JP5849753B2 - 樹脂モールディング付き透明積層体、車両または建物の窓部材、および樹脂モールディング付き透明積層体の製造方法 - Google Patents

樹脂モールディング付き透明積層体、車両または建物の窓部材、および樹脂モールディング付き透明積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両や建物の窓部材等に使用され得る樹脂モールディング付きの透明積層体に関する。
樹脂モールディング付きの透明積層体、例えば樹脂モールディング付きの合わせガラスは、車両または建物の窓ガラス用の部材等として、幅広く使用されている。特に、最近では、車内または建屋内の快適性を高めるため、遮音性を有する合わせガラスが開発されている(特許文献1)。
そのような遮音性合わせガラスは、通常、第1および第2のガラス基板と、両ガラス基板の間に配置された中間膜とで構成される。
中間膜は、通常、第1のポリビニルアセタール層、第2のポリビニルアセタール層、および第3のポリビニルアセタール層をこの順に積層した3層構造となっている。このうち、中間膜の中央に配置される第2のポリビニルアセタール層は、第1および第2のポリビニルアセタール層に比べて、可塑剤の含有率が高くなっており、このため第1および第2の層に比べて柔らかくなっている。
中間膜をこのような構成とした場合、第2のポリビニルアセタール層において、可聴域内の周波数の音波が減衰されやすくなるため、合わせガラスの遮音性能が向上する。
なお、通常の場合、合わせガラスには、後工程において、合わせガラスを被設置対象に組み付ける際の作業を容易化するため、予め樹脂モールディングが取り付けられる。
特開平5−104687号公報
前述のように構成された樹脂モールディング付きの合わせガラスにおいて、製品の製造段階や製品としての使用中に、合わせガラスの端面部分の中間膜内に気泡が生じたり、合わせガラスの端面の中間膜部分から、合わせガラスに剥離が生じたりする場合がある。
気泡の詳しい発生原因は今のところ不明であるが、気泡は、中間膜の中央部分にある第2のポリビニルアセタール層の端面およびその近傍に集中して生じる傾向にある。
また、合わせガラスの剥離は、第1のポリビニルアセタール層と第2のポリビニルアセタール層の界面、または第2のポリビニルアセタール層と第3のポリビニルアセタール層の界面が剥離することにより生じると考えられる。
このような中間膜内における気泡および/または剥離の発生は、合わせガラスの機能上大きな影響を及ぼさなくても、合わせガラスの美観を損ねる大きな要因となる。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、本発明では、気泡および/または剥離の発生による美観の低下が有意に改善された、樹脂モールディング付きの透明積層体を提供することを目的とする。また、本発明では、そのような樹脂モールディング付き透明積層体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明では、樹脂モールディングが取り付けられた積層体部を有する樹脂モールディング付き透明積層体であって、
前記積層体部は、第1の透明基板と、第2の透明基板と、両透明基板の間に配置された中間膜とを有し、
前記中間膜は、前記第1の透明基板に近い側から、第1のポリビニルアセタール層、第2のポリビニルアセタール層、および第3のポリビニルアセタール層をこの順に有し、
前記第2のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率は、第1および第のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率よりも高く、
前記中間膜は、前記積層体部が有する4つの端部のうち、少なくとも一つの端部において、前記第1および第2の透明基板のうち少なくとも一方の端部から突出した突出部を有し、
前記第2の透明基板は、第1の主表面と、該第1の主表面とは反対側の第2の主表面とを有し、前記第2の主表面は、前記第1の主表面に比べて前記中間膜からより近い位置にあり、
前記樹脂モールディングは、前記積層体部の前記第2の透明基板の前記第1の主表面の一部において、前記積層体部と接していることを特徴とする樹脂モールディング付き透明積層体が提供される。
ここで、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体において、前記中間膜の前記突出部は、前記第1および第2の透明基板の一方の端部に向かって、曲がっていても良い。
また、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体において、前記中間膜の前記突出部の端部において、前記第2のポリビニルアセタール層の先端は、前記第1および/または第3のポリビニルアセタール層によって、被覆されていても良い。
さらに、前記樹脂モールディングは、前記積層体部の、前記中間膜の突出部が存在する端部において、前記積層体部と接していても良い。
また、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体において、前記積層体部を、各部材の積層方向から見た際、
前記積層体部の突出部が存在する端部において、前記第1の透明基板または第2の透明基板の端面から、前記突出部の外端までの距離を、前記突出部の全長としたとき、
前記突出部は、0.1mm〜20mmの範囲の全長を有しても良い。
また、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体において
前記第1の主表面および/または第2の主表面の少なくとも一部には、着色膜が設置されても良い。
また、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体において、前記第1および/または第2の透明基板は、ガラス板または樹脂からなる基板であっても良い。また、前記積層体部は、前記中間膜の前記突出部が存在する前記端部に、プライマー層を有しても良い。
さらに、本発明では、
前述の特徴を有する樹脂モールディング付き透明積層体を備えることを特徴とする車両または建物の窓部材が提供される。
さらに、本発明では、樹脂モールディング付き透明積層体の製造方法であって、
(a)第1の透明基板、第2の透明基板、ならびに第1のポリビニルアセタール層、第2のポリビニルアセタール層、および第3のポリビニルアセタール層をこの順に有し、前記第2のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率は、第1および第のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率よりも高い中間膜を準備するステップと、
(b)前記第1の透明基板、前記中間膜、および前記第2の透明基板をこの順に積層して、積層体を構成するステップであって、前記中間膜は、前記積層体が有する4つの端部のうち、少なくとも一つの端部において、前記第1および第2の透明基板のうち少なくとも一方の端部から突出した突出部を有するステップと、
(c)前記積層体を加圧して、各部材を接合処理するステップと、
(d)前記突出部を残したまま、前記接合処理された積層体に、樹脂モールディングを取り付けるステップと、
を有し、
前記(d)のステップにおいて、
前記第2の透明基板は、第1の主表面と、該第1の主表面とは反対側の第2の主表面と
を有し、前記第2の主表面は、前記第1の主表面に比べて前記中間膜からより近い位置に
あり、
前記樹脂モールディングは、前記積層体部の前記第2の透明基板の前記第1の主表面の
一部において、前記積層体部と接していることを特徴とする製造方法が提供される。
ここで、本発明による製造方法は、
前記(b)のステップの後であって、前記(c)のステップの前に、
(X)前記突出部を、前記第1の透明基板または前記第2の透明基板の端面の方に曲げて固定するステップ、または
前記(c)のステップの後であって、前記(d)のステップの前に、
(Y)前記突出部を、前記第1の透明基板または前記第2の透明基板の端面の方に曲げるステップ
を有しても良い。
また、本発明による製造方法において、前記(c)のステップは、
前記積層体を予備接合するステップ、および
予備接合された前記積層体を加熱下で加圧して本接合するステップ
を有しても良い。
本発明では、気泡および/または剥離の発生による美観の低下が有意に改善された、樹脂モールディング付きの透明積層体を提供することが可能となる。また、本発明では、そのような樹脂モールディング付き透明積層体の製造方法を提供することが可能となる。
従来の樹脂モールディング付き合わせガラスの構成を概略的に示した部分断面図である。 本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の一構成例を概略的に示した部分断面図である。 本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第2の構成例を概略的に示した部分断面図である。 本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第3の構成例を概略的に示した部分断面図である。 本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第4の構成例を概略的に示した部分断面図である。 本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第5の構成例を概略的に示した部分断面図である。 本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第6の構成例を概略的に示した部分断面図である。 本発明による樹脂モールディング付きの透明積層体の製造方法の一例の概略的なフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体について説明する。
まず、本発明の特徴をより良く理解するため、従来の樹脂モールディング付き合わせガラスの構成およびその問題について説明する。
図1には、従来の樹脂モールディング付き合わせガラスの構成を概略的に示す。なお、図1には、従来の樹脂モールディング付き合わせガラスの部分断面図が示されている。
図1に示すように、従来の樹脂モールディング付き合わせガラス10は、合わせガラス部15と、該合わせガラス部15の少なくとも一つの端部に配置された樹脂モールディング80とで構成される。
合わせガラス部15は、第1のガラス基板20と、第2のガラス基板30と、両ガラス基板20、30の間に配置された中間膜40とで構成される。第2のガラス基板30の外側の表面の一部には、図1のように、着色膜39が設置されても良い。
中間膜40は、3層で構成され、すなわち、第1のガラス基板20に近い側から、第1のポリビニルアセタール層50、第2のポリビニルアセタール層60、および第3のポリビニルアセタール層70を、この順に積層することにより構成される。
第2のポリビニルアセタール層60は、第1および第3のポリビニルアセタール層50、70に比べて、可塑剤の含有量が多くなっており、このため、相対的により柔らかくなっている。
樹脂モールディング付き合わせガラス10は、例えば、車両または建物の窓ガラス等の部材として使用される。使用の際には、中間膜40の構成、より具体的には、第2のポリビニルアセタール層60の存在のため、可聴域内の周波数の音波が減衰されやすくなる。従って、このような構成の樹脂モールディング付き合わせガラス10では、良好な遮音性能を発揮することができる。
しかしながら、従来の樹脂モールディング付き合わせガラス10の場合、車両もしくは建物の窓ガラスとしての製造段階または使用中に、合わせガラス部15の端面90において、中間膜40内に気泡が生じたり、中間膜40部分から、合わせガラス部15に剥離が生じたりする場合がある。
特に、気泡は、図1の符号Aで示した箇所、すなわち中間膜40の中央部分にある第2のポリビニルアセタール層60の端面およびその近傍に集中して生じる傾向にある。同様に、剥離は、図1の符号Aで示した箇所の第1のポリビニルアセタール層50と第2のポリビニルアセタール層60の界面、または第2のポリビニルアセタール層60と第3のポリビニルアセタール層70の界面において生じる傾向にある。これらの原因としては、第1および第2の透明基板20、30が相互に離れる方向に負荷が加わる場合、中間膜40の端部には、より内側の中間膜内部に比べて大きな負荷がかかることや、図1のようなモールディング形状の場合、中間膜40の端部は大気環境側に露出しているため、風食等によって中間膜の劣化が進行しやすいことが考えられる。
樹脂モールディング付き合わせガラス10において、このような気泡および/または剥離の発生は、合わせガラス部15の機能上大きな影響を及ぼさなくても、樹脂モールディング付き合わせガラス10の美観を損ねる大きな要因となる。
これに対して、本発明では、以下に詳しく説明するように、中間膜における気泡および/または剥離の発生による、製品の美観の低下を有意に抑制することができる。
(本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の構成)
以下、図2を参照して、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の構成について、詳しく説明する。
図2には、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の一構成例を概略的に示す。なお、図2は、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の端部近傍の部分断面図である。
図2に示すように、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体100は、積層体部115と、該積層体部115の少なくとも一つの端部に配置された樹脂モールディング180とで構成される。樹脂モールディング180は、後工程において、積層体部115を被設置対象に組み付ける際の作業を容易化するため、積層体部115の端部に予め取り付けられる部材である。
図2の例では、樹脂モールディング180は、積層体部115の一面(図2の例では、下面)とのみ接するようにして取り付けられている。
積層体部115は、第1の透明基板120と、第2の透明基板130と、両透明基板120、130の間に配置された中間膜140とで構成される。中間膜140は、2つの透明基板120、130を相互に結合する役割を有する。
第1の透明基板120は、相互に対向する第1および第2の主表面121、122を有する。また、第2の透明基板130は、相互に対向する第1および第2の主表面131、132を有する。このうち、第1の透明基板120の第1の主表面121は、積層体部115の一方の外表面を構成し、第2の透明基板130の第1の主表面131は、積層体部115の他方の外表面を構成する。なお、第2のガラス基板130の外側の表面の一部には、図2のように、着色膜139が設置されても良い。
中間膜140は、3層で構成され、すなわち、第1の透明基板120に近い側から、第1のポリビニルアセタール層150、第2のポリビニルアセタール層160、および第3のポリビニルアセタール層170を、この順に積層することにより構成される。
第2のポリビニルアセタール層160は、第1および第3のポリビニルアセタール層150、170に比べて、可塑剤の含有量が多くなっており、このため、相対的により柔らかくなっている。
樹脂モールディング付き透明積層体100は、例えば、車両の窓部材(フロントウィンドウ部材、サイドウィンドウ部材、リアウィンドウ部材、およびルーフウィンドウ部材等。以下同じ)または建物の窓部材等の部材として使用される。
前述のように、このような構成の樹脂モールディング付き透明積層体100では、第1および第のポリビニルアセタール層150、170に比べて柔らかい、第2のポリビニルアセタール層160の存在のため、良好な遮音性能を発揮することができる。
ここで、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体100では、積層体部115の4つの端部のうちの少なくとも一つにおいて、中間膜140の端部が、第1または第2の透明基板120、130の端部よりも突出しているという特徴がある。
例えば、図2の例では、積層体部115の一つの端部190において、中間膜140の端部に、第1および第2の透明基板120、130の端部よりも突出した突出部145が形成されている。
突出部145は、中間膜140を構成する3層、すなわち第1〜第3のポリビニルアセタール層150、160、170で構成される。ただし、突出部145では、各層の境界は、多少不明確になっていても良い。
なお、以下の説明では、中間膜140について、突出部145と、透明基板120および130の下側に存在する部分、すなわち、透明基板120および130と重なり合う部分とを区別するため、後者を特に「主要部(144)」と称することにする。従って、中間膜140は、主要部144および突出部145で構成される。同様に、中間膜140を構成する第1のポリビニルアセタール層150は、主要部154および突出部155で構成され、第2のポリビニルアセタール層160は、主要部164および突出部165で構成され、第3のポリビニルアセタール層170は、主要部174および突出部175で構成される。
また、図2からは明確ではないが、このような中間膜140の突出部145は、積層体部115の他の端部にも形成されても良く、従って、突出部145は、最大4つの端部に形成することができる。
このように、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体100は、積層体部115が、少なくとも一つの端部190に中間膜140の突出部145を有するという特徴を有する。この場合、第1および第2の透明基板120、130の端部同士の間に、相互に離れる方向に多少の負荷が加わったとしても、これにより図の符号で示した箇所に剥離が生じ難くなる。これは、突出部145が存在することにより、符号で示す箇所に掛かる負荷が分散されるためであると考えられる。
従って、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体100では、従来のように、中間膜40(第2のポリビニルアセタール層60)の主要部の端部に剥離が生じて、樹脂モールディング付き透明積層体100の美観が低下するという問題を、有意に抑制することができる。
(本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の別の構成)
以下、図3を参照して、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の別の構成について説明する。
図3には、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第2の構成例を概略的に示す。なお、図3は、本発明による第2の樹脂モールディング付き透明積層体の端部近傍の部分断面図である。
図3に示すように、本発明による第2の樹脂モールディング付き透明積層体200は、基本的に、図2に示した樹脂モールディング付き透明積層体100と同様の構成を有する。このため、図3の各構成部材において、図2と同様の構成部材には、図2の参照符号に100を加えた参照符号が使用されている。
ただし、図3に示した第2の樹脂モールディング付き透明積層体200は、図2に示した樹脂モールディング付き透明積層体100とは異なる形態の樹脂モールディング280を有する。この例では、樹脂モールディング280は、積層体部215の2つの面、すなわち第2の透明基板230の第1の主表面231、および積層体部215の突出部245を含む端部290で、積層体部215と接している。
このような構成の第2の樹脂モールディング付き透明積層体200の場合、仮に、中間膜240の突出部245において、より正確には、第2のポリビニルアセタール層260の突出部265において、気泡が発生したとしても、そのような気泡は、外部から視認されることはない。すなわち、中間膜240の突出部245は、樹脂モールディング280によって、周囲が覆われているため、気泡が発生したとしても、そのような気泡は、外部から視認されることはない。
このように、第2の樹脂モールディング付き透明積層体200では、第2のポリビニルアセタール層260の剥離が抑制されるとともに、突出部265に存在し得る気泡が視認できなくなるため、樹脂モールディング付き透明積層体の美観がよりいっそう向上する。
(本発明による樹脂モールディング付き透明積層体のさらに別の構成)
以下、図4を参照して、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体のさらに別の構成について説明する。
図4には、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第3の構成例を概略的に示す。なお、図4は、本発明による第3の樹脂モールディング付き透明積層体の端部近傍の部分断面図である。
図4に示すように、本発明による第3の樹脂モールディング付き透明積層体300は、基本的に、図2に示した樹脂モールディング付き透明積層体100と同様の構成を有する。このため、図4の各構成部材において、図2と同様の構成部材には、図2の参照符号に200を加えた参照符号が使用されている。
ただし、図4に示した第3の樹脂モールディング付き透明積層体300は、図2に示した樹脂モールディング付き透明積層体100とは、突出部の形態が異なっている。
すなわち、第3の樹脂モールディング付き透明積層体300において、中間膜340の突出部345は、主要部344と同一の平面上には延在しておらず、第1および第2の透明基板320、330のうちの一方(図4の例では、第2の透明基板330)の端面の方に折れ曲がった形状を有する。
同様に、第1のポリビニルアセタール層350、第2のポリビニルアセタール層360、および第3のポリビニルアセタール層370は、それぞれ、第2の透明基板330の方に折れ曲がった突出部355、365、375を有する。
このような構成の第3の樹脂モールディング付き透明積層体300の場合、仮に、中間膜340の突出部345において、より正確には、第2のポリビニルアセタール層360の突出部365において、気泡が発生したとしても、そのような気泡は、外部から視認され難くなる。第3の樹脂モールディング付き透明積層体300を、矢印Aのように、上側(各部材の積層方向と平行な方向)から見たとき、中間膜340の突出部345の寸法は、有意に短くなっているからである。
従って、このような構成の場合も、第2のポリビニルアセタール層360の剥離が抑制されるとともに、突出部365に存在し得る気泡が視認し難くなるため、樹脂モールディング付き透明積層体の美観がよりいっそう向上する。
なお、図4の例では、樹脂モールディング380は、図2に示した樹脂モールディング180と同様の形態を有する。すなわち、樹脂モールディング380は、積層体部315の外面を構成する第2の透明基板330の第1の主表面331とのみ接するようにして取り付けられている。しかしながら、これは一例に過ぎず、樹脂モールディング380は、別の形態を有しても良い。
例えば、樹脂モールディングとして、図3に示した形状の樹脂モールディング280を使用しても良い。この場合、第2のポリビニルアセタール層の突出部365に存在し得る気泡が外部から視認できなくなり、樹脂モールディング付き透明積層体の美観がよりいっそう向上する。
(本発明による樹脂モールディング付き透明積層体のさらに別の構成)
以下、図5を参照して、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体のさらに別の構成について説明する。
図5には、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第4の構成例を概略的に示す。なお、図5は、本発明による第4の樹脂モールディング付き透明積層体の端部近傍の部分断面図である。
図5に示すように、本発明による第4の樹脂モールディング付き透明積層体400は、基本的に、図4に示した第3の樹脂モールディング付き透明積層体300と同様の構成を有する。このため、図5の各構成部材において、図4と同様の構成部材には、図4の参照符号に100を加えた参照符号が使用されている。
ただし、図5に示した第5の樹脂モールディング付き透明積層体400は、図4に示した第3の樹脂モールディング付き透明積層体300とは、突出部の形態が異なっている。
すなわち、第4の樹脂モールディング付き透明積層体400において、中間膜440の突出部445は、第2のポリビニルアセタール層460の突出部465の環境側の露出が極力抑えられるようにして構成される。例えば、図5の例では、第2のポリビニルアセタール層460の突出部465は、先端が第1のポリビニルアセタール層450の突出部455および第3のポリビニルアセタール層470の突出部475で覆われ、大気環境側にほとんど露出されていない構成となっている。
一般に、中間膜の3層のうち、最も柔らかい第2のポリビニルアセタール層は、環境因子の影響を最も受けやすく、風食等によって、比較的容易に劣化する傾向にある。
しかしながら、第4の樹脂モールディング付き透明積層体400の場合、第2のポリビニルアセタール層460の突出部465は、大気環境側にほとんど露出されない構成となっている。このため、本構成では、中間膜の耐久性をより高めることが可能となり、長期にわたって安定な特性を有する樹脂モールディング付き透明積層体を提供することが可能となる。
なお、図5の例では、樹脂モールディング480は、図4に示した樹脂モールディング380と同様の形態を有する。すなわち、樹脂モールディング480は、積層体部415の外面を構成する第2の透明基板430の第1の主表面431とのみ当接するようにして取り付けられている。しかしながら、これは一例に過ぎず、樹脂モールディング480は、別の形態を有しても良い。
例えば、樹脂モールディングとして、図3に示した形状の樹脂モールディング280を使用しても良い。この場合、第2のポリビニルアセタール層の突出部465に存在し得る気泡が外部から視認できなくなり、樹脂モールディング付き透明積層体の美観がよりいっそう向上する。
(本発明による樹脂モールディング付き透明積層体のさらに別の構成)
以下、図6を参照して、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体のさらに別の構成について説明する。
図6には、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の第5の構成例を概略的に示す。なお、図6は、本発明による第5の樹脂モールディング付き透明積層体の端部近傍の部分断面図である。
図6に示すように、本発明による第5の樹脂モールディング付き透明積層体500は、基本的に、図2に示した樹脂モールディング付き透明積層体100と同様の構成を有する。このため、図6の各構成部材において、図2と同様の構成部材には、図2の参照符号に400を加えた参照符号が使用されている。
ただし、図6に示した第5の樹脂モールディング付き透明積層体500では、図2に示した樹脂モールディング付き透明積層体100とは異なり、端部590において、第1の透明基板520と第2の透明基板530の長さが異なっている。
また、中間膜540の突出部545は、第2の透明基板530よりも突出しているが、第1の透明基板520の端部からは突出していない。
このような第5の樹脂モールディング付き透明積層体500においても、前述のような本願発明の効果が得られることは、明らかである。
すなわち、本願において、中間膜の突出部は、第1および第2の透明基板のうちの少なくとも一方の端部よりも突出していれば良く、必ずしも第1および第2の透明基板の両方よりも突出している必要はない。
また、第5の樹脂モールディング付き透明積層体500において、積層体部515の端部には、プライマー層595が設置されている。このようなプライマー層595を設置した場合、積層体部515の端部を保護することが可能となる。プライマー層595は、例えば、カーボンブラック系のガラスプライマーにより、積層体部515の端部590に設置することができる。
特に、第5の樹脂モールディング付き透明積層体500のような、第1の透明基板520の端部と第2の透明基板530の間で端部が「ずれた」構成の場合、プライマー層595の設置処理の際の歩留まりを高めることが可能となる。
なお、当然のことながら、このようなプライマー層は、他の樹脂モールディング付き透明積層体100〜400においても同様に適用することができる。
また、第5の樹脂モールディング付き透明積層体500の変形例として、図7に示す構成も考えられる。
図7には、第6の樹脂モールディング付き透明積層体600の構成例を概略的に示す。なお、図7は、本発明による第6の樹脂モールディング付き透明積層体の端部近傍の部分断面図である。
図7に示すように、本発明による第6の樹脂モールディング付き透明積層体600は、基本的に、図6に示した樹脂モールディング付き透明積層体500と同様の構成を有する。このため、図の各構成部材において、図6と同様の構成部材には、図6の参照符号に100を加えた参照符号が使用されている。
ただし、図7に示した第6の樹脂モールディング付き透明積層体600は、図6に示した第5の樹脂モールディング付き透明積層体400とは、突出部の形態が異なっている。
すなわち、第6の樹脂モールディング付き透明積層体600において、中間膜640の突出部645は、主要部644と同一の平面上には延在しておらず、第2の透明基板630の端面の方に折れ曲がった形状を有する。
同様に、第1のポリビニルアセタール層650、第2のポリビニルアセタール層660、および第3のポリビニルアセタール層670は、それぞれ、第2の透明基板630の方に折れ曲がった突出部655、665、675を有する。
この他にも、当業者には、各種樹脂モールディング付き透明積層体の変形例が考えられる。
以上説明したように、本発明では、気泡および/または剥離の発生による美観の低下が有意に改善された、樹脂モールディング付きの透明積層体を提供することが可能となる。
(本発明による樹脂モールディング付きの透明積層体の各構成部材について)
次に、前述のような特徴を有する本発明による樹脂モールディング付きの透明積層体の各構成部材の仕様について、簡単に説明する。なお、以下の記載では、主として、前述の図2に示した樹脂モールディング付きの透明積層体の構成を例に、各構成部材について説明する。ただし、以下の記載が、その他の構成の樹脂モールディング付き透明積層体にも同様に適用し得ることは、当業者には明らかである。
(透明基板)
本発明による樹脂モールディング付きの透明積層体は、第1および第2の透明基板120、130を有するが、両透明基板には、同様の構成が適用できるため、以下の記載では、第2の透明基板130を例に説明する。
第2の透明基板130は、透明な部材で構成される限り、いかなる部材であっても良い。
第2の透明基板130は、例えば、ガラス板または樹脂板で構成されても良い。あるいは、第2の透明基板130は、複数の部材を積層することにより構成されても良く、例えば、ガラス板と樹脂板の積層体であっても良い。
第2の透明基板130の厚さは、特に限られないが、樹脂モールディング付きの透明積層体を車両のウィンドウ部材(フロントウィンドウ、サイドウィンドウ、リアウィンドウ、およびルーフウィンドウ等)として使用する場合、第2の透明基板130の厚さは、例えば、0.1mm〜6mmの範囲である。
なお、第2の透明基板130の第1および第2の主表面131、132のうちの少なくとも一方には、部分的に着色膜が設置されても良い。着色膜は、例えば黒色セラミック膜であっても良い。
黒色セラミック膜を設置する場合、黒色セラミック膜は、第2の透明基板130の第1および/または第2の主表面131、132の周囲にわたって、額縁状に設置されても良い。
(中間膜)
中間膜140は、前述のように、少なくとも3つのポリビニルアセタール層150、160、170から構成される。
ポリビニルアセタール層150、160、170を構成するポリビニルアセタールの種類は、特に限られない。ポリビニルアセタールは、例えば、ポリビニルブチラールであっても良い。
各層における可塑剤の量は、特に限られないが、第2のポリビニルアセタール層160は、可塑剤の含有量が最も大きいこと留意する必要がある。なお、通常の場合、第1のポリビニルアセタール層150と第3のポリビニルアセタール層170に含まれる可塑剤の含有量は、ほぼ等しい。
可塑剤の種類は、特に限られない。可塑剤は、例えば、トリエチレングリコール ジ−2−エチルヘキサノネートであっても良い。
中間膜140の突出部145の「全長」は、突出部145が主要部144と略同一平面上に延在している場合、例えば、0.1mm〜20mmの範囲であっても良い。突出部145の「全長」は、0.5mm〜5mmの範囲であることが好ましい。
ここで、本願において、突出部の「全長」とは、積層体部を各部材の積層方向から見た際、積層体部の突出部が存在する端部において、第1の透明基板および第2の透明基板のうち、長い方の端面から、突出部の外端までの距離を意味する。従って、例えば、図6に示すような突出部545の構成の場合、突出部の「全長」は、ゼロである。
一方、例えば、図4に示した突出部345のように、突出部が積層体部の端部で折り曲げられている場合、突出部の「全長」は、例えば、0.1mm〜20mmの範囲であっても良く、0.5mm〜5mmの範囲であることが好ましい。0.5mm以下であると、気泡や剥離の発生の抑制が困難になり、5mm以上の長さであると、突出部145自体が目立ちやすくなってしまう。
なお、図4に示すように、中間膜340の突出部345を一方の透明基板(例えば、第2の透明基板330)の側に折り曲げて構成する場合、折り曲げられた突出部345の先端は、積層体部315の外面(すなわち第2の透明基板330の第1の主表面331)から突出しないことが好ましい。突出部345の先端が積層体部315の外面よりも突出していると、積層体部315に樹脂モールディング380を取り付けることが煩雑になるからである。
(樹脂モールディング)
樹脂モールディング180は、積層体部115を被設置対象に組み付けることに適合した形態である限り、いかなる形態であっても良い。
樹脂モールディング180は、例えば、車両の窓部分(フロントウィンドウ、サイドウィンドウ、リアウィンドウ、およびルーフウィンドウ等)に、積層体部115を取り付けることに適した形態であっても良い。あるいは、樹脂モールディング180は、例えば、建物の窓部分に、積層体部115を取り付けることに適した形態であっても良い。
(本発明による樹脂モールディング付きの透明積層体の製造方法)
次に、図面を参照して、本発明による樹脂モールディング付きの透明積層体の製造方法の一例について説明する。
図8には、本発明による樹脂モールディング付きの透明積層体の製造方法の一例のフロー図を示す。
図8に示すように、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体の製造方法は、
(a)第1の透明基板、第2の透明基板、ならびに第1のポリビニルアセタール層、第2のポリビニルアセタール層、および第3のポリビニルアセタール層をこの順に有し、前記第2のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率は、第1および第のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率よりも高い中間膜を準備するステップ(S110)と、
(b)前記第1の透明基板、前記中間膜、および前記第2の透明基板をこの順に積層して、積層体を構成するステップであって、前記中間膜は、前記積層体が有する4つの端部のうち、少なくとも一つの端部において、前記第1または第2の透明基板の端部から突出した突出部を有するステップ(S120)と、
(c)前記積層体を加圧して、各部材を接合処理するステップ(S130)と、
(d)前記突出部を残したまま、前記接合処理された積層体に、樹脂モールディングを取り付けるステップ(S140)と、
を有する。
以下、各工程について詳しく説明する。
(ステップS110)
まず、第1の透明基板、第2の透明基板、および中間膜がそれぞれ準備される。
前述のように、第1の透明基板および第2の透明基板は、ガラス板または樹脂板で構成されても良く、あるいは、例えば、ガラス板と樹脂板の積層体であっても良い。
また、第2の透明基板の第1および第2の主表面131、132のうちの少なくとも一方には、部分的に、黒色セラミック膜等の着色膜が設置されても良い。
中間膜は、前述のように、第1のポリビニルアセタール層、第2のポリビニルアセタール層、および第3のポリビニルアセタール層をこの順に有し、前記第2のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率は、第1および第のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率よりも高くなっている。
なお、以降の工程における突出部を構成するため、中間膜は、少なくとも一つの寸法が、第1および第2の透明基板の対象位置の寸法よりも長くなるようにして調製される。
(ステップS120)
次に、前述の第1の透明基板、中間膜、および第2の透明基板がこの順に積層され、積層体が構成される。
前述のように、中間膜の少なくとも一つの寸法は、第1および第2の透明基板の対象位置の寸法よりも長くなっている。このため、各部材を積層した際に、積層体の一つの端部において、中間膜の突出部が形成される。なお、中間膜の突出部は、積層体の端部全周にわたって、形成されても良い。
(ステップS130)
次に、前記積層体を加圧することにより、各部材が接合、一体化される。
接合処理の方法は、特に限られない。接合処理は、単一の工程で実施されても良いが、例えば、予備接合処理と本接合処理の2段階の処理によって、実施されても良い。
このうち、予備接合処理は、積層体を仮接合する際に使用される。予備接合処理を実施することにより、各部材の位置ずれを抑制した状態で、積層体をハンドリングすることが可能となる。
予備接合処理は、例えば、積層体を、大気下で100℃〜150℃の温度に加熱することにより実施される。この際には、各部材の位置を固定するため、積層体を軽く加圧しても良い。
また、本接合処理は、各部材を強固に接合して、一体化するために実施される。通常の場合、本接合処理は、オートクレーブ内で実施される。本接合処理の温度は、例えば、100℃〜150℃の範囲であり、圧力は、1.0MPa〜1.5MPaの範囲である。
接合処理の方法として、この他にも様々な方法が採用され得る。
接合処理の後には、各構成部材が一体化されるとともに、少なくとも一つの端部に、中間膜の突出部を有する積層体が得られる。
最終的に得られる突出部の「全長」は、例えば、0.1mm〜20mmの範囲であり、0.5mm〜5mmの範囲であることが好ましい。
(ステップS140)
次に、得られた積層体に、樹脂モールディングが取り付けられる。
樹脂モールディングの形態は、特に限られない。樹脂モールディングは、例えば、図2に示したような、積層体の一つの外面とのみ接する構造のものであっても良い。あるいは、樹脂モールディングは、例えば、図3に示したような、積層体の少なくとも2つの面、すなわち外面および突出部が形成された側の端面と接する構造のものであっても良い。
以上の工程により、本発明による樹脂モールディング付き透明積層体を製造することができる。
なお、図4および図5に示したような、先端が第1または第2の透明基板の側に折り曲げられた形状の突出部を得る場合は、例えば、以下の第1または第2の処理を行えば良い。
(第1の処理)
この第1の処理は、前述のステップS120とステップS130の間に実施される。
すなわち、各部材を積層した後、中間膜の突出部を第1または第2の透明基板の側に折り曲げ、耐熱テープまたは冶具等の固定材を用いて、この状態に固定する。次に、ステップS130の接合処理を実施する。
これにより、ステップS130の後に、先端が第1または第2の透明基板の側に折り曲げられた形状の突出部を得ることができる。
(第2の処理)
第2の処理は、前述のステップS130とステップS140の間に実施される。
すなわち、ステップS130の接合処理の後に、手または冶具等を用いて、突出部を、第1または第2の透明基板の側に強制的に折り曲げる。これにより、先端が第1または第2の透明基板の側に折り曲げられた形状の突出部を得ることができる。
特に、ステップS130の接合処理の直後の、積層体の温度が室温まで低下していない状態では、中間膜は、比較的柔らかい状態になっているため、突出部の折り曲げ作業を比較的容易に行うことができる。
ただし、第2の処理は、必ずしも実施する必要がない場合もある。
すなわち、ステップS120において、第1または第2の透明基板の端面から、突出部の先端までの距離が比較的長い積層体を構成しておいた場合であって、ステップS130の接合処理を、各部材が水平な方向となるように積層体を配置した状態で実施した場合、ステップS130での加熱中に、突出部は、該突出部の自重により、下側の透明基板の方に垂れ下がるようになる。従って、この場合、特に追加の処理を行わなくても、折れ曲った形状の突出部を得ることができる。
なお、前記第1および第2の処理は、一例に過ぎず、その他の処理により、折れ曲った形状の突出部を形成することができることは当業者には明らかである。
本発明は、例えば、車両および建物の窓ガラス等に利用することができる。
10 従来の樹脂モールディング付き合わせガラス
15 合わせガラス部
20 第1のガラス基板
30 第2のガラス基板
39 着色膜
40 中間膜
50 第1のポリビニルアセタール層
60 第2のポリビニルアセタール層
70 第3のポリビニルアセタール層
80 樹脂モールディング
90 端面
100 本発明による樹脂モールディング付き透明積層体
115 積層体部
120 第1の透明基板
121 第1の透明基板の第1の主表面
122 第1の透明基板の第2の主表面
130 第2の透明基板
131 第2の透明基板の第1の主表面
132 第2の透明基板の第2の主表面
139 着色膜
140 中間膜
144 主要部
145 突出部
150 第1のポリビニルアセタール層
154 第1のポリビニルアセタール層の主要部
155 第1のポリビニルアセタール層の突出部
160 第2のポリビニルアセタール層
164 第2のポリビニルアセタール層の主要部
165 第2のポリビニルアセタール層の突出部
170 第3のポリビニルアセタール層
174 第3のポリビニルアセタール層の主要部
175 第3のポリビニルアセタール層の突出部
180 樹脂モールディング
190 端部
200 本発明による第2の樹脂モールディング付き透明積層体
215 積層体部
220 第1の透明基板
221 第1の透明基板の第1の主表面
230 第2の透明基板
231 第2の透明基板の第1の主表面
239 着色膜
240 中間膜
245 突出部
250 第1のポリビニルアセタール層
260 第2のポリビニルアセタール層
270 第3のポリビニルアセタール層
280 樹脂モールディング
290 端部
300 本発明による第3の樹脂モールディング付き透明積層体
315 積層体部
320 第1の透明基板
321 第1の透明基板の第1の主表面
330 第2の透明基板
331 第2の透明基板の第1の主表面
339 着色膜
340 中間膜
344 主要部
345 突出部
350 第1のポリビニルアセタール層
355 突出部
360 第2のポリビニルアセタール層
365 突出部
370 第3のポリビニルアセタール層
375 突出部
380 樹脂モールディング
390 端部
400 本発明による第4の樹脂モールディング付き透明積層体
415 積層体部
420 第1の透明基板
421 第1の透明基板の第1の主表面
430 第2の透明基板
431 第2の透明基板の第1の主表面
439 着色膜
440 中間膜
445 突出部
450 第1のポリビニルアセタール層
455 突出部
460 第2のポリビニルアセタール層
465 突出部
470 第3のポリビニルアセタール層
475 突出部
480 樹脂モールディング
490 端部
500 本発明による第5の樹脂モールディング付き透明積層体
515 積層体部
520 第1の透明基板
521 第1の透明基板の第1の主表面
530 第2の透明基板
531 第2の透明基板の第1の主表面
539 着色膜
540 中間膜
545 突出部
550 第1のポリビニルアセタール層
555 突出部
560 第2のポリビニルアセタール層
565 突出部
570 第3のポリビニルアセタール層
575 突出部
580 樹脂モールディング
590 端部
595 プライマー層
600 本発明による第6の樹脂モールディング付き透明積層体
615 積層体部
620 第1の透明基板
621 第1の透明基板の第1の主表面
630 第2の透明基板
631 第2の透明基板の第1の主表面
639 着色膜
640 中間膜
645 突出部
650 第1のポリビニルアセタール層
655 突出部
660 第2のポリビニルアセタール層
665 突出部
670 第3のポリビニルアセタール層
675 突出部
680 樹脂モールディング
690 端部
695 プライマー層

Claims (12)

  1. 樹脂モールディングが取り付けられた積層体部を有する樹脂モールディング付き透明積層体であって、
    前記積層体部は、第1の透明基板と、第2の透明基板と、両透明基板の間に配置された中間膜とを有し、
    前記中間膜は、前記第1の透明基板に近い側から、第1のポリビニルアセタール層、第2のポリビニルアセタール層、および第3のポリビニルアセタール層をこの順に有し、
    前記第2のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率は、第1および第のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率よりも高く、
    前記中間膜は、前記積層体部が有する4つの端部のうち、少なくとも一つの端部において、前記第1および第2の透明基板のうち少なくとも一方の端部から突出した突出部を有し、
    前記第2の透明基板は、第1の主表面と、該第1の主表面とは反対側の第2の主表面とを有し、前記第2の主表面は、前記第1の主表面に比べて前記中間膜からより近い位置にあり、
    前記樹脂モールディングは、前記積層体部の前記第2の透明基板の前記第1の主表面の一部において、前記積層体部と接していることを特徴とする樹脂モールディング付き透明積層体。
  2. 前記中間膜の前記突出部は、前記第1および第2の透明基板の一方の端部に向かって、曲がっていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂モールディング付き透明積層体。
  3. 前記中間膜の前記突出部の端部において、前記第2のポリビニルアセタール層の先端は、前記第1および/または第3のポリビニルアセタール層によって、被覆されていることを特徴とする請求項2に記載の樹脂モールディング付き透明積層体。
  4. 前記樹脂モールディングは、前記積層体部の、前記中間膜の突出部が存在する端部において、前記積層体部と接していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の樹脂モールディング付き透明積層体。
  5. 前記積層体部を、各部材の積層方向から見た際、
    前記積層体部の突出部が存在する端部において、前記第1の透明基板または第2の透明基板の端面から、前記突出部の外端までの距離を、前記突出部の全長としたとき、
    前記突出部は、0.1mm〜20mmの範囲の全長を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の樹脂モールディング付き透明積層体。
  6. 前記第1の主表面および/または第2の主表面の少なくとも一部には、着色膜が設置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の樹脂モールディング付き透明積層体。
  7. 前記第1および/または第2の透明基板は、ガラス板または樹脂である板であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の樹脂モールディング付き透明積層体。
  8. 前記積層体部は、前記中間膜の前記突出部が存在する前記端部に、プライマー層を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の樹脂モールディング付き透明積層体。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一つに記載の樹脂モールディング付き透明積層体を備えることを特徴とする車両または建物の窓部材。
  10. 樹脂モールディング付き透明積層体の製造方法であって、
    (a)第1の透明基板、第2の透明基板、ならびに第1のポリビニルアセタール層、第2のポリビニルアセタール層、および第3のポリビニルアセタール層をこの順に有し、前記第2のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率は、第1および第のポリビニルアセタール層の可塑剤の含有率よりも高い中間膜を準備するステップと、
    (b)前記第1の透明基板、前記中間膜、および前記第2の透明基板をこの順に積層して、積層体を構成するステップであって、前記中間膜は、前記積層体が有する4つの端部のうち、少なくとも一つの端部において、前記第1および第2の透明基板のうち少なくとも一方の端部から突出した突出部を有するステップと、
    (c)前記積層体を加圧して、各部材を接合処理するステップと、
    (d)前記突出部を残したまま、前記接合処理された積層体に、樹脂モールディングを取り付けるステップと、
    を有し、
    前記(d)のステップにおいて、
    前記第2の透明基板は、第1の主表面と、該第1の主表面とは反対側の第2の主表面と
    を有し、前記第2の主表面は、前記第1の主表面に比べて前記中間膜からより近い位置に
    あり、
    前記樹脂モールディングは、前記積層体部の前記第2の透明基板の前記第1の主表面の
    一部において、前記積層体部と接していることを特徴とする製造方法。
  11. 前記(b)のステップの後であって、前記(c)のステップの前に、
    (X)前記突出部を、前記第1の透明基板または前記第2の透明基板の端面の方に曲げて固定するステップ、または
    前記(c)のステップの後であって、前記(d)のステップの前に、
    (Y)前記突出部を、前記第1の透明基板または前記第2の透明基板の端面の方に曲げるステップ
    を有することを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記(c)のステップは、
    前記積層体を予備接合するステップ、および
    予備接合された前記積層体を加熱下で加圧して本接合するステップ
    を有することを特徴とする請求項10または11に記載の製造方法。
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