JP4092648B2 - マッサージノズル及びマッサージシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水道水又はポンプなどの水の圧力を利用して、ノズル内で旋回水流をつくり、その中心部に負圧を生じさせて吸引作用を持たせ、身体に吸引圧を作用させるマッサージノズル及びこれを用いたマッサージシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
身体の皮膚表面をマッサージして血液の循環を活性化する美容や健康増進を目的としたマッサージ器は広く用いられている。このような従来のマッサージ器としては、例えば電動式の肩たたき器や腰もみ器、減圧状態にした吸入孔を身体表面に吸着させて使う器具など等が知られている。
【0003】
しかしながら、このような従来のマッサージ器は単に揉むだけ、または吸引するだけのもので、マッサージ効果として十分満足できるものではなく、使い勝手と、優れたマッサージ効果を兼ね備えて実現したものはこれまでになかった。
【0004】
水を用いたマッサージ装置としては、ノズル内部の周壁に沿って加圧液体を接線方向に流入させ、且つ外気を導入して気泡を生じさせるとともに、吐水口近傍で吸引することができる吸引マッサージ気泡噴流装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。この考案では、吐水口近傍に複数個の突起を設けたことでノズルの身体への押し圧の変化により、吐水流の強弱を変化させることができる。
【0005】
また、一端を閉じ、他端を開放状とした円筒体内にその内周接線方向に加圧液体を導入する開口と、上記閉塞端に円筒体の中心位置で外気を導入する開口とを設け、さらに、円筒体の外側に案内筒を設けて吐水口近傍で吸引することができるマッサージ器が考案されている(例えば、特許文献2参照)。この発明では、吐出された水が案内筒により方向を反転して流れることにより、吐水口近傍の負圧部が拡大した状態で身体を吸引することができる。
【0006】
【特許文献1】
実開昭63−74134公報
【特許文献2】
実開平4−55337公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらのマッサージ装置においては、吐水口と皮膚接触面の距離を自由に調節できないために、吸引力や吸引力が及ぶ範囲を自由に調節することが困難であった。
【0007】
また一方、皮膚に対して吐水口が傾斜すると、吸引力が低下し、マッサージ作用が不十分となる。このため、使用者は、マッサージ中に、常に吐水口が皮膚に対して平行となるようにマッサージノズルの角度を調節しなければならないという問題があった。
【0008】
本発明はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸引力や吸引範囲を自在に調整でき、マッサージノズルの角度を調節しなくとも安定した吸引力を得ることも可能なマッサージノズル及びこれを用いたマッサージシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマッサージノズルは、室内に旋回流を生じさせるように設けられた入水口と、前記旋回流を吐水するよう設けられた吐水口と、を有する旋回室と、前記吐水口よりも突出した先端部を有するガイド部と、を備え、前記吐水口から前記先端部までの距離を調整可能としたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、吸引力や吸引力が及ぶ範囲を自在に調整することが可能となる。その結果として、皮膚に対する吸引力や吸引力によって生ずる皮膚の変位量を好みに応じて調節することができ、使用者の好みの引っ張り感やマッサージ効果を得ることができる。また、ガイド部や吐水流による押圧の刺激感を大きく変化させることも可能なマッサージノズルを提供することができる。
【0011】
ここで、前記先端部を前記吐水口から遠ざかる方向に付勢する弾性手段と、前記吐水口から前記先端部までの距離の上限を規定する規定手段と、をさらに備え、前記弾性手段に対抗する応力を前記先端部に負荷することにより前記吐水口から前記先端部までの距離を縮小可能とすることができる。
【0012】
使用者は、マッサージノズルを被処理部位(人体)に押し当てる力を変えることによって、吐水口と被処理部位との距離を自在に調節することができる。その結果として、吸引力や吸引力が及ぶ範囲を自在に調整することが可能となる。つまり、皮膚に対する吸引力や吸引力によって生ずる皮膚の変位量を好みに応じて調節することができ、使用者の好みの引っ張り感やマッサージ効果を得ることができる。また、ガイド部や吐水流による押圧の刺激感を大きく変化させることも可能なマッサージノズルを提供することができる。
【0013】
また一方、前記ガイド部は、少なくともその一部が変形可能な材料により形成されてなり、前記材料を変形させることにより前記吐水口から前記先端部までの距離を縮小可能とすることができる。
【0014】
例えば、ガイド部の一部または全体をスポンジなどの変形可能な材料により形成すれば、使用者がマッサージノズルを押し当てる力を変えることによって、ガイド部が伸び縮みするため、吐水口から被処理部位(人体)までの距離を自在に調節することができる。その結果として、吸引力や吸引力が及ぶ範囲を自在に調整することが可能となる。つまり、皮膚に対する吸引力や吸引力によって生ずる皮膚の変位量を好みに応じて調節することができ、使用者の好みの引っ張り感やマッサージ効果を得ることができる。また、ガイド部や吐水流による押圧の刺激感を大きく変化させることも可能なマッサージノズルを提供することができる。
【0015】
また一方、前記吐水口から先端部までの距離を前記先端部のうちの一部のみでも調節可能とすることができる。
【0016】
すなわち、ガイド部に対してスプリングなどの弾性部材による付勢力を加えたり、スポンジなどの変形可能な材料によって形成した場合に、ガイド部を不均一に傾斜させまたは変形させることができる。つまり、ガイド部の先端部を、被処理部位に角度や凹凸に応じて柔軟に変位させることができる。つまり、ガイド部の先端部を被処理部位の傾斜や凹凸に追従させることができ、吸引力の低下などを防ぐことができる。その結果として、使用者は、マッサージノズルの角度を細かに調節することなく、身体の各部位に対して安定した吸引力を発揮させたマッサージを実施することができる。
【0017】
また一方、前記ガイド部は、マッサージノズルに着脱可能に設けられ、前記吐水口からの突出量が異なるガイド部に交換することにより前記吐水口から前記先端部までの距離を調整可能とすることができる。
【0018】
マッサージノズルに着脱可能な複数のガイド部を用意すれば、吐水口から先端部までの距離の調節範囲を極めて広い範囲に拡げることができる。同時に、ガイド部の開口形状や突出形状も変えることが可能となり、吸引押圧の刺激感を大きく変化させることが可能となる。すなわち、皮膚に対する吸引力や、吸引力によって生じる皮膚の変位を好みに応じて選択して使用することが可能となる。さらにまた、例えば、使用者に応じて別のガイド部を使い分けることも可能であり、使用対象が拡がるとともに、衛生管理の観点からも優れたマッサージノズルを提供できる。
【0019】
また一方、前記ガイド部は、前記吐水口とともに吐水部を構成し、前記吐水部は、マッサージノズルに着脱可能に設けられ、前記吐水口から前記先端部までの距離が異なる吐水部に交換することにより前記吐水口から前記先端部までの距離を調整可能とすることができる。
【0020】
マッサージノズルに着脱可能な複数の吐水部を用意することによっても、吐水口から先端部までの距離の調節範囲を極めて広い範囲に拡げることができる。同時に、吐水口やガイド部の開口形状や突出形状も変えることが可能となり、吐水口の径を変えることにより吐水口近傍の押し圧や吸引力を変化させることができるとともに、先端部までの距離を調節することにより吸引押圧の刺激感を大きく変化させることが可能となる。さらにまた、例えば、使用者に応じて別の吐水部を使い分けることも可能であり、使用対象が拡がるとともに、衛生管理の観点からも優れたマッサージノズルを提供できる。
【0021】
また一方、前記ガイド部は、第1のガイド部と、前記第1のガイド部に着脱可能な第2のガイド部とを有し、前記第2のガイド部の有無により前記吐水口から前記先端部までの距離を調整可能とすることができる。
【0022】
第1のガイド部に着脱可能な第2のガイド部を用意すれば、吐水口から先端部までの距離の調節範囲を極めて広い範囲に拡げることができる。同時に、ガイド部の開口形状や突出形状も変えることが可能となり、吸引押圧の刺激感を大きく変化させることが可能となる。すなわち、皮膚に対する吸引力や、吸引力によって生じる皮膚の変位を好みに応じて選択して使用することが可能となる。さらにまた、例えば、使用者に応じて第2ガイド部を使い分けることも可能であり、使用対象が拡がるとともに、衛生管理の観点からも優れたマッサージノズルを提供できる。
【0023】
また一方、前記吐水口から前記先端部までの距離を段階的に調整可能とした調節手段を備えたものとすることができる。
【0024】
例えば、ネジ式、段差式、ラッチ式などの各種の機構を利用してガイド部の突出量を段階的に調整可能とすれば、吸引力や吸引範囲を簡易に調整でき、また調節した状態を固定して使用することも容易となる。
【0025】
ここで、前記ガイド部、前記吐水部、前記第2のガイド部または前記調節手段は、前記旋回流の旋回方向に回転させることにより固定可能とすることができる。
【0026】
例えば、旋回流の旋回方向が時計回りの場合、ガイド部や吐水部には、旋回流の作用により時計周りの力が加わる。そこで、この方向に回転させて固定可能とすれば、水流によってガイド部や吐水部などは固定される方向へと導かれる。従って、マッサージノズルを使用中に、これらガイド部や吐水部などが回転したり、若しくは浴槽内に飛び出したりすることが無くなり、信頼性が向上する。
【0027】
また一方、前記ガイド部は、前記吐水口を取り囲む略円筒状に形成されてなるものとすることができる。
【0028】
ガイド部を略円筒状に形成すれば、吐水口から吐水された水の飛散を抑制できる。また、吐水された水がガイド部先端部と皮膚との間に介することによって移動時の摩擦が抑えられるため、マッサージノズルをスムーズに移動させることができる。また、吐水口と被処理部位(人体)との間隔を最適な範囲に維持することも容易となる。すなわち、吐水口近傍には、吸引力と吐水流による押圧力とのバランスが最適な領域が存在する。略円筒状のガイド部を設け、その先端を被処理部位に押し当てるように使用すれば、被処理部位を常にこの最適な領域に維持して最良のマッサージ効果を再現できる。
【0029】
また一方、前記ガイド部は、その側面に貫通口を有するものとすることができる。
【0030】
このような構成とすることによって、人体にマッサージノズルを接触させて吐水する場合に、吐水口から出た水がガイド部先端と人体を介し流れるとともに、一部の水は貫通口を通して漏れ出すため過剰な吐水力が皮膚に達することを抑制できる。よって、吐水量が多い場合などは吐水による皮膚への押し圧と吸引力を調整することができる。同時に、吐水口から先端部までの距離の調節も容易となる。
【0031】
前記ガイド部は、前記吐水口の周囲に設けられた複数の突起からなるものとすることができる。
【0032】
複数の突起を設けることにより、いわゆる「つぼ押し」の効果が得られる。また、これら突起のそれぞれの突出量を調節可能とすれば、被処理部位の傾斜や凹凸に柔軟に追随させることができる。
【0033】
一方、本発明のマッサージシステムは、送水手段と、上述のいずれかのマッサージノズルと、を備え、前記送水手段から前記マッサージノズルの前記入水口を介して前記旋回室に水を供給し、使用者が前記マッサージノズルの前記吐水口に形成される負圧部を利用した吸引マッサージを実施可能としたことを特徴とする。 上記構成によれば、 上記構成によれば、吸引力や吸引範囲を自在に調整でき、マッサージノズルの角度を調節しなくとも安定した吸引力を得ることも可能となり、使用者は、好みに応じた吸引力の自在な制御を手元で実行でき、使用性に優れたマッサージシステムを提供できる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0035】
図1〜図3は、本発明の実施の形態にかかるマッサージノズルの構成図であり、図1は斜視図、図2は断面図である。また、図3は、図2のA−A線断面図である。
マッサージノズル10は、円筒状の旋回室3を有しかつ旋回室3の周壁の接線方向に開口した入水口5を有する旋回部1と、入水口5へ連通するよう開口された導入路6を内部に有する接続部2と、吐水口4を有しかつ旋回室3から吐水口4へと断面積が滑らかに変化するよう設けられた旋回流路7と、マッサージノズル10の吐水口4が設けられた面から突出するガイド部50と、を有する。そしてさらに、吐水口4からガイド部50の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HAが設けられている。なお、図2に例示した距離調整手段HAは、概念的な表示に過ぎず、その形状や位置に関しては、後に本発明の実施例を参照して詳述するように種々の具体例を挙げることができる。
【0036】
なお、図1及び図2に例示したガイド部50は、略円筒体の形態を有し、その内径は、例えば、吐水口の内径D1よりも大きく、かつ、マッサージノズル外径D2よりも小さな範囲とすることができる。ガイド部50の内径が吐水口4の内径D1よりも大きいと旋回吐水流を皮膚に作用させることができマッサージ効果が高まる。また、ガイド部50の内径がマッサージノズルの外径D2よりも小さいと、被処理部位にあてがいやすく、操作性に優れる。
【0037】
ただし、ガイド部50の形状は図1のような円筒体には限定されず、その他、楕円筒体や多角形の筒状体、もしくは不定形の筒状体でも構わない。またさらに、ガイド部50は内径が一定の筒状体には限定されない。すなわち、本発明のガイド部50は、先端50Pに近づくにつれてその内径が拡がる拡開状の筒状体であってもよく、またこれとは逆に先端50Pに近づくにつれてその内径が縮小される先絞り状の筒状体であってもよい。
吐水口4の面積は大きければ人体に対する吸引を受ける面積が大きくなり、広い範囲を一度にマッサージすることが可能となる。一方吐水口の面積が小さければ人体の凹凸に対応して人体細部までマッサージすることができ、使用者のニーズに応えることが可能となる。
【0038】
吐水口4の大きさは、人体と接触させ作用することを考慮するとφ5mmからφ80mmが望ましい。吐水口の径がφ80mmよりも大きいと人体の起伏にそって操作しにくく、また装置が大きくなるため操作性に乏しいからである。また、吐水口4の大きさの上限をφ50mmとすると、人体の起伏に対してさらに柔軟に追従させることが可能となり、操作性も向上する点でさらに望ましい。また逆に、吐水口の径がφ5mmよりも小さいと、人体に対してマッサージ効果及びマッサージ感が乏しくなる。ガイド部先端は、人体と接触する場合があるので安全を考慮して端面は曲面とすることが望ましい。
【0039】
接続部2は、例えば一般のシャワーヘッドと交換可能なようにネジ等を設けておけば、シャワーホースに連結することができ、水道直結型として使用することができる。また、例えばブロー浴器の吐水口に接続可能にネジ等を設けておけば、浴槽水循環型として使用することができる。
【0040】
図3及び図4を参照しながら、動作の説明をする。このマッサージノズル10は、浴槽水などの水中や浴室内などの空気中で利用することができる。
【0041】
水源(例えば上水道や浴槽水循環ポンプ)から送られた水は、接続部2内の導入路6を通り、矢印Sの方向に沿って、旋回部1内の入水口5から旋回室3へと導入される。この際、入水口5は旋回室3の接線方向に開口されているので、旋回室3内に導入された水は、旋回流CFとなる。旋回流CFは、旋回流路7内で徐々に流速を速めながら吐水口4に達し、吐水口4から円錐状の旋回吐水(図4中A)となってガイド部50の内周側に衝突し、勢いの弱い水がガイド部内周から吐水される。また、旋回流がもつ遠心力によって、中心部に負圧部が生じるため、吐水口4の中心軸に沿ってマッサージノズル10外からマッサージノズル10内に引き込もうとする力(吸引力と呼ぶ、図中B)が生じる。ガイド部50を人体に近づけてガイド部50の先端に接触させると、皮膚が吐水による吸引力により図中Cのように吐水口4に向かって引っ張られ適度なマッサージ感(引っ張り感と呼ぶ)を得ることができる。この引っ張り感は、ガイド部50の先端の接触による皮膚への押し圧と吐水口近傍の吸引力の関係で感じ方が大きく左右され、押し圧と吸引力の作用する距離が近い方が、より引っ張り感を強くすることができる。また、吐水された水がガイド部先端部と皮膚の間に介する(図中D)ことによって移動時の摩擦抵抗が抑えられるため、スムーズにマッサージノズル10を移動させることができる。
【0042】
そして、本実施形態によれば、距離調整手段HAを設けることにより、吐水口4から被処理部位までの距離を適宜調整可能とし、その距離を使用者の好みなどに応じて最適な吸引力が得られる範囲に維持することが容易となる。
本発明者は、マッサージノズル10において形成される吸引力の吐水口4からの距離に対する分布を調べた。
図5は、本発明者が実施した測定の方法を表す模式図である。すなわち、いくつかの吸引マッサージノズルの吐水口4の正面に受圧板300を配置し、この受圧板300に負荷される吸引力を測定した。測定した吸引マッサージノズルの構造パラメータは以下の通りである。なお、受圧板300は、ノズルの吐水口と同一のサイズ及び形状(円形)を有する。また、図5においては、ガイド部50及び距離調整手段HAは便宜上、省略した。
Figure 0004092648
なおここで、入水口5の「幅W1」とは、旋回流CFの旋回軸Zに対して平行な方向に沿った入水口5の幅であり、「幅W2」とは旋回軸Zに対して垂直な方向にそった入水口5の幅である。
【0043】
本発明者は、これらのマッサージノズルに同一の送水能力を有する送水ポンプをそれぞれ接続し、吸引力の測定を行った。図6は、これらノズルについて吐水口からの距離と吸引力との関係を表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は吐水口4から受圧板300までの距離を表し、縦軸は受圧板300に作用した吸引力を表す。
図6から、タイプ1のノズルのほうがタイプ2のノズルよりも強い吸引力が得られていることが分かる。すなわち、旋回軸Zに対して平行な方向に沿った入水口5の幅W1のほうが旋回軸Zに対して垂直な方向に沿った入水口5の幅W2よりも大きい入水口5を有するノズルの方が、効率よく吸引力を発生でき、より高いマッサージ効果を得ることができることが分かる。
そして、図6から、いずれのタイプのマッサージノズルにおいても、吐水口4からの距離に対して、吸引力は極大を有する変化をすることが分かる。つまり、吐水口4から遠ざかるにつれ、吸引力は増加してピークの値を示し、さらに吐水口4から遠ざかると吸引力は再び低下する。
【0044】
従って、マッサージノズル10を使用する使用者は、最も強い吸引マッサージ効果を求める場合には、吸引力がピークとなるように、吐水口4と被処理部位との距離を保持する必要がある。また一方、適度に緩和された吸引マッサージ効果を望む場合には、ピークよりも低い好みの吸引力が得られる距離に調整する必要がある。
【0045】
このような要求に対して、本発明によれば、距離調整手段HAを設けることにより、使用者は、ガイド部50の先端から吐水口4までの距離を自在に調整することができ、確実且つ容易に、好みの吸引力すなわち好みの刺激感を得ることができる。つまり、距離調整手段HAによりガイド部の先端50Pと吐水口4との距離を適宜調整し最適な距離に設定することができる。このようにすれば、使用者は、被処理部位に対してガイド部の先端50Pを軽く押し当てることにより、常に最適な吸引作用が得られる距離を維持することができる。また、図6から分かるように、タイプ1のマッサージノズルのほうが、距離調節手段HAによる調節範囲がより広くなる。
また、この際に、前述したように、吐水口4からは旋回流が円錐状に放出されているので、ガイド部50と被処理部位(人体)との間にも、均質な水膜が形成される。つまり、被処理部位(人体)は、均質で連続的な水膜(図4の矢印D)により保護されるので、被処理部位(人体)に対する不快な刺激は少ない。その結果として、吸引マッサージを続けながら被処理部位の表面をマッサージノズル10を滑らかに移動させることができる。
【0046】
またさらに、このようなリング状のガイド部50を設けることにより、吐水口4から周囲に略円錐状に吐出される旋回流吐水の飛散を抑制できる。つまり、吐水口4から広角度に飛散する吐水成分による不快感や刺激などを緩和して、使用感が向上する。
以下、本実施形態のマッサージノズルが備える距離調整手段HAの構造について、具体例を参照しつつ詳細に説明する。
【0047】
図7は、本発明の第1の実施例のマッサージノズルの断面図である。
本実施例においては、距離調整手段HAとして、ネジ式の機構が設けられている。すなわち、ガイド部50は、旋回部1に対してネジ式の機構により高さが調節可能とされている。旋回部1にはネジ溝1Tが設けられ、ガイド部50には、これに係合するネジ溝50Tが形成されている。これらネジ溝を係合させてガイド部50を回転させることにより、ガイド部50を矢印Aの方向に移動させることができる。このようにして、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離が調整可能とされている。使用者は、ガイド部50を適宜回転させ、その位置を調節することにより好みの吸引力が得られる条件で吸引マッサージを実施することができる。
【0048】
図8は、本発明の第2の実施例のマッサージノズルのガイド部を表す模式図である。すなわち、同図(a)はその斜視図であり、同図(b)はその平面図である。
【0049】
また、図9は、このマッサージノズルの吐水口の周辺を表す斜視図である。
本実施例においては、略円筒体状のガイド部50の底部において、内側に向かって突出した突起50Lが設けられている。一方、マッサージノズルの本体には、吐水口4の側面に、これら突起50Lに係合するように、溝1Gが設けられた凸状体が設けられている。
図10は、ガイド部50をマッサージノズル本体に取り付けた状態を表す要部断面図である。すなわち、ガイド部50の突起50Lがマッサージノズルの溝1Gに係合させることにより、固定され、且つその高さが決定される。突起50Lを係合させる溝1Gを適宜選択することにより、吐水口4からガイド部先端50Pまでの距離Hを調節することができる。使用者は、ガイド部50を適宜回転上下させて所定の溝1Gに固定することによりその高さを調節して、好みの吸引力が得られる条件で吸引マッサージを実施することができる。
【0050】
図11は、本発明の第3の実施例のマッサージノズルの一部断面図である。すなわち、同図は、ガイド部とマッサージノズル本体との結合部を表す。
本実施例においても、第2実施例と類似の突起50L及び溝1Gが設けられている。第2実施例と同様に、使用者は、ガイド部50を適宜回転して、突起50Lを溝1Gから解除し、上下させて、所望の溝1Gに再び係合させガイド部50を固定することができる。このようにして、ガイド部50の高さを適宜調整できる。
【0051】
本実施例においてはさらに、ガイド部50を突出させる方向に付勢するバネ50Eが設けられている。つまり、使用者がガイド部50の高さの調整をする場合、まずガイド部50を回転させて突起50Lを溝1Gから解除する。
図12は、このように突起50Lを溝1Gから解除した状態を表す一部断面図である。この状態においては、バネ50Eの付勢によって、ガイド部50は突出する方向に押し出され、ストッパ50Fにより停止させられる。この状態から、使用者は、ガイド部50を再び吐水口4に向けて押し込み、所望の高さにおいてガイド部50を回転させることにより、図11に表した如く突起50Lを溝1Gに係合させて固定することができる。つまり、バネ50Eを設けることにより、高さ調整の際にガイド部50を引っ張り上げる必要がなくなり、調整作業を容易に実施できる。
【0052】
また、突起50Lを溝1Gから解除した状態、すなわち、図12に表したように、ガイド部50がバネ50Eにより押し出されてストッパ50Fにより停止させられた状態のままで使用することもできる。この場合には、バネ50Eの付勢に対抗してガイド部50を吐水口4に向けて押し下げることができる。つまり、使用者は、被処理部位にガイド部50を押し当てる力を加減することにより、ガイド部50を適宜押し戻し、吐水口4からガイド部先端50Pまでの距離Hを調節することができる。従って、吸引力をリアルタイムに調節しながら好みの吸引力で吸引マッサージを実施することができる。
【0053】
図13は、本発明の第4の実施例のマッサージノズルの一部断面図である。すなわち、同図も、ガイド部とマッサージノズル本体との結合部を表す。
本実施例においては、ガイド部の高さがラッチ機構により調節可能とされている。すなわち、マッサージノズルの旋回部1には、ラッチ溝1Lが設けられている。一方ガイド部50には、支点51Cを中心に回動するラッチ爪51Bが設けてられている。ラッチ爪51Bは、図示しないトーションバネなどの手段によってラッチ溝1Lの方向に付勢され係合される。通常の吸引マッサージの際に負荷する押し当て力では固定されているが、それよりも大きな力でガイド部50を吐水口4に向けて押すと、ラッチ爪51Bがラッチ溝1Lから押し上げられ、ガイド部50を吐水口4の方向に押し込むことができる。
【0054】
一方、使用者は、ラッチ解除バー51Aを押すことにより、ラッチ爪51Bの係合を解除して、ガイド部50を所望の高さに調整することができる。その後、ラッチ解除バー51Aを離せば、図示しないトーションバネなどの付勢力によってラッチが係合し、ガイド部50は固定される。
【0055】
本実施例においても、使用者は、ガイド部50を適宜押し込み、またはラッチ解除バー51Aを操作して適宜上下させることによりその高さを調節して、好みの吸引力が得られる条件で吸引マッサージを実施することができる。
【0056】
図14は、本発明の第5の実施例のマッサージノズルの一部断面図である。すなわち、同図も、ガイド部とマッサージノズル本体との結合部を表す。
本実施例においては、板バネによりガイド部が固定される。すなわち、マッサージノズルの旋回部1には、溝1Mが設けられている。一方、ガイド部50の根本付近には板バネ50Sが設けられ、その突出部が溝1Mに係合して固定される。通常の吸引マッサージの際には、板バネ50Sの付勢が勝り、溝1Mへの係合が維持される。
【0057】
そして、さらに大きな力をガイド部50に負荷すると、板バネ50Sの付勢が負けて溝1Mへの係合が解除され、吐水口4に向けて押し込み、あるいは吐水口4から離れる方向に引き上げることができる。
【0058】
このようにして、使用者は、ガイド部50を適宜押し込み、または引き上げることによってその高さを調節して、好みの吸引力が得られる条件で吸引マッサージを実施することができる。
【0059】
図15は、本発明の第6の実施例のマッサージノズルの断面図である。
本実施例のマッサージノズルには、旋回部1とガイド部50との間にバネ51を設けてある。すなわち、図12に表した実施例と同様に、人体にマッサージノズル10を押し当てると、その力に応じて、バネ51が延び縮みするような構造となっており吐水口4とガイド部50先端の距離が可変する。よって、マッサージする際に、使用者がマッサージノズル10の押し当てる力を変えることによって、自在に吐水口4と、皮膚との距離を調整することができるため、使用者が好みの引っ張り感や吸引力を得ることが可能となる。つまり、図12に関して前述したように、使用者は、被処理部位にガイド部50を押し当てる力を加減することにより、ガイド部50を適宜押し戻し、吸引力をリアルタイムに調節しながら好みの吸引力で吸引マッサージを実施することができる。
【0060】
またさらに、図16に表したように、吐水口4を被処理部位210に対して傾斜させて押し当てた場合にも、バネ51が傾斜を吸収することによってガイド部50を、被処理部位210の表面に追従させることができる。その結果として、均一な吸引力を被処理部位210に作用させることができる。つまり、使用者は、常にマッサージノズルの吐水口4が被処理部位に対して平行にあてるように気遣う必要がなくなり、操作性が大幅に向上する。
【0061】
図17は、本発明の第7の実施例のマッサージノズルの一部断面図である。すなわち、同図も、ガイド部とマッサージノズル本体との結合部を表す。
本実施例においては、第5実施例に設けられた板バネによる固定機構と、第6実施例に設けられたバネによる付勢機構と、が併設されている。すなわち、ガイド部50は、バネ50Eを介して固定部50Vと結合されている。固定部50Vは、第5実施例に関して前述したものと同様に、板バネ50Sと溝1Mとの係合による可動固定機構を有する。使用者は、固定部50Vに設けられた操作バー50Jを上下させることにより、板バネ50Sと溝1Mとの係合を適宜解除させてその高さを変えることができる。
【0062】
一方、ガイド部50は、バネ50Eによって、吐水口4から突出する方向に付勢されている。従って、固定部50Vにより基準の高さに調整した後に、ガイド部50を適宜押すことにより、バネ50Eの付勢に対抗してガイド部50を吐水口4の方向に押し込むことが可能である。その結果として、第3実施例に関して前述したように、使用者は、被処理部位にガイド部50を押し当てる力を加減することにより、ガイド部50を適宜押し戻し、吸引力をリアルタイムに調節しながら好みの吸引力で吸引マッサージを実施することができる。これにより、吐水口と皮膚との距離を、可動固定機構とバネとにより調整でき、調整範囲が拡がると共にリアルタイムな変動も与えることができ、より操作性に優れたマッサージノズルを提供することができる。
【0063】
図18は、本発明の第8の実施例のマッサージノズルの断面図である。
本実施例のマッサージノズルは、ガイド部52の材質がスポンジとなっている。使用者がマッサージノズル10の押し当てる力を変えることによって、ガイド部52は延び縮みするため、皮膚との距離を調整することができ、使用者が好みの吸引力を得ることが可能となる。
【0064】
またこの場合も、図19に表したように、吐水口4を被処理部位210に対して傾斜させて押し当てた場合にも、スポンジがその傾斜を吸収するように縮んで、ガイド部52を被処理部位210の表面に追従させることができる。その結果として、均一な吸引力を作用させることができ、操作性が大幅に向上する。また特に、本実施例の場合、ガイド部を構成するスポンジは、人体の被処理部位が有する複雑な曲面に対しても柔軟に追従し、均一な吸引力を作用させることができる点で有利である。なお、本実施例におけるガイド部52の材料として、スポンジ以外にも例えば、シリコンゴムなどの柔軟性を有するゴム材などを用いた場合にも、同様の作用効果が得られる。
【0065】
図20は、本発明の第9の実施例のマッサージノズルの断面図である。
本実施例のマッサージノズルには、着脱可能な着脱ガイド部56が設けられている。この場合、大きさや形さらには高さを変えた着脱ガイド部56を自在に付け替えることが可能となる。つまり、着脱ガイド部56を適宜交換することにより、ガイド部の高さ、すなわち吐水口4からガイド部の先端までの距離のみならず、ガイド部の大きさなども自在に調整できる。よって、着脱ガイド部56の大きさや高さを変えることにより皮膚に対する吸引力や、吸引力によって生じる皮膚の変位を好みに応じて選択して使用することが可能となる。着脱ガイド部56と旋回部1との嵌合部は、図20のようにねじを設けてあるが、Oリング等を利用したはめ込み式や、クランク溝などを利用した着脱方式を用いることができる。例えば、図21に一部拡大図として表したように、旋回部1に凹部1Rを設け、一方、着脱ガイド部56に凸部56Pを設け、これらを嵌合させることにより着脱ガイド部56を固定することができる。着脱ガイド部56に使用する材質としては、プラスチックやスポンジの他、防水性の紙等を用いることができる。 また、このようにガイド部を着脱自在とした場合には、使用者毎にガイド部の色を変えるなどして、使い分けることにより使用者の衛生感覚に配慮することも可能となる。
【0066】
一方、図22に表したように、ガイド部50に突起50Lを設け、一方、マッサージノズル本体には、これに係合するようにクランク状の係止体1Sを設けて固定可能としてもよい。本変型例の場合、ガイド部50を矢印Aの方向に装着し、矢印Bの方向に回転させることより、突起50Lと係止体1Sとが係合してガイド部50を固定できる。
また、本変型例において、第3実施例に関して前述したバネ50Eと同様に、ガイド部50を吐水口4から突出させる方向に付勢するバネなどの付勢手段を設けてもよい。このようにすれば、ガイド部50を取り外す際に、ガイド部50を引っ張り上げる必要がなくなり、交換作業を容易に実施できる。
【0067】
なお、ガイド部56(または50)と旋回部1との嵌合部の着脱機構として、ネジ式やはめ込み式などの回転を伴う機構を採用する場合には、旋回流の旋回方向にガイド部を回した時に固定されるように、その回転方向を決定するとよい。つまり、吐水口4からは、所定の方向に旋回する吐水が放出される。この旋回吐水は、ガイド部56(または50)に対して回転させる力を作用させる。従って、マッサージノズルの使用中に、この回転力によってガイド部56(または50)が外れることがないように、その固定方向を決定することが望ましい。
【0068】
図23は、本発明の第10の実施例のマッサージノズルの断面図である。
本実施例のマッサージノズルには、ガイド部50と一体的に着脱自在とされた吐水部57が設けられている。よって、吐水口の径やガイド部の大きさや形さらには高さを変えた吐水部57を自在に付け替えることが可能となる。例えば、人体の各部位に最適な吐水部57は複数個用意する。そして、被処理部位や使用者の好みなどに応じて最適な吸引力が得られるように、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を有する吐水部57を適宜装着して吸引マッサージを実施できる。また、太股をマッサージする場合には、吐水口4の内径がφ20mm以上の吐水部57を用いたり、顔用には吐水口4の内径が10mm以下の吐水部57を用いることにより、使用者が部位に応じ快適なマッサージを行うことが可能となる。
【0069】
また、本実施例においても、吐水部57と旋回部1との嵌合部は、図23に例示したねじ式の他に、図8〜図22に関して前述したような各種の着脱方式を用いることができる。そして、吐水部57と旋回部1との嵌合部の着脱機構として、ネジ式やはめ込み式などの回転を伴う機構を採用する場合には、前述した如く、旋回流の旋回方向に回した時に固定されるように、その回転方向を決定するとよい。
【0070】
図24は、本発明の第11の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【0071】
すなわち、本実施例のマッサージノズルには、吐水口4の周囲から突出した第1のガイド部50aと、その外周を取り囲むように設けられた第2のガイド部50bと、が設けられている。これらガイド部50a、50bの形状は、略円筒体でもよく、また楕円筒体や、多角形の筒状体、もしくは不定形の筒状体などでもよい。
【0072】
第1のガイド部50aは旋回部1に固定され、第2のガイド部50bは、矢印Aの方向に連続的または段階的に移動し固定可能に設けられている。第2のガイド部50bの位置を適宜調節することにより、使用者の好みなどに応じて最適な吸引力が得られるように、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整して吸引マッサージを実施できる。また、第2のガイド部50bを取り外した状態でも使用可能とすれば、調整範囲がさらに拡大する。
【0073】
ここで、第2のガイド部50bは、第1のガイド部50aに対して、摩擦力により固定されるようにしてもよく、あるいは、図8〜図23に関して前述したように、ネジ式、Oリングなどを利用した固定方式、クランク溝などを利用した固定方式、ラッチあるいは切り欠き溝を利用した固定方式などの各種の機構により移動と固定とを可能とすることができる。そして、第2のガイド部50bの固定機構として、ネジ式やはめ込み式などの回転を伴う機構を採用する場合には、前述した如く、旋回流の旋回方向に回した時に固定されるように、ガイド部の回転方向を決定するとよい。
【0074】
また、図24には、第1のガイド部50aの外側を取り囲むように第2のガイド部50bが設けられた具体例を表したが、これとは逆に、第1のガイド部50aの内側に第2のガイド部50bが内装されるようにしてもよい。また、3つ以上のガイド部を組み合わせることにより、さらに調整範囲を拡大することもできる。
【0075】
図25は、本発明の第12の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【0076】
すなわち、本実施例のマッサージノズルには、吐水口4の周囲から突出した複数の突起からなるガイド部50が設けられている。これら複数の突起には、第1乃至第11実施例に関して前述したような高さ調整機構が設けられ、あるいは、吐水口4から突出させる方向に付勢されている。例えば、これら突起が第6実施例の如く、バネなどによって吐水口4から突出する方向に付勢されているようにすることができる。または、これら突起が、第8実施例の如く、スポンジなどの弾力に富む材料からなるものとしてもよい。この場合さらに、突起の全体がスポンジなどの弾力体からなるものとしてもよく、または、突起の一部のみがこのような弾力体からなるものとしてもよい。
【0077】
図26は、本発明の第13の実施例のマッサージノズルの断面図である。本実施例においても、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HAが設けられている。そして、さらに本実施例のマッサージノズルには、ガイド部50に水圧調整手段53を設けてある。ガイド部に設けられた水圧調整手段53によりガイド部内側の水圧が調整されるため過剰な吐水力が皮膚に達することを抑制することができる。水圧調整手段53としては、圧力に応じて穴の大きさが変化するゴムや、高分子の多孔体等を用いることができる。図には記載していないが、水圧調整手段53から漏れ出た水が飛散しないように水圧調整手段53の外周側にガイド部を形成してもよい。
【0078】
図27は、本発明の第14の実施例のマッサージノズルの斜視図である。
本実施例においても、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HA(図示せず)が設けられている。そしてさらに、本実施例のマッサージノズルには、ガイド部50の側面に貫通口54を有し、さらにガイド部50の外周側にガイド部50よりも径の大きな外周ガイド部55が形成されている。人体にマッサージノズル10を接触させて吐水する場合には、吐水口4から出た水がガイド部50先端と人体を介し流れるとともに、一部の水は漏れ出すため過剰な吐水力が皮膚に達することを抑制できる。また、貫通口54を通じて流れ出た水も外周ガイド部55にあたり、人体方向へと導かれるため、飛散の心配もなく快適に使用することが可能となる。
【0079】
なお、外周ガイド部55の形状は図7のような円筒体はもとより、楕円筒体や多角形の筒状体でも構わない。
【0080】
また、図27には、貫通口54と外周ガイド部55とを併せ持つマッサージノズルを表したが、本発明はこれには限定されない。すなわち、距離調整手段HAと貫通口54とがガイド部50に設けられ、外周ガイド部55が設けられていないマッサージノズルも本発明の範囲に包含される。また一方、距離調整手段HAが設けられ貫通口54が設けられないガイド部50と、その外周をとり囲む外周ガイド部55とが設けられたマッサージノズルも本発明の範囲に包含される。
【0081】
図28は、本発明の第15の実施例のマッサージノズルの断面図である。
また、図29は本実施例のマッサージノズル10を有するマッサージ装置の全体概略図である。
本実施例においても、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HAが設けられている。そしてさらに、本実施例のマッサージノズルには、ガイド部50と人体が接触したことを感知する感知手段58が設けられている。この感知手段58には、マッサージノズル10が人体と接触した場合にガイド部にかかる圧力を感知する圧力センサーや、変位を感知する変位センサーを用いることができる。感知手段58は、距離調整手段HAの一部として設けてもよく、別体の構成要素としてもよい。
【0082】
また、図29の本発明のマッサージ装置は、感知手段58が内蔵されているマッサージノズル10と、ポンプ500と、ポンプ500が浴槽100内から浴槽水110を吸い上げる揚水路60と、ポンプ500からマッサージノズル10へ浴槽水110を供給する送水路30と、ポンプ500の駆動を指示する制御部21と感知手段58と制御部21とを結ぶ通信部26から構成される。マッサージノズル10のガイド部50が人体と接触すると、感知手段58から通信部26を経由して制御部21に人体が接触していることを伝え、制御部21がポンプ500の駆動を指示することによって、マッサージノズル10から吐水される。これにより、ガイド部50が人体に接触した時のみ吐水させることが可能となり、吐水の飛散を抑制し、また効率のよいマッサージシステムを提供できる。図示しないが通信部26は、ビニールなどで被覆された金属線を用い送水路30中に埋設させたり、無線により制御部21と通信してもかまわない。
【0083】
図30及び図31は、本発明の第16の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【0084】
本実施例においても、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HA(図示せず)が設けられている。そしてさらに、本実施例のマッサージノズルには、旋回室内に対し突出量が変更可能となるように設けられた突出部59と手動スイッチ16から構成された旋回流制御手段が設けられている。図30では手動スイッチが押された場合を示している。この場合、突出部59が旋回室内にはみ出すことにより旋回室内の旋回流が抑制されるため、円錐状の吐水による飛散が抑制されるとともに吐水口付近の吸引力を弱めることができる。
【0085】
一方、図31は、突出部59が旋回室に側面に沿って格納された状態を示している。この場合、旋回流を維持したまま吐水されるので吐水口付近では強い吸引力が得られる。よって、突出部の旋回室内へのはみ出しを手動スイッチ16により段階的に制御することで、旋回流の強弱(すなわち遠心方向の力)が可変となるため、吐水口からの旋回吐水方向、および中心部に発生する吸引力を可変とすることが可能となり、使用者は好みに応じて吸引マッサージの強弱を簡便に変化させることができる。
【0086】
図32は、本発明の第17の実施例のマッサージノズルの断面図である。
本実施例においても、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HAが設けられている。そしてさらに、本実施例のマッサージノズルには、前記旋回室内の中心軸上に空気取り込み口61が設けられている。この場合、旋回室中心部付近は負圧となる領域が生じるために、空気取り込み口61から空気が旋回室中心部に吸引され、気泡を巻き込んだ水が吐水される。空気取り込み口61は図示しないが、旋回室3の吐水口4と反対側の壁面中央にマッサージノズル10外部と通ずる小穴を設け、外気と通じるように構成しても良い。すなわち、旋回部1の底面に小穴を設けて外気と通じさせ、小穴と空気取り込み口61とを連通させてもよい。このとき、空気取り込み口61は、例えば、旋回室の底面に設けられていてもよい。
【0087】
図33は、本発明の第18の実施例のマッサージの側面図である。
本実施例においても、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HA(図示せず)が設けられている。そしてさらに、本実施例においては、ガイド部50の少なくとも一部が透明な材料により形成されている。このように、ガイド部50の少なくとも一部を透明の材料で形成することにより、被処理部位210の吸引状態を目視により確実に確認できる。本発明者の試作検討の結果によれば、ガイド部50を透明にすると、多くの場合に、被験者は、皮膚から受ける感触よりもはるかに大きな変位が得られていることを肉眼により確認して驚くことが多かった。つまり、本発明のマッサージノズルにより吸引マッサージを実施する場合、目視により観察される実際の変位量は、皮膚から受ける感覚よりもかなり大きな場合が多い。そして、肉眼によりこの変位を確認することによって、その効果への期待感や信頼感、安心感などが得られ、マッサージ効果やその他各種の生体効果を増進させることが可能となる。
【0088】
特に、本発明においては、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とし、最適な吸引力が得られる条件を設定できる。この調整の際にも、ガイド部50を透明にすることにより、被処理部位210の実際の変形状態を肉眼で観察しながらガイド部50の高さを調整することが可能となり、最適な吸引力が得られる条件を容易に設定できる。
【0089】
なお、本実施例においては、被処理部位の変形状態を肉眼で確認できればよいので、ガイド部50の全体が透明である必要はない。また、その材質についても、必ずしも無色透明である必要はなく、有色透明や半透明などであっても肉眼で内部を識別しうるものであればよい。
また、旋回部1の一部(例えば、側面や底面)のみが透明な材料により形成されていてもよい。これにより、吐水口から旋回室内に引き込まれた皮膚の状態も目視が可能となり、また、横方向からの目視に加えて斜め方向や正面から皮膚の変形状態を目視できるため、上述した確認効果がさらに増す。
【0090】
図34は、本発明の第19の実施例のマッサージノズルの正面図である。
また、図35は、そのA−A線断面図である。これらの図については、図1乃至図33に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においても、マッサージノズル10の前面に、ガイド部50が設けられている。このガイド部50は、吐水口4の前面にリング状に突出したガイドリング部50Aと、マッサージノズル10の側面から略後方に向けて延在したスカート部50と、を有する。
【0091】
本実施例においても、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HAが設けられている。例えば、これらガイド部50が、第1乃至第11実施例に関して前述したように、ネジ溝、ラッチ、板バネなどを用いた機構によって高さを調整可能とすることができる。その結果として、使用者は、好みに応じた吸引力によって吸引マッサージを実施することができる。
【0092】
または、ガイド部50が第6実施例の如く、バネなどによって吐水口4から突出する方向に付勢することができる。または、ガイドリング部50Aが、第8実施例の如く、スポンジなどの弾力に富む材料からなるものとしてもよい。その結果として、第3実施例に関して前述したように、使用者は、被処理部位にガイド部50を押し当てる力を加減することにより、ガイド部50を適宜押し戻し、吸引力をリアルタイムに調節しながら好みの吸引力で吸引マッサージを実施することができる。
【0093】
またさらに、ガイド50の後方に延在するスカート部50Bを設けて、吐水口4から吐出された水の一部をマッサージノズル10の後方に逃がす放出水路23を形成することができる。つまり、吐水口4から吐出された水の一部は矢印Dの如く、被処理部位210とガイドリング部50Aの先端との間に水膜を形成し、他の一部は、矢印Rの如く、放出水路23を通って、マッサージノズル10の後方に流出する。このような放出水路23を設けることにより、吐水口4の前面、すなわちガイドリング部50Aの内側における吐水の滞留を防止することができる。よって、ガイドリング部50Aの先端に被処理部位210をあてがった状態で吐水させても、吐水口4近傍の水流の分布の「くずれ」を防ぐことができ、負圧力が低下したり負圧領域が減少したりするおそれがなく、所期の吸引作用を得ることができる。
【0094】
なお、本実施例の場合、第11実施例に関して前述したように、ガイドリング部50Aの外側(あるいは内側)に第2のガイド部を装着して高さを調節可能とすれば、放出水路23の流路に変化を与えることなく、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整することができる。
【0095】
図36は、本発明の第20の実施例のマッサージノズルを表す模式断面図である。
すなわち、本実施例においても、 吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とする距離調整手段HAが設けられている。そしてさらに、本実施例においては、ガイドリング部50Aは、ノズルの後方に向けて徐々に径が拡がり、スカート部50Bに連続的に連なる。このようにすると、吐水をノズル後方に逃がすための放出水路23を拡げることができ、ガイドリング部50Aの内部における吐水の滞留をより効果的に低減できる。その結果として、吐水口4の前面での水流の分布の「くずれ」を防いで、所期の吸引作用を維持できる。
また、本実施例においては、旋回室の内径が入水口5から吐水口に至るまで略同一のストレート形状とされている。このようにすると、旋回室内における圧力損失が低くなるため、送水水量を確保することができ、効率よく吸引力及び吐水力を得ることができる。
【0096】
そして、距離調整手段HAを設けることにより、使用者の好みなどに応じて吸引力を調整して吸引マッサージを実施することができる。
【0097】
図37は、本発明の第21の実施例のマッサージノズルを表す模式図である。すなわち、本実施例においては、距離調整手段HAにより吐水口4からの距離が可変とされたガイド50と、マッサージノズル本体との間に、複数の整流板50Cが設けられている。ガイド50は、第20及び第21実施例と同様に、吐水口4の前方に突出したガイドリング部50Aと、ノズル後方に向けて延在したスカート部50Bと、を有する。そして、整流板50Cは、スカート部50Bの内壁面と、マッサージノズル本体とを接続している。そして、これら整流板50Cは、スカート部50Bとマッサージノズル本体との間に形成される放出水路23(図35及び図36参照)を流れる吐水流を整流する「静翼」として作用する。
【0098】
つまり、放出水路23を流れてノズル10の側方または後方に流出する戻り吐水流は、旋回成分を保持している。このため、この吐水流が、放出水路23からノズルの側方や後方に向けて飛散し、使用者に不快感を与える場合がありうる。
【0099】
これに対して、整流板50Cを適宜設けることにより、これら戻り吐水流が有する旋回成分を吸収し、戻り吐水流の飛散を防ぐことができる。また、放出水路23を流れる旋回流の旋回成分を吸収するように、整流板50Cを傾斜させて設けたり、ひねりを与えてもよい。このようにすれば、流れの剥離を抑制し、スムーズに整流することができる。
【0100】
本発明においては、これら整流板50Cを、距離調整手段HAの一部として構成することもできる。すなわち、整流板50Cによってガイド部50を支持し、マッサージノズル本体からのガイドリング部50Aの突出量を可変とすることによって、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整できる。このようにすれば、距離調整機能と、戻り水路における整流機能とを併有させることが可能となる。
【0101】
以上、図1乃至図37を参照しつつ本発明のマッサージノズルについて説明した。次に、これらのマッサージノズルを用いた本発明のマッサージシステムについて説明する。
すなわち、図1乃至図37に関して前述した本発明のマッサージノズルを、送水手段などと組み合わせることにより、吸引マッサージが実施可能なマッサージシステムが実現する。
図38及び図39は、本発明の第1の実施例のマッサージシステムを、斜め正面側、及び斜め後方側からそれぞれ眺めた模式図である。
また、図40は、このマッサージシステムの要部構成を表すブロック図である。
【0102】
すなわち、本実施例のマッサージシステムをその外部から眺めると、筺体70と、その正面から伸びる可撓性ホース30と、その先端に設けられたマッサージノズル10と、を有する。筺体70には、電源スイッチ72、流量調節バルブ74、取水口76、持ち穴78、電源コード80などが適宜設けられている。 筺体70の内部には、送水手段500が収容されている。送水手段500は、例えば耐水処理が施された電動式の送水ポンプを内蔵し、取水口76から取り入れた水(お湯)を可撓性ホース30を介してマッサージノズル10に送出する。送水ポンプは、例えば、筺体70の外部から交流または直流の電力の供給を受けるようにしてもよく、または、筺体70の中に充電池などの電源を内蔵して電力を供給してもよい。いずれの場合にも、浴槽内の湯に沈めて安全に使用できるよう、所定の耐水処理が適宜実施されている。
また、図32のように空気を混入させる場合は、マッサージノズル10の空気取り込み口61が外気と通じるよう、空気配管が適宜設けられる。
【0103】
一方、マッサージノズル10は、図38に例示した如く、シャワーヘッドに類似した外観を有する。同図に表したマッサージノズル10Aは、その先端付近を「わしづかみ」にして用いるのに適した形状を有する。またマッサージノズル10Bは、通常のシャワーヘッドの如くその根本部分を保持して用いるのに適した形状を有する。
これらマッサージノズル10(10A、10B)は、図1乃至図37に関して前述したように、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とした距離調整手段HAを備えている。
【0104】
図41は、本実施例のマッサージシステムの使用状態を説明するための模式図である。すなわち、使用者200は、湯110をはった浴槽100の中に本発明のマッサージシステムを設置し、筺体70の上に腰掛けた状態でマッサージノズル10を操作することができる。この際に、図2に関して前述したように旋回吐水Aにより形成される水膜により吐水口4およびガイド部先端50Pの周囲が覆われるため、人体の被処理部位210の表面は常に均質な水膜に保護されるため、人体はマッサージノズルから過度の摩擦抵抗を受けず、不快な刺激が無く、使用感に優れる。浴槽内の水(お湯)の中に浸した状態で用いると、吸引力を低下させる空気層(空洞)が旋回室内に形成されることを抑制でき、より効果的である。また、浴槽100内のお湯110を循環使用する点で、節水効果も高い。
【0105】
本実施例のマッサージシステムによれば、図1乃至図37に関して前述したように、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とした距離調整手段HAを備えている。従って、使用者は、被処理部位に応じて、好みに応じて最適な吸引力によるマッサージを実施することができる。
【0106】
また、マッサージノズル10が筺体70に対して可撓性ホース30により接続されているので、マッサージノズル10を使用者の身体のあらゆる部分の被処理部位に対して柔軟且つ自在にあてることができる。
【0107】
また、本実施例によれば、使用者200は、コンパクトな筺体70の上に腰掛けた状態でマッサージノズル10を操作できる。その結果、使用者200は、常にリラックスした状態で吸引マッサージすることができる。またさらに、上半身、例えば脇の下から二の腕を吸引マッサージするような場合でも、マッサージノズル10を浴槽の湯110の中に浸した状態で操作することが可能である。しかも、マッサージしづらいヒップや太ももの裏側などが、腰掛けていることにより浴槽底面から浮いた状態となることにより、マッサージするスペースが生じ、下半身、例えば、ヒップや太ももの裏側まで、まんべんなく吸引マッサージすることができる。従って、これらの部位につきやすい「セルライト(老廃物と脂肪の塊)」を揉みほぐすことにより、老廃物の排出を促進し、セルライトを正常な脂肪に改善することができる。その結果として、人体の「引き締め効果」が得られる。
【0108】
図42は、本発明のマッサージシステムの第2の実施例を表す模式図である。すなわち、同図は、浴槽100と組み合わされたマッサージシステムを表す。 本実施例の場合、浴槽100の中にノズル収容部120が設けられ、図1乃至図37に関して前述した本発明のマッサージノズル10は、このノズル収容部120に収容可能とされている。そして、送水手段500は、水配管60を介して浴槽100の中の水(お湯)を取水し、可撓性ホース30を介してマッサージノズル10に送出する。
【0109】
本実施例においては、図42(a)に表したように、ノズル収容部120にマッサージノズル10を収納した状態で、使用者は、浴槽100内に入浴しマッサージノズル10に被処理部位をあてがうことにより吸引押圧マッサージを受けることができる。この時、マッサージノズル10は、水没していてもよく、お湯よりも上に露出していてもよい。但し、マッサージノズル10を水没させたほうがより強い吸引マッサージを受けることができる。
また一方、図42(b)に表したように、マッサージノズル10をノズル収容部120から取り外して用いることができる。本実施例においては、マッサージノズル10は、可撓性ホース30により接続されているので、使用者は、マッサージノズル10を自由な位置に移動させ、被処理部位にあてて使用することができる。
【0110】
なお、本実施例においても、送水手段500により浴槽100内のお湯(水)をマッサージノズル10に供給する。つまり、浴槽100内のお湯を循環使用する点で、節水効果が高い。そして、図1乃至図37に関して前述したように、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とした距離調整手段HAを備えている。従って、使用者は、被処理部位に応じて、好みに応じて最適な吸引力によるマッサージを実施することができる。
【0111】
図43は、本発明のマッサージシステムの第3の実施例を表す模式図である。同図については、図1乃至図37に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、浴槽100のお湯を循環させる送水手段の代わりに、お湯(または水)の供給部400が設けられている。供給部400としては、例えば、浴槽100にお湯を供給するための給湯器を兼用することができる。
【0112】
本実施例の場合には、供給部400を設けることより、浴槽100内にお湯がない状態においても、本発明のマッサージノズル10を用いた吸引押圧マッサージを受けることができる。もちろん、浴槽100内にお湯がはられた状態においても、吸引押圧マッサージを同様に実施することができる。
そして、図43(b)に表したように、可撓性ホース30を伸ばすことにより、マッサージノズル10を取り外して所望の被処理部位に向けて使用することができる。また、本実施例においては、図42に関して前述したような送水手段500や循環のための水配管60を設ける必要がないため、マッサージシステムの構造を簡略化させ、低コストで提供することが可能である。
【0113】
図44は、本発明のマッサージシステムの第4の実施例を表す模式図である。同図についても、図1乃至図37に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、ノズル収容部120が浴槽100の周縁の、いわゆる「エプロン」の部分に設けられている。吸引押圧マッサージを実施する場合には、マッサージノズル10を簡単に取り外し、使用者の人体の各所に容易にあてがうことができる。ノズル収容部120を浴槽100のエプロンに設置すると、マッサージノズル10を取り外すことが極めて容易となる。また、浴槽100内に入浴した状態で、マッサージノズル10が邪魔になる心配もない。
そして、本発明においても、可撓性ホース30によりノズル収容部120とマッサージノズル10とを接続することにより、マッサージノズル10を自在に取り扱うことができる。
【0114】
また、本実施例においても、浴槽100内のお湯を循環使用する点で、節水効果が高く、また、図1乃至図37に関して前述したように、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とした距離調整手段HAを備えている。従って、使用者は、被処理部位に応じて、好みに応じて最適な吸引力によるマッサージを実施することができる。
【0115】
図45は、本発明のマッサージシステムの第5の実施例を表す模式図である。同図についても、図1乃至図44に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においても、ノズル収容部120が浴槽100の周縁の「エプロン」の部分に設けられている。このため、マッサージノズル10を取り外すことが極めて容易となる。また、浴槽100内に入浴した状態で、マッサージノズル10が邪魔になる心配もない。
【0116】
また、本実施例においても、可撓性ホース30によりノズル収容部120とマッサージノズル10とを接続することにより、マッサージノズル10を自在に取り扱うことができる。さらに、送水手段500や循環のための水配管60を設ける必要がないため、マッサージシステムの構造を簡略化させ、低コストで提供することが可能である。そして、図1乃至図37に関して前述したように、吐水口4からガイド部の先端50Pまでの距離を調整可能とした距離調整手段HAを備えている。従って、使用者は、被処理部位に応じて、好みに応じて最適な吸引力によるマッサージを実施することができる。
【0117】
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
すなわち、本発明のマッサージノズル及びマッサージシステムを構成するいずれかの要素について当業者が設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0118】
例えば、マッサージノズルの外形や、吐水口とのサイズの比率、あるいは入水部の位置関係などについては、旋回流が得られ、その結果として負圧部が形成される範囲内であれば、本発明に包含される。
【0119】
【発明の効果】
本発明によれば、吸引力や吸引範囲を自在に調整でき、マッサージノズルの角度を調節しなくとも安定した吸引力を得ることも可能なマッサージノズル及びそれを用いたマッサージシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるマッサージノズルの斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるマッサージノズルの断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明のマッサージノズルの動作を説明する模式図である。
【図5】本発明者が実施した測定の方法を表す模式図である。
【図6】吐水口からの距離と吸引力との関係を表すグラフ図である。
【図7】本発明の第1の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例のマッサージノズルのガイド部を表す模式図である。
【図9】第2実施例のマッサージノズルの吐水口の周辺を表す斜視図である。
【図10】ガイド部50をマッサージノズル本体に取り付けた状態を表す要部断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例のマッサージノズルの一部断面図である。
【図12】突起50Lを溝1Gから解除した状態を表す一部断面図である。
【図13】本発明の第4の実施例のマッサージノズルの一部断面図である。
【図14】本発明の第5の実施例のマッサージノズルの一部断面図である。
【図15】本発明の第6の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図16】吐水口4を被処理部位210に対して傾斜させて押し当てた状態を表す模式図である。
【図17】本発明の第7の実施例のマッサージノズルの一部断面図である。
【図18】本発明の第8の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図19】吐水口4を被処理部位210に対して傾斜させて押し当てた状態を表す模式図である。
【図20】本発明の第9の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図21】旋回部1に凹部1Rを設け、一方、ガイド部56に凸部56Pを設け、これらを嵌合させることによりガイド部56を固定する一部拡大図である。
【図22】ガイド部50に突起50Lを設け、一方、マッサージノズル本体には、これに係合するようにクランク状の係止体1Sを設けて固定可能としたマッサージノズルを表す模式図である。
【図23】本発明の第10の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図24】本発明の第11の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図25】本発明の第12の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図26】本発明の第13の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図27】本発明の第14の実施例のマッサージノズルの斜視図である。
【図28】本発明の第15の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図29】本実施例のマッサージノズル10を有するマッサージ装置の全体概略図である。
【図30】本発明の第16の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図31】本発明の第16の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図32】本発明の第17の実施例のマッサージノズルの断面図である。
【図33】本発明の第18の実施例のマッサージの側面図である。
【図34】本発明の第19の実施例のマッサージノズルの正面図である。
【図35】 図34のA−A線断面図である。
【図36】本発明の第20の実施例のマッサージノズルを表す模式断面図である。
【図37】本発明の第21の実施例のマッサージノズルを表す模式図である。
【図38】本発明のマッサージシステムの第1の実施例を斜め正面側から眺めた模式図である。
【図39】本発明のマッサージシステムの第1の実施例を斜め後方側から眺めた模式図である。
【図40】第1実施例のマッサージシステムの要部構成を表すブロック図である。
【図41】第1実施例のマッサージシステムの使用状態を説明するための模式図である。
【図42】本発明のマッサージシステムの第2の実施例を表す模式図である。
【図43】本発明のマッサージシステムの第3の実施例を表す模式図である。
【図44】本発明のマッサージシステムの第4の実施例を表す模式図である。
【図45】本発明のマッサージシステムの第5の実施例を表す模式図である。
【符号の説明】
1 旋回部
1G 溝
1L ラッチ溝
1M 溝
1R 凹部
1T ネジ溝
1S 係止体
2 接続部
3 旋回室
4 吐水口
5 入水口
6 導入路
7 旋回流路
10、10A、10B マッサージノズル
16 手動スイッチ
21 制御部
23 放出水路
26 通信部
30 可撓性ホース(送水路)
50 ガイド部
50A ガイドリング部
50B スカート部
50C 整流板
50E バネ
50F ストッパ
50J 操作バー
50L 突起
50P 先端
50S 板バネ
50T ネジ溝
50V 固定部
50a、50b ガイド部
51 バネ
51A ラッチ解除バー
51B ラッチ爪
51C 支点
52 ガイド部
53 水圧調整手段
54 貫通口
55 外周ガイド部
56 着脱ガイド部
56P 凸部
57 吐水部
58 感知手段
59 突出部
60 水配管(揚水路)
70 筺体
72 電源スイッチ
74 流量調節バルブ
76 取水口
78 持ち穴
80 電源コード
100 浴槽
110 浴槽水
120 ノズル収容部
200 使用者
210 被処理部位
300 受圧板
300H 小穴
320 マノメータ
400 供給部
500 ポンプ(送水手段)
HA 距離調整手段
Z 旋回軸

Claims (13)

  1. 室内に旋回流を生じさせるように設けられた入水口と、前記旋回流を吐水するよう設けられた吐水口と、を有する旋回室と、
    前記吐水口よりも突出した先端部を有するガイド部と、
    を備え、
    前記吐水口から前記先端部までの距離を調整可能としたことを特徴とするマッサージノズル。
  2. 前記先端部を前記吐水口から遠ざかる方向に付勢する弾性手段と、
    前記吐水口から前記先端部までの距離の上限を規定する規定手段と、
    をさらに備え、
    前記弾性手段に対抗する応力を前記先端部に負荷することにより前記吐水口から前記先端部までの距離を縮小可能としたことを特徴とする請求項1記載のマッサージノズル。
  3. 前記ガイド部は、少なくともその一部が変形可能な材料により形成されてなり、 前記材料を変形させることにより前記吐水口から前記先端部までの距離を縮小可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載のマッサージノズル。
  4. 前記吐水口から先端部までの距離を前記先端部のうちの一部のみでも調節可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  5. 前記ガイド部は、マッサージノズルに着脱可能に設けられ、
    前記吐水口からの突出量が異なるガイド部に交換することにより前記吐水口から前記先端部までの距離を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  6. 前記ガイド部は、前記吐水口とともに吐水部を構成し、
    前記吐水部は、マッサージノズルに着脱可能に設けられ、
    前記吐水口から前記先端部までの距離が異なる吐水部に交換することにより前記吐水口から前記先端部までの距離を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  7. 前記ガイド部は、第1のガイド部と、前記第1のガイド部に着脱可能な第2のガイド部とを有し、
    前記第2のガイド部の有無または、前記第1及び第2のガイド部の相対的な配置関係により前記吐水口から前記先端部までの距離を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  8. 前記吐水口から前記先端部までの距離を段階的に調整可能とした調節手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  9. 前記ガイド部、前記吐水部、前記第2のガイド部または前記調節手段は、前記旋回流の旋回方向に回転させることにより固定可能とされたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1つに記載の浴槽装置。
  10. 前記ガイド部は、前記吐水口を取り囲む略円筒状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  11. 前記ガイド部は、その側面に貫通口を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  12. 前記ガイド部は、前記吐水口の周囲に設けられた複数の突起からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  13. 送水手段と、
    請求項1〜12のいずれか1つに記載のマッサージノズルと、
    を備え、
    前記送水手段から前記マッサージノズルの前記入水口を介して前記旋回室に水を供給し、使用者が前記マッサージノズルの前記吐水口に形成される負圧部を利用した吸引マッサージを実施可能としたことを特徴とするマッサージシステム。
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