【0020】
シャトル弁34は、両方の作動油のうち、圧力の高いほうの作動油を通過させて旋回作業弁36に入力する。
旋回作業弁36から出た作動油は、旋回モータ35を回転させ、上部旋回体19を下部走行体20に対して旋回させる。
【0021】
このとき、パイロット弁37には、その油圧を逃がすパイロットアンロード弁38が、旋回制御弁33には、その油圧を逃がす遠隔操作アンロード弁39が、それぞれ接続されている。
【0022】
アンロード弁38,39には、作業機レバー24等のメイン操作手段14と、作業用ラジコン送信機13Bとの、どちらの操作を有効とするかを切り換えるための切換スイッチ15が接続されている。操作が無効となる方のアンロード弁38,39を動作させることによって、パイロット弁37又は旋回制御弁33の一方の油圧を逃して、他方の作動油のみが、旋回作業弁36に供給されるようにする。
【0023】
以下、このようなシステム構成において、ラジコン送信機13A,13Bからの送信に異常が発生した場合の処置について、図2のフローチャートを用いて説明する。
まず受信機18A,18Bは、ラジコン送信機13A,13Bからの操作信号に対し、これが正常か異常かを判定する(ステップS11)。
【0024】
ステップS11においては、信号の連続性及び整合性が共に正常である場合にのみ、正常と判定する。連続性は、例えばラジコン送信機13A,13Bから、操作信号とは別に、連続的又は所定の周期で送信されるテスト電波が、途切れたか否かで判定する。
【0025】
また、整合性については、次のように判定する。ラジコン送信機13A,13Bは、そのレバーやスイッチの操作信号を数値化して、受信機18A,18Bに一括して送信している。これと同時にラジコン送信機13A,13Bは、数値化した操作信号の例えば合計を、操作信号の後に合計信号として受信機18A,18Bに送信している。
【0026】
受信機18A,18Bは、受信した操作信号の数値を改めて合計し、この合計と、ラジコン送信機13A,13Bから送信された合計信号とを比較して、これが一致する場合にのみ、操作信号が正常と判定している。尚、正常/異常の判定は、合計信号に基づいたものに限られるものではなく、さまざまな手法が可能である。
【0027】
ステップS11で信号が正常であれば、受信機18A,18Bは、この操作信号を、コントローラ12A,12Bに送信する(ステップS12)。コントローラ12A,12Bは、この操作信号に基づいて、上述した旋回制御弁33やサーボ弁に信号を出力し、作業車両の操縦を行なう(ステップS13)。
【0028】
一方、信号が異常と判定された場合、受信機18A,18Bは異常であることを、コントローラ12A,12Bに送信する。この異常信号に基づいて、コントローラ12A,12Bは、クレーン車両17の走行及び作業機の動作を緩停止させる(ステップS14)。
【0029】
以下、緩停止の手順について、詳細に説明する。
走行用コントローラ12Aは、まずアクセルサーボ弁25を閉作動させて、クレーン車両17がそれ以上加速するのを止める。また、車速センサ28の出力に基づいて、現在の車速を判定し、どの程度のブレーキ力をかければ、クレーン車両17が緩やかに停止するかを判定し、これに応じた信号をブレーキサーボ弁26に送信して、ブレーキをかけるようにしている。
【0030】
図3に、走行緩停止時に走行用コントローラ12Aがブレーキサーボ弁26に出力する電流の時間変化を示す。実線Dに示すように、走行コントローラ12Aは、ブレーキサーボ弁26に対して一定の電流i1を出力し、クレーン車両17の車速がある値まで減速すると(時刻t1)、電流値iを傾き一定でi2まで次第に増加させ(時刻t2)、車両を停止させる(時刻t3)。破線Eは、ブレーキをかける前の車速が、大きい場合を示しており、この場合も電流値iの傾きは一定である。
【0031】
また、作業用コントローラ12Bは、上部旋回体19を旋回させるための旋回制御弁33に出力する信号を、次第に小さくすることにより、旋回モータ35の回転数を次第に減少させ、旋回動作を緩停止させる。
【0032】
図4に、旋回緩停止時に、作業用コントローラ12Bが旋回制御弁33に出力する電流の時間変化を、グラフで示す。図4において、縦軸が電流i、横軸が緩停止開始(t0)からの、経過時間tである。そして、直線A,B,Cは、それぞれ、旋回速度が大きい場合、中間の場合、小さい場合を示している。即ち、上部旋回体19の旋回速度が異なっても、略同一の傾きで電流iを下げていくことにより、常に同じ割合での緩停止を実現する。
【0033】
以上説明したように本発明によれば、遠隔操作手段13A,13Bとクレーン車両17との間でやり取りされる操作信号が、正常か異常かを判定している。そして、異常と判定された場合には、クレーン車両17の走行及び作業機の動作を、緩停止させている。
これにより、クレーン車両17が走行中に急停止したり、旋回動作を急停止したりして、吊荷が大きく振れるようなことがない。
【0034】
尚、上記の説明は、クレーン車両17を例にとって行なったが、遠隔操作手段によって操作可能な作業車両であれば、どのような車両に対しても、同様に応用が可能である。また、無線で操作するラジコン送信機13A,13Bについて説明したが、遠隔操作を行なう場合であれば、有線でリモートコントロールする場合も同様である。さらには、ラジコン送信機を1つだけ備えて、走行時及び作業時にモードを切り換えて操作するような場合も、同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に関わるクレーン車両の操作装置のシステムチャートの概略説明図。
【図2】ラジコン送信機の送信に異常が発生した場合の処置を示すフローチャート。
【図3】走行緩停止時にブレーキサーボ弁に出力する電流の時間変化を示すグラフ。
【図4】旋回緩停止時に旋回制御弁に出力する電流の時間変化を示すグラフ。
【符号の説明】
11:操作装置、12A:走行用コントローラ、12B:作業用コントローラ、13A:走行用ラジコン送信機、13B:作業用ラジコン送信機、14:メイン操作手段、15:切換スイッチ、17:クレーン車両、18A:走行用受信機、18B:作業用受信機、19:上部旋回体、20:下部走行体、21:走行ブレーキ、22:アクセル、24:作業機レバー、25:アクセルサーボ弁、26:ブレーキサーボ弁、27:エアタンク、28:車速センサ、30:スイベルジョイント、31:作業機ポンプ、32:PPCポンプ、33:旋回制御弁、34:シャトル弁、35:旋回モータ、36:旋回作業弁、37:パイロット弁、38:パイロットアンロード弁、39:遠隔操作アンロード弁、40:ブレーキシリンダ、41:アクセルシリンダ。
Claims (1)
- 作業車両の操作装置において、
作業車両(17)を遠隔操作する遠隔操作手段(13A,13B)と、
遠隔操作手段(13A,13B)からの操作信号を受信する受信機(18A,18B)と、
遠隔操作手段(13A,13B)の操作に基づいて、アクチュエータを動作させるコントローラ(12A,12B)と、
作業車両(17)を停止させる走行ブレーキシステム(21,26)と、
上部旋回体(19)を旋回させる旋回アクチュエータ(33,36)と、
クレーン車両の走行速度を検出する車速センサ(28)と、
操作信号が正常か異常かを判定する判定手段とを備え、
操作信号が異常な場合には、コントローラ(12A,12B)は、走行速度を徐々に下げる信号を走行ブレーキシステム(21,26)に出力するとともに、旋回速度を徐々に下げる信号を旋回アクチュエータ(33,36)に出力する
ことを特徴とする作業車両の操作装置。
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- 2003-05-13 JP JP2003134037A patent/JP2004338817A/ja active Pending
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