JP2001245865A - 電気特性測定装置 - Google Patents

電気特性測定装置

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JP2001245865A
JP2001245865A JP2000062119A JP2000062119A JP2001245865A JP 2001245865 A JP2001245865 A JP 2001245865A JP 2000062119 A JP2000062119 A JP 2000062119A JP 2000062119 A JP2000062119 A JP 2000062119A JP 2001245865 A JP2001245865 A JP 2001245865A
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JP2000062119A
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Tetsuya Ishii
徹哉 石井
Kazutoshi Yamazaki
和俊 山崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば、病院内の精密電子医療機器が配置さ
れている環境において、電磁波によるノイズをできるだ
け低減することができる電気特性測定装置を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明による電気特性測定装置100
は、体の表面部位間の生体電気インピーダンスを算出
し、求めるべき生体電気インピーダンス又は生体電気イ
ンピーダンスに基づいて必要な被験者のデータを算出す
る。さらに本電気特性測定装置は、異なる周波数のA,
Bクロック7,8を備えており、計測・計算時以外の時
間帯は、遅いクロックを使用する。したがって、全体と
して装置から放射される電磁波が低減され、周囲の電子
精密機器へのノイズの影響を大幅に低減することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体電気インピー
ダンス法に基づいて、被験者の身体の種々の物理量を測
定する電気特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、かつて生体電気インピーダ
ンス測定装置として、M系列信号を使用した装置を出願
した(特開平10−14898号公報)。その発明では
4端子A/Dコンバートされた信号をフーリエ変換する
ことにより、多くの周波数での生体電気インピーダンス
を測定して細胞の内外の水分量情報を算出している。こ
の装置では明細書には記載していないが、信号のSN比
を向上させるため、M系列信号を多数回出力させ、各信
号の同期加算を行っている。
【0003】以下、その従来技術を説明する。近年、人
間や動物の身体組成を評価する目的で、生体の電気特性
に関する研究が行われている。生体の電気特性は、組織
又は臓器の種類によって著しく異なっており、例えば、
ヒトの場合、血液の電気抵抗率は150Ω・cm前後で
あるのに対して、骨や脂肪の電気抵抗率は1〜5kΩ・
cmもある。この生体の電気特性は、生体電気インピー
ダンスと呼ばれ、生体の体表面に装着された複数の電極
間に微小電流を流すことにより測定される。このように
して得られた生体電気インピーダンスから被験者の体水
分分布や体脂肪率、体脂肪量を推計する方法を生体電気
インピーダンス法という(「身体組成の評価法としての
生体電気インピーダンス法」,Baumgartner, R.N., etc.
著、「生体電気インピーダンスとその臨床応用」, 医用
電子と生体工学, 金井寛著,20(3)Jun 1982 、「インピ
ーダンス法による体肢の水分分布の推定とその応用」,
医用電子と生体工学, 波江野誠等著,23(6) 1985 、「イ
ンピーダンス法による膀胱内尿量の長時間計測」, 人間
工学, 口ノ町康夫等著,28(3) 1992 等参照)。
【0004】生体電気インピーダンスは、生体中のイオ
ンによって搬送される電流に対する生体の抵抗(レジス
タンス)と、細胞膜、組織界面、あるいは非イオン化組
織によって作り出される様々な種類の分極プロセスと関
連したリアクタンスとから構成される。リアクタンスの
逆数であるキャパシタンスは、電圧よりも電流に時間的
遅れをもたらし、位相のズレ(フェーズシフト)を作り
出すが、この値はレジスタンスに対するリアクタンスの
比率の逆正接角(アークタンジェント)、すなわち、電
気位相角として幾何学的に定量できる。これら生体電気
インピーダンスZ、レジスタンスR、リアクタンスX及
び電気位相角φは、周波数に依存している。非常に低い
周波数fLでは、細胞膜と組織界面の生体電気インピー
ダンスZは、電気を伝導するには高すぎる。したがっ
て、電気は細胞外液を通してのみ流れ、測定される生体
電気インピーダンスZは純粋にレジスタンスRである。
【0005】次に、周波数が増加するにつれて、電流は
細胞膜を貫通するようになり、リアクタンスXが高くな
って位相角φを広げることになる。生体電気インピーダ
ンスZの大きさは、Z2=R2+X2によって定義される
ベクトルの値に等しい。リアクタンスX及び位相角φが
共に最大になる時の周波数を臨界周波数fCといい、伝
導導体である生体の1つの電気特性値である。この臨界
周波数fCを越えると、細胞膜と組織界面が容量性能力
を失うようになり、これにつれてリアクタンスXが減少
する。非常に高い周波数fHでは、生体電気インピーダ
ンスZは、再び純粋にレジスタンスRと等価になる。
【0006】図4は、人体の電気的等価回路図(等価回
路モデル)である。この図において、Cmkは細胞膜容量
を表し、Rik及びReはそれぞれ細胞内液抵抗及び細胞
外液抵抗を表している。低い周波数fLにおいては、電
流は主に細胞外スペースを流れており、インピーダンス
Zは細胞外液抵抗Reに等しくなる。高い周波数fH
おいては、電流は細胞膜を完全に通るようになり、細胞
膜容量Cmkは、実質的に短絡されているのと等価であ
る。したがって、高い周波数fHでのインピーダンスZ
は、合成抵抗Ri・Re/( Ri+Re)、(1/Ri
=Σ1/Rik)に等しい。
【0007】以上説明した方法により、細胞内液抵抗R
iと細胞外液抵抗Reとを求めることができ、これらに
基づいて、被験者の除脂肪体重等を推計でき、また、こ
れらの抵抗Re, Riの変化により、体水分分布の変化
を推計できる。このような各パラメータの測定・推計を
任意に選択された複数の周波数の微小正弦波電流を生体
に投入し、得られた信号をデジタル信号処理して行う生
体電気インピーダンス測定装置としては、特表平6−5
06854号公報に記載のものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
装置を、例えば、病院のベッドに寝ている患者の電気特
性測定装置として被験者に電極を接続することを考慮す
る場合、特に人工透析なども行う状態ではベッドの周囲
には精密機器が密集して配置されている。このような環
境では、精密な電子医療機器に対するノイズによる影響
を避けるために、例えば携帯電話の使用は禁止されてい
る。したがって、この電気特性測定装置も電磁波による
障害(EMI:ElectroMagnetic Interference)に
対する対策の対象となり、その機器の作動中に発生する
ノイズをできるだけ低減することが求められる。本発明
はこのような課題に鑑みてなされたものであり、病院内
の精密電子医療機器が配置されている環境において、電
磁波による障害をできるだけ低減することができる電気
特性測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電気特性測定装
置は、測定信号を生成する信号発生手段と、生成した測
定信号を被験者の体に投入した際に流れる電流を測定す
る電流測定手段と、前記被験者の体の所定の表面部位間
で発生する電位差を測定する電圧測定手段と、前記電流
測定手段によって測定された電流値と前記電圧測定手段
によって測定された電圧値とから生体電気インピーダン
ス又は生体電気インピーダンスに基づく物理量を演算す
る演算手段と、前記各手段を駆動する、速いクロックパ
ルスと遅いクロックパルスを選択的に発生するクロック
パルス発生手段と、前記信号発生手段、電流測定手段及
び電圧測定手段による測定の開始に際して前記遅いクロ
ックパルスから速いクロックパルスに変更し、前記演算
手段による演算の終了に際して前記速いクロックパルス
から遅いクロックパルスに変更する制御手段と、を備え
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して詳細に説明する。本発明を生体電気インピ
ーダンス測定装置に用いた場合について詳細に説明す
る。図1は、この測定装置の電気的構成を示すブロック
図である。この例の生体電気インピーダンス測定装置
は、図1に示すように、キーボード1と、被験者の体B
にプローブ電流Iaを測定信号として送出し、これによ
り被験者の体Bから得られる電圧電流情報をデジタル処
理するための測定処理部2と、装置各部を制御すると共
に、測定処理部2の処理結果に基づいて人体の生体電気
インピーダンスや体脂肪、体内水分分布に関する各種数
量を算出するためのCPU(中央演算処理装置)3と、
このCPU3によって算出された被験者の体Bの生体電
気インピーダンスや体脂肪量、体内水分量等を表示する
ための表示部4と、CPU3の処理プログラムを記憶す
るROM6と、各種データ(例えば、被験者の身長、体
重、性別、細胞外液や細胞内液の量等)を一時記憶する
データ領域及びCPU3の作業領域が設定されるRAM
5と、CPU3を駆動するためのクロックパルスを発生
するAクロック7と、このAクロック7と周波数が異な
り、Aクロック7より遅い周波数のクロックパルスを発
生するBクロック8と、から概略構成されている。
【0011】上記キーボード1は、測定者が測定開始を
指示するための測定開始スイッチや、被験者の身長、体
重、性別及び年齢等の人体特徴項目を入力したり、全測
定時間Tや測定間隔t等を測定目的に応じて設定/設定
変更するための各種キーから構成されており、キーボー
ド1から供給される各キーの操作データは、図示しない
キーコード発生回路でキーコードに変換されてCPU3
に供給される。また、上記測定処理部2は、PIO(パ
ラレル・インタフェース)71、測定信号発生器72、
ローパスフィルタ(以下、LPFという)73、カップ
リングコンデンサ74及び身体の所定の部位に貼り付け
られる表面電極Hcからなる出力処理回路と、同じく身
体の所定の部位に貼り付けられる表面電極Hp,Lp,
Lc、カップリングコンデンサ80a,80b,90、
差動増幅器81、I/V変換器(電流/電圧変換器)9
1、アナログのアンチエリアシングフィルタからなるL
PF82,92、A/D変換器83.93及びサンプリ
ングメモリ(リングバッファ)84,94からなる入力
処理回路とから構成されている。
【0012】測定処理部2において、測定信号発生器7
2は、出力抵抗が発生する信号周波数のすべての領域に
わたって10kΩ以上であり、全測定時間Tの間、所定
の周期tで、PIO71を介してCPU3から信号発生
指示信号が供給される度に、最長線形符号(maximal li
near codes)系列(M系列)のプローブ電流Iaを所定
回数繰り返し生成し、生成されたプローブ電流Iaを測
定信号として、その高周波のノイズを除去するLPF7
3及び被験者の体Bに直流分が流れないように除去する
カップリングコンデンサ74を介して、表面電極Hcに
送出する。プローブ電流Iaの値は、例えば、500〜
800μAである。また、信号発生指示信号の供給周期
は、測定者がキーボード1を用いて設定した測定間隔t
に一致する。さらに、この例では、プローブ電流(測定
信号)Iaの繰返回数は、信号発生指示信号1回当た
り、1〜256回である。この繰返回数も測定者がキー
ボード1を用いて任意に設定できるようにしてもよい。
繰返回数は、多いほど精度が高くなるが、微小電流とは
言え、長時間連続して人体に流した場合、人体に悪影響
を及ぼす虞があるので、1〜256回が好ましい。
【0013】ここでM系列信号について説明する。M系
列信号は、スペクトラム拡散通信方式やスペクトラム拡
散測距システムにおいて、一般的に用いられる符号信号
であって、ある長さのシフトレジスタ又は遅延素子によ
って生成される符号系列のうち、最長のものをいう。長
さが(2n−1)ビット(nは正の整数)のM系列信号
を生成する2値のM系列発生器は、n段のシフトレジス
タと、そのn段の状態の論理的結合をシフトレジスタの
入力に帰還する論理回路(排他的論理回路)とから構成
される。あるサンプル時刻(クロック時刻)におけるM
系列発生器の出力及び各段の状態は、直前のサンプル時
刻における帰還段の出力の関数である。なお、この実施
の形態では、シフトレジスタが8段(n=8)のM系列
発生器を用いている。また、シフトレジスタのシフトク
ロックの周波数を2MHzに設定している。
【0014】インパルス信号を用いた場合には少ない時
間間隔(0. 1μ秒)にエネルギーが集中するのに対し
て、M系列信号を用いたプローブ電流は、多くの周波数
成分を含むにもかかわらず1msec程度にエネルギー
が分散するため、生体を損傷することなく、また、脈や
呼吸の周期より十分に短い時間間隔で発生するので、時
間的に測定値を平均すればこれらの影響を受けることも
ない。さらに、例えば、デューティ50%の矩形波信号
の場合、周波数スペクトルの振幅は低周波では大きく、
高周波で小さいので、SN比の周波数特性が高周波領域
で劣化するのに対して、M系列信号は、周波数スペクト
ルの振幅が全周波数領域にわたって略フラットであるの
で、SN比の周波数特性も略フラットである。なお、M
系列信号の詳細については、R.C.Dixon 著、「スペクト
ラム拡散通信方式」(p56〜p89)を参照された
い。
【0015】図2は、本実施の形態の電気特性測定装置
の使用の状態を模式的に示す図である。表面電極Hc
(第1電極)は、測定時、被験者の右の手甲部Hに導電
可能に粘着方式により貼り付けられ、表面電極Lc(第
2電極)は、右の足甲部Lに粘着方式により導電可能に
貼り付けられる。それゆえ、測定信号(プローブ電流)
Iaは、被験者の右手の部分から体Bに入る。また、表
面電極Hp(第3電極)は、被験者の右の手甲部Hに粘
着方式により、導電可能に貼り付けられ、表面電極Lp
(第4電極)は、右の足甲部Lに粘着方式により導電可
能に貼り付けられる。このとき、表面電極Hc,Lc
を、表面電極Hp,Lpよりも人体の中心から遠い部位
に貼り付ける。上記各表面電極Hp,Lp,Hc,Lc
は、測定用ケーブル10によって生体電気インピーダン
ス測定装置100に接続されている。
【0016】次に測定信号処理について説明する。図2
に示すように、表面電極Hpは、被験者の右の手甲部H
に粘着方式により、導電可能に貼り付けられ、一方、表
面電極Lpは、右の足甲部Lに粘着方式により導電可能
に貼り付けられる。図1に示す差動増幅器81は、2つ
の表面電極Hp,Lp間の電位(電位差)を検出する。
すなわち、差動増幅器81は、上記プローブ電流Iaが
被験者の体Bに投入されると、被験者の右手足間の電圧
Vpを検出し、LPF82へ入力することになる。この
電圧Vpは、表面電極Hpと表面電極Lpとの間におけ
る被験者の体Bの生体電気インピーダンスによる発生電
圧である。
【0017】LPF82は、上記電圧Vpから高周波の
ノイズを除去し、A/D変換器83へ供給する。LPF
82のカットオフ周波数は、A/D変換器83のサンプ
リング周波数の半分より低い。これにより、A/D変換
器83によるA/D変換処理で発生する折り返し雑音が
除去される。A/D変換器83は、CPU3からデジタ
ル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが除去さ
れた電圧Vpを所定のサンプリング周期でデジタル信号
に変換し、デジタル化された電圧Vpをサンプリング周
期毎にサンプリングメモリ84へ供給する。
【0018】次に、表面電極Lcは、図2に示すよう
に、被験者の右の足甲部Lに粘着方式により貼り付けら
れる。表面電極Hcとカップリングコンデンサ90(図
1参照)との間は、2重シールド線である測定用ケーブ
ル10で接続されている。I/V変換器91は、2つの
表面電極Hc,Lc間に流れる電流を検出して電圧に変
換する。すなわち、I/V変換器91は、プローブ電流
Iaが被験者の体Bに投入されると、被験者の右手足間
を流れるプローブ電流Iaを検出し、電圧Vcに変換し
た後、LPF92へ供給する。
【0019】LPF92は、入力された電圧Vcから高
周波のノイズを除去し、A/D変換器93へ供給する。
LPF92のカットオフ周波数は、A/D変換器93の
サンプリング周波数の半分より低い。この場合も、A/
D変換器93によるA/D変換処理で発生する折り返し
雑音が除去される。A/D変換器93は、CPU3から
デジタル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが
除去された電圧Vcを所定のサンプリング周期でデジタ
ル信号に変換し、デジタル化された電圧Vcをサンプリ
ング周期毎にサンプリングメモリ94へ供給する。
【0020】CPU3は、ROM6に記憶された処理プ
ログラムに従って、またAクロック7のクロックパルス
に従って、上述した測定処理部2による測定を開始し、
所定のサンプリング周期で、検出電圧Vp,Vcを所定
の回数サンプリングした後、測定を停止する制御を行う
他、以下の処理を行う。すなわち、CPU3は、まず、
サンプリングメモリ84,94に格納された、時間の関
数である電圧Vp,Vcを逐次読み出してそれぞれフー
リエ変換処理により、周波数の関数である電圧Vp
(f),Vc(f)(fは周波数)に変換した後、平均
化を行い、周波数毎の生体電気インピーダンスZ(f)
{=Vp(f)/Vc(f)}を算出する。
【0021】次に、CPU3は、引き続いてAクロック
7のクロックパルスに従って得られた周波数毎の生体電
気インピーダンスZ(f)に基づいて、最小二乗法の演
算手法を駆使して、図3に示されるようなインピーダン
ス軌跡Dを求め、得られたインピーダンス軌跡Dから、
被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダンスR
0 と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR∞と
を算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液抵抗
と細胞外液抵抗とを算出する。実際の人体の組織では、
色々な大きさの細胞が不規則に配置されているので、実
際に近い電気的等価回路は、時定数τ=Cmk・Rikを有
する容量と抵抗との直列接続素子が分布している分布定
数回路で表される(図4:Reは細胞外液抵抗、Rikは
各細胞の細胞内液抵抗、Cmkは各細胞の細胞膜容量であ
る)。したがって、人体のインピーダンス軌跡Dは、図
3に示すように中心が実軸より上がった円弧となる。
【0022】次に算出された細胞内液抵抗と細胞外液抵
抗、及びキーボード1から入力された被験者の身長、体
重、性別及び年齢等の人体特徴データ等に基づいて、予
め処理プログラムの中に組み込まれてある身体組成推定
式を駆使して、被験者の体Bの体脂肪率、脂肪重量、除
脂肪体重、脂肪内液量、細胞外液量及びこれらの総和た
る体内水分量(体液量)の各量を算出する。そして、算
出された各データを表示コントローラと表示器(例え
ば、LCD)とからなる表示部4に表示する。上記構成
の生体電気インピーダンス測定装置100を用いる場合
には、まず、測定に先だって、図2に示すように、2個
の表面電極Hc, Hpを被験者の右の手甲部Hに、2個
の表面電極Lp, Lcを被験者の右の足甲部Lにそれぞ
れ粘着方式により張り付ける(このとき、表面電極H
c, Lcを、表面電極Hp, Lpよりも人体の中心から
遠い部位に張り付ける)。次に、測定者(又は被験者自
身)が、生体電気インピーダンス測定装置100のキー
ボード1を用いて、被験者の身長、体重、性別及び年齢
等の人体特徴項目を入力するとともに、測定開始から測
定終了までの全測定時間Tや測定間隔t等を設定する。
キーボード1から入力されたデータ及び設定値は、RA
M5に記憶される。
【0023】次に、測定者(又は被験者自身)がキーボ
ード1の測定開始スイッチをオンにすると、CPU3
は、まず、Aクロック7のクロックパルスに従って、所
定の初期設定を行った後、測定処理部2の測定信号発生
器72に信号発生指示信号を送出する。これにより、測
定信号発生器72が、M系列のプローブ電流Iaを所定
回数繰り返し生成し、測定信号としてLPF73、カッ
プリングコンデンサ74、2重シールド線である測定用
ケーブル10を介して、被験者の手甲部Hに貼り付けら
れた表面電極Hc(図2参照)に送出するので、500
〜800μAの測定信号Iaが、表面電極Hcから被験
者の体Bを流れ、最初の測定が開始される。
【0024】測定信号Iaが被験者の体Bに投入される
と、測定処理部2の差動増幅器81において、表面電極
Hp,Lpが貼り付けられた右手足間で生じた電圧Vp
が検出され、LPF82を経て、A/D変換器83へ供
給される。一方、I/V変換器91では、表面電極H
c,Lcが貼り付けられた右手足間を流れるプローブ電
流Iaが検出され、電圧Vcに変換された後、LPF9
2を経てA/D変換器93へ供給される。このとき、C
PU3からは、サンプリング周期毎にA/D変換器8
3,93に対してデジタル変換信号Sdが供給される。
【0025】A/D変換器83では、デジタル変換信号
Sdの供給を受ける度に、電圧Vpをデジタル信号に変
換し、サンプリングメモリ84へ供給する。サンプリン
グメモリ84は、デジタル化された電圧Vpを順次記憶
する。一方、A/D変換器93では、デジタル変換信号
Sdの供給を受ける度に、電圧Vcをデジタル信号に変
換し、サンプリングメモリ94へ供給する。サンプリン
グメモリ94は、デジタル化された電圧Vcを順次記憶
する。CPU3は、プローブ電流(測定信号)Iaの繰
返回数が、予め設定された回数に達すると、測定を停止
する制御を行った後、まず、サンプリングメモリ84,
94に格納された、時間の関数である電圧Vp,Vcを
逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理により、周波
数の関数である電圧Vp(f),Vc(f)(fは周波
数)に変換した後、平均化を行って、周波数毎の生体電
気インピーダンスZ(f)(=Vp(f)/Vc
(f))を算出する。
【0026】次に、CPU3は、算出された周波数毎の
上記生体電気インピーダンスZ(f)に基づいて、最小
二乗法の演算手法により、カーブフィッティングを行
い、図3に示されるようなインピーダンス軌跡Dを求
め、得られたインピーダンス軌跡Dから、被験者の体B
の周波数0時の生体電気インピーダンスR0 と、周波数
無限大時の生体電気インピーダンスR∞(インピーダン
ス軌跡Dの円弧がX軸と交わる点のX軸座標値に相当)
とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液抵
抗と細胞外液抵抗とを算出する。そして、CPU3は、
算出された細胞内液抵抗と細胞外液抵抗、及びキーボー
ド1から入力された被験者の身長、体重、性別及び年齢
等の人体特徴データ等に基づいて、予め処理プログラム
の中に組み込まれてある身体組成推定式を駆使して、被
験者の体Bの体脂肪率、脂肪重量、除脂肪体重、細胞内
液量、細胞外液量及びこれらの総和たる体内水分量(体
液量)の各量を算出する。そして、算出された各データ
をRAM5に記憶すると共に、表示部4に表示する。
【0027】ところで、上述したように、本発明の電気
特性測定装置のこのような測定/計算時にはCPU3を
速い周波数のAクロック7(図1参照)で作動させる。
この場合、Aクロック7に40MHzのクロックを使用
すると、測定と計算で2秒ぐらいかかる。これに対し、
Aクロック7の1/16の周波数であるBクロック8を
用いると約30秒ぐらいかかってしまう。次に、CPU
3は、全測定時間Tが経過したか否かを判断し、経過し
たとの結論が得られれば、以後の測定処理を終了し、経
過していなければ、測定間隔に相当する時間tが経過す
るのを待った後、再び同様の測定処理を開始する。そし
て、上述の処理を、全測定時間Tが経過するまで繰り返
す。その後、CPU3がキー待ち等の待機状態になる。
この待機状態では、遅い周波数のBクロック8(図1参
照)を使用する。実際には、CPU3は、測定・計算以
外の時間帯の方が非常に多く、したがって、ほとんどの
時間帯は、この遅い周波数のBクロック8によって作動
することになる。
【0028】このように測定・計算時にのみ速い周波数
のAクロック7を使用し、待機状態の他のほとんどの時
間帯には、遅い周波数のBクロック8を用いることによ
って、全体として本電気特性測定装置のノイズを低減す
ることができ、周囲の電子機器に対しての影響を大幅に
低下することができる。また、この例の構成によれば、
プローブ電流Iaとして、多くの周波数成分を含むにも
かかわらず1msec程度にエネルギーが分散し、しか
も、周波数スペクトルの振幅が全周波数領域にわたって
略フラットなM系列信号を用いているので、体脂肪の状
態や体内水分分布の測定において、生体を損傷すること
もなく、また、呼吸や脈による影響を取り除くことがで
き、全周波数領域にわたってSN比のよい計測が可能で
ある。さらに、測定信号は、シフトレジスタ及び複数個
の論理回路のみから生成でき、構成が非常に簡単にな
る。
【0029】また、最小二乗法によるカーブフィティン
グの手法を用いて、周波数無限大時の生体電気インピー
ダンスが求められるので、浮遊容量や外来ノイズの影響
を回避でき、細胞膜の容量成分を含まず、純粋な細胞外
液抵抗と細胞内液抵抗とを求めることができる。以上、
この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきた
が、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもよい。例えば、本実施の形態では、2つ
のクロック7,8を用いるものとして説明したが、1つ
のクロックの周波数を切り替えるタイプのものを用いる
こともできる。
【0030】さらに、算出する生体電気パラメータは、
生体電気インピーダンス、インピーダンス軌跡、細胞外
液抵抗及び細胞内液抵抗に限らず、生体電気アドミッタ
ンス、アドミッタンス軌跡、上記生体電気インピーダン
ス又は生体電気アドミッタンス、細胞外液抵抗及び細胞
内液抵抗等の時間的変化量並びにこれらの一部であって
もよく、このようにすれば、体脂肪率等の測定だけでは
なく、各種医療制度(例えば、透析の状態測定)への適
用が期待できる。また電極の取付箇所は、手や足には限
定されない。
【0031】また、M系列発生器を構成するシフトレジ
スタや論理回路は、ハードウエア構成であると、ソフト
ウエアである構成とを問わない。さらに、上述の実施の
形態では、人体特徴項目として、被験者の身長、体重、
性別及び年齢を入力する場合について述べたが、必要に
応じて、性別、年齢等を省略してもよく、あるいは、人
種等の項目を付加してもよい。算出された人体の生体電
気パラメータをプリンタに出力するようにしてもよい。
さらに、脈波センサや呼吸の周期を検出できるセンサを
人体に貼り付け、各センサの出力信号により、測定タイ
ミングを設定するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
測定・計算に必要な短い時間帯だけ通常の処理速度で、
その他の時間帯であるほとんどの時間帯には遅いクロッ
クを使用するために、装置の応答を遅くすることなく、
装置本体から放射される電磁波を大幅に低減することが
でき、周囲の精密電子医療機器への影響を大幅に低減す
ることができるために、安心して装置を使用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である生体電気インピー
ダンス測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の生体電気インピーダンス測定装
置の使用の状態を模式的に示す図である。
【図3】本実施の形態による人体のインピーダンス軌跡
を示す図である。
【図4】人体の組織内細胞を表す電気的等価回路図であ
る。
【符号の説明】
1 キーボード 3 CPU(演算手段、制御手段) 4 表示部 7 Aクロック(クロックパルス発生手段の一部) 8 Bクロック(クロックパルス発生手段の一部) 10 測定用ケーブル 72 測定信号発生器(信号発生手段の一部) 73 LPF(信号発生手段の一部) 81 差動増幅器(電圧測定手段の一部) 82 LPF(電圧測定手段の一部) 84,94 サンプリングメモリ 91 I/V変換器(電流測定手段の一部) 92 LPF(電流測定手段の一部) 100 生体電気インピーダンス測定装置(電気特性測
定装置) Hc 表面電極 Lc 表面電極 Hp 表面電極 Lp 表面電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定信号を生成する信号発生手段と、 生成した測定信号を被験者の体に投入した際に流れる電
    流を測定する電流測定手段と、 前記被験者の体の所定の表面部位間で発生する電位差を
    測定する電圧測定手段と、 前記電流測定手段によって測定された電流値と前記電圧
    測定手段によって測定された電圧値とから生体電気イン
    ピーダンス又は生体電気インピーダンスに基づく物理量
    を演算する演算手段と、 前記各手段を駆動する、速いクロックパルスと遅いクロ
    ックパルスを選択的に発生するクロックパルス発生手段
    と、 前記信号発生手段、電流測定手段及び電圧測定手段によ
    る測定の開始に際して前記遅いクロックパルスから速い
    クロックパルスに変更し、前記演算手段による演算の終
    了に際して前記速いクロックパルスから遅いクロックパ
    ルスに変更する制御手段と、を備えることを特徴とする
    電気特性測定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023218766A1 (ja) * 2022-05-13 2023-11-16 ソニーグループ株式会社 センサ装置、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

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