JP2004000513A - 浴槽装置 - Google Patents

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JP2004000513A JP2003078062A JP2003078062A JP2004000513A JP 2004000513 A JP2004000513 A JP 2004000513A JP 2003078062 A JP2003078062 A JP 2003078062A JP 2003078062 A JP2003078062 A JP 2003078062A JP 2004000513 A JP2004000513 A JP 2004000513A
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Yasuo Hamada
濱田 靖夫
Nobuhiro Shono
庄野 信浩
Koichi Toyoda
豊田 弘一
Takahiro Ohashi
大橋 隆弘
Riyouko Ishimaru
石丸 亮子
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

【課題】入浴者の邪魔になることがなく、使用したい部位に対して円滑に使用でき、ランニングコストを抑えつつ吸引力を増加して、各種の高い生体効果が得られる吸引押圧マッサージ機構が設けられた浴槽装置を提供することを目的とする。
【解決手段】浴槽と、前記浴槽の内面または周縁に設けられた吐水基部と、前記吐水基部に脱着可能に設けられ、室内に旋回流を生じさせるよう設けられた入水口と、前記旋回流を吐水するように設けられた吐水口と、を有する旋回室を有する吐水部と、前記吐水基部内に収納可能とされ、前記吐水基部と前記吐水部とを接続し前記旋回室に水を供給する伸縮自在な第1の配管と、を備えたことを特徴とする浴槽装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、旋回流を用いて人体に対してマッサージを行う浴槽装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今の健康指向を背景に、様々な健康機器が開発されている。その中で、入浴行為の効果が見直され、気泡混入による気泡浴風呂等が開発されている。また、血行促進や凝り改善、美容効果を謳ったマッサージ装置の発明は後を絶たない。それらマッサージ装置のマッサージ方式は、たたく、もむ等様々であり、構成も多種多様である。
例えば、特許文献1には、水の旋回流に外気を導入したマッサージ器が開示されている。すなわち、旋回流により中心部に形成される負圧を利用し、吐水部においてドーナツ状の気泡混入吐水の押圧部とドーナツ状の中心部の吸引部を形成し、人体に対して局所的に押圧吸引の双方のマッサージ効果を与えることを実現した。
【0003】
【特許文献1】
実開平4−55337号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来のマッサージ装置では、浴槽内利用において下記のような要望があった。すなわち、浴槽内という限られたスペース内で、入浴者の邪魔になることなく配設され、かつ利用したい時に利用したい部位に使用したいという要望である。特に、吸引効果を得る為には、吐水口近傍を人体に対して密着させねばならず、浴槽内に突出して固定的に配設されたのであれば、通常の入浴時に邪魔になるといった問題があった。
【0004】
また一方、吸引により得られる血行促進などの各種の生体効果を高めるためには、吸引力をさらに上げることが必要である。しかし、そのために旋回流の流量を増加するのでは、大型のモータが必要とされ、ランニングコストが高くなる。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、入浴者の邪魔になることがなく、使用したい部位に対して円滑に使用でき、ランニングコストを抑えつつ吸引力を増加して、各種の高い生体効果が得られる吸引押圧マッサージ機構が設けられた浴槽装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の浴槽装置は、浴槽と、前記浴槽の内面または周縁に設けられた吐水基部と、前記吐水基部に脱着可能に設けられ、室内に旋回流を生じさせるよう設けられた入水口と、前記旋回流を吐水するように設けられた吐水口と、を有する旋回室を有する吐水部と、前記吐水基部内に収納可能とされ、前記吐水基部と前記吐水部とを接続し前記旋回室に水を供給する伸縮自在な第1の配管と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
入浴者は特に吸引効果を利用したい場合に、吐水口を人体に密着させる必要があるが、本発明の構成においては、吐水部が浴槽の内面または周縁に設置された吐水基部から脱着可能な構成でかつ伸縮自在の配管にて接続されている為、入浴者は容易に吐水口を入浴者の好みに応じて入浴者の当てたい部分に無理なく当てることができ、人体に密着させさらに密着させたまま操作することが可能となり、入浴者に負担をかけることなく使用感が向上する。また、通常は浴槽内壁に設置された吐水基部に収納しておけば、吐水部および吐水部に連結されている配管は、吐水基部内に収納され、入浴者の入浴の妨げになることはなく、快適性は維持され、外観も損ねない。
【0008】
なお、本願明細書において「水」とは、冷水のみを意味するものではなく、お湯も含み、さらには、これらに生体効果を高めあるいは使用者をリラックスさせるためなどの目的で各種の成分が配合されたものも含むものとする。
【0009】
またここで、前記吐水部は、前記旋回流の旋回方向とは逆の方向に回転させることにより前記吐水基部に固定可能とされたものとすることができる。
【0010】
例えば、旋回室への入水方向が時計回りの場合、入水流からの反作用で吐水部には反時計周りの力が加わる為、この方向に回転させて固定可能とすれば、水流によって吐水部は固定される方向へと導かれ、収納の安全性が増す。従って、吐水部が吐水基部内に収納されている状態で使用しても、吐水部が回転したり、若しくは浴槽内に飛び出したりすることが無くなり、装置の信頼性が向上する。
【0011】
またここで、前記吐水部は、前記吐水口よりも突出した突起を有するものとすることができる。吐水部に突起が設けられていれば、入浴者が吐水部を使用したい場合に、突起を掴むことで吐水基部から吐水部を引き出すことが容易となり、操作性が向上する。また、突起を設けられていれば、被処理部位に軽く押し当てることにより、最適な吸引作用が得られる距離を維持することができる。また、突起を利用してツボ押し刺激も可能となり、入浴者の快適性が向上する。
【0012】
またさらに、突起がリング状に形成されている場合には、吐水口から周囲に略円錐状に吐出される旋回流吐水の飛散を抑制できる。その結果として、吐水口から広角度に飛散する吐水成分による不快感や刺激などを緩和して、使用感が向上する。また、リング状の突起が設けられている場合には、突起先端が連続的な水膜により覆われるため、被処理部位に接触刺激を与えることなくスムーズに吐水部を移動させることができる。
【0013】
またさらに、前記旋回室における前記吐水口の対向面に小穴が設けられ、前記小穴と前記吐水基部とを接続し前記小穴に空気を供給する伸縮自在な第2の配管をさらに備えたものとすることができる。このようにすれば、旋回流により形成される負圧によって空気を導入し、気泡流を吐出させることができる。その結果として、気泡浴装置として使用することも可能となる。
【0014】
前記第1及び第2の配管は、前記第1の配管の中に前記第2の配管が設けられた二重管構造を有するものとすることができる。二重管構造としたことで、第1の配管すなわち水配管と第2の配管すなわち空気配管の二系統が一つの管にまとまることになり、コンパクトな構造となることはもとより、入浴者が手にとって操作する場合に邪魔になることがなく、使用感が向上する。この際、断面が円であるので指向性がなく、入浴者は無理することなくどの向きにも操作することが可能となる。
【0015】
また、前記第1の配管は、コイル管または蛇腹管であるものとすることができる。コイル管や蛇腹管を用いることにより、吐水基部の中への収納も容易で、しかも、使用時に外部に引き出すことも容易で、所望の部位に楽に吐水部を移動させて吸引押圧マッサージを施すことが可能となる。
【0016】
また、前記浴槽内の水を前記第1の配管に送出するポンプをさらに備えたものとすることができる。浴槽内の水をポンプにより循環させることにより、節水効果が得られ、大流量の旋回流を実現できる。つまり、低コストで強い吸引押圧マッサージが可能な浴槽装置を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を図を参照して説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態として、旋回流による高い吸引押圧効果が得られる浴槽装置について説明する。
図1は、本実施形態にかかる浴槽装置の全体構成を例示する模式図である。 すなわち、具体例においても、浴槽装置1は、浴槽2と、浴槽内に開口を持つ吸込部3と吐水基部4と、吐水基部4内に収納され着脱可能に構成された吐水部5と、吸込部3と吐水基部4とを結ぶ水配管6と、水配管6の経路内に配設されたポンプ7とを有する。
【0019】
図2は、本実施形態の浴槽装置の吐水部および吐水基部周辺の第1実施例の模式図である。すなわち、同図は、吐水部5が吐水基部4内に収納されている状態を示している。
吐水基部4は、フランジ207と収納部208と水接続管26とを有している。吐水基部4は、浴槽壁21に開けられた浴槽壁穴209の浴槽内壁側から差し込まれ、フランジ207と留め具22でもって浴槽壁21を挟み込むように留められている。フランジ207と浴槽壁21の間にはOリング等のシール材23が配設され、浴槽内部と外部をシールしている。
収納部208内には、吐水部5と水伸縮管(第1の配管)24が収納されている。
水接続管26の両端は外側水接続部261と内側水接続部262で構成されており、外側水接続部261には水配管6が接続され、内側水接続部262には水伸縮管24が接続されている。
吐水部5は、略円筒形の旋回室28を有する。旋回室28には、旋回室円筒端部中央に設けられた吐水口29と、旋回室円筒壁面に接するように設けられた入水口201とが設けられている。入水口201は水流路203に連通し、水伸縮管24を介して水(湯)が供給される。
【0020】
このように構成したことにより、水経路は、浴槽内→吸込部3→水配管6(ポンプ7を含む)→吐水基部4(外側水接続部261→水接続管26→内側水接続部262)→水伸縮管24→吐水部5(水流路203→入水口201→旋回室28→吐水口29)→浴槽内、という循環経路を形成する。
【0021】
吐水部5が吐水基部4内に収納されている収納時は、浴槽内の入浴スペースを害することがなく、入浴者は入浴スペースを十分に活用でき、快適に入浴を行える。
【0022】
水伸縮管24は、後に詳述するように、例えば蛇腹管やコイル管のような、伸縮自在な部材で形成されている。吐水部5が吐水基部4に収納されている場合は縮んでおり、収納部208に収納されている。吐水部5を吐水基部4から取り出す場合には、水伸縮管24は延伸し、浴槽内に飛び出す形となる。
【0023】
図3(a)及び(b)は、旋回室28における旋回流の形成を説明するための模式図である。すなわち、同図は、図2の矢印Aの方向から眺めた旋回室28の断面図である。
入水口201は、円筒形の旋回室28の内部周壁に対して、その接線方向に開口している。水流入口203から入水口201を介して旋回室28に流入した水は、矢印Bに表した如く、円筒形の旋回室28の内部周壁に沿った旋回流を形成する。この時、図3(a)に例示した如く、入水口201をひとつのみ設けてもよく、また、同図(b)に例示した如く、ふたつの入水口201を互いに略対向する位置に設けてもよい。さらに、3つ以上の入水口を適宜設けてもよい。複数の入水口を旋回室28の周壁に沿って均等に配置すると、旋回の軸線が旋回室28の軸線とほぼ一致した均一な旋回流を形成することができる。
【0024】
図4は、本実施形態における旋回流の吸引作用を説明するための模式図である。すなわち、旋回室28内で発生した旋回流CFは、遠心力により旋回流の外周部において圧力を上昇させ、また中心部では圧力を低下させて負圧部NAを形成する。
【0025】
本実施形態においては、旋回流CFによって生じた負圧部NAは、吐水口29に向けてのみ吸引力を作用させる。そして、旋回室28すなわち負圧部NAを常に水(または湯)で満たした状態とすることにより、負圧部の圧力損失(圧力の上昇)を生じさせることはなく、負圧部NAにより得られる吸引作用を吐水口29に向けて効率的に作用させることができる。その結果として、図5に表したように、吐水口29の中央付近において、強い吸引力NPが生ずる。
また一方、吐水口29から吐出する旋回流CFは、旋回成分をもった円錐形の吐水となる。つまり、吐水口29の周囲を取り囲む吐水前面29Sには、吐水された水膜が形成される。この時、旋回室28に空気などが混入しなければ、吐水前面29Sの表面に形成される水膜は、気泡を含まない均質な水膜となる。その結果として、吐水口29の正面においては、負圧NPが生じ、一方、その周囲の吐水前面29Sの正面においては、吐水された水膜により押圧(正圧)PPが生ずる。
【0026】
図6は、本実施形態の吐水部により人体を吸引する状態を表す模式図である。前述の如く、本実施形態によれば、吐水口29の正面においては、負圧NPによる強い吸引力が生じ、一方、その周囲においては、吐水の水膜による押圧PPが生ずる。その結果として、人体51は、中央が吸引部で、周囲が押圧部という、ドーナツ状の局所的な押圧吸引双方のマッサージ効果を受けることができる。さらに本実施形態においては、旋回流により生ずる負圧を吐水口にのみ有効に作用させることができるので、吸引力を高めることができ、同時に、吐水口29から吐出する旋回流に気泡が含有されないため、吐水前面29Sの表面には、薄くて均質な水膜が形成される。その結果として、人体51を吐水口29に対して接近させた状態で圧力のバランスを得ることができ、強い吸引マッサージを受けることができる。
【0027】
また、本実施形態によれば、連続的な水膜により吐水口29の周囲が覆われるため、人体51の表面は常に均質な水膜に保護され、吐水部5に接触することがない。このため、人体が吐水部5に接触することによる不快な刺激などが無く、使用感に優れる。さらに、人体51の上で吐水部5を移動させる時にも、連続的な水膜により常に保護された状態のまま、吐水部5を滑るように移動させることかできるため、極めて滑らかに移動することが可能で、極めて優れた使用感が得られる。なお、本実施形態の吐水部5は、浴槽の水(お湯)の中に浸した状態で用いると、旋回室28に空気層(空洞)が形成されない点で、より有利である。
【0028】
本実施形態によれば、強い吸引押圧作用と滑らかな使用感とを両立できる。吐水部5が伸縮自在の水伸縮管24により接続されているので、吐水部5を被処理部位に対して柔軟且つ自在にあてることができる。また、本実施形態によれば、吐水口29の周囲が均質な水膜により保護されるので、被処理部位に対して、強い吸引押圧作用を与えつつ、吐水部5を滑らかに移動させることができる。その結果として、被処理部位は、吸引と押圧とを交互に受け、リズミカルに揉みほぐされた状態となる。そして、使用者は、身体の各部位について吐水部5による吸引押圧マッサージを施し、以下に列挙する効果を得ることが可能となる。
【0029】
まず、皮膚に与える効果としては、吸引と押圧という双方向の刺激を皮膚に与えることにより、線維芽細胞を活性化させ、エラスチンやコラーゲンの生成を促進できる。その結果として、肌の「はり」や「つや」を増進させることができる。また、毛細管の血流量を増加させ、新陳代謝を促進できる。その結果として、皮膚のターンオーバーを促進できる。さらにまた、皮脂や外的な汚れを除去することにより、肌の「きめ」が整う効果も得られる。
【0030】
また一方、皮下脂肪に与える効果としては、吸引圧によって皮下組織をストレッチすることで、皮下脂肪の間の圧迫されたリンパ管や毛細血管を開放する作用が得られ、血流やリンパの循環不良を改善し、皮下脂肪に滞ったリンパや老廃物を排出することができる。さらに、老廃物と脂肪の塊である「セルライト」を揉みほぐすことにより、老廃物の排出を促進し、セルライトを正常な脂肪に改善することができる。
【0031】
また、筋肉に与える効果としては、筋肉組織をストレッチすることにより、筋肉血流を増加させ、乳酸の循環と代謝を促進することにより、筋肉痛を低減し肩こりも解消できる。
【0032】
また、筋肉が緊張しリンパ管を圧迫するような過度の刺激を与えずに、滑らかで快適な吸引押圧マッサージを施すことができるため、リンパ管壁の開放を促進できる。さらに、リンパの流れに沿って吸引押圧マッサージを施すことによって、リンパの流れを促進することができる。その結果として、皮下組織や筋組織に滞った体液をリンパ管に戻し、リンパ管内のリンパ循環も促進できるため、「むくみ」を解消できる。
【0033】
以上、代表的な効果の一部を列挙したように、本実施形態によれば、強い吸引押圧マッサージ効果が得られ、さらに、吐水部を伸縮自在の部材により接続することにより、使用者は身体のいかなる部位に対しても、吐水部を自在に移動させて、上述したような各種の優れたマッサージ効果を得ることができる。
【0034】
図7は、本実施形態の第2の実施例を表す模式断面図である。
すなわち、本実施例においては、水伸縮管24として、コイル状の伸縮自在な部材による配管が設けられている。図4に関して前述したものと同様に、この水伸縮管24は、吐水部5が吐水基部4に収納されている場合では縮んでおり、収納部208に収納されている。一方、吐水部5を吐水基部4から取り出す場合には、水伸縮管24は延伸し、浴槽内に飛び出す形となる。
【0035】
このような伸縮自在な水伸縮管24を設けることにより、吐水部5を吐水基部4に収納した状態で使用することも、吐水基部4から取り外した状態で使用することも容易となる。
【0036】
またここで、本発明においては、加圧水により吸引力を発生させているため、伸縮自在な部材を用いて水伸縮管24を形成することが容易である。例えば、これとは逆に、減圧された空気または液体などを用いて吸引力を発生させる場合について考えると、図2などに例示したような「蛇腹状」の伸縮管は、これら減圧空気または液体を流す場合に、収縮してしまう。このため、使用者が吐水部5を吐水基部4から取り外して使用する場合にも、常に、吐水基部4に向けて「引っ張られた」状態に対抗しつつ使用しなければならず、使用しづらい。
これに対して、本発明においては、加圧水を用いて吸引作用を生じさせるので、伸縮管に収縮応力や引っ張り応力は発生せず、吐水部5を取り外して自由に取り扱うことができる。
【0037】
図8は、本実施形態の第3の実施例を表す模式図である。すなわち、同図は、吐水部5の要部を表す断面図である。
本実施例においては、旋回室28は、略円筒状の第1の旋回室28Aと、吐水口29に向けて内周径が徐々に小さくなる略円錐状の周回壁を有する第2の旋回室28Bと、により構成されている。つまり、入水口201から周壁の接線方向に導入された水は、まず第1の旋回室28Aにおいて旋回流CFを形成し、次に、第2の旋回室28Bにおいて周回径が徐々に狭められ、最後に、吐水口29から円錐状に吐水される。
【0038】
この時、第2の旋回室28Bにおいて、内周径が吐水口29に向けて徐々に狭められているために、旋回流CFの流れに「乱れ」を生じさせることなく、流速を徐々に増加することができる。つまり、第2の旋回室28Bが旋回流CFの「増速路」として作用する。その結果として、吐水口29の近傍における負圧を増強し、吸引力をさらに高めることができる。
またさらに、第2の旋回室28Bの内周壁を略円錐状とし、その円錐面が吐水口29まで連続的に続くように形成すると、第2の旋回室28Bの内周壁を旋回した旋回流CFは、そのまま内周壁の接線方向に沿って吐水口29から吐出される。つまり、吐水口29から吐水される旋回流は、広角の円錐状に拡がる。その結果として、吐水前面29Sの表面に均質な薄い水膜が形成される。そして、図9に例示したように、人体51は、この均質な薄い水膜に保護された状態で、強い吸引押圧マッサージ効果を受けることができる。
【0039】
図10は、本実施形態の第4の実施例を表す模式図である。すなわち、同図も、吐水部5の要部を表す断面図である。
本実施例においては、旋回室28は、吐水口29に向けてストレートに開口する単一の略円筒状の空間を有する。つまり、旋回室28の内径と吐水口29の開口径とはほぼ同一であり、吐水口での「絞り」は設けられていない。旋回室28の形態として、このような略単一の円筒状を採用すると、吐水口に「絞り」を設けた場合と比較して水流の圧力損失を低くすることができ、給水圧力に対して得られる流量を増やすことができる。その結果として、旋回流CFの流量を増加させ、強い吸引押圧作用を得ることができる。またさらに、このような単一の円筒状の旋回室は、製造が極めて容易であり、コストも下げることができる。
なお、本実施例の吐水部5を樹脂の射出成形技術(インジェクション・モールド)などにより形成する場合、旋回室28の形状に「テーパ」を設ける場合がある。すなわち、鋳型に樹脂をモールドし、その後に旋回室28の内部空間を形成するための鋳型突出部を円滑に引き抜くためには、旋回室28の内径を均一ではなく、吐水口29に向けてやや内径が拡がるように形成することが望ましい。本発明は、このようなテーパ状の旋回室28を有するものも包含する。
【0040】
図11は、本実施形態の第5の実施例を表す模式図である。すなわち、同図は、吐水部5の外観を表す斜視図である。
本実施例においては、吐水部5の浴槽内面側に突起71が設けられている。この突起71は、吐水口29を囲むように均一な環状に形成されている。
【0041】
本発明の吐水部により吸引押圧マッサージを実施する場合、吐水口29と人体との間には、吸引力と押圧とがバランスする最適な距離が存在する。しかし、この最適な距離を常に維持することは容易ではない。これに対して、本実施例においては、リング状の突起71を設けることにより、吐水口29までの最適距離を容易に得ることができる。つまり、突起71を被処理部位に軽く押し当てることにより、最適な吸引作用が得られる距離を維持することができる。
また、使用者は、この吐水部5を用いてマッサージを実施する際には、リング状の突起71を被処理部位に軽く押し当てるようにする。前述したように、吐水口29からは旋回流が円錐状に放出されているので、突起71と被処理部位(人体)との間には、均質な水膜が形成される。つまり、被処理部位(人体)は、均質で連続的な水膜により保護されるので、突起71を設けても、被処理部位(人体)に対する不快な刺激は少ない。その結果として、吸引押圧マッサージを続けながら被処理部位の上で吐水部5を滑らかに移動させることができる。
【0042】
またさらに、このようなリング状の突起71を設けることにより、吐水口29から周囲に略円錐状に吐出される旋回流吐水の飛散を抑制できる。その結果として、吐水口29から広角度に飛散する吐水成分による不快感や刺激などを緩和して、使用感が向上する。
以上、図1乃至図11を参照しつつ、本発明の第1の実施の形態について説明した。
【0043】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態として、旋回室に空気を導入可能とした浴槽装置について説明する。
図12は、本発明の第2の実施の形態にかかる浴槽装置の概略模式図である。すなわち、浴槽装置1は、浴槽2と、浴槽内に開口を持つ吸込部3と吐水基部4と、吐水基部4内に収納され着脱可能に構成された吐水部5と、吸込部3と吐水基部4とを結ぶ水配管6と、水配管6の経路内に配設されたポンプ7と、吐水基部4に接続されもう片端が大気開放となっている空気配管8とから構成されている。空気配管8の経路上には空気流量調整バルブ9が設けられている。空気流量調整バルブ9は、入浴者が好みに合わせて空気の流量を調整できるようにしたもので、手動式でもよいし電磁式でもよい。
【0044】
空気配管8の経路上には、浴槽水10がヘッド圧で逆流してこないように逆止弁を設けてもよい。また、大気開放となっている空気配管8の端部は、浴室内の暖かい空気を取り入れるために、浴室内に開放されているのが望ましい。
【0045】
図13は、本実施形態の浴槽装置の吐水部および吐水基部周辺の第1実施例の模式図である。この図は、吐水部5が吐水基部4内に収納されている状態を示している。同図については、図1乃至図12に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、吐水基部4は、水接続管26とともに、空気接続管27を有している。吐水基部4は、浴槽壁21に開けられた浴槽壁穴209の浴槽内壁側から差し込まれ、フランジ207と留め具22でもって浴槽壁21を挟み込むように留められている。フランジ207と浴槽壁21の間にはOリング等のシール材23が配設され、浴槽内部と外部をシールしている。
収納部208内には、吐水部5と水伸縮管(第1の配管)24と空気伸縮管(第2の配管))25が収納されている。
水接続管26の両端は外側水接続部261と内側水接続部262で構成されており、外側水接続部261には水配管6が接続され、内側水接続部262には水伸縮管24が接続されている。
空気接続管27の両端は外側空気接続部271と内側空気接続部272で構成されており、外側空気接続部271には空気配管8が接続され、内側空気接続部272には空気伸縮管25が接続されている。
【0046】
吐水部5は、円筒形の旋回室28と、旋回室円筒端部中央に設けられた吐水口29と、旋回室円筒のもう片方の端部中央に設けられた小穴202と、旋回室円筒壁面に接するように設けられた入水口201を有し、小穴202に通じる空気流路206および空気流路206の外部連絡口である空気流入口204、入水口201に通じる水流路205および水流路205の外部連絡口である水流入口203を有している。
水流入口203には水伸縮管24が、空気流入口204には空気伸縮管25がそれぞれ接続されている。
【0047】
このように構成したことにより、水経路は、浴槽内→吸込部3→水配管6(ポンプ7を含む)→吐水基部4(外側水接続部261→水接続管26→内側水接続部262)→水伸縮管24→吐水部5(水流入口203→水流路205→入水口201→旋回室28→吐水口29)→浴槽内、という循環経路を形成する。また、空気経路は、大気開放→空気配管8(空気流量バルブ9を含む)→吐水基部4(外側空気接続部271→空気接続管27→内側空気接続部272)→空気伸縮管25→吐水部5(空気流入口204→空気流路206→小穴202→旋回室28→吐水口29)→浴槽内という経路を形成する。
【0048】
本実施形態においても、吐水部5が吐水基部4内に収納されている収納時は、浴槽内の入浴スペースを害することがなく、入浴者は入浴スペースを十分に活用でき、快適に入浴を行える。
【0049】
水伸縮管24と空気伸縮管25は、例えば蛇腹管やコイル管のような、伸縮自在な部材で形成されている。吐水部5が吐水基部4に収納されている場合は縮んでおり、収納部208に収納されている。図15に示すように、吐水部5を吐水基部4から取り出す場合には、水伸縮管24と空気伸縮管25は延伸し、浴槽内に飛び出す形となる。この際、水伸縮管24と空気伸縮管25は一つにまとめられているのが好ましく、水伸縮管24と空気伸縮管25が絡まったりして入浴者を煩わせることがない。
【0050】
図14は、本実施形態の第2の実施例を表す断面図である。本実施例においては、水伸縮管34と空気伸縮管35の部分を二重管構造としている。これに接続するため、吐水基部31の水接続管36と空気接続管37、および吐水部32の水流路305と空気流路306も、それぞれ二重管構造としている。これにより、水伸縮管34と空気伸縮管35がよりコンパクトになり、また断面形状が円であることから、どの方向に屈曲しても操作感に違和感がなく、入浴者は無理することなくどの向きにも操作することが可能となる。
【0051】
ここで、吐水部5から吐水される吐水形態について述べる。ポンプ7によって圧送された水は、吐水部5において入水口201より旋回室28に流入する。この際、入水口201は、図3に例示した如く、旋回室28の円筒内壁に接するように開口してあるので、圧送水は旋回室28の円筒壁面接線方向に流入し、旋回室28内を旋回しながら吐水口29へと向かう流れとなる。
【0052】
旋回室28内で発生した旋回流は、図4に関して前述したように、遠心力により旋回流の外周部において圧力を上昇させ、また中心部では圧力を低下させ負圧部を形成させる。こうして、旋回室28の円筒端部中央に設けられた吐水口29と小穴202を結ぶ軸線に負圧部が形成され、両端から各々の流体が流入することとなる。このとき、吐水口29と小穴202の断面積比を適当に選ぶことによって、旋回流を引き起こした圧送水を、吐水口29からのみ吐水させることが可能である。
また、吐水口29側が液体(ここでは浴槽水10)で満たされている場合は、その密度比から圧倒的に小穴202側から空気配管8を通じて空気が旋回室28内に吸い込まれ、上記軸線上に空気柱を形成する(図19参照)。空気柱は、吐水口29近傍で吐水口29側から流入しようとする浴槽水82とぶつかり、および旋回室28から速度を速めて吐水口29から吐出しようとする旋回流となった圧送水のせん断力により引きずられ、形状を微細な気泡と変えながら、圧送水と共に浴槽水10内に吐出される。
【0053】
こうして、吐水口29から吐出する圧送水は、気泡が混入された気泡混入水となり、旋回成分をもった円錐形の吐水となる。この場合の円錐形吐水形状は、吐水口29の断面積および吐水口29の浴槽内側開口端の形状により変化する。
【0054】
気泡の量及び径は空気流量調整バルブ9を調整することにより可変である。気泡の径は、空気流量が少なければ小さくなる。空気流量調整バルブ9を全閉して、気泡混入のない吐水とすることも可能である。また、ポンプの圧送能力を変化させることで、負圧発生量を変化させることができるので、これによっても気泡の量および径を変化させることも可能である。
このように、本実施形態の浴槽装置は、普通の気泡浴装置としても使用が可能である。
またさらに、本実施形態においては、混入させる気泡量を変化させることによって、吐水口29において生ずる吸引力を調節することも可能である。
【0055】
旋回室28は、吐水方向に対しての垂直断面形状が円形状であれば円筒でも円錐でもよく、またその連続体でも構わない。図8乃至図10に例示したような形状としてもよい。但し、小穴202側から吐水口29側に移行するにつれて、旋回室28はその断面積を連続して変化させる形状としたほうが、圧力損失の面から、好ましい。
また、入水口201は、図3(b)に例示した如く旋回室28の壁面に接するように複数個設けてもよい。
【0056】
図16に示すようにこの装置を吸引マッサージ装置として利用することも可能である。つまり、吐水口29近傍に人体51を近づけると、前記負圧部により人体は吐水口29内に吸引される。図4乃至図6に関して前述したように、この際、吐水口29から吐出される気泡混入水により、吸引される部位の周囲は逆に押圧される。こうして吐水口29近傍に人体を近づければ、吸引と押圧という、相反するマッサージ効果を人体の局所で行うことができ、血行促進に効果的である。
【0057】
図15に示す第3実施例では、吐水基部40は吐水部45を収納時に確実に収納する把持機構を備えている。すなわちJ字溝41がそれで、吐水部45の側面に設けられた留め突起42と合うように形成されている。留め突起42とJ字溝41が合うように吐水部45を吐水基部40内に挿入し、突き当たりで吐水部45を反時計周りに回すことで把持が完了する。この時、J字溝41の溝方向は吐水部45の入水口201の入水方向を考慮し、入水方向と逆方向とするのが好ましい。すなわち、旋回室28への入水方向が時計回りの場合、入水流からの反作用で吐水部45には反時計周りの力が加わる為、J字溝41は反時計回り方向にすれば、水流によって留め突起は更にJ字溝奥へと導かれ、収納の安全性が増す。
【0058】
また、図15に示す第3実施例では、吐水部45の浴槽内面側に突起43を設けている。この突起43は、入浴者が吐水部45を吐水基部40から引き出す時に突起43を掴むことにより引き出せるよう構成したもので、特に吐水口を中心に円周上に複数配置するのが吐水部45全体に均一に力が加わるため、入浴者は手を滑らすことなく、操作性が向上する。また、突起43は単なる把持用機構としての役割だけではなく、人体への指圧用にも使用可能である。
【0059】
また、突起43は特に吸引マッサージの際に特異な効果を示す。図17において、吸引作用は吐水口29と人体61との位置関係によってその吸引力が変化するが、突起43の吐水口29からの出っ張り高さを適当にすることで、突起43を吸引力の発生ポイントとみなす目安とすることが可能となる。つまり、突起43を人体に接触させれば吸引効果が得られる、という目安となる。これは、例えば本発明の浴槽装置を介護用に使用しようとした場合、介護者が被介護者の人体に沿って吐水部を操作することになるが、その際、吸引効果が発生しているか否かの判断を、突起が人体に接触しているかどうかで判断することが可能となり、介護者の使用性が向上する。
また、突起を接触した状態で人体に対して押し引きをすることにより、人体61と吐水口29の距離を自在に変化させることができ、吸引押圧力を変化させることが可能となる。人体61と吐水口29の最適距離は非常に微妙であり、遠すぎても近すぎても吸引力が低下する、空気混入量が減るといった不具合があるが、突起があることによってそれらのバランスを適度に保つことが可能となる。
【0060】
図18は、実施形態の第4実施例の吐水部75を表す斜視図である。すなわち、本実施例においては、吐水部75の浴槽内面側に突起71が設けられている。突起71は、吐水口72を囲むように環状に形成され、かつ環状の一部が切り欠いてある構造である。例えば、吸引押圧効果を頬に使用したい場合など、吐水口29を浴槽水中から大気中に出して使用したいという場合がある。大気中で吸引押圧効果を得ようとすると、人体と吐水口との位置決めは水中で使用する場合よりもより厳しいものとなる。なぜなら、吐水口が一部でも大気に開放されると、空気柱が吐水口から小穴まで連通し中央の負圧部は大気となり、吸引力が発生しないからである。つまり、吐水口と人体の間に疑似水中を形成しなければ、吸引力は発生しない。本実施例の突起71は、吐水口72を囲むように環状に形成されているため、突起71を人体に接触させるように使用すれば、吐水口と人体の間に水が溜まりやすく、疑似水中を容易に形成でき、吸引押圧効果を得ることが可能となる。
一方で、浴槽水中内での使用では気にならなかった噴出水の飛散は、大気中の使用では使用者の不快感を喚起するものである。本実施例の突起71は、完全なる環状にはせず、一部を切り欠くことによって、噴出水に逃げ場を与えている為に飛散が少なく、使用者は快適に使用することができる。
【0061】
図20は、本実施形態の第5実施例を表す吐水基部の斜視図である。すなわち、吐水基部93は、空気溝91と水抜き溝92とを有している。吐水基部93が設置された状態で、空気溝91は鉛直上側の内面、水抜き溝92は鉛直下側の内面に形成され、それぞれ吐水基部93内の水空気伸縮管が収納される収納部まで伸びている。
このように構成されたことで、入浴者が吐水部を吐水基部内に収納しようとする際に、収納部内に満たされていた浴槽水は、空気溝91及び水抜き溝92を通じて抜けていく為、入浴者は容易に吐水部を収納させることができ、操作性が向上する。また、浴槽水10を浴槽2から抜く際に、収納部に取り残された浴槽水は残りがちであるが、空気溝91から大気開放となり、水抜き溝92から収納部の浴槽水は抜けていくため、収納部に浴槽水は溜まらず、衛生性が向上する。 空気溝91および水抜き溝92は、図15におけるJ字溝41の一部を兼ねてもよい。
【0062】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、本発明の浴槽装置における浴槽と吐水部との配置関係について説明する。
図21は、本実施形態の第1の実施例を表す模式図である。すなわち、同図は、浴槽装置1における浴槽2と吐水部5との配置関係を表す。ここで、吐水部5は、第1実施形態に関して前述したものあるいは第2実施形態に関して前述したもののいずれを用いてもよい。なお、図12に例示した空気配管8及び空気流量調節バルブ9は、適宜設けられるが、図示を省略した。
本実施例においては、図1及び図12に例示したものと同様に、吐水基部4が浴槽2の中に設けられている。使用状態においては、吐水基部4は、浴槽2内にはられた湯の中に水没し、または、湯よりも上にあってもよい。
【0063】
本実施例においては、図21(a)に表したように、吐水基部4に吐水部5を収納した状態で、使用者は、浴槽2内に入浴し吐水部5に被処理部位をあてがうことにより吸引押圧マッサージを受けることができる。この時、吐水部5は、水没していてもよく、お湯よりも上に露出していてもよい。但し、第1実施形態にかかる吐水部5を設けた場合には、吐水部5を水没させたほうがより強い吸引マッサージを受けることができる。
また、第2実施形態に関して前述したように、吐水部5を吐水基部4に収納した状態で空気を導入すれば、いわゆる気泡浴装置として使用することもできる。
【0064】
また一方、図21(b)に表したように、吐水部5を吐水基部4から取り外して用いることができる。本発明においては、吐水部5が蛇腹管やコイル管などの伸縮自在な部材により形成されているので、使用者は、吐水部5を自由な位置に移動させ、被処理部位に向けて使用することができる。この時、本発明においては、水伸縮管24及び空気伸縮管25は加圧状態であるので、これら伸縮管が引っ張られるような不都合も生じない。
【0065】
なお、本実施例においては、ポンプ7により浴槽2内のお湯(水)を吐水部5に供給する。つまり、浴槽2内のお湯を循環使用する点で、節水効果が高い。また、循環使用であるので、吐水部5に供給する流量を増加しても水を無駄にすることはなく、大流量による強い吸引押圧マッサージ効果を得ることが容易となる。
【0066】
図22は、本実施形態の第2の実施例を表す模式図である。同図については、図1乃至図21に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、浴槽2のお湯を循環させるポンプの代わりに、お湯(または水)の供給部400が設けられている。供給部400としては、例えば、浴槽2にお湯を供給するための給湯器を兼用することができる。
本実施例の場合には、供給部400を設けることより、浴槽2内にお湯がない状態においても、吐水部5を用いた吸引押圧マッサージを受けることができる。もちろん、浴槽2内にお湯がはられた状態においても、吸引押圧マッサージや気泡浴を同様に実施することができる。
そして、図22(b)に表したように、伸縮管24(25)を伸ばすことにより、吐水部5を取り外して所望の被処理部位に向けて使用することができる。また、本実施例においては、図21に関して前述したようなポンプ7や循環のための水配管6を設ける必要がないため、浴槽装置の構造を簡略化させ、低コストで提供することが可能である。
【0067】
図23は、本実施形態の第3の実施例を表す模式図である。同図についても、図1乃至図22に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、吐水基部4が浴槽2の周縁の、いわゆる「エプロン」の部分に設けられている。気泡浴を行わず、吸引押圧マッサージを主体として実施するような場合には、吐水部5を簡単に取り外し、使用者の人体の各所に容易にあてがうことができるようにすることが望ましい。吐水基部4を浴槽2のエプロンに設置すると、吐水部5を取り外すことが極めて容易となる。また、浴槽2内に入浴した状態で、吐水部5が邪魔になる心配もない。
そして、本発明においては、伸縮自在の部材からなる伸縮管により吐水基部4と吐水部5とを接続することにより、吐水部5を自在に取り扱うことができる。
【0068】
また、本実施例においても、ポンプ7により浴槽2内のお湯を循環使用する点で、節水効果が高く、大流量による強い吸引押圧マッサージ効果を得ることも容易となる。
【0069】
図24は、本実施形態の第3の実施例を表す模式図である。同図についても、図1乃至図23に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においても、吐水基部4が浴槽2の周縁の、いわゆる「エプロン」の部分に設けられている。このため、吐水部5を取り外すことが極めて容易となる。また、浴槽2内に入浴した状態で、吐水部5が邪魔になる心配もない。
また、本発明においても、伸縮自在の部材からなる伸縮管により吐水基部4と吐水部5とを接続することにより、吐水部5を自在に取り扱うことができる。さらに、ポンプ7や循環のための水配管6を設ける必要がないため、浴槽装置の構造を簡略化させ、低コストで提供することが可能である。
【0070】
(実施例)
次に、本発明の実施例として、旋回室に導入する空気量と得られる吸引力との関係について説明する。すなわち、本発明者は、旋回室に導入する空気の流量を変化させ、得られる吸引力について独自に測定を実施した。
【0071】
図25は、本発明者が実施した測定の方法を表す模式図である。
すなわち、吐水口29の正面に受圧板510を設けた。受圧板510の中央に開口520を設け、マノメータ530によってこの開口520における圧力を測定した。この際に、開口520をマノメータ530の負圧入力530aに接続し、大気圧から負圧側に生ずる圧力差を測定した。
【0072】
測定に際しては、受圧板の開口520を吐水口29の中心軸上に配置した。そして、入水口201から旋回室28に水を導入して旋回流を形成し、小穴202から導入する空気の流量をバルブ9により変化させて、開口520における圧力を測定した。
【0073】
図26は、圧力の測定結果を表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は、旋回室28に導入した空気の流量を表し、縦軸は開口520における圧力差を表す。なお、縦軸の圧力差は、大気圧から負圧側への圧力差であり、数値が上昇するほど、圧力が低下することを表す。
また、この測定に用いた旋回室28の内径は45mmφ、吐水口の開口径は25mmφ、入水口201の開口面積は89mm2、小穴202の開口径は2mmφ、小穴202から吐水口29までの距離は45mmである。また、受圧板510は、一辺が75mmの正方形状であり、その中央に設けられた開口520の開口径は2mmφとした。
測定に際しては、旋回室28及び受圧板510を水中に沈め、受圧板の開口520と吐水口29との間隔を7mmとし、入水口201から毎分23リッター(L)の水を供給して旋回流を形成した。
図26を見ると、空気流量が概ね毎分0.1リッターを境にして、特性曲線の傾斜が顕著に変化することが分かる。つまり、空気流量が約0.1リッター以下の範囲においては、空気流量の増加に応じて圧力差が急激に低下する。空気を全く導入しない場合には、圧力差はおよそ12000Paであるのに対して、空気流量を毎分0.1リッターとすると圧力差は4000Pa弱にまで低下する。 一方、空気流量が毎分0.1リッターを超えると、圧力差の変化は、はるかに緩やかになり、毎分1リッター以上の空気を導入しても圧力差はおよそ2000Paである。
【0074】
このように、本発明において、旋回室28に導入する空気の流量を変化させると、得られる圧力に極めて臨界的な変化が生ずる。このような独特の特性を利用することにより、各種の効果を得ることが可能となる。
まず、図26において、空気流量が概ね毎分0.4リッター以上の条件は、気泡浴に適している。すなわち、吐水口29から放出される旋回流に大量の気泡を混入させることにより、気泡のマッサージ効果が顕著に得られる。例えば、気泡が被処理部位(人体)に衝突して破裂する際に生ずる超音波などによる振動は、高いマッサージ効果を与える。なおこの場合、図26から分かるように、圧力差すなわち吸引力は低いが、気泡浴の場合には、被処理部位(人体)を吐水口29からある程度離し、気泡流に包まれるようにして受けることが多いので、吸引作用はさほど必要とされない。
【0075】
一方、空気流量を概ね毎分0.1リッターよりも低下させると、吸引力が急激に上昇する。従って、この条件においては、気泡流によるマッサージ効果と吸引押圧作用によるマッサージ効果とを併せて得ることができる。例えば、圧力差が6000Pa前後の条件において、吐水口29を被処理部位(人体)に接近させると、気泡流によるマッサージ効果とともに、図4乃至図6に関して前述したような吸引押圧マッサージ効果が得られる。この場合には、例えば、図15に関して前述したように、浴槽の水中で吐水部5を被処理部位に押し当てて使用することが望ましい。
【0076】
そしてさらに空気流量を低下させ、ほぼゼロとした場合には、圧力差が12000Paにまで上昇し、極めて強い吸引力が得られる。このように、空気を導入しない場合には、気泡によるマッサージ効果は得られないが、強い吸引押圧マッサージ効果が得られ、第1実施形態に関して前述したような各種の作用効果が期待できる。一般に、ある刺激を与えることにより所定の生体効果を得るためには、一定値以上の刺激が必要とされる場合が多い。従って、セルライトを正常な脂肪に改善することなどの生体効果を効果的に得るためには、所定値以上の吸引力を与えることが重要であると考えられる。本発明によれば、空気流量を低下させあるいはゼロとすることにより、極めて強い吸引押圧作用が得られ、気泡を導入するマッサージとは異質の各種の生体効果を得ることが可能となると考えられる。なおこの場合には、旋回室の中に空気の空洞が形成されると吸引力が低下するので、浴槽の水中に吐水部5を水没させた状態で使用することが望ましい。
【0077】
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
すなわち、本発明の浴槽装置を構成するいずれかの要素について当業者が設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0078】
例えば、吐水部における旋回室の形状や吐水口とのサイズの比率、あるいは入水口の位置関係などについては、旋回流が得られ、その結果として負圧部が形成される範囲内であれば、本発明に包含される。
【0079】
また、吐水基部と吐水部とを接続する伸縮自在の部材に関して当業者が適宜選択して用いた浴槽装置も、本発明の範囲に包含される。
また、例えば、第2実施形態に関して前述したそれぞれの構成から旋回室に空気を導入するための要素を取り除いたものは、すべて本発明の第1の実施形態として本発明の範囲に包含される。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る浴槽装置によれば、加圧水の旋回流により生ずる吸引押圧マッサージ効果が得られる。しかも、吐水基部と吐水部とを伸縮自在の部材により連結したことにより、その吐水部を吐水基部に収納した状態においても、また、吐水基部から取り外した状態においても、自在に使用することができる。その結果として、皮膚、皮下脂肪、筋肉、リンパ管などの各所に高いマッサージ効果を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる浴槽装置の全体構成を例示する模式図である。
【図2】第1実施形態の浴槽装置の吐水部および吐水基部周辺の第1実施例の模式図である。
【図3】旋回室28における旋回流の形成を説明するための模式図である。
【図4】第1実施形態における旋回流の吸引作用を説明するための模式図である。
【図5】吐水口29の中央付近において、強い吸引力NPが生ずる様子を例示する模式図である。
【図6】第1実施形態の吐水部により人体を吸引する状態を表す模式図である。
【図7】第1実施形態の第2の実施例を表す模式断面図である。
【図8】第1実施形態の第3の実施例を表す模式図である。
【図9】均質で薄い水膜が形成されることにより、人体51を吐水部5に十分に接近させて強い吸引力が得られる状態にバランスさせることができることを説明するための模式図である。
【図10】第1実施形態の第4の実施例を表す模式図である。
【図11】第1実施形態の第5の実施例を表す模式図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態にかかる浴槽装置全体の実施例を示す概略模式図である。
【図13】第2実施形態の第1実施例の吐水部および吐水基部周辺を示す模式図である。
【図14】第2実施形態の第2実施例の吐水部および吐水基部周辺を示す模式図である。
【図15】第2実施形態の第3実施例の吐水部および吐水基部周辺を示す斜視図である。
【図16】第2実施形態の第1実施例の吐水部と人体吸引の様子を示す模式図である。
【図17】第2実施形態の第3実施例の吐水部と人体吸引の様子を示す模式図である。
【図18】第2実施形態の第4実施例の吐水部を示す斜視図である。
【図19】第2実施形態の吐水部の浴槽中での吐水の様子を示す模式図である。
【図20】第2実施形態の第5実施例の吐水基部を示す斜視図である。
【図21】本発明の第3の実施形態の第1の実施例を表す模式図である。
【図22】第3実施形態の第2の実施例を表す模式図である。
【図23】第3実施形態の第3の実施例を表す模式図である。
【図24】第3実施形態の第3の実施例を表す模式図である。
【図25】本発明者が実施した測定の方法を表す模式図である。
【図26】圧力の測定結果を表すグラフ図である。
【符号の説明】
1…浴槽装置       2…浴槽
3…給水部        4…吐水基部
5…吐水部        6…水配管
7…ポンプ        8…空気配管
9…空気流量調整バルブ  10…浴槽水
21…浴槽壁        22…留め具
23…シール材       24…水伸縮管
25…空気伸縮管      26…水接続管
261…外側水接続部    262…内側水接続部
27…空気接続管      271…外側空気接続部
272…内側空気接続部   28…旋回室
28A、28B…旋回室   29…吐水口
29S…吐水前面      201…入水口
202…小穴        203…水流入口
204…空気流入口     205…空気流路
206…空気流路      207…フランジ
208…収納部       209…浴槽壁穴
31…吐水基部       32…吐水部
34…水伸縮管       35…空気伸縮管
36…水接続管       37…空気接続管
305…水流路       306…空気流路
40…吐水基部       41…J字溝
42…留め突起       43…突起
44…二重伸縮管      45…吐水部
46…吐水口        400…供給部
51…人体         61…人体
62…吐水口        71…突起
72…吐水口        75…吐水部
81…空気柱        82…浴槽水
91…空気溝        92…水抜き溝
93…吐水基部       CF…旋回流
NA…負圧部        NP…吸引力(負圧)
PP…押圧

Claims (7)

  1. 浴槽と、
    前記浴槽の内面または周縁に設けられた吐水基部と、
    前記吐水基部に脱着可能に設けられ、室内に旋回流を生じさせるよう設けられた入水口と、前記旋回流を吐水するように設けられた吐水口と、を有する旋回室を有する吐水部と、
    前記吐水基部内に収納可能とされ、前記吐水基部と前記吐水部とを接続し前記旋回室に水を供給する伸縮自在な第1の配管と、
    を備えたことを特徴とする浴槽装置。
  2. 前記吐水部は、前記旋回流の旋回方向とは逆の方向に回転させることにより前記吐水基部に固定可能とされたことを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
  3. 前記吐水部は、前記吐水口よりも突出した突起を有することを特徴とする請求項1または2に記載の浴槽装置。
  4. 前記旋回室における前記吐水口の対向面に小穴が設けられ、
    前記小穴と前記吐水基部とを接続し前記小穴に空気を供給する伸縮自在な第2の配管をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の浴槽装置。
  5. 前記第1及び第2の配管は、前記第1の配管の中に前記第2の配管が設けられた二重管構造を有することを特徴とする請求項4記載の浴槽装置。
  6. 前記第1の配管は、コイル管または蛇腹管であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の浴槽装置。
  7. 前記浴槽内の水を前記第1の配管に送出するポンプをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の浴槽装置。
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