JP2004337308A - 電気特性測定装置 - Google Patents

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Ei Taniguchi
映 谷口
Shinsuke Ueda
伸介 上田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】より短時間での測定を可能にするとともに、データ蓄積用のメモリを増やすことなく、より量子化誤差や非同期ノイズを低減させる。
【解決手段】M系列信号発生器11で生成された測定信号を被験者の体に投入し、投入された測定信号の電流値を測定するための電流増幅器15、アナログフィルタ16及びA/D変換器17と、被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に付けられた電極を介して被験者の体の所定の表面部位間に生じる電圧値を測定するための電圧差動増幅器18、アナログフィルタ19及びA/D変換器20と、これらA/D変換器17,20によるA/D変換データを一時記憶するためのサンプリングメモリ21とを備えており、CPU10は、M系列信号の1周期前までの同期加算データとA/D変換データとを同期加算した上でサンプリングメモリ21に上書きで記憶する処理をN回行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体電気インピーダンス法に基づいて、被験者の体脂肪の状態や体水分分布を推計するのに有用な電気特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、M系列信号を使用した生体インピーダンス測定装置である電気特性測定装置をすでに出願している(特許文献1参照)。
【0003】
この装置では、4端子A/Dコンバートされた信号をフーリエ変換することにより、多くの周波数での生体電気インピーダンスを測定して細胞の内外の水分量情報を算出している。この装置では明細書には記載していないが、信号のSN比を向上させるため、M系列信号を多数回出力させ、各信号の同期加算を行っている。
【0004】
以下、その従来技術を説明する。
【0005】
近年、人間や動物の身体組成を評価する目的で、生体の電気特性に関する研究が行われている。生体の電気特性は、組織又は臓器の種類によって著しく異なっており、例えば、ヒトの場合、血液の電気抵抗率は150Ω・cm前後であるのに対して、骨や脂肪の電気抵抗率は1〜5kΩ・cmもある。この生体の電気特性は、生体電気インピーダンスと呼ばれ、生体の体表面に装着された複数の電極間に微小電流を流すことにより測定される。このようにして得られた生体電気インピーダンスから披験者の体水分分布や体脂肪率、体脂肪量を推計する方法を生体電気インピーダンス法という(「身体組成の評価法としての生体電気インピーダンス法」,Baumgartner, R.N., etc.著、「生体電気インピーダンスとその臨床応用」, 医用電子と生体工学, 金井寛著,20(3) Jun 1982 、「インピーダンス法による体肢の水分分布の推定とその応用」, 医用電子と生体工学, 波江野誠等著,23(6) 1985 、「インピーダンス法による膀胱内尿量の長時間計測」, 人間工学, 口ノ町康夫等著,28(3) 1992 等参照)。
【0006】
生体電気インピーダンスは、生体中のイオンによって搬送される電流に対する生体の抵抗(レジスタンス)と、細胞膜、組織界面、あるいは非イオン化組織によって作り出される様々な種類の分極プロセスと関連したリアクタンスとから構成される。リアクタンスの逆数であるキャパシタンスは、電圧よりも電流に時間的遅れをもたらし、位相のズレ(フェーズシフト)を作り出すが、この値はレジスタンスに対するリアクタンスの比率の逆正接角(アークタンジェント)、すなわち、電気位相角として幾何学的に定量できる。
【0007】
これら生体電気インピーダンスZ、レジスタンスR、リアクタンスX及び電気位相角φは、周波数に依存している。非常に低い周波数fL では、細胞膜と組織界面の生体電気インピーダンスZは、電気を伝導するには高すぎる。したがって、電気は細胞外液を通してのみ流れ、測定される生体電気インピーダンスZは純粋にレジスタンスRである。
【0008】
次に、周波数が増加するにつれて、電流は細胞膜を貫通するようになり、リアクタンスXが高くなって位相角φを広げることになる。生体電気インピーダンスZの大きさは、Z=R+Xによって定義されるベクトルの値に等しい。リアクタンスX及び位相角φが共に最大になる時の周波数を臨界周波数fc といい、伝導導体である生体の1つの電気特性値である。この臨界周波数fc を越えると、細胞膜と組織界面が容量性能力を失うようになり、これにつれてリアクタンスXが減少する。非常に高い周波数fH では、生体電気インピーダンスZは、再び純粋にレジスタンスRと等価になる。
【0009】
図7は、人体の電気的等価回路図(等価回路モデル)である。
【0010】
この図において、Cm は細胞膜容量を表し、Ri 及びRe はそれぞれ細胞内液抵抗及び細胞外液抵抗を表している。低い周波数fL においては、電流は主に細胞外スペースを流れており、インピーダンスZは細胞外液抵抗Re に等しくなる。高い周波数fH においては、電流は細胞膜を完全に通るようになり、細胞膜容量Cm は、実質的に短絡されているのと等価である。したがって、高い周波数fH でのインピーダンスZは、合成抵抗Ri ・Re /( Ri +Re )に等しい。
【0011】
以上説明した方法により、細胞内液抵抗Ri と細胞外液抵抗Re とを求めることができ、これらに基づいて、被験者の体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等の体脂肪の状態や体水分分布(細胞内液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量)を推計でき、また、これらの抵抗Re,Ri の変化により、体水分分布の変化を推計できる。このような各パラメータの測定・推計を任意に選択された複数の周波数の微小正弦波電流を生体に投入し、得られた信号をデジタル信号処理して行う生体電気インピーダンス測定装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
まず、呼吸の影響について説明する。
【0013】
上述したように、脂肪の抵抗率は著しく大きいことが知られているが、空気の電気インピーダンスも著しく大きい。生体電気インピーダンスは、上述したように、人体の体表面に装着された複数の電極間に微小電流を流すことより測定されるが、電極は、通常、被験者の右手と右足にそれぞれ取り付けられるため、電流が右腕→右上半身→右下半身→右足と流れ、空気が多く含まれている右上半身(右肺)を通過している。
【0014】
生体電気インピーダンスは細胞膜容量Cm (図7参照)の影響を受けるが、この容量Cm が呼吸によって変化する。また、生体電気インピーダンスは、血行動態や代謝能等と関係しており、血流量との間にも密接な関係がある。すなわち、身体の血流量は、体内水分量の一部であり、心臓の拡張、収縮に応じて変化する。一方、生体電気インピーダンスは、身体の水分量に応じて変化する。したがって、心臓の拡張、収縮に応じて変化する血流量を考慮して、生体電気インピーダンスを測定しなければならない。
【0015】
しかしながら、上述した生体電気インピーダンス測定装置では、生体電気インピーダンスと血流量との間に密接な関係があるにもかかわらず、血流量を考慮して測定していないため、脈の影響を受けている。そこで、脈や呼吸の影響を低減するために、脈や呼吸の周期よりも長い間連続して生態電気インピーダンスを測定することが考えられるが、たとえ微小電流(例えば、300μA)とはいえ、長時間(例えば、1sec以上)連続して人体に電流を流した場合、人体に悪影響を及ぼす恐れがある。つまり、正弦波信号を用いた場合には、正確な生体電気インピーダンスや体脂肪量、体内水分量を測定できないという問題があった。
【0016】
以上の問題を解決するためには、脈や呼吸の影響を受けないような非常に短い時間で生体電気インピーダンスを測定する必要があるが、このために、正弦波の微小電流の代わりに多くの周波数成分を含んだインパルス状の微小電流を用いることが考えられる。しかしながら、この方法では、極短時間(例えば、0.1μsec程度)に電気エネルギーを集中させるため、高電圧を発生する回路が必要になるためばかりか、たとえ極短時間であっても非常に大きなエネルギーが人体に投入されるので、やけど等の損傷ないし場合によっては生命の危険が生じてしまうため、実用的ではない。
【0017】
そこで、被験者の体にM系列符号信号からなるプローブ電流を流し、流れる電流と電極間の電圧とを検出し、それぞれをフーリエ変換して、周波数毎の電圧値に変換し、変換結果に基づいて生体の部位間の生体電気インピーダンス等を算出し、生体電気インピーダンス等を表示する方法が考えられる。
【0018】
しかし、この方法ではハードウェアの出力信号に同期しないノイズがA/D変換器の1ビットより大きく存在しているときは、加算平均を取ることにより、量子化誤差(1ビット分)と非同期ノイズの両方が減少するが、非同期ノイズが小さい場合は、量子化誤差が減少せず、測定値に重大な悪影響を及ぼす。
【0019】
そのため、上記特許文献1の電気特性測定装置は、量子化誤差を減少させ、ハードウエアの非同期ノイズが存在する場合でも、信号のSN比を増大させることができるように、CPUと、M系列発生器及び矩形波発生器と、時分割器と、アナログフィルタと、電圧差動増幅器と、電流増幅器と、電圧用及び電流用のアナログフィルタと、電圧用及び電流用のA/D変換器とで構成している。すなわち、電気信号を時分割し、周期の異なった複数の系列の信号を出力させ、A/D変換器で変換された信号をこの系列の信号の一つの周期で同期加算を行う構成としたので、量子化誤差が減少して、ハードウエアの非同期ノイズが存在する場合でも、信号のSN比を増大させることができる。
【0020】
この場合、上記特許文献1の装置では、A/D変換データをそのままサンプリングメモリに蓄積し、後から同期加算処理を行うようになっている。
【0021】
この上記特許文献1の装置による同期加算処理について、図8のフローチャートを参照してもう少し詳しく説明する。
【0022】
まず最初に、サンプリングメモリを初期化するとともに、データ格納アドレスをサンプリングメモリの先頭アドレスに設定する(ステップS21)。次に、測定信号の出力を開始し(ステップS22)、サンプリングのタイミングになると(ステップS23でYesと判断されると)、A/D変換器からA/D変換データを出力する(ステップS24)。このA/D変換データをサンプリングメモリのデータ格納アドレスに格納した後(ステップS25)、データ格納アドレスをインクリメント(+1)する(ステップS26)。このような処理を所定回数(M系列のN周期分)に達するまで繰り返す(ステップS27でYesと判断されるまで繰り返す)。その結果、サンプリングメモリには、M系列信号の1周期分のA/D変換データが所定回数(N回)分格納されることになる。
【0023】
この後、同期加算後データメモリを初期化するとともに、データ読み出しアドレスをサンプリングメモリの先頭アドレスに設定し(ステップS28)、次に、データ格納アドレスを同期加算後データメモリの先頭アドレスに設定する(ステップS29)。そして、データ読み出しアドレスのA/D変換データとデータ格納アドレスのA/D変換データとを同期加算して、再びデータ格納アドレスに格納した後(ステップS30)、データ格納アドレスををインクリメント(+1)する(ステップS31)。このような処理(ステップS30〜ステップS31の処理)をM系列信号の1周期分に達するまで繰り返す(ステップS32でYesと判断されるまで繰り返す)。これにより、1周期前までのM系列信号の同期加算データと今回の1周期分のM系列信号との同期加算処理が1回行われたことになる。
【0024】
そして、このような処理(ステップS29及びステップS30〜ステップS32の処理)を、所定回数(N回)繰り返す(ステップS33でYesと判断されるまで繰り返す)。その結果、サンプリングメモリには、同期加算処理を所定回数(N回)行った後の1周期分のM系列信号が格納されることになる。
【0025】
この後、CPUは、サンプリングメモリに格納されているA/D変換データ(時間の関数である電圧値)を逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波数の関数である電圧値に変換した後、平均化を行い、周波数毎の生体電気インピーダンを算出する(ステップS34)。次に、得られた周波数の生体電気インピーダンスに基づいて、最小二乗法の演算手法を駆使してインピーダンス軌跡を算出し(ステップS35)、得られたインピーダンス軌跡から、被験者の体の周波数0時の生体電気インピーダンスR0と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR∞とを算出し、算出結果から、被験者の体の細胞内液抵抗と細胞外抵抗とを算出する(ステップS36)。
【0026】
ここで、上記ステップS22〜ステップS27の処理について、さらに具体的に説明する。
【0027】
例えば、M系列発生器は、1. 25MHzで作動する周期511(=2−1)のM系列信号を発生し、矩形波発生器は、周期(32/1. 25MHz)のデューティー50%の矩形波を発生し、時分割器は、0. 8μsec=1/1. 25MHzを4等分し、初めの3つの時間(0. 6μsec)はM系列発生器で発生したM系列信号を、後の1つの時間(0. 2μsec)は矩形波発生器で発生した矩形波信号を出力するように時分割するとする。一方、A/D変換のサンプリング周期が2. 5MHz、分解能が8bit であるとすると、このA/D変換データを時系列的に511×2×32=32704個(ワード)のサンプリングメモリに蓄積している(電圧、電流データに対応してdv(i),di(i) (i=0〜32703 )とする。ここでiはi番目に変換されたデータを示す)。
【0028】
すなわち、同期加算値をDv(n),Di(n) (n=0〜1021)とすると、
Dv(n) =Σdv(2*511 *m+n)
Di(n) =Σdi(2*511 *m+n)
となる。ここで和の記号Σはm=0〜31まで和をとるものとする。
【0029】
【特許文献1】
特開2000−316829号公報
【特許文献2】
特表平6−506854号公報
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記特許文献1の装置では、A/D変換データをそのままサンプリングメモリに蓄積し、後から同期加算処理を行う構成となっている。そのため、計測時間(測定信号を出力している期間)の他に、蓄積された膨大なデータ(32704ワード)を同期加算処理する時間が必要になるといった問題があった。また、同期加算回数を増やす程、量子化誤差や非同期ノイズは低減するが、データを蓄積するサンプリングメモリのメモリ容量の制約で、充分な同期加算回数が得られないといった問題もあった。
【0031】
本発明は係る問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、より短時間での測定を可能にするとともに、データ蓄積用のメモリを増やすことなく、より量子化誤差や非同期ノイズを低減させることのできる電気特性測定装置を提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気特性測定装置は、周期が異なる複数の符号系列信号を含む測定信号を発生する信号発生器と、被測定物からの応答信号を前記符号系列信号の少なくとも1つの周期で同期加算して前記被測定物の電気特性を測定する演算手段とを備える電気特性測定装置において、前記演算手段は、被測定物からの応答信号を測定する測定間隔の期間に前記同期加算を行うことを特徴とする。また、前記信号発生器は、周期T*( 2−1) ビット(nは正の整数)のM系列信号と、周期T*N=2*Wで(Nは2以上の整数)最初のW期間が1で残りのW期間が0である信号とを時分割で発生し、前記演算手段は、前記M系列信号に同期した加算をN回行うことを特徴とする。
【0033】
より具体的に説明すると、本発明の電気特性測定装置は、周期が異なる複数の符号系列信号を含む測定信号を生成し、生成した測定信号を被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に付けられた第1及び第2の電極を介して被験者の体に投入するための測定信号供給手段と、前記被験者の体に投入された前記測定信号の電流値を測定するための電流測定手段と、前記被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に付けられた第3及び第4の電極を介して被験者の体の所定の表面部位間に生じる電圧値を測定するための電圧測定手段と、前記電流測定手段及び前記電圧測定手段によってそれぞれ測定された電流値及び電圧値を一時記憶するための記憶手段と、該記憶手段に記憶された電流値及び電圧値により前記生体の前記部位間の生体電気インピーダンスを算出し、求めるべき生体電気インピーダンス又は生体電気インピーダンスに基づく物理量を算出する演算手段と、該演算手段によって算出された結果を出力する出力手段とを備えており、前記演算手段は、前記符号系列の内一つの系列の1周期前までの同期加算値と今回の測定値を測定毎に加算した上で前記記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0034】
このような特徴を有する本発明によれば、A/D変換したデータをそのまま蓄積するのではなく、M系列信号の1周期前までの同期加算データとA/D変換データとを同期加算してメモリに上書きする形で記憶する処理を、サンプリング毎に行うので、記憶手段の記憶容量は、M系列信号の1周期分の容量で済むことになる。具体的には、上記従来技術では、サンプリングメモリのメモリ容量が32704ワード分(=511×2×32)必要であったが、本発明によれば、1022ワード分(=511×2)ですむことになる。
【0035】
また、今回のサンプリングと次回のサンプリングとの間の期間は、演算手段にとっては待ち状態であり、この期間に同期加算処理を実施することができるので、同期加算処理のための時間を別途取る必要がない。つまり、上記従来技術では、同期加算処理時間として、511×2×32×A=32.704Amsec(ただし、同期加算処理1回の処理時間をAμsecとする)必要であったものが、本願発明では実質的に0時間となる。
【0036】
つまり、本発明では、記憶手段の記憶容量が少なくてすむ上に、同期加算処理時間も実質的に無くなることになる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
本実施形態では、本発明の電気特性測定装置を生体電気インピーダンス測定装置に適用した場合について詳細に説明する。
【0039】
図1は、この測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0040】
この例の生体電気インピーダンス測定装置は、図1及び図2に示すように、被験者の体Bにプローブ電流Ia を測定信号として送出し、これにより、被験者の体Bから得られる電圧電流情報をデジタル処理する。CPU(中央演算処理装置)10は、装置各部を制御すると共に、人体の生体電気インピーダンスや体脂肪、体内水分分布に関する各種数量を算出する。このCPU10には、処理プログラムを記憶するROMや、各種データ(例えば、被験者の身長、体重、性別、細胞外液や細胞内液の量等)を一時記憶するデータ領域及びCPU10の作業領域が設定されるRAM等が接続される。
【0041】
また、M系列発生器11は、1. 25MHzで作動する周期511(=2−1)のM系列信号を発生する。矩形波発生器12は、周期(32/1. 25MHz) のデューティー50%の矩形波を発生する。時分割器13は、1ビットの測定信号をある一定時間で時分割する。さらに、アナログフィルタ14と、身体の所定の部位に貼り付けられる電極Hc と、同じく身体の所定の部位に張り付けられる電極Hp,Lp,Lc と、電圧差動増幅器18と、電流増幅器15と、アナログのアンチエリアシングフィルタからなるフィルタ16,19及びA/D変換器17,20とから構成されている。CPU10にはこの変換器17,20からの出力信号を記憶するサンプリングメモリ21が接続される。
【0042】
またこの他に、測定者が測定開始を指示するための測定開始スイッチや、被験者の身長、体重、性別および年齢等の人体的特徴項目を入力したり、全測定時間や測定間隔等を測定目的に応じて設定/設定変更するための各種キーから構成されているキーボードや、CPU10により算出された被験者の体の生体電気インピーダンスや体脂肪、体内水分分布に関するデータを表示する表示部を設けることもできる。
【0043】
ここでM系列信号について説明する。M系列信号は、スペクトラム拡散通信方式やスペクトラム拡散測距システムにおいて、一般的に用いられる符号信号であって、ある長さのシフトレジスタ又は遅延素子によって生成される符号系列のうち、最長のものをいう。長さが(2−1)ビット(nは正の整数)のM系列信号を生成する2値のM系列発生器11は、n段のシフトレジスタと、そのn段の状態の論理的結合をシフトレジスタの入力に帰還する論理回路(排他的論理回路)とから構成される。あるサンプル時刻(クロック時刻)におけるM系列発生器11の出力及び各段の状態は、直前のサンプル時刻における帰還段の出力の関数である。なお、この実施の形態では、シフトレジスタが9段(n=9)のM系列発生器11を用いている。
【0044】
「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したように、インパルス信号を用いた場合には少ない時間間隔(0.1μ秒)にエネルギーが集中するのに対して、M系列信号を用いたプローブ電流は、多くの周波数成分を含むにもかかわらず1msec程度にエネルギーが分散するため、生体を損傷することなく、また、脈や呼吸の周期より十分に短い時間間隔で発生するので、これらの影響を受けることもない。さらに、例えば、デューティー50%の矩形波信号の場合、周波数スペクトルの振幅は低周波では大きく、高周波で小さいので、SN比の周波数特性が高周波領域で劣化するのに対して、M系列信号は、周波数スペクトルの振幅が全周波数領域にわたって略フラットであるので、SN比の周波数特性も略フラットである。なお、M系列信号の詳細については、R.C.Dixon 著、「スペクトラム拡散通信方式」(p56〜p89)を参照されたい。
【0045】
図2に、信号線a〜fの信号を示す。この図でaは1.25MHzで動作する周期(511(=2−1)/1. 25MHz)のM系列信号であり、bは周期(32/1. 25MHz)のデューティ50%の矩形波である。また、cは0. 8μsec=1/1. 25MHzを4等分し、初めの3つの時間(0. 6μsec)はaを、後の0.2μsecはbを出力するように信号を時分割器13で切り替える制御信号であり、dはその出力信号である。
【0046】
また、e,fは受信器の電圧、電流に関する出力信号であり、この信号がA/D変換される。A/D変換のサンプリング周期は2.5MHzであり、分解能は8bit である。このA/D変換信号を時系列的に511×2=1022個のサンプリングメモリ21に蓄積する(電圧、電流データに対応してdv(i),di(i) (i=0〜1021)とする。ここでiはi番目に変換されたデータを示す)。CPUはM系列に対応して同期加算を行っており、この同期加算の手法が本発明の特徴であるが、これについては後述する。
【0047】
次に測定信号処理について説明する。図3は、本実施の形態の生体電気インピーダンス測定装置の使用の状態を模式的に示す図である。高電位出力端子Hp は、被験者の右の手甲部Hに吸着方式により、導電可能に貼り付けられ、一方、表面電極Lp は、右の足甲部Lに吸着方式により導電可能に貼り付けられる。
【0048】
図1に示す電圧差動増幅器18は、2つの表面電極Hp と表面電極Lp と間の電位(電位差)を検出する。すなわち、電圧差動増幅器18は、上記プローブ電流Ia が被験者の体Bに投入されると、被験者の右手足間の電圧Vp を検出し、アナログフィルタ19へ入力することになる。この電圧Vp は、表面電極Hp と表面電極Lp との間における被験者の体Bの生体電極インピーダンスによる電圧降下である。
【0049】
アナログフィルタ19は、上記電圧Vp から高周波のノイズを除去し、A/D変圧器20へ供給する。アナログフィルタ19のカットオフ周波数は、A/D変換器20のサンプリング周波数の半分より低い。これにより、A/D変換器20によるA/D変換処理で発生する折り返し雑音が除去される。A/D変換器20は、CPU10からのデジタル変換信号が供給される度に、上記ノイズが除去された電圧Vp を所定のサンプリング周期でデジタル信号に変換し、デジタル化された電圧Vp をサンプリング周期毎にサンプリングメモリに供給する。
【0050】
電流増幅器15においては、電極Hc,Lc が張り付けられた右手足の間を流れるプローブ電流Ia が検出され、電圧Vc に変換された後、アナログフィルタを経てA/D変換器17へ供給される。このとき、CPU10からは、サンプリング周期毎にA/D変換器17,20に対してデジタル変換信号が供給される。A/D変換器17では、デジタル変換信号の供給を受ける度に、電圧Vc をデジタル信号に変換し、サンプリングメモリ21へ供給する。サンプリングメモリ21は、デジタル化された電圧Vc を順次記憶する。
【0051】
CPU10は、ROMに記憶された処理プログラムに従って、測定を開始し、所定のサンプリング周期で、検出電圧Vp,Vc を所定の回数サンプリングした後、測定を停止する制御を行う他、以下の処理を行う。すなわち、CPU10は、まず、サンプリングメモリに格納された時間の関数である電圧Vp,Vc を逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波数の関数である電圧Vp(f),Vc(f) (fは周波数)に変換した後、平均化を行い、周波数毎の生体電気インピーダンスZ( f) {=Vp(f) /Vc(f) }を算出する。
【0052】
次に、CPU10は、得られた周波数の生体電気インピーダンスZ( f) に基づいて、最小二乗法の演算手法を駆使して、図4に示されるようなインピーダンス軌跡Dを求め、得られたインピーダンス軌跡Dから、被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダンスR0と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR∞とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液抵抗と細胞外抵抗とを算出する。
【0053】
従来の技術の欄では、人体の組織内細胞を単純な電気的等価回路(図7:Re は細胞外液抵抗、Rikは各細胞の細胞内液抵抗、Cmkは各細胞の細胞膜容量である)で表したが、実際の人体の組織では、色々な大きさの細胞が不規則に配置されているので、実際に近い電気的等価回路は、時定数τ=Cmk・Rikを有する容量と抵抗との直列接続素子が分布している分布定数回路で表される。したがって、この実施の形態では、実際に近い電気的等価回路を採用して細胞内液抵抗と細胞外液抵抗とを求めることとしたので、人体のインピーダンス軌跡Dは、図4に示すように中心が実軸より上がった円弧となる。
【0054】
次に算出された細胞内液抵抗と細胞外液抵抗、及びキーボード1から入力された被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴データ等に基づいて、予め処理プログラムの中に組み込まれてある身体組成推定式を駆使して、被験者の体Bの細胞内液抵抗、細胞外液抵抗、体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、脂肪内液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量(体液量)の各量を算出する。そして、算出された各データを表示コントローラと表示器(例えば、LCD)とからなる表示部に表示する。
【0055】
上記構成の生体電気インピーダンス測定装置100を用いる場合には、まず、測定に先だって、図2に示すように、2個の表面電極Hc,Hp を被験者の右の手甲部Hに、2個の表面電極Lp,Lc を被験者の右の足甲部Lにそれぞれ吸着方式により張り付ける(このとき、表面電極Hc,Lc を、表面電極Hp,Lp よりも人体の中心から遠い部位に張り付ける)。次に、測定者(又は被験者自身)が、生体電気インピーダンス測定装置100のキーボードを用いて、被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴項目を入力するとともに、測定開始から測定終了までの全測定時間や測定間隔等を設定する。キーボードから入力されたデータ及び設定値は、RAMに記憶される。
【0056】
次に、測定者(又は被験者自身)が、キーボードの測定開始スイッチをオンにすると、CPU10は、まず、所定の初期設定を行った後、M系列発生器11、矩形波発生器12に信号発生指示信号を送出する。M系列のプローブ電流Ia を所定回数繰り返し生成し、測定信号として、アナログフィルタ、図示しない同軸ケーブルを介して、被験者の手甲部Hに張り付けられた表面電極Hc から被験者の体Bを流れ、最初の測定が開始される。
【0057】
CPU10は、プローブ電流(測定信号)Ia の繰返回数が、予め設定された回数に達すると、測定を停止する制御を行った後、まず、サンプリングメモリに格納された、時間の関数である電圧Vp,Vc を逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波数の関数である電圧Vp(f),Vc(f) (fは周波数)に変換し、これら電圧Vp(f),Vc(f) 基づいて、最小二乗法の演算手段により、カーブフィッテイングを行い、図4に示されるようなインピーダンス軌跡Dを求め、得られたインピーダンス軌跡Dから、被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダンスR0と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR∞(インピーダンス軌跡Dの円弧がX軸と交わる点のX座標値に相当)とを算出し、算出結果から被験者の体Bの細胞内液抵抗と細胞外液抵抗とを算出する。ちなみに従来技術で得られたインピーダンス軌跡Dを図9に示す。
【0058】
そして、CPU10は、算出された細胞内抵抗とを細胞外抵抗、及びキーボードから入力された被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴データ等に基づいて、予め処理プログラムの中に組み込まれてある身体組成推定式を駆使して、被験者の体Bの細胞内液、細胞外液、体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、細胞内液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量(体液量)の各量を算出する。そして、算出された各データを表示する。
【0059】
次に、CPU10は、全測定時間が経過したか否かを判断し、経過したとの結論が得られれば、以後の測定処理を終了し、経過していなければ、測定間隔に相当する時間が経過するのを待った後、再び同様の測定処理を開始する。そして、上述の処理を、全測定時間が経過するまで繰り返す。
【0060】
このように、この例の構成によれば、プローブ電流Ia として、多くの周波数成分を含むにもかかわらず1msecの程度にエネルギーが分散し、しかも、1ビットの電気信号をある一定時間で分割し、周期の異なった複数の系列の信号を出力させ、A/D変換器で変換された信号をその系列の信号の一つの周期で周期加算を行うので、体脂肪の状態や体内水分の分布の測定において、生体を損傷することもなく、また、呼吸や脈による影響を取り除くことができ、量子化誤差が減少して、ハードウエアの非同期ノイズが存在する場合でも信号のSN比が増大する。さらに、測定信号は、シフトレジスタ及び複数個の論理回路のみから生成でき、構成が非常に簡単になる。
【0061】
また、最小二乗法によるカーブフィティングの手法を用いて、周波数無限大時の生体電気インピーダンスが求められるので、浮遊容量や外来ノイズの影響を回避でき、細胞膜の容量成分を含まず、純粋な細胞外液抵抗と細胞内液抵抗とを求めることができる。
【0062】
ここで、本発明に関わる同期加算処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0063】
まず最初に、同期加算後データメモリであるサンプリングメモリ21を初期化するとともに、データ読み出しアドレスをサンプリングメモリの先頭アドレスに設定する(ステップS1)。次に、測定信号の出力を開始し(ステップS2)、データ格納アドレスを同期加算後データメモリの先頭アドレスに設定する(ステップS3)。この後、サンプリングのタイミングになると(ステップS4でYesと判断されると)、A/D変換器からA/D変換データを出力する(ステップS5)。そして、データ読み出しアドレスのA/D変換データとデータ格納アドレスのA/D変換データとを同期加算して、再びデータ格納アドレスに格納した後(ステップS6)、データ格納アドレスををインクリメント(+1)する(ステップS7)。このような処理(ステップS4〜ステップS7の処理)をM系列信号の1周期分に達するまで繰り返す(ステップS8でYesと判断されるまで繰り返す)。これにより、1周期前のM系列信号の同期加算データと今回の1周期分のM系列信号との同期加算処理が1回行われたことになる。
【0064】
そして、このような処理(ステップS3及びステップS4〜ステップS8の処理)を、所定回数(N回)繰り返す(ステップS9でYesと判断されるまで繰り返す)。その結果、同期加算後データメモリであるサンプリングメモリ21には、同期加算処理を所定回数(N回)行った後の1周期分のM系列信号が格納されることになる。
【0065】
この後、CPUは、サンプリングメモリに格納されているA/D変換データ(時間の関数である電圧値)を逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波数の関数である電圧値に変換した後、平均化を行い、周波数毎の生体電気インピーダンを算出する(ステップS10)。次に、得られた周波数の生体電気インピーダンスに基づいて、最小二乗法の演算手法を駆使してインピーダンス軌跡を算出し(ステップS11)、得られたインピーダンス軌跡から、被験者の体の周波数0時の生体電気インピーダンスR0と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR∞とを算出し、算出結果から、被験者の体の細胞内液抵抗と細胞外抵抗とを算出する(ステップS12)。
【0066】
このように、本発明の同期加算処理によれば、A/D変換したデータをそのまま蓄積するのではなく、M系列信号の1周期前までの同期加算データとA/D変換データとを同期加算してサンプリングメモリ21に上書きする形で記憶する処理を、M系列信号の1周期分毎に行うので、サンプリングメモリ21の記憶容量は、M系列信号の1周期分の容量で済むことになる。具体的には、上記従来技術では、サンプリングメモリのメモリ容量が32704ワード分(=511×2×32)必要であったが、本発明によれば、1022ワード分(=511×2)ですむことになる。
【0067】
また、今回のサンプリングと次回のサンプリングとの間の期間は、CPU10にとっては待ち状態であり、この期間に同期加算処理を実施することができるので、同期加算処理のための時間を別途取る必要がない。つまり、上記従来技術では、同期加算処理時間として、511×2×32×A=32.704Amsec(ただし、同期加算処理1回の処理時間をAμsecとする)必要であったものが、本発明では実質的に0時間となる。
【0068】
さらに、量子化誤差低減のため同期加算回数を増やす(例えば、4倍の128回に増やす)ことを考えると、上記従来技術では、サンプリングメモリのメモリ容量が130816ワード分(=511×2×128)必要であったが、本発明によれば、1022ワード分(=511×2)ですむみ、増やす必要がない。また、測定時間については、上記従来技術及び本発明共に、52msec(=511×2×128/2.5MHz)であるが、同期加算時間については、上記従来技術では、511×2×128×a=130.816Amsec(ただし、同期加算処理1回の処理時間をAμsecとする)必要であったものが、本発明では実質的に0時間となる。そして、同期加算回数を増やした結果、図6に示すように、量子化誤差は図4に示す場合よりもさらに低減されることになる。
【0069】
以上、本発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもよい。
【0070】
例えば、算出する生体電気パラメータは、生体電気インピーダンス、インピーダンス軌跡、細胞外液抵抗及び細胞内液抵抗に限らず、生体電気アドミッタンス、アドミッタンス軌跡、上記生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッタンス、細胞外液抵抗及び細胞内液抵抗等の時間的変化量並びにこれらの一部であってもよく、このようにすれば、体脂肪率等の測定だけではなく、各種医療制度(例えば、透析の状態測定)への適用が期待できる。また電極の取付箇所は、手や足には限定されない。
【0071】
また、M系列発生器を構成するシフトレジスタや論理回路は、ハードウエア構成であると、ソフトウエアである構成とを問わない。また、上述の実施の形態では、アナログフィルタ16,19およびA/D変換器17,20とを用いたが、これらに代えて、縦続接続された1組のアナログフィルタ及びA/D変換器または1個のA/D変換器と、その入力端と出力端とに取り付けられた切り替えスイッチとを設けてもよい。これにより、少なくともA/D変換器を1個にすることができ、構成をさらに簡単にできる。
【0072】
さらに、上述の実施の形態では、人体特徴項目として、被験者の身長、体重、性別及び年齢を入力する場合について述べたが、必要に応じて、性別、年齢等を省略してもよく、あるいは、人種等の項目を付加しても良い。算出された人体の生体電気パラメータをプリンタに出力するようにしてもよい。さらに、脈波センサや呼吸の周期を検出できるセンサを人体に貼り付け、各センサの出力信号により、測定タイミングを設定するようにしてもよい。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電気特性測定装置によれば、A/D変換したデータをそのまま蓄積するのではなく、M系列信号の1周期前までの同期加算データとA/D変換データとを同期加算してサンプリングメモリに上書きする形で記憶する処理を、M系列信号の1周期分毎に行う構成としたので、サンプリングメモリの記憶容量は、M系列信号の1周期分の容量で済むことになる。また、量子化誤差低減のため同期加算回数を増やすことを考えた場合でも、測定時間については、従来技術の場合と同じ時間が必要であるが、その他の処理時間については影響がないため、十分な精度が得られる同期加算回数を任意に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である生体電気インピーダンス測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】信号線上に現れる信号を表す図である。
【図3】本実施の形態の生体電気インピーダンス測定装置の使用の状態を模式的に示す図である。
【図4】本実施の形態による人体のインピーダンス軌跡を示す図である。
【図5】本発明による同期加算処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】同期加算回数を増やした場合の本実施の形態による人体のインピーダンス軌跡を示す図である。
【図7】人体の組織内細胞を表す電気的等価回路図である。
【図8】従来技術による同期加算処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】従来技術による人体のインピーダンス軌跡を示す図である。
【符号の説明】
10 CPU(演算手段)
11 M系列発生器(信号発生器の一部)
12 矩形波発生器(信号発生器の一部)
13 時分割器(信号発生器の一部)
14 アナログフィルタ
15 電流増幅器
16 アナログフィルタ
17 A/D変換器
18 電圧差動増幅器
19 アナログフィルタ
20 A/D変換器
21 サンプリングメモリ
Hc 、Hp 、Hc 、Hp 表面電極

Claims (3)

  1. 周期が異なる複数の符号系列信号を含む測定信号を発生する信号発生器と、被測定物からの応答信号を前記符号系列信号の少なくとも1つの周期で同期加算して前記被測定物の電気特性を測定する演算手段とを備える電気特性測定装置において、
    前記演算手段は、被測定物からの応答信号を測定する測定間隔の期間に前記同期加算を行うことを特徴とする電気特性測定装置。
  2. 前記信号発生器は、周期T*( 2−1) ビット(nは正の整数)のM系列信号と、周期T*N=2*Wで(Nは2以上の整数)最初のW期間が1で残りのW期間が0である信号とを時分割で発生し、前記演算手段は、前記M系列信号に同期した加算をN回行うことを特徴とする請求項1に記載の電気特性測定装置。
  3. 周期が異なる複数の符号系列信号を含む測定信号を生成し、生成した測定信号を被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に付けられた第1及び第2の電極を介して被験者の体に投入するための測定信号供給手段と、
    前記被験者の体に投入された前記測定信号の電流値を測定するための電流測定手段と、
    前記被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に付けられた第3及び第4の電極を介して被験者の体の所定の表面部位間に生じる電圧値を測定するための電圧測定手段と、
    前記電流測定手段及び前記電圧測定手段によってそれぞれ測定された電流値及び電圧値を一時記憶するための記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された電流値及び電圧値により前記生体の前記部位間の生体電気インピーダンスを算出し、求めるべき生体電気インピーダンス又は生体電気インピーダンスに基づく物理量を算出する演算手段と、
    該演算手段によって算出された結果を出力する出力手段とを備えており、
    前記演算手段は、前記符号系列の内一つの系列の1周期前までの同期加算値と今回の測定値を測定毎に加算した上で前記記憶手段に記憶することを特徴とする電気特性測定装置。
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