JP2001170019A - 電気特性測定装置 - Google Patents

電気特性測定装置

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JP2001170019A
JP2001170019A JP35755199A JP35755199A JP2001170019A JP 2001170019 A JP2001170019 A JP 2001170019A JP 35755199 A JP35755199 A JP 35755199A JP 35755199 A JP35755199 A JP 35755199A JP 2001170019 A JP2001170019 A JP 2001170019A
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Tetsuya Ishii
徹哉 石井
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全身の体脂肪率測定と部位別の体組成を測定
でき、経済的に優れた電気特性測定装置を提供する。 【解決手段】 生体電気インピーダンス測定装置100
に、部位別の体組成測定を可能にする信号切替え器20
0を設置し、信号切替え器200の制御は測定装置10
0が有する外付け校正器制御線110で行うようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体電気インピー
ダンス法に基づいて、被験者の体脂肪の状態や体水分分
布を推計するのに有用な電気特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、かつて生体電気インピーダ
ンス測定装置として、M系列信号を使用した装置を出願
した(特開平10−14898号公報)。その発明では
4端子A/Dコンバートされた信号をフーリエ変換する
ことにより、多くの周波数での生体電気インピーダンス
を測定して細胞の内外の水分量情報を算出している。こ
の装置では明細書には記載していないが、信号のSN比
を向上させるため、M系列信号を多数回出力させ、各信
号の同期加算を行っている。
【0003】以下、その従来技術を説明する。近年、人
間や動物の身体組成を評価する目的で、生体の電気特性
に関する研究が行われている。生体の電気特性は、組織
又は臓器の種類によって著しく異なっており、例えば、
ヒトの場合、血液の電気抵抗率は150Ω・cm前後で
あるのに対して、骨や脂肪の電気抵抗率は1〜5kΩ・
cmもある。この生体の電気特性は、生体電気インピー
ダンスと呼ばれ、生体の体表面に装着された複数の電極
間に微小電流を流すことにより測定される。このように
して得られた生体電気インピーダンスから被験者の体水
分分布や体脂肪率、体脂肪量を推計する方法を生体電気
インピーダンス法という(「身体組成の評価法としての
生体電気インピーダンス法」,Baumgartner, R.N., etc.
著、「生体電気インピーダンスとその臨床応用」, 医用
電子と生体工学, 金井寛著,20(3)Jun 1982 、「インピ
ーダンス法による体肢の水分分布の推定とその応用」,
医用電子と生体工学, 波江野誠等著,23(6) 1985 、「イ
ンピーダンス法による膀胱内尿量の長時間計測」, 人間
工学, 口ノ町康夫等著,28(3) 1992 等参照)。
【0004】生体電気インピーダンスは、生体中のイオ
ンによって搬送される電流に対する生体の抵抗(レジス
タンス)と、細胞膜、組織界面、あるいは非イオン化組
織によって作り出される様々な種類の分極プロセスと関
連したリアクタンスとから構成される。リアクタンスの
逆数であるキャパシタンスは、電圧よりも電流に時間的
遅れをもたらし、位相のズレ(フェーズシフト)を作り
出すが、この値はレジスタンスに対するリアクタンスの
比率の逆正接角(アークタンジェント)、すなわち、電
気位相角として幾何学的に定量できる。
【0005】これら生体電気インピーダンスZ、レジス
タンスR、リアクタンスX及び電気位相角φは、周波数
に依存している。非常に低い周波数fL では、細胞膜と
組織界面の生体電気インピーダンスZは、電気を伝導す
るには高すぎる。したがって、電気は細胞外液を通して
のみ流れ、測定される生体電気インピーダンスZは純粋
にレジスタンスRである。
【0006】次に、周波数が増加するにつれて、電流は
細胞膜を貫通するようになり、リアクタンスXが高くな
って位相角φを広げることになる。生体電気インピーダ
ンスZの大きさは、Z2 =R2 +X2 によって定義され
るベクトルの値に等しい。リアクタンスX及び位相角φ
が共に最大になる時の周波数を臨界周波数fc といい、
伝導導体である生体の1つの電気特性値である。この臨
界周波数fc を越えると、細胞膜と組織界面が容量性能
力を失うようになり、これにつれてリアクタンスXが減
少する。非常に高い周波数fH では、生体電気インピー
ダンスZは、再び純粋にレジスタンスRと等価になる。
【0007】図8は、人体の電気的等価回路図(等価回
路モデル)である。この図において、Cm は細胞膜容量
を表し、Ri及びReはそれぞれ細胞内液抵抗及び細胞
外液抵抗を表している。低い周波数fL においては、電
流は主に細胞外スペースを流れており、インピーダンス
Zは細胞外液抵抗Reに等しくなる。高い周波数fHに
おいては、電流は細胞膜を完全に通るようになり、細胞
膜容量Cm は、実質的に短絡されているのと等価であ
る。したがって、高い周波数fH でのインピーダンスZ
は、合成抵抗Ri・Re/( Ri+Re)に等しい。
【0008】以上説明した方法により、細胞内液抵抗R
iと細胞外液抵抗Reとを求めることができ、これらに
基づいて、被験者の体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重等
の体脂肪の状態や体水分分布(細胞内液量、細胞外液量
及びこれらの総和たる体内水分量)を推計でき、また、
これらの抵抗Re,Riの変化により、体水分分布の変
化を推計できる。このような各パラメータの測定・推計
を任意に選択された複数の周波数の微小正弦波電流を生
体に投入し、得られた信号をデジタル信号処理して行う
生体電気インピーダンス測定装置としては、特表平6−
506854号公報に記載のものが知られている。
【0009】まず、呼吸の影響について説明する。上述
したように、脂肪の抵抗率は著しく大きいことが知られ
ているが、空気の電気インピーダンスも著しく大きい。
【0010】生体電気インピーダンスは、上述したよう
に、人体の体表面に装着された複数の電極間に微小電流
を流すことより測定されるが、電極は、通常、被験者の
右手と右足にそれぞれ取り付けられるため、電流が右腕
→右上半身→右下半身→右足と流れ、空気が多く含まれ
ている右上半身(右肺)を通過している。生体電気イン
ピーダンスは細胞膜容量Cm (図8参照)の影響を受け
るが、この容量Cm が呼吸によって変化する。
【0011】また、生体電気インピーダンスは、血行動
態や代謝能等と関係しており、血流量との間にも密接な
関係がある。すなわち、身体の血流量は、体内水分量の
一部であり、心臓の拡張、収縮に応じて変化する。一
方、生体電気インピーダンスは、身体の水分量に応じて
変化する。したがって、心臓の拡張、収縮に応じて変化
する血流量を考慮して、生体電気インピーダンスを測定
しなければならない。
【0012】しかしながら、上述した生体電気インピー
ダンス測定装置では、生体電気インピーダンスと血流量
との間に密接な関係があるにもかかわらず、血流量を考
慮して測定していないため、脈の影響を受けている。
【0013】そこで、脈や呼吸の影響を低減するため
に、脈や呼吸の周期よりも長い間連続して生態電気イン
ピーダンスを測定することが考えられるが、たとえ微小
電流(例えば、300μA)とはいえ、長時間(例え
ば、1sec以上)連続して人体に電流を流した場合、
人体に悪影響を及ぼす恐れがある。つまり、正弦波信号
を用いた場合には、正確な生体電気インピーダンスや体
脂肪量、体内水分量を測定できないという問題があっ
た。
【0014】以上の問題を解決するためには、脈や呼吸
の影響を受けないような非常に短い時間で生体電気イン
ピーダンスを測定する必要があるが、このために、正弦
波の微小電流の代わりに多くの周波数成分を含んだイン
パルス状の微小電流を用いることが考えられる。しかし
ながら、この方法では、極短時間(例えば、0. 1μs
ec程度)に電気エネルギーを集中させるため、高電圧
を発生する回路が必要になるためばかりか、たとえ極短
時間であっても非常に大きなエネルギーが人体に投入さ
れるので、やけど等の損傷ないし場合によっては生命の
危険が生じてしまうため、実用的ではない。
【0015】このため、前記発明では、被験者の体にM
系列符号信号からなるプローブ電流を流し、流れる電流
と電極間の電圧とを検出し、それぞれをフーリエ変換し
て、周波数毎の電圧値に変換し、変換結果に基づいて生
体の部位間の生体電気インピーダンス等を算出し、生体
電気インピーダンス等を表示している。また、上述した
ような4端子法を用いて部位別の体組成を推定する装置
には、例えば米国特許5335667号明細書に示すA
LL IN ONEタイプの装置がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような体
組成を推定する装置のユーザは、全身の体脂肪率の測定
行うものが殆どであり、部位別の体組成を測定する場合
には、別途、部位別の体組成を測定する装置(例えば、
上記米国特許5335667号明細書に示すALL I
N ONEタイプの装置)を用いなければならないと
いう欠点があった。この原因は、部位別の体組成を測定
する装置の完成が全身の体組成測定より遅れたためであ
り、部位別の体組成推定のニーズがないわけではない。
【0017】したがって、部位別の体組成を測定しよう
とする場合には、すでに全身用の体組成測定装置を持っ
ているユーザでも、新たに、例えば上記ALL IN
ONEの装置を購入する必要があり、経済的ではなかっ
た。
【0018】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであって、全身の体脂肪率測定と部位別の体組成
を測定でき、経済的に優れた電気特性測定装置を提供す
ることを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の電気特性測定装
置は、測定信号を生成し、生成した測定信号を被験者の
体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可能に
付けた電極を介して被験者の体に投入するための測定信
号供給手段と、前記被験者の体に投入された前記測定信
号の電流値を測定するための電流測定手段と、前記被験
者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導電可
能に付けた電極を介して被験者の体の所定の表面部位間
に生じる電圧値を測定するための電圧測定手段と、前記
電流測定手段及び電圧測定手段によってそれぞれ測定さ
れた電流値及び電圧値により前記生体の前記部位間の生
体電気インピーダンスを算出し、求めるべき生体電気イ
ンピーダンス又は生体電気インピーダンスに基づく物理
量を算出する演算手段と、を備える電気特性測定装置で
あって、前記各電極と前記電流測定手段及び前記電圧測
定手段の間に信号切替手段を設置し、前記信号切替手段
は、前記被験者の体の互いに隔たる所定の5箇所以上の
表面部位に導電可能に付ける前記各電極のうち、所定の
4つの電極を選択して前記電流測定手段及び前記電圧測
定手段に接続することを特徴とする。
【0020】また、前記信号切替手段は、前記各電極と
前記電流測定手段及び前記電圧測定手段の間に、着脱可
能に設置されるものであることで、部位別の体組成測定
機能を付加できる信号切替え器をオプション品として接
続することができる。
【0021】また、前記信号切替手段は、前記電流測定
手段及び電圧測定手段の測定値を校正する校正手段の一
部を兼ねることで、既に電気特性測定装置が有する外付
け校正器の制御線を用いて信号切替え器の制御を行うこ
とができる。
【0022】また、前記信号切替手段を制御する制御手
段を更に備えることで、電気特性測定装置又は外部のC
PU(例えば、パーソナルコンピュータ)により適切に
部位別の体組成測定を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して詳細に説明する。本発明を生体電気インピ
ーダンス測定装置に用いた場合について詳細に説明す
る。図1は、この測定装置の全体的構成を示すブロック
図である。
【0024】図1において、100は、被験者の体にM
系列符号信号からなるプローブ電流を流し、流れる電流
と電極間の電圧とを検出し、それぞれをフーリエ変換し
て、周波数毎の電圧値に変換し、変換結果に基づいて生
体の部位間の生体電気インピーダンス等を算出・表示す
る生体電気インピーダンス測定装置、200は、生体電
気インピーダンス測定装置100の外付け機器として設
置され、測定装置100に部位別の体組成測定機能を付
加する信号切替え器(信号切替え手段)であり、信号切
替え器200は、測定装置100(全身脂肪測定装置)
が有する外付け校正器制御線110を通して測定装置1
00により制御される。
【0025】また、ベッド上に横たえられた被験者の両
手、両足には、所定距離離して電流通電電極と電圧検出
電極がそれぞれ一対ずつ(計8個)装着され、右手及び
左手の各電極は、信号切替え器200の切替器入力端子
CN1に接続されており、右足及び左足の各電極は、信
号切替え器200の切替器入力端子CN2に接続されて
いる。信号切替え器200は、測定装置100からの制
御信号に従って内部のスイッチを所定モードで切替え、
部位別の体組成信号として切替器出力端子CN0から出
力する。この信号切替え器200の切替器出力端子CN
0は、同軸ケーブルからなる測定ケーブルを介して測定
装置100の測定ケーブル端子120に接続されてい
る。
【0026】信号切替え器200は、既設の生体電気イ
ンピーダンス測定装置100の外付け機器(例えば、オ
プション品)として、測定装置100と被験者の両手、
両足装着電極との間に挿入可能である。すなわち、測定
装置100は、信号切替え器200を介して被験者の両
手、両足に電流通電電極と電圧検出電極が接続される構
成であり、測定装置100は、校正器制御線110を通
して信号切替え器200の内部スイッチを切替え、4端
子法を用いる生体電気インピーダンス測定と、部位別の
体組成測定とを任意に切替えて測定することが可能であ
る。なお、本実施の形態では、被験者の両手、両足に電
流通電電極と電圧検出電極を計8個装着し、8個(4
組)から4個(2組)を選択する。これは先行文献に記
載された装置を組み合わせて使用可能にするためであ
り、各電極の装着方法は適宜変更可能である。
【0027】本実施の形態では、全身体脂肪測定装置
(生体電気インピーダンス測定装置100)に、部位別
のLTM(除脂肪重量−骨量)測定を可能にする信号切
替え器200を設置し、信号切替え器200の制御は測
定装置100が有する外付け校正器制御線110で行う
ようにするものである。
【0028】そこで、まず生体電気インピーダンス測定
装置100について、図2〜図4を参照して詳細に説明
し、次に信号切替え器200の構成について図5〜図7
を参照して具体的に説明する。図2は、本発明を生体電
気インピーダンス測定装置に用いた場合の測定装置の電
気的構成を示すブロック図である。
【0029】この例の生体電気インピーダンス測定装置
100は、図2に示すように、キーボード1と、被験者
の体Bにプローブ電流Iaを測定信号として送出し、こ
れにより被験者の体Bから得られる電圧電流情報をデジ
タル処理するための測定処理部2と、装置各部を制御す
ると共に、測定処理部2の処理結果に基づいて人体の生
体電気インピーダンスや体脂肪、体内水分分布に関する
各種数量、及び部位別の体組成を算出するためのCPU
(中央演算処理装置)3と、このCPU3によって算出
された被験者の体Bの生体電気インピーダンスや体脂肪
量、体内水分量及び体組成等を表示するための表示部4
と、CPU3の処理プログラムを記憶するROM5と、
各種データ(例えば、被験者の身長、体重、性別、細胞
外液や細胞内液の量等)を一時記憶するデータ領域及び
CPU3の作業領域が設定されるRAM6とから概略構
成されている。
【0030】上記キーボード1は、測定者が測定開始を
指示するための測定開始スイッチや、被験者の身長、体
重、性別及び年齢等の人体特徴項目を入力したり、全測
定時間Tや測定間隔t、部位別の体組成等を測定目的に
応じて設定/設定変更するための各種キーから構成され
ており、キーボード1から供給される各キーの操作デー
タは、図示しないキーコード発生回路でキーコードに変
換されてCPU3に供給される。
【0031】上記CPU3は、装置各部を制御すると共
に、測定処理部2の処理結果に基づいて人体の生体電気
インピーダンスや体脂肪、体内水分分布に関する各種数
量、及び部位別の体組成を算出する。また、CPU3に
は、図示しないインタフェース回路を介して外付け校正
器制御線110が接続されており、生体電気インピーダ
ンス測定開始時又は各スイッチング状態等において、該
制御線110を通して校正制御信号が出力される。本
来、この制御信号は測定装置100が有する外付け校正
器を制御するための制御信号であるが、本実施の形態で
はこの制御線110を、信号切替え器200を切替え制
御するための制御線として用いる。
【0032】また、上記測定処理部2は、PIO(パラ
レル・インタフェース)71、測定信号発生器72、ロ
ーパスフィルタ(以下、LPFという)73、カップリ
ングコンデンサ74及び身体の所定の部位に貼り付けら
れる電極Hcからなる出力処理回路と、同じく身体の所
定の部位に貼り付けられる電極Hp,Lp,Lc、カッ
プリングコンデンサ80a,80b,90、差動増幅器
81、I/V変換器(電流/電圧変換器)91、アナロ
グのアンチエリアシングフィルタからなるLPF82,
92、A/D変換器83.93及びサンプリングメモリ
(リングバッファ)84,94からなる入力処理回路と
から構成されている。
【0033】測定処理部2において、測定信号発生器7
2は、出力抵抗が発生する信号周波数のすべての領域に
わたって10kΩ以上であり、全測定時間Tの間、所定
の周期tで、PIO71を介してCPU3から信号発生
指示信号が供給される度に、最長線形符号(maximal li
near codes)系列(M系列)のプローブ電流Iaを所定
回数繰り返し生成し、生成されたプローブ電流Iaを測
定信号として、その高周波のノイズを除去するLPF7
3及び被験者の体Bに直流分が流れないように除去する
カップリングコンデンサ74を介して、表面電極Hcに
送出する。プローブ電流Iaの値は、例えば、500〜
800μAである。また、信号発生指示信号の供給周期
は、測定者がキーボード1を用いて設定した測定間隔t
に一致する。さらに、この例では、プローブ電流(測定
信号)Iaの繰返回数は、信号発生指示信号1回当た
り、1〜256回である。この繰返回数も測定者がキー
ボード1を用いて任意に設定できるようにしてもよい。
繰返回数は、多いほど精度が高くなるが、微小電流とは
言え、長時間連続して人体に流した場合、人体に悪影響
を及ぼす虞があるので、1〜256回が好ましい。
【0034】ここでM系列信号について説明する。M系
列信号は、スペクトラム拡散通信方式やスペクトラム拡
散測距システムにおいて、一般的に用いられる符号信号
であって、ある長さのシフトレジスタ又は遅延素子によ
って生成される符号系列のうち、最長のものをいう。長
さが(2n−1)ビット(nは正の整数)のM系列信号
を生成する2値のM系列発生器は、n段のシフトレジス
タと、そのn段の状態の論理的結合をシフトレジスタの
入力に帰還する論理回路(排他的論理回路)とから構成
される。あるサンプル時刻(クロック時刻)におけるM
系列発生器の出力及び各段の状態は、直前のサンプル時
刻における帰還段の出力の関数である。なお、この実施
の形態では、シフトレジスタが8段(n=8)のM系列
発生器を用いている。また、シフトレジスタのシフトク
ロックの周波数を2MHzに設定している。
【0035】「発明が解決しようとする課題」の欄で説
明したように、インパルス信号を用いた場合には少ない
時間間隔(0. 1μ秒)にエネルギーが集中するのに対
して、M系列信号を用いたプローブ電流は、多くの周波
数成分を含むにもかかわらず1msec程度にエネルギ
ーが分散するため、生体を損傷することなく、また、脈
や呼吸の周期より十分に短い時間間隔で発生するので、
時間的に測定値を平均すればこれらの影響を受けること
もない。さらに、例えば、デューティ50%の矩形波信
号の場合、周波数スペクトルの振幅は低周波では大き
く、高周波で小さいので、SN比の周波数特性が高周波
領域で劣化するのに対して、M系列信号は、周波数スペ
クトルの振幅が全周波数領域にわたって略フラットであ
るので、SN比の周波数特性も略フラットである。な
お、M系列信号の詳細については、R.C.Dixon 著、「ス
ペクトラム拡散通信方式」(p56〜p89)を参照さ
れたい。
【0036】図3は、本実施の形態の生体電気インピー
ダンス測定装置の使用の状態を模式的に示す図である。
本実施の形態は、生体電気インピーダンス測定装置10
0と各電極との間に、信号切替え器200をオプション
品として接続し、部位別の体組成測定を可能にするもの
であるが、測定装置100からの制御により信号切替え
器200内部のスイッチを切替えると、4端子法を用い
る既存の生体電気インピーダンス測定を行うことができ
る。図3は、上記4端子法を用いる生体電気インピーダ
ンス測定を行う場合の電気的な接続状態を示しており、
図3では、信号切替え器200及び左手、左足に装着さ
れた電極及び測定ケーブル等は電気的接続状態にないた
め示されていない。すなわち、生体電気インピーダンス
測定時には、信号切替え器200は、測定装置100か
らの制御により内部スイッチを生体電気インピーダンス
測定可能状態に切替えるので、信号切替え器200は電
気的にスルーの状態となり図3に示すように接続されな
い状態と等しくなる。
【0037】表面電極Hc(第1電極)は、測定時、被
験者の右の手甲部Hに導電可能に吸着方式により貼り付
けられ、表面電極Lc(第2電極)は、右の足甲部Lに
吸着方式により導電可能に貼り付けられる。それゆえ、
測定信号(プローブ電流)Iaは、被験者の右手の部分
から体Bに入る。
【0038】また、高電位出力端子Hp(第3電極)
は、被験者の右の手甲部Hに吸着方式により、導電可能
に貼り付けられ、表面電極Lp(第4電極)は、右の足
甲部Lに吸着方式により導電可能に貼り付けられる。こ
のとき、表面電極Hc,Lcを、表面電極Hp,Lpよ
りも人体の中心から遠い部位に貼り付ける。
【0039】上記各表面電極Hp,Lp,Hc,Lc
は、同軸ケーブルによって生体電気インピーダンス測定
装置100に接続されている。この同軸ケーブルに対し
て、先行文献特開平10−14898号公報に示すよう
に、表面電極Hpの電位と表面電極Lpの電位との中間
の電位に保持するシールドドライブ回路を設ける構成と
してもよい。また、同軸ケーブルを用いてシールド部を
接地することにより、表面電極Hpとグランドに出現す
る容量と、表面電極Lpとグランドに出現する容量とは
実際にはその値が若干異なるが、説明を簡単にするため
同一の値としている。また、表面電極Hc,Lcは、イ
ンピーダンスが低いので、測定用ケーブルについては、
単に、グランドレベル(GND)に接地する構成でもよ
い。
【0040】次に測定信号処理について説明する。図3
に示すように、表面電極(高電位出力端子)Hpは、被
験者の右の手甲部Hに吸着方式により、導電可能に貼り
付けられ、一方、表面電極Lpは、右の足甲部Lに吸着
方式により導電可能に貼り付けられる。
【0041】図2に示す差動増幅器81は、2つの表面
電極Hp,Lp間の電位(電位差)を検出する。すなわ
ち、差動増幅器81は、上記プローブ電流Iaが被験者
の体Bに投入されると、被験者の右手足間の電圧Vpを
検出し、LPF82へ入力することになる。この電圧V
pは、表面電極Hpと表面電極Lpとの間における被験
者の体Bの生体電気インピーダンスによる電圧降下であ
る。
【0042】LPF82は、上記電圧Vpから高周波の
ノイズを除去し、A/D変換器83へ供給する。LPF
82のカットオフ周波数は、A/D変換器83のサンプ
リング周波数の半分より低い。これにより、A/D変換
器83によるA/D変換処理で発生する折り返し雑音が
除去される。A/D変換器83は、CPU3からデジタ
ル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが除去さ
れた電圧Vpを所定のサンプリング周期でデジタル信号
に変換し、デジタル化された電圧Vpをサンプリング周
期毎にサンプリングメモリ84へ供給する。
【0043】次に、表面電極Lcは、図3に示すよう
に、被験者の右の足甲部Lに吸着方式により貼り付けら
れる。I/V変換器91は、2つの表面電極Hc,Lc
間に流れる電流を検出して電圧に変換する。すなわち、
I/V変換器91は、プローブ電流Iaが被験者の体B
に投入されると、被験者の右手足間を流れるプローブ電
流Iaを検出し、電圧Vcに変換した後、LPF92へ
供給する。
【0044】LPF92は、入力された電圧Vcから高
周波のノイズを除去し、A/D変換器93へ供給する。
LPF92のカットオフ周波数は、A/D変換器93の
サンプリング周波数の半分より低い。この場合も、A/
D変換器93によるA/D変換処理で発生する折り返し
雑音が除去される。A/D変換器93は、CPU3から
デジタル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが
除去された電圧Vcを所定のサンプリング周期でデジタ
ル信号に変換し、デジタル化された電圧Vcをサンプリ
ング周期毎にサンプリングメモリ94へ供給する。
【0045】CPU3は、ROM5に記憶された処理プ
ログラムに従って、上述した測定処理部2による測定を
開始し、所定のサンプリング周期で、検出電圧Vp,V
cを所定の回数サンプリングした後、測定を停止する制
御を行う他、以下の処理を行う。すなわち、CPU3
は、まず、サンプリングメモリ84,94に格納され
た、時間の関数である電圧Vp,Vcを逐次読み出して
それぞれフーリエ変換処理により、周波数の関数である
電圧Vp(f),Vc(f)(fは周波数)に変換した
後、平均化を行い、周波数毎の生体電気インピーダンス
Z(f)[=Vp(f)/Vc(f)]を算出する。
【0046】次に、CPU3は、得られた周波数毎の生
体電気インピーダンスZ(f)に基づいて、最小二乗法
の演算手法を駆使して、図4に示されるようなインピー
ダンス軌跡Dを求め、得られたインピーダンス軌跡Dか
ら、被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダン
スR0と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR
∞とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液
抵抗と細胞外液抵抗とを算出する。
【0047】従来の技術の欄では、人体の組織内細胞を
単純な電気的等価回路(図8:Reは細胞外液抵抗、R
ikは各細胞の細胞内液抵抗、Cmkは各細胞の細胞膜容量
である)で表したが、実際の人体の組織では、色々な大
きさの細胞が不規則に配置されているので、実際に近い
電気的等価回路は、時定数τ=Cmk・Rikを有する容量
と抵抗との直列接続素子が分布している分布定数回路で
表される。したがって、この実施の形態では、実際に近
い電気的等価回路を採用して細胞内液抵抗と細胞外液抵
抗とを求めることとしたので、人体のインピーダンス軌
跡Dは、図4に示すように中心が実軸より上がった円弧
となる。
【0048】次に算出された細胞内液抵抗と細胞外液抵
抗、及びキーボード1から入力された被験者の身長、体
重、性別及び年齢等の人体特徴データ等に基づいて、予
め処理プログラムの中に組み込まれてある身体組成推定
式を駆使して、被験者の体Bの細胞内液抵抗、細胞外液
抵抗、体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、脂肪内液量、
細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量(体液量)
の各量を算出する。そして、算出された各データを表示
コントローラと表示器(例えば、LCD)とからなる表
示部4に表示する。
【0049】上記構成の生体電気インピーダンス測定装
置100を用いる場合には、まず、測定に先だって、図
3に示すように、2個の表面電極Hc,Hpを被験者の
右の手甲部Hに、2個の表面電極Lp,Lcを被験者の
右の足甲部Lにそれぞれ吸着方式により張り付ける(こ
のとき、表面電極Hc,Lcを、表面電極Hp,Lpより
も人体の中心から遠い部位に張り付ける)。次に、測定
者(又は被験者自身)が、生体電気インピーダンス測定
装置100のキーボード1を用いて、被験者の身長、体
重、性別及び年齢等の人体特徴項目を入力するととも
に、測定開始から測定終了までの全測定時間Tや測定間
隔t等を設定する。キーボード1から入力されたデータ
及び設定値は、RAM5に記憶される。
【0050】次に、測定者(又は被験者自身)がキーボ
ード1の測定開始スイッチをオンにすると、CPU3
は、まず、所定の初期設定を行った後、測定処理部2の
測定信号発生器72に信号発生指示信号を送出する。
【0051】これにより、測定信号発生器72が、M系
列のプローブ電流Iaを所定回数繰り返し生成し、測定
信号としてLPF73、カップリングコンデンサ74、
2重シールド線である測定用ケーブルを介して、被験者
の手甲部Hに貼り付けられた表面電極Hc(図3参照)
に送出するので、500〜800μAの測定信号Ia
が、表面電極Hcから被験者の体Bを流れ、最初の測定
が開始される。
【0052】測定信号Iaが被験者の体Bに投入される
と、測定処理部2の差動増幅器81において、電極H
p,Lpが貼り付けられた右手足間で生じた電圧Vpが
検出され、LPF82を経て、A/D変換器83へ供給
される。一方、I/V変換器91では、電極Hc,Lc
が貼り付けられた右手足間を流れるプローブ電流Iaが
検出され、電圧Vcに変換された後、LPF92を経て
A/D変換器93へ供給される。このとき、CPU3か
らは、サンプリング周期毎にA/D変換器83,93に
対してデジタル変換信号Sdが供給される。
【0053】A/D変換器83では、デジタル変換信号
Sdの供給を受ける度に、電圧Vpをデジタル信号に変
換し、サンプリングメモリ84へ供給する。サンプリン
グメモリ84は、デジタル化された電圧Vpを順次記憶
する。一方、A/D変換器93では、デジタル変換信号
Sdの供給を受ける度に、電圧Vcをデジタル信号に変
換し、サンプリングメモリ94へ供給する。サンプリン
グメモリ94は、デジタル化された電圧Vcを順次記憶
する。
【0054】CPU3は、プローブ電流(測定信号)I
aの繰返回数が、予め設定された回数に達すると、測定
を停止する制御を行った後、まず、サンプリングメモリ
84,94に格納された、時間の関数である電圧Vp,
Vcを逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理によ
り、周波数の関数である電圧Vp(f),Vc(f)
(fは周波数)に変換した後、平均化を行って、周波数
毎の生体電気インピーダンスZ(f)(=Vp(f)/
Vc(f))を算出する。
【0055】次に、CPU3は、算出された周波数毎の
上記生体電気インピーダンスZ(f)に基づいて、最小
二乗法の演算手法により、カーブフィッティングを行
い、図4に示されるようなインピーダンス軌跡Dを求
め、得られたインピーダンス軌跡Dから、被験者の体B
の周波数0時の生体電気インピーダンスR0と、周波数
無限大時の生体電気インピーダンスR∞(インピーダン
ス軌跡Dの円弧がX軸と交わる点のX軸座標値に相当)
とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液抵
抗と細胞外液抵抗とを算出する。
【0056】そして、CPU3は、算出された細胞内夜
抵抗と細胞外液抵抗、及びキーボード1から入力された
被験者の身長、体重、性別及び年齢等の人体特徴データ
等に基づいて、予め処理プログラムの中に組み込まれて
ある身体組成推定式を駆使して、被験者の体Bの細胞内
液、細胞外液、体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、細胞
内液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量
(体液量)の各量を算出する。そして、算出された各デ
ータをRAM6に記憶すると共に、表示部4に表示す
る。
【0057】次に、CPU3は、全測定時間Tが経過し
たか否かを判断し、経過したとの結論が得られれば、以
後の測定処理を終了し、経過していなければ、測定間隔
に相当する時間tが経過するのを待った後、再び同様の
測定処理を開始する。そして、上述の処理を、全測定時
間Tが経過するまで繰り返す。
【0058】このように、この例の構成によれば、プロ
ーブ電流Iaとして、多くの周波数成分を含むにもかか
わらず1msec程度にエネルギーが分散し、しかも、
周波数スペクトルの振幅が全周波数領域にわたって略フ
ラットなM系列信号を用いているので、体脂肪の状態や
体内水分分布の測定において、生体を損傷することもな
く、また、呼吸や脈による影響を取り除くことができ、
全周波数領域にわたってSN比のよい計測が可能であ
る。さらに、測定信号は、シフトレジスタ及び複数個の
論理回路のみから生成でき、構成が非常に簡単になる。
【0059】また、最小二乗法によるカーブフィティン
グの手法を用いて、周波数無限大時の生体電気インピー
ダンスが求められるので、浮遊容量や外来ノイズの影響
を回避でき、細胞膜の容量成分を含まず、純粋な細胞外
液抵抗と細胞内液抵抗とを求めることができる。
【0060】図5は、本実施の形態の測定装置に用いら
れる信号切替え器200の構成を示す図であり、図6
は、この信号切替え器200を実際に構成するデコーダ
回路を示す回路図、図7は、図6の回路を制御するプロ
グラムを示す図である。
【0061】図5において、信号切替え器200は、8
端子を有する切替器入力端子CN1、切替器入力端子C
N2及び切替器出力端子CN0と、切替器入力端子CN
1,CN2と切替器出力端子CN0を接続する配線上に
設置され、所定経路で配線を繋ぐためのスイッチRY6
〜RY23とから構成される。
【0062】また、信号切替え器200内部において、
切替器入力端子CN1、切替器入力端子CN2及び切替
器出力端子CN0に接続される奇数番号の信号線と、隣
合う偶数番号の信号線とは同軸構造(偶数番号の信号線
がシールド線である)となっており、さらに、シールド
線である偶数番号の信号線は、一対で互いに接続され
る。
【0063】このように、切替器入力端子CN1、切替
器入力端子CN2及び切替器出力端子CN0からスイッ
チRY6〜RY23に至る信号線の引き回しは、同軸線
を使用して電圧降下のロス等を防止している。また、切
替器入力端子CN1,CN2と切替器出力端子CN0の
間のケーブル長は、例えば100mm程度に統一する。
各ケーブル長を揃えて構成することにより、ケーブルの
特性を揃えることができ、1チャンネル(1ch)の校
正を行い、その値を用いて他のケーブルの組み合わせに
使用することができる。RY18〜RY23等のシール
ド線に接続されたスイッチは、ケーブルの容量を介して
不要なパスに電流が流れるのを防ぐためのものである。
また、シールド線は、他の信号線と同じロジックで信号
切替え器200によって切替えられる。
【0064】信号切替え器200の切替器入力端子CN
1の1〜4端子は、例えば図1に示す被験者の右手に所
定距離離して装着された電流通電電極と電圧検出電極に
接続され、同様に、切替器入力端子CN1の5〜8端子
は、被験者の左手に所定距離離して装着された電流通電
電極と電圧検出電極に接続される。また、切替器入力端
子CN2の1〜4端子は、被験者の右足に所定距離離し
て装着された電流通電電極と電圧検出電極に接続され、
切替器入力端子CN2の5〜8端子は、被験者の左足に
所定距離離して装着された電流通電電極と電圧検出電極
に接続される。なお、上記接続は、一例であり、切替器
入力端子CN1,CN2の8個(4組)から4個(2
組)を選択するものであればどのような接続方法でもよ
い。
【0065】上記信号切替え器200は、図6に示すデ
コーダ回路と図7に示す制御プログラムにより実現でき
る。図6において、210は、制御信号CAL0〜CA
L4と電源(VCC,GND)を受ける入力端子CN
3、220は、制御信号CAL0〜CAL4をバッファ
リングすると共に電源供給による内部回路を保護する入
力部CN33、230は、制御信号CAL0〜CAL4
をデコードする複数の(6個の)デコーダU1〜U6、
240は、デコーダU4〜U6出力によりオン/オフさ
れるスイッチRY1〜RY23である。
【0066】上記デコーダU1〜U6は、入力端子CN
3に入力される制御信号CAL0〜CAL4をデコード
して、スイッチRY1〜RY23を切替えるスイッチ制
御信号/Y1〜/Y23(但し、/は負論理を示す)を作
成する。
【0067】図7には、例としてファイル名「SSW−
A」「SSW−BR」「SSW−CR」で示される3つ
のデコーダプログラムを表している。このプログラム
は、まずデコーダU1〜U6の入力端子名P,GND、
及び出力端子名NC,Y,VCCを設定し、以下、図7
に示すプログラムを作成して、各デコーダ出力/Y及び
スイッチ制御信号/RYの動作を決定する。ファイル名
「SSW−A」は、前処理のプログラムを示す。また、
ファイル名「SSW−BR」のプログラムに従ってデコ
ーダU1〜U6を動作させると、デコーダU1〜U6
は、スイッチRY19〜RY22(図5参照)を切替え
るスイッチ制御信号/Y19〜/Y22をデコード出力す
る。また、ファイル名「SSW−CR」のプログラムに
従ってデコーダU1〜U6を動作させると、デコーダU
1〜U6は、スイッチRY21〜RY23を切替えるス
イッチ制御信号/Y21〜/Y23をデコード出力する。
【0068】上述したように、信号切替え器200を生
体電気インピーダンス測定装置100からの外付け校正
器の制御線110で制御することにより、部位別の体組
成を推定することができる。
【0069】また、信号切替え器200を生体電気イン
ピーダンス測定装置100に繋ぐという簡単な構成で実
施できるため、既設の測定装置や設備等を変更すること
なく、低コストで直ちに実施できるという優れた効果が
ある。例えば、文献特開平10−14898号公報に示
す測定装置に、本発明を適用した場合、装置の各種パラ
メータの変更や部材の追加を一切行わずに実施すること
ができる。
【0070】以上、この発明の実施の形態を図面を参照
して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形
態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しな
い範囲の設計の変更等があってもよい。
【0071】例えば、本実施の形態では、両手、両足に
各電極(8個、4組)を装着するようにしているが、必
ずしも両手、両足すべてに装着する必要はなく、4個
(2組)を選択して組み合わせるものであればどのよう
なものでもよい。
【0072】また、各電極は、前記電流測定手段又は電
圧測定手段のソース及びドレインのいずれの端子側にも
切替えて接続できる。また、図5〜図7に示すデコード
及びスイッチは、一例でありその他の構成でもよいこと
は勿論である。
【0073】また、上記実施の形態に係る測定装置を、
上述したような生体電気インピーダンスを測定する測定
装置に適用することもできるが、測定手段の種類や測定
方法等は限定されず、装置本体と電極を接続する測定用
ケーブルを有する全ての装置に適用可能である。
【0074】例えば、算出する生体電気パラメータは、
生体電気インピーダンス、インピーダンス軌跡、細胞外
液抵抗及び細胞内液抵抗に限らず、生体電気アドミッタ
ンス、アドミッタンス軌跡、上記生体電気インピーダン
ス又は生体電気アドミッタンス、細胞外液抵抗及び細胞
内液抵抗等の時間的変化量並びにこれらの一部であって
もよく、このようにすれば、体脂肪率等の測定だけでは
なく、各種医療制度(例えば、透析の状態測定)への適
用が期待できる。また電極の取付箇所は、手や足には限
定されない。また、M系列発生器を構成するシフトレジ
スタや論理回路は、ハードウエア構成であると、ソフト
ウエアである構成とを問わない。
【0075】さらに、上述の実施の形態では、人体特徴
項目として、被験者の身長、体重、性別及び年齢を入力
する場合について述べたが、必要に応じて、性別、年齢
等を省略してもよく、あるいは、人種等の項目を付加し
てもよい。算出された人体の生体電気パラメータをプリ
ンタに出力するようにしてもよい。さらに、脈波センサ
や呼吸の周期を検出できるセンサを人体に貼り付け、各
センサの出力信号により、測定タイミングを設定するよ
うにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の電気特
性測定装置によれば、部位別の体組成測定機能を付加で
きる信号切替手段をオプション品として接続することに
より、全身の体脂肪率測定と部位別の体組成を測定で
き、経済的に優れた電気特性測定装置を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である生体電気インピー
ダンス測定装置の全体的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の生体電気インピーダンス測定装
置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態の生体電気インピーダンス測定装
置の使用の状態を模式的に示す図である。
【図4】本実施の形態による人体のインピーダンス軌跡
を示す図である。
【図5】本実施の形態の測定装置に用いられる信号切替
え器の構成を示す図である。
【図6】本実施の形態の測定装置に用いられる信号切替
え器を実際に構成するデコーダ回路を示す回路図であ
る。
【図7】図6の回路を制御するプログラムを示す図であ
る。
【図8】人体の組織内細胞を表す電気的等価回路図であ
る。
【符号の説明】
1 キーボード 3 CPU(演算手段,制御手段) 4 表示部 72 測定信号発生器(信号発生手段の一部) 73 LPF(信号発生手段の一部) 81 差動増幅器(電圧測定手段の一部) 82 LPF(電圧測定手段の一部) 84,94 サンプリングメモリ 91 I/V変換器(電流測定手段の一部) 92 LPF(電流測定手段の一部) 100 生体電気インピーダンス測定装置(電気特性測
定装置) 110 外付け校正器制御線 120 測定ケーブル端子 200 信号切替え器(信号切替え手段) Hc 表面電極(第1電極) Lc 表面電極(第2電極) Hp 表面電極(第3電極) Lp 表面電極(第4電極)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定信号を生成し、生成した測定信号を
    被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位に導
    電可能に付けた電極を介して被験者の体に投入するため
    の測定信号供給手段と、 前記被験者の体に投入された前記測定信号の電流値を測
    定するための電流測定手段と、 前記被験者の体の互いに隔たる所定の2箇所の表面部位
    に導電可能に付けた電極を介して被験者の体の所定の表
    面部位間に生じる電圧値を測定するための電圧測定手段
    と、 前記電流測定手段及び電圧測定手段によってそれぞれ測
    定された電流値及び電圧値により前記生体の前記部位間
    の生体電気インピーダンスを算出し、求めるべき生体電
    気インピーダンス又は生体電気インピーダンスに基づく
    物理量を算出する演算手段と、を備える電気特性測定装
    置であって、 前記各電極と前記電流測定手段及び前記電圧測定手段の
    間に信号切替手段を設置し、 前記信号切替手段は、前記被験者の体の互いに隔たる所
    定の5箇所以上の表面部位に導電可能に付ける前記各電
    極のうち、所定の4つの電極を選択して前記電流測定手
    段及び前記電圧測定手段に接続することを特徴とする電
    気特性測定装置。
  2. 【請求項2】 前記信号切替手段は、前記各電極と前記
    電流測定手段及び前記電圧測定手段の間に、着脱可能に
    設置されることを特徴とする請求項1記載の電気特性測
    定装置。
  3. 【請求項3】 前記信号切替手段は、前記電流測定手段
    及び電圧測定手段の測定値を校正する校正手段の一部を
    兼ねることを特徴とする請求項1記載の電気特性測定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記信号切替手段を制御する制御手段を
    更に備えることを特徴とする請求項1記載の電気特性測
    定装置。
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