JP2004337762A - 自動車ボディの製造方法及び導電性シーリング材 - Google Patents

自動車ボディの製造方法及び導電性シーリング材 Download PDF

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Abstract

【課題】中塗り塗装と上塗り塗装との間でシーリング材を塗布しても上塗り塗装の隠蔽性を高めることができる自動車ボディの製造方法を提供する。
【解決手段】自動車ボディの所定部位に少なくとも下塗り塗料及び中塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させたのち、自動車ボディの所定部位に、導電性シーリング材を塗布し、さらに自動車ボディの所定部位に上塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、自動車ボディの製造方法及び着色シーリング材に関し、特に塗装ラインにおいて下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装とともにパネル合わせ部やパネルエッジ部にシーリング材を塗布する工程を有する自動車ボディの製造方法及びこれに用いられる導電性シーリング材に関する。
【0002】
【背景技術】
自動車ボディの塗装ラインでは、エポキシ系樹脂を主剤とする電着塗料などが適用される下塗り塗装と、ポリエステル系樹脂を主剤とする中塗り塗料と、同じくポリエステル系塗料を主剤とする上塗り塗料の3種の塗料を用い、下塗り塗装を施したのちこれを焼き付け、硬化した下塗り塗膜の上に中塗り塗装を施したのちこれを焼き付け、硬化した中塗り塗膜の上に上塗り塗装を施したのちこれを焼き付けることで完成する、いわゆる3コート3ベーク系の塗装方法が採用されている。
【0003】
また、自動車ボディを構成するパネルの合わせ部やパネルエッジ部に、塩化ビニル系樹脂からなるシーリング材を塗布して硬化させることで、パネル合わせ部等のシーリング及び防錆性が確保されている。こうしたシーリング材は、下塗り塗料を焼き付け硬化させたのち中塗り塗料を塗装する前の工程で塗布され、中塗り塗装前に設けられた専用乾燥炉または中塗り乾燥炉で硬化される。
【0004】
ところで、こうした従来の3コート3ベーク塗装系では、下塗り塗装工程、中塗り塗装工程及び上塗り塗装工程のそれぞれに乾燥炉が必要とされるので、乾燥炉を設置するための広い工程スペースが必要となり、また乾燥炉で消費されるエネルギが自動車の生産コストに反映する。
【0005】
そこで、これら3つの工程に設けられた乾燥炉を2つ以下に減じて上記問題を解決するために、下塗り塗装と中塗り塗装をウェットオンウェットで塗装することが検討されている。
【0006】
しかしながら、下塗り塗装と中塗り塗装のウェットオンウェット塗装系を採用すると、シーリング材をウェット状態の下塗り塗膜上に塗布しなければならず、下塗り塗膜にシーリング材塗布工程で発生する塵埃などが付着するおそれがある。
【0007】
このため、焼き付け硬化した中塗り塗膜上にシーリング材を塗布することも考えられるが、こうしたライン構成を採るとシーリング材には上塗り塗料しか塗布されず、しかも絶縁体であることから、特に外板に位置するパネル合わせ部やパネルエッジ部においてはシーリング材上に上塗り塗膜が形成され難く隠蔽性の問題が生じる。すなわち、上塗り塗料のみによってはシーリング材の色を隠蔽しきれず、完成車状態においてシーリング材が透けて見えるといった不具合が発生する。ちなみにこうした問題は、下塗り塗装と中塗り塗装とをウェットオンウェット塗装する場合に限らず、中塗り塗装と上塗り塗装との間でシーリング材を塗布する場合に生じ得る。
【0008】
【発明の開示】
本発明は、中塗り塗装と上塗り塗装との間でシーリング材を塗布しても上塗り塗装の隠蔽性を高めることができる自動車ボディの製造方法及び導電性シーリング材を提供することを目的とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、自動車ボディの所定部位に少なくとも下塗り塗料及び中塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させたのち、前記自動車ボディの所定部位に、表面固有抵抗値が1×10Ω以下の導電性シーリング材を塗布し、前記導電性シーリング材が未硬化の状態でさらに前記自動車ボディの所定部位に前記上塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させることを特徴とする自動車ボディの製造方法が提供される。
【0010】
また、本発明の第2の観点によれば、自動車ボディの所定部位に少なくとも下塗り塗料及び中塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させたのち上塗り塗料を塗装する前に塗布され、前記上塗り塗料が塗装される際の表面固有抵抗値が1×10Ω以下であることを特徴とする自動車ボディ用導電性シーリング材が提供される。
【0011】
本発明では、中塗り塗料を焼き付け硬化させたのちシーリング材を塗布し、さらに上塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させるが、シーリング材として上塗り塗料が塗装される際の表面固有抵抗値が1×10Ω以下の導電性シーリング材を用いているので、上塗り塗料を静電塗装すると上塗り塗膜が好適に形成され、上塗り塗装のみによってもシーリング材を充分に隠蔽することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る自動車ボディの製造方法を示す工程図である。本実施形態に係る自動車ボディの製造方法は、下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装の3コート系の塗装系において、下塗り塗装と中塗り塗装とをウェットオンウェットで塗装し、これらを同時に焼き付けたのち上塗り塗装を施す、いわゆる3コート2ベークの塗装系を採用する。下塗り塗装と中塗り塗装に関していえば2コート1ベークの塗装系である。
【0013】
すなわち、洗浄・前処理された被塗物である自動車ボディを電着槽に浸漬させることで電着塗装を施し、これを焼き付け硬化させることなく中塗りブースに搬送し、未硬化の電着塗膜上に中塗り塗料を塗装したのち、中塗り乾燥炉にてこれら未硬化の電着塗膜及び中塗り塗膜を同時に焼き付ける。
【0014】
ここで、本実施形態で用いられる電着塗料と中塗り塗料は、電着塗料の硬化温度T1が中塗り塗料の硬化温度T2よりも低いか同等である。従来の電着塗料の硬化条件は170℃×20分保持が一般的であり、また中塗り塗料の硬化条件は140℃×20分保持が一般的であるが、本実施形態では、たとえば電着塗料の硬化温度T1を140℃とし、中塗り塗料の硬化温度T2を160℃とする。それぞれの硬化温度保持時間については特に限定されないが、たとえば何れも20分以上である。またはこれに代えて、電着塗料の硬化温度T1と中塗り塗料の硬化温度T2を何れも140℃または160℃とする。
【0015】
電着塗料の硬化温度T1を既存の電着塗料の硬化温度に比べて低温化させる手法としては、たとえば、電着塗料が基体樹脂としてのエポキシ系樹脂と、架橋剤としてのブロックポリイソシアネートとを含む材質である場合には、ブロックポリイソシアネートをブロックするアルコール系ブロック剤に、既存のアルコール系ブロック剤より短いアルキル基のアルコール系ブロック剤を採用する。短いアルキル基のアルコール系ブロック剤を用いることでブロック剤の解離温度が低下し、これにより電着塗料の反応温度を低温化させることができる。
【0016】
また、中塗り塗料の硬化温度T2を既存の中塗り塗料の硬化温度に比べて高温化させる手法としては、たとえば、中塗り塗料が水酸基とカルボキシル基とを有する基体樹脂と、架橋剤としてのブロックポリイソシアネートとを含む材質である場合には、ブロックポリイソシアネートをブロックするアルコール系ブロック剤に、既存のアルコール系ブロック剤より長いアルキル基のアルコール系ブロック剤を採用する。長いアルキル基のアルコール系ブロック剤を用いることでブロック剤の解離温度が上昇し、これにより中塗り塗料の反応温度を高温化させることができる。
【0017】
また、中塗り塗料の硬化温度を高温化させる他の手法として、中塗り塗料が水酸基とカルボキシル基とを有する基体樹脂と、架橋剤としてのブロックポリイソシアネートとを含む材質である場合には、中塗り塗料中に中和しているアミンについて既存のアミンよりも高沸点のアミンを採用する。これによりアミンと水との結合力が低下し、極力長い時間カルボキシル基をブロックすることができるので、中塗り塗料の反応温度を高温化させることができる。
【0018】
なお、本実施形態では、電着塗料の硬化温度を140℃、中塗り塗料の硬化温度を160℃としたが、この具体的数値は特に限定されるものではなく、本発明の自動車ボディの製造方法では任意の数値にすることもできる。
【0019】
特に本実施形態では、下塗り塗料と中塗り塗料とを同時に焼き付け硬化させたのち上塗り塗料を塗装する前に、自動車ボディのパネル合わせ部やパネルエッジ部に塩化ビニル系樹脂を主剤とし、これに導電性材料を添加した導電性シーリング材を塗布し、上塗り乾燥炉にて上塗り塗料と同時に硬化させる。またはこれに代えて、上塗り塗装の前にシーリング材の乾燥炉を設けてシーリング材を硬化させたのち、上塗り塗料を塗装する。
【0020】
シーリング材を塗布する部位としては、たとえば図5及び図6に示す自動車ボディBのフード1、フロントドア2、リヤドア3、トランクリッド4などのヘミングエッジ部(同図に点線で示す。)や、ボディBを構成するパネル合わせ部であるが、後述する導電性シーリング材は、少なくともボディBの外板に露出する、すなわち完成車状態で視認可能な部位に塗布する。たとえば、上述したフード1、フロントドア2、リヤドア3、トランクリッド4などのヘミングエッジ部などである。フロアなどのパネル合わせ部はフロアカーペットなどの艤装部品が装着されるとそれによって隠れるので、従来のシーリング材を適用しても良い。
【0021】
本実施形態で用いられる導電性シーリング材は、上塗り塗料を塗装する前の状態、すなわち未硬化状態で上塗り塗料を塗装する場合には未硬化の状態、硬化状態で上塗り塗料を塗装する場合には硬化の状態で、その表面固有抵抗値が1×10Ω以下となるように調製されている。ここで表面固有抵抗値が1×10Ωを超えると、シーリング材の導電性が不十分となり上塗り塗膜が形成され難くなり隠蔽性の問題が生じるため好ましくない。表面固有抵抗値を下げる手法は特に限定されないが、たとえば主剤である塩化ビニル系樹脂に、導電性カーボンブラックや、銀,ニッケル,銅などの金属粒子、酸化チタン,酸化錫,酸化珪素などの導電性無機酸化物、あるいはグラファイトなどを、固形分重量で10〜100%添加する。
【0022】
次に本実施形態の自動車ボディの製造方法を適用した塗装ラインの一例を説明する。図2は本発明の実施形態に係る自動車ボディの製造方法を適用した塗装ラインを示す図、図3は本発明の実施形態に係る中塗り乾燥炉における時間と温度との関係及び時間と粘度との関係を示すグラフ、図4は本発明の実施形態に係る中塗り乾燥炉における設定温度を示す図である。
【0023】
ホワイトボディとして組み立てられた自動車ボディは、車体組立工程から塗装工場に搬入され、最初の前処理ブース1にて、ボディに付着した油や塵埃が除去されるとともに、ボディを構成する鋼板表面に防錆用化成被膜が形成される。
【0024】
前処理ブース1を通過することで清浄及び化成被膜が形成されたボディは、電着塗料が満たされた電着塗装槽2に搬送され、電着塗料に浸漬される。電着塗装槽2では電着塗料に高電圧が印加されることにより電着塗料が電気泳動し、これによりボディに電着塗膜が形成される。電着塗装槽2を出槽したボディは、電着水洗ブース3に搬入され、ここでボディに付着した余分な電着塗料が洗い流される。ここで、硬化条件を140℃×20分保持(または中塗り塗料の硬化条件と同じ160℃×20分保持でも良い。)とした電着塗料を電着塗装槽2に満たしておく。
【0025】
従来の塗装方法では、電着水洗を終了したボディを電着乾燥炉に搬入し、電着塗膜を焼き付け硬化させるが、本実施形態では電着乾燥炉を設けずに、電着塗膜が未硬化の状態でボディを中塗りブース4へ搬入する。なお、既存の塗装ラインをそのまま使用する場合には、電着乾燥炉の運転を停止して未硬化の電着塗膜が形成されたボディをそのまま通過させる。
【0026】
中塗りブース4では、硬化条件を160℃×20分保持(または電着塗料の硬化条件と同じ140℃×20分保持でも良い。)にした中塗り塗料をボディに塗装する。塗装方法は特に限定されず、ベル式塗装ガンやスプレー式塗装ガンなどを用いて塗装する。また、中塗り塗料の材質も特に限定されず、水系塗料及び有機溶剤系塗料の何れも使用することができるが、電着塗料が水系塗料である場合には中塗り塗料も水系塗料を用いることがより好ましい。
【0027】
未硬化の電着塗膜の上に中塗り塗料が塗布されたボディは中塗り乾燥炉5に搬入され、ここで電着塗膜及び中塗り塗膜が同時に焼き付け硬化される。
【0028】
ここで、電着塗料の硬化温度を140℃、中塗り塗料の硬化温度を160℃にした場合には、中塗り乾燥炉5の設定温度は、図4に示すように入口側の第1ゾーンを電着塗料の硬化温度以上かつ中塗り塗料の硬化温度未満である、たとえば140℃に設定し、出口側の第2ゾーンを中塗り塗料の硬化温度以上である160℃に設定することが望ましい。ただし、これら140℃及び160℃という数値は本発明を限定するものではない。
【0029】
図3は、このように設定された中塗り乾燥炉5におけるボディの昇温曲線と塗膜の粘度曲線を示すグラフであり、本実施形態では電着塗料の硬化温度T1が中塗り塗料の硬化温度T2よりも低いので、同図上に示すようにボディ温度が140℃近傍に達したときに、電着塗膜のみが硬化反応を開始する。この状態では中塗り塗膜の硬化反応は開始されていない。
【0030】
そして、同図下の粘度曲線に示すように、中塗り乾燥炉5の第1ゾーンでは、電着塗膜及び中塗り塗膜ともに、それぞれに含まれた溶剤成分が温度上昇にともなって蒸発し、これによる粘度上昇が観察されるが、ボディ温度が電着塗料のガラス転移点を超えると電着塗膜の粘度が一旦低下する。
【0031】
さらにボディ温度が160℃近傍まで達すると、電着塗膜の硬化は終期を迎えるとともに中塗り塗料のガラス転移点を超えたところで中塗り塗膜の粘度が一旦低下し、ここで中塗り塗膜の塗肌が平滑になる。このとき、下層にある電着塗膜は硬化をほぼ終了しているので、中塗り塗膜の平滑性はそのまま維持されることになる。そして、さらにボディ温度が上昇すると中塗り塗膜は硬化反応を開始し、これにより中塗り塗膜の粘度が再び上昇する。
【0032】
中塗り乾燥炉5を通過したボディには、硬化した電着塗膜及び中塗り塗膜が形成され、次にこれをシーリング材塗布工程8に搬入する。このシーリング材塗布工程8では、自動車ボディの所定部位に導電性シーリング材を塗布する。
【0033】
導電性シーリング材を塗布したら、次に自動車ボディを上塗りブース6に搬入する。上塗りブース6では従来公知の方法により上塗り塗料が塗装され、次の上塗り乾燥炉7にて導電性シーリング材及び上塗り塗膜が焼き付け硬化される。このとき、図5及び図6に示すパネル合わせ部やパネルエッジ部にシーリング材が塗布されているが、この導電性シーリング材の上に上塗り塗料を塗装する。
【0034】
以上のように、本実施形態の塗装方法によれば、従来必要とされた電着乾燥炉が不要となるので、塗装ラインの工程スペースが格段に縮小される。また、電着乾燥炉にて使用されていた熱エネルギーも不要となるので生産コストを低減させることができる。
【0035】
これに加えて、電着塗膜と中塗り塗膜とが同一の硬化条件又は電着塗膜の方が中塗り塗膜よりも先に焼き付け硬化するので、ワキ不具合や肌不良といった塗装不具合を防止することができる。
【0036】
さらに、シーリング材として導電性シーリング材を用いているので、上塗り塗料のみによってもシーリング材を充分に隠蔽することができる。
【0037】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0038】
たとえば、上述した実施形態では下塗り塗料と中塗り塗料とをウェットオンウェットで塗装してこれらを同時に焼き付け硬化させる3コート2ベーク塗装系を例に挙げたが、本発明の自動車ボディの製造方法は、下塗り塗料を塗装してこれを焼き付け硬化させたのち、中塗り塗料を塗装してこれを焼き付け硬化させる3コート3ベーク塗装系にも適用することができる。要するに、中塗り塗装と上塗り塗装との間でシーリング材を塗布する工程を有する製造方法の全てに適用することができる。
【0039】
また、上述した実施形態では図1(A)に示すようにシーリング材塗布工程の後に専用の乾燥炉を設けず、上塗り乾燥炉でシーリング材を硬化させることとしたが、同図(B)に示すようにシーリング材塗布工程と上塗り塗装ブースとの間に乾燥炉を設け、シーリング材を硬化させたのち上塗り塗料を塗装するようにしても良い。
【0040】
【実施例】
実施例1
テストピースとしてドアパネルを用い、これに脱脂、前処理及びリン酸亜鉛化成処理を施し、水洗後、カチオン電着塗料(関西ペイント社製NT−100B)を用いて乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、水洗したのち室温で5分間セッティングを行った。次いで、中塗り塗料(日本油脂BASFコーティングス社製AGXシーラー)を用いて乾燥膜厚が25〜30μmとなるように塗装し、これら電着塗膜及び中塗り塗膜を160℃で20分間焼き付けた。
【0041】
次に、塩化ビニル系樹脂製シーリング材(日本特殊塗料社製シールトップPS−47)に、導電性カーボンブラック(ライオン社製ケッチェンブラックEC)を固形分重量で30%添加し、このシーリング材をドアパネルのヘミング部に塗布し、5分間セッティングした。このときの表面固有抵抗値を測定した。
【0042】
次に、シーリング材が未硬化の状態で、静電霧化塗装装置を用いて上塗り塗料(日本油脂BASFコーティングス社製シルバーメタリックアクアBC−3)とクリヤ塗料(日本油脂BASFコーティングス社製クリヤB7300)をウェットオンウェットで塗装し、140℃で20分間焼き付けた。ベース膜厚は12〜15μm、クリヤ膜厚は30〜40μmであった。
【0043】
実施例2
塩化ビニル系樹脂製シーリング材(日本特殊塗料社製シールトップPS−47)に、導電性カーボンブラック(ライオン社製ケッチェンブラックEC)を固形分重量で30%添加し、このシーリング材をドアパネルのヘミング部に塗布し、さらにこれを120℃で10分間焼き付け、このときの表面固有抵抗値を測定した以外は実施例1と同様の条件でテストピースを作製した。
【0044】
実施例3
塩化ビニル系樹脂製シーリング材(日本特殊塗料社製シールトップPS−47)に、五酸化アンチモン含有酸化錫(日本化学産業社製)を固形分重量で60%添加した以外は実施例1と同様の条件でテストピースを作製した。
【0045】
実施例4
塩化ビニル系樹脂製シーリング材(日本特殊塗料社製シールトップPS−47)に、五酸化アンチモン含有酸化錫(日本化学産業社製)を固形分重量で60%添加した以外は実施例2と同様の条件でテストピースを作製した。
【0046】
比較例1
塩化ビニル系樹脂製シーリング材(日本特殊塗料社製シールトップPS−47)をドアパネルのヘミング部に塗布し、さらにこれを120℃で10分間焼き付け、このときの表面固有抵抗値を測定した以外は実施例1と同様の条件でテストピースを作製した。
比較例2
塩化ビニル系樹脂製シーリング材(日本特殊塗料社製シールトップPS−47)に、導電性カーボンブラック(ライオン社製ケッチェンブラックEC)を固形分重量で5%添加し、このシーリング材をドアパネルのヘミング部に塗布し、さらにこれを120℃で10分間焼き付け、このときの表面固有抵抗値を測定した以外は実施例1と同様の条件でテストピースを作製した。
【0047】
評価方法
作製したテストピースのシーリング材塗布部位とそれ以外の部位の色味を目視で評価した。色味の色差がなく外観上問題がないものを○、色味の色差が若干観察されたものを△、色味の色差が大きいものを×とした。
【0048】
【表1】
Figure 2004337762
考察
表1の結果から明らかなように、比較例1及び2についてはシーリング材の表面固有抵抗値が1×10Ωを超えるため色差が観察されたのに対し、実施例1〜4の何れについてもシーリング材の表面固有抵抗値が1×10Ω以下であるため色味の色差に問題はなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車ボディの製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の実施形態に係る自動車ボディの製造方法を適用した塗装ラインを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る自動車ボディの製造方法の中塗り乾燥炉における時間と温度との関係及び時間と粘度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態に係る自動車ボディの製造方法の中塗り乾燥炉における設定温度を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る自動車ボディの製造方法を適用して好ましい車体部位(車体全体)を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る自動車ボディの製造方法を適用して好ましい車体部品を示す図である。
【符号の説明】
1…前処理ブース
2…電着塗装槽
3…電着水洗ブース
4…中塗り塗装ブース
5…中塗り乾燥炉
6…上塗り塗装ブース
7…上塗り乾燥炉
8…シーリング材塗布工程

Claims (6)

  1. 自動車ボディの所定部位に少なくとも下塗り塗料及び中塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させたのち、前記自動車ボディの所定部位に、表面固有抵抗値が1×10Ω以下の導電性シーリング材を塗布し、前記導電性シーリング材が未硬化の状態でさらに前記自動車ボディの所定部位に前記上塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させることを特徴とする自動車ボディの製造方法。
  2. 自動車ボディの所定部位に少なくとも下塗り塗料及び中塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させたのち、前記自動車ボディの所定部位に、導電性シーリング材を塗布して硬化させその表面固有抵抗値を1×10Ω以下としたのち、さらに前記自動車ボディの所定部位に前記上塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させることを特徴とする自動車ボディの製造方法。
  3. 前記下塗り塗料を塗装し、ウェットオンウェットで前記中塗り塗料を塗装し、これらを同時に焼き付け硬化させることを特徴とする請求項1または2記載の自動車ボディの製造方法。
  4. 自動車ボディの所定部位に少なくとも下塗り塗料及び中塗り塗料を塗装して焼き付け硬化させたのち上塗り塗料を塗装する前に塗布され、前記上塗り塗料が塗装される際の表面固有抵抗値が1×10Ω以下であることを特徴とする自動車ボディ用導電性シーリング材。
  5. 未硬化状態において表面固有抵抗値が1×10Ω以下であることを特徴とする請求項4記載の自動車ボディ用導電性シーリング材。
  6. 硬化状態において表面固有抵抗値が1×10Ω以下であることを特徴とする請求項4記載の自動車ボディ用導電性シーリング材。
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