JP2002321889A - エレベーター用の乗り場の扉 - Google Patents
エレベーター用の乗り場の扉Info
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Abstract
により防火扉としての規定を満たすことができるエレベ
ーター用の乗り場の扉を提供する。 【解決手段】 補強材52を有機系の接着剤からなる接
着層53で表板51裏面に接着し、表板51の一辺だけ
で金属材料により例えばリベットにより接合されてい
る。上記表板51、補強材52および両者を接合する金
属材料は融点900℃以上の金属を用いる。
Description
乗り場の扉に関するものである。
は、建物側に取り付けられた扉で、建物側で発生した火
災がエレベーターの昇降路を伝って他の階に延焼するの
を防ぐ防火扉としての機能が必要である。従来は、上記
エレベーター用の乗り場の扉は、表板と補強材とを溶接
で接合したものが用いられていた。しかしながら、建物
側で火災が発生すると表板表面の温度は補強材の温度よ
り高くなるため、扉が建物側に膨れるように反り、この
反りが大きくなると、建物と扉の間に隙間が生じ、この
隙間から炎が昇降路に入り込むこととなる。この反りを
小さくするためには、表板や補強材の板厚を上げたり、
補強材を増やしたりして扉の剛性を高くしたりして対応
していた。
ように表板や補強材の板厚を上げたり、補強材を増やし
たりすると、扉の重量の増加、工程の複雑さまたは溶接
箇所の増加に伴う歪みの増加などの課題があった。
れたもので、軽量で、かつ火災時の反りを小さくするこ
とにより防火扉としての規定を満たすことができるエレ
ベーター用の乗り場の扉を得ることを目的とする。
ベーター用の乗り場の扉は、金属製の表板、この表板の
裏面に設けられ、上記表板の一辺だけが金属接合部によ
り接合されている金属製の補強材、および上記表板と上
記補強材とを接着する有機系接着剤からなる接着層を備
え、上記表板、補強材および接合部の金属が融点900
℃以上のものである。
場の扉は、上記第1のエレベーター用の乗り場の扉にお
いて、表板の一辺と、その対向辺または隣辺とで補強材
を接合し、上記一辺の接合部以外は、融点が200〜6
00℃の金属材料を用いて接合されているものである。
場の扉は、上記第1のエレベーター用の乗り場の扉にお
いて、表板の熱膨張係数が、補強材の熱膨張係数よりも
大きいものである。
場の扉は、上記第1のエレベーター用の乗り場の扉にお
いて、有機系接着剤はガラス転移温度が50〜120℃
の熱硬化性樹脂からなるものである。
場の扉は、上記第1に記載のエレベーター用の乗り場の
扉において、有機系接着剤は熱可塑性樹脂からなるもの
である。
場の扉は、上記第5のエレベーター用の乗り場の扉にお
いて、熱可塑性樹脂の軟化温度が60〜100℃のもの
である。
の実施の形態のエレベーター用の乗り場の扉の斜視図お
よび(a)におけるA―A線断面図であり、図中、51
は融点900℃以上の金属製の表板、52は融点900
℃以上の金属製の補強材、53は有機系接着剤からなる
接着層、61は融点900℃以上の金属材料による第1
の接合部、62は融点200〜600℃の金属材料によ
る第2の接合部である。つまり、図1に示すように、エ
レベーター用の乗り場の扉は、表材51および補強材5
2は融点900℃以上の金属からなり、補強材52が有
機系の接着剤からなる接着層53で表板51裏面に接着
されるとともに、表板51上部の一辺だけで、融点90
0℃以上の金属を用い、例えばリベットにより接合(第
1の接合61)されたものである。なお、上記表板5
1、補強材52および第1の接合に融点900℃以上の
金属材料を用いるのは、火災時に表材51、補強材52
および第1の接合部61が溶融することがないようにす
るためである。また、図1(a)では一つの補強材52
を表板51の一辺で接合されているものを示したが、通
常時の安定性から補強材52を複数用いても良い。
と補強材52とは接着されており、建物側の火災時には
表板51の温度が補強材52の温度より上昇するため、
扉には温度差による膨張の差により「反りの力」が生じ
る。一方、有機系接着剤は高温では接着強度が低下する
ことと、せん断力よりはく離力に弱いことにより、上記
反りにより接着層53には大きなはく離力が加わるため
接着層53は容易にはがれ、火災発生後短時間で補強材
52面と表板51面を分離させることができ、扉が反っ
てしまうことにより建物と扉の間に隙間が生じることが
防止される。なお、表材51の上部と補強材52との接
合に用いるリベットとして、鋼製やステンレス製等融点
900℃以上のものを用いると、火災時に接着層53が
はく離しても、補強材52の落下を防止できる。また、
補強材52が表板51から分離することにより接着層5
3は空気に直接触れるため、燃焼しやすくなり短時間で
焼失するので発煙も短時間で終了する。
辺とで補強材を接合すると、通常時、安定に補強材と表
材とを接合できる。図1は表板の一辺と、その対向辺と
で補強材を接合する場合を示す。この場合は、表材51
の上部と下部の折り返し部に補強材52をリベット等で
接合して固定するが、補強材52と表材51の一辺とは
融点900℃以上の金属材料による第1の接合部61に
より接合し、補強材52と残りの辺とはアルミ、はん
だ、亜鉛等融点が200〜600℃の金属材料を用いた
第2の接合部62により接合しなければならない。第2
の接合部62が上記融点範囲の金属材料を用いたもので
あるので、火災発生後容易に溶融し、短時間に表板51
面と補強材52面とを分離することができる。即ち、下
部のリベットを例えばアルミ製にすると、補強材52と
表板52の接着層53がはがれた後、500℃程度で溶
融するため、上下方向の伸びが規制されて乗り場側に反
っていたパネルの反りは、アルミの溶融とともに上下方
向の規制がなくなり表板の反り量が減少するものであ
る。パネルの反りが大きいと、建物と扉の間に隙間が生
じるため、エレベーター昇降路側に火が回りこむことと
なり防火扉としての機能を果たさなくなる。
板、補強材の材質を軟鋼板とするなど、上記表板の熱膨
張係数が補強材の熱膨張係数よりも大きい場合について
説明する。つまり、火災時には表板の温度が補強材の温
度より上昇するため、表材と補強材の温度差と熱膨張係
数の差により、表材と補強材とに熱膨張係数の差がない
場合より、建物側への表板の反り力は増加し、表板面と
補強材面が分離する温度を低くすることができる。即
ち、補強材面のはく離後は表板の反りは小さくなるた
め、火災発生後短時間で建物と扉の隙間をなくすことが
できる。
境(−20〜+50℃)において高い剛性を有している
ことが必要であるため、有機系接着剤として熱硬化性樹
脂を用いる場合は、ガラス転移温度(粘弾性測定のta
nδピーク)が50〜120℃のものを用いるのが望ま
しい。なお、熱硬化性樹脂を用いることにより接着強度
および耐久性に優れる。上記ガラス転移温度が50℃未
満の場合は、通常使用環境において接着剤が柔らかいた
め接着強度が低くなり、扉の剛性が維持できなくなる。
一方、ガラス転移温度が120℃を越えると、通常使用
環境において接着剤が硬すぎて衝撃に弱くなる。
用いる場合には、軟化温度が60〜100℃のものを用
いるのが望ましい。なお、熱可塑性樹脂を用いると、接
着時間を短縮できる。上記軟化温度範囲であると、使用
環境においても接着強度が低くなることもなく、早期に
接着層がはく離して表材51面と補強材52面を分離で
きるため望ましい。
ー用の乗り場の扉の寸法が、幅785mm、高さ252
5mmであるものを製造する場合について説明する。上
記寸法になるように板厚1.6mmの鋼板を加工して表
板51を得る。一方、板厚は1.6mmの鋼板で、図1
(b)に示すような断面がハット型の補強材52を2本
用意する。次に、図1(a)では補強材52を1本用い
た場合を示すが、本実施例では、表材51の上部折り返
し部に、表材の縦方向に2本の補強材を各々2本の径
4.8mmの鋼製のリベットにより締結する(第1の接
合部61)とともに、表材51の裏面と補強材52とを
有機系接着剤からなる接着層53で接着して、本発明の
実施例のエレベーター用の乗り場の扉を製造する。な
お、上記接着剤としては、ガラス転移温度が105℃
(粘弾性測定のtanδピーク)である2液室温硬化型
アクリル系接着剤{商品名:ハードロックC373、電
気化学工業(株)製}を用いる。
乗り場の扉を、厚さ24mmの繊維混入ケイ酸カルシウ
ム板で囲って耐火試験加熱炉に取り付け、下式で示され
るBS746規定の温度上昇式に従って表材側から加熱
した。なお、式中、tは加熱時間(分)である。 T(℃)=345・log(8t+1) + 20 (式1)
熱開始から約3分後にはがれた。この時の表板裏面中央
部の温度は200℃で、反り量は38mmであった。そ
の後132分まで加熱を続け、その間の最大反り量は3
4mmであった。なお、扉の反り量は、扉裏面中央部で
測定した。
り場の扉の裏面側を簡略化して示したが、実際は、表板
の裏面上部にはローラーなどが取り付けられる鋼板製の
ハンガー部材、および表板裏面下部にはレールガイドな
どが取り付けられる鋼板製の下部構造部材が表板の折り
返し部で溶接され、補強材が上記ハンガー部材とリベッ
トで締結されている。
接合の代わりに補強材を表板にスポット溶接を行う他は
実施例1と同様にして扉を製造する。上記扉に実施例1
と同じ条件で耐火試験を実施した結果、補強材は132
分間の耐火試験終了まで表板から分離することはなく、
その間の最大反り量は66mmであった。
部を鋼製のリベット2本で締結する(第1の接合部6
1)とともに、補強材の下部をアルミニウム製のリベッ
ト(径3.2mm)2本で締結(第2の接合部62)す
る他は実施例1と同様にして本発明の実施例のエレベー
ター用の乗り場の扉を製造する。上記扉に実施例1と同
じ条件で耐火試験を行った結果、補強材の接着層は加熱
開始から約2分後にはがれた。この時の表板裏面中央部
の温度は120℃で、反り量は25mmであった。試験
開始から10分後にアルミリベットが変形してはずれ
た。この時の反り量は30mmであった。その後、13
2分まで加熱を続け、その間の最大反り量は34mmで
あった。
として、鋼板より線膨張係数の大きいステンレス鋼板
(SUS304)を用いる他は実施例1と同様にして本
発明の実施例のエレベーター用の乗り場の扉を製造す
る。上記扉に実施例1と同じ条件で耐火試験を行った結
果、補強材の接着層は加熱開始から約2分後にはがれ
た。この時の表板裏面中央部の温度は120℃で、反り
量は25mmであった。その後132分まで加熱を続
け、その間の最大反り量は36mmであった。
てエチレン酢ビ共重合体の熱可塑性接着剤エバフレック
ス{三井・デユポンポリケミカル(株)製}(軟化温度
90℃)を用いる他は実施例1と同様にして本発明の実
施例のエレベーター用の乗り場の扉を製造する。上記扉
に実施例1と同じ条件で耐火試験を行った結果、補強材
の接着層は加熱開始から約2分後にはがれた。この時の
表板裏面中央部の温度は120℃で、反り量は20mm
であった。その後132分まで加熱を続け、その間の最
大反り量は34mmであった。
の扉は、金属製の表板、この表板の裏面に設けられ、上
記表板の一辺だけが金属接合部により接合されている金
属製の補強材、および上記表板と上記補強材とを接着す
る有機系接着剤からなる接着層を備え、上記表板、補強
材および接合部の金属が融点900℃以上のもので、軽
量で、かつ火災時の反り量が減少することにより防火扉
としての規定を満たすことができる。
扉は、上記第1のエレベーター用の乗り場の扉におい
て、表板の一辺と、その対向辺または隣辺とで補強材を
接合し、上記一辺の接合部以外は、融点が200〜60
0℃の金属材料を用いて接合されているもので、特に通
常時、補強材と安定に表材に接合でき補強材の補強効果
が増す。
扉は、上記第1のエレベーター用の乗り場の扉におい
て、表板の熱膨張係数は補強材の熱膨張係数よりも大き
いもので、特に早期に補強材が分離し、防火が効果的に
行われる。
扉は、上記第1のエレベーター用の乗り場の扉におい
て、有機系接着剤はガラス転移温度が50〜120℃の
熱硬化性樹脂からなるもので、通常使用時の接着特性が
優れている。
扉は、上記第1のエレベーター用の乗り場の扉におい
て、有機系接着剤は熱可塑性樹脂からなるもので、接着
作業が短縮できる。
扉は、上記第5のエレベーター用の乗り場の扉におい
て、熱可塑性樹脂の軟化温度が60〜100℃のもの
で、通常使用時の接着特性が優れかつ火災時の反り量が
減少する。
場の扉の斜視図と断面図である。
る接着層、61 第1の接合部(融点900℃以上の金
属材料)、62 第2の接合部(融点200〜600℃
の金属材料)。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属製の表板、この表板の裏面に設けら
れ、上記表板の一辺だけが金属接合部により接合されて
いる金属製の補強材、および上記表板と上記補強材とを
接着する有機系接着剤からなる接着層を備え、上記表
材、補強材および接合部の金属が融点900℃以上であ
るエレベーター用の乗り場の扉。 - 【請求項2】 表板の一辺と、その対向辺または隣辺と
で補強材を接合し、上記一辺の接合部以外は、融点が2
00〜600℃の金属材料を用いて接合されていること
を特徴とする請求項1に記載のエレベーター用の乗り場
の扉。 - 【請求項3】 表板の熱膨張係数が、補強材の熱膨張係
数よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のエレ
ベーター用の乗り場の扉。 - 【請求項4】 有機系接着剤はガラス転移温度が50〜
120℃の熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求
項1に記載のエレベーター用の乗り場の扉。 - 【請求項5】 有機系接着剤は熱可塑性樹脂からなるこ
とを特徴とする請求項1に記載のエレベーター用の乗り
場の扉。 - 【請求項6】 熱可塑性樹脂の軟化温度が60〜100
℃であることを特徴とする請求項5に記載のエレベータ
ー用の乗り場の扉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001128549A JP4802386B2 (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | エレベーター用の乗り場の扉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001128549A JP4802386B2 (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | エレベーター用の乗り場の扉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002321889A true JP2002321889A (ja) | 2002-11-08 |
JP4802386B2 JP4802386B2 (ja) | 2011-10-26 |
Family
ID=18977221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001128549A Expired - Lifetime JP4802386B2 (ja) | 2001-04-26 | 2001-04-26 | エレベーター用の乗り場の扉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4802386B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019196252A (ja) * | 2018-05-10 | 2019-11-14 | 三菱電機株式会社 | エレベータの意匠パネル構造および意匠パネルのレーザー溶接方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5894582A (ja) * | 1981-11-30 | 1983-06-04 | 株式会社日立製作所 | エレベ−タ−パネル |
JPS58224982A (ja) * | 1982-06-24 | 1983-12-27 | 三菱電機株式会社 | エレベ−タのドア装置 |
JP2001097657A (ja) * | 1999-09-08 | 2001-04-10 | Inventio Ag | エレベータのドアパネル |
-
2001
- 2001-04-26 JP JP2001128549A patent/JP4802386B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2001097657A (ja) * | 1999-09-08 | 2001-04-10 | Inventio Ag | エレベータのドアパネル |
Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2019196252A (ja) * | 2018-05-10 | 2019-11-14 | 三菱電機株式会社 | エレベータの意匠パネル構造および意匠パネルのレーザー溶接方法 |
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