JP2004337786A - 撹拌装置及び撹拌方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】原地盤と固化材を効率よく混合撹拌するための撹拌装置を提供することを目的とする。
【解決手段】正転螺旋翼31と逆転翼32を回転ロッド2延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設ける。この際、正転螺旋翼31の翼径は逆転翼32の翼径に比べて相対的に大径となるように形成することで、回転ロッド2の回転によって撹拌土砂の上方移動および下方移動を繰り返しながら改良杭6を造成できる。
逆転翼32の代わりに回転ロッド2のロッド軸に垂直に設けた平板翼33や棒状体4を設置して使用することもできる。
【選択図】 図2
【解決手段】正転螺旋翼31と逆転翼32を回転ロッド2延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設ける。この際、正転螺旋翼31の翼径は逆転翼32の翼径に比べて相対的に大径となるように形成することで、回転ロッド2の回転によって撹拌土砂の上方移動および下方移動を繰り返しながら改良杭6を造成できる。
逆転翼32の代わりに回転ロッド2のロッド軸に垂直に設けた平板翼33や棒状体4を設置して使用することもできる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原地盤と固化材を撹拌混合して改良杭を造成する際に使用する撹拌装置及びかかる撹拌装置を使用して原地盤と固化材を混合撹拌する撹拌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地盤改良工法は、改良地盤種別や改良目的などに応じて、表層処理工法や載荷重工法、排水促進工法、締め固め工法、薬液注入工法、固結工法などに分類される。この中で、固結工法は、セメントミルクなどの固化材(粉体状、ペースト状)を噴射しながら原地盤と混合撹拌することにより改良杭を造成しながら地盤改良をおこなう工法である。本工法は地盤を比較的強度の高い性質に変えるものであり、ほとんどの地盤に適用できること、即効性を有していること、施工機械が比較的コンパクトであることなどの理由から広範に利用されている。
上記固結工法を施工方法にて分類する場合には大きく2種類に区分できる。その1つは撹拌翼を備えたロッドを地中に貫入して回転させることにより地盤を切削するとともに固化材を原地盤と混合する混合処理工法である。他の1つは高圧力水等により地盤を切削しながら固化材を混合または原地盤と置換する高圧噴射工法である。
上記する混合処理工法においては、図6に示すように回転ロッドaの延伸方向に直交する向きに複数の撹拌翼b(撹拌板)を設けた回転ロッドをオーガー掘削機に取り付け、回転ロッドaを地中に回転貫入させることで改良杭cの造成をおこなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の撹拌装置及び撹拌方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>混合撹拌される原地盤は、撹拌翼により原位置にて撹拌されるのみであり、造成される改良杭は杭の延伸方向でその品質にむらが生じ易い。
<ロ>原地盤と固化材との混合撹拌を確実におこなうためには、撹拌翼の幅を大きくする、撹拌翼の数を増加させる、ロッドの回転数を高速にするなどの対策を要し、いずれも不経済である。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、原地盤と固化材の混合撹拌を効率よくおこなうことのできる撹拌装置及び撹拌方法を提供することを目的とする。また、原地盤と固化材が均質に混合された品質のよい改良杭を造成できる撹拌装置及び撹拌方法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の撹拌装置は、回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた撹拌翼によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置において、前記撹拌翼は正回転方向の傾斜を形成した正転螺旋翼と逆回転方向の傾斜を形成した逆転翼とからなり、前記正転螺旋翼の翼径は前記逆転翼の翼径に比べて相対的に大径となるように形成し、前記正転螺旋翼と前記逆転翼を前記回転ロッドの延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設けたことを特徴とする撹拌装置である。
【0006】
また、本発明の撹拌装置は、回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた螺旋翼と平板翼によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置であって、前記螺旋翼は正回転方向の傾斜を構成した正転螺旋翼として形成し、前記回転ロッド軸に垂直方向に設置した前記平板翼は平板翼の翼径を前記正転螺旋翼の翼径に比べて相対的に小径となるように形成し、前記正転螺旋翼と前記平板翼を前記回転ロッドの延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設けたことを特徴とする撹拌装置を使用できる。
【0007】
また、本発明の撹拌装置は、回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた螺旋翼と棒状体によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置であって、前記螺旋翼は正回転方向の傾斜を構成した正転螺旋翼として形成し、複数の前記棒状体を前記回転ロッド軸に垂直方向に設置し、所定の間隔を置いて複数設けた前記正転螺旋翼の間に前記棒状体を複数設けたことを特徴とする撹拌装置を使用できる。
【0008】
また、本発明の撹拌方法は、前記撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法であって、前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、前記逆転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって上方に移動してきた前記撹拌土砂を下方に移動させ、前記撹拌土砂を上方及び下方に移動させながら前記固化材を充填することによって改良杭を造成することを特徴とする撹拌方法である。
【0009】
また、本発明の撹拌方法は、前記撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法において、前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、前記平板翼の前記回転ロッド回りの回転によって上方に移動してきた前記撹拌土砂の上方への移動を一部押し戻して下方へ移動させ、前記撹拌土砂を上方及び下方に移動させながら前記固化材を充填することによって改良杭を造成することを特徴とする撹拌方法を使用できる。
【0010】
さらに、本発明の撹拌方法は、前記撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法において、前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、前記棒状体の前記回転ロッド回りの回転によって上方に移動してきた前記撹拌土砂を撹拌し、前記撹拌土砂の上方移動および撹拌と前記固化材の充填によって改良杭を造成することを特徴とする撹拌方法を使用できる。
【0011】
【発明の実施の形態1】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態1について説明する。
【0012】
<イ>撹拌装置
改良杭6を造成するための撹拌装置1の概要を図1に示す。撹拌装置1は、撹拌機91、撹拌翼3(正転螺旋翼31、逆転翼32(逆転螺旋翼321、逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322))を備えた回転ロッド2(オーガーロッド)、および回転ロッド2先端に設けた吐出孔21から吐出させる固化材5を回転ロッド2内に供給するための固化材注入ホース92などによって構成される。
撹拌機91は、造成する改良杭6の規模に応じてその駆動性能を適宜調整することができ、また、回転ロッド2を地盤7内に回転貫入できる性能を備えている機器であればよい。
使用する回転ロッド2は、その延伸方向に後述する正転螺旋翼31と逆転螺旋翼321を交互に備えた回転ロッド2を撹拌機91に設置して使用する。また、回転ロッド2の延伸方向に正転螺旋翼31と逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322を交互に備えた回転ロッド2とすることもできる。
回転ロッド2の先端付近には回転ロッド2の延伸方向に直交するように複数の切削体221を備えた切削翼22を設けるのが好ましい。
使用する固化材5は、改良杭6の所望強度や工費等によって選定されるが、例えばセメントスラリーやセメントモルタルなどを使用できる。
【0013】
<ロ>撹拌翼の構成
回転ロッド2には、その延伸方向に正転螺旋翼31と逆転螺旋翼321を交互に所定の間隔を置いて備える。ここで、正転螺旋翼31とは、例えば右ネジを右回転させたとき、ネジのピッチに応じてネジが前進するように、回転ロッド2の回転方向に応じて回転ロッド2が前進するように正回転方向の傾斜を成形した螺旋翼のことである。正転螺旋翼31の地盤7内貫入に応じて切削撹拌された土砂は上方に移動する。一方、逆転螺旋翼321とは、回転ロッド2の地盤7内貫入に応じて切削撹拌された土砂を下方に移動させるために逆回転方向の傾斜を成形した螺旋翼のことである。
本発明では、正転螺旋翼31の翼径を逆転螺旋翼321の翼径に比べて相対的に大径となるように成形する。
ここで、正転螺旋翼31の翼径と逆転螺旋翼321の翼径の大小比率は、回転ロッド2の回転速度や貫入速度、地盤性状などを勘案して決定するのが好ましい。
さらに、螺旋翼の回転ロッド2延伸方向の下り勾配(または上り勾配)においても上記する種々の要素を勘案して決定するのがよい。
【0014】
図2では、正転螺旋翼31と逆転螺旋翼321を夫々回転ロッド2周りに複数回りさせるごとに回転ロッド2の延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設置した場合の実施例を示す。図2の実施例では、各螺旋翼を回転ロッド2周りに2回りさせたものを示しているが、3回り以上に成形することもできる。また、図3では、正転螺旋翼31と逆転螺旋翼321を夫々回転ロッド2周りに一回りさせるごとに回転ロッド2の延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設置した場合の実施例を示す。
【0015】
回転ロッド2および螺旋翼は公知のオーガーと同様例えば鋼製材料にて製作できる。
【0016】
一方、逆転螺旋翼321の代わりに逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322を回転ロッド2回りに設けることもできる。
【0017】
<ハ>撹拌翼の原理
上記するように、正転螺旋翼31の回転ロッド2回りの回転によって切削撹拌した土砂は上方に移動し(図2、3における撹拌土砂の上方移動81参照)、逆転翼32の回転ロッド2回りの回転によって切削撹拌した土砂は下方に移動する(図2、3においては逆転翼32として逆転螺旋翼322を使用した場合の撹拌土砂の下方移動82参照)。また、逆転螺旋翼321の代わりに逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322を使用した場合においても、上方に移動してきた土砂は逆回転方向の傾斜によって下方に移動する(図示せず)。
仮に正転螺旋翼31と逆転翼32の翼径が同一径(または同一程度の径)であった場合には、上下移動する撹拌土砂の移動範囲は正転螺旋翼31とその下方(または上方)に位置する逆転翼32の間のみに限定されることとなる。かかる場合には改良杭6の延伸方向全長にわたる切削地盤の上下移動は、上下関係にある正転螺旋翼と逆転翼間ごとに各々単独でおこなわれ、回転ロッドの延伸方向全長にわたって効率のよい撹拌土砂の移動を実現でき難い。
なお、同一径の正転螺旋翼と逆転螺旋翼を交互に回転ロッドの延伸方向に備えた公知の回転ロッドが現存する。かかる回転ロッドは、正逆螺旋翼の翼径が同一径であることから、正転螺旋翼の回転によって上昇した撹拌土砂はその上方に位置する逆転螺旋翼の回転によって今度は下方に押込まれることにより、結果的に回転ロッド下方の地盤が押圧されていく。さらに、下方に押込まれた土砂は回転ロッド下方のみではなく回転ロッドの側方にも押し出されることとなり、結果的には回転ロッドの側方地盤も押圧されていく。したがって、同一径の正逆螺旋翼を備えた回転ロッドを使用することにより、その周囲を堅固に造成した杭建込み用の杭孔を構成できる。
【0018】
一方、本発明のように正転螺旋翼31の翼径を逆転翼32の翼径に比べて相対的に大径となるように成形した場合には、逆転翼32の翼径範囲では切削撹拌土砂の上下移動がおこなわれる。すなわち、正転螺旋翼31の回転によって上方に移動した撹拌土砂は、その上方に位置する逆転翼32の回転によって、今度は下方に移動する。下方に移動した撹拌土砂は、下方に位置する正転螺旋翼31の回転によって再度上方に移動させられる。このように、正転螺旋翼31と逆転翼32の間では撹拌土砂の上下移動が交互に繰り返されることとなる。
また、逆転翼32の翼径より大きく正転螺旋翼31の翼径以下の範囲においては撹拌地盤の上方移動を回転ロッド2の延伸方向の全長にわたって実現できる。すなわち、かかる範囲においては正転螺旋翼31の回転によって上方に移動した切削地盤を下方に移動させる障害(逆転翼32)が存在しないため、正転螺旋翼31からその上方に位置する正転螺旋翼31へと撹拌土砂は順次上方へ移動していくこととなる。
上記のように翼径の異なる撹拌翼3を回転ロッド2に設けることにより、回転ロッド2の延伸方向の全長にわたる撹拌土砂の効率のよい撹拌を実現できるため、固化材5の充填とあわせて上記する撹拌をおこなうことにより、杭全長にわたって均質な品質を確保した改良杭6の造成が可能となる。
【0019】
<ニ>実施例
図2または図3の実施例において、正転螺旋翼31とその直上(直下)の正転螺旋翼31の翼間隔は例えば30cm程度に成形できる。また、正転螺旋翼31とその直上(直下)の逆転翼32の翼間隔も30cm程度に成形できる。
【0020】
【発明の実施の形態2】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態2について説明する。
【0021】
実施の形態1における逆転翼32(逆転螺旋翼321または逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322)の代わりに回転ロッド2軸に垂直に設置した平板翼33を備えた回転ロッド2を製作する(図4参照)。平板翼33の翼径は正転螺旋翼31の翼径よりも相対的に小径となるように形成するのがよい。なお、図4においては平板翼33の平面形状を円形としているが、これに拘泥するものではない。すなわち、正方形、矩形、多角形など多様に選定できる。ただし、いずれの形状の平板翼33を選定するにしてもその外側寸法は正転螺旋翼31よりも小さくなるように形成するのが好ましい。回転ロッド2の全長にわたる撹拌土砂の効率のよい上方移動を可能とするためである。
また、図4においては回転ロッド2周りに1回りさせた正転螺旋翼31の間に1枚の平板翼33を設置した実施例を示しているが、このほかにも、回転ロッド2周りに2回り(または3回り以上)させた正転螺旋翼31の間に1枚(または2枚以上)の平板翼33を設置して構成することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態3】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態3について説明する。
【0023】
実施の形態1における逆転翼32(逆転螺旋翼321または逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322)の代わりに棒状体4を備えた回転ロッド2を製作する(図5参照)。棒状体4は、回転ロッド2のロッド軸にほぼ垂直方向に回転ロッド2から突出するように設けることができる。棒状体4の軸方向に垂直に切断した断面形状は円形、矩形、多角形など多様に選定できる。また、図5においては正転螺旋翼31の間に、複数の棒状体4を同一平面上(回転ロッド2軸に垂直に切断した切断面)にないように設けた実施例を示しているが、同一平面状に複数設けることもできる。また、棒状体4の本数は任意に選定できる。
【0024】
【実施例】
<イ>実施例1
以下、正転螺旋翼31及び逆転翼32からなる回転ロッド2より構成される撹拌装置1を使用した撹拌方法の実施例について説明する。
回転ロッド2を回転させ、ロッドの先端に備えた切削翼22によって地盤7を切削しながら回転ロッド2を地盤7内に貫入させる。
回転ロッド2の貫入により、切削翼22の上方に設けた正転螺旋翼31の回転によって切削撹拌土砂を上方に移動させ、その上方に位置する逆転翼32によって上方に移動してきた撹拌土砂を下方に移動させる。かかる撹拌土砂の上下移動と同時に回転ロッド先端に設けた吐出孔21から固化材5を充填し、さらに撹拌土砂の上下移動をおこなうことによって地盤7と固化材5の混合撹拌をおこなう。なお、逆転翼32の翼径より大きく正転螺旋翼31の翼径以下の範囲においては、正転螺旋翼31の回転により回転ロッド2の全長にわたって撹拌土砂は上方に移動し、充填した固化材5と混合撹拌される。
回転ロッド2を地盤内の所定深度まで回転貫入させることにより、改良杭6の造成が完了できる。
【0025】
<ロ>実施例2
実施例2は、正転螺旋翼31と平板翼33(回転ロッド2のロッド軸に垂直に設置した場合)を回転ロッド2に備えた撹拌装置1を使用して改良杭6を造成する実施例である。回転ロッド2の貫入により、切削翼22の上方に設けた正転螺旋翼31の回転によって切削撹拌土砂を上方に移動させ、その上方に位置する平板翼33によって上方に移動してきた撹拌土砂を一部押し戻して下方へ移動させる。すなわち、平板翼33の翼径範囲では上方に移動してきた土砂は平板翼33によって上方移動を押さえられ、さらに下方から上方に土砂が移動してくることによって平板翼33下で閉塞状態となった土砂は下方へ移動することとなる。かかる撹拌土砂の上下移動と同時に回転ロッド先端に設けた吐出孔21から固化材5を充填し、さらに撹拌土砂の上下移動をおこなうことによって地盤7と固化材5の混合撹拌をおこなう。
【0026】
<ハ>実施例3
実施例3は、正転螺旋翼31と棒状体4を回転ロッド2に備えた撹拌装置1を使用して改良杭6を造成する実施例である。回転ロッド2の貫入により、切削翼22の上方に設けた正転螺旋翼31の回転によって切削撹拌土砂を上方に移動させ、その上方に位置する棒状体4によって上方に移動してきた撹拌土砂をさらに撹拌するとともに回転ロッド先端に設けた吐出孔21から固化材5を充填して改良杭6を造成することができる。
【発明の効果】
本発明の撹拌装置は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>地盤と固化材の混合撹拌を効率よくおこなうことができる。
<ロ>改良杭の延伸方向にわたって均質かつ高品質な改良杭の造成を可能とできる。
<ハ>回転ロッドに備える螺旋翼の形状や大きさなどのみによって高品質な改良杭の造成を図ることができるため、施工コストを低廉化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撹拌装置を使用して改良杭を造成している状況を説明している説明図。
【図2】正転螺旋翼と逆転螺旋翼を夫々複数回りさせるごとに回転ロッド延伸方向に交互に設置している回転ロッドを示した斜視図。
【図3】正転螺旋翼と逆転螺旋翼を夫々一回りさせるごとに回転ロッド延伸方向に交互に設置している回転ロッドを示した斜視図。
【図4】正転螺旋翼と平板翼を回転ロッド延伸方向に交互に設置している回転ロッドを示した斜視図。
【図5】正転螺旋翼と棒状体を回転ロッド延伸方向に交互に設置している回転ロッドを示した斜視図。
【図6】従来の撹拌翼を備えた回転ロッドを使用して改良杭を造成している状況を示した説明図。
【符号の説明】
1・・・撹拌装置
2・・・回転ロッド
3・・・撹拌翼
31・・正転螺旋翼
32・・逆転翼
33・・平板翼
4・・・棒状体
5・・・固化材
6・・・改良杭
7・・・地盤
81・・撹拌土砂の上方移動
82・・撹拌土砂の下方移動
【発明の属する技術分野】
本発明は、原地盤と固化材を撹拌混合して改良杭を造成する際に使用する撹拌装置及びかかる撹拌装置を使用して原地盤と固化材を混合撹拌する撹拌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地盤改良工法は、改良地盤種別や改良目的などに応じて、表層処理工法や載荷重工法、排水促進工法、締め固め工法、薬液注入工法、固結工法などに分類される。この中で、固結工法は、セメントミルクなどの固化材(粉体状、ペースト状)を噴射しながら原地盤と混合撹拌することにより改良杭を造成しながら地盤改良をおこなう工法である。本工法は地盤を比較的強度の高い性質に変えるものであり、ほとんどの地盤に適用できること、即効性を有していること、施工機械が比較的コンパクトであることなどの理由から広範に利用されている。
上記固結工法を施工方法にて分類する場合には大きく2種類に区分できる。その1つは撹拌翼を備えたロッドを地中に貫入して回転させることにより地盤を切削するとともに固化材を原地盤と混合する混合処理工法である。他の1つは高圧力水等により地盤を切削しながら固化材を混合または原地盤と置換する高圧噴射工法である。
上記する混合処理工法においては、図6に示すように回転ロッドaの延伸方向に直交する向きに複数の撹拌翼b(撹拌板)を設けた回転ロッドをオーガー掘削機に取り付け、回転ロッドaを地中に回転貫入させることで改良杭cの造成をおこなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の撹拌装置及び撹拌方法にあっては、次のような問題点がある。
<イ>混合撹拌される原地盤は、撹拌翼により原位置にて撹拌されるのみであり、造成される改良杭は杭の延伸方向でその品質にむらが生じ易い。
<ロ>原地盤と固化材との混合撹拌を確実におこなうためには、撹拌翼の幅を大きくする、撹拌翼の数を増加させる、ロッドの回転数を高速にするなどの対策を要し、いずれも不経済である。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、原地盤と固化材の混合撹拌を効率よくおこなうことのできる撹拌装置及び撹拌方法を提供することを目的とする。また、原地盤と固化材が均質に混合された品質のよい改良杭を造成できる撹拌装置及び撹拌方法を提供することを目的とする。
本発明は、これらの目的の少なくとも一つを達成するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の撹拌装置は、回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた撹拌翼によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置において、前記撹拌翼は正回転方向の傾斜を形成した正転螺旋翼と逆回転方向の傾斜を形成した逆転翼とからなり、前記正転螺旋翼の翼径は前記逆転翼の翼径に比べて相対的に大径となるように形成し、前記正転螺旋翼と前記逆転翼を前記回転ロッドの延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設けたことを特徴とする撹拌装置である。
【0006】
また、本発明の撹拌装置は、回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた螺旋翼と平板翼によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置であって、前記螺旋翼は正回転方向の傾斜を構成した正転螺旋翼として形成し、前記回転ロッド軸に垂直方向に設置した前記平板翼は平板翼の翼径を前記正転螺旋翼の翼径に比べて相対的に小径となるように形成し、前記正転螺旋翼と前記平板翼を前記回転ロッドの延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設けたことを特徴とする撹拌装置を使用できる。
【0007】
また、本発明の撹拌装置は、回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた螺旋翼と棒状体によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置であって、前記螺旋翼は正回転方向の傾斜を構成した正転螺旋翼として形成し、複数の前記棒状体を前記回転ロッド軸に垂直方向に設置し、所定の間隔を置いて複数設けた前記正転螺旋翼の間に前記棒状体を複数設けたことを特徴とする撹拌装置を使用できる。
【0008】
また、本発明の撹拌方法は、前記撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法であって、前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、前記逆転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって上方に移動してきた前記撹拌土砂を下方に移動させ、前記撹拌土砂を上方及び下方に移動させながら前記固化材を充填することによって改良杭を造成することを特徴とする撹拌方法である。
【0009】
また、本発明の撹拌方法は、前記撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法において、前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、前記平板翼の前記回転ロッド回りの回転によって上方に移動してきた前記撹拌土砂の上方への移動を一部押し戻して下方へ移動させ、前記撹拌土砂を上方及び下方に移動させながら前記固化材を充填することによって改良杭を造成することを特徴とする撹拌方法を使用できる。
【0010】
さらに、本発明の撹拌方法は、前記撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法において、前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、前記棒状体の前記回転ロッド回りの回転によって上方に移動してきた前記撹拌土砂を撹拌し、前記撹拌土砂の上方移動および撹拌と前記固化材の充填によって改良杭を造成することを特徴とする撹拌方法を使用できる。
【0011】
【発明の実施の形態1】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態1について説明する。
【0012】
<イ>撹拌装置
改良杭6を造成するための撹拌装置1の概要を図1に示す。撹拌装置1は、撹拌機91、撹拌翼3(正転螺旋翼31、逆転翼32(逆転螺旋翼321、逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322))を備えた回転ロッド2(オーガーロッド)、および回転ロッド2先端に設けた吐出孔21から吐出させる固化材5を回転ロッド2内に供給するための固化材注入ホース92などによって構成される。
撹拌機91は、造成する改良杭6の規模に応じてその駆動性能を適宜調整することができ、また、回転ロッド2を地盤7内に回転貫入できる性能を備えている機器であればよい。
使用する回転ロッド2は、その延伸方向に後述する正転螺旋翼31と逆転螺旋翼321を交互に備えた回転ロッド2を撹拌機91に設置して使用する。また、回転ロッド2の延伸方向に正転螺旋翼31と逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322を交互に備えた回転ロッド2とすることもできる。
回転ロッド2の先端付近には回転ロッド2の延伸方向に直交するように複数の切削体221を備えた切削翼22を設けるのが好ましい。
使用する固化材5は、改良杭6の所望強度や工費等によって選定されるが、例えばセメントスラリーやセメントモルタルなどを使用できる。
【0013】
<ロ>撹拌翼の構成
回転ロッド2には、その延伸方向に正転螺旋翼31と逆転螺旋翼321を交互に所定の間隔を置いて備える。ここで、正転螺旋翼31とは、例えば右ネジを右回転させたとき、ネジのピッチに応じてネジが前進するように、回転ロッド2の回転方向に応じて回転ロッド2が前進するように正回転方向の傾斜を成形した螺旋翼のことである。正転螺旋翼31の地盤7内貫入に応じて切削撹拌された土砂は上方に移動する。一方、逆転螺旋翼321とは、回転ロッド2の地盤7内貫入に応じて切削撹拌された土砂を下方に移動させるために逆回転方向の傾斜を成形した螺旋翼のことである。
本発明では、正転螺旋翼31の翼径を逆転螺旋翼321の翼径に比べて相対的に大径となるように成形する。
ここで、正転螺旋翼31の翼径と逆転螺旋翼321の翼径の大小比率は、回転ロッド2の回転速度や貫入速度、地盤性状などを勘案して決定するのが好ましい。
さらに、螺旋翼の回転ロッド2延伸方向の下り勾配(または上り勾配)においても上記する種々の要素を勘案して決定するのがよい。
【0014】
図2では、正転螺旋翼31と逆転螺旋翼321を夫々回転ロッド2周りに複数回りさせるごとに回転ロッド2の延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設置した場合の実施例を示す。図2の実施例では、各螺旋翼を回転ロッド2周りに2回りさせたものを示しているが、3回り以上に成形することもできる。また、図3では、正転螺旋翼31と逆転螺旋翼321を夫々回転ロッド2周りに一回りさせるごとに回転ロッド2の延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設置した場合の実施例を示す。
【0015】
回転ロッド2および螺旋翼は公知のオーガーと同様例えば鋼製材料にて製作できる。
【0016】
一方、逆転螺旋翼321の代わりに逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322を回転ロッド2回りに設けることもできる。
【0017】
<ハ>撹拌翼の原理
上記するように、正転螺旋翼31の回転ロッド2回りの回転によって切削撹拌した土砂は上方に移動し(図2、3における撹拌土砂の上方移動81参照)、逆転翼32の回転ロッド2回りの回転によって切削撹拌した土砂は下方に移動する(図2、3においては逆転翼32として逆転螺旋翼322を使用した場合の撹拌土砂の下方移動82参照)。また、逆転螺旋翼321の代わりに逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322を使用した場合においても、上方に移動してきた土砂は逆回転方向の傾斜によって下方に移動する(図示せず)。
仮に正転螺旋翼31と逆転翼32の翼径が同一径(または同一程度の径)であった場合には、上下移動する撹拌土砂の移動範囲は正転螺旋翼31とその下方(または上方)に位置する逆転翼32の間のみに限定されることとなる。かかる場合には改良杭6の延伸方向全長にわたる切削地盤の上下移動は、上下関係にある正転螺旋翼と逆転翼間ごとに各々単独でおこなわれ、回転ロッドの延伸方向全長にわたって効率のよい撹拌土砂の移動を実現でき難い。
なお、同一径の正転螺旋翼と逆転螺旋翼を交互に回転ロッドの延伸方向に備えた公知の回転ロッドが現存する。かかる回転ロッドは、正逆螺旋翼の翼径が同一径であることから、正転螺旋翼の回転によって上昇した撹拌土砂はその上方に位置する逆転螺旋翼の回転によって今度は下方に押込まれることにより、結果的に回転ロッド下方の地盤が押圧されていく。さらに、下方に押込まれた土砂は回転ロッド下方のみではなく回転ロッドの側方にも押し出されることとなり、結果的には回転ロッドの側方地盤も押圧されていく。したがって、同一径の正逆螺旋翼を備えた回転ロッドを使用することにより、その周囲を堅固に造成した杭建込み用の杭孔を構成できる。
【0018】
一方、本発明のように正転螺旋翼31の翼径を逆転翼32の翼径に比べて相対的に大径となるように成形した場合には、逆転翼32の翼径範囲では切削撹拌土砂の上下移動がおこなわれる。すなわち、正転螺旋翼31の回転によって上方に移動した撹拌土砂は、その上方に位置する逆転翼32の回転によって、今度は下方に移動する。下方に移動した撹拌土砂は、下方に位置する正転螺旋翼31の回転によって再度上方に移動させられる。このように、正転螺旋翼31と逆転翼32の間では撹拌土砂の上下移動が交互に繰り返されることとなる。
また、逆転翼32の翼径より大きく正転螺旋翼31の翼径以下の範囲においては撹拌地盤の上方移動を回転ロッド2の延伸方向の全長にわたって実現できる。すなわち、かかる範囲においては正転螺旋翼31の回転によって上方に移動した切削地盤を下方に移動させる障害(逆転翼32)が存在しないため、正転螺旋翼31からその上方に位置する正転螺旋翼31へと撹拌土砂は順次上方へ移動していくこととなる。
上記のように翼径の異なる撹拌翼3を回転ロッド2に設けることにより、回転ロッド2の延伸方向の全長にわたる撹拌土砂の効率のよい撹拌を実現できるため、固化材5の充填とあわせて上記する撹拌をおこなうことにより、杭全長にわたって均質な品質を確保した改良杭6の造成が可能となる。
【0019】
<ニ>実施例
図2または図3の実施例において、正転螺旋翼31とその直上(直下)の正転螺旋翼31の翼間隔は例えば30cm程度に成形できる。また、正転螺旋翼31とその直上(直下)の逆転翼32の翼間隔も30cm程度に成形できる。
【0020】
【発明の実施の形態2】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態2について説明する。
【0021】
実施の形態1における逆転翼32(逆転螺旋翼321または逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322)の代わりに回転ロッド2軸に垂直に設置した平板翼33を備えた回転ロッド2を製作する(図4参照)。平板翼33の翼径は正転螺旋翼31の翼径よりも相対的に小径となるように形成するのがよい。なお、図4においては平板翼33の平面形状を円形としているが、これに拘泥するものではない。すなわち、正方形、矩形、多角形など多様に選定できる。ただし、いずれの形状の平板翼33を選定するにしてもその外側寸法は正転螺旋翼31よりも小さくなるように形成するのが好ましい。回転ロッド2の全長にわたる撹拌土砂の効率のよい上方移動を可能とするためである。
また、図4においては回転ロッド2周りに1回りさせた正転螺旋翼31の間に1枚の平板翼33を設置した実施例を示しているが、このほかにも、回転ロッド2周りに2回り(または3回り以上)させた正転螺旋翼31の間に1枚(または2枚以上)の平板翼33を設置して構成することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態3】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態3について説明する。
【0023】
実施の形態1における逆転翼32(逆転螺旋翼321または逆回転方向の傾斜を形成した平板翼322)の代わりに棒状体4を備えた回転ロッド2を製作する(図5参照)。棒状体4は、回転ロッド2のロッド軸にほぼ垂直方向に回転ロッド2から突出するように設けることができる。棒状体4の軸方向に垂直に切断した断面形状は円形、矩形、多角形など多様に選定できる。また、図5においては正転螺旋翼31の間に、複数の棒状体4を同一平面上(回転ロッド2軸に垂直に切断した切断面)にないように設けた実施例を示しているが、同一平面状に複数設けることもできる。また、棒状体4の本数は任意に選定できる。
【0024】
【実施例】
<イ>実施例1
以下、正転螺旋翼31及び逆転翼32からなる回転ロッド2より構成される撹拌装置1を使用した撹拌方法の実施例について説明する。
回転ロッド2を回転させ、ロッドの先端に備えた切削翼22によって地盤7を切削しながら回転ロッド2を地盤7内に貫入させる。
回転ロッド2の貫入により、切削翼22の上方に設けた正転螺旋翼31の回転によって切削撹拌土砂を上方に移動させ、その上方に位置する逆転翼32によって上方に移動してきた撹拌土砂を下方に移動させる。かかる撹拌土砂の上下移動と同時に回転ロッド先端に設けた吐出孔21から固化材5を充填し、さらに撹拌土砂の上下移動をおこなうことによって地盤7と固化材5の混合撹拌をおこなう。なお、逆転翼32の翼径より大きく正転螺旋翼31の翼径以下の範囲においては、正転螺旋翼31の回転により回転ロッド2の全長にわたって撹拌土砂は上方に移動し、充填した固化材5と混合撹拌される。
回転ロッド2を地盤内の所定深度まで回転貫入させることにより、改良杭6の造成が完了できる。
【0025】
<ロ>実施例2
実施例2は、正転螺旋翼31と平板翼33(回転ロッド2のロッド軸に垂直に設置した場合)を回転ロッド2に備えた撹拌装置1を使用して改良杭6を造成する実施例である。回転ロッド2の貫入により、切削翼22の上方に設けた正転螺旋翼31の回転によって切削撹拌土砂を上方に移動させ、その上方に位置する平板翼33によって上方に移動してきた撹拌土砂を一部押し戻して下方へ移動させる。すなわち、平板翼33の翼径範囲では上方に移動してきた土砂は平板翼33によって上方移動を押さえられ、さらに下方から上方に土砂が移動してくることによって平板翼33下で閉塞状態となった土砂は下方へ移動することとなる。かかる撹拌土砂の上下移動と同時に回転ロッド先端に設けた吐出孔21から固化材5を充填し、さらに撹拌土砂の上下移動をおこなうことによって地盤7と固化材5の混合撹拌をおこなう。
【0026】
<ハ>実施例3
実施例3は、正転螺旋翼31と棒状体4を回転ロッド2に備えた撹拌装置1を使用して改良杭6を造成する実施例である。回転ロッド2の貫入により、切削翼22の上方に設けた正転螺旋翼31の回転によって切削撹拌土砂を上方に移動させ、その上方に位置する棒状体4によって上方に移動してきた撹拌土砂をさらに撹拌するとともに回転ロッド先端に設けた吐出孔21から固化材5を充填して改良杭6を造成することができる。
【発明の効果】
本発明の撹拌装置は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>地盤と固化材の混合撹拌を効率よくおこなうことができる。
<ロ>改良杭の延伸方向にわたって均質かつ高品質な改良杭の造成を可能とできる。
<ハ>回転ロッドに備える螺旋翼の形状や大きさなどのみによって高品質な改良杭の造成を図ることができるため、施工コストを低廉化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】撹拌装置を使用して改良杭を造成している状況を説明している説明図。
【図2】正転螺旋翼と逆転螺旋翼を夫々複数回りさせるごとに回転ロッド延伸方向に交互に設置している回転ロッドを示した斜視図。
【図3】正転螺旋翼と逆転螺旋翼を夫々一回りさせるごとに回転ロッド延伸方向に交互に設置している回転ロッドを示した斜視図。
【図4】正転螺旋翼と平板翼を回転ロッド延伸方向に交互に設置している回転ロッドを示した斜視図。
【図5】正転螺旋翼と棒状体を回転ロッド延伸方向に交互に設置している回転ロッドを示した斜視図。
【図6】従来の撹拌翼を備えた回転ロッドを使用して改良杭を造成している状況を示した説明図。
【符号の説明】
1・・・撹拌装置
2・・・回転ロッド
3・・・撹拌翼
31・・正転螺旋翼
32・・逆転翼
33・・平板翼
4・・・棒状体
5・・・固化材
6・・・改良杭
7・・・地盤
81・・撹拌土砂の上方移動
82・・撹拌土砂の下方移動
Claims (6)
- 回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた撹拌翼によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置であって、
前記撹拌翼は正回転方向の傾斜を形成した正転螺旋翼と逆回転方向の傾斜を形成した逆転翼とからなり、
前記正転螺旋翼の翼径は前記逆転翼の翼径に比べて相対的に大径となるように形成し、
前記正転螺旋翼と前記逆転翼を前記回転ロッドの延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設けたことを特徴とする、
撹拌装置。 - 回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた螺旋翼と平板翼によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置であって、
前記螺旋翼は正回転方向の傾斜を構成した正転螺旋翼として形成し、
前記回転ロッド軸に垂直方向に設置した前記平板翼は平板翼の翼径を前記正転螺旋翼の翼径に比べて相対的に小径となるように形成し、
前記正転螺旋翼と前記平板翼を前記回転ロッドの延伸方向に交互に所定の間隔を置いて設けたことを特徴とする、
撹拌装置。 - 回転ロッドを地盤内に回転貫入させ、回転ロッド周りに設けた螺旋翼と棒状体によって地盤を撹拌しながら回転ロッドに設けた吐出孔より固化材を充填して地盤内に改良杭を造成する撹拌装置であって、
前記螺旋翼は正回転方向の傾斜を構成した正転螺旋翼として形成し、
複数の前記棒状体を前記回転ロッド軸に垂直方向に設置し、
所定の間隔を置いて複数設けた前記正転螺旋翼の間に前記棒状体を複数設けたことを特徴とする、
撹拌装置。 - 請求項1記載の撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法であって、
前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、
前記逆転翼の前記回転ロッド回りの回転によって上方に移動してきた前記撹拌土砂を下方に移動させ、
前記撹拌土砂を上方及び下方に移動させながら前記固化材を充填することによって改良杭を造成することを特徴とする、
撹拌方法。 - 請求項2記載の撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法であって、
前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、
前記平板翼によって上方に移動してきた前記撹拌土砂の上方への移動を一部押し戻して下方へ移動させ、
前記撹拌土砂を上方及び下方に移動させながら前記固化材を充填することによって改良杭を造成することを特徴とする、
撹拌方法。 - 請求項3記載の撹拌装置を使用して地盤及び前記固化材を混合撹拌する撹拌方法であって、
前記正転螺旋翼の前記回転ロッド回りの回転によって撹拌土砂を上方に移動させ、
前記棒状体の前記回転ロッド回りの回転によって上方に移動してきた前記撹拌土砂を撹拌し、
前記撹拌土砂の上方移動および撹拌と前記固化材の充填によって改良杭を造成することを特徴とする、
撹拌方法。
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