JP7025259B2 - 自動車ボデーの塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車ボデーの塗装方法、詳しくは、金属鋼板と、金属鋼板に装着される樹脂部材とを備える自動車ボデーの塗装方法に関する。
一般に、自動車ボデーは、例えば、金属鋼板などの金属部材に、プラスチックパネルなどの樹脂部材が装着されて形成される。
このような自動車ボデーの塗装においては、従来より、金属部材に比べて、樹脂部材の耐熱性が低いため、金属部材と樹脂部材とを別工程で、すなわち、それぞれの耐熱性に応じた塗料および塗装条件で塗装し、その後、樹脂部材を金属部材に装着するようにしている。
しかし、近年、自動車ボデーの製造工程における設備コストの低減や、金属部材と樹脂部材との色調を一致させるために、樹脂部材を金属部材に装着した状態で、一体として塗装する方法が種々検討されている。
例えば、金属部材と樹脂部材とを組み付けて自動車ボデーを組み立てた後、樹脂部材に導電性プライマーを塗布し、その後、自動車ボデー(すなわち、金属部材および樹脂部材)に中塗塗料および上塗塗料を塗装して、焼き付ける方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-213692号公報
しかしながら、金属部材と樹脂部材とを組み付けて自動車ボデーを組み立てた後、樹脂部材に導電性プライマーを塗布する場合、樹脂部材の周囲の金属部材にも導電性プライマーが飛散および付着し、その付着部分において、塗装ムラやブツなどの外観不良が生じる場合がある。
この点、例えば、金属部材の全面に導電性プライマーを塗布することにより、塗装ムラやブツなどの外観不良を抑制できるが、高コスト化を惹起する。
また、例えば、導電性プライマーの塗布時に金属部材にマスキングすれば、金属部材に導電性プライマーが飛散および付着することを抑制できるが、塗装作業が煩雑となる。
本発明は、高コスト化を抑制し、塗装作業の効率化を図りながら、外観不良を抑制できる自動車ボデーの塗装方法である。
本発明[1]は、金属鋼板と、前記金属鋼板に隣接する樹脂部材とを備える自動車ボデーの塗装方法であって、前記金属鋼板と隣接するように前記樹脂部材を配置する配置工程と、配置された前記樹脂部材にのみ導電性プライマーを塗布するプライマー塗布工程と、前記プライマー塗布工程後、前記自動車ボデーの前記金属鋼板および前記樹脂部材に、塗料を塗装する塗装工程と、前記塗料が塗装された前記自動車ボデーを焼き付ける焼付工程とを備え、前記プライマー塗布工程では、前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線の近傍において、前記樹脂部材に、前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線が延びる方向に沿って、前記導電性プライマーを塗布する、自動車ボデーの塗装方法を含んでいる。
このような自動車ボデーの塗装方法では、互いに隣接する金属鋼板と樹脂部材との境界線の近傍において、樹脂部材に、金属鋼板と樹脂部材との境界線が延びる方向に沿って、導電性プライマーを塗布する。
このように導電性プライマーを塗布することにより、例えば、金属鋼板と樹脂部材との境界線が延びる方向と直交する方向に沿って、導電性プライマーを塗布する場合などに比べ、金属部材に導電性プライマーが飛散および付着することを抑制でき、塗装ムラやブツなどの外観不良を抑制することができる。
また、このような自動車ボデーの塗装方法では、金属部材の全面に導電性プライマーを塗布する場合に比べ、低コスト化を図ることができる。
さらに、このような自動車ボデーの塗装方法では、金属部材にマスキングする場合に比べ、塗装作業の効率化を図ることができる。
本発明[2]は、前記自動車ボデーが、前記樹脂部材と前記金属鋼板とが略同一面状に配置された金属-樹脂複合面と、前記金属-樹脂複合面を構成する前記樹脂部材と、前記金属-樹脂複合面を構成する前記金属鋼板とは異なる金属鋼板とが所定角度を有するように配置された金属-樹脂複合角とを有し、前記プライマー塗布工程では、まず、前記金属-樹脂複合面の前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線の近傍において、前記樹脂部材に、前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線が延びる方向に沿って、前記導電性プライマーを塗布し、次いで、前記金属-樹脂複合角の前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線の近傍において、前記樹脂部材に、前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線が延びる方向に沿って、前記導電性プライマーを塗布する、上記[1]に記載の自動車ボデーの塗装方法を含んでいる。
このような自動車ボデーの塗装方法では、自動車ボデーが、金属-樹脂複合面と、金属-樹脂複合角とを有しており、それらを構成する樹脂部材が共通している場合において、先に、金属-樹脂複合面の金属鋼板と樹脂部材との境界線の近傍に導電性プライマーを塗装し、その後、金属-樹脂複合角の金属鋼板と樹脂部材との境界線の近傍に導電性プライマーを塗装する。
そのため、金属-樹脂複合面に導電性プライマーを塗布するときに、金属-樹脂複合角の近傍の金属鋼板に導電性プライマーが飛散および付着する場合にも、塗布順序が上記の逆である場合に比べ、導電性プライマーの付着量を低減することができる。さらに、その後、金属-樹脂複合角の近傍において、飛散した導電性プライマーの液滴の上から導電性プライマーを塗布するため、塗装ムラやブツなどの外観不良をより一層抑制することができる。また、金属-樹脂複合角における外観不良は、金属-樹脂複合面における外観不良に比べ、目立ちにくいため、より優れた外観の自動車ボデーを得ることができる。
本発明の自動車ボデーの塗装方法では、高コスト化を抑制し、塗装作業の効率化を図りながら、外観不良を抑制できる。
図1は、本発明の自動車ボデーの塗装方法の一実施形態の各工程を説明するための工程図であって、図1Aは、配置工程の平断面図、図1Bは、プライマー塗布工程の平断面図、図1Cは、ベース塗装工程の平断面図、および、図1Dは、クリア塗装工程の平断面図を、それぞれ示す。 図2は、図1に記載のプライマー塗布工程の詳細を示す模式図であり、図2Aは、樹脂部材の意匠面に導電性プライマーを塗布する工程の側面図、および、図2Bは、金属鋼板と樹脂部材との境界線の近傍に導電性プライマーを塗布する工程の側面図を、それぞれ示す。 図3は、自動車ボデーが金属-樹脂複合面および金属-樹脂複合角を有する場合のプライマー塗布工程を示す概略図であり、図3Aは、樹脂部材の意匠面に導電性プライマーを塗布する工程の斜視図、図3Bは、金属-樹脂複合面αにおける金属鋼板と樹脂部材との境界線の近傍に導電性プライマーを塗布する工程の斜視図、および、図3Cは、金属-樹脂複合角βにおける金属鋼板と樹脂部材との境界線の近傍に導電性プライマーを塗布する工程の斜視図を、それぞれ示す。
1.塗装フロー
本発明の自動車ボデーの塗装方法について説明する。
図1に示される自動車ボデーの塗装方法において、プライマー塗布工程、塗装工程(ベース塗装およびクリア塗装)、および焼付工程は、単一の塗装ラインにおいて流れ作業により実施される。このような自動車ボデーの塗装方法では、金属鋼板と、その金属鋼板と少なくとも一辺で隣接する樹脂部材とを備える自動車ボデーが、塗装される。
より具体的には、この塗装方法では、まず、図1Aに示されるように、金属鋼板2および樹脂部材3をそれぞれ準備し、金属鋼板2に対して隣接するように樹脂部材3を配置する(配置工程)。
金属鋼板2は、樹脂部材3が装着される前の車体フレーム(例えば、ドアパネル、フードパネルなどの金属パネル)であって、例えば、鋼板などをプレスおよび溶接することにより形成されている。
金属鋼板2の表面には、好ましくは、公知の方法によって、予め、電着塗装がなされている。すなわち、金属鋼板2の表面には、好ましくは、電着層4が形成されている。
電着塗装では、特に制限されないが、公知の電着塗料が使用され、また、公知の電着塗装方法が採用される。具体的には、電着塗料としては、公知の水性塗料が挙げられる。また、電着塗装方法としては、例えば、カチオン電着塗装、アニオン電着塗装などが挙げられ、好ましくは、カチオン電着塗装が挙げられる。
そして、電着塗装により得られた塗膜を、必要に応じて適宜の温度で加熱し、乾燥させることにより、金属鋼板2の表面に電着層4が形成される。電着層4の厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、電着層4の表面には、好ましくは、公知の方法によって、予め、中塗塗装がなされている。すなわち、電着層4の表面には、好ましくは、電着層4と後述するベース層7との密着性を向上させるための中塗層5が形成されている。
中塗塗装では、特に制限されないが、公知の中塗塗料が使用され、また、公知の中塗塗装方法が採用される。具体的には、中塗塗料としては、例えば、有機溶剤系中塗塗料、水性中塗塗料などが挙げられる。また、中塗塗装方法としては、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、ベル塗装法などが挙げられ、好ましくは、ベル塗装法が挙げられる。
そして、中塗塗装により得られた塗膜を、必要に応じて適宜の温度で加熱し、乾燥させることにより、電着層4の表面に、中塗層5が形成される。中塗層5の厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
樹脂部材3は、例えば、ポリプロピレンなどの公知の樹脂から形成される自動車部品であって、例えば、フェンダーパネル、バンパー、リッド、リアゲート、フロントグリルなどが挙げられる。
樹脂部材3の線膨張率は、特に制限されないが、耐熱性の観点から、例えば、4.0×10-5/℃m以下、好ましくは、3.5×10-5/℃m以下である。また、樹脂部材の熱変形温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、120℃以上であり、例えば、140℃以下である。
なお、樹脂部材3を金属鋼板2の隣に配置する方法としては、特に制限されないが、例えば、金属鋼板2および樹脂部材3が互いに隣接するように、金属鋼板2に対して樹脂部材3を組み付け、自動車ボデー1を組み立てる。
次いで、この方法では、図1Bに示されるように、金属鋼板2の隣に配置された樹脂部材3にのみ、導電性プライマーを塗布し、プライマー層6を形成する(プライマー塗布工程)。
導電性プライマーは、樹脂部材3の表面に塗布され、樹脂部材3に導電性を付与するとともに、樹脂部材3と塗料(後述するベース塗料)との密着性を向上させるものであって、公知の導電性プライマーが用いられる。
導電性プライマーは、例えば、活性メチレン系ブロックポリイソシアネート、塩素化ポリオレフィン、樹脂成分、粒状導電性物質などを含有している。
樹脂成分としては、例えば、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの導電性プライマーに用いられる公知の樹脂成分が挙げられる。
粒状導電性物質は、導電性プライマーによる塗膜(プライマー層)に導電性を付与し、その塗面への上塗(中塗)塗料の静電塗装性を向上させるものであって、例えば、導電性カーボンブラック、銀、ニッケル、銅、グラファイトなどが挙げられる。
また、導電性プライマーには、上記成分に加えて、さらに必要に応じて、例えば、着色顔料、体質顔料、その他塗料用添加剤を適宜の割合で添加することができる。
これによって、導電性プライマーが調製される。
導電性プライマーの固形分濃度は、例えば、10質量%以上であり、例えば、60質量%以下、好ましくは、50質量%以下である。
そして、このような導電性プライマーを、樹脂部材3の表面に塗布し、また、得られた塗膜を、必要に応じて適宜の温度で加熱し、乾燥させることにより、樹脂部材3の表面にプライマー層6が形成される。
また、詳しくは後述するが、導電性プライマーを樹脂部材3の表面に塗布すると、導電性プライマーの飛散により、金属鋼板2の表面(電着層4および中塗層5が形成される場合には、中塗層5の表面)に導電性プライマーが付着する場合がある。
なお、導電性プライマーの塗布方法について、詳細は後述する。
プライマー層の厚みは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、30μm以下、好ましくは、20μm以下である。
次いで、図1Cおよび図1Dに示されるように、自動車ボデーの金属鋼板2(電着層4および中塗層5を含む(以下同様))および樹脂部材3(プライマー層6を含む(以下同様))の両方に、塗料を塗装する(塗装工程)。
より具体的には、塗装工程では、図1Cに示すように、中塗層5およびプライマー層6の表面に、ベース塗料を塗装(ベース塗装、上塗塗装)し、ベース層7を形成する(ベース塗装工程)。
ベース塗装では、特に制限されないが、公知のベース塗料が使用され、また、公知のベース塗装方法(上塗塗装方法)が採用される。具体的には、ベース塗料としては、例えば、有機溶剤系ベース塗料、水性ベース塗料などが挙げられる。また、ベース塗装方法としては、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、ベル塗装法などが挙げられ、好ましくは、ベル塗装法が挙げられる。
そして、ベース塗装により得られた塗膜を、必要に応じて適宜の温度で加熱し、乾燥させることにより、金属鋼板2および樹脂部材3の表面に、ベース層7が形成される。ベース層7の厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
また、塗装工程では、図1Dに示されるように、ベース層7の表面に、クリア塗料が塗装(クリア塗装)され、クリア層8が形成される(クリア塗装工程)。
クリア塗装では、特に制限されないが、公知のクリア塗料が使用され、また、公知のクリア塗装方法が採用される。具体的には、クリア塗料としては、例えば、有機溶剤系クリア塗料、水性クリア塗料などが挙げられる。また、クリア塗装方法としては、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、ベル塗装法などが挙げられ、好ましくは、ベル塗装法が挙げられる。
そして、クリア塗装により得られた塗膜を、必要に応じて適宜の温度で加熱し、乾燥させることにより、ベース層7の表面に、クリア層8が形成される。クリア層8の厚みは、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。
なお、塗装工程においては、上記のように、ベース塗料およびクリア塗料を用いて、ベース層7およびクリア層8を順次積層してもよく(2コート塗装法)、また、図示しないが、例えば、モノコートソリッド塗料などの塗料を用いて、単一の上塗層(モノコートソリッド層)を形成してもよい(1コート塗装法)。また、ベース層7およびクリア層8を順次積層する場合、上記のように、ベース塗料を塗布および乾燥させた後、その上にクリア塗料を塗布および乾燥させてもよく、例えば、ベース塗料を塗布した後、乾燥させる前に、ベース塗料の上にクリア塗料を塗布し、それらベース塗料およびクリア塗料を一括乾燥させてもよい。
その後、この方法では、塗料が塗装された自動車ボデー1を焼き付ける(焼付工程)。
焼き付け温度は、樹脂部材3の耐熱温度(熱変形温度)以下となるように調整される。
より具体的には、焼き付け温度は、例えば、140℃以下、好ましくは、120℃以下であり、例えば、100℃以上、好ましくは、110℃以上である
これによって、上記した塗料、すなわち、ベース塗料およびクリア塗料(またはモノコートソリッド塗料)が硬化され、中塗層5およびプライマー層6の表面に、焼付層(硬化ベース層および硬化クリア層、または、硬化モノコートソリッド層)が形成される。
このようにして、自動車ボデー1が塗装される。
2.プライマー塗布工程
上記のプライマー塗布工程において、樹脂部材3に対して導電性プライマーを無作為に塗布すると、樹脂部材3の周囲の金属鋼板2にも導電性プライマーが飛散および付着する場合がある(図1Bの矢印参照)。そして、その導電性プライマーの付着部分において、塗装ムラやブツなどの外観不良が生じる場合がある。
なお、外観不良を抑制するため、例えば、金属鋼板2の全面に導電性プライマーを塗布することも検討されるが、高コスト化を惹起する。
また、例えば、導電性プライマーの塗布時に金属鋼板2にマスキングすれば、金属鋼板2に導電性プライマーが飛散および付着することを抑制できるが、塗装作業が煩雑となる。
そこで、この方法では、図2に示す方法で、導電性プライマーを塗布する。
図2において、樹脂部材3および金属鋼板2は、所定の第1方向(以下、X方向)、および、その第1方向(X方向)と直交する第2方向(以下、Y方向)に沿って延びる板状部材であって、Y方向に沿って延びる一辺において、互いに隣接している。
そして、この方法では、まず、図2Aにおいて矢印aで示されるように、樹脂部材3の意匠面(金属鋼板2と樹脂部材3との境界線の近傍を除く領域)に、導電性プライマーを塗布する。
導電性プライマーの塗布方法としては、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法などが挙げられ、意匠性の観点から、好ましくは、エアスプレー法が挙げられる。
意匠面において、導電性プライマーは、例えば、Y方向に沿って塗布されるとともに、その塗布線がX方向に沿ってスライドする蛇行状の塗布軌跡を描くように、塗布される。
なお、意匠面における導電性プライマーの塗布軌跡は、特に制限されず、例えば、X方向に沿って塗布されるとともに、その塗布線がY方向に沿ってスライドする蛇行状の塗布軌跡を描くように、導電性プライマーを塗布することもできる。好ましくは、Y方向に沿って塗布されるとともに、その塗布線がX方向に沿ってスライドする蛇行状の塗布軌跡を描くように、導電性プライマーが塗布される。
次いで、この方法では、図2A(矢印a)に続いて、金属鋼板2と樹脂部材3との境界線の近傍の樹脂部材3に、導電性プライマーを塗布する。このとき、図2Bにおいて矢印bで示されるように、金属鋼板2と樹脂部材3との境界線が延びる方向(図2におけるY方向)に沿って、導電性プライマーを塗布する。
これにより、樹脂部材3の全面に、導電性プライマーが塗布され、プライマー層6(図1参照)が形成される。
このような自動車ボデー1の塗装方法では、互いに隣接する金属鋼板2と樹脂部材3との境界線の近傍において、樹脂部材3に、金属鋼板2と樹脂部材3との境界線が延びる方向(図2におけるY方向)に沿って、導電性プライマーを塗布する。
このように導電性プライマーを塗布することにより、例えば、金属鋼板2と樹脂部材3との境界線が延びる方向(図2におけるY方向)と直交する方向(図2におけるX方向)に沿って、導電性プライマーを塗布する場合などに比べ、金属鋼板2に導電性プライマーが飛散および付着することを抑制でき、塗装ムラやブツなどの外観不良を抑制することができる。
また、このような自動車ボデー1の塗装方法では、金属鋼板2の全面に導電性プライマーを塗布する場合に比べ、低コスト化を図ることができる。
さらに、このような自動車ボデー1の塗装方法では、金属鋼板2にマスキングする場合に比べ、塗装作業の効率化を図ることができる。
3.応用例
自動車ボデー1において、1つの樹脂部材3が2つ以上の金属鋼板2に対して隣接する場合があり、また、その隣接部分の境界線が所定角度を有するように配置される場合がある。
このような自動車ボデー1として、より具体的には、図3に示されるように、樹脂部材3としてのフェンダーパネル31と、フェンダーパネル31に隣接する金属鋼板2としてのドアパネル21およびフードパネル22とを備える自動車ボデー11が挙げられる。
この自動車ボデー11では、1つの樹脂部材3(フェンダーパネル31)が、2つの金属鋼板2(ドアパネル21およびフードパネル22)に対して隣接している。
また、樹脂部材3(フェンダーパネル31)は、一方の金属鋼板2(ドアパネル21)とは略同一平面上において隣接しており、他方の金属鋼板2(フードパネル22)とは、所定角(10~90°)を有するように隣接している。
より具体的には、図3において、フェンダーパネル31およびドアパネル21は、所定のX方向およびY方向(X方向に対して直交する方向)に沿って延びる板状部材であって、Y方向に沿って延びる一辺において、互いに隣接している。
これにより、自動車ボデー11は、フェンダーパネル31がドアパネル21に対して略同一面状に配置された金属-樹脂複合面α(図3における斜線面参照)を有している。また、フェンダーパネル31とドアパネル21との境界線は、Y方向に沿って延びている。
また、フードパネル22は、X方向およびZ方向(X方向およびY方向の両方に対して直交する方向(第3方向))に沿って延びる板状部材である。フードパネル22は、X方向に沿って延びる一辺において、フェンダーパネル31(金属-樹脂複合面αを構成する樹脂部材3)に隣接している。
これにより、自動車ボデー11は、フェンダーパネル31(金属-樹脂複合面αを構成する樹脂部材3)が、フードパネル22(金属-樹脂複合面αを構成する金属鋼板2とは異なる金属鋼板2)に対して、所定角度を有するように配置された金属-樹脂複合角β(図3における太線部分参照)を有している。また、フェンダーパネル31とフードパネル22との境界線は、X方向に沿って延びている。
また、自動車ボデー11において、フェンダーパネル31およびドアパネル21の境界線と、フェンダーパネル31およびフードパネル22の境界線とは、互いに所定角度なすように略同一平面(X-Y平面)上において延び、一点で接触(または交差)している。
このような自動車ボデー11において、導電性プライマーは、以下のように塗布される。
すなわち、この方法では、まず、上記した図2Aと同様、図3Aにおいて矢印aで示すように、フェンダーパネル31(樹脂部材3)の意匠面に、導電性プライマーを塗布する。
次いで、この方法では、図3A(矢印a)に続いて、ドアパネル21とフェンダーパネル31との境界線(すなわち、金属-樹脂複合面αにおける金属鋼板2と樹脂部材3との境界線)の近傍において、フェンダーパネル31に対して、導電性プライマーを塗布する。このとき、図3Bにおいて矢印bで示されるように、ドアパネル21(金属鋼板2)とフェンダーパネル31(樹脂部材3)との境界線が延びる方向(図3におけるY方向)に沿って、導電性プライマーを塗布する。
その後、この方法では、図3B(矢印b)に続いて、フードパネル22とフェンダーパネル31との境界線(すなわち、金属-樹脂複合角βにおける金属鋼板2と樹脂部材3との境界線)の近傍において、フェンダーパネル31に対して、導電性プライマーを塗布する。このとき、図3Cにおいて矢印cで示されるように、フードパネル22(金属鋼板2)とフェンダーパネル31(樹脂部材3)との境界線が延びる方向(図3におけるX方向)に沿って、導電性プライマーを塗布する。
これにより、フェンダーパネル31の全面に、導電性プライマーが塗布され、プライマー層6(図1参照)が形成される。
このような自動車ボデー1の塗装方法では、自動車ボデー1が、金属-樹脂複合面αと、金属-樹脂複合角βとを有しており、それらを構成する樹脂部材3(フェンダーパネル31)が共通している場合において、先に、金属-樹脂複合面αの金属鋼板2(ドアパネル21)と樹脂部材3(フェンダーパネル31)との境界線の近傍に導電性プライマーを塗装し(図3B参照)、その後、金属-樹脂複合角βの金属鋼板2(フードパネル22)と樹脂部材3(フェンダーパネル31)との境界線の近傍に導電性プライマーを塗装する(図3C参照)。
そのため、金属-樹脂複合面αに導電性プライマーを塗布するときに、例えば、金属-樹脂複合角βの近傍の金属鋼板2(フードパネル22)に導電性プライマーが飛散および付着する場合、その角度により付着を抑制できるため、塗布順序が上記の逆である場合に比べ、導電性プライマーの付着量を低減することができる。
さらに、その後、金属-樹脂複合角βの近傍において、飛散した導電性プライマーの液滴の上から導電性プライマーを塗布するため、塗装ムラやブツなどの外観不良をより一層抑制することができる。
また、金属-樹脂複合角βにおける外観不良は、金属-樹脂複合面αにおける外観不良に比べ、目立ちにくいため、より優れた外観の自動車ボデー1を得ることができる。
1 自動車ボデー
2 金属鋼板
3 樹脂部材

Claims (1)

  1. 金属鋼板と、前記金属鋼板に隣接する樹脂部材とを備える自動車ボデーの塗装方法であって、
    前記自動車ボデーが、
    前記樹脂部材と前記金属鋼板とが略同一面状に配置された金属-樹脂複合面と、
    前記金属-樹脂複合面を構成する前記樹脂部材と、前記金属-樹脂複合面を構成する前記金属鋼板とは異なる金属鋼板とが所定角度を有するように配置された金属-樹脂複合角と
    を有しており、
    前記金属鋼板と隣接するように前記樹脂部材を配置する配置工程と、
    配置された前記樹脂部材にのみ導電性プライマーを塗布し、前記金属鋼板への前記導電性プライマーの不可避的な飛散を許容するプライマー塗布工程と、
    前記プライマー塗布工程後、前記自動車ボデーの前記金属鋼板および前記樹脂部材に、塗料を塗装する塗装工程と、
    前記塗料が塗装された前記自動車ボデーを焼き付ける焼付工程と
    を備え、
    前記プライマー塗布工程では、
    まず、前記金属-樹脂複合面の前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線の近傍において、前記樹脂部材に、前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線が延びる方向に沿って、前記導電性プライマーを塗布し、
    次いで、前記金属-樹脂複合角の前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線の近傍において、前記樹脂部材に、前記金属鋼板と前記樹脂部材との境界線が延びる方向に沿って、前記導電性プライマーを塗布する
    ことを特徴とする、自動車ボデーの塗装方法。
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JPS61245865A (ja) * 1985-04-25 1986-11-01 Nissan Motor Co Ltd 樹脂製フユ−エルフイラ−リツドの静電塗装方法

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