JP2004337942A - 被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システム - Google Patents
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Abstract
【課題】被溶接物を固定している治具や、台車の駒に溶接用ロボットが干渉しないように高度の長時間のティーチング作業を行う必要があった。
【解決手段】溶接用ロボットを使用する溶接システムは、被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の姿勢で位置決めすることができ、その被溶接物の溶接部位に対して一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】溶接用ロボットを使用する溶接システムは、被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の姿勢で位置決めすることができ、その被溶接物の溶接部位に対して一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被溶接物保持ロボット(以下マテハンロボット=マテリアルハンドリングロボット)及び溶接用ロボットの組み合わせ使用により、部品の溶接や組立てを行う溶接システムに関する。詳細には自動車製造工程における溶接工程に関し、特に多車種の同部位に取り付けるサブアッシー部品(sub−assy=sub−assembly)(以下S/A部品という)の部品組立工程におけるS/A部品溶接システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車製造工程においては、車種毎の企画台数に合わせて、車種毎にそれぞれの製造工程を設定するため複数の生産スペースが必要になり、溶接工程においても、それぞれに設備投資が必要であった。
【0003】
従来の自動車製造工程では、生産指示は1系統のため同一車種の仕様態様に従ってそれぞれの車種毎の生産スペースで、その車種のS/A部品を含む部品を順序立てて組み立て、一定の生産量を生産していた。そして異なる車種の生産に変更する場合は、その車種の仕様態様に従い別の生産スペースにおいてS/A部品の組み立てを行っていた。
【0004】
そして、従来は、溶接用ロボットによって溶接される被溶接部である部品、特に自動車用部品の溶接組立て工程においては、その被溶接物を車種毎に異なる特定の治具や、台車の駒に固定して、その被溶接物が固定されている場所に溶接用ロボットが移動していき、スポット溶接や、アーク溶接を行っていた。
【0005】
また、溶接用ロボット(スポットガンロボット)が固定されており。被溶接物を様々な姿勢にして溶接する溶接方法は従来行われていた。
【0006】
【この発明が解決しようとする課題】
しかし、溶接用ロボットは、スポット溶接でもアーク溶接でも被溶接物に対して上下、左右というように対向方向から同時に挟み込んで接触する必要があったが、従来のように被溶接物が固定されている治具や、台車の駒の場所において溶接用ロボットが溶接する場合、台車自体や固定用治具に付随するコードなどが邪魔になることが多かった。そのため、溶接用ロボットのスポットガンが被溶接物を固定している治具や、台車の駒に干渉しないように溶接用ロボットに作業のティーチングを行う必要があった。
【0007】
そして、この干渉を避けるために溶接用ロボットにティーチングを行う作業は、様々な作業姿勢をインプットして記憶させる必要があり、高度に難しい作業であるため長時間の作業時間が必要とされていた。
【0008】
また、前記干渉を避けたり、溶接用ロボットの作業姿勢限界を避けるため、作業工程数が増えてしまい、その作業工程の増加により、溶接用ロボット、治具及び工程間の搬送機の数も増えてしまい、これらの整備のため多くの費用が掛かり、更に、工程数が増えるため工程スペースも増やす必要があるなどの課題があった。
【0009】
更に、自動車製造工程のように、同一スペースで異なる車種の生産に変更する場合は、その車種の仕様態様に従い、異なる治具や台車の駒などの切り替えが必要となり、そのたび毎に、溶接用ロボットに前記のような高度なティーチング作業を新たに行う必要があり、高額な費用が掛かってしまう課題があった。
【0010】
更にまた、複雑な治具や駒付きの台車に対して、溶接用ロボットが作業姿勢をとる場合、溶接用ロボットのスポットガン等に供給している電気、エア、冷却水などの配管やケーブルに捩れや擦れ切れなどが発生しやすくなり、トラブルの原因になるという課題があった。
【0011】
【課題を解決する為の手段】
この課題を解決する為に、被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の姿勢で位置決めすることができ、その被溶接物の溶接部位に対して、一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行うことを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システムを提案する。
【0012】
また、被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の複数の姿勢で位置決めすることができ、被溶接物の溶接部位に対して、複数の姿勢毎に一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行うことを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システムを提案する。
【0013】
更に、被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の姿勢で位置決めすることができ、その被溶接物の溶接部位に対して、一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行う工程と、その被溶接物を被溶接物保持ロボットが保持していた位置の下方に配置された搬送機あるいは治具に固定させて、他の溶接部位に対する溶接を溶接用ロボットによって行う工程を有することを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システムを提案する。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の1つの実施形態である溶接用ロボットを使用する溶接システムについて、自動車部品組立工程中のボディS/Aアンダーリヤラインにおけるマテハンロボット及び溶接用ロボットであるスポットガンロボットの作業状態を示す平面説明図を示す図1、及びマテハンロボットが部品(被溶接物)を保持し、スポットガンロボットが溶接作業をする正面説明図である図2に基づいて説明する。
【0015】
図1において、1は溶接用ロボットであるスポットガンロボット、2は被溶接物保持ロボットであるマテハンロボット(マテリアルハンドリングロボット)である。図1の実施例に示す溶接工程において、スポットガンロボット1は6台、マテハンロボット2は3台からなる。3は、治具ストッカー(マテハンストッカー)であり、4は、スポットガン用のガンラックである。
【0016】
被溶接物である自動車用部品5は、車種毎に異なるが予め決められた車種及び数量で順次搬送されてくる。その異なる自動車用部品5に従って予め決められて設定されて入力されたプログラム信号により、マテハンロボット2は、搬送された自動車用部品5に対応した治具30を治具ストッカー3から選択して装着し、その自動車部品5に対応する治具30によって自動車用部品5の中央部を保持する。
【0017】
次に予め決められて設定され入力されたプログラム信号により、マテハンロボット2は任意の予め決められた位置に移動し停止するとともに、自動車部品5の溶接部位を、スポットガンロボット1のスポットガン(溶接器)10が溶接作業可能な上下に十分の空間を有する高さの任意の姿勢で位置決めする。図2に示すようにスポットガン10は、自動車部品5の溶接部位に上下から溶接作業が行いうる十分の空間を有しており、スポットガンロボット1により空中で複数の溶接を行う。この実施例では自動車用部品5が位置する高さは、地上から1500〜2000mm程度であるが、スポットガンロボット1のスポットガン10が溶接作業可能な十分な上下空間が空いている高さであればよい。
【0018】
それぞれのスポットガンロボット1は移動可能であり、スポットガン用のガンラック4において予め設定された車種や部位に対して、その自動車用部品5に対応したスポットガン10を選択して装着する。次にマテハンロボット2の停止した位置付近まで移動し保持される自動車用部品5の溶接部位を上下から挟み込むようにして溶接する。1のスポットガンロボット1が行う溶接は、一乃至複数の部位行うことが可能である。
【0019】
また、1のマテハンロボット2が自動車用部品5を保持する任意の姿勢は、その自動車用部品5の形状や大きさによって複数の姿勢に変更して停止することが可能である。
【0020】
1の自動車用部品5は、1台のマテハンロボット2によって保持され、予め定められた溶接部位を、この実施例では3台のスポットガンロボット1によって溶接された後、順次直接あるいは搬送機によって隣接するマテハンロボット2に渡され移動する。自動車用部品5を受け取るマテハンロボット2も、同様に予め決められて設定され入力されたプログラム信号により、任意の予め決められた位置に移動し停止するとともに、自動車部品5の溶接部位を、スポットガンロボット1の溶接器10が溶接作業可能な上下に十分の空間を有する高さの任意の姿勢で位置決めする。図2に示す実施例では、同様に3台目のマテハンロボット2と、2台のスポットガンロボット1により他の溶接部位の溶接を行い、この溶接工程の溶接を完了する。
【0021】
次に、この発明の他の実施形態について説明する。被溶接物である自動車用部品5は、車種毎に異なるが予め決められた車種及び数量で順次搬送されてくる。その異なる自動車用部品5に従って予め決められて設定されて入力されたプログラム信号により、マテハンロボット2は、搬送された自動車用部品5に対応した治具30を治具ストッカー3から選択して装着し、その自動車部品5に対応する治具30によって自動車用部品5の中央部を保持する。
【0022】
次に予め決められて設定され入力されたプログラム信号により、マテハンロボット2は任意の予め決められた位置に移動し停止するとともに、自動車部品5の溶接部位を、スポットガンロボット1の溶接器10が溶接作業可能な上下に十分の空間を有する高さの任意の姿勢で位置決めする。図2に示すように溶接器10は、自動車部品5の溶接部位に上下から溶接作業が行いうる十分の空間を有しており、スポットガンロボット1により空中で複数の溶接を行う。この実施例では自動車用部品5が位置する高さは、地上から1500〜2000mm程度であるが、スポットガンロボット1の溶接器10が溶接作業可能な十分な上下空間が空いている高さであればよい。
【0023】
それぞれのスポットガンロボット1は移動可能であり、スポットガン用のガンラック4において予め設定された車種や部位に対して、その自動車用部品5に対応したスポットガン10を選択して装着する。次にマテハンロボット2の停止した位置付近まで移動し保持される自動車用部品5の溶接部位を上下から挟み込むようにして溶接することによって空中姿勢による溶接工程を完了する。この空中姿勢による溶接工程は、1台のマテハンロボット2を使用する工程でもよく、又複数のマテハンロボット2を使用する工程でもかまわない。
【0024】
マテハンロボット2によって空中に保持されて溶接された自動車用部品5は、マテハンロボット2が保持していた位置の下方に配置された搬送機(台車)6の治具60に固定させて、その自動車用部品5の他の溶接部位に対する溶接を、スポットガンロボット1によって行う。この搬送機6の治具60によって保持される自動車用部品5は、スポットガンロボット1のスポットガン10が溶接を行いやすい高さに保持されるとともに、搬送機6の治具60に保持されても溶接が行いやすい溶接部位の溶接を行う。
【0025】
この搬送機6に保持された溶接工程が完了すると、この搬送機6が自動車用部品5を載置したまま次の組立工程へ搬送する。
【0026】
なお、この実施形態では、被溶接物保持ロボットとしてマテハンロボット2を使用したが、マテハンロボット2以外でも移動可能であり、被溶接物5を空中に十分な溶接作業可能な上下の空間を有する任意の姿勢で保持可能なロボット装置であればよい。同様にこの実施形態では、溶接用ロボットしてスポットガンロボット1を使用したが、アーク溶接用ロボットの使用も可能である。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、被溶接物を十分な溶接作業可能な空間を有するため、溶接用ロボットに対して、溶接部位が溶接しやすい任意の姿勢で停止させることができるため、溶接の打点効率が従来の約2倍と非常に向上した。また、従来のような台車などに固定するための治具や駒などが溶接の邪魔になることがなくなる。そのため溶接用ロボットに高度なティーチングを行わせる必要がなくなり、その作業のための時間が大幅に短縮された。
【0028】
また、溶接用ロボットのスポットガン等に供給している電気、エア、冷却水などの配管やケーブルなどが台車や駒、治具に干渉することが大幅に減少したため、作業工程が簡素化されたため、その工程に使用する搬送機や多種類の治具などの作業設備を設ける必要がなくなり、設備費用を減少させることができた。
【0029】
更に、溶接用ロボットが無理な溶接姿勢を取る必要がなくなったため、溶接用ロボットのスポットガン等に供給している電気、エア、冷却水などの配管やケーブルなどが、他の台車などの接触することが非常に減少し、それによる傷みの発生を防止することができるため、これらの設備の寿命を伸ばす効果がある。
【0030】
更にまた、請求項3のように空中姿勢において溶接された被溶接物を、その下方に位置する搬送機に保持させて溶接することができ、同一場所において上下の立体空間を利用して2種類の姿勢、位置で溶接することが可能になり、作業スペースの省力化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1つの実施形態であり自動車部品組立工程中のボディS/Aアンダーリヤラインにおけるマテハンロボット及び溶接用ロボットであるスポットガンロボットの作業状態を示す平面説明図
【図2】同じくマテハンロボットが部品(被溶接物)を保持し、スポットガンロボットが溶接作業をする正面説明図
【符号の説明】
1 スポットガンロボット(溶接用ロボット)
10 溶接器
2 マテハンロボット(被溶接物保持ロボット)
3 治具ストッカー(マテハンストッカー)
30 治具
4 スポットガン用のガンラック
5 自動車用部品(被溶接物)
6 搬送機(台車)
60 搬送機の治具
【発明の属する技術分野】
この発明は、被溶接物保持ロボット(以下マテハンロボット=マテリアルハンドリングロボット)及び溶接用ロボットの組み合わせ使用により、部品の溶接や組立てを行う溶接システムに関する。詳細には自動車製造工程における溶接工程に関し、特に多車種の同部位に取り付けるサブアッシー部品(sub−assy=sub−assembly)(以下S/A部品という)の部品組立工程におけるS/A部品溶接システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車製造工程においては、車種毎の企画台数に合わせて、車種毎にそれぞれの製造工程を設定するため複数の生産スペースが必要になり、溶接工程においても、それぞれに設備投資が必要であった。
【0003】
従来の自動車製造工程では、生産指示は1系統のため同一車種の仕様態様に従ってそれぞれの車種毎の生産スペースで、その車種のS/A部品を含む部品を順序立てて組み立て、一定の生産量を生産していた。そして異なる車種の生産に変更する場合は、その車種の仕様態様に従い別の生産スペースにおいてS/A部品の組み立てを行っていた。
【0004】
そして、従来は、溶接用ロボットによって溶接される被溶接部である部品、特に自動車用部品の溶接組立て工程においては、その被溶接物を車種毎に異なる特定の治具や、台車の駒に固定して、その被溶接物が固定されている場所に溶接用ロボットが移動していき、スポット溶接や、アーク溶接を行っていた。
【0005】
また、溶接用ロボット(スポットガンロボット)が固定されており。被溶接物を様々な姿勢にして溶接する溶接方法は従来行われていた。
【0006】
【この発明が解決しようとする課題】
しかし、溶接用ロボットは、スポット溶接でもアーク溶接でも被溶接物に対して上下、左右というように対向方向から同時に挟み込んで接触する必要があったが、従来のように被溶接物が固定されている治具や、台車の駒の場所において溶接用ロボットが溶接する場合、台車自体や固定用治具に付随するコードなどが邪魔になることが多かった。そのため、溶接用ロボットのスポットガンが被溶接物を固定している治具や、台車の駒に干渉しないように溶接用ロボットに作業のティーチングを行う必要があった。
【0007】
そして、この干渉を避けるために溶接用ロボットにティーチングを行う作業は、様々な作業姿勢をインプットして記憶させる必要があり、高度に難しい作業であるため長時間の作業時間が必要とされていた。
【0008】
また、前記干渉を避けたり、溶接用ロボットの作業姿勢限界を避けるため、作業工程数が増えてしまい、その作業工程の増加により、溶接用ロボット、治具及び工程間の搬送機の数も増えてしまい、これらの整備のため多くの費用が掛かり、更に、工程数が増えるため工程スペースも増やす必要があるなどの課題があった。
【0009】
更に、自動車製造工程のように、同一スペースで異なる車種の生産に変更する場合は、その車種の仕様態様に従い、異なる治具や台車の駒などの切り替えが必要となり、そのたび毎に、溶接用ロボットに前記のような高度なティーチング作業を新たに行う必要があり、高額な費用が掛かってしまう課題があった。
【0010】
更にまた、複雑な治具や駒付きの台車に対して、溶接用ロボットが作業姿勢をとる場合、溶接用ロボットのスポットガン等に供給している電気、エア、冷却水などの配管やケーブルに捩れや擦れ切れなどが発生しやすくなり、トラブルの原因になるという課題があった。
【0011】
【課題を解決する為の手段】
この課題を解決する為に、被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の姿勢で位置決めすることができ、その被溶接物の溶接部位に対して、一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行うことを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システムを提案する。
【0012】
また、被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の複数の姿勢で位置決めすることができ、被溶接物の溶接部位に対して、複数の姿勢毎に一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行うことを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システムを提案する。
【0013】
更に、被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の姿勢で位置決めすることができ、その被溶接物の溶接部位に対して、一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行う工程と、その被溶接物を被溶接物保持ロボットが保持していた位置の下方に配置された搬送機あるいは治具に固定させて、他の溶接部位に対する溶接を溶接用ロボットによって行う工程を有することを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システムを提案する。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の1つの実施形態である溶接用ロボットを使用する溶接システムについて、自動車部品組立工程中のボディS/Aアンダーリヤラインにおけるマテハンロボット及び溶接用ロボットであるスポットガンロボットの作業状態を示す平面説明図を示す図1、及びマテハンロボットが部品(被溶接物)を保持し、スポットガンロボットが溶接作業をする正面説明図である図2に基づいて説明する。
【0015】
図1において、1は溶接用ロボットであるスポットガンロボット、2は被溶接物保持ロボットであるマテハンロボット(マテリアルハンドリングロボット)である。図1の実施例に示す溶接工程において、スポットガンロボット1は6台、マテハンロボット2は3台からなる。3は、治具ストッカー(マテハンストッカー)であり、4は、スポットガン用のガンラックである。
【0016】
被溶接物である自動車用部品5は、車種毎に異なるが予め決められた車種及び数量で順次搬送されてくる。その異なる自動車用部品5に従って予め決められて設定されて入力されたプログラム信号により、マテハンロボット2は、搬送された自動車用部品5に対応した治具30を治具ストッカー3から選択して装着し、その自動車部品5に対応する治具30によって自動車用部品5の中央部を保持する。
【0017】
次に予め決められて設定され入力されたプログラム信号により、マテハンロボット2は任意の予め決められた位置に移動し停止するとともに、自動車部品5の溶接部位を、スポットガンロボット1のスポットガン(溶接器)10が溶接作業可能な上下に十分の空間を有する高さの任意の姿勢で位置決めする。図2に示すようにスポットガン10は、自動車部品5の溶接部位に上下から溶接作業が行いうる十分の空間を有しており、スポットガンロボット1により空中で複数の溶接を行う。この実施例では自動車用部品5が位置する高さは、地上から1500〜2000mm程度であるが、スポットガンロボット1のスポットガン10が溶接作業可能な十分な上下空間が空いている高さであればよい。
【0018】
それぞれのスポットガンロボット1は移動可能であり、スポットガン用のガンラック4において予め設定された車種や部位に対して、その自動車用部品5に対応したスポットガン10を選択して装着する。次にマテハンロボット2の停止した位置付近まで移動し保持される自動車用部品5の溶接部位を上下から挟み込むようにして溶接する。1のスポットガンロボット1が行う溶接は、一乃至複数の部位行うことが可能である。
【0019】
また、1のマテハンロボット2が自動車用部品5を保持する任意の姿勢は、その自動車用部品5の形状や大きさによって複数の姿勢に変更して停止することが可能である。
【0020】
1の自動車用部品5は、1台のマテハンロボット2によって保持され、予め定められた溶接部位を、この実施例では3台のスポットガンロボット1によって溶接された後、順次直接あるいは搬送機によって隣接するマテハンロボット2に渡され移動する。自動車用部品5を受け取るマテハンロボット2も、同様に予め決められて設定され入力されたプログラム信号により、任意の予め決められた位置に移動し停止するとともに、自動車部品5の溶接部位を、スポットガンロボット1の溶接器10が溶接作業可能な上下に十分の空間を有する高さの任意の姿勢で位置決めする。図2に示す実施例では、同様に3台目のマテハンロボット2と、2台のスポットガンロボット1により他の溶接部位の溶接を行い、この溶接工程の溶接を完了する。
【0021】
次に、この発明の他の実施形態について説明する。被溶接物である自動車用部品5は、車種毎に異なるが予め決められた車種及び数量で順次搬送されてくる。その異なる自動車用部品5に従って予め決められて設定されて入力されたプログラム信号により、マテハンロボット2は、搬送された自動車用部品5に対応した治具30を治具ストッカー3から選択して装着し、その自動車部品5に対応する治具30によって自動車用部品5の中央部を保持する。
【0022】
次に予め決められて設定され入力されたプログラム信号により、マテハンロボット2は任意の予め決められた位置に移動し停止するとともに、自動車部品5の溶接部位を、スポットガンロボット1の溶接器10が溶接作業可能な上下に十分の空間を有する高さの任意の姿勢で位置決めする。図2に示すように溶接器10は、自動車部品5の溶接部位に上下から溶接作業が行いうる十分の空間を有しており、スポットガンロボット1により空中で複数の溶接を行う。この実施例では自動車用部品5が位置する高さは、地上から1500〜2000mm程度であるが、スポットガンロボット1の溶接器10が溶接作業可能な十分な上下空間が空いている高さであればよい。
【0023】
それぞれのスポットガンロボット1は移動可能であり、スポットガン用のガンラック4において予め設定された車種や部位に対して、その自動車用部品5に対応したスポットガン10を選択して装着する。次にマテハンロボット2の停止した位置付近まで移動し保持される自動車用部品5の溶接部位を上下から挟み込むようにして溶接することによって空中姿勢による溶接工程を完了する。この空中姿勢による溶接工程は、1台のマテハンロボット2を使用する工程でもよく、又複数のマテハンロボット2を使用する工程でもかまわない。
【0024】
マテハンロボット2によって空中に保持されて溶接された自動車用部品5は、マテハンロボット2が保持していた位置の下方に配置された搬送機(台車)6の治具60に固定させて、その自動車用部品5の他の溶接部位に対する溶接を、スポットガンロボット1によって行う。この搬送機6の治具60によって保持される自動車用部品5は、スポットガンロボット1のスポットガン10が溶接を行いやすい高さに保持されるとともに、搬送機6の治具60に保持されても溶接が行いやすい溶接部位の溶接を行う。
【0025】
この搬送機6に保持された溶接工程が完了すると、この搬送機6が自動車用部品5を載置したまま次の組立工程へ搬送する。
【0026】
なお、この実施形態では、被溶接物保持ロボットとしてマテハンロボット2を使用したが、マテハンロボット2以外でも移動可能であり、被溶接物5を空中に十分な溶接作業可能な上下の空間を有する任意の姿勢で保持可能なロボット装置であればよい。同様にこの実施形態では、溶接用ロボットしてスポットガンロボット1を使用したが、アーク溶接用ロボットの使用も可能である。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、被溶接物を十分な溶接作業可能な空間を有するため、溶接用ロボットに対して、溶接部位が溶接しやすい任意の姿勢で停止させることができるため、溶接の打点効率が従来の約2倍と非常に向上した。また、従来のような台車などに固定するための治具や駒などが溶接の邪魔になることがなくなる。そのため溶接用ロボットに高度なティーチングを行わせる必要がなくなり、その作業のための時間が大幅に短縮された。
【0028】
また、溶接用ロボットのスポットガン等に供給している電気、エア、冷却水などの配管やケーブルなどが台車や駒、治具に干渉することが大幅に減少したため、作業工程が簡素化されたため、その工程に使用する搬送機や多種類の治具などの作業設備を設ける必要がなくなり、設備費用を減少させることができた。
【0029】
更に、溶接用ロボットが無理な溶接姿勢を取る必要がなくなったため、溶接用ロボットのスポットガン等に供給している電気、エア、冷却水などの配管やケーブルなどが、他の台車などの接触することが非常に減少し、それによる傷みの発生を防止することができるため、これらの設備の寿命を伸ばす効果がある。
【0030】
更にまた、請求項3のように空中姿勢において溶接された被溶接物を、その下方に位置する搬送機に保持させて溶接することができ、同一場所において上下の立体空間を利用して2種類の姿勢、位置で溶接することが可能になり、作業スペースの省力化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1つの実施形態であり自動車部品組立工程中のボディS/Aアンダーリヤラインにおけるマテハンロボット及び溶接用ロボットであるスポットガンロボットの作業状態を示す平面説明図
【図2】同じくマテハンロボットが部品(被溶接物)を保持し、スポットガンロボットが溶接作業をする正面説明図
【符号の説明】
1 スポットガンロボット(溶接用ロボット)
10 溶接器
2 マテハンロボット(被溶接物保持ロボット)
3 治具ストッカー(マテハンストッカー)
30 治具
4 スポットガン用のガンラック
5 自動車用部品(被溶接物)
6 搬送機(台車)
60 搬送機の治具
Claims (3)
- 被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の姿勢で位置決めすることができ、その被溶接物の溶接部位に対して、一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行うことを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システム。
- 被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の複数の姿勢で位置決めすることができ、被溶接物の溶接部位に対して、複数の姿勢毎に一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行うことを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システム。
- 被溶接物保持ロボットが、被溶接物を空中に保持して移動可能であるとともに、被溶接物の溶接部位を、溶接用ロボットの溶接器が溶接作業可能な十分の空間を有する任意の姿勢で位置決めすることができ、その被溶接物の溶接部位に対して、一乃至複数の溶接用ロボットが溶接を行う工程と、その被溶接物を被溶接物保持ロボットが保持していた位置の下方に配置された搬送機あるいは治具に固定させて、他の溶接部位に対する溶接を溶接用ロボットによって行う工程を有することを特徴とする被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003138950A JP2004337942A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003138950A JP2004337942A (ja) | 2003-05-16 | 2003-05-16 | 被溶接物保持ロボットと溶接用ロボットを使用する溶接システム |
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JP2019118922A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | ダイハツ工業株式会社 | 溶接方法 |
JP2020142290A (ja) * | 2019-03-08 | 2020-09-10 | 株式会社ヒロテック | スポット溶接システム及びスポット溶接方法 |
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2003
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019118922A (ja) * | 2017-12-28 | 2019-07-22 | ダイハツ工業株式会社 | 溶接方法 |
JP7058064B2 (ja) | 2017-12-28 | 2022-04-21 | ダイハツ工業株式会社 | 溶接方法 |
JP2020142290A (ja) * | 2019-03-08 | 2020-09-10 | 株式会社ヒロテック | スポット溶接システム及びスポット溶接方法 |
JP7227603B2 (ja) | 2019-03-08 | 2023-02-22 | 株式会社ヒロテック | スポット溶接システム及びスポット溶接方法 |
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