JP2019084156A - 体組成計及び体組成測定プログラム - Google Patents

体組成計及び体組成測定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】体組成計において、被験者の身体における部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常を正確に検出する。【解決手段】正常な生体電気インピーダンスのデータを用いて算出した正常データのCole円C0に対する、測定データCole円算出回路により算出された測定データのCole円C1のずれ量に基づいて、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定するようにした。これにより、被験者の身体の部位同士が接触している場合のように、各周波数における被験者の生体電気インピーダンス測定値のインピーダンス軌跡に対するバラツキの大きさに基づいて、生体電気インピーダンスの測定異常を判定することが難しい場合でも、正常データのCole円を基準にして、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を正確に判定することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、被験者の体組成を測定する体組成計及び体組成測定プログラムに関し、より詳細には、体組成の測定に用いられる生体電気インピーダンスの測定異常を判定する技術に関する。
従来から、被験者の体脂肪率、内臓脂肪レベル、筋肉量等の体組成に関する指標を測定する体組成計が知られている。この体組成計は、被験者の体重と生体電気インピーダンスを測定し、測定した体重及び生体電気インピーダンスに加えて、入力された被験者の性別、身長、年齢等の情報に基づき、被験者の体脂肪率、内臓脂肪レベル、筋肉量等の体組成に関する指標を算出する。なお、本明細書において、上記の体脂肪率等の体組成に関する指標を測定(算出)することを、「体組成を測定する」という。
この種の装置の分野において、被験者の身体と測定用電極との接触面積の少なさ等に起因して、被験者の身体(正確には、手足の皮膚)と測定用電極(電流印加用電極及び電圧測定用電極)との間の接触インピーダンス(接触抵抗)が大きくなっている場合に、生体(電気)インピーダンスの測定異常を検出する生体インピーダンス測定装置が知られている(特許文献1参照)。この装置は、被験者の身体に一定の値の交流電流を流すための定電流源を備え、この定電流源からの電流印加用電極への供給電圧が、最大供給電圧範囲内に設定された許容供給電圧範囲を超えたとき、又は電圧測定用電極から差動増幅回路への入力電圧が、最大供給電圧範囲内に設定された許容供給電圧範囲を超えたときに、被験者の身体と測定用電極との間の接触インピーダンス(接触抵抗)が大きくなっているために、生体インピーダンスの測定異常が生じていると検出(判定)する。なお、上記の接触インピーダンスとは、測定用電極と被験者の身体との間に発生するインピーダンスのことである。
また、この種の装置の分野において、被験者の姿勢が好ましくない場合、及び被験者の身体の一部がベッドの枠などの金属部材に接触している場合等において、生体電気インピーダンスが正確に測定できなかったときに、不正確な身体組成推計値が出力されて、被験者の体組成が誤認されることを抑制するようにした身体組成推計装置が知られている(特許文献2参照)。この装置は、被験者の生体電気インピーダンス測定値に基づいてインピーダンス軌跡を算出し、各周波数における被験者の生体電気インピーダンス測定値のインピーダンス軌跡に対するバラツキの大きさに基づいて、生体電気インピーダンスの測定に異常があったと判断する。具体的には、この装置は、Σe(f)、下記の式(1)で求められるΣe’(f)、又は下記の式(2)で求められるΣe’’(f)が、予め定められた閾値を超えるときに、生体電気インピーダンスの測定に異常があったと判断する。
Σe’(f)=Σ{e(f)/r}・・・(1)
Σe’’(f)=Σ{e(f)/h}・・・(2)
ここで、e(f)は、周波数fにおける生体電気インピーダンスと、測定した各周波数における生体電気インピーダンスから算出したインピーダンス軌跡との間の所定方向における距離を表し、rは、インピーダンス軌跡の半径を表し、hは、被験者の身長を表す。
特開2012−213458号公報 特許第5110277号公報
一般に、体組成計における生体電気インピーダンスの測定値が異常となる(生体電気インピーダンスの測定に異常が生じる)主な状況(原因)としては、
・被験者の手又は脚が電極にきちんと接触していない場合
・被験者の手又は脚が極端に乾燥している場合
・被験者の掌又は脚の裏の皮膚が極端に厚い場合
・被験者の上肢と体幹、あるいは左右下肢同士等の、被験者の身体の部位同士が接触している場合(被験者の皮膚同士の接触で、被験者の身体の部位同士に通電が生じる場合)
・被験者の身体が金属等の導電体に接触している場合
といったことが挙げられる。
上記の状況のうち、被験者の手又は脚が電極に接触していない、又は手又は脚が極端に乾燥しているといったように、被験者の身体と測定用電極との接触インピーダンス(接触抵抗)が大きくなっている場合に生じる、生体電気インピーダンスの測定異常は、上記特許文献1に記載の装置により検出することができる。けれども、例えば、被験者の上肢と体幹等の、被験者の身体の部位同士が接触している場合には、被験者の身体と測定用電極との接触抵抗は、被験者の身体の部位同士が接触していない場合と比べて、大きくなるとは限らないため、上記特許文献1に記載の装置では、被験者の身体の部位同士の接触に起因する生体電気インピーダンスの測定異常を検出することができない。
また、上記特許文献2に記載の装置は、被験者の生体電気インピーダンス測定値に基づいてインピーダンス軌跡を算出し、各周波数における被験者の生体電気インピーダンス測定値のインピーダンス軌跡に対するバラツキの大きさに基づいて、電極の接触不良等の外乱に起因する生体電気インピーダンスの測定異常を判定する。しかしながら、上記の測定異常を生じさせる状況のうち、被験者の身体の部位同士が接触している場合(身体の部位同士が金属等の導電体を介して間接的に接触している場合も含む)には、各周波数における生体電気インピーダンス測定値のインピーダンス軌跡に対するバラツキが大きいとは限らないので、このバラツキの大きさに基づいて、生体電気インピーダンスの測定異常を判定する方法では、生体電気インピーダンスの測定異常を正確に検出することができない可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、被験者の身体における部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常を正確に検出することが可能な体組成計及び体組成測定プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様による体組成計は、複数の周波数の交流電流を、被験者の身体に印加するマルチ周波数電流印加部と、前記マルチ周波数電流印加部による各周波数の交流電流印加時における、前記被験者の生体電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、前記インピーダンス測定部によって測定された生体電気インピーダンスに基づいて、前記被験者の体組成に関する指標を求める体組成測定部とを備える体組成計において、前記インピーダンス測定部によって測定された各周波数の生体電気インピーダンスにおけるレジスタンスとリアクタンスを用いて、測定データのCole円を算出する測定データCole円算出部と、正常な生体電気インピーダンスのデータを用いて算出した正常データのCole円に対する、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円のずれ量に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する測定異常判定部とをさらに備えるものである。なお、本明細書において、「Cole円」とは、いわゆるCole−Coleの円弧則に従った円を意味する。また、本明細書において、「Cole−Coleの円弧則」とは、色々な周波数で採取したインピーダンスのレジスタンス(抵抗)成分と容量成分(負のリアクタンス成分)を複素数平面上にプロットしていくと、プロットした点の軌跡が、半円等の円弧状の形状になるという法則を意味する。
この体組成計において、前記測定データCole円算出部は、前記インピーダンス測定部によって、少なくとも3つ以上の周波数、又は20kHz以上で100kHz以下の周波数を1つ以上含む2つ以上の周波数で測定したレジスタンスとリアクタンスを用いて、前記測定データのCole円を算出してもよい。
この体組成計において、前記測定異常判定部は、前記正常データのCole円の中心に対する、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円の中心のずれ量に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定してもよい。
この体組成計において、前記測定異常判定部は、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円の内側における領域のうち、前記正常データのCole円の内側に含まれない部分の面積に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定してもよい。
この体組成計において、前記測定異常判定部は、前記正常データのCole円の半径と、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円の半径との差の量に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定してもよい。
この体組成計において、前記測定異常判定部は、前記正常データのCole円の中心に対する、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、前記被験者の身体の部位同士の接触に起因する、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定してもよい。
この体組成計において、前記被験者の生体電気インピーダンスの測定に用いられる測定用電極と前記被験者の身体との間に発生する接触インピーダンスを測定する接触インピーダンス測定部をさらに備え、前記測定異常判定部は、前記正常データのCole円に対する前記測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、前記被験者の身体の部位同士の接触に起因する、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理に加えて、前記接触インピーダンス測定部によって測定された接触インピーダンスに基づいて、前記測定用電極と前記被験者の身体との接触不良に起因する、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理と、前記接触インピーダンス測定部によって測定された接触インピーダンスの時系列データに基づいて、前記被験者の手又は脚の乾燥に起因する、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理とを行ってもよい。
この体組成計が、前記測定異常判定部によって、前記被験者の身体における複数のインピーダンス測定経路での、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定し、前記複数のインピーダンス測定経路のうちのいずれかのインピーダンス測定経路で測定異常があったときに、前記複数のインピーダンス測定経路での測定異常の判定結果に基づいて、前記被験者の身体における測定異常の発生源となる部位を特定する異常部位特定部をさらに備えてもよい。
この体組成計が、前記複数のインピーダンス測定経路のうちのいずれかのインピーダンス測定経路で測定異常があったときに、このインピーダンス測定経路により測定されるべき部位の生体電気インピーダンスを、この部位のインピーダンス測定に通常使用する測定経路ではない測定経路を用いて、前記インピーダンス測定部により測定し直すように制御する再測定制御部をさらに備えてもよい。
この体組成計が、前記測定異常判定部によって前記生体電気インピーダンスの測定異常が有ったと判定されたときに、前記測定異常の原因に応じて、前記被験者に適切な対応策をとらせるように促すための報知を行うように制御する報知制御部をさらに備えてもよい。
本発明の第2の態様による体組成測定プログラムは、被験者の身体に印加される複数の周波数の交流電流の各周波数の交流電流印加時における、前記被験者の生体電気インピーダンスを測定する工程と、前記被験者の生体電気インピーダンスを測定する工程によって測定された生体電気インピーダンスに基づいて、前記被験者の体組成に関する指標を求める工程と、前記被験者の生体電気インピーダンスを測定する工程によって測定された各周波数の生体電気インピーダンスにおけるレジスタンスとリアクタンスを用いて、測定データのCole円を算出する工程と、正常な生体電気インピーダンスのデータを用いて算出した正常データのCole円に対する、前記測定データのCole円を算出する工程により算出された測定データのCole円のずれ量に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する工程と、をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、正常な生体電気インピーダンスのデータを用いて算出した正常データのCole円に対する、測定データのCole円のずれ量に基づいて、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定するようにした。これにより、上記特許文献2に記載の装置と異なり、被験者の身体の部位同士が接触している場合のように、各周波数における被験者の生体電気インピーダンス測定値のインピーダンス軌跡に対するバラツキの大きさに基づいて、生体電気インピーダンスの測定異常を判定することが難しい場合でも、正常データのCole円を基準にして、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を正確に判定することができる。従って、被験者の身体における部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常を正確に検出することができる。
本発明の第1の実施形態における体組成計の概略の電気的ブロック構成図。 同体組成計における、被験者のある部位の正常データから求めたCole円の中心の正常範囲と、測定異常時の測定データから求めたCole円の中心の説明図。 (a)(b)は、それぞれ、3点A,B,Cを通る円の作図法を示す説明図と、2点A,Bのうちの一点Aのx軸の値が、円の中心Oのx軸の値と一致する場合における、これらの2点A,Bを通る円の作図法を示す説明図。 集団正常データから算出した、ある周波数における生体電気インピーダンスの正常範囲と、個人内正常データから算出した、同じ周波数における生体電気インピーダンスの正常範囲とを比較して示す図。 生体組織の電気的等価回路を示す図。 人体の上肢の電気的等価回路を示す図。 上肢と体幹との接触時における電気的等価回路を示す図。 同体組成計において、正常時と接触時に、各周波数の電流を印加して採取した右腕のレジスタンス及びリアクタンスの測定値を、複素数平面上にプロットした図。 右腕の正常時測定データと、右脇接触時における右腕の接触時測定データとに基づいて作成した、Cole−Coleプロットした測定点の軌跡を示す図。 同体組成計における、被験者の手脚が乾燥している場合の接触インピーダンスの時系列データを示すグラフ。 同体組成計における生体電気インピーダンスの測定異常の判定に関わる処理のフローチャート。 同体組成計における各部位の生体電気インピーダンスの測定経路を示す図。 同体組成計において、片手又は片脚に電極を接触させることが困難な場合に、測定経路を切り替えて行われる再測定処理の説明図。 本発明の第2の実施形態における体組成計の概略の電気的ブロック構成図。 本発明の変形例1における、Cole円を用いた測定データの補正方法の説明図。
以下、本発明を具体化した実施形態による体組成計について、図面を参照して説明する。
<1.体組成計の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態の体組成計の電気的ブロック構成を示す。体組成計1は、被験者の生体電気インピーダンスの測定時に、被験者の左右の手のひらに接触される電流印加用電極2a,3a及び電圧測定用電極2b,3bと、被験者の左右の足裏に接触される電流印加用電極4a,5a及び電圧測定用電極4b,5bを備えている。すなわち、この体組成計1は、被験者の両手と両脚に合計8つの測定用電極(電流印加用電極2a,3a,4a,5a、及び電圧測定用電極2b,3b,4b,5b)を接触させて、被験者の生体電気インピーダンスを測定する8電極式体組成計である。なお、本明細書において、上記の電流印加用電極2a,3a,4a,5a、及び電圧測定用電極2b,3b,4b,5bを、手脚電極と総称することがある。
また、体組成計1は、電極切替回路6と、マルチ周波数電流印加回路7と、電圧測定回路8と、荷重測定回路9と、CPU10と、表示装置19と、フラッシュROM(Read Only Memory)20と、RAM(Random Access Memory)21と、入力装置22と、電源23と、スピーカ24とを備えている。
電極切替回路6は、生体電気インピーダンスの測定に使用する電極を切り替える(インピーダンス測定経路を切り替える)ための回路(切替スイッチ)である。電極切替回路6は、CPU10からの制御信号に基づいて、電流印加用電極2a,3a,4a,5aのうちの2つの電極を、マルチ周波数電流印加回路7に選択的に接続させると共に、電圧測定用電極2b,3b,4b,5bのうちの2つの電極を、電圧測定回路8に選択的に接続させる。
マルチ周波数電流印加回路7(請求項における「マルチ周波数電流印加部」に相当)は、複数の周波数の交流電流を印加することが可能な電流源であり、CPU10によって指示された周波数の電流を、電極切替回路6を介して接続されている2つの電流印加用電極間に印加する。また、マルチ周波数電流印加回路7は、不図示の出力電流検出回路を内蔵しており、供給している交流電流の電流値を、上記の出力電流検出回路で検出して、検出した電流値を、CPU10のインピーダンス測定回路11に出力する。
電圧測定回路8は、上記のマルチ周波数電流印加回路7からの電流の印加によって、電極切替回路6を介して接続されている2つの電圧測定用電極間に生じた電位差(すなわち、選択された被験者の身体の部位間に生じた電位差)に相当する電圧を検出(測定)する。
上記の荷重測定回路9は、体組成計1の筐体の上面に乗った被験者の体重を測定する。荷重測定回路9は、荷重を電気信号に変換する(荷重に応じた値の電気信号を出力する)ロードセルを有している。本実施形態では、このロードセルとして、いわゆる歪ゲージ式(荷重をかけると荷重に応じて変形する起歪体と、起歪体に貼りつけた歪ゲージとを有し、荷重による歪ゲージの抵抗値の変化に応じた電圧値を出力する方式)のものを用いる。荷重測定回路9(のロードセル)は、被験者が体組成計1の筐体上面に乗ったときに、被験者の体重に応じて、その出力値(被験者の体重による歪ゲージの抵抗値の変化に応じた電圧値)が変化する。荷重測定回路9からの出力値は、不図示のA/D変換器によりデジタル値に変換された後、体重データとして、CPU10に送られる。CPU10は、フラッシュROM20に記憶されたプログラムに従って、上記の体重データに基づき、被験者の体重を求めて、求めた体重をRAM21に記憶する。
上記のCPU10は、体組成計1の装置全体の制御と各種演算とを行う。図1に示されるように、CPU10は、インピーダンス測定回路11と、測定データCole円算出回路12と、正常データCole円算出回路13と、測定異常判定回路14と、体組成測定回路15と、異常部位特定回路16と、再測定制御回路17と、接触インピーダンス測定回路18とを備えている。なお、これらの回路11〜18を含むCPU10、及び上記の電圧測定回路8は、マイコンが有する基本的な機能ブロックを用いて作成した回路である。インピーダンス測定回路11、測定データCole円算出回路12、測定異常判定回路14、体組成測定回路15、異常部位特定回路16、再測定制御回路17、接触インピーダンス測定回路18は、それぞれ、請求項におけるインピーダンス測定部、測定データCole円算出部、測定異常判定部、体組成測定部、異常部位特定部、再測定制御部、接触インピーダンス測定部に相当する。
また、CPU10がフラッシュROM20に記憶されたプログラムを読み込むことによって、コンピュータである体組成計1は、以下に説明するインピーダンス測定異常の判定の各工程を実行する。
上記のインピーダンス測定回路11は、マルチ周波数電流印加回路7内の出力電流検出回路で検出した交流電流の電流値と、電圧測定回路8により検出された電圧値とに基づいて、マルチ周波数電流印加回路7による各周波数の交流電流印加時における、被験者の生体電気インピーダンスZを測定する。具体的には、まず、インピーダンス測定回路11は、マルチ周波数電流印加回路7内の出力電流検出回路で検出した交流電流の電流値と、電圧測定回路8により検出された電圧値とに基づいて、生体電気インピーダンスZの絶対値|Z|を算出する。また、インピーダンス測定回路11は、上記の出力電流検出回路で検出した交流電流の電流値に基づいて求めた電流波形と、電圧測定回路8により検出された電圧値に基づいて求めた電圧波形とに基づいて、電流に対する電圧の位相のずれ量である位相角(インピーダンス角)φを求める。そして、インピーダンス測定回路11は、上記の生体電気インピーダンスZの絶対値|Z|と、位相角φとに基づいて、レジスタンスRと、リアクタンスXとを算出する。なお、上記の位相角φは、電圧測定回路8により検出された電圧値に基づいて測定した電圧波形と、この電圧波形の測定に用いた交流電流と(周波数と大きさが)同じ電流を基準抵抗に流した時に生じる電圧波形とに基づいて求めてもよい。
測定データCole円算出回路12は、上記のインピーダンス測定回路11によって測定された、(測定対象部位の)各周波数の生体電気インピーダンスZにおけるレジスタンスRとリアクタンスXを用いて、測定データのCole円を算出する。本明細書において、「Cole円」とは、いわゆるCole−Coleの円弧則に従った円を意味する。なお、本明細書において、「Cole−Coleの円弧則」とは、色々な周波数で採取した測定値(インピーダンスのレジスタンス(抵抗)成分と容量成分(負のリアクタンス成分))を複素数平面上にプロットしていくと(「Cole−Coleプロット」していくと)、プロットした点の軌跡が、半円等の円弧状の形状になるという法則を意味する。
正常データCole円算出回路13は、フラッシュROM20に記憶された測定対象部位の各周波数における正常な生体電気インピーダンスZ’のデータにおけるレジスタンスR’とリアクタンスX’を用いて、正常データのCole円を算出する。上記の正常な生体電気インピーダンスZ’のデータは、現在測定対象になっている被験者自身の過去の正常な(測定異常が無かった時の)生体電気インピーダンスのデータであってもよいし、複数人の集団から採取した正常な生体電気インピーダンスのデータであってもよい。
測定異常判定回路14は、正常データCole円算出回路13により算出された正常データのCole円に対する、測定データCole円算出回路12により算出された測定データのCole円のずれ量に基づいて、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を判定する。
体組成測定回路15は、インピーダンス測定回路11によって測定された生体電気インピーダンスZ(レジスタンスRとリアクタンスX)に基づいて、被験者の体組成に関する指標を求める。より具体的に言うと、体組成測定回路15は、インピーダンス測定回路11によって測定された生体電気インピーダンスZ(レジスタンスR及びリアクタンスX)と、RAM14に記憶された被験者の体重と、入力装置22を用いて被験者(ユーザ)により入力された、被験者の身長・年齢・性別といった個人データとに基づいて、被験者の体脂肪率、筋肉量、推定骨量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体水分率等の体組成に関する指標を算出する。
異常部位特定回路16は、測定異常判定回路14によって、被験者の身体における複数のインピーダンス測定経路(以下、「測定経路」と略す)での、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を判定し、複数の測定経路のうちのいずれかの測定経路で測定異常があったときに、複数の測定経路での測定異常の判定結果に基づいて、被験者の身体における測定異常の発生源となる部位を特定する。再測定制御回路17は、複数の測定経路のうちのいずれかの測定経路で測定異常があったときに、測定異常の発生源となる部位の生体電気インピーダンスZを、この部位のインピーダンス測定に通常使用する測定経路ではない測定経路を用いて、インピーダンス測定回路11により測定し直すように制御する。接触インピーダンス測定回路18は、被験者の生体電気インピーダンスの測定に用いられる測定用電極と被験者の身体(主に、手及び脚)との間に発生する接触インピーダンスを測定する。ここで、測定経路には、電流印加用電極間の経路(電流経路)と、電圧測定用電極間の経路(電圧測定経路)とが含まれる。
表示装置19は、ユーザ(被験者)への操作の案内情報、測定異常判定回路14による測定異常の判定結果、体組成測定回路15により測定された体組成に関する指標等の各種情報を表示する。本実施形態では、表示装置19は、バックライトを備えた液晶ディスプレイで構成されているが、有機ELディスプレイ等の他の種類の表示装置で構成されていてもよい。スピーカ24は、ユーザ(被験者)への案内用の音声、及び異常報知音等を出力する。
フラッシュROM20は、書き替え可能な不揮発性のメモリであり、各種のプログラムと設定データ、被験者の身長・年齢・性別といった個人データ、及び被験者の測定値の履歴データ等を記憶する。また、フラッシュROM20は、正常データベースを格納している。この正常データベースは、上記の各測定部位の各周波数における正常な生体電気インピーダンスZ’のデータを記憶している。RAM21は、各種のプログラムの実行時に、CPU10のワークエリアとして用いられる。入力装置22は、体組成計1への指示入力、測定に必用な被験者の身長・年齢・性別といった個人データの入力等の各種入力操作に用いられる。電源23は、体組成計1の装置各部への電源供給を行う。
<2.インピーダンス測定異常の判定>
<2−1.インピーダンス測定異常の種類>
インピーダンス測定回路11によって測定される被験者の生体電気インピーダンスZについては、様々な理由によって、本来測定されるべきインピーダンスZと異なる値のインピーダンスZが測定される状況が発生し得る。このような状況を、インピーダンス測定異常ともいう。インピーダンス測定異常が発生する主な原因として、(1)被験者の身体の部位同士が接触している、(2)被験者の手及び脚が電極にきちんと接触できていない(手脚電極と被験者の身体との接触不良)、(3)被験者の手又は脚が極端に乾燥している、といった原因が考えられる。本発明の体組成計は、少なくとも(1)に起因するインピーダンス測定異常の発生を判定する。
<2−2.原因(1)によるインピーダンス測定異常の判定>
次に、図2を参照して、本実施形態の体組成計1における、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の判定処理の概要について説明する。本体組成計1は、主に、正常データCole円算出回路13により算出された正常データのCole円に対する、測定データCole円算出回路12により算出された測定データのCole円のずれ量に基づいて、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を判定する。上記のように、正常データCole円算出回路13は、正常データベースに記憶された測定対象部位の各周波数における正常な生体電気インピーダンスZ’のデータにおけるレジスタンスR’とリアクタンスX’を用いて、図2中の正常データのCole円C0を算出する。また、測定データCole円算出回路12は、上記のインピーダンス測定回路11によって測定された、測定対象部位の各周波数におけるレジスタンスRとリアクタンスXを用いて、測定データのCole円を算出する。図2には、測定データのCole円の例として、測定データ1のCole円C1と、測定データ1とは異なる測定データである測定データ2のCole円2が示されている。なお、図2では、Cole円が、いわゆるCole−Coleの円弧則に従った円であるという前提から、Cole円C0、C1、及びC2の円弧を、リアクタンスXの正の領域にも描いているが、生体は、コイル成分を含まないため、リアクタンスXの正の領域には、実際の測定値は存在しない。
一般に、Cole円は、3つ以上の周波数で測定したレジスタンスとリアクタンスに対応する複素数平面上の点(3つ以上の測定点)から求めることができる。これは、図3(a)に示されるように、一般に、3点A,B,Cを通る円CL1が、一意に定まることに起因している。図3(a)は、3点A,B,Cを通る円の作図法を示す。この図に示されるように、3点A,B,Cを通る円CL1の中心Oは、弦ABの垂直二等分線l1と、弦BCの垂直二等分線l2との交点であり、円CL1の半径ra=OA=OB=OCである。なお、4つ以上の測定点からCole円を求める時は、最小二乗法を用いて、複素数平面上にプロットした4つ以上の測定点と、円の軌跡との差(ずれ量)が最小になる円を求める。
また、生体電気インピーダンス測定において、20kHz以上で100kHz以下の周波数で測定したレジスタンスRの値が、複素数平面上のCole円の中心のx軸の値と近似することが知られていることを利用すると、20kHz以上で100kHz以下の周波数を1つ以上含む2つ以上の周波数で測定したレジスタンスとリアクタンスに対応する複素数平面上の点(測定点)から、Cole円を求めることができる。なお、20kHz以上で100kHz以下の周波数での測定結果を複数含む場合には、リアクタンスが最も小さくなる周波数での測定結果のレジスタンスRの値を、複素数平面上のCole円の中心のx軸の値として用いる。これは、図3(b)に示されるように、一般に、2点A,Bのうちの一点のx軸の値が、円の中心Oのx軸の値xと一致するときは、一般に、これらの2点A,Bを通る円CL2が、一意に定まることに起因している。図3(b)は、2点A,Bのうちの一点Aのx軸の値が、円の中心Oのx軸の値xと一致する場合における、これらの2点A,Bを通る円の作図法を示す。この図に示されるように、2点A,Bを通る円CL2の中心Oは、弦ABの垂直二等分線l3と、y軸に平行な直線x=xとの交点であり、円CL2の半径rb=OA=OBである。
本体組成計1は、主に、正常データCole円算出回路13により算出された正常データのCole円C0に対する、測定データCole円算出回路12により算出された測定データのCole円のずれ量に基づいて、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を判定する。具体的には、例えば、図2に破線で示す測定データ1のCole円C1のように、測定データから算出したCole円の中心Oが、正常データのCole円C0の中心Oから求めた、円の中心の正常範囲LMTから逸脱している(正常範囲LMTの範囲外である)ときに、測定異常判定回路14が、生体電気インピーダンスの測定異常がある(測定異常が生じている)と判定する。すなわち、測定異常判定回路14は、正常データのCole円C0の中心Oに対する、測定データ1のCole円C1の中心Oのずれ量に基づいて、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を判定する。
上記の正常データベースは、多数の正常な被験者の集団から採取した正常な生体電気インピーダンスZ’のデータ(集団正常データ)から作成してもよいし、今回の測定対象となっている被験者の過去の正常な生体電気インピーダンスZ’のデータ(個人内正常データ)から作成してもよい。図4は、上記の個人内正常データから作成(算出)された、ある周波数における生体電気インピーダンスZのデータ(レジスタンスRとリアクタンスXのデータ)の正常範囲を、集団正常データから算出された、上記と同じ周波数における生体電気インピーダンスZのデータの正常範囲と比較して示している。これらの正常範囲は、所定のパーセンテージ(例えば、95%)の等確率偏差楕円(信頼楕円)で示されている。
図4に示すように、個人内正常データから正常範囲を作成(算出)すると、生体電気インピーダンスの測定異常の検出率が向上する。なお、図4における「ある被験者の正常データ」は、上記の個人内正常データを意味する。また、図4における「ある被験者の異常データ」は、例として、ある被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常が生じたときの生体電気インピーダンスZのデータ(レジスタンスRとリアクタンスXのデータ)を示しているが、他の原因による生体電気インピーダンスの測定異常が生じたときも、「ある被験者の異常データ」は、図4における「個人内正常データから算出された正常範囲」から外れる確率が高い。
上記の例では、請求項における(正常データのCole円に対する)「測定データのCole円のずれ量」が、正常データのCole円C0の中心Oに対する、測定データ1のCole円C1の中心Oのずれ量である場合の例について説明した。けれども、測定異常判定回路14は、図2に示すように、測定データCole円算出回路12により算出された測定データ1のCole円C1の内側における領域のうち、正常データCole円算出回路13により算出された正常データのCole円C0の内側に含まれない部分AR1の面積に基づいて、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を判定してもよい。この場合には、請求項における(正常データのCole円に対する)「測定データのCole円のずれ量」は、測定データ1のCole円C1の内側における領域のうち、正常データのCole円C0の内側に含まれない部分AR1の面積である。
また、測定異常判定回路14は、図2に示すように、正常データのCole円C0の半径r0と、測定データCole円算出回路12により算出された測定データ2のCole円C2の半径r2との差の量に基づいて、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定してもよい。この場合には、請求項における(正常データのCole円に対する)「測定データのCole円のずれ量」は、正常データのCole円C0の半径r0と、測定データ2のCole円C2の半径r2との差の量(r2−r0)である。
次に、本実施形態の体組成計1において行われる、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無の判定処理について説明する。上記のように、測定異常判定回路14は、正常データのCole円C0の中心Oに対する、測定データ1のCole円C1の中心Oのずれ量のみに基づいて、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を判定することができる。とは言え、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を判定する場合には、正常データのCole円の中心に対する、測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、測定異常の有無を判定した方が、より正確に、測定異常の有無を判定することができる。
次に、図5乃至図9を参照して、測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスZの測定異常の有無を正確に判定することができる理由について、説明する。なお、生体電気インピーダンスZの測定において、実際に生じる被験者の身体の部位同士の接触は、主に、被験者の上肢と体幹との接触、及び被験者の左右下肢同士の接触である。また、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスZの測定異常は、身体の部位同士が直接接触する場合だけでなく、金属等の電極以外の導電体を介して間接的に接触する場合であっても起こり得る。なお、以下の説明において、被験者の身体の部位同士の接触がないときの姿勢を、通常姿勢と定義する。
生体組織の電気特性(レジスタンスRとリアクタンスX)は、一般に、図5のような電気的等価回路で表される。すなわち、細胞外液、細胞内液は、抵抗成分(レジスタンス)R、Rで表され、細胞膜は、容量成分(負のリアクタンス)Cで表される。実際の人体においては、図6に示すように、図5に示す回路が直列に繋がった形をとる。ここでは、被験者の身体の部位同士の接触のうち、上肢(左右の腕)と体幹との接触の場合を例にとって説明するが、左右下肢同士の接触の場合、及び上肢(左右の腕)と左右下肢との接触の場合も同様である。
図7は、上肢(正確に言うと、左上腕)と体幹との接触時における、上肢(左上腕)と体幹から構成される電気的等価回路EC3を示す。上肢と体幹との接触時には、図7に示すように、左上肢又は右上肢(図7では、左上腕)の電気等価回路EC1に並列に、接触部位の組織に対応する電気的等価回路(皮膚の抵抗R及び皮膚直下組織の電気的等価回路EC2)が追加されるため、通常姿勢での生体電気インピーダンスZの測定値と比べて、レジスタンスR及びリアクタンスXが大きく変化し、正しい測定を行った場合のレジスタンスR及びリアクタンスXの範囲から外れる。ここで、図7中のRe1、Ri1、Cm1は、それぞれ上肢(正確に言うと、左上腕)の細胞外液抵抗、細胞内液抵抗、細胞膜電気容量、Re2、Ri2、Cm2は、それぞれ皮膚直下組織の細胞外液抵抗、細胞内液抵抗、細胞膜電気容量を表し、Rは、皮膚と皮膚との接触抵抗を表す。皮膚と皮膚との接触抵抗Rに容量成分が含まれないのは、皮膚には水分が少ないので、皮膚における電気容量を無視することができるからである。なお、図7では、上肢と体幹との接触のうち、左上腕と体幹との接触時における電気的等価回路EC3を示しているが、右上腕、左前腕、又は右前腕と体幹とが接触する時の電気的等価回路も同様である。また、左右下肢同士の接触時、及び上肢(左右の腕)と左右下肢との接触時における電気的等価回路も、図7に示す電気的等価回路EC3と同様である。
次に、図8及び図9を参照して、被験者の身体の部位同士が接触している時(以下、「接触時」と略す場合あり)に、生体電気インピーダンスの測定を行った場合には、正常時(通常姿勢で生体電気インピーダンスの測定を行った場合)と比べて、レジスタンスR及びリアクタンスXの測定値が、どのように変化するのかを説明する。図8は、正常時と接触時に、各周波数の電流を印加して採取した右腕のレジスタンスR及びリアクタンスXの測定値を、複素数平面上にプロットした結果を示す。図8において、横軸(x軸)と縦軸(y軸)に、それぞれ、レジスタンスRとリアクタンスXをとっている。また、図中における低周波から高周波への曲線の矢印ARW1は、図中の右側から左側に向かうにつれて、測定データ採取時に使用した電流の周波数が高いことを示している。
上記の正常時には、上記図6の説明で述べたように、人体においては、図5に示す回路が直列に繋がった形をとるのであるが、上記の接触時(被験者の身体の部位同士が接触している時)には、図7に示すように、この直列の回路に、接触部位の組織に対応する電気的等価回路(皮膚の抵抗R及び皮膚直下組織の電気的等価回路EC2)が並列につながる。このため、並列接続のレジスタンスRの合成抵抗値Rの算出式(1/R=1/R+1/R)の性質(並列接続のレジスタンスRの合成抵抗値Rは、一般に、R及びRよりも小さくなる)より、図7中の(皮膚の抵抗R及び皮膚直下組織の電気的等価回路EC2が並列につながった後の)電気的等価回路EC3のレジスタンスは、(抵抗R及び電気的等価回路EC2が並列につながる前の)左上腕の電気等価回路EC1のレジスタンスよりも小さくなるので、Cole円の中心が、x軸の負方向へ移動する。すなわち、図8に示すように、接触時測定データのCole円(接触時に測定した右腕のレジスタンスRとリアクタンスXを用いて算出したCole円)の中心Oは、正常時測定データのCole円(正常時に測定した右腕のレジスタンスRとリアクタンスXを用いて算出したCole円)の中心Oよりも、x軸の負方向(図8中の左方向)に移動する。図8において、正常時測定データのCole円の中心Oを始点とし、接触時測定データのCole円の中心Oを終点とするベクトルを、v(v,v)とする。なお、図8中の「正常時測定データのCole円」は、請求項及び図2における「正常データのCole円」に相当する。
図9は、右腕の正常時測定データ(各周波数の電流印加時のレジスタンスR及びリアクタンスXの測定値)と、右脇接触時における右腕の接触時測定データ(各周波数の電流印加時のレジスタンスR及びリアクタンスXの測定値)とに基づいて作成した、Cole−Coleプロットした(測定)点の軌跡(インピーダンス軌跡)を示す。
上記のように、接触時測定データのCole円の中心Oは、正常時測定データ(正常データ)のCole円の中心Oよりも、x軸の負方向(図8中の左方向)に移動する。従って、上記の正常データベースに格納された、多数の正常な被験者の集団から採取した正常な生体電気インピーダンスZ’のデータ(集団正常データ)、又は今回の測定対象となっている被験者の過去の正常な生体電気インピーダンスZ’のデータ(個人内正常データ)に基づいて、正常データCole円算出回路13により、正常データのCole円を算出する。また、測定データCole円算出回路12は、上記のインピーダンス測定回路11によって測定された、(測定対象部位の)各周波数の生体電気インピーダンスZにおけるレジスタンスRとリアクタンスXを用いて、測定データのCole円を算出する。
上記の各Cole円の算出処理後、測定異常判定回路14は、上記の正常データのCole円の中心を始点とし、測定データのCole円の中心を終点とするベクトルv(v,v)が、(v<0)かつ(|v|>σ)の条件を満たすか否か(測定データのCole円の中心が、正常データのCole円の中心から見て、レジスタンスRが小さくなる方向へ一定量σ以上ずれているか否か)を調べることで、被験者の身体の部位同士の接触を検出することができる。すなわち、測定異常判定回路14は、正常データのCole円の中心に対する、測定データCole円算出回路12により算出された測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離(|v|)に基づいて、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する。ここで、上記のσは、上記の正常データベースに格納された正常データから算出される、|v|(正常データのCole円の中心と測定データのCole円の中心との、x軸方向における距離)の正常範囲を示す閾値である。
<2−3.原因(2)によるインピーダンス測定異常の判定>
また、上記(2)手脚電極と被験者の身体との接触不良に起因する測定異常については、特許文献1に記載の装置と同様な方法により、この原因による測定異常を検出することができる。具体的には、接触インピーダンス(接触抵抗)がある閾値よりも大きくなった場合に、被験者の手及び脚が手脚電極にきちんと接触できていないと考えられることから、測定異常判定回路14は、接触インピーダンス測定回路18によって閾値以上の大きさを持つ接触インピーダンスを測定した場合に、手脚電極と被験者の身体との接触不良に起因する測定異常が発生したと検出する。すなわち、測定異常判定回路14は、接触インピーダンス測定回路18によって測定された接触インピーダンスに基づいて、測定用電極(手脚電極)と被験者の身体との接触不良に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する。
CPU10(の測定異常判定回路14)は、接触インピーダンスの測定時には、今回の生体電気インピーダンスの測定に使用される電極と被験者の身体との間の接触インピーダンスを測定するために、電極切替回路6により、マルチ周波数電流印加回路7と電圧測定回路8に接続する電極を切り替える。具体的には、CPU10(の測定異常判定回路14)は、まず、電極切替回路6により、今回の生体電気インピーダンスの測定に使用される2つの電流印加用電極を、マルチ周波数電流印加回路7と電圧測定回路8に接続するように切り替える。そして、CPU10(の測定異常判定回路14)は、この電流経路における接触インピーダンスを、接触インピーダンス測定回路18により測定する。続いて、CPU10(の測定異常判定回路14)は、電極切替回路6により、今回の生体電気インピーダンスの測定に使用される2つの電圧測定用電極を、マルチ周波数電流印加回路7と電圧測定回路8に接続するように切り替える。そして、CPU10(の測定異常判定回路14)は、この電圧測定経路における接触インピーダンスを、接触インピーダンス測定回路18により測定する。測定異常判定回路14は、上記の電流印加用電極間の経路(電流経路)で測定した接触インピーダンス、又は電圧測定用電極間の経路(電圧測定経路)で測定した接触インピーダンスのいずれかが、閾値以上の大きさを持つ場合に、手脚電極と被験者の身体との接触不良に起因する測定異常が発生したと検出する。
例えば、今回の生体電気インピーダンスの測定に使用される電流印加用電極が、2aと5aであり、電圧測定用電極が、2bと5bである場合には、CPU10(の測定異常判定回路14)は、まず、電極切替回路6により、電流印加用電極2a,5aをマルチ周波数電流印加回路7と電圧測定回路8に接続して、この電流経路における接触インピーダンスを、接触インピーダンス測定回路18により測定する。次に、CPU10(の測定異常判定回路14)は、電極切替回路6により、電圧測定用電極2b,5bをマルチ周波数電流印加回路7と電圧測定回路8に接続して、この電圧測定経路における接触インピーダンスを、接触インピーダンス測定回路18により測定する。そして、測定異常判定回路14は、上記の電流印加用電極2a,5a間の電流経路で測定した接触インピーダンス、又は電圧測定用電極2b,5b間の電圧測定経路で測定した接触インピーダンスのいずれかが、閾値以上の大きさを持つ場合に、手脚電極と被験者の身体との接触不良に起因する測定異常が発生したと検出する。
<2−4.原因(3)によるインピーダンス測定異常の判定>
また、上記(3)(被験者の手又は脚の極端な乾燥)に起因する測定異常については、接触インピーダンスの時系列データを用いて検出することができる。この接触インピーダンスの時系列データは、以下のようにして作成される。すなわち、CPU10(の測定異常判定回路14)が、上記の測定方法で、所定のサンプリング周期で接触インピーダンス測定回路18により測定した接触インピーダンスを、RAM21又はフラッシュROM20に記憶していくことにより、上記の接触インピーダンスの時系列データを、作成する。測定異常判定回路14は、この接触インピーダンス測定回路18によって測定された接触インピーダンスの時系列データに基づいて、被験者の手又は脚の乾燥に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する。
上記の接触インピーダンスの時系列データを用いた、被験者の手脚の乾燥に起因する測定異常の検出は、下記のように行われる。一般に、被験者の手脚が乾燥している場合、接触インピーダンスは、時間が経過するにつれて徐々に減少していく傾向がある。例えば、3秒の間、ΔZ(=Z今回値 − Z前回値)が連続で負になるといったことである。すなわち、仮に、接触インピーダンスを1秒毎にサンプリングしたとすると、(最初の測定時の接触インピーダンスZ)>(最初の測定から1秒後の接触インピーダンスZ)>(最初の測定から2秒後の接触インピーダンスZ)>(最初の測定から3秒後の接触インピーダンスZ)となるということである。これは、測定用電極(手脚電極)に手脚が接触すると、時間の経過とともに測定用電極と手脚との密着性が汗等により高まるためである。すなわち、図10に示すように、接触インピーダンスは、ある収束値a(Ω)に達するまで徐々に減少し、収束値aに近づくため、接触インピーダンスの時間微分値の変動を捉えることで、被験者の手又は脚の乾燥に起因する測定異常を検出することができる。
従って、測定異常判定回路14は、上記の接触インピーダンスの時系列データに基づいて、接触インピーダンスが、時間が経過するにつれて徐々に減少していく傾向があるか否かを判定し、減少傾向があると判定したときには、被験者の手又は脚の乾燥に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常が生じていると判定する。なお、測定異常判定回路14は、上記の接触インピーダンスの時系列データに基づいて、接触インピーダンスの減少度合いが閾値を超えているか否かを判定し、閾値を超えていると判定した場合に、被験者の手又は脚の乾燥に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常が生じていると判定してもよい。
<3.体組成計の動作>
図11は、本体組成計1が行う処理のうち、生体電気インピーダンスの測定異常の判定に関わる処理を示すフローチャートである。図11に示す処理において、体組成計1のCPU10は、生体電気インピーダンスの測定異常の原因を特定する処理と、被験者の身体における上記測定異常の発生源となる部位(異常部位)を特定する処理と、異常部位がある場合に、測定経路を変更して再測定する(測定し直す)処理とを行う。
具体的には、体組成計1のCPU10(の測定異常判定回路14)は、図12に示される10個の測定経路のうち、1つの測定経路を選択して、選択した測定経路に含まれる電流経路と電圧測定経路について、これらの経路における接触インピーダンスを、接触インピーダンス測定回路18により測定する(S1)。また、体組成計1のCPU10(の測定異常判定回路14)は、所定のサンプリング周期で、上記の接触インピーダンスの測定を繰り返すことにより、上記の接触インピーダンスの時系列データを作成する。
次に、体組成計1のCPU10(の測定異常判定回路14)は、インピーダンス測定回路11を用いて、上記の選択した測定経路における、各周波数のレジスタンスRとリアクタンスXとを算出(測定)する(S2)。そして、CPU10(の測定異常判定回路14)は、上記S1で測定した接触インピーダンスに基づいて、測定用電極(手脚電極)と被験者の身体との接触不良に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する(S3)。
次に、CPU10(の測定異常判定回路14)は、上記S1で測定した接触インピーダンスより作成した、接触インピーダンスの時系列データに基づいて、被験者の手又は脚の乾燥に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する(S4)。
そして、CPU10(主に、測定異常判定回路14)は、上記S2で測定した各周波数のレジスタンスRとリアクタンスXとを用いて、測定データCole円算出回路12により測定データのCole円を算出して、正常データのCole円に対する、測定データのCole円のずれ量に基づいて、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する(S5)。なお、この身体の部位同士の接触に起因する測定異常の有無の判定においては、測定データのCole円の中心が、正常データのCole円の中心から見て、レジスタンスRが小さくなる方向へ一定量σ以上ずれているか否かに基づいて判定することが望ましい。
CPU10(の測定異常判定回路14)は、上記S3乃至S5の判定のうち、少なくとも1つの判定で測定異常があると判定した場合は、その測定経路において何らかの異常があると判定する。CPU10(の測定異常判定回路14)は、図12に示される10個の測定経路の全てについて、上記S3乃至S5の判定を行う。そして、全ての測定経路での測定異常の判定の結果(S6でYES)、(測定)異常のある測定経路が存在する(異常部位が存在する)場合には(S7でYES)、CPU10(の異常部位特定回路16)は、複数の測定経路での測定異常の判定結果に基づいて、被験者の身体における測定異常の発生源となる部位(異常部位)を特定する(S8)。また、複数の測定経路のうちのいずれかの測定経路で測定異常があったときには、CPU10(の再測定制御回路17)は、この測定経路により測定されるべき部位の生体電気インピーダンスを、この部位のインピーダンス測定に通常使用する測定経路ではない測定経路を用いて(測定経路を変更して)、インピーダンス測定回路11により測定し直す(再測定する)ように制御する(S9)。
次に、上記S8に示す異常部位の特定処理について、図12を参照して詳述する。図12において、破線の矢印付き曲線は、電流経路を示し、実線の矢印付き曲線は、電圧測定経路を示す。異常部位特定回路16は、図12に示される10個の測定経路のうちの複数の測定経路での測定異常の判定結果の組み合わせに基づいて、被験者の右腕、左腕、右脚、及び左脚のうちのどこで異常が起きているのかを特定する。以下に、異常部位特定回路16が、異常が起きている被験者の部位の特定に、複数の測定経路での測定異常の判定結果の組み合わせを用いる理由を説明する。
前提として、1つの測定経路におけるインピーダンス測定異常の判定結果のみからその測定経路に含まれる被験者のいずれの部位がインピーダンス測定異常の原因となったかを特定することはできない。例えば、図12に示される右半身の測定経路でインピーダンス測定異常が発生したときには、この測定経路でのインピーダンス測定異常の判定結果のみから異常部位が右腕であるのか又は右脚であるのかを特定することはできない。
また、被験者の身体の部位同士が接触している場合には、他の部位と接触している部位に対応する電圧測定用電極を電圧測定経路に含む測定経路での生体電気インピーダンスに影響が出る。しかしながら、この場合には、他の部位と接触している部位に対応する電圧測定用電極を電圧測定経路に含まず、且つ他の部位と接触している部位に対応する電流測定用電極を電流測定経路に含む測定経路での生体電気インピーダンスには影響が出ない。例えば、右腕が体幹部と接触している場合には、電圧測定用電極3bを電圧測定経路に含む測定経路、すなわち図12に示される右半身の測定経路、両腕の測定経路、右腕の測定経路、左腕の測定経路、及び右腕−左脚間の測定経路での生体電気インピーダンスの全てに影響を与える。
さらに、手脚電極と被験者の身体とが接触不良である場合、及び被験者の手又は脚が極端に乾燥している場合には、被験者の身体と接触不良の電圧測定用電極又は電流測定用電極、及び極端に乾燥している被験者の手又は脚に接触する電圧測定用電極又は電流測定用電極を測定経路に含む、接触インピーダンスに影響が出る。例えば、右腕が右手電極3a,3bと接触不良である場合には、電流印加用電極3aを電流印加経路に含む測定経路、及び電圧測定用電極3bを電圧測定経路に含む測定経路、すなわち図12に示される右半身の測定経路、両腕の測定経路、右脚の測定経路、右腕の測定経路、左腕の測定経路、及び右腕−左脚間の測定経路での接触インピーダンスの全てに影響を与える。
以上のような理由により、異常部位特定回路16は、複数の測定経路での測定異常の判定結果の組み合わせに基づいて、異常が起きている被験者の部位を特定する。上記の異常部位の特定結果は、表示装置19に表示する等の方法により、被験者に報知してもよいし、上記S9に示す再測定処理において、再測定時に使用する測定経路を決定する際に使用してもよい。
次に、上記S9に示す再測定処理について、図13を参照して詳述する。図13において、破線の矢印付き曲線は、電流経路を示し、実線の矢印付き曲線は、電圧測定経路を示す。上記S7に示す判定の結果、(測定)異常のある測定経路が存在する(異常部位が存在する)場合には、CPU10(の再測定制御回路17)は、測定異常時の生体電気インピーダンスの値ではなく、正確な生体電気インピーダンスの値を測定(採取)することができるようにするために、測定経路のうち、電圧測定経路を変更せず、電流経路を切り替える。これにより、例えば、片側の手もしくは脚の欠損があった場合、及び麻痺があり電極に四肢を接触させることが困難な場合でも、元の測定経路により測定されるべき部位の生体電気インピーダンスを、生体電気インピーダンスの測定経路を変更して、測定(採取)することが可能となる。
例えば、右脚用の電流印加用電極(図1中の5aに相当)に右脚を接触させることが困難な場合、CPU10(の再測定制御回路17)は、図13に示すように、破線で示される電流経路を変更し(切り替え)、変更後の電流経路を用いて、インピーダンス測定回路11により、右腕(元の測定経路により測定されるべき部位)の生体電気インピーダンスを測定することができる。図13では、電流経路は、右脚と右腕とを結ぶ電流経路(右脚から右腕に電流を流す電流経路)から、左脚と右腕とを結ぶ電流経路(左脚から右腕に電流を流す電流経路)に切り替えられている。なお、この再測定時に使用する測定経路を決定する際に、CPU10(の再測定制御回路17)は、上記S8に示す異常部位の特定処理の処理結果を用いてもよい。
上記のように、本実施形態の体組成計1によれば、正常な生体電気インピーダンスのデータを用いて算出した正常データのCole円に対する、測定データのCole円のずれ量に基づいて、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定するようにした。これにより、上記特許文献2に記載の装置と異なり、被験者の身体の部位同士が接触している場合のように、各周波数における被験者の生体電気インピーダンス測定値のインピーダンス軌跡に対するバラツキの大きさに基づいて、生体電気インピーダンスの測定異常を判定することが難しい場合でも、正常データのCole円を基準にして、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を正確に判定することができる。従って、被験者の身体における部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常を正確に検出することができる。このため、本実施形態の体組成計1によれば、被験者の身体における部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常があった場合でも、この測定異常を被験者に報せる等の方法により、不正確な生体電気インピーダンスのデータに基づいて求めた体組成に関する指標を、被験者が正しいものと誤認して、過度の食事又は運動といった誤った行動をとることを防ぐことができる。
また、本実施形態の体組成計1によれば、測定データCole円算出回路12が、インピーダンス測定回路11によって、少なくとも3つ以上の周波数、又は20kHz以上で100kHz以下の周波数を1つ以上含む2つ以上の周波数で測定したレジスタンスとリアクタンスを用いて、測定データのCole円を算出するようにした。これにより、上記図3(a)(b)で説明したように、確実に、Cole円を算出する(描く)ことができる。
また、本実施形態の体組成計1によれば、測定異常判定回路14が、正常データのCole円の中心に対する、測定データCole円算出回路12により算出された測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定するようにした。ここで、被験者の身体の部位同士が接触している時には、測定データのCole円の中心がx軸の負方向へ移動する。従って、正常データのCole円の中心に対する、測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を正確に判定することができる。
また、本実施形態の体組成計1によれば、測定用電極と被験者の身体との間に発生する接触インピーダンスを測定する接触インピーダンス測定回路18をさらに備え、測定異常判定回路14が、正常データのCole円に対する測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理に加えて、接触インピーダンス測定回路18によって測定された接触インピーダンスに基づいて、測定用電極と被験者の身体との接触不良に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理と、接触インピーダンス測定回路18によって測定された接触インピーダンスの時系列データに基づいて、被験者の手又は脚の乾燥に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理とを行うようにした。これにより、生体電気インピーダンスの測定異常の原因が、被験者の身体の部位同士の接触と、測定用電極と被験者の身体との接触不良と、被験者の手又は脚の乾燥とのうちのいずれであるのかを特定することができる。
また、本実施形態の体組成計1によれば、複数の測定経路のうちのいずれかの測定経路で測定異常があったときに、この測定経路により測定されるべき部位の生体電気インピーダンスを、この部位のインピーダンス測定に通常使用する測定経路ではない測定経路を用いて、インピーダンス測定回路11により測定し直すように制御する再測定制御回路17を備えるようにした。これにより、例えば、片側の手もしくは脚の欠損があった場合、及び麻痺があり電極に四肢を接触させることが困難な場合でも、元の測定経路により測定されるべき部位の生体電気インピーダンスを測定することができる。
次に、図14を参照して、本発明の第2の実施形態の体組成計1について説明する。図14に示される第2の実施形態の体組成計1の電気的ブロック構成は、第1の実施形態における再測定制御回路17(図1参照)を備えていない点と、報知制御回路31を備えている点以外は、第1の実施形態の体組成計1と同様である。従って、図14における報知制御回路31以外の構成要素(ブロック)については、図1中の各ブロックと同じ符号を付して、その説明を省略する。上記の報知制御回路31は、請求項における報知制御部に相当する。
報知制御回路31は、測定異常判定回路14によって生体電気インピーダンスの測定異常が有ったと判定されたときに、測定異常の原因に応じて、被験者に(適切な姿勢をとる等の)適切な対応策をとらせるように促すための報知を行うように制御する。例えば、測定異常判定回路14が、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常が有ったと判定したときに、測定対象の部位が、左腕であった場合(図12参照)には、報知制御回路31は、接触している箇所(この場合は左上肢と体幹の間)を、表示装置19に表示すると共に、左上肢と体幹との空間を取ること、或いは左上肢と体幹との間に非導電性物質(タオルなど)を介するようにして、左上肢と体幹を接触させないようにすることを促すためのメッセージを、表示装置19に表示(提示)する。また、測定異常判定回路14が、被験者の手又は脚の乾燥に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常が有ったと判定したときは、「手脚が乾燥しているので、水で濡らすべきです」等のメッセージを、表示装置19に表示(提示)する。なお、上記の被験者に適切な対応策をとらせるように促すための報知(メッセージの提示等)は、表示装置19ではなく、スピーカ24を用いて行ってもよい。また、報知制御回路31は、上記図11中のS8に示す異常部位の特定処理の結果を用いて、被験者にとらせるべき対応策の詳細を変更してもよい。
ここで、上記特許文献1に記載された生体インピーダンス測定装置、及び上記特許文献2に記載された身体組成推計装置では、何らかの原因(好ましくない測定状況)により生体電気インピーダンスの測定異常が生じていることを検出することは可能であるが、生体電気インピーダンスの測定異常の原因を特定することができないため、上記のような被験者に適切な対応策をとらせるように促すための報知を行うことができない。従って、これらの装置では、被験者が好ましくない測定状況をどのように改善すべきか(どのような対応策をとるべきか)分からないので、被験者の正確な生体電気インピーダンスの値を取得することができなかった。これに対して、本実施形態の体組成計1によれば、上記のように、生体電気インピーダンスの測定異常の原因を特定して、被験者に適切な対応策をとらせるように促すための報知を行うことができるので、被験者が、この報知に基づいて、適切な対応策をとることができる。従って、本実施形態の体組成計1によれば、被験者の正確な生体電気インピーダンスの値を取得することができるので、この正確な生体電気インピーダンスの値に基づいて、体組成を正確に測定することができる。
変形例:
なお、本発明は、上記の各実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。次に、本発明の変形例について説明する。
変形例1:
上記第1の実施形態では、複数の測定経路のうちのいずれかの測定経路で測定異常があったときに、CPU10が、この測定経路により測定されるべき部位の生体電気インピーダンスを、測定経路を変更して、測定し直すようにした。けれども、いずれかの測定経路で測定異常があった場合でも、この測定経路において、3つ以上の周波数で、生体電気インピーダンスを正しく測定できている場合には、これら3つ以上の周波数で測定した生体電気インピーダンス(レジスタンスとリアクタンス)から、適切なCole円を推定し(求め)、正しく測定できなかった(測定異常があった)時の周波数で測定した生体電気インピーダンスの値(測定データ)を補正するようにしてもよい。この場合に、CPU10は、正しく測定できたか否かを、図4に示す各周波数でのインピーダンス正常範囲(集団正常データから算出された正常範囲、又は個人内正常データから算出された正常範囲)から逸脱しているかどうかで判断する。具体的な補正方法は、図15に示すように、例えば5[kHz]における測定データが、異常であった場合(5[kHz]におけるインピーダンス正常範囲から逸脱している場合)、5[kHz]以外の正しく測定できた(インピーダンス正常範囲から逸脱していない)データを用いて、Cole円を推定し、5[kHz]における測定データを補正する。すなわち、5[kHz]における測定データを、Cole円上の5[kHz]の周波数に対応する点の生体電気インピーダンス(レジスタンスとリアクタンス)の値(図15中の補正データ)で置き換える。
変形例2:
また、被験者毎の「身体の部位同士接触に起因する測定異常判定」(図11のS5参照)の結果を、所定期間分、フラッシュROM20に記憶しておいて、この所定期間分の測定異常の判定結果のデータに基づいて、被験者の性格分析を行ってもよい。具体的には、被験者の身体の部位同士の接触(主に、被験者の上肢と体幹との接触、及び被験者の左右下肢同士の接触)が多いということは、その被験者は測定姿勢が不規則であるということを示し、測定姿勢が不規則であるということは、その被験者が不真面目の傾向があるということを示す。従って、上記所定期間分の測定異常の判定結果のデータのうち、身体の部位同士接触に起因する測定異常が有ると判定されたデータの割合から、被験者の性格分析(被験者が不真面目の傾向があるか否かの分析)を行うことができる。
変形例3:
また、上記の被験者毎の「身体の部位同士接触に起因する測定異常」の判定結果とBMI(Body Mass Index)とから、被験者の体型を予測(検出)してもよい。例えば、被験者のBMIの値が、被験者が痩せ型であることを示している時に、その被験者について、左右下肢同士の接触が検出された場合、その被験者は股が接触しやすい骨格をしていると考えられる。従って、この場合には、CPU10は、被験者がX脚であると検出する。ここで、CPU10は、上記の左右下肢同士の接触を以下のようにして検出する。すなわち、例えば、測定異常判定回路14が、被験者の身体の部位同士の接触に起因する、生体電気インピーダンスの測定異常が有ったと判定したときに、測定対象の部位が、両脚であった場合(図12参照)に、CPU10は、被験者の左右下肢同士の接触を検出する。また、CPU10が、上記の検出(予測)した体型に合わせた洋服を、被験者に提案するようにしてもよい。
変形例4:
また、体組成計1において、どの被験者についても、同様な(生体電気インピーダンスの)測定異常の判定結果が出る場合、被験者の身体の部位同士の接触、測定用電極と被験者の身体との接触不良、被験者の手又は脚の乾燥といった、被験者の人体に起因する測定異常ではなく、体組成計1の機器自体の異常に起因する測定異常である可能性が高い。従って、この場合には、CPU10は、体組成計1の機器自体の故障の可能性が高いことを、被験者等のユーザに提示するように制御してもよい。具体的には、例えば、「体組成計の故障の可能性が高いです」等のメッセージを、表示装置19に表示する。
変形例5:
上記の各実施形態では、体組成計1のCPU10内の正常データCole円算出回路13により、正常データのCole円を算出して、算出した正常データのCole円を用いて、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する場合の例を示した。けれども、本発明の体組成計は、これに限られず、例えば、体組成計の出荷時に、集団正常データから作成(算出)した正常データのCole円をフラッシュROMに記憶しておいて、この正常データのCole円を用いて、生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定してもよい。
変形例6:
また、体組成測定回路は、測定異常判定回路によって生体電気インピーダンスの測定異常が無かったと判定されたときに限り、インピーダンス測定回路によって測定された生体電気インピーダンスに基づいて、被験者の体組成に関する指標を求めるようにしてもよいし、測定異常判定回路によって生体電気インピーダンスの測定異常が無かったと判定されたときだけではなく、測定異常が有ったと判定されたときにも、被験者の体組成に関する指標を求めるようにしてもよい。
変形例7:
上記の各実施形態では、体組成計1が、8つの電極を用いる体組成計(両手両足測定タイプの体組成計)である場合の例について述べたが、本発明の体組成計は、これに限られず、4つの電極を用いる体組成計(両足測定タイプの体組成計)であってもよい。
変形例8:
上述した本発明の第2の実施形態の体組成計1では、再測定制御回路17(図1参照)を備えていない。しかしながら、第2の実施形態の体組成計1の変形例として、再測定制御回路17をさらに備えてもよい。すなわち、再測定制御回路17による再測定の結果に対して、測定異常判定回路14が生体電気インピーダンスの測定異常が有ったと判定したときには、報知制御回路31は、測定異常の原因に応じて、被験者に(適切な姿勢をとる等の)適切な対応策をとらせるように促すための報知を行うように制御してもよい。
変形例9:
上記の各実施形態において、必ずしも異常部位特定回路16を備える必要はない。この場合、測定異常判定回路14によって異常部位があると判定されとき(図11のフローチャートのS7でYES)には、報知制御回路31は異常部位がある旨の報知を行うように制御してもよい。
変形例10:
上記の実施形態では、体組成計1のCPU10が、インピーダンス測定回路11と、測定データCole円算出回路12と、正常データCole円算出回路13と、測定異常判定回路14と、体組成測定回路15と、異常部位特定回路16と、再測定制御回路17と、接触インピーダンス測定回路18と、報知制御回路31とを備えている。しかしながら、体組成計1とは別体の、少なくとも、CPU等の処理部と、フラッシュROM、RAM等の記憶部と、を備えるコンピュータの処理部が、インピーダンス測定回路11、測定データCole円算出回路12、正常データCole円算出回路13、測定異常判定回路14、体組成測定回路15、異常部位特定回路16、再測定制御回路17、接触インピーダンス測定回路18、及び報知制御回路31の少なくとも1つとして機能してもよい。この場合、当該コンピュータの記憶部又は当該コンピュータに接続される記憶装置である記憶媒体が、当該コンピュータの処理部を各回路として機能させるようなプログラム(体組成測定プログラム)を、格納している。すなわち、当該コンピュータは、当該プログラムを実行することによって、有線又は無線を介して接続される一般的な体組成計から、出力された交流電流の電流値と、検出された電圧値とを受け取り、上記各実施形態で説明したようなインピーダンス測定異常の判定に係る工程を実行する。なお、このようなコンピュータの例としては、PC(Personal Computer)、及びスマートフォン等のモバイル端末等がある。
1 体組成計
7 マルチ周波数電流印加回路(マルチ周波数電流印加部)
11 インピーダンス測定回路(インピーダンス測定部)
12 測定データCole円算出回路(測定データCole円算出部)
14 測定異常判定回路(測定異常判定部)
15 体組成測定回路(体組成測定部)
16 異常部位特定回路(異常部位特定部)
17 再測定制御回路(再測定制御部)
18 接触インピーダンス測定回路(接触インピーダンス測定部)
31 報知制御回路(報知制御部)
C0 正常データのCole円
C1 測定データのCole円
正常データのCole円の中心
、O 測定データのCole円の中心
AR1 正常データのCole円の内側に含まれない部分
r0 正常データのCole円の半径
r2 測定データのCole円の半径
|v| x軸方向の距離

Claims (11)

  1. 複数の周波数の交流電流を、被験者の身体に印加するマルチ周波数電流印加部と、
    前記マルチ周波数電流印加部による各周波数の交流電流印加時における、前記被験者の生体電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定部と、
    前記インピーダンス測定部によって測定された生体電気インピーダンスに基づいて、前記被験者の体組成に関する指標を求める体組成測定部とを備える体組成計において、
    前記インピーダンス測定部によって測定された各周波数の生体電気インピーダンスにおけるレジスタンスとリアクタンスを用いて、測定データのCole円を算出する測定データCole円算出部と、
    正常な生体電気インピーダンスのデータを用いて算出した正常データのCole円に対する、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円のずれ量に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する測定異常判定部とをさらに備える体組成計。
  2. 前記測定データCole円算出部は、前記インピーダンス測定部によって、少なくとも3つ以上の周波数、又は20kHz以上で100kHz以下の周波数を1つ以上含む2つ以上の周波数で測定したレジスタンスとリアクタンスを用いて、前記測定データのCole円を算出することを特徴とする請求項1に記載の体組成計。
  3. 前記測定異常判定部は、前記正常データのCole円の中心に対する、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円の中心のずれ量に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体組成計。
  4. 前記測定異常判定部は、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円の内側における領域のうち、前記正常データのCole円の内側に含まれない部分の面積に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体組成計。
  5. 前記測定異常判定部は、前記正常データのCole円の半径と、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円の半径との差の量に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体組成計。
  6. 前記測定異常判定部は、前記正常データのCole円の中心に対する、前記測定データCole円算出部により算出された測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、前記被験者の身体の部位同士の接触に起因する、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の体組成計。
  7. 前記被験者の生体電気インピーダンスの測定に用いられる測定用電極と前記被験者の身体との間に発生する接触インピーダンスを測定する接触インピーダンス測定部をさらに備え、
    前記測定異常判定部は、前記正常データのCole円に対する前記測定データのCole円の中心の方向とx軸方向の距離に基づいて、前記被験者の身体の部位同士の接触に起因する、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理に加えて、前記接触インピーダンス測定部によって測定された接触インピーダンスに基づいて、前記測定用電極と前記被験者の身体との接触不良に起因する、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理と、前記接触インピーダンス測定部によって測定された接触インピーダンスの時系列データに基づいて、前記被験者の手又は脚の乾燥に起因する、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する処理とを行うことを特徴とする請求項6に記載の体組成計。
  8. 前記測定異常判定部によって、前記被験者の身体における複数のインピーダンス測定経路での、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定し、前記複数のインピーダンス測定経路のうちのいずれかのインピーダンス測定経路で測定異常があったときに、前記複数のインピーダンス測定経路での測定異常の判定結果に基づいて、前記被験者の身体における測定異常の発生源となる部位を特定する異常部位特定部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の体組成計。
  9. 前記複数のインピーダンス測定経路のうちのいずれかのインピーダンス測定経路で測定異常があったときに、このインピーダンス測定経路により測定されるべき部位の生体電気インピーダンスを、この部位のインピーダンス測定に通常使用する測定経路ではない測定経路を用いて、前記インピーダンス測定部により測定し直すように制御する再測定制御部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の体組成計。
  10. 前記測定異常判定部によって前記生体電気インピーダンスの測定異常が有ったと判定されたときに、前記測定異常の原因に応じて、前記被験者に適切な対応策をとらせるように促すための報知を行うように制御する報知制御部をさらに備えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の体組成計。
  11. 被験者の身体に印加される複数の周波数の交流電流の各周波数の交流電流印加時における、前記被験者の生体電気インピーダンスを測定する工程と、
    前記被験者の生体電気インピーダンスを測定する工程によって測定された生体電気インピーダンスに基づいて、前記被験者の体組成に関する指標を求める工程と、
    前記被験者の生体電気インピーダンスを測定する工程によって測定された各周波数の生体電気インピーダンスにおけるレジスタンスとリアクタンスを用いて、測定データのCole円を算出する工程と、
    正常な生体電気インピーダンスのデータを用いて算出した正常データのCole円に対する、前記測定データのCole円を算出する工程により算出された測定データのCole円のずれ量に基づいて、前記生体電気インピーダンスの測定異常の有無を判定する工程と、をコンピュータに実行させるための体組成測定プログラム。
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