JP2790465B2 - 自動車の塗装方法及びその方法に使用されるメタリック塗料 - Google Patents

自動車の塗装方法及びその方法に使用されるメタリック塗料

Info

Publication number
JP2790465B2
JP2790465B2 JP63234866A JP23486688A JP2790465B2 JP 2790465 B2 JP2790465 B2 JP 2790465B2 JP 63234866 A JP63234866 A JP 63234866A JP 23486688 A JP23486688 A JP 23486688A JP 2790465 B2 JP2790465 B2 JP 2790465B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
paint
metallic
metallic paint
drying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63234866A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0284468A (ja
Inventor
正彦 堀
浩二 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd, Nissan Motor Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP63234866A priority Critical patent/JP2790465B2/ja
Publication of JPH0284468A publication Critical patent/JPH0284468A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2790465B2 publication Critical patent/JP2790465B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車外板の塗装方法に関し、特に多色塗
装の生産性を向上させたものである。
(従来の技術) 一般的な自動車、特に乗用車にあっては、外観品質の
向上、デザインニーズ等によりいわゆるツートーン塗装
などの多色塗装が近年多用されるようになった。そし
て、従来は、ユーザーの特別注文によりその全台数に占
めるツートーン車の割合は、それほど多くはなかった
が、前述したようなデザイン上の原因等によって、例え
ば他の外装部品であるプロテクションモール、バンパ等
とのカラーコンビネーションが乗用車の特徴を喚起する
上で重要な役割を果すようになってきたため、近年特
に、ツートーン車の生産台数が増加している情況にあ
る。
一般的な自動車の塗装は、第5図に示すように、車体
溶接工程1から塗装工程T内に搬入された塗装前のボデ
ーを、まず洗浄工程2によってボデー表面の油や塵埃等
を除去した後、化成処理を施し、洗浄乾燥工程3にて加
熱乾燥する。この化成被膜がボデー表面に形成されたボ
デーに、下塗り工程4である電着塗装を施し、水洗後、
高温にて加熱乾燥(下塗り乾燥工程5)し、これにより
ボデーの鋼板表面には防錆性能に富んだ電着塗装が形成
される。その後、ボデー床裏の防錆処理や、ボデーの部
品の接合部分のシーリング(シーリング工程6)を行な
い、この防錆材或るいはシーリング材を乾燥或るいは乾
燥しないで、ボデーを中塗り工程7に搬送する。当該中
塗り工程7では、ボデー外板及び内板に、耐候性及び付
着性が良好な中塗り塗料を塗布し、その後乾燥する(中
塗り乾燥工程8)。更に、上塗り塗膜と中塗り塗膜との
付着性を向上させ、また上塗り塗膜表面の平滑性を向上
させるために、このボデーの中塗り塗膜表面を純水を循
環剤に使用しながらサンディング(水研工程9)し、そ
の後乾燥させる(水研乾燥工程10)。更にこのボデー
を、上塗り工程11に搬送し、所定の色彩を有するソリッ
ド塗料やメタリック塗料を塗布し、乾燥させる(上塗り
乾燥工程12)。このようにして塗装工程Tにて塗装され
たボデーは、当該ボデーに自動車部品を組付ける艤装工
程14に搬出される。
(発明が解決しようとする課題) このような従来の塗装方法において、多色塗装、例え
ばツートーン塗装を行なう場合には、前記上塗り工程11
と上塗り乾燥工程12を終了したボデーの所定部位にマス
キング紙等を貼着してマスキングを行なった(マスキン
グ工程13)後、再び上塗り工程11に搬送し、マスキング
紙にて覆われていない部分に上塗り塗料を塗布し、その
後乾燥12して、更にこの乾燥後に前記マスキング紙を剥
がしていた。
ところが、このような従来の多色塗装方法によって
は、上塗り工程11及び上塗り乾燥工程12を通過する塗装
ボデーの台数が、その他の工程1〜10と比較して多色塗
装車の台数分だけ増加し、その生産能力を増強する必要
が生じる。このような問題は、多色塗装仕様車の全体の
生産台数に占める割合が増加すればするほど顕著化し、
高額の設備費用を伴う上、塗装工程Tとその前後の工
程、つまり車体溶接工程1及び艤装工程14との生産能力
のアンバランスが生じ、これによって、生産性が低下す
るという問題点もある。すなわち、通常各工程、例えば
車体溶接工程1と塗装工程T、塗装工程Tと艤装工程14
の間には、各工程間の生産性の違いを吸収し得る、いわ
ゆるバッファーと呼ばれるボデーのストックスペースが
あるが、各工程間に生産能力のアンバランスが生じる
と、このバッファーに保留する台数を増加させなけれ
ば、前工程の生産性が低下したときに後工程にも影響を
与えることになり、これによって全体の生産性が低下す
る事態が生じる。このようなバッファー台数の増加には
多大な設備費用とスペースとが必要となる。
このように従来の塗装方法にあっては、多色塗装車の
生産台数の割合が制限され、ユーザニーズに対応し得な
いという問題点があった。また、この様な多色塗装を行
ない得るように設備を増強すれば多大な設備費用がかか
るという問題点があった。
本発明は、上述した従来技術に伴う欠点、問題点に鑑
みてなされたもので、設備費用を投資することなく、多
色塗装車の生産能力を向上させることを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための第1の発明は、自動車車体
の外板表面に塗布された下塗り塗膜上に中塗り塗料を塗
布した後に第1メタリック塗料を塗布し、当該中塗り塗
料及び第1メタリック塗料を同時に乾燥させ、次いで第
2上塗り塗料を塗布した後に乾燥させて成る自動車の塗
装方法であり、また第2の発明は、第1の発明である自
動車車体の外板表面に塗布された下塗り塗膜上に中塗り
塗料を塗布した後に第1メタリック塗料を塗布し、当該
中塗り塗料及び第1メタリック塗料を同時に乾燥させ、
次いで第2上塗り塗料を塗布した後に乾燥させて成る自
動車の塗装方法に用いられる第1メタリック塗料であっ
て、当該塗装方法に用いられる中塗り塗料のポリエステ
ル−メラミン樹脂,アルキド−メラミン樹脂、ポリエス
テル−アルキド−メラミン樹脂ないしアクリル−メラミ
ン樹脂と同材質の主成分樹脂と、顔料と、アルミ片或る
いは雲母片から成る反射材と、セルロース誘導体と、硫
酸バリウム或るいは炭酸カルシウム或るいはケイ酸マグ
ネシウムから成る無機物とを含有する自動車用メタリッ
ク塗料であり、好ましくは、前記セルロース誘導体が、
前記主成分樹脂100に対して5〜30の重量割合であり、
前記無機物が、前記主成分樹脂100に対して5〜60の重
量割合である自動車用メタリック塗料である。
(作用) このように構成した第1の発明にあっては、第1メタ
リック塗料を中塗り塗料上にウェットオンウェットにて
塗装し、両者を同時に乾燥させて中塗り塗膜及び第1メ
タリック塗膜を形成した後、上塗り工程にて第2上塗り
塗料を形成するため、上塗り工程を2回通過させること
がなくなり多色塗装の生産性が向上する。
また、第2の発明にあっては、中塗り塗料と同材質の
主成分樹脂により、中塗り塗料とウェットオンウェット
塗装を行ない乾燥させた際に好適に架橋反応を行ない、
更にセルロース誘導体と無機物とによって反射材の流動
を防止することができ、よって中塗り塗料と第1メタリ
ック塗料とのウェットオンウェット塗装が可能となる。
(実施例) 以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
第1図は第1の発明の一実施例に係る自動車の塗装方
法を示す工程図、第2図は、同実施例の多色塗装を施し
た自動車を示す斜視図、第3図(A)〜(E)は第2図
に示すIII−III線に沿う断面図であって塗装状態の変化
を説明する断面図、第4図は同実施例の中塗り工程の塗
装設備及び作業工程を示す概念図であり、第5図に示す
従来の塗装方法と共通する部分には同一の符号を付して
ある。
第1図に示す本発明の一実施例に係る塗装方法にあっ
ては、第5図に示す従来の塗装方法の中塗り工程7に特
徴がある。
まず、第1図に示すシーリング工程6の前工程から説
明すると、車体溶接工程1から搬送された塗装前のボデ
ーは、第5図に示すように、洗浄工程2で、まずプレス
工程時に塗布された防錆油や、車体溶接工程1時にボデ
ーに付着した塵埃等が除去される。この洗浄工程2は、
40〜50℃の湯洗、脱脂、化成処理等の工程から構成され
ており、前記除塵と、後述する電着塗料と鋼板との密着
性を向上させる化成被膜の生成がその主な目的である。
この洗浄、化成処理工程を終えたボデーはその後乾燥さ
れ(洗浄乾燥工程3)、下塗り工程4に搬送される。下
塗り工程は、乗用車にあっては、通常電着塗装が施され
るのが一般的であるが、静電塗装を行なうことも可能で
ある。この電着塗装にあっては、ボデーが電着塗料が収
容された電着槽に全没される、いわゆるフルディップ塗
装により行なわれ、ボデー側をマイナスに電圧を付加し
て塗装を行なうカチオン型電着が、防錆性能上好まし
い。ボデー側をプラスに電圧を負荷して電着塗装を行な
うアニオン型電着もあるが、前述したように防錆性性能
の面では、前記カチオン型電着に比べ約1/3の防錆性能
しか呈さない。しかし、比較的防錆環境が温和な地域に
て使用する自動車に対しては、使用電力及び塗料費用、
乾燥工程5の燃料費用等に鑑み、アニオン型電着を使用
することも可能である。次に、この電着塗装が行なわれ
たボデーを、約200℃の高温で加熱乾燥させる(下塗り
乾燥工程5)。
電着塗装を終了したボデーは、その床裏に飛び石によ
る発錆を防止するために、塩化ビニル樹脂等の耐チッピ
ング材料が塗布される。この床裏防錆材塗布工程(不図
示)は、産業用ロボット等により自動化することが容易
な工程である。以上、洗浄工程1から床裏防錆材塗布工
程までが、ボデーをハンガと呼ばれる積載装置に積載し
て、オーバーヘッドコンベアによって搬送する工程であ
る。このオーバーヘッドコンベアに積載したボデーをテ
ーブルリフタ或るいはドロップリフタと呼ばれる昇降装
置により塗装工場のフロアに下し、塗装台車に積載し直
した後に、フロアコンベアによって、以下説明する工程
6〜13を搬送する。第1図に示すシーリング工程6で
は、ボデーを構成する複数の鋼板部品の結合部にシール
材を塗布し、車両外部からの水の侵入を防止すると共
に、前記電着塗装が形成され難い鋼板22の端面部分をシ
ール材にてカバーすることにより端面からの発錆を防止
するようになっている。このシール材の材質は、前記耐
チッピング材料と同様に熱硬化性の塩化ビニル樹脂が好
適であり、シーリング材の乾燥工程を設けて乾燥硬化さ
せるか、或るいは後述する中塗り乾燥工程8にて中塗り
塗料と共に乾燥硬化させることも可能である。
このシーリング工程6を終了したボデーは、中塗りブ
ースに搬入され、まずボデー外板及び内板に中塗り塗料
24が塗布される(中塗り塗料塗布工程20)。この中塗り
塗料塗布工程20には、ルーフ等のトップ塗布工程と、フ
ェンダ、ドア等の上部のミドル塗布工程と、フェンダ、
ドア等の下部とサイドシルのロア塗布工程とがある。
この中塗り塗料24は、ポリエステル−メラミン樹脂を
主成分に構成した熱硬化性塗料であって、塗膜耐候性及
び上塗り塗膜との付着性に優れた性質を有している。特
にロア塗布工程で用いる中塗り塗料は第1メタリック塗
料の隠蔽性を向上するため、メタリック塗料と近似色の
顔料を有している。また、無機顔料或るいは有機顔料を
使用して外板色と同様の色彩を呈するようにして(以
下、この塗料を内板色と言う)、前記車体の内板、例え
ばエンジンルーム内やトランクルーム内に塗布し、この
部分の上塗り塗料の塗布を省略することも可能である。
この中塗り塗料24の塗布を終了したボデーの外板上
に、前記中塗り塗料24が未乾燥の状態(以下、ウェット
オンウェットと言う)で更に第1メタリック塗料25を塗
布する。ここで、中塗り塗料24と第1メタリック塗料25
との塗布の間隔は、当該中塗り塗料24の表面からある程
度の溶剤が揮発して若干中塗り塗膜24表面の塗着粘度が
上昇した状態が好適であるが、間隔をおかないで両塗料
24,25を塗布することも可能である。
本実施例にて使用する第1メタッリック塗料25は、第
2の発明に係る自動車用メタリック塗料であって、その
一例として、前記中塗り塗料24と同材質のポリエステル
−メラミン樹脂と、メタリック塗料の反射材であるアル
ミニウム片或るいは雲母片と、無機或るいは有機材料か
ら成る顔料と、第1メタリック塗料25を塗布した状態で
乾燥硬化するまでの間に生じる前記反射材の流動或るい
は反転等を防止し、かつ耐チッピング性を向上させるた
めのセルロース誘導体と、硫酸バリウム或るいは炭酸カ
ルシウム若しくはケイ酸マグネシウムから成る無機物と
から構成されている。そして、前記中塗り塗料24とウェ
ットオンウェットにて当該第1メタリック塗料25を塗布
した際に、その境界面が互いに混合しないように両者の
表面張力を調節する表面調整剤を添加することが好まし
い。また、第1メタリック塗膜25の光沢を調節する場合
は、酸化ケイ素を主成分とするツヤ消し剤を添加しても
良い。
本実施例においては、ポリエステル−メラミン樹脂を
第1メタリック塗料25の組成要素としたが、本発明はこ
れに限定されることなく前記中塗り塗料24の主成分樹脂
と同材質であれば良く、例えば中塗り塗料24をアルキド
−メラミン樹脂、ポリエステル−アルキド−メラミン樹
脂、アクリル−メラミン樹脂によりそれぞれ構成した場
合には、当該第1メタリック塗料25は前記中塗り塗料24
の材質に対応した、アルキド−メラミン樹脂、ポリエス
テル−アルキド−メラミン樹脂、アクリル−メラミン樹
脂によりそれぞれ構成すれば良い。これは、中塗り塗料
24及び第1メタリック塗料25の両者が、共に熱硬化性塗
料であり、しかもウェットオンウェットにて塗布するこ
とから、乾燥工程8において異材質による相溶性不良に
よる光沢低下等の不都合を防止することに基づく。
また、反射材は、塗装仕様によってアルミニウム片或
るいは雲母片を選択すれば良く、両者を所定の混合比で
混合して混入することも可能である。
前記セルロース誘導体は、例えばセルロースアルキル
エーテル又は、セルロースヒドロキシエーテル或いは、
セルロースヒドロキシエチルエーテルアルキルエーテ
ル、又はセルロースアセテートブチレートないしはこれ
らの混合物により構成することができる。またその組成
比としては、前記アルキド−メラミン樹脂等の主成分樹
脂100に対して、5〜30の重量割合が好適である。更
に、前記無機物は、前述したように、硫酸バリウム又
は、炭酸カルシウム或るいはケイ酸マグネシウムにより
構成することができ、その組成比としては、前記主成分
樹脂100に対して5〜60の重量割合が好適である。この
セルロース誘導体及び無機物により、第1メタリック塗
料25をウェットオンウェットにて中塗り塗料24上に塗布
した際の、前記反射材の流動を防止することができる。
また、中塗り塗料24と第1メタリック塗料25との表面
張力を調節する表面調整剤としては、例えばポリアクリ
ル酸系樹脂、又はシリコン系助剤、或るいはシリコン変
性ポリアクリル酸系樹脂を使用することが可能であり、
その添加量は、第1メタリック塗料全体に対して0.005
〜0.2wt%が好ましい。更に、前記ツヤ消し剤である酸
化ケイ素の添加量は、第1メタリック塗料全体に対して
0〜8wt%が好ましい。
第1表には、この第2の発明の実施例に係る自動車用
メタリック塗料を使用して形成した上塗り塗膜の塗膜外
観及び塗膜性能に関する試験結果を示す。サンプルであ
る上塗り塗膜は、前述した塗装工程Tにより形成された
もので、0.7〜0.9mmの鋼板22上に膜厚10〜25μmの電着
塗膜23と、15〜30μmの中塗り塗膜24と、当該中塗り塗
料24とウェットオンウェットにて塗布した膜厚20〜30μ
mの第1メタリック塗膜25とにより構成されている。ま
た、表中、「アルミむら」とは、反射材であるアルミニ
ウム片の並んだ状態が一定しない不具合を指し、標準板
と比較して目視評価する。また、「光沢」は、60゜グロ
ス測定器により測定した値を示し、「耐候性」は、サン
シャインウェザオメータ内に500時間保持したサンプル
の表面の光沢と原板の光沢との比率を示している。
本表によれば、サンプルNo.1およびNo.6に示すよう
に、セルロース誘導体と硫酸バリウムなどの無機物との
何れかが欠落した場合には、塗膜表面のメタルむらが不
合格となる。また、これらセルロース誘導体と無機物と
のポリエステル−メラミン樹脂固形分に対する割合が増
加すると、サンプルNo.5に示すように耐候性が低下する
結果となる。これは、セルロース誘導体と無機物との割
合が増加すると、必然的に主成分樹脂の割合が減少する
ことに基づく。
以上説明したような第2の発明の実施例に係る自動車
用メタリック塗料25を用いて、前記中塗り塗料24上に塗
布する工程の一例としては、第4図に示すような工程が
可能である。すなわち、第4図は、中塗りブース30にお
ける作業工程を示す概念図であって、フロアコンベア31
により搬送されるボデーBが、ブース30の中央部を通過
するようになっている。尚、図上ボデーBは右方向に搬
送される。そして、このブース30には、入口側から、除
塵工程32、中塗り塗料自動塗布工程33、第1メタリック
塗料自動塗布工程35がそれぞれ設けられている。前記除
塵工程32では、シーリング工程6から搬送されたボデー
表面に付着した塵埃等を除去し、この清浄になったボデ
ーBは、中塗り塗料自動塗布工程33にてボデー外板に中
塗り塗料24が塗布される。この自動塗布装置としては、
従来公知の回転霧化塗装機等を備えたレシプロケータ等
の自動塗装機が使用される。この塗布工程33には、ボデ
ーのルーフ等を塗布するトップ塗布工程33a、フェンダ
やドアの上部を塗布するミドル塗布工程33b、フェン
ダ、ドアの下部やサイドシルを塗布するロア塗布工程33
cがある。中塗り塗料24はすべて同材質であるが、特に
ロア塗布工程の中塗り塗料24は、次に塗布される第1メ
タリック塗料との近似色が採用され、メタリック塗料の
隠蔽性を向上させる。このようにして中塗り塗料24を塗
布し終えたボデーBのロア部位に、前述した第1メタリ
ック塗料25を自動塗装機にて塗布する(第1メタリック
塗料自動塗布工程)。つまり、第2図に示すようなツー
トーン塗装仕様であれば、図上斜線にて示す部位より僅
かにオーバスプレーした部位を塗布する。尚、第2図に
示すようなツートーン塗装において、前記第1メタリッ
ク塗料25を斜線にて示す部位以外の部位に塗布すること
も可能であるが、後述するマスキング工程13のマスキン
グ面積に鑑みれば、斜線部位を塗布する方が生産性上有
利である。従って、本発明の第1メタリック塗料25にあ
っては、車体のどの部位に塗布するかは特に問題ではな
く、この塗布部位は、塗装仕様及び生産性や作業性等に
より適宜選択し得るものである。
上記中塗り工程7を終えたボデーは、更に中塗り乾燥
工程8に搬送され、120〜160℃の温度で20〜40分間乾燥
される。この乾燥により、中塗り塗料24及び内板色塗料
並びに第1メタリック塗料25が架橋反応によって熱硬化
し、それぞれ中塗り塗膜、内板色塗膜、第1メタリック
塗膜25を形成する。
このように中塗り塗膜24及び第1メタリック塗膜25が
車体の外板に形成されたボデーの当該外板を、純水等を
使用しつつサンドペーパ等により研磨する(水研工程
9)。この水研は、中塗り塗膜24と上塗り塗膜27との付
着表面積を増加させることにより、当該両者24,27の付
着性を向上させる目的と、中塗り塗膜24表面の平滑性を
向上させることにより上塗り塗膜27表面の平滑性を向上
させる目的とによって行なわれる。車体外板表面の水研
が終了したボデーは、乾燥装置に搬入され、水切りが行
なわれる(水研乾燥工程10)。
このボデーを上塗り工程11に搬送する前に、前記中塗
り工程7にて塗布した第1メタリック塗膜25のマスキン
グを行なう(マスキング工程13)。このマスキングは、
粘着テープ及び耐熱紙等を使用して手作業により行なわ
れ、例えば第2図に示すような塗装使用であれば、図上
斜線にて示す部位にマスキング紙が貼着される。従っ
て、このマスキング工程13の作業工数等に鑑みて、例え
ばツートーン塗装にあっては、最初に塗布する上塗り色
をどちらに選択するかを決定する。このマスキングが終
了すると前記ボデーは、上塗りブースに搬入され、第2
上塗り塗料27が塗布される。この第2上塗り塗料27は、
メタリック塗料であってもソリッド塗料であっても良
く、従来公知の自動塗装機によって塗布され得る。
前記第2上塗り塗料27は、上塗り乾燥工程12にて、前
記中塗り乾燥工程8と同条件、つまり120〜140℃の温度
で20〜40分間乾燥され、これによって当該上塗り塗料27
は架橋反応によって熱硬化し、第2上塗り塗膜27を形成
する。
上塗り乾燥工程12を終えたボデーは、図示しないマス
キング剥がし工程で、前記第1メタリック塗膜25を被覆
したマスキング紙が剥がされ、ツートーン塗装が完成す
る。
このように構成した本実施例の作用を、第3図を参照
しつつ説明する。
このように構成した本実施例により、第2図に示すよ
うなツートーン塗装を行う場合には、第1メタリック塗
料25を中塗り塗料24上(第3図(A))にウェットオン
ウェットにて塗装し、両者24,25を同時に乾燥させて中
塗り塗膜24及び第1メタリック塗膜25を形成した後(第
3図(B))、当該第1メタリック塗膜25の所定の部位
をマスキング紙26によりマスキングする(第3図
(C))。次いで、上塗り工程にて第2上塗り塗料27を
塗布し乾燥させた後に(第3図(D))、前記マスキン
グ紙26を剥がす(第3図(E))。このように、第1メ
タリック塗装25は中塗り工程7にて形成し、かつ上塗り
工程11にて第2上塗り塗料27を形成するため、上塗り工
程11を2回通過させることがなくなり多色塗装の生産性
が向上する。
また、中塗り塗料24と同材質の主成分樹脂により、第
1メタリック塗料を構成したため、中塗り塗料24とウェ
ットオンウェット塗装を行ない乾燥させた際に好適に架
橋反応を行ない、更にセルロース誘導体と無機物とを塗
料構成成分としていることから、反射材の流動を防止す
ることができ、よって中塗り塗料24と第1メタリック塗
料25とのウェットオンウェット塗装が可能となる。
(発明の構成) 以上述べたように、第1の発明によれば、下塗り塗膜
上に中塗り塗料と第1メタリック塗料とをウェットオン
ウェットにて塗布するようにしたため、多色塗装工程の
工程削減を実現することができ、よって多色塗装の生産
性が向上するという効果を奏する。
また、第2の発明によれば、自動車用メタリック塗料
を自動車車体の外板に塗布される中塗り塗料を構成する
主成分樹脂と、顔料と、アルミ片或るいは雲母片から成
る反射材と、セルロース誘導体と、硫酸バリウム或るい
は炭酸カルシウム或るいはケイ酸マグネシウムから成る
無機物とから構成したため、中塗り塗料とのウェットオ
ンウェット塗装が可能となり、よって多色塗装の生産性
が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1表は第2の発明に係るメタリック塗料の試験結果を
示し、第1図は本発明の一実施例に係る自動車の塗装方
法を示す工程図、第2図は、同実施例の多色塗装を施し
た自動車を示す斜視図、第3図(A)〜(E)は第2図
に示すIII−III線に沿う断面図であって塗装状態の変化
を説明する断面図、第4図は同実施例の中塗り工程の塗
装設備及び作業工程を示す概念図、第5図は、従来の塗
装方法を示す工程図である。 22……鋼板、23……電着塗膜(下塗り塗膜)、 24……中塗り塗膜(中塗り塗料)、 25……第1メタリック塗膜(第1メタリック塗料)、26
……マスキング紙、 27……第2上塗り塗膜(第2上塗り塗料)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−253671(JP,A) 特公 昭49−38005(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 5/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動車車体の外板表面に塗布された下塗り
    塗膜上に中塗り塗料を塗布した後に第1メタリック塗料
    を塗布し、当該中塗り塗料及び第1メタリック塗料を同
    時に乾燥させ、次いで第2上塗り塗料を塗布した後に乾
    燥させて成る自動車の塗装方法。
  2. 【請求項2】自動車車体の外板表面に塗布された下塗り
    塗膜上に中塗り塗料を塗布した後に第1メタリック塗料
    を塗布し、当該中塗り塗料及び第1メタリック塗料を同
    時に乾燥させ、次いで第2上塗り塗料を塗布した後に乾
    燥させて成る自動車の塗装方法に使用される第1メタリ
    ック塗料であって、 前記塗装方法に使用される中塗り塗料のポリエステル−
    メラミン樹脂、アルキド−メラミン樹脂、ポリエステル
    −アルキド−メラミン樹脂ないしアクリル−メラミン樹
    脂と同材質の主成分樹脂と、 顔料と、 アルミ片或るいは雲母片から成る反射材と、 セルロース誘導体と、 硫酸バリウム或るいは炭酸カルシウム或るいはケイ酸マ
    グネシウムから成る無機物と、 を含有する自動車用メタリック塗料。
  3. 【請求項3】前記セルロース誘導体が、前記主成分樹脂
    100に対して5〜30の重量割合であり、前記無機物が、
    前記主成分樹脂100に対して5〜60の重量割合である請
    求項2に記載の自動車用メタリック塗料。
JP63234866A 1988-09-21 1988-09-21 自動車の塗装方法及びその方法に使用されるメタリック塗料 Expired - Fee Related JP2790465B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63234866A JP2790465B2 (ja) 1988-09-21 1988-09-21 自動車の塗装方法及びその方法に使用されるメタリック塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63234866A JP2790465B2 (ja) 1988-09-21 1988-09-21 自動車の塗装方法及びその方法に使用されるメタリック塗料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0284468A JPH0284468A (ja) 1990-03-26
JP2790465B2 true JP2790465B2 (ja) 1998-08-27

Family

ID=16977568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63234866A Expired - Fee Related JP2790465B2 (ja) 1988-09-21 1988-09-21 自動車の塗装方法及びその方法に使用されるメタリック塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2790465B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6955313B2 (ja) * 2017-10-30 2021-10-27 関西ペイント株式会社 多色仕上げ塗装方法及び塗装物の製造方法
JP7169727B1 (ja) * 2021-05-26 2022-11-11 トヨタ自動車株式会社 情報処理装置および車両製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS509931B2 (ja) * 1972-08-21 1975-04-17
JP2585991B2 (ja) * 1986-04-28 1997-02-26 大日本インキ化学工業株式会社 塗装仕上げ方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0284468A (ja) 1990-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5100732A (en) Coil coating aluminum for use as automotive veneer
JP2790465B2 (ja) 自動車の塗装方法及びその方法に使用されるメタリック塗料
JPS6174682A (ja) 自動車車体の塗装方法
JPH0931411A (ja) 塗料及び塗装方法
JPH02149377A (ja) 自動車の多色塗装方法
JP2828648B2 (ja) パール塗装の補修用塗料とその補修方法
JP2595765B2 (ja) 上塗り塗膜
JP2595764B2 (ja) 上塗り塗膜
JPH01151978A (ja) 自動車の塗装方法
JP2004337762A (ja) 自動車ボディの製造方法及び導電性シーリング材
JPS59160572A (ja) 自動車車体の局部耐チツプ塗膜
JP2003071379A (ja) 自動車用上塗り塗料の塗装方法
JPS62124161A (ja) 艶消し塗装ラッカー補修方法及び艶消し塗装用ラッカー補修塗料
JP2587853B2 (ja) 塗膜形成法
JP2024007917A (ja) 塗装方法
JPS61197079A (ja) 耐チツピング性塗膜及びその形成方法
JP2780482B2 (ja) 透明感を有する上塗り塗装
JPH02191560A (ja) 耐チッピング塗料塗装方法
JP2841832B2 (ja) 模様付き上塗り塗装方法
JP2003230864A (ja) 塗装方法
JPH0367753B2 (ja)
JPH11239759A (ja) 2ト−ン仕上げ法
JPS6216710B2 (ja)
JPS61161183A (ja) 自動車車体の塗装方法
JPH03249199A (ja) 自動車車体の塗装方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080612

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees