JP2001228012A - 体重表示装置 - Google Patents

体重表示装置

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JP2001228012A
JP2001228012A JP2000036957A JP2000036957A JP2001228012A JP 2001228012 A JP2001228012 A JP 2001228012A JP 2000036957 A JP2000036957 A JP 2000036957A JP 2000036957 A JP2000036957 A JP 2000036957A JP 2001228012 A JP2001228012 A JP 2001228012A
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JP2000036957A
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Tetsuya Ishii
徹哉 石井
Kazutoshi Yamazaki
和俊 山崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寝たきりの老人または病人の体重等の値を簡
単に測定することができ、その変化を表示することがで
きる体重表示装置を提供すること。 【解決手段】 本発明による体重表示装置100は、体
の表面部位間の生体電気インピーダンスを算出し、求め
るべき生体電気インピーダンス又は生体電気インピーダ
ンスに基づいて被験者の体重Wを算出し、当該体重Wの
値を表示する表示手段4を有することを特徴とする。体
を自由に動かすことができない在宅の寝たきりの老人ま
たは病人の体重等の値を簡単に表示することができ、そ
の変化を表示することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体電気インピー
ダンス法に基づいて、被験者、特に寝たきりの老人また
は病人の体重を表示する体重表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、かつて生体電気インピーダ
ンス測定装置として、M系列信号を使用した装置を出願
した(特開平10−14898号公報)。その発明では
4端子A/Dコンバートされた信号をフーリエ変換する
ことにより、多くの周波数での生体電気インピーダンス
を測定して細胞の内外の水分量情報を算出している。こ
の装置では明細書には記載していないが、信号のSN比
を向上させるため、M系列信号を多数回出力させ、各信
号の同期加算を行っている。
【0003】以下、その従来技術を説明する。近年、人
間や動物の身体組成を評価する目的で、生体の電気特性
に関する研究が行われている。生体の電気特性は、組織
又は臓器の種類によって著しく異なっており、例えば、
ヒトの場合、血液の電気抵抗率は150Ω・cm前後で
あるのに対して、骨や脂肪の電気抵抗率は1〜5kΩ・
cmもある。この生体の電気特性は、生体電気インピー
ダンスと呼ばれ、生体の体表面に装着された複数の電極
間に微小電流を流すことにより測定される。このように
して得られた生体電気インピーダンスから被験者の体水
分分布や体脂肪率、体脂肪量を推計する方法を生体電気
インピーダンス法という(「身体組成の評価法としての
生体電気インピーダンス法」,Baumgartner, R.N., etc.
著、「生体電気インピーダンスとその臨床応用」, 医用
電子と生体工学, 金井寛著,20(3)Jun 1982 、「インピ
ーダンス法による体肢の水分分布の推定とその応用」,
医用電子と生体工学, 波江野誠等著,23(6) 1985 、「イ
ンピーダンス法による膀胱内尿量の長時間計測」, 人間
工学, 口ノ町康夫等著,28(3) 1992 等参照)。
【0004】生体電気インピーダンスは、生体中のイオ
ンによって搬送される電流に対する生体の抵抗(レジス
タンス)と、細胞膜、組織界面、あるいは非イオン化組
織によって作り出される様々な種類の分極プロセスと関
連したリアクタンスとから構成される。リアクタンスの
逆数であるキャパシタンスは、電圧よりも電流に時間的
遅れをもたらし、位相のズレ(フェーズシフト)を作り
出すが、この値はレジスタンスに対するリアクタンスの
比率の逆正接角(アークタンジェント)、すなわち、電
気位相角として幾何学的に定量できる。
【0005】これら生体電気インピーダンスZ、レジス
タンスR、リアクタンスX及び電気位相角φは、周波数
に依存している。非常に低い周波数flでは、細胞膜と
組織界面の生体電気インピーダンスZは、電気を伝導す
るには高すぎる。したがって、電気は細胞外液を通して
のみ流れ、測定される生体電気インピーダンスZは純粋
にレジスタンスRである。
【0006】次に、周波数が増加するにつれて、電流は
細胞膜を貫通するようになり、リアクタンスXが高くな
って位相角φを広げることになる。生体電気インピーダ
ンスZの大きさは、Z2=R2+X2によって定義される
ベクトルの値に等しい。リアクタンスX及び位相角φが
共に最大になる時の周波数を臨界周波数fCといい、伝
導導体である生体の1つの電気特性値である。この臨界
周波数fCを越えると、細胞膜と組織界面が容量性能力
を失うようになり、これにつれてリアクタンスXが減少
する。非常に高い周波数fHでは、生体電気インピーダ
ンスZは、再び純粋にレジスタンスRと等価になる。
【0007】図4は、人体の電気的等価回路図(等価回
路モデル)である。この図において、Cmkは細胞膜容量
を表し、Rik及びReはそれぞれ細胞内液抵抗及び細胞
外液抵抗を表している。低い周波数fLにおいては、電
流は主に細胞外スペースを流れており、インピーダンス
Zは細胞外液抵抗Reに等しくなる。高い周波数fH
おいては、電流は細胞膜を完全に通るようになり、細胞
膜容量Cm は、実質的に短絡されているのと等価であ
る。したがって、高い周波数fHでのインピーダンスZ
は、合成抵抗Ri・Re/( Ri+Re)、(1/Ri
=Σ1/Rik)に等しい。
【0008】以上説明した方法により、細胞内液抵抗R
iと細胞外液抵抗Reとを求めることができ、これらに
基づいて、被験者の除脂肪体重等を推計でき、また、こ
れらの抵抗Re, Riの変化により、体水分分布の変化
を推計できる。このような各パラメータの測定・推計を
任意に選択された複数の周波数の微小正弦波電流を生体
に投入し、得られた信号をデジタル信号処理して行う生
体電気インピーダンス測定装置としては、特表平6−5
06854号公報に記載のものが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、種々の病気に
おいて体重の変動はなんらかの病気の進行、あるいは新
たな疾病の兆候としての指標となる。透析患者などは自
分で体を動かすことができるので、体重の測定は可能で
あるが、寝たきりの老人または病人の体重を測定するこ
は困難である。さらに従来の生体電気インピーダンス測
定装置では、体重を用いて体脂肪率等のデータを得るた
め、被験者の体重を入力する必要がある。
【0010】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであり、体を自由に動かすことができない在宅の寝
たきりの老人または病人の体重等の値を実際にその重さ
を計測することなく簡単に測定することができ、体重の
値と体重の変化を表示することができる体重表示装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の体重表示装置
は、測定信号を生成する信号発生手段と、生成した測定
信号を被験者の体に投入した際に流れる電流を測定する
電流測定手段と、前記被験者の体の所定の表面部位間で
発生する電位差を測定する電圧測定手段と、前記電流測
定手段によって測定された電流値と前記電圧測定手段に
よって測定された電圧値とから生体電気インピーダンス
を演算する演算手段と、前記演算手段によって演算され
た生体電気インピーダンスに基づいて体重を算出する体
重算出手段と、該体重を表示する表示手段とを備えるも
のである。
【0012】また、前記信号発生手段は、複数の周波数
を含む信号を生成することで、測定信号を短時間供給す
るだけで広い周波数範囲の測定を行うことができる。さ
らに、前記体重算出手段は、細胞内水分量と細胞外水分
量とから体重を算出することで、より的確な体重を算出
することができる。
【0013】また、前記体重算出手段は、細胞内水分量
と細胞外水分量の比から体重を算出することで、さら
に、的確な体重を算出することができる。また、前記表
示手段は、前記体重の経時変化を表示することで、体重
に関わる病気の診断に有益な情報を提供することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施
の形態による体重表示装置の電気的構成を示すブロック
図である。この例の体重表示装置は、図1に示すよう
に、キーボード1と、被験者の体Bにプローブ電流Ia
を測定信号として送出し、これにより被験者、特に寝た
きりの老人または病人の体Bから得られる電圧電流情報
をデジタル処理するための測定処理部2と、装置各部を
制御すると共に、測定処理部2の処理結果に基づいて人
体の生体電気インピーダンスや体重等の数量を算出する
ためのCPU(中央演算処理装置)3と、このCPU3
によって算出された被験者の体Bの生体電気インピーダ
ンスや体重等を表示するための表示部4と、CPU3の
処理プログラムを記憶するROM6と、各種データ(例
えば、被験者の身長、性別、細胞外液や細胞内液の量
等)を一時記憶するデータ領域及びCPU3の作業領域
が設定されるRAM5とから概略構成されている。
【0015】上記キーボード1は、測定者が測定開始を
指示するための測定開始スイッチや、被験者の身長、性
別及び年齢等の人体特徴項目を入力したり、全測定時間
Tや測定間隔t等を測定目的に応じて設定/設定変更す
るための各種キーから構成されており、キーボード1か
ら供給される各キーの操作データは、図示しないキーコ
ード発生回路でキーコードに変換されてCPU3に供給
される。
【0016】また、上記測定処理部2は、PIO(パラ
レル・インタフェース)71、測定信号発生器72、ロ
ーパスフィルタ(以下、LPFという)73、カップリ
ングコンデンサ74及び身体の所定の部位に貼り付けら
れる表面電極Hcからなる出力処理回路と、同じく身体
の所定の部位に貼り付けられる表面電極Hp,Lp,L
c、カップリングコンデンサ80a,80b,90、差
動増幅器81、I/V変換器(電流/電圧変換器)9
1、アナログのアンチエリアシングフィルタからなるL
PF82,92、A/D変換器83.93及びサンプリ
ングメモリ(リングバッファ)84,94からなる入力
処理回路とから構成されている。
【0017】測定処理部2において、測定信号発生器7
2は、出力抵抗が発生する信号周波数のすべての領域に
わたって10kΩ以上であり、全測定時間Tの間、所定
の周期tで、PIO71を介してCPU3から信号発生
指示信号が供給される度に、最長線形符号(maximal li
near codes)系列(M系列)のプローブ電流Iaを所定
回数繰り返し生成し、生成されたプローブ電流Iaを測
定信号として、その高周波のノイズを除去するLPF7
3及び被験者の体Bに直流分が流れないように除去する
カップリングコンデンサ74を介して、表面電極Hcに
送出する。プローブ電流Iaの値は、例えば、500〜
800μAである。また、信号発生指示信号の供給周期
は、測定者がキーボード1を用いて設定した測定間隔t
に一致する。さらに、この例では、プローブ電流(測定
信号)Iaの繰返回数は、信号発生指示信号1回当た
り、1〜256回である。この繰返回数も測定者がキー
ボード1を用いて任意に設定できるようにしてもよい。
繰返回数は、多いほど精度が高くなるが、微小電流とは
言え、長時間連続して人体に流した場合、人体に悪影響
を及ぼす虞があるので、1〜256回が好ましい。
【0018】ここでM系列信号について説明する。M系
列信号は、スペクトラム拡散通信方式やスペクトラム拡
散測距システムにおいて、一般的に用いられる符号信号
であって、ある長さのシフトレジスタ又は遅延素子によ
って生成される符号系列のうち、最長のものをいう。長
さが(2n−1)ビット(nは正の整数)のM系列信号
を生成する2値のM系列発生器は、n段のシフトレジス
タと、そのn段の状態の論理的結合をシフトレジスタの
入力に帰還する論理回路(排他的論理回路)とから構成
される。あるサンプル時刻(クロック時刻)におけるM
系列発生器の出力及び各段の状態は、直前のサンプル時
刻における帰還段の出力の関数である。なお、この実施
の形態では、シフトレジスタが8段(n=8)のM系列
発生器を用いている。また、シフトレジスタのシフトク
ロックの周波数を2MHzに設定している。
【0019】インパルス信号を用いた場合には少ない時
間間隔(0. 1μ秒)にエネルギーが集中するのに対し
て、M系列信号を用いたプローブ電流は、多くの周波数
成分を含むにもかかわらず1msec程度にエネルギー
が分散するため、生体を損傷することなく、また、脈や
呼吸の周期より十分に短い時間間隔で発生するので、時
間的に測定値を平均すればこれらの影響を受けることも
ない。さらに、例えば、デューティ50%の矩形波信号
の場合、周波数スペクトルの振幅は低周波では大きく、
高周波で小さいので、SN比の周波数特性が高周波領域
で劣化するのに対して、M系列信号は、周波数スペクト
ルの振幅が全周波数領域にわたって略フラットであるの
で、SN比の周波数特性も略フラットである。なお、M
系列信号の詳細については、R.C.Dixon 著、「スペクト
ラム拡散通信方式」(p56〜p89)を参照された
い。
【0020】図2は、本実施の形態の体重表示装置の使
用の状態を模式的に示す図である。表面電極Hc(第1
電極)は、測定時、ベッドD上に寝たきりの被験者の右
の手甲部Hに導電可能に粘着方式により貼り付けられ、
表面電極Lc(第2電極)は、右の足甲部Lに粘着方式
により導電可能に貼り付けられる。それゆえ、測定信号
(プローブ電流)Iaは、被験者の右手の部分から体B
に入る。
【0021】また、表面電極Hp(第3電極)は、被験
者の右の手甲部Hに粘着方式により、導電可能に貼り付
けられ、表面電極Lp(第4電極)は、右の足甲部Lに
粘着方式により導電可能に貼り付けられる。このとき、
表面電極Hc,Lcを、表面電極Hp,Lpよりも人体
の中心から遠い部位に貼り付ける。上記各表面電極H
p,Lp,Hc,Lcは、測定用ケーブル10によって
生体電気インピーダンス測定装置100に接続されてい
る。
【0022】次に測定信号処理について説明する。図2
に示すように、表面電極Hpは、被験者の右の手甲部H
に粘着方式により、導電可能に貼り付けられ、一方、表
面電極Lpは、右の足甲部Lに粘着方式により導電可能
に貼り付けられる。
【0023】図1に示す差動増幅器81は、2つの表面
電極Hp,Lp間の電位(電位差)を検出する。すなわ
ち、差動増幅器81は、上記プローブ電流Iaが被験者
の体Bに投入されると、被験者の右手足間の電圧Vpを
検出し、LPF82へ入力することになる。この電圧V
pは、表面電極Hpと表面電極Lpとの間における被験
者の体Bの生体電気インピーダンスによる発生電圧であ
る。
【0024】LPF82は、上記電圧Vpから高周波の
ノイズを除去し、A/D変換器83へ供給する。LPF
82のカットオフ周波数は、A/D変換器83のサンプ
リング周波数の半分より低い。これにより、A/D変換
器83によるA/D変換処理で発生する折り返し雑音が
除去される。A/D変換器83は、CPU3からデジタ
ル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが除去さ
れた電圧Vpを所定のサンプリング周期でデジタル信号
に変換し、デジタル化された電圧Vpをサンプリング周
期毎にサンプリングメモリ84へ供給する。
【0025】次に、表面電極Lcは、図2に示すよう
に、被験者の右の足甲部Lに粘着方式により貼り付けら
れる。表面電極Hcとカップリングコンデンサ90(図
1参照)との間は、2重シールド線である測定用ケーブ
ル10で接続されている。I/V変換器91は、2つの
表面電極Hc,Lc間に流れる電流を検出して電圧に変
換する。すなわち、I/V変換器91は、プローブ電流
Iaが被験者の体Bに投入されると、被験者の右手足間
を流れるプローブ電流Iaを検出し、電圧Vcに変換し
た後、LPF92へ供給する。
【0026】LPF92は、入力された電圧Vcから高
周波のノイズを除去し、A/D変換器93へ供給する。
LPF92のカットオフ周波数は、A/D変換器93の
サンプリング周波数の半分より低い。この場合も、A/
D変換器93によるA/D変換処理で発生する折り返し
雑音が除去される。A/D変換器93は、CPU3から
デジタル変換信号Sdが供給される度に、上記ノイズが
除去された電圧Vcを所定のサンプリング周期でデジタ
ル信号に変換し、デジタル化された電圧Vcをサンプリ
ング周期毎にサンプリングメモリ94へ供給する。
【0027】CPU3は、ROM6に記憶された処理プ
ログラムに従って、上述した測定処理部2による測定を
開始し、所定のサンプリング周期で、検出電圧Vp,V
cを所定の回数サンプリングした後、測定を停止する制
御を行う他、以下の処理を行う。すなわち、CPU3
は、まず、サンプリングメモリ84,94に格納され
た、時間の関数である電圧Vp,Vcを逐次読み出して
それぞれフーリエ変換処理により、周波数の関数である
電圧Vp(f),Vc(f)(fは周波数)に変換した
後、平均化を行い、周波数毎の生体電気インピーダンス
Z(f){=Vp(f)/Vc(f)}を算出する。
【0028】次に、CPU3は、得られた周波数毎の生
体電気インピーダンスZ(f)に基づいて、最小二乗法
の演算手法を駆使して、図3に示されるようなインピー
ダンス軌跡Dを求め、得られたインピーダンス軌跡Dか
ら、被験者の体Bの周波数0時の生体電気インピーダン
スR0 と、周波数無限大時の生体電気インピーダンスR
∞とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液
抵抗と細胞外液抵抗とを算出する。
【0029】実際の人体の組織では、色々な大きさの細
胞が不規則に配置されているので、実際に近い電気的等
価回路は、時定数τ=Cmk・Rikを有する容量と抵抗と
の直列接続素子が分布している分布定数回路で表される
(図4:Reは細胞外液抵抗、Rikは各細胞の細胞内液
抵抗、Cmkは各細胞の細胞膜容量である)。したがっ
て、人体のインピーダンス軌跡Dは、図3に示すように
中心が実軸より上がった円弧となる。
【0030】次に算出された細胞内液抵抗Ri,細胞外
液抵抗Re,及び臨界周波数fC、キーボード1から入
力された被験者の身長h、性別sex,及び年齢ag
e,その他の人体特徴データ等に基づいて、予め処理プ
ログラムの中に組み込まれている身体組成推定式を駆使
して、細胞外液量を求めてから体重Wを算出する。すな
わち、 W=FAT(脂肪重量)+BMC(骨重量)+LTM
(電気伝導組織重量) LTM=CIL(細胞内液重量)+CEL(細胞外液重
量)
【0031】ここで、骨重量は、全体重に占める量が少
なく、かつ、個体差が小さいので、標準的な人の値を用
いても実用上差し支えない。また、脂肪重量は、一般的
に数日で変化するものではなく、数カ月単位で変化する
ものなので、病状を観察するために体重をモニタする上
ではその変化を無視できる。そこで、電気伝導組織重
量、すなわち、細胞内液重量+細胞外液重量をモニタす
ることで、体重の変化をモニタすることができる。測定
の最初は、手間をかけて体重を測定して初期値としても
良いし、それが困難であれば、標準的な人の脂肪重量+
骨重量を初期値とすることでも十分に実用できるし、身
長、男女の性別、年齢などに応じた標準的な人の値を用
いればさらに精度は高まる。したがって、 W=W(Ri,Re,fC,h,sex,age,その他) 「その他」とは、例えば、病歴であり、その病気となっ
てからどれくらいの期間が経つのかを示すものである。
さらに、ここで求められたFFM(除脂肪重量=BMC
+LTM)を用いて、FFM/h2を計算し、肥満の指
標とすることもできる。
【0032】そして算出されたデータを表示コントロー
ラと表示器(例えば、LCD)とからなる表示部4に表
示する。このとき、算出された体重を表示するととも
に、時間経過的に表示することが好ましい。寝た切りの
老人及び病人にとって体重の時間的な変化を把握するこ
とは広く疾病を診断予測する上で重要な要因になるから
である。
【0033】上記構成の生体電気インピーダンス測定装
置100を用いる場合には、まず、測定に先だって、図
2に示すように、2個の表面電極Hc, Hpを被験者の
右の手甲部Hに、2個の表面電極Lp, Lcを被験者の
右の足甲部Lにそれぞれ粘着方式により張り付ける(こ
のとき、表面電極Hc, Lcを、表面電極Hp, Lpよ
りも人体の中心から遠い部位に張り付ける)。次に、測
定者(又は被験者自身)が、生体電気インピーダンス測
定装置100のキーボード1を用いて、被験者の身長、
性別及び年齢等の人体特徴項目を入力するとともに、測
定開始から測定終了までの全測定時間Tや測定間隔t等
を設定する。キーボード1から入力されたデータ及び設
定値は、RAM5に記憶される。
【0034】次に、測定者(又は被験者自身)がキーボ
ード1の測定開始スイッチをオンにすると、CPU3
は、まず、所定の初期設定を行った後、測定処理部2の
測定信号発生器72に信号発生指示信号を送出する。こ
れにより、測定信号発生器72が、M系列のプローブ電
流Iaを所定回数繰り返し生成し、測定信号としてLP
F73、カップリングコンデンサ74、2重シールド線
である測定用ケーブル10を介して、被験者の手甲部H
に貼り付けられた表面電極Hc(図2参照)に送出する
ので、500〜800μAの測定信号Iaが、表面電極
Hcから被験者の体Bを流れ、最初の測定が開始され
る。
【0035】測定信号Iaが被験者の体Bに投入される
と、測定処理部2の差動増幅器81において、表面電極
Hp,Lpが貼り付けられた右手足間で生じた電圧Vp
が検出され、LPF82を経て、A/D変換器83へ供
給される。一方、I/V変換器91では、表面電極H
c,Lcが貼り付けられた右手足間を流れるプローブ電
流Iaが検出され、電圧Vcに変換された後、LPF9
2を経てA/D変換器93へ供給される。このとき、C
PU3からは、サンプリング周期毎にA/D変換器8
3,93に対してデジタル変換信号Sdが供給される。
【0036】A/D変換器83では、デジタル変換信号
Sdの供給を受ける度に、電圧Vpをデジタル信号に変
換し、サンプリングメモリ84へ供給する。サンプリン
グメモリ84は、デジタル化された電圧Vpを順次記憶
する。一方、A/D変換器93では、デジタル変換信号
Sdの供給を受ける度に、電圧Vcをデジタル信号に変
換し、サンプリングメモリ94へ供給する。サンプリン
グメモリ94は、デジタル化された電圧Vcを順次記憶
する。
【0037】CPU3は、プローブ電流(測定信号)I
aの繰返回数が、予め設定された回数に達すると、測定
を停止する制御を行った後、まず、サンプリングメモリ
84,94に格納された、時間の関数である電圧Vp,
Vcを逐次読み出してそれぞれフーリエ変換処理によ
り、周波数の関数である電圧Vp(f),Vc(f)
(fは周波数)に変換した後、平均化を行って、周波数
毎の生体電気インピーダンスZ(f)(=Vp(f)/
Vc(f))を算出する。
【0038】次に、CPU3は、算出された周波数毎の
上記生体電気インピーダンスZ(f)に基づいて、最小
二乗法の演算手法により、カーブフィッティングを行
い、図3に示されるようなインピーダンス軌跡Dを求
め、得られたインピーダンス軌跡Dから、被験者の体B
の周波数0時の生体電気インピーダンスR0 と、周波数
無限大時の生体電気インピーダンスR∞(インピーダン
ス軌跡Dの円弧がX軸と交わる点のX軸座標値に相当)
とを算出し、算出結果から、被験者の体Bの細胞内液抵
抗と細胞外液抵抗とを算出する。
【0039】この2つの値を算出した後、前に詳述した
ように、算出された細胞内液抵抗Ri,細胞外液抵抗R
e,及び臨界周波数fC、キーボード1から入力された
被験者の身長h、性別sex,及び年齢age,その他
の人体特徴データ等に基づいて、予め処理プログラムの
中に組み込まれている身体組成推定式を駆使して、被験
者の体重W=W(Ri,Re,fC,h,sex,age,その
他)を求め、表示コントローラと表示器(例えば、LC
D)とからなる表示部4に表示する。
【0040】次に、CPU3は、全測定時間Tが経過し
たか否かを判断し、経過したとの結論が得られれば、以
後の測定処理を終了し、経過していなければ、測定間隔
に相当する時間tが経過するのを待った後、再び同様の
測定処理を開始する。そして、上述の処理を、全測定時
間Tが経過するまで繰り返す。
【0041】このように、この例の構成によれば、プロ
ーブ電流Iaとして、多くの周波数成分を含むにもかか
わらず1msec程度にエネルギーが分散し、しかも、
周波数スペクトルの振幅が全周波数領域にわたって略フ
ラットなM系列信号を用いているので、体脂肪の状態や
体内水分分布の測定において、生体を損傷することもな
く、また、呼吸や脈による影響を取り除くことができ、
全周波数領域にわたってSN比のよい計測が可能であ
る。さらに、測定信号は、シフトレジスタ及び複数個の
論理回路のみから生成でき、構成が非常に簡単になる。
【0042】また、最小二乗法によるカーブフィティン
グの手法を用いて、周波数無限大時の生体電気インピー
ダンスが求められるので、浮遊容量や外来ノイズの影響
を回避でき、細胞膜の容量成分を含まず、純粋な細胞外
液抵抗と細胞内液抵抗とを求めることができる。以上、
この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきた
が、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもよい。
【0043】例えば、本実施の形態では、例えば、算出
する生体電気パラメータは、生体電気インピーダンス、
インピーダンス軌跡、細胞外液抵抗及び細胞内液抵抗に
限らず、生体電気アドミッタンス、アドミッタンス軌
跡、上記生体電気インピーダンス又は生体電気アドミッ
タンス、細胞外液抵抗及び細胞内液抵抗等の時間的変化
量並びにこれらの一部であってもよく、このようにすれ
ば、体重等の測定だけではなく、各種医療制度(例え
ば、透析の状態測定)への適用が期待できる。また電極
の取付箇所は、手や足には限定されない。
【0044】また、M系列発生器を構成するシフトレジ
スタや論理回路は、ハードウエア構成であると、ソフト
ウエアである構成とを問わない。さらに、上述の実施の
形態では、人体特徴項目として、被験者の身長、性別及
び年齢を入力する場合について述べたが、必要に応じ
て、人種等の項目を付加してもよい。算出された人体の
生体電気パラメータをプリンタに出力するようにしても
よい。さらに、脈波センサや呼吸の周期を検出できるセ
ンサを人体に貼り付け、各センサの出力信号により、測
定タイミングを設定するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の体重表
示装置によれば、演算手段が、被験者の体重を演算し、
当該体重の値を表示する表示手段を有するために、体を
自由に動かすことができない在宅の寝たきりの老人また
は病人に負担をかけることなく、体重等の値を実際の重
さを測定することなく簡単に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である体重表示装置の電
気的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の体重表示装置の使用の状態を模
式的に示す図である。
【図3】本実施の形態による人体のインピーダンス軌跡
を示す図である。
【図4】人体の組織内細胞を表す電気的等価回路図であ
る。
【符号の説明】
1 キーボード 3 CPU(演算手段) 4 表示部 10 測定用ケーブル 72 測定信号発生器(信号発生手段の一部) 73 LPF(信号発生手段の一部) 81 差動増幅器(電圧測定手段の一部) 82 LPF(電圧測定手段の一部) 84,94 サンプリングメモリ 91 I/V変換器(電流測定手段の一部) 92 LPF(電流測定手段の一部) 100 生体電気インピーダンス測定装置(体重表示装
置) Hc 表面電極 Lc 表面電極 Hp 表面電極 Lp 表面電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定信号を生成する信号発生手段と、 生成した測定信号を被験者の体に投入した際に流れる電
    流を測定する電流測定手段と、 前記被験者の体の所定の表面部位間で発生する電位差を
    測定する電圧測定手段と、 前記電流測定手段によって測定された電流値と前記電圧
    測定手段によって測定された電圧値とから生体電気イン
    ピーダンスを演算する演算手段と、 前記演算手段によって演算された生体電気インピーダン
    スに基づいて体重を算出する体重算出手段と、 該体重を表示する表示手段とを備えることを特徴とする
    体重表示装置。
  2. 【請求項2】 前記信号発生手段は、複数の周波数を含
    む信号を生成することを特徴とする請求項1記載の体重
    表示装置。
  3. 【請求項3】 前記体重算出手段は、細胞内水分量と細
    胞外水分量とから体重を算出することを特徴とする請求
    項1又は2記載の体重表示装置。
  4. 【請求項4】 前記体重算出手段は、細胞内水分量と細
    胞外水分量の比から体重を算出することを特徴とする請
    求項3記載の体重表示装置。
  5. 【請求項5】 前記表示手段は、前記体重の経時変化を
    表示することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記
    載の体重表示装置。
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