JP2019196252A - エレベータの意匠パネル構造および意匠パネルのレーザー溶接方法 - Google Patents

エレベータの意匠パネル構造および意匠パネルのレーザー溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のエレベータ意匠パネル構造では、意匠パネル部と補強部の接合にスポット溶接を適用し、その溶接で生成される溶接歪みを隠すため別途化粧パネルを貼り付けることで意匠性を保つ方策としている。しかし、この方策では化粧パネルの材料費と化粧パネル貼り付け作業負荷が発生するためコストアップと生産性悪化の原因につながっていた。
【解決手段】第一鋼板7の端部を、折り返し部8の端部が第一鋼板7の裏面に接するように折り返して断面を頂面が平らな山形形状とするとともに、第二鋼板11の端部に折り曲げ部12を形成し、この折り曲げ部12が第一鋼板7の折り返し部8と重合して端部溶接用接合部分WLを形成するようにして、溶接端部13を意匠面部分DS以外の部位に設けた。
【選択図】図6

Description

本願は、エレベータの意匠パネル構造および意匠パネルのレーザー溶接方法、特に、エレベータ意匠パネルにおける重ね合わされた鋼板相互をレーザー溶接によって接合する鋼板のレーザー溶接に適した構造とレーザー溶接方法に関するものである。
自動車および鉄道車輌の車体などの意匠品には、近年技術の進歩が著しいレーザー溶接技術の適用が進んでいる。溶接技術の中でもレーザー溶接は、レーザーの急峻なエネルギー密度分布により狭いビードと深い溶け込み形状を得ることに優れているため、薄板鋼板であっても材質(鋼板材あるいはステンレス材)に関わらず、高速且つ精密な入熱制御による深溶込み溶接が可能で、熱影響が小さく意匠面は低歪みである。
また、設備の自動化が容易であるため、より能率的であるという利点がある。従来、エレベータ意匠パネル(乗場の戸、かごの戸、かご室壁)を構成する意匠面パネル部と補強部の接合には、スポット溶接あるいは接着剤などが用いられているが、スポット溶接は生成される溶接歪みをグラインダーなどで修正する作業が発生することと接着剤は耐火性が低いため、火災時の接着剤の損傷などの課題があるため、レーザー溶接適用の試みがなされている。
特開昭59−198290(2頁右上欄15行〜20行)
特許文献1におけるエレベータ意匠パネル(かごの戸)の製造では、意匠パネル部と補強部の接合にスポット溶接を適用し、本溶接で生成される意匠面の溶接歪みを隠すため別途化粧パネルを貼り付けることで意匠性を保つ方法としている。しかし、このような方法では化粧パネルの材料費と化粧パネル貼り付け作業負荷が発生するためコストアップと生産性悪化の原因につながる。
そこでスポット溶接から熱影響の少ないレーザー溶接に切り替えることで溶接歪みを改善し、またパネル部と補強部の接合強度を担保するため部分的に高出力で強く溶接した場合でも、パネルの意匠面に溶接歪みの影響が出ないような製品構造とすることが、本願の目的である。
本願に開示されるエレベータの意匠パネル構造は、意匠面を表面に形成する意匠面部分を有する第一板状部材と補強用の第二板状部材とを重合して形成するエレベータの意匠パネル構造において、前記第一板状部材と前記第二板状部材を重合してレーザー溶接により溶接した接合溶接部を設けるとともに、前記接合溶接部の溶接端部を前記意匠面部分以外の部位に設けたことを特徴とするものである。
また、本願に開示される意匠パネルのレーザー溶接方法は、意匠面を表面に形成する意匠面部分を有する第一板状部材と補強用の第二板状部材とを重合して形成する意匠パネル構造に適用される溶接方法において、前記第一板状部材と前記第二板状部材をレーザー溶接するとともに、溶接端部を前記意匠面部分以外の部位に設けるようにしたことを特徴とするものである。
本願に開示されるエレベータの意匠パネル構造によれば、溶接端部に生ずる歪によって意匠面が損なわれることを防止でき、生産性に優れたエレベータの意匠パネル構造を提供することができる。
また、本願に開示される意匠パネルのレーザー溶接方法によれば、溶接端部に生ずる歪によって意匠面が損なわれることを防止でき、意匠パネルのレーザー溶接過程において生産性を向上することができる。
実施の形態1のレーザー溶接前における第一鋼板(エレベータ意匠パネル部材)を示す斜視図である。 実施の形態1のレーザー溶接前における第二鋼板(補強用部材)を示す斜視図である。 図1の第一鋼板と図2の第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接する前の状態を示す斜視図である。 レーザー溶接前における図1の第一鋼板(エレベータ意匠パネル部材)の断面を示す斜視図である。 レーザー溶接前における図2の第二鋼板(補強用部材)の部分拡大斜視図である。 図1の第一鋼板と図2の第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接した後の状態を示す実施の形態1の斜視図である(始端部の溶接パターン1)。 図1の第一鋼板と図2の第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接した後の状態を示す実施の形態2の斜視図である(始端部の溶接パターン2)。 図1の第一鋼板と図2の第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接した後の状態を示す実施の形態3の斜視図である(始端部の溶接パターン3)。 図1の第一鋼板と図2の第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接した後の状態を示す実施の形態4の斜視図である(始端部の溶接パターン4)。 図6において中心部の溶接を断続溶接に変更した実施の形態5を示す斜視図である。 スポット溶接あるいはレーザー溶接前における第一鋼板(エレベータ意匠パネル部材)の一般的な構成を示す斜視図である。 スポット溶接あるいはレーザー溶接前における第二鋼板(補強用部材)の一般的な構成を示す斜視図である。 図11の第一鋼板と図12の第二鋼板を重ね合わせてスポット溶接あるいはレーザー溶接する前の状態を示す斜視図である。 スポット溶接あるいはレーザー溶接前における図11の第一鋼板(エレベータ意匠パネル部材)の断面を示す斜視図である。 スポット溶接あるいはレーザー溶接前における図12の第二鋼板(補強用部材)の部分拡大斜視図である。 図11の第一鋼板と図12の第二鋼板を重ね合わせてスポット溶接した後の状態を示す斜視図である。 図11の第一鋼板と図12の第二鋼板を重ね合わせて始終端部に強度を持たせないようにレーザー溶接した後の状態を示す斜視図である。 図11の第一鋼板と図12の第二鋼板を重ね合わせて始終端部に強度を持たせるようにレーザー溶接した後の状態を示す斜視図である。
以下、図面に基づき、本願に係るレーザー溶接に適した構造およびレーザー溶接方法の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
実施の形態1を図1から図6までおよび図11から図18までに基づいて説明する。
エレベータの意匠パネルは建物内部との調和が重視されるため、室内装置に合わせて様々な意匠のものが要求される。例えば、鋼板材で形成したものに塗装を施したり、ステンレス材で形成したものにヘアラインあるいはエッチング・鏡面仕上げを施したりして製作される。
この意匠パネルは、図13に示すように意匠が主体となる第一鋼板1とその裏に隠れる補強用の第二鋼板2とから構成される。第一鋼板1との第二鋼板2のそれぞれの構造については、図11および図12に示している。また、第一鋼板1の断面を図14に、第二鋼板(補強)の部分拡大図を図15に示している。
通常、第一鋼板1と第二鋼板2の接合には、スポット溶接あるいは接着剤を用いた手法があるが、鋼板材をスポット溶接する場合は、溶接により生じる歪みをグラインダーなどで修正し、塗装を施す手法あるいは溶接歪みを隠すため意匠面に別途化粧パネルを貼り付ける手法などがある。接着剤は可燃性のものが多く、耐火性が低いため、火災時は接着剤が損傷し、第二鋼板2が剥離脱落する恐れがある。またスポット溶接では、溶接後にグラインダーによる歪み修正と化粧パネルの貼り付け等の作業が発生し、材料費と加工費の高騰に繋がり生産性悪化の原因となる。
スポット溶接は、溶接部に電流と圧力を加える役割を果たす電極を使用し、電極から部材への電流の電気抵抗により発生する熱を利用して行う抵抗溶接である。この発生した熱により接合面の位置でナゲットが溶融した後、固化する。図16のように二つの被溶接材である第一鋼板1および第二鋼板2は互いにラップさせて置き、二つの銅電極で押さえつけて固定することで、接合面同士を密着させ、電極と溶接品に短時間の大電流を流すことで、小さなスポットに溶接電流が流れる。これは、ジュールの法則に従って、熱は溶接品の内部抵抗と、溶接品の表面状態(粗さ、酸化物、塗装等)で左右される接合部の接触抵抗によって生じる。溶接時間は材料の種類、厚さ、電極の押付力、および、電極の直径によって変わる。この抵抗溶接では、溶接個所の接合強度は得られるが、溶接個所の表面・裏面ともに凹凸の圧痕ができるため、今回の対象としているエレベータ意匠パネルのように意匠性を必要とするものへの使用時には意匠性を確保する対策が必要である。
そこで、スポット溶接の代替として熱影響の少ないレーザー溶接を適用することで、課題である溶接歪みを改善する。レーザー溶接とは、レーザー光を熱源として主として金属に集光した状態で照射し、金属を局部的に溶融・凝固させることによって接合する手法である。レーザー溶接の特徴としては、レーザーの急峻なエネルギー密度分布により狭いビードと深い溶け込み形状を得ることに優れているため、薄板鋼板であっても材質(鋼板材あるいはステンレス材)に関わらず、高速且つ精密な入熱制御による深溶込み溶接が可能で、熱影響が小さく意匠面は低歪みである。
ここで、用いるレーザー溶接装置は、レーザー発振器、各種ミラー、集光レンズなどを含む光学系、レーザー溶接ヘッドを目的の任意の位置に移動する溶接ヘッド装置、被溶接材の形状と溶接位置・状態などを監視する画像認識処理装置、温度センサ等の各種センサ類、および適切な加工プログラムと各種データが保存され、画像認識処理装置の認識結果などに基づいてレーザー発振器と溶接ヘッド駆動装置などを制御する制御装置などを備えたものであり、適宜選択して利用できる。
また、溶接品質を向上させるため、被溶接材の厚みを自動的に測定し、厚みに合わせてレーザー出力を調整する機能などもある。そのため、生産の自動化を容易に実施することができるため、安価に生産できることも特徴的である。レーザー発振器および伝送集光系からなるレーザー溶接システムは、基本的に精密光学機器であるため、レーザーで溶接する部品は、高精度、低歪み、低入熱溶接が要求されるような付加価値の高い部品の製作などに多用されている。また、エレベータ意匠パネルのようにステンレスが多用され、炭素鋼に比較して熱膨張率の大きな材料では溶接変形を少なくするのに好都合である。
このレーザー溶接をエレベータ意匠パネルに適用するにあたっては、意匠性と強度を両立する溶接条件が必要となるが、本パネルは薄板同士の重ね溶接となるため、意匠性を担保するためには、レーザー溶接の溶け込み深さを抑制する必要がある。
そもそも、エレベータの構造は、今回対象としているエレベータ意匠パネル(乗場の戸、かごの戸、かご室壁)の他に天井、床、袖壁、操作盤等で構成されているが、エレベータかご内は、満員の際、乗客がエレベータ意匠パネルにもたれかかる(パネル中央部への負荷)場合を想定し、第一鋼板1の裏面側に第二鋼板2を接合することで強度を持たせる構造となっている。この構造は、エレベータ意匠パネルの中央部への負荷荷重に対して発生する第一鋼板1および第二鋼板2の接合端部への剥離力に耐え得る必要がある。そのため、第一鋼板1と第二鋼板2の接合時には、接合端部の強度を担保する必要がある。図17のようにレーザー溶接を適用した場合は、溶接端部4はレーザーを直線形状に溶接するため、剥離力への強度が担保できず、端部の接合部位から破損し、第二鋼板2が外れてしまう恐れがある。なお、レーザー溶接は溶接方向5の向きに実施される。また、図18のようにレーザー溶接を適用した場合は、溶接端部6は端部の接合部位の強度は担保できるが、スポット溶接のように意匠面に歪みが生成される。そこで、第一鋼板1および第二鋼板2の接合端部への剥離力に耐え、かつ、意匠面に歪みが生成されないレーザー溶接に適した製品構造を得る必要がある。
以下に実施の形態1に示す、接合端部への剥離力に耐え、かつ、意匠面に歪みが生成されないレーザー溶接に適した構造について説明する。
図1のように第一鋼板7のレーザー溶接端部に予め鈍角の折り返し部8の加工を施し、また図2に示すように第二鋼板11のレーザー溶接端部にも予め鈍角の折り曲げ部12の加工を施すことで、図3に示す第一鋼板7と第二鋼板11を重合させる際にパネルの意匠面と接しない溶接面13を生成する。
ここからは、本願の特徴点を交え、具体的に説明する。一般的な構成の第一鋼板1の構造は図11に示す通りで、長辺・短辺のそれぞれがコの字に曲げられていて、断面図は図14の通りとなっている。この構造を次のように変更する。図11の第一鋼板1の短辺側のコの字曲げ部分の両側にさらに曲げを追加して折り返し部8とする。この曲げについては、汎用曲げ機によるボトミング曲げでは、製品と金型が干渉するため、実現できない。だが、近年はパネルベンダーなるパネル曲げに特化した曲げ機を使用することで可能となる。パネルベンダーは、従来のベンダーが加工困難なヘミングあるいはR曲げ、クロージングといった複雑な曲げ形状を高精度・迅速・簡単に加工できる曲げ加工機である。この曲げ機を使用することで、図1に示す第一鋼板7の折り返し部8を実現する。その第一鋼板7の折り返し部8はパネルの裏面側9と接するようにする。この折り返し部8の詳細構造については、第一鋼板7の断面を示す図4および図6に示している。
次に、第二鋼板11について詳しく説明する。一般的な構造変更前の形状は図12の第二鋼板2である。被溶接材となる第二鋼板2は、エレベータ意匠パネルにおいて意匠面の裏に隠れる補強材である。この構造を次のように変更する。図2に示すように、第二鋼板11の一部には、第一鋼板7の折り返し部8と重ね合わせられるよう、第一鋼板7の折り返し部8の角度と平行になるよう、折り曲げ部12のように補強の端部に第一鋼板と同角度の曲げを施している。この折り曲げ部12の詳細については、図5に示している。
これは、エレベータ意匠パネルの意匠面と接する面は、エレベータ意匠パネルの意匠面に歪みが生成されない程度の出力でレーザー溶接する必要があり、かつ、溶接開始終了箇所は第一鋼板7および第二鋼板11に対してレーザー熱が局所に滞る傾向にあるためである。
このような構造とすることで、図6に示すように第一鋼板7と第二鋼板11を重合させる際にエレベータ意匠パネルの意匠面と接しない溶接面13を準備し、ここを溶接開始終了箇所とすることができる。
ここでは、第一鋼板7の端部を、折り返し部8の端部が第一鋼板7の裏面に接するように折り返して断面を頂面が平らな山形形状とするとともに、第二鋼板11の端部に折り曲げ部12を形成し、この折り曲げ部12が第一鋼板7の折り返し部8と重合して端部溶接用接合部分WLを形成し、この端部溶接用接合部分WLに溶接面13が設けられるものである。
なお、レーザー溶接は、溶接方向5の向きに実施され、溶接部分14が形成される。溶接部分14の端部には、エレベータ意匠パネルの意匠面と接しない溶接面13上にコの字形パターン15(始端部の溶接パターン1)が形成される。
これにより、意匠面以外の箇所で第一鋼板7と第二鋼板11を接合することができ、強度が必要な部分で熱を多く加える必要がある端部の溶接部に対しても意匠面は熱影響を受けないことになる。
意匠面側に熱歪みの影響が出ない接合手法について、本実施例では第一鋼板7と第二鋼板11の溶接端部が意匠面側ではないため、その部位については、しっかりとしたレーザー溶接を施すことが可能である。
実施の形態1におけるエレベータの意匠パネル構造は、図1から図6に示す通り、次の構成が適用されている。
意匠面を表面に形成する第一鋼板7からなる第一板状部材と補強用の第二鋼板11からなる第二板状部材を重合して形成するエレベータの意匠パネル構造において、前記第一鋼板7からなる第一板状部材は前記意匠面を形成する意匠面部分DSと前記意匠面を形成しない非意匠面部分NDとを有するものであって、前記第一鋼板7からなる第一板状部材と前記第二鋼板11からなる第二板状部材を重合しレーザー発生源からのレーザー波出力を連続して印加されて溶接されるレーザー溶接による連続溶接により溶接して連続溶接部からなる溶接部分14で形成される接合溶接部WPを設けるとともに、前記接合溶接部WPの溶接始端および溶接終端において前記第一鋼板7からなる第一板状部材に生成される溶接端部WEを前記非意匠面部分NDに設け、前記溶接端部WEを前記第一鋼板7からなる第一板状部材において前記意匠面以外の部位である非意匠面部分NDに設けたことを特徴とする。
すなわち、意匠面を形成する第一鋼板7と補強用の第二鋼板11とを重合して形成するエレベータの意匠パネル構造において、前記第一鋼板7と補強用の第二鋼板11をレーザー溶接するとともに、溶接端部WEを意匠面と接しない面に設けたことを特徴とする。
この構成により、接合溶接部WPの溶接端部WEに生ずる歪によって意匠面部分DSの外観が損なわれることを防止でき、生産性に優れたエレベータの意匠パネル構造を提供することができる。
すなわち、パネル部と補強部の溶接端部に最も荷重負荷(剥離力)がかかるため、意匠面に歪みを生成することなく端部を高出力で強く溶接可能となる。また、溶接箇所の端部から中心部にかけては強度のバックアップとして溶接する必要があるが、レーザー溶接はスポット溶接と比べ熱影響が小さく歪みが抑えられるため、適度な接合強度(バックアップ)であれば意匠性と両立した溶接条件出しが可能である。これにより、先行特許事例のようにスポット溶接後にその歪みを隠すために別途化粧パネルを準備せずとも、意匠パネルの意匠面をフラットに保つことが可能である。そのため、化粧パネル自体の材料費と化粧パネルを取り付ける加工費を削減することができ、かつパネル部と補強部の曲げ加工は容易であり、レーザー溶接を含めて設備自動化が可能なため、製作費を大きく削減することができ、生産性向上に繋がる。
また、実施の形態1における意匠パネルのレーザー溶接方法は、次の方法が適用されている。
意匠面を表面に形成する第一鋼板7からなる第一板状部材と補強用の第二鋼板11からなる第二板状部材とを重合して形成するものであって、前記第一鋼板7からなる第一板状部材は前記意匠面を形成する意匠面部分DSと前記意匠面を形成しない非意匠面部分NDとを有する意匠パネル構造に適用される溶接方法において、前記第一鋼板7からなる第一板状部材と前記第二鋼板11からなる第二板状部材を重合してレーザー溶接により溶接して溶接部分14からなる接合溶接部WPを形成するとともに、前記溶接端部WEを前記意匠面以外の部位である非意匠面部分NDに形成するようにしたことを特徴とする。
この構成により、接合溶接部WPの溶接端部WEに生ずる歪によって意匠面部分DSの外観が損なわれることを防止でき、意匠パネルのレーザー溶接過程において生産性を向上することができる。
実施の形態2.
実施の形態2を図7に基づいて説明する。図7は意匠面を形成する第一鋼板と補強用の第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接した後の状態を示す斜視図である。
図7は、溶接部分14に連なる溶接始端部13の溶接パターンをコの字形を連続して繋げた形状のジグザク形とした例である。溶接部分14に連なる溶接終端部(図示せず)の形状も同様である。このようにすると、より確実な溶接部を得ることができる。
実施の形態2におけるエレベータの意匠パネル構造は、図7に示す通り、前述した実施の形態1における構成において、次の構成が適用されている。
接合溶接部WPを構成し溶接部分14に連なる溶接始端部13および溶接終端部からなる溶接端部WEの形状を、コの字形状を連続して繋げたジグザク形状とし強度を上げる形状としたことを特徴とする。
この構成により、溶接始端部13および溶接終端部からなる溶接端部の形状を、コの字形状を連続して繋げたジグザク形状とすることによって、接合溶接部WPを構成し溶接部分14に連なる溶接端部13における意匠面を表面に形成する意匠面部分DSを有する第一鋼板7からなる第一板状部材と補強用の前記第二鋼板11からなる第二板状部材との接合強度を充分に確保でき、接合端部に加えられる剥離力に耐え得るエレベータの意匠パネル構造を提供することができる。
実施の形態3.
実施の形態3を図8に基づいて説明する。図8は意匠面を形成する第一鋼板と補強用の第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接した後の状態を示す斜視図である。
図8は、接合溶接部WPを構成し溶接部分14に連なる溶接始端部13の溶接パターンを四角形状にした例である。溶接部分14に連なる溶接終端部(図示せず)の形状も同様である。このようにすると、より確実な溶接部を得ることができる。
実施の形態3におけるエレベータの意匠パネル構造は、図8に示す通り、前述した実施の形態1における構成において、次の構成が適用されている。
接合溶接部WPを構成し溶接部分14に連なる溶接始端部13および溶接終端部からなる溶接端部WEの溶接形状を四角形とし、四角形の外形輪郭内を全て塗り潰す形でレーザー溶接して、溶接端部WEの溶接パターンを四角形状にすることにより、溶接接合部の強度を上げるようにしたことを特徴とする。
この構成により、溶接始端部13および溶接終端部からなる溶接端部WEの溶接パターンを四角形状にすることによって、接合溶接部WPを構成し溶接部分14に連なる溶接始端部13および溶接終端部からなる溶接端部WEにおける意匠面を表面に形成する第一鋼板7からなる第一板状部材と補強用の前記第二鋼板11からなる第二板状部材との接合強度を充分に確保でき、接合端部に加えられる剥離力に耐え得るエレベータの意匠パネル構造を提供することができる。
実施の形態4.
実施の形態4を図9に基づいて説明する。図9は第一鋼板と第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接した後の状態を示す斜視図である。
図9は、溶接部分14に連なる溶接始端部の溶接パターンを円形状にした例である。溶接部分14に連なる溶接終端部(図示せず)の形状も同様である。このようにすると、より確実な溶接部を得ることができる。
実施の形態4におけるエレベータの意匠パネル構造は、図9に示す通り、前述した実施の形態1における構成において、次の構成が適用されている。
接合溶接部WPを構成し溶接部分14に連なる溶接始端部13および溶接終端部からなる溶接端部WEの溶接形状を円形とし、円形の外形輪郭内を全て塗り潰す形でレーザー溶接して、溶接端部WEの溶接パターンを円形状にすることにより、溶接接合部の強度を上げるようにしたことを特徴とする。
この構成により、溶接始端部13および溶接終端部からなる溶接端部の溶接パターンを円形状にすることによって、接合溶接部WPを構成し溶接部分14に連なる溶接始端部13および溶接終端部からなる溶接端部における意匠面を表面に形成する意匠面部分DSを有する第一鋼板7からなる第一板状部材と補強用の前記第二鋼板11からなる第二板状部材との接合強度を充分に確保でき、接合端部に加えられる剥離力に耐え得るエレベータの意匠パネル構造を提供することができる。
実施の形態5.
実施の形態5を図10に基づいて説明する。図10は意匠面を形成する第一鋼板と補強用の第二鋼板を重ね合わせてレーザー溶接した後の状態を示す斜視図である。
図10は、溶接部の始端部の溶接パターンをコの字形とし、かつ溶接部分19をパルス溶接による断続溶接にした例である。このようにすると、さらに歪みを抑制することが可能となる。
実施の形態5におけるエレベータの意匠パネル構造は、図10に示す通り、前述した実施の形態1における構成において、次の構成が適用されている。
前記第一鋼板7からなる第一板状部材と前記第二鋼板11からなる第二板状部材の前記接合溶接部WPは、レーザー溶接においてレーザー発生源からのパルス状のレーザー波出力を印加して溶接するパルス溶接による断続溶接により形成された断続溶接部分19として設けられていることを特徴とする
この構成により、前記第一鋼板7からなる第一板状部材と前記第二鋼板11からなる第二板状部材の溶接接合による歪を的確に抑制することができる。
以上のように、溶接部の形状は種々の形状が考えられるが、エレベータ意匠パネルの意匠面に歪みが生成されない程度にレーザー出力を調整し、意匠面と接する面を溶接することで意匠性も担保できる。また、実施の形態5のように連続溶接をパルス溶接に変更することでもさらに歪みを抑制することが可能となる。
続溶接のデメリットとしては入熱量が多くなるため、意匠面への歪みが出やすいことがあげられるが、パルス溶接では多数のパラメータを変更(パルス巾、周波数、波形等)させ、入熱量を調整することができるため、意匠面への歪み抑制に有効である。強度は問題ないが、意匠性に問題がある場合はパルス溶接に、逆に意匠性に問題がないが強度に問題がある場合は連続溶接へと切り替えることで意匠性と強度特性という相反する要求に対応することが可能となる。
本願の第一鋼板7と第二鋼板11のようなエレベータ意匠パネルの構造およびレーザー溶接方法であれば、溶接端部のような強度が必要な部分の溶接で発生する熱による意匠面の歪みを防ぐことができるため、別途化粧パネルを用意して意匠面に貼り付けることなく意匠面をフラットに保つことができる。そのため、エレベータ意匠パネル(乗場の戸、かごの戸、かご室壁)など高度な意匠性を求められる意匠製品に適用することができる。
なお、この出願における技術思想としての開示事項は、その技術範囲内において、実施の形態を自由に組合せたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 第一鋼板、2 第二鋼板、3 スポット溶接部、4 溶接始端部、5 溶接方向、6 強度を持たせた溶接始端部、7 第一鋼板(第一板状部材)、 第一鋼板の折り返し部、9 第一鋼板の裏面側、10 第一鋼板の意匠面側、11 第二鋼板(第二板状部材)、12 第二鋼板の折り曲げ部、13 第一鋼板と第二鋼板の折り曲げ重合部の溶接始端部、14 第一鋼板と第二鋼板の意匠面に接する溶接部分(溶接手法:連続)、15 溶接始端部の溶接パターン1、16 溶接始端部の溶接パターン2、17 溶接始端部の溶接パターン3、18 溶接始端部の溶接パターン4、19 第一鋼板と第二鋼板の意匠面に接する溶接部分(溶接手法:断続)、DS 意匠面部分、ND 非意匠面部分、WP 接合溶接部、WE 溶接端部。

Claims (10)

  1. 意匠面を表面に形成する意匠面部分を有する第一板状部材と補強用の第二板状部材とを重合して形成するエレベータの意匠パネル構造において、前記第一板状部材と前記第二板状部材を重合してレーザー溶接により溶接した接合溶接部を設けるとともに、前記接合溶接部の溶接端部を前記意匠面部分以外の部位に設けたことを特徴とするエレベータの意匠パネル構造。
  2. 前記第一板状部材の端部を、折り返し部の端部が前記第一板状部材の裏面に接するように折り返して断面を頂面が平らな山形形状とするとともに、前記第二板状部材の端部に折り曲げ部を形成し、この折り曲げ部が前記第一板状部材の前記端部と重合して前記溶接端部が設けられる部位を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの意匠パネル構造。
  3. 前記第一板状部材の端部形状は、前記折り返し部と前記第一板状部材の裏面とが鈍角で接しており、前記第二板状部材の端部の折り曲げ部は鈍角で形成されている特徴とする請求項2に記載のエレベータの意匠パネル構造。
  4. 前記溶接端部の形状を、コの字形状としたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエレベータの意匠パネル構造。
  5. 前記溶接端部の形状を、コの字形状を連続して繋げたジグザク形状としたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエレベータの意匠パネル構造。
  6. 前記溶接端部の溶接パターンを四角形状としたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエレベータの意匠パネル構造。
  7. 前記溶接端部の溶接パターンを円形状としたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエレベータの意匠パネル構造。
  8. 前記第一板状部材と前記第二板状部材の前記接合溶接部にはレーザー溶接による連続溶接により形成された連続溶接部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか1項に記載のエレベータの意匠パネル構造。
  9. 前記第一板状部材と前記第二板状部材の前記接合溶接部にはレーザー溶接による断続溶接により形成された断続溶接部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか1項に記載のエレベータの意匠パネル構造。
  10. 意匠面を表面に形成する意匠面部分を有する第一板状部材と補強用の第二板状部材とを重合して形成する意匠パネル構造に適用される溶接方法において、前記第一板状部材と前記第二板状部材をレーザー溶接するとともに、溶接端部を前記意匠面部分以外の部位に形成するようにしたことを特徴とする意匠パネルのレーザー溶接方法。
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