JP2004337447A - マッサージノズル及びマッサージシステム - Google Patents

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Nobuhiro Shono
信浩 庄野
Koichi Toyoda
弘一 豊田
Takahiro Ohashi
隆弘 大橋
Riyouko Ishimaru
亮子 石丸
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Abstract

【課題】限られた水量でも旋回流を効率的に発達させ、強い吸引力が得られるマッサージノズル及びこのマッサージノズルを用いたマッサージシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】室内に旋回流を形成するように設けられた入水部と、前記旋回流を吐水し負圧部が形成されるように設けられた吐水口と、を有する旋回室と、を備え、前記入水部は、前記旋回室に対する入水方向に対向する方向から見たときに、前記旋回流の旋回軸に対して垂直な方向の幅よりも前記旋回軸に対して平行な方向の幅の方が大なることを特徴とするマッサージノズル及びこれを用いたマッサージシステムを提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッサージノズル及びマッサージシステムに関し、特に、水の圧力を利用してノズル内で旋回水流を形成し、その中心部に形成される負圧部を利用して身体に吸引圧を作用させることができるマッサージノズル及びこのマッサージノズルを用いたマッサージシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
美容や健康増進を目的として身体の皮膚表面をマッサージし、血液の循環を活性化するマッサージ器は、広く用いられている。このような従来のマッサージ器としては、例えば電動式の肩たたき器や腰もみ器、減圧状態にした吸入孔を身体表面に吸着させて使う器具など等が知られている。
【0003】
しかしながら、このような従来のマッサージ器は単に揉むだけ、または吸引するだけのもので、十分に高い生体効果まで得られるものではなく、使い勝手と、優れたマッサージ効果とを兼ね備えて実現したものはこれまでになかった。
【0004】
水を用いたマッサージ装置としては、ノズル内部の周壁に沿って加圧液体を接線方向に流入させ、且つ外気を導入して気泡を生じさせるとともに、吐水口近傍で吸引することができる「吸引マッサージ気泡噴流装置」が考案されている(例えば、特許文献1参照)。この考案では、吐水口近傍に複数個の突起を設けており、ノズルの身体への押し圧の変化によって吐水流の強弱を変化させ、吸引力を変化させることができる。
【0005】
また、一端を閉じ、他端を開放状とした円筒体内にその内周接線方向に加圧液体を導入する開口と、上記閉塞端に円筒体の中心位置で外気を導入する開口とを設け、さらに、円筒体の外側に案内筒を設けて吐水口近傍で吸引することができる「マッサージ器」が考案されている(例えば、特許文献2参照)。この発明では、案内筒を身体に密着させて用いることで吸引部と押圧部を形成し、吸引部で皮膚を吸引し、押圧部で微小な気泡を身体にあてることができる。
【0006】
【特許文献1】
実開昭63−74123号公報
【特許文献2】
実開平4−55337号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、人体に吸引力を作用させて、高い生体効果を得るためには、強い吸引力が必要である。本発明者の検討によれば、老廃物と脂肪の塊である「セルライト」を改質させたり、脚部あるいは臀部などの「むくみ」を解消したり、局所脂肪を燃焼させたり、体型を引き締めるなど、高い生体効果を得るためには、人体の表面層に強い吸引力を作用させ、所定の変位を与えることが重要であることが分かっている。
【0008】
強い吸引力を得るためには、旋回流を十分に発達させる必要がある。しかし、一方で、家庭内などでの使用を想定すると、ランニングコストや設置スペースなどの点で給水ポンプの能力には限度がある。従って、効率よく旋回流を形成させる技術が必要である。
【0009】
本発明はかかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、限られた水量でも旋回流を効率的に発達させ、強い吸引力が得られるマッサージノズル及びこのマッサージノズルを用いたマッサージシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のマッサージノズルは、室内に旋回流を形成するように設けられた入水部と、前記旋回流を吐水し負圧部が形成されるように設けられた吐水口と、を有する旋回室を備え、前記入水部は、前記旋回室への入水方向に対向する方向から見たときに、前記旋回流の旋回軸に対して垂直な方向の幅よりも前記旋回軸に対して平行な方向の幅の方が大なることを特徴とする。
【0011】
入水部を旋回軸の方向沿って縦長に形成することにより、旋回室に流入する水流を旋回室の内周壁に接近させることができるので、旋回モーメントが増加し、旋回流を十分に発達させることができる。従って、同一の投入パワーまたは同一の流量においても、より強い旋回流が得られ、吸引力が増大する。そして、効率良く吸引力を発生させることができるので、給水ポンプを小型化でき、初期コスト、ランニングコストを低下させ、省スペースも実現できる。
【0012】
または、本発明のマッサージノズルは、室内に旋回流を形成するように設けられた入水部と、前記旋回流を吐水し負圧部が形成されるように設けられた吐水口と、を有する旋回室を備え、前記旋回室への入水方向に対して垂直且つ前記旋回流の旋回軸に対して垂直な方向に沿った前記入水部の幅よりも、前記旋回室に対する入水方向に対して垂直且つ前記旋回流の旋回軸に対して平行な方向に沿った前記入水部の幅の方が大なることを特徴とする。
【0013】
上記構成によっても、同様に入水部を旋回軸の方向沿って縦長に形成することにより、旋回室に流入する水流を旋回室の内周壁に接近させることができるので、旋回モーメントが増加し、旋回流を十分に発達させることができる。従って、同一の投入パワーまたは同一の流量においても、より強い旋回流が得られ、吸引力が増大する。そして、効率良く吸引力を発生させることができるので、給水ポンプを小型化でき、初期コスト、ランニングコストを低下させ、省スペースも実現できる。
【0014】
ここで、前記旋回室は、略円筒状の周壁を有し、前記入水部から前記略円筒状の前記周壁の接線方向に水が入水されるものとすれば、旋回室の周壁に沿った旋回流を効率よく形成することができ、同一の投入パワーまたは同一の流量においても、より強い旋回流が得られ、吸引力が増大する。
【0015】
また、前記旋回軸に対して平行な方向から見たとき、前記入水部から前記旋回室に流入する入水流は、前記吐水口よりも外側に流入するものとすれば、入水部から旋回室に導入される入水流が、理想的な旋回流の水膜の厚みを超えることがなく、入水力を旋回力に効率よく変換できる。
【0016】
また、前記旋回室は、前記入水部から前記吐水口に至る部分が前記吐水口の開口径と略同一の内径を有するものとすることができる。
入水部から吐水口までの内径を略同一とすることにより、入水部から導入され旋回流を形成する液体の圧力損失を低減し、小さい送水能力の送水手段を用いた場合でも大きな流量が得られ、強い吸引力が得られる。また、マッサージノズルのサイズをコンパクトにでき、さらに、製造性も大幅に向上する。
【0017】
また、前記入水部は、前記旋回室において前記吐水口と対向する底面に近接して設けられたものとすれば、旋回室に導入された水が吐水口に到達する前に、旋回流を十分に発達させることができる。
【0018】
また、前記旋回室に、複数の前記入水部が接続されたものとすれば、旋回室の周壁に近接して水を導入しつつ、旋回室に導入する水の流量を確保することができる。
【0019】
また、前記入水部は、その開口面積が可変とされたものとすることができ、例えば、開口面積を拡大し、旋回室の周壁接線方向でなく中心付近に水を導入するすることによって、旋回流の形成を抑制することも可能となる。
【0020】
一方、本発明のマッサージシステムは、送水手段と、上記いずれかのマッサージノズルと、を備え、前記送水手段から前記マッサージノズルの前記入水部に水を供給し、使用者が前記マッサージノズルの前記吐水口に形成される前記負圧部を利用したマッサージを実施可能としたことを特徴とする。
上記構成によれば、効率良く吸引力を発生させることができるので、給水ポンプを小型化でき、初期コスト、ランニングコストを低下させ、省スペースも実現できるマッサージシステムを提供できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4は、本発明の実施の形態にかかるマッサージノズル1を表す模式図である。すなわち、図1は、マッサージノズル1の正面図であり、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、図2のB−B線断面図である。
また、図4(a)は、図3を異なる方向に表したものであり、同図(b)は、同図(a)のC−C線断面図である。
本実施形態のマッサージノズル1は、断面が円型である旋回室8と旋回室8の周壁の接線方向に水を導入する入水部6とを有する旋回部2と、入水部6へ連通するよう開口された導入路5を内部に有する接続部4と、吐水口7を有し旋回室8から吐水口7へと断面積が滑らかに変化するよう設けられた絞り部9を有する吐水部3と、を有する。入水部6から導入された水は、旋回室8の周壁に沿って軸Zを旋回軸とする旋回流CFを形成する。
旋回流CFを効率的に形成するためには、入水部6は旋回室の周壁8Wの接線方向に開口していることが望ましい。ただし、入水部6が、周壁8Wに対して正確に接線方向に開口しておらず、その開口方向あるいは開口位置に接線方向からの「ずれ」があるような場合でも、旋回流が形成されればよい。
【0022】
ここで、「入水部6」とは、旋回室8へ導入される水流の導入方向を実質的に決定する入水路6Aと、その入水路6Aの旋回室8における開口端である入水口6Bと、を含む。例えば、図1乃至図4に例示したマッサージノズル1の場合には、旋回室8へ導入される水流の導入方向は、矢印Sの方向である。従って、入水路6Aは、矢印Sの方向に設けられた水路に対応する。また、入水口6Bは、この水路と旋回室8との境界に対応する。
【0023】
そして、本発明においては、図4に表したように、旋回室8への入水方向(矢印S)に対向する方向(矢印Cの方向)から見たときに、入水部6は、旋回流CFの旋回軸Zに対して垂直な方向の幅W2よりも旋回軸Zに対して平行な方向の幅W1の方が大なる形態に形成されている。後に詳述するように、このような扁平開口状の入水部6を設けることにより、旋回流を効率良く形成できる。
ここで、入水部6の全体に亘って、上述の幅W1とW2との関係が維持される必要はなく、その一部のみにおいて、上述の幅W1とW2との関係が成立すればよい。例えば、旋回流への影響度を鑑みると、入水口6Bあるいはその近傍において上述の幅W1とW2との関係が成立することが望ましく、圧力損失を低減するために、入水路6Aは導入路5から入水口6Bへと滑らかに連通していることが望ましい。
【0024】
または、本発明においては、旋回室8への入水方向(矢印S)に対して垂直且つ旋回流CFの旋回軸Zに対して垂直な方向に沿った入水部6の幅W2よりも、旋回室8に対する入水方向に対して垂直且つ旋回流の旋回軸Zに対して平行な方向に沿った入水部6の幅W1の方が大なる。後に詳述するように、このような扁平開口状の入水部6を設けることにより、旋回流を効率良く形成できる。
この場合も、入水部6の全体に亘って、上述の幅W1とW2との関係が維持される必要はなく、その一部のみにおいて、幅W1とW2との関係が成立すればよい。例えば、旋回流への影響度を鑑みると、入水口6Bあるいはその近傍において上述の幅W1とW2との関係が成立することが望ましく、圧力損失を低減するために、入水路6Aは導入路5から入水口6Bへと滑らかに連通していることが望ましい。
【0025】
接続部4は、例えば一般のシャワーヘッドと交換可能なようにネジ等を設けておけば、シャワーホースに連結することができ、水道直結型として使用することができる。また、例えばブロー浴器の吐水口に接続可能にネジ等を設けておけば、浴槽水循環型として使用することができる。
【0026】
以下、図2及び図3を参照しつつ、マッサージノズル1の動作について説明する。
図示しない送水手段から送られた水は、接続部4内の導入路5を通り、旋回部2内の入水部6から旋回室8へと導入される。この際に、入水部6は旋回室8の接線方向に開口されているので、旋回室8内に導入された水は、旋回流CFを形成する。この旋回流CFは、絞り部9内で徐々に流速を速めながら吐水口7に達し、吐水口7から円錐状の旋回吐水(図中A)となって吐水される。この時、旋回流CFがもつ遠心力によって、旋回室8の中心部に負圧部が生じるため、吐水口7の中心軸に沿ってマッサージノズル1の外から旋回室8の中へ引き込もうとする力B(以下、「吸引力」と呼ぶ。)が生じる。
【0027】
一方、旋回吐水Aは、吐水口7の先端と人体の被処理部位10との間には連続的な水膜を形成する。従って、吐水口7の近傍に被処理部位10を近づけると、旋回吐水Aによってドーナツ状に押され、かつその中心部は吸引力Bによって引っ張られる。つまり人体10は押圧力と吸引力とを同時に受けるという快適なマッサージ感を得ることができる。
【0028】
これにより、被処理部位10は立体的にマッサージを受けることが可能であり、血行促進を促す等の効果がある。人体の被処理部位10の形状等を考慮すると、吐水口7の径は、φ5mm〜φ80mmの範囲内にあることが望ましい。これ以上大きいと人体の起伏にそって操作しにくくまた装置が大きくなるため操作性に乏しい。逆に、この範囲よりも小さいと、人体に対してマッサージ効果及びマッサージ感が乏しくなる。また、旋回吐水Aおよび吸引力Bは吐水口7からの距離によって変化するので、吐水口7から人体10までの距離を変化させることで作用力を変化でき、使用者に与えるマッサージ感を変化させることもできる。
【0029】
そして、本発明においては、図4に表したように、旋回室8に対する入水方向(矢印S)に対向する方向から見たときに、旋回流CFの旋回軸Zに対して垂直な方向の幅W2よりも旋回軸Zに対して平行な方向の幅W1の方が大なる形態に形成されている。換言すると、旋回室8への入水方向(矢印S)に対して垂直且つ旋回流CFの旋回軸Zに対して垂直な方向に沿った入水部6の幅W2よりも、旋回室8に対する入水方向に対して垂直且つ旋回流の旋回軸Zに対して平行な方向に沿った入水部6の幅W1の方が大となるように形成されている。このように入水部6を形成することにより、旋回室8において旋回流を効率的に発達させることができる。その結果として、少ない流量で大きな吸引力が得られる。
【0030】
図5は、入水部6の開口形状を比較して表した模式図である。すなわち、同図は、図4(b)と同様に、入水部6の入水方向に対向する方向から眺めた模式図である。図5(a)は、本発明の入水部を表す。また、同図(b)は、幅W1とW2とがほぼ同一の場合を表し、同図(c)は、幅W2のほうがW1よりも大きい扁平形状の入水部を表す。
【0031】
本発明者は、これらのうち、図5(a)および(c)に表した入水部6を有するマッサージノズルをそれぞれ試作し、吸引力を比較した。
図6は、本発明者が実施した測定の方法を表す模式図である。すなわち、本発明及び比較例のマッサージノズルの吐水口の正面に受圧板300を配置し、この受圧板300に負荷される吸引力を測定した。測定したマッサージノズルの構造パラメータは以下の通りである。なお、受圧板300は、ノズルの吐水口と同一のサイズ及び形状(円形)を有する。
Figure 2004337447
まず、これらのマッサージノズルに同一の送水能力を有する送水ポンプを接続し、吐水流量を測定した。その結果は以下の如くであった。
Figure 2004337447
図7は、これらノズルについて吐水口からの距離と吸引力との関係を表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は吐水口7から受圧板300までの距離を表し、縦軸は受圧板300に作用した吸引力を表す。
図7から、同一口径について比較すると、本発明のノズルのほうが比較例よりも強い吸引力が得られることが分かる。例えば、吐水口径が30mmφの場合について比較すると、本発明のノズルにおいては吸引力のピークが約164gfに達するのに対して、比較例のノズルの吸引力のピークは約95gfに過ぎない。口径15mmφの場合についても、同様に本発明のノズルの吸引力のピークは約106gfに達するのに対して、比較例のノズルのピークは約73gfに過ぎない。
【0032】
これは、比較例と比べた場合、本発明のノズルのほうが、入水部6の開口中心が旋回軸Zから遠くなるので、水流に与えるモーメントが増加し、旋回流CFを十分に発達させやすいからであると考えられる。つまり、本発明によれば、効率良く旋回流を発達させて強い吸引力を発生させることができる。このため、少ない送水量あるいは小さな送水ポンプでも強い吸引力が得られ、従来よりも顕著な各種の生体効果が得られると同時に、ランニングコストや設置スペースなどの削減も可能となる。
【0033】
図8は、本発明と比較例のノズルの吸引力の比率を吐水口径ごとに比較したグラフ図である。すなわち、同図の横軸は、吐水口径を表す。また、縦軸は、比較例のノズルの吸引力のピーク値に対する、本発明のノズルの吸引力のピーク値の比率を表す。
【0034】
このグラフから、吐水口径が大きくなるほど、本発明のノズルのほうが比較例よりも高い吸引力が得られることが分かる。これは、吐水口径が大きくなるほど、比較例のノズルでは入水力を旋回力に効率よく変換できないためであると考えられる。
【0035】
図9および図10は、本発明および比較例のマッサージノズルにおける旋回流の状態を例示した概念図である。これらの図も、図4と同様に入水部6の入水方向に対向する方向から眺めた断面図である。また、図9は、吐水口7の口径が小さい場合を表し、図10は、吐水口7の口径が大きい場合を表す。
図9に表したように、吐水口径が小さい場合には、絞り部9における「絞り」の効果が強く作用するため、水の「閉じこめ」の効果が強くなる。その結果として、比較例(同図(b))の如く旋回軸に近い部分から水が導入されても、「閉じこめ」の効果により旋回流CFはある程度は発達しやすくなる。
【0036】
これに対して、図10に表したように、吐水口径が大きくなると、絞り部9における「絞り」の効果が弱まる。そのため、水の「閉じこめ」の効果も弱くなる。その結果として、比較例(同図(b))の場合には、入水部6から導入された水が旋回流として十分に発達する前に、吐水口7に至ってしまう。つまり、入水力を旋回力に効率よく変換できない。
【0037】
これに対して、本発明のノズルの場合には、図10(a)に表したように、旋回室8の周壁に近接した部分に水が導入される。そのため、周壁に沿った旋回流CFが発達しやすく、「絞り」による水の「閉じこめ」の効果が弱い場合でも、旋回流CFを発達させることができる。このため、図8に表したように、比較例と比べて、顕著に高い吸引力が得られるものと考えられる。
【0038】
次に、本発明のマッサージノズルにおける入水部6の縦横比について説明する。 図11は、本発明のマッサージノズルにおいて入水部6の幅W1とW2とを変えた具体例を表す模式図である。同図も、図4と同様に入水方向に対向する方向から眺めた断面図である。
また、図12(a)〜(c)は、図11(a)〜(c)をそれぞれ矢印Aの方向からみた透視概念図である。
【0039】
図11及び図12は、入水部6の流路断面積を同一にしつつ、幅W1とW2を変えた具体例を表す。但し、これらいずれも幅W1が幅W2よりも大きく、本発明の範囲に包含される。
理想的な旋回流を想定すると、入水部6から導入された水は、絞り部9による「絞り」により決定される厚みSの水膜を形成すると近似できる。この厚みSを超えた水が、吐水口7から吐出される。従って、入水部6から旋回室8に導入される入水流の幅(W2)は、この水膜の厚みSを超えないことが望ましい。つまり、旋回軸Zに対して平行な方向から見たとき、入水部6から旋回室8に流入する入水流は、吐水口7よりも外側に流入することが望ましい。
【0040】
図11(c)及び図12(c)に表した具体例の場合、入水部6は、理想的な旋回流の水膜の厚みSを超えた幅W2を有するので、入水流の幅(W2)も理想的な旋回流の水膜の厚みSを超えてしまう。つまり、旋回軸Zに対して平行な方向から見たとき、入水部6から旋回室8に流入する入水流の一部は、吐水口7よりも内側に流入する。その結果として、入水力を旋回力に効率よく変換できないおそれがある。
【0041】
つまり、入水部6の幅W2は、図11(b)及び図12(b)に表した具体例のように、理想的な旋回流の水膜の厚みSを超えない範囲にあることが望ましい。さらに、図11(a)及び図12(a)に表したように、入水部6の幅W2が水膜の厚みSよりも十分に薄い場合には、極めて効率よく入水力を旋回力に変換できる点で、さらに望ましいといえる。
【0042】
次に、入水部6の位置について説明する。
図13は、本発明のマッサージノズルにおいて入水部6の位置が異なる具体例を表した模式図である。すなわち、同図も、図4と同様に入水方向に対向する方向から眺めた断面図である。
同図(a)に表したように、入水部6が吐水口7に接近して設けられた場合、導入された水が旋回流を十分に形成する前に吐水口7に達してしまうおそれがある。これに対して、図13(b)に表したように、入水部6を吐水口7から遠ざけ、旋回室8の底部壁面8Rに近接させて設けると、導入された水は、吐水口7に達する前に、旋回流CFを十分に発達させることができる。
【0043】
つまり、入水部6は、できるだけ吐水口7と対向した底面(8R)に近接させて設けることが望ましいといえる。
【0044】
次に、入水部6の形状について説明する。
図14は、本発明のマッサージノズルにおける入水部6の形状の具体例を表す模式図である。すなわち、同図も、図4と同様に入水方向に対向する方向から眺めた断面図である。
【0045】
本発明においては、入水部6の形状としては、同図(a)に表したような略長方形状、同図(b)に表したような略扁平円状、あるいは同図(c)に表したような略楕円状を与えることができる。また、これら以外にも、扁平多角形状や扁平不定形状などとしてもよい。すなわち、旋回軸Zに平行な幅W1が垂直な幅W2よりも大なれば、各種の形状を与えて同様の作用効果を得ることができる。
【0046】
次に、旋回室に「絞り」が設けられていない実施例について説明する。
図15は、本発明のマッサージノズルにおいて「絞り部」を設けない具体例を表す断面図である。
本実施例においては、旋回室8は、吐水口7に向けてストレートに開口する単一の略円筒状の空間を有する。つまり、旋回室8の内径と吐水口7の開口径とはほぼ同一であり、吐水口での「絞り部」は設けられていない。旋回室8の形態として、このような略単一の円筒状を採用すると、吐水口の近傍に「絞り部」を設けた場合と比較して水流の圧力損失を低くすることができ、給水圧力に対して得られる流量を増やすことができる。その結果として、旋回流CFの流量を増加させ、さらに強い吸引押圧作用を得ることができる。
【0047】
またさらに、このような単一の円筒状の旋回室は、製造が極めて容易であり、コストも下げることができる。なお、本具体例のマッサージノズル1を樹脂の射出成形技術(インジェクション・モールド)などにより形成する場合、旋回室8の形状に「テーパ」を設ける場合がある。すなわち、鋳型に樹脂をモールドし、その後に旋回室8の内部空間を形成するための鋳型突出部を円滑に引き抜くためには、旋回室8の内径を均一ではなく、吐水口7に向けてやや内径が拡がるように形成することが望ましい。本発明は、このようなテーパ状の旋回室8を有するものも包含する。
【0048】
図16は、本具体例の旋回室において形成される旋回流の状態を表す概念図である。すなわち、同図も、図4と同様に入水方向に対向する方向から眺めた断面図である。
図16(b)に表したように、入水部6が通常の円形状などの場合には、旋回軸に接近して入水されるので、旋回室8の周壁に沿った旋回流が形成される前に吐水口7に達してしまう。その結果として、負圧領域NPはあまり発達せず、吸引力も弱い。
これに対して、図16(a)に表したように、入水部6が本発明の如く周壁に近接して扁平状に設けられた場合には、旋回室8の周壁に沿った旋回流CFが発達しやすく、これに応じた負圧領域NPも発達させることができる。
【0049】
しかし、吐水口7に「絞り部」が設けられていないため、水の「閉じこめ」効果は得られず、入水力を旋回力に効率よく変換できない傾向がある。従って、このようなストレート形状の場合には特に、入水部6の形状を扁平として、できるだけ旋回室8の周壁に近接させて入水させることが望ましい。つまり、入水部6の幅W2をできるだけ小さくすることが望ましい。但し、幅W2を小さくしすぎると、入水部6の圧力損失が増え、流量が低下する傾向がある。このような場合には、複数の入水部6を設けるとよい。
【0050】
図17は、ふたつの入水部が設けられた具体例を表す模式図である。すなわち、同図は、図3と同様の方向からみた断面図である。
本具体例のマッサージノズル1は、円筒形の旋回室8の内部周壁に対して、その接線方向に開口したふたつの入水部6A、6Bを有する。これら入水部6A、6Bは、それぞれが図4に例示した如く、幅W1が幅W2よりも大なる扁平状に形成されている。そして、共通の導入路5から送水され、旋回室8に水を導入する。このように、ふたつの入水部を設けることにより、入水部を扁平状に形成しても圧力損失の増加を抑えて、必要な流量を得ることができる。なお、必要に応じて、旋回室8の周壁に沿って3つ以上の入水部を適宜設ければ、さらに圧力損失の増加を抑えることが可能となる。
また、複数の入水部を旋回室8の周壁に沿って均等に配置すると、旋回軸が旋回室8の中心軸とほぼ一致した均一な旋回流を形成することができる。
【0051】
次に、リング状の「ガイド部」が設けられたマッサージノズルについて説明する。
図18は、本具体例のマッサージノズルを表す断面図である。同図については、図1乃至図17に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本具体例においては、マッサージノズル1の吐水口7の前面に、突出したリング状のガイド部22が設けられている。ガイド部22のサイズは、吐水口7の内径よりも大きい。こうすることにより、旋回吐水を皮膚にあてることができ、吐水力による刺激感を維持できる。また、ガイド部22のサイズをマッサージノズル1の外径よりも小さくしてもよい。このようにすると、人体に対してガイド先端の位置決めをしやすく、操作性が向上する。なお、ガイド部22の先端は、人体と接触する場合があるので安全を考慮して端面は曲面状とすることが望ましい。
【0052】
本発明のマッサージノズルにより吸引トリートメントを実施する場合、吐水口7と人体の被処理部位10との間には、吸引力と押圧とがバランスする最適な距離が存在する。これは、例えば図7のグラフにおいて、吸引力のピークが存在することからも分かる。しかし、この最適な距離を常に維持することは容易ではない。これに対して、本実施例においては、リング状のガイド部22を設けることにより、吐水口7までの最適距離を容易に得ることができる。つまり、ガイド部22を被処理部位10に軽く押し当てることにより、最適な吸引作用が得られる距離を維持することができる。
また、使用者は、このマッサージノズル1を用いて吸引トリートメントを実施する際には、リング状のガイド部22を被処理部位に軽く押し当てるようにする。前述したように、吐水口7からは旋回流が円錐状に放出されているので、ガイド部22と被処理部位(人体)10との間にも、均質な水膜が形成される。つまり、被処理部位(人体)は、均質で連続的な水膜により保護されるので、ガイド部22を設けても、被処理部位(人体)に対する不快な刺激は少ない。その結果として、吸引トリートメントを続けながら被処理部位の上でマッサージノズル1を滑らかに移動させることができる。
【0053】
またさらに、このようなリング状のガイド部22を設けることにより、吐水口7から周囲に略円錐状に吐出される旋回流吐水の飛散を抑制できる。つまり、吐水口7から広角度に飛散する吐水成分による不快感や刺激などを緩和して、使用感が向上する。
またさらに、ガイド部22の後方にスカート状の延在部を設け、吐水口7から吐出された水の一部をマッサージノズル1の後方に逃がす水路23を形成してもよい。つまり、吐水口7から吐出された水の一部は矢印Dの如く、被処理部位10とガイド部22の先端との間に水膜を形成し、他の一部は、矢印Rの如く、水路23を通って、マッサージノズル1の後方に流出する。このような水路23を設けることにより、吐水口7の前面、すなわちリング状のガイド部22の内側における吐水の滞留を防止することができる。つまり、リング状のガイド部22を設けた場合、その先端に被処理部位10をあてがった状態で吐水させると、リングの内側の空間に吐水が滞留し、吐水口7の近傍における水流の分布が変化して負圧力が低下したり負圧領域が減少したりするおそれがある。これに対して、吐水を逃がす水路23を設けることにより、ガイド部22を設けても、吐水口7近傍の水流の分布の「くずれ」を防ぐことができる。つまり、所期の吸引作用を得ることができる。
【0054】
次に、入水部を可変としたマッサージノズルについて説明する。
図19は、本具体例のマッサージノズルの斜視図である。
また、図20は、このマッサージノズルの正面図であり、図21及び図22は図20のA−A線断面図であり、図23及び図24はそれぞれ図21及び図22のB−B線断面図である。
本具体例のマッサージノズルは、ボタン13により操作される入水部可変スイッチを有する。すなわち、図23及び図24を参照しつつ説明すると、ボタン13を押さない状態(図23)においては、ゲート17が開かれた状態であり、導入路5から供給される水は、旋回室8の周壁接線方向ではく、中心に向けて導入される。その結果として、図23に表したように、旋回流は形成されない。
【0055】
一方、ボタン13を押した場合には、図24に表したように、押しバー12の摺動に連動してゲート17が閉じられる。すると、旋回室8の周壁接線方向に入水させる入水部6が形成される。この入水部6は、例えば図4に例示した如く、旋回軸に平行な幅W1が垂直な幅W2よりも大なる扁平形状を有する。また、旋回室8に面したゲート17の側壁は、旋回室8の周壁の一部を連続的に構成するような曲面を有することが望ましい。従って、少ない流量でも旋回流CFを発達させ、強い吸引力を得ることができる。
【0056】
このように、本具体例のマッサージノズルにおいては、ボタン13の操作により、吸引力のオン・オフを制御できる。図23に表したように、ゲート17が開かれて吸引力がオフの状態においては、旋回流が形成されないため、吐水口7からの吐水は、周囲に飛散する旋回吐水とはならず、集束した水流が吐水口7から前方に向けて放出される。従って、吐水の飛散による不快感を大幅に低減することができる。そして、ボタン13を操作することにより、扁平状の入水部6を形成し、強い吸引力を発生させて効果的な吸引マッサージを実施することができる。
【0057】
また、ボタン13の操作に応じた押しバー12の摺動位置によって、ゲート17の突出量を調節することも可能である。つまり、ボタン13を押す量を調節することにより、ゲート17の開度を可変とし、旋回室8内に形成される旋回流CFの状態を調節することが可能である。その結果として、旋回吐水及び吸引力の強さすなわち使用者への刺激感を調節することができる。これにより、使用者は好みに応じてボタン13を適宜操作し、吸引トリートメントの強弱を簡便に変化させることができ、操作性が向上する。
【0058】
なお、図23及び図24には、ボタン13の押し操作に連動して旋回流CFが形成される具体例を表したが、本発明はこれに限定されない。これとは逆に、通常状態で旋回流CFが形成され、使用者がスイッチを操作することにより旋回流の形成が抑制されるようにしてもよい。また、スイッチの具体的な構造や、ゲート17の形状あるいは動作、取り付け位置などについても各種の変型例を本発明の範囲とすることができる。
【0059】
次に、旋回室に空気を導入するマッサージノズルの具体例について説明する。図25は、本具体例のマッサージノズルを表す断面図である。同図についても、図1乃至図24に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本具体例においては、旋回室8の後方底面すなわち、吐水口7と対向する壁面に空気導入口26が設けられている。この空気導入口26は、図示しない空気配管82を介して大気に開放され、または空気供給手段に接続されている。
前述した如く、扁平形状の入水部6から旋回室8に水が導入され、旋回流CFが効率的に形成されると、旋回室8の中心付近に強い負圧部が形成される。すると、その圧力差によって、空気導入口26から旋回室8内に空気が吸い込まれ、旋回流CFの旋回軸線上に空気柱28が形成される。このマッサージノズルを水中で使用した場合、この空気柱28は、吐水口7の近傍において矢印BWにより表したように外側から流入しようとする周囲水とぶつかり、および旋回室8から速度を速めて吐水口7から吐出しようとする旋回吐水のせん断力により引きずられ、形状を微細な気泡と変えながら、旋回吐水と共に周囲水中に吐出される。
【0060】
こうして、吐水口7から吐出する旋回吐水は、気泡が混入された気泡混入水となり、旋回成分をもった円錐形の吐水となる。この場合の円錐形吐水形状は、吐水口7の断面積および吐水口7の開口端の形状により変化する。
【0061】
気泡の量及び径は、空気導入口26に供給される空気量を調整することにより可変である。気泡の径は、空気流量が少なければ小さくなる。空気の供給を遮断して、気泡混入のない吸引モードで動作させることも可能である。この場合には、もっとも強い吸引力が得られる。また、入水部6から導入される水の流量に応じて発生する負圧を変化させることができるので、これによっても気泡の量および径を変化させることも可能である。
このように、本具体例によれば、気泡浴マッサージ装置としても使用が可能である。またさらに、本具体例においては、混入させる気泡量を変化させることによって、吐水口7において生ずる吸引力を調節することも可能である。
【0062】
次に、本発明のマッサージシステムについて説明する。
すなわち、図1乃至図24に関して前述した本発明のマッサージノズルを、送水手段などと組み合わせることにより、吸引トリートメントが実施可能なマッサージシステムが実現する。
まず、本発明のマッサージシステムの第1の実施例として、椅子型のマッサージシステムについて説明する。
図26及び図27は、本発明の第1の実施例のマッサージシステムを、斜め正面側、及び斜め後方側からそれぞれ眺めた模式図である。
また、図28は、このマッサージシステムの要部構成を表すブロック図である。
【0063】
すなわち、本実施例のマッサージシステムをその外部から眺めると、筺体70と、その正面から伸びる可撓性ホース30と、その先端に設けられたマッサージノズル1と、を有する。筺体70には、操作スイッチ72、吸気開閉コック74、取水口76、持ち穴78、電源コード80、吸気ホース82などが適宜設けられている。 筺体70の内部には、送水手段50が収容されている。送水手段50は、例えば耐水処理が施された電動式の送水ポンプを内蔵し、取水口76から取り入れた水(お湯)を可撓性ホース30を介してマッサージノズル1に送出する。送水ポンプは、例えば、筺体70の外部から交流または直流の電力の供給を受けるようにしてもよく、または、筺体70の中に充電池などの電源を内蔵して電力を供給してもよい。いずれの場合にも、浴槽内の湯に沈めて安全に使用できるよう、所定の耐水処理が適宜実施されている。
なお、吸気ホース82は、図25に関して前述した如く、マッサージノズル1に空気を導入する場合に利用することができる。また、図28に例示したように、吸気切り替えコック75を適宜設けてもよい。吸気切り替えコック75を閉じた場合には、吸気ホース82を介してノズル1に空気を送り、コック75を開いた場合には、可撓性ホース30に空気を混入させることができる。これにより、例えばノズルを取り外しての気泡浴も楽しめる。もちろん、ノズル1に空気を混入しないシステムの場合には、吸気ホース82は不要である。
【0064】
一方、マッサージノズル1は、図26に例示した如く、シャワーヘッドに類似した外観を有する。同図に表したマッサージノズル1Aは、その先端付近を「わしづかみ」にして用いるのに適した形状を有する。またマッサージノズル1Bは、通常のシャワーヘッドの如くその根本部分を保持して用いるのに適した形状を有する。
これらマッサージノズル1(1A、1B)は、図1乃至図24に関して前述したように、旋回軸Zに平行な幅W1が垂直な幅W2よりも大なる扁平状の入水部を有する旋回室を有する。このような独特の構造を有するマッサージノズルを設けることにより、送水手段50から送出された水の旋回流を効率的に形成することができる。使用者は、この旋回流により形成される強い負圧効果を利用して、被処理部位に対して効果的な吸引トリートメント(吸引マッサージ)を実施することができる。
【0065】
図29は、本実施例のマッサージシステムの使用状態を説明するための模式図である。すなわち、使用者200は、湯110をはった浴槽100の中に本発明のマッサージシステムを設置し、筺体70の上に腰掛けた状態でマッサージノズル1を操作することができる。この際に、図2に関して前述したように旋回吐水Aにより形成される水膜により吐水口7の周囲が覆われるため、人体の被処理部位10の表面は常に均質な水膜に保護され、人体はマッサージノズルから過度の摩擦抵抗を受けない。このため、不快な刺激がなく、使用感に優れる。また、本実施形態のマッサージノズル1を浴槽内の水(お湯)の中に浸した状態で用いると、吸引力を低下させる空気層(空洞)が旋回室内に形成されることを抑制でき、より効果的である。また、浴槽100内のお湯110を循環使用する点で、節水効果も高い。
【0066】
本実施例のマッサージシステムによれば、旋回軸Zに平行な幅W1が垂直な幅W2よりも大なる扁平状の入水部を有するマッサージノズルを用いることにより、限られた水量で強い吸引押圧作用が得られる。その結果として、送水手段50をコンパクトにし、使用者200が腰掛けられる筺体70の中に収容することが容易となる。また、小さいポンプで強い吸引力が得られるので、ランニングコストも抑えることができる。
また、マッサージノズル1が筺体70に対して可撓性ホース30により接続されているので、マッサージノズル1を使用者の身体のあらゆる部分の被処理部位に対して柔軟且つ自在にあてることができる。しかも、トリートメントしづらいヒップや太ももの裏側が、腰掛けている状態により浴槽底面から浮いているので、ノズルをあててトリートメントするスペースが得られ、確実且つ容易にトリートメントできる。
【0067】
また、本発明によれば、使用者200は、コンパクトな筺体70の上に腰掛けた状態でマッサージノズル1を操作できる。その結果、使用者200は、常にリラックスした状態で吸引トリートメントすることができる。またさらに、上半身、例えば脇の下から二の腕を吸引トリートメントするような場合でも、マッサージノズル1を浴槽の湯110の中に浸した状態で操作することが可能である。しかも、下半身、例えば、ヒップや太ももの裏側まで、まんべんなく吸引トリートメントすることができる。従って、これらの部位につきやすい「セルライト(老廃物と脂肪の塊)」を揉みほぐすことにより、老廃物の排出を促進し、セルライトを正常な脂肪に改善することができる。その結果として、人体の「引き締め効果」が得られる。
【0068】
次に、本発明のマッサージシステムの第2の実施例として、浴槽型のマッサージシステムについて説明する。
図30は、本発明のマッサージシステムの第2の実施例を表す模式図である。すなわち、同図は、浴槽100と組み合わされたマッサージシステムを表す。
本実施例の場合、浴槽100の中にノズル収容部120が設けられ、図1乃至図25に関して前述した本発明のマッサージノズル1は、このノズル収容部120に収容可能とされている。そして、送水手段50は、水配管60を介して浴槽100の中の水(お湯)を取水し、可撓性ホース30を介してマッサージノズル1に送出する。
【0069】
本実施例においては、図30(a)に表したように、ノズル収容部120にマッサージノズル1を収納した状態で、使用者は、浴槽100内に入浴しマッサージノズル1に被処理部位をあてがうことにより吸引押圧マッサージを受けることができる。この時、マッサージノズル1は、水没していてもよく、お湯よりも上に露出していてもよい。但し、図2に関して前述したように、マッサージノズル1を水没させたほうがより強い吸引マッサージを受けることができる。
また、図25に関して前述したように、マッサージノズル1を収容部120に収納した状態で空気導入口26から空気を導入すれば、いわゆる気泡浴装置として使用することもできる。
【0070】
また一方、図30(b)に表したように、マッサージノズル1をノズル収容部120から取り外して用いることができる。本実施例においては、マッサージノズル1は、可撓性ホース30により接続されているので、使用者は、マッサージノズル1を自由な位置に移動させ、被処理部位にあてて使用することができる。
【0071】
なお、本実施例においても、送水手段50により浴槽100内のお湯(水)をマッサージノズル1に供給する。つまり、浴槽100内のお湯を循環使用する点で、節水効果が高い。そして、図1乃至図25に関して前述した本発明のマッサージノズル1を用いることにより、限られた水量でも強い吸引力を発生させることができ、強い吸引押圧マッサージ効果を得ることができる。
【0072】
図31は、本発明のマッサージシステムの第3の実施例を表す模式図である。同図については、図1乃至図30に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、浴槽100のお湯を循環させる送水手段の代わりに、お湯(または水)の供給部400が設けられている。供給部400としては、例えば、浴槽100にお湯を供給するための給湯器を兼用することができる。
本実施例の場合には、供給部400を設けることより、浴槽100内にお湯がない状態においても、本発明のマッサージノズル1を用いた吸引押圧マッサージを受けることができる。もちろん、浴槽100内にお湯がはられた状態においても、吸引押圧マッサージや気泡浴を同様に実施することができる。
そして、図31(b)に表したように、可撓性ホース30を伸ばすことにより、マッサージノズル1を取り外して所望の被処理部位に向けて使用することができる。また、本実施例においては、図30に関して前述したような送水手段50や循環のための水配管60を設ける必要がないため、マッサージシステムの構造を簡略化させ、低コストで提供することが可能である。
【0073】
図32は、本発明のマッサージシステムの第4の実施例を表す模式図である。同図についても、図1乃至図31に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、ノズル収容部120が浴槽100の周縁の、いわゆる「エプロン」の部分に設けられている。気泡浴を行わず、吸引押圧マッサージを主体として実施するような場合には、マッサージノズル1を簡単に取り外し、使用者の人体の各所に容易にあてがうことができるようにすることが望ましい。ノズル収容部120を浴槽100のエプロンに設置すると、マッサージノズル1を取り外すことが極めて容易となる。また、浴槽100内に入浴した状態で、マッサージノズル1が邪魔になる心配もない。
そして、本発明においても、可撓性ホース30によりノズル収容部120とマッサージノズル1とを接続することにより、マッサージノズル1を自在に取り扱うことができる。
【0074】
また、本実施例においても、浴槽100内のお湯を循環使用する点で、節水効果が高く、また、図1乃至図25に関して前述した本発明のマッサージノズル1を用いることにより、少ない流量で強い吸引押圧マッサージ効果を得ることができる。
【0075】
図33は、本発明のマッサージシステムの第5の実施例を表す模式図である。同図についても、図1乃至図32に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においても、ノズル収容部120が浴槽100の周縁の「エプロン」の部分に設けられている。このため、マッサージノズル1を取り外すことが極めて容易となる。また、浴槽100内に入浴した状態で、マッサージノズル1が邪魔になる心配もない。
また、本実施例においても、可撓性ホース30によりノズル収容部120とマッサージノズル1とを接続することにより、マッサージノズル1を自在に取り扱うことができる。さらに、送水手段50や循環のための水配管60を設ける必要がないため、マッサージシステムの構造を簡略化させ、低コストで提供することが可能である。そして、図1乃至図25に関して前述した本発明のマッサージノズル1を用いることにより、少ない流量で強い吸引マッサージが可能となる。
【0076】
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
すなわち、本発明のマッサージノズル及びマッサージシステムを構成するいずれかの要素について当業者が設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0077】
例えば、マッサージノズルの外形や、吐水口とのサイズの比率、あるいは入水部の位置関係などについては、旋回流が得られ、その結果として負圧部が形成される範囲内であれば、本発明に包含される。
【0078】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るマッサージノズルによれば、少ない水量でも旋回流を十分に発達させることが可能となり、強い吸引力が得られる。その結果として、従来よりも優れた各種の生体効果が得られ、また、ランニングコストを抑えたコンパクトなマッサージシステムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるマッサージノズル1の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】(a)は、図3を異なる方向に表したものであり、(b)は、(a)のC−C線断面図である。
【図5】入水部6の開口形状を比較して表した模式図である。
【図6】本発明者が実施した測定の方法を表す模式図である。
【図7】本発明者が試作したノズルについて吐水口からの距離と吸引力との関係を表すグラフ図である。
【図8】本発明と比較例のノズルの吸引力の比率を吐水口径ごとに比較したグラフ図である。
【図9】本発明および比較例のマッサージノズルにおける旋回流の状態を例示した概念図である。
【図10】本発明および比較例のマッサージノズルにおける旋回流の状態を例示した概念図である。
【図11】本発明のマッサージノズルにおいて入水部6の幅W1とW2とを変えた具体例を表す模式図である。
【図12】(a)〜(c)は、図11(a)〜(c)をそれぞれ矢印Aの方向からみた透視概念図である。
【図13】本発明のマッサージノズルにおいて入水部6の位置が異なる具体例を表した模式図である。
【図14】本発明のマッサージノズルにおける入水部6の形状の具体例を表す模式図である。
【図15】本発明のマッサージノズルにおいて「絞り部」を設けない具体例を表す断面図である。
【図16】本発明の具体例の旋回室において形成される旋回流の状態を表す概念図である。
【図17】ふたつの入水部が設けられた具体例を表す模式図である。
【図18】本発明の具体例のマッサージノズルを表す断面図である。
【図19】本発明の具体例のマッサージノズルの斜視図である。
【図20】本発明の具体例のマッサージノズルの正面図である。
【図21】図20のA−A線断面図である。
【図22】図20のA−A線断面図である。
【図23】図21のB−B線断面図である。
【図24】図22のB−B線断面図である。
【図25】本発明の具体例のマッサージノズルを表す断面図である。
【図26】本発明の第1の実施例のマッサージシステムを斜め正面側から眺めた模式図である。
【図27】本発明の第1の実施例のマッサージシステムを斜め後方側から眺めた模式図である。
【図28】第1実施例のマッサージシステムの要部構成を表すブロック図である。
【図29】第1実施例のマッサージシステムの使用状態を説明するための模式図である。
【図30】本発明のマッサージシステムの第2の実施例を表す模式図である。
【図31】本発明のマッサージシステムの第3の実施例を表す模式図である。
【図32】本発明のマッサージシステムの第4の実施例を表す模式図である。
【図33】本発明のマッサージシステムの第5の実施例を表す模式図である。
【符号の説明】
1、1A、1B マッサージノズル
2 旋回部
3 吐水部
4 接続部
5 導入路
6、6A、6B 入水部
7 吐水口
8 旋回室
8R 底部壁面
10 被処理部位
12 押しバー
13 ボタン
17 ゲート
22 ガイド部
23 水路
26 空気導入口
28 空気柱
30 可撓性ホース
50 送水手段
60 水配管
70 筺体
72 操作スイッチ
74 吸気開閉コック
75 吸気切り替えコック
76 取水口
78 持ち穴
80 電源コード
82 吸気ホース
82 空気配管
100 浴槽
110 湯
120 ノズル収容部
200 使用者
300 受圧板
400 供給部
Z 旋回軸

Claims (9)

  1. 室内に旋回流を形成するように設けられた入水部と、前記旋回流を吐水し負圧部が形成されるように設けられた吐水口と、を有する旋回室を備え、
    前記入水部は、前記旋回室への入水方向に対向する方向から見たときに、前記旋回流の旋回軸に対して垂直な方向の幅よりも前記旋回軸に対して平行な方向の幅の方が大なることを特徴とするマッサージノズル。
  2. 室内に旋回流を形成するように設けられた入水部と、前記旋回流を吐水し負圧部が形成されるように設けられた吐水口と、を有する旋回室を備え、
    前記旋回室への入水方向に対して垂直且つ前記旋回流の旋回軸に対して垂直な方向に沿った前記入水部の幅よりも、前記旋回室に対する入水方向に対して垂直且つ前記旋回流の旋回軸に対して平行な方向に沿った前記入水部の幅の方が大なることを特徴とするマッサージノズル。
  3. 前記旋回室は、略円筒状の周壁を有し、
    前記入水部から前記略円筒状の前記周壁の接線方向に水が入水されることを特徴とする請求項1また2に記載のマッサージノズル。
  4. 前記旋回軸に対して平行な方向から見たとき、前記入水部から前記旋回室に流入する入水流は、前記吐水口よりも外側に流入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  5. 前記旋回室は、前記入水部から前記吐水口に至る部分が前記吐水口の開口径と略同一の内径を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  6. 前記入水部は、前記旋回室において前記吐水口と対向する底面に近接して設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  7. 前記旋回室に、複数の前記入水部が接続されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  8. 前記入水部は、その開口面積が可変とされたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  9. 送水手段と、
    請求項1〜8のいずれか1つに記載のマッサージノズルと、
    を備え、
    前記送水手段から前記マッサージノズルの前記入水部に水を供給し、使用者が前記マッサージノズルの前記吐水口に形成される前記負圧部を利用したマッサージを実施可能としたことを特徴とするマッサージシステム。
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