JP6894919B2 - 商用車の電子制御可能なエアブレーキシステム及びエアブレーキシステムを電子制御するための方法 - Google Patents

商用車の電子制御可能なエアブレーキシステム及びエアブレーキシステムを電子制御するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、商用車の、特に自動化運転が可能な商用車の、電子制御可能なブレーキシステム、及びエアブレーキシステムを電子制御するための方法に関する。
特に電子式常用ブレーキシステム(EBS又はABS)として構成されたエアブレーキシステムを備えた車両、特に商用車の内部では、ブレーキ圧力を制御して送出するために、1つの制御装置(ECU)によって、制御バルブ、例えばリレーバルブ又はアクスルモジュレータの動作制御が電子方式により行われてもよく、この場合、要求される車両目標減速度に依存して、これらの制御バルブによってブレーキシステムの常用ブレーキのブレーキシリンダに、空気圧方式によりブレーキ圧力が転送されるようになっている。この電子方式により制御され送出されるエアブレーキ圧力が、運転者による1つのブレーキペダルを介しての、1つのブレーキ力コントローラ又は制動値発生器の作動に依存したブレーキ圧力の制御送出によりオーバーライドされていることによって、自動化運転される車両内の運転者は、非常時には自分自身で尚も非常制動をかけることができる、及び/又は電子方式により制御され送出されるブレーキ圧力をオーバーライド制御することができるようになっている。
エアブレーキシステムを備えた、公知である車両、特に自動化運転される商用車のこれまでの解決策では、制御バルブの電子方式による動作制御に故障が生じた際に、電子制御が可能なフォールバックレベルが存在しない点が短所となっている。従来型のブレーキシステムでは、空気圧方式によるフォールバックレベルが機能するのは、運転者もブレーキペダルを操作する場合だけに限られている。車両内のもう1つの二次的なブレーキシステム、例えばパーキングブレーキシステムも同様に、それがアクティブとなるのは、運転者がそれを介して車両にブレーキをかけようとしてパーキングブレーキを操作する場合だけに限られている。しかしこれは、自動化運転される車両においては、特に運転者が車両内にいない、若しくは運転席に座っていない、又は、運転者がぼんやりしている、若しくは他の事に携わっている場合は、そうとはならないのが通例である。
特許文献1には、制御バルブとしての1つのリレーバルブと、電子制御される1つのプロポーショニングバルブと、1つのエアブレーキ力コントローラとを有する後車軸用のブレーキ制御が示される。プロポーショニングバルブとブレーキ力コントローラは、空気圧制御入力を介してリレーバルブにつなげられており、リレーバルブの制御入力に特定の制御圧を伝達する。リレーバルブはリレーバルブで、両方の制御圧の内、高い方を、比例方式でブレーキ圧力として後車軸の常用ブレーキのブレーキシリンダに制御して送出するようになっている。更に、その位置が運転者によるブレーキペダル操作に依存している1つのブレーキバルブが備えられており、これが、リレーバルブにより制御送出されなければならないブレーキ圧力を予め設定するようになっている。そのためにこのブレーキバルブからは、ブレーキバルブ制御圧が、空気圧方式によってブレーキ力コントローラに伝達されるのと同時に、開ループ制御エレクトロニクスを介して、電気的に制御信号を介して、プロポーショニングバルブに伝達され、この場合それらが対応した制御圧をリレーバルブに向けて制御送出するが、その際には、作動が規定通りの方式で行われる場合には、ブレーキ力コントローラの制御圧の方が、電子制御されるプロポーショニングバルブの制御圧よりも若干低目に予め設定されるようになっている。それにより、電子方式に故障が生じた場合には、フォールバックレベルが構成されることになる、というのも、電子制御されるプロポーショニングバルブが故障する、又はこれに障害が生じている場合は、ブレーキ力コントローラにより予め設定される制御圧が自動的に高くなり、それによりリレーバルブはブレーキ圧力を制御送出するためにこれを使用するからである。
特許文献2には、車輪の空転を阻止するための配列が記載される。ここでは配列が起動されると、1つのソレノイドバルブが開き、それにより1つの蓄圧器から作動圧が解放されることによって、作動圧を1つの切換え弁を介して後輪のところの電磁コントロールバルブに制御送出できるようになっている。この際、ソレノイドバルブの動作制御が、1つの比較装置によって、発進時に後輪が空転した場合には、電磁コントロールバルブを介して後輪にブレーキがかかり、それにより後輪の速度が前輪の速度に対して適合化されるように、行われる。それと同時に制動工程が開始される場合は、ブレーキ圧力が尚もブレーキバルブだけから電磁コントロールバルブに向けて導かれ、それを介して車輪の制動が行われるように、切換え弁が切り換えられるようになっている。
特許文献3には、リレーバルブの空気圧方式による意図せざる起動を検出する方法が示され、そこではリレーバルブが常用ブレーキの作動用に予定されており、ブレーキバルブの要求項目にも、また自動ブレーキのための開ループ制御又は閉ループ制御の要求項目にも、応えるようになっている。
特許文献4及び特許文献5には、ブレーキペダルに追加して、1つの電子制御装置によってもブレーキバルブを作動できるようにした方法が示される。それによれば、企図されているのは、その常用ブレーキの動作制御が、ブレーキバルブによって、また追加のリレーバルブを介して行われるようになっている、電子ブレーキシステムである。ブレーキ要求は、1つにはブレーキペダルを介するか、そうでなければそれとは関係なく、ブレーキペダルとブレーキバルブとの間に配置されている1つのブレーキバブアクチュエータを介して、ブレーキバルブに対して予め設定できるようになっている。このブレーキバブアクチュエータの制御は、電子制御装置により、車両を減速するために制御信号が存在する時には、コントロール圧が、例えばエアバルブとして実施されているブレーキバブアクチュエータに制御送出され、それによりブレーキバルブが作動されるように、行われるようになっている。
特許文献6には、特許文献4又は特許文献5のための、可能性のある1つのブレーキバブアクチュエータが示され、これは、ブレーキペダルとブレーキバルブとの間に配置され、空気圧方式によるアクチュエータとして1つのピストンを備えて実施されている。電子制御装置のコントロール圧が存在する時には、この空気圧方式によるアクチュエータが、ブレーキペダルの位置に関係なく、ブレーキバルブのピストンロッドをその作動位置に保持するようになっており、それにより例えば車両の停止状態におけるプレトリップ機能性を構成できるようにしている。
特許文献7には、車両の圧縮空気ブレーキ装置用の圧力コントロールモジュールが示される。ここでは1つの切換え弁を介して、常用ブレーキを制御する1つのリレーバルブの動作制御が行われ、その際にはこの動作制御を、1つのABS制御装置によりスリップケースに依存して行うことが企図されている。更に、もう1つの切換え弁を上流側に直列に接続することによって、そのような配列をトラクションコントロールシステムに導入することが企図されており、この切換え弁は、トラクションスリップケースの存在に応じて、切換え弁の圧縮空気ポートを1つの蓄圧器に接続することによって、常用ブレーキにかかる圧力を、リレーバルブを介しても上昇できるようにしている。
特許文献8には、1つのブレーキバルブ又は1つのブレーキペダル装置を介してブレーキ要求が予め設定されるようになっている、ブレーキ装置が示される。このブレーキ要求は、1つの制御装置において電気信号に変換され、この電気信号を用いて1つの制御バルブの動作制御が行われ、そこからブレーキ圧力が常用ブレーキに制御送出される。エレクトロニクスが失陥すると、冗長ケースにおいて、この制御バルブの動作制御が、常用ブレーキバルブにより圧縮空気ラインを介して空気圧方式で行われ、それを介してブレーキ圧力が常用ブレーキに制御送出されるようになっている。この制御バルブは、この際複数のソレノイドバルブ及び1つのリレーバルブを有している。これらのソレノイドバルブは、それぞれのソレノイドバルブに通電することによって、リレーバルブから制御送出された常用ブレーキにかかるブレーキ圧力を、所望される機能に応じて制御圧を介して増大、保持、又は減少できるようになっている。
特許文献9には、コーナリングを支援するためのブレーキシステムが記載され、そこでは電子制御される1つのマルチウェイバルブを用いて、ブレーキ圧力がブレーキシステムの常用ブレーキに向けて制御送出され、そこでは、制動値発生器である第1のブレーキバルブからブレーキ要求が何も出されていない場合にも、ブレーキ圧力が制御送出されるようになっている。この際にはマルチウェイバルブと第1のブレーキバルブが、1つの切換え弁を介して1つのリレーバルブへと切り換えられた状態にあり、ブレーキ圧力はこのリレーバルブから常用ブレーキに制御送出される。この際には切換え弁により、第1のブレーキバルブ又は切換え弁の両方の圧力の内、高い方だけがリレーバルブに与えられることによって、マルチウェイバルブの電気的要求を、第1のブレーキバルブによってオーバーライド制御することができる。
特許文献10には、例えばブレーキペダル操作に依存してブレーキ要求を電気的に出力するための1つの制動値発生器を有する1つの常用ブレーキ装置が備えられた、エアブレーキシステムが記載される。更に、特に後車軸の車輪ブレーキを作動させることができる1つのパーキングブレーキ装置が備えられている。この常用ブレーキ装置の制動値発生器は、データラインを介してパーキングブレーキ装置に接続されており、このため常用ブレーキ装置に電気的不具合が生じたケースにおいては、運転者により要求されるブレーキングを、後車軸のところのパーキングブレーキ装置を介しても、行うことができるようになっている。それにより冗長性が構成される。この際、冗長ケースにおいては後車軸のところのパーキングブレーキだけにより車両が制動されるために、ブレーキ力の配分が不利となる上に、ブレーキ効果が限られている点が短所となっている。
独国特許出願公開第19750392号明細書 独国特許発明第2818813号明細書 独国特許出願公開第102014013882号明細書 米国特許第7520572号明細書 欧州特許第1730006号明細書 米国特許第6659244号明細書 欧州特許第1530529号明細書 独国特許出願公開第102010050578号明細書 独国特許出願公開第102013015949号明細書 独国特許出願公開第102014006615号明細書
本発明の課題は、特に自動化運転が可能な車両において、確実且つ高信頼度の冗長ブレーキングを僅かな工数で保証する、エアブレーキシステム用の電子方式によって閉ループ制御される動作制御、及びエアブレーキシステムの電子方式による閉ループ制御方法を提供することにある。
この課題は、請求項1に記載の:
少なくとも2つのブレーキ系統(A、B、C)と第1の制御装置(110)と第2の制御装置(120)とを有する電子制御可能なエアブレーキシステム(100)であって、 それぞれの前記ブレーキ系統(A、B、C)の車輪ブレーキ(1、2、3、4)を制御するために複数のブレーキ圧力(p1、p2、p3、p4、pPB)を予め設定するように、電気式に且つ空気圧式に制御可能な制御バルブ(11、13)が、前記少なくとも2つのブレーキ系統(A、B、C)のうちの少なくとも1つのブレーキ系統に割り当てられていて、電気式に制御可能なパーキングブレーキバルブ(25)が、前記少なくとも2つのブレーキ系統(A、B、C)のうちのその他の1つのブレーキ系統に割り当てられていて、
自動的に要求される車両目標減速度(zSoll)又は運転者によって予め設定されている操作(ds)に依存して、操作装置(24a、24b)によって、それぞれの前記制御バルブ(11、13)を電気制御するように、前記第1の制御装置(110)は構成されていて、
電子空気圧式に制御される冗長性を構成するため、それぞれの前記制御バルブ(11、13)の電気制御が妨害されているときに、前記自動的に要求される車両目標減速度(zSoll)に依存して、前記パーキングブレーキバルブ(25)を電気制御するように、前記第2の制御装置(120)は構成されている当該電子制御可能なエアブレーキシステム(100)において、
制御バルブ(11、13)に割り当てられた少なくとも1つのバイパスバルブ(21、23)がさらに設けられていて、当該割り当てられた制御バルブ(11、13)を空気圧(pA、pB)によって制御するように、当該バイパスバルブ(21、23)は構成されていて、
前記電子空気圧方式に制御される冗長性を拡張するため、それぞれの前記制御バルブ(11、13)の電気制御が妨害されているときに、前記自動的に要求される車両目標減速度(zSoll)に依存して、又は前記運転者によって予め設定されている前記操作装置(24a、24b)の操作(ds)に依存して、前記空気圧(pA、pB)による制御が実行される電子制御可能なブレーキシステム、及び請求項17に記載の:
請求項1〜16のいずれか1項に記載のエアブレーキシステム(100)を電子制御するための方法において、
当該方法は、以下の、
−故障又は不具合が、少なくとも1つの前記ブレーキ系統(A、B)の制御バルブ(11、13)の電子制御部に存在するか否かを認識するステップと、
−それぞれの前記制御バルブ(11、13)の電気式の制御が妨害されているときに、パーキングブレーキバルブ(25)及び少なくとも1つのバイパスバルブ(21、23)を第2の制御装置(120)によって制御し、このときに、前記パーキングブレーキバルブ(25)が、パーキングブレーキバルブ制御圧力(pPB)を第3のブレーキ系統(C)に出力し、自動的に要求された車両目標減速度(zSoll)に依存して、又は運転者によって予め設定されている操作装置(24a、24b)の操作(ds)に依存して、少なくとも1つの別のブレーキ系統(A、B)内の少なくとも1つの前記制御バルブ(11、13)が、前記少なくとも1つのバイパスバルブ(21、23)によって空気圧式に制御される(pA、pB)ステップを有する当該方法によって解決される。好ましい別の実施の形態は、従属請求項に記載されている。
それによれば、本発明に従って、車両目標減速度、特にマイナス加速度を電子方式により予め設定することによって、自動化走行、特に自動化制動が可能とされる、電子制御可能なエアブレーキシステムにおいて、ブレーキ系統に対して配置される、電気によっても空気圧によっても制御可能な少なくとも1つの制御バルブの動作制御を電気的に行うようになっている第1の制御装置に補足して、特に冗長ケースにおいては、1つのパーキングブレーキバルブの電気的な制御及び1つのバイパスバルブを介しての制御バルブの電気空気圧方式による動作制御を行うことができる、第2の制御装置が備えられていることによって、電子空気圧方式によるフォールバックレベル又は冗長性を構成することが企図されている。この冗長ケースが生じるのは特に、第1の制御装置を介しての制御バルブの電気による動作制御が妨げられている場合である。
好適にはパーキングブレーキバルブの内部に組み込まれており、その制御を引き受けるようになっているこの第2の制御装置は、そのために、例えば自動化方式により要求される車両目標減速度に依存して、パーキングブレーキ信号を介して、パーキングブレーキバルブを電気的に制御できるようになっており、この場合パーキングブレーキバルブは、もう1つの独立したブレーキ系統を介して、車両車軸の車輪ブレーキを相応に空気圧方式で作動させるようになっている。この制御バルブと組み合わされているバイパスバルブを介して、制御バルブの動作制御を空気圧方式により、運転者により操作装置の作動を通じて予め設定されるブレーキ要求、又は第2の制御装置により電気的に予め設定されるブレーキ要求、特に車両目標減速度のいずれかに依存して、空気圧方式により行うことができる。
それにより既に、第2の制御装置により、電子制御される1つのエアブレーキシステムを備えた、例えば自動化運転される車両、特に商用車の内部に、1つの電子空気圧方式によるフォールバックレベル又は冗長性を構成できるという利点を達成することができる。なぜならば、少なくとも1つの制御バルブデータライン、例えば1つのCANバスを介して伝達される電気制御信号を介して、第1の制御装置により動作制御が電子方式で行われるようになっている、少なくとも1つの制御バルブの動作制御を、例えば第1の制御装置への、又は第1の制御装置からの信号伝達時の電気的な不具合、例えばCANバス内のエラーのせいで、行うことが不可能であるケースでは、第2の制御装置を介して、パーキングブレーキバルブと同時にバイパスバルブの電気制御を、車両目標減速度に依存して行うことができるからである。それにより電子空気圧方式による冗長性を、バイパスバルブの動作制御を追加することによって、拡張することができる。
各制御バルブは、ここでは車両のブレーキ系統に組み合わされ、それぞれのブレーキ系統内で車輪ブレーキのところのブレーキ圧力を制御送出し、その際には車輪ブレーキ、制御バルブの動作制御が空気圧方式により行われる場合には、制御空気圧に依存したブレーキ圧力が、また、制御バルブの動作制御が電子方式により行われる場合は、電気制御信号に依存したブレーキ圧力が、それぞれのブレーキ系統の車輪ブレーキに向けて制御送出されるようになっている。
この際に制御バルブのための制御圧の予め設定は、いずれのブレーキ系統においてもバイパスバルブを介して行われなければならない、という訳ではない。例えば第1のブレーキ系統内では前車軸の第1の制御バルブに1つのバイパスバルブが組み合わされ、第2のブレーキ系統内では後車軸の第2の制御バルブにバイパスバルブが組み合わされていなくてもよく、その結果、第2の制御バルブの動作制御を、例えば第1の制御装置だけにより電気的に、また、第1の実施形態に従って、操作装置により直接、空気圧方式によっても行うことができるようにしてもよい。
それぞれの制御バルブの内部では、相応に組み込まれた冗長機能を介して、電子方式による動作制御から空気圧方式による動作制御に自動的に切り替えられるようにしてもよく、それによりそれぞれの制御バルブを、冗長ケースにおいてはもはや電気制御信号によってではなく、それよりも、これと組み合わされているバイパスバルブ又は操作装置から制御送出される制御圧によって、自動的に制御することができる。
操作装置は、第1の実施形態に従って、空気圧方式による操作装置、例えばエアブレーキバルブとして実施されたものであってもよい。このエアブレーキバルブは、フットブレーキペダルの操作に依存してバイパスバルブに向けてブレーキバルブ制御圧を出力するように構成されている。特に冗長ケースにおいては同時に第2の制御装置が、自動化方式により予め設定された車両目標減度に依存して、バイパスバルブに向けてバイパス信号を電気的に出力してもよい。バイパスバルブは、内部の1つのバイパスエレクトロニクスにより、バイパス信号を介して伝達された車両目標減速度に対応しているバイパス制御圧を発生する。
この実施形態によると、それぞれの制御バルブに組み合わされているバイパスバルブは、印加される両方の制御圧の内、高い方、即ちバイパス制御圧又はブレーキバルブ制御圧のいずれかを選択し、これをこのバイパスバルブに組み合わされている制御バルブに向けて制御送出するようになっている、1つのセレクトハイバルブを有している。それによりそれぞれの制御バルブは、特に冗長ケースにおいては、車両目標減速度又は運転者により予め設定されたブレーキ要求のいずれかを実行する、ブレーキ圧力を予め設定できるようになっている。
冗長ケースにおいて、純自動化方式による車輪ブレーキの動作制御の間に、運転者が車両目標減速度に依存してまたブレーキペダルを操作する場合、また、その際にブレーキバルブ制御圧がバイパス制御圧を上回るほど強く操作する場合には、バイパスバルブは、このケースではより高いブレーキバルブ制御圧を制御圧として制御バルブに向けて制御送出し、それにより自動化ブレーキングは上書きされる、又は運転者によりオーバーライド制御されることになる。即ち運転者は、例えば非常ブレーキ状況の間に、又は運転者が冗長ブレーキングに誤りがある、例えば強さが十分ではないことに気付く場合に、ブレーキ工程に介入することができる。
バイパスバルブは、少なくとも1つの制御バルブの内部、又はエアブレーキバルブの内部に既に組み込まれていてもよく、それにより有利なことにも短い経路で圧力を伝達することが可能となる。
第2の制御装置により制御されるパーキングブレーキバルブが、もう1つの独立したブレーキ系統内で、車輪ブレーキに、例えば車両の後車軸のところの車輪ブレーキ、及び−存在する場合には−トレーラの車輪ブレーキにも、直接接続されていることによって、これらの車輪ブレーキにより、第2の制御装置による減速要求が存在する場合には、それに応じたブレーキングをもたらすことができるようになっている。この減速要求は、ここでは同様に自動化方式により要求される車両目標減速度、自動化方式により要求されるパーキングブレーキの作動に依存して、ただし他にも−停止状態で、又は走行中に−運転者により起動されるパーキングブレーキ機能によって、予め設定されてもよく、この場合、運転者により要求されるパーキングブレーキ力又はパーキングブレーキ予め設定から、減速要求が推論されるようになっている。
そのために後車軸及びトレーラの車輪ブレーキは、例えば組み合わせ型常用ブレーキシリンダ兼スプリングブレーキアクチュエータを有していてもよいが、それによって、エアブレーキバルブから、間にバイパスバルブを挟んで、若しくは挟まずに、制御バルブを介して要求される、及び/又はパーキングバルブから直接要求されるブレーキングを、同じ車輪ブレーキを利用して、しかし異なるブレーキ系統内で、即ちこのケースにおいてはパーキングブレーキ機能と常用ブレーキ機能とを利用して、実行することができる。
従って本発明によれば、第1の制御装置により電気的に予め設定される制御信号を介するか、又は特に冗長ケースにおいては第2の制御装置により予め設定され、パーキングブレーキバルブ及びバイパスバルブによって実行される、電気的なパーキングブレーキ信号若しくはバイパス信号を介するかのいずれかにより、ブレーキシステムの車輪ブレーキの動作制御をそれぞれの制御バルブを介して電気空気圧方式により行うことが可能となることによって、電子的に要求されるブレーキングを、様々な方法で空気圧方式により実行できるようになり、それにより信頼性の高い方法でブレーキングをもたらすことができるようになる。
第1の制御装置の内部に不具合又は故障が存在しているかどうかは、例えば第2の制御装置により、監視信号を介して判定される。不具合又は故障が存在する場合には、車両の自動化運転を受け持つように、また特に車両目標減速度を予め設定するように構成されている第3の制御装置から、別のデータラインを介して、例えば別のCANバスを介して、自動化方式により予め設定された車両目標減速度が第2の制御装置に向けて伝達され、それにより第1の制御装置に故障を生じた際には、第2の制御装置に向けた車両目標減速度の高信頼度の伝達を保証することができる。
その目的で、電気回路の一方に不具合が生じた場合に、他方の電気回路に支障を来さないようにするために、第1の制御装置及び第2の制御装置は、好適にはそれぞれ1つのエネルギ供給部が備えられた別の電気回路内に配置されている。第3の制御装置は、両方の電気回路からエネルギの供給を受けることによって、一方の電気回路に故障を生じている際に、それぞれ他方の電気回路は、自動化方式により予め設定された車両目標減速度を第3の制御装置から呼び出すことができる。従ってそれにもかかわらず、自動化方式により要求される、車両目標減速度に達するためのブレーキングを、電気回路の内の一方を介してもたらすことができる。この際、制御装置は、最低でも構造上は統合されていてもかまわない。
それにより本発明に従った電子エアブレーキシステムによって、有利なことにも、制御信号介した制御バルブの電子方式による動作制御をし損ねた場合には、車両の自動化運転のために、複数のフォールバックレベル又は冗長性を構成することができる。
従って、運転者によるブレーキペダルの踏み込みによるブレーキペダルの機械的な操作によって、第1のフォールバックレベル又は冗長性が与えられることになり、この操作に依存してブレーキバルブ制御圧が空気圧方式により、また、間にバイパスバルブを挟んで、又は挟まずに、それぞれの制御バルブからそれに比例したブレーキ圧力が空気圧方式により対応するブレーキ系統の車輪ブレーキに向けて、制御送出される、即ち車両の自動化運転時には冗長ケースにおいて運転者により時点を問わずに起動することができる、機械空気圧方式による冗長性が構成されることになる。
運転者がぼんやりしている、若しくは他の事に携わっているか、又は車両が運転者なしに自動化走行している、若しくは運転者が運転席にいない場合には、第2の制御装置によりパーキングブレーキバルブとバイパスバルブの電気による動作制御がもたらされることによって、第2の電子空気圧方式によるフォールバックレベル又は冗長性が構成されるようになっており、この場合、車両の自動化運転時には、例えば制御バルブが電気により動作制御される際に問題があると判定され、且つ第1の機械空気圧方式による冗長性が未だ起用されていなかった場合には、第2の電子空気圧方式によるフォールバックレベル又は冗長性を自動的に起動できるようになっている。
それにより自動化運転される車両内では、冗長ケースにおいて、それぞれの制御バルブの純電子方式による動作制御から、バイパスバルブ及び少なくとも1つの制御バルブを介しての、電子空気圧方式による動作制御を起用できるようになっている。追加的に、パーキングブレーキバルブによる車輪ブレーキの直接的な動作制御が可能であることによって、さもなければ例えばパーキングブレーキ機能を運転者が人為的に起動させることにより達成されるような、ブレーキングがもたらされるようにしている。
有利なことにはそれにより、これらの冗長性のためには車両の内部に存在しているコンポーネントが実質的に起用されることから、コストを節減することができる。例えば電子空気圧方式によるパーキングブレーキが車両内に既に存在している車両においては、バイパスバルブの追加と、第2の制御装置による、例えば相応のソフトウェアロジックを利用した相応の電子方式による動作制御の追加とによって、特に車両の自動化運転においては電子空気圧方式による冗長性を簡単に構成することができる。
それに加えて、制御バルブを介してのブレーキ圧力の制御送出が、パーキングブレーキバルブによる車輪ブレーキの直接的な動作制御と組み合わされることによって、冗長ケースにおいては、ブレーキ効果及び車両車軸へのブレーキ力配分を最適化することができ、その結果、商用車の確実で高信頼度のブレーキングを保証することができる。
冗長ケースが存在していない場合には、エアブレーキバルブも、またパーキングブレーキバルブも、車両内で通常通りに使用することができる。例えばエアブレーキバルブは、ブレーキペダルを介して機械的に作動されることによって、上流にバイパスバルブを備えて、又は備えずに、制御バルブを介して車輪ブレーキにブレーキ圧力を供給できるようになっている。これと同様に、例えば車両を停止する際、及びパーキングブレーキ機能がアクティブ状態にある際には、パーキングブレーキバルブから、相応のブレーキ圧力が、好適には後輪車軸の車輪ブレーキに向けて、及び−存在する場合には−トレーラのブレーキに向けて制御送出されることによって、パーキングブレーキの通常の機能を実行することができる。更に、停止状態で又は車両の走行中に、第3の制御装置により、パーキングブレーキによる制動を自動化方式によっても調整できるようになっている。それにより、追加の冗長性が構成されることによって、車両の従来方式による運転にマイナスの影響が出ないようにしており、有利である。
もう1つの実施形態に従って、運転者用の操作装置として、運転者による操作に依存して、要求信号を特に第2の制御装置に向けて電気的に出力する、純電気方式による操作装置が備えられていてもよい。この要求信号は、第2の制御装置の内部で、運転者減速度に換算され、これが自動化方式により予め設定された車両目標減速度と比較される。両方の減速度の内、高い方が、バイパス信号を介してバイパスバルブに向けて出力される。バイパスバルブは、これに対応したバイパス制御圧を発生し、これを制御圧として、組み合わされている制御バルブに向けて制御送出する。それにより、第2の制御装置の内部で既に、例えば1つのソフトウェアを介して、セレクトハイ機能性が実行されることになり、バイパスバルブ内のセレクトハイバルブは不要とできる。車両内の制御バルブの動作制御は、この実施形態においては、冗長ケース以外では、電気的にのみ行われるようになっている。
それにより、運転者によるブレーキ要求が、空気圧ラインを介して伝達されることはもはやなく、それに加えて、セレクトハイ機能性を1つのソフトウェアにより提供することができる、という長所を達成することができる。それにより、コスト及び工数を節減することができる。それに加えて、空気圧ラインが廃止されることによって、冗長方式により動作制御可能なブレーキシステムの信頼性が向上する。
従って、1つのパーキングブレーキを有するブレーキシステムにおいては、特に冗長ケースのために、セレクトハイバルブの有無を問わずに少なくとも1つのバイパスバルブと、セレクトハイ機能性の有無を問わずに1つのインテリジェントソフトウェア制御とを後付けすることだけが必要となる。そのために好適には、第1の制御装置のエレクトロニクスに不具合又は故障が検出されると、電気パーキングブレーキ信号を発生し、それによりパーキングブレーキバルブの動作制御が行うと共にバイパス信号をバイパスバルブに向けて伝送するようになっている、1つの相応のソフトウェアが、パーキングブレーキバルブ及びバイパスバルブの動作制御を行う第2の制御装置上に後付けされてもよく、そこではこれらの信号がいずれも、自動化方式により予め設定される車両目標減速度に依存しているか、又は第2の実施形態においては運転者減速度に依存している。第2の制御装置上のソフトウェアを利用して、例えば他にも車輪のロック及びバイパスバルブ又はパーキングブレーキバルブを監視することができることによって、冗長ケースにおいては第2の制御装置によりブレーキングの確実で高信頼度の制御を達成することができる。いずれにせよこのソフトウェアは、他にもバイパスバルブの内部に、又はそれとも第1若しくは第3の制御装置の内部に配置されたものであってもかまわない。
従って有利なことにも、簡単な手段により、且つ僅かな工数により、既存の電子制御されるエアブレーキシステムにおいて、少なくとも2つのフォールバックレベル、即ち電気空気圧方式によるフォールバックレベルと械空気圧方式によるフォールバックレベルとを構成することができる。
制御バルブは、例えば1つの3ポート2位置切換え弁を有している、比例制御を行うリレーバルブとして、又はアクスルモジュレータとして実施されており、その際にリレーバルブは、例えば第1のブレーキ系統を対象として前車軸に、またアクスルモジュレータは、第2のブレーキ系統を対象として、駆動軸である後車軸に備えられていてもよい。両方の制御バルブの動作制御は、電気的にも(通常運転)、また空気圧によっても(冗長ケース)行うことができ、そこでは電気による動作制御のために、それぞれの制御バルブの内部に1つのエレクトロニクスが備えられており、それにより制御信号介した電気的な予め設定を、出力されなければならない圧力に変換するようにしている。或いはその代わりに、両方の車両車軸にアクスルモジュレータを、例えば前車軸には1つの1チャンネルアクスルモジュレータを、後車軸には1つの2チャンネルアクスルモジュレータを、使用することもできる。両方の制御バルブにより、特に冗長ケースにおいては、例えばそれぞれのバイパスバルブから制御送出される、印加されている制御圧に比例して、ブレーキ圧力をそれぞれのブレーキ系統の車輪ブレーキに向けて制御送出することが可能となる。制御バルブをこのような仕様とすることによって、本発明に従ったエアブレーキシステムを、例えばEBSブレーキシステムとして構成することができる。
アンチロックコントロールが行われる電子制御可能なエアブレーキシステムを使用する場合は、制御バルブとして、有利なことにも、例えば組込み型の電気制御可能な3ポート2位置切換え弁を有している、電気によっても、また空気圧によっても動作制御可能なリレーバルブだけが備えられていることができる。それにより、アンチロックコントロールが行われるブレーキシステムにおいても、制御バルブの電子方式による動作制御に故障が生じた際には、制御弁の空気圧方式による動作制御を起用することによって、同じ長所を持つ本発明に従った冗長性を構成することができる。
このように本発明に従ったブレーキシステムを用いることによって、アンチロックコントロールの有無を問わず、電子制御されるエアブレーキシステムにおいて、いずれも電子方式により動作制御される制御バルブを利用して、特に電気空気圧方式によるフォールバックレベルと、機械空気圧方式によるフォールバックレベルとを構成することができ、それにより、第1の制御装置による制御バルブの電子方式による動作制御に失敗した場合には、車輪ブレーキにブレーキ圧力を供給し、それによって自動化方式によるブレーキングの際には、ブレーキスリップケースにおいても応答できるようにしている。場合によってはこの場合、ブレーキスリップケースを検出するための他の冗長センサが、車両内に備えられているようにしてもよい。
本発明に従ったエアブレーキシステムは、車軸が三本以上備えられている車両の車輪ブレーキの動作制御用として予定されたものであってもかまわず、例えばこのブレーキシステムは、3軸牽引車両を対象として予定されたものであってもよく、その場合は、追加の車両車軸用に更なるブレーキ系統が備えられていてもよい、又は既存のブレーキ系統が追加の車両車軸用にも使用される。追加のブレーキ系統の動作制御は、冗長ケースにおいては、例えば追加のバイパスバルブを介して、相応の方法で行われてもよい。
更に、トレーラ内のトレーラブレーキ系統についても同様の方法で電気によっても、また空気圧によっても制御を行うことができ、その場合は、ブレーキ要求が、例えばトレーラインタフェースを介して電子方式により、また、電子空気圧方式によるトレーラ制御バルブを介して空気圧方式により、トレーラに伝達されてもよい。それにより、トレーラブレーキ系統においても、冗長ケースにおいてはブレーキングをもたらすことができるようにするために、トレーラブレーキ系統に割り当てられた空気圧によるトレーラ制御圧を、トレーラ制御バルブにより、それに対応したブレーキ圧力に変換することができる。この場合は、トレーラ制御圧として、例えば車両のブレーキ系統の内の1つを対象とした制御圧、好適には前車軸のところの第1のブレーキ系統の制御圧が使用されてもよい。或いはその代わりに、トレーラ制御圧は、その他のブレーキ系統から独立した形で備えられるようにしてもよい。
以下では本発明を添付図面に基づき解説する。
電子制御されるエアブレーキシステム(EBS)を備えた車両を示すブロック線図である。 2つのバイパスバルブが備えられた電子制御されるエアブレーキシステムを備えた車両を示すブロック線図である。 電子制御されるエアブレーキシステムを備えた車両を示すブロック線図である。 二重に電子(2e)制御されるエアブレーキシステムを備えた車両を示すブロック線図である。 バイパスバルブの一実施形態を示す図である。 図4に示されるブレーキシステムにおいて採用されるバイパスバルブの一代替実施形態である。
図1に示される実施形態は、車輪5、6、7、8のところに車輪ブレーキ1、2、3、4を有している、電子制御される商用車200の内部のEBSエアブレーキシステム100に関するものである。これらの車輪ブレーキ1、2、3、4の動作制御は、図示の実施形態においては三つのブレーキ系統A、B、Cにおいて行われ、そこでは第1のブレーキ系統Aが前車軸VAの車輪5、6に設けられた車輪ブレーキ1、2に、また、第2及び第3のブレーキ系統B、Cが後車軸Hの車輪7、8に設けられた車輪ブレーキ3、4に関わるようになっている。
前車軸VAの車輪5、6のところには、第1のブレーキ系統Aの車輪ブレーキ1、2の上流側に、検出されたABSスリップケースに依存して、ブレーキ圧力p1、p2を閉ループ制御するための、従来型のABSブレーキバルブ9、10がそれぞれ配置されている。後車軸HAの駆動輪7、8のところには、この実施形態においては、車輪ブレーキ3、4の上流側に、公知であるように個々の車輪ブレーキ3、4に向けて制御送出されるブレーキ圧力p3、p4の閉ループ制御を電子方式及び空気圧方式により行うようになっており、またその際には後輪7、8におけるスリップケースにも同様に配慮できるようになっている、1つのアクスルモジュレータ11が、第2のブレーキ系統Bの内部に配置されている。
アクスルモジュレータ11及びABSブレーキバルブ9、10は、第1の制御装置110(ECU)を介して電子制御されるようになっている。しかしアクスルモジュレータ11とABSブレーキバルブ9、10のために、それぞれのバルブ9、10、11の動作制御を個別に行うようになっている、別体の制御装置を備えることもできる。
第1のブレーキ系統Aは、第1の制御バルブとして、リレーバルブ13を有しており、このリレーバルブ13は、空気圧方式仕様の第1のリレーバルブ制御入力14、電子式仕様の第2のリレーバルブ制御入力17、リレーバルブ作動ポート15、及びリレーバルブ圧縮空気ポート16を有している。これらのリレーバルブ作動ポート15は、圧縮空気ラインを介して、前車軸VAの両方の車輪ブレーキ1、2に接続されている。リレーバルブ圧縮空気ポート16は、リレーバルブ13を第1のブレーキ系統A用の第1の蓄圧器20Aと接続している。
このリレーバルブ13には、第1の制御装置110から出力されて、第1のブレーキバブデータライン32Aを介して伝達される、電子方式による動作制御に用いられるリレーバルブ制御信号SAを、第2のリレーバルブ制御入力17を介して引き渡すことができるようになっている。この電子的な予め設定SAは、例えばリレーバルブ13の内部に配置されるリレーバブエレクトロニクス150を介して行われてもよく、このリレーバブエレクトロニクス150によって、リレーバルブ13の内部に配置されるバルブ、例えば3ポート2位置切換え弁の動作制御が行われることによって、この電子的な予め設定SAに対応した圧力が発生されるようになっている。
リレーバルブ13には、空気圧方式による動作制御のために、第1のリレーバルブ制御入力14を介して、バイパスバルブ21から出力されるリレーバルブ制御圧pAが予め設定され、その際にこのリレーバルブ制御圧pAの予め設定は、この実施形態においては、バイパスバルブ21の位置に依存して、1つの操作装置、例えばエアブレーキバルブ24a、特にフットブレーキバルブによって、運転者が1つのブレーキペダルを人為的に操作することにより行われるか、又は、特にパーキングブレーキバルブ25を電子制御する第2の制御装置120により行われるかの、いずれかとなっている。
リレーバルブ13は、第1のリレーバルブ制御入力14に印加されるリレーバルブ制御圧pA、又は第2のリレーバルブ制御入力17に印加されるリレーバルブ制御信号SAに応じて、前車軸VAの車輪ブレーキ1、2に向けてブレーキ圧力p1、p2を制御送出し、その際にリレーバルブ13は、前車軸VAの車輪ブレーキ1、2に向けて、第1の蓄圧器20Aから、リレーバルブ制御圧pAに比例した圧縮空気を、又は予め設定されたリレーバルブ制御信号SAに依存した圧縮空気を、制御送出するようになっている。更に、このリレーバルブ13を介して、圧力低下のために、リレーバルブ制御圧pA又はリレーバルブ制御信号SAに依存して、前車軸VAの車輪ブレーキ1、2のエア抜きが、例えばリレーバブエア抜きポート18を介して行われてもよい。
第1の制御バルブの内部、即ちこのリレーバルブ13の内部には、冗長機能が組み込まれており、例えば第1の制御装置110による電子方式による動作制御に不具合又は故障が存在する場合には、この冗長機能を利用して、リレーバルブ制御信号SAを介する電気による動作制御から、リレーバルブ制御圧pAを介する空気圧による動作制御を自動的に起用できるようになっている。
第2のブレーキ系統Bのためには、第2の制御バルブとして、アクスルモジュレータ11、好適には1つの2チャンネルアクスルモジュレータが備えられており、これが互いから独立してブレーキ圧力p3、p4を空気圧方式により閉ループ制御し、それぞれの常用ブレーキ3、4に向けて出力するようになっている。そのために公知のように、アクスルモジュレータ圧縮空気ポート12aのところに用意される、第2の蓄圧器20Bからの作動空気圧が、相応の高さに比例制御されて、アクスルモジュレータ作動ポート12c又は12bに向けて制御送出され、そこでは第1のアクスルモジュレータ作動ポート12cが圧縮空気ラインを介して右後輪の車輪ブレーキ3に接続されており、また、第2のアクスルモジュレータ作動ポート12bが左後輪の車輪ブレーキ4に接続されている。アクスルモジュレータエア抜きポート12gを介してエアを抜くことによって、対応するブレーキ圧力p3又はp4を低減することができる。
後車軸HAにおける圧力上昇、圧力保持、又は圧力低下に関する予め設定については、アクスルモジュレータ11の内部のアクスルモジュレータ集積エレクトロニクス130により制御できるようになっており、そこではそのために、第1の制御装置110により、第2のブレーキバブデータライン32Bと第1のアクスルモジュレータ制御入力12eとを介して、例えば第3の制御装置140によって自動化方式により予め設定された車両目標減速度zSollを実行できるようにするために、又はABSブレーキスリップケースに応答できるようにするために、アクスルモジュレータ11から制御送出されなければならないブレーキ圧力p3、p4を決定付けるようになっている、アクスルモジュレータ制御信号SBが電子方式により予め設定される。
第2の制御バルブの内部、即ちアクスルモジュレータ11の内部には、第1の制御バルブの内部、即ちリレーバルブ13の内部とまた同様に、冗長機能が組み込まれており、これを利用して、アクスルモジュレータ制御信号SBを介する電気による動作制御から、第2のアクスルモジュレータ制御入力12fのところで支配的となっているブレーキバルブ/アクスルモジュレータ制御圧pB1介する空気圧による動作制御を自動的に起用できるようになっている。例えば、第1の制御装置110による電子方式による動作制御に、又は、アクスルモジュレータエレクトロニクス130の内部に、若しくは第1の制御装置110からアクスルモジュレータエレクトロニクス130にアクスルモジュレータ制御信号SBが伝達される際に、不具合又は故障があると判定された場合には、この冗長機能を使用することができる。従ってブレーキ圧力p3、p4は、電気的に予め設定されるアクスルモジュレータ制御信号SBに依存して出力されることはもはやなく、それよりも第2のアクスルモジュレータ制御入力12fのところで支配的となっている、この実施形態においてはエアブレーキバルブ24aにより予め設定されるブレーキバルブ/アクスルモジュレータ制御圧pB1に依存して、出力されることになる。
この際エアブレーキバルブ24aは、運転者によりブレーキペダルの操作を通じて予め設定される操作ストロークdsに比例制御して、ブレーキバルブ制御圧pA1、pB1を制御送出し、そこではこの操作又は操作ストロークdsを、例えば第1の制御装置110の内部で、以下では運転者減速度zFahrと呼ぶ減速度要求に換算できるようになっている。第1のブレーキ系統Aのためには、このエアブレーキバルブ24aから、第1の圧縮空気ライン22aを介して、ブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧pA1がバイパスバルブ21に向けて制御送出され、第2のブレーキ系統Bのためには、第3の圧縮空気ライン22cを介して、ブレーキバルブ/アクスルモジュレータ制御圧pB1がアクスルモジュレータ11に向けて制御送出される。リレーバルブ13には、運転者による操作が、リレーバルブ制御信号SAを介して、第1の制御装置110の内部で換算された運転者減速度zFahrの形で伝達されてもよい。アクスルモジュレータ11の動作制御も相応に、アクスルモジュレータ信号SBを介して伝達される運転者減速度zFahrを利用して、電気的に行われるようになっている。
電子制御されるパーキングブレーキバルブ25からは、第3のブレーキ系統Cに向けて、パーキングブレーキ信号S3を介して電子方式により予め設定される要求に依存して、パーキングブレーキバルブ制御圧pPBが制御送出され、そこではそのために、第4の圧縮空気ライン22d及び第5の圧縮空気ライン22eを介して、パーキングブレーキバルブ制御圧pPBがそれぞれ、後車軸HAの車輪ブレーキ3、4に向けて直接出力されるようになっている。この電子方式により予め設定される要求は、ここでは第2の制御装置120から、パーキングブレーキ信号S3を介して、パーキングブレーキデータライン33を介して電子方式によりパーキングブレーキバルブ25に伝送される。この場合は、この第2の制御装置120を、パーキングブレーキバルブ25の内部に組み込んでいることによって、この伝送も廃止できるようにし、第2の制御装置120が、パーキングブレーキ信号S3に依存して、パーキングブレーキバルブ25の制御を直接受け持つようにすると、好適である。この要求は、例えばパーキングブレーキ機能30によって運転者により予め設定されるパーキングブレーキ予め設定fPBを表すものであるか、又は冗長ケースにおいては第3の制御装置140から第2の制御装置120に向けて伝達される、車両目標減速度zSollであってもよく、それにより冗長ケースにおいてはこの車両目標減速度zSollを、最低でも部分的にパーキングブレーキバルブ25によっても、第3のブレーキ系統Cを介して実行できるようにしている。
前車軸VAの車輪ブレーキ1、2もまた、第2の制御装置120により予め設定される要求、特に自動化方式により予め設定される車両目標減速度zSollに依存して作動できるようにするために、第2の制御装置120からは同時に、バイパス信号ライン26を介して、この車両目標減速度zSollを表しているバイパス信号S4がバイパスバルブ21に向けて電子方式により伝達されるようになっている。
それにより図1の実施形態に従った冗長ケースにおいては、第1のブレーキ系統A内のリレーバルブ13のためのリレーバルブ制御圧pAを、第1のブレーキ系統Aに割り当てられているこのバイパスバルブ21から、次に示すように出力することができる。
このバイパスバルブ21は、第1の圧縮空気ライン22aを介してエアブレーキバルブ24aに空気圧接続され、バイパス信号ライン26を介してパーキングブレーキバルブ25を制御する第2の制御装置120に電気接続されている。このバイパスバルブ21は、所謂セレクトハイバルブ21jを有しており、また、リレーバルブ制御圧pAを制御送出し、このリレーバルブ制御圧pAが、車両目標減速度zSollを伝達する電気バイパス信号S4又は要求される運転者減速度zFahrにより特徴付けられるエアブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧pA1のいずれかを介して、それらを実行するように機能している。
そのためにバイパスバルブ21は、図5aに図示されるような仕様であってもよい。それによるとバイパスバルブ21は、バイパス圧縮空気ポート21aを有しており、バイパスバルブ21はこれを介して第1のブレーキ系統A用の第1の蓄圧器20Aにつなげられ、それを介して圧縮空気の供給を受けられるようになっている。
このバイパスバルブ21の内部のバイパスエレクトロニクス21dを介して、インレットバルブ21b及びアウトレットバルブ21cを利用した電気による動作制御が可能となっており、その際には第1のバイパス制御入力21eに印加されるバイパス信号S4、ひいては要求される車両目標減速度zSollに応じて、圧力上昇のためにはインレットバルブ21bが開かれ、若しくは圧力低下のためにはアウトレットバルブ21cが開かれ、又は圧力保持のためにはこれらのバルブ21b、21cが両方とも閉じられるようになっている。圧力低下の際には、バイパスエア抜きポート21fを介してエア抜きが行われる。このようにインレットバルブ21bとアウトレットバルブ21cとにより、車両目標減速度zSollの高さによって特徴付けされているバイパス制御圧pCの調整が行われるようになっている。バイパスバルブ21の空気圧による動作制御は、ブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧pA1を受け取るために利用される第2のバイパス制御入力21gを介して行うことができる。
バイパス制御圧pC及びブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧pA1は、バイパスバルブ21の内部のセレクトハイバルブ21jに向けて導かれ、そこからは、両方の制御圧pC、pA1の内の高い方だけが出力されるようになっている。この際セレクトハイバルブ21jは、例えばダブルチェックバルブとして実施されている。両方の制御圧pC、pA1の内の高い方は、引き続いてリレーバルブ制御圧pAとして、リレーバルブ13に接続されているバイパス出力21iに転送される。
リレーバルブ制御圧pA又はブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧pA1を、より短い経路で伝達できるようにするために、バイパスバルブ21は、リレーバルブ13の内部に、又は他にもエアブレーキバルブ24aの内部に、また直接配置されていてもかまわない。
後車軸HAの車輪7、8は、車輪ブレーキ3、4を介して、パーキングブレーキバルブ25により制御されて(第3のブレーキ系統C)、及び/又はエアブレーキバルブ24aにより制御されて(第2のブレーキ系統B)、制動することができ、そこでは制動が、パーキングブレーキバルブ25によっては直接、また、エアブレーキバルブ24aによってはアクスルモジュレータ11を介して、行われるようになっている。そのために後車軸HAの車輪ブレーキ3、4は、好適には、組み合わせ型常用ブレーキシリンダ兼スプリングブレーキアクチュエータとして実施されていてもよく、それにより後車軸HAの車輪7、8を、アクスルモジュレータ11から出力されるブレーキ圧力p3、p4を介して、及び/又はパーキングブレーキバルブ25により予め設定されるパーキングブレーキバルブ制御圧pPBを介して、制動することができる。
ブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧pA1及びブレーキバルブ/アクスルモジュレータ制御圧pB1を用意するために、エアブレーキバルブ24aは、それぞれのブレーキ系統A、Bのために圧縮空気を提供する蓄圧器20A、20Bに連結されている。パーキングブレーキバルブ25は、第3のブレーキ系統Cのためのパーキングブレーキバルブ制御圧pPBを予め設定できるようにするために、第3の蓄圧器20Cに接続されている。更に、トレーラ制御バルブ19が備えられており、これも同様に、第3の蓄圧器20Cを介して圧縮空気の供給を受け、ここには図示されていないトレーラの制動に利用されるようになっている。
この際、電子ブレーキシステム100の制御は、次のようにして行うことができる。
これは、図1に示されるように電子制御されるエアブレーキシステム100(EBSブレーキシステム)であるために、車両200が通常運転にある時には、リレーバルブ13及びアクスルモジュレータ11の動作制御が、第1の制御装置110により電気的に行われ、それは、リレーバルブ13に、第2のリレーバルブ制御入力17を介して、リレーバルブ制御信号SAが電気的に伝送されて、続いてそこからこれに対応したブレーキ圧力p1、p2が前車軸VAの車輪ブレーキ1、2に制御送出されることによる。アクスルモジュレータ11には、第1のアクスルモジュレータ制御入力12eを介して、アクスルモジュレータ制御信号SBが電気的に伝送され、続いてこの信号により、上述の実施形態に従って、後車軸HAの車輪ブレーキ3、4のところで、それに対応するブレーキ圧力p3、p4への調整が行われるようになっている。
リレーバルブ制御信号SA及びアクスルモジュレータ制御信号SBは、第1の制御装置110により、第1及び第2のブレーキバブデータライン32A、32Bを介して予め設定されると好適である。その際に第1の制御装置110は、これらの制御信号SA、SBを、第3の制御装置140により予め設定される車両目標減速度zSollに依存して算出するようになっており、その際にこの第3の制御装置140は、車両200を自動化方式により制御するように構成されている、閉ループ制御される電子コントロールシステムに割り当てられているか、又は他にも、運転者による人為的な操作を通じて、エアブレーキバルブ24aにより予め設定される、第1の制御装置110内で運転者減速度zFahrに換算されるようになっている、操作ストロークdsに依存して、算出するようになっているかのいずれかである。そのために第1の制御装置110は、この操作ストロークdsを伝達するエアブレーキバルブ24aの第1の操作信号S1Aから、及び/又は車両目標減速度zSollを伝達する第3の制御装置140の第1の要求信号S2Aから、第1のブレーキ系統Aのためのこれに対応したリレーバルブ制御信号SAと、第2のブレーキ系統Bのためのアクスルモジュレータ制御信号SBとを発生することによって、それに対応した減速度zSoll、zFahrをもたらすようになっている。
エレクトロニクスに故障が生じた際、即ち第1の操作信号S1A及び/若しくは第1の要求信号S2Aを第1の制御装置110により受信するのがもはや不可能となるか、又は第1の制御装置110によりリレーバルブ制御信号SA及び/若しくはアクスルモジュレータ制御信号SBを出力するのが不可能となるか、又はリレーバルブ制御信号SA及び/若しくはアクスルモジュレータ制御信号SBに誤りがあり、それによりリレーバルブ13及び/若しくはアクスルモジュレータ11の電子的な方法による動作制御をもはや高信頼度で行うことが不可能であるケースでは、それにもかかわらず車輪ブレーキ1、2、3、4の動作制御を行うことができるようにするために、フォールバックレベルが起用されるようになっている。
そのためには先ず、車輪ブレーキ1、2、3、4に向けてブレーキ圧力p1、p2、p3、p4を制御送出するために、リレーバルブ13又はアクスルモジュレータ11の動作制御が、印加されているリレーバルブ制御圧pA又はブレーキバルブ/アクスルモジュレータ制御圧pB1を介して、尚も空気圧方式だけによって行われるようになっている。従って、対応する制御バルブ11、13の動作制御のために、それぞれの制御バルブ11、13の電子制御入力17、12eから空気圧制御入力14、12fへの切換えが行われることになる。これは例えば、対応する制御バルブ11、13の内部の、相応のばねにより予荷重が加えられた冗長バルブにより行われ、それにより、エレクトロニクスに故障が生じた際には、電子方式による動作制御を空気圧方式による動作制御へと自動的に機械的に切り換えることができるようにしている。
冗長ケースにおいては車輪ブレーキ1、2、3、4によりどのようなブレーキ効果が断行されるのかは、特に起用されるのがどのフォールバックレベル又はどの冗長動作制御であるのかに依存して決まる。
冗長ケースにおいてエアブレーキバルブ24aが作動されない場合には、車輪ブレーキ1、2、3、4の動作制御は、第2の電子空気圧方式によるフォールバックレベルにおいて、第2の制御装置120により発生されるパーキングブレーキ信号S3及びバイパス信号S4だけに依存して行われる。そのために第3の制御装置140から、車両目標減速度zSollを伝達する要求信号S2が、第2の要求信号S2Bを介して、第2の制御装置120に伝達され、第2の制御装置120はそれに依存してパーキングブレーキ信号S3を発生し、それによりパーキングブレーキバルブ25を制御する。これに補足して、第2の制御装置120の内部で車両目標減速度zSollに依存してバイパス信号S4が発生され、バイパスバルブ21に向けて伝達される。この際に、第2の制御装置120は、監視信号S7を介して第1の制御装置110に、エレクトロニクスの内部に故障又は不具合が存在するかどうかを照会し、結果を受けて相応に応答できるようになっている。
パーキングブレーキバルブ25の内部では、パーキングブレーキ信号S3に依存して、パーキングブレーキバルブ制御圧pPBが、第4及び第5の圧縮空気ライン22d、22eを介して、後車軸HAの車輪ブレーキ3、4に向けて出力され、それによりブレーキングが直接実行されるようにしている。それに補足して、バイパス信号ライン26を介して、バイパス信号S4がバイパスバルブ21に向けて伝達される。エアブレーキバルブ24Aは作動されないので、ブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧pA1は略ゼロであり、その結果、バイパスバルブ21からは、車両目標減速度zSollに依存して予め設定されるバイパス制御圧pCが、リレーバルブ制御圧pAとして、リレーバルブ13に対して制御送出される。その結果としてリレーバルブ13から、このリレーバルブ制御圧pAに比例したブレーキ圧力p1、p2が、前車軸VAの車輪ブレーキ1、2に向けて制御送出されることによって、第2の制御装置120又は第3の制御装置140によって自動化方式により要求される車両目標減速度zSollをもたらしている。
この際には第1の制御装置110及び第2の制御装置120が、互いから電気的に切り離されて作動できるようになっており、そこでは第1の制御装置110用に第1の電気回路40Aが、第2の制御装置120用に第2の電気回路40Bが備えられている。第1のエネルギ供給部41Aを介して、第1及び第2の制御装置110、120にはエネルギを供給できるようになっており、また第2のエネルギ供給部41Bには、第2の制御装置120だけがつなげられていることによって、第1のエネルギ供給部41Aの内部に電子的な不具合を生じたケースでは、第2の電気回路40Bが第2の制御装置120と共に引き続いてその機能を冗長方式で遂行できるようになっている。
特に自動化運転においては、第1及び第2の制御装置110、120用に、第1又は第2の要求信号S2A、S2Bを介して、車両目標減速度zSollを予め設定するようになっている第3の制御装置140は、第1のエネルギ供給部41Aにも、また第2のエネルギ供給部41Bにも接続されているために、第1の電気回路40Aの故障の際又は第2の電気回路40Bの故障の際には、いずれのケースにおいても、第3の制御装置140にエネルギを供給できるようになっている。例えばバスシステム、特にCANバスとして実施されているそれぞれのデータライン32A、32B、33、26は、それぞれの制御装置110、120に割り当てられている回路40A、40B内に配設されているために、不具合が生じた際にも、データの伝達は確保されていることになる。
冗長ケースにおいて、例えば非常ブレーキの状況において、例えば運転者による機械的な操作を通じて、又は電子制御によるブレーキペダルの機械的な作動を介して、エアブレーキバルブ24aが同時に作動されている場合には、ブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧pA1の方が高いのか、それとも車両目標減速度zSollにより決定されるバイパス制御圧pCの方が高いのか、即ちブレーキペダルの操作により予め設定される減速度zFahrの方が高いのか、それとも自動化予め設定により予め設定される減速度zSollの方が高いのかが、前車軸VAの車輪ブレーキ1、2にとって決定的に重要となる。それに応じて、前車軸VAの車輪ブレーキ1、2用のブレーキ圧力p1、p2は、リレーバルブ13によって、第2の制御装置120による予め設定に依存して、又はエアブレーキバルブ24aの予め設定に依存して、制御送出されるようになっている。
エアブレーキバルブ24aが作動される際には、それと同時にアクスルモジュレータ11の動作制御も行われ、またそれを介して、これに比例したブレーキ圧力p3、p4が後車軸HAの車輪ブレーキ3、4に向けて出力される。更に、パーキングブレーキバルブ25によっても、車両目標減速度zSollに依存しているパーキングブレーキバルブ制御圧pPBを利用して、後車軸HAの車輪ブレーキ3、4の動作制御が行われることによって、後輪車輪ブレーキ3、4の仕様に応じて、例えば組み合わせ型常用ブレーキシリンダ兼スプリングブレーキアクチュエータを用いて、それぞれの車輪ブレーキ3、4において、制動力へのブレーキ圧力の加算p3+pPB又はp4+pPBが行われるようになっている。
従ってリレーバルブ13及び/若しくはアクスルモジュレータ11のエレクトロニクス内に、又は信号リンクに、故障又は不具合、例えばCANエラーを生じている際には、第2の制御装置120によりパーキングブレーキバルブ25又はバイパスバルブ21を介して、後輪車輪ブレーキ3、4及び前輪車輪ブレーキ1、2を制御しながら作動させることができるようにすることによって、第2又は第3の制御装置120、140によって電子方式により予め設定される車両目標減速度zSollを、第1の制御装置110により、又は第1の制御装置110に対して、断行することができる。追加的に、運転者が、例えば非常ブレーキの状況においてブレーキペダルを操作することによって、ブレーキ希望を予め設定している場合には、この実施形態においては、このブレーキ要求の方が高いケースでは、最低でも前車軸VAにおいては、電子方式によるブレーキ要求がオーバーライド制御されるようになっている。
それに補足して図2に従って、作動方式が第1のバイパスバルブ21に類似している第2のバイパスバルブ23が備えられていてもよい。それによりアクスルモジュレータ11に向けたアクスルモジュレータ制御圧pBは、この第2のバイパスバルブ23により予め設定されることになり、その際にこのアクスルモジュレータ制御圧pBは、バイパス信号S4により予め設定される車両目標減速度zSollに依存するか、又はブレーキバルブ/アクスルモジュレータ制御圧pB1に依存するかのいずれかで、どちらによって予め設定された減速度zSoll、zFahrの方が高いのかに応じて、制御送出されるようになっている。それによりアクスルモジュレータ11を介しても、第2の制御装置120により予め設定される車両目標減速度zSollを、後輪車輪ブレーキ3、4に向けて制御送出することができるようにしている。それにより、冗長ケースにおける制動力配分を更に改善し、ブレーキ効果を更に向上することができる。
或いはその代わりに、図3に図示されるように、ブレーキシステム100は、全4輪5、6、7、8においてブレーキスリップを検出し、それに応答できるようにするために、両方の車両車軸VA、HAに、ABSブレーキバルブ9、10及び車輪スピードセンサ35をそれぞれ有している、電子制御されるエアブレーキシステム100として実施されていてもかまわない。これらの車輪ブレーキ1、2、3、4のところには、制御バルブ11、13を介して、それぞれ1つのブレーキ圧力p1、p2、p3、p4が用意されるが、そこでは、車輪スピードセンサ35に依存してブレーキスリップケースが検出されると、ABSブレーキバルブ9、10により、このブレーキ圧力p1、p2、p3、p4を保持又は低下できるようになっている。両方の制御バルブ11、13は、この実施形態においてはいずれも、3ポート2位置切換え弁を1つずつ備えたリレーバルブとして実施されているために、リレーバルブ電子制御入力17を介しての電子方式による動作制御も、またリレーバルブ空気圧制御入力14を介しての空気圧方式による動作制御も可能となる。
リレーバルブ空気圧制御入力14は、ここでは、存在している制御信号SA、SBに応じて、それに対応した圧力がリレーバルブ11、13の内部に入ることを許容する、1つの3ポート2位置切換え弁として実施されている。これらの制御信号SA、SB介した制御バルブ11、13の動作制御がもはや不可能となる場合は、図1及び図2のブレーキシステム100に対応して、リレーバルブ空気圧制御入力14のところで、空気圧方式による制御圧pA及び場合によってはpBが調整されるようになっている。
図4においては、操作装置として、1つのエアブレーキバルブ24aの代わりに、1つの電気方式による操作装置24bが備えられているが、これは、運転者によるブレーキペダルの操作によって予め設定される操作ストロークdsに依存して、電気要求信号S1A、S1Bだけを発生するようになっている。従ってこの実施形態においては、操作装置24bによる制御圧の空気圧方式による制御送出が省略されている。第1の要求信号S1Aは第1の制御装置110に向けて伝送され、これがそこから運転者減速度zFahrを計算し、それを介して、それぞれのブレーキ系統A、B用にそれに対応した制御信号SA、SBを予め設定する。制御バルブ11、13の動作制御は、これを介して電気的に行われる。
第1の制御装置110内のエレクトロニクスに故障が生じた際には、冗長ケースにおいて、第2の制御装置120によるブレーキ要求が冗長方式で予め設定され、その際にこの予め設定は、自動化方式により予め設定される車両目標減速度zSollに依存して行われるか、又は第2の制御装置120内で計算される、操作ストロークdsから求められる運転者減速度zFahrに依存して行われるか、のいずれかとなっている。操作又は操作ストロークdsは、ここでは第2の要求信号S1Bを介して、電気方式による操作装置24bから第2の制御装置120に伝達され、そこから運転者減速度zFahrが算出される。第2の制御装置120は、続いて、この運転者減速度zFahrの方が大きいのか、それとも車両目標減速度zSollの方が大きいのかを検査する。両方の減速度zSoll、zFahrの内、高い方が、バイパス信号S4を介してバイパスバルブ21に向けて、また、パーキングブレーキ信号S3を介してパーキングブレーキバルブ25に向けて、電子伝送され、そこから続いて、それに対応している第1のブレーキ系統A用のリレーバルブ制御圧pA、又は第3のブレーキ系統C用のパーキングブレーキ制御圧pPBが制御送出される。
この実施形態用のバイパスバルブ21は、どちらの減速度zFahr、zSollの方が高いのかについて、既に第2の制御装置120内で決定が下されているので、図5bに示されるように、図5aの実施形態とは異なり、セレクトハイバルブ21jを有していない。更に、空気圧入力21gが存在していない。従って備えられるのは1つのインレットバルブ21bと1つのアウトレットバルブ21cだけであり、これらは、印加されるバイパス信号S4に応じて、バイパスエレクトロニクス21dにより制御されてバイパス制御圧pCを発生し、これが続いてリレーバルブ制御圧pAとしてバイパス出力21iに向けて出力されるようになっている。
従って図4において提案されるのは、自動化運転のために第3の制御装置140からも、また電気方式による操作装置24bからも、電気による予め設定zSoll、dsを受け取り、これが続いて車輪ブレーキ1、2、3、4によって電気空気圧方式により実行されるようになっている、二重に電子制御されるブレーキシステムである。
全ての実施形態において、更に、トレーラ制御バルブ19が備えられ、これから印加されているトレーラ制御圧pTを出力できるようにすることによって、トレーラの車輪ブレーキについても、冗長ケースにおいて動作制御を行うことができるようにしている。この際トレーラ制御圧pTは、冗長ケースにおいて、例えば第1のブレーキ系統A内で制御送出されるリレーバルブ制御圧pAによって予め設定されるようになっている。
冗長ケースが存在していない場合には、トレーラの動作制御は、停止状態においてはパーキングブレーキバルブ25を介して行われ、その際に動作制御は、例えば停止状態にある時の運転者によるパーキングブレーキ機能30の起動を通じてのパーキングブレーキ予め設定fPBに依存して、予め設定される。車両200が停止状態にある時にパーキングブレーキ機能30が起動されるケースでは、パーキングブレーキバルブ制御圧pPBが第4及び第5の圧縮空気ライン22d、22eを介して同様に車両200の後車軸HAのところの車輪ブレーキ3、4に供給されることによって、駐車状況にある時には、車両200及びトレーラの確実な停車を保証することができる。第2の制御装置120は、このケースでは、パーキングブレーキバルブ25に向けてブレーキ要求だけを出力するために、運転者により予め設定されたパーキングブレーキ機能だけが、後車軸HAに及び場合によってはトレーラ制御バルブ19を介してトレーラに作用することになる。
それに補足して、自動化走行運転においても、第3の制御装置140により、オートマチック信号S6が第2の制御装置120に向けて伝送され、続いてこの第2の制御装置120が、特にパーキングブレーキバルブ25を介して車両200を停止状態に保持することによって、車両200を止めておくためにパーキングブレーキ機能を実行することができ、それにより駐車状況にある時には、車両200を自動化方式により防護できるようにしている。バイパス信号S4を相応に生成することによって、停止状態においても、また、冗長ケースが存在しなくても、また前車軸VAの車輪ブレーキ1、2を利用して、自動化方式によるパーキングブレーキの作動を断行することができる。
1 車輪ブレーキ
2 車輪ブレーキ
3 車輪ブレーキ
4 車輪ブレーキ
5 商用車200の車輪
6 商用車200の車輪
7 商用車200の車輪
8 商用車200の車輪
9 ABSブレーキバルブ
10 ABSブレーキバルブ
11 第2制御バルブ/アクスルモジュレータ
12a アクスルモジュレータ圧縮空気ポート
12b アクスルモジュレータ作動ポート
12c アクスルモジュレータ作動ポート
12e 第1アクスルモジュレータ制御入力(電気方式)
12f 第2アクスルモジュレータ制御入力(空気圧方式)
12g アクスルモジュレータエア抜きポート
13 第1制御バルブ/リレーバルブ
14 第1リレーバルブ制御入力(空気圧方式)
15 リレーバルブ作動ポート
16 リレーバルブ圧縮空気ポート
17 第2リレーバルブ制御入力(電気方式)
18 リレーバブエア抜きポート
19 トレーラ制御バルブ
20A 第1蓄圧器
20B 第2蓄圧器
20C 第3蓄圧器
21 (第1)バイパスバルブ
21a バイパス圧縮空気ポート
21b インレットバルブ
21c アウトレットバルブ
21d バイパスエレクトロニクス
21e 第1バイパス制御入力
21f バイパスエア抜きポート
21g 第2バイパス制御入力
21h バイパス圧力センサ
21i バイパス出力
21j セレクトハイバルブ
22a 第1圧縮空気ライン
22c 第3圧縮空気ライン
22d 第4圧縮空気ライン
22e 第5圧縮空気ライン
23 第2バイパスバルブ
24a 空気圧方式による操作装置(ブレーキバルブ)
24b 電気方式による操作装置
25 パーキングブレーキバルブ
26 バイパス信号ライン
30 パーキングブレーキ機能(運転者)
32A 制御バルブデータライン
32B 制御バルブデータライン
33 パーキングブレーキ制御ライン
35 車輪スピードセンサ
40A 電気回路
40B 電気回路
41A エネルギ供給部
41B エネルギ供給部
100 電気制御されるエアブレーキシステム
110 第1制御装置
120 第2制御装置
130 アクスルモジュレータエレクトロニクス
140 第3制御装置
150 リレーバブエレクトロニクス
200 商用車
A 第1ブレーキ系統
B 第2ブレーキ系統
C 第3ブレーキ系統(パーキングブレーキ系統)
ds 操作ストローク
fPB パーキングブレーキ予め設定
HA 後車軸
p1 車輪ブレーキ1のところのブレーキ圧力
p2 車輪ブレーキ2のところのブレーキ圧力
p3 車輪ブレーキ3のところのブレーキ圧力
p4 車輪ブレーキ4のところのブレーキ圧力
pA リレーバルブ制御圧
pA1 ブレーキバルブ/リレーバルブ制御圧
pB アクスルモジュレータ制御圧
pB1 ブレーキバルブ/アクスルモジュレータ制御圧
pC バイパス制御圧
pPB パーキングブレーキバルブ制御圧
pT トレーラ制御圧
S1A 第1作動信号(ds)
S1B 第2作動信号(ds)
S2A 第1要求信号(zSoll)
S2B 第2要求信号(zSoll)
S3 パーキングブレーキ信号
S4 バイパス信号
S5 運転者信号
S6 オートマチック信号
S7 監視信号
SA リレーバルブ制御信号
SB アクスルモジュレータ制御信号
VA 前車軸
zSoll 車両目標減速度
zFahr 運転者減速度

Claims (20)

  1. 少なくとも2つのブレーキ系統(A、B、C)と第1の制御装置(110)と第2の制御装置(120)とを有する電子制御可能なエアブレーキシステム(100)であって、
    それぞれの前記ブレーキ系統(A、B、C)の車輪ブレーキ(1、2、3、4)を制御するために複数のブレーキ圧力(p1、p2、p3、p4、pPB)を予め設定するように、電気式に且つ空気圧式に制御可能な制御バルブ(11、13)が、前記少なくとも2つのブレーキ系統(A、B、C)のうちの少なくとも1つのブレーキ系統に割り当てられていて、電気式に制御可能なパーキングブレーキバルブ(25)が、前記少なくとも2つのブレーキ系統(A、B、C)のうちのその他の1つのブレーキ系統に割り当てられていて、
    自動的に要求される車両目標減速度(zSoll)又は運転者によって予め設定されている操作装置(24a、24b)による操作(ds)に依存して、それぞれの前記制御バルブ(11、13)を電気制御するように、前記第1の制御装置(110)は構成されていて、
    電子空気圧式に制御される冗長性を構成するため、それぞれの前記制御バルブ(11、13)の電気制御が妨害されているときに、前記自動的に要求される車両目標減速度(zSoll)に依存して、前記パーキングブレーキバルブ(25)を電気制御するように、前記第2の制御装置(120)は構成されている当該電子制御可能なエアブレーキシステム(100)において、
    制御バルブ(11、13)に割り当てられた少なくとも1つのバイパスバルブ(21、23)がさらに設けられていて、当該割り当てられた制御バルブ(11、13)を空気圧(pA、pB)によって制御するように、当該バイパスバルブ(21、23)は構成されていて、
    前記電子空気圧方式に制御される冗長性を拡張するため、それぞれの前記制御バルブ(11、13)の電気制御が妨害されているときに、前記自動的に要求される車両目標減速度(zSoll)に依存して、又は前記運転者によって予め設定されている前記操作装置(24a、24b)の操作(ds)に依存して、前記空気圧(pA、pB)による制御が実行されることを特徴とする電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  2. 前記バイパスバルブ(21、23)に割り当てられた前記制御バルブ(11、13)が、前記第1の制御装置(110)から電気制御信号(SA、SB)を受け取るための電気制御入力部(12e、17)と、それぞれ割り当てられた前記バイパスバルブ(21、23)によって予め設定されている制御圧力(pA、pB)を受け取るための空気圧制御入力部(12f、14)とを有し、
    前記電気制御信号(SA、SB)に依存して、又はそれぞれの前記制御バルブ(11、13)の電気制御が妨害されているときは、割り当てられた前記バイパスバルブ(21、23)によって予め設定されている前記制御圧力(pA、pB)に依存して、それぞれの前記ブレーキ系統(A、B)の前記車輪ブレーキ(1、2、3、4)に対する前記ブレーキ圧力(p1、p2、p3、p4)が、それぞれの前記制御バルブ(11、13)によって制御送出可能であることを特徴とする請求項1に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  3. 前記操作装置は、エアブレーキバルブ(24)として構成されていて、運転者による前記ブレーキバルブ(24a)の操作を通じて予め設定されている操作ストローク(ds)に依存して、ブレーキバルブ制御圧力(pA1、pB1)を前記バイパスバルブ(21、23)に伝送し、第1の操作信号(S1A)を前記第1の制御装置(110)に伝送するように、前記エアブレーキバルブ(24)は構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  4. 前記ブレーキバルブ制御圧力(pA1、pB1)、又は前記第2の制御装置(120)によって提供された、前記車両目標減速度(zSoll)を伝送するバイパス信号(S4)を前記バイパスバルブ(21、23)に伝送するために、前記ブレーキバルブ(24a)が、圧縮空気ライン(22a、22b)を通じてそれぞれの前記制御バルブ(11、13)に割り当てられた前記バイパスバルブ(21、23)に空気圧式に接続されていて、前記第2の制御装置(120)が、バイパス信号ライン(26)を通じてそれぞれの前記制御バルブ(11、13)に割り当てられた前記バイパスバルブ(21、23)に電気式に接続されていて、
    前記バイパスバルブ(21、23)は、前記バイパス信号(S4)によって伝送される前記車両目標減速度(zSoll)に依存するバイパス制御圧力(pC)を生成するように構成されていて、
    2つの前記制御圧力(pA1、pB1、pC)のうちのどちらの制御圧力がより高いかに応じて、前記ブレーキバルブ制御圧力(pA1、pB1)又は前記バイパス制御圧力(pC)に相当する制御圧力(pA、pB)が、前記バイパスバルブ(21、23)によって、それぞれ割り当てられた前記制御バルブ(11、13)に対して制御送出可能であることを特徴とする請求項3に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  5. 少なくとも1つの前記バイパスバルブ(21、23)は、前記2つの制御圧力(pA1、pB1、pC)のうちのより高い制御圧力を選択するためにセレクトハイバルブ(21j)を有することを特徴とする請求項4に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  6. 前記バイパスバルブ(21、23)は、前記ブレーキバルブ(24a)内に組み込まれていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  7. 前記バイパスバルブ(21、23)は、それぞれの前記ブレーキ系統(A、B)のそれぞれ割り当てられた前記制御バルブ(11、13)内に組み込まれていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  8. 前記操作装置は、電気式の操作装置(24b)として構成されていて、この電気式の操作装置(24b)は、前記運転者による操作ストローク(ds)を通じて予め設定されている前記運転者による操作に依存して、第1の電気操作信号(S1A)と第2の電気操作信号(S1B)とを生成するように構成されていて、
    前記第1の操作信号(S1A)は、前記第1の制御装置(110)に伝送可能であることを特徴とする請求項1、2及び4のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  9. 前記第2の操作信号(S1B)を前記第2の制御装置(120)に電気式に伝送するため、前記電気式の操作装置(24b)が、前記第2の制御装置(120)に接続されていて、
    前記第2の制御装置(120)は、前記第2の作動信号(S1B)によって伝送される前記運転者の前記操作(ds)を運転者減速度(zFahr)に換算するように構成されていて、
    どちらの減速度(zSoll、zFahr)がより大きいかに応じて、前記第2の制御装置(120)によって提供された前記車両目標減速度(zSoll)又は前記運転者減速度(zFahr)を前記バイパスバルブ(21、23)に電気式に伝送するため、前記第2の制御装置(120)が、バイパス信号ライン(26)通じてそれぞれの前記制御バルブ(11、13)に割り当てられた前記バイパスバルブ(21、23)に電気式に接続されていて、
    前記バイパスバルブ(21、23)が、バイパス制御圧力(pC)を生成するように構成されていて、このバイパス制御圧力(pC)は、前記バイパス信号(S4)によって伝送される前記車両目標減速度(zSoll)又は前記運転者減速度(zFahr)に依存し、このバイパス制御圧力(pC)は、制御圧力(pA、pB)として前記バイパスバルブ(21、23)からそれぞれ割り当てられた前記制御バルブ(11、13)に対して制御送出可能であることを特徴とする請求項4を引用する請求項8に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  10. 前記エアブレーキシステム(100)は、三系統ブレーキシステム(100)として構成されていて、
    それぞれ1つの制御バルブ(11、13)が、第1のブレーキ系統(A)及び第2のブレーキ系統(B)に割り当てられていて、前記パーキングブレーキバルブ(25)が、第3のブレーキ系統(C)に割り当てられていて、
    前記第1のブレーキ系統(A)が、前車軸(VA)の車輪ブレーキ(1、2)を制御し、前記第2及び前記第3のブレーキ系統(B、C)が、駆動される後車軸(HA)の車輪ブレーキ(3、4)を制御し、バイパスバルブ(21)が、前記第1のブレーキ系統(A)に割り当てられた前記制御バルブ(11)だけに割り当てられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  11. 少なくとも1つの前記制御バルブ(11、13)は、リレーバルブ(11、13)として又はアクスルモジュレータ(11)として構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  12. 自動的に予め設定されている前記車両目標減速度(zSoll)は、第3の制御装置(140)によって予め設定可能であり、
    前記第3の制御装置(140)は、前記車両(200)を自動制御するように構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  13. 前記第2の制御装置(120)は、さらにパーキングブレーキ機能(30)によって制御可能であり、
    前記パーキングブレーキ機能(30)は、前記車両(200)が停止状態中に起動可能であり、起動時に、前記車両(200)を駐車位置に保持するため、パーキングブレーキバルブ制御圧力(pPB)が、前記車両(200)の前記パーキングブレーキバルブに割り当てられたブレーキ系統(C)の車輪ブレーキ(3、4)に対して制御送出可能であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  14. 前記ブレーキ系統(C)は、後車軸(HA)を制動する第3のブレーキ系統(C)であることを特徴とする請求項13に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  15. トレーラ制御圧力(pT)によって制御可能であるトレーラ制御バルブ(19)がさらに設けられていて、
    トレーラのための電気空気圧式の冗長性を構成するため、ブレーキ系統(A、B、C)に供給され、前記バイパスバルブ(21)から出力される制御バルブ制御圧力(pA)が、トレーラ制御圧力(pT)として前記トレーラ制御バルブ(19)に対して制御可能であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  16. 複数の前記制御装置(110、120)を電気的に分離するため、前記第1の制御装置(110)から独立した第2のエネルギ供給部(41B)が、前記第2の制御装置(120)に割り当てられていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のエアブレーキシステム(100)を電子制御するための方法において、
    当該方法は、少なくとも以下の、
    故障又は不具合が、少なくとも1つの前記ブレーキ系統(A、B)の制御バルブ(11、13)の電子制御部に存在するか否かを認識するステップと、
    それぞれの前記制御バルブ(11、13)の電気式の制御が妨害されているときに、パーキングブレーキバルブ(25)及び少なくとも1つのバイパスバルブ(21、23)を第2の制御装置(120)によって制御し、このときに、前記パーキングブレーキバルブ(25)が、パーキングブレーキバルブ制御圧力(pPB)を第3のブレーキ系統(C)に出力し、自動的に要求された車両目標減速度(zSoll)に依存して、又は運転者によって予め設定されている操作装置(24a、24b)の操作(ds)に依存して、少なくとも1つの別のブレーキ系統(A、B)内の少なくとも1つの前記制御バルブ(11、13)が、前記少なくとも1つのバイパスバルブ(21、23)によって空気圧式に制御される(pA、pB)ステップを有する、当該方法。
  18. 故障又は不具合が、少なくとも1つの前記ブレーキ系統(A、B)の制御バルブ(11、13)の電子制御部に存在するか否かを認識するステップにおいて、前記第1の制御装置(110)の不具合が存在するか否かを認識することを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 求項17又は18に記載の方法を実行するために適した請求項1〜16のいずれか1項に記載の電子制御可能なエアブレーキシステム(100)を有する車両(200)。
  20. 車両(200)は、商用車(200)であることを特徴とする請求項19に記載の車両(200)。
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