JP2019118922A - 溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接の際に適切な隙間を形成し、溶接不良を抑制することを目的とする。【解決手段】複数の被溶接材を複数の溶接箇所で連続的に溶接する際に、溶接対象を加熱・加圧して、被溶接材間に隙間を形成してから(ステップ2)溶接を行う(ステップ3)ことにより、溶接の際に生じたガスを隙間に待避させることができる。そのため、ガスが爆発的に膨張することにより被溶接材を損なうことを抑制することができ、溶接不良が生じることを抑制することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、被溶接材を溶接する溶接方法等に関する。
2枚の板材等の被溶接材を重ねた溶接対象を接合する場合、スポット溶接により接合される場合がある。スポット溶接は、抵抗発熱を利用して金属の接合を行う抵抗溶接法の一種である。スポット溶接では、被溶接材を重ね合わせた状態で、電極により溶接対象を加圧し、さらに電極から溶接対象に電流を流し、溶接部を抵抗発熱によって加熱して局部的に溶接対象を溶融させて、溶接対象を冶金的に接合する。スポット溶接において、溶融凝固した部分は、「ナゲット」と称され、ナゲットにおいて溶接対象が接合される。
ここで、被溶接材は表面がめっき処理される場合がある。重ねられた被溶接材の接触部分にめっき層がある場合、溶接の際の発熱により、めっき材である亜鉛等が気化してガスが発生する場合がある。ガスが爆発的に膨張すると、ガスの圧力により、被溶接材が変形したり、破損したりし、ブローホールが形成される等の溶接不良となる場合がある。
そのため、従来の溶接においては、あらかじめプレス機等で被溶接材の接合面を加圧し、溶接面の溶接箇所の近傍にエンボスを形成していた。このように、溶接箇所の近傍にエンボス等の隙間を設けることにより、発生したが隙間に待避され、ガスが被溶接材に及ぼす影響を軽減していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−223634号公報
しかしながら、従来の溶接方法では、適切な隙間の形成が困難であるという問題点があった。
例えば、形成された隙間が小さすぎるとガスが十分に待避できず、ブローホール等の溶接不良を抑制できない場合があった。逆に形成された隙間が大きすぎると、溶接対象の溶接面に十分な溶接面積が確保できない等により、溶接強度が不足する等の溶接不良が発生する場合がある。そのため、溶接面に形成されるエンボスは、0.01mm〜0.03mm程度の精度で形成されることが要求される。これに対して、一般的なプレス機では、0.5mm程度の精度でしかエンボスが形成されない。その結果、従来の溶接方法では、十分な精度で適切な隙間が形成されない場合があり、溶接不良が発生する場合があった。
本発明の溶接装置は、上記問題点を解決するために、溶接の際に適切な隙間を形成し、溶接不良を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の溶接方法は、溶接用の電極を備えた抵抗溶接機を少なくとも含む複数の溶接機を用いて複数の被溶接材を所定の溶接箇所で溶接する際に、前記被溶接材間に隙間が形成されるように、前記抵抗溶接機の前記電極で前記溶接箇所を加圧しながら前記電極から前記溶接箇所に電流を流す工程と、前記隙間が形成された状態で、いずれかの前記溶接機を用いて前記溶接箇所の溶接を行う工程とを有することを特徴とする。
このように、被溶接材間に隙間を形成してから溶接を行うことにより、溶接の際に生じたガスを隙間に待避させることができる。そのため、ガスが爆発的に膨張することにより被溶接材を損なうことを抑制することができ、溶接不良が生じることを抑制することができる。
また、前記隙間を形成する工程をシリーズ溶接機で行っても良い。
このように、シリーズ溶接機により隙間を形成することで、複数箇所に同時に隙間を形成することができ、効率的に隙間を形成することができる。その結果、ガスが爆発的に膨張することにより被溶接材を損なうことを効率的に抑制することができ、溶接不良が生じることを効率的に抑制することができる。
また、前記溶接箇所を溶接する工程をインダイレクト溶接機で行っても良い。
このように、シリーズ溶接機により隙間を形成した後、インダイレクト溶接を行うことにより、溶接対象の両面に電極を設けることができない状態であっても、隙間を形成してから溶接を行うことができる。そのため、溶接対象の両面に電極を設けることができない状態であっても、ガスが爆発的に膨張することにより被溶接材を損なうことを抑制することができ、溶接不良が生じることを抑制することができる。
さらに、本発明の溶接装置は、複数の被溶接材を複数の溶接箇所で連続的に溶接する溶接装置であって、複数の前記被溶接材からなる溶接対象を加圧すると共に前記溶接対象に電流を印加する第1の電極と、前記溶接対象を加圧すると共に前記溶接対象に電流を印加する第2の電極と、前記第1の電極および前記第2の電極と前記溶接対象とを相対的に移動させる駆動装置と、前記第1の電極および前記第2の電極それぞれに個別に電流を印加する電源供給装置と、前記駆動装置および前記電源供給装置の動作を制御する制御装置とを有し、前記第1の電極では前記被溶接材間に隙間を形成することのみが行われ、前記第2の電極では溶接のみが行われ、前記第1の電極および前記第2の電極への電流の印加は同時に行われ、前記第1の電極および前記第2の電極へ電流を印加した後、前記第1の電極および前記第2の電極が前記溶接対象に対して前記第2の電極から前記第1の電極に向かう方向に相対的に移動されることを繰り返して複数の前記溶接箇所を連続的に溶接することを特徴とする。
このように、一対の電極により、隙間の形成と溶接とを同時に行うことができるため、先に隙間が形成された溶接箇所に溶接を行いながら、次の溶接箇所に隙間を形成することができる。そのため、複数の溶接箇所で連続的に溶接する場合、効率的に溶接を行いながら、ガスが爆発的に膨張することにより被溶接材を損なうことを抑制し、溶接不良が生じることを抑制することができる。
以上のように、本発明によると、適切な隙間を形成し、溶接不良を抑制することができる。
実施の形態1における溶接装置の概略構成を例示する図 本発明の溶接方法における隙間の形成と溶接の際の被溶接材の様子を例示する図 本発明の溶接方法を説明するフロー図 本発明の溶接方法におけるガスの待避について説明する図 実施の形態2における溶接方法を説明する概略図 実施の形態2における溶接方法を説明するフロー図 本発明の溶接対象を例示する図 自動車の製造ラインを例示する図
(実施の形態1)
まず、図1を用いて本発明の溶接方法に用いる溶接装置の構成例について説明する。
図1は実施の形態1における溶接装置の概略構成を例示する図である。
図1に例示するように、実施の形態1における溶接装置1は、シリーズ溶接機であり、一対の電極3と、電極3を保持して稼働自在なロボットアーム5を備えるロボット7と、一対の電極3間に電流を流すトランス9と、トランス9が電極3に流す電流を制御するタイマー11と、タイマー11およびロボット7の動作を制御する制御装置13とを備える。
溶接装置1において、電極3は、溶接対象15を加圧すると共に溶接対象15に所定の電流を印加することで、溶接対象15を通って電極3間に電流を流すことが可能である。後段において図2を用いて詳細に説明するように、溶接対象15は、複数の被溶接材が重ねられたものである。溶接対象15において、厚み方向に隣り合う被溶接材間が溶接により接合される。
電極3は、溶接対象15を加圧すると共に、溶接対象15に所定の電流を流すことにより、被溶接材間に隙間を形成すること、および、被溶接材間を溶接することが可能である。被溶接材間を溶接する場合は、電極3により溶接対象15を加圧すると共に溶接対象15に電流を流し、溶接対象15を加熱・溶融させて溶接対象15を溶接する。被溶接材間に隙間を形成する場合は、電極3は溶接する場合より小さな加圧力で溶接対象15を加圧しながら、溶接する場合より低い電流値の電流を電極3から溶接対象15に印加する。電極3の印加圧は、ロボット7により調整される。電極3から印加される電流の電流値は、溶接対象15の厚さや、被溶接材それぞれの厚さ、必要な溶接強度等に応じて定めることができ、トランス9によって調整される。
トランス9は、タイマー11を介して供給された電流を、所定の電流値に変換した上、変換された電流を電極3に印加する。例えば、タイマー12を介して供給された400Vで数Aの電流を、3〜5Vで15000Aの電流に変換して電極3に印加する。タイマー11は、トランス9を介して電極3に電流を印加するタイミングを制御する。トランス9は、制御装置13により制御され、制御装置13はタイマー11を介してトランス9を制御することもできる。
ロボット7は、電極3およびロボットアーム5を含んで構成される。ロボット7はロボットアーム5により、電極3を所定の範囲内で任意の位置に移動させることが可能な構成であり、電極3を所定の溶接位置に移動させる。
制御装置13は、ロボット7の動作を制御すると同時に、タイマー11の動作を制御する。タイマー11は、制御装置13の指示により電極3から溶接対象15に印加する電流を制御するように、トランス9を制御する。
なお、溶接装置1は、さらに冷却装置を有することが好ましい。冷却装置は、電極3を冷却する装置であり、電極3から溶接対象15に電流を印加する際に電極3を冷却する。溶接の際には、電極3に電流が流れるので、電極3が加熱されて軟化する。この際、電極3は溶接対象15を加圧しているので、軟化された電極3は溶接対象15からの力を受ける。そのため、電極3の先端は、溶接を繰り返すことにより、変形したり破損したりする。電極3の先端形状は、溶接対象15と接する面積により、溶接対象15に供給される電流の電流密度や溶接対象15への加圧力に影響を及ぼす。電流密度や加圧力は溶接精度に影響を及ぼすため、溶接中に電極3を冷却している。冷却は、例えば、電極3中に冷却水を流通させることにより行うことができる。
また、図1では、電極3への電流の供給に係るタイマー11と、制御装置13等とを、別の電源から電力を供給する構成として例示しているが、共通の電源から電力を供給しても良く、また、各機器それぞれが、必要に応じて別電源から電力の供給を受けても良い。
また、電極3の駆動は、制御装置13の指示を受けてロボット7が駆動装置として機能して行われる。
また、タイマー11およびトランス9は、電極3に電流を供給する電源供給装置として機能する。電源供給装置は、電極3に所定の印加条件の電流を供給できれば、これ以外の構成とすることもできる。
なお、溶接ラインでは、溶接装置1のような抵抗溶接機やレーザー溶接機等の様々な溶接機がコンベアの周囲に複数配置され、コンベア上を流れる製造中の製品に対して、溶接箇所等に応じた溶接機を用いて複数の箇所に溶接が行われることが多い。
具体的には、図8に示すように、自動車の製造ラインのうち溶接を施すラインにおいては、ホワイトボデー(塗装する前のボディシェル)が流れるコンベアの周囲に上述した溶接装置1に加え、他の溶接装置1’が複数配置される(図示例では1基の溶接装置1と、5基の他の溶接装置1’の合計6台)。このような溶接ラインにおいては、所定の箇所への溶接を溶接装置1のみで行い、他の箇所の溶接を他の溶接装置1’で行うようにするだけでなく、溶接工程の一部を溶接装置1で行い、残りを他の溶接装置1’で行うようにすることも可能である。このように、本発明の溶接方法は、溶接装置1が単独で行うものであっても、溶接装置1と他の溶接装置1’とが協働して行うものであっても良い。
次に、図1〜図3を用いて本発明の溶接方法について説明する。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、溶接装置1が単独で所定箇所の溶接を行う前提で説明する。
図2は本発明の溶接方法における隙間の形成と溶接の際の被溶接材の様子を例示する図、図3は本発明の溶接方法を説明するフロー図である。
前述したように、溶接対象15は複数の被溶接材を重ね合わせたものである。図2で示した例では、溶接対象15は、被溶接材17と被溶接材19とから構成され、被溶接材17と被溶接材19とが、溶接箇所21にて溶接により接合される。被溶接材17の接合面にはめっき23が施されている。そして、本発明の溶接方法では、まず、溶接箇所21を位置合わせして、被溶接材17と被溶接材19とを重ね合わせる(図2(a)、図3のステップ1)。
このような被溶接材17と被溶接材19とを溶接箇所21で溶接する際には、次に、前述のシリーズ溶接機により、被溶接材17と被溶接材19との間の溶接箇所21の近傍に隙間tを設ける(図2(b)、図3のステップ2)。そのために、溶接箇所21の上部における被溶接材17を電極3により加圧すると共に、溶接箇所21に電極3から電流を印加する。このように、溶接箇所21に電極3から電流を印加することにより溶接箇所21が加熱されて軟化する。同時に、電極3を用いて被溶接材17を加圧することにより、被溶接材17がたわみ、溶接箇所21の近傍において、被溶接材17と被溶接材19との間に隙間tが生じる。
なお、この際、被溶接材17を電極3により加圧する加圧力は、後述する溶接の際の加圧力より小さくする。また、電極3から被溶接材17に印加される電流の電流値は、後述する溶接の際の電流値より小さくする。そして、加圧力、電流値、電流を印加する時間等の少なくとも1つを調整することにより、溶接箇所21の溶接は行わずに、隙間tを形成する。また、加圧力、電流値、電流を印加する時間等で微妙な調整を行うことができるので、隙間tを容易に最適な間隔に調整することができる。
次に、溶接箇所21で、被溶接材17と被溶接材19とを溶接する(図3のステップ3)。例えば、上述の隙間tを形成する工程に引き続き、電極3が被溶接材17を加圧する加圧力を高めると共に、電極3から被溶接材17に印加される電流の電流値を高める。このように、特に、電極3から被溶接材17に印加される電流の電流値を高めることにより、溶接箇所21において被溶接材17および被溶接材19の加熱が促進され、被溶接材17および被溶接材19が溶融して溶融結合される。なお、上述の隙間tを形成する工程と同様に、加圧力、電流値、電流を印加する時間等により、溶接強度や溶接範囲等の溶接状態を調整することができる。このように、隙間tの形成に引き続き、加圧力、電流値、電流を印加する時間等を調整して、溶接箇所21において被溶接材17および被溶接材19間を溶接することができる。
なお、溶接は、隙間tの形成に引き続きシリーズ溶接機を用いて行うことに限定されず、ダイレクト溶接機やインダイレクト溶接機を用いた溶接等のスポット溶接やレーザー溶接等、他のあらゆる方法で溶接することも可能である。
例えば、図2(c)に示すように、隙間tの形成後、ダイレクト溶接機を用いて溶接することができる。この際、溶接箇所21を挟むように、被溶接材17と被溶接材19との表面それぞれに電極3を配置する。そして、2つの電極3で被溶接材17および被溶接材19を挟んで所定の圧力で加圧すると共に、2つの電極3間に所定の印加条件で電流を流して溶接箇所21に電流を流す。これにより、溶接箇所21において被溶接材17および被溶接材19間を溶接することができる。
また、図2(d)に示すように、隙間tの形成後、インダイレクト溶接機を用いて溶接することができる。この際、被溶接材19にアース25を接続する。そして、電極3で被溶接材17を所定の圧力で加圧すると共に、電極3からアース25に所定の印加条件で電流を流して溶接箇所21に電流を流す。これにより、溶接箇所21において被溶接材17および被溶接材19間を溶接することができる。
次に、図4を用いて本発明の溶接方法における効果について説明する。
図4は本発明の溶接方法におけるガスの待避について説明する図である。
図4(a)に示すように、被溶接材17の接合面にめっき23が施されており、溶接対象15として被溶接材17と被溶接材19とを溶接するとする。
この際、被溶接材17と被溶接材19とが密着した状態で溶接を行うと、溶接の際の熱によりめっき23が気化してガスが発生する。被溶接材17と被溶接材19とが密着しているため、発生したガスの行き場がなくなり、ガスが被溶接材17および被溶接材19を圧迫する。そして、爆発的にガスが膨張した場合、ガスの影響で被溶接材17または被溶接材19が破損し、被溶接材17または被溶接材19の表面が破損することにより、溶接不良となる場合があった。また、溶接対象15内にガスが留まり、そのまま溶接が終了することにより、図4(b)に示すように、溶接対象15内にブローホール26が発生し、溶接強度が不足する等の溶接不良となる場合もあった。
これに対して、本発明の溶接方法によると、溶接に先立ち、溶接箇所21上において被溶接材17を加熱および加圧することにより、溶接箇所21において被溶接材17と被溶接材19とを接触させながら、被溶接材17と被溶接材19との間の溶接箇所21の近傍に隙間tを設けることができる。この状態で溶接を行うことにより、溶接箇所21においては被溶接材17と被溶接材19とが密着しているために適切な溶接が可能となる。加えて、溶接箇所21の周辺に隙間tがあるため、発生したガスが隙間tに待避することができ、ガスが被溶接材17および被溶接材19におよび影響を抑制することができる。そのため、発生するガスの影響で溶接不良となることを抑制することができる。
特に、電極3により被溶接材17を加圧しながら、電極3から電流を印加して溶接対象15に電流を流すことにより隙間tを形成する場合、プレス等によりエンボスを形成する場合に比べて精度良く隙間tを形成することができる。例えば、一般的なプレス加工の場合、0.5mm程度の精度でしかエンボスを形成できない。一方、電極3を用いて隙間tを形成する場合には、電極3の加圧力、印加する電流の印加条件等により隙間tの形成を制御できるため、0.01mm〜0.03mm程度の精度で隙間tを形成することができる。そのため、より確実に溶接不良を抑制しながら、精度良く溶接を行うことができる。
なお、上述したように、図8に示した溶接ラインのように溶接装置1だけでなく、他の溶接装置1’も協働して溶接が行えるようにした場合、コンベア上を流れてきた溶接対象15(図示例ではホワイトボデー)に対し、溶接装置1のような抵抗溶接機を用いて隙間tを形成した後、その溶接箇所の溶接に最適な別の溶接装置1’を用いて溶接を行うことができる。これにより、効率的に隙間tの形成と溶接を行うことができ、発生するガスの影響で溶接不良となることを抑制しながら、効率的に溶接を行うことができる。
(実施の形態2)
次に、図1を参照しながら、図5〜図7を用いて実施の形態2における溶接方法について説明する。
図5は実施の形態2における溶接方法を説明する概略図であり、実施の形態2の溶接方法にて使用する溶接装置の概略構成と溶接の各工程について説明する図である。図6は実施の形態2における溶接方法を説明するフロー図、図7は本発明の溶接対象を例示する図である。
実施の形態2の溶接方法にて使用する溶接装置27は、図5(a)に示すように、電極3aと電極3bとを備える。電極3aは、隙間tの形成に用いられる電極である。電極3bは、被溶接材17および被溶接材19の溶接に用いられる電極である。電極3aおよび電極3bは、それぞれ個別にトランス9に接続され、同時にまたは別々に、異なる印加条件により溶接対象15に電流を印加することが可能である。また、電極3aおよび電極3bは、それぞれ、同時にまたは別々に、異なる圧力で溶接対象15を加圧することが可能である。そのため、電極3aは、被溶接材17をたわめて被溶接材17と被溶接材19との間に隙間tを形成するのに、最適な加圧力で溶接対象15を加圧し、最適な印加条件で溶接対象15に電流を印加することができる。同時に、電極3bは、被溶接材17と被溶接材19とを溶接するのに、最適な加圧力で溶接対象15を加圧し、最適な印加条件で溶接対象15に電流を印加することができる。その結果、ある箇所で電極3aにより被溶接材17と被溶接材19との間に隙間tを形成すると同時に、別の箇所で電極3bにより被溶接材17と被溶接材19とを溶接することができる。
ロボット7は、電極3aおよび電極3bと溶接対象15とを相対的に移動させることができる。これにより、電極3aおよび電極3bは、溶接対象15上を、電極3bから電極3aに向かう方向に移動することができる。以上の構成以外の構成は、実施の形態1で説明した溶接装置1と同様の構成であるので、説明を省略する。
以上のような構成の溶接装置27を用いて溶接を行う際には、まず、被溶接材17と被溶接材19とを、溶接箇所を位置合わせして重ね合わせる(図5(a)、図6のステップ1)。なお、溶接対象15は、溶接箇所21a,21b,21cが溶接されるとする。
次に、電極3aにより溶接箇所21aの近傍の被溶接材17と被溶接材19との間に隙間tを形成する(図5(b)、図6のステップ2)。この際、電極3aが溶接箇所21aの上部に配置されるように、電極3aおよび電極3bを溶接対象15に対して相対的に移動させる。そして、電極3aは、溶接箇所21aの上部において、被溶接材17をたわめて被溶接材17と被溶接材19との間に隙間tを形成するのに、最適な加圧力で溶接対象15を加圧し、最適な印加条件で溶接対象15に電流を印加する。これにより、溶接箇所21aの近傍に、被溶接材17と被溶接材19との間の隙間tを形成することができる。この際、電極3aと電極3bとは独立しているため、電極3bは、加圧も電流の印加も行わないようにすることができる。
次に、電極3aおよび電極3bを図の矢印の方向に溶接対象15に対して相対的に移動させて、電極3aが溶接箇所21bの上部に配置され、電極3bが溶接箇所21aの上部に配置される(図5(c)、図6のステップ3)。
次に、電極3aにより溶接箇所21bの近傍に隙間tを形成すると共に、電極3bにより溶接箇所21aにおいて被溶接材17と被溶接材19との溶接を行う(図5(c)、図6のステップ4)。この際、電極3bは、電極3aと異なる加圧力で溶接対象15を加圧し、電極3aと異なる印加条件により電流を印加することができる。電極3aは、ステップ2と同様に、被溶接材17をたわめて被溶接材17と被溶接材19との間に隙間tを形成するのに、最適な加圧力で溶接対象15を加圧し、最適な印加条件で溶接対象15に電流を印加する。電極3bは、被溶接材17と被溶接材19とを溶接するのに、最適な加圧力で溶接対象15を加圧し、最適な印加条件で溶接対象15に電流を印加する。これにより、溶接箇所21bの近傍に隙間tを形成しながら、同時に、溶接箇所21aにおいて被溶接材17と被溶接材19との溶接を行うことができる。
次に、ステップ4により形成した隙間tが溶接を予定する溶接箇所の最後の溶接箇所の近傍に形成されたか否かを判定する(図6のステップ5)。最後の溶接箇所の周辺に隙間tが形成された場合にはステップ6に処理を移行し、隙間tが形成された箇所が最終の溶接箇所の近傍ではない場合はステップ3〜ステップ5の処理を繰り返す。ここでは、溶接箇所21bは最終の溶接箇所ではないので、電極3aおよび電極3bを溶接対象15に対して相対的に移動させて、電極3aにより溶接箇所21cの近傍に隙間tを形成すると共に、電極3bにより溶接箇所21bにおいて被溶接材17と被溶接材19との溶接を行う。そして、溶接箇所21cは、溶接を予定する溶接箇所の最後の溶接箇所であるので、その後、ステップ6に処理を移行する。
次に、電極3aおよび電極3bを図の矢印の方向に溶接対象15に対して相対的に移動させて、電極3bが溶接箇所21cの上部に配置されるように、電極3aおよび電極3bを溶接対象15に対して相対的に移動させる(図6のステップ6)。
最後に、電極3bにより溶接箇所21cにおいて被溶接材17と被溶接材19との溶接を行う(図6のステップ7)。これにより、全ての溶接箇所21a,21b,21cの溶接が終了する。この際、電極3aと電極3bとは独立しているため、電極3aは、加圧も電流の印加も行わないようにすることができる。
このように、溶接に先立ち、溶接箇所21上において被溶接材17を加熱および加圧することにより、溶接箇所21において被溶接材17と被溶接材19とを接触させながら、被溶接材17と被溶接材19との間の溶接箇所21の近傍に隙間tを設けることができる。この状態で溶接を行うことにより、溶接箇所21においては被溶接材17と被溶接材19とが密着しているために適切な溶接が可能としながら、溶接箇所21の近傍に隙間tがあるため、発生したガスを隙間tに待避させることができ、ガスが被溶接材17および被溶接材19におよびす影響を抑制することができる。そのため、発生するガスの影響で溶接不良となることを抑制することができる。さらに、電極3aおよび電極3bが溶接対象15に対して相対的に移動可能であると共に、電極3aおよび電極3bがそれぞれ個別の加圧力で溶接対象15を加圧し、個別の印加条件で溶接対象15に電流を印加することができる構成とされる。そのため、電極3aにて隙間tを形成すると同時に、電極3bにて被溶接材17と被溶接材19との間の溶接を行うことができる。その結果、溶接を行いながら次の溶接箇所の近傍に隙間tを形成することができ、効率的に、精度良く溶接を行うことができる。
なお、電極3aおよび電極3bの間隔は、溶接箇所21a,21b,21cの間隔に応じて可変とすることができる。電極3aおよび電極3bの間隔が可変であることにより、溶接箇所21a,21b,21cの間隔が一定でない場合であっても、電極3aおよび電極3bの間隔を調整しながら、連続的に隙間tの形成と溶接を効率的に行うことが可能となる。
次に、図5,図7を用いて、溶接対象の構成例について説明する。
図7に示す例では、自動車の車体29に天井31を溶接により取り付ける。そして、車体29の骨組みに沿って、車体29と天井31とを複数の溶接箇所21で溶接する。この際、端から順に溶接箇所21の溶接を行う。溶接に際しては、それぞれの溶接箇所21において、その近傍の車体29と天井31と間に隙間tを設けてから溶接を行う。実施の形態2の溶接方法においては、電極3aにより溶接箇所21aの近傍に隙間tを形成する。その後、電極3bにより溶接箇所21aを溶接しながら、電極3aにより溶接箇所21bの近傍に隙間tを形成する。以降、この動作を全ての溶接箇所21の溶接が終了するまで繰り返す。このように、電極3aおよび電極3bにより、次の溶接箇所21の近傍における隙間tの形成と溶接とを同時に行うことができ、効率的に溶接を行うことができる。
なお、以上の各実施の形態において、本発明における溶接は、車体29に天井31を取り付けることの他、例えば、ロアバックやアンダーフロント、センターフロント、キックリンフォース等の溶接に用いることができる。
また、図2(b)では、2つの電極3により被溶接材17を加圧し、溶接箇所21に電流を流すシリーズ溶接機によって隙間tを形成する例を示したが、隙間tは、ダイレクト溶接機やインダイレクト溶接機等の他の溶接機を用いて行うことも可能である。さらに、被溶接材17を加熱しながら加圧することができれば、他の方法により隙間tを形成することもできる。
1 溶接装置
3 電極
13 制御装置
15 溶接対象
17 被溶接材
19 被溶接材
21 溶接箇所
23 めっき
25 アース
26 ブローホール
27 溶接装置

Claims (1)

  1. 溶接用の電極を備えた抵抗溶接機を少なくとも含む複数の溶接機を用いて複数の被溶接材を所定の溶接箇所で溶接する際に、
    前記被溶接材間に隙間が形成されるように、前記抵抗溶接機の前記電極で前記溶接箇所を加圧しながら前記電極から前記溶接箇所に電流を流す工程と、
    前記隙間が形成された状態で、いずれかの前記溶接機を用いて前記溶接箇所の溶接を行う工程と
    を有することを特徴とする溶接方法。
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