JP2000316829A - 電気特性測定装置 - Google Patents

電気特性測定装置

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JP2000316829A
JP2000316829A JP11129078A JP12907899A JP2000316829A JP 2000316829 A JP2000316829 A JP 2000316829A JP 11129078 A JP11129078 A JP 11129078A JP 12907899 A JP12907899 A JP 12907899A JP 2000316829 A JP2000316829 A JP 2000316829A
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JP11129078A
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Tetsuya Ishii
徹哉 石井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量子化誤差を減少させ、ハードウエアの非同
期ノイズが存在する場合でも、信号のSN比を増大させ
ることができる電気特性測定装置を提供する。 【解決手段】 本発明による装置100は、CPU10
と、M系列発生器11と矩形波発生器12と、時分割器
13と、アナログフィルタ14と、電圧差動増幅器18
と、電流増幅器15と、アナログフィルタ16,19
と、A/D変換器17,20と、から構成されている。
この構成により、電気信号を時分割し、周期の異なった
複数の系列の信号を出力させ、A/D変換器で変換され
た信号をこの系列の信号の一つの周期で同期加算を行う
ので、量子化誤差が減少して、ハードウエアの非同期ノ
イズが存在する場合でも、信号のSN比を増大させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生体電気インピ
ーダンス法に基づいて、被験者の体脂肪の状態や体水分
分布を推計するのに有用な電気特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、かつて生体電気インピーダ
ンス測定装置として、M系列信号を使用した装置を出願
した(特開平10−14898号公報)。その発明では
4端子A/Dコンバートされた信号をフーリエ変換する
ことにより、多くの周波数での生体電気インピーダンス
を測定して細胞の内外の水分量情報を算出している。こ
の装置では明細書には記載していないが、信号のSN比
を向上させるため、M系列信号を多数回出力させ、各信
号の同期加算を行っている。
【0003】以下、その従来技術を説明する。近年、人
間や動物の身体組成を評価する目的で、生体の電気特性
に関する研究が行われている。生体の電気特性は、組織
又は臓器の種類によって著しく異なっており、例えば、
ヒトの場合、血液の電気抵抗率は150Ω・cm前後で
あるのに対して、骨や脂肪の電気抵抗率は1〜5kΩ・
cmもある。この生体の電気特性は、生体電気インピー
ダンスと呼ばれ、生体の体表面に装着された複数の電極
間に微小電流を流すことにより測定される。このように
して得られた生体電気インピーダンスから披験者の体水
分分布や体脂肪率、体脂肪量を推計する方法を生体電気
インピーダンス法という(「身体組成の評価法としての
生体電気インピーダンス法」,Baumgartner, R.N., etc.
著、「生体電気インピーダンスとその臨床応用」,医用
電子と生体工学,金井寛著,20(3) Jun 1982、「インピー
ダンス法による体肢の水分分布の推定とその応用」,医
用電子と生体工学,波江野誠等著,23(6) 1985、「インピ
ーダンス法による膀胱内尿量の長時間計測」,人間工学,
口ノ町康夫等著,28(3) 1992等参照)。
【0004】生体電気インピーダンスは、生体中のイオ
ンによって搬送される電流に対する生体の抵抗(レジス
タンス)と、細胞膜、組織界面、あるいは非イオン化組
織によって作り出される様々な種類の分極プロセスと関
連したリアクタンスとから構成される。リアクタンスの
逆数であるキャパシタンスは、電圧よりも電流に時間的
遅れをもたらし、位相のズレ(フェーズシフト)を作り
出すが、この値はレジスタンスに対するリアクタンスの
比率の逆正接角(アークタンジェント)、すなわち、電
気位相角として幾何学的に定量できる。
【0005】これら生体電気インピーダンスZ、レジス
タンスR、リアクタンスX及び電気位相角φは、周波数
に依存している。非常に低い周波数fLでは、細胞膜と
組織界面の生体電気インピーダンスZは、電気を伝導す
るには高すぎる。したがって、電気は細胞外液を通して
のみ流れ、測定される生体電気インピーダンスZは純粋
にレジスタンスRである。
【0006】次に、周波数が増加するにつれて、電流は
細胞膜を貫通するようになり、リアクタンスXが高くな
って位相角φを広げることになる。生体電気インピーダ
ンスZの大きさは、Z2=R2+X2によって定義される
ベクトルの値に等しい。リアクタンスX及び位相角φが
共に最大になる時の周波数を臨界周波数fcといい、伝
導導体である生体の1つの電気特性値である。この臨界
周波数fcを越えると、細胞膜と組織界面が容量性能力
を失うようになり、これにつれてリアクタンスXが減少
する。非常に高い周波数fHでは、生体電気インピーダ
ンスZは、再び純粋にレジスタンスRと等価になる。
【0007】図6は、人体の電気的等価回路図(等価回
路モデル)である。この図において、Cmは細胞膜容量
を表し、Ri及びReはそれぞれ細胞内液抵抗及び細胞外
液抵抗を表している。低い周波数fLにおいては、電流
は主に細胞外スペースを流れており、インピーダンスZ
は細胞外液抵抗Reに等しくなる。高い周波数fHにおい
ては、電流は細胞膜を完全に通るようになり、細胞膜容
量Cmは、実質的に短絡されているのと等価である。し
たがって、高い周波数fHでのインピーダンスZは、合
成抵抗Ri・Re/(Ri+Re)に等しい。
【0008】以上説明した方法により、細胞内液抵抗R
iと細胞外液抵抗Reとを求めることができ、これらに基
づいて、被験者の体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等の
体脂肪の状態や体水分分布(細胞内液量、細胞外液量及
びこれらの総和たる体内水分量)を推計でき、また、こ
れらの抵抗Re,Riの変化により、体水分分布の変化を
推計できる。このような各パラメータの測定・推計を任
意に選択された複数の周波数の微小正弦波電流を生体に
投入し、得られた信号をデジタル信号処理して行う生体
電気インピーダンス測定装置としては、特表平6−50
6854号公報に記載のものが知られている。
【0009】まず、呼吸の影響について説明する。上述
したように、脂肪の抵抗率は著しく大きいことが知られ
ているが、空気の電気インピーダンスも著しく大きい。
生体電気インピーダンスは、上述したように、人体の体
表面に装着された複数の電極間に微小電流を流すことよ
り測定されるが、電極は、通常、被験者の右手と右足に
それぞれ取り付けられるため、電流が右腕→右上半身→
右下半身→右足と流れ、空気が多く含まれている右上半
身(右肺)を通過している。
【0010】生体電気インピーダンスは細胞膜容量Cm
(図6参照)の影響を受けるが、この容量Cmが呼吸に
よって変化する。また、生体電気インピーダンスは、血
行動態や代謝能等と関係しており、血流量との間にも密
接な関係がある。すなわち、身体の血流量は、体内水分
量の一部であり、心臓の拡張、収縮に応じて変化する。
一方、生体電気インピーダンスは、身体の水分量に応じ
て変化する。したがって、心臓の拡張、収縮に応じて変
化する血流量を考慮して、生体電気インピーダンスを測
定しなければならない。
【0011】しかしながら、上述した生体電気インピー
ダンス測定装置では、生体電気インピーダンスと血流量
との間に密接な関係があるにもかかわらず、血流量を考
慮して測定していないため、脈の影響を受けている。そ
こで、脈や呼吸の影響を低減するために、脈や呼吸の周
期よりも長い間連続して生態電気インピーダンスを測定
することが考えられるが、たとえ微小電流(例えば、3
00μA)とはいえ、長時間(例えば、1sec以上)
連続して人体に電流を流した場合、人体に悪影響を及ぼ
す恐れがある。つまり、正弦波信号を用いた場合には、
正確な生体電気インピーダンスや体脂肪量、体内水分量
を測定できないという問題があった。
【0012】以上の問題を解決するためには、脈や呼吸
の影響を受けないような非常に短い時間で生体電気イン
ピーダンスを測定する必要があるが、このために、正弦
波の微小電流の代わりに多くの周波数成分を含んだイン
パルス状の微小電流を用いることが考えられる。しかし
ながら、この方法では、極短時間(例えば、0.1μs
ec程度)に電気エネルギーを集中させるため、高電圧
を発生する回路が必要になるためばかりか、たとえ極短
時間であっても非常に大きなエネルギーが人体に投入さ
れるので、やけど等の損傷ないし場合によっては生命の
危険が生じてしまうため、実用的ではない。
【0013】このため、前記発明では、被験者の体にM
系列符号信号からなるプローブ電流を流し、流れる電流
と電極間の電圧とを検出し、それぞれをフーリエ変換し
て、周波数毎の電圧値に変換し、変換結果に基づいて生
体の部位間の生体電気インピーダンス等を算出し、生体
電気インピーダンス等を表示している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来技術
ではハードウェアの出力信号に同期しないノイズがA/
D変換器の1ビットより大きく存在しているときは、加
算平均を取ることにより、量子化誤差(1ビット分)と
非同期ノイズの両方が減少するが、非同期ノイズが小さ
い場合は、量子化誤差が減少せず、測定値に重大な悪影
響を及ぼす。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の電気特性測定装
置は、周期が異なる複数の符号系列信号を含む測定信号
を発生する信号発生器と、被測定物からの応答信号を前
記符号系列信号の少なくとも1つの周期で同期加算して
前記被測定物の電気特性を測定する演算手段と、を備え
るものである。
【0016】また、前記信号発生器は、周期T*(2n
1) ビット(nは正の整数)のM系列信号と、周期T*
N=2*Wで(Nは2以上の整数)最初のW期間が1で
残りのW期間が0である信号と、を時分割で発生し、前
記演算手段は、前記M系列信号に同期した加算をN回行
うことで、M系列信号の長所を生かした測定をすること
ができる。
【0017】さらに、本発明は、周期が異なる複数の符
号系列信号を含む測定信号を生成し、生成した測定信号
を被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に
導電可能に付けた第1及び第2の電極を介して被験者の
体に投入するための測定信号供給手段と、前記被験者の
体に投入された前記測定信号の電流値を測定するための
電流測定手段と、前記被験者の体の互いに隔たる所定の
2箇所の表面部位に導電可能に付けた第3及び第4の電
極を介して被験者の体の所定の表面部位間に生じる電圧
値を測定するための電圧測定手段と、前記電流測定手段
及び電圧測定手段によってそれぞれ測定された電流値及
び電圧値を前記符号系列信号の少なくとも1つの周期毎
に一時記憶するための記憶手段と、該記憶手段に記憶さ
れた電流値及び電圧値により前記生体の前記部位間の生
体電気インピーダンスを算出し、求めるべき生体電気イ
ンピーダンス又は生体電気インピーダンスに基づく物理
量を算出する演算手段と、該演算手段によって算出され
た結果を出力する出力手段とを備えるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して詳細に説明する。本発明を生体電気インピ
ーダンス測定装置に用いた場合について詳細に説明す
る。図1は、この測定装置の電気的構成を示すブロック
図である。この例の生成電気インピーダンス測定装置
は、図1及び図2に示すように、被験者の体Bにプロー
ブ電流Iaを測定信号として送出し、これにより、被験
者の体Bから得られる電圧電流情報をデジタル処理す
る。CPU(中央演算処理装置)10は、装置各部を制
御すると共に、人体の生体電気インピーダンスや体脂
肪、体内水分分布に関する各種数量を算出する。このC
PU10には、処理プログラムを記憶するROMや、各
種データ(例えば、被験者の身長、体重、性別、細胞外
液や細胞内液の量等)を一時記憶するデータ領域及びC
PU10の作業領域が設定されるRAM等が接続され
る。
【0019】また、M系列発生器11は、1.25MH
zで作動する周期511(=29−1)のM系列信号を
発生する。矩形波発生器12は、周期(32/1.25
MHz)のデューティー50%の矩形波を発生する。時
分割器13は、1ビットの測定信号をある一定時間で時
分割する。さらに、アナログフィルタ14と、身体の所
定の部位に貼り付けられる電極Hcと、同じく身体の所
定の部位に張り付けられる電極Hp,Lp,Lcと、電圧差
動増幅器18と、電流増幅器15と、アナログのアンチ
エリアシングフィルタからなるフィルタ16,19及び
A/D変換器17,20とから構成されている。CPU
10にはこの変換器17,20からの出力信号を記憶す
るサンプリングメモリが接続される。
【0020】またこの他に、測定者が測定開始を指示す
るための測定開始スイッチや、被験者の身長、体重、性
別および年齢等の人体的特徴項目を入力したり、全測定
時間や測定間隔等を測定目的に応じて設定/設定変更す
るための各種キーから構成されているキーボードや、C
PU10により算出された被験者の体の生体電気インピ
ーダンスや体脂肪、体内水分分布に関するデータを表示
する表示部を設けることもできる。
【0021】ここでM系列信号について説明する。M系
列信号は、スペクトラム拡散通信方式やスペクトラム拡
散測距システムにおいて、一般的に用いられる符号信号
であって、ある長さのシフトレジスタ又は遅延素子によ
って生成される符号系列のうち、最長のものをいう。長
さが(2n−1)ビット(nは正の整数)のM系列信号
を生成する2値のM系列発生器11は、n段のシフトレ
ジスタと、そのn段の状態の論理的結合をシフトレジス
タの入力に帰還する論理回路(排他的論理回路)とから
構成される。あるサンプル時刻(クロック時刻)におけ
るM系列発生器11の出力及び各段の状態は、直前のサ
ンプル時刻における帰還段の出力の関数である。なお、
この実施の形態では、シフトレジスタが8段(n=8)
のM系列発生器11を用いている。
【0022】「発明が解決しようとする課題」の欄で説
明したように、インパルス信号を用いた場合には少ない
時間間隔(0.1μ秒)にエネルギーが集中するのに対
して、M系列信号を用いたプローブ電流は、多くの周波
数成分を含むにもかかわらず1msec程度にエネルギ
ーが分散するため、生体を損傷することなく、また、脈
や呼吸の周期より十分に短い時間間隔で発生するので、
これらの影響を受けることもない。さらに、例えば、デ
ューティ50%の矩形波信号の場合、周波数スペクトル
の振幅は低周波では大きく、高周波で小さいので、SN
比の周波数特性が高周波領域で劣化するのに対して、M
系列信号は、周波数スペクトルの振幅が全周波数領域に
わたって略フラットであるので、SN比の周波数特性も
略フラットである。なお、M系列信号の詳細について
は、R.C.Dixon 著、「スペクトラム拡散通信方式」(p
56〜p89)を参照されたい。
【0023】図2に、信号線a〜fの信号を示す。この
図でaは1.25MHzで動作する周期(511(=29
−1)/1.25MHz)のM系列信号であり、bは周
期(32/1.25MHz)のデューティ50%の矩形
波である。また、cは0.8μsec=1/1.25MH
zを4等分し、初めの3つの時間(0.6μsec)は
aを、後の0.2μsecはbを出力するように信号を
時分割器13で切り替える制御信号であり、dはその出
力信号である。
【0024】また、e,fは受信器の電圧、電流に関す
る出力信号であり、この信号がA/D変換される。A/
D変換のサンプリング周期は2.5MHzであり、分解
能は8bitである。このA/D変換信号を時系列的に5
11×2×32=32704個のメモリ(図1には図示
していない)に蓄積する(電圧、電流データに対応して
dv(i),di(i) (i=0〜32703)とする。ここでi
はi番目に変換されたデータを示す)。CPUはM系列
に対応して同期加算を行っている。
【0025】すなわち同期加算値をDv(n),Di(n)
(n=0〜1021)とすると、 Dv(n)=Σdv(2*511*m+n) Di(n)=Σdi(2*511*m+n) となる。ここで和の
記号Σはm=0〜31まで和をとるものとする。このあと
Dv(n),Di(n) をフーリエ変換し、 電圧と電流の比を
求める事により、 生体のインピーダンスを求める事がで
きる。また、先行文献特開平10−14898号公報に
示すような校正の操作を行ってもよい。
【0026】次に測定信号処理について説明する。図3
は、本実施の形態の生体電気インピーダンス測定装置の
使用の状態を模式的に示す図である。高電位出力端子H
pは、被験者の右の手甲部Hに吸着方式により、導電可
能に貼り付けられ、一方、表面電極Lpは、右の足甲部
Lに吸着方式により導電可能に貼り付けられる。
【0027】図1に示す電圧差動増幅器18は、2つの
表面電極Hpと表面電極Lpと間の電位(電位差)を検出
する。すなわち、電圧差動増幅器18は、上記プローブ
電流Iaが被験者の体Bに投入されると、被験者の右手
足間の電圧Vpを検出し、アナログフィルタ19へ入力
することになる。この電圧Vpは、表面電極Hpと表面電
極Lpとの間における被験者の体Bの生体電極インピー
ダンスによる電圧降下である。
【0028】アナログフィルタ19は、上記電圧Vpか
ら高周波のノイズを除去し、A/D変圧器20へ供給す
る。アナログフィルタ19のカットオフ周波数は、A/
D変換器20のサンプリング周波数の半分より低い。こ
れにより、A/D変換器20によるA/D変換処理で発
生する折り返し雑音が除去される。A/D変換器20
は、CPU10からのデジタル変換信号が供給される度
に、上記ノイズが除去された電圧Vpを所定のサンプリ
ング周期でデジタル信号に変換し、デジタル化された電
圧Vpをサンプリング周期毎にサンプリングメモリに供
給する。
【0029】電流増幅器15においては、電極Hc,Lc
が張り付けられた右手足の間を流れるプローブ電流Ia
が検出され、電圧Vcに変換された後、アナログフィル
タを経てA/D変換器17へ供給される。このとき、C
PU10からは、サンプリング周期毎にA/D変換器1
7,20に対してデジタル変換信号が供給される。A/
D変換器17では、デジタル変換信号の供給を受ける度
に、電圧Vcをデジタル信号に変換し、サンプリングメ
モリへ供給する。サンプリングメモリは、デジタル化さ
れた電圧Vcを順次記憶する。
【0030】CPU10は、ROMに記憶された処理プ
ログラムに従って、測定を開始し、所定のサンプリング
周期で、検出電圧Vp,Vcを所定の回数サンプリングし
た後、測定を停止する制御を行う他、以下の処理を行
う。すなわち、CPU10は、まず、サンプリングメモ
リに格納された時間の関数である電圧Vp,Vcを逐次読
み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波数の関
数である電圧Vp(f),Vc(f) (fは周波数)に変換し
た後、平均化を行い、周波数毎の生体電気インピーダン
スZ(f){=Vp(f)/Vc(f)}を算出する。
【0031】次に、CPU10は、得られた周波数の生
体電気インピーダンスZ(f) に基づいて、最小二乗法
の演算手法を駆使して、図5に示されるようなインピー
ダンス軌跡Dを求め、得られたインピーダンス軌跡Dか
ら、被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダン
スR0と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR
∞とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液
抵抗と細胞外抵抗とを算出する。
【0032】従来の技術の欄では、人体の組織内細胞を
単純な電気的等価回路(図6:Reは細胞外液抵抗、Ri
kは各細胞の細胞内液抵抗、Cmkは各細胞の細胞膜容量
である)で表したが、実際の人体の組織では、色々な大
きさの細胞が不規則に配置されているので、実際に近い
電気的等価回路は、時定数τ=Cmk・Rikを有する容量
と抵抗との直列接続素子が分布している分布定数回路で
表される。したがって、この実施の形態では、実際に近
い電気的等価回路を採用して細胞内液抵抗と細胞外液抵
抗とを求めることとしたので、人体のインピーダンス軌
跡Dは、図5に示すように中心が実軸より上がった円弧
となる。
【0033】次に算出された細胞内液抵抗と細胞外液抵
抗、及びキーボード1から入力された被験者の身長、体
重、性別及び年齢等の人体特徴データ等に基づいて、予
め処理プログラムの中に組み込まれてある身体組成推定
式を駆使して、被験者の体Bの細胞内液抵抗、細胞外液
抵抗、体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、脂肪内液量、
細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量(体液量)
の各量を算出する。そして、算出された各データを表示
コントローラと表示器(例えば、LCD)とからなる表
示部に表示する。
【0034】上記構成の生体電気インピーダンス測定装
置100を用いる場合には、まず、測定に先だって、図
2に示すように、2個の表面電極Hc,Hpを被験者の右
の手甲部Hに、2個の表面電極Lp,Lcを被験者の右の
足甲部Lにそれぞれ吸着方式により張り付ける(このと
き、表面電極Hc,Lcを、表面電極Hp,Lpよりも人体の
中心から遠い部位に張り付ける)。次に、測定者(又は
被験者自身)が、生体電気インピーダンス測定装置10
0のキーボードを用いて、被験者の身長、体重、性別及
び年齢等の人体特徴項目を入力するとともに、測定開始
から測定終了までの全測定時間や測定間隔等を設定す
る。キーボードから入力されたデータ及び設定値は、R
AMに記憶される。
【0035】次に、測定者(又は被験者自身)が、キー
ボードの測定開始スイッチをオンにすると、CPU10
は、まず、所定の初期設定を行った後、M系列発生器1
1,矩形波発生器12に信号発生指示信号を送出する。
M系列のプローブ電流Iaを所定回数繰り返し生成し、
測定信号として、アナログフィルタ、図示せぬ同軸ケー
ブルを介して、被験者の手甲部Hに張り付けられた表面
電極Hcから被験者の体Bを流れ、最初の測定が開始さ
れる。
【0036】CPU10は、プローブ電流(測定信号)
Iaの繰返回数が、予め設定された回数に達すると、測
定を停止する制御を行った後、まず、サンプリングメモ
リに格納された、時間の関数である電圧Vp,Vcを逐次
読み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波数の
関数である電圧Vp(f),Vc(f) (fは周波数)に変換
し、これら電圧Vp(f),Vc(f) 基づいて、最小二乗法
の演算手段により、カーブフィッテイングを行い、図5
に示されるようなインピーダンス軌跡Dを求め、得られ
たインピーダンス軌跡Dから、被験者の体Bの周波数0
時の生体電気インピーダンスR0と、周波数無限大時の
生体電気インピーダンスR∞(インピーダンス軌跡Dの
円弧がX軸と交わる点のX座標値に相当)とを算出し、
算出結果から被験者の体Bの細胞内液抵抗と細胞外液抵
抗とを算出する。ちなみに従来技術で得られたインピー
ダンス軌跡Dを図4に示す。
【0037】そして、CPU10は、算出された細胞内
抵抗とを細胞外抵抗、及びキーボードから入力された被
験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴データ等
に基づいて、予め処理プログラムの中に組み込まれてあ
る身体組成推定式を駆使して、被験者の体Bの細胞内
液、細胞外液、体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、細胞
内液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量
(体液量)の各量を算出する。そして、算出された各デ
ータを表示する。
【0038】次に、CPU10は、全測定時間が経過し
たか否かを判断し、経過したとの結論が得られれば、以
後の測定処理を終了し、経過していなければ、測定間隔
に相当する時間が経過するのを待った後、再び同様の測
定処理を開始する。そして、上述の処理を、全測定時間
が経過するまで繰り返す。
【0039】このように、この例の構成によれば、プロ
ーブ電流Iaとして、多くの周波数成分を含むにもかか
わらず1msecの程度にエネルギーが分散し、しか
も、1ビットの電気信号をある一定時間で分割し、周期
の異なった複数の系列の信号を出力させ、A/D変換器
で変換された信号をその系列の信号の一つの周期で周期
加算を行うので、体脂肪の状態や体内水分の分布の測定
において、生体を損傷することもなく、また、呼吸や脈
による影響を取り除くことができ、量子化誤差が減少し
て、ハードウエアの非同期ノイズが存在する場合でも信
号のSN比が増大する。さらに、測定信号は、シフトレ
ジスタ及び複数個の論理回路のみから生成でき、構成が
非常に簡単になる。
【0040】また、最小二乗法によるカーブフィティン
グの手法を用いて、周波数無限大時の生体電気インピー
ダンスが求められるので、浮遊容量や外来ノイズの影響
を回避でき、細胞膜の容量成分を含まず、純粋な細胞外
液抵抗と細胞内液抵抗とを求めることができる。以上、
この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきた
が、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもよい。
【0041】例えば、算出する生体電気パラメータは、
生体電気インピーダンス、インピーダンス軌跡、細胞外
液抵抗及び細胞内液抵抗に限らず、生体電気アドミッタ
ンス、アドミッタンス軌跡、上記生体電気インピーダン
ス又は生体電気アドミッタンス、細胞外液抵抗及び細胞
内液抵抗等の時間的変化量並びにこれらの一部であって
もよく、このようにすれば、体脂肪率等の測定だけでは
なく、各種医療制度(例えば、透析の状態測定)への適
用が期待できる。また電極の取付箇所は、手や足には限
定されない。
【0042】また、M系列発生器を構成するシフトレジ
スタや論理回路は、ハードウエア構成であると、ソフト
ウエアである構成とを問わない。また、上述の実施の形
態では、アナログフィルタ16,19およびA/D変換
器17,20とを用いたが、これらに代えて、縦続接続
された1組のアナログフィルタ及びA/D変換器または
1個のA/D変換器と、その入力端と出力端とに取り付
けられた切り替えスイッチとを設けてもよい。これによ
り、少なくともA/D変換器を1個にすることができ、
構成をさらに簡単にできる。
【0043】さらに、上述の実施の形態では、人体特徴
項目として、被験者の身長、体重、性別及び年齢を入力
する場合について述べたが、必要に応じて、性別、年齢
等を省略してもよく、あるいは、人種等の項目を付加し
ても良い。算出された人体の生体電気パラメータをプリ
ンタに出力するようにしてもよい。さらに、脈波センサ
や呼吸の周期を検出できるセンサを人体に貼り付け、各
センサの出力信号により、測定タイミングを設定するよ
うにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の電気特
性測定装置によれば、測定信号として、多くの周波数成
分を含むにもかかわらず、瞬時ではあるが、1ビットの
電気信号をある一定時間で時分割し、周期の異なった複
数の系列の信号を出力させ、A/D変換器で変換された
信号をこの系列の信号の一つの周期で同期加算を行うの
で、被測定物、特に、生体にとっては危険がない程度に
エネルギーが分散し、しかも、周波数スペクトルの振幅
が全周波数領域にわたって、略フラットである最長線形
符号信号を用いることで、体脂肪量や対内水分量の測定
において、生体を損傷することなく、量子化誤差が減少
して、ハードウエアの非同期ノイズが存在する場合で
も、信号のSN比が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である生体電気インピー
ダンス測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】信号線上に現れる信号を表す図である。
【図3】本実施の形態の生体電気インピーダンス測定装
置の使用の状態を模式的に示す図である。
【図4】従来技術による人体のインピーダンス軌跡を示
す図である。
【図5】本実施の形態による人体のインピーダンス軌跡
を示す図である。
【図6】人体の組織内細胞を表す電気的等価回路図であ
る。
【符号の説明】
10 CPU(演算手段) 11 M系列発生器(信号発生器の一部) 12 矩形波発生器(信号発生器の一部) 13 時分割器(信号発生器の一部) 14 アナログフィルタ 15 電流増幅器 16 アナログフィルタ 17 A/D変換器 18 電圧差動増幅器 19 アナログフィルタ 20 A/D変換器 Hc、Hp、Hc、Hp 表面電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期が異なる複数の符号系列信号を含む
    測定信号を発生する信号発生器と、被測定物からの応答
    信号を前記符号系列信号の少なくとも1つの周期で同期
    加算して前記被測定物の電気特性を測定する演算手段
    と、を備えることを特徴とする電気特性測定装置。
  2. 【請求項2】 前記信号発生器は、周期T*(2n−1)
    ビット(nは正の整数)のM系列信号と、周期T*N=
    2*Wで(Nは2以上の整数)最初のW期間が1で残り
    のW期間が0である信号と、を時分割で発生し、前記演
    算手段は、前記M系列信号に同期した加算をN回行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の電気特性測定装置。
  3. 【請求項3】 周期が異なる複数の符号系列信号を含む
    測定信号を生成し、生成した測定信号を被験者の体の互
    いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に付けた
    第1及び第2の電極を介して被験者の体に投入するため
    の測定信号供給手段と、前記被験者の体に投入された前
    記測定信号の電流値を測定するための電流測定手段と、
    前記被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位
    に導電可能に付けた第3及び第4の電極を介して被験者
    の体の所定の表面部位間に生じる電圧値を測定するため
    の電圧測定手段と、前記電流測定手段及び電圧測定手段
    によってそれぞれ測定された電流値及び電圧値を前記符
    号系列信号の少なくとも1つの周期毎に一時記憶するた
    めの記憶手段と、該記憶手段に記憶された電流値及び電
    圧値により前記生体の前記部位間の生体電気インピーダ
    ンスを算出し、求めるべき生体電気インピーダンス又は
    生体電気インピーダンスに基づく物理量を算出する演算
    手段と、該演算手段によって算出された結果を出力する
    出力手段とを備えることを特徴とする電気特性測定装
    置。
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