JP2004337448A - マッサージノズル及びマッサージシステム - Google Patents

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信浩 庄野
Koichi Toyoda
弘一 豊田
Takahiro Ohashi
隆弘 大橋
Riyouko Ishimaru
亮子 石丸
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Abstract

【課題】限られた給水能力でも強い吸引力が得られるマッサージノズル及びこのマッサージノズルを用いたマッサージシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】室内に旋回流を形成するように設けられた入水部と、前記旋回流を吐水し負圧部が形成されるように開口された吐水口と、を有する旋回室を備え、前記旋回室は、前記入水部から前記吐水口に至る部分が前記吐水口の開口径と略同一の内径を有することを特徴とするマッサージノズル及びこれを用いたマッサージシステムを提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッサージノズル及びマッサージシステムに関し、特に、水の圧力を利用してノズル内で旋回水流を形成し、その中心部に形成される負圧部を利用して身体に吸引圧を作用させることができるマッサージノズル及びこのマッサージノズルを用いたマッサージシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
美容や健康増進を目的として身体の皮膚表面をマッサージし、血液の循環を活性化するマッサージ器は、広く用いられている。このような従来のマッサージ器としては、例えば電動式の肩たたき器や腰もみ器、減圧状態にした吸入孔を身体表面に吸着させて使う器具など等が知られている。
【0003】
しかしながら、このような従来のマッサージ器は単に揉むだけ、または吸引するだけのもので、十分に高い生体効果まで得られるものではなく、使い勝手と、優れたマッサージ効果とを兼ね備えて実現したものはこれまでになかった。
【0004】
水を用いたマッサージ装置としては、ノズル内部の周壁に沿って加圧液体を接線方向に流入させ、且つ外気を導入して気泡を生じさせるとともに、吐水口近傍で吸引することができる「吸引マッサージ気泡噴流装置」が考案されている(例えば、特許文献1参照)。この考案では、吐水口近傍に複数個の突起を設けており、ノズルの身体への押し圧の変化によって吐水流の強弱を変化させ、吸引力を変化させることができる。
【0005】
また、一端を閉じ、他端を開放状とした円筒体内にその内周接線方向に加圧液体を導入する開口と、上記閉塞端に円筒体の中心位置で外気を導入する開口とを設け、さらに、円筒体の外側に案内筒を設けて吐水口近傍で吸引することができる「マッサージ器」が考案されている(例えば、特許文献2参照)。この発明では、案内筒を身体に密着させて用いることで吸引部と押圧部を形成し、吸引部で皮膚を吸引し、押圧部で微小な気泡を身体に当てることができる。
【0006】
【特許文献1】
実開昭63−74123号公報
【特許文献2】
実開平4−55337号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、人体に吸引力を作用させて、高い生体効果を得るためには、強い吸引力が必要である。本発明者の検討によれば、老廃物と脂肪の塊である「セルライト」を改質させたり、脚部あるいは臀部などの「むくみ」を解消したり、局所脂肪を燃焼させたり、体型を引き締めるなど、高い生体効果を得るためには、人体の表面層に強い吸引力を作用させ、所定の変位を与えることが重要であることが分かっている。
【0008】
強い吸引力を得るためには、給水能力を増加する方法も考えられる。しかし、一方で、一般家庭内などでの使用を想定すると、ランニングコストや設置スペースなどの点で給水ポンプの能力には限度がある。従って、強い吸引力を効率よく発生させる技術が必要である。
【0009】
本発明はかかる課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、限られた給水能力でも強い吸引力が得られるマッサージノズル及びこのマッサージノズルを用いたマッサージシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のマッサージノズルは、室内に旋回流を形成するように設けられた入水部と、前記旋回流を吐水し負圧部が形成されるように開口された吐水口と、を有する旋回室を備え、前記旋回室は、前記入水部から前記吐水口に至る部分が前記吐水口の開口径と略同一の内径を有することを特徴とする。
入水部から吐水口までの内径を略同一とすることにより、入水部から導入され旋回流を形成する液体の圧力損失を低減し、小さい送水能力の送水手段を用いた場合でも大きな流量が得られ、強い吸引力が得られる。また、マッサージノズルのサイズをコンパクトにでき、さらに、製造性も大幅に向上する。
【0011】
または、本発明のマッサージノズルは、一端が吐水口として開放された略円筒状の空洞部と、室内に旋回流を形成するように前記空洞部の周壁に設けられた入水部と、を有する旋回室を備えたことを特徴とする。
【0012】
入水部から吐水口までを略円筒状の空洞部とすることにより、入水部から導入され旋回流を形成する液体の圧力損失を低減し、小さい送水能力の送水手段を用いた場合でも大きな流量が得られ、強い吸引力が得られる。また、マッサージノズルのサイズをコンパクトにでき、さらに、製造性も大幅に向上する。
【0013】
ここで、前記旋回室は、前記吐水口に対向する底面を有し、前記入水部は、前記底面から前記吐水口に向けて突出した凸状部の側面に設けられたものとすることができる。入水部を旋回室の内部に形成すれば、旋回室の円周方向外側に水の導入路を設ける必要がなくなるので、マッサージノズルの外周形状をコンパクトにできるという効果が得られる。
【0014】
また、前記旋回室は、前記吐水口に対向する底面を有し、前記入水部は、前記底面に設けられたものとすることができる。入水部を旋回室の底面に形成した場合にも、旋回室の円周方向外側に水の導入路を設ける必要がなくなるので、マッサージノズルの外周形状をコンパクトにできるという効果が得られる。
【0015】
また、前記旋回室は、前記吐水口に対向する底面を有し、前記底面から前記吐水口に向けて突出した凸状部が設けられたものとすれば、旋回流により形成される負圧領域に空気層が導入されることを阻止し、マッサージノズルを大気中に出した後に再び浴槽水中に沈めた後に、吸引力を迅速に回復させることができる。
【0016】
また、前記旋回室は、前記吐水口に対向する底面を有し、前記入水部は、前記底面に近接して設けられたものとすることができる。入水部を吐水口から遠ざけて、対向底面に近接させて設けることにより、入水部から導入された液体が直ちに吐水口に達してしまうことを防止し、旋回流を発達させて吸引力を効率的に発生させることが可能となる。またさらに、入水部を吐水口から遠ざけることにより、旋回室の内部に大きな負圧領域を形成し、吸い込み領域を拡大することもできる。
【0017】
また、前記入水部から前記旋回室の周壁の略接線方向に水が入水されるものとすれば、周壁に沿った旋回流を効率的に発達させることができ、強い吸引力を得ることが可能となる。
【0018】
また、前記入水部が複数設けられたものとすれば、水の圧力損失を低減するとともに、均一な旋回流を形成することができる。その結果として、送水能力が限られたポンプや給湯設備を用いた場合でも強い吸引力が得られる。
【0019】
一方、本発明のマッサージシステムは、送水手段と、上記いずれかのマッサージノズルと、を備え、前記送水手段から前記マッサージノズルの前記入水部に水を供給し、使用者が前記マッサージノズルの前記吐水口に形成される前記負圧部を利用したマッサージを実施可能としたことを特徴とする。
上記構成によれば、限られた送水能力で効率良く吸引力を発生させることができるので、給水ポンプを小型化でき、初期コスト、ランニングコストを低下させ、省スペースも実現できるマッサージシステムを提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3は、本発明の実施の形態にかかるマッサージノズル1を表す模式図である。すなわち、図1は、マッサージノズル1の正面図であり、図2は、図1のA−A線断面図、図3は、図2のB−B線断面図である。
本実施形態のマッサージノズル1は、断面が略円型の旋回室8が形成された旋回部2を有する。旋回室8には、その周壁の略接線方向に開口した入水部6と、略円形の周壁の端に略円形に開放された吐水口7とが設けられている。そして、導入路5が入水部6に連通して形成されている。入水部6から導入された水は、旋回室8の周壁8Wに沿って旋回流CFを形成する。ここで、旋回流CFを効率的に形成するためには、入水部6は旋回室の周壁8Wの接線方向に開口していることが望ましい。但し、入水部6が、周壁8Wに対して正確に接線方向に開口しておらず、その開口方向あるいは開口位置に接線方向からの「ずれ」があるような場合でも、旋回流が形成されればよい。
そして、本発明においては、図2に表したように、旋回室8の入水部6から吐水口7に至る部分が略円筒状に形成されている。すなわち、旋回室8の内径は、その入水部6から吐水口7に至るまで、略一定とされている。
【0021】
以下、図2及び図3を参照しつつ、マッサージノズル1の動作について説明する。
図示しない送水手段から送られた水は、導入路5を通り、旋回部2内の入水部6から旋回室8へと導入される。この際に、入水部6は旋回室8の接線方向に開口されているので、旋回室8内に導入された水は、旋回流CFを形成する。この旋回流CFは、旋回室8の周壁に沿って旋回しながら吐水口7に達し、吐水口7から円錐状の旋回吐水(図中A)となって吐水される。この時、旋回流CFがもつ遠心力によって、旋回室8の中心部に負圧部が生じるため、吐水口7の中心軸に沿ってマッサージノズル1の外から旋回室8の中へ引き込もうとする力NF(以下、「吸引力」と呼ぶ。)が生じる。
【0022】
図4は、人体の被処理部位10に吸引力NFが作用する状態を表す模式図である。旋回流CFにより形成される吸引力NFにより、被処理部位10は、旋回室8の内部へと吸引される。一方、旋回吐水Aは、吐水口7の先端と人体の被処理部位10との間には連続的な水膜を形成する。従って、吐水口7の近傍に被処理部位10を近づけると、旋回吐水Aによってドーナツ状に押され、かつその中心部は吸引力によって引っ張られる。つまり人体10は押圧力PFと吸引力NFとを同時に受けるという快適なマッサージ感を得ることができる。
【0023】
これにより、被処理部位10は立体的にマッサージを受けることが可能であり、血行促進を促す等の効果がある。人体の被処理部位10の形状等を考慮すると、吐水口7の径は、φ5mm〜φ80mmの範囲内にあることが望ましい。これ以上大きいと人体の起伏にそって操作しにくくまた装置が大きくなるため操作性に乏しい。逆に、この範囲よりも小さいと、人体に対してマッサージ効果及びマッサージ感が乏しくなる。また、旋回吐水Aおよび吸引力NFは吐水口7からの距離によって変化するので、吐水口7から人体10までの距離を変化させることで作用力を変化でき、使用者に与えるマッサージ感を変化させることもできる。
【0024】
図5は、旋回室の形状を比較して表した模式図である。すなわち、同図(a)は、本発明の旋回室の断面を表し、その内径は、入水部6から吐水口7に至るまで略一定とされている。一方、図5(b)は、比較例として「絞り部」を有する旋回室の断面を表す。すなわち、この比較例の場合、旋回室8は、入水部6側に設けられた略円筒状の部分と、吐水口7に向けてその内径が徐々に縮小された「絞り部9」とを有する。
【0025】
本発明者は、これらの旋回室を有するマッサージノズルをそれぞれ試作し、吸引力を比較した。
図6は、本発明者が実施した測定の方法を表す模式図である。すなわち、本発明及び比較例のマッサージノズルの吐水口7の正面に、小穴300Hが設けられた受圧板300を配置し、その小穴300Hにおける吸引圧力をマノメータ320により測定した。測定したマッサージノズルの構造パラメータは以下の通りである。
Figure 2004337448
また、受圧板300は、75mm×75mmの正方形状であり、小穴300Hは直径2mmとした。受圧板300と吐水口7との間隔は7mmとし、旋回室8の中心軸上に小穴300Hを配置した。
【0026】
図7は、本発明及び比較例のマッサージノズルにおいて測定された吸引圧力を表すグラフ図である。すなわち、同図の横軸は、旋回室8に供給した流体エネルギーを表し、縦軸は小穴300Hにおける吸引圧力を表す。ここで、流体エネルギーEは、次式により表される。
E=P×Q+1/2×ρ×V×Q
ここで、Pは旋回室8への水の供給圧力、Qは水の流量、ρは水の密度、Vは水の流速をそれぞれ表す。
図7から、本発明のマッサージノズルは、同一の流体エネルギーにおいて、比較例のマッサージノズルよりも、高い吸引圧力が得られていることが分かる。比較例のマッサージノズルの場合、吐水口7の手前に「絞り部9」が設けられているため、圧力損失が大きく、エネルギーのロスが生じていると考えられる。これに対して、本発明のマッサージノズルの場合、入水部6から導入された水は、大きな圧力損失を受けることなく旋回流を形成して吐水口7から吐出される。その結果として、効率よく吸引力を発生させることができる。
【0027】
一般家庭の浴室などで使用する場合を考えると、送水ポンプや給湯設備の給水能力には限界がある。これに対して、本発明によれば、効率良く高い吸引力を発生させることができる。このため、送水能力の小さな送水ポンプや給湯設備を用いても強い吸引力が得られ、従来よりも顕著な各種の生体効果が得られると同時に、ランニングコストや設置スペースなどの削減も可能となる。
【0028】
本発明の試作評価の結果によれば、送水能力が200ワット未満のポンプを用いた場合でも、本発明によれば、十分に強い吸引力が得られる。
【0029】
またさらに、このような単一の円筒状の旋回室8は、製造が極めて容易であり、コストも下げることができる。すなわち、図5(b)に例示したような「絞り部9」を有するマッサージノズルを形成するためには、円筒状の旋回室8が形成された旋回部と、「絞り部9」が形成された吐水部と、を別々に形成し、しかる後に、これらを組み合わせてマッサージノズルを形成する必要がある。
【0030】
これに対して、本発明のマッサージノズルにおいては、旋回室8が略単一の円筒状であるので、全体を単一の部品として製造することができる。なお、本具体例のマッサージノズル1を樹脂の射出成形技術(インジェクション・モールド)などにより形成する場合、旋回室8をやや「テーパ」を形成する場合がある。すなわち、鋳型に樹脂をモールドし、その後に旋回室8の内部空間を形成するための鋳型突出部を円滑に引き抜くためには、旋回室8の内径を均一ではなく、吐水口7に向けてやや内径が拡がるように形成することが望ましい。本発明は、このようなテーパ状の旋回室8を有するものも包含する。
【0031】
次に、本発明のマッサージノズルにおける入水部6の位置について説明する。
図8は、本発明のマッサージノズルにおいて入水部6の位置が異なる具体例を表した模式図である。すなわち、同図も、図4と同様に入水方向に対向する方向から眺めた断面図である。
同図(a)に表したように、入水部6が吐水口7に接近して設けられた場合、導入された水が旋回流を十分に形成する前に吐水口7に達してしまう。旋回流が十分に発達しないので、負圧領域NPもあまり成長しない。
【0032】
これに対して、図8(b)に表したように、入水部6を吐水口7から遠ざけ、旋回室8の底部壁面8Rに近接させて設けると、導入された水は、吐水口7に達する前に、旋回流CFを発達させることができる。その結果として、その遠心力により、旋回軸上に負圧領域NPが成長する。
【0033】
図9は、入水部6の位置による吸引力の変化を説明するための概念図である。
【0034】
すなわち、同図(a)に表したように、入水部6が吐水口7の近傍に設けられた場合には、旋回流が十分に発達せず、吸引力NFも小さい。その結果として、人体の被処理部位10の変位量も小さく、吸引マッサージ効果は小さい。
【0035】
これに対して、同図(b)に表したように、入水部6を吐水口7と旋回室の底面8Rとの中間に設けた場合には、旋回流がある程度形成され、これに応じて吸引力NFも増加する。
【0036】
そして、同図(c)に表したように、入水部6を旋回室の底面8Rの近くに設けた場合には、旋回流が十分に発達し、強い吸引力NFが得られる。その結果として、人体の被処理部位10の変位量も大きくなり、強いマッサージ効果や各種の生体効果を得ることができる。
【0037】
次に、本発明のマッサージノズルにおける入水部6の形状について説明する。図10(a)は、図3と同様の方向からみた断面図を異なる角度で表したものであり、同図(b)は、同図(a)のC−C線断面図である。
【0038】
本発明においては、図10(b)に表したように、旋回室8に対する入水方向(矢印S)に対向する方向から入水部6を見たときに、旋回流CFの旋回軸Zに対して垂直な方向の幅W2よりも旋回軸Zに対して平行な方向の幅W1の方が大なる形態に形成することが望ましい。換言すると、旋回室8への入水方向(矢印S)に対して垂直且つ旋回流CFの旋回軸Zに対して垂直な方向に沿った入水部6の幅W2よりも、旋回室8に対する入水方向に対して垂直且つ旋回流の旋回軸Zに対して平行な方向に沿った入水部6の幅W1の方が大となるように形成することが望ましい。このように入水部6を形成することにより、旋回室8において旋回流を効率的に発達させることができる。その結果として、少ない流量で大きな吸引力が得られる。
【0039】
これは、入水部6の開口中心が旋回軸Zから遠くなるので、水流に与えるモーメントが増加し、旋回流CFを十分に発達させやすいからである。つまり、このように入水部6を扁平状に設けることにより、効率良く旋回流を発達させてさらに強い吸引力を発生させることができる。このため、少ない送水能力の送水ポンプや給湯設備を用いた場合でもさらに強い吸引力が得られ、従来よりも顕著な各種の生体効果が得られると同時に、ランニングコストや設置スペースなどの削減も可能となる。
【0040】
図11は、旋回室8において形成される旋回流の状態を表す概念図である。すなわち、同図も、図10(b)と同様に入水方向に対向する方向から眺めた断面図である。
図11(b)に表したように、入水部6が通常の円形状などの場合に比べ、図11(a)に表したように、入水部6が周壁8Wに近接して扁平状に設けられた場合には、旋回室8の周壁8Wに沿った旋回流CFが発達しやすく、これに応じた負圧領域NPも発達させることができる。
【0041】
特に、本発明の場合、吐水口7に、図5(b)に例示したような「絞り部」が設けられていないため、圧力損失が低い代わりに、水の「閉じこめ」効果が低い。従って、入水部6から旋回室8に導入した水が、吐水口7に直ちに達して吐出されやすい構造であるといえる。従って、このようなストレート形状の場合には特に、入水部6の形状を扁平として、できるだけ旋回室8の周壁8Wに近接させて入水させることが望ましい。つまり、入水部6の幅W2をできるだけ小さくすることが望ましい。
但し、幅W2を小さくすると、入水部6の圧力損失が増加し、流量が低下する傾向がある。このような場合には、複数の入水部6を設けるとよい。
【0042】
図12は、ふたつの入水部が設けられた具体例を表す模式図である。すなわち、同図は、図3と同様の方向からみた断面図である。
本具体例のマッサージノズル1は、円筒形の旋回室8の周壁に対して、その接線方向に開口したふたつの入水部6A、6Bを有する。これら入水部6A、6Bは、共通の導入路5から送水され、旋回室8に水を導入する。このように、ふたつの入水部を設けることにより、入水部を図10の如く扁平状に形成しても圧力損失の増加を抑えて、必要な流量を得ることができる。なお、必要に応じて、旋回室8の周壁に沿って3つ以上の入水部を適宜設ければ、さらに圧力損失の増加を抑えることが可能となる。
また、複数の入水部を旋回室8の周壁に沿って均等に配置すると、旋回軸が旋回室8の中心軸とほぼ一致した均一な旋回流を形成することができる。
【0043】
次に、リング状の「ガイド部」が設けられたマッサージノズルについて説明する。
図13は、本実施例のマッサージノズルの正面図である。
また、図14は、そのA−A線断面図である。これらの図については、図1乃至図12に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、マッサージノズル1の前面に、ガイド部22が設けられている。ガイド部22は、吐水口7の前面にリング状に突出したガイドリング部22Aと、マッサージノズル1の側面からやや後方に向けて延在したスカート部22Bと、を有する。
ガイド部22の先端における内径D4は、吐水口7の内径D2よりも大きい。こうすることにより、旋回吐水を皮膚にあてることができ、吐水力による刺激感を維持できる。また、内径D4をガイド部22のサイズをマッサージノズル1の外径D3よりも小さくしてもよい。このようにすると、人体に対してガイド部先端の位置決めをしやすく、操作性が向上する。なお、ガイド部22の先端は、人体と接触する場合があるので安全を考慮して端面は曲面状とすることが望ましい。
【0044】
図15は、本実施例のマッサージノズルの使用状態を表す模式図である。
本発明のマッサージノズルにより吸引トリートメントを実施する場合、吐水口7と人体の被処理部位10との間には、吸引力と押圧とがバランスする最適な間隔が存在する。これは、例えば図2に表したように、押圧力PFと吸引力NFとが同時に作用することからも分かる。しかし、両者がバランスする最適な距離を常に維持することは容易ではない。これに対して、本実施例においては、リング状のガイドリング部22Aを設けることにより、吐水口7までの最適距離を容易に得ることができる。つまり、ガイドリング部22Aの先端を被処理部位10に軽く押し当てることにより、最適な吸引作用が得られる距離を維持することができる。
また、使用者は、このマッサージノズル1を用いて吸引トリートメントを実施する際には、ガイドリング部22Aを被処理部位に軽く押し当てるようにする。前述したように、吐水口7からは旋回流が矢印Aで表したように吐水されているので、ガイドリング部22Aと被処理部位(人体)10との間にも、均質な水膜(D)が形成される。つまり、被処理部位(人体)は、均質で連続的な水膜により保護されるので、ガイドリング部22Aを設けても、被処理部位(人体)に対する不快な刺激は少ない。その結果として、吸引トリートメントを続けながら被処理部位の上でマッサージノズル1を滑らかに移動させることができる。
【0045】
またさらに、このようなガイドリング部22を設けることにより、図14に表したように、吐水口7から周囲に略円錐状に吐出される旋回流吐水Aの周囲への飛散を抑制できる。つまり、吐水口7から広角度に飛散する吐水成分Aによる不快感や刺激などを緩和して、使用感が向上する。
またさらに、ガイド部22の後方に延在するスカート部22Bを設けて、吐水口7から吐出された水の一部をマッサージノズル1の後方に逃がす水路23を形成することができる。つまり、吐水口7から吐出された水の一部は矢印Dの如く、被処理部位10とガイドリング部22Aの先端との間に水膜を形成し、他の一部は、矢印Rの如く、水路23を通って、マッサージノズル1の後方に流出する。このような水路23を設けることにより、吐水口7の前面、すなわちガイドリング部22Aの内側における吐水の滞留を防止することができる。つまり、ガイドリング部22Aを設けた場合、その先端に被処理部位10をあてがった状態で吐水させると、ガイドリング部22Aの内側の空間に吐水が滞留し、吐水口7の近傍における水流の分布が変化して、負圧力が低下したり負圧領域が減少したりするおそれがある。これに対して、吐水を逃がす水路23を設けることにより、ガイドリング部22Aを設けても、吐水口7近傍の水流の分布の「くずれ」を防ぐことができる。つまり、所期の吸引作用を得ることができる。
【0046】
なお、吐水の一部を後方に逃がす水路23の効果をさらに上げるためには、ガイドリング部22Aの径がノズルの後方に向けて徐々に拡がるように形成してもよい。
図16は、ガイドリング部22Aの径が拡がるように形成されたマッサージノズルを例示する模式断面図である。すなわち、本具体例の場合、ガイドリング部22Aは、ノズルの後方に向けて徐々に径が拡がり、スカート部22Bに連続的に連なる。このようにすると、吐水をノズル後方に逃がすための水路23を拡げることができ、ガイドリング部22Aの内部における吐水の滞留をより効果的に低減できる。その結果として、吐水口7の前面での水流の分布の「くずれ」を防いで、所期の吸引作用を維持できる。
【0047】
また、これらガイド部22は、例えば、図17に表したように、複数の支持板22Cによりマッサージノズル本体に固定することができる。この時、支持板22Cは、水路23を流れる吐水を整流する「静翼」として作用する。つまり、水路23を流れてノズル1の側方または後方に流出する戻り吐水流は、旋回成分を保持している。このため、水路23からノズルの側方や後方に向けて飛散し、使用者に不快感を与える場合がありうる。これに対して、支持板22Cを適宜設けることにより、これら戻り吐水流が有する旋回成分を吸収し、戻り吐水流の飛散を防ぐことができる。
【0048】
次に、旋回室8の底面が後退しているマッサージノズルについて説明する。
【0049】
図18は、本実施例のマッサージノズルの正面図であり、図19は、そのA−A線断面図である。
すなわち、本実施例においては、旋回室8の底面8Rが、後方、すなわち吐水口7とは反対の方向に略円錐状に後退している。図7に関して前述したように、本発明においては、入水部6から吐水口7までの内径を略同一とすることにより、圧力損失を低減し、効率よく吸引力を発生させることができる。従って、入水部6よりも後方の旋回室8の空間は、本実施例の如く略円錐状に後退させてもよい。
【0050】
このように、旋回室8の底面8Rを入水部6よりも後方に後退させると、旋回室8の型成形が容易となる。すなわち、樹脂の射出成形技術などを用いて旋回室8の部分を形成する場合、入水部6が旋回室8の底面8Rに隣接して設けられていると、これを一体的に成形するための型形成が容易でない。このような場合に、本具体例の如く旋回室8の底面8Rを後退させると、成形用の型を容易に形成でき、射出成形技術を用いて低コストでマッサージノズルを製造することができる。
【0051】
また、本実施例においても、旋回室8のうち、入水部6から吐水口7に至る部分の内径は、略一定とされ、ストレートな周壁が形成されている。こうすることにより、限られた送水能力で高い吸引力を効率的に得ることができる。
【0052】
また、図20は、本実施例の変型例を表す模式断面図である。すなわち、本変型例の場合、旋回室8の底面8Rは、曲面状に後退している。底面8Rをこのように後退させた場合にも、上述したものと同様の作用効果が得られる。なお、旋回室8の底面8Rを後退させたマッサージノズルは、図18乃至図20には限定されない。これらの他にも、例えば、底面8Rを多面体状に後退させてもよく、または、底面8Rの中心に向かって段階的に後退するように形成してもよい。
【0053】
次に、旋回室8の底面に凸状部が設けられたマッサージノズルについて説明する。
図21は、本実施例のマッサージノズルの正面図であり、図22は、そのA−A線断面図である。
すなわち、本実施例においては、旋回室8の底面8Rに凸状部8Pが設けられている。この凸状部8Pは、旋回室8の内径よりも小さい直径を有する略円柱状に形成され、旋回室8の底面8Rから吐水口7よりも手前側まで突出するように設けられている。
【0054】
図23は、本実施例のマッサージノズルの動作状態を表す概念図である。
入水部6から導入された水は、旋回室8の周壁8Wに沿って旋回流CFを形成する。つまり、旋回流CFは、周壁8Wの近傍に形成され、それよりも内側の空間は、旋回流CFの遠心力により負圧領域となる。本実施例における凸状部8Pは、この旋回流CFに接触する場合と接触しない場合とに大別される。
図24は、これら2通りの凸状部8Pを説明するための概念図である。すなわち、同図(a)及び(b)は、図11などと同様に、入水方向に対向する方向から眺めた旋回室8の断面を表す。
図24(a)に表した凸状部8Pは、旋回流CFと実質的に接触しないように設けられている。すなわち、入水部6から導入された水は、旋回室の周壁8Wに沿って水膜状の旋回流CFを形成する。同図(a)に表した凸状部8Pは、この旋回流の水膜CFに接触せず、その内側に形成される負圧領域の一部を占めるように設けられる。
【0055】
このような凸状部8Pを設けることより、旋回室8内の空気柱を迅速に排除できるという効果が得られる。旋回室8内の負圧領域に空気層が形成されると、吸引力が低下する。例えば、マッサージノズルを浴槽水の中から大気中に出した後、再び浴槽水の中に沈めた場合、当初は、旋回流CFの中心の負圧領域に空気層が閉じこめられた状態となる。その後、旋回流CFの遠心力により、閉じこめられた空気層は旋回流CFに搬送されて徐々に排出され、本来の吸引力が回復する。
【0056】
図24(a)に表した具体例によれば、旋回流CFにより形成される負圧領域の一部を凸状部8Pにより充填することで、旋回室8に入り込む空気層の量を減らすことができる。その結果として、例えば、マッサージノズルを大気中に出した後に、浴槽水の中に沈めた場合に、旋回室8の中に閉じこめられた空気層を迅速に排出させ、本来の吸引力を迅速に回復させることができる。
一方、図24(b)に表した具体例の場合、凸状部8Pは、旋回流CFが形成する水膜に接触するように設けられている。すなわち、同図において、入水部6から導入される水は、仮に凸状部8Pが設けられていないとすると、破線で表したように旋回流CFの水膜を形成する。これに対して、凸状部8Pは、水膜の形成空間を規制するように設けられている。このように凸状部8Pを形成しても、同図(a)に関して前述した場合と同様に、旋回室8に入り込む空気層の量を減らす効果が得られる。さらにまた、本具体例によれば、旋回流CFに対する増速効果や整流効果が得られる。
すなわち、入水部6から旋回室8に導入する水の送水量を一定とすると、図24(b)の如く旋回流CFの形成空間を規制することにより、旋回流CFの流路を絞り、流速を増加させることができる。その結果として、より強い吸引力を得ることが可能となる。
また、例えば、入水部6の位置や数などのパラメータに応じて旋回流CFが均一に形成されにくいような場合でも、このように凸状部8Pを設けることにより、旋回流CFを整形して均一に形成させることが可能となる。つまり、旋回流CFに対する整流効果が得られる。
【0057】
図25乃至図28は、本実施例の変型例を表す模式断面図である。
すなわち、図25に表した変型例の場合、凸状部8Pの先端が凸状の曲面状に形成されている。凸状部8Pの先端を曲面状にすることにより、その周囲を流れる旋回流の剥離を円滑にすることができる。すなわち、図24(b)に表したように凸状部8Pが旋回流CFの水膜と接触するように設けれた場合、入水部6から導入された水は、旋回室8の周壁8Wと凸状部8Pとの間の空間を流れる。そして、凸状部8Pの先端に達した時に凸状部8Pから剥離して旋回する。この時に、図25に表したように、凸状部8Pの先端を曲面状とすれば、旋回流CFの剥離を円滑に生じさせることができる。
【0058】
次に、図26に表した変型例の場合、凸状部8Pの先端は、旋回室8の中に吸引される被処理部位10の先端形状に対応した凹状の曲面として形成されている。このようにすると、負圧領域に吸引される空気層の量を最小化できる。従って、旋回室8内に空気層が形成された場合に、迅速に吸引力を回復させることができる。
【0059】
次に、図27に表した変型例の場合、旋回室8の底面8Rの全体が略円錐状に突出して凸状部8Pが形成されている。このような形態に凸状部を設けてもよい。またこの場合、凸状部8Pを、略円錐状ではなく、曲面状や多面体状に突出させてもよい。
【0060】
次に、図28に表した変型例の場合、凸状部8Pは、吸引される被処理部位10に接触するように突出して設けられている。このようにすると、吸引作用による被処理部位10の変位量を規定できる。つまり、被処理部位10の変位量を常に一定に維持し、過度の変位を抑制するとともに、一定のマッサージ効果あるいは吸引効果を再現させることができる。また、被処理部位10に凸状部8Pを接触させることにより、使用者に吸引作用を実感させる作用も得られる。
そして、これらいずれの変型例においても、旋回室8のうち、入水部6から吐水口7に至る部分の内径は、略一定とされ、ストレートな周壁が形成されている。こうすることにより、限られた送水能力で高い吸引力を効率的に得ることができる。
【0061】
次に、凸状部8Pに入水部が設けられたマッサージノズルについて説明する。
図29(a)は、本実施例のマッサージノズルの外観を模式的に表す斜視図であり、(b)はその縦断面斜視図である。
また、図30は、図29のA−A線断面図である。
【0062】
すなわち、本実施例のマッサージノズルにおいては、旋回室8に突出した略円柱状の凸状部8Pの円柱側面に一対の入水部6が設けられている。水は、矢印Wの方向に導入路5に導入される。導入路5と旋回室8とを連通させる一対の入水部6は、図30に表したように、略らせん状に形成され、旋回室8の円筒状の内周壁8Wの接線方向に向けて水が吐出されるように開口している。
このように、凸状部8Pから旋回室8に水を導入しても、旋回流を形成することが可能である。また、旋回室8の円周方向外側に導入路5を設ける必要がなくなるので、マッサージノズルの外周形状をコンパクトにできるという効果が得られる。
【0063】
また、図30に表したように複数の入水部6を凸状部8Pの円筒側面に均等に設けることにより、水の圧力損失を低減するとともに、均一な旋回流を形成することができるという効果も得られる。さらに、本実施例においても、旋回室8の内径を入水部6から吐水口7にわたって略同一としたことによる効果や、凸状部8を設けたことによる効果も同様に得られる。
【0064】
次に、旋回室の底面に入水部が設けられたマッサージノズルについて説明する。
【0065】
図31(a)は、本実施例のマッサージノズルの外観を模式的に表す斜視図であり、(b)はその縦断面斜視図である。
また、図32は、このマッサージノズルを吐水口7の側から眺めた図である。
【0066】
すなわち、本実施例のマッサージノズルにおいては、旋回室8の底面8Rに4つの入水部6が設けられている。底面8Rの裏面側には導入路5が形成され、水は、矢印Wの方向に導入される。そして、入水部6は、旋回室8の円周内壁の接線方向にできるだけ近い方向に水が旋回室8に導入されるように、底面8Rに対して斜めに開口している。このように、旋回室の底面8Rに入水部6を設けても、旋回流を形成することが可能である。
【0067】
旋回流を発達させるためには、入水部6をできるだけ底面8Rに対して傾斜させて開口する必要があり、圧力損失が増加するおそれもあるが、図示した如く、複数の入水部6を設けることにより、圧力損失の増加を抑えることができる。また、本具体例の如く複数の入水部6を均等な配置関係で設けると、均一な旋回流を形成することができる。
【0068】
本実施例の場合も、旋回室8の円周方向外側に導入路5を設ける必要がなくなるので、マッサージノズルの外周形状をコンパクトにできるという効果が得られる。また、本実施例においても、旋回室8の内径を入水部6から吐水口7にわたって略同一としたことによる効果を同様に得ることができる。
またさらに、本実施例においても、図22乃至図28に関して前述したような凸状部を設けることにより、同様の作用効果を得ることができる。
【0069】
次に、本発明のマッサージシステムについて説明する。
すなわち、図1乃至図32に関して前述した本発明のマッサージノズルを、送水手段などと組み合わせることにより、吸引トリートメントが実施可能なマッサージシステムが実現する。
まず、本発明のマッサージシステムの第1の実施例として、椅子型のマッサージシステムについて説明する。
図33及び図34は、本発明の第1の実施例のマッサージシステムを、斜め正面側、及び斜め後方側からそれぞれ眺めた模式図である。
また、図35は、このマッサージシステムの要部構成を表すブロック図である。
【0070】
すなわち、本実施例のマッサージシステムをその外部から眺めると、筺体70と、その正面から伸びる可撓性ホース30と、その先端に設けられたマッサージノズル1と、を有する。筺体70には、操作スイッチ72、取水口76、持ち穴78、電源コード80などが適宜設けられている。 筺体70の内部には、送水手段50が収容されている。送水手段50は、例えば耐水処理が施された電動式の送水ポンプを内蔵し、取水口76から取り入れた水(お湯)を可撓性ホース30を介してマッサージノズル1に送出する。送水ポンプは、例えば、筺体70の外部から交流または直流の電力の供給を受けるようにしてもよく、または、筺体70の中に充電池などの電源を内蔵して電力を供給してもよい。いずれの場合にも、浴槽内の湯に沈めて安全に使用できるよう、所定の耐水処理が適宜実施されている。
【0071】
一方、マッサージノズル1は、図33に例示した如く、シャワーヘッドに類似した外観を有する。同図に表したマッサージノズル1Aは、その先端付近を「わしづかみ」にして用いるのに適した形状を有する。またマッサージノズル1Bは、通常のシャワーヘッドの如くその根本部分を保持して用いるのに適した形状を有する。
これらマッサージノズル1(1A、1B)は、図1乃至図32に関して前述したように、旋回室8が略円筒状に形成されている。すなわち、旋回室8の内径は、その底面8Rから吐水口7に至るまで、略一定とされている。このような独特の構造を有するマッサージノズルを設けることにより、送水手段50から送出された水の旋回流による吸引力を効率的に発生させることができる。使用者は、強い吸引力を利用して、被処理部位に対して効果的な吸引トリートメント(吸引マッサージ)を実施することができる。
【0072】
図36は、本実施例のマッサージシステムの使用状態を説明するための模式図である。すなわち、使用者200は、湯110をはった浴槽100の中に本発明のマッサージシステムを設置し、筺体70の上に腰掛けた状態でマッサージノズル1を操作することができる。この際に、図2や図15に関して前述したように旋回吐水Aにより形成される水膜により吐水口7の周囲が覆われるため、人体の被処理部位10の表面は常に均質な水膜に保護され、人体はマッサージノズルから過度の摩擦抵抗を受けず、不快な刺激が無く、使用感に優れる。浴槽内の水(お湯)の中に浸した状態で用いると、吸引力を低下させる空気層(空洞)が旋回室内に形成されることを抑制でき、より効果的である。また、浴槽100内のお湯110を循環使用する点で、節水効果も高い。
【0073】
本実施例のマッサージシステムによれば、旋回室8が略円筒状に形成されている。すなわち、旋回室8の内径は、その底面8Rから吐水口7に至るまで、略一定とされているマッサージノズルを用いることにより、限られた送水能力で強い吸引作用が得られる。その結果として、送水手段50をコンパクトにし、使用者200が腰掛けられる筺体70の中に収容することが容易となる。また、小さいポンプで強い吸引力が得られるので、ランニングコストも抑えることができる。
また、マッサージノズル1が筺体70に対して可撓性ホース30により接続されているので、マッサージノズル1を使用者の身体のあらゆる部分の被処理部位に対して柔軟且つ自在にあてることができる。
【0074】
また、本発明によれば、使用者200は、コンパクトな筺体70の上に腰掛けた状態でマッサージノズル1を操作できる。その結果、使用者200は、常にリラックスした状態で吸引トリートメントすることができる。またさらに、上半身、例えば脇の下から二の腕を吸引トリートメントするような場合でも、マッサージノズル1を浴槽の湯110の中に浸した状態で操作することが可能である。しかも、トリートメントしづらいヒップや太ももの裏側などが、腰掛けていることにより浴槽底面から浮いた状態となることにより、トリートメントするスペースが生じ、下半身、例えば、ヒップや太ももの裏側まで、まんべんなく吸引トリートメントすることができる。従って、これらの部位につきやすい「セルライト(老廃物と脂肪の塊)」を揉みほぐすことにより、老廃物の排出を促進し、セルライトを正常な脂肪に改善することができる。その結果として、人体の「引き締め効果」が得られる。
【0075】
次に、本発明のマッサージシステムの第2の実施例として、浴槽型のマッサージシステムについて説明する。
図37は、本発明のマッサージシステムの第2の実施例を表す模式図である。すなわち、同図は、浴槽100と組み合わされたマッサージシステムを表す。
本実施例の場合、浴槽100の中にノズル収容部120が設けられ、図1乃至図27に関して前述した本発明のマッサージノズル1は、このノズル収容部120に収容可能とされている。そして、送水手段50は、水配管60を介して浴槽100の中の水(お湯)を取水し、可撓性ホース30を介してマッサージノズル1に送出する。
【0076】
本実施例においては、図37(a)に表したように、ノズル収容部120にマッサージノズル1を収納した状態で、使用者は、浴槽100内に入浴しマッサージノズル1に被処理部位をあてがうことにより吸引押圧マッサージを受けることができる。この時、マッサージノズル1は、水没していてもよく、お湯よりも上に露出していてもよい。但し、図2に関して前述したように、マッサージノズル1を水没させたほうがより強い吸引マッサージを受けることができる。
また一方、図37(b)に表したように、マッサージノズル1をノズル収容部120から取り外して用いることができる。本実施例においては、マッサージノズル1は、可撓性ホース30により接続されているので、使用者は、マッサージノズル1を自由な位置に移動させ、被処理部位にあてて使用することができる。
【0077】
なお、本実施例においても、送水手段50により浴槽100内のお湯(水)をマッサージノズル1に供給する。つまり、浴槽100内のお湯を循環使用する点で、節水効果が高い。そして、図1乃至図32に関して前述した本発明のマッサージノズル1を用いることにより、限られた送水能力でも強い吸引力を発生させることができ、強い吸引押圧マッサージ効果を得ることができる。
【0078】
図38は、本発明のマッサージシステムの第3の実施例を表す模式図である。同図については、図1乃至図37に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、浴槽100のお湯を循環させる送水手段の代わりに、お湯(または水)の供給部400が設けられている。供給部400としては、例えば、浴槽100にお湯を供給するための給湯器を兼用することができる。
本実施例の場合には、供給部400を設けることより、浴槽100内にお湯がない状態においても、本発明のマッサージノズル1を用いた吸引押圧マッサージを受けることができる。もちろん、浴槽100内にお湯がはられた状態においても、吸引押圧マッサージを同様に実施することができる。
そして、図38(b)に表したように、可撓性ホース30を伸ばすことにより、マッサージノズル1を取り外して所望の被処理部位に向けて使用することができる。また、本実施例においては、図37に関して前述したような送水手段50や循環のための水配管60を設ける必要がないため、マッサージシステムの構造を簡略化させ、低コストで提供することが可能である。
【0079】
図39は、本発明のマッサージシステムの第4の実施例を表す模式図である。同図についても、図1乃至図38に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においては、ノズル収容部120が浴槽100の周縁の、いわゆる「エプロン」の部分に設けられている。吸引押圧マッサージを実施する場合には、マッサージノズル1を簡単に取り外し、使用者の人体の各所に容易にあてがうことができる。ノズル収容部120を浴槽100のエプロンに設置すると、マッサージノズル1を取り外すことが極めて容易となる。また、浴槽100内に入浴した状態で、マッサージノズル1が邪魔になる心配もない。
そして、本発明においても、可撓性ホース30によりノズル収容部120とマッサージノズル1とを接続することにより、マッサージノズル1を自在に取り扱うことができる。
【0080】
また、本実施例においても、浴槽100内のお湯を循環使用する点で、節水効果が高く、また、図1乃至図32に関して前述した本発明のマッサージノズル1を用いることにより、小さい送水能力で強い吸引押圧マッサージ効果を得ることができる。
【0081】
図40は、本発明のマッサージシステムの第5の実施例を表す模式図である。同図についても、図1乃至図39に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施例においても、ノズル収容部120が浴槽100の周縁の「エプロン」の部分に設けられている。このため、マッサージノズル1を取り外すことが極めて容易となる。また、浴槽100内に入浴した状態で、マッサージノズル1が邪魔になる心配もない。
また、本実施例においても、可撓性ホース30によりノズル収容部120とマッサージノズル1とを接続することにより、マッサージノズル1を自在に取り扱うことができる。さらに、送水手段50や循環のための水配管60を設ける必要がないため、マッサージシステムの構造を簡略化させ、低コストで提供することが可能である。そして、図1乃至図32に関して前述した本発明のマッサージノズル1を用いることにより、小さい送水能力で強い吸引マッサージが可能となる。
【0082】
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
すなわち、本発明のマッサージノズル及びマッサージシステムを構成するいずれかの要素について当業者が設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0083】
例えば、マッサージノズルの外形や、吐水口とのサイズの比率、あるいは入水部の位置関係などについては、旋回流が得られ、その結果として負圧部が形成される範囲内であれば、本発明に包含される。
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るマッサージノズルによれば、小さい送水能力でも旋回流を十分に発達させることが可能となり、強い吸引力が得られる。その結果として、従来よりも優れた各種の生体効果が得られ、また、ランニングコストを抑えたコンパクトなマッサージシステムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるマッサージノズル1の正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線断面図である。
【図4】人体の被処理部位10に吸引力NFが作用する状態を表す模式図である。
【図5】旋回室の形状を比較して表した模式図である。
【図6】本発明者が実施した測定の方法を表す模式図である。
【図7】本発明及び比較例のマッサージノズルにおいて測定された吸引圧力を表すグラフ図である。
【図8】本発明のマッサージノズルにおいて入水部6の位置が異なる具体例を表した模式図である。
【図9】入水部6の位置による吸引力の変化を説明するための概念図である。
【図10】(a)は、図3を異なる方向に表したものであり、(b)は、(a)のC−C線断面図である。
【図11】旋回室8において形成される旋回流の状態を表す概念図である。
【図12】ふたつの入水部が設けられた具体例を表す模式図である。
【図13】リング状のガイド部が設けられたマッサージノズルを表す模式図である。
【図14】図13のA−A線断面図である。
【図15】本実施例のマッサージノズルの使用状態を表す模式図である。
【図16】ガイドリング部22Aの径が拡がるように形成されたマッサージノズルを例示する模式断面図である。
【図17】ガイド部22を複数の支持板22Cによりマッサージノズル本体に固定した具体例を表す模式図である。
【図18】旋回室8の底面が後退しているマッサージノズルの本実施例の正面図である。
【図19】図18のA−A線断面図である。
【図20】図18の実施例の変型例を表す模式断面図である。
【図21】旋回室8の底面に凸状部が設けられたマッサージノズルの本実施例の正面図である。
【図22】図21のA−A線断面図である。
【図23】図21の実施例のマッサージノズルの動作状態を表す概念図である。
【図24】2通りの凸状部8Pを説明するための概念図である。
【図25】図21の実施例の変型例を表す模式断面図である。
【図26】図21の実施例の変型例を表す模式断面図である。
【図27】図21の実施例の変型例を表す模式断面図である。
【図28】図21の実施例の変型例を表す模式断面図である。
【図29】(a)は、凸状部に入水部が設けられたマッサージノズルの外観を模式的に表す斜視図であり、(b)はその縦断面斜視図である。
【図30】図28のA−A線断面図である。
【図31】(a)は、旋回室の底面に入水部が設けられたマッサージノズルの外観を模式的に表す斜視図であり、(b)はその縦断面斜視図である。
【図32】図30のマッサージノズルを吐水口7の側から眺めた図である。
【図33】本発明の第1の実施例のマッサージシステムを斜め正面側から眺めた模式図である。
【図34】本発明の第1の実施例のマッサージシステムを斜め後方側から眺めた模式図である。
【図35】第1実施例のマッサージシステムの要部構成を表すブロック図である。
【図36】第1実施例のマッサージシステムの使用状態を説明するための模式図である。
【図37】本発明のマッサージシステムの第2の実施例を表す模式図である。
【図38】本発明のマッサージシステムの第3の実施例を表す模式図である。
【図39】本発明のマッサージシステムの第4の実施例を表す模式図である。
【図40】本発明のマッサージシステムの第5の実施例を表す模式図である。
【符号の説明】
1、1A、1B マッサージノズル
2 旋回部
3 吐水部
5 導入路
6、6A、6B 入水部
7 吐水口
8 旋回室
8R 底部壁面
8W 周壁
8P 凸状部
10 被処理部位
22 ガイド部
22A ガイドリング部
23A スカート部
23 水路
30 可撓性ホース
50 送水手段
60 水配管
70 筺体
72 操作スイッチ
76 取水口
78 持ち穴
80 電源コード
100 浴槽
110 湯
120 ノズル収容部
200 使用者
300 受圧板
400 供給部
Z 旋回軸

Claims (9)

  1. 室内に旋回流を形成するように設けられた入水部と、前記旋回流を吐水し負圧部が形成されるように開口された吐水口と、を有する旋回室を備え、
    前記旋回室は、前記入水部から前記吐水口に至る部分が前記吐水口の開口径と略同一の内径を有することを特徴とするマッサージノズル。
  2. 一端が吐水口として開放された略円筒状の空洞部と、室内に旋回流を形成するように前記空洞部の周壁に設けられた入水部と、を有する旋回室を備えたことを特徴とするマッサージノズル。
  3. 前記旋回室は、前記吐水口に対向する底面を有し、
    前記入水部は、前記底面から前記吐水口に向けて突出した凸状部の側面に設けられたことを特徴とする請求項1記載のマッサージノズル。
  4. 前記旋回室は、前記吐水口に対向する底面を有し、
    前記入水部は、前記底面に設けられたことを特徴とする請求項1記載のマッサージノズル。
  5. 前記旋回室は、前記吐水口に対向する底面を有し、
    前記底面から前記吐水口に向けて突出した凸状部が設けられたことを特徴とする請求項1、2及び4のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  6. 前記旋回室は、前記吐水口に対向する底面を有し、
    前記入水部は、前記底面に近接して設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  7. 前記入水部から前記旋回室の周壁の略接線方向に水が入水されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  8. 前記入水部が複数設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のマッサージノズル。
  9. 送水手段と、
    請求項1〜8のいずれか1つに記載のマッサージノズルと、
    を備え、
    前記送水手段から前記マッサージノズルの前記入水部に水を供給し、使用者が前記マッサージノズルの前記吐水口に形成される前記負圧部を利用した吸引マッサージを実施可能としたことを特徴とするマッサージシステム。
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